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特許7186993バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ
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  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図1
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図2A
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図2B
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図2C
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図3A
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図3B
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図3C
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図4
  • 特許-バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/524 20060101AFI20221205BHJP
   F16K 35/00 20060101ALI20221205BHJP
   F16K 7/16 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
F16K31/524 A
F16K35/00 A
F16K7/16 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017220714
(22)【出願日】2017-11-16
(65)【公開番号】P2019090500
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591176258
【氏名又は名称】株式会社飯塚鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110002893
【氏名又は名称】弁理士法人KEN知財総合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100186750
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健司
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 肇
(72)【発明者】
【氏名】中川 誠一
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝宏
(72)【発明者】
【氏名】神保 義裕
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特許第6232516(JP,B1)
【文献】特開2001-146977(JP,A)
【文献】実開昭61-202768(JP,U)
【文献】特開2016-89901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/44-31/62
F16K 35/00
F16K 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラムバルブのダイヤフラムを操作する操作部材を開閉方向に駆動させるバルブ駆動装置であって、
所定の軸線を中心に回転自在に保持され、カム溝を含む溝部を外周面に有するステムと、
前記ステムの前記外周面が挿入される円筒部を有するとともに前記操作部材に連結され、前記所定の軸線周りの回転が規制され、前記所定の軸線方向に進退可能に案内された可動部材と、
前記可動部材の前記円筒部に形成された保持凹部と前記ステムの溝部とにより保持され、前記ステムの回転に伴って前記溝部を移動するボールと、を有し、
前記溝部は、前記カム溝の両端部に、当該カム溝に連続して形成され、かつ、前記ステムの回転位置を解除可能にロックするロック溝を有し、
前記ロック溝は、前記溝部と異なる向きで、かつ、水平方向に対して互いに逆に傾斜する向きにそれぞれ形成され、
前記ステムの回転位置は、弾性部材の付勢力で前記ボールを前記ステムに押しつける力を利用してロックされるのではなく、前記ボールが前記ロック溝に係合することにより、解除可能にロックされ、
前記保持凹部は、前記円筒部を半径方向に貫通する貫通孔からなり前記ボールを収容する収容孔と、前記収容孔からの前記ボールの脱落を防ぐために当該ボールの背後から当該収容孔に圧入された金属製の円筒ピンとからなる、
バルブ駆動装置。
【請求項2】
前記円筒ピンは、前記ボールとの摩擦を少なくするために、前記ボールよりも軟らかい材料で形成されている、請求項1に記載のバルブ駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のバルブ駆動装置を備えたことを特徴とするダイヤフラムバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ駆動装置およびダイヤフラムバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダイヤフラムバルブとして、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。このダイヤフラムバルブは、手動バルブであって、流路を画定するバルブボディ、バルブボディに形成されたバルブシートに対して移動可能に設けられて流路を開閉するダイヤフラム、ダイヤフラムを押圧するダイヤフラム押え、および、ダイヤフラム押えを開閉方向に駆動する駆動機構を有する。駆動機構は、バルブボディ上に設けられたケーシング内に収められ、当該ケーシングに回転自在に保持されたステムと、ケーシング内で回転を規制されつつバルブ開閉方向に移動自在に案内されカム溝が形成されるとともにダイヤフラム押えと連結されたカム筒とを有し、ステムに設けられたカムピンがカム筒のカム溝にローラを介して係合することにより、ハンドルを用いてステムを回転させることでステムの回転方向に応じてカム筒が開方向又は閉方向に移動し、ダイヤフラムが操作される。
また、開位置および閉位置でカム筒の回転位置を維持するために、ステムに形成したボール収容孔にボールとばねを設けボールが部分的に突出するようにボール収容孔の入口を加締める。そして、全開時にボールをカム溝の全閉域側の端部に当接させ、あるいは、全閉時にボールをカム溝の全開域側の端部に当接させることにより、ボールに作用するばねの付勢力によりステムの回転を規制し、ダイヤフラムバルブを全開位置あるいは全閉位置に安定的に保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3570620号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のダイヤフラムバルブでは、カム筒に貫通孔からなるカム溝の加工には、エンドミルが使用される。この際、エンドミルの側面切削でカム溝の壁面を加工するが、加工した形状はガイドローラとの接触が均一ではなく、均一に接触させるためには形状の制限や加工方法の変更から高価なものになる。現状の設計では溝形状とローラとの接触は線または不定形状で接触しており、カム溝を移動するローラの動きが円滑でなくなるという問題が存在した。また、ダイヤフラムバルブの全閉時はダイヤフラムを本体に一定の力で押しつけることが必要であり、保持力や押し付け力を維持する構造が求められる。
また、上記のダイヤフラムバルブでは、ステムにボール収容孔を形成し、この収容穴にばねとボールを収容し、さらに収容穴の入口を加締める必要があり、工数が相対的に多く、製造コストが高いという問題もある。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み鋭意なされたものであって、その目的の一つは、より一層円滑な動きが得られ、製造コストも低減されたバルブ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバルブ駆動装置は、ダイヤフラムバルブのダイヤフラムを操作する操作部材を開閉方向に駆動させるバルブ駆動装置であって、
所定の軸線を中心に回転自在に保持され、カム溝を含む溝部を外周面に有するステムと、
前記操作部材に連結され、前記所定の軸線周りの回転が規制され、前記所定の軸線方向に進退可能に案内された可動部材と、
前記可動部材に形成された保持凹部と前記ステムの溝部とにより保持され、前記ステムの回転に伴って前記溝部を移動するボールと、を有する。
【0007】
好適には、前記溝部は、前記カム溝の両端部に、当該カム溝に連続して形成され、かつ、前記ステムの回転位置を解除可能にロックするロック溝を有する、構成を採用できる。さらに好適には、前記カム溝の深さと前記ロック溝の深さとは対応している、構成を採用できる。
【0008】
本発明のダイヤフラムバルブは、上記構成のバルブ駆動装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カム溝をステムに形成する構成を採用したことにより、形状精度が確保されたカム溝をより容易に加工することが可能になる。特に、ボールエンドミルを用いてカム溝をステムに加工することで、加工精度を確保しつつ加工時間を大幅に短縮できる。
また、本発明によれば、カム溝と一体的にロック溝を形成し、このロック溝にボールを係合させて全開位置又は全閉位置でステムの回転を解除可能にロックするので、構造を簡素化できる。
本発明によれば、ばね等の弾性部材を用いることなく、カム溝に連測して形成されたロック溝によりステムの回転を解除可能にロックできるので、構造を簡素化でき、装置のコストダウンが可能となる。
さらに、本発明によれば、ボールを介在させてステムの溝部から可動部材へカム作用およびロック作用を及ぼすため、ダイヤフラムバルブの開閉動作が非常に円滑となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るダイヤフラムバルブの縦断面図であって、バルブ全開状態を示す図。
図2A図1の駆動装置の分解斜視図。
図2B】ステム以外は点線で示した駆動装置の正面図であって、バルブ全開における状態を示す図。
図2C図1の駆動装置の正面図であって、図2Bの状態からステムを90度回転させてバルブ全閉における状態を示す図。
図3A】カム溝及びロック溝を含む溝部の展開図。
図3B図3Aの3B-3B線におけるカム溝の断面図。
図3C】ボールと溝部の関係を示す上面図。
図4図1のダイヤフラムバルブの縦断面図であって、バルブ全閉状態を示す図。
図5】溝部の変形例を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に本発明の一実施形態に係るダイヤフラムバルブ1を示す。ダイヤフラムバルブ1は、流路2aを画定するバルブボディ2、可撓性を有する金属、樹脂あるいはこれらの組み合わせから形成されたダイヤフラム5、ケーシング7、キャップ8、ダイヤフラム押え9、調整ネジ10、ハンドル20およびバルブ駆動装置30を有する。
バルブボディ2は、上部に開口部3と、開口部3の近傍に形成されたバルブシート4を有する。
ダイヤフラム5は、開口部3を塞ぐようにバルブボディ2とケーシング7との間で固定されている。
ケーシング7は、バルブボディ2に固定され、ケーシング7の上端部の外周にはキャップ8が螺合固定されており、内部にダイヤフラム押え9およびこれと連結されたバルブ駆動装置30を収容している。ケーシング7とキャップ8との間は、OリングORでシールされている。ケーシング7の上端の開口部には、円筒状の調整ネジ10が螺合しており、この調整ネジによりバルブ駆動装置30の上下方向A1,A2の位置を調整可能となっている。すなわち、調整ネジ10によりダイヤフラム押え9の可動範囲が調整される。
バルブ駆動装置30のステム40は、調整ネジ10を貫通しており、ステム40の調整ネジ10の上側位置にはC形止め輪11が装着され、C形止め輪11はシートリング12を介して調整ネジ10の上端面により保持されている。これにより、ステム40は、ケーシングにより中心軸線Ctを中心に回転自在に保持されている。
ステム40のC形止め輪11より上方側には、OリングORが装着され、このOリングによりキャップ8とステム40との間はシールされている。
ステム40の上端部には、ハンドルが装着され、このハンドル20を、中心軸線Ctを中心に旋回させることで、ステム40を回転させることができる。
【0012】
図2Aに駆動装置30の分解斜視図を示す。
駆動装置30は、ステム40、可動部材50、鋼球製のボール60、円筒ピン70、ガイドピン90を有する。
ステム40の外周面40aには、鋼球等からなるボール60が係合可能な溝部41が形成されている。溝部41は、ステム40の外周面40aの回転対称な2カ所に形成されている。
【0013】
図3A図3Cに溝部41の構造を示す。溝部41は、カム溝42と、カム溝42の上端に連続して形成された上側ロック溝43と、カム溝42の下端に連続して形成された下側ロック溝44とを含む。
図3Bに示すように、カム溝42の断面は、半径R1の半円状となっている。なお、カム溝42の断面は、図3Bよりも浅い円弧状にすることもできる。
上側ロック溝43および下側ロック溝44は、図3Cに示すように、カム溝42と同じ深さで形成され、断面は半径R1の半円状となっている。図3Aからわかるように、上側ロック溝43は、水平方向に対して下向きに5度傾斜する向きに形成されており、下側ロック溝44は水平方向に対して上向きに5度傾斜する向きに形成されている。
カム溝42は、下側ロック溝44から上側ロック溝43に向けて上向きに傾斜しているが、上側ロック溝43はこれとは逆の下向きに傾斜している。カム溝42と上側ロック溝43の形成方向を逆向きにすることで、下側ロック溝44側から上側ロック溝43側に向けてカム溝42を移動するボール60は、上側ロック溝43に到達すると、上側ロック溝43の5度の傾斜により解除可能にロックされるようになっている。同様に、カム溝42と下側ロック溝44の形成方向を逆向きにすることで、上側ロック溝43側から下側ロック溝44側に向けてカム溝42を移動するボール60は、下側ロック溝44に到達すると、下側ロック溝44の5度の傾斜により解除可能にロックされるようになっている。
図3Aにおいて、上側ロック溝43と下側ロック溝44の上下方向A1,A2の距離STが後述する可動部材50の上下方向A1,A2のストロークを規定し、上側ロック溝43と下側ロック溝44の水平方向の距離Rがステム40の回転角度(本実施形態では90度)を規定している。
カム溝42、上側ロック溝43および下側ロック溝44の加工には、工具として、例えば、ボールエンドミルを使用できる。ボールエンドミルの先端のR部の半径を半径R1に合わせて加工すれば、エンドミルの側面切削の場合と比べて、加工精度および加工時間の両方を大幅に改善できる。
【0014】
図2Aに戻って、可動部材50は、ステム40の外周面40aが挿入される円筒部51を有する。円筒部51には、中心軸線Ctに関して回転対称な2カ所の位置に半径方向に延びる貫通孔からなる収容孔52が形成されている。
収容孔52は、ボール60の直径よりも若干大きな直径に形成され、収容孔52はボール60を転動自在に保持する。
円筒ピン70は、金属製の円筒状部材で形成され、収容孔52の直径より若干大きい外形を有し、ボール60よりも軟らかい金属で形成されるのが好ましい。ボール60の回転摩擦を少なくするためである。円筒ピン70は、収容孔52内に収容されたボール60の背後から収容孔52内に打ち込まれる(圧入される)、ボール60の収容孔52からの脱落を防ぐ。収容孔52と円筒ピン70とにより、ボール60を溝部41と協働して保持する保持凹部が構成されている。ボール60は、保持凹部の底部(円筒ピン)および内周面と溝部42により保持されている。円筒ピン70を用いることにより、円筒ピン70の一端部にボール60の一部が摺動可能に嵌るようになっている。収容孔52内の円筒ピン70の位置は、ボール60が溝部41と保持凹部との間で円滑に移動でき、かつ、ガタツキができるだけ少なくなるように調整される。
可動部材50の筒状部51の底面より下方位置には、可動部材50を直径方向に貫通するガイドピン孔54が形成されている。このガイドピン孔54にガイドピン90が挿入され、ガイドピン90の両端部は、可動部材50の外周面から突出する。ガイドピン90が上記したケーシング7に中心軸線Ctの方向A1,A2に沿って形成された図示しないガイド溝に嵌ることにより、可動部材50の中心軸線Ct周りの回転が規制されるとともに、中心軸線Ct方向A1,A2に進退可能にガイドされる。
【0015】
図2Bにダイヤフラムバルブ1の全開状態の際のバルブ駆動装置30を示し、図2Cにダイヤフラムバルブ1の全開状態の際のバルブ駆動装置30を示す。
図2Bに示すように、ダイヤフラム1の全開状態では、各ボール60は、対応する上側ロック溝43に位置付けられている。すなわち、各ボール60は、収容孔52からステム40側に一部が突出した状態で収容孔52に収容されている。
【0016】
図2Bに示す状態から、図示しないハンドル20を操作して、中心軸線Ctを中心にステム40を回転させると、ボール60は上側ロック溝43から外れ、カム溝42に移動する。上側ロック溝43およびカム溝42がボールに適合しており、かつ、ボール42は拘束されることなく自由に転動又は摺動するため、ハンドル20の操作は円滑に行われる。
【0017】
ボール60が上側ロック溝43から外れ、カム溝42に移動すると、ボール40を介在させてステム40のカム溝42から可動部材50へカム作用が及び、可動部材50が下方向A2に移動する。これにより、ダイヤフラム押え9がダイヤフラム5をバルブシート4に向けて押圧する。カム溝42はボール60が適合するように形成され、加えて、ボール60は転動および摺動が自在であるため、カム溝42から可動部材50へ非常に円滑に力が作用する。
【0018】
ステム40が図2Bに示す状態から、90度回転すると、ボール60がカム溝42から下側ロック溝44に嵌り、図2Cに示す状態となる。この状態では、ダイヤフラム5がバルブシート4に押し付けられ、ダイヤフラムバルブ1が全閉状態となる。図4は、ダイヤフラムバルブ1の全閉状態を示している。
ダイヤフラム1の全閉状態では、各ボール60は、対応する下側ロック溝44に位置付けられ、各ボール60は、収容孔52からステム40側に一部が突出した状態で収容孔52に保持されている。
【0019】
本実施形態によれば、カム溝42および上側ロック溝43,下側ロック溝44をステム40に形成する構成を採用したことにより、形状精度が確保されたカム溝42をより容易に加工することが可能になる。特に、ボールエンドミルを用いてカム溝をステムに加工することで、加工精度を確保しつつ加工時間を大幅に短縮できる。
また、本実施形態によれば、カム溝42と一体的に上側ロック溝43および下側ロック溝44を形成し、上側ロック溝43および下側ロック溝44に係合するボール60によりダイヤフラムバルブ1の全開位置又は全閉位置でステム40の回転を規制するので、構造を簡素化できる。
さらに、本実施形態よれば、ボール60を介在させてステム40のカム溝42から可動部材50へカム作用を及ぼすため、カム機構に非常に円滑な動きが得られる。
【0020】
上記実施形態では、カム溝42と上側ロック溝43および下側ロック溝44とをボール40の半径R1に適合するように形成したが、これに限定されるわけではなく、例えば、カム溝42ついては、V溝等の他の形状を採用してもよいし、上側ロック溝43および下側ロック溝44の構造も回転をロックする機能を発揮できれば、他の構造を採用することも可能である。
【0021】
変形例
図5は、溝部の変形例である。ステム40Bに形成されたカム溝42は上記実施形態と同様であるが、上側ロック溝43Bおよび下側ロック溝44Bは、カム溝42よりも深い位置に形成されている。この場合には、上側ロック溝43Bおよび下側ロック溝44Bとボール60との間に隙間が形成されてしまうため、円筒ピン70とボール60との間にコイルばね等の弾性部材を介在させて、ボール60を上側ロック溝43Bおよび下側ロック溝44Bに押し付ける構成を採用できる。また、上側ロック溝43Bおよび下側ロック溝44Bとカム溝42との間の段差は滑らかな傾斜面とすることで、カム機構およびロック機構の円滑な作動を維持できる。なお、この場合にも、ロック機構はあくまでもロック溝の形状によりステムの回転位置をロックするのであって、ばね等の付勢力をステムの回転位置のロックに利用するわけではない。
【0022】
上記実施形態では、ステム40に2条の溝部41を形成した場合について例示したが、これに限定されるわけではなく、例えば、回転対称な位置に4条を形成してもよく、1条のみ形成することも可能である。
【0023】
上記実施形態では、円滑なカム動作が得られるため、手動バルブだけでなく、流体駆動、電動等の他の自動バルブに本発明のバルブ駆動装置を採用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 ダイヤフラムバルブ
2 バルブボディ
2a 流路
3 開口部
4 バルブシート
5 ダイヤフラム
7 ケーシング
8 キャップ
9 ダイヤフラム押え
10 調整ねじ
11 C形止め輪
12 シートリング
20 ハンドル
30 バルブ駆動装置
40 ステム
41 溝部
42 カム溝
43 上側ロック溝
44 下側ロック溝
50 可動部材
51 円筒部
52 収容孔
54 ガイドピン孔
60 ボール
70 円筒ピン
90 ガイドピン
OR Oリング
Ct 中心軸線

図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5