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  • 特許-発音装置 図1
  • 特許-発音装置 図2
  • 特許-発音装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】発音装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 1/07 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
G10K1/07
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018218969
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2020086080
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-039844(JP,A)
【文献】登録実用新案第3010195(JP,U)
【文献】登録実用新案第3110739(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 1/07- 1/071
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側が開口した逆さお椀形状の 発音体と、前記発音体を載置することで支持するための載置部を有する支持部材を備え、
前記載置部は弾性材からなる球形状であり、前記発音体を載置すると前記発音体の重量にて前記載置部の上面が変形し、前記発音体との面接触部を形成することで前記発音体の回転を防止し、前記発音体の正面の位置が定まることを特徴とする発音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打撃部材等で打ち鳴らす発音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
おりんやベルには、りん棒等の打撃部材で打つと音が鳴るものが知られている。
例えば特許文献1には、スプリングでおりんを支持する構造が提案されている。
しかし、同公報に開示する構造では、打鈴する際におりんが回転する恐れが高く、おりんに文様等が付されている場合に、その正面位置が確保できない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3110739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、発音体を打ち鳴らす際に、この発音体が回転するのを抑えつつ、音がよく鳴る発音装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る発音装置は、発音体と、前記発音体を載置することで支持するための載置部を有する支持部材を備え、前記載置部は前記発音体との面接触部を有することで前記発音体の回転を防止したものであることを特徴とする。
【0006】
ここで発音体とは、叩くと音が鳴るものをいい、例えばおりん,ベル等である。
発音体の材質は、音が鳴りやすいものがよく、金属製が好ましい。
金属としては、黄銅,アルミ,スチール,金,銀,白金等が例として挙げられる。
【0007】
本発明において面接触部を有すると表現したのは、発音体を支持部材の載置部に載置させた際に、発音体と載置部との間の接触部が所定の広さを有する面になっていることで、発音体が回転するのを抑えたことをいう。
従って、発音体を載置するだけで面接触しやすい点で、載置部は弾性体で形成してあることで前記発音体を載置すると前記発音体と面接触するものでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る発音装置にあっては、発音体を支持部材に載置可能にしたので、発音体の正面部を任意の位置に定めて、支持部材に載置するだけで打ち鳴らすことができ、かつ、打ち鳴らす際に発音体が支持部材と面で接触しているので、この発音体が回転するのを防止できる。
【0009】
また、載置部を弾性体で形成すると、発音体を載置するだけで支持部材の載置部が発音体の接触部の形状に合せて弾性変形するので、面接触になり、発音体の回転が抑えられるとともに、この発音体が弾性支持されているので揺れやすく振動しやすいので、音が大きくなり、その余韻も長くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る発音装置の構成例を示し、(a)は発音体を支持部材に載置する前、(b)は載置した状態、(c)は揺れる状態をそれぞれ示す。なお、発音体は断面斜視図で示した。
図2】支持部材の載置部を円形状の平面部とした例を示す。
図3】支持部材の載置部が弾性変形する例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る発音装置の構造例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0012】
図1は、発音体1として下側が開口した逆さお椀形状の例を示す。
この発音体1は、台座3から立設した支持部材2の上端部に形成した載置部2aに載置される。
発音体1の形状に制限はなく、各種形状の支持部材に載置することで、打撃部材で叩いて音が鳴るものであればよい。
【0013】
図1に示した実施例では、弾性材からなる略球形状の載置部2aにした例である。
この載置部2aに発音体1を載置すると、この発音体の重量にて載置部2aの上面(頂部)が発音体1の接触部1aの形状に合せて変形する。
従来は、点接触にて発音体が回転したが、本発明においては面で接触することになり、その接触面の摩擦抵抗により、発音体が回転しない。
接触部の形状は、面接触であれば平面形状に限定されなく、発音体の形状にあった曲面形状でもよい。
また、従来は発音体と支持部材とをねじ等にて固定したものがあったが、本発明においては発音体を支持部材に載置するだけで、発音体が打撃により揺れる発音装置となる。
発音体の所定の側面が正面になっている場合に、その正面の位置を支持部材に載置する際に定めるだけで、そのまま正面の位置が安定的に定まる。
発音体が弾性材で支持されているので、音が鳴りやすく、余韻も長い。
【0014】
本発明は、発音体の揺れを許容しつつ、回転しないように支持部材に載置した点に特徴がある。
よって、支持部材の載置部は必ずしも弾性体でなくてもよい。
例えば、図2に示すように樹脂材等の略円柱形状からなる載置部12aを支持部材12の上部に形成することで、発音体1を平面で支持することになり、その摩擦力にて回転が防止される。
また、この上面は円形状に限定されず、多角形であってもよい。
【0015】
図3は、弾性材からなる載置部22aが変形した例を示す。
このように発音体の重量にて上面が変形し、面接触になるものであれば、弾性材の材質や形状に制限がない。
【符号の説明】
【0016】
1 発音体
1a 接触部
2 支持部材
2a 載置部
3 台座
図1
図2
図3