(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】オキサビシクロヘプタンプロドラッグ
(51)【国際特許分類】
C07D 493/08 20060101AFI20221205BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20221205BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20221205BHJP
A61K 31/34 20060101ALI20221205BHJP
A61K 31/4188 20060101ALI20221205BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20221205BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20221205BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20221205BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20221205BHJP
A61K 47/55 20170101ALI20221205BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221205BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20221205BHJP
C07H 15/252 20060101ALI20221205BHJP
C07K 5/06 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
C07D493/08 A
A61K9/127
A61K9/14
A61K31/34
A61K31/4188
A61K31/496
A61K31/704
A61K45/00
A61K47/54
A61K47/55
A61P35/00
A61P43/00 121
C07H15/252 CSP
C07K5/06
(21)【出願番号】P 2018511344
(86)(22)【出願日】2016-05-12
(86)【国際出願番号】 US2016032123
(87)【国際公開番号】W WO2016186963
(87)【国際公開日】2016-11-24
【審査請求日】2019-04-24
【審判番号】
【審判請求日】2020-06-18
(32)【優先日】2015-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510090726
【氏名又は名称】リクスト・バイオテクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】コバック、ジョン・エス.
(72)【発明者】
【氏名】ボルクマン、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マルファト、アンソニー
【合議体】
【審判長】瀬良 聡機
【審判官】冨永 保
【審判官】齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-518081(JP,A)
【文献】国際公開第03/045898(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/180271(WO,A1)
【文献】国際公開第01/62242(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/132171(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/005080(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/005084(WO,A1)
【文献】特表2011-529883(JP,A)
【文献】国際公開第2014/168941(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0029683(US,A1)
【文献】特開2020-180130(JP,A)
【文献】NATURE REVIEWS.DRUG DISCOVERY、(2008)、Vol.7、pp.255-270
【文献】Drugs of the Future 1991、16(5)、pp.443-458
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造:
【化1】
を有する、化合物またはその塩。
【請求項2】
前記化合物が、
【化2】
である、請求項1に記載の化合物
またはその塩。
【請求項3】
前記化合物が、
【化3】
である、請求項1に記載の化合物
またはその塩。
【請求項4】
前記化合物が、
【化4】
である、請求項2に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
前記化合物が、
【化5】
である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
請求項1
~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩と医薬的に許容される担体とを含み、経口的に投与される医薬組成物。
【請求項7】
請求項1
~5のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩と、抗癌作用因子と、少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを含み、経口的に投与される医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2015年5月15日に出願された米国特許仮出願第62/162,501号の優先権を主張し、その仮出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願を通して、様々な公開文献が参照される。これらの文献の開示はその全体が、本発明が属する分野の技術水準をより完全に説明するために、参照により本出願に組み込まれる。
【発明の背景】
【0003】
ビタミンAの代謝物であるレチノイドは、神経膠腫を含む様々な腫瘍に対する治療に関して研究されてきた(Yung et al.1996)。核内受容体コリプレッサー(N-CoR)は、レチノイド受容体と密接に関連しており、リガンドが受容体に結合すると放出される(Bastien et al.2004)。タンパク質ホスファターゼ-1およびタンパク質ホスファターゼ-2A(PP2A)の作用を妨げることによって、抗ホスファターゼは、N-CoRのリン酸化形態を増加させ、その後の細胞質への移行を促進する(Hermanson et al.2002)。
【0004】
ホスファターゼ阻害剤であるカンタリジンは、ヒトの肝臓の癌(ヘパトーマ)および上部消化管の癌に対して抗腫瘍活性があるが、尿路に対して毒性がある(Wang、1989)。カンタリジンは、タンパク質ホスファターゼ阻害剤として作用するので、この種の化学構造を有する化合物に対し、より一般的な関心が寄せられることとなった(Li and Casida 1992)。より単純な同族体およびその加水分解生成物(除草剤、エンドタールとして市販)に肝毒性があることが先に見出されている(Graziani and Casida、1997)。複数の研究を結びつけることにより、特定のカンタリジン同族体の作用は、タンパク質ホスファターゼ-2Aに対して直接的である一方、タンパク質ホスファターゼ-1に対しては間接的であることが示される(Honkanen et al.、1993;Li et al.、1993)。
【0005】
この種の化合物の公知の同族体のうち、親化合物であるカンタリジンおよびそのビス(ノルメチル)誘導体であるノルカンタリジンのみが抗癌薬物としての用途が示されており、ノルカンタリジンのみが抗新生物剤として使用されている(Tsauer et al. 1997)。
【0006】
これらの成功にもかかわらず、この種の化合物で抗腫瘍活性または細胞毒性活性についてスクリーニングされたものはほとんどない。現在、上記の公知の物質よりも活性が高く、毒性が少なく、作用がより特異的なタンパク質ホスファターゼ阻害剤の開発が大いに必要とされている。特に、小児および成人の高度悪性神経膠腫などの疾患に対して必要とされている。
【0007】
びまん性内在性橋膠腫(DIPG:Diffuse intrinsic pontine glioma)は、小児の脳幹における制御不能な癌であり、延命のために適用される処置は放射線以外になく、最善の手当を尽くしても生存期間は約12カ月である。補助的な化学療法が多数試みられたが、顕著な転帰の改善は得られていない(Warren et al. 2011;Hawkins et al.2011)。米国では毎年約300件が新たな症例として診断される。多形膠芽腫(GBM:Glioblastoma multiforme)は、米国で年間約20,000人の成人で生じる侵襲性の脳癌であり、標準的治療(最初に外科手術、次いで放射線とテモゾロミドを6週間、次いで経口テモゾロミドを毎日)では、50年間の実験的治療の試験にもかかわらず、平均生存期間が1年未満から約18カ月延びるにすぎない(Stupp et al.2009)。これらの神経膠腫に対する新たな処置方法が早急に必要とされている。
【0008】
癌の処置に使用される多くの化学療法剤は、深刻な毒性を示し、患者に望ましくない副作用を与え、安全に投与できる用量に制限すると効果が減少する。インビボで活性薬物に変換されるプロドラッグは、親薬物に比べて多くの利点、例えば、溶解度の増加、増強された安定性、向上したバイオアベイラビリティ、低減された副作用、特定の組織に対する薬物の良好な選択性および改善された侵入性を与えうる。プロドラッグの活性化には、加水分解活性化を含む様々な機構を介して、多数の酵素が関与してもよい(Yang、Y.et al.2011)。プロドラッグの加水分解活性化に関与する酵素としては、カルボキシエステラーゼおよびアミダーゼが挙げられる。
【0009】
エンドタール(endothal)は、7-オキサビシクロ(2.2.1)ヘプタン-2,3-ジカルボン酸の一般名である。エンドタールは、PP2A阻害剤であり、PP2Aは、植物と動物の両方に存在し、タンパク質の脱リン酸化に関与する酵素である。エンドタールは、ハンミョウ類の多くの種で分泌される化合物のカンタリジンと構造的に類似している。エンドタールは、活性な枯葉剤として知られており、多くの農業環境で強力な接触性枯葉剤として使用されている。エンドタールは、収穫前乾燥剤および選択的発芽前除草剤として有効と考えられている。エンドタールは、限られた数のヒト癌細胞株に対してしか試験されていない(Thiery J.P.et al.1999)。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、構造:
【0011】
【0012】
(ここで、
Xは、OR1、NR2R3、OH、O-アルキル、O-アルケニル、O-アルキニル、O-アリール、O-アルキルアリール、O-ヘテロアリール、
【0013】
【0014】
であり、
ここで、R1は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0015】
【0016】
であり、
R2およびR3は、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0017】
【0018】
であり、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、C(O)O-t-Buまたは-CH2CNであり、
R18は、Hまたはアルキルであり、
R19は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0019】
【0020】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0021】
【0022】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0023】
【0024】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
ここで、YがOR9であり、R9がH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールである場合、Xは、
【0025】
【0026】
であり、
Xが
【0027】
【0028】
であり、R17がCH3である場合、Xは、-O(C4アルキル)-OP(O)(OEt)2または-NH(C4アルキル)-OP(O)(OEt)2以外である)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【0029】
また本発明は、構造:
【0030】
【0031】
(ここで、
R20およびR21は、それぞれ独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールである)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【0032】
また本発明は、構造:
【0033】
【0034】
(ここで、
X’は、OH、O(アルキル(alkly))またはNR22R23であり、
R22は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、
R23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、または
R22およびR23は、一緒になって、N-メチルピペラジンを形成し;
Y’は、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子(anti-cancer agent)Aであり、抗癌作用因子の窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子Aであり、抗癌作用因子の酸素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、
【0035】
【0036】
であり、
ここで、Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子のカルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しており、R24は、Hまたはアルキルである)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】(A)SDラットへの153のivまたはpo投与後の血漿ならびにiv投与後の肝臓および脳における、153の濃度対時間曲線。
【
図1B】(B)SDラットへの153のivまたはpo投与後の血漿ならびにiv投与後の肝臓における、エンドタールの濃度対時間曲線。
【
図1C】(C)SDラットへの157のivまたはpo投与後の血漿ならびにiv投与後の肝臓および脳における、157の濃度対時間曲線。
【
図1D】(D)SDラットへの157のivまたはpo投与後の血漿ならびにiv投与後の肝臓における、エンドタールの濃度対時間曲線。
【
図2A】(A)SDラットにおける、1mg/kgのIV投与後の105の平均血漿および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図2B】(B)雄のSDラットにおける、1mg/kgの105のIV投与後のエンドタールの平均血漿および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図2C】雄のSDラットにおける、1mg/kgの105のIV投与後の105およびエンドタールの平均血漿および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図3A】(A)雄のSDラットにおける、1.4mg/kgのIVまたはPO投与後の113の平均血漿、脳および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図3B】(B)雄のSDラットにおける、1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの平均血漿および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図3C】(C)雄のSDラットにおける、1.4mg/kgの113のIV投与後の100の平均血漿および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図3D】(D)雄のSDラットにおける1.4mg/kgの113のIVまたはPO投与後の113、100およびエンドタールの平均血漿、脳および肝臓濃度-時間プロファイル(N=2/時間点)。
【
図4A】(A)SDラットへの100のiv投与後の血漿における、100の濃度対時間曲線。
【
図4B】(B)SDラットへの100のiv投与後の脳における、100の濃度対時間曲線。
【
図4C】(C)SDラットへの100のiv投与後の肝臓における、100の濃度対時間曲線。
【
図4D】(D)SDラットへの100のiv投与後の血漿における、エンドタールの濃度対時間曲線。
【
図4E】(E)SDラットへの100のiv投与後の肝臓における、エンドタールの濃度対時間曲線。
【
図5】LB151、LB100POMおよびLB-100カルボネート(Cabronate)についての肝S9安定性試験の結果の概要。
【
図6A】(A)サル肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6B】(B)ヒト肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6C】(C)ラット肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6D】(D)サル肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6E】(E)ヒト肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6F】(F)ラット肝S9試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図6G】(G)サル肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図6H】(H)ヒト肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図6I】(I)ラット肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図6J】(J)サル肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図6K】(K)ヒト肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図6L】(L)ラット肝S9試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図7】LB151、LB100POMおよびLB-100カルボネートについての全血半減期試験の結果の概要。
【
図8A】(A)イヌ全血試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図8B】(B)ヒト全血試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図8C】(C)サル全血試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図8D】(D)ラット全血試験におけるエンドタールの形成を示すチャート。
【
図8E】(E)イヌ全血試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図8F】(F)ヒト全血試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図8G】(G)サル全血試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図8H】(H)ラット全血試験におけるLB-100の形成を示すチャート。
【
図9】LB151、LB100POMおよびLB-100カルボネートについてのMDCK-MDR1透過試験の結果の概要。
【発明の詳細な説明】
【0038】
本発明は、構造:
【0039】
【0040】
(ここで、
Xは、OR1、NR2R3、OH、O-アルキル、O-アルケニル、O-アルキニル、O-アリール、O-アルキルアリール、O-ヘテロアリール、
【0041】
【0042】
であり、
ここで、R1は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0043】
【0044】
であり、
R2およびR3は、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0045】
【0046】
であり、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、C(O)O-t-Buまたは-CH2CNであり、
R18は、Hまたはアルキルであり、
R19は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0047】
【0048】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0049】
【0050】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0051】
【0052】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
ここで、YがOR9であり、R9がH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールである場合、Xは、
【0053】
【0054】
であり、
Xが
【0055】
【0056】
であり、R17がCH3である場合、Xは、-O(C4アルキル)-OP(O)(OEt)2または-NH(C4アルキル)-OP(O)(OEt)2以外である)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【0057】
いくつかの態様において、Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0058】
【0059】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0060】
【0061】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0062】
いくつかの態様(emodiment)において、
Xは、OR1またはNR2R3であり、
ここで、R1は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0063】
【0064】
であり、
R2およびR3は、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0065】
【0066】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0067】
いくつかの態様において、
Xは、OH、O-アルキル、O-アルケニル、O-アルキニル、O-アリール、O-アルキルアリール、O-ヘテロアリールであり;
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0068】
【0069】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0070】
【0071】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0072】
いくつかの態様において、構造:
【0073】
【0074】
(ここで、
それぞれn=0~19、m=0~8およびo=0~6であり、
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0075】
【0076】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0077】
【0078】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)
を有する、化合物。
【0079】
いくつかの態様において、構造:
【0080】
【0081】
(ここで、
それぞれn=0~19、m=0~8およびn=0~6であり、
Yは、OR9であり、
ここで、R9は、
【0082】
【0083】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0084】
いくつかの態様において、構造:
【0085】
【0086】
であり、
Yは、OR9であり、
(ここで、R9は、
【0087】
【0088】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0089】
いくつかの態様において、構造:
【0090】
【0091】
(ここで、
それぞれn=0~19、m=0~8およびn=0~6であり、
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、
【0092】
【0093】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0094】
いくつかの態様において、構造:
【0095】
【0096】
であり、
Yは、NR10R11であり、
(ここで、
R10は、Hであり、
R11は、
【0097】
【0098】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0099】
いくつかの態様において、構造:
【0100】
【0101】
(ここで、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0102】
【0103】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0104】
【0105】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)
を有する、化合物。
【0106】
いくつかの態様において、構造:
【0107】
【0108】
(ここで、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、OR9であり、
ここで、R9は、
【0109】
【0110】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0111】
いくつかの態様において、構造:
【0112】
【0113】
(ここで、
R17は、H、メチル、エチル、CH2CH2OH、CH2(フェニル)であり;
Yは、OR9であり、
ここで、R9は、
【0114】
【0115】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0116】
いくつかの態様において、構造:
【0117】
【0118】
(ここで、
Yは、OR9であり、
ここで、R9は、
【0119】
【0120】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0121】
いくつかの態様において、構造:
【0122】
【0123】
(ここで、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、
【0124】
【0125】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0126】
いくつかの態様において、構造:
【0127】
【0128】
(ここで、
R17は、H、メチル、エチル、CH2CH2OH、CH2(フェニル)であり;
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、
【0129】
【0130】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0131】
いくつかの態様において、構造:
【0132】
【0133】
(ここで、
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、
【0134】
【0135】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)
を有する、化合物。
【0136】
いくつかの態様において、
Xは、OR1またはNR2R3であり、
ここで、R1は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0137】
【0138】
であり、
R2は、Hであり、
R3は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0139】
【0140】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR9またはNR10R11であり、
ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0141】
【0142】
であり、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、O(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0143】
【0144】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【0145】
いくつかの態様において、
Xは、OR1であり、
ここで、R1は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0146】
【0147】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR9であり、
ここで、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0148】
【0149】
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【0150】
いくつかの態様において、
Xは、OR1であり、
ここで、R1は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0151】
【0152】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0153】
【0154】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【0155】
いくつかの態様において、
Xは、NR2R3であり、
ここで、R2は、Hであり、
R3は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0156】
【0157】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、NR10R11であり、
ここで、
R10は、Hであり、
R11は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0158】
【0159】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R14およびR15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【0160】
いくつかの態様において、
R9は、
【0161】
【0162】
である、化合物。
【0163】
いくつかの態様において、
R9は、
【0164】
【0165】
である、化合物。
【0166】
いくつかの態様において、
R9は、
【0167】
【0168】
である、化合物。
【0169】
いくつかの態様において、
R9は、
【0170】
【0171】
である、化合物。
【0172】
いくつかの態様において、
R10は、Hであり、
R11は、
【0173】
【0174】
である、化合物。
【0175】
いくつかの態様において、
R10は、Hであり、
R11は、
【0176】
【0177】
である、化合物。
【0178】
いくつかの態様において、
R10は、Hであり、
R11は、
【0179】
【0180】
である、化合物。
【0181】
いくつかの態様において、
R10は、Hであり、
R11は、
【0182】
【0183】
である、化合物。
【0184】
いくつかの態様において、
R1およびR9は、それぞれ独立して、
【0185】
【0186】
である、化合物。
【0187】
いくつかの態様において、
R1およびR9は、それぞれ独立して、
【0188】
【0189】
である、化合物。
【0190】
いくつかの態様において、
R1およびR9は、それぞれ独立して、
【0191】
【0192】
である、化合物。
【0193】
いくつかの態様において、
R1およびR9は、それぞれ独立して、
【0194】
【0195】
である、化合物。
【0196】
いくつかの態様において、
R3およびR11は、それぞれ独立して、
【0197】
【0198】
である、化合物。
【0199】
いくつかの態様において、
R3およびR11は、それぞれ独立して、
【0200】
【0201】
である、化合物。
【0202】
いくつかの態様において、
R3およびR11は、それぞれ独立して、
【0203】
【0204】
である、化合物。
【0205】
いくつかの態様において、
R3およびR11は、それぞれ独立して、
【0206】
【0207】
である、化合物。
【0208】
いくつかの態様において、構造:
【0209】
【0210】
(ここで、
R9は、
【0211】
【0212】
【0213】
である)
を有する、化合物。
【0214】
いくつかの態様において、構造:
【0215】
【0216】
(ここで、
R11は、
【0217】
【0218】
【0219】
である)
を有する、化合物。
【0220】
いくつかの態様において、構造:
【0221】
【0222】
(ここで、
R9は、
【0223】
【0224】
【0225】
である)
を有する、化合物。
【0226】
いくつかの態様において、構造:
【0227】
【0228】
(ここで、
R11は、
【0229】
【0230】
【0231】
である)
を有する、化合物。
【0232】
いくつかの態様において、構造:
【0233】
【0234】
(ここで、
R11は、
【0235】
【0236】
である)
を有する、化合物。
【0237】
いくつかの態様において、構造:
【0238】
【0239】
(ここで、
R18は、Hまたはアルキルであり、
R19は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0240】
【0241】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R12)2、(C1~C4アルキル)NR12R13、(C1~C4アルキル)NC(O)R12、(C1~C4アルキル)C(O)OR12、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR12)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R12、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR12R13
【0242】
【0243】
であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0244】
いくつかの態様において、構造:
【0245】
【0246】
(ここで、
R18は、Hまたはアルキルであり、
R19は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4、(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4、(C1~C4アルキル)-OP(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4)2、(C1~C4アルキル)-OP(O)(O(C1~C4アルキル)-O(CO)R4)2、(C1~C4アルキル)NR4R5、(C1~C4アルキル)NC(O)R4、(C1~C4アルキル)C(O)OR4、(C1~C4アルキル)OC(O)アリール(C1~C4アルキル)P(O)(OR4)2、(C1~C4アルキル)OC(O)(C2~C4アルケニル)CO2R4、(C1~C4アルキル)OC(O)(C1~C4アルキル)NH2、(C1~C4アルキル)C(O)NR4R5
【0247】
【0248】
であり、
ここで、R4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R6およびR7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールである)
を有する、化合物。
【0249】
いくつかの態様において、
R9は、Hまたはアルキルである、化合物。
【0250】
いくつかの態様において、
R9は、-H、
-CH3
-CH2CH3、
-CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH3、または
-CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH=CHCH2CH=CHCH2CH2CH2CH2CH3
である、化合物。
【0251】
いくつかの態様において、
R18は、-Hまたは-CH3であり、
R19は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R4または(C1~C4アルキル)-O(CO)OR4である、化合物。
【0252】
いくつかの態様において、
R18は、-Hまたは-CH3であり、
R19は、-CH2-O(CO)CH3、-CH(CH3)-O(CO)CH3、-CH2-O(CO)OCH3、-CH(CH3)-O(CO)OCH3である、化合物。
【0253】
いくつかの態様において、R9は、
【0254】
【0255】
である、化合物。
【0256】
また本発明は、構造:
【0257】
【0258】
(ここで、
R17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、C(O)O-t-Buまたは-CH2CNであり;
Yは、OR9であり、ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12または(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)
を有する、化合物。
【0259】
いくつかの態様において、
R17は、H、メチル、エチル、CH2CH2OH、CH2(フェニル)であり;
Yは、OR9であり、
ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12または(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、化合物。
【0260】
いくつかの態様において、
R17は、H、メチル、エチル、CH2CH2OH、CH2(フェニル)であり、
Yは、OR9であり、ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12または(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、アルキルである、化合物。
【0261】
いくつかの態様において、
R17は、メチルであり、
Yは、OR9であり、ここで、R9は、(C1~C4アルキル)-O(CO)R12または(C1~C4アルキル)-O(CO)OR12であり、
ここで、R12はそれぞれの出現において、アルキルである、化合物。
【0262】
いくつかの態様において、構造:
【0263】
【0264】
を有する、化合物またはその塩。
【0265】
いくつかの態様において、構造:
【0266】
【0267】
を有する、化合物またはその塩。
【0268】
【0269】
またはその化合物の塩。
【0270】
また本発明は、構造:
【0271】
【0272】
(ここで、
R20およびR21は、それぞれ独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールである)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【0273】
いくつかの態様において、R20およびR21は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、CH2CH2OH、またはCH2(フェニル)である、上記化合物。
【0274】
いくつかの態様において、R20とR21は、両方ともHである、上記化合物。
【0275】
いくつかの態様において、R20とR21は、両方ともメチルである、上記化合物。
【0276】
本発明は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0277】
本発明は、本発明の化合物または医薬として許容されるその塩と、医薬として許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0278】
本発明は、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩と、抗癌作用因子と、少なくとも一つの医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0279】
いくつかの態様において、医薬的に許容される担体が、リポソームを含む、医薬組成物。
【0280】
いくつかの態様において、化合物がリポソームもしくはミクロスフェアに含まれているか、または化合物および抗癌作用因子がリポソームもしくはミクロスフェアに含まれている、医薬組成物。
【0281】
また本発明は、対象の標的細胞にエンドタールをインビボ送達するための方法であって、対象に、本発明の化合物を投与することを含み、ここで、化合物における1つまたは2つの結合が、対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、対象の標的細胞内にエンドタールを送達することを含む方法を提供する。
【0282】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、構造
【0283】
【0284】
(ここで、結合αおよび結合βの一方または両方が、対象におけるインビボ加水分解切断を受ける)
を有する。
【0285】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、構造
【0286】
【0287】
(ここで、結合χ、δ、ε、およびφの1つ以上が、対象におけるインビボ加水分解切断を受ける)
を有する。
【0288】
上記方法のいくつかの態様において、対象の標的細胞へのエンドタールの送達が、疾患を患う対象における疾患を処置するために有効である。
【0289】
上記方法のいくつかの態様において、疾患は、癌である。
【0290】
上記方法のいくつかの態様において、癌は乳癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌、前立腺癌、前骨髄球性白血病(promylocytic leukemia)、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である。
【0291】
上記方法のいくつかの態様において、癌は、脳癌である。
【0292】
上記方法のいくつかの態様において、脳癌は、神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度びまん性星状細胞腫、退形成星状細胞腫、多形膠芽腫、乏突起星状細胞腫、上衣腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫またはびまん性内在性橋膠腫である。
【0293】
上記方法のいくつかの態様において、方法は、さらに対象に抗癌作用因子を投与することを含む。
【0294】
上記方法のいくつかの態様において、抗癌作用因子は、X線または電離放射線から選択される。
【0295】
上記方法のいくつかの態様において、標的細胞は、癌細胞である。
【0296】
上記方法のいくつかの態様において、癌細胞は、乳癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌、前立腺癌、前骨髄球性白血病(promylocytic leukemia)、慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leuemia)、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫の細胞である。
【0297】
上記方法のいくつかの態様において、癌細胞は、脳癌細胞である。
【0298】
上記方法のいくつかの態様において、脳癌細胞は、神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度びまん性星状細胞腫、退形成星状細胞腫、多形膠芽腫、乏突起星状細胞腫、上衣腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫またはびまん性内在性橋膠腫細胞である。
【0299】
上記方法のいくつかの態様において、標的細胞は、対象の脳にある。
【0300】
上記方法のいくつかの態様において、エンドタールは、対象の脳の標的細胞に送達される。
【0301】
上記方法のいくつかの態様において、結合αおよび/またはβの加水分解切断は、対象におけるカルボキシエステラーゼまたはアミダーゼにより促進される。
【0302】
上記方法のいくつかの態様において、結合χ、δ、ε、およびφの加水分解切断は、対象におけるカルボキシエステラーゼまたはアミダーゼにより促進される。
【0303】
また本発明は、構造:
【0304】
【0305】
(ここで、
X’は、OH、O(アルキル(alkly))またはNR22R23であり、
R22は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、
R23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、または
R22およびR23は、一緒になって、N-メチルピペラジンを形成し;
Y’は、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子Aであり、抗癌作用因子の窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子Aであり、抗癌作用因子の酸素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、
【0306】
【0307】
であり、
ここで、Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子のカルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しており、R24は、Hまたはアルキルである)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステルを提供する。
【0308】
いくつかの態様において、構造:
【0309】
【0310】
(ここで、
Aは、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の酸素が炭素γに直接的に共有結合している)
を有する、化合物。
【0311】
いくつかの態様において、構造:
【0312】
【0313】
(ここで、
Aは、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の酸素が炭素γに直接的に共有結合している)
を有する、化合物。
【0314】
いくつかの態様において、構造:
【0315】
【0316】
(ここで、
Qは、NHまたはOであり;
R22は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、
R23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、または
R22およびR23は、一緒になって、N-メチルピペラジンを形成し、
R24は、Hまたはアルキルであり;
Aは、少なくとも1つのカルボン酸または第一級アミドを含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子のカルボン酸または第一級アミドのカルボニル炭素が、Qに直接的に共有結合している)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0317】
いくつかの態様において、構造:
【0318】
【0319】
(ここで、
R22は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールであり、
R23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールであり、または
R24は、Hまたはアルキルであり;
Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子のカルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つの第一級アミドを含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の第一級アミドのカルボニル炭素が、窒素φに直接的に共有結合している)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0320】
いくつかの態様において、構造:
【0321】
【0322】
(ここで、
R24は、Hまたはアルキルであり;
Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子のカルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つの第一級アミドを含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の第一級アミドのカルボニル炭素が、窒素φに直接的に共有結合している)
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0323】
いくつかの態様において、Aが、アデニン、エムトリシタビン、バプレオチド、トロキサシタビン、トリプトレリン、トリメトレキセート、グルクロネート、トリメトレキセート、チピファルニブ、チアゾフリン、チオグアニン、スクアラミンラクテート、ピリトレキシムイセチオネート、ペンテトレオチド、ペメトレキセド、ペルデシン、オキサリプラチン、ネララビン、ミトグアゾン、メチルアミノレブリネート、メトトレキセート、メルファラン、リュープロリド、ランレオチド、イダルビシン、ヒスタミン、ゴセレリン(goderelin)、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゲムシタビン、フルダラビン、エピルビシン、エフロルニチン、ドキソルビシン、デシタビン、5-アザ-2’-デオキシシチジン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、シタラビン、クロファラビン、クラドリビン、シレンギチド(cliengtide)、セトロレリクスアセテート、セトロレリクス、ブレオマイシン、アザシチジン、アミノレブリン酸、アミノグルテチミド(aminogluthethimide)、アミフォスチン、アバレリックス、アミフォスチン、アバレリックス、フェンテルミン、コルチコレリン、メチロシンまたはモノメチルアウリスタチンE(MMAE)である、上記化合物。
【0324】
いくつかの態様において、Aが、アバレリックス、アザシチジン、ブレオマイシン、ブロクスウリジン、カペシタビン、セトロレリクス、セトロレリクスアセテート、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドロモスタノロンプロピオネート、エムトリシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトポシド、エトポシドホスフェート、フルダラビン、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴセレリン、ゴセレリンアセテート、イリノテカン、イリノテカン塩酸塩、イロフルベン、ランレオチドアセテート、ランレオチド、リュープロリド、リュープロリドアセテート、ミトブロニトール、ミトラクトール、ミトキサントロン、ミトキサントロン塩酸塩、モテキサフィンガドリニウム、ネララビン、パクリタキセル、パツピロン、ペントスタチン、プリカマイシン、プリチデプシン、ポルフィマー、ポルフィマーナトリウム、スクアラミンラクテート、ストレプトゾシン、タキソール、テムシロリムス、テザシタビン、テニポシド、チアゾフリン、トラベクテジン、トレオスルファン、トリプトレリン、トロキサシタビン、バルルビシンまたはゾスキダル三塩酸塩である、上記化合物。
【0325】
いくつかの態様において、Aが、アシトレチン、アミノレブリン酸、ベキサロテン、カルボプラチン、セトロレリクスアセテート、クロラムブシル、シレンギチド、コルチコレリン、エフロルニチン、エキシスリンド、フマギリン、イリノテカン、メルファラン、メトトレキセート、メチロシン、ペメトレキセド、ペンテトレオチド、フェニルブチレート、ポルフィマー、スリンダク、ベルテポルフィンまたはテモゾロミドである、上記化合物。
【0326】
いくつかの態様において、構造:
【0327】
【0328】
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0329】
いくつかの態様において、構造:
【0330】
【0331】
を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
【0332】
また本発明は、対象の癌細胞にエンドタールおよび抗癌作用因子をインビボ送達するための方法であって、対象に、本発明の化合物を投与することを含み、それにより、前記対象における癌細胞にエンドタールおよび抗癌作用因子を送達することを含む方法を提供する。
【0333】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、構造:
【0334】
【0335】
を有し、ここで、結合ηが、対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、前記対象における癌細胞にエンドタールおよび抗癌作用因子を送達する。
【0336】
上記方法のいくつかの態様において、Aは、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の窒素が炭素γに直接的に共有結合しており、η結合の加水分解切断が、対象におけるアミダーゼにより促進される。
【0337】
上記方法のいくつかの態様において、Aは、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子であり、抗癌作用因子の酸素が炭素γに直接的に共有結合しており、ηの加水分解切断が、対象におけるカルボキシエステラーゼにより促進される。
【0338】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、構造:
【0339】
【0340】
を有し、ここで、結合κおよびλが、対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、前記対象における癌細胞にエンドタールおよび抗癌作用因子を送達する。
【0341】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、構造:
【0342】
【0343】
を有し、ここで、結合κおよびλが、対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、前記対象における癌細胞にエンドタールおよび抗癌作用因子を送達する。
【0344】
上記方法のいくつかの態様において、κ結合および/またはλ結合の加水分解切断が、対象におけるカルボキシエステラーゼまたはアミダーゼにより促進される。
【0345】
上記方法のいくつかの態様において、対象の癌細胞へのエンドタールおよび抗癌作用因子の送達が、癌を患う対象における癌を処置するために有効である。
【0346】
上記方法のいくつかの態様において、癌は乳癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌、前立腺癌、前骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である。
【0347】
上記方法のいくつかの態様において、癌は、脳癌である。
【0348】
上記方法のいくつかの態様において、脳癌は、神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度びまん性星状細胞腫、退形成星状細胞腫、多形膠芽腫、乏突起星状細胞腫、上衣腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫またはびまん性内在性橋膠腫である。
【0349】
上記方法のいくつかの態様において、癌細胞は、乳癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌、前立腺癌、前骨髄球性白血病(promylocytic leukemia)、慢性骨髄性白血病(chronicmyelocytic leuemia)、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫の細胞である。
【0350】
上記方法のいくつかの態様において、癌細胞は、脳癌細胞である。
【0351】
上記方法のいくつかの態様において、脳癌細胞は、神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度びまん性星状細胞腫、退形成星状細胞腫、多形膠芽腫、乏突起星状細胞腫、上衣腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫またはびまん性内在性橋膠腫細胞である。
【0352】
上記方法のいくつかの態様において、標的細胞は、対象の脳にある。
【0353】
上記方法のいくつかの態様において、エンドタールおよび抗癌作用因子が、対象の脳の癌細胞に送達される。
【0354】
上記方法のいくつかの態様において、化合物は、抗癌作用因子と共投与される。
【0355】
本発明は、癌を患う対象の処置方法であって、治療有効量の本発明の化合物を対象に投与することを含む方法に関する。
【0356】
本発明は、癌を患う対象において抗癌作用因子の抗癌活性を増強させるための方法であって、本発明の化合物を、抗癌作用因子の抗癌活性を増強させるために有効な量で対象に投与することを含む方法に関する。
【0357】
本発明は、癌を患う対象の処置方法であって、
a)ある量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩と、
b)ある量の抗癌作用因子、
とを対象に周期的に投与することを含み、
ここで、一つに合わせたそれらの量は、それぞれを同じ量で単独で投与した場合よりも、対象を処置するのに効果的である、方法に関する。
【0358】
本発明は、癌を患う対象を処置するための組み合わせの調製における本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩および抗癌作用因子の使用であって、ある量の化合物およびある量の抗癌作用因子を同時にまたは同期的に投与する、使用に関する。
【0359】
本発明は、ある量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、アドオン治療として、または抗癌作用因子との同時的、同期的もしくは付随的な組み合わせにより、癌を患う対象の処置に使用するための医薬組成物に関する。
【0360】
いくつかの態様において、癌を患う対象の処置におけるアドオン治療としてまたは抗癌作用因子との組み合わせにより使用するための、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【0361】
いくつかの態様において、癌を患う対象の処置のための本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩および抗癌作用因子であって、化合物および抗癌作用因子を同時に、別個にまたは連続的に投与する、化合物またはその医薬的に許容される塩および抗癌作用因子。
【0362】
いくつかの態様において、癌を患う対象の処置において同時に、別個にまたは連続的に使用するための、ある量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩とある量の抗癌作用因子とを含む製品。
【0363】
いくつかの態様において、癌の処置に使用するための、本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【0364】
いくつかの態様において、癌の処置に使用するための、抗癌作用因子との組み合わせでの本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【0365】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、癌は、乳癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌、前立腺癌、前骨髄球性白血病(promylocytic leukemia)、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である。
【0366】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、癌は、脳癌である。
【0367】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、脳癌は、神経膠腫、毛様細胞性星状細胞腫、低悪性度びまん性星状細胞腫、退形成星状細胞腫、多形膠芽腫、乏突起星状細胞腫、上衣腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫またはびまん性内在性橋膠腫である。
【0368】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、化合物は、対象の血液脳関門を通過する。
【0369】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、化合物および/または化合物の代謝物は、対象の血液脳関門を通過する。
【0370】
本発明は、ヒト対象における癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するための方法であって、
a)癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するために有効な量の、本発明の化合物またはその塩と、
b)癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するために有効な量の抗癌作用因子と
を対象に投与することを含む方法に関する。
【0371】
本発明は、翻訳制御される腫瘍タンパク質(TCTP)を過剰発現しているヒト対象における癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するための方法であって、a)癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するために有効な量の、本発明の化合物またはその塩と、
b)癌細胞の増殖を阻害するためまたはアポトーシスを誘導するために有効な量の抗癌作用因子と
を対象に投与することを含む方法に関する。
【0372】
上記方法のいくつかの態様において、癌細胞は、N-CoRを過剰発現していない。
【0373】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、抗癌作用因子は、X線または電離放射線から選択される。
【0374】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、抗癌作用因子は、DNA損傷剤、DNAインターカレート剤、微小管安定化剤、微小管脱安定化剤、紡錘体毒素、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン(alitertinoin)、アロプリノール、アルトレタミン、アミホスチン、アナキンラ、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セレコキシブ、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、アクチノマイシンD、ダルテパリンナトリウム、ダルベポエチンα、ダサチニブ、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デシタビン、デニロイキン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エピルビシン、エポエチンα、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、VP-16,エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、ヒドロキシ尿素、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンα2a、インターフェロンα2b、イリノテカン、ラパチニブジトシレート、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン(leucovrin)、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン、酢酸メガストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリフェルミン、パミドロネート、パニツムマブ、ペガデマーゼ、ペガスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンα2b、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、ミトラマイシン、ポルフィマーナトリウム、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、サルグラモスチム(sargrmostim)、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タルク、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、VM-26、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、G-TG、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン(ATRA)、ウラシルマスタード、バルルビシン(balrunicin)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾレドロネート、ゾレドロン酸、アブラキサンおよびブレンツキシマブベドチンから選択される。
【0375】
上記の方法、使用、医薬組成物、化合物または製品のいずれかのいくつかの態様において、対象はヒトである。
【0376】
上記方法、使用、医薬組成物、化合物または生成物のいずれかのいくつかの態様において、癌は、副腎皮質癌、膀胱癌、骨肉腫、子宮頸癌、食道癌、胆嚢癌、頭頸部癌、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腎臓癌、黒色腫、膵臓癌、直腸癌、甲状腺癌、喉頭癌、脳癌、乳癌、肺癌、前立腺癌、黒色腫、膵臓癌、結腸癌、大細胞肺癌、肺腺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、卵巣腺癌、膵臓癌腫、前立腺癌腫、前骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、結腸直腸癌、卵巣癌または肝細胞癌のいずれか1つである。
【0377】
一態様において、本発明の化合物を含む医薬組成物。一態様において、本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【0378】
方法の一態様において、本発明の化合物は、対象におけるPP2A活性を阻害する。方法の一態様において、本発明の化合物は、対象の脳におけるPP2A活性を阻害する。方法の一態様において、本発明の化合物は、対象の血液脳関門を通過する。
【0379】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、化合物100のエステル誘導体であり、化合物100のプロドラッグとして作用する。
【0380】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、100のエステル誘導体であり、血清エステラーゼおよび/または脳エステラーゼによって100に変換可能なプロドラッグとして作用する。
【0381】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、化合物100の誘導体であり、エンドタールのプロドラッグとして作用する。
【0382】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、化合物100の誘導体であり、血清エステラーゼおよび/または脳エステラーゼによってエンドタールに変換可能なプロドラッグとして役立つ。
【0383】
いくつかの態様において、本発明の化合物は、化合物100の誘導体であり、血液脳関門を通過し、エンドタールを脳へ送達させるプロドラッグとして役立つ。
【0384】
エンドタールのプロドラッグの投与は、対象の標的細胞へのエンドタールの送達において、エンドタール自体の投与よりも効率がよい。
【0385】
エンドタールの代謝プロファイルは、エンドタールのプロドラッグの投与が、対象の標的細胞へのエンドタールの送達において、エンドタール自体の投与よりも効率がよいというものである。
【0386】
いくつかの態様において、化合物がインビボで化合物100にまず変換され、次いでインビボでエンドタールに変換される、方法。
【0387】
本明細書に開示の化合物は、エンドタールのプロドラッグとして作用し、1つまたは2つの酸基をアミドまたはエステル部分でマスキングすることによって代謝が変化している。プロドラッグの設計により、毒性が低減され、対象におけるエンドタールの全身曝露が増加する。
【0388】
送達方法のいくつかの態様において、化合物と医薬的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【0389】
本明細書で使用する場合、疾患に関連する「症状」は、疾患に関連する任意の臨床上または実験室上の徴候を含み、対象が知覚または確認可能なものに限定されない。
【0390】
本明細書で使用する場合、「疾患の処置」、「損傷の処置」、または、例えばある疾患を「処置すること」は、疾患もしくは損傷またはその疾患もしくは損傷に関連する症状もしくは状態の、阻害、逆行または停滞を包含する。
【0391】
本明細書で使用する場合、疾患の「阻害」は、対象における疾患の進行および/または疾患の合併症を予防または軽減することを包含する。
【0392】
本明細書で使用する場合、「N-CoRを過剰発現していること」は、試験された組織の細胞内で発現された核内受容体コリプレッサー(N-CoR)のレベルが、同様の条件で同じ種類の組織の標準的正常細胞を測定したレベルと比較して、上昇していることを意味する。本発明の核内受容体コリプレッサー(N-CoR)は、DNA-結合甲状腺ホルモン受容体(T3R)およびレチノイン酸受容体(RAR)(米国特許第6,949,624号、Liu et al.)のリガンド結合ドメインに結合する任意の分子であってよい。N-CoRを過剰発現する腫瘍の例としては、多形膠芽腫、乳癌(Myers et al.2005)、結腸直腸癌(Giannini and Cavallini 2005)、小細胞肺癌(Waters et al 2004)または卵巣癌(Havrilesky et al.2001)が挙げられる。
【0393】
本明細書で使用する場合、用語「アミノ酸部分」または「AA」は、その塩形態、エステル誘導体、保護されたアミン誘導体および/またはその異性体形態を含む任意の天然または非天然アミノ酸を指す。アミノ酸には、非限定的な例として、以下が含まれる:アグマチン、アラニンβ-アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、フェニルβ-アラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン。アミノ酸は、LまたはDアミノ酸であってよい。アミノ酸は、酸を介して接続されてエステルリンカーを形成してもよく、またはアミンを介して接続されて第二級アミンリンカーを形成してもよい。
【0394】
本明細書で使用する場合、用語「アミノ酸部分」は、H、OH、アルキル、ベンジル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、-(CH2)C(O)NH2、-(CH2)2C(O)NH2、-(CH2)C(O)OH、-(CH2)2C(O)OH、-(CH2)5C(O)OH、-CH(CH3)CH2CH3、プロピル、ブチル、-(CH2CH2CH2)NH2、-(CH2)SH、-(CH2CH2)SH、-(CH2)SCH3、-(CH2CH2)SCH3、-(CH2CH2)OH、-(CH2)OH、-(CH2)-インドール、-(CH2)-チオフェン、-(CH2)-イミダゾール、-CH(OH)CH3、-CH(CH3)C(SH)(CH3)2、-CH2(4-メトキシフェニル)または-(CH2)3NHC(NH)NH2を指す。
【0395】
本明細書で使用する場合、「アルキル」は、分枝と直鎖の両方の特定された数の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を包含することが意図される。したがって、「C1~Cnアルキル」などのC1~Cnは、直鎖状または分枝の配置の1、2....n-1またはn個の炭素原子を有する基を包含すると定義され、具体的には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチルなどが挙げられる。一態様は、C1~C20アルキル、C2~C20アルキル、C3~C20アルキル、C4~C20アルキルなどであってもよい。一態様は、C1~C30アルキル、C2~C30アルキル、C3~C30アルキル、C4~C30アルキルなどであってもよい。「アルコキシ」は、酸素ブリッジを介して結合している上記のアルキル基を表す。
【0396】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分枝の非芳香族炭化水素ラジカルを指し、非芳香族炭素-炭素二重結合が最大限可能な数まで存在してもよい。したがって、C2~Cnアルケニルは、1、2....n-1またはn個の炭素原子を有する基を含むと定義される。例えば、「C2~C6アルケニル」は、2、3、4、5または6個の炭素原子と、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有し、例えばC6アルケニルの場合は、それぞれ最大3個の炭素原子-炭素原子を有する、アルケニルラジカルを意味する。アルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニルおよびシクロヘキセニルを含む。アルキルに関して上述したように、アルケニル基の直鎖状または分枝部分または環状部分は二重結合を含んでいてもよく、置換されたアルケニル基が示されている場合は置換されていてもよい。一態様は、C2~C12アルケニル、C3~C12アルケニル、C2~C20アルケニル、C3~C20アルケニル、C2~C30アルケニルまたはC3~C30アルケニルであってもよい。
【0397】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有し、非芳香族炭素-炭素三重結合が最大限可能な数まで存在してもよい直鎖または分枝の炭化水素ラジカルを指す。したがって、C2~Cnアルキニルは、1、2....n-1またはn個の炭素原子を有する基を含むと定義される。例えば、「C2~C6アルキニル」は、2もしくは3個の炭素原子と1つの炭素原子-炭素原子三重結合、または4もしくは5個の炭素原子と最大2つの炭素原子-炭素原子三重結合、または6個の炭素原子と最大3つの炭素原子-炭素原子三重結合を有するアルキニルラジカルを意味する。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル、およびブチニルが挙げられる。アルキルに関して上述したように、アルキニル基の直鎖状または分枝部分は、三重結合を含んでいてもよく、置換アルキニル基が示されている場合は置換されていてもよい。一態様は、C2~Cnアルキニルであってもよい。一態様は、C2~C12アルキニル、C3~C12アルキニル、C2~C20アルキニル、C3~C20アルキニル、C2~C30アルキニル、またはC3~C30アルキニルであってもよい。
【0398】
本明細書で使用する場合、「アリール」は、任意の安定な単環式または二環式炭素環であって、各環が最大で10個までの原子を有し、少なくとも1つの環が芳香環である炭素環を意味することを意図している。そのようなアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルが挙げられる。アリール置換基が二環式で1つの環が非芳香環である場合、結合は芳香環を介すると理解される。本発明に包含される置換されたアリールとしては、任意の適切な位置にアミン、置換されたアミン、アルキルアミン、ヒドロキシおよびアルキルヒドロキシを有する置換基が挙げられ、ここでアルキルアミンおよびアルキルヒドロキシの「アルキル」部分は、上記で定義されるC2~Cnアルキルである。置換されたアミンは、上記に定義されるアルキル、アルケニル、アルキニル(alkynl)またはアリール基で置換されていてもよい。
【0399】
アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール置換基は、他に特に明記がない限り、無置換であっても無置換であってもよい。例えば、(C1~C6)アルキルは、OH、オキソ、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノ、またはヘテロシクリル、例えば、モルホリニル、ピペリジニルなどから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0400】
本発明の化合物において、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1つ以上の水素原子を、本明細書に記載の水素以外の基で可能な程度まで置き換えることによってさらに置換されていてもよい。これらの基としては、限定されないが、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシ、シアノおよびカルバモイルが挙げられる。
【0401】
本明細書で使用する場合、用語「置換された」は、所与の構造が、上記で定義されるアルキル、アルケニル、またはアリール基でありうる置換基を有することを意味する。この用語は、指定された置換基による複数回の置換を含むと認められる。複数の置換部分が開示されているまたは請求の範囲に記載されている場合、置換化合物は、独立して、開示されたまたは特許請求の範囲に記載された置換部分で1回または複数回置換されていてもよい。独立して置換されているとは、(2つ以上の)置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
【0402】
置換基の例としては、上記に記載した官能基、およびハロゲン(つまり、F、Cl、BrおよびI);アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、およびトリフルオロメチル;ヒドロキシル;アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、およびイソプロポキシ;アリールオキシ基、例えばフェノキシ;アリールアルキルオキシ、例えばベンジルオキシ(フェニルメトキシ)およびp-トリフルオロメチルベンジルオキシ(4-トリフルオロメチルフェニルメトキシ);ヘテロアリールオキシ基;スルホニル基、例えばトリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニル;ニトロ、ニトロシル;メルカプト;スルファニル基、例えばメチルスルファニル、エチルスルファニルおよびプロピルスルファニル;シアノ;アミノ基、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノおよびジエチルアミノ;ならびにカルボキシルが挙げられる。複数の置換部分が開示されているまたは特許請求の範囲に記載されている場合、置換化合物は、独立して、開示されているまたは請求の範囲に記載されている置換部分で1回または複数回置換されていてもよい。独立して置換されているとは、(2つ以上の)置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
【0403】
本発明の化合物において、置換基は、他に具体的に定義されていない限り、置換されていてもよく無置換であってもよい。
【0404】
本発明の化合物において、アルキル、ヘテロアルキル、単環式、二環式、アリール、ヘテロアリールおよび複素環基は、1つ以上の水素原子が代替的に水素以外の基に置き換わることによってさらに置換されていてもよい。これらは、限定されないが、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、カルボキシ、シアノまたカルバモイルを包含する。
【0405】
本発明の化合物における置換基および置換パターンは、化学的に安定で、容易に入手可能な出発物質から、当技術分野で公知の技術ならびに下記に記載の方法により速やかに合成できる化合物が得られるように、当業者が選択できると理解される。置換基がそれ自体、1より多くの置換基で置換されている場合、安定な構造が得られる限り、これらの複数の基は同じ炭素上または異なる炭素上にあってもよいと理解される。
【0406】
本明細書で使用する場合、「化合物」は、タンパク質、ペプチド、またはアミノ酸を含まない小分子である。
【0407】
本明細書で使用する場合、「単離された」化合物は、積極的な単離操作により粗反応混合物または天然源から単離された化合物である。単離操作には、混合物または天然源の他の成分から化合物を分離することが必要であり、いくらかの不純物、未知の複製生物、および残る可能性がある残余量の他の成分を伴う。精製は、単離の積極的操作の一例である。
【0408】
「対象に投与すること」または「(ヒト)患者に投与すること」は、医薬、薬物、または療法を、緩和のため、治癒のため、または病態、例えば病理学的状態に関連する症状の軽減のために、対象/患者に与えること、施すこと、または適用することを意味する。投与は、周期的投与であってもよい。本明細書で使用する場合、「周期的投与」は、一定の期間で分けられた繰り返し/反復的投与を意味する。投与の間の時間は、好ましくは、始終一定である。周期的投与としては、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、毎週、週に2回、週に3回、週に4回などが挙げられる。
【0409】
本明細書で使用する場合、薬剤を「投与すること」は、当業者に周知の任意の様々な方法または送達システムを使用して実施してもよい。投与は、例えば、経口的に、非経口的に、腹腔内に、静脈内に、動脈内に、経皮的に、舌下に、筋肉内に、直腸内に、経口腔的に、鼻腔内に、リポソームで、吸入により、膣内に、眼内に、局所送達で、皮下に、脂肪内に、関節内に、くも膜下腔内に、大脳室内もしくは脳室内に(intraventicularly)、腫瘍内に、大脳実質内にもしくは脳実質内に実施することができる。
【0410】
本明細書で使用する場合、「組み合わせ」は、同時または同期投与のいずれかにより治療で使用される試薬の取り合せを意味する。同時投与は、化合物と抗癌作用因子との混合物(純粋混合物、懸濁液、乳化液、または他の物理的組み合わせのいずれでもよい)の投与を指す。組み合わせは、混合物であってもよく、投与直前に組み合わせられる別個の容器(container)であってもよい。付随的投与は、各々単独の場合の活性と比較して相乗的活性が観察されるほど十分に近い時間で別々に投与されることを指す。
【0411】
本明細書で使用する場合、「付随的投与」または「付随的に」投与することは、所要の2つの薬剤の投与が、各薬剤の個々の治療的効果をオーバーラップさせるために十分に時間的に近接して投与されることを意味する。
【0412】
本明細書で使用する場合、「アドオン」または「アドオン治療」は、治療に使用する試薬の取り合せであって、この場合に対象は、1つまたは複数の試薬からなる第1の処置レジメンが開始された後、異なる1つまたは複数の試薬からなる第2の処置レジメンが第1の処置レジメンに追加して開始され、したがって、治療に使用される試薬の全てが一度に同時には開始されない、治療を受ける。
【0413】
通常使用されるいくつかの医薬担体を利用する以下の送達システムが使用されてよいが、これらは本発明に従って投与される組成物について構想される多くの可能な送達システムの単なる例示にすぎない。
【0414】
注射可能な薬物送達システムとしては、例えば、溶液、懸濁液、ゲル、ミクロスフェアおよび高分子注射液が挙げられ、これらのシステムには、賦形剤、例えば、可溶性改変剤(例えばエタノール、プロピレングリコールおよびスクロース)ならびにポリマー(例えばポリカプリラクトンおよびPLGAのポリマー)が含まれていてもよい。
【0415】
他の注射可能な薬物送達システムとしては、溶液、懸濁液、ゲルが挙げられる。経口送達システムとしては、錠剤およびカプセルが挙げられ、これらのシステムには、賦形剤、例えば結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrilodon)、他のセルロース系材料およびデンプン)、希釈剤(例えば、ラクトースおよび他の糖類、デンプン、リン酸二カルシウムおよびセルロース系材料)、崩壊剤(例えば、デンプンポリマーおよびセルロース系材料)ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩およびタルク)が含まれていてもよい。
【0416】
埋め込み可能システムとしては、ロッドおよびディスクが挙げられ、これらのシステムには賦形剤、例えばPLGAおよびポリカプリラクトン(polycaprylactone)が含まれていてもよい。
【0417】
経口送達システムとしては、錠剤およびカプセルが挙げられる。これらのシステムには、賦形剤、例えば、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrilodon)、他のセルロース系材料およびデンプン)、希釈剤(例えば、ラクトースおよび他の糖類、デンプン、リン酸カルシウムおよびセルロース系材料)、崩壊剤(例えば、デンプンポリマーおよびセルロース系材料)ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸塩およびタルク)が含まれていてもよい。
【0418】
経粘膜送達システムとしては、パッチ、錠剤、坐剤、ペッサリー、ゲルおよびクリームが挙げられ、これらのシステムには、例えば、賦形剤、例えば溶解剤およびエンハンサー(例えば、プロピレングリコール、胆汁酸塩およびアミノ酸)、ならびに他のビヒクル(例えば、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステルおよび誘導体、ならびに親水性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒアルロン酸)が含まれていてもよい。
【0419】
皮膚送達システムとしては、例えば、水性および非水性のゲル、クリーム、複数のエマルジョン、マイクロエマルジョン、リポソーム、軟膏、水性および非水性の溶液、ローション、エアロゾル、炭化水素基剤およびパウダーが挙げられ、これらのシステムには、賦形剤、例えば、溶解剤、浸透促進剤(例えば、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪アルコールおよびアミノ酸)および親水性ポリマー(例えば、ポリカルボフィル、およびポリビニルピロリドン)が含まれていてもよい。一態様において、医薬的に許容される担体は、リポソームまたは経皮促進剤である。
【0420】
復元可能な送達システムのための溶液、懸濁液、および粉末には、ビヒクル、例えば懸濁化剤(例えば、ゴム、ザンタン(zanthans)、セルロース系物質、および糖類)、湿潤剤(例えば、ソルビトール)、溶解剤(例えばエタノール、水、PEGおよびプロピレングリコール)、界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、Spans、Tweens、およびセチルピリジン)、保存剤、および酸化防止剤(例えば、パラベン、ビタミンEおよびC、ならびにアスコルビン酸)、固結防止剤、被覆剤およびキレート剤(例えば、EDTA)が含まれていてもよい。
【0421】
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される担体」は、ヒトおよび/または動物に対して不適当な有害副作用(例えば、毒性、炎症、およびアレルギー反応)を与えることなく、合理的な利益/リスク比に見合った、適切に使用することができる担体または賦形剤を指す。それらは、対象に直接化合物を送達するための、医薬的に許容される溶媒、懸濁化剤、またはビヒクルであってもよい。
【0422】
本発明の方法で使用される化合物は、塩の形態であってもよい。本明細書で使用する場合、「塩」は、化合物の酸性または塩基性塩を調製するような改変されたその化合物の塩である。感染または疾患を処置するために使用される化合物の塩において、塩は医薬的に許容される塩である。医薬的に許容される塩の例としては、限定されないが、塩基性残基、例えばアミン、の無機もしくは有機酸塩;酸性残基、例えばフェノール、のアルカリまたは有機性塩類が挙げられる。塩は、有機酸を使用して作られるものでも無機酸を使用して作られるものでもよい。そのような酸の塩としては、塩化物、臭化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。フェノラート塩は、アルカリ土類金属塩、ナトリウム、カリウムまたはリチウム塩である。用語「医薬的に許容される塩」は、これらに関連して、本発明の化合物の相対的に非毒性の無機および有機の酸または塩基付加塩を指す。これらの塩は、本発明の化合物の最終単離および精製の間にインサイチューで調製することができ、または個別に本発明の精製された化合物の遊離の塩基または遊離の酸形態を適切な有機もしくは無機の酸もしくは塩基と反応させて、形成された塩を単離することによって調製することもできる。代表的な塩類としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩(napthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる(例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”、J.Pharm.Sci.66:1-19参照)。
【0423】
本明細書で使用する場合、ミリグラムで規定される薬剤の「量」または「用量」は、医薬品の形態にかかわらず、医薬品に存在する薬剤のミリグラムを指す。
【0424】
本明細書で使用する場合、用語「治療有効量」または「有効量」は、本発明の様式に従って使用した場合に、有害な副作用(例えば、毒性、炎症、またはアレルギー反応)を生じさせることなく所望の治療的効果を生じさせるために十分な、合理的な利益/リスク比に見合った成分の量を指す。特定の有効量は、処置される特別の条件、患者の健康状態、処置される哺乳動物の種類、処置期間、併用される治療(もしあれば)の性質、採用する特定の処方、および化合物またはその誘導体の構造などの因子によって変動する。
【0425】
本明細書に示される範囲は、範囲内の全ての整数および0.1単位、ならびにその部分範囲を包含すると理解される。例えば、77~90%の範囲は、77、78、79、80および81%などの開示である。
【0426】
本明細書で使用する場合、「約」は、示される数に関して、示される値の+1%から-1%の範囲を含む。それゆえ、例として、約100mg/kgは、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9、100、100.1、100.2、100.3、100.4、100.5、100.6、100.7、100.8、100.9および101mg/kgを包含する。したがって、約100mg/kgは、一態様において、100mg/kgを包含する。
【0427】
パラメータの範囲が示されている場合、範囲内の全ての整数、およびその10分の1も本発明により提供されていると理解される。例えば「0.2~5mg/kg/日」は、0.2mg/kg/日、0.3mg/kg/日、0.4mg/kg/日、0.5mg/kg/日、0.6mg/kg/日などで、最大5.0mg/kg/日の開示である。
【0428】
本明細書に開示されている各態様は、他の開示された態様にそれぞれ適用されうることを目的とする。したがって、本明細書に開示された様々な要素の全ての組み合わせは、本発明の範囲内である。
【0429】
本発明は、以下の実験的詳細を参照することによって一層よく理解されるが、当業者であれば、詳述された特定の実験が、後に続く特許請求の範囲により完全に記載されている本発明の、単なる例示にすぎないことを容易に認識するであろう。
【0430】
[実施例]
実験の詳細
略語
ACN-アセトニトリル;AUClast-時間0から最終定量濃度までの濃度-時間曲線下面積;AUCINF-時間0から無限時間までの濃度-時間曲線下面積;BQL-定量限界未満;CL-クリアランス;Cmax-最大血漿濃度;hrまたはHr-時間;IV-静脈内;kg-キログラム;L-リットル;LC-液体クロマトグラフィー;LLOQ-定量下限;MeOH-メタノール;mg-ミリグラム;MS-質量分析;NH4OAc-酢酸アンモニウム;PK-薬物動態 PO-経口;SD標準偏差;t1/2-終末半減期;Tmax-最大血漿濃度に達するまでの時間;Vss-定常状態での分布容積
材料および方法
プロドラッグの調製のための代表的な方法:
【0431】
【0432】
エキソ-7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸無水物(50.0mmol)とトルエン中の適切なアルキルアルコール(110.0mmol)との混合物を70~75℃で一晩加熱する。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、粗固体を20mLのイソプロピルエーテルと共に加熱しながら粉砕し、ろ過して、固体を得る。アルキルエステルの塩化メチレンとの混合物に、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5mmol)を添加し、次いでN-メチルピペラジン(200mmol)およびEDC(75mmol)を添加する。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発により乾燥させる。生成物をカラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製する。
【0433】
【0434】
エキソ-3,6-エポキシ-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物(50.0mmol)と適切なアルキルアルコール(110.0mmol)のトルエン中の混合物を70~75℃で一晩加熱する。反応混合物をロータリーエバポレータで濃縮し、粗固体を20mLのイソプロピルエーテルを用いて加熱しながら粉砕し、ろ過して、固体を得る。
アルキルエステルの塩化メチレンとの混合物に、N-ヒドロキシベンゾトリアゾール(5mmol)、次いでN-メチルピペラジン(200mmol)およびEDC(75mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発により乾燥させる。生成物を、カラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製する。
【0435】
【0436】
酸と塩化メチレンとの混合物に、TEA(1mmol)、次いで酸(1mmol)および臭化アルキル(1.5mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発により乾燥させる。生成物を、カラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製し、純粋なプロドラッグを得る。
【0437】
【0438】
酸と塩化メチレンとの混合物に、TEA(1mmol)、次いで塩化アルキル(1.5mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発により乾燥させる。生成物を、カラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製し、純粋なプロドラッグを得る。
【0439】
【0440】
酸と塩化メチレンとの混合物に、TEA(1mmol)、次いで塩化アルキル(1.5mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、蒸発により乾燥させる。生成物を、カラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製し、純粋なプロドラッグを得る。
【0441】
【0442】
酸と塩化メチレンとの混合物に、トリエチルアミン(1mmol)、次いで塩化アルキル(1mmol)を加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、H2Oで希釈する。水性相を、ジクロロメタンで抽出(3×)する。次いで、合わせた有機層を、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄(3×)する。次いで、有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーと再結晶によって精製し、純粋なプロドラッグを得る。
【0443】
化合物100は、構造:
【0444】
【0445】
を有する。
【0446】
化合物105は、構造:
【0447】
【0448】
を有する。
【0449】
化合物113は、構造:
【0450】
【0451】
を有する。
【0452】
化合物151は、構造:
【0453】
【0454】
を有する。
【0455】
化合物153は、構造:
【0456】
【0457】
を有する。
【0458】
化合物157は、構造:
【0459】
【0460】
を有する。
【0461】
例1.化合物153および157の薬物動態研究
153、157およびその代謝物エンドタールの薬物動態研究をSDラットで実施した。153を1.25mg/kgで、および157を1.5mg/kgで、ivおよびpo経路でSDラットに投与した。血液、肝臓および脳組織試料を、ラットから、所定の時間で採取した。LC/MS/MS方法を応用して、血漿、肝臓および脳試料における153、157およびエンドタールを測定した。この報告では、iv投与後の血漿、肝臓および脳試料における153、157およびエンドタールの濃度を示した。153と157のバイオアベイラビリティも計算した。化合物を、使用前に無菌注射用4%重炭酸ナトリウムを使用して短時間希釈した(これはpH約8.5を有する標準的な小児用NaHCO3溶液である)。
【0462】
合計で30匹の雌SDラットを、下記表に示すようにこの試験に割り当てた:
【0463】
【0464】
化合物153を、使用前に無菌注射用4%重炭酸ナトリウムを使用して短時間希釈することにより新たに調製した(これはpH約8.5を有する標準的な小児用NaHCO3溶液である)。153溶液の最終濃度は、0.25mg/mLであった。153の溶液を、直近の体重に従って投与体積5ml/kgでivまたはpo経路を介して投与した。化合物157を、使用前に無菌注射用4%重炭酸ナトリウムを使用して短時間希釈することにより新たに調製した(これはpH約8.5を有する標準的な小児用NaHCO3溶液である)。153溶液の最終濃度は、0.3mg/mLであった。157の溶液を、直近の体重に従って投与体積5ml/kgでivまたはpo経路を介して投与した。
【0465】
グループあたり12匹の雌SDラットに153または157をiv投与した。ラットを、投与前に一晩、絶食させ、水は自由に摂取できるようにした。食事は、投与後2時間、保留した。各グループ2匹の動物の血液、肝臓および脳組織試料を、各時間点において、各時間点の予定時間10%以内で採取した。2つのさらなる動物を、分析的方法を発展させるために使用した。
【0466】
血液(>0.3mL)は、iv投与から15分、1、2、6、10および24時間後に、麻酔をかけた動物の腹部大動脈経由で、ヘパリン含有チューブ内へと採取した。肝臓および脳組織は、動物が死んだ直後に採取した。肝臓および脳組織を切除し、冷生理食塩水で洗浄し、血液残渣を除いた。採取に際し、各試料を氷上に置き、血液試料を続けて遠心分離(4℃、11000rpm、5分)して、血漿を分離した。得られた血漿、肝臓および脳組織試料は、LC-MS/MS分析を行うまで-70℃で保存した。
【0467】
グループあたり2匹の雌SDラットに153または157をpo投与した。ラットを、投与前に一晩、絶食させ、水は自由に摂取できるようにした。食事は、投与後2時間、保留した。血液(>0.3mL)は、po投与から30分、1、2、6、10および24時間後に、麻酔をかけた動物の腹部大動脈経由で、ヘパリン含有チューブ内へと採取した。
【0468】
化合物153についての血漿、肝臓および脳試料の調製
凍結された未測定の血漿試料を室温で解凍し、十分に撹拌した。ピペットで、50μLの血漿を1.5mLのエッペンドルフチューブに移した。各試料に、20μLのIS-D(ブランク試料については、20μLのアセトニトリル:水(1:1)を添加した)と300ulのアセトニトリルとを添加した。試料混合物をおよそ3分間撹拌した。10000rpmで5分間、4℃で遠心分離後、100μLの上層を新たなチューブに移し、200μLの0.4%ギ酸水溶液(pH6.0)を加えた。混合物をおよそ3分間撹拌してから、分析のためにLC/MS/MSシステムへ注入した。
【0469】
アッセイ当日に、冷凍肝臓および脳試料を室温で自然解凍させた。各解凍組織の約200mgの秤量した試料が容易にホモジネートされるように、水(0.6mL)を入れたプラスチックチューブに入れた。組織処理は、ホモジナイザーを使用しておよそ1分間行い、200μlのホモジネートを新たなエッペンドルフチューブに移した。各チューブに、50μLのIS-Dを添加し、混合した。600ulのアセトニトリルを加え、試料混合物を約3分間撹拌した。10000rpmで5分間、4℃で遠心分離後、400μLの上層を新たなチューブに移し、上清を35℃で蒸発により乾燥させた。200μLの0.4%ギ酸水溶液(pH6.0)で残渣を復元した後、3分間撹拌し、LC-MS/MS分析を行う。
【0470】
化合物157についての血漿、肝臓および脳試料の調製
凍結された未測定の血漿試料を室温で解凍し、十分に撹拌した。ピペットで、50μLの血漿を1.5mLのエッペンドルフチューブに移した。各試料に、30μLのIS-D(ブランク試料については、20μLのアセトニトリル:水(1:1)を添加した)と300ulのアセトニトリルとを添加した。試料混合物をおよそ3分間撹拌した。10000rpmで5分間、4℃で遠心分離後、100μLの上層を新たなチューブに移し、200μLの0.4%ギ酸水溶液(pH6.0)を加えた。混合物をおよそ3分間撹拌してから、分析のためにLC/MS/MSシステムへ注入した。
【0471】
アッセイ当日に、冷凍肝臓および脳試料を室温で自然解凍させた。各解凍組織の約200mgの秤量した試料が容易にホモジネートされるように、水(0.6mL)を含んだプラスチックチューブに入れた。組織処理は、ホモジナイザーを使用しておよそ1分間行い、100μlのホモジネートを新たなエッペンドルフチューブに移した。各チューブに、50μLのIS-Dを添加し、混合した。500ulのアセトニトリルを加え、試料混合物を約3分間撹拌した。10000rpmで5分間、4℃で遠心分離後、100μLの上層を新たなチューブに移し、上清を35℃で蒸発により乾燥させた。200μLの0.4%ギ酸水溶液(pH6.0)で残渣を再構成した後、3分間撹拌し、LC-MS/MS分析を行う。
【0472】
エンドタールについての血漿、肝臓および脳試料の調製
凍結された未測定の血漿試料を室温で完全に解凍し、十分に撹拌した。ピペットで、50μLの血漿を2.0mLのエッペンドルフチューブに移した。50μLの0.1N HClおよび800μLの酢酸エチルを、各試料に加えた。試料混合物をおよそ3分間撹拌した。10000rpmで5分間、4℃で遠心分離後、600μlの上清を1.5mLのエッペンドルフチューブに移した。沈殿物を、800μLの酢酸エチルで再度抽出し、600μlの上清を同じチューブに移し、蒸発により乾燥させた。残渣を150μLのIS-D(ブランク試料については、アセトニトリル中0.05%ギ酸)で復元し、3分間撹拌して、LC/MS/MS分析を行った。アッセイ当日に、冷凍肝臓および脳組織試料を室温で自然解凍させた。各解凍組織の約200mgの秤量した試料が容易にホモジネートされるように、水(0.6mL)を入れたプラスチックチューブに入れた。150μLの各ホモジネートを、新たなエッペンドルフチューブに移し、150μLの0.1N HClおよび800μLの酢酸エーテルを各ホモジネート試料に添加した。試料混合物を撹拌し、10000rpmで5分間、4℃で遠心分離した。600μlの上清を1.5mLのエッペンドルフチューブに移し、沈殿物を、800μLの酢酸エチルで再度抽出し、600μlの上清を同じチューブに移し、蒸発により乾燥させた。残渣を200μLのIS-D(ブランク試料については、アセトニトリル中0.05%ギ酸)で復元し、3分間撹拌して、LC/MS/MS分析を行った。
【0473】
化合物153についての較正試料の調製
1)血漿試料分析についての較正試料の調製
較正標準は、25μLの153の標準溶液を、25μLのヘパリン化処理したブランクのラット血漿に添加することによって調製した。マウス血漿における公称標準濃度は、2.00、4.00、10.0、50.0、100、500、900および1000ng/mLであった。
【0474】
2)肝臓および脳組織試料分析についての較正試料の調製
肝臓および脳組織試料における153を定量するために、8つの標準試料からなる検量線を、分析した試料マトリックスと同じブランク組織ホモジネートを使用して調製した(最終濃度:1.00、2.00、5.00、25.0、50.0、250、450および500ng/g)。
【0475】
化合物157についての較正試料の調製
1)血漿試料分析についての較正試料の調製
較正標準は、25μLの157の標準溶液を、25μLのヘパリン化処理したブランクのラット血漿に添加することによって調製した。マウス血漿における公称標準濃度は、0.500、1.00、2.50、12.5、25.0、125、225および250ng/mLであった。
【0476】
2)肝臓および脳組織試料分析についての較正試料の調製
肝臓および脳組織試料における157を定量するために、8つの標準試料からなる検量線を、分析した試料マトリックスと同じブランク組織ホモジネートを使用して調製した(最終濃度:0.500、1.00、2.50、12.5、25.0、125、225および250ng/mL)。
【0477】
エンドタールについての較正試料の調製
1)血漿試料分析についての較正試料の調製
較正標準は、25μLのエンドタールの標準溶液を、25μLのヘパリン化処理したブランクのラット血漿に添加することによって調製した。マウス血漿における公称標準濃度は、20.0、40.0、100、200、400、2000、3600および4000ng/mLであった。
【0478】
2)肝臓組織試料分析についての較正試料の調製
肝臓組織試料におけるエンドタールを定量するために、8つの標準試料からなる検量線を、分析した試料マトリックスと同じブランク組織ホモジネートを使用して調製した(最終濃度:20.0、40.0、100、200、400、2000、3600および4000ng/g)。
【0479】
LC/MS/MSシステム
以下の構成からなるLC-MS/MSシステムを使用して分析を行った。HPLCシステム:島津製作所UFLC 20-AD XR;MS/MSシステム:API-5000三連四重極質量分析計(Applied Biosystems);データシステム:Watson LIMSバージョン7.2。
【0480】
1)化合物153についてのクロマトグラフィーの条件
【0481】
【0482】
2)化合物153についての質量分析条件
【0483】
【0484】
1)化合物157についてのクロマトグラフィーの条件
【0485】
【0486】
2)化合物157についての質量分析条件
【0487】
【0488】
1)エンドタールについてのクロマトグラフィーの条件
クロマトグラフィー分離は室温で実施した。
【0489】
【0490】
2)エンドタールについての質量分析条件
【0491】
【0492】
定量
153、157およびエンドタールについて、外部標準法により定量を達成した。試験物質の濃度は、加重最小自乗線形回帰法(W=1/x2)を使用して計算した。
【0493】
薬物動態解釈
薬物動態パラメータは、Watson LIMS(バージョン7.2)を使用し、薬物吸収および分布の非コンパートメントモデルを仮定して評価した。
【0494】
- AUC0-t(AUClast)は、線形台形則により計算した時間0から最終試料採取時間までの血漿濃度-時間曲線下面積である。
【0495】
- AUC0-∞(AUCINF)は、消失速度定数に基づき外挿した最終濃度を用いた血漿濃度-時間曲線下面積である。
【0496】
結果
ラット血漿における153の検量線は、試験全体にわたって2.00~1000ng/mLの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.0252x+0.0127およびR2=0.9957である。
【0497】
試験組織における100の検量線は、試験全体にわたって1.00~500ng/gの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.0233x+0.0213およびR2=0.9939である。
【0498】
ラット血漿における157の検量線は、試験全体にわたって0.50~250ng/mLの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.333x-0.0136およびR2=0.9986である。
【0499】
試験組織における157の検量線は、試験全体にわたって0.50~250ng/gの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.0467x+0.0034およびR2=0.9989である。
【0500】
ラット血漿におけるエンドタールの検量線は、試験全体にわたって20.0~4000ng/mLの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.00155x-0.00162およびR2=0.9986である。
【0501】
ラットの肝臓組織におけるエンドタールの検量線は、試験全体にわたって20.0~4000ng/gの範囲で直線であった。検量線の線形方程式および相関係数は、y=0.00349x+0.0177およびR2=0.997である。
【0502】
SDラットへの153のivおよびpo単独投与後、153とエンドタールの両方の血漿、肝臓および脳組織濃度を、上記に記載のLC/MS/MS方法によって計算した。各試料採取時間での血漿、肝臓および脳組織の濃度を、表6.1~6.8および
図1A~1Bに列挙してある。計算した薬物動態パラメータを、表6.9~6.12に列挙する。
【0503】
153は、SDラットに対して、1.25mg/kgで経口利用可能であり、Cmaxは239ng/mLであり、AUCは164ng・h/mlであり、BAは55.41%であった。
【0504】
153をiv投与した後の血漿における平均Cmaxは、557ng/mlであった。肝臓および脳における平均Cmaxは、それぞれ762.0ng/kgおよび42.7ng/kgであった。血漿におけるAUClastは295ng・h/mlであり、それぞれ肝臓では500ng・h/g、脳では39.4ng・h/gであった。血漿、肝臓および脳におけるT1/2は、それぞれ0.921時間、0.626時間、および0.596時間であった。
【0505】
表6.5~6.8および
図1Bに示されるように、エンドタールは、153を1.25mg/kgでiv単独投与した後の血漿および肝臓試料では検出可能であったが、脳試料では検出されなかった。血漿および肝臓における平均C
maxは、それぞれ70.5ng/mlおよび2068ng/mlであった。血漿および肝臓におけるAUC
lastは、それぞれ378ng・h/mlおよび10820ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT
1/2は、それぞれ5.20時間および2.79時間であった。
【0506】
SDラットへの157の単独ivおよびpo投与後、157とエンドタールの両方の血漿、肝臓および脳組織濃度を上記のLC/MS/MS方法によって計算した。各試料採取時間での血漿、肝臓および脳組織の濃度を、表6.13~6.20および
図1C~1Dに列挙してある。計算した薬物動態パラメータを、表6.21~6.24に列挙する。157は、SDラットに対して、1.5mg/kgでは経口でわずかしか利用できず、C
maxは6.14ng/mLであり、AUCは3.2ng・h/mlであり、BAは6.98%であった。
【0507】
血漿における平均Cmaxは、SDラットに157を1.5mg/kgでiv投与した後で115ng/mlであった。肝臓および脳における平均Cmaxは、それぞれ297ng/kgおよび60.0ng/kgであった。血漿におけるAUClastは47.2ng・h/mlであり、それぞれ肝臓では152ng・h/g、脳では24.6ng・h/gであった。血漿、肝臓および脳におけるT1/2は、それぞれ0.391時間、0.813時間および0.162時間であった。
【0508】
表6.17~6.20および
図1Dに示されるように、エンドタールは、157を1.5mg/kgで単独iv投与した後の血漿および肝臓試料で検出可能であったが、脳試料では検出されなかった。血漿および肝臓における平均C
maxは、それぞれ98.1ng/mlおよび3720ng/mlであった。血漿および肝臓におけるAUC
lastは、それぞれ374ng・h/mlおよび15025ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT
1/2は、それぞれ5.94時間および2.61時間であった。
【0509】
153は、SDラットに対して、1.25mg/kgで経口利用可能であり、Cmaxは239ng/mLであり、AUCは164ng・h/mlであり、BAは55.41%であった。血漿における平均Cmaxは、153のiv投与後、557ng/mlであった。
肝臓および脳における平均Cmaxは、それぞれ762.0ng/kgおよび42.7ng/kgであった。血漿におけるAUClastは295ng・h/mlであり、それぞれ肝臓では500ng・h/g、脳では39.4ng・h/gであった。血漿、肝臓および脳におけるT1/2は、それぞれ0.921時間、0.626時間、および0.596時間であった。
【0510】
エンドタールは、153の1.25mg/kgでの単独iv投与後に血漿および肝臓試料で検出可能であった。血漿および肝臓における平均Cmaxは、それぞれ70.5ng/mlおよび2068ng/mlであった。血漿および肝臓におけるAUClastは、それぞれ378ng・h/mlおよび10820ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT1/2は、それぞれ5.20時間および2.79時間であった。しかしながら、エンドタールは、脳組織では検出されなかった。
【0511】
157は、SDラットに対して1.5mg/kgでは経口でわずかしか利用できず、Cmaxは6.14ng/mLであり、AUCは3.2ng・h/mlであり、BAは6.98%であった。
【0512】
SDラットに1.5mg/kgで投与した157のiv投与後の血漿における平均Cmaxは、115ng/mlであった。肝臓および脳における平均Cmaxは、それぞれ297ng/kgおよび60.0ng/kgであった。血漿におけるAUClastは47.2ng・h/mlであり、それぞれ肝臓では152ng・h/g、脳では24.6ng・h/gであった。血漿、肝臓および脳におけるT1/2は、それぞれ0.391時間、0.813時間および0.162時間であった。
【0513】
エンドタールは、157の1.5mg/kgの単独iv投与後に血漿および肝臓試料で検出可能であった。血漿および肝臓における平均Cmaxは、それぞれ98.1ng/mlおよび3720ng/mlであった。血漿および肝臓におけるAUClastは、それぞれ374ng・h/mlおよび15025ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT1/2は、それぞれ5.94時間および2.61時間であった。しかしながら、エンドタールは、脳組織では検出されなかった。
【0514】
表6.1:PO投与後のSDラットにおける153の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0515】
【0516】
表6.2:iv投与後のSDラットにおける153の血漿濃度の分析データ(ng/mL)
【0517】
【0518】
*濃度は9.42ng/mLであり、これは通常でなく、計算には含めなかった。
【0519】
表6.3:iv投与後のSDラットにおける153の肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0520】
【0521】
表6.4:iv投与後のSDラットにおける153の脳濃度(ng/g)の分析データ
【0522】
【0523】
表6.5:153のpo投与後のSDラットにおけるエンドタール血漿濃度(ng/ml)の分析データ
【0524】
【0525】
表6.6:153のiv投与後のSDラットにおけるエンドタール血漿濃度(ng/ml)の分析データ
【0526】
【0527】
表6.7:153のiv投与後のSDラットにおけるエンドタール肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0528】
【0529】
表6.8:153のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの脳濃度(ng/g)の分析データ
【0530】
【0531】
表6.9:ivまたはpo投与後のSDラットにおける153の主な薬物動態パラメータ
【0532】
【0533】
表6.10:ivまたはpo投与後のSDラットの肝臓および脳における153の主な薬物動態パラメータ
【0534】
【0535】
表6.11:153の単独ivまたはpo投与後のSDラットにおけるエンドタールの主な薬物動態パラメータ
【0536】
【0537】
表6.12:153の単独iv投与後のSDラットの肝臓および脳におけるエンドタールの主な薬物動態パラメータ
【0538】
【0539】
表6.13:po投与後のSDラットにおける157の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0540】
【0541】
表6.14:iv投与後のSDラットにおける157の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0542】
【0543】
表6.15:iv投与後のSDラットにおける157の肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0544】
【0545】
表6.16:iv投与後のSDラットにおける157の脳濃度(ng/g)の分析データ
【0546】
【0547】
表6.17:157のpo投与後のSDラットにおけるエンドタールの血漿濃度(ng/ml)の分析データ
【0548】
【0549】
表6.18:157のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの血漿濃度(ng/ml)の分析データ
【0550】
【0551】
表6.19:157のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0552】
【0553】
表6.20:157のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの脳濃度(ng/g)の分析データ
【0554】
【0555】
表6.21:ivまたはpo投与後のSDラットにおける157の主な薬物動態パラメータ
【0556】
【0557】
表6.22:iv投与後のSDラットの肝臓および脳における157の主な薬物動態パラメータ
【0558】
【0559】
表6.23:157の単独ivおよびpo投与後のSDラットにおけるエンドタールの主な薬物動態パラメータ
【0560】
【0561】
表6.24:157の単独iv投与後のSDラットの肝臓および脳におけるエンドタールの主な薬物動態パラメータ
【0562】
【0563】
例2.化合物105の薬物動態研究
この研究の目的は、雄のSDラットに、105を単独静脈内投与した後の血漿および肝臓における105およびエンドタールの薬物動態パラメータを決定することであった。105を、IV投与のために、4%NaHCO3含有生理食塩水に溶解した。投与溶液の調製手法の詳細は、添付書類Iに示した。
【0564】
使用した動物:
【0565】
【0566】
13匹の動物を研究に用いた。IV群の動物は、食事および水を自由に摂取できるようにした。一匹のさらなる動物を、ブランクの肝臓および血漿の生成(動物あたり5mL)のために使用した。得られたブランクの肝臓および血漿を、試験全体の生体分析方法および試料生体分析の開発に供した。
【0567】
In-life試験設計
【0568】
【0569】
投与、試料採取、試料処理、および試料保存
IV注射を、足背静脈に実施した。動物は投与前に食事および水を自由に摂取できるようにした。
【0570】
動物は手で拘束する。時間点あたりおよそ150μLの血液を、終末期出血のための心臓穿刺(二酸化炭素下で麻酔)を介してヘパリンナトリウムチューブに採取する。血液試料を氷上に置き、10分以内に遠心分離して血漿試料を得る(2000g、5分、4℃)。
【0571】
動物は二酸化炭素吸入で安楽死させる。腹腔をはさみで開き、内臓を露出させる。直立姿勢で胴体を保持し、臓器が前方に落ちるようにする。結合組織を切断し、臓器を除去する。次いで、臓器を冷生理食塩水で洗浄し、ろ紙で乾燥させ、ねじ蓋式チューブに入れ、秤量し、ドライアイス内に直ちに置いて急速凍結させる。
【0572】
血漿および肝臓試料は、およそ-80℃で分析まで保存した。バックアップ試料は、必要がない限り、in-life完了から3週間後に廃棄する。未使用の投与溶液は試験完了後、3週間以内に廃棄する。
【0573】
105についてのLC-MS-MS分析の解析方法
【0574】
【0575】
エンドタールについてのLC-MS-MS分析の解析方法
【0576】
【0577】
薬物動態分析
ソフトウェア:PKパラメータは、非コンパートメント分析ツールPharsight
Phoenix WinNonlin(登録商標)6.2ソフトウェアの非コンパートメントモデルを用いて決定した。
【0578】
「BQL」ルール:LLOQ(ラット血漿および肝臓ホモジネートにおいて105に対してLLOQ=10.00ng/mL、エンドタールに対して20.00ng/mL)の80%未満の濃度データは、「BQL」と置き換え、図示およびPKパラメータの推定から除外した。LLOQの80%~120%以内の濃度データは、通常の機器の変動の範囲内と考え、結果に含めた。
【0579】
終末t
1/2
の計算:時間点は、第1選択肢としての終末半減期の推定のための「ベストフィット」モデルによって自動的に選択した。「ベストフィット」法で終末相を十分に定義できない場合には、手動選択を適用した。
【0580】
臨床観察
IV投与後のラット血漿および肝臓における105およびエンドタールの濃度-時間データおよび薬物動態パラメータを、表7.1~7.8に列挙し、
図2A~2Cに示した。
【0581】
表7.1:雄のSDラットでの1mg/kgのIV投与後の105の個別および平均血漿濃度-時間データ
【0582】
【0583】
血漿試料中の105のLLOQは、10.0ng/mLである。
【0584】
血漿試料中の105のULOQは、3000ng/mLである。
【0585】
BLQ:定量限界未満
表7.2:雄のSDラットにおける1mg/kgのIV投与後の105の個別および平均肝臓濃度-時間データ
【0586】
【0587】
肝臓試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0588】
1gの肝臓湿組織が1mLに等しいと仮定すると、肝臓濃度=肝臓ホモジネート濃度×4である。
【0589】
肝臓ホモジネート試料中の105のLLOQは、10.0ng/mLである。
【0590】
肝臓ホモジネート試料中の105のULOQは、3000ng/mLである。
【0591】
BLQ:定量限界未満
表7.3:雄のSDラットにおける1mg/kgのIV投与後の105の肝臓-血漿濃度比率
【0592】
【0593】
表7.4:SDラットにおける1mg/kgの105のIV投与後のエンドタールの個別および平均血漿濃度-時間データ
【0594】
【0595】
血漿試料中のエンドタールのLLOQは、20.0ng/mLである。
【0596】
血漿試料中のエンドタールのULOQは、3000ng/mLである。
【0597】
BLQ:定量限界未満
表7.5:SDラットにおける1mg/kgの105のIV投与後のエンドタールの個別および平均肝臓濃度-時間データ
【0598】
【0599】
肝臓試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0600】
1gの肝臓湿組織が1mLに等しいと仮定すると、肝臓濃度=肝臓ホモジネート濃度×4である。
【0601】
肝臓ホモジネート試料中のエンドタールのLLOQは、20.0ng/mLである。
【0602】
肝臓ホモジネート試料中のエンドタールのULOQは、3000ng/mLである。
【0603】
BLQ:定量限界未満
表7.6:SDラットにおける1mg/kgの105のIV投与後のエンドタールの肝臓-血漿濃度比率
【0604】
【0605】
表7.7.雄のSDラットにおける1mg/kgのIV投与後の105の平均薬物動態パラメータ
【0606】
【0607】
表7.8.雄のSDラットにおける1mg/kgの105のIV投与後のエンドタールの平均薬物動態パラメータ
【0608】
【0609】
IV-1mg/kgの105
雄のSDラットに1mg/kgで105をIV投与後、ラット血漿における105の濃度は終末半減期(T1/2)0.309時間で低下した。時間0から最終時間点まで(AUClast)および時間0から無限時間までの(AUCINF)の曲線下面積は、それぞれ1511および1526hr*ng/mLであった。全身クリアランスCLおよび定常状態での分布容積Vssは、それぞれ0.655L/hr/kgおよび0.215L/kgであった。
【0610】
肝臓におけるCmaxの平均値は、1029ng/gであり、対応するTmax値は0.25時間であった。AUC(0-last)の平均値は、1019ng/g*hrであった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は、67.4であった。
【0611】
エンドタール
雄のSDラットへの1mg/kgの105の静脈内投与後、ラット血漿におけるエンドタールの濃度は終末半減期(T1/2)10.1時間で低下した。時間0から最終時間点まで(AUClast)および時間0から無限時間まで(AUCINF)の曲線下面積は、それぞれ355および673hr*ng/mLであった。血漿におけるCmaxおよびTmaxの平均値はそれぞれ226ng/mLおよび0.25時間であった。
【0612】
肝臓におけるCmaxの平均値は、469ng/gであり、対応するTmax値は0.25時間であった。AUC(0-last)およびAUC(0-∞)の平均値は、それぞれ3152および4896ng/g*時間であった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は888であった。
【0613】
例3.化合物113の薬物動態研究
この研究の目的は、雄のSDラットに、113を静脈内(IV)および経口(PO)で単独投与した後の113、100およびエンドタールの薬物動態パラメータを決定することであった。113を、IV投与のために、4%NaHCO3含有生理食塩水に溶解させた。投与溶液の調製手法の詳細は、添付書類Iに示した。
【0614】
使用した動物:
【0615】
【0616】
15匹の動物を研究に用いた。IV群の動物は、食事および水を自由に摂取できるようにした。PO投与グループは、動物を一晩絶食させてから投与し、食事は投与から4時間後に開始させた。一匹の余剰の動物を、ブランクの肝臓、脳および血漿の生成(動物あたり5mL)のために使用した。得られたブランクの肝臓、脳および血漿は、試験全体の生体分析方法および試料生体分析の開発に供した。
【0617】
In-life試験設計
【0618】
【0619】
投与、試料採取、試料処理、および試料保存
IV注射を、足背静脈に実施した。POは、経口胃管栄養により実施した。
【0620】
血液採取:動物は手で拘束する。時間点あたりおよそ200μLの血液を、終末期出血のための心臓穿刺(二酸化炭素下で麻酔)を介してヘパリンナトリウムチューブに採取する。血液試料を氷上に置き、10分以内で遠心分離して血漿試料を得る(2000g、5分、4℃の下)。
【0621】
肝臓採取:動物は二酸化炭素吸入で安楽死させる。腹腔をはさみで開き、内臓を露出させる。直立姿勢で胴体を保持し、臓器が前方に落ちるようにする。結合組織を切断し、臓器を除去する。次いで、臓器を冷生理食塩水で洗浄し、ろ紙で乾燥させ、ねじ蓋式チューブに入れ、秤量し、ドライアイス内に直ちに置いて急速凍結する。
【0622】
脳の採取:動物の頭皮の中線に切り込みを入れ、皮膚を引っ込ませる。小さな骨カッターおよび骨鉗子を使用して、脳の上にある頭蓋骨を除去する。へらを使用して脳を取り出し、冷生理食塩水で洗浄し、ろ紙で乾燥させ、ねじ蓋式チューブに入れ、秤量し、ドライアイス内に直ちに置いて急速凍結する。脳組織を、分析直前に、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS pH7.4)で2分間、ホモジネートする。血漿、脳および肝臓試料は、分析までおよそ-80℃で保存した。バックアップ試料は、必要がない限り、in-life完了から3週間後に廃棄する。未使用の投与溶液は試験完了後、3週間以内に廃棄する。
【0623】
113についてのLC-MS-MS分析の解析方法
【0624】
【0625】
エンドタールについてのLC-MS-MS分析の解析方法
【0626】
【0627】
化合物100についてのLC-MS-MS分析の解析方法
【0628】
【0629】
薬物動態分析
ソフトウェア:PKパラメータは、非コンパートメント分析ツールPharsight
Phoenix WinNonlin(登録商標)6.2ソフトウェアの非コンパートメントモデルによって決定した。
【0630】
「BQL」ルール:LLOQ(ラット血漿、脳および肝臓ホモジネートにおいて113に対してLLOQ=1.00ng/mL、ラット血漿、脳および肝臓ホモジネートにおいてエンドタールに対してLLOQ=20.00ng/mL、ラット血漿において100に対してLLOQ=3.00ng/mL、ラット脳および肝臓ホモジネートにおいて100に対して6.00ng/mL)の80%未満の濃度データは、「BQL」と置き換え、図示およびPKパラメータの推定から除外した。LLOQの80%~120%以内の濃度データは、通常の機器分析の変動の範囲内と考え、結果に含めた。
【0631】
終末期t
1/2
の計算:時間点は、第1選択肢としての終末半減期推定についての「ベストフィット」モデルによって自動的に選択した。「ベストフィット」法では終末相を十分に定義できない場合には、手動選択を適用した。
【0632】
結果
異常な臨床症状は、IVおよびPO投与後に観察されなかった。
【0633】
IVおよびPO投与後のラット血漿、脳および肝臓における113、100およびエンドタールの濃度-時間データおよび薬物動態パラメータを、表8.1~8.19に列挙し、
図3A~3Dに示した。
【0634】
表8.1:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の個別および平均血漿濃度-時間データ
【0635】
【0636】
血漿試料中の113のLLOQは、1.00ng/mLである。
【0637】
血漿試料中の113のULOQは、3000ng/mLである。
【0638】
BLQ:定量限界未満
表8.2:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのPO投与後の113の個別および平均血漿濃度-時間データ
【0639】
【0640】
血漿試料中の113のLLOQは、1.00ng/mLである。
【0641】
血漿試料中の113のULOQは、3000ng/mLである。
【0642】
BLQ:定量限界未満
表8.3:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の個別および平均肝臓濃度-時間データ
【0643】
【0644】
肝臓試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0645】
1gの肝臓湿組織が1mLに等しいと仮定すると、肝臓濃度=肝臓ホモジネート濃度×4である。
【0646】
肝臓ホモジネート試料中の113のLLOQは、1.00ng/mLである。
【0647】
肝臓ホモジネート試料中の113のULOQは、3000ng/mLである。
【0648】
BLQ:定量限界未満
表8.4:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の肝臓-血漿濃度比率
【0649】
【0650】
表8.5:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の個別および平均脳濃度-時間データ
【0651】
【0652】
脳試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0653】
1gの脳湿組織が1mLに等しいと仮定すると、脳濃度=脳ホモジネート濃度×4である。
【0654】
脳ホモジネート試料中の113のLLOQは、1.00ng/mLである。
【0655】
脳ホモジネート試料中の113のULOQは、3000ng/mLである。
【0656】
BLQ:定量限界未満。
【0657】
表8.6:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の脳-血漿濃度比率
【0658】
【0659】
表8.7:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの個別および平均血漿濃度-時間データ
【0660】
【0661】
血漿試料中のエンドタールのLLOQは、20.0ng/mLである。
【0662】
血漿試料中のエンドタールのULOQは、3000ng/mLである。
【0663】
BLQ:定量限界未満
表8.8:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの個別および平均肝臓濃度-時間データ
【0664】
【0665】
肝臓試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0666】
1gの肝臓湿組織が1mLに等しいと仮定すると、肝臓濃度=肝臓ホモジネート濃度×4である。
【0667】
肝臓ホモジネート試料中のエンドタールのLLOQは、20.0ng/mLである。
【0668】
肝臓ホモジネート試料中のエンドタールのULOQは、3000ng/mLである。
【0669】
BLQ:定量限界未満
表8.9:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの肝臓-血漿濃度比率
【0670】
【0671】
表8.10:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの個別および平均脳濃度-時間データ
【0672】
【0673】
脳試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0674】
1gの脳湿組織が1mLに等しいと仮定すると、脳濃度=脳ホモジネート濃度×4である。
【0675】
脳ホモジネート試料中のエンドタールのLLOQは、20.0ng/mLである。
【0676】
脳ホモジネート試料中のエンドタールのULOQは、3000ng/mLである。
【0677】
BLQ:定量限界未満
表8.11:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの脳-血漿濃度比率
【0678】
【0679】
表8.12:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の個別および平均血漿濃度-時間データ
【0680】
【0681】
血漿試料中の100のLLOQは、3.00ng/mLである。
【0682】
血漿試料中の100のULOQは、3000ng/mLである。
【0683】
BLQ:定量限界未満
表8.13.SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の個別および平均肝臓濃度-時間データ
【0684】
【0685】
肝臓試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS pH7.4)でホモジネートする。
【0686】
1gの肝臓湿組織が1mLに等しいと仮定すると、肝臓濃度=肝臓ホモジネート濃度×4である。
【0687】
肝臓ホモジネート試料中の100のLLOQは、6.00ng/mLである。
【0688】
肝臓ホモジネート試料中の100のULOQは、3000ng/mLである。
【0689】
BLQ:定量限界未満
表8.14.SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の肝臓-血漿濃度比率
【0690】
【0691】
表8.15.SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の個別および平均脳濃度-時間データ
【0692】
【0693】
脳試料を、3体積(v/w)のホモジネート溶液(PBS PH7.4)でホモジネートする。
【0694】
1gの脳湿組織が1mLに等しいと仮定すると、脳濃度=脳ホモジネート濃度×4である。
【0695】
脳ホモジネート試料中の100のLLOQは、6.00ng/mLである。
【0696】
脳ホモジネート試料中の100のULOQは、3000ng/mLである。
【0697】
BLQ:定量限界未満
表8.16:SDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の脳-血漿濃度比率
【0698】
【0699】
表8.17:雄のSDラットにおける1.4mg/kgのIV投与後の113の平均薬物動態パラメータ
【0700】
【0701】
表8.18:雄のSDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後のエンドタールの平均薬物動態パラメータ
【0702】
【0703】
表8.19:雄のSDラットにおける1.4mg/kgの113のIV投与後の100の平均薬物動態パラメータ
【0704】
【0705】
IV-1.4mg/kgの113
雄のSDラットへの1.4mg/kgの113のIV投与後、時間0から最終時間点までの曲線下面積AUClastは、155hr*ng/mLであった。
【0706】
肝臓におけるCmaxの平均値は、46.2ng/gであり、対応するTmax値は0.25時間であった。AUC(0-last)の平均値は、28.1ng/g*hrであった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は、18.1であった。
【0707】
脳におけるCmaxの平均値は、90.4ng/gであり、対応するTmax値は0.25時間であった。AUC(0-last)の平均値は、47.5ng/g*hrであった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は、30.6であった。
【0708】
PO-1.4mg/kgの113
113の1.4mg/kgでのPO投与後、ラット血漿のCmax値は17.7ng/mLであり、対応する平均Tmax値は0.250時間であった。時間0から最終時間点までの曲線下面積AUClastは、15.7hr*ng/mLであった。1.4mg/kgのIV投与および1.4mg/kgのPO投与後の、SDラットにおけるこの化合物のバイオアベイラビリティは、10.1%と推定された。
【0709】
エンドタール
雄SDラットへの1.4mg/kgの113の静脈内投与後、時間0から最終時間点までの曲線下面積AUClastは、70.7hr*ng/mLであった。血漿におけるCmaxおよびTmaxの平均値はそれぞれ43.1ng/mLおよび0.25時間であった。
【0710】
肝臓におけるCmaxの平均値は、1066ng/gであり、対応するTmax値は1.00時間であった。AUC(0-last)およびAUC(0-∞)の平均値は、それぞれ8086および8678ng/g*hrであった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は、11438であった。
【0711】
化合物100
血漿におけるCmaxおよびTmaxの平均値はそれぞれ554ng/mLおよび0.25時間であった。AUC(0-last)およびAUC(0-∞)の平均値は、それぞれ703ng/mL*hrおよび707ng/mL*hrであった。
【0712】
肝臓におけるCmaxの平均値は、1895ng/gであり、対応するTmax値は0.25時間であった。AUC(0-last)およびAUC(0-∞)の平均値は、それぞれ2804ng/g*hrおよび2834ng/g*hrであった。血漿に対する肝臓のAUC(0-t)比率は、399であった。
【0713】
例4.化合物151の薬物動態研究
151の薬物動態研究をSDラットで実施した。この研究は、1.0(iv)および10(経口)mg/kgの2つの用量レベルで構成した。血液試料を所定時間にラットから回収し、遠心分離して、血漿を分離した。血漿試料中の試験物質を決定するためにLC/MS/MS方法を開発した。SDラットへのivおよび経口投与後の151の薬物動態パラメータを計算した。絶対的バイオアベイラビリティを評価した。
【0714】
試験設計
合計で5匹の雄SDラットを、下記表に示すようにこの試験に割り当てた:
【0715】
【0716】
用量調製および用量投与
151(MW282.34、純度99.2%、ロット番号20110512)を、投与当日に試験物質をPBS(pH7.4)中に溶解させることにより調製した。試験物質の最終濃度は、iv投与では0.2mg/mLであり、経口投与では1.0mg/mLであった。試験物質溶液は、各動物についての直近の体重に基づいて投与した。
【0717】
試料採取
血液(およそ0.3mL)を、経口投与の0.25、0.5、1、2、3、5、7、9および24時間後、ならびにiv投与の5分、15分、0.5、1、2、3、5、7、9および24時間後に、眼窩神経叢(orbital plexus)経由でヘパリンナトリウム含有チューブに採取した。試料を、11,000rpmの遠心分離設定で5分間、4℃で遠心分離し、血漿を分離した。得られた血漿試料は、分析まで、約-70℃の温度で凍結して保存した。
【0718】
血漿試料の調製
凍結された血漿試料を室温で解凍し、十分に撹拌した。ピペットで、血漿の分取物(30μL)を1.5mLのコニカルポリプロピレンチューブに移した。各試料に、160μLのアセトニトリルを加えた。次いで、試料を1分間、十分に撹拌して混合した。11000rpmで5分間、遠心分離した後、上清の15μL分取物を、分析のためにLC-MS/MSシステムに注入した。
【0719】
較正試料の調製
較正標準は、30μLの151の標準溶液を、30μLのヘパリン化処理したブランクのラット血漿に添加することによって調製した。標準曲線における公称標準濃度は、1.00、3.00、10.0、30.0、100、300、1000および3000ng/mLであった。
【0720】
LC/MS/MSシステム
以下の構成からなるLC-MS/MSシステムを使用して分析を行った-HPLCシステム:G1312B真空脱ガス装置、G1322Aバイナリポンプ、G1316Bカラムオーブン、およびG1367Dオートサンプラー(Agilent、USA)からなるAgilent 1200シリーズ機器;MS/MSシステム:APCIインターフェースを備えたAgilent 6460三連四重極質量分析計(Agilent、USA);データシステム:MassHunter Software(Agilent、USA)。
【0721】
クロマトグラフィーの条件
クロマトグラフィー分離は室温で実施した-分析カラム:C8カラム(4.6mm×150mm I.D.、5μm、Agilent、USA);移動相:アセトニトリル:10mM酢酸アンモニウム(75:25、v/v);流量:0.80mL/分;注入体積:15μL。
【0722】
質量分析条件
質量分析計はポジティブモードで操作した。イオン化は以下のパラメータを適用して実施した:ガス温度、325℃;気化器温度、350℃;ガスフロー、4L/分;ネブライザー、20psi;キャピラリー電圧、4500V;コロナ電流、4μA。151を、MRM遷移m/z283 → m/z123およびm/z283 → m/z251を同時に使用して検出した。m/z123およびm/z251に対して最適化衝突エネルギー25eVおよび10eVをそれぞれ使用した。
【0723】
定量
定量は外部標準法によって達成した。試験物質の濃度は、加重最小自乗線形回帰法(W=1/x2)を使用して計算した。
【0724】
薬物動態解釈
薬物動態パラメータを、WinNonlinバージョン5.3(Pharsight Corp.、Mountain View、CA、USA)を使用して評価し、薬物吸収および分布についての非コンパートメントモデルを仮定した。
【0725】
- AUC0-tは、線形台形則により計算した、時間0から最終試料採取時間までの血漿濃度-時間曲線下面積である。
【0726】
- AUC0-∞は、外挿時間0から無限時間までの血漿濃度-時間曲線下面積である。
【0727】
- T1/2は、終末期(log-線形)消失相と関連する消失半減期であり、時間対log濃度の線形回帰式により見積もられる。
【0728】
- CLは、全身クリアランスである。
【0729】
- Vssは、定常状態での分布容積である。
【0730】
血漿試料についての検量線
ラット血漿におけるL151の検量線は、試験全体にわたって1.00~3000ng/mLの範囲で直線であった。検量線の線形回帰式はy=885.6448x+791.9622、r2=0.9927であり、ここでyは151のピーク面積を表し、xは151の血漿濃度を表す。
【0731】
SDラットにおける151の血漿濃度
SDラットへ151をiv(1.0mg/kg)および経口(10mg/kg)投与した後、試験物質の血漿濃度を、上述のLC/MS/MS方法により測定した。各試料採取時間での血漿濃度を、表9.1および9.2に列挙してある。
【0732】
薬物動態解釈
血漿中の151の主な薬物動態パラメータを、表9.3および9.4にまとめている。
SDラット(n=3)への10mg/kgの経口投与後、151は迅速に吸収され、血漿ピーク濃度は投与後0.5時間であった。151の消失は早く、平均半減期は1.26時間であった。1.0mg/kg(n=2)のiv投与後、151の消失半減期は0.89時間であった。ラット血漿由来の151の平均クリアランスおよび定常状態の分布容積は、859ml/h/kgおよび736ml/kgであった。曝露(AUC0-∞)に基づくと、151の絶対的バイオアベイラビリティ(F)は、SDラットへの10mg/kgでの経口投与後、54.6%であった。
【0733】
表9.1:10mg/kgでpo投与した後のSDラットにおける151の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0734】
【0735】
表9.2:1.0mg/kgでIV投与した後のSDラットにおける151の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0736】
【0737】
表9.3 10mg/kgでpo投与した後のSDラットにおける151の主な薬物動態パラメータ
【0738】
【0739】
表9.4:1.0mg/kgでIV投与した後のSDラットにおける151の主な薬物動態パラメータ
【0740】
【0741】
LB151血漿試料におけるLB100の濃度も測定し、薬物動態パラメータを計算した。LB151はLB100に変換した(表9.5~9.8参照)。
【0742】
表9.5:SDラットへの10mg/kgの151のPO投与後の100の血漿濃度(ng/mL)
【0743】
【0744】
表9.6:SDラットへの1.0mg/kgの151のiv投与後の100の血漿濃度(ng/mL)
【0745】
【0746】
表9.7:SDラットへの10mg/kgの151のPO投与後の100のPKパラメータ
【0747】
【0748】
表9.8:SDラットへの1.0mg/kgの151のiv投与後の100のPKパラメータ
【0749】
【0750】
例5.化合物100の薬物動態研究
100およびその代謝物エンドタールの薬物動態研究をSDラットで実施した。100は、0.5、1.0および1.5mg/kgでSDラットにiv経路で投与した。血液、肝臓および脳組織試料を、ラットから、所定の時間で採取した。血漿、肝臓および脳試料における100およびエンドタールを測定するために、LC/MS/MS方法を開発した。この報告では、血漿、肝臓および脳試料における100およびエンドタールの濃度を示した。
【0751】
試料採取
グループあたり12匹の雌のSDラットに100をivで投与した。ラットを、投与前に一晩絶食させ、水は自由に摂取できるようにした。食事は、投与後2時間、保留した。
各グループ2匹の動物の血液、肝臓および脳組織試料を、各時間点において、各時間点の予定時間10%以内で採取した。2つのさらなる動物を、分析的方法を発展させるために使用した。血液(>0.3mL)は、iv投与から15分、1、2、6、10および24時間後に、麻酔をかけた動物の腹部大動脈経由で、ヘパリン含有チューブ内へ採取した。肝臓および脳組織は、動物が死んだ直後に採取した。肝臓および脳組織を切除し、冷生理食塩水で洗浄し、血液残渣を除いた。採取に際し、各試料を氷上に置き、血液試料を続けて遠心分離(4℃、11000rpm、5分)して、血漿を分離した。得られた血漿、肝臓および脳組織試料は、LC-MS/MS分析まで-70℃で保存した。
【0752】
薬物動態解釈
薬物動態パラメータを、WinNonlinバージョン5.3(Pharsight Corp.、Mountain View、CA、USA)を使用して評価し、薬物吸収および分布についての非コンパートメントモデルを仮定した。AUC0-t(AUClast)は、線形台形則により計算した、時間0から最終試料採取時間までの血漿濃度-時間曲線下面積である。AUC0-∞(AUCINF)は、消失速度定数に基づいて外挿した最終濃度を用いた血漿濃度-時間曲線下面積である。
【0753】
SDラットにおける試験物質の血漿、肝臓および脳組織濃度
SDラットへの100の単独iv投与後、100とエンドタールの両方の血漿、肝臓および脳組織濃度を、上記に記載のLC/MS/MS方法によって計算した。各試料採取時間での血漿、肝臓および脳組織の濃度を、表10.1~10.6および
図4A~4Dに列挙してある。計算した薬物動態パラメータを、表10.7~10.8に列挙する。100は、SDラットへの0.5、1.0および1.5mg/kgでのiv投与後、血液脳関門(BBB)を通過できた。血漿中の平均C
maxは、1110~3664ng/mlであった。肝臓および脳における平均C
maxは、それぞれ586~2548ng/kgおよび17.4~43.5ng/kgであった。血漿におけるAUC
lastは695.8~7399.6ng・h/mlであり、それぞれ肝臓では758.6~9081.0ng・h/g、脳では10.8~125.5ng・h/gであった。血漿、肝臓および脳におけるT
1/2は、それぞれ0.31~2.20時間、0.78~2.01時間および1.67~1.93時間であった。
【0754】
表10.4~10.6および
図4D~4Eに示されるように、エンドタールは、100を0.5、1.0および1.5mg/kgで単独iv投与した後の血漿および肝臓試料で検出可能であり、血漿および肝臓における濃度は100の用量レベルに応じて増加したが、エンドタールは脳試料では検出されなかった。血漿および肝臓における平均C
maxは、それぞれ577~1230ng/mlおよび349~2964ng/mlであった。血漿および肝臓におけるAUC
lastは、それぞれ546~4476ng・h/mlおよび2598~18434ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT
1/2は、それぞれ6.25~7.06時間および4.57~10.1時間であった。
【0755】
単独iv投与後、血漿における100の平均Cmaxは、1110~3664ng/mlであり、血漿におけるT1/2は0.31~2.20時間であった。血漿におけるAUClastは695.8~7399.6ng*h/mlであり、AUCは、100の用量レベルに比例して増加した。単独iv投与後、100は、肝臓と脳組織試料の両方で検出可能であった。肝臓試料における100の濃度は、同じ試料採取時間点で脳試料における濃度よりも高かったが、肝臓および脳組織における100はいずれもiv投与後24時間で定量限界未満であった。100の単独iv投与後、エンドタールは血漿および肝臓組織で検出可能であり、長期間留まった。血漿および肝臓における平均Cmaxは、それぞれ577~1230ng/mlおよび349~2964ng/mであった。血漿および肝臓におけるAUClastは、それぞれ546~4476ng・h/mlおよび2598~18434ng・h/gであった。血漿および肝臓におけるT1/2は、それぞれ6.25~7.06時間および4.57~10.1時間であった。しかしながら、エンドタールは、脳の組織では検出されなかった。
【0756】
表10.1:iv投与後のSDラットにおける100の血漿濃度(ng/mL)の分析データ
【0757】
【0758】
表10.2 iv投与後のSDラットにおける100の肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0759】
【0760】
表10.3:iv投与後のSDラットにおける100の脳濃度(ng/g)の分析データ
【0761】
【0762】
表10.4:iv投与後のSDラットにおけるエンドタール血漿濃度(ng/g)の分析データ
【0763】
【0764】
表10.5:100のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの肝臓濃度(ng/g)の分析データ
【0765】
【0766】
表10.6:100のiv投与後のSDラットにおけるエンドタールの脳濃度(ng/g)の分析データ
【0767】
【0768】
表10.7 iv投与後のSDラットにおける100の主な薬物動態パラメータ
【0769】
【0770】
表10.8 100の単独iv投与後のSDラットにおけるエンドタールの主な薬物動態パラメータ
【0771】
【0772】
100の血漿試料におけるエンドタールの濃度を測定し、薬物動態パラメータを計算した。LB100はエンドタールに変換された。
【0773】
例6.化合物の投与
化合物100、105、113、153および157は、PP2A阻害剤である。本発明は、100、105、113、153および157のアナログを提供する。これらのアナログは、インビトロでのヒト癌細胞ならびに非経口投与されたマウス内のヒト腫瘍細胞異種移植片における、PP2Aの阻害剤である。これらの化合物は、マウスモデル系において癌細胞の成長を阻害する。100、105、113、153および157のアナログをマウスに腹腔内投与し、PP2A活性を肝臓および脳で測定する。100、105、113、153および157のアナログは、肝臓および脳におけるPP2A活性を減少させる。
【0774】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象の処置に有効である。
【0775】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、びまん性内在性橋膠腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の処置に有効である。
【0776】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の処置に有効である。
【0777】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0778】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、びまん性内在性橋膠腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0779】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0780】
例7.化合物と抗癌作用因子との組み合わせ投与
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、抗癌作用因子と組み合わせて、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、抗癌作用因子の抗癌活性を増強するために有効である。
【0781】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドと組み合わせて、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドの抗癌活性を増強するために有効である。
【0782】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、抗癌作用因子と組み合わせて、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、抗癌作用因子の抗癌活性を増強するために有効である。
【0783】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドと組み合わせて、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドの抗癌活性を増強するために有効である。
【0784】
例8.エンドタールプロドラッグ
本明細書に含まれるデータで実証されるように、化合物105、113、153および157は、インビボでエンドタールに代謝される。本明細書に含まれる105、113、153および157のアナログも、インビボでエンドタールに代謝され、エンドタールのプロドラッグとして作用する。本明細書に含まれるエンドタール(edothal)二量体アナログも、インビボでエンドタールに代謝され、エンドタールのプロドラッグとして作用する。
【0785】
さらに、理論によって拘束されないが、本出願のプロドラッグは、対象の特定の細胞、つまり癌細胞へのエンドタールの標的送達を可能にすると考えられる。エンドタールの直接投与は、毒性のために望ましくない。プロドラッグは、吸収を改善し、活性化合物のバイオアベイラビリティの向上を導く。
【0786】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象における癌細胞にエンドタールを送達させるために有効である。
【0787】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象における脳癌細胞にエンドタールを送達させるために有効である。
【0788】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象におけるびまん性内在性橋膠腫細胞または多形膠芽腫細胞にエンドタールを到達させるために有効である。
【0789】
ある量の本発明の化合物のいずれか1つを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、エンドタールに前記対象の血液脳関門を通過させるために有効である。
【0790】
例9.エンドタール/化学療法薬二重プロドラッグ
本明細書に含まれるデータで実証されるように、化合物105、113、153および157は、インビボでエンドタールに代謝される。本明細書に含まれる105、113、153および157のアナログも、インビボでエンドタールに代謝され、エンドタール/化学療法薬二重プロドラッグとして作用する。本明細書に含まれる二重プロドラッグも、インビボでエンドタールに代謝され、エンドタールのプロドラッグとして作用する。ただし、エンドタールへの代謝は同時に、化学療法薬を放出する。
【0791】
さらに、理論によって拘束されないが、本出願の二重プロドラッグは、対象の特定の細胞、つまり癌細胞へのエンドタールおよび化学療法薬の標的送達を可能にすると考えられる。エンドタールおよび/または化学療法薬の直接投与は、毒性のために望ましくない。
【0792】
さらに、理論によって拘束されないが、本出願の二重プロドラッグは、対象の特定の細胞、つまり癌細胞への、エンドタールおよび化学療法薬の標的送達を可能にすると考えられる。さらに、二重プロドラッグは、2つの生物活性化合物が1つの薬物(新規構造)に組み合わされているという利点を有する。その構造単独で、独自の利点、例えば、改善された吸収によっていずれかの成分のバイオアベイラビリティの向上を導くという利点がある。さらに、エンドタールおよび/または化学療法薬の直接投与は、いずれかの固有の毒性のために望ましくない可能性がある。
【0793】
例10.LB-100POMエステルおよびLB-100カルボネートの合成
LB-100POMエステル
【0794】
【0795】
LB-100(106mg、0.4mmol)のDMF(5ml)溶液に、Cs2CO3(386mg、1.2mmol)を室温で加える。5分間撹拌した後、クロロメチルビバレート(178mmg、1.2mmol)を加える。得られた混合物を、室温で一晩撹拌する。水(10ml)を加え、混合物を酢酸エチル(5×10ml)で抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を除去する。残渣をヘキサンで滴定し、ろ過し、白色固体(103mg、収率68%)を得る。1H NMR (CDCl3) 1.20 (s, 9H), 1.52 (d, 2H), 1.84 (d, 2H), 2.28-2.52 (m, 7H), 2.88 (d, 1H), 3.16 (d, 1H), 3.36-3.52 (m, 3H), 3.72 (m, 1H), 4.80 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 5.68 (d, 1H), 5.72 (d, 1H).
LB-100カルボネート
【0796】
【0797】
LB-100(150mg、0.56mmol)のDMF(5ml)溶液に、Cs2CO3(546mg、1.7mmol)を室温で加える。5分間撹拌した後、クロロメチルエチルカルボネート(232mmg、1.7mmol)を加える。得られた混合物を、室温で一晩撹拌する。水(10ml)を加え、混合物を酢酸エチル(5×10ml)で抽出する。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、溶媒を除去する。残渣をヘキサンで滴定し、ろ過し、白色固体(124mg、収率60%)を得る。1HNMR (CDCl3) 1.23 (t, 3H), 1.52 (d, 2H), 1.84 (d, 2H), 2.28-2.52 (m, 7H), 2.84 (d, 1H), 3.18 (d, 1H), 3.36-3.52 (m, 3H), 3.72 (m, 1H),4.20 (q, 2H), 4.80 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 5.62 (d, 1H), 5.80 (d, 1H).
例12.LB-100カルボネートまたはLB-100POMの投与
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の処置に有効である。
【0798】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、びまん性内在性橋膠腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の処置に有効である。
【0799】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の処置に有効である。
【0800】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0801】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、びまん性内在性橋膠腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0802】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、対象の血液脳関門を通過し、対象を処置するために有効である。
【0803】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、抗癌作用因子と組み合わせて、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、抗癌作用因子の抗癌活性を増強するために有効である。
【0804】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドと組み合わせて、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドの抗癌活性を増強するために有効である。
【0805】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、抗癌作用因子と組み合わせて、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、抗癌作用因子の抗癌活性を増強するために有効である。
【0806】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドと組み合わせて、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、電離放射線、X線、ドセタキセル、またはテモゾロミドの抗癌活性を増強するために有効である。
【0807】
例13.LB-100カルボネートおよびLB-100POMプロドラッグ
本明細書に含まれるデータで実証されるように、LB-100カルボネートおよびLB-100POMは、インビボでエンドタールに代謝され、エンドタールのプロドラッグとして作用する。さらに、理論によって拘束されないが、本出願のプロドラッグは、対象の特定の細胞、つまり癌細胞へのエンドタールの標的送達を可能にすると考えられる。エンドタールの直接投与は、毒性のために望ましくない。プロドラッグは、吸収を改善し、活性化合物のバイオアベイラビリティの向上を導く。
【0808】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象における癌細胞にエンドタールを送達させるために有効である。
【0809】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象における脳癌細胞にエンドタールを送達させるために有効である。
【0810】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、びまん性内在性橋膠腫または多形膠芽腫を患う対象に投与する。この量の化合物は、前記対象におけるびまん性内在性橋膠腫細胞または多形膠芽腫細胞にエンドタールを到達させるために有効である。
【0811】
ある量のLB-100カルボネートまたはLB-100POMを、脳癌を患う対象に投与する。この量の化合物は、エンドタールに前記対象の血液脳関門を通過させるために有効である。
【0812】
例14.肝臓および全血アッセイ
LB100、LB-100カルボネートおよびLB-100POMの安定性(全血、肝S9、SGF、SIF、およびPBSバッファー)ならびにMDCK-MDR1単層透過性を評価した。
【0813】
分析法の開発
分析物シグナルを、ESI正または負イオン化モードにより、各化合物について最適化した。MS2スキャンまたはSIMスキャンを使用してフラグメンタ電圧(fragmenter voltage)を最適化し、生成物イオン分析を使用して分析のための最適フラグメントを同定し、衝突エネルギーを生成物イオンまたはMRMスキャンを使用して最適化した。イオン化の順位を割り当て、化合物のイオン化の容易性を示した。
【0814】
3.3試料分析(化学的安定性、全血安定性およびS9安定性アッセイ)
試料分析(化学的安定性、全血安定性、およびS9安定性アッセイ)
試料を、Agilent1290 HPLC Infinityシリーズ、CTC PAL冷却オートサンプラーに連結された、全てAnalystソフトウェアによって制御されるSCIEX QTrap5500質量分析計を使用して、LC-MS/MSにより分析した。アセトニトリル-水勾配系を用いて、C18逆相HPLCカラム(Acquity UPLC HSS T3、1.8、2.1×50mm)で分離した後、ピークをMRMモードでのESIイオン化を使用した質量分析(MS)により分析した。
【0815】
試料分析(MDCK-MDR1透過アッセイ)
試料を、Acquity HPLC、CTC PAL冷却オートサンプラーに連結された、全てMassLynx(Waters)によって制御されるXevo II質量分析計を使用して、LC/MS/MSにより分析した。アセトニトリル-水勾配系を用いて、C18逆相HPLCカラム(Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8um 1×50mM)で分離した後、ピークをMRMモードでのESIイオン化を使用した質量分析(MS)により分析した。
【0816】
【0817】
実験手順:化合物を、二連で、PBSバッファー(pH7.4)、SGF(pH1.2)またはSIF(pH6.5)のいずれかと共に37℃でインキュベートした。示された時間で、アリコートを各実験反応物から取り出し、3体積の氷冷停止液(分析内部標準としてプロプラノロール/ジクロフェナク/ブセチンを含むメタノール)と混合した。停止された反応物を、10分間、-20℃でインキュベートした。試料を遠心分離して、上清をLC/MS/MSにより分析して、残余の親および代謝物の形成について定量化した。データを、時間ゼロの濃度値で割って、残余%へ変換した。データを一次減衰モデルに当てはめ、半減期を決定した。
【0818】
肝S9安定性:実験条件
実験手順:試験物質を二連で肝S9と共に37℃でインキュベートする。反応物は、100mMのリン酸カリウム、2mMのNADPH、3mMのMgCl2、pH7.4中に肝S9タンパク質を含んでいる。対照は、NADPHなしの分解を検出するために、NADPHを除いた各試験物質について実施する。示された時間で、アリコートを各実験および対照反応物から取り出し、等体積の氷冷停止液(内部標準プロプラノロールを含むメタノール)と混合する。停止された反応物を、10分間、-20℃でインキュベートする。試料を遠心分離して沈殿したタンパク質を除去し、上清をLC/MS/MSにより分析して、残余の親および代謝物の形成について定量化する。データは、時間ゼロの濃度値で割って、残余%として報告する。
【0819】
【0820】
全血安定性:実験条件
実験手順:最初に、ストック溶液を、所望の最終濃度の100×である濃度にアセトニトリルで希釈した。希釈物を、二連で全血と共に37℃でインキュベートした。示された時間で、アリコートを各実験および対照反応物から取り出し、3体積の氷冷停止液(内部標準としてプロプラノロールを含むメタノール)と混合した。停止された反応物を、少なくとも10分間、-20℃でインキュベートした。試料を遠心分離して沈殿したタンパク質を除去し、上清をLC-MS/MSにより分析して、残余の親および代謝物の形成について定量化した。
【0821】
データを、時間ゼロの濃度値で割って、残余%へ変換した。データを一次減衰モデルに当てはめ、半減期を決定した。
【0822】
【0823】
MDCK-MDR1透過性:実験条件
実験手順:組織培養フラスコ中で増殖させたMDCK-MDR1細胞をトリプシン処理し、培地に懸濁させ、懸濁液を、Millipore96ウェルプレートのウェルに適用した。細胞を、3週間、2日間隔で栄養を与えながら増殖および分化させる。頂端から基底へ(A→B)の透過性については、試験物質を頂端(A)側に加え、透過量を基底(B)側で決定し;基底から頂端へ(B→A)の透過性については、試験物質をB側に加え、透過量をA側で決定する。A側バッファーは、100μMのLucifer黄色染料を含むTransportバッファー(1.98g/Lのグルコースを含む10mM HEPES、1×ハンクス平衡塩溶液)、pH7.4であり、B側バッファーは、Transportバッファー、pH7.4である。MDCK-MDR1細胞をこれらのバッファーと共に2時間インキュベートし、受け側のバッファーを取り出してLC/MS/MS(分析内部標準としてプロプラノロールを使用)により分析する。MDCK-MDR1細胞単層が適切に形成されていることを確認するために、細胞バッファーのアリコートを蛍光により分析して、不透過性Lucifer黄色染料の移動を測定する。対照値からのあらゆる偏差を報告する。
【0824】
質量分析法の開発:MS/MS
LB-151(LB-100、エンドタール、およびエンドタールメチルエステル)、LB-100カルボネート(LB-100およびエンドタール)、ならびにLB-100POM(LB-100およびエンドタール)の代謝物をモニターした。
【0825】
【0826】
肝S9安定性試験において、代謝物LB-100およびエンドタール(endothall)が、NADPH(交差種(cross species))ありまたはなしで、LB-100カルボネートとLB-100POMエステルの両方において観察され、これらの代謝物が、非NADPH依存性酵素(例えば、エステラーゼおよびアミダーゼ)により形成されることが示唆された。LB-151試料において代謝物は観察されなかった(
図5参照)。ラット、イヌ、サルおよびヒトにおいて、LB-100カルボネートおよびLB-100POMエステル代謝物を試験した(
図6参照)。
【0827】
全血(whole blode)半減期試験において、エンドタールおよびLB-100の形成が、LB-100カルボネートおよびLB-100POMエステル(交差種)で観察された。LB-151において代謝物は検出されなかった(
図7参照)。全血代謝物試験では、ラット、イヌ、サルおよびヒトにおいて、LB-100カルボネートおよびLB-100POMエステルは、エンドタールおよびLB-100に代謝された(
図8参照)。
【0828】
MDCK-MDR1透過性試験において、全ての試料で代謝物は観察されなかった(
図9参照)。
【0829】
考察
PP2Aの抑制は、DNA損傷修復(DDR)機構における複数の側面と、有糸分裂からの脱却に干渉する。これらの機構は、癌の処置に対する癌細胞の感受性を高め、急性DNA損傷を引き起こす。化合物100(米国特許第7,998,957B2号参照)は、単独で使用する場合、抗癌活性を有し(Lu el al.2009a)、さらにインビボで標準的な細胞毒性抗癌薬、例えば、テモゾロミド(Lu et al.2009b、Martiniova et al.2010)、ドキソルビシン(Zhang et al.2010)、およびドセタキセルの抗腫瘍活性を、検出可能な毒性の増加なしに、有意に増強させる。100は、最近、単独およびドセタキセルとの併用で、フェーズI臨床評価について承認を受け、臨床試験中である。
【0830】
化合物100は、標準的な化学療法薬および放射線の活性を増強するセリン/スレオニンホスファターゼ阻害剤である。増強のメカニズムは、DNA損傷修復過程の複数のステップの妨害、および有糸分裂から抜けることに対する阻害である。化合物100は、皮下異種移植片で成長する様々なヒト癌細胞株に対するテモゾロミド、ドキソルビシン、タキソテールおよび放射線の活性を増強することが示されている。化合物100の処置により、放射線量増強因数は1.45となる。U251ヒトGBM細胞の皮下(sc)異種移植片を有するマウスを、化合物100の腹腔内処置と放射線処置との併用で、それぞれ5日間×3課程、毎日適用した。薬物/放射線の併用により、毒性は放射線単独適用以下で、異種移植片が60%消失した(6カ月+経過観察)。前記併用で処置された異種移植片の残りの40%は、放射線のみで処置した異種移植片よりも再発が2カ月遅かった。Wei
et al.(2013)は、PP2Aを化合物100で阻害することにより、標的化された放射線の効果が増大し、モデル動物におけるヒト膵臓癌異種移植片の成長が阻害されることを示した。したがって、100は、放射線と組み合わせて脳腫瘍などの局在性の癌を処置する上で理想的な薬剤と考えられる。
【0831】
化合物100は、テモゾロミドおよび/または放射線との組み合わせると、ヒト神経膠腫の異種移植片に対して非常に有効である。化合物100は、広範囲のヒト癌細胞株について1~3μMのIC50を有し、ラットおよび非霊長類で測定されるように、血液脳関門(BBB)を容易には通過しない非常に水溶性の両性イオンである。化合物100を5日間毎日静脈内投与するGLP毒物動態研究をラットおよびイヌで実施した。標的酵素であるPP2Aをインビボで阻害するために見積もられる臨床的耐用量(3~5mg/m2)での予測される主要な毒性は、腎臓の近位尿細管における可逆的な微視的変化と、心外膜細胞における微視的変化である。PP2Aの選択的阻害剤である天然産物のフォストリエシンが、数年前に、フェーズI治験で、5日間にわたり毎日iv投与して評価されたことは興味深い。用量限界毒性は、確実な薬物供給に満たなかったために、試験が終了するまでには到達しなかった。これらの研究において、主要な毒性は、血漿クレアチニンおよび肝臓酵素の可逆的な非累積的増加であった。
【0832】
化合物100は、マウス、ラット、イヌ、サルおよびヒトのミクロソームの存在下で、ベラパミルと比較して安定であると考えられる。化合物100は、吸収性が低く、または腸内で分解されることから、経口投与後、血漿中にはほとんど存在しない。雄および雌のSprague Dawleyラットのglp試験において、遅いivボーラスを毎日5日間にわたり投与した化合物100のPKパラメータもまた、用量依存的で1日目および4日目で同程度であった。薬物を4日目に0.5、0.75および1.25mg/kgで与えた後の雌ラットについての値は、それぞれ以下の通りである:Co(ng/ml)1497、2347、および3849;AUClast(ng.h/ml)452、691、および2359;SC AUClast(ng.h/ml)17.7、54.0、および747;DN AUClast 904、921、および1887;AUC*(ng.h/ml)479、949、および2853;%AUC*外挿5.6、27、および17;T1/2(h)0.25、0.59、および1.8;Cl(mL/h/kg)1045、790、438(雄1071、1339、945);Vz(ml/kg)378、677、および1138。雄および雌のイヌのGLP試験において、1日15分間にわたり5日間iv投与した化合物100の毒物動態パラメータは、用量依存的で1日目および4日目で同程度であった。薬物を4日目に0.15、0.30および0.50mg/kgで与えた後の雌イヌについての値は、それぞれ以下の通りである:Co(ng/ml)566、857、および1930;AUClast(ng.h/ml)335、1020、および2120;Cmax(ng/ml)370、731、1260;Tmax(hr)0.25、0.35、および0.25;ならびに、T1/2(h)0.47、0.81、および1.2(IND番号109,777:化合物100の注射)。循環白血球(Ficoll-Hypaqueにより単離)における多量のPP2Aの阻害について、用量依存的に、ラットにおける100の0.375、0.75および1.5mg/kgでの遅いiv投与で、それぞれ9、15および25%の阻害に至ることが示された。
【0833】
100のメチルエステルである化合物151は、経口バイオアベイラビリティが化合物100の1%に対して約60%である。この化合物151をラットに口から与えた。化合物151の処置により、かなりのレベルの化合物100が血漿中に生じ、静脈内投与で100を投与する場合と比べて顕著に半減期が長かった。
【0834】
例8~11に含まれるデータに基づくと、化合物105、113、153および157は、ラットに投与されると、血漿中でエンドタールに変換される。したがって、化合物105、113、151、153および157ならびにそれらの誘導体は、エンドタールのプロドラッグとして有用である。本出願の化合物は、対象に投与されたときにインビボで切断されてエンドタールを放出する、様々な置換基を含む。これらの化合物は、インビボでより効率よく切断されるXまたはY基を含む。
【0835】
びまん性内在性橋膠腫(DIPG)は、一様に致死的な小児脳腫瘍であり、放射線以外には利用可能な標準的治療法がない。小児科の神経腫瘍医は、従前に未処置の患者さえ、新たなアプローチを提供する治験的実施要領により処置することが適切と考えている。多形膠芽腫(GBM)患者における全生存率については、手術後に放射線にテモゾロミドを加えることによってわずかに改善することが数年前に示されて以来、進展はない。再発性GBMは、アバスチンを二次的治療法として用いて処置されることが多い。しかし、アバスチン後に再発した後は、実験的処置が標準となる。脳腫瘍におけるPP2Aの阻害に関し興味深いのは、GBMではPP2Aのレベルが増加しており、神経膠腫においてPP2Aのレベルが最も高い患者は予後が最も悪くなるとする最近の報告である(Hoffstetter et al.、2012)。
【0836】
本明細書で提示されるPKおよびPD試験で示されるように、LB100自体が組織に入るが、一部は組織内でエンドタールに変換される。LB-100の精製標的タンパク質プロテインであるホスファターゼPP2Aの阻害剤として、エンドタールは強力で、約90nMのIC50を有する。インビボで、エンドタールは、LB-100より長い半減期を有し、その半減期がおよそ6時間であるのに対して、LB-100は約1時間以下である。したがってLB-100は、それ自体活性な抗癌作用因子であるとともに、さらにインビボでエンドタールへ変換されることによって組織内の目的の標的PP2Aに対する有効な阻害期間が増加している。数時間の活性の半減期は、はるかに短い持続期間よりも、臨床的に望ましい。LB-100の置換基の修飾は、LB-100の臨床的有用性、例えば、経口吸収を改善し、疾患プロセスを有する特定の器官、例えば脳への取り込みを改善し、さらには、組織への親化合物および/またはエンドタールの有効な送達のための変換率を改変することによって臨床的有用性をさらに増強する機会をもたらす。
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以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
構造:
【化129】
(ここで、
Xは、OR
1、NR
2R
3、OH、O-アルキル、O-アルケニル、O-アルキニル、O-アリール、O-アルキルアリール、O-ヘテロアリール、
【化130】
であり、
ここで、R
1はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、O(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化131】
であり、
R
2およびR
3は、それぞれ独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、O(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化132】
であり、
R
17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、C(O)O-t-Buまたは-CH
2CNであり、
R
18は、Hまたはアルキルであり、
R
19は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化133】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR
9またはNR
10R
11であり、
ここで、
R
9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化134】
であり、
R
10は、Hであり、
R
11は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化135】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
ここで、YがOR
9であり、R
9がH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールである場合、Xは、
【化136】
であり、
ここで、Xが
【化137】
であり、R
17がCH
3である場合、Xは、-O(C
4アルキル)-OP(O)(OEt)
2または-NH(C
4アルキル)-OP(O)(OEt)
2以外である)を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
[2]
構造:
【化138】
(ここで、
R
17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、OR
9またはNR
10R
11であり、
ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化139】
であり、
R
10は、Hであり、
R
11は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化140】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)を有する、項1に記載の方法。
[3]
前記化合物が、構造:
【化141】
(ここで、
R
17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、OR
9であり、
ここで、R
9は、
【化142】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項2に記載の方法。
[4]
前記化合物が、構造:
【化143】
(ここで、
R
17は、H、メチル、エチル、CH
2CH
2OH、CH
2(フェニル)であり;
Yは、OR
9であり、
ここで、R
9は、
【化144】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項3に記載の方法。
[5]
構造:
【化145】
(ここで、
Yは、OR
9であり、
ここで、R
9は、
【化146】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項4に記載の化合物。
[6]
構造:
【化147】
(ここで、
R
17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニルまたはアルキルアリールであり;
Yは、NR
10R
11であり、
ここで、
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化148】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項2に記載の化合物。
[7]
構造:
【化149】
(ここで、
R
17は、H、メチル、エチル、CH
2CH
2OH、CH
2(フェニル)であり;
Yは、NR
10R
11であり、
ここで、
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化150】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項6に記載の化合物。
[8]
構造:
【化151】
(ここで、
Yは、NR
10R
11であり、
ここで、
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化152】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
Zは、アミノ酸置換基であり、
AAは、アミノ酸部分である)を有する、項7に記載の化合物。
[9]
Xは、OR
1またはNR
2R
3であり、
ここで、R
1は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化153】
であり、
R
2は、Hであり、
R
3は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化154】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR
9またはNR
10R
11であり、
ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化155】
であり、
R
10は、Hであり、
R
11は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、O(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化156】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、項1に記載の化合物。
[10]
Xは、OR
1であり、
ここで、R
1は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化157】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR
9であり、
ここで、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化158】
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、項9に記載の化合物。
[11]
Xは、OR
1であり、
ここで、R
1は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化159】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、NR
10R
11であり、
ここで、
R
10は、Hであり、
R
11は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化160】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、項9に記載の化合物。
[12]
Xは、NR
2R
3であり、
ここで、
R
2は、Hであり、
R
3は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化161】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、NR
10R
11であり、
ここで、
R
10は、Hであり、
R
11は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
12R
13、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
12、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
12)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
12、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
12R
13、
【化162】
であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
13はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
14およびR
15はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
16はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、項9に記載の化合物。
[13]
R
9は、
【化163】
である、項3から5のいずれか一項に記載の化合物。
[14]
R
9は、
【化164】
である、項3から5のいずれか一項に記載の化合物。
[15]
R
9は、
【化165】
である、項3から5のいずれか一項に記載の化合物。
[16]
R
9は、
【化166】
である、項3から5のいずれか一項に記載の化合物。
[17]
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化167】
である、項6から8のいずれか一項に記載の化合物。
[18]
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化168】
である、項6から8のいずれか一項に記載の化合物。
[19]
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化169】
である、項6から8のいずれか一項に記載の化合物。
[20]
R
10は、Hであり、
R
11は、
【化170】
である、項6から8のいずれか一項に記載の化合物。
[21]
構造:
【化171】
(ここで、
R
9は、
【化172】
【化173】
である)を有する、項5に記載の化合物。
[22]
構造:
【化174】
(ここで、
R
11は、
【化175】
【化176】
である)を有する、項5に記載の化合物。
[23]
構造:
【化177】
(ここで、
R
17は、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、C(O)O-t-Buまたは-CH
2CNであり;
Yは、OR
9であり、ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12または(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである)を有する、項1に記載の化合物。
[24]
R
17は、H、メチル、エチル、CH
2CH
2OH、CH
2(フェニル)であり;
Yは、OR
9であり、ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12または(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールである、項23に記載の化合物。
[25]
R
17は、H、メチル、エチル、CH
2CH
2OH、CH
2(フェニル)であり;
Yは、OR
9であり、ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12または(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、アルキルである、項24に記載の化合物。
[26]
R
17は、メチルであり;
Yは、OR
9であり、ここで、R
9は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
12または(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
12であり、
ここで、R
12はそれぞれの出現において、アルキルである、項25に記載の化合物。
[27]
構造:
【化178】
を有する、項23に記載の化合物またはその塩。
[28]
構造:
【化179】
(ここで、
R
18は、Hまたはアルキルであり、
R
19は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)-OP(O)(O(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4)
2、(C
1~C
4アルキル)NR
4R
5、(C
1~C
4アルキル)NC(O)R
4、(C
1~C
4アルキル)C(O)OR
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)アリール(C
1~C
4アルキル)P(O)(OR
4)
2、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
2~C
4アルケニル)CO
2R
4、(C
1~C
4アルキル)OC(O)(C
1~C
4アルキル)NH
2、(C
1~C
4アルキル)C(O)NR
4R
5、
【化180】
であり、
ここで、R
4はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
5はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
6およびR
7はそれぞれの出現において、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり、
R
8はそれぞれの出現において、独立して、H、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリールであり;
Yは、OR
9であり、
ここで、R
9は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールである)を有する、項1に記載の化合物。
[29]
R
18は、-Hまたは-CH
3であり、
R
19は、(C
1~C
4アルキル)-O(CO)R
4または(C
1~C
4アルキル)-O(CO)OR
4である、項28に記載の化合物。
[30]
R
18は、-Hまたは-CH
3であり、
R
19は、-CH
2-O(CO)CH
3、-CH(CH
3)-O(CO)CH
3、-CH
2-O(CO)OCH
3、-CH(CH
3)-O(CO)OCH
3である、項29に記載の化合物。
[31]
構造:
【化181】
(ここで、R
20およびR
21は、それぞれ独立して、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、またはヘテロアリールである)を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
[32]
R
20およびR
21は、それぞれ独立して、H、メチル、エチル、CH
2CH
2OH、またはCH
2(フェニル)である、項31に記載の化合物。
[33]
項1から32のいずれか一項に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
[34]
項1から32のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩と、抗癌作用因子と、少なくとも1つの医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
[35]
前記医薬的に許容される担体が、リポソームを含む、項33または34に記載の医薬組成物。
[36]
前記化合物がリポソームもしくはミクロスフェアに含まれているか、または前記化合物および前記抗癌作用因子がリポソームもしくはミクロスフェアに含まれている、項33または34に記載の医薬組成物。
[37]
対象の標的細胞にエンドタールをインビボ送達するための方法であって、前記対象に、項1から32のいずれか一項に記載の化合物を投与することを含み、ここで、前記化合物における1つまたは2つの結合が、前記対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、前記対象の標的細胞にエンドタールを送達することを含む方法。
[38]
前記化合物が、構造:
【化182】
(ここで、結合αおよび結合βの一方または両方が、前記対象におけるインビボ加水分解切断を受ける)を有する、項37に記載の方法。
[39]
前記化合物が、構造:
【化183】
(ここで、結合χ、δ、ε、およびφの1つ以上が、前記対象におけるインビボ加水分解切断を受ける)を有する、項37に記載の方法。
[40]
前記対象の標的細胞へのエンドタールの送達が、疾患を患う前記対象における疾患を処置するために有効である、項37から39のいずれか一項に記載の方法。
[41]
構造:
【化184】
(ここで、
X’は、OH、O(アルキル(alkly))またはNR
22R
23であり、
R
22は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、
R
23は、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルキルアリール、もしくはヘテロアリールであり、または
R
22およびR
23は、一緒になって、N-メチルピペラジンを形成し;
Y’は、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子Aであり、前記抗癌作用因子の前記窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子Aであり、前記抗癌作用因子の前記酸素が炭素γに直接的に共有結合しているか、または
Y’は、
【化185】
であり、
ここで、Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、前記抗癌作用因子の前記カルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しており、R
24は、Hまたはアルキルである)を有する、化合物またはその塩もしくはエステル。
[42]
構造:
【化186】
(ここで、
Aは、少なくとも1つのアミン窒素を含有する抗癌作用因子Aであり、前記抗癌作用因子の前記窒素が炭素γに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つのヒドロキシル酸素を含有する抗癌作用因子であり、前記抗癌作用因子の前記酸素が炭素γに直接的に共有結合している)を有する、項41に記載の化合物。
[43]
構造:
【化187】
(ここで、
R
24は、Hまたはアルキルであり、
Aは、少なくとも1つのカルボン酸を含有する抗癌作用因子であり、前記抗癌作用因子の前記カルボン酸のカルボニル炭素が、酸素φに直接的に共有結合しているか、またはAは、少なくとも1つの第一級アミドを含有する抗癌作用因子であり、前記抗癌作用因子の前記第一級アミドのカルボニル炭素が、窒素φに直接的に共有結合している)を有する、項41に記載の化合物またはその塩もしくはエステル。
[44]
構造:
【化188】
を有する、項42に記載の化合物またはその塩もしくはエステル。
[45]
構造:
【化189】
を有する、項43に記載の化合物またはその塩もしくはエステル。
[46]
対象の癌細胞にエンドタールおよび抗癌剤をインビボ送達するための方法であって、前記対象に、項42から45のいずれか一項に記載の構造を有する化合物を投与することを含み、それにより、前記対象の癌細胞にエンドタールおよび前記抗癌剤を送達することを含む方法。
[47]
前記化合物が、構造:
【化190】
(ここで、結合ηが、前記対象におけるインビボ加水分解切断を受け、それにより、前記対象の癌細胞にエンドタールおよび前記抗癌剤を送達する)を有する、項46に記載の方法。