(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20221205BHJP
A01G 7/00 20060101ALI20221205BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20221205BHJP
A01G 9/24 20060101ALI20221205BHJP
A01G 31/04 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
A01G31/00 612
A01G7/00 601A
A01G7/00 601Z
A01G9/00 C
A01G9/24 A
A01G31/04 A
(21)【出願番号】P 2019015833
(22)【出願日】2019-01-31
(62)【分割の表示】P 2018022474の分割
【原出願日】2018-02-09
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】田中 政樹
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 大地
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/044024(WO,A1)
【文献】特開2016-140249(JP,A)
【文献】特開2014-082979(JP,A)
【文献】特開昭61-119117(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119778(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107223560(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00
A01G 7/00
A01G 9/00
A01G 9/24
A01G 31/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の栽培設備を有し、
前記栽培設備は、内部に上方及び側方が覆われた筒状空間である栽培空間が形成されており、前記栽培空間で植物を生育するものであり、
前記栽培空間には、少なくとも一つの空気攪拌手段が設けられており、
前記空気攪拌手段は、送風方向が前記栽培空間の長手方向に沿う方向となる送風動作が可能であ
り、
前記栽培空間は、長手方向における一端側に生育前の植物を搬入する搬入口を有し、他端側に生育後の植物を搬出する搬出口を有することを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
前記空気攪拌手段は、前記栽培空間の長手方向に沿う方向であり、且つ、前記搬入口から前記搬出口へ向かう方向に送風可能であることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
前記空気攪拌手段は、前記搬入口から前記栽培設備の全長の4分の1程度の距離だけ離れた位置に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の植物栽培装置。
【請求項4】
前記空気攪拌手段を移動させる駆動手段を有し、
前記空気攪拌手段は、前記栽培設備の長手方向に沿う方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物栽培装置。
【請求項5】
前記空気攪拌手段の少なくとも一部の姿勢を変更する姿勢変更手段を有し、
前記姿勢変更手段は、前記栽培設備の長手方向と交わる方向に延びる回転軸を中心として、前記空気攪拌手段の少なくとも一部を回転させる動作が可能であり、
前記空気攪拌手段は、前記姿勢変更手段により送風方向の変更が可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項6】
前記空気攪拌手段は、羽根車が回転して送風動作を実施するものであり、
前記羽根車の回転速度を変更することで、送風動作における風速を変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項7】
前記栽培空間に、植物に人工光を照射する照明手段が設けられており、
前記栽培設備は、前記照明手段によって光が植物に照射される明期と、前記明期に比べて少ない光量の光が植物に照射される、又は、前記照明手段が光を植物に照射しない暗期の切り替えが可能であり、
前記空気攪拌手段は、前記明期には植物へ向かう方向に送風し、前記暗期には植物の上方へ向かう方向に送風することを特徴とする請求項5に記載の植物栽培装置。
【請求項8】
前記空気攪拌手段は、外郭部材と、外郭部材に収納される羽根車と、前記外郭部材に取り付け可能な付属の風向変更部材を有し、前記外郭部材に前記風向変更部材を取り付けた状態とすることで、送風動作における送風方向を吹き出し方向とは異なる方向に変更可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項9】
前記空気攪拌手段が前記栽培空間の空気を除湿する除湿手段を有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の植物栽培装置。
【請求項10】
1又は複数の栽培設備を有し、
前記栽培設備は、内部に上方及び側方が覆われた筒状空間である栽培空間が形成されており、前記栽培空間で植物を生育するものであり、
前記栽培空間には、少なくとも一つの空気攪拌手段が設けられており、
前記空気攪拌手段は、送風方向が前記栽培空間の長手方向に沿う方向となる送風動作が可能であり、
前記空気攪拌手段を移動させる駆動手段を有し、
前記空気攪拌手段は、前記栽培設備の長手方向に沿う方向に移動可能であることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項11】
1又は複数の栽培設備を有し、
前記栽培設備は、内部に上方及び側方が覆われた筒状空間である栽培空間が形成されており、前記栽培空間で植物を生育するものであり、
前記栽培空間には、少なくとも一つの空気攪拌手段が設けられており、
前記空気攪拌手段は、送風方向が前記栽培空間の長手方向に沿う方向となる送風動作が可能であり、
前記空気攪拌手段の少なくとも一部の姿勢を変更する姿勢変更手段を有し、
前記姿勢変更手段は、前記栽培設備の長手方向と交わる方向に延びる回転軸を中心として、前記空気攪拌手段の少なくとも一部を回転させる動作が可能であり、
前記空気攪拌手段は、前記姿勢変更手段により送風方向の変更が可能であることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項12】
前記栽培空間に、植物に人工光を照射する照明手段が設けられており、
前記栽培設備は、前記照明手段によって光が植物に照射される明期と、前記明期に比べて少ない光量の光が植物に照射される、又は、前記照明手段が光を植物に照射しない暗期の切り替えが可能であり、
前記空気攪拌手段は、前記明期には植物へ向かう方向に送風し、前記暗期には植物の上方へ向かう方向に送風することを特徴とする請求項11に記載の植物栽培装置。
【請求項13】
1又は複数の栽培設備を有し、
前記栽培設備は、内部に上方及び側方が覆われた筒状空間である栽培空間が形成されており、前記栽培空間で植物を生育するものであり、
前記栽培空間には、少なくとも一つの空気攪拌手段が設けられており、
前記空気攪拌手段は、送風方向が前記栽培空間の長手方向に沿う方向となる送風動作が可能であり、
前記空気攪拌手段は、外郭部材と、外郭部材に収納される羽根車と、前記外郭部材に取り付け可能な付属の風向変更部材を有し、前記外郭部材に前記風向変更部材を取り付けた状態とすることで、送風動作における送風方向を吹き出し方向とは異なる方向に変更可能であることを特徴とする植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物等の植物を連続的に栽培する植物栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農作物を建屋内で連続的に栽培する植物栽培装置が知られている。植物栽培装置は、作物工場と称される栽培形態に使用され、人工照明を使用して作物に適度の日照を与えると共に、建屋内や室内を生育に適した温度や湿度に保って作物を生育する装置である。
【0003】
この種の植物栽培装置では、日照や温度、水分、肥料濃度等が適度に制御された環境で作物を作ることができるので、露地栽培に比べて収穫に要する期間が短い。
また植物栽培装置の多くは水耕栽培によって作物を生育するものであり、露地栽培に比べて清潔である。さらに室内で作物を栽培するので害虫が付かず、無農薬で作物を栽培することができる。そのため植物栽培装置は、レタス等の皮を剥いたりせずに食する野菜を栽培するのに好適である。
【0004】
本件出願人は、このような植物栽培装置として、特許文献1に開示された植物栽培装置を提案している。
【0005】
特許文献1に開示された植物栽培装置は、一連の筒状空間内で植物を栽培するものであり、筒状空間の屋根部材となる位置に送風路形成部材を内蔵している。
そして、送風路形成部材は、筒状空間の長手方向に延びる部材となっており、同長手方向で離れた位置に複数の送風口が形成されている。そして、それぞれの送風口から、筒状空間を横切る方向に風を送り出すものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1に開示された植物栽培装置は、灰色カビ病のような栽培する植物の病害をより確実に防止するという観点から、さらなる改良の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、栽培する植物の病害発生をより抑制可能な植物栽培装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本件出願人らが、植物の病害発生を防止すべく鋭意研究した結果、植物を栽培する筒状空間の各部で湿度差を少なくする(又は無くす)ことで、植物の病害発生を抑制できることを見出した。そして、筒状空間の長手方向に流れる気流により、筒状空間内の空気を攪拌することがこの湿度むらを少なくする上で効果的であることを見出した。
かかる知見に基づいて提供される本発明の一つの様相は、1又は複数の栽培設備を有し、前記栽培設備は、内部に上方及び側方が覆われた筒状空間である栽培空間が形成されており、前記栽培空間で植物を生育するものであり、前記栽培空間には、少なくとも一つの空気攪拌手段が設けられており、前記空気攪拌手段は、送風方向が前記栽培空間の長手方向に沿う方向となる送風動作が可能であることを特徴とする植物栽培装置である。
【0010】
本様相は、筒状空間内の空気の湿度差を少なくする(又は無くす)ことが可能であり、栽培する植物の病害発生をより抑制可能となる。
【0011】
上記した様相では、前記栽培空間は、長手方向における一端側に生育前の植物を搬入する搬入口を有し、他端側に生育後の植物を搬出する搬出口を有しており、前記空気攪拌手段は、前記栽培空間の長手方向に沿う方向であり、且つ、前記搬入口から前記搬出口へ向かう方向に送風可能であることが好ましい。
【0012】
この好ましい様相では、搬出口側の空間、すなわち、比較的生育が進んだ植物の付近となる空間やその上方の空間の空気を重点的に攪拌できるので好ましい。
すなわち、植物は、生育が進むと葉の数が増えたり、葉がより広範囲に広がったりする。このことから、搬出口側の空間では、植物間の空隙部分が少なくなると共に、空気が滞留し易くなる。この様相では、この搬出口側の空間で空気を十分に攪拌可能であるので、好ましい。
【0013】
この好ましい様相は、前記空気攪拌手段は、前記搬入口から前記栽培設備の全長の4分の1程度の距離だけ離れた位置に取り付けられることがさらに好ましい。
なお、ここでいう「程度」とは、1~10パーセントの誤差を含むものとする。
【0014】
上記の様相は、前記空気攪拌手段を移動させる駆動手段を有し、前記空気攪拌手段は、前記栽培設備の長手方向に沿う方向に移動可能であることがさらに好ましい。
【0015】
この様相では、空気攪拌手段を適宜好ましい位置まで移動させて送風動作を実施できる。例えば、植物の生育状況などに応じて位置を変更し、特定の植物に対して重点的に風が向かうように送風動作を実施することで、この特定の植物の光合成を促すといった動作が可能となる。このことから、植物を好適に生育させることができる。
【0016】
上記の様相は、前記空気攪拌手段の少なくとも一部の姿勢を変更する姿勢変更手段を有し、前記姿勢変更手段は、前記栽培設備の長手方向と交わる方向に延びる回転軸を中心として、前記空気攪拌手段の少なくとも一部を回転させる動作が可能であり、前記空気攪拌手段は、前記姿勢変更手段により送風方向の変更が可能であることが好ましい。
【0017】
また、上記の様相は、前記空気攪拌手段は、羽根車が回転して送風動作を実施するものであり、前記羽根車の回転速度を変更することで、送風動作における風速を変更することで、送風動作における風速を変更することが好ましい。
【0018】
これら様相においても、栽培空間の状況、例えば、植物の生育状況に応じて送風方向の変更や風速の変更が可能となり、好ましい。
【0019】
上記の好ましい様相は、前記栽培空間に、植物に人工光を照射する照明手段が設けられており、前記栽培設備は、前記照明手段によって光が植物に照射される明期と、前記明期に比べて少ない光量の光が植物に照射される、又は、前記照明手段が光を植物に照射しない暗期の切り替えが可能であり、前記空気攪拌手段は、前記明期には植物へ向かう方向に送風し、前記暗期には植物の上方へ向かう方向に送風することがさらに好ましい。
【0020】
この様相では、明期には植物の蒸散を促しつつ栽培空間の空気を攪拌する動作を実施し、その一方で、植物の蒸散を促す必要性の低い暗期には、より重点的に空気の攪拌を実施するといった動作が可能となる。このことから、植物を好適に生育させることができる。
【0021】
上記の様相は、前記空気攪拌手段は、外郭部材と、外郭部材に収納される羽根車と、前記外郭部材に取り付け可能な付属の風向変更部材を有し、前記外郭部材に前記風向変更部材を取り付けた状態とすることで、送風動作における送風方向を吹き出し方向とは異なる方向に変更可能であることが好ましい。
【0022】
かかる様相では、生育する植物に品種に応じて風向変更部材を着脱することで、より適切な送風動作が可能となる。
【0023】
上記の様相は、前記空気攪拌手段が前記栽培空間の空気を除湿する除湿手段を有していることがさらに好ましい。
【0024】
かかる様相では、栽培空間の湿度の調整がより容易となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、栽培する植物の病害発生をより抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る植物栽培装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の栽培設備を模式的に示す説明図であり、内部を透過して示す。
【
図4】(a)は、
図2の第一空気攪拌手段を示す斜視図であり、(b)は第一空気攪拌手段を模式的に示す断面図である。
【
図5】
図2の第一空気攪拌手段を示す分解斜視図である。
【
図6】
図2の第一空気攪拌手段の周辺を模式的に示す斜視図である。
【
図7】
図6の第一空気攪拌手段の取り付け構造を示す説明図である。
【
図8】(a)は、
図2の第二空気攪拌手段を示す斜視図であり、(b)は、筒状部材の吸排口の周辺を示す断面斜視図であって、風量調整手段を取り外した状態を示す。
【
図9】
図8の第二空気攪拌手段を示す断面図であり、(a)は吸排口を全開放した状態、(b)は吸排口を一部閉塞した状態、(c)は吸排口を全閉塞した状態をそれぞれ示す。
【
図10】
図2の栽培設備で植物を生育させている様子を模式的に示す斜視図である。
【
図11】
図2の栽培設備で植物を生育させている様子を模式的に示す説明図である。
【
図12】(a)は、
図2とは異なる実施形態に係る栽培設備の主要部を模式的に示す斜視図であり、(b)は(a)の栽培設備に取り付けられる第一空気攪拌手段の斜視図である。
【
図13】上記とは異なる実施形態に係る栽培設備において、第一空気攪拌手段を稼働させている様子を示す説明図であり、(a)は暗期における送風動作を示し、(b)は明期における送風動作を示す。
【
図14】
図6で示される第一空気攪拌手段に対し、風向変更部材を取り付けた様子を示す斜視図であり、(a)、(b)はそれぞれ異なる風向変更部材を取り付けた様子を示す。
【
図15】
図2の栽培設備の側壁部材に対し、ソーラーパネルを取り付けた様子を示す説明図である。
【
図16】
図1の植物栽培装置を構造物内に配し、さらに棚部材の周囲に断熱部材を配した状態を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の各実施形態に係る植物栽培装置1について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、上下方向や、長手方向は、特に断りのない限り、
図1で示される状態を基準として説明する。
【0028】
本発明の実施形態に係る植物栽培装置1は、
図1で示されるように、棚部材2に栽培設備3を取り付けて形成されている。
具体的には、植物栽培装置1は、複数(2つ)の棚部材2を備えており、この棚部材2が水平方向で間隔を空けて配されている。そして、それぞれの棚部材2は、各段に一つずつ複数(4つ)の栽培設備3を縦並びに取り付け可能なものである。つまり、植物栽培装置1は、栽培設備3を複数段且つ複数列に立体配置して形成されるものであり、本実施形態では、栽培設備3を4段2列に積み上げて形成している。
【0029】
棚部材2は、上下方向に延びる複数の縦桟部材2aと、上下方向に並列配置される複数の棚板部材2bを備えており、これらを組み合わせて形成されている。
つまり、この棚部材2は、それぞれの棚板部材2bに栽培設備3を載置し、固定することが可能なものである。
【0030】
栽培設備3は、
図2で示されるように、栽培設備3の長手方向における各部を形成する複数のセル部材3aを連結させて形成される連結構造体であり、水平方向に延びる一連の筒状部材である。したがって、この栽培設備3の内部には、水平方向に延びる筒状空間である栽培空間7が形成されている。
【0031】
この栽培設備3は、
図2で示されるように、平板状の底部材10と、立板状の側壁部材11と、屋根部材12を有しており、これらが連結された状態となっている。
したがって、栽培空間7は、底部材10の上側に形成される空間であり、短手方向における両側方を側壁部材11に覆われ、上方を屋根部材12に覆われた空間となっている。
この栽培設備3は、植物が植えられた栽培トレイ13を栽培空間7に搬入し、栽培トレイ13を栽培空間7の内部で移動させつつ植物の生育を実施するものである(詳しくは後述する)。
【0032】
側壁部材11は、内側面にアルミシート等の反射性シート(図示しない)が取り付けられており、光の反射性を向上させたものとなっている。
【0033】
屋根部材12は、断面形状が円弧状となるように湾曲して延びる部材であり、ステンレススチール等の錆びにくく、熱伝導性に優れた素材で形成されている。詳細には、この屋根部材12は、天板部材12aと、天板部材を支えるビーム部材12b(
図6参照)とを有する。これらはいずれも栽培設備3の短手方向における中心側が最も高位置となり、両端側が最も低位置となるように湾曲している。すなわち、ビーム部材12bは、栽培設備3を横切るように延びており、延び方向の中心側が最も高位置となるように湾曲して延びている。
【0034】
屋根部材12には、内面に図示しない照明基板(照明手段)が設けられている。この照明基板は、薄い樹脂製の基板に発光素子としてLEDが多数取り付けられたものである。
なお、屋根部材12の内面に設けられた発光素子の分布は、一様ではなく、天面の頂部側部分(頂部及びその周辺)における配置密度は、裾側部分(短手方向における端部及びその周辺)における配置密度に比べて低い。つまり、下方側部分が上方側部分に比べてLEDが密集した構造(単位面積当たりのLEDの個数が多い構造)となっている。このことにより、栽培設備3の短手方向における中央側に照射される光の光量と、同端部側に照射される光量に差がでない(大きな差がでない)構造としている。
【0035】
栽培トレイ13は、内部に培養液を貯留する貯留槽が形成されており、培養液を一時的に貯留可能な部材である。また、この貯留槽を覆うように取り付けられる植物保持具を有しており、生育させる複数の植物を行列状に配した状態で保持可能となっている。
【0036】
ここで、栽培設備3の内部には、
図2、
図3で示されるように、栽培トレイ13を移動させるための搬送装置20が形成されている。さらに、栽培設備3の内部には、栽培空間7の空気を攪拌して湿度調整するための第一空気攪拌手段25(空気攪拌手段)と、複数(2つ)の第二空気攪拌手段26と、複数の第三空気攪拌手段27が形成されている。
また、栽培設備3の内部には、栽培トレイ13に培養液を供給し、栽培トレイ13から排出される培養液を外部の所定位置まで流出させる養液制御手段(図示しない)が設けられている。
なお、第三空気攪拌手段27(後述する羽根車27a)は、作図の都合上、一部のみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0037】
搬送装置20は、複数のローラコンベヤ30を栽培設備3の短手方向で間隔を空けて並列配置することで形成されるものであり、本実施形態では、対となる2条のローラコンベヤ30が間隔を空けて並列配置されている。
【0038】
ローラコンベヤ30は、栽培設備3の長手方向に延びるフレーム部材と、このフレーム部材に取り付けられる複数のコロ部材を有する。
詳細に説明すると、このフレーム部材が互いに平行となるように延びる2つの側壁部分を有しており、この側壁部分に複数のコロ部材が回転可能に保持されている。
このとき、それぞれのコロ部材は、軸部材を介して側壁部分に取り付けられており、その回転軸の軸方向(軸部材の長手方向)は、栽培設備3の短手方向と同方向となっている。
つまり、ローラコンベヤ30では、複数のコロ部材がフレーム部材の長手方向で並列配置され、それぞれのコロ部材のローラが別途回転可能となっている。
【0039】
第一空気攪拌手段25は、所謂クロスフローファン(又はラインフローファン、横流ファン)であり、
図4で示されるように、外郭部材35と、羽根車36と、モータ部材37を有する。
【0040】
外郭部材35は、外形が略横長直方体状となる箱状の本体部分43に対し、羽板部材44が取り付けられて形成されている。
【0041】
本体部分43は、
図4で示されるように、上板部材50と、短手方向における一端側に位置する立板状の背板部材51と、2つの側壁部材52と、下板部材53を有する。
上板部材50は、本体部分43の上方に位置する略長方形平板状の部分であり、背板部材51は、本体部分43の片側側方に位置する立板状部分である。
上板部材50の短手方向一端側の部分と背板部材51の上端部分とは、連続しており、これらの間に位置する部分は、湾曲しつつ延びている。すなわち、上板部材50と背板部材51の間で角部分を形成する部分は、本体部分43の短手方向で端部側へ向かうにつれて、下方側へ向かうように湾曲している。
【0042】
側壁部材52は、長手方向の端部に位置する厚手の立板状部分である。2つの側壁部材52は、内側面同士が離間対向しており、それぞれの内側面と上板部材50、背板部材51の長手方向における端部とが一体に連続している。
【0043】
下板部材53は、背板部材51の下端側部分から外側へ突出する平板状部分であり、上板部材50と背板部材51の間に位置する湾曲部分の下方側に位置している。
【0044】
ここで、上板部材50と、背板部材51と、下板部材53とは湾曲、屈曲しつつ延びる一連の板状部分を形成している。そして、これらと2つの側壁部材52によって囲まれた空間は、短手方向の一方側と下方側の大部分が開放された空間となっており、羽根車36を配置する羽根車配置空間54となっている。
【0045】
羽板部材44は、羽根車配置空間54の側方であり、本体部分43の短手方向における一端側に位置する開放部分の近傍に取り付けられており、詳細には、上方よりの部分に配置されている。
本実施形態では、複数(2つ)の羽板部材44が上下方向で間隔を空けて並列するように配置されており、それぞれの羽板部材44が、傾斜した姿勢で取り付けられる平板状部分となっている。すなわち、それぞれの上面と下面が傾斜面となっており、本体部分43の短手方向で外側に向かうにつれて下り勾配となるように、傾斜している。
【0046】
羽根車36は、略円筒形状となる部材であり、
図5で示されるように、長手方向の両端側にそれぞれ位置する端板部36aと、複数の羽根部材36bと、一又は複数(本実施形態では3つ)の仕切部36cを有する。
なお、作図の都合上、一部のみの羽根部材36bにのみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0047】
端板部36aは、側壁部材52と近接する位置に配される略円板状の部材であり、厚さ方向が羽根車36の長手方向と同方向となるように立設されている。2つの端板部36aのそれぞれは、図示しない軸部材を介して近接する側壁部材52と連結される。
【0048】
複数の羽根部材36bは、羽根車36の回転軸を中心とした周方向に沿って等間隔となるように並列配列されている。すなわち、隣接配置される2つの羽根部材36bの間には隙間が形成されている。それぞれの羽根部材36bは、
図4(b)で示されるように、断面形状が緩やかな円弧状となるように湾曲する板状体となっている。詳細には、羽根部材36bの断面形状は、短手方向の中心側が頂部となるように山なりに湾曲した形状である。
【0049】
仕切部36cは、
図5で示されるように、羽根車36の長手方向における中途部分に配されており、羽根部材36bを支持するための部分である。すなわち、羽根部材36bは、端板部36aと仕切部36cの間、又は、2つの仕切部36cの間に配され、これによって長手方向の両端部分をそれぞれ支持される。
すなわち、羽根車36は、仕切部36cによって複数(本実施形態では4つ)の領域に区画されており、それぞれの領域において、羽根部材36bが周方向に並列配置されている。
【0050】
モータ部材37は、羽根車36の回転に必要な動力を生じさせるモータと、このモータを内蔵するケーシング部材を有する。なお、図示は省略するが、モータに電力を供給するための配線部材がケーシング部材の内外に亘って延びており、図示しない外部の電力供給手段まで延びている。
本実施形態では、モータを内蔵するケーシング部材が外郭部材35と一体的に形成されている。
【0051】
以上のことから、第一空気攪拌手段25では、
図4(b)で示されるように、羽根車36の上方に離れた位置に上板部材50が位置しており、羽根車36の上側を上板部材50が覆っている。同様に、羽根車36から本体部分43の短手方向の一方側に離れた位置に背板部材51が位置して羽根車36の側方を覆うと共に、下板部材53が羽根車36の下方側の一部を覆っている。
【0052】
そして、第一空気攪拌手段25は、羽根車36の軸方向に垂直な方向から吸気して、同軸方向に垂直な方向に送風するものである。
これらのことから、第一空気攪拌手段25を稼働すると、
図4(b)で示されるように、羽根車配置空間54の側方に位置する開放部分が、実質的な送風口(以下、送風口部57とも称す)となる。
以下、具体的に説明するが、第一空気攪拌手段25の送風口部57側を第一空気攪拌手段25の前側、背板部材51側を第一空気攪拌手段25の後側として説明する。
【0053】
すなわち、第一空気攪拌手段25を稼働させると、第一空気攪拌手段25の後方側(
図4(b)の左側)から第一空気攪拌手段25の下方側へ向かう気流が形成される。
また、第一空気攪拌手段25の下方側から上方側に向かう気流や、第一空気攪拌手段25の下方側において比較的前側(
図4(b)の右側)となる位置から、後方上側へ向かう気流が形成される。
つまり、第一空気攪拌手段25の稼働時に吸気される空気が上記の様に流れる。
【0054】
そして、第一空気攪拌手段25の内部から外部へ向かう空気の流れが形成され、送風が行われる。
すなわち、羽根車36から前側へ流れる空気の流れや、羽根車36から上方に流れた後に上板部材50に沿って前側へ流れる空気の流れが形成される。
また、羽根車36から前側へ流れ、羽板部材44によって下方側に流れの向きを変更された後、再度前側へ流れる空気の流れが形成される。
【0055】
つまり、第一空気攪拌手段25は、主に送風口部57から外側へ向かって送風するものであり、その主たる送風方向は、第一空気攪拌手段25の短手方向と同方向となっている。
【0056】
本実施形態の第一空気攪拌手段25は、
図6、
図7で示されるように、屋根部材12のビーム部材12bに対して、2つの固定金具65を介して固定されている。
【0057】
固定金具65は、
図7で示されるように、ハット状に折り曲げ加工された固定片部65aと、立板状の側方添板部65bが一体となった部材である。
すなわち、固定片部65aは、2つの平板状部分と、この2つの平板状部分の間で上方へ突出するビーム係合部69が形成されている。このビーム係合部69は、2つの立板状部分とその上端部分を連結する平板状部分が一体となっている。
側方添板部65bは、固定片部65aの一方の平板状部分を下方側へ折り曲げて形成される部分である。
【0058】
すなわち、固定金具65は、
図6、
図7で示されるように、固定片部65aの平板状部分を側壁部材52の上面に接触させ、側方添板部65bを側壁部材52の後方側の面に接触させた状態で、第一空気攪拌手段25に対して一体に固定された状態とする。
このとき、ビーム部材12bの一部を側壁部材52の上面の上側であり、ビーム係合部69によって3方を囲まれる位置に配することで、第一空気攪拌手段25を栽培設備3の内部に固定した状態とする。
【0059】
第二空気攪拌手段26は、
図8で示されるように、樹脂製の筒状部材70と、筒状部材70の周囲に設けられた複数の風量調整手段71と、筒状部材70に内蔵された小型送風機72とを備えた構造となっている。
【0060】
筒状部材70は、外形が円筒状の部材であり、その外周面に内外を貫通する吸排口75が対数形成されている。この吸排口75は、筒状部材70の長手方向で間隔を空けて並列配置されるように、各部に形成されている。
【0061】
風量調整手段71は、筒状部材70よりも径の大きな円筒状部材を短く切断し、スリット77を形成した部材であり、断面形状が略「C」字状となる部材である。
この風量調整手段71は、筒状部材70の一部であり、吸排口75が形成された部分を周方向に取り巻くように外嵌されている。そして、筒状部材70の周方向に回転自在となっている。
【0062】
すなわち、
図9で示されるように、風量調整手段71を回転させることで、吸排口75の開度を調整可能となっている。例えば、
図9(a)で示されるように、吸排口75とスリット77が重なる位置に合わせ、吸排口75が風量調整手段71で覆われない状態とすることで、吸排口75の開度を100パーセントとすることができる。
また、
図9(b)で示されるように、吸排口75の一部が風量調整手段71で覆われた状態とすることで、吸排口75の実質的な開口面積を絞ることが可能となる。さらに、
図9(c)で示されるように、吸排口75の全域を風量調整手段71が外側から覆う状態とすることで、吸排口75を閉塞できる。
【0063】
小型送風機72は、軸流ファンであり、モータ72aとプロペラ型の羽根車72bを備えた構造となっている。モータ72aは、直流モータ等の回転数を適宜変更する制御が可能なものとなっている。
【0064】
この第二空気攪拌手段26は、
図3で示されるように、側壁部材11の上端近傍であり、屋根部材12(天板部材12a)の近傍に設けられている。
具体的には、栽培設備3の短手方向で離れた位置に一つずつ、合計2つの第二空気攪拌手段26が互いに平行に延びた状態(
図2参照)となるように、それぞれ取り付けられている。そして、それぞれの第二空気攪拌手段26は、栽培設備3の長手方向に沿って延びた状態となっている。
【0065】
そして、第二空気攪拌手段26は、複数の吸排口75の一部から吸気し、他の一部から外部へ空気を排出する送風装置となっている。
したがって、第二空気攪拌手段26は、栽培設備3の短手方向(栽培設備3を横切る方向)が送風方向となるように、一部の吸排口75から外部へ向かって空気を排出する送風動作を行う。つまり、栽培空間7の上方で栽培空間7の短手方向に流れる気流を形成する。
【0066】
第三空気攪拌手段27は、
図2で示されるように、底部材10に設けられた所謂軸流ファンであり、モータ(図示しない)とプロペラ型の羽根車27aによって構成されている。羽根車27aは、モータの出力軸に固定されており、モータが回転することによって羽根車27aが回転する。
本実施形態では、第三空気攪拌手段27のモータは、栽培空間7の外部に設置されており、羽根車27aは栽培空間7の内部であって底部材10の近傍に位置している。
従ってモータを回転することによって底部材10の近傍で羽根車27aが回転する。
本実施形態では、羽根車27aは、2つのローラコンベヤ30の間に形成される空間にそれぞれ配されており、複数の羽根車27aが栽培空間7の長手方向で一定の間隔を空けて並列配置されている。
この第三空気攪拌手段27は、上下方向に沿って流れる気流を形成するものであり、詳細には、下方側から上方側へ流れる気流を形成する送風装置である。
【0067】
続いて、本実施形態の栽培設備3により、植物を生育する際の各部の動作について説明する。
【0068】
具体的に説明すると、栽培設備3では、
図2で示されるように、長手方向における一端側に位置する開口部分が、新たな栽培トレイ13を搬入するためのトレイ搬入口85(搬入口)となっている。反対に、他端側の開口部分が、栽培トレイ13を取り出すためのトレイ搬出口86(搬出口)となっている。
【0069】
すなわち、栽培設備3では、栽培トレイ13をトレイ搬入口85から搬入し、所定の日数(10日乃至30日程度)をかけてトレイ搬出口86まで移動させる。このことから、栽培トレイ13に植えられた植物の生育が進むにつれ、栽培トレイ13がトレイ搬出口86側へ移動することとなる。
【0070】
具体的には、搬入した栽培トレイ13を移動させる際、新たな栽培トレイ13をトレイ搬入口85から搬入し、この新たな栽培トレイ13によって既に搬入された栽培トレイ13をトレイ搬出口86側へ押し動かす(
図10参照)。
つまり、栽培トレイ13は、搬送装置20(2つのローラコンベヤ30)の上に載置されて栽培空間7の内部に収納されており(
図11参照)、トレイ搬出口86側へ押されることにより、トレイ搬出口86側へ移動する。
なお、栽培トレイ13は、作図の都合上、一部のみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0071】
したがって、この栽培設備3では、
図10、
図11で示されるように、複数の栽培トレイ13を内部に収容した状態で運用する。
このとき、複数の栽培トレイ13は、栽培設備3の長手方向で並列配置された状態となり、トレイ搬入口85側に配された栽培トレイ13に保持される植物が、トレイ搬出口86側に配された栽培トレイ13に保持される植物よりも生育が進んでいないものとなる。
つまり、トレイ搬出口86側に配された栽培トレイ13に保持される植物は、より背丈が高い植物や、より葉が多い植物、より葉が広範囲に広がった植物となる。
【0072】
このことから、栽培設備3では、トレイ搬出口86側に位置する屋根部材12の高さが、トレイ搬入口85側に位置する屋根部材12の高さよりも高くなっている。
したがって、栽培空間7もまた、トレイ搬出口86に隣接する搬出側部分が、トレイ搬入口85に隣接する搬入側部分よりも上下方向に広い。そして、その間に位置する部分に、搬入側部分よりも上下方向に広く、搬出側部分よりも上下方向に狭い部分が位置している。つまり、栽培空間7の天井部分もトレイ搬出口86側がトレイ搬入口85側に比べて高位置となる。
【0073】
ここで、栽培設備3は、植物の生育を促す各種動作を実行可能となっており、その内の一つとして、明期と暗期の切り替えを行う明暗切替動作がある。
すなわち、本実施形態の栽培設備3は、上記した屋根部材12に取り付けられる照明基板から照射される光の光量を調整可能となっている。具体的には、光量を多くして光を照射する状態(明期)と、光を照射しない(又は光量を少なくして光を照射する)状態(暗期)の切り替えが可能となっている。すなわち、人工的な昼夜サイクルを形成可能となっている。
【0074】
また、他の動作としては、上記した養液制御手段(図示しない)により、栽培トレイ13に培養液を供給し、栽培トレイ13から排出される培養液を外部の所定位置まで流出させる養液循環動作が可能となっている。
【0075】
加えて、上記した第一空気攪拌手段25、複数の第二空気攪拌手段26、複数の第三空気攪拌手段27から選択される少なくとも一つの空気攪拌手段を稼働させ、栽培空間7の空気を攪拌する空気攪拌動作が可能となる。
【0076】
ここで、上記した実施形態の栽培設備3では、
図11で示されるように、栽培設備3の全体長さをL1とし、その4分の1の長さをL2としたとき、第一空気攪拌手段25がトレイ搬入口85からL2程度離れた位置に固定されている。
すなわち、第一空気攪拌手段25の短手方向の中心位置が、トレイ搬入口85からL2程度離れた位置となるように、第一空気攪拌手段25が固定されている。
【0077】
より詳細には、第一空気攪拌手段25は、栽培空間7の天井近傍であって上側に近接する位置に固定されている。このとき、第一空気攪拌手段25は、第一空気攪拌手段25の長手方向(幅方向)が栽培設備3の短手方向と同方向となる姿勢であり、送風口部57がトレイ搬出口86側に向く姿勢で取り付けられている。
【0078】
したがって、第一空気攪拌手段25を稼働させると、栽培空間7の内部では、トレイ搬入口85側の下方側の位置から第一空気攪拌手段25の下方側へ向かう気流が発生する。
このことにより、トレイ搬入口85側に位置する比較的生育の進んでいない植物の周辺や、その上方の空間からトレイ搬出口86側へ向かう気流が生成される。
【0079】
また、第一空気攪拌手段25の下方側から第一空気攪拌手段25側へ向かう気流や、第一空気攪拌手段25よりもやや前方の下方側から、第一空気攪拌手段25へ向かう気流が形成される。
【0080】
さらに、第一空気攪拌手段25の送風口部57からトレイ搬出口86側へ向かう気流が形成されている。
すなわち、送風口部57とトレイ搬出口86の上側部分とが栽培設備3の長手方向で離間対向していることから、送風口部57からが栽培設備3の長手方向に沿って流れる気流が形成される。すなわち、植物の上方を流れる気流であり、一部が屋根部材12の内面に沿って流れる気流が形成される。
【0081】
上記した実施形態では、第一空気攪拌手段25を幅方向(長手方向)が栽培設備3の短手方向と同方向なるように取り付けたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、第一空気攪拌手段25は、幅方向(長手方向)が栽培設備3の長手方向及び上下方向と交差する方向となるように取り付けてもよい。すなわち、栽培設備3の長手方向に沿って流れる気流が形成できればよい。
【0082】
また、上記した実施形態では、送風口部57が最も生育した植物よりも高位置となるように第一空気攪拌手段25を取り付けたが、本発明はこれに限るものではない。
第一空気攪拌手段25は、送風口部57の下端部分が最も生育した植物の上端よりも下方側に位置するように、第一空気攪拌手段25をより低位置に取り付けてもよい。すなわち、第一空気攪拌手段25に近接する位置にある植物には、送風口部57から送風される風が直接当たらず、一部の植物の上方側にのみ風が直接当たるように形成してもよい。
【0083】
上記した実施形態では、第一空気攪拌手段25を所定の取り付け位置(規定位置)に取り付けた例を示した。しかしながら、本発明はこれに限るものでない。
例えば、
図12で示される栽培設備103のように、第一空気攪拌手段125(空気攪拌手段)を栽培空間7の長手方向に沿う方向にスライド移動可能な構造としてもよい。
【0084】
すなわち、本実施形態の栽培設備103は、第一空気攪拌手段125をスライド移動させる駆動機構107(駆動手段)を有する。
駆動機構107は、対となる2つの支持レール部108を備えている。そして、この2つの支持レール部108が、第一空気攪拌手段125の長手方向で異なる2個所をそれぞれ支持している。
【0085】
支持レール部108は、ベルト部材109と、このベルト部材109の一部に取り付けられる取付片(図示しない)と、ベルト部材109を回動させるベルト回動部材110とを有する。
【0086】
ベルト部材109は、環状に連続しており、その一部に取付片を介して第一空気攪拌手段125の一部が固定されている。詳細には、第一空気攪拌手段125の長手方向における端部寄りの部分が固定されている。
【0087】
ベルト回動部材110は、組となる複数(本実施形態では2つ)のプーリと、図示しないモータ等の駆動源を有する。そして、駆動源が稼働することで、プーリの少なくとも一つが回転する。ここで、複数のプーリには、ベルト部材109が巻架されており、プーリの少なくとも一つが回転することで、ベルト部材109が走行する。このことにより、固定片が栽培空間7の長手方向に沿って移動し、その結果、第一空気攪拌手段125が同方向に移動する。
【0088】
なお、上記した実施形態では、2つの支持レール部108のそれぞれが駆動源を有する構造としたが、これに限らず、駆動源は、いずれか一方の支持レール部108にのみ設ける構造としてもよい。
この際、一方の支持レール部108のプーリと、他方の支持レール部108のプーリとをシャフト部材等で連結し、一方が回転することで他方も回転する構造としてもよい。
駆動源は、第一空気攪拌手段125を移動させる動力を供給可能であればよく、モータに限らず、公知のモータ内蔵ローラ等であってもよい。また、この駆動源は、栽培空間7の内部に設けてもよく、外部に設けてもよい。
【0089】
また、本実施形態の第一空気攪拌手段125は、姿勢変更手段150を有する点において、上記の第一空気攪拌手段25とは異なるものとなっている。
具体的には、この第一空気攪拌手段125は、上記の第一空気攪拌手段25に対し、姿勢変更手段150が取り付けられて形成されている。
【0090】
姿勢変更手段150は、第一空気攪拌手段25の長手方向と同方向に延びる回転軸を中心として、第一空気攪拌手段25の全体を回動させるものである。
姿勢変更手段150は、動力を生成するモータ部150aと、第一空気攪拌手段25の一部に対して固定され、モータ部150aが稼働することで回転する連結部150bを有する。そして、連結部150bが回転することで、第一空気攪拌手段25の全体が回動する構造となっている。
【0091】
なお、上記した実施形態では、第一空気攪拌手段25の全体を回動させる例について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、外郭部材35のみを回動させる構造であってもよい。すなわち、第一空気攪拌手段25の一部を回動させることで、送風口部57の向きが変更され、送風方向が変更されればよい。
【0092】
また、上記した実施形態では、第一空気攪拌手段25の羽根車36を回転させる駆動源(モータ部材37のモータ)とは別に、第一空気攪拌手段25全体を回動させる駆動源(モータ部150a)を設けた。すなわち、第一空気攪拌手段25とは別に、姿勢変更手段150が駆動源を有する構造とした。
しかしながら、本発明はこれに限るものではなく、羽根車36を回転させて送風動作を行うための駆動源と、送風口部57の向きを変更するための駆動源を共通の駆動源としてもよい。すなわち、第一空気攪拌手段は、一つの駆動源により送風動作と、送風口部57の向きを変更する動作(以下、首振り動作とも称する)を実行可能としてもよい。
【0093】
また、首振り動作は、第一空気攪拌手段25を栽培空間7の長手方向に沿ってスライド移動させる動作(以下、配置位置変更動作とも称する)と同時に実行してもよく、それぞれ別に実行してもよい。
すなわち、首振り動作と配置位置変更動作は、いずれか一方のみを実行可能としてもよく、上記したように双方を実行可能としてもよい。
【0094】
上記した実施形態の第一空気攪拌手段25は、羽根車36に動力を供給するモータの回転速度を変更可能としてもよい。そして、外部の制御装置を操作する等により、モータの回転速度が所望の速度に変更される構造としてもよい。
すなわち、モータの回転速度を変更することで、羽根車36の回転速度を変更し、第一空気攪拌手段25から送風される風の風速を変更してもよい。さらには、温度センサや湿度センサ等の各種センサを設け、このセンサによって取得した値に応じて、モータの回転速度が自動で適宜な速度に変更される構造としてもよい。
【0095】
第一空気攪拌手段25は、上記したような首振り動作を可能とすることで、
図13で示されるように、明期と暗期とで風向を変更する動作を実施してもよい。
すなわち、暗期においては、
図13(a)で示されるように、トレイ搬出口86側へ向かう方向であって、栽培空間7の長手方向に沿う方向が送風方向となる送風動作を実施する(
図11参照)。これに対し、明期においては、
図13(b)で示されるように、斜め下方が送風方向となる送風動作を実施する。すなわち、トレイ搬出口86側へ向かうにつれて下方側へ向かう方向が送風方向となる送風動作を実施する。
【0096】
上記した実施形態の第一空気攪拌手段25は、
図14で示されるように、別途形成された付属部材(アタッチメント用の部材)である風向変更部材244を必要に応じて取り付けて稼働させてもよい。
本実施形態では、複数の風向変更部材244である第一フード部材250と、第二フード部材251を第一空気攪拌手段25に対して選択的に取り付け可能となっている。
【0097】
第一フード部材250と第二フード部材251は、いずれも送風方向に沿う方向に延びる2つの調整板支持部材244aと、調整板支持部材244aによって支持される風向調整板244bとを有する。
本実施形態では、調整板支持部材244aは、立板状の部材であり、厚さ方向が第一空気攪拌手段25の長手方向と同方向となるように、それぞれ取り付けられている。具体的には、側壁部材52の外側面に固定されており、第一空気攪拌手段25の短手方向を視線方向とした平面視において、送風口部57と重ならない位置に配されている。
【0098】
ここで、第一フード部材250では、調整板支持部材244aは、側壁部材52の下方側へ取り付けられ、第一空気攪拌手段25から離れるにつれて上方側へ向かう方向に延びている。対して、第二フード部材251では、調整板支持部材244aは、側壁部材52の上方側へ取り付けられ、第一空気攪拌手段25から離れるにつれて下方側へ向かう方向に延びている。
つまり、調整板支持部材244aは、第一空気攪拌手段25から離れる方向であり、送風口部57から送風される風の送風方向成分を含む方向に延びている。
【0099】
風向調整板244bは、長手方向の両端部を2つの調整板支持部材244aに固定された平板状部材であり、いずれも天面及び底面が水平面に対して傾斜した姿勢となっている。
具体的には、第一フード部材250では、2つの調整板支持部材244aの突出側端部分の下方側部分の間で風向調整板244bが延びている。この風向調整板244bは、送風口部57からの送風方向で、第一空気攪拌手段25から離れるにつれて上方に向かうように傾斜している。
対して、第二フード部材251では、2つの調整板支持部材244aの突出側端部分の上方側部分の間で風向調整板244bが延びている。この風向調整板244bは、送風口部57からの送風方向で、第一空気攪拌手段25から離れるにつれて下方に向かうように傾斜している。
【0100】
これら風向調整板244bは、第一空気攪拌手段25の短手方向を視線方向とした平面視において、送風口部57と重なる位置に配されており、いずれも送風口部57から送風される風の送風方向を変更するものとなっている。
なお、第一フード部材250は、送風方向を上方側へ向かう方向へ変更するものであり、第二フード部材251は、送風方向を下方側へ向かう方向へ変更するものである。
【0101】
以上のように、第一空気攪拌手段25は、生育させる植物の品種に応じて第一フード部材250、第二フード部材251のいずれかを取り付けた状態、又は、風向変更部材244を取り付けない状態で稼働させてもよい。
また、風向変更部材244は、上記した2つに限らず、3つ以上形成してもよい。この際、風向調整板244bの傾斜角度をそれぞれ異なる傾斜角度とすることで、送風方向の微調整が可能なものとしてもよい。
つまり、植物栽培装置1では、空気攪拌手段が複数の風向変更部材244を有し、外郭部材35に複数の風向変更部材244から選択される一の風向変更部材244を取り付け可能であってもよい。また、風向変更部材244は、外郭部材35に一体に固定されることで送風動作における風向を吹き出し方向とは異なる方向に変更する部材とし、複数の風向変更部材244のそれぞれは、変更後の風向がそれぞれ異なる方向となる部材としてもよい。その上で、生育する植物に品種に応じて、外郭部材35にいずれか一つの風向変更部材244を選択的に取り付ける、又は、風向変更部材244を取り付けない状態としてもよい。
【0102】
また、風向変更部材244は、外郭部材35に対してネジやボルト等の締結要素で一体に取り付けるほか、回動動作を自動的に実行可能な状態で取り付けてもよい。
すなわち、風向変更部材244は、第一空気攪拌手段25の羽根車36を回転させるための駆動源、又は、別途設けた駆動源から供給される動力により、送風口部57に対する風向調整板244bの位置を変更する動作を実施可能なものとしてもよい。すなわち、第一空気攪拌手段25の長手方向に延びる回転軸を中心とした回転を可能なものとしてもよい。
なお、ここでいう「締結要素」とは、ネジ、ボルト等の上位概念であり、複数部材を貫通して(又は少なくとも一部材を貫通すると共に他の一部材内に挿通して)一体に固定する棒状の固定手段とする。
【0103】
また、風向変更部材244に替わって、より多くの羽板部材44を設け、これら羽板部材44を自動的に回動可能な構造としてもよい。すなわち、送風方向の変更は、羽板部材44を稼働させることで実施してもよい。また、上記した首振り動作と替わって、又は、首振り動作の他に複数の羽板部材44を回動させる動作を実施してもよい。
【0104】
また、上記した実施形態の栽培設備3は、
図15で示されるように、側壁部材11の内面にソーラーパネル350(光電変換装置)を取り付けてもよい。ソーラーパネル350は、公知のそれと同様に、透光性基板と裏面封止材の間に光電変換素子を備えたものであり、受光面から入射された光の光エネルギーを電気エネルギーに変換し、取り出すことができる。
なお、ソーラーパネル350は、作図の都合上、一部のみ符号を付し、他への符号を省略する。
【0105】
なお、このような構造とした場合、上記した第一空気攪拌手段25、第二空気攪拌手段26、第三空気攪拌手段27の他、さらに別の小型のファン(送風機)を設けてもよい。そして、このファンをソーラーパネル350によって発電した電力によって稼働させてもよい。なお、この小型ファンは適宜な位置に取り付け可能であり、例えば、側壁部材11の近傍に取り付けてもよく、底部材10の近傍に取り付けてもよい。
【0106】
なお、上記した実施形態の第一空気攪拌手段25は、除湿機能を有するものとしてもよい。
すなわち、第一空気攪拌手段25を公知の除湿機(除湿手段)を備えたものとし、第一空気攪拌手段25が吸気する空気の水分を除去するものとしてもよい。このとき、除湿機は、第一空気攪拌手段25と一体に形成してもよく、別途形成して第一空気攪拌手段25に取り付けてもよい。また、第一空気攪拌手段25の吸気側に設ける構造に限らず、第一空気攪拌手段25の送風口側に設け、第一空気攪拌手段25から流れる空気の水分を除去するものとしてもよい。
なお、除湿機は、冷凍サイクルを使用した公知の除湿装置であってもよく、シリカゲル等の吸湿材を使用するものであってもよい。また、ペルチェ素子を使用するものであってもよい。
【0107】
上記した実施形態の栽培設備3では、栽培空間7の長手方向における位置が異なる複数個所に第一空気攪拌手段25を取り付け可能な構造としてもよい。すなわち、ビーム部材12bの他、屋根部材12の内面の適宜な部分に直接又は取付用の部材を介して固定してもよい。そして、生育する植物の品種に応じて、第一空気攪拌手段25の数と取付位置を変更してもよい。
すなわち、第一空気攪拌手段25は、上記した実施形態のように一つのみ取り付けてもよく、複数取り付けてもよい。そして、この取り付け位置は適宜変更してよい。言い換えると、植物栽培装置1では、空気攪拌手段は、栽培空間7の長手方向で異なる複数個所に取り付け可能であり、生育する植物に品種に応じて選択される一又は複数の位置に、空気攪拌手段を取り付けることができる。
【0108】
上記した植物栽培装置1は、
図16で示されるように、既設の構造物400内で使用することを想定しているものであり、具体的には、建屋内や、工場跡に設けられた地下構造物、地下トンネル等の地下構造物等の内部に配置されて使用することを想定している。
本実施形態では、この構造物400自体に空調設備が設けられていないものとなっている。
【0109】
そして、このような構造物400の内部に植物栽培装置1を設置するとき、植物栽培装置1は、複数の断熱パネルによって形成される断熱壁410を備えた構造としてもよい。
例えば、
図16で示されるように、上方及び四方のそれぞれが断熱壁410によって形成された立体構造物411の内側に、上記した実施形態に係る植物栽培装置1の全体(複数の棚部材2及び栽培設備3であり、以下栽培装置本体1とも称す)が配される植物栽培装置401を形成してもよい。
【0110】
具体的に説明すると、植物栽培装置401では、栽培装置本体1(並列する棚部材2の全体)の上側が、上側の断熱壁410aによって覆われている。また、栽培装置本体1(並列する棚部材2の全体)の短手方向における一端側と他方端側のそれぞれが側方の断熱壁410b,410cによって覆われている。さらに、栽培装置本体1の長手方向における一端側と他方端側のそれぞれもまた断熱壁(図示しない)によって覆われている。栽培装置本体1は、床面を除く5面が断熱壁410によって覆われた状態となっている。
つまり、栽培装置本体1は、5面それぞれを断熱壁410によって形成された断熱立体構造物の内部であり、断熱壁410よって囲まれた空間に配されている。なお、長手方向における両端側にそれぞれ位置する断熱壁(図示しない)は、栽培トレイ13(
図2等参照)の搬入、搬出の際に一時的に取り外し可能となっている。
【0111】
さらに、本実施形態では、立体構造物411の内部を空調する室内空調手段413がさらに設けられた構造となっている。
室内空調手段413は、公知のヒートポンプ式エアコンディショナーであり、室内機415と、室外機(図示しない)を備えた構造となっている。
【0112】
室内機415は、室内の空気を取り込んで温度を調節し、空気吐出口418から温度調節された空気を吐出する。すなわち、空気の取入れ口と、空気吐出口418とが立体構造物411の天井部分(上側の断熱壁410a)に開いている。
具体的には、間隔を空けて並列配置される2つの棚部材2の間に形成される空間である棚間空間426の上側に、空気吐出口418が開いている。このことにより、立体構造物411の内部空間であり、栽培装置本体1が配される空間の温度を所定の範囲に維持できる。なお、この温度設定は、厳格なものではなく、通常の建屋内の温度範囲に収まれば足る。
【0113】
なお、立体構造物411は、栽培装置本体1の外側に配される外郭構成部材(図示しない)に複数の断熱パネルを取り付けて形成してもよい。例えば、外郭構成部材を枠状体(骨格部分)とし、断熱パネルを嵌め込んで取り付けてもよい。その際、断熱パネルのいくつかを嵌め込まれただけの状態とし、容易に着脱可能としてもよい。その一方で他のいくつかの断熱パネルをネジ止めし、強固に取り付けてもよい。
この場合、外郭構成部材に取り付けられた複数の断熱パネルが行列状に配されることで、立体構造物411の壁部分(天井壁部分と側壁部分)である断熱壁410が形成される。
【0114】
また、外郭構成部材を設けず、複数の断熱パネルを棚部材2に取り付けることで、栽培装置本体1の上側に位置する断熱壁410aや、側方側に位置する断熱壁410b,410cを形成してもよい。
すなわち、並列配置される複数の棚部材2の上側に断熱パネルを複数取り付けて断熱壁410aを形成してもよい。
また、並列配置される棚部材2のうち、最も栽培装置本体1の短手方向における片側端部側に位置する棚部材2の外側側方(より片側端部側に位置する側方)に断熱パネルを複数取り付けて断熱壁410bを形成してもよい。同様に、他方端部側に位置する棚部材2においても、外側側方(より他方端部側に位置する側方)に断熱パネルを複数取り付けて断熱壁410cを形成してもよい。
この場合、上記と同様に、棚部材2(2つの縦桟部材2aの間)に断熱パネルを嵌め込んで取り付けてもよい。
【0115】
なお、上記した実施形態では、棚部材2の内側側方(棚間空間426側の側方)に断熱壁410を形成しない構造としたが、これに限らず、内側側方にも断熱壁410を形成する構造としてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1,401 植物栽培装置
3、103 栽培設備
7 栽培空間
25、125 第一空気攪拌手段(空気攪拌手段)
35 外郭部材
36 羽根車
85 トレイ搬入口(搬入口)
86 トレイ搬出口(搬出口)
107 駆動機構(駆動手段)
150 姿勢変更手段
244 風向変更部材