(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ゴルフ用距離測定装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G01B 21/00 20060101AFI20221205BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G01B21/00 E
A63B71/06 U
(21)【出願番号】P 2020528225
(86)(22)【出願日】2018-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2018014387
(87)【国際公開番号】W WO2019103468
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0156523
(32)【優先日】2017-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519376627
【氏名又は名称】株式会社ヴイシー
【氏名又は名称原語表記】VC INC.
【住所又は居所原語表記】3F-4F,417,Nonhyeon-ro Gangnam-gu Seoul 06246 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リ,ホヒョン
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-150061(JP,A)
【文献】特開2004-105350(JP,A)
【文献】特開2011-33606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00
A63B 71/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ部および音響出力部と、
現在位置を取得する位置取得センサと、
傾斜角度を測定する傾きセンサと、
ターゲットまでの直線距離を測定する距離測定センサと、
前記傾斜角度および前記直線距離を使って前記ターゲットの高さを計算し、前記ターゲットの高さと、
打ち出されたゴルフボールが地面に着地するときの角度である着地角度と
前記現在位置にある前記ゴルフボールを目標地点まで移動させるための距離である攻略距離との関係とを使って、前記攻略距離を計算し、前記攻略距離を前記ディスプレイ部および前記音響出力部のうち少なくとも1つに出力する制御部と、
を備える
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項2】
前記ターゲットの高さは、
【数1】
を使って計算され、ここで、h01は前記ターゲットの高さ、d0は前記直線距離、a01は傾斜角度である、
請求項1に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項3】
前記着地角度と前記攻略距離と間の関係は、
【数2】
で定義され、ここで、a02は前記着地角度、X0は前記攻略距離である、
請求項2に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項4】
前記攻略距離は、
【数3】
を使って計算され、ここで、h02は前記距離測定装置の地面からの高さである、
請求項3に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項5】
ゴルフコースのマップ情報が保存されているメモリと、
方位角を測定する方位角センサと
をさらに備え、
前記制御部は、前記攻略距離および前記方位角を使って攻略地点の位置を決定し、前記マップ情報から前記攻略地点の高度を読み取る、
請求項4に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項6】
前記制御部は
、前記攻略地点の高度に対応する補正着地角度および前記攻略地点の高度を使って、補正攻略距離を計算する、
請求項5に記載のゴルフ用距離測定装置。
【請求項7】
前記補正着地角度は、
【数4】
を使って計算され、ここで、a23は補正着地角度、X22は前記攻略距離から前記ターゲットまでの水平距離を減算した距離値、h23は前記現在位置の高度から前記ターゲットまでの高さから、前記現在位置の高度から前記攻略地点までの高さを減算した高度値である、
請求項6に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項8】
前記補正攻略距離は、
【数5】
を使って計算され、ここで、X24は前記補正攻略距離である、
請求項7に記載の
ゴルフ用距離測定装置。
【請求項9】
位置取得センサが、距離測定装置の現在位置を取得する
ステップと、
傾きセンサが、前記距離測定装置の傾斜角度を測定するステップと、
距離測定センサが、前記距離測定装置からターゲットまでの直線距離を測定するステップと、
制御部が、前記傾斜角度および前記直線距離を使って、前記ターゲットの高さを計算するステップと、
前記制御部が、前記ターゲットの高さと、
打ち出されたゴルフボールが地面に着地するときの角度である着地角度と
前記現在位置にある前記ゴルフボールを目標地点まで移動させるための距離である攻略距離との間の関係とを使って、前記攻略距離を計算するステップと、
前記制御部が、前記攻略距離をディスプレイ部および音響出力部のうち少なくとも1つに出力するステップと、
を含む
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項10】
前記ターゲットの高さを計算するステップは、
前記制御部が、前記ターゲットの高さを、
【数6】
を使って計算するステップを含み、
ここで、h01は前記ターゲットの高さ、d0は前記直線距離、a01は前記傾斜角度である、
請求項9に記載の
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項11】
前記攻略距離を計算するステップは、
前記制御部が、
【数7】
で定義された前記着地角度と前記攻略距離との間の関係を使って、
【数8】
を使って前記攻略距離を計算するステップを含み、
ここで、a02は前記着地角度、X0は前記攻略距離である、
請求項10に記載の
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項12】
前記制御部が、ゴルフコースのマップ情報が保存されているメモリから、前記現在位置に対応するゴルフコースのマップ情報を読み取るステップと、
方位角センサが、前記距離測定装置の方位角を測定するステップと、
前記制御部が、前記攻略距離および前記方位角を使って攻略地点の位置を決定するステップと、
前記制御部が、前記マップ情報から前記攻略地点の高度を読み取るステップと
をさらに含む、請求項11に記載の
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項13】
前記制御部が
、前記攻略地点の高度に対応する補正着地角度および前記攻略地点の高度を使って、補正攻略距離を計算するステップと
をさらに含む、請求項12に記載のゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項14】
前記補正攻略距離を計算するステップは、前記制御部が、
【数9】
を使って前記補正着地角度を計算するステップを含み、
ここで、a23は補正着地角度、X22は前記攻略距離から前記ターゲットまでの水平距離を減算した距離値、h23は前記現在位置の高度から前記ターゲットまでの高さから、前記現在位置の高度から前記攻略地点までの高さを減算した高度値である、
請求項13に記載の
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【請求項15】
前記補正攻略距離を計算するステップは、前記制御部が、
【数10】
を使って前記補正攻略距離を計算するステップを含み、
ここで、X24は前記補正攻略距離である、
請求項14に記載の
ゴルフ用距離測定装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフ用距離測定装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、ゴルフボールを打ってホール(hole)に入れるスポーツである。ゴルファーは、ゴルフボールの現在位置とホールの位置を考慮して目標地点を決定し、ゴルフボールが目標地点に移動するように、適切なゴルフクラブを選択してゴルフボールを打つ。
【0003】
最近では、フィールド内でのより正確な距離測定のために、GPSセンサ、距離測定センサなどを用いた距離測定装置が売り出されている。しかし、このような距離測定装置を使用する場合でも、目標地点(例えば、ホールまたはグリーン)の高度が現在のゴルフボールの高度と相異する場合には、ゴルフボールを目標地点まで移動させるための攻略距離を把握するのは難しい。
【0004】
また、前方に視野を防ぐ丘、木などのような障害物が存在すれば、ゴルファーにとって、障害物の向こうにある攻略地点までゴルフボールを移動させるための攻略距離を把握するのは難しい。
【0005】
結局、ゴルファーは、目標地点までの測定距離を用いて攻略距離を斟酌することにより、攻略距離に応じたゴルフクラブを使用してゴルフボールを打つことになる。攻略距離に適切に対応したゴルフクラブによってゴルフボールが打撃されるとき、ゴルフボールは、相異する高度に存在する目標地点へ、または障害物を越えて、攻略地点へ移動することができる。
【0006】
ここで、前方の目標地点が現在のゴルフボールと相異する高度に存在するとき、目標地点までゴルフボールが到達できる攻略距離や、前方に障害物が存在するときにも、障害物の向こうの攻略地点までゴルフボールが到達できる攻略距離を算出するための方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した問題および他の問題を解決することを目的とする。また他の目的は、相異する高度の目標地点までゴルフボールが到達できる攻略距離を算出するゴルフ用距離測定装置およびその制御方法を提供することにある。
【0008】
また他の目的は、障害物の向こうの目標地点までゴルフボールが到達できる攻略距離を算出するゴルフ用距離測定装置およびその制御方法を提供することにある。
【0009】
また他の目的は、目標地点の高度に応じてより正確な攻略距離を算出するゴルフ用距離測定装置およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため、本発明の第一の側面によれば、距離測定装置は、ディスプレイ部および音響出力部と、現在位置を取得する位置取得センサと、傾斜角度を測定する傾きセンサと、ターゲットまでの直線距離を測定する距離測定センサと、チルト角度および直線距離を使ってターゲットの高さを計算し、ターゲットの高さと、着地角度と攻略距離との関係とを使って、攻略距離を計算し、攻略距離をディスプレイ部および音響出力部のうち少なくとも1つに出力する制御部を備える。
【0011】
ターゲットの高さは、
【数1】
を使って計算することができる。ここで、h01はターゲットの高さ、d0は直線距離、およびa01はチルト角度である。
【0012】
着地角度と攻略距離との間の関係は、
【数2】
で定義することができる。ここで、a02は着地角度、X0は攻略距離である。
【0013】
攻略距離は、
【数3】
を使って計算することができる。ここで、h02は距離測定装置の地面からの高さである。
【0014】
ゴルフコースのマップ情報が保存されているメモリと、方位角を測定する方位角センサとをさらに備え、制御部は、攻略距離および方位角を使って攻略地点の位置を決定し、マップ情報から攻略地点の高度を読み取ることができる。
【0015】
制御部は、攻略地点の高度と現在位置の高度との差が臨界値以上であれば、攻略地点の高度に対応する補正着地角度および攻略地点の高度を使って、補正攻略距離を計算することができる。
【0016】
補正着地角度は、
【数4】
を使って計算することができる。ここで、a23は補正着地角度、X22は攻略距離からターゲットまでの水平距離を減算した距離値、h23は現在位置の高度からターゲットまでの高さから、現在位置の高度から攻略地点までの高さを減算した高度値である。
【0017】
補正攻略距離は、
【数5】
を使って計算することができる。ここで、X24は補正攻略距離である。
【0018】
本発明の一態様に係る距離測定装置の制御方法は、位置取得センサが、距離測定装置の現在位置を取得するステップと、傾きセンサが、距離測定装置の傾斜角度を測定するステップと、距離測定センサが、距離測定装置からターゲットまでの直線距離を測定するステップと、制御部が、チルト角度および直線距離を使って、ターゲットの高さを計算するステップと、制御部が、ターゲットの高さと、着地角度と攻略距離と間の関係とを使って、攻略距離を計算するステップと、制御部が、攻略距離をディスプレイ部および音響出力部のうち少なくとも1つに出力するステップと、を含む。
【0019】
ターゲットの高さを計算するステップは、制御部が、ターゲットの高さを
【数6】
を使って計算するステップを含むことができる。ここで、h01はターゲットの高さ、d0は直線距離、a01はチルト角度である。
【0020】
攻略距離を計算するステップは、制御部が、
【数7】
で定義された着地角度と攻略距離との間の関係を使って、
【数8】
を使って攻略距離を計算するステップを含むことができる。ここで、a02は着地角度、X0は攻略距離である。
【0021】
制御部が、ゴルフコースのマップ情報が保存されているメモリから、現在位置に対応するゴルフコースのマップ情報を読み取るステップと、方位角センサが、距離測定装置の方位角を測定するステップと、制御部が、攻略距離および方位角を使って攻略地点の位置を決定するステップと、制御部が、マップ情報から攻略地点の高度を読み取るステップとをさらに含むことができる。
【0022】
制御部が、攻略地点の高度と現在位置の高度との差が臨界値以上であるか判断するステップと、攻略地点の高度と現在位置の高度との差が臨界値以上であれば、攻略地点の高度に対応する補正着地角度および攻略地点の高度を使って、補正攻略距離を計算するステップとをさらに含むことができる。
【0023】
補正攻略距離を計算するステップは、制御部が、
【数9】
を使って補正着地角度を計算するステップを含むことができる。ここで、a23は補正着地角度、X22は攻略距離からターゲットまでの水平距離を減算した距離値、h23は、現在位置の高度からターゲットまでの高さから、現在位置の高度から攻略地点までの高さを減算した高度値である。
【0024】
補正攻略距離を計算するステップは、制御部が、
【数10】
を使って補正攻略距離を計算する段階を含むことができる。ここで、X24は補正攻略距離である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る距離測定装置およびその制御方法の効果について説明すると、次の通りである。
【0026】
本発明の実施態様のうち少なくとも1つによれば、目標地点が相異する高度に位置しても、ゴルフボールが目標地点まで到達するのに必要な攻略距離を簡単に確認することができるという長所がある。
【0027】
本発明の実施態様のうち少なくとも1つによれば、ゴルファーが、前方に障害物が位置する状況でも、ゴルフボールが障害物を越えていくのに必要な攻略距離を簡単に確認することができるという長所がある。
【0028】
本発明の適用可能性の追加的な範囲は、以下の詳細な説明から明白になるであろう。しかし、本説明の範囲内で多様な変更および修正は当業者に明確に理解され得るため、詳細な説明および本発明の望ましい実施形態のような特定実施形態は、単に例示として与えられたものと理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施形態に係る距離測定装置を説明するためのブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る距離測定装置の一例の概念図である。
【
図3】
図2の距離測定装置を異なる方向からみた概念図である。
【
図4】一実施形態に係る距離測定装置の光学部と距離測定センサの概略的な構造図である。
【
図5】距離測定装置の制御方法の第一実施例を示すフローチャートである。
【
図6】第一実施例の他の様態による距離測定装置の制御方法のフローチャートである。
【
図7】
図5および
図6の制御方法により攻略距離を算出する例を示した図である。
【
図8】
図5および
図6の制御方法により攻略距離を算出する例を示した図である。
【
図9】距離測定装置の制御方法の第二実施例を示すフローチャートである。
【
図10】
図9の制御方法により攻略距離を算出する例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明に係る距離測定装置の実施形態を詳しく説明するが、同一や類似の構成要素には同一、類似の図面符号を付与し、これについての重複する説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素についての接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて与えられるか混用されるものであり、それ自体に互いに区別される意味または役割をもつものではない。また、本明細書に開示された実施形態の説明において、関連した公知技術についての具体的な説明が本明細書に開示された実施形態の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付図面は、本明細書に開示された実施形態を容易に理解できるようにするためのものであるだけで、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されるものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。
【0031】
第1、第2などのように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、それらの構成要素は、その用語によって限定されるものではなない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0032】
ある構成要素が他の構成要素に「連結して」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結しているかまたは接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解しなくてはならない。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結して」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなくてはならない。
【0033】
本出願において、「備え」、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなくてはならない。
【0034】
図1は本発明の一実施形態に係る距離測定装置100を説明するためのブロック図であり、
図2および
図3は一実施形態に係る距離測定装置100の一例を互いに異なる方向からみた概念図である。
【0035】
距離測定装置100は、センシング部110、光学部120、使用者入力部130、インターフェース部140、出力部150、メモリ160、無線通信部170、制御部180、および電源供給部190等を備える。
図1に示された構成要素は、距離測定装置100を具現するにおいて必須的なものではなく、本明細書上で説明される距離測定装置100は、前に列挙された構成要素より多いか、または少ない構成要素を有することができる。
【0036】
より具体的に説明すると、前記構成要素のうちセンシング部110は、距離測定装置100を取り囲む周辺の環境情報および距離測定装置100内の情報のうち少なくとも1つをセンシングするための1つ以上のセンサを含む。例えば、センシング部110は、距離測定センサ111、位置取得センサ112、傾きセンサ113(acceleration sensor)、方位角センサ114、気圧センサ115、ジャイロスコープセンサ(gyroscope sensor)、バッテリーゲージ(battery gauge)、環境センサ(例えば、湿度計、温度計など)のうち少なくとも1つを含む。一方、本明細書に開示された距離測定装置100は、このようなセンサのうち少なくとも2つ以上のセンサでセンシングされる情報を組み合わせて活用することができる。
【0037】
まず、距離測定センサ111は、ターゲット(target)までの距離を測定するセンサをいう。このような距離測定センサ111は、超音波センサ(ultrasonic sensor)、赤外線センサ(IRセンサ:infrared sensor)、レーザセンサ(laser sensor)、レーダセンサ(radio detecting and ranging sensor)、光センサ(optical sensor、例えば、カメラ)等を含む。距離測定センサ111は、前記で羅列したセンサの種類に限定されず、ターゲットとの距離を測定する全種類のセンサを含む。
【0038】
以下で、距離測定センサ111は、レーザ光を前方に送出し、ターゲットで反射したレーザ光を受信してターゲットとの距離を測定するレーザセンサであると仮定して説明する。
【0039】
位置取得センサ112は、距離測定装置100の位置を取得するためのセンサであって、その代表的な例としては、GPS(Global Positioning System)センサがある。GPSセンサは、3つ以上の衛星から、離れている距離の情報と正確な時間情報を算出した後、前記算出された情報に三角法を適用することによって、緯度、経度、および高度による3次元の現位置情報を正確に算出することができる。現在、3つの衛星を用いて位置および時間情報を算出し、また別の1つの衛星を用いて前記算出された位置および時間情報の誤差を修正する方法が広く使用されている。また、GPSセンサは、現位置をリアルタイムで継続して算出することにより、速度情報を算出することができる。
【0040】
傾きセンサ113は、距離測定装置100の傾き(tilt)の程度を取得する。傾きセンサ113は、重力加速度を測定する加速度センサ(accelerometer)を含む。また、傾きセンサ113は、ジャイロセンサによって取得された予め設定された基準方向からの上下方向の回転角度を使って傾きを計算する等によっても具現される。
【0041】
方位角センサ114は、方位角を測定するセンサであって、距離測定装置100が向かう方位角の値を取得する。方位角センサ114は、地球の磁場を感知して方位角を測定する地磁気センサ(geomagnetic sensor)である。また方位角センサ114は、ジャイロセンサによって取得された予め設定された基準方向からの左右方向の回転角度を使って方位角を計算する等によっても具現される。
【0042】
気圧センサ115は、現在位置での空気の圧力、つまり、大気圧を測定する。
【0043】
光学部120は、外部光を受光するための構造を有し、レンズ部とフィルタ部などを含む。光学部120は、被写体からの光を光学的に処理する。
【0044】
レンズ部は、ズームレンズ(zoom lens)、フォーカスレンズ(focus lens)、および補償レンズ(compensate lens)等を含み、フィルタ部は、UVフィルタ(ultraviolet filter)、光学ローパスフィルタ(Optical Low Pass Filter)等を含む。
【0045】
次に、使用者入力部130は、使用者から情報の入力を受けるためのもので、使用者入力部130を介して情報が入力されると、制御部180は、入力された情報に対応するように距離測定装置100の動作を制御することができる。このような使用者入力部130は、機械式(mechanical)入力手段(または、メカニカルキー、例えば、距離測定装置100の前面、後面、または側面に位置するボタン、ドームスイッチ(dome switch)、ジョグホイール、ジョグスイッチなど)およびタッチ式入力手段を含む。一例として、タッチ式入力手段は、ソフトウェア的な処理によりタッチスクリーンに表示される仮想キー(virtual key)、ソフトキー(soft key)またはビジュアルキー(visual key)からなるか、前記タッチスクリーン以外の部分に配置されるタッチキー(touch key)からなる。一方、仮想キーまたはビジュアルキーは、多様な形態を有してタッチスクリーン上に表示されることが可能であり、例えば、グラフィック(graphic)、テキスト(text)、アイコン(icon)、ビデオ(video)またはこれらの組み合わせからなる。
【0046】
インターフェース部140は、距離測定装置100に連結される多様な種類の外部機器との通路の役割を行う。このようなインターフェース部140は、外部充電器ポート(port)、有/無線データポート(port)、およびメモリ160カード(memory card)ポートのうち少なくとも1つを含む。距離測定装置100では、前記インターフェース部140に外部機器が連結されることに対応して、連結された外部機器と係る適切な制御を行うことができる。
【0047】
出力部150は、視覚、聴覚または触覚などと係る出力を発生させるためのもので、ディスプレイ部151、音響出力部152、振動出力部153等を含む。
【0048】
ディスプレイ部151は、距離測定装置100で処理される情報を表示(出力)する。例えば、ディスプレイ部151は、距離測定装置100で駆動されるアプリケーションプログラムの実行画面情報、またはこのような実行画面情報に応じたUI(User Interface)、GUI(Graphic User Interface)情報を表示することができる。
【0049】
ディスプレイ部151は、液晶ディスプレイ(liquid crystal displayay、LCD)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(thin film transistor-liquid crystal displayay、TFT LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)、電子インクディスプレイ(e-ink display)のうち少なくとも1つを含む。
【0050】
また、ディスプレイ部151は、距離測定装置100の実現形態によって、2つ以上存在することができる。この場合、距離測定装置100の外面、距離測定装置100の内部に複数のディスプレイ部151が共に配置されるか、または、距離測定装置100の外面、距離測定装置100の内部それぞれに個別的に配置される。
【0051】
外面に配置されたディスプレイ部151aは、タッチ方式によって制御命令の入力を受けることができるように、ディスプレイ部151aに対するタッチを感知するタッチセンサを含む。これを用いて、ディスプレイ部151aに対してタッチがなされると、タッチセンサはそのタッチを感知し、制御部180はこれに基づいてタッチに対応する制御命令を発生させるようになされ得る。タッチ方式によって入力される内容は、文字または数字であるか、または各種モードでの指示または指定可能なメニュー項目などであり得る。
【0052】
内部に配置されたディスプレイ部151bは、距離測定装置100の接眼レンズ121を介して使用者に映像を表示することができる。内部に配置されたディスプレイ部151bは、接眼レンズ121の光経路上に直接位置した透明ディスプレイ(または半透明ディスプレイ)を含む。透明ディスプレイの代表的な例としては、TOLED(Transparant OLED)等がある。また内部に配置されたディスプレイ部151bは、光を屈折させたり反射させる等の機能を有する光学部材を介して、接眼レンズ121の光経路に映像を提供する不透明ディスプレイでも良い。
【0053】
音響出力部152は、メモリ160に保存されたオーディオデータを音で出力することができ、各種アラームやマルチメディアの再生音を出力するラウドスピーカー(loud speaker)の形態で具現される。
【0054】
振動出力部153は、使用者が感じることができる多様な触覚効果を発生させる。振動出力部153が発生する振動の強さやパターンなどは、使用者の選択または制御部180の設定によって制御される。例えば、振動出力部153は、互いに異なる振動を合成して出力したり、順次に出力することもできる。
【0055】
その他にも出力部150は、光源を光を用いてイベント発生を知らせる信号を出力する光出力部をさらに含むこともできる。
【0056】
また、メモリ160は、距離測定装置100の多様な機能を支援するデータ(例えば、データはゴルフコースのティーボックス(tee box)、フェアウエイ、ハザード(hazard)、バンカー(bunker)、ラフ(rough)、グリーン(green)、ホール(hole)についてのコースマップ情報などを含み、これに限定されない)を保存する。
【0057】
コースマップ情報は、少なくとも1つのティーボックスの位置情報、グリーンの位置情報、少なくとも1つのティーボックスとグリーン間の高度差についての情報を含む。
【0058】
一般にゴルフコースには、少なくとも1つのティーボックスが設けられる。それぞれのティーボックスとグリーン間の距離は、互いに相異する。例えば、それぞれのティーボックスとグリーン間の距離は、フロント(front)ティーボックス、レギュラー(regular)ティーボックス、およびバック(back)ティーボックスの順で大きくなる。
【0059】
コースマップ情報には、1つのゴルフコース内におけるいずれか1つのティーボックスといずれか1つのグリーン間の高度差、それぞれのティーボックス間の高度差が保存されている。例えば、1つのゴルフコース内におけるフロントティーボックスとグリーン間の高度差が-20mで保存されており、フロントティーボックスとレギュラーティーボックス間の高度差が+1m、フロントティーボックスとバックティーボックスの間の高度差が+3mで保存されている。
【0060】
メモリ160は、距離測定装置100で駆動されるファームウエア(firmware)、アプリケーションプログラム(application program)、距離測定装置100の動作のためのデータ、コマンドを保存することができる。このようなアプリケーションプログラムのうち少なくとも一部は、距離測定装置100の基本的な機能のために出庫当時から距離測定装置100上に存在する。またこのようなアプリケーションプログラムのうち少なくとも一部は、無線通信で外部サーバーからダウンロードされることができる。一方、アプリケーションプログラムは、メモリ160に保存され、距離測定装置100上に設置されて、制御部180により前記距離測定装置100の動作(または機能)を行うように駆動されることができる。
【0061】
無線通信部170は、距離測定装置100と無線通信システム間、距離測定装置100と他の無線通信可能デバイス間、または距離測定装置100と外部サーバー間の無線通信を可能にする1つ以上のモジュールを含む。
【0062】
このような無線通信部170は、無線インターネットモジュール171および近距離通信モジュール172等を含む。
【0063】
無線インターネットモジュール171は、無線インターネット接続のためのモジュールをいうもので、距離測定装置100に内蔵される。無線インターネットモジュール171は、無線インターネット技術による通信網で無線信号を送受信するようになる。無線インターネット技術としては、例えばWLAN(Wireless LAN)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)Direct、DLNA(登録商標)(Digital Living Network Alliance)、WiBro(Wireless Broadband)、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(Long Term Evolution-Advanced)等があり、無線インターネットモジュール171は、前記で羅列されないインターネット技術まで含む範囲で少なくとも1つの無線インターネット技術によりデータを送受信するようになる。
【0064】
近距離通信モジュール172は、近距離通信(Short range communication)のためのものであり、ブルートゥース(登録商標)(BluetoothTM)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association;IrDA)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(Wireless-Fidelity)、Wi-Fi Direct、WirelessUSB(Wireless Universal Serial Bus)技術のうち少なくとも1つを用いて、近距離通信を支援することができる。このような近距離通信モジュール172は、近距離無線通信網(Wireless Area Networks)を介して距離測定装置100と無線通信システム間、距離測定装置100と無線通信可能デバイス間、または距離測定装置100と外部サーバーが位置したネットワーク間の無線通信を支援することができる。近距離無線通信網としては、近距離無線個人通信網(Wireless Personal Area Networks)を利用することができる。
【0065】
ここで、無線通信可能デバイスとしては、本発明に係る距離測定装置100とデータを相互交換することが可能な(または連動可能な)ウェアラブルデバイス(wearable device、例えばスマートウォッチ(smart watch)、スマートグラス(smart glasses)等)が用いられる。近距離通信モジュール172は、距離測定装置100周辺に、距離測定装置100と通信可能なウェアラブルデバイスを感知(または認識)することができる。さらに、制御部180は、感知されたウェアラブルデバイスが、一実施形態に係る距離測定装置100と通信するように認証されたデバイスである場合、距離測定装置100で処理されるデータの少なくとも一部を、近距離通信モジュール172を介してウェアラブルデバイスに伝送することができる。したがって、ウェアラブルデバイスの使用者は、距離測定装置100で処理されるデータを、ウェアラブルデバイスを介して利用することができる。
【0066】
制御部180は、前述のアプリケーションプログラムと係る動作以外にも、通常的に距離測定装置100の全般的な動作を制御する。制御部180は、前述した構成要素を介して入力または出力される信号、データ、情報などを処理したり、メモリ160に保存されたアプリケーションプログラムを駆動することにより、使用者に適切な情報または機能を提供または処理することができる。
【0067】
また、制御部180は、メモリ160に保存されたアプリケーションプログラムを駆動するために、
図1と共に見た構成要素のうち少なくとも一部を制御することができる。さらに、制御部180は、前記アプリケーションプログラムの駆動のために、距離測定装置100に含まれた構成要素のうち少なくとも2つ以上を互いに組み合わせて動作させることができる。
【0068】
電源供給部190は、制御部180の制御下で、外部の電源、内部の電源の印加を受けて距離測定装置100に含まれた各構成要素に電源を供給する。このような電源供給部190はバッテリーを含む。このバッテリーとしては、内蔵形バッテリーまたは交換可能な形態のバッテリーを用いることができる。
【0069】
前記の各構成要素のうち少なくとも一部は、以下で説明する多様な実施形態による距離測定装置100の動作、制御、または制御方法を実現するために互いに協力して動作することができる。また、距離測定装置100の動作、制御、または制御方法は、メモリ160に保存された少なくとも1つのアプリケーションプログラムの駆動によって距離測定装置100上で具現されることができる。
【0070】
図2および3を参照すると、開示された距離測定装置100は、前面と後面が楕円トラック形態(oval track shape)の柱形のボディーを備えている。ただし、本発明はこれに限定されず、ウォッチ(watch)タイプ、クリップ(clip)タイプ、グラス(glasses)タイプまたは2つ以上のボディーが相対移動可能に結合するスライド(slide)タイプ、スイング(swing)タイプ、スイベル(swivel)タイプなど、多様な構造で適用可能である。距離測定装置100の特定類型に関連することや、距離測定装置100の特定類型に関する説明は、他のタイプの距離測定装置100にも一般的に適用可能である。
【0071】
ここで、ボディーは、距離測定装置100を少なくとも1つの集合体とみて称する概念と理解される。
【0072】
距離測定装置100は、外観をなすケース(例えば、フレーム、ハウジング、カバーなど)を含む。図示されているように、距離測定装置100は、フロントケース101、ミドルケース102、およびリアケース103を含み得る。フロントケース101、ミドルケース102、およびリアケース103の結合によって形成される内部空間には、各種電子部品が配置される。
【0073】
このようなケースは、合成樹脂を射出して形成されたり、金属、例えばステンレススチール(STS)、アルミニウム(Al)、チタニウム(Ti)等で形成されることもでき、革、ゴムなどの材料でその外部がカバーされることもできる。
【0074】
フロントケース101には、接眼レンズ121、第1操作ユニット130a、第2操作ユニット130b、およびディスプレイ部151aが配置され得る。この際、第1操作ユニット130aは接眼レンズ121の周囲にジョグホイール形態で配置され、接眼レンズ121を保護することができる。
【0075】
ミドルケース102の一面には、第3操作ユニット130cと第4操作ユニット130dが配置され得る。使用者は、距離測定装置100を把持した状態で、第3操作ユニット130c、第4操作ユニット130dを便利に操作することができる。
【0076】
リアケース103には、少なくとも1つの対物レンズ122、123が配置される。対物レンズ122、123は、外部からの光を受光することができる。例えば、上側に位置した対物レンズ122は、被写体からの光を受光して、使用者が接眼レンズ121を介して被写体を肉眼で確認できるようにする。下側に位置した対物レンズ123は、距離測定装置100から発光したレーザがターゲットに反射すると、反射したレーザを受光することができる。
【0077】
これらの構成は、このような配置に限定されるものではない。これらの構成は、必要に応じて除外または代替されたり、他面に配置され得る。例えば、ボディーの前面にはディスプレイ部151aと第2操作ユニット130bが備えられなくてもよく、操作ユニット130a、130b、130c、130dの個数も変更可能である。
【0078】
次に、
図4を参照して、距離測定装置100の光学部120および距離測定センサ111について具体的に説明する。
【0079】
図4は一実施形態による距離測定装置100の光学部120と距離測定センサ111の概略的な構造図である。
【0080】
一実施形態による距離測定装置100は、2つの対物レンズ122、123と1つの接眼レンズ121、光経路変更部126、光処理部124、ディスプレイ部151a、レーザ発生部1110、レーザ受信部1111、レーザ制御部1112、および制御部180を含む。
【0081】
第1対物レンズ122を介して、外部光OLが距離測定装置100に入射するか、またはレーザ発生部1110で発生したレーザL1が外部に発射されることができる。レーザ発生部1110で発生したレーザL1は、光経路変更部126を介して第1対物レンズ122に向かうように経路が変更されることができる。
【0082】
外部光OLは、第1対物レンズ122、光経路変更部126を経て光処理部124に入射する。光処理部124は、レンズ部とフィルタ部を含む。光処理部124に入射した外部光OLは、光学的に処理されて接眼レンズ121側へ向かう。レンズ部は、駆動部125の駆動により光を処理する。例えば、使用者が第1操作ユニット130a等を操作すれば、駆動部125が駆動しズームレンズが移動して、ズームイン(zoom-in)またはズーム-アウト(zoom-out)動作が行われる。
【0083】
第2対物レンズ123を介して、ターゲットに反射したレーザL2が距離測定装置100に入射することができる。レーザ受信部1111は、第2対物レンズ123を介して入射するレーザL2を受光し、対応する信号をレーザ制御部1112に出力する。
【0084】
すると、レーザ制御部1112は、レーザ受信部1111から受信した信号を用いて、距離測定装置100からターゲットまでの距離を算出することができる。そして算出された距離値を制御部180に出力する。
【0085】
ディスプレイ部151bは、透明または半透明ディスプレイで構成され、外部光OLが通過する経路上に直接配置されることができる。またはディスプレイ部151bは、光を屈折させたり反射させるなどの機能を有する光学部材を介して接眼レンズ121の光経路に映像を提供することもできる。
【0086】
以下では、このように構成された距離測定装置100で具現できる制御方法と係る実施形態について、添付した図面を参照して詳説する。本発明は、本発明の精神および必須的特徴を逸脱しない範囲で、他の特定の形態で具体化できることは当業者に自明である。
【0087】
図5~
図8を参照して、距離測定装置100の制御方法の第一実施例を説明する。
【0088】
図5は、距離測定装置100の制御方法の第一実施例を示すフローチャートであり、
図6は第一実施例の距離測定装置100の制御方法の他の態様を示すフローチャートであり、
図7および
図8は第一実施例の距離測定装置の制御方法により攻略距離を算出する例を示した図である。
【0089】
まず、
図5および
図7を参照して説明する。位置取得センサ112は現在位置を取得する(ステップS100)。位置取得センサ112は、距離測定装置100の現在位置の座標を取得することができる。現在位置は、距離測定装置100の緯度、経度、および高度で現わすことができる。
【0090】
傾きセンサ113は、距離測定装置100が向かう傾きの角度(以下、チルト角(tilt angle)と称する)a01を測定する(ステップS110)。
【0091】
距離測定センサ111は、距離測定装置100からターゲット200までの直線距離d0を測定する(ステップS120)。
【0092】
図7に示されているように、ターゲット200は、現在位置と相異する高度にあるホール(hole)とすることができる。また、ターゲット200は、ホールに設けられたピン(pin)またはグリーン(green)とすることもできる。ターゲット200は、使用者が距離測定装置100を用いて自由に選択可能である。
【0093】
すると制御部180は、測定されたチルト角a01と直線距離d0を用いて、ターゲット200までの攻略距離X0を計算する(ステップS130)。
【0094】
攻略距離X0の計算と関連して、距離測定装置100からターゲット200までの高さh01は、次の数式を使って計算される。
【数11】
ここで、d0はターゲット200までの直線距離(距離測定センサ111によって測定されたターゲット200まで距離)であり、a01は距離測定装置100のチルト角であり、h01は距離測定装置100からターゲット200までの高さ(高度差)である。
【0095】
高さh01が計算されると、攻略距離X0は、次の数式を使って計算される。
【数12】
ここで、X0は攻略距離であり、L0は距離測定装置100からターゲット200までの水平距離であり、h02はゴルフボール10から距離測定装置100までの高さである。h02は、使用者の入力によって設定できる任意の値である。あるいは、h02は、距離測定センサ113を使用して地面との垂直距離を測定することによって取得された値であっても良い。直線距離d0が所定の距離値(例えば、150mなど)以上である場合、h02の値は数式において無視されることもある。
【0096】
距離測定装置100からターゲット200までの水平距離L0は、次の数式を使って計算することができる。
【数13】
【0097】
この際、攻略距離X0とゴルフボール10の着地角度(landing angle、a02)間には、次の数式のような関係がある。
【数14】
【0098】
つまり、攻略距離X0と着地角度a02は、[数14]のように関数で表現することができ、その関数の形態は、1次関数、2次関数などに制限されない。例えば、攻略距離X0と着地角度a02は、次の数式のように、1次関数で表現することができる。
【数15】
ここで、iとjは定数値であり、使用者の選択または制御部180によって選択することのできる値である。例えば、使用者が男性の場合、iは0.11、jは67と選択することができ、使用者が女性の場合、iは0.11、jは60と選択することができる。しかし、本発明のi値およびj値はこれに制限されるものではない。また、攻略距離X0と着地角度a02は、次の数式のように、2次関数で表現することができる。
【数16】
ここで、l、m、nは定数値であり、使用者の選択または制御部180によって選択することのできる値である。
【0099】
制御部180は、計算された攻略距離X0をディスプレイ部151に表示したり、音響出力部152を使用して攻略距離X0を音声で出力する(ステップS140)。
【0100】
このような距離測定装置100の制御方法によれば、目標地点が相異する高度に位置していても、ゴルフボール10が目標地点まで到達するのに必要な攻略距離X0を簡単に確認することができるという長所がある。
【0101】
以上の説明では、ターゲット200がグリーンである場合にもステップS110およびステップS120を行った後、[数11]を使って距離測定装置100からグリーンまでの高さh01(高度差)を計算するものと説明したが、制御部180は、気圧センサ115を用いて、距離測定装置100からグリーンまでの高さh01を計算することがもできる。これに関して、
図6を参照して説明する。
【0102】
図6は、第一実施例の別の様態に係る距離測定装置100の制御方法のフローチャートである。まず、位置取得センサ112が現在位置を取得する(ステップS100)と、制御部180は、現在位置の座標に対応するコースマップ情報をメモリ160から読み取る(ステップS101)。制御部180は、コースマップ情報に含まれたフロントティーボックス、レギュラーティーボックス、およびバックティーボックスそれぞれの位置座標と、現在位置の座標とを比較して、最も隣接した(例えば、10m以内の)のティーボックスを含むコースのコースマップ情報を読み取ることができる。
【0103】
制御部180は、ティーボックスの位置情報を使って、距離測定装置100の現在位置と任意のティーボックスと間の距離が所定の距離内ならば、現在位置から所定の距離内のティーボックスとグリーン間の高度差を読み取って、気圧センサ115を使って大気圧を測定する(ステップS102)。
【0104】
ここで、本発明を限定するものではないが、上記の所定の距離を9mとする。現在位置からフロントティーボックス、レギュラーティーボックス、およびバックティーボックス間のすべての距離が所定に距離内ならば、制御部180は現在位置から最も近いティーボックスとグリーン間の高度差を読取る。
【0105】
制御部180は、気圧センサ115で測定した大気圧に基づいて第1高度値を計算する(ステップS103)。例えば、制御部180は、次の数式を用いて、高度値を計算することができる。
【数17】
【0106】
高度値(Altitude)は、気圧センサ115で測定した大気圧(Pressure)を[数17]に代入して計算することができる。その他にも大気圧に基づいて高度値を計算する方法は多様であり、前記の[数17]に限定されるものではない。
【0107】
制御部180は、測定された大気圧から計算された第1高度値および現在位置から最も近いティーボックスとグリーン間の高度差を使って、グリーンの高度値を計算する(ステップS104)。
【0108】
例えば、ステップS103で高度値が150mと計算され、現在位置から最も近いティーボックスとグリーン間の高度差が-20mと読み取られれば、グリーンの高度値は130mと計算されることができる。
【0109】
使用者がゴルフコース内で移動した後に、使用者は距離測定装置100を用いて、グリーンまでの直線距離d0を測定する(ステップS120)ことができる。この際、制御部180は、気圧センサ115を使用して大気圧を再び測定する(ステップS121)。
【0110】
制御部180は、気圧センサ115が再び測定した大気圧に基づいて第2高度値を計算する(ステップS122)。制御部180は、[数17]を用いて、高度値を計算することができる。
【0111】
制御部180は、ステップS104で計算されたグリーンの高度値を用いて、距離測定装置100とグリーン間の高度差h01を計算する(ステップS123)。
【0112】
例えば、ステップS104でグリーンの高度値が130mと計算され、ステップS122で第2高度値が140mと計算されれば、制御部180は、距離測定装置100とグリーン間の高度差h01が10mであると計算することができる。
【0113】
そして、[数11]を用いて、チルト角a01を計算することができる。つまり、距離測定装置100は、気圧センサ115を使用することで、ステップS110を行わなくても、現在位置とターゲット(グリーン)までの高度差を計算することができ、これによって現在位置とターゲットまでのチルト角を計算することができる。
【0114】
そして、制御部180は、測定された直線距離d0および計算された高度差h01とチルト角a01を用いて、ターゲット200までの攻略距離X0を計算する(ステップS130)。
【0115】
次に、
図5および
図8を参照して説明する。ステップS100、S110についての説明は、
図7の説明と同一なので省略する。
【0116】
ステップS120で、ターゲット200が、
図8に示されているように、前方に位置した障害物の境界部分であるとする。
【0117】
ステップS130で、攻略距離X1は、上述の[数11]ないし[数17]を使って計算される。攻略距離X1は、ゴルフボール10がターゲット200と決定された障害物を越えることができる最小距離を意味する。
【0118】
このとき、制御部180は、計算された攻略距離X1をディスプレイ部151に表示するか、音響出力部152を使用して攻略距離X1を音声で出力する(ステップS140)。
【0119】
このような距離測定装置100の制御方法によれば、使用者の前方に障害物がある場合にも、ゴルフボール10が障害物を越えるのに必要な攻略距離X1を簡単に確認することができるという長所がある。
【0120】
次に
図9および
図10を参照して、距離測定装置100の制御方法の第二実施例を説明する。
【0121】
図9は、第二実施例に係る距離測定装置100の制御方法のフローチャートであり、
図10は
図9の制御方法により攻略距離を算出する例を示した図である。
【0122】
まず、位置取得センサ112は、現在位置を取得する(ステップS200)。位置取得センサ112は、距離測定装置100の現在位置の座標を取得することができる。
【0123】
制御部180は、現在位置の座標に対応するコースマップ情報をメモリ160から読み取る(ステップS210)。
【0124】
方位角センサ114は、距離測定装置100が向かう方向の方位角を測定する(ステップS220)。
【0125】
傾きセンサ113は、距離測定装置100のチルト角a21を測定する(ステップS230)。
【0126】
距離測定センサ111は、距離測定装置100からターゲット200までの直線距離d2を測定する(ステップS240)。
【0127】
このとき、制御部180は、測定されたチルト角a21と直線距離d2を用いて、ターゲット200までの攻略距離X21を計算する(ステップS250)。
【0128】
攻略距離X21は、上述の[数11]ないし[数17]を選択的に使って計算されることができ、ここでは詳細な説明は省略する。
【0129】
次に、制御部180は、攻略距離X21および方位角を使って、攻略地点TP11の座標を計算し、コースマップ情報を使って攻略地点TP11の高度を読み取る(ステップS260)。
【0130】
制御部180は現在位置、つまりゴルフボール10の高度と、攻略地点TP11の高度との差が、臨界値よりさらに小さいか判断する(ステップS270)。
【0131】
ゴルフボール10の高度と攻略地点TP11の高度との差が臨界値以上であれば、制御部180は攻略距離X21を補正する(ステップS280)。
【0132】
コースマップ情報から読取られた高度が反映された攻略地点TP12までゴルフボール10を移動させるための補正攻略距離X34は、ゴルフボール10と同一な高度を有する仮想の攻略地点TP13までの距離である。つまり、補正攻略距離X34が制御部180によって計算される。
【0133】
まず、a23は、次の数式を使って計算される。
【数18】
【0134】
H23については、次の数式を使って計算される。
【数19】
ここでh24は、コースマップ情報から読み取られた実際の攻略地点TP12の高度値と、現在のゴルフボール10の高度値とを使って、計算される。
【0135】
これにより、補正攻略距離X24が、次の数式を使って計算される。
【数20】
【0136】
次に、制御部180は、ゴルフボール10の高度と攻略地点TP11の高度との差が臨界値未満であるか、または補正攻略距離が計算されると、計算された攻略距離X21またはX24をディスプレイ部151に表示するか、音響出力部152を使用して攻略距離X21またはX24を音声で出力する(ステップS290)。
【0137】
以上説明した距離測定装置100および距離測定装置100の制御方法によれば、使用者が障害物によって肉眼で攻略地点を確認できない状況でも、目標地点までの攻略距離を簡単に確認することができるという長所がある。
【0138】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者が多様に変形および改良した形態もまた、本発明の権利範囲に属する。