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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/08 20060101AFI20221205BHJP
   F04D 29/52 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
F04D25/08 301A
F04D29/52 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021014375
(22)【出願日】2021-02-01
(65)【公開番号】P2021124118
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2020016911
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510216728
【氏名又は名称】大作商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】大作 一平
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3046683(JP,U)
【文献】実開昭57-172196(JP,U)
【文献】登録実用新案第3209370(JP,U)
【文献】特開2013-253590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F04D 29/52
A42B 3/28
A42B 1/008
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に設けられ、複数の羽根を有するファン部と、
を備え、
前記ファン部は1つだけ設けられ、前記本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となり、
前記ファン部の基端部が前記本体部から引き出し可能となり、
前記ファン部の基端部が前記本体部から引き出し位置にある際に、前記ファン部は前記本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となる 送風機。
【請求項2】
本体部と、
前記本体部に設けられ、複数の羽根を有するファン部と、
を備え、
前記ファン部は1つだけ設けられ、前記本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となり、
前記本体部に取り外し自在に設けられた取付部材が設けられ、
前記取付部材を磁力によって前記本体部に取付可能とする第一取付部が設けられる 送風機。
【請求項3】
前記本体部の収容位置にある前記取付部材を磁力によって取付可能とする第二取付部が設けられる請求項に記載の送風機。
【請求項4】
前記ファン部が前記本体部と直線状に設けられた状態を基準として、前記ファン部は本体部の一方側の面に向かって揺動することができ、かつ他方側の面に向かって揺動することができる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項5】
前記ファン部が前記本体部の一方側の面に最も近づいて揺動した場合に前記ファン部の基端部と前記本体部の一方側の面とが略90度となり、前記ファン部が前記本体部の他方側の面に最も近づいた場合に前記ファン部の基端部と前記本体部の他方側の面とが略90度となる、請求項に記載の送風機。
【請求項6】
前記本体部の内部に錘部材が設けられる請求項1乃至のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項7】
前記ファン部は羽根を回転させる駆動部と、前記羽根及び駆動部を収容する外枠とを有し、
前記羽根によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠と前記駆動部との間は離間している請求項1乃至のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項8】
前記ファン部は羽根を回転させる駆動部と、前記羽根及び駆動部を収容する外枠とを有し、
前記羽根によって生成される風の流れの下流側に位置する外枠の周縁部は、前記羽根によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠の周縁部と比較して、閉じた形状となっている請求項1乃至のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項9】
前記ファン部の基端部に突起部が設けられている請求項1乃至のいずれか1項に記載の送風機。
【請求項10】
前記本体部が載置場所に載置可能な平坦な他方側の面を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の羽根を有するファン部を備えた送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、持ち運び式の送風機が知られている。このような持ち運び式の送風機としては、例えば特許文献1に開示されているものを挙げることができる。この持ち運び式の送風機は、筐体と、筐体の正面に設けられて、外気を取り込むための吸引口と、筐体の上面に設けられて、吸引口から取り込まれた外気を前記筐体の外方へ送るための送風口と、 筐体内に設けられ、回転することで、吸引口から外気を取り込むとともに送風口から筐体の外方へ外気を送り出す複数の羽根を有する回転体と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2013/157140
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特許文献1に開示されているような従来の持ち運び式の送風機と比較して、より自由な方向に風を送ることができる送風機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様による送風機は、
本体部と、
前記本体部に設けられ、複数の羽根を有するファン部と、
を備え、
前記ファン部が前記本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となってもよい。
【0006】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部が前記本体部と直線状に設けられた状態を基準として、前記ファン部は本体部の一方側の面に向かって揺動することができ、かつ他方側の面に向かって揺動してもよい。
【0007】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部が前記本体部の一方側の面に最も近づいて揺動した場合に前記ファン部の基端部と前記本体部の一方側の面とが略90度となり、前記ファン部が前記本体部の他方側の面に最も近づいた場合に前記ファン部の基端部と前記本体部の他方側の面とが略90度となってもよい。
【0008】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部の基端部が前記本体部から引き出し可能となり、
前記ファン部の基端部が前記本体部から引き出し位置にある際に、前記ファン部は前記本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となってもよい。
【0009】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記本体部に取り外し自在に設けられた取付部材が設けられ、
前記取付部材を磁力によって前記本体部に取付可能とする第一取付部が設けられてもよい。
【0010】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記本体部の収容位置にある前記取付部材を磁力によって取付可能とする第二取付部が設けられてもよい。
【0011】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記本体部の内部に錘部材が設けられてもよい。
【0012】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部は羽根を回転させる駆動部と、前記羽根及び駆動部を収容する外枠とを有し、
前記羽根によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠と前記駆動部との間は離間していてもよい。
【0013】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部は羽根を回転させる駆動部と、前記羽根及び駆動部を収容する外枠とを有し、
前記羽根によって生成される風の流れの下流側に位置する外枠の周縁部は、前記羽根によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠の周縁部と比較して、閉じた形状となってもよい。
【0014】
本発明の第1の態様による送風機において、
前記ファン部の基端部に突起部が設けられてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様による送風機は、
本体部と、
前記本体部に設けられ、複数の羽根を有するファン部と、
を備え、
前記本体部に取り外し自在に設けられた取付部材が設けられ、
前記取付部材を前記本体部に取付可能とする第一取付部が設けられてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様による送風機において、
前記取付部材を別部材に固定するための第一連結部が設けられてもよい。
【0017】
本発明の第2の態様による送風機において、
前記別部材は帽子又はヘルメットであってもよい。
【0018】
本発明の第2の態様による送風機において、
前記別部材に第二連結部が設けられ、
前記第一連結部を前記第二連結部に固定することで、前記取付部材を別部材に固定してもよい。
【本発明の効果】
【0019】
本発明において、ファン部が本体部に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となる態様を採用した場合には、より自由な方向に風を送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施の形態による送風機の斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態による送風機の内部構造を示した平面図である。
図3図3は、本発明の実施の形態による送風機の内部構造を示した側方断面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態による送風機による送風を説明するための側方図である。
図5図5は、図4に示す態様とは異なる方向への、本発明の実施の形態による送風機による送風を説明するための側方図である。
図6図6(a)は、本発明の実施の形態によるファン部の基端部を本体部から引き出した状態を示した図であり、図6(b)は、本発明の実施の形態によるファン部の基端部を本体部内に挿入した状態を示した図である。
図7図7(a)は、本発明の実施の形態による取付部材を収納部から取り外した状態を示した写真であり、図7(b)は、本発明の実施の形態による取付部材を収納部内に収納した状態を示した写真である。
図8図8は、本発明の実施の形態による送風機をシャツの胸ポケットに取付部材と第一取付部によって取り付けた態様を示した写真である。
図9図9は、本発明の実施の形態で採用されうる突起部を示した側方図である。
図10図10は、本発明の実施の形態による送風機をシャツに取付部材と第一取付部によって取り付けた態様を示した側方図である。
図11A図11Aは、第二連結部又は帽子のアジャスタに取付部材を固定する前の位置関係を示した図である。
図11B図11Bは、図11Aに続く図であり、第二連結部又は帽子のアジャスタに取付部材を第一連結部によって固定する態様を示した図である。
図12図12は、帽子のアジャスタに取付部材を第一連結部によって固定した態様を示した写真である。
図13図13は、帽子のアジャスタに取付部材を第一連結部によって固定した態様を側方から撮影した写真である。
図14図14は、ヘルメットに取り付けられた第二連結部に取付部材を第一連結部によって固定した態様を示した写真である。
図15図15は、給電部にバッテリが取り付けられた態様を示した写真である。
図16図16は、ヘルメットとバッテリとがバッテリ別部材連結部及び第一連結部材によって固定され、携帯型送風機とバッテリとが本体連結部材及びバッテリ第二連結部材によって固定される態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態
《構成》
本実施の形態の送風機は持ち運び可能な携帯型送風機100である。図1に示すように、本実施の形態による送風機は、本体部10と、本体部10に対して回動可動に設けられたファン部50と、を有している。ファン部50は本体部10に対して160度以上の角度範囲で揺動可能又は回動可能となってもよい。ファン部50は本体部10に対して略180度の角度で揺動可能となってもよい。本実施の形態において「略A度」とは、A度の±5%の範囲のことを意味し、略180度であれば171度(180度-9度)以上189度(180度+9度)以下のことを意味している。風速を3段階以上で多段階で調整できる。
【0022】
図2に示すように、ファン部50は、放射線状に延びた複数の格子部56を有する外枠55と、外枠55内に設けられた複数の羽根51と、複数の羽根51が取り付けられ、回転中心に設けられ、回転可能な回転部52とを有してもよい。図3に示すように、回転部52内にモータ等の駆動部60が設けられてもよい。この場合、外枠55内に駆動部60の少なくとも一部が位置付けられることになる。駆動部60の駆動本体部61が回転部52内に設けられ、駆動本体部61から延びた回転軸62が外枠55の中心部55bに連結されてもよい。本体部10は衣服の胸ポケットに収納可能な大きさ及び形状となってもよい(図4参照)。
【0023】
ファン部50の基端部59は本体部10から引き出し可能となってもよい(図6(a)(b)参照)。ファン部50の基端部59が本体部10から引き出し位置にある際に、ファン部50は本体部10に対して160度以上の角度範囲(典型的には略180度の角度)で揺動可能となってもよい。ファン部50の基端部59と本体部10に対してスライド可能なスライド部19とが連結されてもよい。この場合、図6(b)に示すように、スライド部19が本体部10内にスライドすることでファン部50の基端部59が本体部10内に収納され、図6(a)に示すように、スライド部19が本体部10外にスライドすることでファン部50の基端部59が本体部10外に位置付けられるようになってもよい。
【0024】
本体部10は平板形状となってもよい(図1乃至図3参照)。ファン部50が本体部10と直線状に設けられた状態を基準として(図1乃至図3参照)、ファン部50は本体部10の一方側の面11に向かって揺動することができ、かつ他方側の面12の両方に向かって揺動することができるようになってもよい(図4及び図5参照)。
【0025】
図7(a)(b)に示すように、本体部10に取り外し自在に取付部材20が設けられてもよい。本体部10に取付部材20を磁力によって取付可能とする第一取付部26が設けられてもよい。取付部材20及び第一取付部26のいずれか一方又は両方が磁石を有してもよい。
【0026】
図2及び図3に示すように、本体部10の内部に錘部材80が設けられてもよい。本体部10の端部(送風機を上下方向に延在させた際の下方側端部)に錘部材80が設けられてもよい。
【0027】
第一取付部26は、本体部10の一方側の面11と他方側の面12の両方に設けられてもよい(図1及び図7参照。図1では一方側の面11に第一取付部26が設けられていることが示されており、図7では他方側の面12に第一取付部26が設けられていることが示されている。)。この場合には、取付部材20を本体部10の一方側の面11と他方側の面12の両方に取り付けることができる点で有益である。図1及び図2に示すように、本体部10の側壁にはスイッチ部41が設けられてもよい。本体部10の一方側の面11又は他方側の面12には充電されている際に点灯又は点滅するLED等からなるライト部42が設けられてもよい。充電されているときにはライト部42が点滅し、充電が完了するとライト部42が点灯するようにしてもよい。また充電はUSB挿入口43(図2参照)に図示しないUSBケーブルを接続することで行われてもよい。
【0028】
図9に示すように、ファン部50の基端部59には突起部59aが設けられてもよい。この突起部59aは本体部10に収納された際に本体部10の他方側の面12に近い側の端部に設けられてもよい。このような態様に限られることはなく、突起部59aは本体部10に収納された際に本体部10の一方側の面11に近い側の端部に設けられてもよいし、突起部59aは本体部10に収納された際に他方側の面12に近い側の端部と一方側の面11に近い側の端部の両方に設けられてもよい。このような突起部59aを設けることで、机等の載置場所200に送風機を載置した際に、バランスを崩して送風機が転倒することを防止できる。
【0029】
図7(a)に示すように、本体部10に取付部材20を収納するための収納部30が設けられてもよい。この収納部30は本体部10の端部(送風機を上下方向に延在させた際の下方側端部)に設けられてもよい。収納部30に取付部材20が嵌め込まれることで、取付部材20が収納部30内に収納されてもよい。本体部10の収容位置にある取付部材20を磁力によって取付可能とする第二取付部27が設けられてもよい。この第二取付部27は、収納部30に取付部材20が収納された際に取付部材20と対向する位置に設けられてもよい。第二取付部27は本体部10の内部に設けられてもよい。第二取付部27は、取付部材20を磁力によって取付可能としてもよい。取付部材20及び第二取付部27のいずれか一方又は両方が磁石を有してもよい。
【0030】
図3に示すように、羽根51によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠55と駆動部60との間は離間してもよい(ギャップが設けられてもよい)。より具体的には、羽根51の回転中心軸の軸方向において、駆動部60を収容した回転部52と外枠55との間は、羽根51によって生成される風の流れの上流側(図3の下方側)において離間してもよい。この態様においては、風の流れの下流側(図3の上方側)において駆動部60の回転軸62と外枠55の中心部55bとは連結されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、羽根51によって生成される風の流れの下流側に位置する外枠55の周縁部は、羽根51によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠55の周縁部と比較して、閉じた形状となってもよい。一例としては、図1に示すようにファン部10による風の流れの下流側に位置する外枠55の周縁部には覆い部55aが設けられるが、図2に示すようにファン部10による風の流れの上流側に位置する外枠55の周縁部には、このような覆い部55aが設けられていないようにしてもよい。
【0032】
《効果》
次に、上述した構成からなる本実施の形態による効果であって、未だ説明していないものを中心に説明する。なお、「効果」で記載された態様を、上記「構成」において適用することもできる。
【0033】
ファン部50が本体部10に対して160度以上の角度範囲で揺動可能となる態様を採用した場合には、例えば衣服の胸ポケットに本体部10を入れて利用する場合と本体部10を机の上等に載置して利用する場合のいずれの場合においても、利用者の顔に向けて風を送ることができる(図4及び図5参照)。衣服の胸ポケットに本体部10を入れて利用する場合には、本体部10の他方側の面12に近づけるようにしてファン部50を傾ければよい(図4参照)。他方、本体部10を机の上等に載置して利用する場合には、本体部10の一方側の面11に近づけるようにしてファン部50を傾ければよい(図5参照)。
【0034】
ファン部50が本体部10の一方側の面11に最も近づいた場合にファン部50の基端部59と本体部10の一方側の面11とが略90度を形成し、ファン部50が本体部10の他方側の面12に最も近づいた場合にファン部50の基端部59と本体部10の他方側の面12とは略90度を形成してもよい。例えばファン部50の基端部59が一方側の面11に対して略90度を超えて揺動するように設けることも考えられるが、その場合には、ファン部50の基端部59及び本体部10のスライド部19の長さを長くすることが必要になる。その場合には、送風機の大きさが相対的に大きくなってしまう。この点、ファン部50が本体部10の一方側の面11と他方側の面12の両方に向かって揺動可能となり、衣服の胸ポケットに本体部10を入れて利用する場合と衣服の胸ポケットに本体部10を入れて利用する場合とで揺動する方向を代えることで、送風機の大きさをコンパクトなものにしつつ、ユーザの顔等の所定の場所に向けて風を送ることが可能になる。
【0035】
ファン部50が本体部10から引き出し可能となる場合には、本体部10に対してファン部50を傾ける場合にだけファン部50を本体部10から引き出し、ファン部50を本体部10に対して傾けない場合には、ファン部50の一部(基端部59)を本体部10内に位置付けることができる(図6(a)(b)参照)。このため送風機の大きさを小型化することができ、持ち運びに便利なものとすることができる。
【0036】
本体部10に取り外し自在に取付部材20が設けられ、本体部10に取付部材20を磁力によって取付可能とする第一取付部26が設けられる態様を採用する場合には、取付部材20と第一取付部26を用いて、送風機を衣服に取り付けることができる(図8及び図10参照)。例えば、取付部材20をYシャツやTシャツ等のシャツの内側に位置付け、取付部材20と第一取付部26との間でシャツを挟み込むことで、送風機をポケットの無いシャツに取り付けることができる。また、取付部材20をYシャツやTシャツ等のシャツの外側に位置付け、取付部材20と第一取付部26との間でシャツを挟み込むこともできる。この場合には、送風機をシャツの内側に取り付けることができ、シャツの内側でユーザの体に風を直接当てることができる。取付部材20及び第一取付部26のいずれか一方又は両方が磁石を有する態様を採用した場合には、より簡便にまたシャツに痕が残ることなく、送風機をシャツに取り付けることができる。
【0037】
図7(a)(b)に示すように、本体部10に取付部材20を収納するための収納部30が設けられる場合には、取付部材20を利用しないときに収納部30に収納することができる。本体部10の収容位置にある取付部材20を磁力によって取付可能とする第二取付部27が設けられる場合には、誤って取付部材20が収納部30から落下してしまい、紛失してしまうというような事態が発生することを防止できる。
【0038】
図2及び図3に示すように、本体部10の内部に錘部材80が設けられる態様を採用した場合には、机等の載置場所200に本体部10を載置する際に、送風機が転倒してしまうことを防止できる。
【0039】
図3に示すように、羽根51によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠55と羽根51との間が離間している態様を採用した場合には、風の流れの上流側に大きな空間を設けることができ、ひいては羽根51によって取り込まれる空気の量を増加させ、効率よく強い風を作り出すことができる。携帯型送風機100では風力が弱くなりがちであるので、携帯型送風機100において、この態様を採用することは非常に有益である。
【0040】
羽根51の回転中心軸の軸方向において、回転部52と外枠55との間が羽根51によって生成される風の流れの上流側において離間している場合には、羽根51によって取り込まれる中心位置で空間を形成することができ、効率よく強い風を作り出すことができる。
【0041】
羽根51によって生成される風の流れの下流側に位置する外枠55の周縁部が、羽根51によって生成される風の流れの上流側に位置する外枠55の周縁部と比較して、閉じた形状となっている場合には、羽根51によって生成された風邪を直線状に流し出すことができ、ユーザの感じる風の力を効率よく強くすることができる。前述したとおり携帯型送風機100では風力が弱くなりがちであるので、携帯型送風機100において、この態様を採用することは非常に有益である。
【0042】
本実施の形態の携帯型送風機100では、第一取付部26と取付部材20との間に、別部材に本体部10を固定するためのベルクロ(登録商標)、紐、ゴムバンド等の第一連結部110を設けることができる(図11A及び図11B参照)。別部材は例えばヘルメット200や帽子250等の頭にかぶるであってもよいが、それ以外の部材であってもよい。一例としては、図12に示すように、帽子250の背面側に設けられたアジャスタ260に取付部材20を第一連結部110で固定し、当該取付部材20を本体部10に設けられた第一取付部26に固定することで本体部10を帽子250の背面に取り付けるようにしてもよい(図13参照)。より具体的には、取付部材20にベルクロ、紐、ゴムバンド等の長延部材からなる第一連結部110を巻き付けることで帽子250のアジャスタ260に取付部材20を固定し(図11A及び図11B参照)、当該取付部材20を本体部10に設けられた第一取付部26に固定することで、帽子250のアジャスタ260に携帯型送風機100を取り付けてもよい。このような態様によれば、帽子250に携帯型送風機100を固定して取り付けることができ、例えば夏場にゴルフ等のスポーツを行っている際に、首元を背中側から冷やすことができる。なお、図13では帽子250の内側に携帯型送風機100が設けられているが、これに限られることはなく、帽子250の外側に携帯型送風機100が位置付けられてもよい。
【0043】
また、図14に示すように、ヘルメット200等の別部材の周りに紐やゴムバンド等からなる第二連結部120を設け、第二連結部120に対して第一連結部110を用いて取付部材20で固定し(図11A及び図11B参照)、当該取付部材20を本体部10に設けられた第一取付部26に固定することで、本体部10をヘルメット200等の別部材に取り付けるようにしてもよい。図14に示す態様では、ヘルメット200に環状のゴムバンドからなる第二連結部120が設けられており、当該第二連結部120に対して第一連結部110を用いて取付部材20で固定し、当該取付部材20を本体部10に設けられた第一取付部26に固定することで、ヘルメット200の背面側に携帯型送風機100を取り付けることができる。このような態様によれば、ヘルメット200に携帯型送風機100を固定して取り付けることができ、例えば夏場の工事現場で首元を背中側から冷やすことができる。なお、図14に示す態様では環状のゴムバンドを第二連結部120として用いているが、これに限られることはない。
【0044】
また携帯型送風機100には給電部90が設けられてもよい(図15参照)。そして、この給電部90に電力線91を介して小型のバッテリ300を電気的に接続することで長時間にわたり携帯型送風機100を利用できるようにしてもよい。電池で携帯型送風機100を駆動する場合には電池の交換が必要になったり、連続して利用できる時間が短くなったりするが、本態様のようにバッテリ300によって電力を供給する態様を採用する場合には、バッテリを充電するだけでよく、また長時間にわたり利用できることから、ゴルフや工事現場といった長時間にわたり利用することが想定される態様においては非常に有益なものである。
【0045】
図16に示すように、バッテリ300にはベルクロ等からなるバッテリ連結部材320が設けられてもよい。バッテリ連結部材320は、バッテリの一方の面に設けられたバッテリ第一連結部材320aと、当該一方側の面の裏側にあるバッテリの他方の面に設けられたバッテリ第二連結部材320bとを有してもよい。バッテリ第一連結部材320aはヘルメット200等の別部材に設けられたベルクロ等からなる別部材連結部220と連結されてもよい。このような態様を採用することで、バッテリ300が別部材に対してずれてしまうことをより効果的に防止できる。
【0046】
また、本体部10にベルクロ等からなる本体連結部材170が設けられてもよい。本体連結部材170は本体部10の一方側の面(図15で示されている面)及び他方側の面(図15で示されている面の裏側の面)の両方に設けられてもよいし、いずれか一方の面にだけ設けられてもよい。そして、バッテリ第二連結部材320bは本体連結部材170と連結されてもよい。このような態様を採用することで、バッテリ300が携帯型送風機100に対してずれてしまうことをより効果的に防止できる。
【0047】
上述した実施の形態の記載及び図面の開示は、請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
【符号の説明】
【0048】
10 本体部
20 取付部材
26 第一取付部
27 第二取付部
50 ファン部
51 羽根
55 外枠
60 駆動部
80 錘部材
100 携帯型送風機(送風機)
110 第一連結部
120 第二連結部
200 ヘルメット
250 帽子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16