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特許7187058クーポン出力システム、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】クーポン出力システム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221205BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221205BHJP
【FI】
G07G1/12 321M
G07G1/12 351B
G06Q30/02 320
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021050182
(22)【出願日】2021-03-24
(62)【分割の表示】P 2016230340の分割
【原出願日】2016-11-28
(65)【公開番号】P2021101368
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2021-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-367037(JP,A)
【文献】特開2014-241094(JP,A)
【文献】特開2016-091118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーポン情報記憶装置と情報処理端末装置とを備え、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力するクーポン出力システムであって、
前記クーポン情報記憶装置において、前記クーポン情報を記憶する記憶手段と、
顧客の商品の支払いに対応する会計処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で前記情報処理端末装置から出力させる情報出力を行う情報出力手段とを備え、
前記情報出力手段は、前記会計情報に対応付けられた顧客に対応するクーポン情報が示す発行済みクーポンについての現在から有効期限に至るまでの期間が所定以下の場合に、前記発行済みクーポンの使用履歴を示す使用履歴情報に基づいて、前記発行済みクーポンのうちで未使用であることが特定されたクーポンに対応するクーポン情報を、当該クーポン情報により示されるクーポンの使用可能回数と有効期限を含めて出力させる
クーポン出力システム。
【請求項2】
前記情報出力手段は、前記有効期限に至るまでの期間が所定以上であって、新規発行対象のクーポン情報を発行済みである場合に、前記会計情報の媒体のみを出力させる情報出力を行う
請求項に記載のクーポン出力システム。
【請求項3】
サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力させる情報処理装置であって、
顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で出力させる情報出力を行う情報出力手段を備え、
前記情報出力手段は、前記会計情報に対応付けられた顧客に対応するクーポン情報が示す発行済みクーポンについての現在から有効期限に至るまでの期間が所定以下の場合に、前記発行済みクーポンの使用履歴を示す使用履歴情報に基づいて、前記発行済みクーポンのうちで未使用であることが特定されたクーポンに対応するクーポン情報を、当該クーポン情報により示されるクーポンの使用可能回数と有効期限を含めて出力させる
情報処理装置。
【請求項4】
店員の操作により商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品についての精算を客の操作に応じて行う精算装置とを備え、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力するクーポン出力システムにおいて、
前記クーポン情報を記憶する記憶手段と、
顧客の商品の支払いに対応する会計処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で前記精算装置または前記登録装置から出力させる情報出力を行う情報出力手段とを備え、
前記情報出力手段は、前記会計情報に対応付けられた顧客に対応するクーポン情報が示す発行済みクーポンについての現在から有効期限に至るまでの期間が所定以下の場合に、前記発行済みクーポンの使用履歴を示す使用履歴情報に基づいて、前記発行済みクーポンのうちで未使用であることが特定されたクーポンに対応するクーポン情報を、当該クーポン情報により示されるクーポンの使用可能回数と有効期限を含めて出力させる
クーポン出力システム。
【請求項5】
コンピュータを、
サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力させるにあたり、顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で出力させる情報出力を行う情報出力手段として機能させるためのプログラムであって、
前記情報出力手段は、前記会計情報に対応付けられた顧客に対応するクーポン情報が示す発行済みクーポンについての現在から有効期限に至るまでの期間が所定以下の場合に、前記発行済みクーポンの使用履歴を示す使用履歴情報に基づいて、前記発行済みクーポンのうちで未使用であることが特定されたクーポンに対応するクーポン情報を、当該クーポン情報により示されるクーポンの使用可能回数と有効期限を含めて出力させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン出力システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどで、顧客へのサービスや売上の向上などを目的として、顧客にクーポンを発行することが行われている。クーポンが適用される商品を購入することで、例えば値引きを受けたり、より多くのポイントを得たりすることができる。
クーポンは、例えば冊子にまとめられた紙媒体として提供される。また、各種媒体の電子化の促進に伴い、クーポンの電子化も進められている。例えば、ホストシステムにより作成したクーポンを会員が使用する携帯端末に送信し、携帯端末によりクーポンを表示することによりクーポンの提示が可能なようにされたクーポン配信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-206776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クーポンは有効期限が設定されていることが一般的である。このため、冊子や携帯端末でクーポンを提示するような態様のもとでは、顧客が冊子を見たり、携帯端末にクーポンを表示させるなどしてクーポンの有効期限を確認しなければならない。このような作業は日常においては面倒な作業でもあるために、確認したときには有効期限を過ぎてしまっていたというようなことも起こりやすい。このようなことが生じた場合には、かえって顧客の購買意欲は低下してしまい、販売促進効果も得られにくくなる。
このようなことを考慮すると、顧客ができるだけクーポンの使用機会を逸することなく活用できるように、クーポンに関する情報の提供の仕方を改善することが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、顧客によるクーポンの使用が促進されるようにすることを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、クーポン情報記憶装置と情報処理端末装置とを備え、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力するクーポン出力システムであって、前記クーポン情報記憶装置において、前記クーポン情報を記憶する記憶手段と、顧客の商品の支払いに対応する会計処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とをそれぞれ別の媒体で前記情報処理端末装置から出力させる第1情報出力と、会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で前記情報処理端末装置から出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段とを備えるクーポン出力システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力させる情報処理装置であって、顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す精算情報と前記クーポン情報とをそれぞれ別の媒体で出力させる第1情報出力と、精算情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段を備える情報処理装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、店員の操作により商品の登録が行われる登録装置と、前記登録装置により登録された商品についての精算を客の操作に応じて行う精算装置とを備え、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力するクーポン出力システムにおいて、前記クーポン情報を記憶する記憶手段と、顧客の商品の支払いに対応する会計処理の内容を示す会計情報と前記クーポン情報とをそれぞれ別の媒体で前記精算装置または前記登録装置から出力させる第1情報出力と、会計情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で前記精算装置または前記登録装置から出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段とを備えるクーポン出力システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力させるにあたり、顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す精算情報と前記クーポン情報とをそれぞれ別の媒体で出力させる第1情報出力と、精算情報と前記クーポン情報とを1つの媒体で出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、顧客によるクーポンの使用が促進されるようになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
図2】第1実施形態におけるPOSレジスタの外観例を示す正面図及び側面図である。
図3】第1実施形態におけるPOSレジスタの外観例を示す斜視図である。
図4】第1実施形態におけるPOSレジスタの構成例を示す図である。
図5】第1実施形態における上位情報処理装置の構成例を示す図である。
図6】第1実施形態における会員情報とクーポンセット情報の一例を示す図である。
図7】第1実施形態における現計画面の一例を示す図である。
図8】第1実施形態におけるレシートとクーポンセットリストとの一例を示す図である。
図9】第1実施形態におけるクーポンセットリストの一例を示す図である。
図10】第1実施形態におけるクーポンセットリストの一例を示す図である。
図11】第1実施形態における残クーポン情報付レシートの一例を示す図である。
図12】第1実施形態におけるPOSレジスタが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図13】第1実施形態における上位情報処理装置が実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図14】第2実施形態におけるクーポン出力システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態としてのクーポン出力システムについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態におけるクーポン出力システムの全体的な構成例を示している。本実施形態のクーポン出力システムは、1以上のPOSレジスタ1(情報処理端末装置の一例)と上位情報処理装置100(クーポン情報記憶装置の一例)とを備える。POSレジスタ1の各々と上位情報処理装置100とは通信を介して接続される。POSレジスタ1と上位情報処理装置100との通信はネットワークであってもよいし、専用線であってもよい。また、上位情報処理装置100とPOSレジスタ1との通信は、有線であっても無線であってもよく、さらに通信路において有線と無線とが連携して中継するような態様でもよい。
【0013】
POSレジスタ1は、店舗に備えられ、店員の操作に応じて顧客の買上商品に対応する会計処理を行う装置である。また、本実施形態のPOSレジスタ1は、店舗が顧客に提供するクーポンに関するクーポン情報を出力することができる。POSレジスタ1は、クーポン情報を、レシートの印字(印刷)機能を利用して、レシート用の印字用紙に印字するようにして出力する。
ここでのクーポンは、店舗から顧客に特典を与えるためのチケット(券)に相当するものである。具体的に、クーポンにより顧客に提供される特典としては、顧客が購入する対象の商品についての値引きや、対象の商品の購入に応じて付与されるポイントの付与などを挙げることができる。なお、本実施形態において、商品は有形のものだけではなく、サービスとも呼ばれる無形のものも含む。
【0014】
上位情報処理装置100は、POSレジスタ1の上位装置として、POSレジスタ1が利用する情報やPOSレジスタ1から受け渡される情報の管理を行う。
例えば上位情報処理装置100は、商品マスタの情報を記憶し、POSレジスタ1に商品マスタの情報を送信することができる。POSレジスタ1は、受信された商品マスタを利用して会計処理を行う。
また、上位情報処理装置100は、クーポン情報を管理する。POSレジスタ1は、上位情報処理装置100が管理するクーポン情報を利用してクーポン情報の出力を行う。
また、本実施形態の上位情報処理装置100は、会員としての顧客ごとのポイントを管理する。ここでのポイントは、顧客が店舗にて商品を購入することに応じて所定の付与規則に従って顧客に付与される点数である。累積されたポイントは、例えば商品の代金の支払いに充てることに利用したり、景品との交換、特定のサービスを受けるなどの際の対価として利用したりすることができる。
【0015】
同図において示される複数のPOSレジスタ1は、同じ店舗に備えられていてもよいし、複数の店舗に適宜配分されるように備えられていてもよい。これに伴い、上位情報処理装置100は、1つの店舗に対応して備えられるものであってもよいし、複数の店舗に対応して備えられるものであってもよい。
【0016】
図2及び図3は、本実施形態におけるPOS(Point Of Sales)レジスタ1の外観例を示している。図2(a)はPOSレジスタ1を操作する店員(オペレータ)側(前方)から本実施形態のPOSレジスタ1を見た正面図であり、図2(b)はPOSレジスタ1の側面図である。また、図3は、POSレジスタ1を右前方からみた斜視図である。
【0017】
同図のPOSレジスタ1は、タッチパネル付表示部14と、キー操作部15と、顧客用表示部16と、自動釣銭機17と、リーダ部18と、印字部19と、ドロア30とを備える。
【0018】
タッチパネル付表示部14は、タッチパネル14aを備えた店員用の表示装置である。タッチパネル付表示部14においては、商品登録処理に応じた商品登録画面や会計処理に応じた会計画面などが表示される。また、店員は、タッチパネル14aに対して商品登録、会計などに関する所定の操作を行うことができる。
【0019】
キー操作部15は、商品登録処理時において数量、会計処理時において顧客から受け取った預金の金額の入力を行うための数字キー、会計を締めるための締めキー等の操作キーが設けられたキーボードである。
【0020】
顧客用表示部16は、顧客に対して買上げ対象の商品の商品名や価格を通知するための表示装置である。
自動釣銭機17は、顧客に支払うべき釣銭のうち、少なくとも貨幣を釣銭排出口17aに排出するための釣銭機であり、顧客から預かった預金のうち少なくとも貨幣を投入するための預金投入口17bを備える。
【0021】
リーダ部18は、バーコードや二次元コード等のコード情報の読み取りを行うコードリーダである。
コードリーダとしてのリーダ部18により、買上げ対象の商品や品券に付されたコード情報(例えば、バーコード等)、または、商品カタログや商品注文シートに表記されたコード情報、また会員カードに表記された会員番号などのコード情報を読み取ることができる。また、リーダ部18は、RFIDタグと通信を行うリーダライタなどを含んでもよい。これにより、例えば会員カードがRFIDタグを備えるものである場合には、会員カードのRFIDタグから会員番号などの情報を読み込むことができる。
【0022】
印字部19は、買上げ対象の商品の明細書であるレシート(会計伝票)を印字出力するプリンタ装置である。
【0023】
ドロア30は、顧客から受け取った紙幣及び貨幣を収納する収納部であり、キー操作部15の操作に応じて図2(b)の矢印Aの方向に引き出されるようになっている。
【0024】
図4は、POSレジスタ1の構成例を示すブロック図である。同図において、図2に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付してその説明を省略する。
同図に示すように、POSレジスタ1は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶部12、RAM(Random Access Memory)13、タッチパネル付表示部14、キー操作部15、顧客用表示部16、自動釣銭機17、リーダ部18、印字部19、通信部20及びドロア30を備える。
CPU11、記憶部12、RAM13、タッチパネル付表示部14、キー操作部15、顧客用表示部16、自動釣銭機17、リーダ部18、印字部19、通信部20及びドロア30は、内部バス及び通信線を介してそれぞれ接続されている。
【0025】
CPU11は、プログラムを実行することにより、POSレジスタ1における各種の処理を実行する。CPU11の処理によってPOSレジスタ1としての各種機能が実現される。
通信部20は、例えば上位情報処理装置100などと通信を行う。
【0026】
記憶部12は、CPU11に実行させるプログラム、タッチパネル付表示部14に表示させる画像データ等を記憶する。
【0027】
RAM13は、記憶部12から読み出されたプログラムやワークエリアを展開するメモリである。また、RAM13には、例えばストアコントローラから取り込んだ商品に関する情報(商品マスタ)等が記憶される。
【0028】
図5は、上位情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。同図の上位情報処理装置100は、CPU101、通信部102、RAM103及び記憶部104を備える。
【0029】
CPU101は、プログラムを実行することにより、上位情報処理装置100における各種の処理を実行する。CPU101の処理によって上位情報処理装置100としての各種機能が実現される。
通信部102は、POSレジスタ1と通信を行う。
RAM103は、記憶部104から読み出されたプログラムやワークエリアを展開するメモリである。
【0030】
記憶部104は、CPU11が利用する情報を記憶する。記憶部104は、CPU11が実行するプログラム(図示せず)を記憶する。また、記憶部104は、会員情報テーブル141とクーポン情報テーブル142とを記憶する。
【0031】
会員情報テーブル141は、会員として登録された顧客ごとのついての情報(会員情報)をテーブル形式で格納したデータである。
クーポン情報テーブル142は、クーポンに関する情報であるクーポン情報をテーブル形式で格納したデータである。本実施形態においては、クーポンの適用対象の商品ごとに対応するクーポン(個別クーポン)が設定される。そのうえで、各会員には、商品の購入履歴や顧客の属性などに応じて顧客ごとに適合した個別クーポンの組み合わせ(クーポンセット)が設定される。本実施形態のクーポン情報テーブル142は、上記のように設定されるクーポンセットごとに対応するクーポン情報であるクーポンセット情報をテーブル形式で格納する。
【0032】
図6は、会員情報テーブル141において1の会員に対応する会員情報と、クーポン情報テーブル142において1のクーポンセットに対応するクーポンセット情報の定義内容例を示している。図6(a)は会員情報の内容例を示し、図6(b)はクーポンセット情報の内容例を示す。
【0033】
図6(a)の会員情報は、会員番号、会員属性、購入履歴、ランク及び累計ポイントの各領域を含む。
会員番号の領域は、会員を一意に識別する識別子としての番号である会員番号を格納する。
会員属性の領域は、会員についての個人的な属性(会員属性)を示す情報を格納する。例えば、会員属性としては会員の年齢、性別、住所などを挙げることができる。
購入履歴の領域は、会員のこれまでにおける商品の購入に関する履歴(購入履歴)を格納する。
ランクの領域は、会員に設定されているランクを示す情報を格納する。ランクは会員の顧客としての重要度に対応するもので、例えば、所定の段階数が定められている。そして会員ごとのランクは、会員の継続期間、購入額の累計、累計ポイントなどに応じて設定される。
累計ポイントの領域は、会員に付与されているポイントの累計(累計ポイント)を示す値を格納する。
【0034】
また、図6(b)のクーポンセット情報は、クーポンセットID、会員番号、発行期間、発行フラグ、有効期間、個別クーポンリスト、印字内容及びクーポン使用履歴情報の各領域を含む。
クーポンセットIDの領域は、設定されたクーポンセットを一意に識別する識別子としてのクーポンセットIDを格納する。
会員番号の領域は、クーポンセットが設定された会員の会員番号を格納する。従って、会員情報における会員番号と一致する会員番号を含むクーポンセット情報を対応付けることにより、会員にいずれのクーポンセットが設定されているのかを特定することができる。
なお、会員番号の領域には、複数の異なる会員番号が格納されるようにしてもよい。これにより、1つのクーポンセットを複数の会員に設定することができる。
発行期間の領域は、クーポンセットを会員に対して発行できる期間(発行期間)を示す情報を格納する。発行期間は、例えば発行開始日と発行終了日とによって表すことができる。
発行フラグの領域は、会員番号の領域により示される会員としての顧客にクーポンセットリストが既に発行されたか否かを示す発行フラグを格納する。本実施形態において、クーポンセットリストは、会員としての顧客に対して1回発行されるもので、2回以上発行されることはない。
有効期間の領域は、クーポンセットリストに含まれる個別クーポンについての有効期間を示す情報を格納する。有効期間は、例えば有効期間開始日と有効期間終了日(有効期限)とによって表すことができる。
発行期間と有効期間の関係としては、例えば、発行期間開始日については有効期間開始日よりも前となるようにして、発行期間終了日については有効期間に含まれる日を設定することができる。具体的に、この場合の発行期間終了日は有効期間終了日と同じとしてもよいし、有効期間終了日より前の特定の日としてもよい。また、発行期間終了日を有効期間開始日よりも前に設定してもよい。
個別クーポンリストの領域は、クーポンセットに含まれる個別クーポンごとのクーポン情報のリストを格納する。
印字内容の領域は、クーポンセットに含まれる個別クーポンごとに対応する印字内容を示す印字データを格納する。
クーポン使用履歴情報の領域は、クーポンセットに含まれる個別クーポンについての、会員による使用の履歴に関する情報(クーポン使用履歴情報)を格納する。
【0035】
次に、上記構成のPOSレジスタ1と上位情報処理装置100とによるクーポン出力システムによるクーポン情報の出力の態様例について説明する。
会員である顧客は、店舗にて商品を購入するにあたり、代金の支払いのためにPOSレジスタ1にまで赴いた。POSレジスタ1を操作する店員は、顧客が購入しようと持ってきた商品を登録する操作を行う。また、店員は、会員である顧客が提示した会員カードから会員番号をリーダ部18により読み込ませる操作を行う。
そして、店員は、商品の登録を完了すると小計操作を行う。そのうえで、店員は、顧客からの現金の受け取りに応じた会計処理をPOSレジスタ1に実行させ、現計操作を行う。あるいは、店員は、クレジットカードやプリペイドカードなどの使用に応じた会計処理をPOSレジスタ1に実行させ、現計操作を行う。
【0036】
図7は、現計操作が行われたことに応じてPOSレジスタ1のタッチパネル付表示部14に表示される現計画面の例を示している。現計画面においては現計結果が示される。同図の現計画面においては、現計結果として、以下の内容が表されている。
つまり、商品として単価が112円のたまご10個パックが1つ買上商品として登録され、その小計操作が行われたことに応じて小計金額が112円であることが示されている。また、112円の単価が内税であることから顧客が支払うべき代金に相当する合計金額も112円であることが示されている。また、顧客が支払いのために112円の現金を店員に渡したことで、預かり金額として112円が入力され、釣銭は0円であることが示されている。
【0037】
現計操作が行われたことで、POSレジスタ1は、上記の現計画面を表示するとともに、今回の会計処理の内容を示す会計情報が印字されたレシートを印字部19から発行する。ここで、本実施形態のクーポン出力システムにあっては、レシートの発行にあたり、クーポン情報をどのような態様により出力すべきかについての判定が行われる。
本実施形態において、クーポン情報の出力の態様としては以下の2つのうちのいずれかとなる。
クーポン情報の出力の態様の1つ目は、クーポンセットリストの発行である。クーポンセットリストとは、今回商品を購入した会員としての顧客に対応して設定されたクーポンセットに含まれる全ての個別クーポンについてのクーポン情報のリストをレシート用の用紙に印字したものである。このようなクーポンセットリストは、レシートとしての1枚のシートとは別のもう1枚のシートとして印字される。従って、クーポンセットリストを発行する際には、POSレジスタ1は、印字部19によりまずレシート用の用紙にレシートを印字してから用紙の切り離しを行い、次にクーポンセットリストをレシート用の用紙に印字して用紙の切り離しを行う。なお、上記とは逆の順で、クーポンセットリストを先に印字して用紙の切り離しを行ってからレシートを印字してもよい。
【0038】
このようなクーポンセットリストの発行は、例えば複数のクーポン(個別クーポン)が綴じられた冊子を顧客に提供することに相当する。ただし、本実施形態におけるクーポンセットリストは、実際の冊子の場合のように顧客が個別クーポンごとに対応する部分を切り離して使用する必要はない。本実施形態においては、会員としての顧客が個別クーポンを使用したか否かは、会員情報における購入履歴(図6(a))と、クーポン使用履歴情報(図6(b))とを照合することによって判定できる。従って、本実施形態におけるクーポンセットリストは、会員である顧客に対して、どのようなクーポンが使用可能であるのかを告知するものとして機能する。また、会員としての顧客は、会計時に会員証を提示しさえすれば、買上商品に含まれるクーポン適用対象の商品にクーポンが適用される。
そして、前述のように、クーポンセットリストにより告知される内容は、顧客ごとに異なる。クーポンセットリストにおける個別クーポンの組み合わせ(即ち、クーポン適用対象の商品の組み合わせ)は、会員情報における会員属性、購入履歴、ランク、累計ポイントなどの情報の全てあるいは一部に基づいて、上位情報処理装置100が決定することができる。
【0039】
本実施形態においては、上位情報処理装置100により、現在日時がクーポンセットリストの発行期間に含まれており、かつ、まだクーポンセットリストが一度も発行されていない場合に、クーポンセットリストを発行すべきと判定される。
【0040】
図8は、レシート発行に際して、クーポンセットリストを発行すべきことが判定されたことに応じてPOSレジスタ1から発行されるレシートとクーポンセットリストとの一例を示している。図8(a)は、レシートの一例を示し、図8(b)はクーポンセットリストの一例を示す。
図8(a)に示されるレシートは、図7の現計画面において示される現計結果と同じ内容の会計情報が印字されている。
また、図8(b)のクーポンセットリストにおいては、個別クーポンごとに対応して、クーポン適用対象の商品名と、クーポンが適用されるまでの購入制限数と、クーポン適用対象の商品を購入した際に付与される特典としてのポイントが印字された例が示されている。
【0041】
上記の図8(b)のクーポンセットリストは、個別クーポンごとに対応して付与される特典としてポイントの加算が設定された例である。しかしながら、個別クーポンに対応して付与される特典はポイントの加算に限定されない。
図9は、ポイントの加算の特典によるクーポンセットリストの一例として、個別クーポンに対応して付与される特典として通常価格よりも商品の価格を値引きを設定した場合のクーポンセットリストを示す。同図のクーポンセットリストにおいては、個別クーポンごとに対応して、クーポン適用対象の商品名と、クーポンが適用されるまでの購入制限数と、クーポン適用対象の商品を購入した際に付与される特典としての値引き後の価格もしくは値引き額が印字された例が示されている。
【0042】
また、図8(b)と図9に示されるクーポンセットリストは文字の印字によりクーポン情報が出力されたものとなっている。しかしながら、クーポンセットリストは、例えば絵柄の印字(印刷)によりクーポン情報が出力されてもよい。なお、本実施形態において、印刷と印字とは同義で用いる。
図10は、絵柄の印字によりクーポン情報が出力されたクーポンセットリストの一例を示している。同図のクーポンセットリストにおいては、個別クーポンごとに対応する絵柄が上から下にかけて順に印字された態様となっている。同図の個別クーポンに対応する1つの絵柄においては、クーポン適用対象の商品名と、クーポンが適用されるまでの購入制限数と、クーポン適用対象の商品を購入した際に付与される特典としてのポイントとが示された例が示されている。なお、このように絵柄によりクーポン情報が出力される態様においても、図9のように個別クーポンごとに応じてポイントに代えて値引きに関する価格が示されてよい。
【0043】
図8(b)、図9及び図10に示される印字内容は、それぞれ、図6(b)のクーポンセット情報における印字内容の領域に格納されたデータが反映されたものである。POSレジスタ1は、上位情報処理装置100から送信された印字内容のデータを利用してクーポンセットリストの印字を行う。
【0044】
店員は、上記のように発行されたレシートとクーポンセットリストとを顧客に渡す。顧客は、レシートとともに渡されたクーポンセットリストを見ることで、自分が利用可能な複数のクーポンがどのようなものであるのかについて容易に把握できる。また、このようなクーポンセットリストは例えば財布や鞄などの顧客が身近で使用するものに入れておけば、顧客の好きなときに取り出してすぐに見ることができる。この場合、顧客としては簡単に自分が使用できるクーポンを確認して使用できることから、クーポンの使用を忘れたり面倒に感じたりする度合いが減り、クーポンの活用が促進されることとなる。これに伴い、店舗としても商品の販売が促進され、売上の向上が期待される。
【0045】
クーポン情報の出力の態様の2つ目は、発行済みのクーポンセットリストに含まれる個別クーポンのうち、有効期間を経過していない未使用の個別クーポンについてのクーポン情報を含むレシートを発行するというものである。有効期間を経過していない未使用の個別クーポンについては、使用されずに残っているクーポンということでもあることから以降において残クーポンとも呼ぶ。
【0046】
図11は、上記のように残クーポンのクーポン情報を含んで発行された残クーポン情報付レシートの一例を示している。同図のレシートは、先頭のヘッダ部hdの下側にレシート部pt1が印字され、今回の会計結果に応じた会計情報が示されている。残クーポン情報付レシートにおいてヘッダ部hdとレシート部pt1とによる部分は、図8(a)に示したレシートと同様の内容である。
そのうえで、残クーポン情報付レシートにおいては、レシート部pt1の下に残クーポン情報部pt2が印字されている。残クーポン情報部pt2においては、残クーポンとしての個別クーポンごとのクーポン情報が印字される。同図においては、3つの残クーポンのクーポン情報が印字されており、各個別クーポンに対応するクーポン情報として、商品名と、クーポンの使用可能回数とが印字された例が示されている。クーポンの使用可能回数は、当該クーポンが一回使用されるごとに1つずつ少なくなっていく。
【0047】
このように、本実施形態においては、クーポンセットリストが発行された後において残クーポン情報付レシートが発行される。残クーポン情報付レシートを見ることで、顧客は、まだ自分が使用していないクーポンが何であるのかを、商品の購入に際してレシートによって把握できる。これにより、残クーポンの使用が促される(活用される)こととなって、顧客は特典を受ける機会を失うことがなく、店舗としてもさらに商品の販売が促進される。
【0048】
本実施形態において、残クーポン情報付レシートは、クーポンセットリストに含まれる個別クーポンの有効期間終了日(有効期限)に至るまでの現在からの期間(残有効期間)が所定以下である場合に発行される。
例えば、残クーポン情報付レシートの発行は、発行されたクーポンセットリストに含まれる個別クーポンの有効期間において、会員としての顧客の商品の代金の支払いに応じてPOSレジスタ1からレシートを発行するごとに行われるようにされてもよい。しかしながら、有効期間が開始されて当初は、まだ、使用されていない個別クーポンが多数残っている。このため、有効期間のはじめのうちから残クーポン情報付レシートを発行しても、残クーポン情報が多すぎるために、顧客も残クーポン情報の内訳を把握しにくい。また、個別クーポン情報が多いほど、残クーポン情報付レシートにおける残クーポン情報部pt2の部分が長くなってしまう。このため、店舗側としてはレシート用の用紙を大量に消費してしまうことになり、顧客としても、毎回、長い残クーポン情報付レシートを受け取ることに煩わしさを覚える可能性がある。
そこで、本実施形態では、残有効期間が所定より長い場合には、残クーポン情報付レシートは発行せずに通常のレシートを発行する。一方、残有効期間が所定以内となってから残クーポン情報付レシートを発行する。このようにすれば、有効期間が終わりに近くなってから残クーポン情報付レシートが発行されることになるので、残クーポン情報付レシートに印字される残クーポン情報は少なくなっている。これにより、顧客は、自分がまだ使用していないクーポンが何であるのかを把握しやすい。また、残クーポン情報部pt2の部分も短くすることができるので、レシート用の用紙の節約が図られ、顧客も煩わしさを覚えることが無くなる。
【0049】
図12のフローチャートを参照して、本実施形態のPOSレジスタ1が実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:会員である顧客からの買上商品についての会計にあたり、POSレジスタ1を操作する店員は、まず顧客から受け渡された会員証に記録されている会員番号をリーダ部18により読み込ませる操作を行う。POSレジスタ1は、リーダ部18により読み込まれた会員番号を入力する。これにより、以降の会計処理がステップS101により入力された会員番号と対応付けられる。
なお、同図では、商品登録操作の開始前において会員番号を入力する場合を例に挙げている。しかしながら、会員番号の入力は、例えば後述のステップS104にて現計操作が受け付けられるまでにおいて任意のタイミングで行うことができるようにしてもよい。
【0050】
ステップS102:続いて、店員は、顧客の買上商品を登録する商品登録操作を行っていく。この操作に応じて、POSレジスタ1は、商品登録操作により登録対象とされた商品の登録処理(商品登録処理)を実行する。
【0051】
ステップS103:店員は、商品登録操作を終了すると小計操作を行う。小計操作は、例えばタッチパネル付表示部14に表示される小計キーまたはキー操作部15に配置された小計キーの操作である。POSレジスタ1は、このような小計操作を受け付け、小計操作を受け付けたことに応じて小計画面を表示させる。
【0052】
ステップS104:店員は、小計画面を見て顧客が支払うべき合計金額を確認し、現金、クレジットカード、プリペイドカード、ポイントカードなどのうちのいずれかの支払方法(2以上の支払方法が併用されてもよい)に応じた会計処理をPOSレジスタ1に実行させる。そのうえで、店員は会計処理の終了に応じて、今回の会計処理を締めるための現計操作を行う。POSレジスタ1は、現計操作を受け付け、例えばタッチパネル付表示部14に現計画面を表示させる。
【0053】
ステップS105:また、POSレジスタ1は、現計操作を受け付けたことに応じて、クーポン出力問合せを上位情報処理装置100に送信する。クーポン出力問合せは、今回の会計処理に応じたクーポン情報の出力に関する問合せを上位情報処理装置100に対して行うためのコマンドである。クーポン出力問合せには、ステップS101において入力された会員番号が含まれる。また、クーポン出力問合せには、会計情報も含まれる。会計情報には、今回の会計に応じて顧客により購入された商品が示されている。また、会計情報には、今回の会計に応じて顧客により購入された商品に、クーポンの適用対象となっている商品があった場合には、その商品に対応するクーポンが使用されたことを示す情報(クーポン使用済情報)が付加される。
【0054】
ステップS106:上位情報処理装置100はステップS105により送信されたクーポン出力問合せに対する応答として、クーポン出力指示情報をPOSレジスタ1に送信する。POSレジスタ1は、上位情報処理装置100から送信されたクーポン出力指示情報を受信する。
【0055】
ステップS107:クーポン出力指示情報は、今回の会計処理に応じたクーポン情報の出力に関して、以下の3つのうちいずれか1つを指示する内容を有する。
クーポン出力指示情報の指示内容の1つ目は、クーポン情報の出力として「クーポンセットリスト発行」を指示するというものである。「クーポンセットリスト発行」の指示は、以下の条件を満たす場合に得られる。つまり、今回の会計処理に応じて代金の支払いを行った会員としての顧客に対応するクーポンセットリストが設定されているうえで、現在の日付が設定されたクーポンセットリストの発行期間に含まれており、かつ、まだクーポンセットリストが発行されていないこと、という条件である。
クーポン出力指示情報の指示内容の2つ目は、クーポン情報の出力として「残クーポン情報印字」を指示するというものである。残クーポン情報印字は、図11に示したように、会計情報が印字されるレシートのレシート部pt1に続けて残クーポン情報部pt2に残クーポン情報を印字することを示す。「残クーポン情報印字」の指示は、前述のように発行済みのクーポンセットリストに含まれる個別クーポンの残有効期間が所定以下であるとの条件が満たされた場合に得られる。
クーポン出力指示情報の指示内容の3つ目は、クーポン情報の出力として「クーポン出力不要」を指示するというものである。「クーポン出力不要」によっては、クーポンセットリストと残クーポン情報のいずれも出力しないことが指示される。「クーポン出力不要」の指示は、新規発行対象のクーポンセットリストがないうえで、さらに発行済みのクーポンセットリストに含まれる個別クーポンの残有効期間が所定より長いという条件が満たされた場合に得られる。
そこで、POSレジスタ1は、ステップS106により受信されたクーポン出力指示情報が、上記の「クーポンセットリスト発行」、「残クーポン情報印字」及び「クーポン出力不要」のいずれを指示する内容であるかについて判定する。
【0056】
ステップS108:クーポン出力指示情報の指示内容が「クーポンセットリスト発行」を示していたことが判定された場合、POSレジスタ1は、図8図10に示したように、レシートとクーポンセットリストとを切り離してそれぞれ別の用紙に印字して発行する。
そこで、POSレジスタ1は、まず、印字部19により今回の会計結果を示す会計情報が反映されたレシートを発行させる。この際、印字部19は、レシートの内容を印字したレシート用の用紙を切り離して排出する。
【0057】
ステップS109:次にPOSレジスタ1は、印字部19によりクーポンセットリストを発行させる。クーポン出力指示情報が「クーポンセットリスト発行」を指示するものである場合、クーポン出力指示情報には、クーポンセットリストとして印字すべき内容が示される印字データが含まれている。クーポン出力指示情報には、クーポンセット情報における印字内容の領域に格納されていたデータが印字データとして含められる。POSレジスタ1は、ステップS109において、受信されたクーポン出力指示情報に含まれる印字データを利用して、クーポンセットリストにおける個別クーポンごとのクーポン情報を印字部19に印字させる。
【0058】
なお、上記のステップS108とステップS109とによれば、先にレシートを発行し、次いでクーポンセットリストを発行するようにされている。しかしながら、先にクーポンセットリストを発行し、次にレシートを発行するようにしてもよい。
【0059】
ステップS110:また、ステップS107によりクーポン出力指示情報の指示内容が「残クーポン情報印字」を示していたことが判定された場合、POSレジスタ1は、残クーポン情報付レシートを印字部19により発行させる。
クーポン出力指示情報が「残クーポン情報印字」を指示するものである場合、クーポン出力指示情報には残クーポンをそれぞれ示す印字データが含まれている。POSレジスタ1は、ステップS110において、今回の会計結果を示す会計情報をレシート用の用紙に印字した後、続けてクーポン出力指示情報に含まれる残クーポンの印字データを同じレシート用の用紙に印字し、用紙を切り離す。このようにして、図11に例示したようにヘッダ部hdに続けて、レシート部pt1、残クーポン情報部pt2が上から下にかけて印字された残クーポン情報付レシートが発行される。
【0060】
ステップS111:また、ステップS107によりクーポン出力指示情報の指示内容が「残クーポン情報印字」を示していたことが判定された場合、POSレジスタ1は、今回の会計結果を示す会計情報が印字されたレシートを発行する。この場合、クーポンセットリストと残クーポン情報付レシートのいずれも発行されない。
【0061】
次に、図13のフローチャートを参照して、上位情報処理装置100がクーポン出力指示情報の受信に対応して実行する処理手順例について説明する。
ステップS201:先の図12のステップ105によりクーポン出力問合せがPOSレジスタ1から送信されたことに応じて、上位情報処理装置100は、クーポン出力問合せを受信する。
【0062】
ステップS202:クーポン出力問合せには、前述のように、会員番号と会計情報とが含まれている。会計情報には、今回の会計に応じて顧客により購入された商品が示され、クーポンの適用対象となっている商品があった場合にはクーポン使用済情報が付加される。そこで、上位情報処理装置100は、受信されたクーポン出力問合せに含まれる会計情報を利用して、対応の会員についての会員情報(図6(a))における購入履歴とクーポンセット情報(図6(b))におけるクーポン使用履歴情報とを更新する。
このため、上位情報処理装置100は、会員情報テーブル141からクーポン出力問合せに含まれるのと同じ会員番号を格納する会員情報を検索し、検索した会員情報における購入履歴を、クーポン出力問合せに含まれる会計情報を利用して更新する。つまり、上位情報処理装置100は、今回の会計に応じて購入された商品を購入履歴に追加する。
さらに、上位情報処理装置100は、クーポン出力問合せに含まれる会計情報において示される買上商品が、クーポン出力問合せに含まれるのと同じ会員番号を格納するクーポンセット情報における個別クーポンリストに含まれているか否かについて判定する。クーポン出力問合せに含まれる会計情報において示される買上商品が個別クーポンリストに含まれていた場合、上位情報処理装置100は、さらに個別クーポンリストに含まれていた買上商品についてクーポンが使用されたことを示すように、クーポン使用履歴情報を更新する。なお、クーポン使用履歴情報において、買上商品についてのこれまでのクーポン使用回数が最大限度にまで到達していた場合には特にクーポン使用履歴情報を更新する必要はない。
【0063】
ステップS203:クーポン出力問合せには、前述のようにPOSレジスタ1にて会計を行った顧客の会員番号が含まれている。上位情報処理装置100は、クーポン情報テーブル142に格納されるクーポンセット情報のうち、受信されたクーポン出力問合せに含まれているのと同じ会員番号を格納するクーポンセット情報を参照する。そして、上位情報処理装置100は、会員番号に対応するクーポンセットリストは、発行期間内であり、かつ未発行であるか否かについて判定する。発行期間内であるか否かについては、参照先のクーポンセット情報において格納される発行期間に現在の日付が含まれるか否かを判定すればよい。また、クーポンセットリストが未発行か否かは、参照先のクーポンセット情報において格納される発行フラグが未発行を示しているか否かを判定すればよい。
【0064】
ステップS204:ステップS203により、クーポンセットリストが発行期間内であり、かつ未発行であると判定された場合、上位情報処理装置100は、「クーポンセットリスト発行」を指示するクーポン出力指示情報を送信する。
「クーポンセットリスト発行」を指示するクーポン出力指示情報の送信にあたり、上位情報処理装置100は、参照先のクーポンセット情報の印字内容の領域に格納される全ての個別クーポンに対応するデータを印字データとしてクーポン出力指示情報に含める。
【0065】
ステップS205:ステップS203により、クーポンセットリストが発行期間内ではない、あるいは、クーポンセットリストが発行期間内であっても発行済みであると判定された場合、上位情報処理装置100は、さらに以下の判定を行う。
つまり、上位情報処理装置100は、発行済みのクーポンごとのクーポンセットリストに含まれる個別クーポンのうちで使用されずに残っている未使用の個別クーポンが有るか否かについて判定する(ステップS205)。未使用の個別クーポンが有るか否かの判定は、参照先のクーポンセット情報における個別クーポンリストにおいて示される個別クーポン情報のうちで、クーポン使用履歴情報に含まれていない個別クーポン情報が有るか否を判定すればよい。
【0066】
ステップS206:ステップS205により、未使用の個別クーポンが有ることが判定された場合、上位情報処理装置100は、クーポンセットの残有効期間が所定以下であるか否かについて判定する。
ステップS207:クーポンセットの残有効期間が所定以下である場合、上位情報処理装置100は、「残クーポン情報印字」を指示するクーポン出力指示情報をPOSレジスタ1に送信する。
「クーポンセットリスト発行」を指示するクーポン出力指示情報の送信にあたり、上位情報処理装置100は、クーポンセット情報の印字内容の領域に格納される個別クーポンのデータのうち、未使用のクーポン情報(残クーポン情報)に対応するデータを印字データとして含める。
【0067】
ステップS208:ステップS205において未使用の個別クーポンの無いことが判定された場合、あるいはステップS206において残有効期間が所定より長いことが判定された場合、上位情報処理装置100は以下の処理を実行する。つまり、上位情報処理装置100は、「クーポン出力不要」を指示するクーポン出力指示情報をPOSレジスタ1に送信する。
【0068】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。図14は、第2実施形態におけるクーポン出力システムの構成例を示している。同図に示されるように、本実施形態のクーポン出力システムは、会計タブレット端末200、会計サーバ300(クーポン情報記憶装置の一例)及びプリンタ400(情報処理端末装置の一例)を備える。
会計サーバ300は、会計タブレット端末200及びプリンタ400と例えばネットワークを経由して通信可能に接続されている。また、会計タブレット端末200とプリンタ400とは同じ店舗において備えられる。会計サーバ300は、会計タブレット端末200及びプリンタ400が備えられる店舗に対応して備えられるものであってもよいし、複数の店舗に対応して備えられるものであってもよい。
【0069】
会計タブレット端末200は、店員が携帯する端末であって、店員の操作によって客の買上商品の登録が行われる。このような会計タブレット端末200は、例えば飲食店において顧客から注文されたメニューとしての商品を登録するような場合に使用されることが多い。
会計タブレット端末200は、店員の操作によって登録された商品の情報(商品登録情報)を会計サーバ300に送信する。会計サーバ300は、商品マスタとしての商品に関する情報を記憶している。会計サーバ300は、商品マスタの情報を利用して、商品登録情報が示す商品についての合計金額を算出し、算出した合計金額の情報を会計タブレット端末200に対して送信する。会計タブレット端末200は送信された合計金額の情報を表示する。店員は、会計タブレット端末200にて表示された合計金額を確認し、会計を行う。例えば、店員は顧客に対して合計金額を伝え、顧客から受け渡された現金を預かり金として受け取る。この際に、預かり金が商品の合計金額よりも多ければ、店員は顧客に釣銭を渡す。
会計サーバ300は、上記のように行われた取引に対応する会計情報をプリンタ400に送信する。プリンタ400は、送信された会計情報が印字されたレシートを発行する。
【0070】
そのうえで、本実施形態における会計サーバ300は、第1実施形態における上位情報処理装置100と同様に、プリンタ400によるレシートの発行にあたり、クーポン情報の出力に関する制御を行う。
このために会計サーバ300は、上位情報処理装置100と同様に会員情報テーブルとクーポン情報テーブルとを記憶する。また、会計タブレット端末200が会計サーバ300に送信する商品登録情報には、登録された商品の情報のほかに、商品登録に際して入力された顧客の会員番号が含まれる。
会計サーバ300は、上記のように会員番号の情報を含む商品登録情報の受信に応じて、図13のステップS202~S208に準じた処理を実行する。本実施形態の場合、会計サーバ300がステップS204、S207またはS208によりクーポン出力指示情報を送信する際の送信先はプリンタ400となる。
プリンタ400は、クーポン出力指示の受信に応じて、図12のステップS107~S111の処理を実行する。これにより、クーポンセットリストを発行すべき場合には、プリンタ400から、レシートとクーポンセットリストとが別のレシート用の用紙に印字されるようにして発行される。また、残クーポン情報を印字すべき場合には、プリンタ400により、図11のようにレシート部pt1に続けて残クーポン情報部pt2が印字されたレシートが発行される。また、クーポン情報の出力が不要の場合には、レシートのみがプリンタ400から発行される。
【0071】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
第1実施形態のもとで、例えば図1のクーポン出力システムの構成に対して、さらにプリンタが備えられてもよい。プリンタは、例えば店舗においてPOSレジスタ1の近傍に設けられ、上位情報処理装置100と通信可能に接続される。本変形例におけるプリンタは、レシートとは別のクーポンセットリストの発行のために備えられる。
本変形例において、上位情報処理装置100は、POSレジスタ1からのクーポン出力問合せに応答したクーポン出力指示情報を、POSレジスタ1とプリンタとのそれぞれに送信する。
上位情報処理装置100から送信されたクーポン出力指示情報が「クーポンセットリスト発行」を指示するものであった場合、POSレジスタ1は印字部19によりレシートのみを発行させ、プリンタはクーポンセットリストのみを発行する。
また、クーポン出力指示情報が「残クーポン情報印字」を指示するものである場合には、POSレジスタ1から図11のようにレシート部pt1に続けて残クーポン情報部pt2が印字されたレシートが発行され、プリンタは特に発行は行わない。
また、クーポン出力指示情報が「クーポン出力不要」を指示するものであった場合には、POSレジスタ1からレシートが発行され、プリンタは特に発行は行わない。
このような構成の場合、例えばクーポンセットリストの発行にあたっては、プリンタにおいてレシート用の用紙と異なる形式の用紙を用いることができる。そこで、例えばレシートよりも幅の広い形式の用紙を用いたりすることで、クーポンセットリストに印字する個別クーポン情報を見やすくすることができる。
【0072】
[第2変形例]
これまでの説明においては、クーポンの内容は、購入された商品に応じて定められたポイントの付与、あるいは商品の値引きであったが、これらに限定されない。例えば、クーポンの内容は、商品の購入に応じた景品、粗品の提供などであってもよい。
【0073】
[第3変形例]
また、上記各実施形態においては、残有効期間が所定以下となった場合に残クーポン情報付レシートが発行されるようになっている。
しかし、例えばクーポンセットに含まれる個別クーポンの有効期間に基づいて特定の日付を通知開始日として定め、通知開始日以降において残クーポン情報付レシートが発行されるようにしてもよい。
また、例えば月における特定の日、あるいは週における特定の日などを通知日として定めておき、通知日において残クーポン情報付レシートを発行するようにしてもよい。月における特定の日としては、例えば一般的な給料日に基づいて設定することができる。また、週における特定の日については、週末の買い物に合わせて、例えば木曜日や金曜日あたりの曜日を設定することができる。
【0074】
[第4変形例]
また、例えば使用されずに残っている個別クーポンの数が予め定めた閾値以下になったら残クーポン情報付レシートが発行されるようにしてもよい。この場合には、例えば閾値は、或る特定の固定値であってもよいし、クーポンセットリストに含まれる全個別クーポン数の一定比率に対応する値であってもよい。
【0075】
[第5変形例]
また、クーポン以外であって顧客にとって有益な情報などがクーポンセットリストや残クーポン情報付レシートの態様によって発行されるようにしてよい。一例として、顧客の購入履歴や属性などに応じて決定した複数のおすすめ商品によるリコメンド商品セットの情報を、クーポンセット情報に代えて会員としての顧客ごとに作成する。そして、顧客の商品の購入に応じて、クーポンセットリストに代えてリコメンド商品セットリストを発行し、リコメンド商品セットに含まれる商品のうちで顧客がまだ購入していない商品(残リコメンド商品)を、残クーポン情報付レシートに代えて残リコメンド商品付レシートとして発行してもよい。
【0076】
[第6変形例]
また、店舗では、会員に限定した商品の値引きを行う場合がある。このような場合において、会員としての顧客が、会員限定の値引き対象であり、かつ、値引きのクーポンの適用対象である商品を購入する場合、本実施形態のPOSレジスタ1としては、値引き額が多く、結果的に顧客の支払額が少なくなるほうの値引きを適用して小計金額を算出するようにしてよい。
【0077】
[第7変形例]
また、店員が商品登録を行う登録装置と顧客が精算を行う精算装置とが分離された構成のPOSシステムにも本実施形態の構成を適用することができる。
この場合、登録装置を操作する店員は、会員としての顧客から受け取った会員カードから会員番号を読み取り、顧客の買上商品の登録を行う。登録装置は、上位情報処理装置に対してクーポン出力問合せを送信するとともに、商品登録結果に応じた会計情報を精算装置に送信する。
上位情報処理装置は、クーポン出力問合せの受信に応答したクーポン出力指示情報を精算装置に送信する。精算装置は、登録装置から送信された会計情報を利用して、顧客の操作に応じて精算処理を行う。また、精算装置は、精算処理が終了してレシートを発行するにあたって、上位情報処理装置から送信されたクーポン出力指示情報が示すクーポン出力の指示に従う。
つまり、精算装置は、クーポン出力指示情報が「クーポンセットリスト発行」を指示していれば、レシートとクーポンセットリストとを別の用紙に印字して発行を行う。また、精算装置は、クーポン出力指示情報が「残クーポン情報印字」を指示していれば、残クーポン情報を印字したレシートを発行する。また、精算装置は、クーポン出力指示情報が「クーポン出力不要」を指示していれば、レシートのみを発行する。
また、登録装置が印字部を備えている場合には、クーポンセットリストについては、精算装置ではなく登録装置から発行されるようにして、店員から顧客に渡されるようにしてもよい。
また、このような構成のもとでは、例えば1以上の登録装置のうちのマスタとしての登録装置が上位情報処理装置としての機能を有するようにされてもよい。
【0078】
[第8変形例]
本実施形態において、顧客をロイヤリティの種別に応じて区別し、ロイヤリティの種別ごとに顧客に付与するクーポンを変更してもよい。
ロイヤリティの種別としては、例えば会員が全て対象となる基本ロイヤリティと、一回の取引における買上金額または一定期間における買上金額の総計に応じて顧客に設定されるランクに応じたロイヤリティ(ランク別ロイヤリティ)との2種類により区別する例を挙げることができる。
そのうえで、クーポンとしては、取引を行った会員の全てを対象とする基本ロイヤリティ対応のクーポンと、会員のランクごとに応じたクーポン(ランク別ロイヤリティ対応のクーポン)とを用意してよい。
【0079】
[第9変形例]
また、クーポンの発行を禁止する所定の禁止条件を設定し、取引において禁止条件が満たされる場合にはクーポンを出力しないようにしてもよい。例えば前述のようにクーポン使用回数が最大限度にまで到達している場合には、該当のクーポンを出力しないようにすることができる。
【0080】
[第10変形例]
本実施形態におけるクーポンは、メーカー協賛のクーポンと販売店独自のクーポンとの2種類があってもよい。メーカー協賛のクーポンとは、店舗にて販売される商品のメーカーが販売促進のために店舗と協賛して顧客に特典を与えるようにされたクーポンである。一方、販売店独自のクーポンとは、メーカーからの協賛とは無関係に、販売店の計画のもとでの販売促進に応じて顧客に特典を与えるようにされたクーポンである。
メーカー協賛のクーポンと販売店独自のクーポンとは、それぞれ、所定の出力条件が設定されており、取引ごとに出力条件が満たされたことに応じて発行されるようにしてよい。クーポンの出力条件には、例えば店舗の会員、非会員のいずれであるのかが反映されるようにしてよい。また、出力条件には、会員に設定されたランクが反映されるようにしてよい。また、出力条件には、ロイヤリティ(クーポンが与えられる特定の権利)の有無が反映されるようにしてよい。また、出力条件には曜日が反映されるようにしてよい。また、出力条件には、対応の取引において購入された商品においてクーポン付与対象の商品が含まれていることとの条件が含まれてよい。
【0081】
<実施形態の総括>
以上説明したように、本実施形態の一態様は、クーポン情報記憶装置と情報処理端末装置とを備え、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力するクーポン出力システムであって、クーポン情報記憶装置において、クーポン情報を記憶する記憶手段と、顧客の商品の支払いに対応する会計処理の内容を示す会計情報とクーポン情報とをそれぞれ別の媒体で情報処理端末装置から出力させる第1情報出力と、会計情報とクーポン情報とを1つの媒体で情報処理端末装置から出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段とを備える。
上記構成によれば、第1情報出力によって顧客が使用可能なクーポンをレシートとは別に出力して顧客に周知させた後に、第2情報出力によってクーポンの情報が付加されたレシートを出力してもう一度顧客に周知させることができる。これにより、顧客がクーポンの使用を忘れにくくなり、顧客によるクーポンの使用が促進される。
【0082】
また、本実施形態の一態様は、上記のクーポン出力システムであって、記憶手段は、クーポンの有効期限とクーポンの使用の履歴に関するクーポン使用履歴情報とをさらに記憶し、情報出力手段は、現在から有効期限に至るまでの期間(残有効期間)が所定以下の場合に、第2情報出力により、クーポン使用履歴情報に基づいて特定された未使用のクーポンに対応するクーポン情報を出力させる。
上記構成によれば、クーポンの有効期限が近づいたときに未使用のクーポンについてのクーポン情報をレシートに付加して出力することができるので、有効期限になる前にクーポンを使用してもらうことを顧客に促すことができる。これにより、クーポンの活用をより有効に顧客に促すことができる。
【0083】
また、本実施形態の一態様は、上記のクーポン出力システムであって、情報出力手段は、予め定められた発行期間において新規発行対象のクーポン情報を第1情報出力により出力させる。
上記構成によれば、第1情報出力によって新規発行対象のクーポンを顧客に周知させることができる。
【0084】
また、本実施形態の一態様は、上記のクーポン出力システムであって、情報出力手段は、有効期限に至るまでの期間が所定以上であって、新規発行対象のクーポン情報を出力済みである場合に、会計情報の媒体のみを出力させる第3情報出力を行う。
上記構成によれば、新規発行対象のクーポン情報の出力後において、有効期限に至るまでの期間が所定以上である場合には、クーポン情報を含まないレシートのみの発行が行われる。これにより、例えば有効期間の初期などの第2情報出力によるクーポンの周知があまり有効でない期間においては、クーポン情報が出力されないようにすることができるので、効率的にクーポンを顧客に周知させていくことができる。
【0085】
また、本実施形態の一態様は、上記のクーポン出力システムであって、出力されるクーポン情報に、当該クーポン情報により示されるクーポンの使用可能回数を含める。
上記構成によれば、出力されたクーポン情報により示されるクーポンについて、残り何回使用できるのかを店員や顧客等が把握することができる。
【0086】
また、本実施形態の一態様は、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力する情報処理装置であって、顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す精算情報とクーポン情報とをそれぞれ別の媒体で出力させる第1情報出力と、精算情報とクーポン情報とを1つの媒体で出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段を備える。
【0087】
また、本実施形態の一態様は、コンピュータを、サービスの提供を受けるために利用されるクーポンを示すクーポン情報を媒体に出力させるにあたり、顧客の商品の支払いに対応する精算処理の内容を示す精算情報とクーポン情報とをそれぞれ別の媒体で出力させる第1情報出力と、精算情報とクーポン情報とを1つの媒体で出力させる第2情報出力とを行う情報出力手段として機能させるためのプログラムである。
【0088】
なお、上述のPOSレジスタ1、上位情報処理装置100、会計タブレット端末200は、会計サーバ300及びプリンタ400などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOSレジスタ1、上位情報処理装置100、会計タブレット端末200は、会計サーバ300及びプリンタ400などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 POSレジスタ、11 CPU、12 記憶部、13 RAM、14 タッチパネル付表示部、14a タッチパネル、15 キー操作部、16 顧客用表示部、17 自動釣銭機、17a 釣銭排出口、17b 預金投入口、18 リーダ部、19 印字部、20 通信部、30 ドロア、100 上位情報処理装置、101 CPU、102 通信部、103 RAM、104 記憶部、141 会員情報テーブル、142 クーポン情報テーブル
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