(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】生コンクリート製造プラント
(51)【国際特許分類】
B28C 7/16 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
B28C7/16
(21)【出願番号】P 2021095812
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2021088063
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592099215
【氏名又は名称】株式会社冨士機
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】藤田 以和彦
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-024413(JP,A)
【文献】特開2008-238025(JP,A)
【文献】特開平09-300336(JP,A)
【文献】特開2005-074242(JP,A)
【文献】特開2017-214254(JP,A)
【文献】特開平11-324324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規骨材貯蔵瓶(26)と、骨材計量槽(28)と、新規セメント貯蔵瓶(27)と、新規セメント計量槽(29)と、ミキサ(31)とを具備する本体(24)を有する生コンクリート製造プラントであって、
ミキサ車(2)の回転ドラムミキサ内部を上澄水にて洗浄することにより戻り生コンクリートを排出する洗車場(3)が設けられ、上記洗車場(3)の床面には上記戻り生コンクリートを排出する溝(4)が設けられ、上記溝(4)に連続する上記戻り生コンクリートを溜める原水ピット(4a)が設けられ、上記原水ピット(4a)内のポンプ(5)により上記戻り生コンクリートを分級機(12,13)に送る戻り生コン送り配管(6)が設けられ、
上記分級機はトロンメル(12)とエーキンス(13)により構成され、
上記トロンメル(12)は上記戻り生コンクリートから回収粗骨材と回収細骨材とを分級すると共に、残りの回収砂と
、回収セメントを含
む回収スラリー水を、上記エーキンス(13)に導入するものであり、
上記エーキンス(13)は上記回収砂を含む上記回収スラリー水から、上記回収砂と、上記回収セメントを含む上記回収スラリー水に分級するものであり、
上記トロンメル(12)にて分級された上記回収粗骨材を貯蔵する回収粗骨材貯蔵瓶(11a)が設けられ、上記トロンメル(12)にて分級された上記回収細骨材を貯蔵する回収細骨材貯蔵瓶(11b)が設けられ、上記エーキンス(13)にて分級された上記回収砂を貯蔵する回収砂貯蔵瓶(10)が設けられ、
上記エーキンス(13)に配管(72)を介して上記回収スラリー水が溜まるスラリー槽(36)が設けられ、
上記本体(24)の上記骨材計量槽(28)は、粗骨材計量槽(28a)と、細骨材計量槽(28b)と、砂計量槽(28c)とから構成され、
上記スラリー槽(36)にポンプ(45)により配管(39)を介して上記回収スラリー水がフィルタープレス(40)に導入され、上記フィルタープレス(40)は、上記回収スラリー水から回収セメントの脱水ケーキ(固体)と、上澄水に分離するものであり、
上記上澄水を貯留する上澄水槽(8)が設けられ、
上記フィルタープレス(40)で分離した上記脱水ケーキ(固体)を粉砕するケーキ粉砕機(50)が設けられ、
上記ケーキ粉砕機(50)に、配管(90)を介して清水を供給する清水槽(9a)が設けられ、
上記ケーキ粉砕機(50)は、粉砕した上記脱水ケーキ(固体)と上記清水槽(9a)からの上記清水とを混合攪拌して回収セメントを含む清水を生成するものであり、
上記ケーキ粉砕機(50)からポンプ(54)により配管(89)を介して上記回収セメントを含む清水を導入する調整水槽(9b)が設けられ、
上記調整水槽(9b)からポンプ(58)により配管(59)を介して、上記回収セメントを含む清水を導入して計量する上記本体(24)内の清水計量槽(61)が設けられ、
上記清水計量槽(61)内のセメント濃度を計測する濃度計(70)が設けられ、
制御部(83)とからなり、上記制御部(83)は、
上記回収粗骨材貯蔵瓶(11a)内の上記回収粗骨材、上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)内の上記回収細骨材、上記回収砂貯蔵瓶(10)内の上記回収砂を、上記本体(24)内の上記粗骨材計量槽(28a)、上記細骨材計量槽(28b)、上記砂計量槽(28c)に投入して計量すると共に、骨材全体の100%の重量の内、上記回収粗骨材と上記回収細骨材と上記回収砂の合計重量を5%から20%の範囲内の何れかとする回収骨材計量手段(83a)と、
上記本体(24)内の上記新規骨材貯蔵瓶(26)の新規粗骨材貯蔵瓶(26a)、新規細骨材貯蔵瓶(26b)、新規砂貯蔵瓶(26c)内の新規粗骨材と新規細骨材と新規砂の合計重量を、上記粗骨材計量槽(28a)、上記細骨材計量槽(28b)、上記砂計量槽(28c)に投入して計量すると共に、骨材全体の100%の重量の内、上記新規粗骨材と上記新規細骨材と上記新規砂の合計重量を95%から80%の範囲内の何れかとする新規骨材計量手段(83b)と、
上記本体(24)内の上記清水計量槽(61)内の上記濃度計(70)により、上記回収セメントを含む清水のセメント濃度が1%~3%の範囲内の何れかとなるように上記清水槽(9a)からの清水をポンプ(84)により配管(85)を介して、上記清水計量槽(61)内に導入して調整するセメント濃度調整手段(83d)と、
上記本体(24)内の上記新規セメント貯蔵瓶(27)から新規セメントを上記新規セメント計量槽(29)内に投入するセメント計量手段(83f)と、
計量後の上記骨材計量槽(28)内の上記回収粗骨材と上記回収細骨材と上記回収砂の合計重量5%~20%の範囲内の何れかとする重量と、計量後の上記骨材計量槽(28)内の上記新規粗骨材と上記新規細骨材と上記新規砂の合計重量95%~80%の範囲内の何れかとする重量と、上記清水計量槽(61)内の上記セメント濃度が1%~3%の範囲内の何れかの上記回収セメントを含む清水と、上記新規セメント計量槽(29)からの上記新規セメントと
、混和剤計量槽(68)内の混和剤と
、混和材計量槽(69)内の混和材を、上記ミキサ(31)にて混合することにより生コンクリートを生成する生コンクリート生成手段(83e)と、
を有するものである生コンクリート製造プラント。
【請求項2】
上記生コンクリート製造プラントの建屋は複数階構造からなるものであり、
上記洗車場(3)が1階に構成され、上記洗車場(3)の上階に上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)及び上記上澄水槽(8)が設けられ、上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)の上階に上記回収
粗骨材貯蔵瓶(11
a)
と上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)が設けられ、上記回収
粗骨材貯蔵瓶(11
a)
と上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)の上階に上記分級機(12,13)が設けられ、
上記本体(24)の上記ミキサ(31)の下方には
上記ミキサ車(2)が駐車し得る駐車場(32)が1階に構成され、
上記駐車場(32)の上階において、上記本体(24)に隣接して上記フィルタープレス(40)及び上記ケーキ粉砕機(50)が設置され、
上記建屋には、上記分級機(12,13)で生じた上記回収スラリー水を貯蔵する
上記スラリー槽(36)と、新規セメントサイロ(62)と、新規骨材サイロ(22)が設けられ、
上記新規骨材サイロ(22)には新規骨材を運搬するトラック用のスロープ(15)と、グランドホッパ(16)と、上記新規骨材を上記新規骨材サイロ(22)上に運搬する新規骨材搬入用垂直コンベア(18)が設けられ、
上記新規骨材サイロ(22)の下方から
上記新規骨材を導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規骨材貯蔵瓶(26)に上記新規骨材を投入する新規骨材投入用垂直コンベア(57)が設けられ、
上記新規セメントサイロ(62)には
上記新規セメントサイロ(62)の下方から
上記新規セメントを導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規セメント貯蔵瓶(27)内に上記新規セメントを圧送するセメント配管(82)が設けられたものである請求項1記載の生コンクリート製造プラント。
【請求項3】
上記調整水槽
(9b)内に
セメント濃度を計測する濃度計
(64)が設けられ、
上記制御部
(83)は、清水を上記上澄水槽
(8)に導入し、上記上澄水槽
(8)内の清水を上記調整水槽
(9b)内に導入して
、上記濃度計(64)により、上記調整水槽
(9b)内の
セメント濃度を
1%~3%の範囲内の何れかとなるように調整する調整水槽濃度調整手段
(83c)を具備しているものである請求項1
又は2に記載の生コンクリート製造プラント。
【請求項4】
上記戻り生コン送り配管
(6)は調整タンク
(75)を介して上記分級機
(12)に接続され、
上記調整タンク
(75)から上記原水ピット
(4a)に
上記戻り生コンクリートが戻る帰り配管
(6’)が設けられ、
上記帰り配管
(6’)に
上記戻り生コンクリートの流れにより発電する発電装置
(80)が設けられたものである請求項1~
3の何れかに記載の生コンクリート製造プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戻り生コンクリートの再利用が可能な生コンクリート製造プラントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、生コンクリート製造プラントにおいて、JIS A 5308規格によると、ミキサ車からの戻り生コンクリート(セメント、粗骨材、細骨材、水、混和剤、混和材が混合したもの)は、いわゆるB法によると、骨材回収置換率が20%以下とされていた。
【0003】
この骨材の回収は、新骨材を運搬中のベルトコンベアに回収骨材を、人力でショベル等で投入を行っていた。
【0004】
一方、ミキサ車の洗浄水を回収し、スラリー水として再利用していたが、脱水ケーキは産業廃棄物として廃棄していた。
【0005】
従来技術としては、残存生コンクリートの処理方法が提案されているが、生コンクリート製造プラントとは別の場所であるし、最終的に脱水ケーキを濾滓として貯留するというものである(特許文献1)。
【0006】
また、ミキサ車の洗浄排水から生成された脱水ケーキは管理型廃棄物として搬出されるか、或いは、金型に充填することにより、二次製品を製造するものであった(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平11-221486号公報
【文献】特開昭61-24413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記戻り生コンクリートからの骨材の分離は、生コンクリート製造プラントとは別の場所で行い、回収した骨材をトラックにて生コンクリート製造プラントまで運び、回収した骨材を人力でベルトコンベアに投入しており、いわゆる作業効率が悪いという問題があった。
【0009】
また、上記ミキサ車の洗浄は生コンクリートプラントとは別の場所にて行われ、戻り生コンクリートを生コンクリート製造プラントまで運搬しなければならなかった。さらに、戻り生コンクリート内のセメント成分である上記脱水ケーキは産業廃棄物として廃棄されていた。
【0010】
特許文献1のものは、脱水ケーキを濾滓として貯留するものであり、その後、最終的には固化物として廃棄するものであるから、産業廃棄物が出るものである。
【0011】
特許文献2のものは、脱水ケーキから二次製品を製造するものであり、結果として回収セメントを生コンクリートとして再利用するものではない。
【0012】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、生コンクリート製造プラント内にトロンメル、エーキンス等の分級機、フィルタープレス、ケーキ粉砕機等を具備することにより、従来通り、回収骨材の置換率を5%から20%とし、脱水ケーキを再利用することにより、自己完結型の生コンクリート製造プラントを提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、戻り生コンクリートの再利用が可能なシステムであり、従来の建屋の面積を大幅に小さくすることを可能とした生コンクリート製造プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明は、
第1に、新規骨材貯蔵瓶(26)と、骨材計量槽(28)と、新規セメント貯蔵瓶(27)と、新規セメント計量槽(29)と、ミキサ(31)とを具備する本体(24)を有する生コンクリート製造プラントであって、ミキサ車(2)の回転ドラムミキサ内部を上澄水にて洗浄することにより戻り生コンクリートを排出する洗車場(3)が設けられ、上記洗車場(3)の床面には上記戻り生コンクリートを排出する溝(4)が設けられ、上記溝(4)に連続する上記戻り生コンクリートを溜める原水ピット(4a)が設けられ、上記原水ピット(4a)内のポンプ(5)により上記戻り生コンクリートを分級機(12,13)に送る戻り生コン送り配管(6)が設けられ、上記分級機はトロンメル(12)とエーキンス(13)により構成され、上記トロンメル(12)は上記戻り生コンクリートから回収粗骨材と回収細骨材とを分級すると共に、残りの回収砂と、回収セメントを含む回収スラリー水を、上記エーキンス(13)に導入するものであり、上記エーキンス(13)は上記回収砂を含む上記回収スラリー水から、上記回収砂と、上記回収セメントを含む上記回収スラリー水に分級するものであり、上記トロンメル(12)にて分級された上記回収粗骨材を貯蔵する回収粗骨材貯蔵瓶(11a)が設けられ、上記トロンメル(12)にて分級された上記回収細骨材を貯蔵する回収細骨材貯蔵瓶(11b)が設けられ、上記エーキンス(13)にて分級された上記回収砂を貯蔵する回収砂貯蔵瓶(10)が設けられ、上記エーキンス(13)に配管(72)を介して上記回収スラリー水が溜まるスラリー槽(36)が設けられ、上記本体(24)の上記骨材計量槽(28)は、粗骨材計量槽(28a)と、細骨材計量槽(28b)と、砂計量槽(28c)とから構成され、上記スラリー槽(36)にポンプ(45)により配管(39)を介して上記回収スラリー水がフィルタープレス(40)に導入され、上記フィルタープレス(40)は、上記回収スラリー水から回収セメントの脱水ケーキ(固体)と、上澄水に分離するものであり、上記上澄水を貯留する上澄水槽(8)が設けられ、上記フィルタープレス(40)で分離した上記脱水ケーキ(固体)を粉砕するケーキ粉砕機(50)が設けられ、上記ケーキ粉砕機(50)に、配管(90)を介して清水を供給する清水槽(9a)が設けられ、上記ケーキ粉砕機(50)は、粉砕した上記脱水ケーキ(固体)と上記清水槽(9a)からの上記清水とを混合攪拌して回収セメントを含む清水を生成するものであり、上記ケーキ粉砕機(50)からポンプ(54)により配管(89)を介して上記回収セメントを含む清水を導入する調整水槽(9b)が設けられ、上記調整水槽(9b)からポンプ(58)により配管(59)を介して、上記回収セメントを含む清水を導入して計量する上記本体(24)内の清水計量槽(61)が設けられ、上記清水計量槽(61)内のセメント濃度を計測する濃度計(70)が設けられ、制御部(83)とからなり、上記制御部(83)は、上記回収粗骨材貯蔵瓶(11a)内の上記回収粗骨材、上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)内の上記回収細骨材、上記回収砂貯蔵瓶(10)内の上記回収砂を、上記本体(24)内の上記粗骨材計量槽(28a)、上記細骨材計量槽(28b)、上記砂計量槽(28c)に投入して計量すると共に、骨材全体の100%の重量の内、上記回収粗骨材と上記回収細骨材と上記回収砂の合計重量を5%から20%の範囲内の何れかとする回収骨材計量手段(83a)と、上記本体(24)内の上記新規骨材貯蔵瓶(26)の新規粗骨材貯蔵瓶(26a)、新規細骨材貯蔵瓶(26b)、新規砂貯蔵瓶(26c)内の新規粗骨材と新規細骨材と新規砂の合計重量を、上記粗骨材計量槽(28a)、上記細骨材計量槽(28b)、上記砂計量槽(28c)に投入して計量すると共に、骨材全体の100%の重量の内、上記新規粗骨材と上記新規細骨材と上記新規砂の合計重量を95%から80%の範囲内の何れかとする新規骨材計量手段(83b)と、上記本体(24)内の上記清水計量槽(61)内の上記濃度計(70)により、上記回収セメントを含む清水のセメント濃度が1%~3%の範囲内の何れかとなるように上記清水槽(9a)からの清水をポンプ(84)により配管(85)を介して、上記清水計量槽(61)内に導入して調整するセメント濃度調整手段(83d)と、上記本体(24)内の上記新規セメント貯蔵瓶(27)から新規セメントを上記新規セメント計量槽(29)内に投入するセメント計量手段(83f)と、計量後の上記骨材計量槽(28)内の上記回収粗骨材と上記回収細骨材と上記回収砂の合計重量5%~20%の範囲内の何れかとする重量と、計量後の上記骨材計量槽(28)内の上記新規粗骨材と上記新規細骨材と上記新規砂の合計重量95%~80%の範囲内の何れかとする重量と、上記清水計量槽(61)内の上記セメント濃度が1%~3%の範囲内の何れかの上記回収セメントを含む清水と、上記新規セメント計量槽(29)からの上記新規セメントと、混和剤計量槽(68)内の混和剤と、混和材計量槽(69)内の混和材を、上記ミキサ(31)にて混合することにより生コンクリートを生成する生コンクリート生成手段(83e)と、を有するものである生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0015】
上記分級機は例えばトロンメル(12)とエーキンス(13)等により構成することができる。このように構成すると、戻り生コンクリートから、回収骨材を5%から20%の範囲で再利用することができる。しかも、戻り生コンクリートから生成した脱水ケーキをケーキ粉砕機により粉砕すると共に、清水に混ぜることにより、セメント濃度が例えば2%(1%~3%の範囲内の何れかの濃度)の清水として再利用することができ、従来廃棄していたセメントの脱水ケーキを廃棄することなく、再利用することができる。従って、自己完結型の生コンクリート製造プラントとして非常に有効なものである。また、洗車場から発生した戻り生コンクリートを、原水ピットからポンプにより分級機に送出できるので、人力で骨材をベルトコンベアに投入する必要はなく、作業効率を向上し得る。上記トロンメルとエーキンスを使用することにより、戻り生コンクリートから回収粗骨材と回収細骨材とを分級し、かつ、回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水とに分級することができる。また、回収粗骨材は回収粗骨材貯蔵瓶に、回収細骨材は回収細骨材貯蔵瓶に、回収砂は回収砂貯蔵瓶に保管し得て、計量時は、各々、粗骨材計量槽、細骨材計量槽、砂計量槽にて計量することができるので、極めて便宜である。
【0016】
第2に、上記生コンクリート製造プラントの建屋は複数階構造からなるものであり、上記洗車場(3)が1階に構成され、上記洗車場(3)の上階に上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)及び上記上澄水槽(8)が設けられ、上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)の上階に上記回収粗骨材貯蔵瓶(11a)と上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)が設けられ、上記回収粗骨材貯蔵瓶(11a)と上記回収細骨材貯蔵瓶(11b)の上階に上記分級機(12,13)が設けられ、上記本体(24)の上記ミキサ(31)の下方には上記ミキサ車(2)が駐車し得る駐車場(32)が1階に構成され、上記駐車場(32)の上階において、上記本体(24)に隣接して上記フィルタープレス(40)及び上記ケーキ粉砕機(50)が設置され、上記建屋には、上記分級機(12,13)で生じた上記回収スラリー水を貯蔵する上記スラリー槽(36)と、新規セメントサイロ(62)と、新規骨材サイロ(22)が設けられ、上記新規骨材サイロ(22)には新規骨材を運搬するトラック用のスロープ(15)と、グランドホッパ(16)と、上記新規骨材を上記新規骨材サイロ(22)上に運搬する新規骨材搬入用垂直コンベア(18)が設けられ、上記新規骨材サイロ(22)の下方から上記新規骨材を導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規骨材貯蔵瓶(26)に上記新規骨材を投入する新規骨材投入用垂直コンベア(57)が設けられ、上記新規セメントサイロ(62)には上記新規セメントサイロ(62)の下方から上記新規セメントを導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規セメント貯蔵瓶(27)内に上記新規セメントを圧送するセメント配管(82)が設けられたものである上記第1記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0018】
第2に、上記生コンクリート製造プラントの建屋は複数階構造からなるものであり、上記洗車場(3)が1階に構成され、上記洗車場(3)の上階に上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)及び上記上澄水槽(8)が設けられ、上記清水槽(9a)と上記調整水槽(9b)の上階に上記回収骨材貯蔵瓶(11)が設けられ、上記回収骨材貯蔵瓶(11)の上階に上記分級機(12,13)が設けられ、上記本体(24)の上記ミキサ(31)の下方にはミキサ車(2)が駐車し得る駐車場(32)が1階に構成され、上記駐車場(32)の上階において、上記本体(24)に隣接して上記フィルタープレス(40)及び上記ケーキ粉砕機(50)が設置され、上記建屋には、上記分級機(12,13)で生じた上記回収スラリー水を貯蔵するスラリー槽(36)と、新規セメントサイロ(62)と、新規骨材サイロ(22)が設けられ、上記新規骨材サイロ(22)には新規骨材を運搬するトラック用のスロープ(15)と、グランドホッパ(16)と、上記新規骨材を上記新規骨材サイロ(22)上に運搬する新規骨材搬入用垂直コンベア(18)が設けられ、上記新規骨材サイロ(22)の下方から新規骨材を導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規骨材貯蔵瓶(26)に上記新規骨材を投入する新規骨材投入用垂直コンベア(57)が設けられ、上記新規セメントサイロ(62)には新規セメントサイロ(62)の下方から新規セメントを導入すると共に、上記本体(24)内の上記新規セメント貯蔵瓶(27)内に上記新規セメントを圧送するセメント配管(82)が設けられたものである上記第1記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0019】
上記複数階構造は、例えば4階構造である。このように構成すると、例えば、1つの建屋内の1階部分に洗車場、駐車場、スロープと、上記洗車場の上階部分に調整水槽、上澄水槽、上記調整水槽、上澄水槽の上階部分に回収骨材貯蔵瓶、回収骨材貯蔵瓶の上階部分に分級機を設け、上記駐車場の上階部分にフィルタープレス及びケーキ粉砕機、上記駐車場の上階に本体、さらに上記本体に隣接して新規骨材サイロと、新規セメントサイロと、スラリー槽を設けることができ、敷地面積を縮小して1つの建屋内に自己完結型の生コンクリート製造プラントを構成するこができる。
【0020】
第3に、上記調整水槽(9b)内にセメント濃度を計測する濃度計(64)が設けられ、上記制御部(83)は、清水を上記上澄水槽(8)に導入し、上記上澄水槽(8)内の清水を上記調整水槽(9b)内に導入して、上記濃度計(64)により、上記調整水槽(9b)内のセメント濃度を1%~3%の範囲内の何れかとなるように調整する調整水槽濃度調整手段(83c)を具備しているものである上記第1又は2に記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0021】
このように構成すると、制御部の調整水槽濃度調整手段は、調整水槽内において事前にセメント濃度を略2%に調整することが可能となる
【0022】
第4に、上記戻り生コン送り配管(6)は調整タンク(75)を介して上記分級機(12)に接続され、上記調整タンク(75)から上記原水ピット(4a)に上記戻り生コンクリートが戻る帰り配管(6’)が設けられ、上記帰り配管(6’)に上記戻り生コンクリートの流れにより発電する発電装置(80)が設けられたものである上記第1~3の何れかに記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0023】
このように構成すると、調整タンクから原水ピットに戻り生コンクリートの流れを作ることができ、この流れにより発電する発電装置を設けることができるので、上記発電装置により生コンクリート製造プラント内の各種の電源として使用することができる。
【0024】
第6に、上記ミキサに液化二酸化炭素又は粉体二酸化炭素を投入するものである上記第1~5の何れかに記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0025】
このように構成すると、ミキサ内のセメントの量が減少し、結果としてコンクリートの強度を上昇させることができる。
【0026】
第7に、上記清水計量槽にファインバブル発生装置にて発生したファインバブル水を導入するものである上記第1~6の何れかに記載の生コンクリート製造プラントにより構成される。
【0027】
このように構成すると、清水内に例えばナノバブルが含まれていることにより、結果としてコンクリートの強度を上昇させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は上述のように、戻り生コンクリートから、回収骨材を5%から20%の範囲で再利用することができるし、戻りコンクリートから生成した脱水ケーキをケーキ粉砕機により粉砕すると共に、清水に混ぜることにより、セメント濃度1%~3%の清水として再利用することができ、従来廃棄していた脱水ケーキ(回収セメント)を廃棄することなく、再利用することができる。従って、自己完結型の生コンクリート製造プラントとして非常に有効なものである。
【0029】
また、洗車場から発生した戻り生コンクリートを、原水ピットからポンプにより分級機に送出できるので、人力で骨材をベルトコンベアに投入する必要はなく、作業効率を向上し得る。
【0030】
また、分級機としてトロンメルとエーキンスを使用することにより、戻り生コンクリートから回収粗骨材と回収細骨材とを分級し、かつ、回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水とに分級することができ、また、回収粗骨材は回収粗骨材貯蔵瓶に、回収細骨材は回収細骨材貯蔵瓶に、回収砂は回収砂貯蔵瓶に保管し得て、計量時は、各々、回収粗骨材計量槽、回収細骨材計量槽、回収砂計量槽にて計量することができるので、極めて便宜である。
【0031】
また、1つの建屋内の1階部分に洗車場、駐車場、スロープと、上記洗車場の上階部分に調整水槽、清水槽、調整水槽、清水槽の上階部分に回収骨材貯蔵瓶、回収骨材貯蔵瓶の上階部分に分級機を設け、上記駐車場の上階部分にフィルタープレス及びケーキ粉砕機、上記駐車場の上階に本体、さらに上記本体に隣接して新規骨材サイロと、新規セメントサイロと、スラリー槽を設けることができ、敷地面積を縮小して1つの建屋内に自己完結型の生コンクリート製造プラントを構成するこができる。
【0032】
また、制御部の調整水槽濃度調整手段は、調整水槽内において事前にセメント濃度を略2%に調整することが可能となる。
【0033】
また、調整タンクから原水ピットに戻り生コンクリートの流れを作ることができ、この流れにより発電する発電装置を設けることができるので、上記発電装置により生コンクリート製造プラント内の各種の電源として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明に係る生コンクリート製造プラントの基礎的な構造体(配置)を示す平面図である。
【
図6】同上プラントの
図2のD-D線矢視図である。
【
図7】同上プラントの
図2のE-E線矢視図である。
【
図8】同上プラントの
図2のF-F線矢視図である。
【
図12】同上プラントの制御部の電気的ブロック図である。
【
図13】同上プラントの制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図14】同上プラントの制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【
図15】同上プラントの制御部の機能ブロック図である。
【
図16】(a)はミキサに二酸化炭素を供給する第2実施形態の概念図、(b)は清水計量槽にファインバブルを供給する場合の第3実施形態の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に係る自己完結型の生コンクリート製造プラントについて詳細に説明する。尚、
図1はこの生コンクリート製造プラント1の平面図であり、
図1中に記載した東西南北を基準に説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
まず、図面を参照して、本生コンクリート製造プラント1の全体の構成を説明する。このプラント1は、通常の生コンクリート製造プラントの敷地が約1500坪であったところ、戻り生コンクリートのリサイクル施設を含めて約150坪で構成することができるものであり、施設面積を約1/10とすることが可能となる。
【0039】
この生コンクリート製造プラント1は、略4階建のビルに相当する略立法体形状の建屋(敷地面積は約150坪)であり、全体を壁面で覆った形状となっている(
図9参照)。
【0040】
本件プラント1の概要を説明すると、東側の側面は、概略4階建ての構造となっており、各階毎に構造体(立方体の骨組)7aが設けられている(
図2、
図3、
図6参照)。東側の1階部分には、ミキサ車2の3台分の洗車場3,3,3があり(
図1、
図2、
図6、
図9参照)、各洗車場3,3,3の床面には戻り生コンクリートを排出する溝4が各洗車場3,3,3の床面に連続して設けられており、南側には上記溝4に連続する深い原水ピット4aが設けられており、当該原水ピット4a内にはポンプ5が設けられている。
【0041】
上記洗車場3,3,3の2階部分の構造体7a上には、上澄水槽8(上澄水槽8a,8b)と調整水槽9(清水槽9a、調整水槽9b)が設けられており(
図6、
図9、
図10参照)、洗車場3,3,3の3階部分の構造体7a上には、回収砂貯蔵瓶10と回収砂利貯蔵瓶(回収骨材貯蔵瓶)11(20mmオーバー(20mm~40mmまでの骨材を粗骨材)の回収砂利貯蔵瓶(回収粗骨材貯蔵瓶)11aと、3mmオーバー(3mmを超え20mm未満の細骨材)の回収砂利貯蔵瓶(回収細骨材貯蔵瓶)11b)が設けられており(
図6、
図9参照)、洗車場3,3,3の4階部分の構造体7a上には、分級機としてのトロンメル12とエーキンス13が設けられている(
図6、
図9参照)。尚、戻り生コンクリートから回収された砂利を回収砂利(20mmを超える砂利(40mmまで)を回収粗骨材、3mmを超え20mm未満の砂利を回収細骨材という)、戻り生コンクリートから回収された砂を回収砂(3mm以下の砂から構成される回収骨材)、戻り生コンクリートから回収された「セメント+水」を回収スラリー水という。
【0042】
上記戻り生コンクリートは上記ポンプ5により配管(戻り生コン送り配管)6を介して上記トロンメル12に送出され、該トロンメル12にて砂利が20mmオーバーの回収砂利(回収粗骨材)と3mmオーバー(20mm未満)の回収砂利(回収細骨材)に仕分けされ、上記20mmオーバーの回収砂利が上記回収砂利貯蔵瓶(回収粗骨材貯蔵瓶)11aに投入され、3mmオーバーの回収砂利が上記回収砂利貯蔵瓶(回収細骨材貯蔵瓶)11bに投入される(
図9、
図10参照)。
【0043】
上記トロンメル12で上記砂利以外の回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水はスクリューコンベア33にてエーキンス13に投入され、該エーキンス13にて回収砂と、回収セメントを含む回収スラリー水に分級(分離)され、回収砂(3mm以下)は上記回収砂貯蔵瓶10に投入され、回収セメントを含む上記回収スラリー水は配管72を介して後述のスラリー槽36(36a,36b)に投入される(
図9、
図10参照)。尚、骨材の大きさの定義は本実施例に限るものであり、各種の定義がある。
【0044】
最も北側の上記駐車場3の北側には、新規の骨材の運搬トラック14がバックで登るためのスロープ15が設けられており(
図1、
図5、
図9参照)、上記スロープ15の先端部にはグランドホッパ16が設けられ、グランドホッパ16の下端の出口16aには西側方向を向いた水平のコンベア17が設けられている(
図5参照)。このコンベア17の先端部には、4階部分に到達する骨材搬入用垂直コンベア18が設けられている(
図5、
図9参照)。
【0045】
北側の側面には構造体7bに新規骨材サイロ22が設けられており(
図2、
図5、
図7参照)、新規骨材サイロ22の上部にはターンシュート21が設けられ、上記骨材搬入用垂直コンベア18の上端部と上記ターンシュート21との間には上りのコンベア20が設けられ(
図5参照)、上記骨材搬入用垂直コンベア18にて上昇された新規骨材が上記コンベア20にて上記ターンシュート21に運ばれ、上記ターンシュート21から新規骨材が上記骨材サイロ22内に投入される。
【0046】
上記新規骨材サイロ22は、
図7に示すように、内部が新規粗骨材貯蔵部22a、新規細骨材貯蔵部22b、新規砂貯蔵部22cに分かれており、各々、必要な量が下部の粗骨材出口22a’,細骨材出口22b’、砂出口22c’から下部の水平のコンベア23に投入されるようになっている。上記コンベア23の先端部には骨材投入用垂直コンベア57が設けられており、その上端部から上りのコンベア95を介して本体24のターンシュート25により、各々本体24内の新規骨材貯蔵瓶26(新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26c)に収納されるように構成されている(
図7、
図11参照)。
【0047】
上記骨材サイロ22の南側(建屋の略中央部)には構造体7cが設けられており(
図1、
図4、
図7参照)、構造体7c内には、略立方体形状の本体24が設けられている。この本体24には、
図11に示すように、上段に新規骨材貯蔵瓶26(新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26c)、新規セメント貯蔵瓶27が設けられており、下段に骨材計量槽28(粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c)、新規セメント計量槽29、清水計量槽61、混和剤計量槽68、混和材計量槽69が設けられており、上記新規粗骨材貯蔵瓶26a、上記新規細骨材貯蔵瓶26b、上記新規砂貯蔵瓶26cから所定量の新規骨材が、コンベア67a,67b,67cにより、上記粗骨材計量槽28a、上記細骨材計量槽28b、上記砂計量槽28cに各々投入され(
図11参照)、上記新規粗骨材貯蔵瓶26a、上記新規細骨材貯蔵瓶26b、上記新規砂貯蔵瓶26cから所定量の骨材が、上記粗骨材計量槽28a、上記細骨材計量槽28b、上記砂計量槽28cに投入されるように構成されている。また、新規セメント貯蔵瓶27からコンベア67dにより所定量の新規セメントが新規セメント計量槽29に投入されるように構成されている。
【0048】
また、上記回収砂利貯蔵瓶11(回収粗骨材貯蔵瓶11a、回収細骨材貯蔵瓶11b)からコンベア76,77、コンベア78,79を介して本体24内の粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28bに所定量の骨材が投入され(
図11参照)、上記回収砂貯蔵瓶10からコンベア65,66を介して本体24内の砂計量槽28cに所定量の骨材が投入される(
図11参照)。
【0049】
また、これらの計量槽で計量された生コンクリート材料(その他清水、混和材等)が、下方のミキサ31(例えば2軸ミキサ)に投入され、ミキサ31で攪拌された後、生コンクリートとしてホッパ30を介して下方のミキサ車2の回転ドラムミキサに投入される(
図4参照)。
【0050】
上記本体24の下方の上記ホッパ30は、本体24の中央部下端に設けられており(
図4参照)、上記ホッパ30の下方は、ミキサ車2の駐車場32が形成されており、当該駐車場32に入ったミキサ車2の回転ドラムミキサの中に、上記ホッパ30から生コンクリートが投入されるように構成されている。
【0051】
上記スラリー槽36(36a,36b)は上記駐車場32に隣接した西側の壁面に沿って設けられており(
図1、
図2、
図3参照)、上記スラリー槽36b内の回収スラリー水をポンプ45にて配管39を通してフィルタープレス40に送り(
図3、
図10参照)、このフィルタープレス40により回収セメントを含む回収スラリー水を、脱水ケーキ(固体)と上澄水に分離される。上記フィルタープレス40は、上記駐車場32における南側部分の上方に設けられた構造体7dの3階部分に存在している(
図3、
図7、
図9参照)。そして、上記フィルタープレス40の下方にシュート71を介して固化物バンカ48に接続されており(
図3、
図9、
図10参照)、上記固化物バンカ48に脱水ケーキ(固体)が投入される。
【0052】
一方、上記フィルタープレス40で生成された上澄水は配管41を介して上澄水受槽42(駐車場32の南側の上記構造体7dの2階部分、
図3、
図10参照)に投入される。上記上澄水受槽42からポンプ43にて上記上澄水槽(上澄水受槽)8a、上澄水槽(上澄水受槽)8bに投入され、最終的には調整水槽9bに投入される(
図10参照)。
【0053】
上記脱水ケーキ(固体)は、上記固化物バンカ48からスクリューコンベア49を介してケーキ粉砕機50に投入される(
図3、
図10参照)。また、上記ケーキ粉砕機50には清水槽9aから清水が配管90を介して投入される。上記ケーキ粉砕機50には粉砕羽根52とそれを回転するモータM2が設けられており、脱水ケーキ(固体)を粉砕して清水と混合し、その状態の回収スラリー水
(回収セメントを含む清水)をポンプ54にて配管89を介して上記調整水槽9bに投入する(
図10参照)。よって、回収セメントは廃棄することはない。
【0054】
上記調整水槽9bには複数の攪拌羽根63とそれを回転する複数のモータM3が設けられていると共に、超音波濃度計64が設けられている。そして、上記超音波濃度計64を調整し、セメント濃度が例えば2%であれば、ポンプ58を駆動して、調整水槽9b内の清水を配管59を通して清水槽60を介し、上記本体24内の上記清水計量槽61内に投入する(
図10、
図11参照)。
【0055】
上記生コンクリート製造プラント1の西側の壁面内には新規セメントサイロ62(62a,62b,62c)が設けられている(
図1、
図2参照)。これらの新規セメントサイロ62には下方に取出口62’,62’,62’があり(
図8参照)、必要な量を取出し、セメント配管82を介して本体24の上部のターンシュート25に投入(例えばエア圧送)されるように構成されている。上記セメントサイロ62の北側には電気系統を収納するキュービクル87が設けられている(
図1、
図2、
図9参照)。
【0056】
次に、本発明にかかる生コンクリート製造プラント1の構成をより詳細に説明する。
図2、
図9に示すように、生コンクリート製造プラント1の東側側面の下側には、3台のミキサ車2,2,2の洗車場3,3,3が設けられており(
図2、
図4参照)、上記洗車場3,3,3内において、ミキサ車洗車ライン(6個の上澄水出口)74(
図10参照)にて、ミキサ車2,2,2の回転ドラムミキサ内部を、ポンプ19を駆動することにより、上記上澄水槽8bから配管47を介した上澄水にて洗浄することにより、戻り生コンクリートが上記洗車場3,3,3の床面の溝4に排出され、溝4の端部の原水ピット4aに溜まるように構成されている。
【0057】
上記原水ピット4a内にはポンプ5が設けられており、上記ポンプ5により上記戻り生コンクリートが配管(戻り生コン送り配管)6により上部のトロンメル12に調整タンク75を介して送出されるように構成されている(
図6、
図10参照)。また、上記調整タンク75から帰り配管6’が上記原水ピット4aに戻っており、上記帰り配管6’の上記原水ピット4aの近傍に発電装置80が設けられており、上記帰り配管6’を戻る戻り生コンクリートの流れにより、上記発電装置80の発電羽根が回転し、それによって発電し得るように構成されている。この発電装置80で生成した電力は、建屋の照明、換気等に使用される。また、調整タンク75から原水ピット4aに戻り生コンクリートを戻すのは、上記トロンメル12に導入し得る戻り生コンクリートの量が一定量に制限されているので、それ以上の量の戻り生コンクリートについては、上記帰り配管6’から上記原水ピット4aに戻ることになる。
【0058】
上記東側の側面の2階部分(構造体7a上、洗車場3の上階)には、上澄水槽8(8a,8b)と上記調整水槽9(清水槽9a,調整水槽9b)が設けられ(
図6、
図9、
図10参照)、上記東側の側面の3階部分(構造体7a上)には、上記上澄水槽8の上部分(上階)に回収砂貯蔵瓶10が設けられ(
図6、
図9、
図10参照)、上記調整水槽9の上部分(3階部分、上階)には回収砂利貯蔵
瓶11(20mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶11aと3mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶11b)が設けられ(
図6、
図9、
図10参照)、上記4階部分(構造体7a上、
回収砂貯蔵瓶10
、回収骨材貯蔵瓶11の上階)には分級機としての上記トロンメル12と上記エーキンス13が設けられている(
図6、
図9、
図10参照)。
【0059】
上記東側側面の最も北側の洗車場3のさらに北側には、新規の骨材の運搬トラック14用のスロープ15、及び、新規の骨材用のグランドホッパ16が設けられており(
図5参照)、グランドホッパ16の下方の出口16aには水平のコンベア17(
図5参照)が設けられ、上記水平のコンベア17の先端部には新規骨材搬入用垂直コンベア18が設けられている。上記新規骨材搬入用垂直コンベア18により上昇された新規骨材は、上りのコンベア20によって運搬され、ターンシュート21から下方の新規骨材サイロ22に投入されるように構成されている。
【0060】
上記新規骨材サイロ22には、
図7に示すように、新規粗骨材貯蔵部22a、新規細骨材貯蔵部22b、新規砂貯蔵部22c等に分かれており、ターンシュート21により各骨材毎に各部22a,22b,22cに振りわけられる。また、必要な新規骨材は、新規骨材サイロ22の下方の出口22a’,22b’,22c’から水平のコンベア23に投入され、新規骨材投入用垂直コンベア57を介して上昇され、上りのコンベア95を介して本体24のターンシュート25に投入され、本体24内の新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26cに投入されるように構成されている(
図7、
図11参照)。
【0061】
上記トロンメル12及びエーキンス13の西側の略中央部には、上記本体24が4階部分から下方向けて設けられており(
図2、
図4、
図9参照)、当該本体24には、
図11に示すように、上段に新規セメント貯蔵瓶27、新規骨材貯蔵瓶26(新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26c)が設けられており、その下段には、新規セメント計量槽29、骨材計量槽28(粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c)、清水計量槽61、混和剤計量槽68、混和材計量槽69が設けられ、さらに下方にミキサ(例えば2軸ミキサ)31及びホッパ30が設けられており、各計量槽にて計量された生コンクリートの原料が、ミキサ31で混合され、生成された生コンクリートがホッパ30を介してミキサ車2の回転ドラムミキサに投入されるように構成されている(
図4、
図11参照)。
【0062】
上記生コンクリート製造プラント1の上記本体24は、
図4に示すように、上記ホッパ30の下方が駐車場32側に向いており、上記駐車場32にミキサ車2が入ると、上記ミキサ車2の回転ドラムミキサに生コンクリートが注入されるように構成されている。
【0063】
図10に示すように、上記配管6を介して上記トロンメル12に投入された戻り生コンクリートは、上記トロンメル12によって、骨材は20mmオーバーの回収砂利(粗骨材)が上記回収砂利貯蔵瓶11aに投入され、3mmオーバーの回収砂利(細骨材)が上記回収砂利貯蔵瓶11bに投入され、それ以外の回収「砂+セメント+水」(回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水)が、スクリューコンベア33を通ってエーキンス13に投入される。上記エーキンス13は上記回収砂と回収スラリー水を分級(分離)するものであり、回収砂は、エーキンス13の先端部から上記回収砂貯蔵瓶10に投入され、回収スラリー水は、エーキンス13の後端部から集合タンク34に投入され、配管72を介してスラリー槽36aに投入される。上記スラリー槽36a,36bは、上記駐車場32の西側に設けられている。
【0064】
図10に示すように、上記20mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶11aに投入された回収砂利(粗骨材)は、コンベア76、コンベア77により本体24内の上記粗骨材計量槽28a(上記骨材計量槽28)に必要な量が投入される。また、3mmオーバーの砂利貯蔵槽11bに投入された回収砂利(細骨材)は、コンベア78、コンベア79により本体24の上記細骨材計量槽28b(上記骨材計量槽28)に必要な量が投入される。また、エーキンス13から上記回収砂貯蔵瓶10に投入された回収砂は、コンベア65、スクリューコンベア66により本体24内の上記砂計量槽28cに必要な量が投入される。
【0065】
本体24においては、上記新規骨材サイロ22からコンベア23、新規骨材投入用垂直コンベア57、コンベア95(
図7参照)を介してターンシュート25により、本体24内の新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵槽26b、新規砂貯蔵瓶26c(新規骨材貯蔵瓶26)に骨材が投入されており、各々必要な量が、上記新規粗骨材貯蔵瓶26aからコンベア67aを介して上記粗骨材計量槽28a、上記新規細骨材貯蔵瓶26bからコンベア67bを介して上記細骨材計量槽28b、上記新規砂貯蔵瓶26cからコンベア67cを介して上記砂計量槽28c(上記骨材計量槽28)に投入される(
図11参照)。
【0066】
そして、制御部83(
図15、回収骨材計量手段83a)は、上記回収粗骨材貯蔵瓶11a、上記回収細骨材貯蔵瓶11b、及び、上記回収砂貯蔵瓶10から本体24内の上記粗骨材計量槽28a、上記細骨材計量槽28b、上記砂計量槽28cに投入される回収骨材の重量が(回収粗骨材+回収細骨材+回収砂の合計重量)、骨材全体の重量を100%とすると、20%以内の重量(5%~20%の範囲内の何れかの重量)となるように計量する。例えば、回収骨材の重量が20%であったとする。
【0067】
その後、制御部83(
図15、新規骨材計量手段83b)は、新規骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26c(新規骨材貯蔵瓶26)から、上記粗骨材計量槽28a、上記細骨材計量槽28b、上記砂計量槽28cに投入される新規骨材の重量が(新規粗骨材+新規細骨材+新規砂の合計重量)、骨材全体の重量を100%とすると、80%以上(100%以内、95%~80%の範囲内の何れかの重量)の重量となるように計量する。例えば、回収骨材の重量が20%であったとすると、新規骨材の重量は80%となる。
【0068】
ところで、回収骨材の重量が(骨材全体の重量(100%))15%の重量であったとすると、新規骨材の重量は85%の重量、回収骨材の重量が(骨材全体の重量(100%))5%の重量である場合は、新規骨材の重量は95%となる。
【0069】
また、製造される生コンクリートは、普通コンクリート、軽量コンクリート、舗装コンクリート、高強度コンクリート等があるが、製造される生コンクリートに応じて、粗骨材の最大寸法が定められている。
【0070】
一方、上記スラリー槽36a,36bは、バルブ37により連結されており、上記スラリー槽36aに投入された回収スラリー水は、スラリー槽36bにも供給される(
図10参照)。上記スラリー槽36a,36bには、各々攪拌羽根38,38が設けられており、常時モータM1,M1にて攪拌されている。
【0071】
上記スラリー槽36bにはポンプ45が設けられており、上記回収スラリー水は、配管39を介してフィルタープレス40に送られる。尚、一部の回収スラリー水が配管39から分岐する配管85を介して上記調整水槽9bに送られる。
【0072】
上記フィルタープレス40は、上記ミキサ車2の上記駐車場32の上方に構造体7dが設けられており、その上方の構造体7d上(3階部分、駐車場32の上階)に設けられている(
図3参照)。このフィルタープレス40は、スラリー槽36bからの配管39を介しての回収セメントを含む回収スラリー水を、上澄水と脱水ケーキ(固体)とに分離するものであり(
図10参照)、上澄水は配管41から上澄水受槽42に一旦投入され、ポンプ43により配管44を介して上記上澄水槽(上澄水受槽)8aに投入され、さらに上記上澄水槽(上澄水受槽)8bに配管46から投入される。上記上澄水槽8bはポンプ19により配管47を介してミキサ車2の洗車場3,3,3に配管され、ミキサ車洗車ライン74(6個の上澄水の出口)がミキサ車2の回転ドラムミキサの洗浄に使用される。尚、上記上澄水槽8bの上澄水は、ポンプ96によって配管94を介して上記調整水槽9bに送出される。
【0073】
一方、上記フィルタープレス40により発生した脱水ケーキ(固化物)は、固化物バンカ48に投入され、スクリューコンベア49を介してケーキ粉砕機50(駐車場32の上階)に投入される(
図3、
図10参照)。尚、固化物バンカ48にてあふれた分は、ダンプ車81に投入される。しかしながら、ダンプ車81に投入された脱水ケーキ(固化物)も清水に混ぜて再利用する。
【0074】
上記ケーキ粉砕機50は、内部に粉砕羽根52とそれを回転するモータM2が設けられており、清水槽9aから配管90を介して送られる清水と上記脱水ケーキが混合、攪拌され、ポンプ54から配管89を介して、上記調整水槽9bに送出される(
図10参照)。
【0075】
上記調整水槽9bは、上記清水と脱水ケーキ(固体)の混合水(配管89から)、及び、スラリー槽36bから配管85を介して送られた回収スラリー水が溜まる状態となる。この調整水槽9bには、超音波濃度計64が設けられており、制御部83(
図15、調整水槽濃度調整手段83c)は、調整水槽9b内の水のセメント濃度が1%~3%の範囲内の何れか(例えば2%)になるように調整する。具体的には、上記制御部83(調整水槽濃度調整手段83c)は、上記上澄水槽8bからの上澄水をポンプ96を介して配管94を介して調整水槽9bに投入することで上記濃度を調整する。
【0076】
上記濃度は例えば質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)をいう。上記調整水槽9b内の清水(溶媒)の質量をK1[g]、回収セメント(溶質)の質量をK2[g]とすると、溶液の濃度は、
質量パーセント濃度[%]=溶質の質量/溶液の質量
=(K2[g]/(K1[g]+K2[g])×100 (1)
が、1%~3%の範囲内の何れかの濃度となるように調整される。即ち、上記制御部83(
図15、調整水槽濃度調整手段83c)は、超音波濃度計64にて、上記回収セメントの濃度が、上記質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)となるように調整する。
【0077】
この調整水槽9bにはポンプ58が設けられており、配管59により上記本体24の清水槽60を介して本体24内の上記清水計量槽61に投入される(
図10、
図11参照)。この清水計量槽61には超音波濃度計70が設けられており、清水計量槽61内の清水のセメント濃度が例えば2%となるように調整される。具体的には、上記制御部83(
図15、セメント濃度調整手段83d)は、上記清水槽9aからの清水を、ポンプ84を介して配管85を介して清水槽86を通って上記清水計量槽61に投入することで上記濃度を調整する。上記清水計量槽61内において、セメント濃度が2%(1%~3%の範囲内の何れか、現行のJIS規格は濃度は3%以内となっている)に調整された水は、上記ミキサ31に投入される(
図11参照)。
【0078】
上記濃度は例えば質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)をいう。上記清水計量槽61内の清水(溶媒)の質量をK3[g]、回収セメント(溶質)の質量をK4[g]とすると、溶液の濃度は、
質量パーセント濃度[%]=溶質の質量/溶液の質量
=(K4[g]/(K3[g]+K4[g])×100 (2)
が、1%~3%の範囲内の何れかの濃度となるように調整される。即ち、上記制御部83(
図15、セメント濃度調整手段83d)は、超音波濃度計70にて、上記回収セメントの濃度が、上記質量パーセント濃度(重量パーセント濃度)となるように調整する。
【0079】
上記生コンクリート製造プラント1の西側には新規セメントサイロ62(62a,62b,62c)が設けられている(
図2、
図8、
図9参照)。この新規セメントサイロ62には新規のセメントが投入されており、下方の出口62’より一定量が投入され、セメント配管82(
図8参照)から本体24のターンシュート25にエア圧送され、本体24内の上記新規セメント貯蔵瓶27に投入され、新規セメントがコンベア67dを介して、上記新規セメント計量槽29で計量される(
図11、
図15、セメント計量手段83f参照)。
【0080】
上記生コンクリート製造プラント1の上記新規セメントサイロ62の北側は、電気系機器が収納されたキュービクル87が設けられている(
図1、
図2、
図5参照)。
【0081】
上記新規セメント計量槽29、清水計量槽61(回収セメントが例えば2%含まれる)、粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c(骨材計量槽28)(例えば、回収骨材は20%、新規骨材は80%)、混和剤計量槽68、混和材計量槽69が各々計量され、これらの計量槽で計量された生コンクリート原料がミキサ31に投入され、ミキサ31にて混合され、生コンクリートが生成され、ホッパ30を介して、下方の出口30’より駐車場32内に駐車しているミキサ車2の回転ドラムミキサに投入される。
【0082】
このように、回収骨材を最大20%、清水内に回収セメントを例えば2%含んだ状態で、新規の生コンクリートを生成することができる。
【0083】
図12は本発明の制御部83に係る電気的構成を示すものであり、上記制御部83にはコンベア65,66、コンベア76,77,78,79、コンベア67a~67dが接続され、粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c(骨材計量槽28)が各々接続され、ミキサ31、出口30’のシャッターのシリンダ30”が接続され、ポンプ96,58,88が各々接続され、超音波濃度計64,70が接続され、かつ、清水計量槽61、混合剤計量槽68、混合材計量槽69が接続されている。上記制御部83はCPUを有するものであり、内部メモリに記憶された
図13、
図14に示すプログラムに従って動作するものである。また、
図15は上記制御部83の機能ブロックであり、以下の動作説明と共に説明する。
【0084】
以下、本発明の生コンクリート製造プラント1の動作を
図13、
図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0085】
尚、新規骨材サイロ22には、運搬トラック14がスロープ15に上り、新規骨材をグランドホッパ16に投入することで、コンベア17及び新規骨材搬入用垂直コンベア18を介して骨材サイロ22に投入され、各々の新規粗骨材貯蔵部22a、新規細骨材貯蔵部22b、新規砂貯蔵部22cに新規細骨材、新規粗骨材、新規砂が投入されているものとする。また、上記骨材サイロ22の下部の出口22a’,22b’,22c’からコンベア23に骨材が落下投入され、新規骨材投入用垂直コンベア57を介してコンベア95より本体24のターンシュート25に投入され、骨材毎に、上記ターンシュート25から本体24内の新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26c(新規骨材貯蔵瓶26)に投入されているものとする(
図7、
図11参照)。
【0086】
また、新規セメントサイロ62の新規セメントが、出口62’からセメント配管82に導入され、セメント配管82から本体24のターンシュート25にエア圧送され(
図8参照)、上記ターンシュート25から本体24内の新規セメント貯蔵瓶27内に新規セメントが貯蔵されているものとする。
【0087】
また、制御部83は予め新規骨材と回収骨材の重量の割合(例えば新規骨材が80%、回収骨材が20%)を操作者が入力しており、制御部83はその割合を記憶している。また、制御部83は調整水槽9bのセメント濃度、及び、清水計量槽61のセメント濃度が、各々1%~3%の範囲の何れかの濃度(例えば2%の濃度)となるように操作者が入力しており、制御部83はその濃度を記憶している。
【0088】
また、駐車場3,3,3にはミキサ車2,2,2が駐車しており、ミキサ車洗車ライン74により各回転ドラムミキサ内のコンクリートが洗浄され、戻り生コンクリートが溝4に流れ、原水ピット4aに溜まっているものとする(
図2参照)。
【0089】
その後、ポンプ5を作動すると、戻り生コンクリートが配管6を介して調整タンク75を介してトロンメル12に投入される。トロンメル12では、回収砂利(回収粗骨材、回収細骨材)と、回収「砂+セメント+水」(回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水)に分離され、回収砂利(骨材)は20mmオーバーの回収砂利(回収粗骨材)と、3mmオーバーの回収砂利(回収細骨材)とに分離され、20mmオーバーの回収砂利(回収粗骨材)は20mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶(回収粗骨材貯蔵瓶)11aに投入され、3mmオーバーの回収砂利(回収細骨材)は3mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶(回収細骨材貯蔵瓶)11bに投入される(
図10、
図11参照)。
【0090】
また、分離された回収「砂+セメント+水」(回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水)はスクリューコンベア33からエーキンス13に投入される。
【0091】
ここで制御部83(
図15、回収粗骨材計量手段83a
1、回収骨材計量手段83a)は、製造する生コンクリートに応じて、20mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶11aからコンベア76、コンベア77を駆動して20mmオーバーの回収砂利(回収粗骨材)を、本体24内の粗骨材計量槽28a(骨材計量槽28)に所定量投入し、計量する(
図10、
図11、
図13P1,P2参照)。さらに、制御部83(
図15、回収細骨材計量手段83a
2、回収骨材計量手段83a)は、製造する生コンクリートに応じて、3mmオーバーの回収砂利貯蔵瓶11bからコンベア78、コンベア79を駆動して3mmオーバーの回収砂利(回収細骨材)を、本体24内の細骨材計量槽28b(骨材計量槽28)に所定量投入し、計量する(
図10、
図11、
図13P3,P4参照)。
【0092】
また、トロンメル12で分離された回収「砂+セメント+水」は、スクリューコンベア33を介してエーキンス13に投入され、エーキンス13にて回収砂と、回収セメントを含む回収スラリー水に分離され、回収砂は、回収砂貯蔵瓶10に投入され、上記回収スラリー水は集合タンク34を介して配管72を介してスラリー槽36aに投入される(
図10参照)。
【0093】
制御部83(
図15、回収砂計量手段83a
3、回収骨材計量手段83a)は、製造する生コンクリートに応じて、コンベア65、スクリューコンベア66を駆動して、回収砂貯蔵瓶10に投入された回収砂を、本体24内の砂計量槽28c(骨材計量槽28)に所定量投入し、計量する(
図10、
図11、
図13P5,P6参照)。
【0094】
このとき制御部83(回収骨材計量手段83a)は、粗骨材計量槽28aと細骨材計量槽28bと砂計量槽28cの回収骨材全体が、骨材全体の重量(100%)の20%以下(5%~20%の範囲内の何れかの重量)か否かを判断する(
図13P7参照)。この場合、骨材全体の重量(100%)において、回収骨材全体の重量が20%であるとする。従って、制御部83は、回収骨材の重量が20%になるまで、上記コンベア76,77、上記コンベア78,79、上記コンベア65,66を駆動する。
【0095】
そして、制御部83(
図15、回収骨材
計量手段83a)は回収骨材の重量が骨材全体の重量の20%になったとすると(
図13P7参照)、次に、新規骨材の計量動作に移行する(
図13ステップP8以降)。
【0096】
さらに制御部83(
図15、新規粗骨材計量手段83b
1、新規細骨材計量手段83b
2、新規砂計量手段83b
3、新規骨材計量手段83b)は、製造する生コンクリートに応じて、本体24内の新規粗骨材貯蔵瓶26a、新規細骨材貯蔵瓶26b、新規砂貯蔵瓶26cから、上記粗骨材計量槽28a、上記細骨材計量槽28b、上記砂計量槽28c(骨材計量槽28)に所定量を投入し、計量する(
図11、
図13P8~P13参照)。
【0097】
即ち、制御部83(新規骨材計量手段83b)は、本体24内の新規粗骨材貯蔵瓶26aから本体24内の上記粗骨材計量槽28aへのコンベア67aを駆動して新規粗骨材を上記粗骨材計量槽28aに投入し(
図15、新規粗骨材計量手段83b
1、
図13P8,P9参照)、本体24内の新規細骨材貯蔵瓶26bから本体24内の上記細骨材計量槽28bへのコンベア67bを駆動して新規細骨材を上記細骨材計量槽28bに投入し(
図15、新規細骨材計量手段83b
2、
図13P10,P11参照)、本体24内の新規砂貯蔵瓶26cから本体24内の上記砂計量槽28cへのコンベア67cを駆動して新規砂を上記砂計量槽28cに投入する(
図15、新規砂計量手段83b
3、
図13P12,P13参照)。
【0098】
このとき制御部83(
図15、新規骨材計量手段83b)は、粗骨材計量槽28aと細骨材計量槽28bと砂計量槽28cの新規骨材全体が、骨材全体の重量(100%)の80%以上(95%~80%の範囲内の重量)か否かを判断する(
図13P14参照)。この場合、骨材全体の重量(100%)において、回収骨材全体の重量が20%であるとする。従って、制御部83は、新規骨材の重量が80%になるまで、上記各コンベア67a~67cを駆動する。
【0099】
そして、制御部83(
図15、新規骨材計量手段83b)は新規骨材の重量が骨材全体の重量の80%になったとすると(
図13P14参照)、次のステップ(
図14のステップP15)に移行する。
【0100】
制御部83(
図15、回収骨材計量手段83a)は、製造する生コンクリートに応じて、骨材計量槽28(粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c)が骨材全体の重量の100%の内、回収骨材が、20%以下(5%~20%の範囲内の重量、ここでは20%とする)の重量となるように演算し、制御部83(
図15、新規骨材計量手段83b)は、骨材貯蔵槽28(粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28c)が骨材全体の重量の100%の内、新規骨材が、80%以上(95%~80%の範囲内の重量、ここでは80%とする)となるように演算する。
【0101】
即ち、
新規骨材の重量:回収骨材の重量=80%:20%
となるように構成する。より具体的には、
新規骨材の重量:回収骨材の重量=95%~80%:5%~20%
となる。
【0102】
即ち、制御部83には、骨材全体の100%の重量の内、上記回収骨材の重量を5%から20%の範囲内の何れかとする回収骨材計量手段83aと、上記新規骨材貯蔵瓶内の上記新規骨材を、上記骨材計量槽に投入して計量し、骨材全体の100%の重量の内、上記新規骨材の重量を95%から80%の範囲内の何れかとする新規骨材計量手段83bが設けられる。
【0103】
尚、例えば、回収骨材(回収粗骨材、回収細骨材、回収砂)の重量(骨材計量槽28)が15%であれば、新規骨材(新規粗骨材、新規細骨材、新規砂)の重量(骨材計量槽28)が85%となる。生コンクリートの種類によっては、新規粗骨材のみ、新規細骨材のみ、新規砂のみ、或いは、新規粗骨材と新規細骨材のみ等、となる場合もあり、新規粗骨材、新規細骨材、新規砂の組み合わせは自由である(この場合、回収粗骨材のみ、回収細骨材のみ、回収砂のみ、或いは、回収粗骨材と回収細骨材のみ、となる場合もあり、回収粗骨材、回収細骨材、回収砂の組み合わせは自由である)。
【0104】
また、回収粗骨材、回収細骨材、回収砂の各重量も自由であり、新規粗骨材、新規細骨材、新規砂の各重量も自由であるが、回収粗骨材、回収細骨材、回収砂の合計重量が骨材全体の20%以下(20%~5%の何れかの重量)、新規粗骨材、新規細骨材、新規砂の合計重量が骨材全体の80%以上(80%~95%の何れかの重量)となるように構成される。
【0105】
但し、新規骨材が、例えば新規粗骨材と新規細骨材のみの場合は、回収粗骨材と回収細骨材のみとなり、この場合、「新規粗骨材+新規細骨材」の割合は例えば80%、「回収粗骨材+回収細骨材」の割合は例えば20%となる。即ち、回収骨材の構成は新規骨材の構成に合わせるように構成される。また、骨材の全体重量100%の内、回収骨材が20%の重量であるとすると、新規骨材の重量は100%の骨材全体重量の内、80%の重量となるまで骨材計量槽28にて計量すれば良い。
【0106】
一方、上記エーキンス13で分離された回収セメントを含む上記回収スラリー水は、集合タンク34を介してスラリー槽36aに投入され、バルブ37によりスラリー槽36bにも投入され、回収スラリー水は両スラリー槽36a,36bに同一水位に維持される。上記スラリー槽36a,36b内には攪拌羽根38,38が設けられ、モータM1,M1により攪拌され、常時、回収スラリー水は常時攪拌されている。
【0107】
スラリー槽36b内のポンプ45は、スラリー槽36b内の回収スラリー水を、配管39を介してフィルタープレス40に投入する。フィルタープレス40は、回収スラリー水を回収セメントの脱水ケーキ(固体)と上澄水に分離するものである。このフィルターブレス40は生成した脱水ケーキ(固体)を固化物バンカ48にシュート71を介して投入する。上記固化物バンカ48は、内部の脱水ケーキ(固体)を、スクリューコンベア49を介してケーキ粉砕機50に投入する(
図10参照)。また、フィルタープレス40は、上記上澄水を配管41を介して上澄水受槽42に投入し、ポンプ43を駆動して配管44を介して上澄水槽8aに投入し、同時に配管46を介して上澄水槽8bにも投入する(
図10参照)。
【0108】
上記ケーキ粉砕機50では、井戸(又は清水槽)92からポンプ88により配管93を介して清水槽9aに投入された清水が、配管90を介して上記ケーキ粉砕機50に投入され、内部の粉砕羽根52をモータM2により駆動し、上記脱水ケーキ(固体)が粉砕、攪拌され、脱水ケーキが清水に溶けて清水(スラリー水)となり、当該清水(スラリー水)がポンプ54により配管89を介して調整水槽9bに投入される。また、上記井戸(又は清水槽)92からポンプ88により配管91を介して上澄水槽8aに清水が投入される。
【0109】
上記調整槽9bでは、上記スラリー槽36bから配管39から分岐した配管85を介して回収スラリー水が投入され、内部の攪拌羽根63,63がモータM3,M3により回転駆動され、内部のスラリー水が攪拌される。
【0110】
上記制御部83(
図15、調整水槽濃度調整手段83c)は、調整水槽9bの超音波濃度計64の濃度データを常時監視しており(
図10、
図14P15参照)、セメントの濃度(質量パーセント濃度)が常時例えば2%(1%~3%の範囲内の濃度)となるように調整する(
図14P16、上記式(1)参照)。具体的には上記井戸92からの清水をポンプ88にて配管93から清水槽9aに投入し、配管90から上記ケーキ粉砕機50に投入される清水の量を増加又は減少し、ケーキ粉砕機50からポンプ54を介して配管89にて調整水槽9bに投入されるスラリー水のセメント濃度を調整する(
図14P16、P17参照)。
【0111】
また、制御部83(
図15、調整水槽濃度調整手段83c)は、上澄水槽8bのポンプ96を駆動して、配管94を介して調整水槽9bに投入される上澄水の量を増加又は減少し、調整水槽9b内のセメント濃度を調整する(
図14、P16,P17参照)。そして、最終的に調整水槽9bのスラリー水のセメント濃度が2%となるように調整する(
図14P16参照)。
【0112】
制御部83(
図15、調整水槽濃度調整手段83c)は、調整水槽9bのセメント濃度が例えば2%になると、調整水槽9b内の回収スラリー水を、ポンプ58を駆動して(
図10、
図14P18参照)、配管59を介して本体24内の清水槽60を介して、本体24内の清水計量槽61内に投入する(
図10、
図14P19参照)。制御部83(
図15、セメント濃度調整手段83d)は、最終的に清水計量槽61内の超音波濃度計70にて回収スラリー水のセメント濃度(質量パーセント濃度)が2%となるように調整する(
図10,
図14P20,P21、上記式(2)参照)。具体的には、上記清水槽9aからポンプ84を駆動して配管85を介して本体24内の清水槽86の清水を清水計量槽61に投入して濃度を調整する(
図10、
図14P22参照)。そして、制御部83(
図15、セメント濃度調整手段83d)は清水計量槽61の超音波濃度計70のセメント濃度が例えば2%(1%~3%の何れかの濃度)になることを確認する(
図10、
図14P21参照)。
【0113】
尚、ここで、操作者は、上記清水計量槽61の清水のセメント濃度が2%であることを印刷する(
図14P23参照)。即ち、上記制御部83には、上記セメントを含む清水のセメント濃度が1%~3%の範囲内の何れかとなるように上記清水槽86からの清水を上記清水計量槽61内に導入して調整するセメント濃度調整手段83dを有している。
【0114】
上記制御部83(
図15、セメント計量手段83f)は、新規セメント貯蔵瓶27内の新規セメントをコンベア67dを介して新規セメント計量槽29に所定量を投入し、計量する(
図14P24,P25参照)。
【0115】
その後、制御部83(
図15、生コンクリート生成手段83e)は、骨材計量槽28(回収骨材の重量20%と、新規骨材の重量80%)と、清水計量槽61(回収されたセメントの濃度2%の清水)、新規セメント計量槽29、混和剤計量槽68、混和材計量槽69の合計の原料を、ミキサ31に投入する(
図13P26参照)。
【0116】
ミキサ31では、上記回収骨材、新規骨材、新規セメント、清水、混和剤、混和材が混合されることで生コンクリートが生成され、ミキサ31の下方の出口30’のシリンダ30”が駆動されることによりシャッターが開成され(
図4、
図11、
図13P26、P27参照)、下方のミキサ車2の回転ドラムミキサ内に投入される。
【0117】
このように、第1の実施形態では、回収骨材を5%~20%の範囲内の何れかの重量で再利用することができ、回収セメントも清水としてセメント濃度1%~3%の濃度で再利用することができ、極めて実用的なものである。尚、上記回収セメントの濃度は質量パーセント濃度であったが、モル濃度であっても良い。
【0118】
(第2の実施形態)
図16(a)に示すように、液体二酸化炭素(CO
2)タンク80a又は液体二酸化炭素発生装置80b、或いは、粉体の二酸化炭素(CO
2)タンク85a又は粉体二酸化炭素発生装置85bを設け、上記液体二酸化炭素タンク80a又は液体二酸化炭素発生装置80b、或いは、粉体二酸化炭素タンク85a又は粉体二酸化炭素発生装置85bからミキサ31に液体二酸化炭素、或いは、粉体の二酸化炭素を投入する。
【0119】
上記ミキサ31内では、液体二酸化炭素(CO2)、或いは、粉体の二酸化炭素(CO2)が投入されることで、上記生コンクリート材料(セメント、骨材、清水、混和剤、混和材)と液体二酸化炭素或いは粉体の二酸化炭素と共に混合攪拌される。
【0120】
その結果、生コンクリートのセメントの量が減少し、最終的に硬化したコンクリートの強度を増大させることができる。尚、液体二酸化炭素、或いは、粉体の二酸化炭素は、購入することにより入手することができる。
【0121】
(第3の実施形態)
図16(b)に示すように、本体24内の清水計量槽61に、ファインバブル発生装置86を設け、清水計量槽61内の清水を導入して、上記発生装置86内にてファインバブルを清水中に投入し、その清水を上記清水計量槽61内に投入する。ファインバルブは、マイクロバブル(気泡の直径が1μm~100μm)、マイクロナノバブル(気泡の直径が600nm程度)、ナノバブル(気泡の直径が数十nm~数百nm)を含む概念である。
【0122】
特に、マイクロナノバブルとナノバブルは気泡がナノレベルであり、清水中で気泡が浮上せず、清水中に気泡が長期残存する性質がある。
【0123】
このようなファインバブル(特に、マイクロナノバブルとナノバブル)を上記清水計量槽61中に入れると、ファインバブル水の効果により、最終的に硬化したコンクリートの強度が上昇するという効果を発揮する。
【0124】
本発明は以上のように、戻り生コンクリートから、回収骨材の重量が、5%から20%の範囲で再利用することができるし、戻り生コンクリートから生成した脱水ケーキをケーキ粉砕機50により粉砕すると共に、清水に混ぜることにより、セメント濃度1%~3%の清水として再利用することができ、従来廃棄していた脱水ケーキ(回収セメント)を廃棄することなく、再利用することができる。従って、自己完結型の生コンクリート製造プラント1として非常に有効なものである。
【0125】
また、洗車場32から発生した戻り生コンクリートを、原水ピット4aからポンプ5により分級機12,13に送出できるので、人力で骨材をベルトコンベアに投入する必要はなく、作業効率を向上し得る。
【0126】
また、分級機としてトロンメル12とエーキンス13を使用することにより、戻り生コンクリートから回収粗骨材と回収細骨材とを分級し、かつ、回収砂と回収セメントを含む回収スラリー水とに分級することができ、また、回収粗骨材は回収粗骨材貯蔵瓶11aに、回収細骨材は回収細骨材貯蔵瓶11bに、回収砂は回収砂貯蔵瓶10に保管し得て、計量時は、各々、粗骨材計量槽28a、細骨材計量槽28b、砂計量槽28cにて計量することができるので、極めて便宜である。
【0127】
また、1つの建屋内の1階部分に洗車場3、駐車場32、スロープ16と、例えば、上記洗車場3の2階部分に調整水槽9、清水槽8、3階部分に回収骨材貯蔵瓶11(11a,11b)、4階部分に分級機12,13を設け、例えば、上記駐車場32の例えば2階部分又は3階部分にフィルタープレス40及びケーキ粉砕機50、上記駐車場32の上階に本体24、さらに上記本体24に隣接して新規骨材サイロ22と、新規セメントサイロ62と、スラリー槽32を設けることができ、プラントの敷地面積を縮小して1つの建屋内に自己完結型の生コンクリート製造プラント1を構成するこができる。
【0128】
また、制御部83の調整水槽濃度調整手段83cは、調整水槽9内において事前にセメント濃度を略2%に調整することが可能となる。
【0129】
また、調整タンク75から原水ピット4aに戻り生コンクリートの流れを作ることができ、この流れにより発電する発電装置80を設けることができるので、上記発電装置80により生コンクリート製造プラント1内の各種の電源として使用することができる。
【0130】
また、ミキサ31内に液化二酸化炭素又は紛体二酸化炭素を供給することにより、ミキサ31内のセメントの量が減少し、結果としてコンクリートの強度を上昇させることができる。
【0131】
また、清水内に例えばナノバブル(ファインバブル)が含まれていることにより、結果としてコンクリートの強度を上昇させることができる。
【0132】
図2中、配管73はセメント点検用の配管、
図10中、符号97は水位のレベラー、同図中、配管56は配管39から調整水槽9bへの別ルートである。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明に係る生コンクリート製造プラントによると、回収骨材を利用し得ると共に、脱水ケーキを廃棄することなく、清水に混ぜて再利用することができるので、自己完結型のプラントとして極めて有効なものである。
【符号の説明】
【0134】
1 生コンクリート製造プラント
2 ミキサ車
3 洗車場
4a 原水ピット
5 ポンプ
6 配管(戻り生コン送り配管)
6’ 帰り配管
8 上澄水槽
8a,8b 上澄水槽
9 調整水槽
9a 清水槽
9b 調整水槽
10 回収砂貯蔵瓶
11 回収骨材貯蔵瓶
11a 回収粗骨材貯蔵瓶
11b 回収細骨材貯蔵瓶
12 トロンメル(分級機)
13 エーキンス(分級機)
15 スロープ
16 グランドホッパ
18 骨材搬入用垂直コンベア
22 新規骨材サイロ
24 本体
26 新規骨材貯蔵瓶
27 新規セメント貯蔵瓶
28 骨材計量槽
28a 粗骨材計量槽
28b 細骨材計量槽
28c 砂計量槽
29 新規セメント計量槽
31 ミキサ
32 駐車場
36 スラリー槽
36a,36b スラリー槽
40 フィルタープレス
50 ケーキ粉砕機
57 骨材投入用垂直コンベア
61 清水計量槽
62 新規セメントサイロ
64 超音波濃度計(濃度計)
70 超音波濃度計(濃度計)
75 調整タンク
80 発電装置
80a 液体二酸化炭素タンク
80b 液体二酸化炭素発生装置
82 セメント配管
83 制御部
83a 回収骨材計量手段
83b 新規骨材計量手段
83c 調整水槽濃度調整手段
83d セメント濃度調整手段
83e 生コンクリート生成手段
83f セメント計量手段
85a 粉体二酸化炭素タンク
85b 粉体二酸化炭素発生装置
86 ファインバブル発生装置
92 井戸(又は清水槽)
【要約】
【課題】分級機、ケーキ粉砕機等を具備することにより、セメントを廃棄しない自己完結型の生コンクリート製造プラントを提供する。
【解決手段】ミキサ車の回転ドラムミキサを洗浄する洗車場を有し、戻り生コンクリートを溜める原水ピットと、ポンプにより戻り生コンクリートを分級機に送り、分級機は戻り生コンクリートを回収骨材と回収スラリー水に分級し、回収スラリー水からセメントの脱水ケーキと上澄水に分離するフィルタープレスを設け、脱水ケーキを粉砕するケーキ粉砕機を設け、ケーキ粉砕機は脱水ケーキと清水を混合してセメントを含む清水を生成し、制御部は回収骨材を5%~20%の重量とする回収骨材計量手段と、新規骨材を95%~80%の重量とする新規骨材計量手段と、セメントを含む清水の濃度が1%~3%とするセメント濃度調整手段と、生コンクリートを生成する生コンクリート生成手段とを有する。
【選択図】
図9