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特許7187100エアロゾル生成装置のヒータのオーバーシュートを防止する方法及びその方法を具現するためのエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置のヒータのオーバーシュートを防止する方法及びその方法を具現するためのエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/57 20200101AFI20221205BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20221205BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F47/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020521536
(86)(22)【出願日】2019-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 KR2019007948
(87)【国際公開番号】W WO2020017783
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-04-16
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0084251
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
【合議体】
【審判長】西村 泰英
【審判官】河内 誠
【審判官】松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106509998(CN,A)
【文献】特開平9-65675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、
前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ヒータの温度が予熱温度区間の下限値から上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御し、
前記ヒータの温度が、前記上限値から目標温度に上昇するまで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御し、
前記ヒータの温度は、前記第1方式及び第2方式で供給される電力により全区間で、前記目標温度以上となるオーバーシュートを発生させずに上昇し、
前記第1方式は、固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御方式であり、
前記第2方式は、比例積分微分(PID)制御方式である、ことを特徴とするエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記下限値は、
160℃ないし220℃において任意的に選択された温度値であり、
前記上限値は、
250℃ないし310℃において任意的に選択された温度値であることを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記目標温度に対する前記上限値の比率が、既定値であることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記比率は、0.65ないし0.95において任意的に選択された値であることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する時間をタイマで測定し、
前記測定された結果に基づいて、前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹した時間と予測される時間の経過を感知すれば、前記第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
エアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法において、
前記ヒータの温度が予熱温度区間の下限値から上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第1方式制御段階と、
前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹したならば、前記上限値よりさらに高い目標温度まで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第2方式制御段階と、を含み、
前記ヒータの温度は、前記第1方式及び第2方式で供給される電力により全区間で、前記目標温度以上となるオーバーシュートを発生させずに上昇し、
前記第1方式は、固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御方式であり、
前記第2方式は、比例積分微分(PID)制御方式である、エアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記ヒータの温度が予熱温度区間の下限値より低いか否かを把握するヒータ温度把握段階をさらに含み、
前記第1方式制御段階は、
前記ヒータの温度が、前記下限値より低ければ、前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹するまで前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項8】
前記下限値は、
160℃ないし220℃において任意的に選択された温度値であり、
前記上限値は、
250℃ないし310℃において任意的に選択された温度値であることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項9】
前記目標温度に対する前記上限値の比率が既定値であることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項10】
前記比率は、0.65ないし0.95において任意的に選択された値であることを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項11】
前記第1方式制御段階は、
前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する時間がタイマで測定され、
前記第2方式制御段階は、
前記測定された時間に基づいて前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹した時間と予測
される時間の経過が感知されれば、前記第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項12】
請求項6~11のうち、いずれか1項に記載の方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータで読取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置のヒータのオーバーシュートを防止する方法及びその方法を具現するためのエアロゾル生成装置に係り、さらに具体的には、エアロゾルのヒータのオーバーシュートが発生せずに、予熱速度を改善させうる方法及びその方法を具現するためのエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、シガレットを燃消させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置は、一般的にエアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータ(heater)を含んでおり、ヒータに供給される電力を制御するために別途のメインコントローラーユニット(MCU:Main Controller Unit)を置いている。
【0004】
速い予熱速度を確保するためにエアロゾル生成装置のヒータに高い電力を短時間に提供する場合、ヒータの温度が急激に上昇し、ヒータがヒータの目標温度をはるかに超過する温度に加熱されるオーバーシュート(over shoot)現象が発生する。オーバーシュート現象は、エアロゾル生成装置を構成する各種モジュールに損傷を与えるだけでなく、エアロゾルを吸い込むユーザにも不快な喫煙経験を提供することができる。
【0005】
一方、比例積分微分(PID:Proportional Integral Difference)制御方式を通じてヒータの温度を上昇させる場合、PID制御アルゴリズムの特性上、ヒータのオーバーシュート現象は、発生しないが、非常に遅い予熱速度によってユーザの待機時間が延びる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ヒータの温度を区間別に異なって制御して、エアロゾル生成装置のヒータのオーバーシュートを防止する方法及びその方法を具現するためのエアロゾル生成装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例による装置は、エアロゾル生成装置において、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御し、前記ヒータの温度が、前記上限値から目標温度に上昇するまで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0008】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例による方法は、ヒータに供給される電力を制御する方法において、前記ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第1方式制御段階と、前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹したならば、前記上限値よりさらに高い目標温度まで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第2方式制御段階と、を含む。
【0009】
本発明の一実施例は、前記方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータで読取り可能な記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エアロゾル生成装置のヒータのオーバーシュートが発生せず、かつエアロゾル生成装置のメインコントローラーユニットが従来のPID制御方式だけで、ヒータに供給される電力の制御時よりもさらに速い予熱速度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図4】シガレットの一例を示す図面である。
図5】本発明によるエアロゾル生成装置の一例のブロック図を図式的に示す図面である。
図6】エアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法を説明するグラフである。
図7】本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法の他の一例を示すフローチャートである。
図9】本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
図10】エアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法を説明するグラフである。
図11】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法の一例を示すフローチャートである。
図12】制御部が感温区間の長さを決定する一例を示すフローチャートである。
図13】制御部が温度保持区間の長さを決定する一例を示すフローチャートである。
図14】予熱区間及び保持区間を区分してヒータの温度を制御する方式の既存の区間区分なしに制御する方式に対する相違点及び区間を区分して制御する方式の問題点を説明するグラフである。
図15】一部実施例による目標温度を調整する一例を説明するグラフである。
図16】一部実施例による目標温度を調整する他の例を説明するグラフである。
図17】一部実施例によるヒータの温度と目標温度との差値を経時的に累積した累積値を説明するグラフである。
図18】一部実施例による累積値の変化に基づいて目標温度を調整する一例を説明するグラフである。
図19】一部実施例による累積値の変化に基づいて目標温度を調整する他の例を説明するグラフである。
図20】一部実施例によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータの温度を制御する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例による装置は、エアロゾル生成装置において、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成させるヒータと、前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御し、前記ヒータの温度が、前記上限値から目標温度に上昇するまで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0013】
前記装置において、前記制御部は、前記ヒータの温度が、前記予熱温度区間の下限値から前記上限値に到逹するまで前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0014】
前記装置において、前記第1方式は、バッテリの出力電圧範囲を把握し、前記出力電圧範囲の上限値によって前記ヒータを前記予熱温度区間の上限値まで加熱する方式であることを特徴とする。
【0015】
前記装置において、前記制御部は、前記出力電圧範囲の上限値まで固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御であり、前記ヒータが加熱されるように制御することを特徴とする。
【0016】
前記装置において、前記第1方式は、固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御方式であり、前記第2方式は、比例積分微分(PID)制御方式であることを特徴とする。
【0017】
前記装置において、前記下限値は、160℃ないし220℃において任意的に選択された温度値であり、前記上限値は、250℃ないし310℃において任意的に選択された温度値であることを特徴とする。
【0018】
前記装置において、前記目標温度に対する前記上限値の比率が既定値であることを特徴とする。
【0019】
前記装置において、前記比率は、0.65ないし0.95において任意的に選択された値であることを特徴とする。
【0020】
前記装置において、前記制御部は、前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する時間をタイマで測定し、前記測定された結果に基づいて前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹した時間と予測される時間の経過を感知すれば、前記第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0021】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例による方法は、ヒータに供給される電力を制御する方法において、前記ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹するまで第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第1方式制御段階と、前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹したならば、前記上限値よりさらに高い目標温度まで第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御する第2方式制御段階と、を含む。
【0022】
前記方法は、前記ヒータの温度が予熱温度区間の下限値より低いか否かを把握するヒータ温度把握段階をさらに含み、前記第1方式制御段階は、前記ヒータの温度が、前記下限値より低ければ、前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹するまで前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0023】
前記方法において、前記第1方式は、バッテリの出力電圧範囲を把握し、前記出力電圧範囲の上限値によって前記ヒータを前記ヒータの予熱温度区間の上限値まで加熱する方式であることを特徴とする。
【0024】
前記方法において、前記第1方式は、前記出力電圧範囲の最大値まで固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御で前記ヒータが加熱されるように制御することを特徴とする。
【0025】
前記方法において、前記第1方式は、固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御方式であり、前記第2方式は、比例積分微分(PID)制御方式であることを特徴とする。
【0026】
前記方法において、前記下限値は、160℃ないし220℃において任意的に選択された温度値であり、前記上限値は、250℃ないし310℃において任意的に選択された温度値であることを特徴とする。
【0027】
前記方法において、前記目標温度に対する前記上限値の比率が既定値であることを特徴とする。
【0028】
前記方法において、前記比率は、0.65ないし0.95において任意的に選択された値であることを特徴とする。
【0029】
前記方法において、前記第1方式制御段階は、前記第1方式で前記ヒータに供給される電力を制御する時間がタイマで測定され、前記第2方式制御段階は、前記測定された時間に基づいて前記ヒータの温度が、前記上限値に到逹した時間と予測される時間の経過が感知されれば、前記第2方式で前記ヒータに供給される電力を制御することを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施例は、前記方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータで読取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0031】
本発明は、多様な変換を加え、さまざまな実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態に具現される。
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳しく説明し、図面を参照して説明するとき、同一であるか、対応する構成要素は、同じ図面符号を与え、これについての重複説明は省略する。
【0033】
以下の実施例において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的として使用された。
【0034】
以下の実施例において、単数表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0035】
以下の実施例において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴を、または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0036】
ある実施例が異なって具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序とは逆順にも遂行される。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時にも行われ、説明とは逆順にも進められる。
【0037】
以下では、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0038】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0039】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110及びヒータ130を含む。図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、蒸気化器180をさらに含む。また、エアロゾル生成装置10の内部空間には、シガレット200が挿入される。
【0040】
図1ないし図3に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1ないし図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10にさらに含まれるということを本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0041】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置10にヒータ130が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ130は、省略される。
【0042】
図1には、バッテリ120、制御部110及びヒータ130が、一列に配置されていると図示されている。また、図2には、バッテリ120、制御部110、蒸気化器180及びヒータ130が、一列に配置されていると図示されている。また、図3には、蒸気化器180及びヒータ130が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造は、図1ないし図3に図示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10の設計によって、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180の配置は、変更される。
【0043】
シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されれば、エアロゾル生成装置10は、ヒータ130及び/または、蒸気化器180を作動させ、シガレット200及び/または蒸気化器180からエアロゾルを発生させることができる。ヒータ130及び/または蒸気化器180によって発生したエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達される。
【0044】
必要によって、シガレット200がエアロゾル生成装置10に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置10は、ヒータ130を加熱することができる。
【0045】
バッテリ120は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ120は、ヒータ130または蒸気化器180が加熱されるように電力を供給し、制御部110の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ120は、エアロゾル生成装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0046】
制御部110は、エアロゾル生成装置10の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部110は、バッテリ120、ヒータ130及び蒸気化器180だけでなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部110は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0047】
制御部110は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、このマイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせにも具現される。また、他の形態のハードウェアにも具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0048】
ヒータ130は、バッテリ120から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10に挿入されれば、ヒータ130は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ130は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0049】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱される。しかし、ヒータ130は、前記例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当される。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10に予め設定されていても、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0050】
一方、他の例において、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ130には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0051】
例えば、ヒータ130は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット200の内部または外部を加熱することができる。
【0052】
また、エアロゾル生成装置10には、ヒータ130が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ130は、シガレット200の内部に挿入されるように配置されても、シガレット200の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ130のうち、一部は、シガレット200の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット200の外部に配置される。また、ヒータ130の形状は、図1ないし図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0053】
蒸気化器180は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット200を通過してユーザに伝達することができる。言い換えれば、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器180によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0054】
例えば、蒸気化器180は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置10に含まれてもよい。
【0055】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体であり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器180から脱/付着可能にも作製され、蒸気化器180と一体として作製されてもよい。
【0056】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0057】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0058】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達して、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0059】
例えば、蒸気化器180は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0060】
一方、エアロゾル生成装置10は、バッテリ120、制御部110、ヒータ130及び蒸気化器180以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10は、シガレット200が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が類推可能な構造にも作製される。
【0061】
図1ないし図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレドルと共にシステムを構成することもできる。例えば、クレドルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ120の充電に用いられる。またはクレドルとエアロゾル生成装置10が結合された状態でヒータ130が加熱されてもよい。
【0062】
シガレット200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。またはシガレット200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0063】
エアロゾル生成装置10の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。またはエアロゾル生成装置10の内部に第1部分の一部のみ挿入されても、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0064】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入される。例えば、エアロゾル生成装置10に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット200の内部に流入されてもよい。
【0065】
以下、図4を参照して、シガレット200の一例について説明する。
【0066】
図4は、シガレットの一例を示す図面である。
【0067】
図4を参照すれば、シガレット200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図1ないし図3を参照して、上述した第1部分210は、タバコロッド210を含み、第2部分220は、フィルタロッド220を含む。
【0068】
図4には、フィルタロッド220が単一セグメントに図示されているが、それに限定されない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0069】
シガレット200は、少なくとも1つのラッパ240によって包装される。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット200は、1つのラッパ240によって包装される。他の例として、シガレット200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド210が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド220が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド210及びフィルタロッド220が結合され、第3ラッパによってシガレット200全体が再包装される。もし、タバコロッド210またはフィルタロッド220それぞれが複数のセグメントで構成されていれば、それぞれのセグメントが個別ラッパによって包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット200全体が他のラッパによって再包装される。
【0070】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることによって添加される。
【0071】
タバコロッド210は、多様に作製される。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、筋(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達する熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0072】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが他の形状にも作製される。
【0073】
フィルタロッド220は、香味が生じるようにも作製される。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の纎維がフィルタロッド220の内部に挿入されてもよい。
【0074】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれる。ここで、カプセル230は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い込んだ構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それらに制限されるものではない。
【0075】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸のみによっても作製されるが、それに限定されない。または冷却セグメントは、複数の孔が穿孔された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、前記例に限定されず、エアロゾル冷却機能が行えるものであれば、制限なしに該当される。
【0076】
一方、図4には、図示されていないが、一実施例によるシガレット200は、前段フィルタをさらに含んでもよい。前段フィルタは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に対向する一側に位置する。前段フィルタは、タバコロッド210の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド210から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1ないし図3の10)に流れて行くことを防止することができる。
【0077】
図5は、本発明によるエアロゾル生成装置の一例を図式的に示すブロック図である。
【0078】
図5を参照すれば、本発明によるエアロゾル生成装置10は、制御部110、バッテリ120、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、記憶装置170を含む。
【0079】
制御部110は、エアロゾル生成装置10に含まれているバッテリ120、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、記憶装置170を総括的に制御する。図5に図示されていないが、実施例によって、制御部110は、ユーザのボタン入力やタッチ入力を受信する入力受信部(図示せず)及びユーザ端末のような外部通信装置と通信を行う通信部(図示せず)をさらに含んでもよい。図5に図示されていないが、制御部110は、ヒータ130に対して比例積分微分制御(PID)を遂行するためのモジュールをさらに含んでもよい。
【0080】
バッテリ120は、ヒータ130に電力を供給し、ヒータ130に供給される電力の大きさは、制御部110によって調節される。
【0081】
ヒータ130は、電流を印加すれば、固有抵抗によって発熱し、エアロゾル生成基質が加熱されたヒータに接触(結合)されれば、エアロゾルが生成される。
【0082】
パルス幅変調処理部140は、ヒータ130にPWM(pulse width modulation)信号を伝達する方式を通じて、制御部110がヒータ130に供給される電力を制御する。実施例によって、パルス幅変調処理部140は、制御部110に含まれる方式にも具現される。
【0083】
ディスプレイ部150は、エアロゾル生成装置10から発生する各種アラームメッセージ(Alarm message)を視覚的に出力してエアロゾル生成装置10を使用するユーザに確認させる。ユーザは、ディスプレイ部150に出力されるバッテリ電力不足メッセージやヒータの過熱警告メッセージなどを確認し、エアロゾル生成装置10の動作が止まるか、エアロゾル生成装置10が破損される前に適切な措置を取ることができる。
【0084】
モータ160は、制御部110によって駆動され、エアロゾル生成装置10が使用可能であるということを、ユーザに触覚を通じて認知させる。
【0085】
記憶装置170は、制御部110がヒータ130に供給される電力を適切に制御し、エアロゾル生成装置10を使用するユーザに多様な風味を提供させるための各種情報を保存している。例えば、後述する第1方式や第2方式は、制御部110がヒータに供給される電力を制御するための制御方式のうち、1つであって、記憶装置170に保存されていて、制御部110の呼び出しによって、制御部110に送信される。他の例として、記憶装置170に保存される情報には、制御部110がヒータの温度を経時的に適切に加減制御するために参照する温度プロファイル(temperature profile)、後述する制御基準比率、比較制御値などを予め保存していて、制御部110の要請によって制御部110に当該情報を送信することができる。記憶装置170は、フラッシュメモリ(flash memory)のように不揮発性メモリで構成され、かつさらに迅速なデータ入出力(I/O)速度を確保するために、通電時にのみ制限的にデータを保存する揮発性メモリで構成されてもよい。
【0086】
本発明による制御部110がヒータ130に供給される電力を制御する方式は、説明の便宜上、図6で後述する。
【0087】
図6は、エアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法を説明するグラフである。
【0088】
図6を参照すれば、図6は、予熱温度区間を示す区間境界線610a、610b、従来のPWM制御方式によるヒータの温度変化曲線630、従来のPID制御方式によるヒータの温度変化曲線650及び本発明によるヒータの温度変化曲線670を含む。図6において横軸は、秒(second)、縦軸は、温度(Celsius Temperature)を意味する。
【0089】
まず、予熱温度区間を示す区間境界線610a、610bは、それぞれ本発明での予熱温度区間の下限値及び上限値を示す。図6を参照すれば、予熱温度区間の下限値は、190℃、予熱温度区間の上限値は、280℃であり、190℃及び280℃は、本発明の望ましい実施例による例示的な数値なので、実施例によって、予熱温度区間の下限値及び上限値は異なってもよい。例えば、予熱温度区間の下限値は、160℃ないし220℃の任意の温度が選択され、予熱温度区間の上限値は、250℃ないし310℃の任意の温度が選択されてもよい。
【0090】
次いで、従来のPWM制御方式によるヒータの温度変化曲線630を見れば、ヒータの温度が急上昇し、約7秒~8秒経過後には、約390℃まで上昇してから徐々に下降する。このように固定されたPWMでヒータに電力を供給する場合、ヒータの温度が目標温度に到逹した後、オーバーシュートの発生する問題点がある。
【0091】
一方、従来のPID制御方式によるヒータの温度変化曲線650を見れば、ヒータの温度が緩く上昇してオーバーシュートが発生しないが、他の制御方式に比べて、ヒータの温度がヒータの目標温度である340℃に到逹するのにさらに長時間が必要となる。
【0092】
本発明によるヒータの温度変化曲線670は、PID制御方式だけでヒータに供給される電力を制御するときよりさらに速い予熱速度を有しつつも、固定PWM制御方式だけでヒータに供給される電力を制御するときに発生するオーバーシュートが発生しない特徴を有する。
【0093】
以下では、図5及び図6を参照して、本発明によるヒータの温度を区間別に制御するエアロゾル生成装置の動作過程について詳細に説明する。
【0094】
まず、制御部110は、ヒータ130の温度制御方式を予熱温度区間、温度保持区間に区分して制御する。
【0095】
制御部110は、予熱温度区間で第1方式でヒータに供給される電力を制御する。さらに具体的に、制御部110は、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹するまで第1方式でヒータに供給される電力を制御する。
【0096】
実施例によって、制御部110は、ヒータの温度が予熱温度区間の下限値から上限値に到逹するまで第1方式でヒータに供給される電力を制御することもできる。この選択的実施例によれば、制御部110がヒータを第1方式で制御する開始点を、予熱温度区間の下限値からと限定して、制御部110が第1方式でヒータに供給される電力を制御する時点が明確になる長所がある。予熱温度区間は、下限値及び上限値からなる温度範囲であって、図6を参照すれば、予熱温度区間の下限値は、190℃、予熱温度区間の上限値は、280℃となる可能性がある。実施例によって、予熱温度区間の下限値及び上限値は、前記190℃及び280℃の以外に他の値でもある。
【0097】
ここで、第1方式は、固定された出力のパルス幅変調(PWM)制御方式でもある。
【0098】
選択的な一実施例として、制御部110は、バッテリ120の出力電圧範囲を把握して出力電圧範囲の上限値によってヒータの予熱温度区間の上限値まで加熱してもよい。バッテリ120は、故障如何または蓄電量によって出力電圧範囲が異なる特性を有しているので、制御部110は、バッテリ120の出力電圧範囲を把握して出力電圧範囲の上限値によってヒータを最大限速く加熱することで、従来に知られたヒータ制御方法よりもさらに速い予熱速度が確保されるように制御する。
【0099】
制御部110は、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹したことを感知すれば、ヒータの温度が予熱区間の上限値から目標温度に到逹するまで、ヒータに供給される電力を第2方式で制御する。
【0100】
ここで、目標温度は、ヒータがエアロゾル生成物質に直間接的に接触して、エアロゾルを生成するのに必要な温度であって、予熱温度区間の上限値よりもさらに高い温度である。図6を参照すれば、目標温度は、340℃になる可能性があり、実施例によって目標温度は、340℃よりもさらに低いか、さらに高い値であってもよい。
【0101】
第2方式は、第1方式と区別される、ヒータに供給される電力を制御する方式を意味する。一例として、第1方式がパルス幅変調(PWM)制御方式であれば、第2方式は、比例積分微分(PID)制御方式でもある。上記過程で、制御部110は、記憶装置170に保存されていた温度プロファイル(temperature profile)及び比例積分微分(PID)制御方式を伝達された後、予熱温度区間の上限値まで急上昇したヒータの温度を相対的に遅く目標温度に到逹させるために、比例積分微分制御を遂行する。さらに具体的に、制御部110は、ヒータのオーバーシュート(overshoot)を発生させずに、ヒータの温度を目標温度に上昇させるために、比例項、積分項、微分項の利得値(gain)を適切に調節することができる。
【0102】
記憶装置170には、比例積分微分制御を遂行するのに必要な各種情報が保存される。記憶装置170に保存される各種情報には、比例積分微分制御のための比例項、積分項、微分項の利得値の例示的な数値だけではなく、特定時点でヒータが特定の温度に到逹したとき、その時点で適した利得値を算出するためのロジック(logic)やアルゴリズム(algorithm)も含まれる。
【0103】
制御部110は、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹したことを、温度センサまたはタイマ(timer)を通じて知ることができる。制御部110は、ヒータに連結された温度センサの値を読込み、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹したことを把握する。
【0104】
また、制御部110は、内蔵されたか、有線で連結されたタイマを通じて第1方式でヒータに供給される電力を制御する時間を測定し、測定した結果に基づいてヒータの温度が上限値に到逹した時間と予測される時間の経過を感知すれば、ヒータに供給される電力を制御する方式を第1方式から第2方式に変更してもよい。例えば、第1方式が固定されたPWM制御方式であり、ヒータが比抵抗が広く知られた抵抗体であれば、制御部110は、ヒータに供給される電力量に比例して上昇するヒータの温度を演算し、ヒータの現在温度から予熱温度区間の上限値に到逹するのにかかる時間を算出することができる。
【0105】
選択的な一実施例として、制御部110は、目標温度に対する予熱温度区間の上限値の比率が既定値であることに基づいて、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値から目標温度に到逹するまで、第2方式でヒータに供給される電力を制御することもできる。例えば、目標温度に対する予熱温度区間の上限値の比率(以下、「制御基準比率」)が0.8であり、予熱温度区間の上限値が240℃であれば、制御部110は、ヒータの温度が240℃から300℃になるまで第2方式を通じてヒータに供給される電力を制御する。ここで、制御基準比率を0.8に設定したのは、本発明の望ましい実施例による例示的な数値なので、実施例によっても異なり、予熱温度区間の上限値である240℃も同様である。例えば、制御基準比率は、0.65ないし0.95の値のうち、任意の値であってもよい。
【0106】
【数1】
【0107】
数式1は、制御部110が第1方式から第2方式に制御方式を変更する時点を決定するときに使用する数式の一例である。数式1において、Tは、制御部110が第2方式でヒータに供給される電力を制御し始める時点のヒータの温度であって、予熱温度区間の上限値を意味し、Tは、ヒータの目標温度であり、aは、比例変数であって、1.5から2.5の範囲を有する。
【0108】
数式1において、aは、制御部110がヒータに電力制御信号を送信する制御信号送信周期によって異なる変数である。aは、実験的に決定された値であって、制御信号送信周期に比例して大きさが大きくなる特性を有し、記憶装置170に制御信号送信周期ごとに対応してテーブル(table)形態で保存されていて、制御部110の呼び出しによって呼び出されてT2を算出するのに用いられる。
【0109】
制御部110が10ミリ秒(milliseconds)間隔でヒータに電力制御信号を送信し、ヒータの速い予熱速度のために固定されたPWM制御方式でヒータに供給される電力を制御すると仮定すれば、実験的に目標温度対比で10%のオーバーシュートが発生する。一例として、目標温度が300℃であるヒータがあるとき、そのヒータにPWM制御方式の電力制御信号を10ms周期で送信すれば、オーバーシュートが発生し、オーバーシュートの最大温度は、330℃となる。したがって、ヒータのオーバーシュートを予め防止するために、制御部110は、ヒータが目標温度に到逹する前に、予めヒータに対する電力制御方式を変更する必要がある。
【0110】
例えば、制御部110がヒータに電力制御信号を送信する間隔が10ミリ秒であるとき、比例変数aが2に決定されており、ヒータの目標温度が300℃であれば、制御部110が電力制御方式を変更する時点は、数式1によってヒータの温度が240℃に到逹した時点になる。比例定数aは、制御信号送信周期に比例して大きさが大きくなる特性を有しているので、制御信号送信周期がさらに長くなるほど、制御部110が電力制御方式を第1方式から第2方式に変更する時点は、ヒータの温度が240℃よりもさらに低いときの時点になる。他の例として、制御信号送信周期が100ミリ秒であるときの比例定数が2.5であれば、制御部110は、225℃でヒータに対する電力制御方式を第1方式から第2方式に変更する。
【0111】
前述したように本発明によれば、制御部110がヒータに供給される電力を第1方式で制御していて、ヒータの温度が予熱温度区間の上限値に到逹したとき、電力制御方式を第2方式に変えた後、目標温度までヒータに対する電力制御を遂行することで、従来の知られた方法よりもさらに速い予熱速度を確保し、ユーザに十分な量のエアロゾルを迅速に提供するだけではなく、ヒータのオーバーシュートが予防されることにより、媒質(エアロゾル生成基質)の炭化現象によるユーザの不快な喫煙経験を予め防止することができる。
【0112】
特に、ヒータに対する電力制御方式を第1方式から第2方式に変更するに当って、数式1のように制御部がヒータに送信する電力制御信号の送信周期及び目標温度の大きさを同時に考慮することにより、本発明によるエアロゾル生成装置に含まれる制御部は、速い予熱速度とヒータのオーバーシュート防止という2つの長所を極大化させる時点を正確に把握可能になる。
【0113】
図7は、本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【0114】
図7は、図5によるエアロゾル生成装置10によって具現されるので、以下では、図5を参照して説明し、図5及び図6での説明と重複する説明は省略する。
【0115】
まず、制御部110は、バッテリ120がヒータ130に電力供給を開始すれば、ヒータの温度を周期的に感知する(S710)。
【0116】
制御部110は、感知されたヒータ130の温度が予熱区間の下限値より小さいか否かを判断し(S720)、ヒータ130の温度が予熱区間の下限値より低ければ、ヒータ130を第1方式で加熱して、ヒータ130の温度を上昇させ始める(S730)。
【0117】
実施例によって、段階S710及びS720は省略され、その場合、制御部110は、ヒータ130の加熱開始時点から第1方式でヒータに供給される電力を制御する。
【0118】
段階S730に続いて、制御部110は、ヒータ130の現在温度が予熱区間の上限値に到逹したか否かを把握し(S740)、ヒータ130の現在温度が予熱区間の上限値に到逹したならば、ヒータ130に供給される電力の制御方式を第1方式から第2方式に切り換え、ヒータ130が続けて加熱されるように制御する(S750)。前述したように、段階S750において、第1方式は、固定された出力のPWM制御方式であり、第2方式は、PID制御方式でもある。
【0119】
制御部110は、ヒータ130の現在温度が目標温度に到逹したか否かを把握し(S760)、ヒータ130の現在温度が目標温度に到逹したならば、第2方式を通じてヒータ130の温度が目標温度を続けて保持するように制御する(S770)。
【0120】
図8は、本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法の他の一例を示すフローチャートである。
【0121】
図8は、図5によるエアロゾル生成装置10によっても具現されるので、以下では、図5を参照して説明し、図5及び図6での説明と重複説明は省略する。図8は、制御部110が温度センサではなく、タイマに基づいてヒータの電力制御方式を決定する選択的実施例を説明するためのフローチャートである。
【0122】
まず、制御部110は、バッテリ120がヒータ130に電力供給を開始すれば、ヒータの温度を周期的に感知する(S810)。
【0123】
制御部110は、感知されたヒータ130の温度が予熱区間の下限値より小さいか否かを判断し(S820)、ヒータ130の温度が予熱区間の下限値より低ければ、ヒータ130を第1方式で加熱してヒータ130の温度を上昇させ始める(S830)。
【0124】
実施例によって、段階S810及びS820は省略され、その場合、制御部110は、ヒータ130の加熱開始時点から第1方式でヒータ130に供給される電力を制御する。
【0125】
次いで、制御部110は、現在温度と予熱温度区間の上限値との差を把握し、現在温度から予熱温度区間の上限値に到逹するまでの時間(以下、「上限値到達時間」)を算出する(S840)。
【0126】
制御部110は、上限値到達時間が経過したか否かを把握し(S850)、上限値到達時間が経過したならば、ヒータ130に供給される電力の制御方式を第1方式から第2方式に切り換え、ヒータ130を続けて加熱してヒータ130の温度を目標温度まで上昇させる(S860)。段階S860において、制御部110は、予熱温度区間の上限値に到逹したヒータ130の温度が目標温度に到逹するまでの所要時間(以下、「目標温度到達時間」)を算出することができる。
【0127】
制御部110は、目標温度到達時間が経過したか否かを把握し(S870)、目標温度到達時間が経過したならば、第2方式を通じてヒータの温度を目標温度に続けて保持させる(S880)。段階S880において、第2方式がPID制御方式であったら、制御部110は、目標温度に到逹する前後のPID利得値(比例項、積分項、微分項)が異なるように適切に調整することができる。
【0128】
図9は、本発明によるヒータに供給される電力を制御する方法のさらに他の一例を示すフローチャートである。
【0129】
図9は、図7において、制御部110が電力制御方式を第2方式に転換するための予熱温度区間の上限値を決定するに当って、数式1のように目標温度と比例変数とを利用するか、特定の比率を利用する過程を説明するための図面である。
【0130】
まず、制御部110は、ヒータ130を第1方式で加熱し(S730)、ヒータ130の現在温度とヒータ130の目標温度との比率を算出する(S910)。
【0131】
制御部110は、ヒータ130の現在温度とヒータ130の目標温度との比率が既定値と同一であるか否かを把握し(S920)、ヒータ130の現在温度とヒータ130の目標温度との比率が既定値と同一であれば、ヒータに供給される電力の制御方式を第1方式から第2方式に切り換え、ヒータ130を続けて加熱するようにバッテリ120を制御してヒータの温度を上昇させる(S750)。段階S920において予め設定された値は、0.8になり、数式1によって決定された特定の値にもなる。
【0132】
制御部110は、ヒータ130の現在温度とヒータ130の目標温度との比率が既定値と同一ではなければ、ヒータ130が第1方式で加熱されてヒータ130の温度が十分に上昇されるように制御する(S930)。
【0133】
図10は、エアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法を説明するグラフである。
【0134】
図10を参照すれば、図10は、ヒータの温度によって区分される各区間を区分して説明するための区間境界線1010a、1010b、1010c、従来方式によるヒータの温度変化曲線1030、本発明によるヒータの温度変化曲線1050を含む。図10において、横軸は、秒(second)、縦軸は、温度(Celsius Temperature)を意味する。
【0135】
従来方式によれば、ヒータの温度が予熱過程で過度に高温に上がることを防止するために制御部は、比例積分微分制御を利用する傾向がある。制御部が比例積分微分制御を通じてヒータの温度を制御すれば、比例積分微分の固有のフィードバックアルゴリズム(Feed back Algorithm)を通じてヒータの温度が徐々に増加し、ヒータは、0秒から20秒まで設定された予熱区間aを経て初めて、ヒータの目標温度である300℃に到逹する。制御部は、ヒータの温度が300℃に到逹すれば、ヒータの温度を300℃に保持するための保持区間aに突入するが、従来方式では、予熱区間aと温度保持区間aとの境界点で制御部の電力制御方式が変更されるものではなく、比例積分微分制御自体の特性によって、比例項、積分項、微分項の利得値(gain)を調節する方式を通じてヒータの温度を制御する。
【0136】
従来方式によるヒータの温度変化曲線1030を見れば、前述した説明によって予熱区間aにおいてヒータの温度は、増加し続け、20秒になったとき、目標温度である300℃に到逹し、温度保持区間aに突入することが分かる。ヒータの材質及びバッテリの出力電圧などによって、ヒータが目標温度に到逹する時間(20秒)は異なってもよく、エアロゾル生成基質によってヒータの目標温度(300℃)が異なってもよいということは自明である。
【0137】
一方、本発明によるヒータの温度変化曲線1050を見れば、予熱区間bでヒータの温度が早く増加して、4秒になったとき、目標温度である300℃に到逹し、感温区間に突入することが分かる。本発明において制御部110は、予熱区間bで比例積分微分制御方式を利用せず、固定された出力レベルを有するパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式を利用してもよい。
【0138】
ここで、減温区間は、従来方式によるヒータの温度変化曲線1030では示されない区間であって、目標温度に早く到逹したヒータにオーバーシュートが発生してヒータの温度が目標温度を超えれば、ヒータの温度を目標温度にさらに低めるために制御部110がヒータに供給される電力を制御する区間を意味する。従来方式によれば、ヒータにオーバーシュートが発生しないために、減温区間が存在しないが、本発明によれば、ヒータのオーバーシュート現象を迅速に除去するための制御部110の電力制御過程が含まれる特徴がある。
【0139】
次いで、減温区間を経てヒータの温度が目標温度レベルに再び戻れば、制御部110は、ヒータの温度を一定に保持するために温度保持区間bに突入する。前記のように本発明によれば、予熱時間を画期的に短縮させ、ユーザに提供するための十分な量のエアロゾルを早期に確保することができる長所がある。
【0140】
以下では、図5及び図10を参照して、本発明によるヒータの温度を区間別に制御するエアロゾル生成装置の動作過程について詳細に説明する。予熱区間、減温区間、温度保持区間は、それぞれ制御方式や区間的な特徴において互いに異なるという点で、第1段階、第2段階、第3段階または第1区間、第2区間、第3区間と通称することができる。
【0141】
まず、制御部110は、ヒータ130の温度制御方式を予熱区間、減温区間及び温度保持区間に区分して制御する。
【0142】
ここで、予熱区間は、ヒータの温度が既定の目標温度未満であるときを意味し、ユーザがエアロゾル生成装置100を電源オフ状態に保持したか、エアロゾル生成装置100を電源オンにしても時間が一定以上経過してヒータに電力が供給されないことにより、ヒータの温度が目標温度よりもさらに低くなり、それを再び加熱するための区間と定義される。
【0143】
制御部110は、予熱区間において、バッテリの状態(status)によって最大出力を用いてヒータに迅速に電力を供給させうる。ここで、バッテリの状態とは、バッテリの出力電圧レベル、バッテリの蓄電量などバッテリがヒータに電力を供給する電力量に直接影響を与える要素を包括的に含む言葉を意味する。制御部110は、予熱区間でヒータにバッテリの電力が供給されるように制御するとき、固定された大きさのパルス幅変調(PWM)方式を介してヒータの温度が迅速に上昇するように制御することができる。また、図6において、本発明によるエアロゾル生成装置100の予熱区間bは、4秒と示されているが、エアロゾル生成装置100に含まれる具体的な構成によって予熱区間bの長さは、さらに長くなるか、短くなる。
【0144】
次いで、制御部110は、ヒータの温度が目標温度に到逹したならば、ヒータに供給される電力を制御する方式を、予熱区間に対応する方式から、減温区間に対応する方式に変更することができる。この際、予熱区間に対応する方式及び減温区間に対応する方式は、一種のヒータに対する温度プロファイルであって、記憶装置170に保存されていて、制御部110の呼び出しによって制御部110に伝達することができる。減温区間は、ヒータの温度が目標温度を超えてオーバーシュートが発生すれば、制御部110がヒータの温度を低めるように制御する区間を意味し、オーバーシュートが発生したヒータが低くならねばならない温度は、目標温度となり、図10を参照すれば、300℃にもなる。
【0145】
上記のような過程において、制御部110は、記憶装置170に保存されていた温度プロファイル及び比例積分微分(PID)制御方式を伝達されて上昇したヒータの温度を目標温度まで低める比例積分微分制御を遂行し、より具体的には、既に目標温度を超過するヒータの温度を低めるために、微分項の利得値を適切に調節する方式の制御を遂行することができる。記憶装置170に保存される比例積分微分制御のための比例項、積分項、微分項の利得値は、実験的に予め数値化されている値だけではなく、特定時点のヒータの特定温度で適した利得値を算出するための比例積分微分制御に対する利得値算出モジュール(図示せず)が記憶装置170に含まれてもよい。
【0146】
制御部110は、予熱区間及び減温区間を区分するためにヒータの温度を周期的または非周期的に測定する温度センサを含み、予熱区間及び減温区間の時間長を測定するためのタイマ(timer)も含む。制御部110が収集したヒータの温度と予熱区間及び減温区間の時間長は、記憶装置170に1次的に保存された後、制御部110の呼び出しによって再び読み込んだ後、制御部110が特定の制御パラメータ(controlling parameter)を算出するのに用いられる。
【0147】
最後に、制御部110は、オーバーシュートが発生したヒータが減温区間の間に目標温度に低くなれば、ヒータの温度を目標温度に保持するように制御し、上記のように制御部110がヒータの温度を目標温度に保持する区間は、温度保持区間と定義される。制御部110は、ヒータの温度を目標温度に保持する間に比例積分微分制御方式を用いてヒータに供給される電力を制御し、予め設定された時間が経過すれば、温度保持区間終了と認知し、ヒータに供給される電力を遮断するように制御する。
【0148】
制御部110は、予熱区間、減温区間及び温度保持区間の時間長のうち、少なくとも2つ以上に制御基準比率を算出し、制御基準比率に基づいてヒータに供給される電力を制御することができる。
【0149】
【数2】
【0150】
数式2は、制御部110が算出する制御基準比率の一例に係わる数式である。数式2において、kは、制御基準比率を意味し、tは、予熱区間の時間長、tは、減温区間の時間長を意味する。制御部110は、数式2によって制御基準比率を算出し、算出された制御基準比率に基づいて、減温区間の時間長を適切に調節することができる。
【0151】
【数3】
【0152】
数式3は、制御部110が制御基準比率を既定の比較制御値と比較する一例に係わる数式である。数式3において、kは、数式2によって算出された制御基準比率であり、Cは、制御基準比率と比較するための既設定の比較制御値を意味する。比較制御値は、記憶装置170に保存されていて、制御部110の要請によって制御部110に伝達されても、必要に応じて更新されてもよい。
【0153】
一例として、比較制御値は、2になる。ここで、比較制御値が2ということは、数式2及び数式3を連立したとき、減温区間の時間長が予熱区間の時間長の半分よりもさらに長くなければならないということを意味する。制御部110は、タイマ及び温度センサを通じて予熱区間の時間長が決定されれば、定数値に固定された予熱区間の時間長に基づいて減温区間が少なくとも何秒間保持されねばならないかを算出する。さらに具体的に、制御部110は、比例積分微分制御を行うために、比例項、積分項、微分項の利得値を決定するに当って、減温区間の長さを少なくとも何秒以上保持されねばならないかを共に考慮してもよい。
【0154】
制御部110は、ヒータの温度が予熱区間、減温区間を経て温度保持区間に突入すれば、既設定の予熱区間及び減温区間の時間長に基づいて制御基準比率を再び算出して更新し、更新された制御基準比率によって温度保持区間を保持する。
【0155】
【数4】
【0156】
数式4は、制御部が算出する制御基準比率の他の一例に係わる数式である。さらに具体的に、数式4において、kは、kに次いで更新された制御基準比率(以下、「更新制御基準比率」)を意味し、tは、減温区間の時間長、tは、温度保持区間の時間長を意味する。制御部110は、数式4によって制御基準比率を算出し、算出された制御基準比率に基づいて、温度保持区間の時間長を適切に調節する。
【0157】
【数5】
【0158】
数式5は、制御部が算出する更新制御基準比率の他の一例に係わる数式である。数式5において使用されたkは、更新制御基準比率、tないしtは、それぞれ予熱区間、減温区間、温度保持区間の時間長を意味する。制御部110は、数式4または数式5によって制御基準比率を算出して更新し、更新された制御基準比率に基づいて温度保持区間の時間長を適切に調節することができる。
【0159】
【数6】
【0160】
数式6は、制御部110が更新制御基準比率を既定の比較制御値と比較する一例に係わる数式である。数式6において、kは、数式4または数式5によって算出された更新制御基準比率であり、Cは、更新制御基準比率と比較するための既設定の比較制御値を意味する。比較制御値は、記憶装置170に保存されていて、制御部110の要請によって制御部110に伝達されても、必要に応じて更新されてもよい。
【0161】
一例として、比較制御値は、1になる。ここで、比較制御値が1ということは、数式4及び数式6を連立したとき、温度保持期間の時間長が減温区間の時間長よりもさらに長くなければならないことを意味する。また、更新制御基準比率を数式4を通じて算出した場合、比較制御値が1ということは、温度保持期間の時間長が予熱区間及び減温区間の時間長の和よりもさらに長くなければならないことを意味する。制御部110は、比例積分微分の利得値を適切に調節するために、更新制御基準比率を数式4または数式5によって選択的に使用することができる。
【0162】
上記のように、温度保持区間の長さを予熱区間及び減温区間の時間長によって適切に制限することで、ヒータが高温状態に保持されるときに発生する媒質の炭化現象を最小化することにより、本発明によれば、短い予熱時間でユーザに十分な量のエアロゾルを迅速に提供するだけではなく、媒質の炭化現象を最小化することができて、ユーザにエアロゾルの吸入に対する高い満足感を提供することができる。
【0163】
選択的な一実施例として、制御部は、数式2、数式3、数式4及び数式6を通じて減温区間及び温度保持区間の時間長を決定し、ヒータの温度を区間別にも制御する。また、他の選択的な一実施例として、制御部は、数式2、数式3、数式5及び数式6を通じて減温区間及び温度保持区間の時間長を決定し、ヒータの温度を区間別にも制御する。前述したように、減温区間及び温度保持区間の長さは、予熱区間の時間長に依存し、予熱区間の時間長は、ヒータの材質及びヒータの初期温度によっても異なる。
【0164】
図11は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータの温度を区間別に制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【0165】
図11による方法は、図5によるエアロゾル生成装置10によって具現されるので、以下では、図5を参照して説明し、図5及び図10での説明と重複する説明は、省略する。
【0166】
まず、制御部は、ヒータの温度を感知し(S1110)、感知されたヒータの温度が既定の目標温度よりもさらに低いか否かを把握する(S1120)。
【0167】
制御部は、ヒータの温度の高さが目標温度の高さよりさらに低ければ、予熱区間に突入してヒータが加熱されるように制御する(S1130)。
【0168】
制御部は、温度センサを通じてヒータの温度上昇を周期的または非周期的にモニタリングしつつヒータのオーバーシュートが感知されるか否かを把握し(S1140)、ヒータのオーバーシュートが感知されれば、予熱区間及び減温区間の時間長で制御基準比率を算出する(S1150)。
【0169】
制御部は、算出された制御基準比率に基づいて減温区間の時間長を決定し、減温区間の間、ヒータの温度が下降するように制御する(S1160)。
【0170】
選択的な一実施例として、制御部が制御基準比率を既定の比較制御値と比較した結果に基づいてヒータに供給される電力を制御可能であるということは、図10の説明と同様である。
【0171】
制御部は、減温区間が終了したか否かを、ヒータの温度または減温区間の時間経過を通じて把握し(S1170)、減温区間が終了したならば、予熱区間、減温区間、温度保持期間のうち、少なくとも2つ以上に基づいて制御基準比率を算出する(S1180)。段階S1180において制御部は、減温区間の終了を把握するために、温度センサまたはタイマのうち、少なくとも1つ以上を利用することができる。
【0172】
制御部は、段階S1180で算出した制御基準比率によって段階S1150で算出した制御基準比率を更新し、更新された制御基準比率に基づいて温度保持期間の時間長を決定した後、それにより、温度保持期間の間、ヒータの温度が目標温度に保持されるように制御する(S1190)。
【0173】
図12は、制御部が減温区間の長さを決定する一例を示すフローチャートである。
【0174】
図12は、図11の段階S1140ないし段階S1170の選択的一実施例を説明するための図面であって、以下では、説明の便宜上、図11を参照して説明する。
【0175】
制御部は、ヒータのオーバーシュートが感知されれば(S1140)、予熱区間及び減温区間の時間長で制御基準比率を算出する(S1150)。
【0176】
制御部は、段階S1150で算出した制御基準比率を比較制御値である2と比較する(S1210)。
【0177】
段階S1210において、制御基準比率が2より大きいか、2と同一であれば、制御部は、比例積分微分制御の利得値を調整して減温区間の時間長を変更する(S1220)。
【0178】
階S1220によって制御基準比率は、段階S1150を経て再び算出される。
【0179】
段階S1210において、制御基準比率が2よりも小さければ、制御部は、算出された制御基準比率に基づいて決定された減温区間の間、ヒータの温度が下降するように制御する(S1160)。
【0180】
図13は、制御部が温度保持区間の長さを決定する一例を示すフローチャートである。
【0181】
図13は、図11の段階S1170ないし段階S1190の選択的一実施例を説明するための図面であって、以下では、説明の便宜上、図11を参照して説明する。
【0182】
制御部は、減温区間の終了を感知すれば(S1170)、予熱区間、減温区間及び温度保持期間の時間長のうち、少なくとも2つ以上に基づいて更新制御基準比率を算出する(S1180)。
【0183】
制御部は、段階S1180で算出された更新制御基準比率が1より小さいか否かを判断する(S1310)。
【0184】
制御部は、更新制御基準比率が1より大きいか、1と同一であれば、制御部は、比例積分微分制御の利得値を調整して温度保持区間の時間長を変更する(S1320)。段階S1320によって、更新制御基準比率は、段階S1180を経て再び算出される。
【0185】
制御部は、更新制御基準比率が1よりも小さければ、制御部が算出した更新制御基準比率に基づいて決定された温度保持区間の間、ヒータの温度が目標温度を続けて保持するように制御する(S1390)。
【0186】
図14は、予熱区間及び保持区間を区分してヒータの温度を制御する方式の既存の区間区分なしに制御する方式に対する相違点及び区間を区分して制御する方式の問題点を説明するグラフである。
【0187】
図14を参照すれば、予熱区間と保持区間とを区分してヒータ130の温度を制御する方式及び予熱区間と保持区間とを区分せず、全体区間に対してヒータ130の温度を制御する方式で経時的なヒータ130の温度変化を示すグラフが図示されている。また、予熱区間と保持区間とを区分してヒータの温度を制御する場合、一定値に設定されたヒータ130制御の目標温度が図示されている。
【0188】
制御部110は、ヒータ130の温度を基準温度に保持されるように制御することができる。基準温度は、シガレット200からエアロゾルの生成に最も適した温度を意味する。基準温度は、シガレット200の種類によって異なる値にも設定される。例えば、基準温度は、240℃以上360℃以下に設定される。
【0189】
制御部110は、目標温度を設定し、ヒータ130の温度が目標温度に到逹するようにヒータ130の温度を制御することができる。目標温度は、基準温度と同じ値に設定される。但し、これに限定されるものではなく、ヒータ130の温度をさらに適切に制御するために、目標温度は、基準温度とは異なる値に設定されてもよい。
【0190】
予熱区間と保持区間とを区分してヒータ130の温度を制御する方式の場合、予熱区間で制御部110は、ヒータ130の温度が基準温度以上になるようにヒータ130に供給される電力を制御する。予熱区間は、ヒータ130の温度が基準温度以上になるように加熱される区間を意味する。図14に図示されている例示を参照すれば、基準温度は、300℃に設定され、ヒータ130の温度が基準温度よりも高くなる時点以前までの区間が予熱区間に該当する。
【0191】
予熱区間において、制御部110は、ヒータ130の温度が短時間内に基準温度以上になるように、ヒータ130に供給される電力を制御する。例えば、制御部110は、パルス幅変調を通じてバッテリ120がヒータ130に供給する電流パルスの周波数及びデューティーサイクルをそれぞれの最大値に設定することができる。
【0192】
予熱区間と保持区間とを区分してヒータ130の温度を制御する方式の場合、保持区間で制御部110は、ヒータ130の目標温度を設定してヒータ130の温度が基準温度に保持されるようにヒータ130に供給される電力を制御する。保持区間は、ヒータ130の温度が基準温度以上になるように加熱されて予熱区間終了時点以後を意味する。図14に図示されている例示を参照すれば、ヒータ130の温度が300℃に設定された基準温度より高くなる時点以後の区間が保持区間に該当する。
【0193】
保持区間において、制御部110は、目標温度を設定することができる。具体的に、制御部110は、予熱区間終了時点または保持区間開始時点で目標温度を設定することができる。図14に図示された例示を参照すれば、予熱区間終了時点でありながらも、保持区間開始時点で設定され、一定値に保持される目標温度が図示されている。また、目標温度が300℃に設定された基準温度と同じ値に設定されたことが図示されている。
【0194】
保持区間において、制御部110は、短時間内に基準温度以上に上昇したヒータ130の温度を基準温度に保持させるために、ヒータ130の温度が下降するようにヒータ130に供給される電力を制御することができる。具体的に、ヒータ130の温度を基準温度に保持するために、ヒータ130の温度を減少させる制御が遂行されるようにするPID制御の係数が制御部110によって設定される。図14に図示された例示を参照すれば、予熱区間を通じて基準温度以上に上昇されたヒータ130の温度を保持区間で減少させる制御結果が図示されている。
【0195】
保持区間において、ヒータ130の温度を減少させるPID制御の係数が設定されることにより、ヒータ130の温度が下降して基準温度以下になる。予熱区間において短時間内にヒータ130を基準温度以上に加熱するので、ヒータ130の温度が基準温度以上に到逹する時間が短縮されるが、保持区間でヒータ130の温度を基準温度に保持し難いという問題点が伴う。
【0196】
図14に図示された例示を参照すれば、喫煙が進められることにより、ヒータ130の温度は徐々に減少し、基準温度以下になることが図示されている。シガレット200は、基準温度に最も好適にエアロゾルを発生させるという点で、ヒータ130温度の基準温度以下への下降は、喫煙品質の低下をもたらす恐れがある。
【0197】
制御部110は、基準温度以下に減少するヒータ130の温度を補償するために目標温度を調整することができる。ヒータ130の温度補償は、ヒータ130の温度が基準温度以下に減少する分だけヒータ130の温度を上昇させる方式で行われる。
【0198】
目標温度を調整せず、一定値に保持する場合に発生するヒータ130の温度が基準温度以下に下降する問題点を解決するため、制御部110は、多様な方式で目標温度を調整することができる。それにより、制御部110は、基準温度以下に下降するヒータ130の温度を補償してヒータ130の温度を基準温度に近接するように保持することができる。
【0199】
制御部110は、ヒータ130の温度が基準温度以下に下降する温度下降区間で目標温度を調整することができる。制御部110は、ヒータ130の温度が基準温度以下に下降して、温度下降区間開始時点で目標温度を調整することができる。また、制御部110は、温度下降区間開始時点よりも早い時点または遅い時点で目標温度を調整することもできる。
【0200】
制御部110は、目標温度をリアルタイムで調整することができる。制御部110は、ヒータ130の温度変化などに基づいて目標温度をどのように調整するかをリアルタイムで判断することができる。但し、これに限定されるものではなく、制御部110は、目標温度を1回に限って、異なる値に変更することもできる。
【0201】
制御部110が目標温度を調整してヒータ130の温度を補償することにより、ヒータ130の温度が基準温度近傍に保持され、それにより、温度下降による喫煙品質の低下を防止することができる。したがって、予熱区間及び保持区間が分離されることにより、ユーザにエアロゾルを提供するための装置10の準備時間が短縮されると共に、予熱区間において短時間内にヒータ130が加熱されることにより、保持区間におけるヒータ130の温度下降問題が解決される。
【0202】
図14を参照すれば、予熱区間と保持区間とを区分せず、全体区間に対してヒータ130の温度を制御する方式も図示されている。予熱区間と保持区間とを区分しない場合、喫煙が進められることにより、ヒータ130の温度が下降する問題は発生しないが、ヒータ130の温度が基準温度に到逹するまでの所要時間が予熱区間と保持区間とを区分する場合に比べて長くなり、それにより、ユーザにエアロゾルを提供するための装置10の準備時間が長くなる。図14に図示された例示を参照すれば、予熱区間と保持区間とを区分する場合に比べて、予熱区間と保持区間とを区分しない場合、ヒータ130の温度が基準温度に到逹するには、さらに長時間がかかるという点が図示されている。
【0203】
図15は、一部実施例による目標温度を調整する一例を説明するグラフである。
【0204】
制御部110は、目標温度を1回変更させることで、目標温度を調整することができる。図15に示された例示を参照すれば、温度下降区間が始まる時点で目標温度が既存の値よりも大きな値に変更されて保持され、それにより、ヒータ130の温度が制御される態様が図示されている。
【0205】
目標温度を1回変更させることで、目標温度が調整される場合、目標温度が調整されない場合に比べて、ヒータ130の温度が基準温度にさらに近く保持される。また、制御部110が目標温度を調整する方式が簡単であるという点で、消費電力が減少し、制御部110の回路構造が単純になるなどの利点がある。
【0206】
図16は、一部実施例による目標温度を調整する他の例を説明するグラフである。
【0207】
制御部110は、目標温度を線形的に変更させることで、目標温度を調整することができる。図16に図示された例示を参照すれば、温度下降区間が始まる時点で目標温度が線形的に増加し、それにより、ヒータ130の温度が制御される態様が図示されている。
【0208】
目標温度を線形的に変更させることで、目標温度が調整される場合、目標温度が調整されない場合に比べて、ヒータ130の温度が基準温度にさらに近く保持される。また、制御部110が目標温度を調整する方式も、比較的複雑ではないという点で、消費電力減少及び回路設計容易などの利点がある。
【0209】
図15及び図16に例示された方式を通じて比較的簡単に目標温度を調整してヒータ130の温度を補償することができるが、喫煙が長時間持続される場合、ヒータ130の温度及び基準温度の差が生じるという点で、さらに精巧に目標温度を調整する方式も提案される。本開示による制御方法及び装置10が考案される過程で、図17に例示として図示された値を活用して目標温度が調整可能であるという点が提示された。
【0210】
図17は、一部実施例によるヒータの温度と目標温度との差値を経時的に累積した累積値を説明するグラフである。
【0211】
図17を参照すれば、ヒータ130の温度と目標温度との差値を経時的に累積した累積値が図示されている。目標温度よりもヒータ130の温度がさらに高い区間では、差値が正の値を有するので、差値を累積した累積値は増加する。目標温度よりもヒータ130の温度がさらに低い区間では、差値が負の値を有するので、累積値は減少する。したがって、図17に図示された累積値が最大になる時点は、ヒータ130の温度が目標温度以下で下降する時点である。
【0212】
制御部110は、ヒータ130の温度及び目標温度の差値を経時的に累積した累積値に基づいて目標温度を調整する。制御部110は、リアルタイムで測定されるヒータ130の温度及び目標温度の差値を計算し、差値を累積して累積値を計算し、累積値から目標温度を調整することができる。したがって、差値、累積値及び目標温度は、互いに影響を与え、制御部110によってリアルタイムで計算されて変更される。
【0213】
例えば、制御部110は、累積値が累積値の最大値から減少する程度を計算し、減少する程度を整数倍して減少させた値を、初期値に加える方式で目標温度を調整する。初期値は、保持区間で制御部110によって設定された目標温度と同じ値でもある。目標温度は、図17に図示された累積値の減少する部分が上下に反転された形態に増加するように調整される。具体的な目標温度の調整方式及び目標温度が調整されることにより、補償されるヒータ130の温度は、図6に図示されている。
【0214】
図18は、一部実施例による累積値の変化に基づいて目標温度を調整する一例を説明するグラフである。
【0215】
制御部110は、累積値の変化に基づいて目標温度を連続して調整する。図18を参照すれば、累積値の変化に基づいて目標温度が調整される場合のヒータ130の温度変化及び目標温度が調整されず、一定値に保持される場合のヒータ130の温度変化が図示されている。
【0216】
制御部110が累積値の変化に基づいて目標温度を調整することにより、喫煙が進められる場合にも、ヒータ130の温度が基準温度に近く保持される。したがって、装置10は、経時的にも喫煙品質の低下なしに、シガレット200から均一なエアロゾルを発生させることができる。
【0217】
図19は、一部実施例による累積値の変化に基づいて目標温度を調整する他の例を説明するグラフである。
【0218】
図19を参照すれば、累積値の変化に基づいて目標温度が調整される他の例示が図示されている。図18の場合のように制御部110は、ヒータ130の温度及び目標温度の差値を経時的に累積した累積値を計算し、図19の場合のように、累積値の変化に基づいて目標温度を調整することもできる。
【0219】
但し、制御部110が累積値の変化に基づいて目標温度を連続して調整する図18の場合と異なって、制御部110は、累積値の変化に基づいて目標温度を不連続的にも調整する。不連続的に調整された目標温度による場合にも、ヒータ130の温度は、基準温度に近く保持される。
【0220】
制御部110が累積値の変化に基づいて目標温度を連続して調整する方式が、不連続的に調整する方式よりも精密なヒータ130の温度補償を提供することができる。但し、制御部110が累積値の変化に基づいて目標温度を不連続的に調整する場合、連続して調整する場合に比べて、制御部110の演算量が減少しつつも、ヒータ130の温度が適切に補償される。
【0221】
図20は、一部実施例によるエアロゾル生成装置に収容されるシガレットを加熱するヒータの温度を制御する方法を説明するためのフローチャートである。
【0222】
図20を参照すれば、エアロゾル生成装置10に収容されるシガレットを加熱するヒータの温度を制御する方法は、図1に図示されたエアロゾル生成装置10で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、図1のエアロゾル生成装置10に係わる前記内容は、図8のシガレットを加熱するヒータの温度を制御する方法にも適用される。
【0223】
段階s2010において、エアロゾル生成装置10は、ヒータの温度がシガレットからエアロゾルが好適に生成されるように設定される基準温度以上になるように、ヒータに供給される電力を制御することができる。
【0224】
段階s2020において、エアロゾル生成装置10は、ヒータの目標温度を設定してヒータの温度が基準温度に保持されるようにヒータに供給される電力を制御することができる。段階s2020において、エアロゾル生成装置10は、ヒータの温度が基準温度以下に低下する場合、ヒータの温度を補償するために目標温度を調整することができる。
【0225】
前述した本発明による実施例は、コンピュータ上で多様な構成要素を通じて実行されるコンピュータプログラムの形態に具現され、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録される。この際、媒体は、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM及びDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(flopticaldisk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、及びROM、RAM、フラッシュメモリのようなプログラム命令語を保存して行うように特別に構成されたハードウェア装置を含んでもよい。
【0226】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計され、構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものでもある。コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作られる機械語コードだけではなく、インタプリターなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードも含まれる。
【0227】
本発明で説明する特定実行は、一実施例であって、如何なる方法でも本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は、省略される。また、図面に図示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであって、実際装置では、代替可能であるか、さらなる多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結として示される。また、「必須な」、「重要に」のように具体的な言及がない限り、本発明の適用において必ずしも必要な構成要素ではない。
【0228】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲)において、「前記」及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数のいずれにも該当する。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであって(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に、前記範囲を構成する各個別的な値を記載したものと同一である。最後に、本発明による方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、反対となる記載がなければ、前記段階は、適当な順序で行われる。必ずしも前記段階の記載順序によって本発明が限定されるものではない。本発明において、全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであって、特許請求の範囲によって限定されない以上、前記例または例示的な用語によって本発明の範囲が限定されるものはない。また、当業者は、多様な修正、組合わせ及び変更が付け加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及びファクターによって構成されることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0229】
本発明の一実施例は、ユーザに喫煙感を提供する電子タバコ装置を生産、具現するところに用いられる。
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