(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20221205BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20221205BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/70
(21)【出願番号】P 2021564681
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 KR2021002985
(87)【国際公開番号】W WO2021246621
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0067175
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/074601(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/053268(WO,A1)
【文献】中国実用新案第210382643(CN,U)
【文献】特表2015-513922(JP,A)
【文献】特表2017-522878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置用ヒータモジュールを製造するための方法であって、
熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管を設ける段階と、
前記熱伝達管を金型に配置し、樹脂を前記金型に注入する異種素材射出工程(insert molding)によって一端が前記熱伝達管の端部に一体に結合され、側壁が前記熱伝達管から離隔され、前記熱伝達管を覆い包むカバーを成形して前記熱伝達管と前記カバーの組立体を成形する段階と、
前記熱伝達管の外側面にヒータを配置する段階と、
内部圧力が大気圧よりも低くなるように前記熱伝達管と前記カバーとの空間を密封栓で密封する段階と、を含む、ヒータモジュールの製造方法。
【請求項2】
前記密封栓で密封する段階は、
高温雰囲気で前記熱伝達管と前記カバーの前記組立体とを配置する段階と、
前記密封栓を前記カバーの他端に結合する段階と、を含む、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項3】
前記密封栓で密封する段階は、
前記密封栓を前記カバーの他端に結合する段階と、
前記密封栓に形成された空気抽出口を通じて前記熱伝達管と前記カバーとの間の前記空間の空気を抽出する段階と、
前記空気抽出口を密封する段階と、を含む、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項4】
前記熱伝達管と前記カバーの前記組立体を成形する段階と前記ヒータを配置する段階との間に、前記カバーの内側に熱反射体を形成する段階をさらに含む、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項5】
前記熱反射体を形成する段階は、
熱を反射する素材を含む熱反射管を設ける段階と、
前記熱反射管を前記カバーに挿入する段階と、を含む、請求項4に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項6】
前記熱反射体を形成する段階は、前記カバーの前記内側に熱反射物質をコーティングする段階を含む、請求項4に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項7】
前記ヒータを配置する段階は、
前記熱伝達管の形状に対応する円筒状をなすように電熱線を巻いたコイルヒータを設ける段階と、
前記コイルヒータを前記熱伝達管の前記外側面に配置する段階と、を含む、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項8】
前記ヒータを配置する段階は、
前記熱伝達管の形状に対応する円筒状のフィルムと、前記フィルムに配置されて電気が印加されれば、熱を発生させる導線と、を含むフィルムヒータを製造する段階と、
前記フィルムヒータを前記熱伝達管の前記外側面に配置する段階と、を含む、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項9】
前記熱伝達管は、前記熱伝達管の端部から放射方向に突出するフランジと、前記フランジに形成された溝、突起、通孔の少なくとも1つを含むことで、前記カバーが前記溝、前記突起、前記通孔の少なくとも1つと一体に結合される、請求項1に記載のヒータモジュールの製造方法。
【請求項10】
エアロゾル生成装置用ヒータモジュールであって、
熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管と、
前記熱伝達管の端部に一体に結合される一端と、前記熱伝達管から離隔され、前記熱伝達管を覆い包む側壁と、を含むカバーと、
前記熱伝達管の外側面に配置されて熱を発生させるヒータと、
内部圧力が大気圧よりも低くなるように、前記熱伝達管と前記カバーとの空間を密封する密封栓と、を含む、ヒータモジュール。
【請求項11】
前記カバーの内側に配置されて前記ヒータから発生した熱を反射する熱反射体をさらに含む、請求項10に記載のヒータモジュール。
【請求項12】
前記ヒータは、前記熱伝達管の形状に対応する円筒状を形成するように巻かれた、請求項10に記載のヒータモジュール。
【請求項13】
前記ヒータは、前記熱伝達管の形状に対応する円筒状のフィルムと、前記フィルムに配置されて電気が印加されれば、熱を発生させる導線と、を含む、請求項10に記載のヒータモジュール。
【請求項14】
前記熱伝達管は、前記熱伝達管の前記端部から放射方向に突出するフランジと、前記フランジに形成された溝、突起、通孔の少なくとも1つと、を含むことで、前記カバーが前記溝、前記突起、前記通孔の少なくとも1つに一体に結合される、請求項10に記載のヒータモジュール。
【請求項15】
エアロゾル生成装置であって、
請求項10~14のうち、いずれか1項に記載のヒータモジュールと、
前記ヒータモジュールに電気的に連結されて前記ヒータモジュールの作動を制御する制御器と、を含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、加熱性能と安全性が向上したヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気によって作動して熱を発生させることで、加熱対象物を所望の温度に加熱するヒータモジュールは、家庭用または産業用などの多様な用途として使用される。加熱対象物を迅速に加熱するためには、ヒータモジュールが高温の熱を発生させるが、その場合、外部に放出されて損失される熱によって安定性とエネルギー効率とが減少してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、損失される熱を遮断することで、加熱対象物を迅速かつ安定して加熱することができ、エネルギー効率が向上したヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施例に係わるヒータモジュールの製造方法は、熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管を設ける段階と、熱伝達管を金型に配置し、樹脂を金型に注入する異種素材射出工程(insert molding)によって一端が熱伝達管の端部に一体に結合され、側壁が熱伝達管から離隔され、熱伝達管を覆い包むカバーを成形して熱伝達管とカバーとの組立体を成形する段階と、熱伝達管の外側面にヒータを配置する段階と、内部圧力が大気圧よりも低くなるように熱伝達管とカバーとの間の空間を密封栓で密封する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0005】
前述したような実施例に係わるヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置によれば、損失される熱を遮断することで、加熱対象物を迅速かつ安定して加熱することができる。
【0006】
また、ヒータモジュール内部の一部を大気圧よりも低い圧力状態である真空状態に保持して熱損失を最小化することができ、加熱性能と安定性とが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の段階を概略的に示すフローチャートである。
【
図2】
図1に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の一部段階の例を概略的に示すフローチャートである。
【
図3】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図4】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図5】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図6】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図7】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図8】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図9】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図10】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図11】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図12】
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【
図13A】他の実施例に係わるヒータモジュールの製造方法によって製造されたヒータモジュールの構成要素を分離して示す斜視図である。
【
図13B】
図13Aに図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の一部段階の例を概略的に示すフローチャートである。
【
図14】一実施例に係わるヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置を概略的に示す断面図である。
【
図15】さらに他の実施例に係わるヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置の一部を拡大して示す断面図である。
【
図16】一実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素を概略的に示す斜視図である。
【
図17】
図16に図示された実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素の結合関係を概略的に示す断面図である。
【
図18】さらに他の実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素の結合関係を概略的に示す断面図である。
【
図19】さらに他の実施例によって熱伝達管の外部表面にヒータを配置する方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施例に係わるヒータモジュールの製造方法は、熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管を設ける段階と、熱伝達管を金型に配置し、樹脂を金型に注入する異種素材射出工程(insert molding)によって一端が熱伝達管の端部に一体に結合され、側壁が熱伝達管から離隔され、熱伝達管を覆い包むカバーを成形して熱伝達管とカバーとの組立体を成形する段階と、熱伝達管の外側面にヒータを配置する段階と、内部圧力が大気圧よりも低くなるように熱伝達管とカバーとの間の空間を密封栓で密封する段階と、を含む。
【0009】
一実施例に係わるヒータモジュールは、熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管と、熱伝達管の端部に一体に結合される一端と熱伝達管から離隔され、熱伝達管を覆い包む側壁を含むカバーと、熱伝達管の外側面に配置されて熱を発生させるヒータと、内部圧力が大気圧よりも低くなるように熱伝達管とカバーとの間の空間を密封する密封栓と、を含む。
【0010】
一実施例に係わるエアロゾル生成装置は、熱を伝達する素材を含み、加熱されれば、エアロゾルを発生させるシガレットが挿入される中空状の熱伝達管と、熱伝達管の端部に一体に結合される一端と熱伝達管から離隔され、熱伝達管を覆い包む側壁を含むカバーと、熱伝達管の外側面に配置されて熱を発生させるヒータと、内部圧力が大気圧よりも低くなるように熱伝達管とカバーとの間の空間を密封する密封栓を含むヒータモジュールと、ヒータモジュールに電気的に連結されてヒータモジュールの作動を制御することができる制御器と、を含む。
【0011】
本発明は、添付図面に基づいて詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態によっても具現され、ただ本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。一方、本明細書で使用された用語は、実施例を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む。(comprise)」及び「含む(comprising)」のうち少なくとも1つで言及された構成要素、段階、動作及び素子のうち少なくとも1つは、1以上の他の構成要素、段階、動作及び素子のうち少なくとも1つの存在または追加を排除しない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されうるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0012】
図1は、一実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の段階を概略的に示すフローチャートである。
【0013】
図1に示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法は、熱を伝達する素材を含み、中空状を有する熱伝達管を設ける段階(S100)と、異種素材射出工程によって熱伝達管にカバーを一体に結合して熱伝達管とカバーとの組立体を成形する段階(S110)と、熱伝達管の外側面にヒータを配置する段階(S120)と、熱反射体を形成する段階(S130)と、熱伝達管とカバーとの間の空間を密封する段階(S140)と、を含む。
【0014】
図1に示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法は、熱反射体を形成する段階(S130)を含むが、実施例は、そのようなヒータモジュールの製造方法によって制限されるものではなく、熱反射体を形成する段階(S130)は省略されうる。例えば、熱を反射する性能が優秀な素材を用いてカバーを作製するか、またはプラスチックや金属素材などでカバーを作製してカバーの内側を熱反射性能が優秀な素材で予めコーティングするならば、熱伝達管とカバーとの組立体を成形する段階(S110)以後に熱反射体を形成する段階を省略しうる。
【0015】
段階(S110)において、熱伝達管とカバーとの組立体は、熱伝達管を金型に配置し、樹脂を金型に注入する異種素材射出工程によって成形されうる。その結果、熱伝達管の端部にカバーの一端が一体に結合され、カバーの側壁が熱伝達管の外側面から離隔されて熱伝達管の外側面を覆い包む。
【0016】
段階(S140)において、熱伝達管とカバーとの間の空間が密封栓で密封されることで、熱伝達管とカバーとの間の空間が大気圧よりも低い真空状態になる。
【0017】
図2は、
図1に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の一部段階の例を概略的に示すフローチャートであって、
図1の熱伝達管とカバーとの間の空間を密封する段階(S140)を行うための具体的段階を図示する。
【0018】
図2を参照すれば、熱伝達管とカバーとの間の空間を密封する段階(S140)は、熱伝達管とカバーとの組立体を高温の雰囲気に配置する段階(S141)と、熱伝達管とカバーとの間の空間を密封するための密封栓を熱伝達管とカバーとの組立体に配置する段階(S142)と、組立済のヒータモジュールを冷却する段階(S143)を含む。
【0019】
前述したようなヒータモジュールの製造方法では、ヒータモジュールの製造工程中に熱伝達管とカバーとの間の空間を真空状態で具現するために、密封栓を熱伝達管とカバーとの組立体に結合する工程を高温の雰囲気下で実施してヒータモジュールを冷却する段階(S143)を実施することで、ヒータモジュールの内部に真空状態を自然に形成することができる。すなわち、ヒータモジュール内部の空気が高温の雰囲気下で膨脹していて、ヒータモジュールを冷却する段階(S143)によって空気が再び冷却して収縮されるので、ヒータモジュールの内部に真空状態が形成される。
【0020】
前述した実施例によれば、ヒータモジュールを組立てた後、ヒータモジュール内部を真空状態に具現するために、ヒータモジュールから空気を抽出する別途の工程を実施する必要がないので、ヒータモジュールの製造工程が簡潔である。
【0021】
また、ヒータモジュールを組立てるためにある従来の方法では、真空状態を具現する複雑な工程を避けるために別途に購入した真空管モジュールがヒータモジュールに連結される。しかし、そのような場合、真空管モジュールのデザインによってヒータモジュールのデザインと大きさが決定されねばならないので、ヒータモジュールの自由な設計が困難であり、製造コストを増加させうる。
【0022】
実施例によれば、ヒータモジュールの製造過程でヒータモジュール内部の真空状態を自然に形成することができるので、製造コストを低減し、製造工程を簡素化することができる。
【0023】
ここで、ヒータモジュール内部に形成される「真空状態」は、ヒータモジュール内部のヒータで発生する熱が、ヒータモジュール外部に発散することを阻止可能なレベルの低い空気圧を有する状態を意味し、空気が全く存在しない完璧な真空状態を意味するものではない。したがって、ヒータモジュール内部の真空状態は、大気圧よりも低いレベルの圧力状態を含み、例えば、大気圧を1気圧(760mmHg)と仮定すれば、ヒータモジュール内部の真空状態は、0.3~0.8の低い圧力状態を含んでもよい。
【0024】
図3ないし
図12は、
図1及び
図2に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の各段階を示す説明図である。
【0025】
図3は、熱伝達管10を設ける段階を図示する。熱伝達管10(
図1のS100参照)は、ステンレススチール、アルミニウム、銅のいずれか1つまたはそれらの組合せを含む熱伝導性金属素材によって作製されうる。熱伝達管10は、ヒータで発生した熱を加熱対象物に伝達する機能を遂行する。
【0026】
熱伝達管10は、例えば、金属素材の管を切断し、折り曲げるなどの工程や鍛造工程などを通じて設けることができる。または、熱伝達管10は、予め設けた金型を用いた鋳物工程を通じて設けることができる。
【0027】
熱伝達管10は、内部に加熱対象物を収容する収容通路10vを含む円筒状チューブ(tube)に形成される。熱伝達管10は、以下で説明されるカバーとの結合のために熱伝達管10の一側端部11から放射方向に突出するフランジ11pを含む。
【0028】
熱伝達管10の外部にヒータが配置されるので、熱伝達管10は、主に外側面10fを通じて伝達された熱を収容通路10vに伝達する機能を遂行することができる。
【0029】
実施例は、図示された熱伝達管10の構造によって制限されるものではなく、熱伝達管10は、例えば、多角形の断面を有する多角筒状を有することができる。
【0030】
図4は、異種素材射出工程(insert molding)によって熱伝達管10(
図1のS110参照)とカバーとの組立体を成形する段階を図示する。熱伝達管10とカバーとの組立体を成形する段階において、熱伝達管10を金型7a、7bのキャビティ7vに配置し、金型7a、7bに溶融された樹脂を注入する異種素材射出工程(insert molding)によって熱伝達管10とカバーとが一体化される。その結果、熱伝達管とカバーとの組立体が一体に成形される(integrally molded)。
【0031】
図5は、異種素材射出工程(insert molding)によって一体に形成された熱伝達管10とカバー20との組立体10aを図示する。
【0032】
カバー20の素材としては、例えば、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylenterephthalate、PBT)、及びポリエーテルエーテルケトン(Polyetheretherketone、PEEK)のいずれか1つまたはそれらの混合物などが使用されうる。
【0033】
カバー20は、熱伝達管10の一側端部11に一体に結合される一端21と、一端21と連結され、熱伝達管10の外側面10fから離隔され、熱伝達管10の外側面10fを覆い包む側壁22を含む。熱伝達管10とカバー20の組立体10aの内部でカバー20の側壁22は、熱伝達管10の外側面10fから離隔される。
【0034】
図6は、カバー20(
図1のS130参照)の内側に熱反射体を形成する段階の一例を図示する。カバー20の内側に熱反射体を形成する段階は、熱を反射する素材を含む熱反射管30pを設ける段階と、熱反射管30pをカバー20の内側に挿入する段階と、を含む。
【0035】
カバー20の内径に対応する大きさの外径を有する熱反射管30pは予め準備されうる。したがって、熱反射管30pをカバー20の内側に挿入すれば、熱反射管30pがカバー20の内側に固定されうる。一実施例によれば、熱反射管30pとカバー20の内側に熱伝導性の接着層を配置することができる。すなわち、熱反射管30pの外部表面及びカバー20のうち少なくとも1つの内部表面に接着性能を有し、熱伝導性に優れた接着層が配置され、熱反射管30pをカバー20の内側に挿入することで熱反射管30pとカバー20とを結合することができる。
【0036】
熱反射管30pは、ヒータから放射される放射熱を反射する機能を遂行するように強化炭素素材層、アルミナ反射層コーティング、及び白保護層の少なくとも1つを含んでもよい。層は、熱反射管30pの内側に積層されうる。
【0037】
図7は、カバー20(
図1のS130参照)の内側に熱反射体を形成する段階の他の例を図示する。カバー20の内側に熱反射体を形成する段階は、カバー20の内側に熱反射物質をコーティングする段階を含んでもよい。カバー20の内側に熱反射物質をコーティングする段階は、
図7に図示されたようにノズル30nを用いてカバー20の内側に向かって熱反射物質を噴射する塗布層30cを形成するスプレー法を利用することができる。
【0038】
塗布層30cを形成するときには、熱伝達管10とカバー20との組立体10a内部の残りの領域、すなわち、熱伝達管10の外側面は、臨時的に保護部材で覆って熱伝達管10の外側面に熱反射物質が塗布されないようにもすることができる。
【0039】
実施例は、カバー20の内側に熱反射物質をコーティングするために、スプレー法を用いた例のみに限定されるものではなく、例えば、熱反射物質が収容されている保存槽に熱伝達管10とカバー20との組立体10aを浸漬する方式であるか、様々な方式の他の蒸着法を用いてカバー20内側に熱反射物質をコーティングすることができる。
【0040】
図8は、
図6または
図7に図示されたような段階が実行された以後にカバー20の内側に熱反射体30が形成された状態を図示する。
【0041】
カバー20の内側に熱反射物質がコーティングされた以後に常温状態で十分に乾燥させるか、熱風を用いてカバー20の内側にコーティングされた熱反射物質を乾燥させうる。
【0042】
図9及び
図10は、熱伝達管10の外部にヒータ40cを配置する段階を図示する。ヒータ40cを配置する段階は、熱伝達管10の形状に対応する円筒状を形成するように電熱線が巻かれたヒータを設ける段階と、熱伝達管10の外部表面を覆い包むようにヒータ40cを配置する段階を含む。
【0043】
コイルによって形成されたヒータ40cは、外部から電気を供給されるための引出ワイヤ40fを含む。ヒータ40cの外側と内側のうち1つ、または外側と内側のいずれにも、保護層が形成されうる。ヒータ40cは、引出ワイヤ40fに外部から電気が印加されれば、熱を発生させうる電気抵抗ヒータでもある。ヒータ40cには、銅またはステンレススチールのような電熱性能(electric heating function)を有する金属素材が使用されうる。
【0044】
実施例は、
図9及び
図10に図示されたような熱伝達管10の外側面にヒータ40cを配置する段階によって制限されるものではなく、例えば、熱伝達管10の外側面に電熱線を直ちに巻く方式を使用して熱伝達管10の外側面にヒータ40cを配置することができる。
【0045】
また、ヒータ40cの全体形状は、必ずしも円筒状のみに制限されるものではなく、ヒータ40cは、熱伝達管10の形状に対応して多角形の断面を有する中空筒状にも作製される。
【0046】
図11及び
図12は、熱伝達管10とカバー20の組立体10aから熱伝達管10とカバー20(
図1のS140参照)との間の空間20vを密封栓50によって密封する段階を図示する。密封段階は、高温の雰囲気で熱伝達管10とカバー20との組立体10aを配置する段階と、高温の雰囲気下で熱伝達管10と結合されたカバー20の一端部と異なるカバー20の端部に、密封栓50を結合する段階と、を含む。
【0047】
密封栓50は、例えば、耐熱性ゴムや、耐熱性シリコンや、耐熱性プラスチックなどの耐熱性素材を含んでもよい。密封栓50は、中心に熱伝達管10の下側端部を通過させうる中央通孔を含み、ヒータ40cの引出ワイヤ40fを通過させうる貫通孔50fを含む。
【0048】
密封栓50をカバー20の端部に結合するときには、密封栓50とカバー20との間に接着剤を配置することで、密封栓50とカバー20との堅固な結合状態を確保することができる。また、密封栓50がカバー20に結合されている間に密封栓50の貫通孔50fを通じて引出ワイヤ40fを密封栓50の外部に引き出した後で貫通孔50fに耐熱シリコンとシーリング材(sealing material)を塗布して貫通孔50fを完全に密封することができる。
【0049】
図12に図示されたように熱伝達管10とカバー20との組立体10aに密封栓50を結合して密封段階を行うことで、ヒータモジュールを組立てた後には、ヒータモジュールを冷却する段階を行うことができる。その結果、高温の雰囲気で膨脹していた空気が冷却されることで収縮するので、ヒータモジュールの内部に自然に真空状態が形成される。
【0050】
図13Aは、他の実施例に係わるヒータモジュールの製造方法によって製造されたヒータモジュールの展開図であり、
図13Bは、
図13Aに図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法の一部段階の例を概略的に示すフローチャートである。
【0051】
図13A及び
図13Bは、熱伝達管とカバーとの間の空間を密封栓で密封する段階の他の例を図示する。
【0052】
図13Aに図示された実施例に係わるヒータモジュールは、熱を伝達することができる素材を含み、中空状を有する熱伝達管10、熱伝達管10の一側端部11に一体に結合する結合孔21aを含む一端21と、一端21に連結されて熱伝達管10を覆い包むように熱伝達管10から離隔される側壁22を含む中空状のカバー20、カバー20の内側に配置され、熱反射体機能を遂行する熱反射管30p、熱伝達管10の外部に配置されて外部に印加された信号によって熱を発生させるヒータ40c、及び熱伝達管10とカバー20との間の空間の内部圧力が大気圧よりも低い真空状態になるように、熱伝達管10とカバー20との間の空間を密封する密封栓50を含む。
【0053】
熱伝達管10とカバー20との組立体10aに密封栓50が結合することで、ヒータモジュールの組立が完了されれば、密封栓50の貫通孔50fを通じて密封栓50の外部に引出された引出ワイヤ40fに制御器70を電気的に連結することができる。制御器70は、ヒータ40cを制御するための制御用プログラムまたはプログラム実行に係わる情報が保存されたメモリ及び制御用半導体チップのうち少なくとも1つなどを含む回路基板を含んでもよい。
【0054】
図13A及び
図13Bを参照すれば、熱伝達管とカバーとの間の空間を密封栓で密封する段階は、密封栓50をカバー20の他端に結合する段階(S144)と、密封栓50に形成された空気抽出口50cを通じて熱伝達管10とカバー20との間の空間の空気をカバー20の外部に抽出する段階(S145)と、密封栓50の空気抽出口50cを密封する段階(S146)を含む。
【0055】
熱伝達管10とカバー20との間の空間の空気をカバー20の外部に抽出する段階(S145)は、例えば、電気動力や流体圧力によって作動する空気ポンプや手動空気ポンプを空気抽出口50cに連結してヒータモジュール内部の空気を外部に抽出する方式で実行されうる。
【0056】
図14は、一実施例に係わるヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置を概略的に示す断面図である。
図1ないし
図13に図示された実施例に係わるヒータモジュールを
図14に図示されたようなエアロゾル生成装置に適用しうる。
【0057】
図14に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置は、ヒータモジュール5と、ヒータモジュール5の引出ワイヤ40fに電気的に連結されてヒータ40cの動作を制御する制御器70と、制御器70とヒータモジュール5に電力を供給するためのバッテリ70bとを含む。ヒータモジュール5は、中空状の熱伝達管10、熱伝達管に一体に結合する一端21と熱伝達管10から離隔された側壁22を含むカバー20、熱伝達管10の外側に配置されて熱を発生させるヒータ40c、カバー20の内側に配置されて熱を反射する熱反射体30、及び熱伝達管10とカバー20との間の空間20vを密封する密封栓50を含む。
【0058】
エアロゾル生成装置に装着されたヒータモジュール5の熱伝達管10には、シガレット7が挿入されうる。熱伝達管10の下端には、シガレット7の端部を支持するための支持板9bが設けられる。
【0059】
エアロゾル生成装置のヒータモジュール5、制御器70、及びバッテリ70bは、ケース8の内部に収容されうる。
【0060】
図14において、ヒータモジュール5、制御器70、及びバッテリ70bが一列に配置されているが、実施例は、そのような配置によって制限されるものではなく、ヒータモジュール5、制御器70、及びバッテリ70bの配置は、多様に変形されうる。
【0061】
シガレット7がエアロゾル生成装置に挿入されれば、エアロゾル生成装置は、ヒータ40cを加熱する。シガレット7内のエアロゾル生成物質は、加熱されたヒータ40cによって温度が上昇し、これにより、エアロゾルが生成されうる。生成されたエアロゾルは、シガレット7のフィルタを通じてユーザに伝達される。ここで、「シガレット」という用語は、伝統の燃焼シガレットと類似した形状を有するエアロゾル生成物品(すなわち、基材)を意味することができる。このようなシガレット(すなわち、シガレット型エアロゾル生成物品)は、エアロゾル生成素材を含み、エアロゾル生成装置の動作(例えば、加熱)によってエアロゾルを生成することができる。
【0062】
バッテリ70bは、エアロゾル生成装置の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ70bは、ヒータ40cが加熱されるように電力を供給し、制御器70の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ70bは、エアロゾル生成装置に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0063】
制御器70は、エアロゾル生成装置の全般的な動作を制御する。具体的に、制御器70は、バッテリ70b及びヒータ40cだけではなく、エアロゾル生成装置に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御器70は、エアロゾル生成装置の構成要素のそれぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0064】
制御器70は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合せによっても具現される。また、制御器70は、他の形態のハードウェアによっても具現される。
【0065】
ヒータ40cは、バッテリ70bから供給された電力によって加熱される。シガレット7がヒータモジュール5の熱伝達管10に挿入されれば、ヒータ40cがシガレット7を加熱することで、シガレット7内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0066】
一方、エアロゾル生成装置は、バッテリ70b、制御器70及びヒータ40c以外に汎用的な構成要素をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び触覚情報の出力のためのモータのうち少なくとも1つを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置は、少なくとも1つのセンサ(例えば、パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。
【0067】
また、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置にシガレット7が挿入されている間にも、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0068】
一方、他の例として、ヒータ40cは、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ40cには、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0069】
図14に図示されていないが、エアロゾル生成装置は、別途のクレードルと共にシステムに含まれる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置のバッテリ70bの充電に用いられる。また、クレードルとエアロゾル生成装置とが結合された状態でヒータ40cが加熱されうる。
【0070】
シガレット7は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット7は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に分けられる。または、シガレット7の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0071】
エアロゾル生成装置の内部には、第1部分が完全に挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置の内部に第1部分が部分的にのみ挿入され、または第1部分、及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0072】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置に形成された空気通路の開閉及び空気通路の大きさのうち少なくとも1つは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感(smoking feeling)などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、シガレット7の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット7の内部に流入されうる。
【0073】
図15は、さらに他の実施例に係わるヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置の一部を拡大して示す断面図である。
【0074】
図15に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置は、
図14に図示された実施例に係わるエアロゾル生成装置と全体として類似している。しかし、シガレット7の外径に対応する直径を有する中空状のシガレット収容管9が熱伝達管10の内部に付加的に配置されている。シガレット収容管9は、熱をよく伝達することができる金属素材を含み、熱伝達管10から伝達された熱をシガレット7に伝達すると共に、シガレット7を安定して支持する機能を遂行することができる。
【0075】
ヒータ40cに電気を供給するワイヤ40gは、密封栓50を貫通しない。その代わりに、ワイヤ40gは、密封栓50の上側に形成される上部電極50pに電気的に連結される。ワイヤ40gは、半田付け方式によって上部電極50pに電気的に連結されるか、別途のコネクタを用いて上部電極50pに電気的に連結される。
【0076】
密封栓50の上部電極50pは、密封栓50の下部電極50rに電気的に連結される。密封栓50の上部電極50pと下部電極50rは、密封栓50の内部に形成された回路パターンによって電気的に連結される。ヒータモジュール5をエアロゾル生成装置に設置すれば、密封栓50の下部電極50rが制御器70の接続パッド70rに電気的に接続される。
【0077】
接続パッド70rは、制御器70の電気的信号をヒータ40cに伝達するための接続端子である。接続パッド70rは、例えば、バネのような弾性手段によって弾性的に支持されたポゴピン(pogo pin)によって形成され、または回路基板に直接形成されて制御器70の外部に露出される回路パターンによっても形成される。
【0078】
前述したようなヒータ40cと密封栓50との結合構造によれば、ヒータ40cに電気を供給するためのワイヤ40gが密封栓50を貫通せずにも、制御器70に安定して連結される。したがって、ヒータ40cと制御器70の電気的連結部分と係わって密封栓50に対して実施せねばならない密封作業を省略しうる。
【0079】
前述したような実施例に係わるエアロゾル生成装置においてヒータモジュール5に電力が供給されれば、ヒータ40cが熱を発生させることで、シガレット7を加熱させる。
図15を参照すれば、ヒータ40cで発生した熱は、ヒータ40cの外側面及び内側面から発散する。ヒータ40cの内側面は、シガレット7に向かう面であり、ヒータ40cの外側面は反対側面である。
【0080】
ヒータ40cの内側面から発散された熱は、熱伝達管10とシガレット収容管9を通じてシガレット7に伝達されてシガレット7でエアロゾル生成作用が円滑になされる。
【0081】
ヒータ40cの外側面から発散された熱は、熱伝達管10とカバー20との間の空間20vに放射される。もし、熱伝達管10とカバー20との間の空間20vに大気圧と類似した圧力レベルの空気が存在すれば、空気を媒介としてカバー20に直接熱が伝導されるか、空気の対流作用を通じてカバー20に熱が伝達されることで、ヒータ40cの熱がカバー20の外部に放出される熱損失が発生してしまう。そのような熱損失は、シガレット7を加熱するヒータ40cの加熱性能を低下させると共に、ケース8に接触する身体部分に熱が伝達されることで、ユーザに危険性と不便さを与えてしまう可能性がある。
【0082】
前述した実施例に係わるエアロゾル生成装置では、熱伝達管10とカバー20との間の空間20vが前述したような大気圧よりも低い圧力状態を意味する真空状態を保持するので、熱伝達管10とカバー20との間の空間20vで空気を通じてカバー20に直接熱が伝導されるか、空気の対流作用によってカバー20に熱が伝達されるなどの作用を最小化することができる。
【0083】
また、ヒータ40cからカバー20に向かって放出された熱は、カバー20の内側に位置する熱反射体30によって反射し、反射された熱が再び熱伝達管10とシガレット7に向かって伝達される。したがって、シガレット7を加熱させる加熱作用の効果を極大化し、シガレット7で発生するエアロゾルの風味を向上させ、エネルギー損失を最小化しながらも、エアロゾルの発生量を増加させうる。
【0084】
図16は、一実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素を概略的に示す斜視図であり、
図17は、
図16に図示された実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素の結合関係を概略的に示す断面図である。
【0085】
図16及び
図17に図示された実施例に係わるヒータモジュールにおいて熱伝達管10は、一側端部から放射方向に突出するフランジ11pと、フランジ11pに形成された結合用通孔11hを含む。
【0086】
異種素材射出工程(insert molding)によって熱伝達管10に結合するカバー20は、熱伝達管10のフランジ11pの結合用通孔11hに一体に結合する一端21と、一端21に連結されて熱伝達管10の外側面を覆い包むように熱伝達管10の外側面から離隔される側壁22を含む。
図17に図示されたように異種素材射出工程(insert molding)によってカバー20を成形する段階で、カバー20を成形するために使用される溶融された樹脂が熱伝達管10のフランジ11pの結合用通孔11hの内部に流れて行くことにより、カバー20と熱伝達管10との間の結合がさらに堅固になる。
【0087】
図18は、さらに他の実施例に係わるヒータモジュールの一部構成要素の結合関係を概略的に示す断面図である。
【0088】
図18に図示された実施例に係わるヒータモジュールにおいて、熱伝達管10は、熱伝達管10の一側端部で放射方向に突出するフランジ11pと、フランジ11pに形成された結合用突起11jと結合用溝11iを含む。
【0089】
したがって、異種素材射出工程(insert molding)によってカバー20を成形する段階で、カバー20を成形するために使用される溶融された樹脂が熱伝達管10のフランジ11pの結合用突起11jを覆い包んで結合用溝11iの内部に流れて行くことで、カバー20と熱伝達管10との間の結合がさらに堅固になる。
【0090】
図19は、一実施例に係わるヒータモジュールの製造方法を図示する。
【0091】
図19に図示された実施例に係わるヒータモジュールの製造方法は、
図1において、熱伝達管の外側面にヒータを配置する段階S120に対応することができる。
【0092】
熱伝達管10の外側面にヒータ140を配置する段階は、熱伝達管10の外観形状に対応する円筒状のフィルム140fと、フィルム140fに配置されて外部から電気が印加されれば、熱を発生させる導線140pを含むフィルムヒータを製造する段階と、フィルムヒータを熱伝達管10の外側面を覆い包むように配置する段階と、を含む。
【0093】
フィルムヒータを製造する段階は、ポリイミドなどのフレキシブル素材のフレキシブル基板に銅などの回路パターンを印刷するか、ラミネーションなどの工程を用いてフレキシブル基板と回路層を積層する方法などを用いて、フレキシブル回路基板を製造する段階を含んでもよい。
【0094】
フィルムヒータを熱伝達管10の外側面に配置する段階は、先に方形板状のフレキシブル回路基板を巻いて熱伝達管10の外側面の形状に対応する円筒状に作製した後、円筒状に変形されたフィルムヒータに熱伝達管10を挿入する方式で実行されうる。
【0095】
または、そのような方式を変形してフィルムヒータを熱伝達管10の外側面に配置する段階は、方形板状のフレキシブル回路基板を設けた後、熱伝達管10の外側面にフレキシブル回路基板を直接巻いて熱伝達管10の外側面に固定されるフィルムヒータの最終形状を円筒状に完成することもできる。
【0096】
前述したように熱伝達管10の外側面に配置されたヒータ140は、最終的に円筒状を有するが、ヒータ140の断面が全閉された閉サークル(closed circle)にならねばならないものではなく、ヒータ140の断面の一部が開放された円弧状にもなる。
【0097】
ヒータ140は、外部から電気を供給されるための引出ワイヤ140cを含む。密封栓50は、ヒータ140の引出ワイヤ140cを通過させうる貫通孔50fを含む。
【0098】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、上記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態によって具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、加熱性能と安全性とが向上したヒータモジュール、ヒータモジュールの製造方法、及びヒータモジュールを含むエアロゾル生成装置に関するものである。