(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ガス生成方法
(51)【国際特許分類】
C01B 13/11 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
C01B13/11 K
(21)【出願番号】P 2020042920
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴翔
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-500855(JP,A)
【文献】国際公開第2011/065087(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/116335(WO,A1)
【文献】特開2003-146624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0250614(US,A1)
【文献】米国特許第05106589(US,A)
【文献】特開昭52-146794(JP,A)
【文献】特表2001-513313(JP,A)
【文献】国際公開第2015/049783(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス生成装置を用いたガス生成方法であって、
前記ガス生成装置は、
放電空間に誘電体バリア放電を発生させ、前記放電空間に供給した原料ガスから生成ガスを生成して外部に出力するガス発生器と、
前記ガス発生器に交流電圧を付与する単一のガス発生用電源と、
前記ガス発生器に入力される原料ガス流量を制御する流量制御機器と、
前記ガス発生器内の圧力である内部圧力を自動制御する圧力制御機器と、
生成ガスの濃度を測定して測定ガス濃度を取得するガス濃度測定器とを備え、
目標ガス流量及び目標ガス濃度に基づき、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を制御する制御動作を実行する制御部とを備え、
前記ガス生成方法は、前記制御部による前記制御動作として実行されるリミット投入電力算出処理と、前記リミット投入電力算出処理後に実行される実制御処理とを含み、
前記リミット投入電力算出処理は、
(a) 前記目標ガス流量及び前記目標ガス濃度を設定するステップと、
(b) 前記測定ガス濃度が前記目標ガス濃度に達し、前記原料ガス流量が前記目標ガス流量に達するように、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を仮制御するステップと、
(c) 前記ステップ(b)の仮制御に適した前記ガス発生用電源の供給電力を理想投入電力として算出するステップと、
(d) 前記理想投入電力を“1”未満の決定電力割合で除算して、リミット投入電力を算出するステップとを含み、
前記実制御処理は、
(e) 前記ガス発生用電源の最大出力電力を前記リミット投入電力に制限するステップと、
(f) 前記ステップ(e)の実行後の前記ガス発生用電源を用いて、前記測定ガス濃度が前記目標ガス濃度に達し、前記原料ガス流量が前記目標ガス流量に達するように、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を実制御するステップとを含む、
ガス生成方法。
【請求項2】
請求項1記載のガス生成方法であって、
前記実制御処理は制御状態確認処理をさらに含み、
前記制御状態確認処理は、
(g) 前記ステップ(f)の実制御に適した前記ガス発生用電源の供給電力を実制御時理想投入電力として算出するステップと、
(h) 前記ステップ(g)で得た前記実制御時理想投入電力が閾値電力を超えた場合、前記実制御時理想投入電力を前記決定電力割合で除算して、前記リミット投入電力を再算出するリミット投入電力再算出処理を実行するステップとを備え、
前記リミット投入電力再算出処理の実行後、前記実制御処理の前記ステップ(e)は、前記ステップ(h)で再算出された前記リミット投入電力を用いて実行される、
ガス生成方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のガス生成方法であって、
前記決定電力割合は、0.85以上0.95以下の値を有する、
ガス生成方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうち、いずれか1項に記載のガス生成方法であって、
前記原料ガスは酸素ガスであり、
前記生成ガスはオゾンガスであり、
前記ガス生成装置はオゾン生成装置であり、
前記ガス発生器はオゾン発生器であり、
前記単一のガス発生用電源は単一のオゾン用電源である、
ガス生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、単一のガス発生用電源を有するガス生成装置を用い、原料ガスから生成ガスを生成するガス生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘電体バリア放電を利用した代表的な従来のガス生成方法として、オゾン生成方法がある。オゾン生成方法は、オゾン用電源及びオゾン発生器を主要構成要素としたオゾン生成装置を用いてオゾンを発生させていた。従来のオゾン生成装置において、所望のオゾン発生量(オゾン濃度×ガス流量)に応じて、オゾン発生器1への最大出力電力Wmax[W]を決定し、決定した最大出力電力Wmaxの電源供給能力を有するオゾン用電源を採用していた。
【0003】
このようなオゾン生成装置として、例えば、特許文献1に開示されたオゾンガス供給システムにおけるオゾン発生ユニットが挙げられる。
【0004】
そして、上述したオゾン生成装置を用いたオゾン生成方法では、オゾン濃度をフィードバックデータとしてPID制御を実行することにより、目標のオゾン発生量に必要な理想投入電力CW(≦Wmax)になるようにオゾン用電源の定格性能(供給電力)を調整していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、要求されるオゾン発生量がユーザごとに異なる場合が多いというユーザ要求傾向がある。このユーザ要求傾向に対応すべく、比較的大きな最大出力電力Wmaxを有するオゾン用電源を採用するのが一般的であった。
【0007】
すなわち、比較的小容量のオゾン発生量を生成することを主目的としたオゾン生成装置であっても、比較的大容量のオゾン発生量を生成する能力を持たせるべく、十分大きい最大出力電力Wmaxを有するオゾン用電源を採用することが一般的であった。なお、原料ガスのガス流量が一定の場合、オゾン発生量とオゾン濃度とは比例関係を有する。
【0008】
このため、要求されるオゾン発生量が比較的小容量の場合、オゾン発生器が必要とする投入電力[W](以下、この電力を「理想投入電力CW」とする)は、オゾン用電源の最大出力電力Wmax[W]に対してかなり小さくなる。例えば、理想投入電力CWは最大出力電力Wmaxの20%以下になることが考えられる。
【0009】
この場合、最大出力電力Wmaxから理想投入電力CWまで絞った供給能力で、オゾン用電源を動作させることになる。但し、理想投入電力CWはオゾン発生器1内の冷却水の温度、流量等により、時々刻々変化する。
【0010】
通常、オゾン生成装置によるオゾン濃度に関するPID制御を実行すると、オゾン用電源の最大出力電力Wmaxの1%程度がオゾン用電源の電力変動量となる。すなわち、最大出力電力Wmaxとオゾン用電源の電力変動量とは正の相関を有している。
【0011】
一方、オゾン用電源の供給電力が数十~数百[W]程度の変動でオゾン濃度の制御精度に影響を与えてしまう。
【0012】
したがって、要求されるオゾン発生量が比較的小容量な場合、最大出力電力Wmax[W]の1%程度の変動量でオゾン用電源の供給電力(オゾン発生器への投入電力)を変動させても、供給電力の変動量が大きいため、オゾン濃度の変動量も大きくなってしまう。
【0013】
このため、従来のオゾン生成方法は、オゾン濃度の微調整が困難となり、オゾン濃度制御精度が低いという問題点があった。
【0014】
要求されるオゾン発生量が多岐にわたる場合でもオゾン濃度制御精度が低くならないようにするためには、多様なオゾン発生量(オゾン濃度)に対応した複数の最大出力電力Wmaxを有する複数のオゾン用電源を設ける必要があった。
【0015】
この場合、互いの最大出力電力Wmaxが異なる複数のオゾン用電源を有する一のオゾン生成装置(第1の態様)、各々が独立したオゾン用電源を有する複数のオゾン生成装置(第2の態様)が考えられる。
【0016】
なお、第2の態様では、複数のオゾン生成装置間でオゾン用電源の最大出力電力Wmaxは異なっている。上述した第1及び第2の態様のいずれも、互いの最大出力電力Wmaxが異なる複数のオゾン用電源の開発が必要となり、装置コストや開発コストの増大を招くため望ましくない。
【0017】
このように、オゾン生成方法に代表される従来のガス生成方法は、比較的簡単な構成のガス生成装置を用いて、高精度な生成ガス(オゾンガス)の濃度制御を行うことができないという問題点があった。
【0018】
本開示は上記問題点を解決するためになされたもので、比較的簡単な構成のガス生成装置を用いて、高精度な生成ガスの濃度制御を行うことができるガス生成方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本開示に係るガス生成方法は、ガス生成装置を用いたガス生成方法であって、前記ガス生成装置は、放電空間に誘電体バリア放電を発生させ、前記放電空間に供給した原料ガスから生成ガスを生成して外部に出力するガス発生器と、前記ガス発生器に交流電圧を付与する単一のガス発生用電源と、前記ガス発生器に入力される原料ガス流量を制御する流量制御機器と、前記ガス発生器内の圧力である内部圧力を自動制御する圧力制御機器と、生成ガスの濃度を測定して測定ガス濃度を取得するガス濃度測定器とを備え、目標ガス流量及び目標ガス濃度に基づき、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を制御する制御動作を実行する制御部とを備え、前記ガス生成方法は、前記制御部による前記制御動作として実行されるリミット投入電力算出処理と、前記リミット投入電力算出処理後に実行される実制御処理とを含み、前記リミット投入電力算出処理は、(a) 前記目標ガス流量及び前記目標ガス濃度を設定するステップと、(b) 前記測定ガス濃度が前記目標ガス濃度に達し、前記原料ガス流量が前記目標ガス流量に達するように、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を仮制御するステップと、(c) 前記ステップ(b)の仮制御に適した前記ガス発生用電源の供給電力を理想投入電力として算出するステップと、(d) 前記理想投入電力を“1”未満の決定電力割合で除算して、リミット投入電力を算出するステップとを含み、前記実制御処理は、(e) 前記ガス発生用電源の最大出力電力を前記リミット投入電力に制限するステップと、(f) 前記ステップ(e)の実行後の前記ガス発生用電源を用いて、前記測定ガス濃度が前記目標ガス濃度に達し、前記原料ガス流量が前記目標ガス流量に達するように、前記ガス発生用電源、前記流量制御機器、前記圧力制御機器及び前記ガス濃度測定器を実制御するステップとを含む。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、ステップ(a)~(d)を含むリミット投入電力算出処理を実行することにより、目標ガス流量及び目標ガス濃度を満足する生成ガスの出力に適した必要最小限の電力値であるリミット投入電力を得ることができる。
【0021】
したがって、本開示のガス生成方法に含まれるリミット投入電力算出処理の実行後、実制御処理の実行時に、ステップ(e)にて、単一のガス発生用電源の最大出力電力を上記リミット投入電力に設定することができる。ガス発生用電源の最小変動量は最大出力電力と正の相関があるため、上記実制御処理の実行時に、ガス発生用電源の最小変動量を低く抑えることができる。
【0022】
その結果、本開示のガス生成方法は、ガス生成装置を用いて、生成ガスのガス濃度の変動量を低くして高精度なガス濃度制御を行うことができる効果を奏する。
【0023】
加えて、本開示のガス生成方法に用いるガス生成装置は、単一のガス発生用電源を有する比較的簡単な構成であるため、ガス生成装置に関するコストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施の形態であるオゾン生成方法で用いるオゾン生成装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態のオゾン生成方法に含まれるリミット投入電力算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態のオゾン生成方法に含まれる実制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施の形態>
図1は実施の形態であるオゾン生成方法で用いるオゾン生成装置100の構成を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、原料供給系10から得られる酸素ガス994はMFC(Mass Flow Controller,)3を介して原料ガス995としてオゾン発生器1に供給される。MFC3は原料ガス995の流量を制御する流量制御機器である。
【0027】
オゾン発生器1内に互いに対向する電極構成部11及び12が配置され、電極構成部12の上方に電極構成部11が配置される。電極構成部11は金属電極11a及び誘電体層11bより構成され、上層が金属電極11a、下層が誘電体層11bとなる。電極構成部12は金属電極12a及び誘電体層12bより構成され、上層が誘電体層12b、下層が金属電極12aとなる。
【0028】
オゾン用電源2から高周波高電圧の交流電圧がオゾン発生器1内の金属電極11a及び12a間に印加されると、電極構成部11及び12間の放電空間8に誘電体バリア放電(無声放電)が発生する。このため、オゾン発生器1は、誘電体バリア放電が発生する放電空間8内に供給された原料ガス995(酸素ガス994)からオゾンガス996を生成し、外部に出力することができる。放電空間8は誘電体層11b及び12b間で対向する空間であり、その間隔は所定の放電ギャップ長に設定されている。オゾンガス996がガス発生器であるオゾン発生器1により生成される生成ガスとなる。
【0029】
オゾン発生器1から出力されたオゾンガス996はオゾン濃度モニタ6及びAPC(Auto Pressure Controller)4を介して外部のオゾン処理装置20に出力される。APC4はオゾン発生器1内の圧力を制御する自動圧力制御機器である。オゾン処理装置20は内部にオゾン処理チャンバー等を有している。
【0030】
オゾン用電源2は本来の最大出力電力Wmaxとして、初期設定最大電力IWmaxを有している。オゾン用電源2は内部にリミット制御部22を有する。リミット制御部22は、制御部5の制御下で、最大出力電力Wmaxを初期設定最大電力IWmaxからリミット投入電力WL(<IWmax)に制限することができる。
【0031】
制御部5は、MFC3、APC4、オゾン用電源2、オゾン濃度モニタ6及びリミット制御部22を制御して、後述するリミット投入電力算出処理及び実制御処理を含むオゾン生成方法を実行する。
【0032】
MFC3は、制御部5の制御下でオゾン発生器1に供給する原料ガス995(酸素ガス994)の原料ガス流量が目標ガス流量QPになるように流量制御している。
【0033】
ガス濃度測定器であるオゾン濃度モニタ6は、オゾンガス996(生成ガス)のオゾン濃度を測定して測定オゾン濃度CX(測定ガス濃度)を得る。測定オゾン濃度CXは制御部5に伝達される。
【0034】
APC4は、オゾン発生器1外のオゾンガス996の出力配管経路内を流れるオゾンガスの圧力を制御することにより、オゾン発生器1内のガス圧力が自動的に制御圧力値になるように制御している。制御部5からAPC4に上記制御圧力値が指示される。
【0035】
このような構成のオゾン生成装置100において、オゾン用電源2より交流電圧をオゾン発生器1に印加し、放電空間8に誘電体バリア放電を発生させることにより、放電空間8を通過する原料ガス995の一部をオゾンガスへ変化させ、外部にオゾンガス996(オゾン化酸素ガス)を取り出している。
【0036】
図2は本実施の形態のオゾン生成方法に含まれるリミット投入電力算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0037】
リミット投入電力算出処理は、制御部5の制御下でオゾン用電源2、MFC3、オゾン濃度モニタ6及びAPC4を動作させることにより実行される。なお、リミット投入電力算出処理の実行開始時は、オゾン用電源2の最大出力電力Wmaxは初期設定最大電力IWmaxに設定されている。
【0038】
ステップS1において、制御部5に対し、外部より目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPが設定される。具体的には、外部より、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPを指示する設定指示信号が制御部5に入力される。上記設定指示信号はアナログまたはデジタルの信号である。上記設定指示信号は、図示しないタッチパネル等を外部のユーザが操作して得るようにしても良い。外部のユーザによる操作方法として、例えば、予め準備された目標オゾン濃度と目標原料ガス流量との複数種の組合せから、タッチパネルを用いたユーザのタッチ操作等によって選択する方法が考えられる。
【0039】
以下の式(1)に沿って、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPに基づき、オゾン発生量ZYを算出することができる。
【0040】
ZY=CP・QP・60/1000…(1)
式(1)において、目標ガス流量QPの単位は[L/min]であり、目標オゾン濃度CPの単位は[g/m3]であり、オゾン発生量ZYの単位は[g/h]である。
【0041】
式(1)から、目標ガス流量QP、目標オゾン濃度CP及びオゾン発生量ZYからなる3つの値のうち、少なくとも2つの値を設定することにより、残りの1つの値も決定できることが判る。
【0042】
したがって、目標ガス流量QP、目標オゾン濃度CP及びオゾン発生量ZYからなる3つの値のうち、少なくとも2つの値を外部から設定することにより、ステップS1と等価な処理を行うことができる。
【0043】
その後、ステップS2において、制御部5はオゾンガス996のオゾン濃度が目標オゾン濃度CPになるようにPID制御を実行する。このPID制御は、リミット投入電力WLを算出するための仮制御となる。
【0044】
以下、ステップS2で実行されるPID制御(仮制御)の処理内容を具体的に説明する。
【0045】
ステップS2の実行時において、制御部5は、ステップS1で設定された目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPを認識している。また、制御部5は、オゾン濃度モニタ6から測定オゾン濃度CXを常時取得することができる。
【0046】
制御部5は、原料ガス995の供給流量(原料ガス流量)が目標ガス流量QPになるようにMFC3を制御する。一方、MFC3から測定ガス流量QXが制御部5に常時伝達される。
【0047】
制御部5は、目標ガス流量QPに基づき、0.20~0.30[MPa]の範囲で制御圧力値を決定し、オゾン発生器1内の圧力が上記制御圧力値になるようにAPC4を制御する。
【0048】
したがって、MFC3はオゾン発生器1に原料ガス995の原料ガス流量が目標ガス流量QPになるように流量制御し、APC4はオゾン発生器1内の圧力が上記制御圧力値になるように圧力制御する。
【0049】
この状態で、制御部5の制御下でオゾン用電源2の供給電力(オゾン発生器1への投入電力)を変化させつつ、オゾン用電源2より交流電圧をオゾン発生器1に印加する。なお、オゾン発生器1への投入電力とオゾンガス996の生成能力とは正の相関がある。
【0050】
その結果、オゾン発生器1の放電空間8に誘電体バリア放電が発生するため、オゾン発生器1は、放電空間8を通過する原料ガス995からオゾンガス996を生成することができる。
【0051】
オゾンガス996のオゾン濃度(生成ガスのガス濃度)は、オゾン濃度モニタ6によって測定オゾン濃度CXとして測定され、制御部5に伝達される。
【0052】
制御部5は、目標点を目標オゾン濃度CP、測定点を測定オゾン濃度CXとしてPID制御により算出された電力変動量に基づき、オゾン用電源2の供給電力を加減算制御する。同時に、オゾン用電源2の供給電力は、測定投入電力WXとして、オゾン用電源2から制御部5に伝達される。
【0053】
このように、制御部5は、測定オゾン濃度CXをフィードバックデータとして、測定オゾン濃度CXが目標オゾン濃度CPに近づくように、オゾン用電源2の供給電力(オゾン発生器1への投入電力)を変動させている。
【0054】
リミット投入電力算出処理では、「測定オゾン濃度CXが目標オゾン濃度CPの±10%以内になる」ことをオゾン濃度合格条件としている。
【0055】
制御部5は、測定オゾン濃度CXが上記オゾン濃度合格条件を満足した時の測定投入電力WXをサンプル投入電力SWとして取得する。
【0056】
取得したサンプル投入電力SWが所定数Nに達すると、ステップS3において、制御部5は、N個のサンプル投入電力SWに基づき、オゾン用電源2の理想投入電力CWを算出する。所定数Nとしては、例えば、{2~10のいずれか}が考えられる。ここで、N個のサンプル投入電力をSW(1),SW(2),…SW(N)とする。
【0057】
理想投入電力CWは、以下の式(2)によって、算出することができる。
【0058】
CW={SW(1)+SW(2)+…+SW(N)}/N…(2)
式(2)において、理想投入電力CWは所定数Nのサンプル投入電力SW(1)~SW(N)の平均値となり、理想投入電力CW及びサンプル投入電力SW(i)(i=1~10のいずれか)の単位は[W]である。
【0059】
ステップS3で算出された理想投入電力CWは、オゾンガス996のオゾン濃度が目標オゾン濃度CPに達成すべく、オゾン用電源2に要求される理想的な供給電力(オゾン発生器1への投入電力)となる。
【0060】
すなわち、理想投入電力CWは、ステップS12の仮制御に適したオゾン用電源2の供給電力となる。通常、理想投入電力CWは初期設定最大電力IWmaxと比較して十分小さな値となる。
【0061】
そして、ステップS4において、制御部5はリミット投入電力WLを算出する。リミット投入電力WLは以下の式(3)によって算出することができる。式(3)におけるパラメータとして、予め設定された決定電力割合DR(0<DR<1)が用いられる。
【0062】
WL=CW/DR…(3)
式(3)において、リミット投入電力WL及び理想投入電力CWの単位は[W]であり、決定電力割合DRは{0<DR<1}を満足する定数である。
【0063】
式(3)のように、理想投入電力CWを“1”未満の決定電力割合DRで除算してリミット投入電力WLを算出している。
【0064】
決定電力割合DRは、オゾン発生器1への外乱を考慮して、“1”より少し小さい{0.85≦DR≦0.95}の範囲で設定することが考えられ、理想的には「0.9」が考えられる。したがって、リミット投入電力WLは、理想投入電力CWに近く、理想投入電力CWより少し大きい値に設定される。
【0065】
以上のように、ステップS1~S4を含むリミット投入電力算出処理が実行される。リミット投入電力算出処理が終了すると、ステップS10の実制御処理が実行される。
【0066】
上述したリミット投入電力算出処理は、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPが変更されると改めて実行される。言い換えれば、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPに変化がない場合、リミット投入電力算出処理を改めて実行する必要はなく、以降はステップS10の実制御処理のみを実行すれば良い。
【0067】
図3は本実施の形態のオゾン生成方法に含まれる実制御処理(
図2のステップS10)の処理手順を示すフローチャートである。
【0068】
実制御処理は、制御部5の制御下でオゾン用電源2、MFC3、オゾン濃度モニタ6及びAPC4を動作させることにより実行される。また、実制御処理は後述する制御状態確認処理を含んでいる。
【0069】
ステップS11において、制御部5はオゾン用電源2の最大出力電力Wmaxを、リミット投入電力WLに設定する。最初のステップS11の実行時は、リミット投入電力算出処理(
図2のステップS4)で算出されたリミット投入電力WLが用いられる。
【0070】
その結果、最大出力電力Wmaxは初期設定最大電力IWmaxからリミット投入電力WLに低減化される。
【0071】
次に、ステップS12において、制御部5に対し、外部より目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPが設定される。なお、ステップS12の処理内容はリミット投入電力算出処理のステップS1の処理内容と同一である。また、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPの値も、ステップS1の実行時の目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPの値と同一となる。したがって、リミット投入電力算出処理に連続して実制御処理が実行される場合は、ステップS12の処理を省略しても良い。
【0072】
その後、ステップS13において、制御部5はオゾンガス996のオゾン濃度が目標オゾン濃度CPになるようにPID制御を実行する。このPID制御は、最大出力電力Wmaxをリミット投入電力WLに設定して行う実制御となる。
【0073】
なお、ステップS13で実行されるPID制御の内容は、リミット投入電力算出処理のステップS2で実行されるPID制御の内容と実質的に同じである。
【0074】
但し、リミット投入電力算出処理の実行時と異なり、オゾン用電源2の最大出力電力Wmaxがリミット投入電力WLに設定されているため、測定オゾン濃度CXの目標オゾン濃度CPへの立ち上がり時間の短縮が見込まれる。上述したステップS11~S13の処理が実制御処理の主要処理となる。
【0075】
以下、オゾン用電源2の最大出力電力Wmaxが初期設定最大電力IWmaxに設定されている場合を第1の電力設定とし、最大出力電力Wmaxがリミット投入電力WLに設定されている場合を第2の電力設定として、本実施の形態の実制御処理の効果を説明する。
【0076】
例えば、第1の電力設定における初期設定最大電力IWmax=5000[W]、第2の瀬電力設定におけるリミット投入電力WLが1100[W]と仮定する。この場合、リミット投入電力算出処理によって算出された理想投入電力CWが1000[W]程度であったことになる。
【0077】
第1の電力設定に関し、最大出力電力Wmaxの1%をオゾン用電源2の最小変動量とした場合、PID制御時において、オゾン用電源2の供給電力は約50[W]単位で変動することになる。すなわち、第1の電力設定におけるオゾン用電源2の最小変動量は約50[W]となる。
【0078】
ここで、目標オゾン濃度CP及び目標ガス流量QPが比較的小さく、理想投入電力CWが初期設定最大電力IWmaxの20%以下となる仮想条件を考える。この仮想条件下で、50[W]の最小変動量でオゾン用電源2の供給電力を変化させると、測定オゾン濃度CXが{数g/m3~数十g/m3}の大きさで変動してしまう。
【0079】
このように、第1の電力設定で実制御処理を実行してオゾン濃度を制御すると、測定オゾン濃度CXの変動量が比較的大きくなり、高精度なオゾン濃度制御を行うことができない。
【0080】
一方、第2の電力設定に関し、第1の電力設定の場合と同様、最大出力電力Wmax(=リミット投入電力WL)の1%をオゾン用電源2の最小変動量とした場合、ステップS12で実行されるPID制御時において、オゾン用電源2の供給電力は約11[W]単位で変動することになる。すなわち、第2の電力設定におけるオゾン用電源2の最小変動量は約11[W]となる。
【0081】
このように、第2の電力設定時におけるオゾン用電源2の供給電力の最小変動量は、第1の電力設定時と比較して大幅に低減化される。
【0082】
したがって、第2の電力設定でオゾン濃度を制御すると、理想投入電力CWが初期設定最大電力IWmaxの20%以下となる条件下でも、測定オゾン濃度CXの変動量を十分低く抑えることができる。
【0083】
このように、本実施の形態のオゾン生成方法の実制御処理(ステップS11~S13)は、第2の電力設定でオゾン濃度を制御するため、高精度なオゾン濃度制御を実現できる。
【0084】
なお、上述した第1及び第2の電力設定では、最大出力電力Wmaxの1%をオゾン用電源2の最小変動量としているが、オゾン分解能や要求されるオゾン濃度精度に合わせて、例えば、最大出力電力Wmaxの0.1%がオゾン用電源2の供給電力の最小変動量となるようにオゾン用電源2を構成することも考えられる。
【0085】
ステップS11~S13を含む実制御処理の主要処理が終了すると、ステップS14~S16を含む制御状態確認処理が実行される。以下、制御状態確認処理の処理内容を説明する。
【0086】
ステップS14において、制御部5は実制御時理想投入電力RCWを算出する。実制御時理想投入電力RCWの算出内容はリミット投入電力算出処理のステップS3による処理とほぼ同内容となる。
【0087】
ただし、実制御時理想投入電力RCWは、式(2)に類似した以下の式(4)によって算出される。
【0088】
RCW={SW(1)+SW(2)+…+SW(N)}/N…(4)
式(4)において、理想投入電力CW及びサンプル投入電力SW(i)の単位は[W]である。
【0089】
ステップS14で算出された実制御時理想投入電力RCWは、ステップS13の実制御に適したオゾン用電源2の供給電力となる。
【0090】
次に、ステップS15において、制御部5は、実制御時理想投入電力RCWが閾値電力WTを超えたか否かを判定し、{RCW>WT}の場合(YES)はステップS16に移行する。
【0091】
一方、ステップS15において{RCW≦WT}の場合(NO)はステップS13に戻る。以降、ステップS15でYESになるまで、ステップS13~S15が繰り返される。
【0092】
閾値電力WTは、例えば、以下の式(5)に基づき算出される。
【0093】
WT=TD・WL…(5)
式(5)において、リミット投入電力WL及び閾値電力WTの単位はいずれも[W]である。
【0094】
なお、式(5)の「TD」は許容定数であり、{DR<TD<1}を満足している。また、決定電力割合DRは{0<DR<1}を満足する定数である。許容定数TDとして例えば、“0.97”が考えられる。
【0095】
このように、ステップS15において、{CW>WT}を満足すると、リミット投入電力WLは実制御処理におけるオゾン用電源2の最大出力電力Wmaxとして低すぎると判定している。
【0096】
ステップS15でYESの場合に実行されるステップS16において、制御部5は、ステップS14で求めた実制御時理想投入電力RCWに基づき、リミット投入電力WLを再算出する。
【0097】
そして、リミット投入電力WLは式(3)に類似する以下の式(6)によって再算出することができる。
【0098】
WL=RCW/DR…(6)
式(6)において、リミット投入電力WL及び実制御時理想投入電力RCWの単位は[W]であり、決定電力割合DRは{0<DR<1}を満足する定数である。
【0099】
式(6)のように、実制御時理想投入電力RCWを“1”未満の決定電力割合DRで除算してリミット投入電力WLを再算出している。
【0100】
ステップS16の実行後、ステップS11に戻り、ステップS11において、制御部5はオゾン用電源2の最大出力電力Wmaxを、リミット投入電力WLに設定する。ステップS16後に実行されるステップS11において、ステップS16で再算出されたリミット投入電力WLが用いられ、最大出力電力Wmaxは更新される。
【0101】
このように、リミット投入電力再算出処理であるステップS16の実行後、実制御処理のステップS11の処理は、ステップS16で再算出されたリミット投入電力WLを用いて実行される。
【0102】
ステップS11の実行後、ステップS12に移行する。以下、前述した内容で実制御処理(制御状態確認処理を含む)が実行される。
【0103】
このように、本実施の形態のオゾン生成方法は、ステップS1~S4を含むリミット投入電力算出処理を実行することにより、目標ガス流量QP及び目標オゾン濃度CPを満足するオゾンガス996の出力に適した必要最小限の電力値であるリミット投入電力WLを算出することができる。
【0104】
例えば、決定電力割合DR=0.9の場合、式(3)で求められるリミット投入電力WLは、理想投入電力CWに比べ、「WL/10」大きく設定されている。
【0105】
したがって、本実施の形態であるオゾン生成方法に含まれるリミット投入電力算出処理の実行後、オゾン発生器1からオゾンガス996を発生させるための実制御処理(
図3)の実行時に、単一のオゾン用電源2の最大出力電力Wmaxを初期設定最大電力IWmaxからリミット投入電力WLに抑えることができる。
【0106】
例えば、決定電力割合DRが「0.9」に設定されており、理想投入電力CWが初期設定最大電力IWmaxの20[%]であった仮定条件下で、リミット投入電力WLは初期設定最大電力IWmaxの22.2[%]となる。
【0107】
オゾン用電源2の最小変動量は最大出力電力Wmax(=WL)と正の相関があるため、上記実制御処理の実行時に、オゾン用電源2の投入電力の最小変動量を十分低く抑えることができる。
【0108】
例えば、上記仮定条件下で、最大出力電力Wmaxをリミット投入電力WLに設定した場合、オゾン用電源2の出力電力の最小変動量は、最大出力電力Wmaxが初期設定最大電力IWmaxの場合の最小変動量の22.2[%]に抑えることができる。
【0109】
その結果、本実施の形態のオゾン生成方法は、
図3で示す実制御処理の実行時に、単一のオゾン用電源2を有する比較的簡単な構成のオゾン生成装置を用いて、オゾンガス996のオゾン濃度の変動量を低くした高精度なオゾン濃度制御を行うことができる効果を奏する。
【0110】
さらに、制御状態確認処理のステップS15において、実制御時理想投入電力RCWが閾値電力WTを超えた場合、ステップS16のリミット電圧再算出処理でリミット投入電力WLを再算出した後、ステップS11の最大出力電力Wmaxの設定処理に戻っている。
【0111】
オゾン発生器1の経年劣化により、目標オゾン濃度CPへのオゾン濃度制御に必要な実制御時理想投入電力RCWが上昇する傾向がある。本実施の形態のオゾン生成方法は、この傾向を考慮して、実制御処理時に算出された実制御時理想投入電力RCWが閾値電力WTを超えると、ステップS16において、リミット投入電力WLを再算出するようにしている。
【0112】
そして、ステップS16が実行された後、必ずステップS11が実行され、ステップS11において、ステップS16で再算出されたリミット投入電力WLを用いられる。
【0113】
このように、本実施の形態のオゾン生成方法は、実制御時理想投入電力RCWが閾値電力WTを超えた場合は、再び、適切なリミット投入電力WLでオゾン用電源2の最大出力電力Wmaxに再設定するようにしている。
【0114】
その結果、本実施の形態のオゾン生成方法は、実制御処理の実行時にオゾン発生器1の経年劣化等により実制御時理想投入電力RCWが上昇しても、高精度なガス濃度を維持してオゾン濃度制御を続行することができる効果を奏する。
【0115】
本実施の形態のオゾン生成方法におけるリミット投入電力算出処理は、リミット投入電力WLの算出時に用いる決定電力割合DRを0.85以上0.95以下の値に設定している。このため、リミット投入電力WLを実制御時理想投入電力RCWより少し大きな値となる。
【0116】
したがって、本実施の形態のオゾン生成方法は、外乱によるオゾン発生器1のオゾン生成能力の比較的小さな変動にも対応して、高精度にオゾンガス996のオゾン濃度を制御することができる効果を奏する。
【0117】
例えば、外乱によって、オゾン発生器1のオゾン生成能力が低下し、目標オゾン濃度CPへのオゾン濃度制御に必要なオゾン用電源2の供給電力(出力電力)が上昇しても、本実施の形態の実制御処理は支障無く対応することができる。なぜなら、前述したように、リミット投入電力WLは理想投入電力CW(あるいは実制御時理想投入電力RCW)より少し大きな値に設定されているからである。
【0118】
<その他>
なお、本実施の形態では、オゾン用電源2の供給電力を最大出力電力Wmax[W]の0~100%の範囲で制御する場合を説明している。上記以外に、オゾン用電源2の供給電流を最大投入電流[A]の0~100%の範囲で制御して、結果的にオゾン用電源2の供給電力を変動するようにしても良い。この場合、最大投入電流は、交流電圧及びリミット投入電力WLに基づき算出することができる。
【0119】
本実施の形態では、原料ガス995を酸素ガス994とし、生成ガスをオゾンガス996とし、オゾン発生器1をガス発生器としたオゾンガス生成装置(オゾン生成装置100)を用いたオゾン生成方法(ガス生成方法)として説明した。
【0120】
しかし、{原料ガス,生成ガス}の組合せは、上記した{酸素ガス,オゾンガス(オゾン化酸素ガス)}以外に、{酸素ガス,酸素ラジカル化ガス}、{水素ガス,水素ラジカル化ガス}、{窒素ガス,窒素ラジカル化ガス}、及び{フッ素ガス,フッ素ラジカル化ガス}のいずれか一つであっても良い。
【0121】
すなわち、本開示で適用可能なガス生成装置は以下のように構成要素(1)~(6)を有すれば良い。
【0122】
(1) 放電空間に誘電体バリア放電を発生させ、上記放電空間に供給した原料ガスから生成ガスを生成して外部に出力するガス発生器、
(2) 上記ガス発生器に交流電圧を付与する単一のガス発生用電源、
(3) 上記ガス発生器に入力される原料ガス流量を制御する流量制御機器、
(4) 上記ガス発生器内の圧力である内部圧力を自動制御する圧力制御機器、
(5) 生成ガスの濃度を測定して測定ガス濃度を取得するガス濃度測定器、
(6) 目標ガス流量及び目標ガス濃度に基づき、上記ガス発生用電源、上記流量制御機器、上記圧力制御機器及び上記ガス濃度測定器を制御する制御動作を実行する制御部。
【0123】
本実施の形態において、オゾン発生器1は構成要素(1)に対応し、オゾン用電源2は構成要素(2)に対応し、MFC3は構成要素(3)に対応し、APC4は構成要素(4)に対応し、オゾン濃度モニタ6は構成要素(5)に対応し、制御部5は構成要素(6)に対応する。
【0124】
さらに、測定オゾン濃度CXが生成ガスのガス濃度に対応し、目標オゾン濃度CPが目標ガス濃度に対応する。
【0125】
上述した{酸素ガス,オゾンガス}以外の{原料ガス,生成ガス}の組合せにおいても、本実施の形態と同様な効果(高精度なガス濃度制御を行うことができる効果等)を発揮することができる。
【0126】
なぜなら、生成ガスのガス濃度を制御する際、ガス発生用電源の電力変動量は、オゾン用電源2の場合と同様、最大投入電力と正の相関を有するからである。したがって、オゾン用電源2と同様、ガス発生用電源の最大出力電力Wmaxをリミット投入電力WLに制限することにより、上記効果を発揮することができる。
【0127】
なお、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 オゾン発生器
2 オゾン用電源
3 MFC
4 APC
5 制御部
6 オゾン濃度モニタ
10 原料供給系
20 オゾン処理装置
22 リミット制御部
100 オゾン生成装置