(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】機器処理方法及び端末
(51)【国際特許分類】
H04W 74/08 20090101AFI20221205BHJP
H04W 52/04 20090101ALI20221205BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221205BHJP
【FI】
H04W74/08
H04W52/04
H04W72/04 111
(21)【出願番号】P 2021519615
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 CN2019108144
(87)【国際公開番号】W WO2020073815
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】201811180377.4
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リー
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/164478(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/173229(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用する処理方法であって、
1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御するステップを有し、
前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前に前記プリアンブルを送信することに
用いられ、
前記1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御する前記ステップは、
前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第1の所定条件を満たすと、電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する段階を有し、
前記第1の所定条件は、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第1のベアラの類型は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第2のベアラの類型と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第1のベアラのスキャン順序は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第2のベアラのスキャン順序と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラの数は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラの数と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける最初の前記第1のベアラは、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける任意の前記第2のベアラと異なることと、のうちの少なくとも1つを含み、
又は、
前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第2の所定条件を満たすと、前記第1のベアラに対応する電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する段階を有し、
前記第2の所定条件は、
前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは前記第1のベアラと類型が異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットは前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットと異なることと、のうちの少なくとも1つを含む、
処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の
処理方法は、さらに、
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、前記端末が第1の所定時間内にランダムアクセス応答を受信しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信するステップ、又は
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、前記端末が所定タイマの時間満了前に競合解決の完成に成功しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信するステップを有する、
処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の
処理方法において、前記1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御した後、さらに、
前記端末が第2の所定時間内にランダムアクセス応答を受信する場合、後続のランダムアクセス処理を行うステップを有する、
処理方法。
【請求項4】
請求項
1に記載の
処理方法において、前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラが前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと異なることは、
前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラの類型は、前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラの類型と異なることと、
前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラは、前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと同じ類型の異なるベアラであることと、のうちのいずれ1つを含む、
処理方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信する前記ステップは、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各類型の前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、所定数の前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御することを含む、請求項2に記載の
処理方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信することと、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信することとは、
前後2回の前記プリアンブルの送信と、
前後2回の前記プリアンブルの再送信と、
前記プリアンブルの送信及び前記プリアンブルの再送信と、のうちのいずれか1つを含む、請求項1に記載の
処理方法。
【請求項7】
前記第1のベアラと前記第2のベアラは、参照信号又はビームである、請求項1に記載の
処理方法。
【請求項8】
1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御することに用いられる制御モジュールを備える、端末であって、
前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前に前記プリアンブルを送信することに
用いられ、
前記1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御することは、
前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第1の所定条件を満たすと、電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する段階を有し、
前記第1の所定条件は、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第1のベアラの類型は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第2のベアラの類型と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第1のベアラのスキャン順序は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記1つ又は複数の第2のベアラのスキャン順序と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラの数は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラの数と異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける最初の前記第1のベアラは、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける任意の前記第2のベアラと異なることと、のうちの少なくとも1つを含み、
又は
前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第2の所定条件を満たすと、前記第1のベアラに対応する電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する段階を有し、
前記第2の所定条件は、
前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは前記第1のベアラと類型が異なることと、
前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットは前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットと異なることと、のうちの少なくとも1つを含む、
端末。
【請求項9】
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、前記端末は第1の所定の時間内にランダムアクセス応答を受信しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信すること、又は
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、前記端末は所定タイマの時間満了前に競合解決の完成に成功しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信することに用いられる、再送信モジュールをさらに備える、請求項
8に記載の端末。
【請求項10】
1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御した後に、前記端末が第2の所定時間内にランダムアクセス応答を受信すると、後続のランダムアクセス処理を行うことに用いられる処理モジュールをさらに備える、請求項
8に記載の端末。
【請求項11】
前記再送信モジュールは、具体的に、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各類型の前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、所定数の前記第1のベアラでの前記プリアンブルの再送信電力を制御することに用いられる、請求項
9に記載の端末。
【請求項12】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムは前記プロセッサによって実行されると、請求項1~
請求項7の何れか1項に記載の
処理方法におけるステップを実現する端末。
【請求項13】
プロセッサによって実行されると、請求項1~
請求項7のいずれか1項に記載の処理方法におけるステップを実現させるコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年10月10日に中国に提出された、出願番号が201811180377.4である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全てが参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、通信技術分野に関し、特に、処理方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
第5世代移動通信技術(fifth-generation、5G)の新無線(New Radio、NR)システムのランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)の設計において、RACH第1のメッセージ(msg1)(すなわちランダムアクセスプリアンブル)の各再送信毎に、電力ランピング(power ramping)はサポートされる。
【0004】
しかしながら、従来の技術及び従来の検討において、複数のプリアンブルが送信される場合、複数のプリアンブルに対応する参照信号が変化するとき、電力ランピングカウンタの設計が考慮されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施形態は、複数のプリアンブルに対応する参照信号が変化するとき、どのように電力ランピングカウンタを設計するかという問題を解決するための、処理方法及び端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明の実施例が端末に適用する処理方法を提供する。該方法は、1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御するステップを有する。
ここで、前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前に前記プリアンブルを送信することに用いられる。
【0007】
第2の態様では、本発明の実施例が端末を提供する。該端末は、1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御することに用いられる制御モジュールを備える。
ここで、前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前に前記プリアンブルを送信することに用いられる。
【0008】
第3の態様では、本発明の実施例が端末を提供する。該端末は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムとを備え、前記コンピュータプログラムは前記プロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の方法におけるステップを実現する。
【0009】
第4の態様では、本発明の実施例は、プロセッサによって実行されると、第1の態様に記載の前記処理方法におけるステップが実現されるコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施例は、以下の有益な効果を有する。
【0011】
本開示の実施形態において、複数のプリアンブルに対応するベアラが変化しているか否か(変化した場合と変化していない場合とを含む)に基づいて、電力ランピングカウンタの計数値を制御し、通信の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の実施例が提供するワイヤレス通信システムのアーキテクチャ概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例が提供する処理方法のフローチャート図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例が提供する端末の構成を示す第1の図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例が提供する端末の構成を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の選択可能な実施形態の詳細な説明により、様々な他の利点及び効果は、当業者に明らかになる。図面は、単なる選択可能な実施形態を示すためのものであり、本開示を限定するものではない。なお、図面においては、同一部品には同じ参照符号を付してある。
【0014】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、もちろん、ここに説明される実施例は、あくまで本開示の実施例の一部であり、本開示の全ての実施例ではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が格別の創意がなく容易に想到できる他の全ての実施例は、本開示の権利範囲に属するものとする。
【0015】
本明細書において、用語「含む」、「備える」又はそれらの任意の他の変形形態は、非排他的な包含をカバーするように意図され、したがって、一連のステップ又は要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含み、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の要素も含む。本明細書では、用語「及び/又は」は、単なる従来の対象を説明するためのものであり、3つの種類の関係が存在しうることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在するケース、AとBとが同時に存在するケース、Bが単独で存在するケースの3つのケースを示す。
【0016】
なお、本開示の実施例では、「例示的には」又は「例えば」などの用語は、例、例証又は説明を示すためのものである。本開示の実施例では、「例示的には」又は「例えば」と説明されるいかなる実施例又は設計案は、他の実施例又は設計案より好ましいであるか又は優位性があると解釈されるべきではない。正確的には、「例示的には」又は「例えば」などの用語の使用は、具体的な方式で関連概念を呈することを目的とする。
【0017】
本明細書で説明する技術は、長期進化(Long Time Evolution、LTE)/LTE(LTE-Advanced)システムに限定されず、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)、時分割多元接続(Time Division Multiple Access、TDMA)、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access、FDMA)、直交周波数分割多元接続(Orthogonal Frequency Division Multiple Access、OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(Single-carrier Frequency-Division Multiple Access、SC-FDMA)などの様々な無線通信システム、及び第5世代通信(5th-generation )システムと後続進化型通信システム(例えば、ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel、RACH)カウンタ設計が要求される他のシナリオ)などの他のシステムに適用可能である。
【0018】
用語「システム」及び「ネットワーク」は、しばしば交換的に使用され得る。CDMAシステムは、CDMA2000、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access、UTRA)などの無線技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))及びその他のCDMA変形形態を含む。TDMAシステムは、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(Global System for Mobile Communication、GSM(登録商標))などの無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband、UMB)、進化型UTRA(Evolution-UTRA、E-UTRA)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、Flash-OFDMなどの無線技術を実現することができる。UTRAとE-UTRAは、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)の一部である。LTE及びより上級なLTE(LTE-Aなど)は、E-UTRAを使用する新規UMTSバージョンである。UTRA、E-UTRA、UMTS、LTE、LTE-A、及びGSMは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)という名前の組織からの文書に記載されている。CDMA2000及びUMBは、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)という名前の組織からの文書に記載されている。本明細書で説明する技術は、上述のシステム及び無線技術の両方に使用されてもよく、他のシステム及び無線技術に使用されてもよい。
【0019】
本開示の実施例の技術案をより明確に理解させるために、まず以下の技術的ポイントを紹介する。
一.LTEシステムでは、プリアンブル送信カウンタ(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER)を用いて、プリアンブル再送信の回数と電力ランピングの統計が行われる。
(1)ランダムアクセスプロセスを初期化する毎に、プリアンブル送信カウンタがリセットされる。このプリアンブル送信カウンタは1とされる。
(2)第2のメッセージ(すなわちランダムアクセス応答(Random Access Response、RAR)が正しく受信されてなく、かつ、下位層から送信される電力ランピング停止指示(power ramping suspension)が受信されていない場合、プリアンブル送信カウンタは1を加算する。
(3)競合解決(Contention Resolution)が失敗し、かつ、下位層から送信される電力ランピング停止指示(power ramping suspension)が受信されていない場合、プリアンブル送信カウンタは1を加算する。
【0020】
上述のプロセスにおいて、プリアンブル送信カウンタがプリアンブルの最大送信回数+1に達すると、媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)層は、上位層のランダムアクセス問題を示す。
【0021】
プリアンブルを送信する毎の電力は、このプリアンブル送信カウンタと電力ランピングステップとに基づいて、以下の式によって算出される。
set PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER to preambleInitialReceivedTargetPower + DELTA_PREAMBLE + (PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER-1) * powerRampingStep
ここで、「PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER」は、ターゲットプリアンブル送信電力であり、「preambleInitialReceivedTargetPower」は、プリアンブルの初期送信電力であり、「DELTA_PREAMBLE」はプリアンブルのフォーマットに関わる電力オフセットである。
【0022】
二.5G NRシステムにおいて、プリアンブル送信カウンタを用いてプリアンブルの再送信回数を計数し、かつプリアンブル電力ランピングカウンタ(PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER)を用いて電力ランピングを統計する。
(1)ランダムアクセスプロセスを初期化する毎に、プリアンブル送信カウンタとプリアンブル電力ランピングカウンタが1にリセットされる。
(2)プリアンブルの再送信の際に、選択された同期信号ブロック(Synchronization Signal Block、SSB)リソースが前回のプリアンブルで使用されたSSBリソースと同じである場合、プリアンブル送信カウンタとプリアンブル電力ランピングカウンタは1を加算する。
(3)プリアンブルの送信毎の電力は、プリアンブル送信カウンタ、プリアンブル電力ランピングカウンタ、プリアンブル電力ランピングステップに基づいて、以下の式によって算出される。
set PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER to preambleReceivedTargetPower + DELTA_PREAMBLE + (PREAMBLE_POWER_RAMPING_COUNTER-1)× PREAMBLE_POWER_RAMPING_STEP
ここで、「PREAMBLE_POWER_RAMPING_STEP」はプリアンブル電力ランピングステップである。
【0023】
図2を参照し、本開示の実施例は、実行主体が端末であってもよい処理方法を提供する。この方法は、以下のステップを有する。
【0024】
ステップ201:1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御する。ここで、1つ又は複数の第2のベアラは、1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前にプリアンブルを送信することに用いられる。
【0025】
ステップ201において、1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化している場合、電力ランピングカウンタの計数値を制御し、又は1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化していない場合、電力ランピングカウンタの計数値を制御することができる。
【0026】
ここで、第1のベアラと第2のベアラは、同じ又は異なる参照信号(Reference Signaling、RS)、又は空間領域送信フィルタ(spatial domain transmission filter)とも呼ばれるビーム(beam)であってもよい。
【0027】
なお、本開示の実施例における参照信号は、同期信号(Synchronization Signal Block、SSB)、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal、CSI-RS)、復調参照信号(Demodulation Reference Signal、DMRS)、又はその他の新しく定義された参照信号であってもよい。
【0028】
本開示の実施例において、任意選択的に、該方法は、1つ又は複数の第2のベアラでプリアンブルを送信した後、端末が第1の所定時間内にランダムアクセス応答を受信しない場合、1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを再送信するステップ、又は、1つ又は複数の第2のベアラでプリアンブルを送信した後、端末が所定タイマの時間満了前に競合解決の完成に成功しない場合、1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを再送信するステップをさらに含み得る。
【0029】
ここで、第1の所定時間は、ランダムアクセス応答ウィンドウ(RAR window)であってもよく、もちろんこれに限定されない。
【0030】
所定タイマは、ランダムアクセス競合解決タイマ(ra-ContentionResolutionTimer)であり得る。
【0031】
本開示の実施例において、任意選択的に、1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御した後、前記方法は、さらに、
端末が第2の所定時間内にランダムアクセス応答を受信する場合、後続のランダムアクセス処理を行うステップを含む。ここで、後続のランダムアクセス処理は従来の技術であり、ここではその説明を省略する。
【0032】
本開示の実施例において、任意選択的に、1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御する前記ステップは、
前記1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、第1の所定条件を満たすと、電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する段階を有する。ここで、前記第1の所定条件は、以下の少なくとも1つを含む。
(1)前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第1のベアラの類型は、前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第2のベアラの類型と異なる。
ここで、上述の違いとしては、参照信号の類型又はビームの類型の変化、例えば、広狭の間の変化、即ち広いビームと狭いビームの間の変化、又は参照信号の類型の変化、例えば、SSBとCSI-RSの間の変化などを含む。
(2)前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第1のベアラのスキャン順序は、前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第2のベアラのスキャン順序と異なる。
(3)前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第1のベアラの数は、前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第2のベアラの数と異なる。
(4)前記プリアンブルを送信することに用いられる第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラは、前記プリアンブルを送信することに用いられる第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと異なる。
【0033】
本開示の実施例において、任意選択的に、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第2の所定条件を満たすと、前記第1のベアラに対応する電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する。ここで、前記第2の所定条件は、以下の少なくとも1つを含む。
(1)前記プリアンブルを送信する毎の第2のベアラに対応する電力ランピングカウンタは、1を加算する。
(2)前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは、前記第1のベアラと類型が同じであり、又は前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは、前記第1のベアラと類型が異なる。
(3)前記プリアンブルを送信することに用いられる第1のベアラのセットは、前記プリアンブルを送信することに用いられる第2のベアラのセットと異なる。
【0034】
ここで、各前記第1のベアラ、各類型の前記第1のベアラ、又は所定数の前記第1のベアラは、1つの電力ランピングカウンタの計数値を用いて、プリアンブルの送信電力を制御する。
例示的に、(a)前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける第1のベアラの数は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける第2のベアラの数と異なり、又は(b)前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける第1のベアラの類型は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける第2のベアラの類型と異なり、又は(c)前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける第1のベアラのスキャン順序は、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける第2のベアラのスキャン順序と異なり、又は(d)前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第1のベアラのセットにおける第1のベアラは、前記プリアンブルを送信することに用いられる前記第2のベアラのセットにおける第2のベアラと異なる。
【0035】
本開示の実施例において、任意選択的に、前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラが前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと異なることは、以下のいずれか1つを含む:
(1)第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラの類型は、第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラの類型と異なる。
(2)第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラは、第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと同じ類型の異なるベアラである。
ここで、第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラは、第2のベアラのセットにおける最初の第2のベアラであってもよく、又は最後の第2のベアラであってもよく、又は所定の第2のベアラであってもよい。
【0036】
本開示の実施例では、任意選択的に、プリアンブルを1つ又は複数の第1のベアラで再送信することは、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各第1のベアでのプリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各類型の第1のベアでのプリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、所定数の第1のベアでのプリアンブルの再送信電力を制御することを含む。
なお、本開示の実施例では、所定数の具体的な数値に限定されない。
【0037】
本開示の実施例では、任意選択的に、プリアンブルを1つ又は複数の第2のベアラで送信することと、プリアンブルを1つ又は複数の第1のベアラで送信することとは、以下の少なくとも1つを意味する。
(1)前後2回のプリアンブル送信。
(2)前後2回のプリアンブル再送信。
(3)プリアンブルの送信及びプリアンブルの再送信。
本開示の実施例において、複数のプリアンブルに対応するベアラが変化しているか否か(変化した場合と変化していない場合とを含む)に基づいて、電力ランピングカウンタの計数値を制御し、通信の信頼性を向上させることができる。
【0038】
以下、例1と例2を参考しながら、本開示の実施例に係る処理方法の流れを紹介する。ここでは、例1では、全ての参照信号を統一的に計数する処理方法の流れを紹介し、例2では、各参照信号を個別に計数する処理方法の流れを紹介する。なお、ビームにおける統計方式はこれと同様であり、ここではその説明を省略する。
【0039】
例1:
この例におけるランダムアクセス方法は、以下のステップを有する。
ステップ1:端末は、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)でプリアンブルを送信する。
ステップ2:端末は、所定時間(例えば、ランダムアクセス応答ウィンドウ(RAR window))内に、ランダムアクセス応答(Random Access Response、RAR)を受信しない場合、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)でプリアンブルを再送信し、又は所定タイマ(例えば、ランダムアクセス競合解決タイマ(ra-Contention ResolutionTimer)の時間満了前に、競合解決の完成に成功しない場合、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)で、プリアンブルを再送信する。
ステップ3:端末は、この所定時間内にRARを受信するまでの間、後続の動作ステップ(例えば、ランダムアクセスの後続のステップ)を実行する。
ここで、プリアンブルを再送信するとき、従来の技術と同様に、1つの電力ランピングカウンタを用いてプリアンブルの送信電力を制御することができる。電力ランピングカウンタの初期化は、従来の技術と一致してもよく、ここではその説明を省略する。
【0040】
ここで、ステップ2において、プリアンブルの再送信の際、以下の条件の少なくとも1つを満たすと、電力ランピングカウンタは1を加算する。
(1)プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の参照信号は、前回のプリアンブルを送信するときに比べて変化している。
(2)プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の参照信号の類型は、前回のプリアンブルを送信するときに比べて変化している。
(3)プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の参照信号のスキャン順序は、前回のプリアンブルを送信するときに比べて変化している。
(4)プリアンブルを送信することに用いられる参照信号の数は、前回のプリアンブルを送信するときに比べて変化している。
(5)プリアンブルを送信することに用いられる参照信号のセットの最初の参照信号は、前回送信されたプリアンブルの参照信号のセットのうちの任意の参照信号(例えば、最初の参照信号、最後の参照信号、又は所定の特定参照信号)と異なる。ここで、参照信号の相異は、参照信号の類型が異なるか、又は同じ類型の異なる参照信号であってもよい。
本開示の実施例において、複数のプリアンブル送信に対応するベアラ(例えば、参照信号、ビーム又は空域領域送信フィルタ)が変化しているか否か(変化した場合と変化していない場合とを含む)に基づいて、電力ランピングカウンタの計数値を制御し、通信の信頼性を向上させることができる。
【0041】
例2:
この例におけるランダムアクセス方法は、以下のステップを有する。
ステップ1:端末は、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)上でプリアンブルを送信する。
ステップ2:端末は、所定時間(例えば、RAR window)内に、RARを受信しない場合、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)で、プリアンブルを再送信し、又は所定タイマ(例えば、ra-Contention ResolutionTimer)の時間満了前に、競合解決の完成に成功しない場合、1つ又は複数の参照信号(又はビーム)で、プリアンブルを再送信する。
ステップ3:端末が所定時間内にRARを受信するまでの間、端末は後続の動作ステップを実行する。
ここで、プリアンブルの再送信の際、各参照信号又は各種類の参照信号又は所定数の参照信号において、1つの電力ランピングカウンタを用いて計数し、プリアンブルの送信電力を制御する。ここで、電力ランピングカウンタの初期化は、従来の技術と一致してもよく、ここではその説明を省略する。
【0042】
ここで、ステップ2において、プリアンブルの再送信の際、以下の条件の少なくとも1つを満たすと、電力ランピングカウンタは1を加算する。
(1)プリアンブルを送信する毎の参照信号上の電力ランピングカウンタは1を加算する。
(2)プリアンブルを前後2回送信する参照信号の類型は変化していない。
(3)プリアンブルを前後2回送信する参照信号の類型は変化している。
(4)プリアンブルの所定数を送信することに用いられる参照信号のうちの1つ又は複数が変化している。ここで、参照信号が変化することは、参照信号の数、参照信号の類型、参照信号のスキャン順序、及び参照信号自体のいずれか1つが変化していることを含む。
【0043】
なお、上述の例1及び例2における前後2回のプリアンブル送信は、以下のいずれか1つであってもよい。
(1)1ラウンドのビームスキャンの前後2回のプリアンブル送信。
(2)前後2回のプリアンブルの重複(repetition)送信。
(3)プリアンブルの送信と再送信。
本開示の実施形態において、複数のプリアンブル送信に対応するベアラが変化しているか否か(変化した場合と変化していない場合とを含む)に基づいて、電力ランピングカウンタの計数値を制御し、通信の信頼性を向上させることができる。
【0044】
本開示の実施例は、端末を提供する。端末の問題を解決する原理が、本開示の実施例における処理方法と似ているので、端末の実施は、方法の実施を参照すればよく、重複部分について、その説明は省略する。
【0045】
図3を参照して、本開示の実施例は端末を提供し、該端末300は、
1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御することに用いられる制御モジュールを備える。
ここで、前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信する前に前記プリアンブルを送信することに用いられる。
【0046】
本開示の実施例では、任意選択的に、前記端末は、
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、前記端末が第1の所定の時間内にランダムアクセス応答を受信しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信すること、又は
前記1つ又は複数の第2のベアラで前記プリアンブルを送信した後、端末は、所定タイマの時間満了前に競合解決の完成に成功しない場合、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを再送信することに用いられる、再送信モジュールを備える。
【0047】
本開示の実施例では、任意選択的に、前記端末は、
1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、1つ又は複数の第1のベアラが第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御した後に、前記端末が第2の所定時間内にランダムアクセス応答を受信すると、後続のランダムアクセス処理を行うことに用いられる処理モジュールを備える。
【0048】
本開示の実施例において、任意選択的に、前記制御モジュールは、前記1つ又は複数の第1のベアラでプリアンブルを送信するとき、第1の所定条件を満たすと、電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御する。ここで、前記第1の所定条件は、以下の少なくとも1つを含む。
(1)前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第1のベアラの類型は、前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第2のベアラの類型と異なる。
ここで、上述類型の相異は、ビーム類型の変化、例えば、広狭の間の変化、又は参照信号類型の変化、例えば、SSBとCSI-RSの間の変化などを含む。
(2)前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第1のベアラのスキャン順序は、前記プリアンブルを送信することに用いられる1つ又は複数の第2のベアラのスキャン順序と異なる。
(3)第1のベアラの数は第2のベアラの数と異なる。
(4)第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラは、第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと異なる。
【0049】
本開示の実施例において、任意選択的に、前記制御モジュールは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを送信するとき、第2の所定条件を満たすと、前記第1のベアラに対応する電力ランピングカウンタの計数値が1を加算するように制御することに用いられる。ここで、前記第2の所定条件は、以下の少なくとも1つを含む。
(1)前記プリアンブルを送信する毎の第2のベアラに対応する電力ランピングカウンタは、1を加算する。
(2)前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは、前記第1のベアラと類型が同じであり、又は前記プリアンブルを前後2回送信する前記第2のベアラは、前記第1のベアラと類型が異なる。
(3)前記プリアンブルを送信することに用いられる第1のベアラのセットは、前記プリアンブルを送信することに用いられる第2のベアラのセットと異なる。ここで、各前記第1のベアラ、各類型の前記第1のベアラ、又は所定数の前記第1のベアラは、1つの電力ランピングカウンタの計数値を用いて、前記プリアンブルの送信電力を制御する。
【0050】
本開示の実施例において、任意選択的に、前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラが前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと異なることは、以下のいずれか1つを含む。
前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラの類型は、前記第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラの類型と異なる。
前記第1のベアラのセットにおける最初の第1のベアラは、第2のベアラのセットにおける任意の第2のベアラと同じ類型の異なるベアラである。
【0051】
本開示の実施例では、任意選択的に、前記再送信モジュールは、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各前記第1のベアラでのプリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、各類型の前記第1のベアラでのプリアンブルの再送信電力を制御すること、又は、
1つの電力ランピングカウンタの計数値に基づいて、所定数の前記第1のベアラでのプリアンブルの再送信電力を制御することに用いられる。
本開示の実施例では、任意選択的に、前記プリアンブルを1つ又は複数の第2のベアラで送信し、又は前記プリアンブルを1つ又は複数の第1のベアラで送信することは、以下の少なくとも1つを指す:
前後2回のプリアンブル送信。
前後2回のプリアンブル再送信。
プリアンブルの送信とプリアンブルの再送信。
本開示の実施例では、任意選択に、前記第1のベアラと前記第2のベアラは、同じ又は異なる参照信号又はビームであってもよい。
【0052】
本開示の実施例が提供する端末は、上述の方法の実施例を実行すればよく、その原理と技術効果は同様であり、ここではその説明を省略する。
【0053】
図4に示すように、
図4に示す端末400は、少なくとも1つのプロセッサ401と、メモリ402と、少なくとも1つのネットワークインターフェース404と、ユーザインターフェース403とを備える。端末400における各構成要素は、バスシステム405によって互いに結合される。なお、バスシステム405は、これらの構成要素間の接続通信を可能にすることに用いられることを理解されたい。バスシステム405は、データバスの他に、電源バス、制御バス、ステータス信号バスをさらに備える。しかしながら、様々なバスは、明確にするために、
図4ではバスシステム405として示される。
【0054】
ここで、ユーザインターフェース403は、ディスプレイ、キーボード又はポインティング機器(例えば、マウス、トラックボール(trackball)、タッチパッド又はタッチスクリーンなど)を含んでもよい。
【0055】
なお、本開示の実施例におけるメモリ402は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、あるいは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの両方を含んでもよいことを理解されたい。ここで、不揮発性メモリは、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、RAM( Random Access Memory)であってもよく、外部キャッシュとして用いられる。例示的なものに過ぎず、限定的なものではないが、多くの形態のRAM、例えば、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、SDRAM(Synchronous DRAM)、DDRSDRAM(Double Data Rate SDRAM)、ESDRAM(Enhanced SDRAM)、SLDRAM(Synchlink DRAM)、及びDRRAM(Direct Rambus RAM)が利用可能である。本開示の実施例で説明されるシステム及び方法のメモリ402は、これら及び任意の他の適切なタイプのメモリを含むことが意図されるが、これらに限定されない。
【0056】
いくつかの実施例において、メモリ402は、実行可能モジュール又はデータ構造、又はそれらのサブセット、又はそれらの拡張セット、即ち、オペレーティングシステム4021及びアプリケーションプログラム4022のような要素を記憶する。
ここで、様々な基本的なサービスを実現し、また、ハードウェアベースのタスクを処理するように、オペレーティングシステム4021は、例えば、フレームワーク層、コアライブラリ層、ドライバ層などの様々なシステムプログラムを含む。様々なアプリケーションサービスを実現するように、アプリケーションプログラム4022は、例えば、メディアプレーヤ(Media Player)、ブラウザ(Browser)などの様々なアプリケーションプログラムを含む。本開示の実施例の方法を実現するためのプログラムは、アプリケーションプログラム4022に含まれ得る。
本開示の一実施例では、メモリ402に記憶されているプログラム又は命令、具体的には、アプリケーション4022に記憶されているプログラム又は命令を呼び出し、その実行時に以下のステップ、即ち、1つ又は複数の第1のベアラでランダムアクセスプリアンブルを送信するとき、前記1つ又は複数の第1のベアラが1つ又は複数の第2のベアラに対して変化したか否かに応じて、電力ランピングカウンタの計数値を制御するステップを実現させる。ここで、前記1つ又は複数の第2のベアラは、前記1つ又は複数の第1のベアラで前記プリアンブルを伝送する前に前記プリアンブルを送信することに用いられる。
【0057】
本開示の実施例が提供する端末は、上述の方法の実施例を実行すればよく、その原理と技術効果は同様であり、ここではその説明を省略する。
【0058】
本開示の開示内容に合わせて説明された方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、又はプロセッサがソフトウェア命令を実行する形態で実現されてもよい。ソフトウェア命令は、対応するソフトウェアモジュールから構成されることができ、そのソフトウェアモジュールはRAM、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、モバイルハードディスク、読み取り専用光ディスク、又は当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に記憶され得る。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、かつ該記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。もちろん、記憶媒体はプロセッサの一部であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASIC内に配置され得る。該ASICは、コアネットワークインターフェース機器内に配置されてもよい。当然ながら、プロセッサ及び記憶媒体は、別個のコンポーネントとしてコアネットワークインターフェース機器内に存在してもよい。
【0059】
当業者は、上述の1つ又は複数の例において、本開示で説明される機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せによって実現され得ることを認識するであろう。ソフトウェアによって実現される場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体に記憶するか、又はコンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体を含み、通信媒体はある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用又は専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。
【0060】
本開示の実施例は、本開示の実施例の方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。コンピュータプログラム命令によって、フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組合せを実現することができる。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理機器のプロセッサに提供してマシンを生成し、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器のプロセッサによって実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー、及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための手段を生成させることができる。
【0061】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、その結果、該コンピュータ可読メモリに記憶された命令が命令手段を含む製品を生成し、前記命令手段は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定された機能を実現する。
【0062】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理機器にロードすることもでき、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能な機器で一連の動作ステップが実行されて、コンピュータで実現される処理を生成させ、それにより、コンピュータ又は他のプログラム可能な機器で実行される命令が、フローチャートの1つ又は複数のフロー、及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロック内において指定された機能を実現するためのステップを提供する。
【0063】
明らかに、当業者は、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本開示の実施例に様々な変更及び変形を加えることができる。したがって、本発明の実施例のこれらの変形及び変更が本発明の特許請求の範囲及びその均等な範囲内に含まれる場合、本開示は、これらの変形及び変更も含むことを意図する。