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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】角度の3等分、5等分用作図器
(51)【国際特許分類】
   B43L 13/00 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
B43L13/00 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022168614
(22)【出願日】2022-10-20
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520091292
【氏名又は名称】五藤 帰己二
(74)【代理人】
【識別番号】100102738
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】五藤 帰己二
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-133998(JP,A)
【文献】特開2000-043490(JP,A)
【文献】特許第6802406(JP,B1)
【文献】特開2021-146508(JP,A)
【文献】特開昭52-000529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L13/00
G01B3/00-3/08、3/11-3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明薄板状作図器であって、
一方の表面に、正三角形O1ABと該正三角形に外接する外接円とが表示され、
該正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、該外接円の中心Oとを通る直線状スリットが設けられ、
中心Oと前記定辺ABの各端の頂点A、Bそれぞれを結ぶ線分OAおよび線分OBが表示され、
直線状スリットを摺動可能な可動ピンZと、
前記定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピンと、
前記可動ピンZと前記固定ピンの各々とを連結する、一対の中央角形成ロッドZA、ZBとを有し、
一対の中央角形成ロッドZA、ZBそれぞれ、対応する前記固定ピンに対して、前記可動ピンZと前記固定ピンとを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、
各中央角形成ロッドは、前記可動ピンZが前記直線状スリットを摺動することにより、前記固定ピンが回動して、両中央角形成ロッド間に所定中央角を形成可能であり、
任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、該透明薄板状作図器を位置決めし、
任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、前記可動ピンZを前記直線状スリット上で位置決めし、
該外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、
各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、
Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する、
ことを特徴とする角度の3等分用作図器。
【請求項2】
透明薄板状作図器であって、
一方の表面に、正三角形O1ABと該正三角形に外接する外接円とが表示され、
該正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、該外接円の中心Oとを通る直線状スリットが設けられ、
中心Oを通り、定辺ABに平行な平行線CDが表示され、
直線状スリットを摺動可能な可動ピンZと、
前記定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピンと、
前記可動ピンZと前記固定ピンの各々とを連結する、一対の中央角形成ロッドZA、ZBとを有し、
一対の中央角形成ロッドZA、ZBそれぞれ、対応する前記固定ピンに対して、前記可動ピンZと前記固定ピンとを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、
各中央角形成ロッドは、前記可動ピンZが前記直線状スリットを摺動することにより、前記固定ピンが回動して、両中央角形成ロッド間に所定中央角を形成可能であり、
任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、該透明薄板状作図器を位置決めし、
任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、前記可動ピンZを前記直線状スリット上で位置決めし、
該外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、
各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が平行線CDと交わる点P、Qを求め、
Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの2/5、1/5および2/5それぞれに相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する、
ことを特徴とする角度の5等分用作図器。
【請求項3】
前記直線状スリットを構成する直線状縁には、前記可動ピンZの位置に応じて定まる両中央角形成ロッド間により形成される角度目盛りが付されている、請求項1または請求項2に記載の作図器。
【請求項4】
等分すべき角度と中央角度との関係を示す透明グラフプレートをさらに有し、透明作図器上に重ね合わせることにより、前記可動ピンの位置を決定可能とする、請求項1または請求項2に記載の作図器。
【請求項5】
前記可動ピンは、前記一方の表面上で摺動可能に、軸線を中心として回転可能である拡径本体部と、該拡径本体部の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部とを有し、該縮径部は、前記直線状スリットに嵌合可能な径を有し、前記中央角形成ロッドそれぞれは、一方の端部に、前記拡径本体部の外周面に対して摺動可能に嵌合するリング部を有する、請求項1または請求項2に記載の作図器。
【請求項6】
前記固定ピンはそれぞれ、前記一方の表面上で摺動可能に、軸線を中心として回転可能である拡径本体部と、該拡径本体部の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部が設けられ、対応する前記中央角形成ロッドが摺動可能な貫通穴を有し、対応する中央角形成ロッドが、該貫通穴の長手方向に並進移動可能としている、請求項1または請求項2に記載の作図器。
【請求項7】
前記可動ピンおよび前記固定ピンはそれぞれ、前記透明薄板状作図器に対して、着脱自在に差し仕込まれる、請求項5に記載の作図器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角度の3等分、5等分用作図器に関し、より詳細には、精度良く、かつ簡便に任意角度の3等分の作図が可能な、角度の3等分、5等分用作図器に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパスと定規だけを用いた角度の等分の厳密な作図方法に関し、特に角度の3等分の作図方法はあり得ないことが数学的に証明されている。より詳細には、ギリシャの3大作図問題のひとつである、『角の3等分問題』について、角の3等分問題とは、『任意に与えられた角度を三等分することは可能か?』という問題であり、通常の作図方法、すなわち、コンパスと目盛りの無い定規を用いた作図法では、一般に与えられた角の三等分を作図することが不可能であることが知られている。しかしながら、目盛りのついた定規を使用する作図方法、折り紙を用いた作図方法、放物線を描ける小道具を用いた作図方法等、道具の使い方を変更したり、新しい道具を追加することにより、角の三等分を作図できる場合があることも知られている。
【0003】
たとえば、特許文献1は、角の3等分作図補助器を開示する。より詳細には、任意角の3等分作図方法の、習得のため、容易に3等分の作図を行う際の補助となる器具を目的として、一方の端部の縁が円弧状になっている略長方形の透明板の円弧側の上面には、扇形の4分円とその中心点を上端とする中心線が引かれ、その中心線の下端では、15度の狭角で傾斜線が4 分円の左角でつながっている。以上の図形を表示し、そして4 分円の中心点には指示針とその指示針を軸支する為の中心軸を基板上に設けた角の3等分作図補助器が開示されている。このような補助器によれば、ノートなどの用紙に任意角と4等分線と中心角が直角となる直線の一辺を書き入れた図面の上に、発案した3等分作図法の法則をつかって3等分線の印を書き入れられる基板1を置き指示針などを、操作することによって、任意角の4分の1である4等分線に、12分の1の角度を加えることにより3等分線が引ける印を書き入れられる。以上の構成により容易に作図がかけるとされている。
【0004】
たとえば、特許文献2は、等分線作図定規器を開示する。より詳細には、等分線を簡単な手法で求めることのできる定規を提供することを目的として、直角2辺と、この2辺間を結ぶ傾斜辺とからなる三角定規において、直角2辺の一辺と傾斜辺との合点を基点とし、この基点と直角2辺の他の一辺の等分点とを結ぶ直線上にスリットによる辺を設けたことを特徴とする等分線作図定規器である。このような等分線作図定規器によれば、測定すべき直線上の2点間の1点に直角2辺の一辺を合わせ、そのときの他の一辺が傾斜辺に交わった点で前記1辺に直交する直線の測定線を引き、この測定線とスリットとが交差する交点が等分点となる。
【0005】
よって、CADにおいても、角度の等分の作図アルゴリズムは、厳密な等分となっておらず、CADのデータに基づいてCAMにより、実際に加工する場合、たとえば、底面が正多角形(正11角形)の正角錐形を加工する場合には、11面の側面が厳密に形成されないことから、たとえば、11面の側面の各々に対する光の反射は、微妙に異なってしまう。そのため、光学系機器において、厳密な光経路の実現が重要となるような用途においては、誤差をなるべく小さくすることが要求されている。
また、CADにおいて、直線または曲線を作図する線の太さは、細いほど好ましく、作図自体が厳密になるほど、線の太さ自体がクローズアップされる。よって、特に、角度の等分の作図方法が厳密になるほど、作図する線の太さ自体を細くすることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-131593号
【文献】実開平03-95901号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、本発明の目的は、精度良く、かつ簡便に任意角度の3等分の作図が可能な、角度の3等分用作図器を提供する。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、精度良く、かつ簡便に任意角度の5等分の作図が可能な、角度の5等分用作図器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明の角度の3等分用作図器は、
透明薄板状作図器であって、
一方の表面に、正三角形O1ABと該正三角形に外接する外接円とが表示され、
該正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、該外接円の中心Oとを通る直線状スリットが設けられ、
中心Oと前記定辺ABの各端の頂点A、Bそれぞれを結ぶ線分OAおよび線分OBが表示され、
直線状スリットを摺動可能な可動ピンZと、
前記定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピンと、
前記可動ピンZと前記固定ピンの各々とを連結する、一対の中央角形成ロッドZA、ZBとを有し、
一対の中央角形成ロッドZA、ZBそれぞれ、対応する前記固定ピンに対して、前記可動ピンZと前記固定ピンとを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、
各中央角形成ロッドは、前記可動ピンZが前記直線状スリットを摺動することにより、前記固定ピンが回動して、両中央角形成ロッド間に所定中央角を形成可能であり、
任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、該透明薄板状作図器を位置決めし、
任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、前記可動ピンZを前記直線状スリット上で位置決めし、
該外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、
各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、
Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する、
構成としている。
【0009】
以上の構成によれば、任意鋭角または任意鈍角XOYの3等分用作図器を利用して、任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、透明薄板状作図器を位置決めし、任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、可動ピンZを直線状スリット上で位置決めし、外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図することが可能であり、精度良く、かつ簡便に任意角度の3等分の作図が可能である。
【0010】
上記課題を達成するために、本発明の角度の5等分用作図器は、
透明薄板状作図器であって、
一方の表面に、正三角形O1ABと該正三角形に外接する外接円とが表示され、
該正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、該外接円の中心Oとを通る直線状スリットが設けられ、
中心Oを通り、定辺ABに平行な平行線CDが表示され、
直線状スリットを摺動可能な可動ピンZと、
前記定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピンと、
前記可動ピンZと前記固定ピンの各々とを連結する、一対の中央角形成ロッドZA、ZBとを有し、
一対の中央角形成ロッドZA、ZBそれぞれ、対応する前記固定ピンに対して、前記可動ピンZと前記固定ピンとを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、
各中央角形成ロッドは、前記可動ピンZが前記直線状スリットを摺動することにより、前記固定ピンが回動して、両中央角形成ロッド間に所定中央角を形成可能であり、
任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、該透明薄板状作図器を位置決めし、
任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、前記可動ピンZを前記直線状スリット上で位置決めし、
該外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、
各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が平行線CDと交わる点P、Qを求め、
Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの2/5、1/5および2/5それぞれに相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する、構成としている。
【0011】
以上の構成によれば、任意鋭角または任意鈍角XOYの5等分用作図器を利用して、任意角度XOYで交差する2直線の各々に、定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、透明薄板状作図器を位置決めし、任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、可動ピンZを前記直線状スリット上で位置決めし、外接円の中心Oを通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が平行線CDと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの2/5、1/5および2/5それぞれに相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図することが可能であり、精度良く、かつ簡便に任意角度の5等分の作図が可能である。
【0012】
また、前記直線状スリットを構成する直線状縁には、前記可動ピンZの位置に応じて定まる両中央角形成ロッド間により形成される角度目盛りが付されているのがよい。
さらに、等分すべき角度と中央角度との関係を示す透明グラフプレートをさらに有し、透明作図器上に重ね合わせることにより、前記可動ピンの位置を決定可能とするのがよい。
【0013】
さらにまた、前記可動ピンは、前記一方の表面上で摺動可能に、軸線を中心として回転可能である拡径本体部と、該拡径本体部の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部とを有し、該縮径部は、前記直線状スリットに嵌合可能な径を有し、前記中央角形成ロッドそれぞれは、一方の端部に、前記拡径本体部の外周面に対して摺動可能に嵌合するリング部を有するのがよい。
加えて、前記固定ピンはそれぞれ、前記一方の表面上で摺動可能に、軸線を中心として回転可能である拡径本体部と、該拡径本体部の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部と、対応する前記中央角形成ロッドが摺動可能な貫通穴とを有し、対応する中央角形成ロッドが、該貫通穴の長手方向に並進移動可能としているのがよい。
また、前記可動ピンおよび前記固定ピンはそれぞれ、前記透明薄板状作図器に対して、前記縮径部を介して着脱自在に差し仕込まれるのがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1ないし図8を参照しながら、本発明の角度の3等分用作図器の第1実施形態を以下に詳細に説明する。
3等分用作図器10は、一方の表面12に、正三角形O1ABと正三角形に外接する外接円Cとが表示された透明薄板状作図器本体と、透明薄板状作図器に設けられた直線状スリット14と、直線状スリット14を摺動可能な可動ピン16と、定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピン18と、可動ピン16と固定ピン18の各々とを連結する、一対の中央角形成ロッド20A、20Bと、透明中央角度表示プレート22とから概略構成されている。
透明薄板状作図器本体は、たとえば、樹脂製でよく、大きさは、紙面Paで作図するのに利用することから、たとえばA4相当の大きさが好ましい。
一方の表面12に表示される正三角形O1ABと正三角形に外接する外接円Cとは、たとえば、プリント印刷されているのでよく、線分の太さは、通常のボールペンの太さである。0.3ミリないし0.7ミリが好ましい。外接円Cの中心O2と定辺ABの各端の頂点A、Bそれぞれを結ぶ線分OAおよび線分OBが表示される。
定辺ABの長さは、利用者の作図の便宜から決定すればよく、作図する紙面PaがA4サイズを想定すれば、たとえば、5センチないし10センチが好ましい。
【0015】
直線状スリット14は、正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、外接円Cの中心O2とを通るように設けられる。
直線状スリット14の幅は、後に説明する可動ピン16が直線状スリット14に嵌合した状態で、直線状スリット14に沿って、ガタなく円滑移動可能な観点から定まればよい。
直線状スリット14の位置および長さは、図1に示すように、外接円Cの中心O22より下方、辺ABより中心O22寄りから始まり、外接円Cより下方の位置まで及ぶが、これは、後に説明する22の中央角度の範囲をカバーするように設けている。
直線状スリット14を構成する直線状縁には、可動ピン16の位置に応じて定まる両中央角形成ロッド20A、20B間により形成される角度目盛りが付されている。この場合、可動ピン16が辺AB上にある場合は、180°、可動ピン16が外接円C上にある場合は、120°となる。
一対の中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれ、対応する前記固定ピン18に対して、可動ピン16と固定ピン18とを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、各中央角形成ロッド20A、20Bは、可動ピン16が前記直線状スリット14を摺動することにより、固定ピン18が回動して、両中央角形成ロッド20A、20B間に所定中央角を形成可能である。
等分すべき角度と中央角度Zとの関係を示す透明中央角度表示プレート22をさらに有し、透明作図器10 上に重ね合わせることにより、前記可動ピンの位置を決定可能とする。
【0016】
図2に示すように、可動ピン16は、一方の表面12上で摺動可能に、軸線X-Xを中心として回転可能である拡径本体部30と、拡径本体部30の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部32が設けられている。縮径部32は、直線状スリット14に嵌合可能な径を有し、直線状スリット14の厚みより小さい長さを有し、直線状スリット14に嵌合する際、一方の表面12の反対側の表面34から突出しないようにしている。拡径本体部30と縮径部32とが一体成形された樹脂製が好ましい。
一方、中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれは、一方の端部に、拡径本体部30の外周面に対して摺動可能に嵌合するリング部23A,23Bを有し、中央角形成ロッド20Bのリング部23Bは、中央角形成ロッド20Aのリング部23Aに対して、摺動可能に積み重ねられるとともに、中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれの下面36A、36Bが一方の表面12に接するように、中央角形成ロッド20Bのリング部23Bは、中央角形成ロッド20Aのリング部23Aと異なり、リング部23Bと中央角形成ロッド20Bの一方の端部との間に段差部が設けられている。
これにより、中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれの一方の端部は、可動ピン16が直線状スリット14に沿って移動することに応じて、移動可能になっている。
なお、中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれの一方の端部に設けるリング部23Aおよび23Bは、可動ピン16に対して、単に上方から差し込むだけであり、取り外し自在である。
【0017】
図3に示すように、固定ピン18A,18Bはそれぞれ、可動ピン16と同様に、一方の表面12上で摺動可能に、軸線X-Xを中心として回転可能である拡径本体部38と、拡径本体部38の下面に対して同心状に設けられ、下方に延びる縮径部40が設けられている。加えて、固定ピン18A,18Bはそれぞれには、対応する中央角形成ロッド20A、20Bが摺動可能な貫通穴21を有し、中央角形成ロッド20A、20Bが図3の矢印に示すように、貫通穴21の長手方向に並進移動可能としている。可動ピン16と同様に、拡径本体部38と縮径部40とが一体成形された樹脂製が好ましい。
以上より、図4に示すように、可動ピン16を直線状スリット14に沿って上方に移動することにより、中央角形成ロッド20A、20B動詞がなす角度(中央角θ)が大きくなる場合において、中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれの一方の端部は、リング部23Aおよび23Bに対して、可動ピン16に対して回動しつつ、固定ピン18A,18Bそれぞれの貫通穴21の長手方向に並進移動しつつ、固定ピン18A,18Bそれぞれに対して回動するようにしている。
【0018】
以下に、図6を参照しながら、透明中央角度表示プレート22に表示される等分すべき角度と中央角度θにおける中央角度の作図手順について、説明する。図6は、所与角度XOYが60°を3等分する場合の中央角度を求めている。
所与の角度φに基づき、点Oを始点として、角度XOL、角度LOM、角度MOYそれぞれが角度φとなるように、線分OX、OL、OMおよびOYを引く段階と、
直線OX上に点A、直線OY上に点Bをそれぞれ、OA=OBとなるように求める段階と、
直線OX上の点Aと直線OY上の点Bとを結び、三角形AOBを作成する段階と、
辺ABを一辺とする正三角形ABOを作成する段階と、
正三角形ABOに外接する中心O2の外接円Cを作図する段階と、
線分OLおよびOMそれぞれと、OAおよびOBの交点PおよびQを求める段階と、
を通り、AOおよびBOそれぞれに平行な線分が、OPのP側への延長線、およびOQのQ側への延長線と交わる点HおよびIを求める段階と、
AHとBIとがなす中央角θを求める段階と、
前記中央角θを求める段階を複数の角度φについて、実行する段階と、
求めた中央角θおよび角度φに対して、(3φ、θ)をプロットして、近似曲線を作成する段階とを、実行する。
【0019】
上記構成を有する作図方法によれば、直線OXと直線OYとの間の交角XOYを3等分する際、重心、内心、および外心が一致する正三角形を利用して、OA=OBとなるように求めた、直線OX上の点A、および直線OY上の点Bについて、辺ABを一辺とする正三角形ABOと正三角形ABOに外接する中心O2の外接円Cに基づき、OO上の頂点Zが構成するZAとZBとのなす角度(以降、中央角度と称する)に着目することにより、0°から180°までの任意角度において、実質的な誤差を限りなく小さくすることが可能な実用的な任意角度の3等分が可能となる。
より詳細には、任意角度の3等分に関する作図方法に関し、2つの頂点がそれぞれ、3等分すべき任意角度を形成する各線分上にある任意の大きさの正三角形に基づきながら、3等分すべき任意角度に対応する中央角度に注目し、中央角度を利用して作図する場合において、0°から180°までの間で、有限数の角度それぞれにおいて、角度の3等分の角度に相当する角度そのものを用いて中央角度を算出し、これらの有限個の座標点(3等分対象角度、中央角度)に基づいて、近似曲線を求めておけば、この近似曲線を利用することにより、任意角度の3等分の作図方法が、数学的には不可能であることが証明されているとしても、それは、線分の太さがない純理論的な場面であり、実際の作図方法においては、視認可能が必須であり、そのために、作図を構成する線分の太さが不可欠である点を考慮すれば、0°から180°までの任意角度において、実質的な誤差を限りなく小さくすることが可能な実用的な任意角度の3等分に関する作図方法を提供することが可能となる。
【0020】
直線OXと直線OYとの間の交角XOYは、0°より大きく、180°以下である。
前記角度3φが、90°および180°それぞれの場合、中央角θは、90°および180°であり、前記近似曲線は、少なくともこの2点を通過する。
複数の所与の角度φに対応する3φにおいて、隣接する3φの角度間隔は、10°ないし20°ごとに設定される。
複数の所与の角度φに対応する3φにおいて、前記近似曲線の角度3φに対する微係数に応じて、10°ないし20°の範囲で、隣接する3φの角度間隔ごとに設定される。
前記角度XOYを3等分する作図段階において、角度XOYの値に応じて、ズームアップ機能を利用して、拡大して作図を行う。
前記近似曲線は、3φと、それに対応する中央角θとによる複数の座標(3φ、θ)間を接続する折れ線により近似する
【0021】
上述の作図手順に従って、3等分する角度に応じて、中央角度θを求めた結果は、以下である。
3等分する角度が、10ごとに、10°、20°、30°、40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°、および170°それぞれの場合、中央角度θは、小数点2位まで、110.72°、102.93°、96.60°、91.83°、88.55°、86.72°、86.36°、87.43°、90.00°、94.12°、99.87°、107.31°、116.47°、127.26°、139.48°、152.71°、および166.44°となった。
この結果を、横軸に3等分する角度(3φに相当)、縦軸に中央角度θとして、17点をプロットして、17点を滑らかに通る近似曲線を作成したのが、図7である。
図7に示すように、近似曲線は、60°ないし70°の範囲に最小値を有する下に凸の曲線である。
以下、この近似曲線を利用して、上記17点以外の3等分する角度に対して、近似曲線を利用して、中央角度θを小数点1位まで読み取り、この中央角度θを利用して、3等分の作図を行うと、実施的に誤差がない範囲で作図が可能であることを示す。
【0022】
以下に、以上の構成を有する3等分用作図器10により、紙面Pa上の所与角XOYを3等分作図する手順を説明する。
概略的には、図5に示すように、任意角度XOYで交差する2直線の各々に、定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、透明薄板状作図器本体10 を位置決めし、任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度θを形成するように、可動ピン16を前記直線状スリット14上で位置決めし、外接円Cの中心O2を通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する。
【0023】
以下、図8を参照しながら、詳細に説明する。
図8(A)に示すように、所与角度XOYが図示された紙面Pa上で作図するのに、スリット14の延長上にOが通過するように、OXおよびOYそれぞれに、AおよびBを位置決めすることにより、OA=OBとなる点A,Bとなるように、作図器10を紙面Pa上に重ねる。
次いで、図8(B)に示すように、作図器22により、所与角度XOYに応じて、所定中央角度の値を求め、作図器10上に作図器22を作図器22の中央角度数値を示す辺をスリット14に重ねるように位置決めし、所定中央角度の数値を実現するスリット14上の目盛り位置を決める。
次いで、図8(C)に示すように、求めたスリット上の目盛り位置に可動ピン16を位置決めする。より詳細には、可動ピン16をスリット14に沿って移動することにより、一対の中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれが、可動ピン16において回動しつつ、固定ピン18に対して、貫通穴を摺動しながら、固定ピン19を回動させながら、可動ピン16を位置決めする。
その際、一対の中央角形成ロッド20A、20Bそれぞれが、外接円Cと交わる点HおよびIを作図器上10に求める。
【0024】
次いで、図8(D)に示すように、作図器上10において、各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、紙面Pa上に点L,Mを求め、紙面Pa上で、OLおよびOMとを引くことにより、所与角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する。
以上で、紙面Pa上で所与角度XOYの3等分の作図が完了する。
【0025】
以上の構成によれば、任意鋭角または任意鈍角XOYの3等分用作図器を利用して、任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、透明薄板状作図器本体を位置決めし、任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度を形成するように、可動ピンZを直線状スリット上で位置決めし、外接円Cの中心O2を通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図することが可能であり、精度良く、かつ簡便に任意角度の3等分の作図が可能である。
【0026】
以下に、本発明の第2実施形態について、図9ないし図11を参照しながら説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な構成要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。
本発明の第2実施形態の特徴は、第1実施形態においては、任意角XOYの3等分用作図器であったが、本実施形態においては、任意角XOYの5等分用作図器である点にある。
より詳細には、任意角XOYに応じて、可動ピンを直線状スリット上を摺動させることにより、一対の中央角形成ロッドにより中央角を形成して、それにより、辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、I、および各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分を利用して点P、Qを求める点は、第1実施形態と同様であるが、中央角度を求める中央角度表示プレート22、および点P、Qの求め方が異なる。
より具体的には、点P、Qを求めるに際し、第1実施形態においては、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッドと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッドと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求めていたところ、本実施形態においては、中心O2を通り、定辺ABに平行な平行線CDが表示され、該外接円Cの中心O2を通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が平行線CDと交わる点P、Qを求める点が異なる。
【0027】
角度の5等分の場合の、第1実施形態における中央角度表示プレート22に相当する等分すべき角度と中央角度θとの関係を示すグラフは、結果を図10に示す。
【0028】
以上、任意角度XOYで交差する2直線の各々に、定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、透明薄板状作図器本体10を位置決めし、任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度θを形成するように、可動ピン16を直線状スリット14上で位置決めし、外接円Cの中心O2を通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iを求め、各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が平行線CDと交わる点P、Qを求め、Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの2/5、1/5および2/5それぞれに相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図することが可能である。
【0029】
なお、各中央角形成ロッド20A、20Bは、透明薄板状作図器本体10に対して、可動ピン16と固定ピン18とにより、差し込まれているだけであり、取り外し可能であるとともに、3等分用作図器10と5等分用作図器10とにおいては、P、Qの位置の相違に起因して、透明薄板に表示されている部分が異なるのみであり、3等分用作図器10の各中央角形成ロッド20A、20Bを5等分用作図器10に対して流用可能である。
【0030】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、所与角XOYの3等分または5等分のCAD作図方法として、角XOYが鋭角の場合について、説明したが、それに限定されることなく、たとえば、XOYが鋭角である限り、任意の角度に対して、それに応じた作図アルゴリズムにより、また、XOYが鈍角である限り、任意の角度に対して、それに応じた作図アルゴリズムにより、簡便な作図方法でありながら、実用的な誤差の範囲で任意XOYの3等分または5等分の作図が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器の構成を示す平面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器の可動ピンまわりを示す部分詳細断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器の固定ピンまわりを示す部分詳細断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器を用いて、可動ピン16を移動することにより、中央角形成ロッド20A、20Bにより形成される中央角度が変動する状況を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器において、紙面Pa、透明薄板状作図器本体本体、透明中央角度表示プレート22および中央角形成ロッド20A、20Bの関係を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る3分用作図器において、角度60を3等分する場合の中央角度算出の作図手順を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る3等分用作図器において、透明中央角度表示プレート22を示す平面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る3分用作図器を用いて、所与角度XOYを3等分する手順を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る5分用作図器において、図1と同様な平面図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る5分用作図器において、図7と同様なグラフである。
図11】本発明の第2実施形態に係る5分用作図器において、図8Dと同様な平面図である。
【符号の説明】
【0032】
O1AB 正三角形
C 外接円
AB 定辺
O1 対向頂点
O 中心
A、B 頂点
OA 線分
OB 線分
XOY 任意角度
θ 中央角度
O1A 辺
O1B 辺
H、I 辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点
P、Q 各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点
Pa 紙面
10 透明薄板状作図器本体
12 一方の表面
14 直線状スリット
16 可動ピン
18 固定ピン
20A 中央角形成ロッド
20B 中央角形成ロッド
22 中央角度表示プレート22
23 リング部
30 拡径部
32 縮径部
34 下面
36 他方の表面
38 拡径部
40 縮径部
【要約】
【課題】鋭角または鈍角を3分割または5分割する作図において、簡便な手順でありながら、従来の作図方法に比べて、実用に供するように誤差を小さくしたCAD作図方法を提供する。
【解決手段】透明薄板状作図器本体10 であって、
一方の表面12に、正三角形O1ABと該正三角形に外接する外接円Cとが表示され、
該正三角形O1ABの定辺ABに対向する対向頂点O1と、該外接円Cの中心O2とを通る直線状スリット14が設けられ、
中心O2と前記定辺ABの各端の頂点A、Bそれぞれを結ぶ線分OAおよび線分OBが表示され、
直線状スリット14を摺動可能な可動ピン16と、
前記定辺ABの各端の頂点A、B上にピン止めされた固定ピン18と、
前記可動ピン16と前記固定ピン18の各々とを連結する、一対の中央角形成ロッド20A、20BZA、ZBとを有し、
一対の中央角形成ロッド20A、20BZA、ZBそれぞれ、対応する前記固定ピン18に対して、前記可動ピン16と前記固定ピン18とを結ぶ方向に摺動可能に設けられ、
各中央角形成ロッド20A、20Bは、前記可動ピン16が前記直線状スリット14を摺動することにより、前記固定ピン18が回動して、両中央角形成ロッド20A、20B間に所定中央角を形成可能であり、
任意角度XOYで交差する2直線の各々に、前記定辺ABの各端の頂点A、Bが位置するように、該透明薄板状作図器本体10 を位置決めし、
任意角度XOYに応じて定まる所与中央角度θを形成するように、前記可動ピン16を前記直線状スリット14上で位置決めし、
該外接円Cの中心O2を通り、定辺ABの各頂点A、Bと対向頂点O1とを結ぶ各辺O1A、O1Bに平行な線分が各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iを求め、
各中央角形成ロッド20A、20Bと交わる点H、Iそれぞれと対向頂点O1とを結ぶ線分が線分OAおよび線分OBそれぞれと交わる点P、Qを求め、
Oと点P、Qそれぞれを通る線分OL、OMを引くことにより、任意角度XOYの3等分に相当する角XOL、角LOMおよび角MOYを作図する、
ことを特徴とする角度の3等分用作図器10 。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11