(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】会議室客体を用いたテレビ会議方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20221205BHJP
H04L 67/00 20220101ALI20221205BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H04N7/15
H04L67/00
H04M3/56 C
(21)【出願番号】P 2017195146
(22)【出願日】2017-10-05
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】10-2017-0037362
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515049512
【氏名又は名称】RSUPPORT株式会社
【氏名又は名称原語表記】RSUPPORT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】F15, 10 Wiryeseong-daero, Songpa-gu Seoul 05544 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100089635
【氏名又は名称】清水 守
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】ソ ヒョン ス
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-005590(JP,A)
【文献】特開2005-109710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/14 - 7/173
H04L 67/00 - 67/75
H04M 3/38 - 3/58
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパソコン(20)と会議サーバ(10)とがインターネットを介して接続されてテレビ会議が行われる会議室客体(30)を用いたテレビ会議方法において、
パソコン(20)の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ(10)に接続され、会議サーバ(10)が会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信する接続ステップ(S11)と、
パソコン(20)の会議プログラムによって会議室客体(30)が選択されるだけで、識別情報及びユニフォームリソースロケータがいずれも入力されることなく、会議サーバ(10)が、前記パソコン(20)を前記会議室客体(30)の参加者として登録する登録ステップ(S12)と、
他のパソコン(20)の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ(10)に接続され、会議サーバ(10)が前記会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信する追加接続ステップ(S21)と、
他のパソコン(20)の会議プログラムによって会議室客体(30)が選択されるだけで、識別情報及びユニフォームリソースロケータがいずれも入力されることなく、会議サーバ(10)が、他のパソコン(20)を会議室客体(30)の参加者として登録する追加登録ステップ(S22)と、
会議サーバ(10)が、パソコン(20)の会議プログラムによって送信された画像情報を他のパソコン(20)の会議プログラムに送信する会議進行ステップ(S30)とを有することを特徴とする会議室客体を用いたテレビ会議方法。
【請求項2】
接続ステップ(S11)において、パソコン(20)の会議プログラムが、会議室客体(30)を画面に表示し、会議サーバ(10)によって作成されたウェブページ(11)に接続され、会議サーバ(10)がパソコン(20)の会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信し、
追加接続ステップ(S21)において、他のパソコン(20)の会議プログラムが、会議室客体(30)を画面に表示し、会議サーバ(10)によって作成されたウェブページ(11)に接続され、会議サーバ(10)が他のパソコン(20)の会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信する請求項1に記載の会議室客体を用いたテレビ会議方法。
【請求項3】
会議室客体(30)の情報に名称情報が含まれ、接続ステップ(S11)において、パソコン(20)の会議プログラムが、会議室客体(30)の情報に含まれた名称情報を画面に表示する請求項1又は2に記載の会議室客体を用いたテレビ会議方法。
【請求項4】
会議室客体(30)情報に状態情報が含まれ、接続ステップ(S11)において、パソコン(20)の会議プログラムが、会議室客体(30)の情報に含まれた状態情報を画面に表示する請求項1又は2に記載の会議室客体を用いたテレビ会議方法。
【請求項5】
画面に表示される状態情報は、追加参加者の合流が拒否される状態である請求項4に記載のテレビ会議
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介して相互に接続されたパソコン20及び会議サーバ10を用いたテレビ会議方法に関するものであり、会議サーバ10に接続されたパソコン20に、アイコン、ボタン等の、ユーザが選択可能な客体が出力され、ユーザがこれを選択する操作を行うことによって、前記パソコン20が会議への参加者として登録されて、会議サーバ10を介した画像情報の流通が行われる、会議室客体を用いたテレビ会議方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のインターネットの通信速度及びパソコンの性能の向上には目を見張るものがあり、専用の通信線、並びに高価な映像・音響信号及び処理システムを用いることなく、インターネット及びパソコンを用いた他者間のテレビ会議方法が提供されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来のテレビ会議方法は、撮像機能を備え、インターネットに接続されたパソコンと会議への参加者のパソコンとの間で画像情報を中継する会議サーバを介して行われる。テレビ会議に参加する一方のユーザのパソコンから送信された画像情報を会議サーバが受信した後、他方のユーザのパソコンに送信することによってテレビ会議が行われる。
【0005】
これは、一方のパソコンと会議サーバとの間の通信路(セッション)が開設され、他方のパソコンと会議サーバとの間の通信路が開設された状態で、一方のパソコンと他方のパソコンとの間の画像情報の流通を会議サーバが中継するものであり、会議サーバは、多数のテレビ会議を中継する場合、各テレビ会議別に参加するユーザのパソコンを参加パソコンとして特定し、参加パソコン間で画像情報を正確に送信することができるように、各テレビ会議別の参加パソコンとの通信路を開設するときに、テレビ会議が特定可能な情報を求める。
【0006】
すなわち、インターネットを介したパソコンでのテレビ会議サービスを提供する会議サーバは、同時に多数のテレビ会議を中継することを余儀なくされるが、多数の異なるテレビ会議においては、多数の参加パソコンがハードウェアとしての会議サーバに接続された状態で、会議サーバは、各テレビ会議別の参加パソコンを正確に把握し、画像情報を混線することなく中継しなければならない。したがって、このため、パソコンは、自分がどのようなテレビ会議に参加しようとするかを会議サーバに通知し、会議サーバは、通知された内容に従って、自分が中継するテレビ会議の参加パソコンを明確に把握する。
【0007】
このようなテレビ会議別の参加パソコンを特定する方法としては、各テレビ会議別のパソコン及び通信路を特定するために設定された参加者の識別情報、及び各テレビ会議を特定するために設定されたテレビ会議の識別情報から成る識別情報一覧を構築し、画像情報の中継に当たって会議サーバが前記識別情報一覧を参照する方法、又は各テレビ会議別のパソコンがクライアントとして接続されるサーバプログラムをテレビ会議別に起動することによって、同じサーバプログラムに接続されるパソコンを各テレビ会議別の参加パソコンとして設定する方法が挙げられる。
【0008】
前者の方法においては、単一の会議サーバが、多数のテレビ会議を同時に中継しながら、参加者の識別情報及びテレビ会議の識別情報を利用して画像情報を流通させる。
【0009】
また、後者の方法においては、見掛け上多数の会議サーバが構築され、各会議サーバが、各テレビ会議別に画像情報を流通させる。テレビ会議に参加する場合、パソコンのユーザは、自分が参加するテレビ会議を中継するサーバプログラムに、パソコンをクライアントとして接続することになる。
【0010】
したがって、前者の方法において、パソコンは、テレビ会議が特定可能な識別情報を会議サーバに送信しなければならず、そのために、パソコンのユーザは、自分が参加しようとするテレビ会議が特定可能な識別情報、文字列又は数字列を入力して会議サーバに送信する必要がある。
【0011】
また、後者の方法において、パソコンは、特定のテレビ会議を中継するサーバプログラムにクライアントとして正確に接続されなければならず、そのために、パソコンのユーザは、自分が参加しようとするテレビ会議を中継するサーバプログラムのユニフォームリソースロケータ(URL:Uniform Resource Locator)等を入力し、前記サーバプログラムにパソコンをクライアントとして接続する必要がある。
【0012】
このため、従来のインターネットを介したテレビ会議への参加者は、自分が参加すべきテレビ会議に割り当てられた識別情報又はサーバプログラムのユニフォームリソースロケータ(URL)を正確に認識した状態でないと、テレビ会議に参加することができず、しかも、テレビ会議に参加するために、複雑な情報を入力しなければならず、インターネット及びパソコンの利用に慣れていないユーザの場合、テレビ会議への参加過程が非常に困難である。
【0013】
特に、従来のインターネットを介したテレビ会議においては、テレビ会議を開催するたびに、テレビ会議へのすべての参加者にテレビ会議の識別情報又はサーバプログラムのユニフォームリソースロケータを配信する必要があったが、このようなテレビ会議への参加者に、テレビ会議の識別情報又はユニフォームリソースロケータを配信する過程において混線、エラー等が頻発してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、前述された従来の問題点を解決するためにされたものであり、本発明の会議室客体を用いたテレビ会議方法は、複数のパソコン(20)と会議サーバ(10)とがインターネットを介して接続されてテレビ会議が行われる会議室客体(30)を用いたテレビ会議方法において、パソコン(20)の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ(10)に接続され、会議サーバ(10)が会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信する接続ステップ(S11)と、パソコン(20)の会議プログラムによって会議室客体(30)が選択されるだけで、識別情報及びユニフォームリソースロケータがいずれも入力されることなく、会議サーバ(10)が、前記パソコン(20)を前記会議室客体(30)の参加者として登録する登録ステップ(S12)と、他のパソコン(20)の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ(10)に接続され、会議サーバ(10)が前記会議プログラムに会議室客体(30)の情報を送信する追加接続ステップ(S21)と、他のパソコン(20)の会議プログラムによって会議室客体(30)が選択されるだけで、識別情報及びユニフォームリソースロケータがいずれも入力されることなく、会議サーバ(10)が、他のパソコン(20)を会議室客体(30)の参加者として登録する追加登録ステップ(S22)と、会議サーバ(10)が、パソコン(20)の会議プログラムによって送信された画像情報を他のパソコン(20)の会議プログラムに送信する会議進行ステップ(S30)とを有することを特徴とする。
【0015】
また、接続ステップ(S11)において、パソコン20の会議プログラムが、会議室客体30を画面に表示し、会議サーバ10によって作成されたウェブページ11に接続され、会議サーバ10がパソコン20の会議プログラムに会議室客体30の情報を送信し、追加接続ステップ(S21)において、他のパソコン20の会議プログラムが、会議室客体30を画面に表示し、会議サーバ10によって作成されたウェブページ11に接続され、会議サーバ10が他のパソコン20の会議プログラムに会議室客体30の情報を送信することが好ましい。
【0016】
そして、会議室客体30の情報に名称情報が含まれ、接続ステップ(S11)において、パソコン20の会議プログラムが、会議室客体30の情報に含まれた名称情報を画面に表示することが好ましい。
【0017】
さらに、会議室客体30情報に状態情報が含まれ、接続ステップ(S11)において、パソコン20の会議プログラムが、会議室客体30情報に含まれた状態情報を画面に表示することが好ましい。
また、画面に表示される状態情報は、追加参加者の合流が拒否される状態であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複雑な識別情報又はユニフォームリソースロケータを入力することなく、パソコン20の画面に表示された客体を選択する直観的な操作だけでテレビ会議に参加することができるので、ユーザの操作性が良くなり、インターネットを介したテレビ会議の活用を拡大することができる。
【0019】
特に、パソコン20及びインターネットの利用に慣れていないユーザであっても手軽にテレビ会議サービスを利用することができ、テレビ会議の開催のためにテレビ会議へのすべての参加者が共有しなければならない情報を非常に単純化させることができるので、テレビ会議を開催する過程において混線及びエラーが発生するの確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の形態におけるシステムの構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるパソコンの画面の例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるテレビ会議方法を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の実施の形態におけるテレビ会議が進行状態にあるときのパソコンの画面の例を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態における名称情報が適用された場合のパソコンの画面の例を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施の形態における状態情報が適用されたパソコンの画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る会議室客体を用いたテレビ会議方法を実施するためのシステムの構成要素及び構成要素間の接続状態を示す。
【0023】
図1に示されるように、本発明の会議室客体を用いたテレビ会議方法を実施するためのシステムは、インターネット(INTERNET)に接続され、撮像機能を有する複数のパソコン20、及び各パソコン20とインターネットを介して接続されて、パソコン20間の画像情報を中継する会議サーバ10を備える。
【0024】
また、各パソコン20と会議サーバ10との接続は、パソコン20がインターネットを介して会議サーバ10によって運用されるウェブページ11に接続することによって行われる。このとき、ウェブページ11等を介してパソコン20と会議サーバ10とを接続するに当たり、会議サーバ10によるパソコン20の接続は、ID(identification)、接続パスワード等のユーザの認証情報を入力し、ユーザ認証を行うことによって受諾される。
【0025】
本実施の形態の会議室客体を用いたテレビ会議方法を行うパソコン20としては、通常のカメラ付きのデスクトップパソコン、ラップトップパソコン等だけではなく、
図1に示されるように、撮像機能が搭載され、インターネットに接続可能なタブレットパソコン、スマートフォン等の、各種の多様な情報機器を使用することができる。
【0026】
図2は、本発明の会議室客体を用いたテレビ会議方法を実施する過程における、テレビ会議への参加者のパソコン20の画面の例を示す。
【0027】
パソコン20がウェブページ11を介して会議サーバ10に接続される場合、パソコン20にウェブページ11が配信されると、パソコン20の画面に、現在進行中の、又は開催予定のテレビ会議に対応する複数の会議室客体30が表示される。
【0028】
そして、パソコン20がテレビ会議の有効な参加者として接続されることが会議サーバ10によって受諾されると、会議サーバ10は、
図2に示されるように、複数の会議室客体30が含まれているウェブページ11を作成し、パソコン20に配信する。
【0029】
これは、同等な参加資格を有するパソコン20においても同様に適用される。ここで、同等な参加資格を有するパソコン20とは、それぞれの会議室客体30で表されるテレビ会議に参加可能なパソコン20をいい、本実施の形態の会議室客体を用いたテレビ会議方法が適用されたテレビ会議サービスのユーザとして会社等の団体が加入している場合には、該団体の構成員が使用するパソコン20をいう。
【0030】
すなわち、インターネットを介したテレビ会議サービスは、通信会社、インターネット情報プロバイダ、テレビ会議サービス専門会社等によって提供され、このようなテレビ会議サービスのユーザとしては会社等の団体が加入することが可能である。これらの会社等の団体の構成員が、個別のユーザとして自分のパソコン20を使用してインターネットを介して会議サーバ10に接続すると、前記ユーザが所属する団体に割り当てられた会議室客体30の情報がパソコン20に送信される。
【0031】
このとき、会議サーバ10に接続されたパソコン20のユーザが所属する団体を、会議サーバ10によって特定することが可能であるが、団体の特定は、前述された会議サーバ10によるパソコン20の接続の受諾に当たって行われる。
【0032】
すなわち、本実施の形態の会議室客体30を用いたテレビ会議方法が適用されたテレビ会議サービスのユーザが会議サーバ10に接続するときに行われるユーザ認証と同様に、ID、接続パスワード等の自分の認証情報を入力すると、会議サーバ10は、前記ユーザが加入者のうちのどのような団体に所属する構成員であるかを確認することができる。これにより、会議サーバ10は、前記ユーザが所属する団体に割り当てられた会議室客体30の情報をウェブページ11等の形式で送信する。したがって、同じ団体に所属するユーザのパソコン20には同じ内容の画面が形成される。
【0033】
図2に示される画面には複数の会議室客体30が表示されているが、各会議室客体30は、現在進行中のテレビ会話、又は開催予定若しくは開催可能なテレビ会議を示すものであり、一種の仮想会議室をパソコン20の画面の上に視覚的に実現したものである。テレビ会議への参加者は、自分のパソコン20の画面に表示された会議室客体30を操作、すなわち、クリック又はタッチして選択することによって、テレビ会議に参加することになる。
【0034】
前述されたように、従来の技術においては、テレビ会議に参加するために複雑な識別情報又はユニフォームリソースロケータを入力する必要があったのに対して、本実施の形態においては、パソコン20の画面に表示された会議室客体30をクリック又はタッチして選択するという直観的な操作を行うだけでテレビ会議に参加することができる。これは、実際のテレビ会議に参加する際に、会議室に入室する場合とほぼ同じ感覚で行うことができ、一般のユーザは、テレビ会議に参加するための複雑な設定及び情報の入力の手順を覚える必要がなく、パソコン20及びインターネットの利用に慣れていなくても非常に手軽にテレビ会議に参加することができる。
【0035】
特に、同じ参加資格を有するユーザ、例えば、同じ会社の職員のように特定の団体に所属するユーザのパソコン20の画面には、同じ会議室客体30が表示されるので、各参加者に会議室客体30を指定して通知するだけで、例えば、
図2に示される例においては、会議室客体30に付与された番号を各参加者に通知するだけで、テレビ会議を開催することが可能になる。
【0036】
本実施の形態においては、テレビ会議を開催するに当たり、テレビ会議の各参加者が共有しなければならない情報が非常に単純化されるので、テレビ会議の開催及びテレビ会議への参加を非常に手軽に行うことができる。
【0037】
図3に、本発明のテレビ会議方法の具体的な過程を示す。
【0038】
テレビ会議方法は、パソコン20の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ10に接続され、会議サーバ10が前記会議プログラムに会議室客体30の情報を送信する接続ステップ(S11)で始まる。
【0039】
ここで、パソコン20は、本実施の形態のインターネットを介したテレビ会議サービスへの加入者である会社等の団体の構成員が使用するパソコン20であって、パソコン20としては、前述されたように、撮像機能を有し、インターネットに接続されるデスクトップパソコン20、ラップトップパソコン20、タブレットパソコン20、スマートフォン20等の情報機器を使用することができる。
【0040】
パソコン20には、本実施の形態の会議室客体30を用いたテレビ会議方法を実施するに当たり、会議サーバ10とインターネットを介して接続されるクライアントプログラムであって、会議サーバ10との通信を行い、撮像された画像情報を送信したり、会議サーバ10から画像情報を受信したり、会議サーバ10から会議室客体30の情報を受信してパソコン20の画面に会議室客体30を表示する会議プログラムが記録され、起動される。会議プログラムの具体的な態様としては、それ自体が画像情報の送受信機能を備えたブラウザ(browser)、画像情報の送受信プラグイン(plug-in)がインストールされたブラウザ、又は会議サーバ10への接続及び画像情報の送受信を行う別途のアプリケーションプログラムが挙げられる。
【0041】
特に、
図1に示されるように、本実施の形態においては、会議サーバ10によってウェブページ11が作成され、パソコン20の会議プログラムがウェブページ11を介して会議サーバ10と接続されるようになっている。したがって、接続ステップ(S11)においては、パソコン20の会議プログラムが、会議サーバ10によって作成されたウェブページ11に接続され、パソコン20の会議プログラムに会議室客体30の情報が送信される。ここで、会議プログラムとしては前述されたブラウザが適用可能であるが、ブラウザは、一般のインターネットユーザが慣れているプログラムであるので、会議プログラムとしてブラウザが適用される場合にユーザの操作性を高める上で有利である。
【0042】
接続ステップ(S11)においてパソコン20の画面に表示される会議室客体30は、アイコン、ボタン等をユーザがクリック又はタッチして選択することが可能な客体(object)であり、使用に当たって一種のハイパーリンク(hyperlink)として挙動する。
【0043】
接続ステップ(S11)が終了した後、パソコン20の会議プログラムによって会議室客体30が選択されると、会議サーバ10が前記パソコン20を会議室客体30の参加者として登録する登録ステップ(S12)が行われる。これにより、パソコン20において撮像された画像情報が流通される通信路(セッション)がパソコン20と会議サーバ10との間に開設され、会議サーバ10は、他の参加者のテレビ会議への参加を待機する。
【0044】
登録ステップ(S12)が終了すると、他のパソコン20の会議プログラムがインターネットを介して会議サーバ10に接続され、会議サーバ10が他のパソコン20の会議プログラムに会議室客体30の情報を送信する追加接続ステップ(S21)が行われる。ここで、他のパソコン20とは、前述された接続ステップ(S11)及び登録ステップ(S12)が行われたパソコン20とは異なるパソコン20、すなわち、前記テレビ会議への他の参加者のパソコン20であり、二人のユーザ間のテレビ会議の場合には一つの他のパソコン20が設定され、三人以上のユーザ間のテレビ会議の場合には複数の他のパソコン20が設定される。
【0045】
また、他のパソコン20に記録される会議プログラムとしても、前述された接続ステップ(S11)及び登録ステップ(S12)が行われたパソコン20の会議プログラムと同じプログラムが適用され、前述されたウェブページ11が適用された接続ステップ(S11)のように、追加接続ステップ(S21)においても、他のパソコン20の会議プログラムによって、画面に会議室客体30が形成され、会議サーバ10によって形成されたウェブページ11に接続され、会議サーバ10から他のパソコン20の会議プログラムに会議室客体30の情報が送信される。
【0046】
追加接続ステップ(S21)が終了した後、他のパソコン20の会議プログラムによって会議室客体30が選択されると、会議サーバ10が前記他のパソコン20を前記会議室客体30の参加者として登録する追加登録ステップ(S22)が行われる。これにより、他のパソコン20において撮像された画像情報が流通される通信路が他のパソコン20と会議サーバ10との間に開設され、三人以上のユーザ間のテレビ会議の場合には、会議サーバ10は、更に他の参加者のテレビ会議への参加を待機する。
【0047】
このように、登録ステップ(S12)又は追加登録ステップ(S22)が終了し、画像情報が流通される通信路が、パソコン20と会議サーバ10との間及び他のパソコン20と会議サーバ10との間に開設されると、会議サーバ10は、パソコン20の会議プログラムによって送信された画像情報を他のパソコン20の会議プログラムに送信し、他のパソコン20の会議プログラムによって送信された画像情報をパソコン20に送信する会議進行ステップ(S30)が行われる。これにより、
図4に示されるように、テレビ会議に参加するユーザは、撮像された画像をパソコン20上で確認しながらテレビ会議を行うことができる。
【0048】
本実施の形態においては、
図2及び3に示されるように、ユーザがパソコン20の画面に表示された会議室客体30をクリックしたりタッチしたりする等の直観的な操作を行うことによって、あたかも、実際に会議室に入室するかのような過程を経てテレビ会議が行われるので、パソコン20及びインターネットの使用に慣れていないユーザであっても、テレビ会議に参加するための複雑な設定及び情報の入力の手順を覚えることなく、手軽にテレビ会議サービスを利用することができる。
【0049】
特に、従来の技術においては、テレビ会議を開催するためには、複雑な識別情報、サーバプログラムのユニフォームリソースロケータ等をテレビ会議のすべての参加者が必ず共有しなければならなかったので、テレビ会議への参加者が、識別情報、ユニフォームリソースロケータ等を電子メール、メッセンジャ等を用いてやり取りする過程が先行されなければならないという不都合があったが、本実施の形態においては、テレビ会議への参加者が、会議室客体30を特定するための単純な情報、例えば、
図2に示されるような、会議室客体30の番号だけを共有することによって、直ちにテレビ会議を行うことができる。このことも、実際に会議室で進行されるテレビ会議とほぼ同じ過程としてユーザに認識される。
【0050】
すなわち、一般の会社において実際にテレビ会議を行う過程を想定すると、最初にテレビ会議の開催を提案するテレビ会議への参加者が、会議室を予約又は設定した後、会議室の部屋番号を他の参加者に通知することによって、テレビ会議へのすべての参加者が会議室に入室してテレビ会議が行われるが、前述されたように、本実施の形態においては、接続ステップ(S11)から会議進行ステップ(S30)までの各過程を通じて、テレビ会議への参加者は、パソコン20の画面に表示された会議室客体30を実際のテレビ会議における会議室として認識し、
図2に示されるように、会議室客体30に付与されている番号等を前記会議室の部屋番号として認識することによって、遠隔地の参加者の間でインターネットを介して行われるテレビ会議であるにも関わらず、実際のテレビ会議と同様に会議の進行を体感することができる。
【0051】
一方、前述されたように、本実施の形態において、会議室客体30は、ハイパーリンク(hyperlink)として挙動するアイコン、ボタン等の客体であり、会議室客体30には、
図2に示されるように、単なる数字が付与されてもよいが、これに加えて、文字列、イメージ等が付与されてもよく、これらの文字列、イメージ等は、会議室客体30の情報として会議サーバ10によって各パソコン20に提供される。
【0052】
特に、このような会議室客体30の情報として、
図5に示されるように、文字列の形式から成る名称情報が含まれていてもよいが、この場合、接続ステップ(S11)においては、パソコン20の会議プログラムによって会議室客体30の情報に含まれた名称情報が画面に表示され、追加接続ステップ(S21)においても、他のパソコン20の会議プログラムによって会議室客体30の情報に含まれた名称情報が画面に表示される。
【0053】
すなわち、会議室客体30の情報として名称情報を設定して、会議室客体30を特定する情報として、単なる数字ではなく、
図5に示されるように、都市名等を付与することによって、会議室客体30を特定する情報をテレビ会議への参加者が共有するに当たり、コミュニケーションの正確性を図ることができ、テレビ会議の開催時に会議室客体30の混同が発生するのを防止することができる。
【0054】
この点については、実際にテレビ会議を開催する場合に、テレビ会議への参加者に単に会議室の部屋番号だけを通知するより、会議室ごとに名称を付与し、該会議室の名称を通知した方が効果的であるということと共通し、このことからも、テレビ会議への参加者は実際のテレビ会議と同様に会議の進行を体感することができる。
【0055】
このような会議室客体30の名称情報は、会議サーバ10によって一方的に決められて与えられてもよいが、
図5の右下端の会議室客体30に示されるように、ユーザによって修正可能に設定することもできる。
【0056】
本実施の形態においては、会議室客体30に名称情報を付与するようになっているが、名称情報のほかに、会議室客体30の情報として状態情報を付与し、ユーザの操作性を高くするようにした本発明の他の実施の形態について、
図6に基づいて説明する。
【0057】
ここで、状態情報とは、それぞれの会議室客体30を介して行われるテレビ会議への参加者の名簿、参加者の参加の可否、テレビ会議の議題等の設定された情報をいい、前述されたように、本実施の形態の会議室客体30がパソコン20の画面の上に表示される客体であることから、該客体の属性(attribute)又は特性値(specification)として設定される。したがって、ユーザは、
図6に示されるような、前記会議室客体30にカーソルを移動させた後にマウスの右ボタンをクリックする等の操作を行うことによって、前記会議室客体30を介して行われるテレビ会議への参加者の名簿等の状態情報を確認することができる。
【0058】
すなわち、前述された接続ステップ(S11)において、パソコン20の会議プログラムによって、会議室客体30の情報に含まれた状態情報が画面に表示される。このような会議室客体30の状態情報は、
図6の左上端の会議室客体30で示されるような参加者の名簿であっても、
図6の右下端の会議室客体30で示されるようなテレビ会議への参加者の参加の可否であってもよい。
【0059】
図6の右下端の会議室客体30で示される状態情報は、前記テレビ会議にこれ以上参加者が参加することができない状態であることを示すものであり、テレビ会議への参加者が、前記会議室客体30の状態情報を修正することによって、会議室客体30の表示内容を変更することができる。このようにすることによって、追加参加者の合流が拒否されるので、テレビ会議の内容に対する秘密保持が求められる場合に有効である。
【0060】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0061】
10 会議サーバ
11 ウェブページ
20 パソコン
30 会議室客体
S11 接続ステップ
S12 登録ステップ
S21 追加接続ステップ
S22 追加登録ステップ
S30 会議進行ステップ