(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ケーブル処理装置
(51)【国際特許分類】
H01B 13/00 20060101AFI20221205BHJP
H01R 43/052 20060101ALI20221205BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20221205BHJP
H02G 1/12 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
H01B13/00 521
H01R43/052
H01R43/02 B
H01B13/00 Z
H02G1/12 048
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017202383
(22)【出願日】2017-10-19
【審査請求日】2020-10-16
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ストーブリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ・マッター
【審査官】和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-111275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/00
H01R 43/052
H01R 43/02
H02G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルのケーブル端部を処理するための少なくとも1つのワークステーション(2)を有するケーブル処理装置(1)であって、ワークステーション(2)のうちの少なくとも1つが、処理モジュール(9、10)のうちの1つにおいてケーブルのケーブル端部を任意選択的に処理するために2つの処理モジュール(9、10)を備える交換ステーションとして設計され、交換ステーションとして設計されるワークステーション(2)は、交換ステーションに割り当てられる処理モジュール(9、10)が作業位置と待機位置との間で調整され得る調整機構を有し、交換ステーションの処理モジュール(9、10)が、圧着プレス(8)、グロメットモジュール(9、10)、スリーブ嵌合モジュール、錫メッキモジュール、および溶接モジュールを含むグループから選択され
、
交換ステーションのそれぞれの処理モジュール(9、10)が、別々のプラットフォーム(12、13)に取り付けられ、
固定手段(15)が、プラットフォーム(12、13)を動作位置に固定するために設けられ、
作業位置にある処理モジュールの少なくとも1つのプラットフォーム(12、13)が動作位置にある場合に、交換ステーションが、キャリヤ(11)の旋回が不能になるロック装置を有することを特徴とする、
ケーブル処理装置(1)。
【請求項2】
ケーブルのケーブル端部を処理するための少なくとも1つのワークステーション(2)を有するケーブル処理装置(1)であって、ワークステーション(2)のうちの少なくとも1つが、処理モジュール(9、10)のうちの1つにおいてケーブルのケーブル端部を任意選択的に処理するために2つの処理モジュール(9、10)を備える交換ステーションとして設計され、交換ステーションとして設計されるワークステーション(2)は、交換ステーションに割り当てられる処理モジュール(9、10)が作業位置と待機位置との間で調整され得る調整機構を有し、交換ステーションの処理モジュール(9、10)が、圧着プレス(8)、グロメットモジュール(9、10)、スリーブ嵌合モジュール、錫メッキモジュール、および溶接モジュールを含むグループから選択され
、
保護フード(19)が、作業位置にある処理モジュール(9、10)の作業領域を確保するために設けられ、保護フード(19)は、作業位置にない交換ステーションの処理モジュール(9、10)が保護フード(19)の外側に配置されるように設計されることを特徴とする、
ケーブル処理装置(1)。
【請求項3】
交換ステーションの2つの処理モジュール(9、10)が、キャリヤ(11)に配置され、キャリヤ(11)が、機械フレーム(3)に対向して移動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1
または2に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項4】
キャリヤ(11)が、好ましくは垂直な回転軸線(R)を中心として旋回できるように機械フレーム(3)に取り付けられることを特徴とする、請求
項3に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項5】
キャリヤ(11)が、交換ステーションの処理モジュール(9、10)を交換するためにキャリヤ(11)を旋回させるためのレバーハンドル(14)を有することを特徴とする、請求項
3または4に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項6】
プラットフォーム(12、13)が、リニアガイド(20、21)を介してキャリヤ(11)に移動可能に取り付けられることを特徴とする、
請求項1に従属する請求項3から5のいずれかに記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項7】
プラットフォームが移動される場合にたとえばローラーの形の係合要素(18)が動作位置に移動され得る溝(17)が、ロック装置を形成するようにキャリヤ(11)に設けられることを特徴とする、請求
項1に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項8】
保護フード(19)が、交換ステーションのある処理モジュール(9、10)から別の処理モジュール(9、10)への切り換えを可能にするように閉位置と開位置との間で移動され得ることを特徴とする、請求
項2に記載のケーブル処理装置(1)。
【請求項9】
交換ステーションが、類似のタイプまたは異なるタイプの処理モジュール(9、10)を有することを特徴とする、請求項1か
ら8のいずれかに記載のケーブル処理装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のケーブル処理装置に関する。この種のケーブル処理装置は、ケーブルを準備するために使用される。ケーブルを準備する際には、一定の長さに切断され、剥離されたケーブルのケーブル端部は、たとえば圧着され、グロメットが設けられ、かつ/またはプラグハウジングが装着される。
【背景技術】
【0002】
類似のケーブル処理装置が、たとえば、欧州特許出願公開第1447888号明細書によって知られている。ケーブル処理装置の欧州特許第1447888号明細書は、ケーブルを機械の長手方向軸線に沿って移動させるためのテープドライブとして設計されるケーブル送りを有する。一定の長さに切断し、ケーブル端部を剥離するための剥離ユニットが、機械の長手方向軸線上に配置される。そのうえ、ケーブル処理装置は、ワークステーションとして2つの圧着ステーションおよび2つのグロメットステーションを有する。圧着ステーションおよびグロメットステーションは、機械の長手方向軸線のそばに配置されるので、ケーブルは、ケーブル把持具を備えるピボットアームによってピボットユニットからそれぞれのワークステーションに導かれる必要があり、これが、この種のケーブル処理装置がまた「ピボット機械」の名称で当業者に知られ、当業者が熟知している理由である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、さらに改良されたケーブル処理装置を作成することである。ケーブル処理装置は、同じ装置でさまざまな種類のケーブルを容易かつ効率的に製造することを可能にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有するケーブル処理装置を用いて本発明により達成される。特に、ケーブル処理装置は、ケーブルを準備するために使用され、好ましくはケーブルの剥離されたケーブル端部を処理するための少なくとも1つのワークステーションを備える。ワークステーションは、たとえば、圧着プレスを有する圧着ステーション、および/またはグロメット嵌合モジュールを有するグロメットステーションであってもよい。しかしながら、ワイヤエンドスリーブを持つ剥離されたストランドを嵌合するためのスリーブ嵌合モジュール、ケーブルを捻るためのねじりモジュール、剥離されたケーブル端部を錫メッキするための錫メッキモジュール、または剥離されたケーブル端部を溶接するための溶接モジュールなどの、上述したもの以外の処理モジュールがまた、ワークステーションのための処理モジュールとして使用され得る。
【0006】
ピボット機械として設計されることが好ましいケーブル処理装置は、ケーブルのケーブル端部をそれぞれのワークステーションに送るために導体端部を処理するためのケーブル把持具を持つ少なくとも1つのピボットユニットを有することができる。ケーブルが両側で剥離されることになり、両方のケーブル端部が準備されることになる場合は、ケーブル処理装置が2つのピボットユニットを有し、ピボットユニットのうちの一方が前ケーブル端部を処理するために設けられ、他方のピボットユニットが後ケーブル端部を処理するために設けられるならば有利である。
【0007】
本発明によれば、ワークステーションのうちの少なくとも1つは、処理モジュールのうちの1つにおいてケーブルのケーブル端部を任意選択的に処理するために2つの処理モジュールを備える交換ステーションとして設計される。交換ステーションとして設計されるワークステーションは、交換ステーションに割り当てられる処理モジュールが作業位置と待機位置との間で調整され得る調整機構を有する。作業位置においては、処理モジュールは、ケーブル端部がこの処理モジュールにおいて処理され得る位置にある。待機位置においては、処理モジュールは、処理モジュールがケーブル端部からある距離をおいているので処理が行われることが一時的に不可能な位置にある。待機位置は、明らかに一種の停止位置に対応し、作業位置において、処理モジュールは動作できる状態になっており、この処理モジュールは進行中の準備工程に参加することができる。交換ステーションにより、ケーブル処理装置の範囲が拡大される。さまざまな種類のケーブルが、同じ装置で容易かつ効率的に製造され得る。従来のケーブル処理装置の場合のように、長い切替時間はもはや問題ではない。
【0008】
交換ステーションとして設計されるワークステーションが2つの処理モジュールしか有さない場合、この場合、処理モジュールのうちの一方が作業位置にあるならば、他方の処理モジュールは待機位置にある。2つより多い処理モジュールが各交換ステーションに対して設けられる場合は、ケーブル処理装置は、1つの処理モジュールが作業位置にあるならば、交換ステーションの他のすべての処理モジュールは待機位置にあるように設計される。
【0009】
交換ステーションの2つの処理モジュールは、共通のキャリヤに配置されることができ、キャリヤは、前述の調整機構を作成するように機械フレームに対向して移動可能に取り付けられる。
【0010】
機械フレームは、好ましくは静止しており、製造プラントの床に立った状態で配置されるか、または配置され得る。交換ステーションとして設計される前述のワークステーション、ならびに該当する場合は、ケーブル処理装置の残るまたは追加のワークステーションが、機械フレームに配置され得る。
【0011】
キャリヤは、好ましくは垂直な回転軸線を中心として旋回可能であるように機械フレームに取り付けられることができ、それによって有利な調整機構が作成される。処理モジュールは、旋回によって、作業位置と待機位置との間だけで調整され得る(逆もまた同様である)。これは、手動で行われることができ、または駆動手段を介して電動化され得る。
【0012】
特に好ましくは、2つの処理モジュールは、交換ステーションの処理モジュールが回転運動によって180°切り換えられ得るように、キャリヤ上に互いに対向して配置される。180°の回転の結果として、処理モジュールのうちの一方は作業位置から待機位置に移動されるが、他方の処理モジュールは待機位置から作業位置に同時に移動される。
【0013】
有利な操作および容易な旋回のために、キャリヤは、交換ステーションの処理モジュールを交換するためにキャリヤを旋回させるためのレバーハンドルを有することができる。しかしながら、キャリヤを手動で旋回させる代わりに、キャリヤを旋回させるためのたとえば電気モータに基づく駆動装置を設けることも考えられるであろう。自動または少なくとも半自動運転の場合は、駆動装置は、制御ユニットに接続されることもできる。
【0014】
キャリヤは、板状の設計を有することができる。たとえば、キャリヤは、鋼板から安価に製造され得る。また、このように回転板として設計されたキャリヤは、容易に取り付けられ得る。この種のキャリヤは、特に広い用途に使用され得る。
【0015】
交換ステーションのそれぞれの処理モジュールは、別々のプラットフォームに取り付けられ得る。これらのプラットフォームは、好ましくは、板状の設計を有し、この場合は、後に「搭載プレート」とも呼ばれる。プラットフォーム、特に搭載プレートによって、ケーブル処理装置に所望の処理モジュールを配置することが特に容易である。
【0016】
プラットフォームは、リニアガイドを介してキャリヤに移動可能に取り付けられ得る。プラットフォーム、およびしたがってプラットフォームに取り付けられる処理モジュールは、このように動作位置と交換位置との間で移動され得る。プラットフォームが交換位置にある場合は、交換ステーションの処理モジュールを交換することは、たとえば、キャリヤを旋回させることによって可能になる。プラットフォーム(およびプラットフォームに取り付けられる処理モジュール)が動作位置にある場合は、この処理モジュールは、ケーブルを準備するための処理に直接参加することができる。
【0017】
特に好ましくは、プラットフォームを移動させるための処理モジュール用のリニアガイドは、交換ステーションに平行に配置される。
【0018】
各プラットフォームは、それぞれの処理モジュールと共にプラットフォームを移動させるためのプルハンドルを有することができる。プルハンドルは、たとえば、プラットフォームを容易かつ手動で移動させることができるボールハンドルであってもよい。マニュアル設計の代替案として、対応する起動の後にそれぞれのプラットフォームが移動され得る駆動ユニットがまた設けられ得る。
【0019】
交換ステーションは、作業位置にある処理モジュールの少なくとも1つのプラットフォームが動作位置にある場合に、キャリヤの旋回または必要があれば異なる動きが不能になるロック装置を有することもできる。このようにして、ケーブル処理装置の確実な動作が確保され得る。
【0020】
ロック装置を形成するために、プラットフォームが移動されると、その中にたとえばローラーの形の係合要素が動作位置に移動され得る溝が、キャリヤに設けられ得る。あるいは、プラットフォームが移動されると、その中にキャリヤに割り当てられる係合要素が動作位置に移動され得る溝が、プラットフォームに設けられ得る。
【0021】
また、プラットフォームを動作位置に固定するための固定手段が設けられるならば有利であり得る。このように、動作位置からのそれぞれのプラットフォームの故意でない移動が、簡単な方法で阻止され得る。
【0022】
固定手段は、プラットフォームを動作位置に固定するようにクランプ力を該プラットフォームに加えるクランプ部を持つクランプユニットを有することができる。あるいは、固定手段は、ロックピンを備えることもできる。また、動作位置を確保するためのスナップイン接続を作成する手段も考えられるであろう。
【0023】
個人の安全性を高めるために、ケーブル処理装置が作業位置にある作業モジュールの作業領域を確保するための保護フードを有するならば、有利である。保護フードは、作業位置にない交換ステーションの作業モジュールが保護フードの外側に配置されるように設計され得る。この配置は、待機中の処理モジュールが動作中に準備され得ること、または新しい処理モジュールが動作を中断することなく取り付けられ得ることを確実にする。
【0024】
保護フードは、交換ステーションのある処理モジュールから別の処理モジュールへの切り換えを可能にするように閉位置と開位置との間で移動され得る。保護フードは、閉位置と開位置との間で垂直方向に移動され得るように特に有利に設計される。
【0025】
要求に応じて、交換ステーションは、同様のタイプまたは異なるタイプの処理モジュールを有することができる。たとえば、交換ステーションは、2つのグロメットステーション、または2つの圧着ステーションを有することができる。しかしながら、交換ステーションはまた、たとえば圧着ステーションおよびグロメットステーションからなることもできる。
【0026】
交換ステーションの処理モジュールは、圧着接続をもたらすための圧着プレスと、剥離されたケーブル端部をグロメットで嵌合するためのグロメットモジュールと、剥離されたケーブル端部をワイヤエンドスリーブで嵌合するスリーブ嵌合モジュールと、剥離されたケーブル端部を錫メッキするための錫メッキモジュールと、たとえば超音波溶接または抵抗溶接方法を用いて、剥離されたケーブル端部を溶接するための溶接モジュールとを含むグループから選択され得る。スリーブ嵌合モジュールにより、たとえば、グロメット付き圧着端子からワイヤエンドスリーブに製造を迅速に切り換えることができる。
【0027】
本発明の追加の利点および個々の特徴は、例示的な実施形態の次の説明から、および図面から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】従来技術による複数のワークステーションを有するピボット機械として設計されたケーブル処理装置の図である。
【
図2】本発明によるケーブル処理装置のための交換ステーションとして設計されたワークステーションの斜視図である。
【
図3】
図2からのワークステーションであるが、保護フードを開いた図である。
【
図4】
図3によるワークステーションであり、以前には動作位置にあった処理モジュールが交換位置に移動されている図である。
【
図5】交換ステーションの処理モジュールの交換が完了した後の開いた保護フードを持つワークステーションの図である。
【
図6】旋回するキャリヤおよびその上に移動可能に取り付けられたプラットフォームを有する交換ステーション(処理モジュールなし)の斜視図であり、その上に処理モジュールが取り付けられ得る図である。
【
図7】その各々が交換位置にある、処理モジュールのためのプラットフォームを有する上面図における
図6からの交換ステーションの図である。
【
図8】部分断面図からなる交換ステーションの側面図である。
【
図9】プラットフォームを動作位置に固定するための開いたクランプユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ケーブル(図示せず)を準備するための参照番号1によって全体として特定されるケーブル処理ユニットを示している。例示としてここで説明される準備の間に、ケーブル端部は、最初に一定の長さに切断され、剥離され、次いで圧着され、グロメットが設けられる。
【0030】
ケーブル処理装置1は、コンベアベルトとして設計されるケーブルコンベア装置6を備え、これは、ピボットユニット4、4’を旋回させるようにケーブルを機械30の長手方向軸線に沿って移動させる。5は、ケーブルが一定の長さに切断され、2つのケーブル端部が剥離される剥離ユニットを指す。剥離ステーション5は、明らかに機械30の長手方向軸線上にある。参照番号2によって特定される他のワークステーションは、上面図において機械30の長手方向軸線に隣接している。矯正ユニット27は、機械30の長手方向軸線上にあるが、ケーブルコンベア装置6の前に配置される。
【0031】
ケーブル処理装置1は、ピボット機械として設計され、2つのピボットユニット4および4’を有する。ピボットユニット4、4’は、垂直軸線を中心として回転され得るが、ケーブルを保持するためのケーブル把持具7、7’をそれぞれ有する。それぞれのケーブル端部は、ピボットユニット4、4’のケーブル把持具7、7’によってワークステーション2に送られ得る。
【0032】
図1による実施形態変形例においては、ケーブル処理装置1は、4つのワークステーション2を有する。2つのワークステーションが、いずれの場合にも、前ケーブル端部を処理するために、および後ケーブル端部を処理するために設けられる。ワークステーションは、グロメットステーションおよび圧着ステーションとして設計され、圧着プレス8、8’およびグロメットモジュール9、9’を有する。参照番号8で特定される圧着プレス8、および参照番号9で特定されるグロメットモジュールは、前ケーブル端部を処理するために使用され、ケーブル把持具7を有するピボットユニット4と協働する。他側にある2つのワークステーション2は、後ケーブル端部を準備するように使用され、これらのワークステーション2は、参照番号8’によって特定される圧着プレス、および参照番号9’によって特定されるグロメットモジュールである。
【0033】
図1からの実施例によるケーブル処理装置1は、同様の方法で準備されるケーブルの製造に特に適している。たとえば、異なるタイプのグロメットが処理されることになる場合に、新しいまたは他の準備されたケーブルが製造されることになるならば、対応するワークステーション2が、切り換えられ、再び調整される必要がある。グロメットモジュール9、9’を切り換え、調整するために、製造は、グロメットモジュールが切り換えられ、再び調整され得るように停止される必要があり、それにより、比較的長いダウンタイムが生じる。下記に詳細に説明され
図2に示される新規なワークステーション2により、あるグロメット型から別のグロメット型へ迅速に交換することができる。
【0034】
図2によるケーブル処理装置1のグロメットステーション2は、交換ステーションとして設計され、グロメットモジュール9、10のうちの1つにおいてグロメットでケーブル端部を任意選択的に嵌合するために2つのグロメットモジュール9および10を有する。交換ステーションとして設計されるこの種のワークステーションは、対応する適応に続いて、
図1に示されるタイプのケーブル処理装置1の一部であってもよい。また、既存の従来のケーブル処理装置1は、この種の交換ステーションによって改装されることも考えられる。
【0035】
図2に示されるグロメットモジュール9、10の代わりに、もちろん、他の処理モジュールがまた、交換ステーションとして設計されるワークステーション2に使用されることもできる。交換ステーション2のための処理モジュールは、たとえば、圧着プレス、スリーブ嵌合モジュール、ねじりモジュール、錫メッキモジュール、および/または溶接モジュールであってもよい。
【0036】
図2は、参照番号9によって特定される作業位置にある第1のグロメットモジュールを示している。この位置においては、この第1のグロメットモジュール9からのグロメットが、ケーブル端部に配置され得る。参照番号10によって特定される第2のグロメットモジュールは、待機位置にある。この第2のグロメットモジュール10は、第1のグロメットモジュール9に比して他のグロメットによって装填され得る。
【0037】
異なるグロメットに交換する必要があるとすぐに、グロメットモジュール9は作業位置から待機位置に移動されるが、一方において第2のグロメットモジュール10は、待機位置から作業位置に同時に移動される(
図5を参照されたい)。調整機構が、交換ステーション2の処理モジュール9および10を交換するために設けられる。この調整機構は、2つのグロメットモジュール9、10が配置されるキャリヤ11を備える。キャリヤ11は、Rによって特定される垂直な回転軸線を中心として旋回可能であるように機械フレーム3に取り付けられる。2つのグロメットモジュール9、10は、グロメットモジュール9、10が180°旋回させることによって作業位置と待機位置との間で前後に移動され得るように、キャリヤ11上に互いに対向して配置される。交換ステーションのそれぞれの処理モジュール9、10は、別々のプラットフォーム12、13に搭載され、これらのプラットフォームは、動作位置と交換位置との間で前後に移動され得る。
【0038】
グロメットモジュール9、10の交換は、次のように進み得る。すなわち、ケーブル処理装置1の動作は、交換プロセスの開始前に停止される。保護フード19は、グロメットステーション9の作業領域を覆うが、今や開かれ得る。保護フード19の開放動作は、矢印cで示されている。
図3においては、交換ステーション2は、開いた保護フード19と共に示されている。
【0039】
その後、グロメットモジュール9は、e方向の変位によって交換位置に移動される。そのような方法で変位されたグロメットモジュール9が、
図4に示されている。次に、180°旋回された結果として、グロメットステーション9は、作業位置から待機位置に移動され得る。旋回動作は、矢印sで示されている。動作位置を確立するように作業位置に旋回されたグロメットモジュール10が矢印f(
図5)の方向にピボットユニットの方へ移動されており、保護フード19が再び下げられた後に、ケーブル処理装置1は、再び動作できる状態になっている。グロメットモジュール10からのグロメットは、今や処理され得る。
【0040】
交換ステーション2の設計のための設計の詳細が、
図6から
図8に示されている。構造および動作モードのより良い理解を提供するために、それぞれの動作モジュール(9、10)は、これらの図に示されていない。明らかに板状のキャリヤ11が、機械フレーム3に旋回可能に取り付けられている。容易な手動旋回のために、ガイドハンドル14を有するレバーが、キャリヤ11の側面に配置される。
【0041】
リニアガイド20、21は、キャリヤの上側にレール状の輪郭によって形成されるが、プラットフォーム12、13の変位可能な取り付けのために使用される。第2のプラットフォーム13は、構造および機能に関して第1のプラットフォーム12と全く同じに設計される。作業位置にある処理モジュール用のプラットフォーム12は、
図6の動作位置に示されている。プラットフォーム12を動作位置に固定するために、プラットフォーム12をこの位置にしっかりと保持するクランプユニット15が設けられる。プラットフォーム12を解放するために、クランプユニット15は、下方に旋回可能なレバー24に接続される。一旦プラットフォーム12がクランプユニットから解放されると、プラットフォーム12は、交換位置を確立するようにe方向に移動され得る。ストッパ29が、変位経路を制限するようにリニアガイド20の端部に設けられる。
【0042】
図7による上面図において、プラットフォーム12は、後退した待機位置にある。ボールハンドル28は、片手でそれぞれのプラットフォーム12、13を移動させることができるが、プラットフォーム12、13を移動させるために使用される。キャリヤ11は、キャリヤに面するプラットフォーム12の底面に取り付けられるローラーが配置される、溝17を含む。ローラー18は、動作位置がf方向の変位によって確立される場合に、溝17に導入され得る係合要素を形成する。
図7に示されるプラットフォーム12の待機位置においては、ローラー18は、影響を受けておらず、それによって、処理モジュールを交換するようにキャリヤ11を旋回させることができる。
【0043】
旋回可能なキャリヤ11は、機械フレーム3に取り付けられる支持プレート32上にある。
図8の中央部分の断面図からさらにお分かりのように、交換ステーション2は、旋回可能なようにキャリヤ11を取り付けるためのころ軸受23を有する。
【0044】
図9および
図10は、プラットフォーム12(または13)を動作位置に固定するためのクランプユニット15の詳細を示している。クランプユニット15は、その横断面が三角形のノーズを持つクランプ部25を有し、レバー24が上方に旋回された後に、開位置(
図9)から閉位置(
図10)に移動され得る。
図10による閉位置においては、クランプ部25のノーズは、プラットフォーム12の側縁部に配置される面取り部31(また
図7を参照されたい)に係合し、それによってプラットフォーム12が固定され、故意でない変位が不能になる。圧縮ばね26は、クランプ部25を閉位置に確実に保持するように予荷重力を発生させる。
【0045】
クランプユニット15が閉じられると応答する近接センサが、面取り部31に隣接して配置され得る。したがって、制御ユニットは、どの処理モジュールが動作位置にあり、これがクランプユニット15によってそこにロックされているどうかを検出することができる。
【0046】
図10は、プラットフォーム12が処理モジュール(図示せず)を取り付けるための板状の設計を有することを示している。このため、プラットフォーム12、13は、「搭載プレート」とも呼ばれる。必要な処理モジュールが取り付けられる2つの同一の搭載プレートがキャリヤ11上に配置され、搭載プレート12、13は、上述のリニアガイドによってキャリヤ11上で移動可能である。この直線運動は、衝突なしで旋回運動を行うことができるために必要である。しかしながら、あまり制限されない空間条件を有する機械の場合は直線運動が省略され得るので、キャリヤにしっかりと接続されるプラットフォームを有する実施形態変形例が考えられる。
【符号の説明】
【0047】
1 ケーブル処理装置
2 交換ステーション、ワークステーション、グロメットステーション
3 機械フレーム
4、4’ ピボットユニット
5 剥離ステーション
6 ケーブルコンベア装置
7、7’ ケーブル把持具
8、8’ 圧着プレス
9、9’、10 グロメットモジュール、処理モジュール、動作モジュール
11 キャリヤ
12、13 プラットフォーム
14 ガイドハンドル、レバーハンドル
15 クランプユニット
17 溝
18 ローラー
19 保護フード
20、21 リニアガイド
23 ころ軸受
24 レバー
25 クランプ部
26 圧縮ばね
27 矯正ユニット
28 ボールハンドル
29 ストッパ
30 機械
31 面取り部
32 支持プレート