(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】画像送信装置、画像送信装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2017213194
(22)【出願日】2017-11-02
【審査請求日】2020-10-23
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼ 幹生
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】渡辺 努
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-154139(JP,A)
【文献】特開2012-134769(JP,A)
【文献】特開2009-141402(JP,A)
【文献】特開2012-124697(JP,A)
【文献】特表2006-524353(JP,A)
【文献】特開2015-106815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレス帳を記憶する画像送信装置であって、
名刺を読み取って画像データを生成する読取手段と、
前記読取手段によって前記名刺を読み取ることによって生成された前記画像データから宛先情報
と当該宛先情報に対応する名称を取得する取得手段と、
第1の名刺読取指示オブジェクトが表示され、宛先情報が送信先として設定される設定画面と、第2の名刺読取指示オブジェクトが表示され、前記アドレス帳に宛先情報を登録するための登録画面を表示する表示手段とを有し、
少なくとも前記設定画面で表示される前記第1の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記画像送信装置は、前記取得手段によって取得された宛先情報
と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの
選択をユーザから受け付けることなく、前記読取手段によってさらに読み取られる原稿の画像データの送信先として、前記取得手段によって取得された宛先情報
と前記名称を設定し、
少なくとも前記登録画面
上に表示される前記第2の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記画像送信装置は、前記取得手段によって取得された宛先情報
と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの
選択をユーザから受け付けることなく、前記取得手段によって取得された宛先情報
と前記名称を前記アドレス帳に登録することを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記宛先情報は、電子メールアドレスを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
少なくとも前記登録画面
上に表示される前記第2の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記画像送信装置は、前記取得手段によって取得された宛先情報を電子メールのアドレスとして前記アドレス帳に登録することを特徴とする請求項2に記載の画像送信装置。
【請求項4】
前記宛先情報はファクシミリ番号を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記表示手段は、さらに、前記取得手段によって取得された宛先情報
と前記名称の編集画面を表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記読取手段によって前記名刺を読み取ることによって生成された前記画像データに対して文字認識処理を実行することによって前記宛先情報
と前記名称を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像送信装置。
【請求項7】
アドレス帳を記憶する画像送信装置の制御方法であって、
名刺を読み取って画像データを生成する読取工程と、
前記読取工程で前記名刺を読み取ることによって生成された前記画像データから宛先情報
と当該宛先情報に対応する名称を取得する取得工程と、
第1の名刺読取指示オブジェクトが表示され、宛先情報が設定される設定画面と、第2の名刺読取指示オブジェクトが表示され、前記アドレス帳に宛先情報を登録するための登録画面を表示する表示工程と、
少なくとも前記設定画面で表示される前記第1の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記取得工程で取得された宛先情報
と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの
選択をユーザから受け付けることなく、さらに読み取られる原稿の画像データの送信先として、前記取得工程で取得された宛先情報
と前記名称を設定する設定工程と、
少なくとも前記登録画面
上に表示される前記第2の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記取得工程で取得された宛先情報
と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの
選択をユーザから受け付けることなく、前記取得工程で取得された宛先情報
と名称を前記アドレス帳に登録する登録工程とを有することを特徴とする画像送信装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載された画像送信装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信装置、画像送信装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
名刺に記載されたアドレスや電話番号などの宛先情報を、画像送信装置(以下、MFP(Multi-Function Peripheral)と称する。)が画像データを送信する際の送信宛先として設定する技術が知られている。例えば、特許文献1では、MFPで名刺を読み取って宛先情報を取得し、MFPにおいてファクシミリ機能が設定されている場合には、電話番号を宛先情報として取得し、取得した宛先へファクシミリを送信している。また、MFPにおいてインターネットファクシミリ機能が設定されている場合には、電子メールアドレスを宛先情報として取得し、取得した宛先へメールを送信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の構成では、名刺に複数の宛先が記載されている場合に、ユーザが宛先を選択して送信宛先に設定することが出来なかった。
【0005】
本発明の情報処理装置は、このような課題に鑑み、名刺を読み取らせることで生成された画像データから取得された宛先情報を、容易に原稿の画像データの送信先として設定したり、アドレス帳に登録したりする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像送信装置は、アドレス帳を記憶する画像送信装置であって、名刺を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記読取手段によって前記名刺を読み取ることによって生成された前記画像データから宛先情報と当該宛先情報に対応する名称を取得する取得手段と、第1の名刺読取指示オブジェクトが表示され、宛先情報が設定される設定画面と、第2の名刺読取指示オブジェクトが表示され、前記アドレス帳に宛先情報を登録するための登録画面を表示する表示手段とを有し、
少なくとも前記設定画面で表示される前記第1の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記画像送信装置は、前記取得手段によって取得された宛先情報と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの選択をユーザから受け付けることなく、前記読取手段によってさらに読み取られた原稿の画像データの送信先として、前記取得手段によって取得された宛先情報と前記名称を設定し、少なくとも前記登録画面上に表示される前記第2の名刺読取指示オブジェクトの選択に基づいて、前記画像送信装置は、前記取得手段によって取得された宛先情報と前記名称を前記設定画面に設定するか前記アドレス帳に登録するかの選択をユーザから受け付けることなく、前記取得手段によって取得された宛先情報と名称を前記アドレス帳に登録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の情報処理装置によれば、名刺を読み取らせることで生成された画像データから取得された宛先情報を、容易に原稿の画像データの送信先として設定したり、アドレス帳に登録したりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】送信キーが選択された際に操作部に表示される送信画面
【
図5】名刺読取キーが選択された際に操作部に表示される名刺読取画面
【
図7】名刺情報取得処理を行った後に操作部に表示される名刺読取結果画面
【
図8】選択された宛先が送信宛先として設定された送信画面
【
図11】アドレス帳画面およびワンタッチアドレス帳画面
【
図12】ファックスキーが選択された際に操作部に表示されるファックス送信画面
【
図13】アドレス帳の新規宛先登録画面およびワンタッチアドレス帳の新規宛先登録画面
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して本発明の各実施例を詳しく説明する。なお、以下の実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また各実施例で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
(実施例1)
本発明の実施例1を
図1~
図8を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明におけるネットワーク構成を示すブロック図である。
【0011】
図1は、送信元の一例として画像送信装置(以下、MFP101)、送信先の一例として画像送信装置(以下、MFP102)、画像送信装置(以下、MFP106)を図示している。
【0012】
図1において、MFP101、MFP102、メールサーバ103およびPC104は、ネットワーク100を介して通信可能に接続されている。
【0013】
さらにMFP101とMFP106は、公衆回線網105を介して通信可能に接続されている。
【0014】
MFP101は、読み取った画像データを含む電子メールを、メールサーバ103を介してMFP102またはPC104に送信する。
【0015】
メールサーバ103は、MFP101から受信した電子メールをMFP102が受信する為の電子メールとしてストレージ(不図示)に設けたメールボックスに格納する。
【0016】
MFP102は、設定された電子メールの受信アカウントを用いて、MFP101によって送信された電子メールをメールサーバ103のメールボックスから受信する。
【0017】
PC104は、設定された電子メールの受信アカウントを用いて、MFP101によって送信された電子メールをメールサーバ103のメールボックスから受信する。
【0018】
MFP106は、MFP101からファックス番号を用いて送信されたファクシミリを受信する。
【0019】
なお、
図1においてネットワーク100は、ローカルネットワークとして記述されている。しかし、例えば、インターネットや、データ送信可能なネットワーク構成なら無線でアクセスポイント(不図示)に接続される構成など、すべてのネットワークを有効な通信手段として用いることが可能である。
【0020】
次に
図2では、本実施例におけるMFP101の構成を示すブロック図を説明する。CPU111を含む制御部110は、MFP101全体の動作を制御する。CPU111は、ROM112またはストレージ114に記憶された制御プログラムを読み出して、例えば変換制御や送信制御などの各種制御を行う。
【0021】
ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラムを格納する。また、ROM112は、ブートプログラムやフォントデータなども格納する。RAM113は、CPU111の主記憶メモリであり、ワークエリア、ROM112およびストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、画像データ、印刷データ、各種プログラム、および各種設定情報を記憶する。本実施例はストレージ114としてフラッシュメモリを想定しているが、SSDやHDDなどの補助記憶装置を用いてもよい。
【0022】
操作部I/F115は、操作部116と制御部110を接続する。操作部116は、ユーザに情報を表示(表示部)したり、ユーザからの入力を検出したりする。ユーザから検出した入力は、操作部I/F115を介してCPU111に通知される。そして、CPU111は通知された入力に基づく制御を行う。
【0023】
読取部I/F117は、読取部118と制御部110を接続する。読取部118は、原稿上の画像を読み取り、その画像をバイナリーデータなどの画像データに変換する。CPU111は、読取部118によって生成された画像データを、通信部I/F123を介して外部装置に送信する制御を行う。
【0024】
または、CPU111は、読取部I/F117および印刷部I/F119を介して印刷部120に画像データを入力させ、記録紙上に入力された画像データに基いて印刷部120に印刷させる制御を行ってもよい。さらに、CPU111は、読取部118によって生成された画像データを読取部I/Fを介してストレージ114に保存させる制御を行ってもよい。
【0025】
印刷部I/F119は、印刷部120と制御部110を接続する。CPU111は、印刷部I/F119を介して印刷対象の画像データを印刷部120に入力する制御を行う。印刷部120は、給紙カセットから給送された記録紙上に画像を印刷する。
【0026】
通信部I/F123は、制御部110とネットワーク100を接続する。CPU111は、通信部I/F123を介して、外部装置に画像データやMFP101の内部の各種情報を送信させる制御を行い、ネットワーク100上の外部装置から印刷データや受信せる制御を行ってもよい。
【0027】
ネットワークを介した送受信方法としては、前述した電子メールを用いての送受信や、その他のプロトコル(例えば、FTPやSMB、WEBDAV等)を用いたファイル送信を行う方法がある。ただし、本実施例はこれらの方法に限られない。
【0028】
CPU111は、ファックス部I/F121によりファックス通信部122を制御することでMFP101を公衆回線網105に接続することが可能である。ファックス部I/F121は、ファックス通信部122を制御する為のI/Fである。CPU111は、ファックス部I/F121を介してファクシミリ通信用のモデムNCUを制御することで公衆回線網への接続、ファクシミリ通信プロトコルの制御などを行う。
【0029】
なお、本実施例のMFP101は、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、本構成に限られない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、およびストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理が行われてもよい。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理が行われてもよい。
【0030】
次に
図3では、MFP101のメニュー画面400を説明する。
図3に示すメニュー画面400には、コピーキー401、ファックスキー403、送信キー402が表示される。
【0031】
コピーキー401は、選択されることでコピー機能を利用することが可能となるキーである。ファックスキー403は、選択されることで送信プロトコルとしてファックスを利用することが可能となるキーである(ファックス送信機能)。ファックス送信機能では、送信宛先としてファックス番号が設定可能である。送信キー402は、選択されることで複数の送信プロトコルを送信宛先として設定することが可能となるキーである(送信機能)。送信機能では、送信宛先として、例えば電子メールとファックス番号が設定可能である。
【0032】
なお、
図3では、例としてコピーキー401、ファックスキー403、送信キー402を示したが、例えば、そのほかの機能を利用することが可能なキーや設定キー等を表示してもよい。
【0033】
次に
図4では、
図3に示した送信キー402が選択された際に操作部116に表示される送信画面500を説明する。
【0034】
図4(a)に示す送信画面500には、アドレス帳キー501、ワンタッチキー502、新規入力キー503、名刺読取キー504、宛先の指定キー505、送信情報設定エリア506が配されている。
【0035】
アドレス帳キー501は、選択されることでアドレス帳(アドレス帳機能)が開くキーである。ワンタッチキー502は、選択されることでワンタッチアドレス帳(ワンタッチアドレス帳機能)が開くキーである。ワンタッチアドレス帳は、よく使う宛先をワンタッチ宛先として登録しておく機能である。
【0036】
新規入力キー503は、選択されることで宛先の新規入力画面が開くキーである。
【0037】
宛先の指定キー505は、選択されることで後述する
図8に示す送信宛先が設定され送信画面510と、
図4の送信画面500とを切り替えるキーである。
【0038】
送信情報設定エリア506は、送信情報設定エリア506に配された各情報を示し、送信情報設定エリア506が選択されることで、送信する画像データのカラーモードや解像度、原稿サイズ、ファイル形式などを指定するエリアである。
【0039】
名刺読取キー504は、選択されることで
図5に示す名刺読取画面900が開くキーである(名刺読取機能)。
【0040】
次に
図5(a)、
図5(b)では、
図4に示した名刺読取キー504が選択された際に操作部116に表示される名刺読取画面900を説明する。
【0041】
図5(a)の名刺読取画面900には、メッセージ901と閉じるキー902が表示される。閉じるキー902は、選択されると名刺読取画面900を閉じ、名刺読取を終了するキーである。メッセージ901は、読取部118における名刺の読み取り開始を促すメッセージである。
【0042】
図5(a)において、ユーザがメッセージに従い、MFP101において名刺の読み取りを開始すると、名刺読取画面900は、
図5(b)に示す名刺読取画面910に遷移する。名刺読取画面910では、名刺の読み取りを行っている旨のメッセージ903を表示する。
【0043】
ここでは、名刺の読み取り処理として、読取部118がMFP101の原稿台に載置された名刺を読み取る。そして、CPU111は、読み取った画像データに対してOCR処理(文字認識処理)を行う。さらにCPU111は、OCR結果から名刺情報(ファックス番号や電子メールアドレス等の宛先、名称等)を取得し、取得した名刺情報から、ファックス宛先であるか、電子メールアドレスであるか、名称であるか等を判定する。(名刺情報取得処理)。
【0044】
具体的には、例えば、名称は、名刺の中で一番大きなフォントで表示されることが多いため、フォントサイズから名称であることを判断する。さらに文字数なども合わせて判断材料にして判定してもよい。例えば、ファックス番号は、OCR処理結果から”FAX”や”ファクス”等の文字列と番号の数字列を含むエリアを抽出する。そして、抽出したエリア中の数字をファックス番号とみなして宛先とする。なお、”FAX”や”ファクス”等の文字列に隣接する数字列のみを抽出してもよい。
【0045】
例えば、電子メールアドレスは、OCR処理結果から“E―mail”や“メールアドレス”に隣接する文字列、または、”@”を含む文字列などの条件で電子メールアドレス部分の抽出を行う。抽出したエリア中の文字列を電子メールアドレスとみなして宛先とする。また、例えば、電話番号は、OCR処理結果から”TEL”や”電話番号”等の文字列と番号の数字列を含むエリアを抽出する。そして、抽出したエリア中の数字をファックス番号とみなして宛先とする。
【0046】
なお、”TEL”や”電話番号”等の文字列に隣接する数字列のみを抽出してもよい。なお、ここでは、原稿台に載置した名刺を読み取る構成を示したが、これに限られない。例えば、ADF(Auto Document Feeder)であってもよい。
【0047】
次に
図6では、
図5で説明した名刺情報取得処理を示すフローチャートを説明する。
図6のフローチャートに係る処理を実行するためのプログラムは、
図2のROM112またはストレージ114に格納されており、RAM113に読み出されCPU111によって実行される。
【0048】
名刺情報取得処理が開始すると、ステップS1108において、CPU111は、操作部116に名刺読取画面900を表示する。ステップS1108を終えると、ステップS1109に遷移する。
【0049】
ステップS1109において、操作部I/Fがスタートキーの選択を検出すると、CPU111は、読取部118を制御して原稿台の読み取りを実行し、名刺画像データを生成する。
【0050】
ステップS1110において、CPU111は、生成された名刺画像データに対して画像濃淡情報などから名刺画像データのエッジ検出を行い、名刺画像データを切り出して、得られた名刺画像データをストレージ114に保存する。ステップS1110を終えると、ステップS1111に遷移する。
【0051】
ステップS1111において、CPU111は、名刺画像データに対してOCR処理を実施し、得られた文字情報をRAM113に記憶する。そして、CPU111は、前述したように、取得した文字情報の中から、名称とファックス番号、電子メールアドレスに当たる部分の抽出も行う。なお、後述の
図7に示すように、本実施例では電話番号が記載されていない名刺を例として示すが、記載されていてもよい。ステップS1111を終えると、ステップS1112に遷移する。
【0052】
ステップS1112では、CPU111は、操作部116に
図7に示す名刺読取結果画面1000を表示させる表示処理を行う。ステップS1112を終えると、名刺情報取得処理が終了する。
【0053】
次に
図7を参照して、名刺情報取得処理を行った後、OCR処理により取得した情報に基づいて、操作部116に表示される名刺読取結果画面1000を説明する。
【0054】
図7の名刺読取結果画面1000には、名刺画面1001、名称の拡大画像である名称1002、ファックス番号の拡大画像であるファックス番号1006、電子メールアドレスの拡大画像である電子メールアドレス1010が表示される。
【0055】
また名刺読取結果画面1000には、名称の文字情報を表示する文字情報エリア1003、ファックス番号の文字情報を表示する文字情報エリア1007、電子メールアドレスの文字情報を表示する文字情報エリア1011も表示される。
【0056】
また、名刺読取結果画面1000には、文字情報エリア1003、1007、1011を編集する編集キー1004、1008、1012が表示される。編集キー1004、1008、1012が選択されると、CPU111は、文字情報を編集するために不図示のソフトキーボードを表示する。ただし、ファックス番号の文字情報を表示する文字情報エリア1007については、操作部116に不図示のテンキーが配されている場合には、ソフトキーボードではなく、テンキーで編集を行ってもよい。
【0057】
さらに、名刺読取結果画面1000には、チェックボックス1005、チェックボックス1009が表示される。各チェックボックスが選択されることで操作部116が、該当する宛先の選択を受付手段として受け付ける。チェックボックス1005は、ファックス番号を送信宛先として設定するか否かをユーザが選択するチェックボックスであり、チェックボックス1009は、電子メールアドレスを送信宛先として設定するか否かを選択するチェックボックスである。ここでは、チェックボックス1005とチェックボックス1009の一方のみを選択してもよいし、両方選択してもよい。なお、ここでは操作部116にチェックボックスを表示することで選択を受け付けたが、この構成に限らない。
【0058】
名刺読取結果画面1000には、キャンセルキー1013、OKキー1015が表示される。キャンセルキー1013は、送信宛先の設定を途中で中断して遷移元の画面に戻るためのキーであり、本実施例では、キャンセルキー1013が選択されると、CPU111は、操作部116の表示を送信画面500に戻す。なお、ここでは、CPU111は、操作部116の表示を送信画面500に戻すとしたが、メニュー画面400に戻してもよい。
【0059】
OKキー1015は、ユーザが読取結果の確認および修正と、送信宛先の選択が完了すると選択する。そして、OKキー1015が選択されると、CPUは、次の画面に遷移する。例えば、チェックボックス1009を選択した状態で、OKキー1015を選択すると、後述の
図8に示す送信画面510に遷移し、送信画面510には、CPU111によって、送信宛先として電子メールアドレスが入力される。
【0060】
次に
図8では、
図7で選択された宛先が送信宛先として設定された送信画面510を説明する。
図8(a)に示す送信画面510には、宛先の指定キー505、送信情報設定エリア506、送信宛先エリア507が表示される。
【0061】
送信宛先エリア507には、ユーザによって設定された送信宛先が表示される。ここでは、名刺読取機能によって設定された電子メールアドレスが送信宛先として設定されている。
【0062】
そしてユーザは読取部118に画像データとして送信したい原稿の読み取り準備を行う。不図示のスタートキーがユーザによって選択されると、読取部118が読み取りを行い、生成された画像データが電子メールに添付され、送信宛先に送信される。
【0063】
なお、
図8(b)に示すように、名刺読取機能によって設定された送信宛先が、電子メールアドレスおよびファックス番号でもよい。その場合には、生成された画像データは、電子メールに添付されて送信され、且つ、ファックスとして各送信宛先に送信される。
【0064】
また、
図8(c)に示すように、名刺読取機能によって設定された送信宛先が、ファックス番号のみでもよい。その場合には、生成された画像データはファックスとして送信されるので、
図8(c)に示すように、
図3のファックスキー403を選択した場合のファックス送信画面520としてもよい。ただし、
図8(b)に示すように、送信画面510で送信してもよい。
【0065】
なお、ここでは、名刺読取機能によって設定された送信宛先のみが送信宛先として設定されている構成を示しているが、画像データの送信を行う前にアドレス帳等から宛先を追加してもよい。
【0066】
次に
図9では、本実施例のMFPの送信フローチャートを説明する。
図9のフローチャートに係る処理を実行するためのプログラムは、
図2のROM112またはストレージ114に格納されており、RAM113に読み出されCPU111によって実行される。
【0067】
図9では、まずステップS1101で、CPU111は、MFP102の操作パネル209にメニュー画面400を表示させる。
【0068】
ステップS1102において、操作部I/F115が送信キー402の選択を検出すると、CPU111は、メニュー画面400から送信機能へ移行する。
【0069】
ステップS1103において、CPU111は、操作部116に送信画面500を表示させる。
【0070】
ステップS1104において、操作部I/F115が名刺読取キー504の選択を検出すると、CPU111は、ステップS1107の名刺情報取得処理を開始する。名刺情報取得処理は、
図6で説明した処理である。ステップS1107を終えると、ステップS1115に遷移する。
【0071】
ステップS1115において、操作部I/F115が編集キー1004、1008、1012のいずれかのキーの選択を検出すると、ステップS1116に遷移する。操作部I/F115が編集キー1004、1008、1012のいずれかのキーの選択を検出しなければ、ステップS1117に遷移する。
【0072】
ステップS1116において、CPU111は、ソフトキーボードを操作部116に表示して文字情報の編集を可能にする。そして、操作部I/F115が、文字情報の編集を検出すると、CPU111は、編集後の文字情報を操作部116に表示させる。そして、操作部I/F115が、OKキー1015の選択を検出するとステップS1117に遷移する。
【0073】
ステップS1117において、CPU111は、送信宛先としてファックス番号を設定するか否かのチェックボックスがオンになっているかを検出する。チェックボックス1005がオンになっている場合に、ステップS1118に遷移する。チェックボックス1005がオフになっている場合に、ステップS1120に遷移する。
【0074】
ステップS1118において、CPU111は、ファックス番号を送信宛先としてRAM113に保存する。
【0075】
ステップS1120において、CPU111は、送信宛先として電子メールアドレスを設定するか否かのチェックボックス1009がオンになっているかを検出する。チェックボックス1009がオンになっている場合に、ステップS1121に遷移する。チェックボックス1009がオフになっている場合に、ステップS1123に遷移する。
【0076】
ステップS1121において、CPU111は、電子メールアドレスを送信宛先としてRAM113に保存する。
【0077】
ステップS1123において、CPU111は、操作部116にファックス送信画面520または送信画面510を表示させる。なお、前述したように、CPU111は、送信宛先として、ファックス番号だけが設定されている場合には、ファックス送信画面520を表示させる。電子メールアドレスのみまたは電子メールアドレスとファックス番号が設定されている場合には、CPU111は、送信画面510を表示させる。ステップS1123を終えると、ステップS1125に遷移する。
【0078】
ステップS1125において、CPU111は、読取部118において原稿を読み取って画像データを生成する。ステップS1125を終えると、ステップS1126に遷移する。
【0079】
ステップS1126において、ステップS1123に示した送信画面510およびファックス送信画面520に表示された宛先へ、画像データのファックス送信や、画像データが添付された電子メールの送信が行われる。
【0080】
このような構成によれば、名刺を読み取り、複数の宛先のうち選択した宛先を送信宛先に設定することが可能であり、ユーザ操作性を向上することが可能である。
【0081】
次に
図10では、本実施例のMFPの宛先登録フローチャートを説明する。
図10のフローチャートに係る処理を実行するためのプログラムは、
図2のROM112またはストレージ114に格納されており、RAM113に読み出されCPU111によって実行される。なお、
図9と同様のステップについては同様の番号を付し、説明を省略する。
【0082】
まずステップS1101で、CPU111は、MFP101の操作部116にメニュー画面400を表示させる。
【0083】
ステップS1202において、操作部I/F115が送信キー402の選択を検出すると、CPU111は、メニュー画面400から送信機能へ移行し、ステップS1103に遷移する。
【0084】
ステップS1103において、CPU111は、操作部116に
図4に示す送信画面500を表示させる。そして、ステップS1103からステップS1204に遷移する。
【0085】
ステップS1204において操作部I/F115が、アドレス帳キー501の選択を検出すると、
図11(a)に示すアドレス帳登録画面600を表示する。
図11においてアドレス帳登録画面600に表示されている新規宛先の登録キー601が選択された状態を示している。
【0086】
図11(a)において、宛先表示エリア606には、すでに登録されている宛先が表示される。登録キー601は、新規宛先を登録するためのキーである。登録キー601が選択されると、選択画面602が表示される。選択画面602には、電子メールキー603、ファックスキー604等の登録する宛先の種類または登録の仕方を選択するキーが表示される。電子メールキー603は、電子メール宛先を登録するためのキーである。ファックスキー604は、ファックス宛先を登録するためのキーである。名刺読取キー607は、名刺読取を開始するキーである。
【0087】
また、
図4において、ワンタッチキー502が選択された場合には、
図11(b)のワンタッチアドレス帳の登録画面610が表示される(ステップS1208)。
図11(b)では、ユーザが所定の登録番号を選択することで、該登録番号に宛先を登録することが可能になる。ここでは、例として、番号001に山田一郎がすでに登録されており、且つ、番号002が新規登録先として選択されている状態を示している。登録/編集キー611は、新規宛先の登録キー601に対応したキーであり、新規宛先の登録を行うキーである。
【0088】
一方、ステップS1202において、操作部I/F115がファックスキー403の選択を検出すると、CPU111は、メニュー画面400からファックス機能へ移行し、ステップS1205に遷移する。ステップS1205において、CPU111は、操作部116に
図12に示すファックス送信画面200を表示させる。
【0089】
図12に示すファックス送信画面200は、
図3のファックスキー403が選択されることで開く画面であり、宛先表示エリア201、ワンタッチ領域202、アドレス帳キー501、ワンタッチキー502、名刺読取キー504等が表示される。
【0090】
宛先表示エリア201には、すでに送信先として設定されている宛先が表示される。ワンタッチ領域202は、後述のワンタッチアドレス帳に登録済みの宛先を選択することが可能である。ファックス送信画面200が表示されると、ステップS1206に遷移する。
【0091】
ステップS1206において、操作部I/F115がアドレス帳キー501の選択を検出すると、ステップS1209に遷移し、CPU111は、
図11(a)に示すアドレス帳登録画面600を表示する。なお、ここでは電子メールキー603は表示しなくてもよい。
【0092】
一方、ステップS1206において、操作部I/F115がワンタッチキー502の選択を検出すると、ステップS1210に遷移し、CPU111は、
図11(b)に示すワンタッチアドレス帳の登録画面610を表示する。なお、ここでは電子メールキー603は表示しなくてもよい。
【0093】
ステップS1209、ステップS1210、ステップS1207、及びステップS1208において、操作部I/F115が、名刺読取キー607の選択を検知する(ステップS1104)と、ステップS1107に遷移する。そして、ステップS1107では、CPU111は、
図6に示した名刺情報取得処理を行う。
【0094】
ステップS1107を終えると、ステップS1115に遷移する。ステップS1115、ステップS1116は、
図9で説明したため、説明を省略する。ステップS1115およびステップS1116を終えると、ステップS1222に遷移する。
【0095】
ステップS1222において、CPU111は、ファックス番号をアドレス帳またはワンタッチアドレス帳に記憶するか否かのチェックボックスがオンになっているかを検出する。
【0096】
ステップS1222において、チェックボックスがオンになっている場合には、ステップS1223に遷移し、
図13(b)に示すファックスの新規宛先登録画面1080を表示する。
図13(b)に示すファックスの新規宛先登録画面1080には、名称、ファックス番号の他に、詳細設定1082が登録可能である。詳細設定1082は、例えば送信情報設定エリア525の情報である。
【0097】
ステップS1223を終えると、ステップS1224に遷移する。ステップS1224では、操作部I/F115が、キャンセルキー1084の選択を検出すると、ステップS1226に遷移する。一方、操作部I/F115が、OKキー1083の選択を検出するとステップS1225に遷移し、アドレス帳またはワンタッチアドレス帳にファックス宛先を登録する。そして、ステップS1226に遷移する。
【0098】
ステップS1226において、ステップS1202で操作部I/Fがファックスキー403の選択を検出した場合には、ステップS1231に遷移し、操作部I/Fが送信キー402の選択を検出した場合にはステップS1227に遷移する。
【0099】
ステップS1227において、CPU111は、電子メールアドレス番号をアドレス帳またはワンタッチアドレス帳に記憶するか否かのチェックボックスがオンになっているかを検出する。
【0100】
ステップS1227において、チェックボックスがオンになっている場合には、ステップS1228に遷移し、
図13(a)に示す電子メールの新規宛先登録画面1090を表示する。
図13(a)に示す新規宛先登録画面1090には、名称、電子メールアドレスの他に、宛先表選択リスト1091、およびデータ分割等が設定可能であるそして、OKキー1093が選択されると、アドレス帳に登録を行う。なお、ここでは不図示だが、詳細な送信設定(例えば送信情報設定エリア506の情報)をアドレス帳に登録してもよい。
【0101】
ステップS1228を終えると、ステップS1229に遷移する。ステップS1229では、操作部I/F115が、キャンセルキー1094の選択を検出すると、ステップS1231に遷移する。一方、操作部I/F115が、OKキー1093の選択を検出するとステップS1230に遷移し、アドレス帳またはワンタッチアドレス帳にファックス宛先を登録する。そして、ステップS1231に遷移する。
【0102】
なお、アドレス帳の登録件数が、既に最大限に達していた場合は、宛先をHDD213には保存せず、操作部116にエラー表示を行う。
【0103】
S1231にて、CPU111は、操作部116の表示をステップS1104の前の画面に戻す。具体的には、ステップS1209またはステップS1207を介した場合には、ステップS1234に遷移し、CPU111は、操作部116にアドレス帳登録画面600を表示させる。一方、ステップS1208またはステップS1210を介した場合には、ステップS1235に遷移し、CPU111は、操作部116にワンタッチアドレス帳の登録画面610を表示させる。
【0104】
このような構成によれば、名刺を読み取り、選択した宛先をアドレス帳に登録することが可能であり、ユーザ操作性を向上することが可能である。
【0105】
なお、本実施例では、複数の宛先を取得するために、名刺を読み取る構成を示したがこれに限られない。例えば、宛先情報を纏めたアドレス表や、所定の用紙に名称や宛先が記載されているもの等に対して、ステップS1107に示した情報取得処理を行うことで、複数の宛先を取得してもよい。その場合であっても、
図5において説明したように、まずOCR結果から原稿情報(ファックス番号や電子メールアドレス等の宛先、名称等)を取得する。そして、CPU111は、取得した原稿情報から、ファックス宛先であるか、電子メールアドレスであるか、名称であるか等を判定し、宛先情報を取得する。
【0106】
さらに、本実施例では、名刺に電子メールアドレスが1つ記載されている構成を示したが、複数記載され、名刺読取結果画面においてそれぞれの電子メールアドレスが選択可能であってもよい。これは、ファックス番号においても同様である。
【0107】
また、本実施例では、操作部が画像送信装置に含まれる構成を示したがこれに限られない。例えば、通信を介して画像送信装置と接続可能なPC等の情報端末に操作部が含まれていてもよい。
【0108】
(その他の実施例)
以上、本発明の様々な実施例を示して説明したが、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるものではない。
【0109】
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0110】
101 画像送信装置
111 CPU
115 操作部I/F
116 操作部
117 読取部I/F
118 読取部
402 送信キー