(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ターボ機械用ロータブレードのポケット
(51)【国際特許分類】
F01D 5/18 20060101AFI20221205BHJP
F02C 7/24 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
F01D5/18
F02C7/24 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018095823
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-05-07
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】サンディップ・ドゥッタ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・マイケル・イッツェル
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-182601(JP,A)
【文献】特開2006-175516(JP,A)
【文献】特表2002-539350(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0201479(US,A1)
【文献】特開昭59-119001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/18
F02C 7/18
F02C 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械(10)用ロータブレード(100)であって、
翼形部(114)であって、前記翼形部(114)の根元(118)と先端(116)との間に延びる冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する翼形部(114)を備え、前記翼形部(114)はさらに、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つとの間に配置され、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および前記
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つから
前記翼形部(114)の一部によって離間したポケット(150)を画定し、
前記ポケット(150)は、他のポケット(150)、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および高温ガス経路との流体連絡から密閉され、前記ポケット(150)は、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つとの間の熱障害となる、ロータブレード(100)。
【請求項2】
前記翼形部(114)は外被を有しておらず、
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の
前記正圧側面(122)または前記負圧側面(124)との間に完全に配置される、請求項1に記載のロータブレード(100)。
【請求項3】
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)および前記根元(118)と前記先端(116)との間に延びる複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する、請求項1
または2に記載のロータブレード(100)。
【請求項4】
隣接する対の前記複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)の各冷却通路が、前記キャンバライン(130)に沿って前記ポケット(150)の一部と位置合わせされる、請求項
3に記載のロータブレード(100)。
【請求項5】
前記ポケット(150)が、
前記ポケット(150)の少なくとも1つが隣接する冷却通路の対と重ならないように隣接する対の前記複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)の間の前記キャンバライン(130)に沿って配置される、請求項4に記載のロータブレード(100)。
【請求項6】
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)、および前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記
正圧側面(122)または前記負圧側面(124)との間に配置された複数のポケット(150)を画定する、請求項1
乃至5のいずれかに記載のロータブレード(100)。
【請求項7】
前記複数のポケット(150)の第1のポケットが、前記キャンバライン(130)に沿って前記複数のポケット(150)の第2のポケットから離間し
、流体的に隔離されている、請求項
6に記載のロータブレード(100)。
【請求項8】
前記複数のポケット(150)の
前記第1のポケットが、スパン(120)に沿って前記複数のポケット(150)の第
3のポケットから離間し
、流体的に隔離され、前記第1のポケットが、前記キャンバライン(130)に沿って前記第3のポケットからシフトしている、請求項7に記載のロータブレード(100)。
【請求項9】
前記翼形部(114)が、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)を画定し、前記ポケット(150)が、前記スパン(120)のゼロパーセント(152)と前記スパン(120)の75パーセント(156)との間
のみに配置される、請求項1
乃至8のいずれかに記載のロータブレード(100)。
【請求項10】
複数のロータブレード(100)を含むタービンセクション(18)を備え、各ロータブレード(100)は、
翼形部(114)であって、前記翼形部(114)の根元(118)と先端(116)との間に延びる冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する翼形部(114)を備え、前記翼形部(114)はさらに、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つとの間に配置され、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および前記
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つから離間したポケット(150)を画定し、
前記ポケット(150)は、他のポケット(150)、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および高温ガス経路との流体連絡から密閉され、前記ポケット(150)は、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記
正圧側面(122)と負圧側面(12
4)
の少なくとも1つとの間の熱障害となる、ターボ機械(10)。
【請求項11】
前記翼形部(114)は外被を有しておらず、
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の
前記正圧側面(122)と前記負圧側面(124)の少なくとも1つとの間に完全に配置される、請求項10に記載のターボ機械(10)。
【請求項12】
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)および前記根元(118)と前記先端(116)との間に延びる複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定
し、
隣接する対の前記複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)の各冷却通路が、前記キャンバライン(130)に沿って前記ポケット(150)の一部と位置合わせされる、請求項1
0または11に記載のターボ機械(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ターボ機械に関する。より具体的には、本開示は、ターボ機械用ロータブレードのポケットに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、一般に、圧縮機セクションと、燃焼セクションと、タービンセクションとを含む。圧縮機セクションは、ガスタービンエンジンに入る空気の圧力を徐々に高め、この圧縮空気を燃焼セクションに供給する。圧縮空気および燃料(例えば、天然ガス)は、燃焼セクション内で混合されて燃焼チャンバで燃焼し、高圧および高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼セクションからタービンセクションに流れ、そこで膨張して仕事を発生する。例えば、タービンセクションにおける燃焼ガスの膨張は、発電機に接続されたロータシャフトを回転させて電気を発生することができる。
【0003】
タービンセクションは、一般に、タービンセクションを通って流れる燃焼ガスから運動エネルギおよび/または熱エネルギを抽出する複数のロータブレードを含む。この点において、各ロータブレードは、燃焼ガスの流れ内に配置された翼形部を含む。翼形部は高温環境で動作するため、ロータブレードを冷却する必要があり得る。
【0004】
特定の構成では、冷却空気をロータブレードによって画定された1つまたは複数の冷却通路を通して送ることで、冷却を行う。典型的には、この冷却空気は、圧縮機セクションから抽気される圧縮空気である。しかし、圧縮機セクションからの抽気は、燃焼に利用可能な圧縮空気の量を減少させ、それによってガスタービンエンジンの効率を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本技術の態様および利点は、その一部を以下の説明に記載しており、またはその説明から明らかになり、または本技術の実施により学ぶことができる。
【0007】
一実施形態では、本開示は、ターボ機械用ロータブレードに関する。ロータブレードは、翼形部であって、翼形部の根元と先端との間に延びる冷却通路を画定する翼形部を含む。翼形部はさらに、冷却通路と翼形部の外面との間に配置され、冷却通路および外面から離間したポケットを画定する。ポケットは、冷却通路と翼形部の外面との間の熱障害となる。
【0008】
別の実施形態では、本開示は、複数のロータブレードを有するタービンセクションを含むターボ機械に関する。各ロータブレードは、翼形部であって、翼形部の根元と先端との間に延びる冷却通路を画定する翼形部を含む。翼形部はさらに、冷却通路と翼形部の外面との間に配置され、冷却通路および外面から離間したポケットを画定する。ポケットは、冷却通路と翼形部の外面との間の熱障害となる。
【0009】
本技術のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照して、よりよく理解されよう。添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本技術の実施形態を例示し、また説明とともに本技術の原理を説明する働きをする。
【0010】
当業者に向けた本技術の最良の様態を含む本技術の充分かつ実施可能な開示が、添付の図を参照しつつ、本明細書に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本明細書に開示された実施形態による例示的なガスタービンエンジンの概略図である。
【
図2】本明細書に開示された実施形態による例示的なロータブレードの正面図である。
【
図3】本明細書に開示された実施形態によるキャンバラインを示す、例示的な翼形部の断面図である。
【
図4】本明細書に開示された実施形態による複数の冷却通路および複数のポケットを示す、
図3に示すロータブレードの代替的な断面図である。
【
図5】本明細書に開示された実施形態による複数のポケットを半径方向に配置することを示す、
図3および
図4に示す翼形部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および図面における符号の反復使用は、本技術の同じまたは類似の特徴もしくは要素を表すことを意図している。
【0013】
以下で、本技術の実施形態を詳しく参照するが、その1つまたは複数の例が、添付の図面に示されている。詳細な説明は、図面の特徴を参照するために、数字および文字の符号を使用する。図面および説明の同様のまたは類似の符号は、本技術の同様のまたは類似の部品を参照するために使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、1つの構成要素と別の構成要素とを区別するために交換可能に用いることができ、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図しない。「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向を指し、「下流」は流体が流れていく方向を指す。
【0014】
各例は、本技術の説明のために提供するものであって、本技術を限定するものではない。実際、本技術の範囲または趣旨を逸脱せずに、修正および変更が本技術において可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または記載する特徴は、さらに別の実施形態を与えるために、別の実施形態で用いることができる。したがって、本技術は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるような修正および変更を包含することが意図されている。
【0015】
産業用または陸上用ガスタービンが本明細書に示されて説明されているが、本明細書に示されて説明される本技術は、特許請求の範囲に特に明記されない限り、陸上用および/または産業用ガスタービンに限定されない。例えば、本明細書に記載の技術は、限定はしないが、航空ガスタービン(例えば、ターボファンなど)、蒸気タービン、および海洋ガスタービンを含む任意のタイプのターボ機械で使用することができる。
【0016】
ここで図面を参照すると、図全体にわたって同一の符号は同じ要素を示しており、
図1は、ガスタービンエンジン10を概略的に示す。ガスタービンエンジン10は、入口セクション12と、圧縮機セクション14と、燃焼セクション16と、タービンセクション18と、排気セクション20とを含むことができる。圧縮機セクション14およびタービンセクション18は、シャフト22によって結合されてもよい。シャフト22は、単一のシャフトまたはシャフト22を形成するように互いに結合された複数のシャフトセグメントであってもよい。
【0017】
タービンセクション18は、一般に、ロータシャフト24と、複数のロータディスク26(そのうちの1つが示されている)と、複数のロータブレード28とを含むことができる。より具体的には、複数のロータブレード28は、ロータディスク26から半径方向外側に延び、ロータディスク26の1つと相互接続することができる。次に各ロータディスク26は、タービンセクション18を通って延びるロータシャフト24の一部に結合されてもよい。タービンセクション18は、ロータシャフト24およびロータブレード28を円周方向に取り囲む外側ケーシング30をさらに含み、それによってタービンセクション18を通る高温ガス経路32を少なくとも部分的に画定する。
【0018】
動作中、空気または別の作動流体が入口セクション12を通って圧縮機セクション14に流れ、そこで空気は徐々に圧縮され、燃焼セクション16の燃焼器(図示せず)に加圧空気を供給する。加圧空気は、燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼して燃焼ガス34を発生する。燃焼ガス34は、高温ガス経路32に沿って燃焼セクション16からタービンセクション18に流れる。タービンセクション18において、ロータブレード28は、燃焼ガス34から運動および/または熱エネルギを抽出し、それによってロータシャフト24を回転させる。次いで、ロータシャフト24の機械的回転エネルギを使用して、圧縮機セクション14に動力を供給し、および/または電気を生成することができる。タービンセクション18から出た燃焼ガス34は次に、排気セクション20を介してガスタービンエンジン10から排出される。
【0019】
図2は、1つまたは複数のロータブレード28の代わりにガスタービンエンジン10のタービンセクション18に組み込まれ得る、例示的なロータブレード100の図である。示すように、ロータブレード100は、軸方向A、半径方向R、および円周方向Cを画定する。一般に、軸方向Aは、シャフト24(
図1)の軸方向中心線102に平行に延び、半径方向Rは、軸方向中心線102に略直交して延び、円周方向Cは、軸方向中心線102の周りに略同心に延びる。
【0020】
図2に示すように、ロータブレード100は、ダブテール104と、シャンク部分106と、プラットフォーム108とを含むことができる。より具体的には、ダブテール104は、ロータブレード100をロータディスク26(
図1)に固定する。シャンク部分106は、ダブテール104に結合し、ダブテール104から半径方向外側に延びる。プラットフォーム108は、シャンク部分106に結合し、シャンク部分106から半径方向外側に延びる。プラットフォーム108は、タービンセクション18(
図1)の高温ガス経路32を通って流れる燃焼ガス34の半径方向内側の流れ境界として一般に機能する半径方向外面110を含む。ダブテール104、シャンク部分106、および/またはプラットフォーム108は、冷却空気(例えば、圧縮機セクション14からの抽気)がロータブレード100に入ることを可能にする吸気ポート112を画定することができる。
図2に示す実施形態では、ダブテール104は、軸方向挿入式モミの木形ダブテールである。あるいは、ダブテール104は、任意の適切なタイプのダブテールであってもよい。実際、ダブテール104、シャンク部分106、および/またはプラットフォーム108は、任意の適切な構成を有することができる。
【0021】
次に
図2および
図3を参照すると、ロータブレード100は、翼形部114をさらに含む。特に、翼形部114は、プラットフォーム108の半径方向外面110から先端116(
図5)に半径方向外側に延びる。翼形部114は、根元118(すなわち、翼形部114とプラットフォーム108との間の交差点)でプラットフォーム108に結合する。翼形部114はまた、正圧側面122および対向する負圧側面124を含む外面121を含む(
図3)。正圧側面122および負圧側面124は、燃焼ガス34(
図1)の流れに配向される翼形部114の前縁126で共に接合されるかまたは相互接続される。正圧側面122および負圧側面124はまた、前縁126から下流に離間した翼形部114の後縁128で共に接合されるかまたは相互接続される。正圧側面122および負圧側面124は、前縁126および後縁128の周りで連続している。正圧側面122は、略凹状であり、負圧側面124は、略凸状である。
【0022】
特に
図3を参照すると、翼形部114は、キャンバライン130を画定する。示すように、キャンバライン130は、前縁126から後縁128に延びる。キャンバライン130はまた、正圧側面122と負圧側面124との間に配置され、それらから等距離にある。前縁126は、キャンバライン130のゼロパーセントに配置され、後縁128は、キャンバライン130の100パーセントに配置される。キャンバライン130に沿った様々な他の場所(例えば、25パーセント、50パーセント、75パーセントなど)も、同様に定義することができる。
【0023】
図2に示す実施形態では、ロータブレード100は、翼形部114の先端116に結合された先端シュラウド132を含む。この点において、先端シュラウド132は、一般に、ロータブレード100の半径方向最外部を画定することができる。先端シュラウド132は、ロータブレード100を越えて逃げる燃焼ガス34(
図1)の量を減少させる。特定の実施形態では、先端シュラウド132は、そこから半径方向外側に延びるシールレール134を含むことができる。しかし、代替の実施形態は、より多くのシールレール134(例えば、2つのシールレール134、3つのシールレール134など)を含んでもよいし、またはシールレール134を全く含まなくてもよい。さらに、ロータブレード100のいくつかの実施形態は、先端シュラウド132を含まなくてもよい。
【0024】
次に
図4を参照すると、翼形部114は、そこを通って延びる1つまたは複数の冷却通路を画定することができる。特定の実施形態では、ロータブレード100の他の部分(例えば、プラットフォーム108、シャンク106など)が、冷却通路の一部を画定することができる。図示の実施形態では、翼形部114は、キャンバライン130に沿って配置された7つの冷却通路136、138、140、142、144、146、148を画定する。特に、冷却通路136、138、140、142、144、146、148は、キャンバライン130に沿って離間している。しかし、代替の実施形態では、翼形部114は、より多くのまたはより少ない冷却通路を画定してもよく、冷却通路は、任意の適切な方法で配置または構成されてもよい。冷却通路136、138、140、142、144、146、148は、明確にするために
図3では省略されている。同様に、キャンバライン130は、明確にするために
図4では省略されている。
【0025】
冷却通路136、138、140、142、144、146、148は、冷却空気を翼形部114および先端シュラウド132(含まれる場合)に供給する。この点において、冷却通路136、138、140、142、144、146、148は、吸気ポート112から半径方向外側に先端116に延びることができる。いくつかの実施形態では、冷却通路136、138、140、142、144、146、148の1つまたは複数は、先端シュラウド132によって画定された様々な冷却空洞またはチャンバ(図示せず)に流体結合されてもよい。動作中、圧縮機セクション14から抽気された圧縮空気のような冷却空気は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148を通って流れることができる。具体的には、冷却空気は、吸気ポート112から翼形部114を通って先端116または先端シュラウド132(含まれる場合)に流れ、それによってロータブレード100を冷却する。
【0026】
翼形部114はまた、1つまたは複数のポケット150を画定する。一般に、ポケット150は、中空で断熱的であってもよい。
図4に示す実施形態では、翼形部114は、7つのポケット150を画定する。代替の実施形態では、翼形部114は、少なくとも1つのポケット150を画定する限り、より多くのまたはより少ないポケット150を画定することができる。一般に、ポケット150は、互いに分離され、互いに流体的に隔離される。
【0027】
各ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148の一部またはすべてが高温ガス経路32(
図1)から吸収する熱の量を減少させるための熱障害として作用する。より具体的には、ポケット150は、
図4に示すように、冷却通路136、138、140、142、144、146、148と翼形部114の外面121との間に配置される。すなわち、各ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148の少なくとも1つと、正圧側面122、負圧側面124、前縁126、および後縁128の1つまたは複数との間に配置される。ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148および/または高温ガス経路32から離間し、それらから流体的に隔離されてもよい。したがって、ポケット150は、停滞空気で満たされてもよい。ポケット150はまた、ロータブレード100によって画定された1つまたは複数の抽気孔を介してパージまたは加圧されてもよい。ガスタービンエンジン(
図1)の動作中、高温ガス経路32を通って流れる燃焼ガス34(
図1)からの熱は、翼形部114の外面121に対流的に伝達する。次にこの熱は、翼形部114を通って冷却通路136、138、140、142、144、146、148に向かって伝導する。ポケット150および、より具体的には、ポケット150の停滞空気は、熱抵抗を翼形部114に生じさせ、熱が翼形部114を通って伝導する速度を低下させる。この点において、ポケット150は、冷却空気によって吸収される熱の量を減少させるために、冷却通路136、138、140、142、144、146、148と翼形部114の外面121との間の熱障害となる。
【0028】
図4は、ポケット150が位置することができる様々な場所を示す。上述したように、ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148と翼形部114の外部高温面121との間に配置される。
図4に示す実施形態では、ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148と翼形部114の外面121との間に完全に配置される。しかし、いくつかの実施形態では、ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148と外面121との間に部分的にのみ配置されてもよい。
【0029】
さらに、ポケット150は、キャンバライン130に沿った様々な位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ポケット150の少なくとも2つは、キャンバライン130に沿って離間していてもよい。ポケット150の少なくとも2つはまた、キャンバライン130に沿って位置合わせされてもよい。ポケット150の少なくとも1つは、隣接する対の冷却通路136、138、140、142、144、146、148の間のキャンバライン130に沿って配置されてもよい。
図4に示す実施形態では、例えば、1つのポケット150が、以下の対の冷却通路:冷却通路138、140;冷却通路140、142;および冷却通路144、146の各々の間に配置される。特定の実施形態では、隣接する対の冷却通路136、138、140、142、144、146、148の各冷却通路は、キャンバライン130に沿ってポケット150の1つの部分と位置合わせされてもよい。例えば、
図4に示す実施形態では、隣接する冷却通路140、142は、ポケット150の1つの部分と位置合わせされる。しかし、代替の実施形態では、1つまたは複数のポケット150が、キャンバライン130に沿った任意の適切な位置に配置されてもよい。
【0030】
次に
図5を参照すると、翼形部114は、翼形部114の根元118から翼形部114の先端116に延びるスパン120を画定する。根元118は、スパン120のゼロパーセントに配置され、先端116は、スパン120の100パーセントに配置される。示すように、スパン120のゼロパーセントは、152によって識別され、スパン120の100パーセントは、154によって識別される。さらに、スパン120の75パーセントが、156によって識別される。スパン120に沿った様々な他の場所(例えば、25パーセント、50パーセントなど)も、同様に定義することができる。
【0031】
図5は、ポケット150が配置され得るスパン120に沿った様々な場所を示す。いくつかの実施形態では、例えば、ポケット150の少なくとも2つは、スパン120に沿って離間していてもよい。ポケット150の少なくとも2つはまた、スパン120に沿って位置合わせされてもよい。少なくとも2つのポケット150の部分はまた、スパン120に沿って部分的に位置合わせされてもよい。さらに、特定の実施形態では、翼形部114は、ポケット150を画定するために、スパン120の75パーセント156とスパン120の100パーセント154との間で非常に薄くてもよい。そのような実施形態では、翼形部114によって画定されたポケット150のすべては、スパン120のゼロパーセント152とスパン120の75パーセント156との間に配置され得る。しかし、代替の実施形態では、1つまたは複数のポケット150は、スパン120に沿った任意の適切な位置に配置されてもよい。
【0032】
上述したように、ポケット150は、スパン120および/またはキャンバライン130に沿って離間していてもよい。この点において、ポケット150は、分離されていて連続的ではなく、それによってロータブレード100が受ける機械的負荷を分配させる。
【0033】
図4および
図5に示す実施形態では、ポケット150は、長方形の断面を有する。それにもかかわらず、ポケット150は、三角形の断面、楕円形の断面、または任意の他の適切な断面を有してもよい。
【0034】
さらに詳細に上述したように、ロータブレード100は、1つまたは複数のポケット150を画定し、それによって冷却通路136、138、140、142、144、146、148と外面121との間に熱障害が生じる。このようにして、ポケット150は、冷却通路136、138、140、142、144、146、148の一部またはすべてを通って流れる冷却空気が高温ガス経路32から吸収する熱の量を減少させる。すなわち、ポケット150は、冷却空気の冷却能力を保存し、それによってロータブレード100の改善された熱管理を提供する。この点において、ロータブレード100の冷却通路136、138、140、142、144、146、148の一部またはすべてを通って流れる冷却空気は、従来のロータブレードの対応する冷却通路を通って流れる冷却空気より冷却されたままである。したがって、ロータブレード100は、従来のロータブレードより少ない冷却空気しか必要とせず、それによってガスタービンエンジン10の効率が向上する。
【0035】
ポケット150を、ロータブレード100との関連で上述した。それにもかかわらず、ポケット150はまた、ノズルおよびシュラウドなどの固定高温ガス経路構成要素に組み込まれてもよい。実際、ポケット150は、任意の適切なターボ機械構成要素に組み込まれてもよい。
【0036】
この明細書は、本技術を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本技術を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイスまたはシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本技術の特許され得る範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、あるいは特許請求の範囲の文言との実質的な相違がない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
[実施態様1]
ターボ機械(10)用ロータブレード(100)であって、
翼形部(114)であって、前記翼形部(114)の根元(118)と先端(116)との間に延びる冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する翼形部(114)を備え、前記翼形部(114)はさらに、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の外面(121)との間に配置され、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および前記外面(121)から離間したポケット(150)を画定し、前記ポケット(150)は、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記外面(121)との間の熱障害となる、ロータブレード(100)。
[実施態様2]
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)から流体的に隔離される、実施態様1に記載のロータブレード(100)。
[実施態様3]
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の外面(121)との間に完全に配置される、実施態様1に記載のロータブレード(100)。
[実施態様4]
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)および前記根元(118)と前記先端(116)との間に延びる複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する、実施態様1に記載のロータブレード(100)。
[実施態様5]
隣接する対の前記複数の通路(136、138、140、142、144、146、148)の各通路が、前記キャンバライン(130)に沿って前記ポケット(150)の一部と位置合わせされる、実施態様4に記載のロータブレード(100)。
[実施態様6]
前記ポケット(150)が、隣接する対の前記複数の通路(136、138、140、142、144、146、148)の間の前記キャンバライン(130)に沿って配置される、実施態様4に記載のロータブレード(100)。
[実施態様7]
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)、および前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記外面(121)との間に配置された複数のポケット(150)を画定する、実施態様1に記載のロータブレード(100)。
[実施態様8]
前記複数のポケット(150)の第1のポケットが、前記キャンバライン(130)に沿って前記複数のポケット(150)の第2のポケットから離間している、実施態様7に記載のロータブレード(100)。
[実施態様9]
前記複数のポケット(150)の第1のポケットが、前記スパン(120)に沿って前記複数のポケット(150)の第2のポケットから離間している、実施態様7に記載のロータブレード(100)。
[実施態様10]
前記翼形部(114)が、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)を画定し、前記ポケット(150)が、前記スパン(120)のゼロパーセント(152)と前記スパン(120)の75パーセント(156)との間に配置される、実施態様1に記載のロータブレード(100)。
[実施態様11]
複数のロータブレード(100)を含むタービンセクション(18)を備え、各ロータブレード(100)は、
翼形部(114)であって、前記翼形部(114)の根元(118)と先端(116)との間に延びる冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する翼形部(114)を備え、前記翼形部(114)はさらに、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の外面(121)との間に配置され、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)および前記外面(121)から離間したポケット(150)を画定し、前記ポケット(150)は、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記外面(121)との間の熱障害となる、ターボ機械(10)。
[実施態様12]
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)から流体的に隔離される、実施態様11に記載のターボ機械(10)。
[実施態様13]
前記ポケット(150)が、前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の外面(121)との間に完全に配置される、実施態様11に記載のターボ機械(10)。
[実施態様14]
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)および前記根元(118)と前記先端(116)との間に延びる複数の冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)を画定する、実施態様11に記載のターボ機械(10)。
[実施態様15]
隣接する対の前記複数の通路(136、138、140、142、144、146、148)の各通路が、前記キャンバライン(130)に沿って前記ポケット(150)の一部と位置合わせされる、実施態様14に記載のターボ機械(10)。
[実施態様16]
前記ポケット(150)が、隣接する対の前記複数の通路(136、138、140、142、144、146、148)の間の前記キャンバライン(130)に沿って配置される、実施態様14に記載のターボ機械(10)。
[実施態様17]
前記翼形部(114)が、前縁(126)および後縁(128)を備え、前記翼形部(114)が、前記前縁(126)から前記後縁(128)に延びるキャンバライン(130)、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)、および前記冷却通路(136、138、140、142、144、146、148)と前記翼形部(114)の前記外面(121)との間に配置された複数のポケット(150)を画定する、実施態様11に記載のターボ機械(10)。
[実施態様18]
前記複数のポケット(150)の第1のポケットが、前記キャンバライン(130)に沿って前記複数のポケット(150)の第2のポケットから離間している、実施態様17に記載のターボ機械(10)。
[実施態様19]
前記複数のポケット(150)の第1のポケットが、前記スパン(120)に沿って前記複数のポケット(150)の第2のポケットから離間している、実施態様17に記載のターボ機械(10)。
[実施態様20]
前記翼形部(114)が、前記根元(118)から前記先端(116)に延びるスパン(120)を画定し、前記ポケット(150)が、前記スパン(120)のゼロパーセント(152)と前記スパン(120)の75パーセント(156)との間に配置される、実施態様11に記載のターボ機械(10)。
【符号の説明】
【0037】
10 ガスタービンエンジン
12 入口セクション
14 圧縮機セクション
16 燃焼セクション
18 タービンセクション
20 排気セクション
22 シャフト
24 ロータシャフト
26 ロータディスク
28 ロータブレード
30 外側ケーシング
32 高温ガス経路
34 燃焼ガス
100 ロータブレード
102 軸方向中心線
104 ダブテール
106 シャンク部分
108 プラットフォーム
110 半径方向外面
112 吸気ポート
114 翼形部
116 先端
118 根元
120 スパン
121 外面、外部高温面
122 正圧側面
124 負圧側面
126 前縁
128 後縁
130 キャンバライン
132 先端シュラウド
134 シールレール
136 冷却通路
138 冷却通路
140 冷却通路
142 冷却通路
144 冷却通路
146 冷却通路
148 冷却通路
150 ポケット
152 ゼロパーセント
154 100パーセント
156 75パーセント