(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】電子機器、および電子機器の制御方法、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221205BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20221205BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20221205BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20221205BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20221205BHJP
G03B 17/20 20210101ALI20221205BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221205BHJP
G03B 17/00 20210101ALI20221205BHJP
【FI】
H04N5/232 935
G06F3/0482
G06F3/0484
G06F3/0488
G03B17/18 Z
G03B17/20
G03B17/02
G03B17/00 Q
H04N5/232 160
(21)【出願番号】P 2018125430
(22)【出願日】2018-06-29
【審査請求日】2021-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100131392
【氏名又は名称】丹羽 武司
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100131532
【氏名又は名称】坂井 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155871
【氏名又は名称】森廣 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【氏名又は名称】川口 嘉之
(72)【発明者】
【氏名】植野 大優
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】和久井 立
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恵利子
(72)【発明者】
【氏名】橘川 武史
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-135735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0309092(US,A1)
【文献】特開2006-115478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06F 3/0482
G06F 3/04842
G06F 3/0488
G03B 17/18
G03B 17/20
G03B 17/02
G03B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーからの第1の種別の操作に応じて、所定の設定対象における複数の設定の候補を示す候補群を表示するように制御し、所定の条件を満たすと前記候補群を非表示とするように制御する表示制御手段と、
前記第1の種別の操作に応じて、前記候補群を含む複数の候補から1つの設定を選択することにより、前記所定の設定対象を選択された設定に変更し、
前記候補群を表示している場合に、ユーザーからの、前記第1の種別とは異なる第2の種別の操作があったことに応じて、前記所定の設定対象を、予め前記第2の種別の操作と対応させた設定に変更するとともに、前記候補群の表示を、変更された設定に対応するように更新するように制御する制御手段と
、
を有
し、
前記制御手段は、
前記第1の種別の操作に応じて、変更前の設定に基づいて前記第1の種別の操作の操作量に応じた変更量で前記所定の設定対象の設定を変更し、
前記第2の種別の操作に応じて、変更前の設定に関わらず特定の設定に前記所定の設定対象の設定を変更するように制御する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記候補群を表示していない場合に、前記第2の種別の操作がされても、前記候補群を表示しないように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第1の種別の操作に応じて、前記候補群を画像に重畳して表示するように制御し、前記所定の条件を満たすと、前記画像の表示を継続したまま前記候補群を非表示とするように制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記第1の種別の操作と前記第2の種別の操作のいずれもが所定時間にないことを含む
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記所定の条件は、前記候補群を非表示とする第3の種別の操作があったことを含む
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
ユーザーからの複数の操作を受け付ける特定の操作部材をさらに有し、
前記第1の種別の操作と前記第2の種別の操作はいずれも、前記特定の操作部材が受け付ける
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記特定の操作部材は、操作面へのタッチ操作を検出できるタッチ操作部材であり、
前記第1の種別の操作は、前記操作面へタッチしてタッチ位置を移動するスライド操作であり、
前記第2の種別の操作は、前記操作面へタッチしてタッチ位置を移動させずにタッチを離す操作であるタップ操作である
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記所定の条件は、前記特定の操作部材に対するタッチが無く所定時間経過する
ことを含むことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
撮像手段と、
接眼ファインダーとを更に有し、
前記接眼ファインダーに接眼した状態で、当該電子機器のグリップ部を保持した手の指で前記特定の操作部材に対する前記第1の種別の操作及び前記第2の種別の操作が可能であり、
前記表示制御手段は、前記候補群を、前記接眼ファインダーの内部の表示手段において、前記撮像手段で撮像されているライブビュー画像に重畳して表示するように制御する
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記所定の設定対象は、ISO感度、シャッター速度、絞り値のいずれかである
ことを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記所定の設定対象は、複数の画像のうちの表示する画像である
ことを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記候補群は、前記複数の設定の候補を並べた目盛表示である
ことを特徴とする請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
ユーザーからの第1の種別の操作に応じて、所定の設定対象における複数の設定の候補を示す候補群を表示するように制御し、所定の条件を満たすと前記候補群を非表示とするように制御する表示制御ステップと、
前記第1の種別の操作に応じて、前記候補群を含む複数の候補から1つの設定を選択することにより、前記所定の設定対象を選択された設定に変更し、
前記候補群を表示している場合に、ユーザーからの、前記第1の種別とは異なる第2の種別の操作があったことに応じて、前記所定の設定対象を、予め前記第2の種別の操作と対応させた設定に変更するとともに、前記候補群の表示を、変更された設定に対応するように更新するように制御する制御ステップと
、
を有
し、
前記制御ステップでは、
前記第1の種別の操作に応じて、変更前の設定に基づいて前記第1の種別の操作の操作量に応じた変更量で前記所定の設定対象の設定を変更し、
前記第2の種別の操作に応じて、変更前の設定に関わらず特定の設定に前記所定の設定対象の設定を変更するように制御する
ことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至
12のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1乃至
12のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、および電子機器の制御方法、プログラム、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器の設定(変更)の手段として、ある設定項目(設定対象)の設定を操作量に応じて変更する操作と、当該設定項目に対して1つの予め定義された設定に変更する操作とを有する方法が提案されている。具体的には、操作量に応じて変更する操作では、例えば、電子機器の表示輝度を100nitから110nit、120nit、130nit、140nitの4つのいずれかの候補に変更できる。また、予め定義された設定に変更する操作では、例えば、操作量に応じて変更する操作において200nitという候補がなく、電子機器の現在の表示輝度がいかなる場合でも、表示輝度を200nitにすることができる。
【0003】
特許文献1では、設定値群の中から特定の設定値だけを操作量に応じて変更する操作と、設定値群を予め定義された設定に変更する操作とを有するパラメータ設定装置(電子機器)が提案されている。具体的には、パラメータ設定装置が備えるノブの回転量に応じて設定値を変更する個別モードと、選択可能なライブラリの一覧中の所定の設定値に変更する連動モードとが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、当該2つの変更操作をそれぞれ異なる表示画面において行う必要があるため、ユーザーが、一方の変更操作を行った後に他方の変更操作を行う場合に表示画面が切り替わってしまう。つまり、従来は、複数の異なる操作によって、同じ設定項目の設定をする場合に、設定の変更をユーザーが容易に把握することができないことがあった。
【0006】
したがって、本発明は、複数の異なる操作によって同じ項目の設定をする場合に、設定の変更をユーザーが容易に把握することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、
ユーザーからの第1の種別の操作に応じて、所定の設定対象における複数の設定の候補を示す候補群を表示するように制御し、所定の条件を満たすと前記候補群を非表示とするように制御する表示制御手段と、
前記第1の種別の操作に応じて、前記候補群を含む複数の候補から1つの設定を選択することにより、前記所定の設定対象を選択された設定に変更し、
前記候補群を表示している場合に、ユーザーからの、前記第1の種別とは異なる第2の種別の操作があったことに応じて、前記所定の設定対象を、予め前記第2の種別の操作と対応させた設定に変更するとともに、前記候補群の表示を、変更された設定に対応するように更新するように制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記第1の種別の操作に応じて、変更前の設定に基づいて前記第1の種別の操作の操作量に応じた変更量で前記所定の設定対象の設定を変更し、
前記第2の種別の操作に応じて、変更前の設定に関わらず特定の設定に前記所定の設定対象の設定を変更するように制御する
ことを特徴とする電子機器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の異なる操作によって同じ項目を設定する場合に、設定の変更をユーザーがより容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】本実施形態に係るデジタルカメラのブロック図。
【
図3】本実施形態に係るタッチバーに対する操作に応じた処理を示すフロー。
【
図4】本実施形態に係るタッチバーに対する操作を説明する図。
【
図5】本実施形態に係るタッチバーに対する操作による表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<デジタルカメラ100の外観図>
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1(a),1(b)に、本発明を適用可能な装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。
図1(a)はデジタルカメラ100の前面斜視図であり、
図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
【0011】
表示部28は、デジタルカメラ100の背面に設けられた表示部であり、画像や各種情報を表示する。タッチパネル70aは、表示部28の表示面(タッチ操作面)に対するタッチ操作を検出することができる。ファインダー外表示部43は、デジタルカメラ100の上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするデジタルカメラ100の様々な設定値を表示する。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部材である。モード切替スイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部材である。端子カバー40は、デジタルカメラ100を外部機器に接続する接続ケーブル等とのコネクタ(不図示)を保護するカバーである。
【0012】
メイン電子ダイヤル71は回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のONとOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は回転操作部材であり、サブ電子ダイヤル73を回すことで、選択枠(カーソル)の移動や画像送りなどが行える。4方向キー74は、上、下、左、右部分をそれぞれ押し込み可能に構成され、4方向キー74の押した部分に応じた処理が可能である。SETボタン75は、押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0013】
動画ボタン76は、動画撮影(記録)の開始や停止の指示に用いられる。AEロックボタン77は押しボタンであり、撮影待機状態でAEロックボタン77を押下することにより、露出状態を固定することができる。拡大ボタン78は、撮影モードのライブビュー表示(LV表示)において拡大モードのONとOFFを切り替えるための操作ボタンである。拡大モードをONとしてからメイン電子ダイヤル71を操作することにより、ライブビュー画像(LV画像)の拡大や縮小を行える。再生モードにおいては、拡大ボタン78は、再生画像を拡大したり、その拡大率を増加させたりするための操作ボタンとして機能する。再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替えるための操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することで再生モードに移行し、記録媒体200(後述)に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。メニューボタン81はメニュー画面を表示させる指示操作を行うために用いられる押しボタンであり、メニューボタン81が押されると各種の設定が可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザーは、表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向キー74やSETボタン75とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0014】
タッチバー82(マルチファンクションバー:M-Fnバー)は、タッチ操作を受け付けることが可能なライン状のタッチ操作部材(ラインタッチセンサー)である。タッチバー82は、通常の握り方(メーカー推奨の握り方)でグリップ部90を握った右手の親指でタッチ操作可能(タッチ可能)な位置に配置されている。タッチバー82は、タッチバー82に対するタップ操作(タッチして所定期間以内に移動せずに離す操作)、左右へのスライド操作(タッチした後、タッチしたままタッチ位置を移動する操作)などを受け付け可能な受付部である。タッチバー82は、タッチパネル70aとは異なる操作部材であり、表示機能を備えていない。
【0015】
通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150(後述;着脱可能)側と通信を行うための通信端子である。接眼部16は、接眼ファインダー17(覗き込み型のファインダー)の接眼部であり、ユーザーは、接眼部16を介して内部のEVF29(後述)に表示された映像を視認することができる。接眼検知部57は、接眼部16にユーザー(撮影者)が接眼しているか否かを検知する接眼検知センサーである。蓋202は、記録媒体200(後述)を格納するスロットの蓋である。グリップ部90は、ユーザーがデジタルカメラ100を構える際に右手で握りやすい形状とした保持部である。グリップ部90を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラ100を保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン61とメイン電子ダイヤル71が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル73とタッチバー82が配置されている。サムレスト部91(親指待機位置)は、デジタルカメラ100の背面側の、どの操作部材も操作しない状態でグリップ部90を握った右手の親指を置きやすい箇所に設けられたグリップ部材である。サムレスト部91は、保持力(グリップ感)を高めるためのラバー部材などで構成される。
【0016】
<デジタルカメラ100の構成ブロック図>
図2は、デジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、
図2では簡略して一枚のレンズのみで示している。通信端子6は、レンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行うための通信端子であり、通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、これら通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。そして、レンズユニット150は、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。また、レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によってAF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0017】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0018】
撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。撮像部22は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する撮像面位相差センサーを有していてもよい。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0019】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の処理(画素補間、縮小といったリサイズ処理、色変換処理、等)を行う。また、画像処理部24は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、システム制御部50は、画像処理部24により得られた演算結果に基づいて露光制御や測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理、等が行われる。画像処理
部24は更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0020】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介してメモリ32に書き込まれる。あるいは、A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24を介さずにメモリ制御部15を介してメモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28やEVF29に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0021】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28やEVF29に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28やEVF29により表示される。表示部28とEVF29のそれぞれは、LCDや有機EL等の表示器上で、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によってA/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ信号に変換し、表示部28またはEVF29に逐次転送して表示することで、ライブビュー表示(LV)が行える。以下、ライブビュー表示で表示される画像をライブビュー画像(LV画像)と称する。
【0022】
ファインダー外表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0023】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等である。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記録される。ここでいうプログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0024】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52は例えばRAMであり、システム制御部50は、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等をシステムメモリ52に展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0025】
システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0026】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出などを行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0027】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0028】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続された外部機器との間で、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。また、通信部54は、Bluetooth(登録商標)やBluetooth Low Energyでも外部機器と通信可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(LV画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
【0029】
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。姿勢検知部55である加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0030】
接眼検知部57は、接眼ファインダー17(以後、単に「ファインダー」と記載する)の接眼部16に対する目(物体)の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する(接近検知)、接眼検知センサーである。システム制御部50は、接眼検知部57で検知された状態に応じて、表示部28とEVF29の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。より具体的には、少なくとも撮影待機状態で、かつ、表示先の切替が自動切替である場合において、非接眼中は表示先を表示部28として表示をオンとし、EVF29は非表示とする。また、接眼中は表示先をEVF29として表示をオンとし、表示部28は非表示とする。接眼検知部57としては、例えば赤外線近接センサーを用いることができ、EVF29を内蔵するファインダー17の接眼部16への何らかの物体の接近を検知することができる。物体が接近した場合は、接眼検知部57の投光部(図示せず)から投光した赤外線が物体で反射して赤外線近接センサーの受光部(図示せず)で受光される。受光された赤外線の量によって、物体が接眼部16からどの距離まで近づいているか(接眼距離)も判別することができる。このように、接眼検知部57は、接眼部16への物体の近接距離を検知する接眼検知を行う。非接眼状態(非接近状態)から、接眼部16に対して所定距離以内に近づく物体が検出された場合に、接眼されたと検出するものとする。接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に、離眼されたと検出するものとする。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。なお、赤外線近接センサーは一例であって、接眼検知部57には、接眼とみなせる目や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサーを採用してもよい。
【0031】
操作部70は、ユーザーからの操作(ユーザー操作)を受け付ける入力部であり、システム制御部50に各種の動作指示を入力するために使用される。
図2に示すように、操作部70は、モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、電源スイッチ72、タッチパネル70a、タッチバー82、等を含む。また、操作部70は、その他の操作部材70bとして、メイン電子ダイヤル71、サブ電子ダイヤル73、4方向キー74、SETボタン75、動画ボタン76、AEロックボタン77、拡大ボタン78、再生ボタン79、メニューボタン81、等を含む。
【0032】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画撮影モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60より、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、表示された複数のモードのいずれかに、他の操作部材を用いて選択的に切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0033】
シャッターボタン61は、第1シャッタースイッチ62と第2シャッタースイッチ64を備える。第1シャッタースイッチ62は、シャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから、撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体200に書き込むまでの、一連の撮影処理の動作を開始する。
【0034】
タッチパネル70aと表示部28とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aは、光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成され、表示部28の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28の表示面上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザーが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を提供できる。システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
【0035】
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと、すなわちタッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)
・指やペンがタッチパネル70aをタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンがタッチパネル70aから離れた(リリースされた)こと、すなわちタッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)
【0036】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0037】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は
内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。そして、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定できる(スライド操作に続いてフリックがあったものと判定できる)。更に、複数箇所(例えば2点)を共にタッチして(マルチタッチして)、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものであってもよい。タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0038】
また、システム制御部50は、タッチバー82への以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチバー82にタッチしていなかった指が新たにタッチバー82にタッチしたこと、すなわちタッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)
・タッチバー82を指でタッチしている状態(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)
・指がタッチバー82をタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)
・タッチバー82へタッチしていた指がタッチバー82から離れた(リリースされた)こと、すなわちタッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)
・タッチバー82に何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)
【0039】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出された場合も、同時にタッチオンが検出される。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0040】
これらの操作・状態や、タッチバー82上に指がタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部50に通知され、システム制御部50は通知された情報に基づいてタッチバー82上にどのような操作(タッチ操作)が行なわれたかを判定する。タッチムーブについてはタッチバー82上での水平方向(左右方向)の移動を検知する。タッチ位置が所定距離以上移動(所定量以上移動)したことが検出された場合はスライド操作が行なわれたと判定するものとする。タッチバー82上に指をタッチし、スライド操作することなく、所定時間以内にタッチを離す操作があった場合に、タップ操作が行われたと判定するものとする。タッチバー82は、本実施形態では、静電容量方式のタッチセンサーであるものとする。ただし、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサー方式等、別の方式のタッチセンサーであってもよい。
【0041】
[デジタルカメラの表示動作について]
以下、本実施形態に係るデジタルカメラ100の表示動作を説明する。本実施形態では、システム制御部50は、タッチバー82に対するスライド操作(第1の種別の操作)が行われた後の所定の時間において、さらにタッチバー82に対するタップ操作(第2の種別の操作)が行われると、タップ操作により変更(設定)された設定をゲージ(候補群)に表示する。このことにより、本来はタッチバー82の操作面に対するスライド操作の際にのみ表示されるゲージ(メーター表示、目盛表示)に、タップ操作により変更された設定が表示されるため、ユーザーは、容易に設定の変更を把握することができる。
【0042】
以下、
図3が示すフローチャートを用いて本実施形態における、タッチバー82に対する操作に係る処理を詳細に説明する。なお、
図3が示すフローチャートは、システム制御部50が、不揮発性メモリ56から読み出したプログラムをシステムメモリ52に展開することにより実行される。デジタルカメラ100を撮影モードで起動すると、撮像部22によるライブビュー画像の撮像を開始し、表示部28またはEVF29に、
図5(a)に示すような撮影待機画面を初期表示する。
図5(a)では、ライブビュー画像(LV画像)500に重畳して、ISO感度表示領域502に現在設定されているISO感度を表示した例を示している。なお、他の撮影設定(シャッター速度、絞り値、露出補正値、画像サイズなど)を表示しても良い。ただし、初期状態では、後述するゲージ501は表示されない。撮影待機画面を表示した状態で、
図3の処理が開始される。また、システム制御部50は、
図3が示すフローチャートの処理を、撮影待機中に所定周期で繰り返し実行するものとする。なお、タッチバー82に対する操作がされたとき、タッチバー82に関してタッチオフの状態が所定時間経過したとき、タッチバー82以外の操作部70に対して操作がされたときなどに、このフローチャートの処理をシステム制御部50が開始してもよい。
【0043】
なお、本フローチャートでは、タッチバー82に対するスライド操作やタップ操作により、システム制御部50が、設定項目(設定対象)としてISO感度を変更(設定)する例を示す。なお、設定対象はISO感度に限るものではなく、他の設定対象にも本発明は適用可能である。例えば、デジタルカメラ100のシャッター速度、ホワイトバランス、ピントの対象または方式、絞り数値、AF(オートフォーカス)、ズーム倍率、音量の変更(設定)がされてもよい。また、再生して表示する画像の変更操作にも適用可能である。例えば、タッチバー82に対するスライド操作により複数の画像の選択肢の中から表示部28に表示する画像を1つ設定することができ、タップ操作により現在表示部28に表示されている画像の次の画像を全面表示することが設定できてもよい。なお、スライド操作で表示する画像を設定する際は、スライドの移動量に応じて、ファイル番号順において現在表示している画像の次の画像よりもさらに先の画像にも1回のスライド操作で切り替え可能であるものとする。また、タップ操作で表示する画像を設定する場合、タップ操作に応じて表示させる画像は、次の画像に限るものではない。10枚先の画像、100枚先の画像、次の撮影日の先頭の画像または同じ撮影日あるいは前の撮影日の先頭の画像を表示させる(つまりジャンプ再生)といったことも可能である。つまり、タッチバー82に対するスライド操作により複数の選択肢(候補)から1つの設定を選択でき、タッチバー82に対するタップ操作により予め対応された1つの設定ができればよい。
【0044】
S301において、システム制御部50は、タッチバー82に対するスライド操作が行われたか否かを判定する。スライド操作が行われたと判定した場合はS302に遷移し、スライド操作が行われていないと判定した場合はS306に遷移する。なお、このとき、システム制御部50は、タッチバー82における有効範囲内の指の移動量と移動方向を検知する。また、有効範囲の一例を
図4(a)の401に示す。なお、本実施形態では、タッチバー82における有効範囲をタッチバー82のタッチ検知面の全体としているが、それに限らず、例えば、タッチバー82の中央から所定の距離内としてもよいし、任意の範
囲としてもよい。
【0045】
S302において、システム制御部50は、現在のISO感度の設定値を含む(示す)ISO感度の設定値の候補群を示すゲージ501が表示部28に表示されているか否かを判定する。具体的には、システム制御部50は、例えば、
図5(b)のISO感度のゲージ501を非表示とする条件となるタイマーが満了しているか否かを判定する。満了している(計時していない)場合にはゲージ501は表示されておらず、満了せずに計時中であればゲージ501が表示中であると判定する。
図5(b)におけるISO感度のゲージ501には、選択可能(設定可能)なISO感度の設定値の候補が複数並んで表示されている。また、ゲージ501において縦線で刻まれた目盛のうち太線で描かれている箇所(すなわちゲージの中央)の上に示されている400という値が現在のISO感度の設定値である。ゲージ501が表示されていると判定した場合にはS304に遷移し、表示されていないと判定した場合にはS303に遷移する。なお、ゲージ501およびISO感度表示領域502は、撮像画像(LV画像)などの視認を阻害しないように、表示画面の中央ではなく、下や右などに表示されることが望ましい。
【0046】
S303において、システム制御部50は、ゲージ501の表示部28またはEVF29への表示を開始する。ISO感度が200に設定されている状態から、右から左にスライド操作が行われたことによってゲージ501が表示された状態の表示例を
図5(b)に示す。ゲージ501は、タッチバー82に対するスライドが行われたことに応じて表示開始される。そして、スライドが右に(タッチ位置が左から右に移動する操作)行われれば、ゲージ501もスライドに応答して右にスクロールして移動する様子が見て取れるアニメーション表示をする。これによってゲージ中の各数値、目盛は右から左に移動し、ゲージ501の中央に位置する目盛に対応する値が順次増加する。逆に、左から右にスライド操作が行われると、ゲージ501もスライドに応答して左から右にスクロールして移動するようにアニメーション表示される。これによってゲージ中の各数値と目盛は左から右に移動し、ゲージ501の中央に位置する目盛に対応する値が順次減少する。設定値は中央に位置する目盛に対応する数値となるように、スライドの移動量に応じて順次変更される。すなわち、設定値の変更量はスライドの移動方向と移動量に応じる。例えば、
図5(a)に示すようにゲージ501が表示されていない状態でISO感度が200に設定されている場合に左に小さい移動量のスライド操作を行う。すると、ゲージ501が表示され、中央に位置する値が200から400まで移動するようにスクロール表示され、
図5(b)に示すISO感度が400に設定された状態となる。その状態からタッチを離さずに更にスライドの移動量を増加させ、タッチ位置を左に移動すると、ISO感度の設定値は400と1/3段、400と2/3段、800、800と1/3段、800と2/3段…と順次増加していく。ユーザーは所望の設定値に設定されたことをゲージ501で確認すると、タッチを離し、設定値を確定する。スライドの移動量が大きければ、ISO感度が200に設定された状態から1回のスライド操作で、ISO感度を3200(表示開始時点のゲージ501に含まれていない設定値候補)まで変更することも可能である。また、1回のスライド操作で変更可能な最大量よりも大きく設定値を変更させたい場合(例えばI
SO感度200から12800に変更したい場合)には、同じ方向へのスライド操作を何
回か繰り返すことで変更可能である。なお、スライド操作に応じた設定値の変更は後述するS304、ゲージ501のアニメーション表示はS305で行われることであるが、設定値の変更とゲージ501の表示更新は実質的には同時に行われる。
【0047】
S304において、システム制御部50は、タッチバー82へのスライドに応じたISO感度の設定値を変更する。なお、ISO感度の設定値の変更量は、上述したように、スライド操作での、タッチバー82における有効範囲内の指の移動量と移動方向に依存する。すなわち、設定変更前の設定値に基づいて、設定変更前の設定値を起点としてスライド操作に応じた変更量で設定値を変更する。具体的には、システム制御部50は、ゲージ5
01に表示される、変更前の設定値を含む複数の設定の候補(候補群、ゲージ501に縦線で示される表示される各目盛に対応)を含む複数の候補から1つを選択することで設定値を変更(設定)する。
【0048】
S305において、システム制御部50は、スライド操作に応じて、設定されたISO感度の設定値に対応する目盛が中央に位置するように、表示されているゲージ501をスクロール表示して更新する。
図5(b)は、スライド操作によってISO感度を400に設定した場合の表示例である。ゲージ501の中央に設定された値である400に対応する目盛が位置するようにスクロールされる。また、ISO感度表示領域502の値も、設定された設定値である400を表示するように、ゲージ501のスクロールに連動して表示が更新される。なお、後述するタップでの設定値変更の場合とは異なり、スライドによる設定値変更の場合にはISO感度表示領域502の強調表示は行わない。これは、スライドの操作中はユーザーはゲージ501に注目していると想定されるため、ゲージ501の中央部分の表示を見て変更された設定値を確実に認識できるためである。また、ゲージ501と異なる領域が強調表示されてしまうと、注意がゲージ501から逸れ、ゲージ501を見ながらの操作が行いにくくなるため、それを防止する目的もある。S304の設定値の変更と、S305でのゲージ501の表示更新は、タッチが継続している限り、スライドの移動に追従して繰り返し行われる。従ってユーザーは、ゲージ501の表示をみることで、スライド操作の移動量に応じて設定値が変更されていく様子を確認することができる。またユーザーは、スライドによって所望の値まで設定値が変更されたか否かを確認しながら、スライドの移動量を調整して操作することができる。またゲージ501は、ユーザーがファインダー17に接眼している場合にはEVF29に表示される。また、タッチバー82は、グリップ部90を持つ右手の親指で操作しやすい位置に配置されている。従って、ファインダー17を覗きこんでいる撮影姿勢であっても、タッチバー82を見ずにEVF90に表示されたゲージ90を見ながら、タッチバー82へのスライド操作をすることで、ユーザーの設定したい設定値に操作性良く設定することができる。スライド操作の後にタッチが離されると、ゲージ501を自動的に非表示とするまでの無操作時間を計測するタイマー(例えば2秒)の計時を開始する。
【0049】
S306において、システム制御部50は、タッチバー82に対してタップ操作が行われたか否かを判定する(右タップまたは左タップが行われたか否かを判定する)。タップ操作が行われたと判定した場合はS307に遷移し、タップ操作が行われていないと判定した場合はS313に遷移する。なお、タップ操作があったとしても、右タップでも左タップでもない場合には、S306ではNoと判定し、S313に進む。
【0050】
S307において、システム制御部50は、タッチバー82対するタップ操作が左タップなのか、もしくは右タップなのかを判定する。左タップとは、タッチバー82に指をタッチし、スライド操作することなく、所定の時間以内にタッチを離す操作であるタップ操作がタッチバー82の左側(接眼部16側)で行われる操作である。具体的には、
図4(b)の左側領域402(タッチバー82のタッチ検知面のうち中央よりも左側の領域)にタップ操作がされるものが左タップである。一方、右タップとは、タッチバー82の右側へのタップ操作であり、具体的には
図4(b)の右側領域403(タッチバー82のタッチ検知面のうち中央よりも右側の領域)にタップ操作がされる操作である。タッチバー82に対して左タップが行われたと判定した場合はS308に遷移し、そうでない場合(右タップが行われたと判定した場合)はS309に遷移する。
【0051】
S308において、システム制御部50は、タッチバー82に対する左タップに応じた機能(左タップ処理)によってISO感度の設定値を変更する。具体的には、システム制御部50は、ISO感度の設定値に対して、予め左タップと対応させた変更(設定)をする。例えば、ユーザーが予め、左タップに対応する機能として、ISO感度の設定値を3
200に設定する処理を予め割り当てておくことで、S308において、システム制御部50はISO感度の設定値を3200に設定する。この場合、左タップの行われる前に設定されていたISO感度の設定値に関わらず、左タップに応じてISO感度は3200に設定される。すなわち、左タップの行われる前にISO感度が12800に設定されていたとしても、左タップを行えば、他の設定値を経由することなく、3200にジャンプして設定可能である。また、仮に左タップに対応する設定値をISO感度12800としていた場合、ISO感度200に設定されている状態で左タップが行われると、ISO感度が12800に設定される。すなわち、スライドであれば何回かスライド操作を行わなければ設定出来ない設定値へも、1回のタップ操作で変更することができる。
【0052】
S309において、システム制御部50は、タッチバー82に設定される右タップに応じた機能(右タップ処理)によってISO感度の設定値を変更する。具体的には、システム制御部50は、ISO感度の設定値に対して、予め右タップに対応する設定値として割り当てた設定値に変更(設定)をする。例えば、右タップにISOオート(AUTO)が割り当てられていた場合、右タップに応じて、右タップの行われる前に設定されていたISO感度に関わらず、ISOオート(AUTO)に変更する。なお、左タップおよび右タップに割り当てる設定値は、固定の値でも良いが、ユーザーが予め設定しておくことができるようにしても良い。例えば、ISO感度の設定値のAUTO、上限値(常用外)、常用ISO感度の中の上限値、最低値等を、左タップや右タップに割り当てることができる。このように割り当てることで、スライド操作を何度も行うことなく、1回のタップ操作で、タップ操作に割り当てられた特定の設定値に設定できる。
【0053】
S310において、システム制御部50は、表示部28に表示されているISO感度表示領域502でのISO感度の設定値の表示色を強調色に変更する。ゲージ501が表示されていない場合にタップ操作によって変更されたISO感度の設定値が強調表示される場合の画面の表示例を
図5(c)に示す。
図5(c)は、
図5(a)の状態から左タップが1回行われ、左タップに割り当てられたISO感度3200に設定した場合の表示例である。システム制御部50は、タップ操作の前には
図5(a)が示すようにISO感度表示領域502が白背景かつ黒文字であるものを、タップ操作が行われることで、表示される設定値を変更するとともに、
図5(c)が示すようにISO感度表示領域502を黒背景かつ白文字に変更する。ゲージ501を表示していなかった場合は、タップ操作によって何の設定値が変更されたのかユーザーが確認し難い。そのため、ISO感度表示領域502の強調表示によって、タップ操作に応じてISO感度の設定値が変更されたことをユーザーが確実に認識させる。なお、ISO感度表示領域502における背景色および文字色は任意の色でよいが、例えばタップ操作前の文字色を白色にしてタップ操作後の文字色をオレンジ色にするなど、タップ操作後の色の方がタップ操作前の色よりも目立つようにすることが望ましい。
【0054】
S311において、システム制御部50は、タップ操作によって変更される設定項目(設定対象)と同じ設定項目を示すゲージが表示部28に表示されているか否かを判定する。この判定は、S302の判定と同様である。本実施形態では、設定項目はISO感度の設定値であるため、システム制御部50は、ゲージ501が表示部28に表示されているか否かを判定する。ゲージ501が表示されていると判定した場合はS312に遷移し、ゲージ501表示されていないと判定した場合は本フローチャートにおける処理を終了する。従って、表示部28にゲージ501が表示されていない状態において、タッチバー82に対してタップ操作がされた場合、
図5(c)に示すように、表示部28にゲージ501を表示することなく設定値を変更し、ISO感度表示領域502の表示を更新する。
【0055】
S312において、システム制御部50は、表示部28に表示されているゲージ501を、タップ操作により変更されるISO感度の設定値に応じて更新する。より詳しくは、
タップ操作によって変更された設定値に対応する目盛がゲージ501の中央に位置するように、ゲージ501をスクロールするアニメーション表示を行う。
図5(d)に、
図5(b)のようにゲージ501が表示されている場合に左タップが1回行われ、左タップに割り当てられたISO感度3200に設定した場合の表示例を示す。この場合、
図5(b)の状態から、ゲージ501に表示された各設定値候補の数値、目盛が左にスクロールしていき、
図5(d)の表示状態となる。同時に、ISO感度表示領域502に表示される数値が3200に変更され、強調表示される。これによって、タップ操作によって変更された設定値が、スライドで設定していた設定項目と同じ設定項目であり、スライドで設定可能な選択肢の群の中に存在する設定値であることをユーザーに認識させることができる。すなわち、スライド操作とタップ操作で変更される設定値の関係をユーザーに直感的に理解させることができる。仮に、ゲージ501が表示されている場合にタップ操作があった場合に、ゲージ501を更新せずにISO感度の設定値だけ変更してしまうと、スライドとタップで設定される設定項目が同じであることをユーザーが理解できない可能性がある。例えば、スライドによってISO感度を200から400に変更した後、タップによって3200に変更した場合に、ユーザーがISO感度はまだスライドで設定された400のままであると誤認するおそれがある。すなわち、タップで変更された設定は、スライドで変更した設定とは異なる何か他の設定項目であるとユーザーが誤認するおそれがある。あるいは、同じ設定項目が変更されたと理解しているユーザーにとっては、ゲージ501がスクロールしないことに違和感を感じる可能性がある。これらの問題に対し、S312の処理によって、ゲージ501が表示中であった場合にはタップ操作で設定値を変更した場合にもゲージ501でスクロールするアニメーション表示が行われることにより、上述の問題を防止することができる。
【0056】
一方で、S311において、システム制御部50が、表示部28にゲージ501が表示されていないと判定した場合には、上述のように、新たにゲージ501が表示部28に表示されることはない。そのため、ゲージ501が表示されることによるLV画像500の視認性の阻害を防ぐことができる。タップによって設定値を特定の値に設定する場合には、スライドのようにゲージ501を見ながらスライドの移動量を調整して所望の値に調整する、といった操作量の調整を行う必要はない。従って、ゲージ501が表示されていなかった場合にはゲージ501は表示せずに、LV画像500の視認性を妨げないことを優先する。
【0057】
S313において、システム制御部50は、表示部28にゲージ501が表示されているか否かを判定する。ゲージ501が表示されていると判定した場合はS314に遷移し、表示されていないと判定した場合は本フローチャートの処理を終了する。なお、S305またはS312における処理が行われている場合には、表示部28にゲージ501が表示されていることが分かるため、S313における処理をせずに、処理工程はS314に遷移してもよい。
【0058】
S314~S316では、ゲージ501の表示を消すための条件が満たされたか否かの判定である。
S314において、システム制御部50は、タッチバー82以外の操作部70の各操作部材が操作されたか否かを判定する。この判定は、タッチバー82以外の操作部70の各操作部材が操作されている場合に、システム制御部50がゲージ501を非表示にするために行われている。タッチバー82以外の操作部70が操作されたと判定した場合はS317に遷移し、操作されていないと判定した場合はS315に遷移する。例えば、メイン電子ダイヤル71の回転操作でもISO感度を変更することが可能である。そして、メイン電子ダイヤル71に対する操作があった場合に、ISO感度の設定値を変更するとともに、ゲージ501の表示を消して非表示とする。つまり、タッチバー82に対するスライド操作とタップ操作によって変更(設定)することができる設定項目を、他の操作部材に
おいて変更(設定)する操作が行われた場合には、システム制御部50はゲージ501を非表示にする。
【0059】
S315において、システム制御部50は、タッチバー82がタッチオフ(無操作)の状態であるか否かを判定する。タッチオフの状態であると判定される場合はS316に遷移し、タッチオフの状態でないと判定される場合はフローチャートの処理を終了する。
【0060】
S316において、システム制御部50は、タッチバー82がタッチオフの状態に変化してから所定の時間(所定時間)以上、例えば2秒以上、タッチバー82へのタッチ操作が行われないまま経過したか否かを判定する。所定の時間以上経過したと判定した場合はS317に遷移し、所定の時間経過していないと判定した場合はフローチャートの処理を終了する。ここでは、システム制御部50は、ユーザーの指やペンがタッチバー82から離れた状態であるタッチオフからの経過時間で判定しているが、タッチバー82に対する直近のスライド操作もしくはタップ操作からの経過時間で判定してもよい。なお、所定の時間は、ユーザーが予め設定した時間であってもよいし、ユーザーの年齢が高いほどまたは低いほど長く設定されてもよいし、過去のある所定期間におけるユーザーのタッチバー82に対する誤操作が高頻度なほど長く設定されてもよい。つまり、ゆっくり操作するユーザーに対しては、表示部28がゲージ501を長時間表示するようにして、設定変更の把握をより確実にしてもよい。
【0061】
S317において、システム制御部50は、ゲージ501を非表示にする。つまり、システム制御部50は、タッチバー82に対してスライド操作またはタップ操作が行われていない時間が所定の時間以上経てば、ゲージ501を非表示にする。もしくは、システム制御部50は、ユーザーの指やペンとタッチバー82との接触を検出しなくなってから、所定の時間以上経てば、ゲージ501を非表示にする。また、システム制御部50は、タッチバー82に以外の操作部70に対する操作がされる場合も、ゲージ501を非表示にする。これらにより、ゲージ501の表示によりユーザーの表示画像の視聴(確認)を阻害することを抑えることができる。なお、当然のことであるが、S317において、システム制御部50は、ゲージ501以外の表示は非表示にしない。つまり、システム制御部50は、表示部28に表示されているLV画像などは非表示にはしない。従って、S317における処理は、いわゆるスクリーンセーバやオートシャットダウンとは異なる。
【0062】
なお、上述の実施形態では、スライド操作に応じて特定の設定対象の設定(ISO感度の設定)を所定の分解能で順次変更し(例えば1/3段刻みで順次変更し)、タップ操作に応じて同じ特定の設定対象の設定値を特定の設定に変更する例を説明した。しかしこれに限るものではなく、タップ操作に応じて特定の設定対象に設定するのではなく、タップ操作に応じて、スライドで変更可能な設定値の分解能より粗い分解能で設定値を変更する場合にも適用可能である。例えば、スライド操作に応じたISO感度の設定値の最小変更単位を1/3段刻みとして、スライド操作に応じて1/3段ずつ順次切り替る。また、左タップに応じてISO感度を現在の設定値より1段低い値に設定し、右タップに応じてISO感度を現在の設定値よりも1段高い値に設定する。このような操作種別に対する機能割当とした場合にも本発明を適用可能である。また、タップ操作はタッチバー82に対する位置に応じて左タップと右タップの2種類を異なる操作種別として判別する例を説明したが、これに限るものではない。タップを1種類とし、タッチバー82に対するタッチ位置に関わらずタップが行われた場合には同じ操作種別であるタップ(左右の区別は無し)として扱っても良い。
【0063】
また、本実施形態は、デジタルカメラ100に限らず、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット端末、VR(Virtual Reality)装置などの電子機器に適用可能である。従って、複数の設定候補から1つの設定を選択できれば、スライ
ド操作でなくてもよく、例えば、レバーの位置を変更させる操作、ホイールを回転させる、電子機器を傾けるなどの電子機器が備える部材に応じた操作でよい。また、操作と対応するように予め決定した1つの設定ができれば、タップ操作である必要もなく、所定のボタンを押下する、所定のスイッチをオン/オフと切り替える、電子機器を上下に振る操作などの電子機器が備える部材に応じた操作でよい。したがって、例えば、VR装置において、ヘッドセットを所定方向に傾けると、傾きの角度に応じて設定候補から1つの設定が選択され、ヘッドセットを振る(前後振動等する)と予め決定した1つの設定にされるようにすれば、本実施形態は適用可能である。なお、このような、VR装置におけるヘッドギア(ゴーグル)による操作は、ヘッドギアの位置の安定性が悪いことから、ユーザーの誤操作が特に生じやすい。そのため、本実施形態による誤操作をユーザーに把握させることができるという効果が、このようなVR装置では他の電子機器に比べて増大する。さらには、例えば、ユーザーの目の動きを捉えるセンサを備え、設定候補が表示された画面の当該候補のうち1つをユーザーが一定時間T1以上見ることで1つの設定ができ、一定時間T2以上目を閉じれば予め決定した設定がされる電子機器でも適用可能である。
【0064】
また、本実施形態では、スライド操作とタップ操作を同じ操作部材であるタッチバー82に対して行っているため、例えば、デジタルカメラ100を手に持ちながらも、その手の1つの指でスライド操作とタップ操作との両方の操作が容易に可能である。また、タッチバー82はライン状の操作部材であり、当該ライン状に沿った方向(水平方向)のスライド操作しか物理的にできない(させない)ため、ユーザーがタッチバー82と指の関係を視覚的に確認することなくスライド操作とタップ操作が可能である。しかし、これには限定されず、スライド操作とタップ操作がそれぞれ異なる操作部材に行われてもよい。さらには、本実施形態では、スライド操作とタップ操作とが表示部28やファインダー外表示部43などの表示手段ではないタッチバー82に行われるため、画面表示を阻害することなくユーザーがスライド操作やタップ操作を行うことができる。しかし、これには限定されず、例えば、表示部28に対してスライド操作やタップ操作が行われてもよい。
【0065】
以上によれば、1つの操作をした後のゲージが表示されている期間に、他の操作によって同じ設定項目の設定を変更する場合には、他の操作によって変更した設定が当該ゲージに表示されることで、設定の変更をユーザーがより容易に把握することができる。また、タッチバーがタッチオフの状態にされた時点から所定の時間のみ、当該ゲージが表示されるため、ユーザーの画像の確認の阻害を抑制することができる。
【0066】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、電子機器(装置)全体の制御を行ってもよい。
【0067】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0068】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラに適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、複数の操作によって同じ設定項目の設定が可能である電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダー、VR装置などに適用可能である。
【0069】
また、電子機器本体に限らず、有線または無線通信を介して電子機器(ネットワークカ
メラを含む)と通信し、電子機器を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。電子機器を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から電子機器に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、電子機器を遠隔から制御可能である。また、電子機器で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0070】
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0071】
100 デジタルカメラ、28 表示部、50 システム制御部、82 タッチバー