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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】オブジェクト検出装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/87 20060101AFI20221205BHJP
   G01S 7/02 20060101ALI20221205BHJP
   G01S 7/32 20060101ALI20221205BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20221205BHJP
   G01S 13/95 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G01S13/87
G01S7/02 212
G01S7/32 210
G01S13/931
G01S13/95
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018148378
(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2019113521
(43)【公開日】2019-07-11
【審査請求日】2020-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0178612
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 在 燮
(72)【発明者】
【氏名】崔 成 ▲ど▼
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 毅
(72)【発明者】
【氏名】金 東 漢
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0309041(US,A1)
【文献】特開2012-101620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0298656(US,A1)
【文献】国際公開第2014/147980(WO,A1)
【文献】特開2008-309561(JP,A)
【文献】特開2012-101621(JP,A)
【文献】特開2011-113413(JP,A)
【文献】特開2005-043201(JP,A)
【文献】特開2014-052347(JP,A)
【文献】特開2015-072636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 -13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクト検出方法において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサとは異なる第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップであって、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定する、ステップと、
前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップと、
を含み、前記気象状態を決定するステップは、
前記第2レーダーセンサが、地表面に対して或る角度を成す上昇方向に向かって前記基準信号を放射するステップと、
前記第1レーダーセンサが、前記上昇方向から前記基準信号を受信するステップと、
を含み、
前記オブジェクトを検出するステップは、
前記第2レーダーセンサが、地表面に対して前記或る角度より小さな角度を成す下降方向に向かって前記対象信号を放射するステップと、
前記第1レーダーセンサが、前記下降方向から前記対象信号を受信するステップと、
を含む、オブジェクト検出方法。
【請求項2】
前記気象状態を決定するステップは、前記基準信号に対して測定されたノイズフロアが悪天候の閾値を超えたことに応答して、前記気象状態を悪天候状態として決定するステップを含む、請求項1に記載のオブジェクト検出方法。
【請求項3】
前記気象状態を決定するステップは、
初期状態で前記第2レーダーセンサから放射された初期信号に対してノイズフロアを測定するステップと、
前記初期信号に対するノイズフロアに対応する値を前記悪天候の閾値に決定するステップと、
を含む、請求項に記載のオブジェクト検出方法。
【請求項4】
オブジェクト検出方法において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサとは異なる第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップであって、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定する、ステップと、
前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップと、
を含み、前記気象状態を決定するステップは、
前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域及び前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域によって形成される初期検出領域から障害物が検出されたことに応答して、前記初期検出領域より狭い検出領域に対して前記基準信号の信号レベルを測定するステップと、
前記初期検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルから前記狭い検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルを差し引くことによって、前記基準信号に対するノイズフロアを決定するステップと、
を含む、オブジェクト検出方法。
【請求項5】
前記オブジェクトを検出するステップは、
前記気象状態が悪天候状態として決定された場合に応答して、前記悪天候状態で測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップと、
前記対象信号の信号レベルが前記閾値レベルを超えたことに応答して、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される検出領域にオブジェクトが存在するものと決定するステップと、
を含む、請求項1ないしのうち何れか一項に記載のオブジェクト検出方法。
【請求項6】
オブジェクト検出方法において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサとは異なる第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップであって、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定する、ステップと、
前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップと、
を含み、前記オブジェクトを検出するステップは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサの送信ビームパターン及び/又は受信ビームパターンのビーム幅を減少させるステップを含む、オブジェクト検出方法。
【請求項7】
オブジェクト検出方法において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサとは異なる第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップであって、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定する、ステップと、
前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップと、
を含み、前記オブジェクトを検出するステップは、
前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサのインテグレーション時間を増加させるステップと、
前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップと、
を含む、オブジェクト検出方法。
【請求項8】
オブジェクト検出方法において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサとは異なる第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップであって、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定する、ステップと、
前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップと、
を含むオブジェクト検出方法。
前記オブジェクトを検出するステップは、
前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記第1レーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアに残りのレーダーセンサにより測定された前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合するステップと、
前記併合されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップと、
を含む、オブジェクト検出方法。
【請求項9】
前記第2レーダーセンサは、予め決定されたコードを含む信号を放射するステップと、
前記第1レーダーセンサは、前記第2レーダーセンサから前記予め決定されたコードを含む信号を受信し、他のレーダーセンサからの残りの信号は排除するステップと、
をさらに含む、請求項1ないしのうち何れか一項に記載のオブジェクト検出方法。
【請求項10】
前記上昇方向は地面と第1角度を形成する方向に対応し、
前記下降方向は前記地面と第2角度を形成する方向に対応し、
前記第1角度は前記第2角度よりも大きい、請求項に記載のオブジェクト検出方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のうち何れか一項に記載のオブジェクト検出方法をオブジェクト検出装置のコンピュータに実行させるための命令語を含むコンピュータプログラム。
【請求項12】
オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置された複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
前記複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されており、
前記第2レーダーセンサは、地表面に対して或る角度を成す上昇方向に向かって前記基準信号を放射し、
前記第1レーダーセンサは、前記上昇方向から前記基準信号を受信し、
前記第2レーダーセンサは、地表面に対して或る角度を成す下降方向に前記対象信号を放射し、
前記第1レーダーセンサは、前記下降方向から前記対象信号を受信する、オブジェクト検出装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記基準信号に対して測定されたノイズフロアが悪天候の閾値を超えたことに応答して、前記気象状態を悪天候状態として決定する、請求項12に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項14】
前記第1レーダーセンサは、初期状態で前記第2レーダーセンサから放射された初期信号に対してノイズフロアを測定し、
前記プロセッサは、前記初期信号に対するノイズフロアに対応する値を前記悪天候の閾値に決定する、請求項13に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項15】
オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置された複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
前記複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されており、
前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域及び前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域によって形成される初期検出領域から障害物が検出されたことに応答して、前記初期検出領域より狭い検出領域に対して前記基準信号の信号レベルを測定し、
前記プロセッサは、前記初期検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルから前記狭い検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルを差し引くことによって、前記基準信号に対するノイズフロアを決定する、オブジェクト検出装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記悪天候状態で測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定し、前記対象信号の信号レベルが前記閾値レベルを超えたことに応答して、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される検出領域にオブジェクトが存在するものと決定する、請求項12ないし15のうち何れか一項に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項17】
オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置された複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
前記複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されており、
前記複数のレーダーセンサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサの送信ビームパターン及び/又は受信ビームパターンのビーム幅を減少させる、オブジェクト検出装置。
【請求項18】
オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置された複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
前記複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されており、
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサのインテグレーション時間を増加させ、前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定する、オブジェクト検出装置。
【請求項19】
オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置された複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
前記複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されており、
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記第1レーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアに残りのレーダーセンサにより測定された前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合し、前記併合されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定する、オブジェクト検出装置。
【請求項20】
前記第2レーダーセンサは、
予め決定されたコードを含む信号を放射し、
前記第1レーダーセンサは、
前記第2レーダーセンサから前記予め決定されたコードを含む信号を受信して残りの信号は排除する、請求項12ないし15のうち何れか一項に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項21】
前記レーダーセンサのそれぞれは、各レーダーセンサを排除した前記レーダーセンサのうちレーダーセンサから送信された反射した信号を受信する、請求項12ないし20のうち何れか一項に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項22】
前記レーダーセンサのそれぞれは、1つ以上の該当タイムスロットで時系列的に動作し、前記各レーダーセンサは他のタイムスロットで不活性化される、請求項12ないし20のうち何れか一項に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記基準信号のビーム方向を変更すること、前記基準信号のビーム幅を調整すること、又は、ビームパターン領域を変更することのいずれか1つ又は2以上の組合せに基づいて前記狭い検出領域に前記初期検出領域を変更する、請求項15に記載のオブジェクト検出装置。
【請求項24】
関心オブジェクト検出装置において、
互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサであって、第2レーダーセンサと前記第2レーダーセンサから放出された信号を受信する第1レーダーセンサとを少なくとも含む複数のレーダーセンサと、
ヘッドアップディスプレイと、
前記第2レーダーセンサから地表面に対して或る角度を成す上昇方向に放出された基準信号に応答して、前記第1レーダーセンサにより測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル及び前記決定された気象状態に対応する閾値レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出し、前記ヘッドアップディスプレイを介して前記オブジェクトを出力するプロセッサであって、前記対象信号は、前記第2レーダーセンサによって、地表面に対して前記或る角度より小さな角度を成す下降方向に放出される、プロセッサと、
を含み、前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサの受信ビームパターン領域と前記第2レーダーセンサの送信ビームパターン領域とが重なる検出領域において前記基準信号を測定するように構成されている、関心オブジェクト検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、オブジェクトを検出する装置及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
レーダーは、オブジェクトを検出及び分析するために用いられることが可能である。また、レーダーは、オブジェクトの動きを検出及び分析するために用いられることも可能である。レーダーは、衛星や軍事用などの様々なプラットフォームに搭載されることが可能である。最近におけるレーダーは、車両にも搭載されて映像を分析するために活用される。特に、レーダーは、自律走行車両に実装されて使用されることが可能である。自律走行車両は、速い速度で周辺環境及びオブジェクトを検出して反応しなければならないため、レーダーの搭載方式及び映像処理方式は、自律走行車両の関連技術分野で重要な課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置の目的は、レーダーセンサを用いて気象状態を決定することにある。
【0004】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置の他の目的は、決定された気象状態に応じてオブジェクトを検出するための閾値を変更することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るオブジェクト検出方法は、互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうちの第1レーダーセンサにより、前記複数のレーダーセンサから第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定するステップと、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するステップとを含む。
【0006】
前記気象状態を決定するステップは、前記第1レーダーセンサは、上昇方向から前記基準信号を受信するステップと、前記第2レーダーセンサは、前記上昇方向に向かって前記基準信号を放射するステップとを含み、前記オブジェクトを検出するステップは、前記第1レーダーセンサは、下降方向から前記対象信号を受信するステップと、前記第2レーダーセンサは、前記下降方向に向かって前記対象信号を放射するステップとを含み得る。
【0007】
前記気象状態を決定するステップは、前記基準信号に対して測定されたノイズフロアが悪天候の閾値を超えたことに応答して、前記気象状態を悪天候状態として決定するステップを含み得る。
【0008】
前記気象状態を決定するステップは、初期状態で前記第2レーダーセンサから放射された初期信号に対してノイズフロアを測定するステップと、前記初期信号に対するノイズフロアに対応する値を前記悪天候の閾値に決定するステップとを含み得る。
【0009】
前記気象状態を決定するステップは、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される初期検出領域から障害物が検出されたことに応答して、狭い検出領域に対して前記基準信号の信号レベルを測定するステップと、前記初期検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルから前記狭い検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルを差し引くことによって、前記基準信号に対するノイズフロアを決定するステップとを含み得る。
【0010】
前記オブジェクトを検出するステップは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記悪天候状態で測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップと、前記対象信号の信号レベルが前記閾値レベルを超えたことに応答して、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される検出領域にオブジェクトが存在するものと決定するステップとを含み得る。
【0011】
前記オブジェクトを検出するステップは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサのビーム幅を減少させるステップを含み得る。
【0012】
前記オブジェクトを検出するステップは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサのインテグレーション時間を増加させるステップと、前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップとを含み得る。
【0013】
前記オブジェクトを検出するステップは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記第1レーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアに残りのレーダーセンサにより測定された前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合するステップと、前記併合されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定するステップとを含み得る。
【0014】
一実施形態に係るオブジェクト検出方法は、前記第2レーダーセンサは、予め決定されたコードを含む信号を放射するステップと、前記第1レーダーセンサは、前記第2レーダーセンサから前記予め決定されたコードを含む信号を受信し、他のレーダーセンサからの残りの信号は排除するステップとをさらに含み得る。
【0015】
一実施形態に係るオブジェクト検出方法は、前記上昇方向は地面と第1角度を形成する方向に対応し、前記下降方向は前記地面と第2角度を形成する方向に対応し、前記第1角度は前記第2角度よりも大きくてもよい。
【0016】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置は、互いに離隔して配置され、第2レーダーセンサから放射された信号を受信する第1レーダーセンサを含む複数のレーダーセンサと、前記複数のレーダーセンサのうち第1レーダーセンサにより前記第2レーダーセンサから放射された基準信号に対して、測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記決定された気象状態に対応する閾値レベル及び前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出するプロセッサとを含む。
【0017】
オブジェクト検出装置は、前記複数のレーダーセンサのうち前記第1レーダーセンサは上昇方向から前記基準信号を受信し、下降方向から前記対象信号を受信し、前記複数のレーダーセンサのうち前記第2レーダーセンサは前記上昇方向に前記基準信号を放射し、前記下降方向に前記対象信号を放射し得る。
【0018】
前記プロセッサは、前記基準信号に対して測定されたノイズフロアが悪天候の閾値を超えたことに応答して、前記気象状態を悪天候状態として決定し得る。
【0019】
前記第1レーダーセンサは、初期状態で前記第2レーダーセンサから放射された初期信号に対してノイズフロアを測定し、前記プロセッサは、前記初期信号に対するノイズフロアに対応する値を前記悪天候の閾値に決定し得る。
【0020】
前記第1レーダーセンサは、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される初期検出領域から障害物が検出されたことに応答して、狭い検出領域に対して前記基準信号の信号レベルを測定し、前記プロセッサは、前記初期検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルから前記狭い検出領域から測定された前記基準信号の信号レベルを差し引くことによって、前記基準信号に対するノイズフロアを決定し得る。
【0021】
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記悪天候状態で測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定し、前記対象信号の信号レベルが前記閾値レベルを超えたことに応答して、前記第1レーダーセンサ及び前記第2レーダーセンサによって形成される検出領域にオブジェクトが存在するものと決定し得る。
【0022】
前記複数のレーダーセンサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答してビーム幅を減少させ得る。
【0023】
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記複数のレーダーセンサのインテグレーション時間を増加させ、前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定し得る。
【0024】
前記プロセッサは、前記気象状態が悪天候状態として決定されたことに応答して、前記第1レーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアに残りのレーダーセンサにより測定された前記インテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合し、前記併合されたノイズフロアを前記閾値レベルとして決定し得る。
【0025】
前記第2レーダーセンサは、予め決定されたコードを含む信号を放射し、前記第1レーダーセンサは、前記第2レーダーセンサから前記予め決定されたコードを含む信号を受信して残りの信号は排除し得る。
【0026】
前記レーダーセンサのそれぞれは、各レーダーセンサを排除した前記レーダーセンサのうちレーダーセンサから送信された反射した信号を受信し得る。
【0027】
前記レーダーセンサのそれぞれは、1つ以上の該当タイムスロットで時系列的に動作し、前記各レーダーセンサは他のタイムスロットで不活性化され得る。
【0028】
前記プロセッサは、前記基準信号のビーム方向を変更すること、前記基準信号のビーム幅を調整すること、又は、ビームパターン領域を変更することのいずれか1つ又は2以上の組合せに基づいて前記狭い検出領域に前記初期検出領域を変更し得る。
【0029】
一実施形態に係る関心オブジェクト検出装置は、互いに離隔するレーダーセンサと、前記レーダーセンサのうち第2レーダーセンサから放出された信号を受信する、前記レーダーセンサのうちの第1レーダーセンサと、ヘッドアップディスプレイと、前記第2レーダーセンサから上昇方向に放出された基準信号に応答して、前記第1レーダーセンサにより測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、前記第1レーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル及び前記決定された気象状態に対応する閾値レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出し、前記ヘッドアップディスプレイを介して前記オブジェクトを出力するプロセッサであって、前記対象信号は、前記第2レーダーセンサによって下降方向に放出される、プロセッサとを含む。
【発明の効果】
【0030】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置は、レーダーセンサを用いて測定されたノイズフロアを用いて気象状態を正確に決定することができる。
【0031】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置は、決定された気象状態に対応するノイズフロアをオブジェクトを検出するための閾値を決定することによって、気象変化にもかかわらず、オブジェクトを正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】一実施形態に係る悪天候でオブジェクトを検出する状況を説明する。
図2】一実施形態に係る複数のレーダーセンサの配置を説明する図である。
図3】一実施形態に係るオブジェクト検出方法を説明するフローチャートである。
図4】一実施形態に係るオブジェクト検出装置が初期状態で悪天候の閾値を決定する過程を説明する図である。
図5】一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定する過程を説明する図である。
図6】一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定するためにレーダーセンサのビーム方向を調整することを説明する図である。
図7】一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定するために複数のレーダーセンサによって形成される検出領域を調整することを説明する図である。
図8】一実施形態に係るオブジェクト検出装置がレーダーセンサのビーム方向及びビーム幅を調整することを説明する図である。
図9】一実施形態に係るオブジェクト検出装置がレーダーセンサのインテグレーション時間を調整することを説明する図である。
図10】一実施形態に係るオブジェクト検出装置が複数のレーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合することを説明する図である。
図11】一実施形態に係るオブジェクト検出装置の構成を説明するブロック図である。
図12】一実施形態に係るオブジェクト検出装置の構成を説明するブロック図である。
図13】一実施形態に係るレーダー映像が処理される動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。しかし、特許出願の範囲がこのような実施形態によって制限も限定もされることはない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0034】
本明細書で開示されている特定の構造的又は機能的な説明は単に実施形態を説明するための目的として例示されたものであり、実施形態は様々な異なる形態で実施され、本明細書に説明された実施形態に限定されることはない。
【0035】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0036】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0037】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく同一の構成要素は同一の参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。実施形態の説明において関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図1は、一実施形態に係る悪天候でオブジェクトを検出する状況を説明する。
【0039】
一実施形態に係るオブジェクト検出装置100は、レーダーセンサ110を介してオブジェクトを検出する。例えば、オブジェクト検出装置100は車両に実装することが可能である。例えば、オブジェクト検出装置100は、走行中である前方のオブジェクトを検出する。レーダーセンサは、検出領域111内に存在するオブジェクトを検出する。図1において、レーダーセンサ110は、車両の前方及び後方を検出するものとしているが、これに限定されることはない。
【0040】
オブジェクト検出装置100は、様々な気象状態でもレーダーセンサ110を用いて周辺オブジェクトを検出し得る。本明細書において、気象状態は周辺の天気を指示する状態を示す。例えば、気象状態は、晴れた天気状態、悪天候状態、降雨状態、及び降雪状態などを含む。
【0041】
気象状態に応じて、レーダーセンサ110の正確度が低下することがある。例えば、悪天候状態では雨又は雪によってレーダーセンサ110の正確度が低下するかもしれない。雪や雨などのような粒子190によってレーダーセンサ110から放射された送信信号が散乱するためである。粒子190によって送信信号が散乱することで、各レーダーセンサ110が受信するノイズの強度は増加する。したがって、粒子190によるノイズよって、オブジェクトから反射した反射信号が相対的に小さく検出される場合、オブジェクト検出装置100はオブジェクトを検出できない場合がある。粒子190は、クラッター(clutter)とも称してもよい。
【0042】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置100は、気象状態に応じてレーダーセンサ110を調整することで、オブジェクト検出の正確度を改善できる。例えば、オブジェクト検出装置100は、レーダーセンサ110により測定される信号強度に基づいて気象状態を決定し得る。また、オブジェクト検出装置100は、(i)決定された気象状態に対応する閾値レベル及び(ii)レーダーセンサ110によって測定された信号レベルに基づいて、オブジェクトを検出し得る。気象状態決定及びそれに伴うオブジェクト検出は下記で詳細に説明する。
【0043】
図2は、一実施形態に係る複数のレーダーセンサの配置を説明する図である。
【0044】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置290は、複数のレーダーセンサを含む。複数のレーダーセンサは、互いに離隔して配置される。複数のレーダーセンサのそれぞれは、他のレーダーセンサによって放射された送信信号が反射した反射信号を受信することで、スピルオーバー効果(spillover effect)を最小化できる。
【0045】
本明細書において、スピルオーバー効果は、任意のレーダーセンサが自ら放射した信号を直接受信する現象を示す。レーダーセンサは、制限された大きさのモジュール内に送信アンテナ(Tx antenna)及び受信アンテナ(Rx antenna)を含む。送信アンテナが外部へ送信信号を放射しても、送信信号の一部が受信アンテナに直接的に届く場合がある。このような同じレーダーセンサ内での送信アンテナ及び受信アンテナ間の直接的な結合は、レーダーセンサが、オブジェクトから反射した信号ではなく、自らの信号を測定することになってしまう。このようなスピルオーバー効果は、レーダーセンサの正確度を低下させることがある。
【0046】
図2に示されたオブジェクト検出装置290は、8個のレーダーセンサを含む。レーダーセンサは、オブジェクト検出装置290の外郭に沿って配置される。ただし、レーダーセンサの個数及び配置はこれに限定されることはない。
【0047】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、検出領域212、223、234、245、256、267、278、281内に存在するオブジェクトを検出する。送信ビームパターン領域は、任意のレーダーセンサによって放射されるビームが有効な信号強度を有する領域を示す。受信ビームパターン領域は、任意のレーダーセンサが外部の信号を受信できる領域を示す。
【0048】
例えば、第2レーダーセンサ220は、第1反射信号を受信する。第1反射信号は、第1レーダーセンサ210から放射された第1送信信号が任意のオブジェクト又は粒子などにより反射した信号を示す。第1レーダーセンサ210及び第2レーダーセンサ220は、互いに離隔して配置されているため、第1レーダーセンサ210の送信アンテナ及び第2レーダーセンサ220の受信アンテナが直接カップリングされる可能性は低い。また、第2レーダーセンサ220は、第1検出領域212内にオブジェクトが存在するか否かを検出する。第1検出領域212は、第2レーダーセンサ220の第2受信ビームパターン領域Rx2及び第1レーダーセンサ210の第1送信ビームパターン領域Tx1が重なる領域である。
【0049】
残りのレーダーセンサも第2レーダーセンサ220と同様に、他のレーダーセンサから放射された送信信号に対する反射信号を測定する。例えば、他のレーダーセンサが対象送信信号を放射してもよく、少なくとも1つのレーダーセンサは対象反射信号を受信して信号強度を測定し得る。また、レーダーセンサは、信号強度の振幅及び位相も測定し得る。
【0050】
例えば、第3レーダーセンサ230は、第2レーダーセンサ220から放射された信号を測定する。第4レーダーセンサ240は、第3レーダーセンサ230から放射された信号を測定する。第5レーダーセンサ250は、第4レーダーセンサ240から放射された信号を測定する。第6レーダーセンサ260は、第5レーダーセンサ250から放射された信号を測定する。第7レーダーセンサ270は、第6レーダーセンサ260から放射された信号を測定する。第8レーダーセンサ280は、第7レーダーセンサ270から放射された信号を測定する。第1レーダーセンサは、第8レーダーセンサ280から放射された信号を測定する。
【0051】
第2検出領域223は、第3受信ビームパターン領域Rx3及び第2送信ビームパターン領域Tx2が重なる領域である。第3検出領域234は、第4受信ビームパターン領域Rx4及び第3送信ビームパターン領域Tx3が重なる領域である。第4検出領域245は、第5受信ビームパターン領域Rx5及び第4送信ビームパターン領域Tx4が重なる領域である。第5検出領域256は、第6受信ビームパターン領域Rx6及び第5送信ビームパターン領域Tx5が重なる領域である。第6検出領域267は、第7受信ビームパターン領域Rx7及び第6送信ビームパターン領域Tx6が重なる領域である。第7検出領域278は、第8受信ビームパターン領域Rx8及び第7送信ビームパターン領域Tx7が重なる領域である。第8検出領域281は、第1受信ビームパターン領域Rx1及び第8送信ビームパターン領域Tx8が重なる領域である。
【0052】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置290は、各レーダーセンサを順次動作させることで、各レーダーセンサの検出領域を形成する。例えば、第1タイムスロットにおいて第1レーダーセンサ210は第1送信信号を放射し、その第1タイムスロットの間に第2レーダーセンサ220が第1反射信号を受信する。第1タイムスロット以後の第2タイムスロットでは、第1レーダーセンサ210を不活性化する。第2タイムスロットで第2レーダーセンサ220は第2送信信号を放射し、その第2タイムスロットの間に第3レーダーセンサ230が第2反射信号を受信する。残りのレーダーセンサも同様に順次動作する。
【0053】
また、オブジェクト検出装置290に含まれた各レーダーセンサは、予め決定されたコードにより、信号を放射及び受信するレーダーセンサを識別し得る。例えば、他のレーダーセンサが予め決定されたコードを含む信号を放射してもよい。少なくとも1つのレーダーセンサは、他のレーダーセンサから予め決定されたコードを含む信号を受信して残りの信号を排除する。各レーダーセンサごとに区別されるコードを含む信号を放射する。例えば、第1レーダーセンサ210は第1コードを含む第1送信信号を放射し、第2レーダーセンサ220は第1コードを含む第1反射信号を受信する。残りのレーダーセンサも自ら割り当てられたコードを含む信号を受信し、残りの信号は排除する。
【0054】
ただし、説明の便宜のために1つのレーダーセンサから放射された信号を1つの異なるレーダーセンサが受信するものと説明したが、これに限定されることはない。1つのレーダーセンサから放射された信号を複数の異なるレーダーセンサが受信してもよい。1つのレーダーセンサから放射された信号を複数の周辺レーダーセンサが受信してもよい。例えば、第2レーダーセンサ220が第2送信信号を放射する場合、第2レーダーセンサ220周辺に配置された第1レーダーセンサ210及び第3レーダーセンサ230が第2反射信号を受信してもよい。
【0055】
レーダーセンサの上述した配置及び上述した信号送受信方式は、スピルオーバー効果を最小化できる。
【0056】
図3は、一実施形態に係るオブジェクト検出方法を説明するフローチャートである。図3に示す動作は、示された順序及び方式により実行される。ただし、これに限定することは一部の動作が変更されてもよいし、一部の動作が省略されてもよい。図3に示された多くの動作は、並列的又は同時に実行されてもよい。図3において、1つ以上のブロック及びブロックの組合せは、特定機能を行う特定目的のハードウェア基盤のコンピュータ又は特定目的のハードウェア及びコンピュータ命令の組合せによって実現される。図3に示す説明の他にも、図1図2を参照して説明した内容が図3に適用され得る。したがって、図1ないし図2の説明を繰り返すことはない。
【0057】
まず、ステップS310において、オブジェクト検出装置は、互いに離隔して配置される複数のレーダーセンサのうち少なくとも1つのレーダーセンサが他のレーダーセンサから放射された基準信号に対して測定したノイズフロアに基づいて、気象状態を決定する。
【0058】
本明細書においてノイズフロアは、各レーダーセンサによって測定される信号のうち、オブジェクトから反射した信号以外の残りの信号の合計から生成された信号の測定値を示す。例えば、ノイズフロアは、主にオブジェクト検出装置周辺の粒子によって反射した信号を各レーダーセンサが測定した値であり得る。
【0059】
本明細書において基準信号は、レーダーセンサが気象状態を決定するために用いる信号を示す。例えば、任意のレーダーセンサが気象状態を決定するために外部に放射する信号を基準送信信号としてもよい。上述したレーダーセンサによって放射された基準送信信号は粒子などによって反射され、反射した基準送信信号は、他のレーダーセンサによって測定される。基準送信信号が粒子により反射した信号を基準反射信号と示す。
【0060】
気象状態を決定する過程については、下記で図4図7を参照して詳細に説明する。
【0061】
そして、ステップS320において、オブジェクト検出装置は、決定された気象状態に対応する閾値レベル、及び少なくとも1つのレーダーセンサにより測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいてオブジェクトを検出する。
【0062】
本明細書において信号レベルは、例えば、信号強度であってもよい。信号強度の単位はuWであってもよいが、これに限定されることなく、dBmと表現されてもよい。閾値レベルは、オブジェクト検出の基準となるレベルを示す。例えば、閾値レベルは、任意の気象状態の間に測定されるノイズフロアの値であってもよい。したがって、オブジェクト検出装置は、閾値レベルを気象状態ごとに動的に決定し得る。
【0063】
本明細書において対象信号は、レーダーセンサがオブジェクトを検出するために用いる信号を示す。例えば、任意のレーダーセンサがオブジェクトを検出するために外部に放射する信号を対象送信信号と示す。上述したレーダーセンサによって放射された対象送信信号は、オブジェクト及び粒子などにより反射され、反射した対象送信信号は他のレーダーセンサによって測定される。対象送信信号が反射した信号を対象反射信号と示す。対象信号の信号レベルが閾値レベルよりも高い場合、オブジェクトが存在するものと示す。
【0064】
改善されたオブジェクト検出は、下記で図8図10を参照して詳細に説明する。
【0065】
図4は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置が初期状態で悪天候の閾値を決定する過程を説明する図である。
【0066】
説明の便宜のために、図4に示されたオブジェクト検出装置は4個のレーダーセンサを含む。ただし、これは例示的なものであって、レーダーセンサの個数及び配置がこれに限定されることはない。
【0067】
図3を参照して上述したように、第1レーダーセンサ410及び第2レーダーセンサ420は、検出領域412を形成する。検出領域412は、上述したように、第1レーダーセンサ410の第1送信ビームパターン領域Tx1、及び第2レーダーセンサの第2受信ビームパターン領域Rx2が重なる領域である。例えば、第1レーダーセンサ410は送信信号を放射し、第2レーダーセンサ420は該当信号が反射した反射信号を受信し得る。
【0068】
オブジェクト検出装置は、検出領域に対して信号強度(Signal power)460を測定する。例えば、オブジェクト検出装置のレーダーセンサは、信号の電圧レベルを測定する。一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、初期状態で他のレーダーセンサから放射された初期信号に対してノイズフロアを測定する。例えば、ノイズフロアは、ノイズ電力レベル(例えば、上述した電圧レベルの自乗に対応する値)の形で算出されてもよい。本明細書において初期信号は、気象状態を分類する悪天候の閾値を決定するために用いられる信号を示す。例えば、初期状態は晴れた天気状態であってもよく、オブジェクト検出装置は晴れた天気状態で初期信号に対するノイズフロアを測定してもよい。
【0069】
オブジェクト検出装置のプロセッサは、初期信号に対するノイズフロアに対応する値を悪天候の閾値に決定する。例えば、オブジェクト検出装置は、初期状態でインテグレーション時間450の間に測定されたノイズフロアに基づいて悪天候の閾値を決定する。例えば、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間450の間に測定されたノイズフロアの統計値(例えば、自乗平均値など)を上述した悪天候の閾値として決定する。異なる例として、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間450の間に収集されたノイズフロアを積分した値Pint_sunnyを悪天候の閾値として決定してもよい。ノイズフロアは、振幅及び位相を有する値として、ノイズフロアの位相は-1から1の間の値を有する。無限の時間区間にわたってノイズフロアが積分されるならば、積分された値は0に収斂するはずであるが、実際にはインテグレーション時間450は有限であるため、積分されたノイズフロアは何らかの有意の振幅を有する。図4において、インテグレーション時間は、t1からt2までの時間区間を示す。ただし、インテグレーション時間がこれに限定されることなく、設計に応じて適宜変更され得る。
【0070】
本明細書で悪天候の閾値は、気象状態を分類する基準であり得る。例えば、基準信号に対するノイズフロアが悪天候の閾値を超過する場合、現在の気象状態は悪天候である。基準信号に対するノイズフロアが悪天候の閾値以下である場合、現在の気象状態は晴れた天気状態である。ただし、これに限定されることなく、複数の悪天候の閾値が使用されてもよい。例えば、複数の気象状態は、各天気に対応する粒子の分布程度に応じて、第1悪天候の閾値~第k悪天候の閾値に分類されてもよい。ここで、kは1以上の整数である。第1悪天候の閾値は最も弱い程度の粒子分布を示し、第k悪天候の閾値は最も強い程度の粒子分布を示す。したがって、オブジェクト検出装置は、ノイズフロアに基づいて複数の悪天候状態のうち一定レベルの悪天候状態であるものと決定できる。オブジェクト検出装置は、降雨量程度又は降雪量程度などに応じて、それに対応する気象状態を決定することができる。
【0071】
図5は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定する過程を説明する図である。
【0072】
上述したように、悪天候状態ではオブジェクト周辺に粒子590が存在する。雨又は雪のような粒子590は、レーダーセンサの信号を反射させ、レーダーセンサによって測定されるノイズフロアは増加する。
【0073】
オブジェクト検出装置は、基準信号に対して測定されたノイズフロアが悪天候の閾値を超過する場合に応答して、気象状態を悪天候状態として決定する。例えば、第1レーダーセンサ510が基準信号を放射し、第2レーダーセンサ520はその基準信号が反射した信号を受信して信号強度560を測定し得る。検出領域512は、第1送信ビームパターン領域Tx1及び第2受信ビームパターン領域Rx2が重なる領域である。図6に示すように、基準信号に対するノイズフロアは、図5に示された初期信号に対するノイズフロアに比べて信号強度560が大きく測定される。例えば、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間550の間に測定された基準信号に対するノイズフロアが積分された値Pint_rain及び悪天候の閾値間の比較に基づいて気象状態を決定できる。
【0074】
図6は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定するためにレーダーセンサのビーム方向を調整することを説明する図である。
【0075】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、気象状態を決定するためにビーム方向を調整する。例えば、オブジェクト検出装置の少なくとも1つのレーダーセンサは、上昇方向610から基準信号を受信する。そして、他のレーダーセンサは、上昇方向610に基準信号を放射する。ビーム方向が上昇されれば、障害物680が存在する確率が減少するため、気象状態検出の正確度が向上する。
【0076】
例えば、図6に示すように、オブジェクト検出装置は、各レーダーセンサのビーム方向を上昇611させる。例えば、上昇方向610は、地表面と予め決定された上昇角度θ1を形成する方向を示す。オブジェクト検出装置は、第1送信ビームパターン領域Tx1及び第2受信ビームパターン領域Rx2を上昇方向610に基づいて形成する。検出領域も上昇方向610に沿って示される。
【0077】
オブジェクト検出装置は、上昇方向610に沿って形成された検出領域から収集されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定する。したがって、個体検出装置は、障害物680から妨害されることなく、純粋に粒子690の影響によるノイズフロアを測定できる。
【0078】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、上述した図4及び図5に示すように、気象状態を決定するためにレーダーセンサのビーム方向を上昇方向に上昇させることができる。
【0079】
図7は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置が気象状態を決定するために複数のレーダーセンサによって形成される検出領域を調整することを説明する図である。
【0080】
オブジェクト検出装置は、検出領域を調整することで障害物780による影響を最小化できる。図7において、レーダーセンサの送信ビーム及び受信ビームの3dBビームの幅及び角度が与えられる。また、各ビームの波形も予め与えられてもよい。
【0081】
例えば、レーダーセンサ710及び他のレーダーセンサ720は、初期検出領域731を形成する。初期検出領域731は、レーダーセンサ710(例えば、第jレーダーセンサ)によって形成される第j受信ビームパターン領域Rx及び他のレーダーセンサ720(例えば、第iレーダーセンサ)によって形成される第i送信ビームパターン領域Txが重なる領域を示す。ここで、i及びjはそれぞれ互いに異なる整数である。ここで、オブジェクト検出装置によって初期検出領域731から測定された信号強度Pi,rは、障害物780から反射した信号強度P 及び周辺粒子790によって反射した信号強度Pi,r を含む。周辺粒子790によって反射した信号強度Pi,r は検出領域の面積に比例する。例えば、Pi,r =( x初期検出領域の面積)に示すことができる。 は、単位面積当たり粒子によって反射した信号強度を示す。
【0082】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、初期検出領域731から障害物780が検出される場合に応答して、検出領域の大きさを調整する。例えば、オブジェクト検出装置は、障害物780が検出された場合、初期検出領域731を狭い検出領域732に変更する。狭い検出領域732は、障害物780を中心に初期領域から縮小された領域を示す。例えば、オブジェクト検出装置は、ビーム方向の変更、ビーム幅の調整、及びビームパターン領域の変更のうち少なくとも1つに基づいて、初期検出領域731を狭い検出領域732に変更する。ここで、オブジェクト検出装置は、障害物780を中心に検出領域を変更するため、障害物780の位置を追跡する。
【0083】
そして、オブジェクト検出装置は、少なくとも1つのレーダーセンサ710及び他のレーダーセンサ720によって形成される初期検出領域731から障害物780が検出される場合に応答して、狭い検出領域732に対して基準信号の信号レベルを測定する。狭い検出領域732に対して測定された信号レベルに対応する信号強度Pn,r は、主に障害物780によって反射した信号の信号強度P を示す。
【0084】
オブジェクト検出装置のプロセッサは、初期検出領域731から測定された基準信号の信号レベルから、狭い検出領域732から測定された基準信号の信号レベルを差し引くことにより、基準信号に対するノイズフロアを決定できる。したがって、オブジェクト検出放置は、初期検出領域731から測定された基準信号から障害物780によって反射した信号を排除する。オブジェクト検出装置は、障害物780によって反射した信号強度P が排除された基準反射信号に対するノイズフロアを測定する。オブジェクト検出装置は、該当のノイズフロア及び悪天候の閾値との間の比較に基づいて気象状態を決定できる。
【0085】
オブジェクト検出装置は、障害物780による影響を最小化することで、粒子790によって反射したノイズフロアを主に考慮することができ、より正確に気象状態を決定できる。
【0086】
さらに、オブジェクト検出装置は、検出領域の面積変更による受信信号強度の変化を追跡することで最小の検出領域を決定し得る。例えば、粒子790によって反射した信号強度は検出領域の面積に比例する。したがって、検出領域の面積変更に対応する受信信号の変化量よりも大きい変化量が検出される場合、オブジェクト検出装置は最小検出領域であると決定する。
【0087】
図8は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置がレーダーセンサのビーム方向及びビーム幅を調整することを説明する図である。
【0088】
まず、オブジェクト検出装置は、オブジェクトを検出するためにレーダーセンサのビーム方向を下降させる。例えば、オブジェクト検出装置は、上昇方向であったレーダーセンサのビーム方向を下降方向810に調整する。下降方向810は、地表面に対して上昇方向に対応する角度θ1よりも小さい角度θ2を形成する方向を示す。
【0089】
例えば、少なくとも1つのレーダーセンサは、下降方向810から対象信号を受信する。他のレーダーセンサは、下降方向810に対象信号を放射する。
【0090】
そして、オブジェクト検出装置は、気象状態が悪天候状態として決定された場合に応答して、複数のレーダーセンサのビーム幅を減少させ得る。例えば、オブジェクト検出装置は、レーダーセンサのビーム幅を第1幅821から第2幅822に減少させることができる。第1送信ビームパターン領域Tx1及び第2受信ビームパターン領域Rx2が重なった検出領域も狭くなる。ビーム幅が狭くなるほど信号の指向性が強化され、粒子890による影響が最小化される。
【0091】
また、オブジェクト検出装置は、決定された気象状態が悪天候状態である場合、該当の悪天候状態の悪天候レベルに対応するビーム幅に、レーダーセンサのビーム幅を調整できる。例えば、粒子の大きさが大きいか粒子の速度が速いほど、高い悪天候レベルが設定される。悪天候レベルが高いほど、狭いビーム幅が指定される。
【0092】
図9は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置がレーダーセンサのインテグレーション時間を調整することを説明する図である。
【0093】
オブジェクト検出装置は、気象状態が悪天候状態として決定された場合に応答して、悪天候状態で測定されたノイズフロアを閾値レベルとして決定する。例えば、オブジェクト検出装置は、オブジェクト信号Ppeak_Objが検出された時点で測定されたノイズフロアを閾値レベルとして決定する。異なる例として、オブジェクト検出装置は、オブジェクト信号Ppeak_Objが検出された時点に対応するインテグレーション時間951の間に測定されたノイズフロアを積分した値Pint_rainを閾値レベルとして決定してもよい。したがって、オブジェクト検出装置は、悪天候状態に応じてノイズフロアに対応する閾値レベルを決定するため、瞬間的な気象状態の変化に対応して動的に閾値レベルを変更できる。オブジェクト検出装置は、天気変化にもオブジェクト検出の正確度を保持できる。
【0094】
例えば、図9において、tはオブジェクト信号Ppeak_Objが検出された時点である。インテグレーション時間951は、オブジェクト信号Ppeak_Objが検出された時点tから第1時間の長さ以前までの区間を示す。図9において、インテグレーション時間951は、t及びtの間の区間で示される。
【0095】
オブジェクト検出装置のプロセッサは、対象信号961の信号レベルが閾値レベルを超過する場合に応答して、少なくとも1つのレーダーセンサ及び他のレーダーセンサによって形成される検出領域にオブジェクトが存在するものと決定する。
【0096】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間951を調整することで、オブジェクト検出動作の間にノイズフロアをランダム化する。例えば、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間951を増加させることで、レーダーセンサによって測定される信号の電圧レベルをランダムに変わり得る。ランダム化された電圧レベルに対応するノイズ電力レベルが積分されたノイズフロアは振幅が減少するため、決定性信号のオブジェクト信号P’peak_Objを明確に検出することができる。また、オブジェクト信号P’peak_Objの信号強度が改善され得る。
【0097】
例えば、オブジェクト検出装置は、気象状態が悪天候状態として決定された場合に応答して、複数のレーダーセンサのインテグレーション時間952を増加させ得る。図9に示すように、オブジェクト検出装置は、オブジェクト信号P’peak_Objが検出された時点t’から第2時間の長さ以前までの区間をインテグレーション時間952として決定する。増加したインテグレーション時間952の開始時点はt’である。また、オブジェクト検出装置は、複数の悪天候状態のうち1つの悪天候状態として決定された場合、該当の悪天候状態に指定された時間の長さをインテグレーション時間952として決定する。例えば、悪天候状態の悪天候レベルが大きいほど、該当の悪天候状態に指定されたインテグレーション時間952の時間の長さが長い。
【0098】
ノイズフロアは、粒子によって誘発されたものであって、インテグレーション時間952が増加するほどノイズフロアが積分された値P’int_rainは減少する。また、インテグレーション時間952が増加するほど不規則な値が次第に収斂される。レーダーセンサの検出領域に雨又は雪のような粒子が存在する確率は、平均0である確率モデルに表現されるためである。したがって、インテグレーション時間952が無限な場合、ノイズフロアの積分値P’int_rainは0に収斂され得る。
【0099】
例えば、気象状態を降雨状態であると仮定した場合、粒子は雨滴であってもよい。雨滴の大きさは5mm以下と仮定し、雨滴の速度は10m/sと仮定する。雨滴に対して十分な確率モデルが樹立されるためには、レーダーセンサのインテグレーション時間952の間に雨滴が移動した距離は雨滴の大きさよりも大きい必要がある。検出領域の水平面上に雨滴が存在するか、存在しないようにすれば、任意の一の雨滴が検出領域の水平面に進入した後進出するまでの時間が確保されなければならない。したがって、インテグレーション時間952は、5mm/(10m/s)=0.5ms以上でなければならない。したがって、降雨状態に対してインテグレーション時間952tthreshold1は、0.5ms<tthreshold1<5msの間の時間の長さに決定される。ただし、インテグレーション時間952の決定をこれに限定することはない。オブジェクト検出装置は、決定された気象状態に対応する粒子の種類の速度及び大きさに基づいてインテグレーション時間952が決定される。
【0100】
オブジェクト検出装置のプロセッサは、インテグレーション時間952の間に測定されたノイズフロアを閾値レベルとして決定してもよい。例えば、オブジェクト検出装置は、インテグレーション時間952の間に測定されたノイズフロアが積分された値P’int_rainを閾値レベルとして決定してもよい。
【0101】
したがって、オブジェクト検出装置は、対象信号962を測定している間にオブジェクト信号P’Peak_Objの信号強度が閾値レベルを超過すれば、オブジェクトが存在するものと決定する。図9に示すように、インテグレーション時間952の増加によってノイズフロアが減少したため、オブジェクト検出装置はより正確にオブジェクトを検出することができる。
【0102】
図10は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置が複数のレーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合することを説明する図である。
【0103】
オブジェクト検出装置1000のプロセッサは、気象状態が悪天候状態として決定された場合に応答して、少なくとも1つのレーダーセンサによってインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアに残りのレーダーセンサにより測定されたインテグレーション時間の間に測定されたノイズフロアを併合する。
【0104】
例えば、オブジェクト検出装置1000は、インテグレーション時間の間に測定された各レーダーセンサのノイズフロアを積分する。例えば、オブジェクト検出装置1000は、第1レーダーセンサ1010によって測定されたノイズフロア1011、第2レーダーセンサ1020によって測定されたノイズフロア1021、第3レーダーセンサ1030によって測定されたノイズフロア1031、及び第4レーダーセンサ1040によって測定されたノイズフロア1041を併合する。各レーダーセンサの検出領域はそれぞれ異なるため、オブジェクト検出装置1000は、ノイズフロア1011、1021、1031、1041を併合することでノイズフロアをランダム化できる。例えば、オブジェクト検出装置1000は、第1レーダーセンサ1010によって測定されたノイズフロア1011が積分された値Pspat_rain_1、第2レーダーセンサ1020によって測定されたノイズフロア1021が積分された値Pspat_rain_2、第3レーダーセンサ1030によって測定されたノイズフロア1031が積分された値Pspat_rain_3、及び第4レーダーセンサ1040によって測定されたノイズフロア1041が積分された値Pspat_rain_4を併合する。
【0105】
図10では、4個のレーダーセンサがノイズフロアに対してそれぞれ1つのサンプルデータ、合計4個のサンプルデータを生成し得る。ただし、これに限定されることなく、各レーダーセンサは、2つのレーダーセンサで送信信号を放射してもよく、したがって、各2つのサンプルデータ、合計8個のサンプルデータを生成してもよい。
【0106】
第1レーダーセンサ1010に関して併合されたノイズフロア1081は、図10に示すように振幅が減少し得る。また、第2レーダーセンサ1020に関して併合されたノイズフロア1082も振幅が減少し得る。
【0107】
オブジェクト検出装置1000は、併合されたノイズフロアを閾値レベルとして決定する。オブジェクト検出装置1000は、その後、閾値レベルを超過する信号強度が検出されれば、該当の検出領域内にオブジェクトが存在するものと決定する。
【0108】
図10において、オブジェクト検出装置1000が全ての検出領域を併合するものと説明したが、これに限定されることはない。悪天候状態の悪天候レベルに応じて、オブジェクト検出装置1000は併合する検出領域を決定する。例えば、悪天候レベルが高いほど、オブジェクト検出装置1000はより多くの検出領域を併合し得る。
【0109】
一実施形態によれば、オブジェクト検出装置1000は、図8図10を参照して説明したビームの幅調整、インテグレーションの時間調整、及びノイズフロアの空間的インテグレーションのうち少なくとも1つの動作を行うことで、気象状態による粒子1090にもかかわらずオブジェクト検出の正確度を改善することができる。
【0110】
また、オブジェクト検出装置1000は、オブジェクト検出動作中にオブジェクトが検出された場合に応答して、該当オブジェクトが存在する検出領域の大きさを減少させ得る。オブジェクト検出装置1000は、主にオブジェクトにフォーカスされて反射した信号の信号強度を測定する。したがって、オブジェクト検出装置1000は、オブジェクトを正確に検出することができる。
【0111】
図11及び図12は、一実施形態に係るオブジェクト検出装置の構成を説明するブロック図である。
【0112】
図11は、オブジェクト検出装置1100の概略的な構成を示す。
【0113】
オブジェクト検出装置1100は、レーダーセンサ1110及びプロセッサ1120を含む。
【0114】
レーダーセンサ1110は外部で信号を放射し、外部から信号を受信する。一実施形態に係るレーダーセンサ1110は、自体によって放射された信号を排除してもよい。例えば、複数のレーダーセンサは互いに離隔して配置され、他のレーダーセンサから放射された信号を受信し得る。
【0115】
例えば、レーダーセンサ1110は、広角仮想MIMOアンテナアレイ(Wideangle virtual MIMO Array Antenna)を含んでもよい。例えば、レーダーセンサ1110は、PMCW(phase modulated continuous wave)の形態で信号を放射し得る。複数のレーダーセンサのそれぞれは、コード分割多重接続(CDMA、Code Division Multiple Access)方式に基づいたコードを含む信号を放射及び受信することで互いに独立的に作動できる。また、レーダーセンサ1110は、MIMO(multiple-input and multiple-output)技術により動作してもよい。レーダーセンサ1110は、MIMOアンテナアレイを含む。レーダーセンサ1110は、アンテナアレイに含まれた複数のアンテナを用いてビームパターンの形成、ビーム幅の調整、及びビーム方向の調整などを行う。
【0116】
プロセッサ1120は、複数のレーダーセンサ1110のうち少なくとも1つのレーダーセンサ1110によって、他のレーダーセンサ1110から放射された基準信号に対して測定されたノイズフロアに基づいて気象状態を決定し、決定された気象状態に対応する閾値レベル及び少なくとも1つのレーダーセンサ1110によって測定された対象信号の信号レベル間の比較に基づいて、オブジェクトを検出できる。
【0117】
オブジェクト検出装置は、メモリ(図示せず)をさらに含んでもよい。メモリ(図示せず)は、オブジェクト検出方法を行うために要求される情報を臨時的又は永久的に格納できる。例えば、メモリ(図示せず)は、インテグレーション時間の間に収集された各レーダーセンサのノイズフロアなどを格納してもよい。
【0118】
図12は、オブジェクト検出装置に含まれた複数のレーダーセンサの動作を例示的に説明する。
【0119】
例えば、図12に示されたオブジェクト検出装置1200は、センサ1210及びプロセッサ1220を含む。
【0120】
センサ1210は、8個のレーダーセンサ1211~1218を含む。一実施形態によれば、第2レーダーセンサ1212は、第1レーダーセンサ1211に関する信号1290(例えば、第1レーダーセンサ1211によって放射された後反射した信号)を受信する。第3レーダーセンサ1213は、第2レーダーセンサ1212に関する信号を受信する。残りの第4レーダーセンサ~第8レーダーセンサ1214~1218についても同様に動作する。
【0121】
プロセッサ1220は、第1レーダーセンサないし第8レーダーセンサ1211~1218によって測定された信号を処理する。例えば、プロセッサ1220は、インテグレーション時間の間に第1レーダーセンサないし第8レーダーセンサ1211~1218によって測定されたノイズフロアを併合する。また、プロセッサ1220は、各レーダーセンサに対応する検出領域にオブジェクトが存在するか否かを決定する。
【0122】
また、プロセッサ1220は、第1レーダーセンサないし第8レーダーセンサ1211~1218を制御し、各レーダーセンサのビーム方向及びビーム幅のうち少なくとも1つを調整し得る。
【0123】
図13は、一実施形態に係るレーダー映像が処理される動作を説明するための図である。
【0124】
図13を参照すれば、レーダーセンサは、上述したように同期化1310できる。同期化されたレーダーは、一般的なレーダー処理1320を行ってもよい。オブジェクト検出装置は、メモリ1330に記録された情報を用いてレーダーセンサから取得されたキャプチャー映像の座標変換1340を行い、映像統合1350を行う。レーダー映像処理装置は、車両の前面、側面及び後面に対応するキャプチャー映像を合成1360し、合成されたキャプチャー映像に基づいて高解像度映像を生成する。レーダー映像処理装置は、高解像度映像を用いてターゲットを追跡1370し、エッジを検出1380して映像をディスプレイ1390する。
【0125】
例えば、映像は車両に含まれたヘッドアップディスプレイ上に表示されてもよい。ただし、映像の表示については上述したものに限定されることなく、拡張現実を用いる車両のスクリーン又は車両計器盤、車両のインフォテインメントシステム、又は、ディスプレイパネルがディスプレイ機能を行ってもよい。例えば、スマートフォン及びメガネディスプレイ(EGD、eye glass display)などのように、オブジェクト検出装置と動作的に連結されることができる異なるディスプレイが使用されてもよい。
【0126】
以上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合せで具現される。例えば、本実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものとして説明する場合もあるが、当技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0127】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はこののうちの1つ以上の組合せを含み、希望通りに動作するように処理装置を構成し、独立的又は結合的に処理装置に命令する。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈され、処理装置に命令又はデータを提供するためのあらゆる類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、或いは送信される信号波を介して永久的又は一時的に具現化される。ソフトウェアは、ネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納されるか又は実行される。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納される。
【0128】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。ハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0129】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で実行されてもよいし、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられてもよいし、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0130】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0131】
1100:オブジェクト検出装置
1110:レーダーセンサ
1120:プロセッサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【文献】特開2012-101620号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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