IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工メカトロシステムズ株式会社の特許一覧

特許7187216シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置
<>
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図1
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図2
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図3
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図4
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図5
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図6
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図7
  • 特許-シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】シートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置
(51)【国際特許分類】
   B31F 1/28 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
B31F1/28
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018160597
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2020032608
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】荻野 章
(72)【発明者】
【氏名】渡鍋 修
(72)【発明者】
【氏名】福重 直行
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-152690(JP,A)
【文献】特開昭54-117291(JP,A)
【文献】特開2017-035755(JP,A)
【文献】特開昭61-284394(JP,A)
【文献】特開2017-133998(JP,A)
【文献】特開2006-062243(JP,A)
【文献】特開平10-029254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ライナと波形加工された中芯と第2ライナが貼り合わされて形成された所定長さを有する板状の段ボールシートの不良品を除去するシートの不良除去装置において、
段ボールシートを幅方向に沿って切断する切断装置と、
段ボールシートの不良部を検出する不良検出装置と、
前記不良部を含む板状の段ボールシートを搬送ラインから排出する不良品排出装置と、
前記不良検出装置の検出結果に応じて前記不良品排出装置を作動すると共に板状の段ボールシートの長さが前記不良品排出装置の排出許容長さより長いときに前記不良部を含む段ボールシートを前記排出許容長さより短い長さに切断するように前記切断装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記第1ライナは、表面に切断位置を表す切断用マークが印刷され、
前記切断装置は、連続する段ボールシートを幅方向に沿って予め設定された所定の第1切断長に切断することで板状の段ボールシートを形成するものであり、
前記制御装置は、板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートを前記所定長さ以上の長さ範囲にわたって前記排出許容長さより短い長さに切断するように前記切断用マークに基づいて前記切断装置を制御する、
ことを特徴とするシートの不良除去装置。
【請求項2】
前記制御装置は、板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートと少なくとも前記不良部を含む段ボールシートより下流側の段ボールシートを前記排出許容長さより短い長さに切断するように前記切断装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のシートの不良除去装置。
【請求項3】
記制御装置は、板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートの切断長を前記第1切断長の整数分の1である第2切断長に変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートの不良除去装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記不良部を含む段ボールシートを前記第2切断長で前記整数分だけ切断した後、前記第2切断長から前記第1切断長に変更することを特徴とする請求項3に記載のシートの不良除去装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1切断長から前記第2切断長に変更した後、段ボールシートに前記不良部がないときは、前記第2切断長から第1切断長に変更することを特徴とする請求項3に記載のシートの不良除去装置。
【請求項6】
記切断装置より段ボールシートの搬送方向の上流側に前記切断用マークを検出するマーク検出装置が設けられ、前記制御装置は、前記第2切断長の位置に前記切断用マークがないとき、前記第2切断長に予め設定された余裕長を加算した位置で前記切断装置の作動を制御することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載のシートの不良除去装置。
【請求項7】
前記制御装置は、第1切断長に基づいて前記切断装置の作動を制御するノーマル切断モードと、前記切断用マークに基づいて前記切断装置の作動を制御するプレプリント切断モードとを有し、前記ノーマル切断モードと前記プレプリント切断モードとの切換時に前記第1切断長から前記第2切断長に変更することを特徴とする請求項6に記載のシートの不良除去装置。
【請求項8】
前記不良部は、紙継ぎ部、中芯変形部、印刷不良部、傷、汚れ、糊かす付着の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のシートの不良除去装置。
【請求項9】
波形加工された中芯の両側にライナを貼り合わせて形成される両面段ボールシートを幅方向に沿って予め設定された所定長さに切断する工程と、
両面段ボールシートの不良部を検出する工程と、
板状の段ボールシートの長さが排出許容長さより長いときに前記不良部を含む両面段ボールシートを前記排出許容長さより短い長さに切断する工程と、
前記排出許容長さより短い長さに切断された板状の段ボールシートを搬送ラインから排出する工程と、
を有し、
前記ライナは、表面に切断位置を表す切断用マークが印刷され、
連続する段ボールシートを幅方向に沿って予め設定された所定の第1切断長に切断することで板状の段ボールシートを形成するものであり、
板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートを前記所定長さ以上の長さ範囲にわたって前記排出許容長さより短い長さに前記切断用マークに基づいて切断する、
ことを特徴とするシートの不良除去方法。
【請求項10】
波形加工された中芯に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、
前記片面段ボールシートにおける中芯側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のシートの不良除去装置と、
を備えることを特徴とする段ボールシートの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、表ライナと波形加工された中芯と裏ライナとが貼り合わされて製造された段ボールシートの不良品を除去するシートの不良除去装置及び方法、並びに、シートの不良除去装置を備える段ボールシートの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンは、片面段ボールシートを形成するシングルフェーサと、片面段ボールシートに表ライナ紙を貼り合わせて両面段ボールシートを形成するダブルフェーサと、連続する両面段ボールシートを所定の幅に切断するスリッタスコアラと、連続する両面段ボールシートを所定の長さに切断するカットオフとを備えている。シングルフェーサは、中芯を波形に加工し、裏ライナを貼合せて片面段ボールシートを形成し、ダブルフェーサは、この片面段ボールシートに表ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを形成する。このダブルフェーサにより製造された連続する両面段ボールシートは、スリッタスコアラにより所定の幅に切断され、カットオフにより所定の長さに切断されて板状の段ボールシートとなる。
【0003】
両面段ボールシートは、前述したように、表ライナと波形加工された中芯と裏ライナとが貼り合わされて製造されるものであるが、表ライナとして、既に表面に印刷が施されたプレプリントライナを用いることがある。通常、カットオフは、連続する段ボールシートを予め設定された所定の長さに切断することで、板状の段ボールシートとする。一方、プレプリントライナが用いられた段ボールシートは、予め切断位置に切断マークが印刷されており、カットオフは、切断マークを検出して、連続する段ボールシートを切断マークの位置で切断することで、絵柄に合わせた所定の長さの板状の段ボールシートとする。プレプリントライナが用いられた段ボールシートの製造装置としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-062243号公報
【文献】特開2005-297101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コルゲートマシンにて、段ボールシートは、紙継ぎ部や波形加工された中芯の変形部などを不良部とし、この不良部がある板状の段ボールシートを不良品として製造途中で搬送ラインから外部に排出している。即ち、検出装置が段ボールシートの不良部を検出、または、作業者が不良と判断し、所定の操作を行うと、カットオフが段ボールシートを所定の長さに切断した後、不良部がある板状の段ボールシートを不良品排出装置により搬送ラインから除去している。この場合、不良品排出装置は、搬送ラインから除去された不良品の段ボールシートを不良品回収箱に入れたり、搬送ラインに交差する排出コンベアにより集積所やシュレッダーまで搬送したりしている。これにより、不良品回収箱や排出コンベアは、板状の段ボールシートの全長より長いものとなり、場合によっては、大きな配置スペースが必要となって搬送ラインの近傍への配置が困難となる。また、予め切断位置に切断マークが印刷されていない段ボールシートであれば、不良発生時に切断長を任意の長さに変化させることが可能であるが、プレプリントライナが用いられた段ボールシートでは切断マークに基づいて切断するため、搬送ラインから除去できない大きさの不良品の段ボールシートが発生した場合、作業者が手作業により搬送ラインから除去せざるを得ず、作業者の負担が大きく、作業効率が良くないという課題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、シートの長さに拘わらず不良品である段ボールシートを適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図るシートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明のシートの不良除去装置は、第1ライナと波形加工された中芯と第2ライナが貼り合わされて形成された所定長さを有する板状の段ボールシートの不良品を除去するシートの不良除去装置において、段ボールシートを幅方向に沿って切断する切断装置と、段ボールシートの不良部を検出する不良検出装置と、前記不良部を含む板状の段ボールシートを搬送ラインから排出する不良品排出装置と、前記不良検出装置の検出結果に応じて前記不良品排出装置を作動すると共に板状の段ボールシートの長さが前記不良品排出装置の排出許容長さより長いときに前記不良部を含む段ボールシートを前記排出許容長さより短い長さに切断するように前記切断装置を制御する制御装置と、を備えるものである。
【0008】
従って、不良検出装置が段ボールシートの不良部を検出すると、制御装置は、不良検出装置の検出結果に応じて不良品排出装置を作動し、不良部を含む板状の段ボールシートを搬送ラインから排出する。このとき、制御装置は、板状の段ボールシートの長さが不良品排出装置の排出許容長さより長いとき、切断装置を制御することで、不良部を含む段ボールシートを排出許容長さより短い長さに切断する。すると、不良部を含む段ボールシートは、排出許容長さより短くなり、不良部を含む段ボールシートを不良品排出装置により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、段ボールシートの長さに拘わらず不良品である段ボールシートを適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【0009】
本発明のシートの不良除去装置では、前記制御装置は、板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートを前記所定長さ以上の長さ範囲にわたって前記排出許容長さより短い長さに切断するように前記切断装置を制御することを特徴としている。
【0010】
従って、不良部を含む段ボールシートを所定長さ以上の長さ範囲にわたって短い長さに切断することから、不良部を含む段ボールシートを適切に搬送ラインから排出することができる。
【0011】
本発明のシートの不良除去装置では、前記切断装置は、連続する段ボールシートを幅方向に沿って予め設定された所定の第1切断長に切断することで板状の段ボールシートを形成するものであり、前記制御装置は、板状の段ボールシートの長さが前記排出許容長さより長いとき、前記不良部を含む段ボールシートの切断長を前記第1切断長の整数分の1である第2切断長に変更することを特徴としている。
【0012】
従って、切断装置は、連続する段ボールシートを第1切断長に切断して板状の段ボールシートを形成しており、連続する段ボールシートに不良部があり、且つ、板状の段ボールシートの長さが排出許容長さより長いとき、切断長を第1切断長より短い第2切断長に変更する。そのため、不良部を含む段ボールシートは、排出許容長さより短く切断されることとなり、不良品排出装置により容易に排出することができる。
【0013】
本発明のシートの不良除去装置では、前記制御装置は、前記不良部を含む段ボールシートを前記第2切断長で前記整数分だけ切断した後、前記第2切断長から前記第1切断長に変更することを特徴としている。
【0014】
従って、不良部を含む段ボールシートを排出許容長さより短く切断して排出した後、第2切断長から第1切断長に戻す。そのため、切断装置は、連続する段ボールシートを所定の第1切断長に切断して板状の段ボールシートを連続して形成することができる。
【0015】
本発明のシートの不良除去装置では、前記制御装置は、前記第1切断長から前記第2切断長に変更した後、段ボールシートに前記不良部がないときは、前記第2切断長から第1切断長に変更することを特徴としている。
【0016】
従って、不良部を含む段ボールシートを短く切断して排出した後、段ボールシートに不良部がないとき、第2切断長から第1切断長に戻す。そのため、切断装置は、連続する段ボールシートを所定の第1切断長に切断して板状の段ボールシートを連続して形成することができる。
【0017】
本発明のシートの不良除去装置では、第1ライナは、表面に切断位置を表す切断用マークが印刷され、前記切断装置より段ボールシートの搬送方向の上流側に前記切断用マークを検出するマーク検出装置が設けられ、前記制御装置は、前記第2切断長の位置に前記切断用マークがないとき、前記第2切断長に予め設定された余裕長を加算した位置で前記切断装置の作動を制御することを特徴としている。
【0018】
従って、第1ライナの表面に切断用マークがあるとき、制御装置は、マーク検出装置による切断用マークの検出時期に応じて切断装置の作動を制御して連続する段ボールシートを第1切断長で切断する。そして、制御装置は、段ボールシートに不良部があり、且つ、長さが排出許容長さより長いときに第1切断長から第2切断長に変更するが、第2切断長の位置に切断用マークがないことから、第2切断長に余裕長を加算した位置で不良部を含む段ボールシートを切断する。そのため、不良部を含む段ボールシートは、排出許容長さより短く切断されることとなり、不良品排出装置により容易に排出することができる。
【0019】
本発明のシートの不良除去装置では、前記制御装置は、第1切断長に基づいて前記切断装置の作動を制御するノーマル切断モードと、前記切断用マークに基づいて前記切断装置の作動を制御するプレプリント切断モードとを有し、前記ノーマル切断モードと前記プレプリント切断モードとの切換時に前記第1切断長から前記第2切断長に変更することを特徴としている。
【0020】
従って、制御装置は、ノーマル切断モードからプレプリント切断モードへの切換時、または、プレプリント切断モードからノーマル切断モードへの切換時に、第1切断長から第2切断長に変更することから、モード切替時に発生する紙継ぎ部を含む段ボールシートを短く切断し、不良品排出装置により適正に排出することができる。
【0021】
本発明のシートの不良除去装置では、前記不良部は、紙継ぎ部、中芯変形部、印刷不良部、傷、汚れ、糊かす付着の少なくともいずれか一つであることを特徴としている。
【0022】
従って、紙継ぎ部や中芯変形部や印刷不良部などの不良部を含む段ボールシートを適正に短く切断して排出することができる。
【0023】
また、本発明のシートの不良除去方法は、波形加工された中芯の両側にライナを貼り合わせて形成される両面段ボールシートを幅方向に沿って予め設定された所定長さに切断する工程と、段ボールシートの不良部を検出する工程と、板状の段ボールシートの長さが排出許容長さより長いときに前記不良部を含む段ボールシートを前記排出許容長さより短い長さに切断する工程と、前記排出許容長さより短い長さに切断された板状の段ボールシートを搬送ラインから排出する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0024】
従って、板状の段ボールシートの長さが排出許容長さより長いとき、不良部を含む段ボールシートを排出許容長さより短い長さに切断する。すると、不良部を含む段ボールシートは、排出許容長さより短くなり、不良部を含む段ボールシートを不良品排出装置により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、段ボールシートの長さに拘わらず不良品である段ボールシートを適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【0025】
また、本発明の段ボールシートの製造装置は、波形加工された中芯に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造するシングルフェーサと、前記片面段ボールシートにおける前記中芯側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造するダブルフェーサと、前記シートの不良除去装置と、を備えることを特徴とするものである。
【0026】
従って、シングルフェーサは、波形加工された中芯に第2ライナを貼り合わせて片面段ボールシートを製造し、ダブルフェーサは、シングルフェーサで製造される片面段ボールシートにおける中芯側に第1ライナを貼り合わせて両面段ボールシートを製造し、切断装置は、両面段ボールシートを幅方向に沿って所定長さに切断する。このとき、制御装置は、不良品排出装置により不良部を含む段ボールシートを搬送ラインから排出するが、板状の段ボールシートの長さが不良品排出装置の排出許容長さより長いときに切断装置を作動し、不良部を含む段ボールシートを排出許容長さより短い長さに切断する。すると、不良部を含む段ボールシートは、排出許容長さより短くなり、不良部を含む段ボールシートを不良品排出装置により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、段ボールシートの長さに拘わらず不良品である段ボールシートを適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のシートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置によれば、段ボールシートの長さに拘わらず、不良品であるシートを適正に搬送ラインから除去することで、作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
図2図2は、本実施形態のシートの不良除去装置を表す構成図である。
図3図3は、不良品排出装置を表す概略図である。
図4図4は、プレプリント切断モードにおける通常時のカットオフの作動を表す概略図である。
図5図5は、プレプリント切断モードにおける不良部発生時のカットオフの作動を表す概略図である。
図6図6は、ノーマル切断モードからプレプリント切断モードへの切換時における不良除去装置の作動を表すタイムチャートである。
図7図7は、プレプリント切断モードにおける不良除去装置の作動を表すタイムチャートである。
図8図8は、プレプリント切断モードからノーマル切断モードへの切換時における不良除去装置の作動を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照して、本発明のシートの不良除去装置及び方法並びに段ボールシートの製造装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0030】
図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
【0031】
本実施形態において、図1に示すように、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシン10は、まず、波形加工された中芯B1に裏ライナ(第2ライナ)C1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続する両面段ボールシートE1を製造する。そして、連続する両面段ボールシートE1を所定長さに切断することで、板状の両面段ボールシートF1を製造することができる。また、コルゲートマシン10は、まず、上述した片面段ボールシートD1を製造すると共に、波形加工された中芯B2に裏ライナ(第2ライナ)C2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に片面段ボールシートD2の裏ライナC2を貼り合せると共に、片面段ボールシートD2の中芯B2に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続する複両面段ボールシートE2を製造する。そして、連続する複両面段ボールシートE2を所定長さに切断することで、板状の複両面段ボールシートF2を製造することができる。
【0032】
コルゲートマシン10は、中芯B1のミルロールスタンド11と、裏ライナC1のミルロールスタンド12と、シングルフェーサ13と、ブリッジ14と、中芯B2のミルロールスタンド15と、裏ライナC2のミルロールスタンド16と、シングルフェーサ17と、ブリッジ18と、表ライナAのミルロールスタンド19と、プレヒータ20と、グルーマシン21と、ダブルフェーサ22と、ロータリシャ23と、スリッタスコアラ24と、カットオフ(切断装置)25と、不良品排出装置26と、スタッカ27を有している。
【0033】
各ミルロールスタンド11,15は、両側にそれぞれ中芯B1,B2が形成される中芯がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサ28が設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサ28は、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド11,15から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
【0034】
また、ミルロールスタンド12,16は、両側にそれぞれ裏ライナC1,C2がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサ28が設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサ28は、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド12,16から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
【0035】
各ミルロールスタンド11,15から繰り出される中芯B1,B2と、ミルロールスタンド12,16から繰り出される裏ライナC1,C2は、それぞれ図示しないプレヒータにより予熱される。各プレヒータは、内部に蒸気が供給される加熱ロールを有し、中芯B1,B2や裏ライナC1,C2を加熱ロールに巻き付けて搬送することで、所定温度まで昇温する。
【0036】
シングルフェーサ13は、加熱された中芯B1を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を形成する。シングルフェーサ13は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ13で形成された片面段ボールシートD1をブリッジ14に搬送する。このブリッジ14は、シングルフェーサ13とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD1を一次的に滞留させることができる。
【0037】
また、シングルフェーサ17は、加熱された中芯B2を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を形成する。シングルフェーサ17は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ17で形成された片面段ボールシートD2をブリッジ18に搬送する。このブリッジ18は、シングルフェーサ17とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD2を一次的に滞留させることができる。
【0038】
ミルロールスタンド19は、両側にそれぞれ表ライナAがロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサ28が設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサ28は、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、ミルロールスタンド19から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
【0039】
プレヒータ20は、3個の予熱ロール31,32,33が鉛直方向に並んで配置されている。予熱ロール31は、表ライナAを加熱するものであり、予熱ロール32は、片面段ボールシートD2を加熱するものであり、予熱ロール33は、片面段ボールシートD1を加熱するものである。また、各予熱ロール31,32,33は、巻き付け量調整装置(図示略)を有すると共に、内部に蒸気が供給されて所定の温度に加熱されており、周面に表ライナA、片面段ボールシートD2、片面段ボールシートD1が巻き付けられることで、予加熱することができる。
【0040】
グルーマシン21は、糊付けロール34,35が鉛直方向に並んで配置されている。糊付けロール34は、予熱ロール32で加熱された片面段ボールシートD2における中芯B2の各頂部に接触して糊付けを行うものである。糊付けロール35は、予熱ロール33で加熱された片面段ボールシートD1における中芯B1の各頂部に接触して糊付けを行うものである。グルーマシン21により糊付けされた片面段ボールシートD1,D2は、次工程のダブルフェーサ22に移送される。また、予熱ロール31で加熱された表ライナAもグルーマシン21内を通ってダブルフェーサ22に移送される。
【0041】
ダブルフェーサ22は、各片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAの走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション36と、下流側のクーリングセクション37とを有している。グルーマシン21で糊付けされた片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAは、ヒーティングセクション36にて、加圧ベルトと熱板との間に搬入され、互いに重なりあった状態で一体となってクーリングセクション37へ向けて移送される。この移送中、各片面段ボールシートD1,D2と表ライナAは、加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続する複両面段ボールシートE2となり、その後、搬送されながら自然冷却される。なお、両面段ボールシートE1を製造するときには、片面段ボールシートD2を製造しないことから、片面段ボールシートD1及び表ライナAが加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続する両面段ボールシートE1となる。
【0042】
ダブルフェーサ22で製造された複両面段ボールシートE2(両面段ボールシートE1)は、ロータリシャ23に移送される。このロータリシャ23は、稼動初期段階で貼合せが安定するまでといった場合に、複両面段ボールシートE2を幅方向に全幅切断あるいは部分切断する。スリッタスコアラ24は、幅広の複両面段ボールシートE2を所定の幅を持つように搬送方向に沿って裁断し、且つ、搬送方向に延在する罫線を加工するものである。このスリッタスコアラ24は、複両面段ボールシートE2の搬送方向に沿って配列された略同一構造をした第1スリッタスコアラユニット38と第2スリッタスコアラユニット39とから構成されている。幅広の複両面段ボールシートE2は、このスリッタスコアラ24により裁断されることで、所定幅の複両面段ボールシートE2が形成される。
【0043】
カットオフ25は、スリッタスコアラ24によって搬送方向に裁断された複両面段ボールシートE2を幅方向に沿って切断し、所定長さをもった板状の複両面段ボールシートF2(両面段ボールシートF1)に形成するものである。不良品排出装置26は、不良品と検出された複両面段ボールシートF2を搬送ラインから排出するものである。不良品が発生する要因としては、例えば、紙継ぎ不良や中芯の変形、傷、汚れ、糊かすの付着などがある。スタッカ27は、良品と判定された複両面段ボールシートF2を積み上げて製品として機外に排出するものである。
【0044】
なお、本実施形態のコルゲートマシン10は、上述したように、板状の両面段ボールシートF1と板状の複両面段ボールシートF2を製造することができるものである。しかし、以下に説明する裁断工程や切断工程などでは、ほぼ同様の作業工程である。そのため以下の説明では、連続する両面段ボールシートE1及び連続する複両面段ボールシートE2を連続する両面段ボールシートEとして表し、板状の両面段ボールシートF1及び板状の複両面段ボールシートF2を板状の両面段ボールシートFとして表す。
【0045】
ここで、本実施形態のシートの不良除去装置について説明する。コルゲートマシン10は、最終的に、カットオフ25が連続する両面段ボールシートEを所定の切断長に切断することで、板状の両面段ボールシートFを形成する。シートの不良除去装置は、板状の両面段ボールシートFの製造過程で検出した不良部を含む板状の両面段ボールシートFを不良品として不良品排出装置26により搬送ラインから排出する。但し、不良品排出装置26は、構造上または配置スペース上などの理由から、板状の両面段ボールシートFの排出許容長さが設定されており、排出許容長さよりも長い板状の両面段ボールシートFを排出することができない。そこで、本実施形態では、不良部を含む両面段ボールシートEを排出許容長さよりも短く複数のシートに切断して排出する。
【0046】
以下、本実施形態のシートの不良除去装置について詳細に説明する。図2は、本実施形態のシートの不良除去装置を表す構成図、図3は、不良品排出装置を表す概略図である。
【0047】
図2に示すように、本実施形態のシートの不良除去装置50は、表ライナAと波形加工された中芯B1,B2と裏ライナC1,C2が貼り合わされて形成された板状の両面段ボールシートF(F1,F2)の不良品を除去するものである。シートの不良除去装置50は、切断装置としてのカットオフ25と、不良検出装置としての紙継ぎ部検出装置51(51a,51b,51c,51d,51e)、片段不良検出装置52(52a,52b)、品質検査装置53(53a,53b)、不良検出スイッチ54(54a,54b)と、不良品排出装置26と、制御装置55と、カットオフ制御装置56とを備える。
【0048】
図3に示すように、カットオフ25は、両面段ボールシートEを幅方向に沿って切断し、所定の切断長の板状の両面段ボールシートFを形成する。カットオフ25は、搬送コンベア61と、上下一対の切断ロール62,63を有する。そのため、カットオフ25は、搬送コンベア61により搬送された両面段ボールシートEを上下一対の切断ロール62,63により切断することで、板状の両面段ボールシートFを形成する。不良品排出装置26は、不良部を含む板状の両面段ボールシートFを搬送ラインから排出する。不良品排出装置26は、第1搬送コンベア64と、第2搬送コンベア65と、第1排出コンベア66と、第2排出コンベア67と、振分ロール68とを有する。
【0049】
第1搬送コンベア64は、水平搬送部64aと、下向き搬送部64bとを有し、カットオフ25で切断された板状の両面段ボールシートFを受け取って搬送する。第2搬送コンベア65は、第1搬送コンベア64における水平搬送部64aの下流側に連続して配置され、良品として搬送される板状の両面段ボールシートFを受け取って搬送する。第1排出コンベア66は、第1搬送コンベア64における下向き搬送部64bの下流側に連続して配置され、不良品として排出された板状の両面段ボールシートF0を受け取って搬送する。第2排出コンベア67は、第1排出コンベア66の下流側に連続して配置され、不良品として排出された板状の両面段ボールシートF0を受け取って搬送する。本実施形態にて、第2排出コンベア67は、板状の両面段ボールシートFの搬送ラインに対して交差する水平方向に沿って板状の両面段ボールシートF0を搬送して排出する。
【0050】
振分ロール68は、第1搬送コンベア64における水平搬送部64aと下向き搬送部64bの間の上方に配置される。振分ロール68は、上下方向に移動可能である。そのため、良品と判定された板状の両面段ボールシートFが搬送されると、振分ロール68を上昇位置に待機させることで、良品の板状の両面段ボールシートFを水平搬送部64aから第2搬送コンベア65に搬送する。一方、不良品と判定された板状の両面段ボールシートFが搬送されると、振分ロール68を下降させることで、不良品の板状の両面段ボールシートF0を水平搬送部64aから下向き搬送部64bに振り分け、第1排出コンベア66と第2排出コンベア67を用いて排出する。
【0051】
スタッカ27は、良品と判定された板状の両面段ボールシートFを積み上げて製品として機外に排出するものである。スタッカ27は、複数の搬送コンベア69,70,71と、積み上げ台(図示略)とを有する。良品の板状の両面段ボールシートFは、スタッカ27に送られ、各搬送コンベア69,70,71で重ねられて搬送された後、積み上げ台上に積み上げられる。
【0052】
また、本実施形態のコルゲートマシン10は、プレプリントライナを用いた板状の両面段ボールシートFを製造可能である。プレプリントライナとは、予め表面に所定の絵柄や文字などが印刷されたものであり、表ライナAとしてプレプリントライナが適用される。また、表ライナA(プレプリントライナ)は、表面に絵柄や文字だけではなく、切断位置を表す切断用マークが印刷されている。そのため、カットオフ25より板状の両面段ボールシートFの搬送方向の上流側にマーク検出装置75が配置される。マーク検出装置75は、支持台76と、この支持台76に装着されたマークセンサ77とを有する。表ライナAは、搬送される板状の両面段ボールシートFの下面側に位置し、表面(下面)に切断用マークが印刷されていることから、マークセンサ77は、板状の両面段ボールシートFの下面側に対向して配置される。
【0053】
ここで、上述した不良検出装置としての紙継ぎ部検出装置51(51a,51b,51c,51d,51e)と、片段不良検出装置52(52a,52b)と、品質検査装置53(53a,53b)と、不良検出スイッチ54(54a,54b)とを説明する。図2および図3に示すように、紙継ぎ部検出装置51は、スプライサ28に配置され、スプライサ28が表ライナA、中芯B(B1,B2)、裏ライナC(C1,C2)の紙継ぎを行ったことを検出し、制御装置55に紙継ぎ信号を出力する。制御装置55は、紙継ぎ部検出装置51から入力された紙継ぎ信号に基づいて、表ライナA、中芯B、裏ライナCの搬送速度と、紙継ぎ位置からカットオフ25までの搬送距離とから、不良部としての紙継ぎ部がカットオフ25に到達する時間を算出する。さらに、制御装置55は、同様に、カットオフ25から不良品排出装置26までの到達時間を算出する。
【0054】
片段不良検出装置52は、プレヒータ20またはグルーマシン21に配置される。片段不良検出装置52は、裏ライナCに波形加工された中芯Bが貼り付けられて形成された片面段ボールシートDにおいて、中芯Bの変形を検出する。片段不良検出装置52は、例えば、撮像装置を有し、良品である中芯Bの撮影画像と、撮像装置により撮像された搬送中の中芯Bの撮影画像とを比較することで、中芯Bの変形を検出して片面段ボールシートDの良否を判定する。片段不良検出装置52は、片面段ボールシートDの良否判定信号を制御装置55に出力する。制御装置55は、片段不良検出装置52から入力された良否判定信号に基づいて、片面段ボールシートDの搬送速度と、片段不良検出装置52からカットオフ25までの搬送距離とから、不良部がカットオフ25に到達する時間を算出する。さらに、制御装置55は、同様に、カットオフ25から不良品排出装置26までの到達時間を算出する。
【0055】
品質検査装置53は、スリッタスコアラ24とカットオフ25との間で、搬送される板状の両面段ボールシートFの上方及び下方に配置される。品質検査装置53は、例えば、撮像装置を有し、撮像装置による撮像画像に基づいて、板状の両面段ボールシートFの形状や寸法、プレプリントライナを使用しているときには印刷状態を検査する。具体的には、良品である板状の両面段ボールシートFと、撮像装置により撮像された搬送中の板状の両面段ボールシートFの撮影画像とを比較することで、板状の両面段ボールシートFの良否を判定する。制御装置55は、品質検査装置53から入力された良否判定信号に基づいて、板状の両面段ボールシートFの搬送速度と、品質検査装置53からカットオフ25までの搬送距離とから、不良部がカットオフ25に到達する時間を算出する。さらに、制御装置55は、同様に、カットオフ25から不良品排出装置26までの到達時間を算出する。
【0056】
不良検出スイッチ54は、スリッタスコアラ24やカットオフ25の周辺などに配置される。不良検出スイッチ54は、作業者により操作可能であり、作業者の視認により搬送中の両面段ボールシートE,Fに不良部(例えば、傷、汚れ、糊かす付着)を見つけたときに操作する。制御装置55は、不良検出スイッチ54から入力された不良部検出信号に基づいて、前述と同様に、不良部がカットオフ25に到達する時間を算出する。さらに、制御装置55は、同様に、カットオフ25から不良品排出装置26までの到達時間を算出する。
【0057】
制御装置55は、不良検出装置としての紙継ぎ部検出装置51と片段不良検出装置52と品質検査装置53と不良検出スイッチ54との検出結果に応じて不良品排出装置26を作動する。この場合、制御装置55は、紙継ぎ部検出装置51からの紙継ぎ信号、片段不良検出装置52や品質検査装置53からの良否判定信号、不良検出スイッチ54からの不良部検出信号に基づいて、不良部がカットオフ25に到達する時間を算出している。さらに、制御装置55は、カットオフ25から不良品排出装置26までの到達時間を算出している。そのため、制御装置55は、不良部が不良品排出装置26に到達したとき、不良品排出装置26を作動して不良部を含む板状の両面段ボールシートF0を搬送ラインから外部に排出する。
【0058】
また、制御装置55は、板状の両面段ボールシートF0の長さLが不良品排出装置26の排出許容長さLdより長いときに、不良部を含む連続する両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断するようにカットオフ25を制御する。即ち、不良品排出装置26は、不良部を含む板状の両面段ボールシートF0を第1搬送コンベア64から振分ロール68によって第1排出コンベア66に送り、第1排出コンベア66から搬送ラインに直交する第2排出コンベア67により外部に排出する。第2排出コンベア67は、図3の紙面直交方向に向けて、不良部を含む板状の両面段ボールシートF0を搬送するものであり、幅方向に排出許容長さLdが設定されている。そのため、カットオフ25による不良部を含む板状の両面段ボールシートF0の切断長Lが排出許容長さLdより長いと、そのままでは第2排出コンベア67により不良部を含む板状の両面段ボールシートF0を外部に排出することができない。本実施形態では、不良部を含む連続する両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断する。つまり、排出許容長さLdよりも長い不良部を含む板状の両面段ボールシートF0は、カットオフ25により複数のシートに切断されて排出される。
【0059】
ここで、プレプリント切断モードにおけるカットオフ25の作動について説明する。図4は、プレプリント切断モードにおける通常時のカットオフの作動を表す概略図、図5は、プレプリント切断モードにおける不良部発生時のカットオフの作動を表す概略図である。
【0060】
図2および図4に示すように、プレプリント切断モードとは、表ライナAとして、表面に絵柄や文字と共に切断用マークMが印刷されたプレプリントライナを用いて板状の両面段ボールシートFを製造するモードである。このプレプリント切断モードにて、マーク検出装置75は、マークセンサ77が板状の両面段ボールシートFの下面側に印刷されている切断用マークMを検出し、カットオフ制御装置56にマーク検出信号を出力する。カットオフ制御装置56は、マーク検出信号に基づいて、連続する両面段ボールシートEの搬送速度と、マーク検出装置75からカットオフ25までの搬送距離とから、連続する両面段ボールシートEの切断用マークMがカットオフ25による切断位置に到達する時間を算出し、両面段ボールシートFを切断するナイフシリンダの回転方向位置を制御して切断用マークMの位置で切断する。
【0061】
長さLを有する板状の両面段ボールシートFを製造するとき、カットオフ25による切断長は、第1切断長Lとなる。切断長が第1切断長Lであるとき、連続する両面段ボールシートEは、第1切断長Lごとに切断用マークMが印刷されている。そのため、カットオフ制御装置56は、マーク検出装置75からのマーク検出信号に基づいて、所定のタイミングでカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断用マークMの位置で切断(切断線CL)する。なお、マーク検出装置75が切断用マークMを検出できなかったとき、カットオフ制御装置56は、事前に第1切断長Lの長さがわかっていることから、切断しないことを回避するため、第1切断長Lに余裕長Lmを加算した長さでカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断する。
【0062】
一方、図2および図5に示すように、例えば、連続する両面段ボールシートEの紙継ぎ部としての不良部Pfがカットオフ25に到達したとき、制御装置55は、紙継ぎ部検出装置51からの紙継ぎ信号に基づいて、不良品排出装置26を作動して不良部Pfを含む板状の両面段ボールシートF0を搬送ラインから排出する。このとき、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの長さが排出許容長さLdより長いとき、切断長を第1切断長Lから第1切断長Lの2分の1(整数n分の1)である第2切断長L/2に変更する。なお、ここで、整数とは、自然数であり、「0」を除く。
【0063】
例えば、第1切断長Lが1700mmであり、排出許容長さLdが1600mmであるとき、不良品排出装置26は、長さが1700mmである板状の両面段ボールシートF0を搬送ラインから排出することができない。このとき、切断長を第1切断長Lから第2切断長L/2に変更する。第1切断長L(1700mm)の1/2は、850mmであり、排出許容長さLd以下となることから、第2切断長を第1切断長Lの2分の1とする。また、第1切断長Lが3600mmであり、排出許容長さLdが1600mmであるとき、第1切断長L(1700mm)の1/3は、1200mmであり、排出許容長さLd以下となることから、第2切断長を第1切断長Lの3分の1とする。
【0064】
そのため、カットオフ制御装置56は、マーク検出装置75からのマーク検出信号と、紙継ぎ部検出装置51からの紙継ぎ信号とに基づいて、所定のタイミングでカットオフ25を作動する。即ち、不良部Pfがカットオフ25に到達したとき、制御装置55は、第1切断長L(1700mm)から第2切断長L/2(850mm)に変更するようにカットオフ制御装置56に指令する。カットオフ制御装置56は、カットオフ25を作動し、カットオフ25が連続する両面段ボールシートEを切断した切断用マークMの位置から、第2切断長L/2(850mm)だけ離れた位置で連続する両面段ボールシートEを切断しようとする。ここで、プレプリント切断モードでは、基本的に、カットオフ25が切断用マークMの位置で連続する両面段ボールシートEを切断するものである。しかし、第2切断長L/2(850mm)の位置に切断用マークMがないことから、カットオフ制御装置56は、切断しないことを回避するため、第2切断長L/2に余裕長Lm(例えば、10mm)を加算した長さ(860mm)でカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断する。
【0065】
その後、制御装置55は、プレプリントモードでは切断用マークMで再び切断するため、第2切断長のn倍(第2切断長L/2とした場合2倍)の不良部の長さ分が継続して搬送されなければ、連続する両面段ボールシートEの切断長を第2切断長L/2から第1切断長Lに変更する。すると、カットオフ制御装置56は、マーク検出装置75からのマーク検出信号に基づいて、所定のタイミングでカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断用マークMの位置で切断(切断線CL)する。この場合、その前に、切断用マークMから第2切断長L/2+余裕長Lmだけ離れた位置(860mm)で連続する両面段ボールシートEを切断していることから、このときの切断長は、第2切断長L/2から余裕長Lm(例えば、10mm)を減算した長さ(840mm)となる。
【0066】
なお、本実施形態のシートの不良除去装置50は、上述したプレプリント切断モードにだけ対応するものではなく、ノーマル切断モードにも対応することができる。以下、本実施形態のシートの不良除去方法について説明する。図6は、ノーマル切断モードからプレプリント切断モードへの切換時における不良除去装置の作動を表すタイムチャート、図7は、プレプリント切断モードにおける不良除去装置の作動を表すタイムチャート、図8は、プレプリント切断モードからノーマル切断モードへの切換時における不良除去装置の作動を表すタイムチャートである。
【0067】
本実施形態のシートの不良除去方法は、波形加工された中芯Bの両側にライナA,Cを貼り合わせて形成される連続する両面段ボールシートEを幅方向に沿って予め設定された所定長さLに切断する工程と、両面段ボールシートE,Fの不良部Pfを検出する工程と、板状の両面段ボールシートFの長さLが排出許容長さLdより長いときに不良部Pfを含む連続する両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断する工程と、排出許容長さLdより短い長さに切断された板状の両面段ボールシートF0を搬送ラインから排出する工程とを有する。
【0068】
制御装置55は、第1切断長に基づいてカットオフ25を作動するノーマル切断モードと、切断用マークMに基づいてカットオフ25を作動するプレプリント切断モードとを有し、切換可能となっている。ここで、ノーマル切断モードとは、表ライナAとして、表面に絵柄や文字、切断用マークMが印刷されていないノーマルライナを用いて板状の両面段ボールシートFを製造するモードである。このノーマル切断モードにて、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの第1切断長が入力されており、この第1切断長に基づいて、連続する両面段ボールシートEの搬送速度から切断位置を算出する。
【0069】
図2および図6に示すように、ノーマル切断モードからプレプリント切断モードに切り換わるとき、表ライナAは、無地のノーマルライナから印刷済のプレプリントライナに紙継ぎされることから、この紙継ぎ部が不良部Pfとなり、不良部Pfを含む板状の両面段ボールシートF0が発生する。なお、以下の説明では、板状の両面段ボールシートFの長さLが排出許容長さLdよりも長いものとして説明する。
【0070】
切断モードがノーマル切断モードであるとき、プレプリント切断モード信号がOFFであり、板状の両面段ボールシートFの第1切断長L1であることから、第1切断長L1ごとにカットオフ25が作動する。このとき、カットオフ25が連続する両面段ボールシートEを切断したタイミングで、カットオフ25からカットオフ制御装置56にカット完了信号が出力される。そして、制御装置55は、不良部(紙継ぎ部)Pfがカットオフ25に到達する時期を把握しており、この不良部Pfがカットオフ25に到達する時期より1サイクル手前で、所定の長さ範囲Laにわたって切断長を第1切断長L1から第2切断長LW(L1/2)に切り換える。なお、1サイクルとは、カットオフ25が第1切断長L1で1枚の板状の両面段ボールシートFを切断する長さである。
【0071】
すると、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを第1切断長L1で切断した後、第1切断長L1から第2切断長LWに切り換えられ、不良部Pfを有する連続する両面段ボールシートEを所定の長さ範囲Laにわたって第2切断長LWで切断する。即ち、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを第1切断長L1で切断した後、両面段ボールシートEを第2切断長LW1(L1/2+Lm)、第2切断長LW2(L1/2-Lm)、第2切断長LW1(L1/2+Lm)、第2切断長LW2(L1/2-Lm)で切断する。ここで、切断モードがプレプリント切断モードに切り換えられてプレプリント切断モード信号がONになる。
【0072】
このプレプリント切断モードにて、カットオフ25は、切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを切断しようとする。しかし、連続する両面段ボールシートEは、第1切断長L1で切断された位置から第2切断長LW1の位置に切断用マークMがない。そのため、カットオフ制御装置56は、第2切断長LWに余裕長Lmを加算した第2切断長LW1の位置でカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断する。その後、カットオフ制御装置56は、カットオフ25を切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを切断する。このときの切断長は、第2切断長LWから余裕長Lmを減算した第2切断長LW2となる。また、制御装置55は、切断長を第1切断長L1から第2切断長LWに切り換えた後、不良品排出装置26を作動して不良品排出処理をONとする。
【0073】
その後、連続する両面段ボールシートEが搬送され、所定の長さ範囲Laに到達する1サイクル手前で、切断長を第2切断長LWから第1切断長L2に切り換える。すると、カットオフ制御装置56は、カットオフ25を切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを第1切断長L2で切断する。また、制御装置55は、切断長を第2切断長LWから第1切断長L2に切り換えた後、不良品排出装置26の作動を停止して不良品排出処理をOFFとする。
【0074】
また、図2および図7に示すように、プレプリント切断モードでは、紙継ぎ部検出装置51からの紙継ぎ信号の送信時、片段不良検出装置52や品質検査装置53からの良否判定信号の送信時、不良検出スイッチ54からの不良部検出信号の送信時に、不良部Pfを含む板状の両面段ボールシートF0が発生する。
【0075】
切断モードがプレプリント切断モードであるとき、プレプリント切断モード信号がONであり、板状の両面段ボールシートFの第1切断長L2であり、カットオフ25が切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを切断する。このとき、カットオフ25が連続する両面段ボールシートEを切断したタイミングで、カットオフ制御装置56から制御装置55にカット完了信号が出力される。そして、制御装置55は、不良部Pfがカットオフ25に到達する時期を把握しており、この不良部Pfがカットオフ25に到達する時期より1サイクル手前で、所定の長さ範囲Lbにわたって切断長を第1切断長L2から第2切断長LW(L2/2)に切り換える。
【0076】
すると、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを切断用マークMの位置(第1切断長L2)で切断した後、第2切断長L2から第2切断長LWに切り換えられ、不良部Pfを有する連続する両面段ボールシートEを所定の長さ範囲Lbにわたって第2切断長LWで切断する。即ち、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを第1切断長L2で切断した後、両面段ボールシートEを第2切断長LW1(L1/2+Lm)、第2切断長LW2(L1/2-Lm)、第2切断長LW1(L1/2+Lm)、第2切断長LW2(L1/2-Lm)で切断する。
【0077】
しかし、連続する両面段ボールシートEは、第1切断長L2で切断された位置から第2切断長LWの位置に切断用マークMがない。そのため、カットオフ制御装置56は、第2切断長LWに余裕長Lmを加算した第2切断長LW1の位置でカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断する。その後、カットオフ制御装置56は、カットオフ25を切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを切断する。このときの切断長は、第2切断長LWから余裕長Lmを減算した第2切断長LW2となる。同様に、カットオフ制御装置56は、連続する両面段ボールシートEに対して、第2切断長LWに余裕長Lmを加算した第2切断長LW1の位置と、第2切断長LWから余裕長Lmを減算した第2切断長LW2の位置でカットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを切断する。また、制御装置55は、切断長を第1切断長L2から第2切断長LW1に切り換えた後、不良品排出装置26を作動して不良品排出処理をONとする。
【0078】
その後、連続する両面段ボールシートEが搬送され、所定の長さ範囲Lbに到達する1サイクル手前で、切断長を第2切断長LWから第1切断長L2に切り換える。すると、カットオフ制御装置56は、カットオフ25を切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを第1切断長L2で切断する。また、制御装置55は、切断長を第2切断長LWから第1切断長L2に切り換えた後、不良品排出装置26の作動を停止して不良品排出処理をOFFとする。この場合、制御装置55は、不良部の切断後、通常の切断に切り替えるにあたって、第2切断長のn倍の不良部の長さ分(LW×n×m:mは、不良部Pfの長さ範囲Lbを第1切断長Lで割った商を切り上げた整数)切断することによって、カットオフ25が再び切断用マークMの位置にて作動する。
【0079】
更に、図2および図8に示すように、プレプリント切断モードからノーマル切断モードに切換るとき、表ライナAは、印刷済のプレプリントライナから無地のノーマルライナに紙継ぎされることから、この紙継ぎ部が不良部Pfとなり、不良部Pfを含む板状の両面段ボールシートF0が発生する。
【0080】
切断モードがプレプリント切断モードであるとき、プレプリント切断モード信号がONであり、板状の両面段ボールシートFの第1切断長L2であり、カットオフ25が切断用マークMの位置で作動して連続する両面段ボールシートEを切断する。このとき、カットオフ25が連続する両面段ボールシートEを切断したタイミングで、カットオフ制御装置56から制御装置55にカット完了信号が出力される。そして、制御装置55は、不良部Pfがカットオフ25に到達する時期を把握しており、この不良部Pfがカットオフ25に到達する時期より1サイクル手前で、所定の長さ範囲Lcにわたって切断長を第1切断長L2から第2切断長LW(L2/2)に切り換えると共に、切断モードがノーマル切断モードに切り換えられてプレプリント切断モード信号がOFFになる。
【0081】
すると、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを切断用マークMの位置(第1切断長L2)で切断した後、第1切断長L2から第2切断長LWに切り換えられ、不良部Pfを有する連続する両面段ボールシートEを所定の長さ範囲Lcにわたって第2切断長LWで切断する。即ち、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを第1切断長L2で切断した後、両面段ボールシートEを第2切断長LW(L2/2)、第2切断長LW(L2/2)で切断する。ここで、切断モードがノーマル切断モードであることから、カットオフ制御装置56は、第1切断長L2から第2切断長LWに切り換えられたとき、カットオフ25を作動し、連続する両面段ボールシートEを第2切断長LWで2回切断する。また、制御装置55は、切断長を第1切断長L2から第2切断長LWに切り換えた後、不良品排出装置26を作動して不良品排出処理をONとする。
【0082】
その後、連続する両面段ボールシートEが搬送され、所定の長さ範囲Lcに到達する1サイクル手前で、切断長を第2切断長LWから第1切断長L3に切り換える。すると、カットオフ制御装置56は、第1切断長L3ごとにカットオフ25を作動して連続する両面段ボールシートEを第1切断長L3で切断する。また、制御装置55は、切断長を第2切断長LWから第1切断長L3に切り換えた後、不良品排出装置26の作動を停止して不良品排出処理をOFFとする。
【0083】
このように本実施形態のシートの不良除去装置にあっては、連続する両面段ボールシートEを幅方向に沿って切断するカットオフ(切断装置)25と、両面段ボールシートE,Fの不良部Pfを検出する不良検出装置としての紙継ぎ部検出装置51、片段不良検出装置52、品質検査装置53、不良検出スイッチ54と、不良部Pfを含む板状の両面段ボールシートFを搬送ラインから排出する不良品排出装置26と、不良検出装置の検出結果に応じて不良品排出装置26を作動すると共に板状の両面段ボールシートFの長さLが不良品排出装置26の排出許容長さLdより長いときに不良部Pfを含む両面段ボールシートFを排出許容長さLdより短い長さに切断するようにカットオフ25を制御する制御装置55およびカットオフ制御装置56とを備える。
【0084】
従って、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの長さLが不良品排出装置26の排出許容長さLdより長いときにカットオフ25を作動し、不良部Pfを含む両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断する。すると、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0は、排出許容長さLdより短くなり、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0を不良品排出装置26により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、両面段ボールシートFの長さに拘わらず不良品である両面段ボールシートF0を適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【0085】
本実施形態のシートの不良除去装置では、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの長さが排出許容長さLdより長いとき、不良部Pfを含む両面段ボールシートFを所定長さL以上の長さ範囲La,Lb,Lcにわたって排出許容長さLdより短い長さに切断するようにカットオフ25を作動する。従って、不良部Pfを含む両面段ボールシートFを所定長さL以上の長さ範囲La,Lb,Lcにわたって短い長さに切断することから、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0を適切に搬送ラインから排出することができる。
【0086】
本実施形態のシートの不良除去装置では、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを幅方向に沿って予め設定された所定の第1切断長Lに切断することで板状の両面段ボールシートFを形成するものであり、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの長さLが排出許容長さLdより長いとき、不良部Pfを含む両面段ボールシートFの切断長を第1切断長Lの整数分の1である第2切断長L/nに変更する。従って、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを第1切断長Lに切断して板状の両面段ボールシートFを形成しており、連続する両面段ボールシートEに不良部Pfがあり、且つ、板状の両面段ボールシートFの長さLが排出許容長さLdより長いとき、切断長を第1切断長Lより短い第2切断長L/nに変更する。そのため、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0は、排出許容長さLdより短く切断されることとなり、不良品排出装置26により容易に排出することができる。
【0087】
本実施形態のシートの不良除去装置では、制御装置55は、不良部Pfを含む両面段ボールシートEを第2切断長L/nで整数分だけ切断した後、第2切断長L/nから第1切断長Lに変更する。従って、不良部Pfを含む両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短く切断して排出した後、第2切断長L/nから第1切断長Lに戻す。そのため、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを所定の第1切断長Lに切断して板状の両面段ボールシートFを連続して形成することができる。
【0088】
本実施形態のシートの不良除去装置では、制御装置55は、第1切断長Lから第2切断長L/nに変更した後、両面段ボールシートFに不良部Pfがないときは、第2切断長L/nから第1切断長Lに変更する。従って、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0を短く切断して排出した後、両面段ボールシートFに不良部Pfがないとき、第2切断長L/nから第1切断長Lに戻す。そのため、カットオフ25は、連続する両面段ボールシートEを所定の第1切断長Lに切断して板状の両面段ボールシートFを連続して形成することができる。
【0089】
本実施形態のシートの不良除去装置では、表ライナAは、表面に切断位置を表す切断用マークMが印刷されたプレプリントライナであり、カットオフ25より上流側に切断用マークMを検出するマーク検出装置75が設けられ、制御装置55は、第2切断長L/nの位置に切断用マークMがないとき、第2切断長L/nに予め設定された余裕長Lmを加算した位置でカットオフ25を作動する。従って、制御装置55は、両面段ボールシートFに不良部Pfがあり、且つ、長さLが排出許容長さLdより長いときに第1切断長Lから第2切断長L/nに変更するが、第2切断長L/nの位置に切断用マークMがないことから、第2切断長L/nに余裕長Lmを加算した位置で不良部Pfを含む両面段ボールシートFを切断する。そのため、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0は、排出許容長さLdより短く切断されることとなり、不良品排出装置26により容易に排出することができる。
【0090】
本実施形態のシートの不良除去装置では、制御装置55は、第1切断長Lに基づいてカットオフ25の作動を制御するノーマル切断モードと、切断用マークMに基づいてカットオフ25の作動を制御するプレプリント切断モードとを有し、ノーマル切断モードとプレプリント切断モードとの切換時に第1切断長Lから第2切断長L/nに変更する。従って、制御装置55は、ノーマル切断モードからプレプリント切断モードへの切換時、または、プレプリント切断モードからノーマル切断モードへの切換時に、第1切断長Lから第2切断長L/nに変更することから、モード切替時に発生する紙継ぎ部を含む両面段ボールシートF0を短く切断し、不良品排出装置26により適正に排出することができる。
【0091】
本実施形態のシートの不良除去装置では、不良部Pfを紙継ぎ部、中芯変形部、印刷不良部、傷、汚れの少なくともいずれか一つであるとしている。従って、紙継ぎ部や中芯変形部や印刷不良部などの不良部Pfを含む両面段ボールシートFを適正に短く切断して排出することができる。
【0092】
また、本実施形態の段ボールシートの不良除去方法にあっては、波形加工された中芯Bの両側にライナA,Cを貼り合わせて形成される両面段ボールシートEを幅方向に沿って予め設定された所定長さLに切断する工程と、両面段ボールシートの不良部Pfを検出する工程と、板状の両面段ボールシートFの長さLが排出許容長さLdより長いときに不良部Pfを含む両面段ボールシートを排出許容長さLdより短い長さに切断する工程と、排出許容長さLdより短い長さに切断された板状の両面段ボールシートF0を搬送ラインから排出する工程とを有する。
【0093】
従って、制御装置55は、板状の両面段ボールシートFの長さLが不良品排出装置26の排出許容長さLdより長いときにカットオフ25を作動し、不良部Pfを含む両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断する。すると、不良部Pfを含む両面段ボールシートEは、排出許容長さLdより短くなり、不良部Pfを含む両面段ボールシートFを不良品排出装置26により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、両面段ボールシートFの長さに拘わらず不良品である両面段ボールシートF0を適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【0094】
また、本実施形態の段ボールシートの製造装置にあっては、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造するシングルフェーサ13,17と、シングルフェーサ13,17で製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEを製造するダブルフェーサ22と、シートの不良除去装置50とを備える。
【0095】
従って、シングルフェーサ13,17は、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造し、ダブルフェーサ22は、シングルフェーサ13,17で製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて両面段ボールシートEを製造し、カットオフ25は、両面段ボールシートEを幅方向に沿って所定長さに切断する。このとき、制御装置55は、不良品排出装置26により不良部Pfを含む両面段ボールシートFを搬送ラインから排出するが、板状の両面段ボールシートFの長さLが不良品排出装置26の排出許容長さLdより長いときにカットオフ25を作動し、不良部Pfを含む両面段ボールシートEを排出許容長さLdより短い長さに切断する。すると、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0は、排出許容長さLdより短くなり、不良部Pfを含む両面段ボールシートF0を不良品排出装置26により搬送ラインから適正に排出することができる。その結果、両面段ボールシートFの長さに拘わらず不良品である両面段ボールシートF0を適正に搬送ラインから除去して作業効率の向上を図ることができる。
【0096】
なお、上述した実施形態にて、不良品排出装置26を第1搬送コンベア64と、第2搬送コンベア65と、第1排出コンベア66と、第2排出コンベア67と、振分ロール68から構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、第2排出コンベア67に代えて不良品収納かごなどを設けてもよい。
【0097】
また、上述した実施形態にて、切断装置をカットオフ25としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、カットオフ25とは別に切断装置を設けてもよい。
【0098】
また、上述した実施形態にて、コルゲートマシン10は、片面段ボールシートD1と片面段ボールシートD2と表ライナAを貼り合せた複両面段ボールシートを製造するものとしたが、片面段ボールシートD2(D1)と表ライナAを貼り合せた両面段ボールシートを製造するものとしてもよい。
【0099】
また、上述した実施形態では、本発明の制御装置を制御装置55およびカットオフ制御装置56から構成したが、機能を兼用させることで、一つの制御装置としてもよい。
【符号の説明】
【0100】
10 コルゲートマシン(段ボールシートの製造装置)
11,12,15,16,19 ミルロールスタンド
13,17 シングルフェーサ
14,18 ブリッジ
20 プレヒータ
21 グルーマシン
22 ダブルフェーサ
23 ロータリシャ
24 スリッタスコアラ
25 カットオフ(切断装置)
26 不良品排出装置
27 スタッカ
28 スプライサ
50 シートの不良除去装置
51(51a,51b,51c,51d) 紙継ぎ部検出装置(不良検出装置)
52(52a,52b) 片段不良検出装置(不良検出装置)
53(53a,53b) 品質検査装置(不良検出装置)
54(54a,54b) 不良検出スイッチ(不良検出装置)
55 制御装置
61 搬送コンベア
62,63 切断ロール
64 第1搬送コンベア
65 第2搬送コンベア
66 第1排出コンベア
67 第2排出コンベア
68 振分ロール
75 マーク検出装置
77 マークセンサ
A 表ライナ(第1ライナ)
B1,B2 中芯
C1,C2 裏ライナ(第2ライナ)
D1,D2 片面段ボールシート
E,E1 連続する両面段ボールシート
E,E2 連続する複両面段ボールシート
F,F1 板状の両面段ボールシート
F,F2 板状の複両面段ボールシート
F0 不良部を含む板状の両面段ボールシート
L 第1切断長
L/n(L/2) 第2切断長
Lm 余裕長
Ld 排出許容長さ
Pf 不良部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8