(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】操作装置、光学装置、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/08 20210101AFI20221205BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20221205BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20221205BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G02B7/08 B
G02B7/02 E
G03B17/18 Z
H04N5/232 030
H04N5/232 960
H04N5/232 939
(21)【出願番号】P 2018163193
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】磯野 航輔
【審査官】▲うし▼田 真悟
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-023956(JP,A)
【文献】特開2018-084667(JP,A)
【文献】特開2011-154282(JP,A)
【文献】特開2018-124497(JP,A)
【文献】特開2011-232684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ装置における可動の光学素子を操作するための操作部材と、
前記操作部材の操作量を検出する検出部と、
前記操作量に基づいて、前記レンズ装置に対する指令を生成する処理部と、
前記操作部材の操作感度を前記操作部材の操作量に応じて設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された前記操作部材の操作感度を低減させるための係数を設定する第2設定部と、
前記第2設定部による設定を有効にするための入力部を有し、
前記処理部は、前記操作量に応じて前記操作感度が変化する場合において、前記入力部により前記第2設定部による設定が有効とされた場合は、前記操作部材の操作量
に応じた前記操作部材の操作感度と前記係数に基づいて前記操作部材の操作感度を変更することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記操作部材の操作感度が閾値以上である場合に、前記操作部材の操作量
に応じた前記操作部材の操作感度と前記係数に基づいて前記操作部材の操作感度を変更することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記操作部材の操作感度を変更した場合に前記操作部材の操作により生成可能な前記指令の範囲に関する情報を得ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記処理部は、外部装置に前記情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記情報を表示部に表示させることを特徴とする請求項3に記載の操作装置。
【請求項6】
前記表示部を有することを特徴とする請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記操作部材の操作感度に前記係数を掛け合わせることにより、前記操作部材の操作感度を変更することを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項8】
前記光学素子は、前記レンズ装置における物体距離を調整するために可動であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項9】
前記光学素子は、前記レンズ装置における物体距離を調整するために可動であり、
前記処理部は、被写界深度に基づいて前記閾値を変更することを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項10】
前記レンズ装置と通信する通信部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のうちいずれか1項に記載の操作装置と、
前記操作装置により操作される可動の光学素子を含むレンズ装置とを有することを特徴とする光学装置。
【請求項12】
請求項11に記載の光学装置と、
前記レンズ装置の像面に配された撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置、光学装置、および撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
テレビカメラ等の撮像装置におけるレンズ装置のフォーカス調整(合焦)の制御は、モータ等の駆動部を含む制御系により行われている。当該制御系に指令を与えるために、
図9に示すような操作部材101を含む操作装置(フォーカスデマンドまたはフォーカスコントローラともいう)が使用されている。当該操作装置は、予め定められた回転角度範囲内において回転可能に操作部材101が支持されているため、回転角度と指令との関係を感覚的に把握できるようになっている。特定の物体距離範囲において操作感度(操作特性)の設定を行って当該物体距離範囲内の指令を生成することにより、フォーカスの微調整を行えるようにした操作装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献に開示された操作装置は、当該設定の前の操作感度が可変である場合を考慮していない。そのため、当該設定の後の操作感度が不変であると、当該設定の前後での操作感度の変化の仕方が当該設定の前の操作感度にしたがって変化することになる。そうなると、操作者は、操作に違和感を覚えうる。本発明は、例えば、レンズ装置の光学特性の微調整に有利な操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの側面は、レンズ装置における可動の光学素子を操作するための操作部材と、
前記操作部材の操作量を検出する検出部と、
前記操作量に基づいて、前記レンズ装置に対する指令を生成する処理部と、
前記操作部材の操作感度を前記操作部材の操作量に応じて設定する第1設定部と、
前記第1設定部により設定された前記操作部材の操作感度を低減させるための係数を設定する第2設定部と、
前記第2設定部による設定を有効にするための入力部を有し、
前記処理部は、前記操作量に応じて前記操作感度が変化する場合において、前記入力部により前記第2設定部による設定が有効とされた場合は、前記操作部材の操作量に応じた前記操作部材の操作感度と前記係数に基づいて前記操作部材の操作感度を変更することを特徴とする操作装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、レンズ装置の光学特性の微調整に有利な操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】互いに操作特性の異なる複数の操作モードを例示する図
【
図3】操作特性の変更に係る処理の流れを例示する図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、実施形態を説明するための全図を通して、原則として(断りのない限り)、同一の部材等には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1に係る操作装置の構成例を示す図である。同図において、10は、操作装置(ここではフォーカスコントローラまたはフォーカスデマンドともいう)である。20は、レンズ装置である。操作装置10は、レンズ装置20の光学特性を調整するために可動の光学素子(ここではレンズ)を制御するためのものである。操作装置10とレンズ装置20とは、より大規模な光学装置または光学システムを構成しうる。当該光学装置または光学システムは、さらには、例えば、後述の撮像装置を構成しうる。101は、当該制御のための指令(指令値)を生成するためにユーザ(例えばカメラマン)が操作する操作部材(ノブともいう)である。当該光学素子は、ここでは、レンズ装置20の光学特性としての物体距離を調整するためのものである。
図9は、操作部材を例示する図である。操作部材101は、
図9におけるものとしうる。操作部材101は、ここでは、回転操作がなされるものである。102は、操作部材101の操作量を検出する検出部であり、例えば、ポテンショメータまたはロータリーエンコーダー等を含んで構成されうる。
【0010】
103は、操作モード切替部であり、スイッチ等を含むユーザ・インターフェース(UI)を含んで構成されうる。操作モード切替部103は、ここでは、物体距離を調整するための互いに操作特性の異なる複数の操作モードを切り替えるものである。
図2は、互いに操作特性の異なる複数の操作モードを例示する図である。同図において、複数の操作モードは、Standardモードと、Nearモードと、Farモードとを含む。同図のグラフにおいて、横軸は、操作量(例えば0°ないし100°)を示し、縦軸は、指令(例えば0ないし10000)を示している。ここでは、指令は、0が最至近距離(M.O.D.)に対応し、10000が無限遠(INF.)に対応するものとして正規化されている。Standardモードは、指令が操作部材の操作量(例えば回転角度)に関して正比例するまたは1次の関数となる操作モードである。Nearモードは、最小物体距離(最至近距離)およびそれに近い物体距離において物体距離の微調整ができるように、指令が操作量に関して非1次の関数(例えば高次の関数)となる操作モードである。Farモードは、無限遠またはそれに近い物体距離で物体距離の微調整ができるように、指令が操作量に関して非1次の関数(例えば高次の関数)となる操作モードである。各モードは、レンズ装置20の用途に応じて切り替えうる。
【0011】
104は、パラメータ設定部であり、スイッチ等を含むユーザ・インターフェース(UI)を含んで構成されうる。パラメータ設定部104は、操作部材101の操作量に対する指令の変化量(すなわち操作部材101の操作感度)を決めるためのパラメータを、UIを介した入力に基づいて設定する。105は、操作感度変更部であり、スイッチ等を含むユーザ・インターフェース(UI)を含んで構成されうる。操作感度変更部105は、パラメータ設定部104により設定されたパラメータを、UIを介した入力に基づいて有効にし、当該パラメータに基づいて、現在の操作モードにおける操作感度を低減する。操作感度の低減により、光学特性の微調整が可能となる。
【0012】
106は、指令生成部であり、検出部102により検出された操作量と、操作モード切替部103により切り替えられてなる操作モードとに基づいて、光学素子204(後述)に対する指令を生成する。なお、指令生成部106は、操作感度変更部105により上述のように操作感度が低減された場合には、低減された操作感度と検出部102により検出された操作量とに基づいて、指令を生成する。当該指令を生成する処理の詳細は後述する。107は、通信部であり、指令生成部106により生成された指令を、通信コマンド形式のデータ(情報)に変換(エンコード)したうえで、レンズ装置20の通信部へ送信する。なお、少なくとも指令生成部106は、CPU等のプロセッサを含んで構成されうるものであり、処理部ともいう。
【0013】
レンズ装置20において、201は、上述したレンズ装置20の通信部であり、操作装置10における通信部107とは通信を行う。通信部201は、通信コマンド形式の指令データを受信すると、当該データをデコードして202へ送る。202は、目標生成部であり、受け取った指令情報に基づいて、光学素子を制御するための目標(目標値)を生成する。204は、当該光学素子であり、ここでは、レンズ装置20の物体距離を調整するためのものである。203は、当該目標を入力される制御部である。制御部203は、光学素子204を制御対象とする。205は、光学素子204の位置を検出する位置検出部である。制御部203は、位置検出部205を含んで構成されている。制御部203は、目標生成部202により生成された目標と位置検出部205により検出された光学素子204の位置とに基づいて、制御部に含まれるアクチュエータ(駆動部)に操作量を与え、光学素子204の位置を制御する。ここでの操作量は、制御工学用語としての操作量である。制御部203は、ここでは、目標と制御量(光学素子204の位置)とに基づく所謂フィードバック制御を行うものとしている。
【0014】
ここで、
図3は、操作特性の変更に係る処理の流れを例示する図である。当該処理は、操作感度変更部105により上述のパラメータが有効とされた場合に、少なくとも指令生成部106(処理部)により実行される。同図において、まず、ステップS101では、検出部102から操作部材101の操作量を取得する。つづくステップS102では、操作モード切替部103から現在の操作モードを取得する。ステップS103では、操作量と操作モードとに基づいて指令を生成する。つづくステップS104では、現在の操作量における操作感度(第1感度)を取得する。当該操作感度の取得は、現在の操作量と指令との組合せと、過去の操作量と指令との組合せとから行いうるが、それには限定されない。例えば、当該取得は、操作量の変化量に対する指令の変化量の比に基づくものであればよく、操作量および操作感度を取得する時点は、上述のものには限定されない。
【0015】
ステップS105では、ステップS104で取得された操作感度が閾値以上かを判定する。なお、閾値は、操作装置10(の処理部)において予め記憶されたもの又はレンズ装置20から通信部107を介して取得したものを使用しうる。また、当該閾値は、レンズ装置の被写界深度に基づくものとしうる。当該操作感度が当該閾値未満である場合は、ステップS106に処理が進められ、当該操作感度が当該閾値以上である場合は、ステップS107に処理が進められる。ステップS106では、当該閾値を当該操作感度に上書きする。ステップS106での操作感度の変更が完了すると、ステップS107に処理が進められる。つづくステップS107では、パラメータ設定部104で設定されたパラメータ(1未満の実数の係数または倍率)を操作感度に掛け合わせて操作感度を低減する。ステップS108では、現在の操作量(入力)において、ステップS103で生成された指令と一致する指令(出力)を、低減された操作感度(第2感度)に基づいて生成するような操作特性(入出力特性)を生成する。当該操作特性の生成の後、本処理の流れを終了する。以上の処理により、操作感度は、直前の操作モードにおけるものから低減することができる。
【0016】
ここで、
図4は、指令の生成に係る処理の流れを例示する図である。本処理は、
図3を参照して説明した処理により操作感度を低減した場合に、指令生成部106(処理部)により実行される処理である。まず、ステップS201では、検出部102から操作部材101の操作量を取得する。つづくステップS202では、当該操作量と、ステップS108で生成された操作特性とに基づいて、指令を生成する。このようにして、低減された操作感度で光学素子204を制御することができる。
【0017】
図5は、操作特性を例示する図である。同図のグラフにおいては、
図2のグラフと同様に、横軸は、操作量(回転角度)を示し、縦軸は、指令を示している。ここでは、操作感度を低減するように、Farモードの操作特性から操作特性を変更する場合を例示している。現時点において、操作部材の操作量はAであり、指令はBである。また、変更前(現時点)の操作感度を表す直線(破線)の縦軸における切片をCとし、変更後の操作特性を表す直線(太線)の縦軸における切片をDとする。Farモードの操作特性から変更前(現時点)の操作感度を得、当該操作感度と上述のパラメータ(1未満の実数の係数または倍率)とに基づいて、変更後の低減された操作感度を得る。そして、低減後の当該操作感度を有し、かつ操作部材101の操作量がAの場合に指令がBとなるような、変更後の操作特性(太線)を生成する。そうすることにより、現時点の操作量(A)に対応する指令(B)は変更せずに、現時点の操作量からの操作量の変更による光学装置の光学特性の微調整を可能にしている。
【0018】
ここで、変更前の操作特性は次式(1)で表される。
【0019】
【0020】
また、変換後の操作特性は、次式(2)で表される。
【0021】
【0022】
切片Cと切片Dとの間の関係は、パラメータ設定部104で設定されたパラメータに依存する。当該関係は、例えば、当該パラメータを1/N(Nは、1より大きい正の実数)として、次式(3)で表される。
【0023】
【0024】
このようにして、パラメータ設定部104によって設定されたパラメータに応じた、光学装置の光学特性の微調整を行うことができる。
【0025】
なお、操作感度変更部105は、UIを介した入力に基づいて、現在の操作モードにおける操作感度の低減を行った後は、同じくUIを介した入力に基づいて、当該低減を行う前の操作モードへの復帰を行いうるものとしうる。当該復帰にあたっては、当該復帰の時点の操作部材101の操作量に依存した、指令の変化が起こりうるところ、当該操作量がA又は約Aである場合は、当該指令の変化はゼロ又は約ゼロとなる。
【0026】
以上のように、本実施形態は、操作モードおよび操作量に基づいて操作感度を可変とした操作装置の現時点での操作感度より操作感度を低減することにより、レンズ装置の光学特性の微調整を行うことができる。もって、本実施形態によれば、例えば、レンズ装置の光学特性の微調整に有利な操作装置を提供することができる。
【0027】
〔実施形態2〕
ここから、実施形態2について説明する。本実施形態において、レンズ装置20は、実施形態1におけるものと同様であるため、説明を省略する。ここで、
図6は、実施形態2に係る操作装置の構成例を示す図である。同図は、
図1における操作装置の構成に、108と109とを加えた構成となっている。108は、情報生成部である。情報生成部108は、操作感度を低減した状態において操作部材101により生成可能な指令の範囲に関する情報を生成する。情報生成部108は、実施形態1において説明した処理部を構成しうるものである。109は、表示部である。表示部109は、液晶ディスプレイ等のデバイスを含みうるものであり、ユーザに情報を提示するデバイスであれば、いかなるものであってもよい。表示部109は、情報生成部108により生成された情報を表示する。なお、情報生成部108により生成された情報は、外部装置(例えば後述のカメラ装置30)に送信されるように構成しうる。また、外部装置に送信された情報は、当該外部装置における表示部により表示されうる。
【0028】
図7は、表示に係る処理の流れを例示する図である。当該処理は、操作感度変更部105により操作感度の変更(低減)を行った場合に、情報生成部108(処理部)により実行される。
図7において、まず、ステップS301では、上述の式(2)に基づいて、操作部材101の操作により生成可能な指令の範囲を取得する。当該範囲は、式(2)に、操作量=0および操作量=100を順次代入することにより取得しうる。そして、当該範囲に関する情報(例えば、当該範囲を表示部109に表示させるための情報)を生成する。つづくステップS302では、ステップS302で生成した情報を表示部109に表示させる。本処理により、操作部材101の操作により生成可能な指令の範囲をユーザに知らしめることができる。
【0029】
ここで、
図8は、表示例を示す図である。同図は、ステップS302での表示部109における表示例を示す。同図の(a)においては、M.O.DからINF.まで延びた帯は、光学装置により調整可能な光学特性(ここでは物体距離)の全範囲に対応する指令の全範囲(第1範囲)を表している。それに対して、BからAまで延びた帯は、操作感度を低減した状態において操作部材101の操作により生成可能な指令の範囲(第2範囲)を表している。ここで、第2範囲は、それ以外の第1範囲における範囲とは異なる態様(例えば、輝度、色、および模様のうちの少なくとも1つ)で表示している。さらには、第2範囲に対して、現時点での操作量に基づく指令を示す指標(例えば、図示した矢印のようなマーク)をユーザが視認可能に表示するのも好ましい。また、同図の(b)においては、操作量の全範囲(ここでは0ないし100)と第2範囲(ここではBないしA)との対応関係をグラフの形式で表示している。また、現時点での操作量とそれに基づく指令との対応関係は、一点鎖線により表示している。
【0030】
以上のように、本実施形態における操作装置は、操作感度を低減した状態において操作部材101の操作により生成可能な指令の範囲を表示するための機能を有することにより、視認性の観点から操作性の点で有利なものとなっている。もって、本実施形態によれば、例えば、レンズ装置の光学特性の微調整に有利な操作装置を提供することができる。
【0031】
〔撮像装置に係る実施形態〕
図10は、撮像装置の構成例を示す図である。当該撮像装置は、以上に例示した操作装置10と、レンズ装置20と、レンズ装置20の像面に配された撮像素子30aを有するカメラ装置(撮像部)30とを含んで構成されている。本実施形態に係る撮像装置によれば、例えば、レンズ装置の光学特性の微調整に有利な撮像装置を提供することができる。ここで、操作装置10とレンズ装置20またはレンズ装置20における光学素子204とは、光学装置を構成する。よって、レンズ装置20の像面または光学素子204に係る像面は、光学装置の像面ともいう。
【0032】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、以上では、レンズ装置の光学特性を調整するために可動の光学素子として、物体距離を調整するために可動の光学素子(レンズ)を例示した。しかしながら、当該光学素子は、それには限定されない。すなわち、当該光学素子は、例えば、レンズ装置の焦点距離の調整(変倍)のために可動の光学素子(レンズ)、またはレンズ装置のF値(Fナンバ)または口径比の調整のために絞り羽根が可動の絞り部材(開口絞り)等としうるものである。また、表示部109は、操作装置10内でなく、レンズ装置20内またはカメラ装置30内にあってもよい。表示部は、カメラ装置30内にある場合、例えば、カメラ装置のファインダにおけるものとしうる。また、以上では、処理部は、制御のための指令と操作量との間の関係において互いに異なる複数の操作モードのうちの1つと、操作量とに基づいて、指令を生成するものとした。そして、複数の操作モードのうちの1つにおける操作部材の現在の操作量に関して、操作感度を第1感度から、該第1感度より低い第2感度へ変更するものとした。しかし、それには限定されない。すなわち、処理部は、操作量の変化に対する、制御のための指令の変化の割合としての操作感度が一定でない、操作量と指令との間の関係と、操作量とに基づいて、指令を生成するものとしうる。その場合、処理部は、該関係に基づいて、操作部材の現在の操作量に関して、操作感度を第1感度から、該第1感度より低い第2感度へ変更するものとしうる。
【符号の説明】
【0033】
10 操作装置
101 操作部材
102 検出部
106 指令生成部(処理部)