(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】モニターアーム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20221205BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H04N5/64 581G
G09F9/00 351
(21)【出願番号】P 2018171279
(22)【出願日】2018-09-13
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】矢島 敏城
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-172183(JP,A)
【文献】国際公開第2013/128574(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0353453(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366336(US,A1)
【文献】特表2014-516482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、
前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、
前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され
、
前記第1関節あるいは前記第2関節が第1操作を受けることにより、該第1操作を受けた方の関節の回動だけが、禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されており、
前記第1操作を受ける位置が、前記補助アームにおける前記第1関節の近傍あるいは前記第2関節の近傍に設定されている、モニターアーム。
【請求項2】
前記第1操作が、前記補助アームを前記主アームに対して傾斜させる操作である、
請求項
1に記載のモニターアーム。
【請求項3】
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、
前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、
前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され
、
第2操作を受けることにより、前記第1関節および前記第2関節の回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されており、
前記第2操作を受ける位置が、前記補助アームにおける前記第1関節と前記第2関節の中央あるいはその近傍に設定されている、モニターアーム。
【請求項4】
前記第2操作が、前記補助アームを前記主アームに対して平行移動させる操作である、
請求項
3に記載のモニターアーム。
【請求項5】
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、
前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、
前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され
、
前記第1関節が、前記補助アームに設けられた第1アーム部側係合部と、前記アーム支持部に設けられた第1支持部側係合部と、を備え、
前記第2関節が、前記補助アームに設けられた第2アーム部側係合部と、前記モニター支持部に設けられた第2支持部側係合部と、を備え、
前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部とが噛合/解離することにより、前記第1関節の回動が禁止/許容され、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部とが噛合/解離することにより、前記第2関節の回動が禁止/許容される、モニターアーム。
【請求項6】
前記補助アームが、前記主アームとの間に設けられた付勢部によって前記主アームから離間する方向に付勢されることにより、前記第1アーム部側係合部が前記第1支持部側係合部に噛合するとともに、前記第2アーム部側係合部が前記第2支持部側係合部に噛合する、
請求項
5に記載のモニターアーム。
【請求項7】
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が噛合したまま、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が解離し、
前記補助アームにおける前記第2アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が噛合したまま、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が解離し、
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部と前記第2アーム部側係合部の中央あるいはその近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が解離するとともに、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が解離するように構成されている、
請求項
6に記載のモニターアーム。
【請求項8】
前記主アームと前記補助アームとの間であって、前記第1アーム部側係合部と前記第2アーム部側係合部の中央位置において、両アームの間隔を狭める狭窄部が設けられており、
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部の近傍あるいは前記第2アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧された場合に、押圧されていない側の係合部を支点として前記補助アームが回動し、前記狭窄部を介して前記補助アームと前記主アームが当接するところでそれ以上の回動が規制されるように構成されている、
請求項
6または
7に記載のモニターアーム。
【請求項9】
前記第1アーム部側係合部および前記第2アーム部側係合部が、前記補助アームと一体的に形成されている、
請求項
5から
8のいずれかに記載のモニターアーム。
【請求項10】
前記第1アーム部側係合部、前記第1支持部側係合部、前記第2アーム部側係合部、および、前記第2支持部側係合部の各々が、平面に設けられた凹凸構造を備え、
前記第1アーム部側係合部および前記第1支持部側係合部が、前記凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられ、
前記第2アーム部側係合部および前記第2支持部側係合部が、前記凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられる、
請求項
5から
9のいずれかに記載のモニターアーム。
【請求項11】
前記第1関節が、前記補助アームと、前記主アームとを軸支する第1軸部、を備え、
前記第2関節が、前記補助アームと、前記主アームとを軸支する第2軸部、を備える、
請求項
5から
10のいずれかに記載のモニターアーム。
【請求項12】
前記第1軸部、前記第2軸部、あるいは、これらの両方が、
前記主アームの
軸方向の変位を規制する規制部と、前記補助アームの
軸方向の変位を許容する許容部とを備える、
請求項
11に記載のモニターアーム。
【請求項13】
前記アーム支持部が、
前記第1関節の周りで回動されて前記アーム支持部の側に折り畳まれた状態の前記アーム部を収容する収容部、を備える、
請求項1から
12のいずれかに記載のモニターアーム。
【請求項14】
前記第1関節が、前記アーム部の端部に設けられている、
請求項1から
13のいずれかに記載のモニターアーム。
【請求項15】
前記アーム部の一端部と他端部の間に中間接続部を設定し、前記第1関節が、前記中間接続部と前記アーム支持部の一端部を接続する位置に設けられている、
請求項1から
14のいずれかに記載のモニターアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にデスク上の空間においてモニターを任意の位置、任意の姿勢に支持するためのモニターアームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タブレット端末等のような表示画面を有する各種の機器(モニター)を支える装置は従来から各種提案されている。例えば、特許文献1に記載の支持アーム機構は、基台に立設された支柱と、これに軸支されたアームと、その先端に設けられた取付プレートとを備える。そして、アームと取付プレートがなす角度を変えることで、取付プレートに取り付けられたモニターの傾きを調整することができるようになっている。また、この支持アーム機構では、アームと支柱がなす角度を変えることで取付プレートに取り付けられたモニターの高さを調整することができるようになっているところ、ここではアームの両側に1対のリンクバーが設けられていて、アームと支柱がなす角度が変更されると、これに応じて、アームと取付プレートがなす角度も変更され、モニターが上下移動される前後でモニターの傾きが一定に保たれるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の支持アーム機構においては、アームと支柱がなす角度が変更されると、これに従動してアームと取付プレートがなす角度も変更されるようになっており、両角度、つまりはモニターの高さと傾きを、独立して変更することができない。したがって、モニターの高さと傾きの両方を変更したい場合等においては、使用者は煩雑な操作を行わなければならない。
【0005】
また、特許文献1の支持アーム機構においては、アームおよび取付プレートは、各々の姿勢を摩擦抵抗によって維持する構造とされているため、モニターが重い場合や、使用者がモニターを強く押圧した場合等において、モニターの姿勢を維持できずにアームや取付けプレートが不意に姿勢変更してしまうおそれがあった。また、このような事態を回避するためには、バネ、カム、摩擦部材、摩擦力を調整するための部材、軸体、等といった多数の部品が必要となり、材料コスト、組立てコストがいきおい嵩んでしまうという実情があった。また、バネ力の調整などにも手間がかかった。さらに、これら多くの部材を組み込んだ複雑な構造となることに起因して、基台に対するアームの可動角度範囲が狭くなってしまうという不具合も生じていた。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、使用者が、簡易な操作で、モニターの位置および姿勢を所望のものとすることができる技術を提供することを目的としている。さらに、付加的な構成において、簡易な構成でモニターを安定して保持することができる技術を提供することを副次的な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、斯かる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明に係るモニターアームは、
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、
前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、
前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され、
前記第1関節あるいは前記第2関節が第1操作を受けることにより、該第1操作を受けた方の関節の回動だけが、禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されており、
前記第1操作を受ける位置が、前記補助アームにおける前記第1関節の近傍あるいは前記第2関節の近傍に設定されている。
【0009】
ただし、ここで、モニターとは、表示機能のみを有する狭義のモニターに限るものではなく、携帯電話やタブレット端末等のように、表示機能およびこれ以外の各種機能を含んで構成される機器全般を含む概念である。また、モニターは、そのサイズが何ら限定されるものではない。
【0010】
上記の構成によると、アーム部に対するアーム支持部の角度とアーム部に対するモニター支持部の角度を独立して変更することができるので、使用者は、簡易な操作で、モニターの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
また、この構成によると、使用者は、第1関節あるいは第2関節に対して第1操作を行うことによって、アーム部に対するアーム支持部の角度、あるいは、アーム部に対するモニター支持部の角度を個別に変更することができる。したがって、使用者は、直感的な操作で、モニターの位置および姿勢を所望のものとすることができる。
また、この構成によると、第1関節の近傍あるいは第2関節の近傍に対して第1操作を行うことによって各関節を回動の禁止状態から許容状態に切り替えることができるので、使用者は操作の選択を間違えにくい。
【0015】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第1操作が、前記補助アームを前記主アームに対して傾斜させる操作である。
【0016】
この構成によると、第1操作を簡易なものとすることができる。
【0017】
本発明に係るモニターアームは、
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され、第2操作を受けることにより、前記第1関節および前記第2関節の回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されており、前記第2操作を受ける位置が、前記補助アームにおける前記第1関節と前記第2関節の中央あるいはその近傍に設定されている。
【0018】
この構成によると、使用者は、第2操作を行うことによって、アーム部に対するアーム支持部の角度とアーム部に対するモニター支持部の角度の両方を変更することができる。したがって、使用者は、簡易な操作で、モニターの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
また、この構成によると、第1関節と第2関節の中央あるいはその近傍に対して第2操作を行うことによって両方の関節を回動の禁止状態から許容状態に切り替えることができるので、使用者は操作の選択を間違えにくい。
【0021】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第2操作が、前記補助アームを前記主アームに対して平行移動させる操作である。
【0022】
この構成によると、第2操作を簡易なものとすることができる。
【0023】
本発明に係るモニターアームは、
アーム部と、前記アーム部と第1関節を介して接続されるアーム支持部と、前記アーム部と第2関節を介して接続されるモニター支持部と、を備えるモニターアームであって、
前記アーム部は、主アームと、前記主アームに対して変位可能な補助アームと、を備え、
前記第1関節および前記第2関節の各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成され、
前記第1関節が、前記補助アームに設けられた第1アーム部側係合部と、前記アーム支持部に設けられた第1支持部側係合部と、を備え、前記第2関節が、前記補助アームに設けられた第2アーム部側係合部と、前記モニター支持部に設けられた第2支持部側係合部と、を備え、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部とが噛合/解離することにより、前記第1関節の回動が禁止/許容され、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部とが噛合/解離することにより、前記第2関節の回動が禁止/許容される。
【0024】
この構成によると、アーム部に対するアーム支持部の角度とアーム部に対するモニター支持部の角度を独立して変更することができるので、使用者は、簡易な操作で、モニターの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
また、この構成によると、係止部の噛み合いによって回動の禁止(ロック)がなされるので、例えば摩擦抵抗によって関節の回動を禁止する態様と比べて、簡易な構成で、モニターを安定して支持することができる。また、経年使用により関節の強度が低下するという事態も生じにくい。さらに、必要な部品点数が少なくなるため、モニターアームの小型化、軽量化を実現することができる。
【0025】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記補助アームが、前記主アームとの間に設けられた付勢部によって前記主アームから離間する方向に付勢されることにより、前記第1アーム部側係合部が前記第1支持部側係合部に噛合するとともに、前記第2アーム部側係合部が前記第2支持部側係合部に噛合する。
【0026】
この構成によると、操作がされていない状態において、各アーム部側係合部と各支持部側係合部が噛合された状態が形成され、第1関節および第2関節の回動が禁止される。したがって、アーム部の構成を簡易なものとしつつ、モニターの姿勢を安定して維持することができる。
【0027】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が噛合したまま、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が解離し、
前記補助アームにおける前記第2アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が噛合したまま、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が解離し、
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部と前記第2アーム部側係合部の中央あるいはその近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧されることにより、前記第1アーム部側係合部と前記第1支持部側係合部が解離するとともに、前記第2アーム部側係合部と前記第2支持部側係合部が解離するように構成されている。
【0028】
この構成によると、使用者の押圧位置によって、第1関節のみ、第2関節のみ、あるいは、第1関節と第2関節の両方、を回動させることができる。したがって、簡易な操作で、モニターの高さや姿勢を調整することができる。
【0029】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記主アームと前記補助アームとの間であって、前記第1アーム部側係合部と前記第2アーム部側係合部の中央位置において、両アームの間隔を狭める狭窄部が設けられており、
前記補助アームにおける前記第1アーム部側係合部の近傍あるいは前記第2アーム部側係合部の近傍が前記付勢部の付勢力に逆らって押圧された場合に、押圧されていない側の係合部を支点として前記補助アームが回動し、前記狭窄部を介して前記補助アームと前記主アームが当接するところでそれ以上の回動が規制されるように構成されている。
【0030】
この構成によると、第1アーム部側係合部あるいは第2アーム部側係合部の近傍が押圧された場合に、狭窄部を介して補助アームと主アームが当接するところで補助アームの移動が規制され、補助アームは、それ以上は回動することもできず、主アームに近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。したがって、押圧されていない側の係合部の噛合が解除されることが確実に回避され、他方の関節に係る一対の係合部だけを確実に解離させることができる。
【0031】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第1アーム部側係合部および前記第2アーム部側係合部が、前記補助アームと一体的に形成されている。
【0032】
この構成によると、モニターアームの構造を簡易なものとすることができる。
【0033】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第1アーム部側係合部、前記第1支持部側係合部、前記第2アーム部側係合部、および、前記第2支持部側係合部の各々が、平面に設けられた凹凸構造を備え、
前記第1アーム部側係合部および前記第1支持部側係合部が、前記凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられ、
前記第2アーム部側係合部および前記第2支持部側係合部が、前記凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられる。
【0034】
この構成によると、各係合部が、平面に凹凸構造が形成されたものであるので、対向して配置された係合部同士が強固に噛み合う。したがって、各関節の強度を十分に高いものとすることができる。
【0035】
好ましくは、前記モニターアームは、
前記第1関節が、前記補助アームと、前記主アームとを軸支する第1軸部、を備え、
前記第2関節が、前記補助アームと、前記主アームとを軸支する第2軸部、を備える。
【0036】
この構成によると、各関節の構成を簡易なものとすることができる。
【0037】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第1軸部、前記第2軸部、あるいは、これらの両方が、
前記主アームの軸方向の変位を規制する規制部と、前記補助アームの軸方向の変位を許容する許容部とを備える。
【0038】
この構成によると、主アームの軸方向の移動が規制されることにより、モニターをガタつかせることなく安定して保持することができる。また、補助アームの軸方向の移動については規制されないので、各関節における回動の禁止/許容の切り替えが確実に行われる。
【0039】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記アーム支持部が、
前記第1関節の周りで回動されて前記アーム支持部の側に折り畳まれた状態の前記アーム部を収容する収容部、を備える。
【0040】
この構成によると、モニターアームをコンパクトに折り畳むことができる。
【0041】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記第1関節が、前記アーム部の端部に設けられている。
【0042】
この構成によると、アーム部の端部がアーム支持部に接続されるので、アーム部のアーム支持部に対する可動範囲を大きくととることができる。例えば、アーム部を、アーム支持部から略鉛直上方に延在させるような姿勢とすることで、モニターを高い位置に支持することができる。
【0043】
好ましくは、前記モニターアームにおいて、
前記アーム部の一端部と他端部の間に中間接続部を設定し、前記第1関節が、前記中間接続部と前記アーム支持部の一端部とを接続する位置に設けられている。
【0044】
この構成によると、アーム支持部をそれのみで自立させる構成とする必要がないので、モニターアームの全体の構成を簡易なものとすることができる。また、アーム部とアーム支持部がなす角度を調整することにより、第1関節の高さを自由に調整することができる。例えば、アーム部とアーム支持部がなす角度を広げることで、第1関節の高さが低くなり、モニターを低い位置に支持することができる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によると、使用者が、簡易な操作で、モニターの位置および姿勢を所望のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るモニターアームの斜視図。
【
図6】該モニターアームが備える主アーム部の斜視図。
【
図7】該モニターアームが備えるアーム部側係合部の斜視図。
【
図8】第1操作、第2操作のいずれも行われていない状態のモニターアームの背面図。
【
図9】第1操作が行われている状態のモニターアームの背面図。
【
図10】第2操作が行われている状態のモニターアームの背面図。
【
図12】該モニターアームの使用態様を説明するための図。
【
図13】該モニターアームを折り畳んだ状態を示す図。
【
図14】本発明の第2実施形態に係るモニターアームの斜視図。
【
図18】該モニターアームの使用態様を説明するための図。
【
図19】該モニターアームの使用態様を説明するための図。
【
図20】該モニターアームの使用態様を説明するための図。
【
図21】該モニターアームの使用態様を説明するための図。
【
図22】該モニターアームを折り畳んだ状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係るモニターアームは、例えばオフィスや自宅等において机上等の平坦な設置面に置いて使用するもの(いわゆる、置き敷きタイプ)であり、これにモニター(典型的には、例えば、携帯電話やタブレット端末等が想定される)を支持させて、設置面における使用者が所望する位置に置いて使用する。後に明らかになるように、本発明に係るモニターアームは、モニターを支持する高さ、すなわち、設置面に対する高さ、および、モニターの姿勢、すなわち、設置面とモニターがなす角度を、使用者が適宜に変更することができるように構成されており、モニターを、使用者が所望する高さおよび姿勢(角度)に支持させることができる。したがって、このモニターアームを使用することによって、使用者が片手をモニターの支持のために塞がれることがなくなり、両手を自由に使用しつつ、モニターを見ながらの作業やモニターの操作等を行うことができる。
【0048】
<<第1実施形態>>
<1.構成>
第1実施形態に係るモニターアームの構成について、
図1~
図7を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係るモニターアーム100を斜め上から見た斜視図である。
図2は、モニターアーム100を斜め下から見た斜視図である。
図3は、モニターアーム100の側面図である。
図4は、モニターアーム100の背面図である。
図5は、モニターアーム100の分解斜視図である。
図6は、モニターアーム100が備える主アーム21の斜視図である。
図7は、モニターアーム100が備えるアーム部側係合部42a,42bの斜視図である。
【0049】
モニターアーム100は、アーム支持部1と、アーム部2と、モニター支持部3と、アーム部2とアーム支持部1を接続する第1関節4aと、アーム部2とモニター支持部3を接続する第2関節4bとを備える。この実施形態では、第1関節4aが、アーム部2の一方の端部とアーム支持部1の一方の端部を接続する位置に設けられる。また、第2関節4bが、アーム部2の他方の端部とモニター支持部3の一方の端部付近を接続する位置に設けられる。なお、以下においては、説明の便宜上、アーム部2における第1関節4aが設けられる側を「下側」呼び、第2関節4bが設けられる側を「上側」と呼ぶが、これは、モニターアーム100の使用方向を限定するものではない。
【0050】
<1-1.アーム支持部>
アーム支持部1は、ベース板11と、脚体12と、支持部13とを備える。
【0051】
ベース板11は、平面視長方形の平板状部材である。ベース板11の上面側であって一方の短辺の付近には、第1受け部111が設けられており、他方の短辺の付近には、第2受け部112が設けられている。第1受け部111には、脚体12の下端が回動可能に支持される。また、第2受け部112は、支持部13の下端を収容できるようになっている。
【0052】
脚体12は、断面コ字状の長尺部材であり、その延在方向に沿って長尺の凹状部121が形成されている。この凹状部121の内寸(幅寸法および長さ寸法)は、アーム部2の外寸(幅寸法および長さ寸法)よりも一回り大きなものとされており、脚体12と接続されたアーム部2が第1関節4aを介して回動されて両者12,2が略平行な姿勢とされた状態において、アーム部2がこの凹状部121に収容されるようになっている(
図13)。また、脚体12の上端において、脚体12の各側壁部分には突壁122が形成されており、各突壁122には貫通孔H12が形成される。
【0053】
支持部13は、その上端が脚体12の途中部分に回動可能に支持されている。一方、支持部13の他端は、ベース板11の上面に当接しつつ該上面に沿ってスライド移動可能に形成されている。支持部13の該他端が第2受け部112に収容された状態となることによって、脚体12が所定の姿勢(すなわち、ベース板11に対して所定の角度をなす姿勢)で固定される。
【0054】
<1-2.モニター支持部>
モニター支持部3は、載置板31と挟持部32とを備える。
【0055】
載置板31は、透明材料により形成された平面視長方形の平板状部材である。載置板31の一方の主面(上面)は、モニターMを載置するための載置面を形成する。載置板31の下端部付近には、その上面側に立ち上がった下縁部311が形成されており、この下縁部311が載置板31の上面に載置されたモニターMの下縁に当接するようになっている。また、載置板31の下端部付近には、その下面側に、一対の突壁312,312が形成されており、各突壁312には貫通孔H31が形成される。
【0056】
挟持部32は、載置板31の上面に載置されたモニターMが落下しないように挟持するための部材である。挟持部32は、載置板31の下面側において、載置板31の各側辺に沿って延在するように設けられた一対の挟持アーム321,321を有する。各挟持アーム321の一方の端部(先端部)には押圧部322が設けられており、この押圧部322が、載置板31に載置されたモニターMの側面に当接するようになっている。各挟持アーム321の他方の端部(基端部)は、載置板31に対して回動可能に軸支されている。この基端部には、回動軸と同心のギヤ323が設けられており、各挟持アーム321のギヤ323が互いに噛み合わされている。これにより、両挟持アーム321,321が同期して回動するようになっている。ただし、各ギヤ323は、載置板31に対して付勢された状態で軸支されており、使用者からの操作がない限り、回動しないようになっている。使用者は、モニターMを、表示画面を上に向けた状態で載置板31に載置し、両挟持アーム321,321を回動させて、一対の押圧部322,322がモニターMの両側面を押圧するような回転姿勢におく。これにより、載置板31に載置されたモニターMが落下しないように挟持される。
【0057】
<1-3.アーム部>
アーム部2について、主として
図5~
図7を参照しながら説明する。アーム部2は、主アーム21と、主アーム21と平行に延在するとともに主アーム21に対して近接離間する方向に変位可能な補助アーム22と、主アーム21および補助アーム22の間に設けられた一対のコイルバネ23,23と、を備える。
【0058】
主アーム21および補助アーム22は、いずれも樹脂または樹脂よりも高剛性の材料により形成されている。両アーム21,22は互いに略等しい長さを有する長尺の部材であり、いずれも一方の側面が開口した略箱状を呈している。そして、両アーム21,22は開口した面を対向させるようにして配置される。以下において、各アーム21,22における、他方のアームと対向する側の面を「内側面」とよび、これと逆側の面を「外側面」とよぶ。
【0059】
主アーム21の両端部の各々には、貫通孔H21が形成される。同様に、補助アーム22の両端部の各々にも、貫通孔H22が形成される。各アーム21,22の下端側に設けられた各貫通孔H21,H22は、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第1軸部40aが挿通される。また、各アーム21,22の上端側に設けられた各貫通孔H21,H22も、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第2軸部40bが挿通される。
【0060】
主アーム21の内側面には、各貫通孔H21を囲むように円筒状のリブ(円筒部)211が立設される。同様に、補助アーム22の内側面にも、各貫通孔H22を囲むように円筒状のリブ(円筒部)221が立設される。主アーム21および補助アーム22の各内側面には、長尺方向と交差して延在する直線状のリブが適宜形成されることも好ましい。
【0061】
補助アーム22の外側面には、操作受付部222が形成される。操作受付部222は、具体的には、該外側面に形成された凸条部であり、補助アーム22の延在方向に沿う長尺な頂面を有する。この頂面の長尺方向の中央付近はなだらかに窪んでおり、該頂面の長尺方向の両端部の近傍(すなわち、各関節4a,4bの近傍)は略平坦面となっている。後述する第1操作S1は、操作受付部222の長尺方向の各端部(その近傍を含む)を押圧する操作であり(
図9)、第2操作S2は、操作受付部222の長尺方向の中央部(その近傍を含む)を押圧する操作である(
図10)。つまり、操作受付部222は、その各端部が、第1操作S1の入力部を構成し、その中央部が、第2操作S2の入力部を構成する。
【0062】
補助アーム22の内側面には、アーム部2の延在方向に間隔を設けつつ配置された一対の凸部(接触凸部)223,223が形成される。各接触凸部223は、他の部分に比べて突出した形状部分であり、主アーム21と補助アーム22の間隔を狭める狭窄部としての役割を担う。一対の接触凸部223,223は、第1アーム部側係合部41aと第2アーム部側係合部41bの中央位置に形成される。具体的には、一対の接触凸部223,223は、その中間位置が、第1関節4aと第2関節4bの中間位置と一致するように形成される。
【0063】
一対のコイルバネ23,23は、主アーム21と補助アーム22の間に設けられる。具体的には、各コイルバネ23は、主アーム21に設けられた各円筒部211に外挿され、この状態で、補助アーム22が、主アーム21との間に一対のコイルバネ23,23を挟み込むようにして主アーム21と対向配置される。アーム部2が各支持部1,3に取り付けられた状態において、各コイルバネ23は、縮短状態で、一端側において補助アーム22の内側面に当接するとともに他端側において主アーム21の内側面に当接する。つまり、この状態において、主アーム21と補助アーム22は、一対のコイルバネ23,23によって互いに離間する方向に付勢される。すなわち、一対のコイルバネ23,23は、補助アーム22を主アーム21から離間する方向に付勢する付勢部としての役割を担う。
【0064】
<1-4.第1関節>
第1関節4aについて、引き続き
図5~
図7を参照しながら説明する。第1関節4aは、クラッチ状に形成されている。すなわち、第1関節4aは、アーム部2(具体的には、補助アーム22)の側に設けられた係合部(第1アーム部側係合部)41aと、アーム支持部1の側に設けられた係合部(第1支持部側係合部)42aと、を備える。両係合部41a,42aは、軸部(第1軸部)40aによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部41a,42aが、噛合/解離することによって、第1関節4aの回動(すなわち、アーム部2のアーム支持部1に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
【0065】
第1アーム部側係合部41aは、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム22と一体的に形成される。第1アーム部側係合部41aは、補助アーム22の外側面における平面状の部分において、貫通孔H22(下端側に形成されている貫通孔H22)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。この凹凸構造は、具体的には、矩形状の凸部分が、貫通孔H22の中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。
【0066】
第1支持部側係合部42aは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材である。第1支持部側係合部42aの中心には、例えば一体成形技術を用いることにより、円筒状の軸部(第1軸部)40aが一体的に形成されている。また、第1支持部側係合部42aにおける第1軸部40aが形成されている側主面には、凹凸構造が設けられている。この凹凸構造は、第1軸部40aの周りに設けられたものであり、具体的には、矩形状の凸部分が、第1軸部40aの中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。また、第1支持部側係合部42aの他方の主面には、一対の溝422,422が形成されている。
【0067】
<1-5.第2関節>
第2関節4bについて、引き続き
図5~
図7を参照しながら説明する。第2関節4bは、第1関節4aと同様、クラッチ状に形成されている。すなわち、第2関節4bは、アーム部2(具体的には、補助アーム22)の側に設けられた係合部(第2アーム部側係合部)41bと、モニター支持部3の側に設けられた係合部(第2支持部側係合部)42bと、を備える。両係合部41b,42bは、軸部(第2軸部)40bによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部41b,42bが、噛合/解離することによって、第2関節4bの回動(すなわち、アーム部2のモニター支持部3に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
【0068】
第2アーム部側係合部41bは、第1アーム部側係合部41aと同様、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム22と一体的に形成される。第2アーム部側係合部41bは、補助アーム22の外側面における平面状の部分において、貫通孔H22(上端側に形成されている貫通孔H22)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。第2アーム部側係合部41bの具体的な構成は、第1アーム部側係合部41aと同様である。
【0069】
第2支持部側係合部42bは、第1支持部側係合部42aと同様の部材である。すなわち、第2支持部側係合部42bは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材であって、中心に円筒状の軸部(第2軸部)40bが一体的に形成されている。また、その一方の主面に凹凸構造が設けられ、他方の主面に一対の溝422,422が設けられる。
【0070】
<2.各関節の形成態様>
第1関節4aおよび第2関節4bの形成態様について、引き続き
図5~
図7を参照しながら説明する。
【0071】
まず、主アーム21の内側面に設けられた各円筒部211にコイルバネ23が外挿される。そして、補助アーム22が、主アーム21との間に一対のコイルバネ23,23を挟み込むようにして主アーム21と対向配置される。
【0072】
続いて、第1支持部側係合部42aに設けられた第1軸部40aが、下端側において重なり合わされた一対の貫通孔H22,H21、具体的には、補助アーム22の下端側の円筒部221内、および、主アーム21の下端側の円筒部211内に、順に軸通される。同様に、第2支持部側係合部42bに設けられた第2軸部40bが、上端側において重なり合わされた一対の貫通孔H22,H21、具体的には、補助アーム22の上端側の円筒部221内、および、主アーム21の上端側の円筒部211内に、順に軸通される。これにより、一対の係合部41a,42aおよび一対の係合部41b,42bの各々が、凹凸構造が形成されている面同士を対向させて配置されることになる。
【0073】
ここで、第1軸部40aおよび第2軸部40bの途中には、段差部分421が設けられており、先端側が基端側よりも小径となっている。具体的には、段差部分421よりも先端側の部分の外径は、主アーム21側の円筒部211の内径よりも僅かに小さい寸法とされており、円筒部211に内挿可能に構成されている。一方、段差部分421よりも基端側の部分の外径は、該円筒部211の内径よりも大きく、且つ、補助アーム22側の円筒部221の内径よりも小さいものとされており、補助アーム22側の円筒部221内には挿入可能であるものの、主アーム21側の円筒部211内には挿入されないように構成されている。したがって、第1軸部40aおよび第2軸部40bが軸通された状態において、段差部分421が、主アーム21側の円筒部211の先端面と突き当たった状態となる。
【0074】
続いて、これら一群の部材42a,42b,21~23が、その下端部が、脚体12の一対の突壁122,122の間に配置され、その上端部が、載置板31の一対の突壁312,312の間に配置された状態とされる。このとき、第1支持部側係合部42aは、一対の溝422,422が形成されている側の主面を、脚体12の一方の突壁122(補助アーム22側の突壁122)の内側面に当接させ、該内側面に形成された一対の凸条1221が一対の溝422,422内に収容されるような位置に配置される。これにより、第1支持部側係合部42aが、突壁122(ひいては、アーム支持部1)に対して、回転不能に係止される。同様に、第2支持部側係合部42bは、一対の溝422,422が形成されている側の主面を、載置板31の一方の突壁312(補助アーム22側の突壁312)の内側面に当接させ、該内側面に形成された一対の凸条3121が一対の溝422,422内に収容されるような位置に配置される。これにより、第2支持部側係合部42bが、突壁312(ひいては、モニター支持部3)に対して、回転不能に係止される。
【0075】
続いて、一方の突壁部122の貫通孔H12、第1軸部40aの軸内部、他方の突壁部122の貫通孔H12に、次々とネジ401aを挿通して、ナット402aで締結する。これによって、主アーム21、補助アーム22、および、アーム支持部1が、第1軸部40aによって軸支されることになる。これにより、第1関節4aが形成される。
【0076】
同様に、一方の突壁部312の貫通孔H31、第2軸部40bの軸内部、他方の突壁部312の貫通孔H31に、次々とネジ401bを挿通して、ナット402bで締結する。これによって、主アーム21、補助アーム22、および、モニター支持部3が、第2軸部40bによって軸支されることになる。これにより、第2関節4bが形成される。
【0077】
上記の通り、補助アーム22側の円筒部221には、第1軸部40aあるいは第2軸部40bにおける段差部分421よりも基端側の部分が挿通される。ここで、該基端側の部分の外径は、補助アーム22側の円筒部221の内径よりも小さいものとされており、補助アーム22は、各軸部40a,40bに軸支された状態において、軸方向に移動可能とされている。具体的には、補助アーム22は、両軸部40a,40bに対して同じ軸方向に移動する(すなわち、主アーム21と略平行な姿勢のままこれに対して近接離間する)ことも可能であり、各軸部40a,40bに対して逆の軸方向に移動する(すなわち、主アーム21に対して傾斜した姿勢をとる)ことも可能である。一方、主アーム21には段差部分421が突き当たっており、各軸部40a,40bに軸支された状態において、軸方向に移動できないように規制されている。主アーム21の軸方向の移動が規制されることにより、モニターMをガタつかせることなく安定して保持できるとともに、補助アーム22が変位可能な範囲が十分広く確保される。以下に明らかになるように、補助アーム22が主アーム21に対して変位されることにより、各関節4a,4bの回動の禁止/許容が切り替えられる。
【0078】
<3.使用の態様>
モニターアーム100の使用の態様について、
図1~
図7に加え、
図8~
図13を参照しながら説明する。
図8は、第1操作S1、第2操作S2のいずれも行われていない状態におけるモニターアーム100の背面図である。
図9は、第1操作S1が行われている状態のモニターアーム100の背面図である。
図10は、第2操作S2が行われている状態のモニターアーム100の背面図である。
図11(a)は、第1操作S1、第2操作S2のいずれも行われていない状態におけるモニターアーム100の要部の拡大図である。
図11(b)は、第1操作S1が行われている状態のモニターアーム100の要部の拡大図である。
図11(c)は、第2操作S2が行われている状態のモニターアーム100の要部の拡大図である。
図12は、モニターアーム100の使用状態を示す図である。
図13は、モニターアーム100を折り畳んだ状態を示す図である。
【0079】
上記の通り、主アーム21と補助アーム22は、一対のコイルバネ23,23によって互いに離間する方向に付勢される。これにより、補助アーム22に設けられた第1アーム部側係合部41aおよび第2アーム部側係合部41bが、アーム支持部1に設けられた第1支持部側係合部42aおよびモニター支持部3に設けられた第2支持部側係合部42bに向けてそれぞれ付勢されて、一対の係合部41a,42aの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合するとともに、一対の係合部41b,41bの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合する(
図8)。この状態においては、たとえアーム部2およびアーム支持部1に外力が付加されたとしても、各係合部41a,42aの互いの相対角度は変更されない。また、たとえアーム部2およびモニター支持部3に外力が付加されたとしても、各係合部41b,42bの互いの相対角度は変更されない。つまり、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がいずれも禁止された状態となり、アーム部2とアーム支持部1が互いに回動することができず、アーム部2とモニター支持部3も互いに回動することができない。
【0080】
第1関節4aおよび第2関節4bの回動が禁止された状態のモニターアーム100に対して、使用者が、第1操作S1を行うと、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。具体的には、第1関節4aあるいは第2関節4bが第1操作S1を受けると、該第1操作S1を受けた方の関節の回動だけが禁止状態から許容状態に切り替わる。また、使用者が、第2操作S2を行うと、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わる。以下において、各操作S1,S2について説明する。
【0081】
(第1操作)
第1操作S1は、補助アーム22における、第1関節4aの近傍、あるいは、第2関節4bの近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部222の長尺方向の各端部を押圧して補助アーム22を主アーム21に対して傾斜させる操作である。
【0082】
すなわち、使用者が、例えば、操作受付部222の下側の端部(すなわち、第1関節4aの近傍)を、下側のコイルバネ23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22が、第2アーム部側係合部41b(すなわち、第2支持部側係合部42bと係合している第2アーム部側係合部41b)を支点として、下端側が主アーム21に近づく方向に回動して傾斜姿勢となる。ここで、上記の通り、補助アーム22の内側面には一対の接触凸部223,223が形成されており、補助アーム22と主アーム21の離間距離は、接触凸部223が形成されている部分において、他の部分よりも小さく(狭く)なっている。補助アーム22が、その下端側が主アーム21に近づく方向に回動すると、ある回動角度で、下側の接触凸部223が主アーム21に当接し、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところで、それ以上の補助アーム22の移動が規制される。
【0083】
操作受付部222の下側の端部が押圧されて補助アーム22が回動すると、第1アーム部側係合部41aが第1支持部側係合部42aから解離する。一方、第2アーム部側係合部41bは、依然として上側のコイルバネ23の付勢力によって第2支持部側係合部42bに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部41b,42bは噛合した状態に維持される。つまり、第1関節4aの回動が許容され(すなわち、アーム部2のアーム支持部1に対する回動が許容され)、且つ、第2関節4bの回動が禁止された(すなわち、アーム部2のモニター支持部3に対する回動が禁止された)状態となる。このとき、補助アーム22の回動角度(つまりは、傾斜角度)が大きいほど、一方の一対の係合部41a,42aの離間距離が大きくなるところ、上記の通り、ここでは、主アーム21の軸方向の移動が規制されることにより、補助アーム22が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム22が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第1関節4aの回動が確実に許容される。その一方で、押圧位置が比較的中央寄りであった場合やアーム部2の長さが比較的短い場合等においては、補助アーム22が回動しつつ主アーム21に近接する方向に全体的にスライドする可能性があり、こうなると、一方の一対の係合部41a,42aの噛合だけでなく、他方の一方の係合部41b,42bの噛合も解除されてしまう可能性がある。しかしながらここでは、下側の接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作受付部222に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アームに近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部41b,42bの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第1関節4aの回動が確実に許容されつつ、第2関節4bの回動が確実に禁止される。
【0084】
また、使用者が、例えば、操作受付部222の上側の端部(すなわち、第2関節4bの近傍)を、上側のコイルバネ23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22が、第1アーム部側係合部41a(すなわち、第1支持部側係合部42aと係合している第1アーム部側係合部41a)を支点として、上端側が主アーム21に近づく方向に回動して傾斜姿勢となる(
図9)。補助アーム22がこのような方向に回動すると、ある回動角度で、上側の接触凸部223が主アーム21に当接し、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところで、それ以上の補助アーム22の移動が規制される。
【0085】
操作受付部222の上側の端部が押圧されて補助アーム22が回動すると、第2アーム部側係合部41bが第2支持部側係合部42bから解離する。一方、第1アーム部側係合部41aは、依然として下側のコイルバネ23の付勢力によって第1支持部側係合部42aに向けて付勢されたままであり、これらの係合部41a,42aは噛合した状態に維持される。つまり、第2関節4bの回動が許容され(すなわち、アーム部2のモニター支持部3に対する回動が許容され)、且つ、第1関節4aの回動が禁止された(すなわち、アーム部2のアーム支持部1に対する回動が禁止された)状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム22が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム22が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第2関節4bの回動が確実に許容される。また、上側の接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作受付部222に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部41a,42aの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第2関節4bの回動が確実に許容されつつ、第1関節4aの回動が確実に禁止される。
【0086】
このように、モニターアーム100は、第1操作S1を受けることにより、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が、個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、例えば、操作受付部222の下側の端部を押圧しながら、アーム部2とアーム支持部1(具体的には、脚体12)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部2とモニター支持部3の角度を変更することなく、アーム部2とアーム支持部1の角度だけを所望のものに変更することができる。また、使用者は、操作受付部222の上側の端部を押圧しながら、アーム部2とモニター支持部3(具体的には、載置板31)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部2とアーム支持部1の角度を変更することなく、アーム部2とモニター支持部3の角度だけを所望のものに変更することができる。
【0087】
(第2操作)
第2操作S2は、補助アーム22における、第1関節4aと第2関節4bの中央あるいはその近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部222の長尺方向の中央部を押圧して補助アーム22を主アーム21に対して平行移動させる操作である。
【0088】
すなわち、使用者が、操作受付部222の長尺方向の中央部を、一対のコイルバネ23,23の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム22は、主アーム21と略平行な姿勢のまま、主アーム21に近づく方向に移動する(
図10)。つまり、補助アーム22の上端側と下端側がともに、主アーム21に近接する方向に変位する。
【0089】
すると、第1アーム部側係合部41aが第1支持部側係合部42aから解離するとともに、第2アーム部側係合部41bも第2支持部側係合部42bから解離する。つまり、第1関節4aの回動、および、第2関節4bの回動が、いずれも許容された状態となる。
【0090】
このように、モニターアーム100は、第2操作S2を受けることにより、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、操作受付部222の頂面の中央部を押圧しながら、アーム部2とアーム支持部1の角度を変更するとともに、アーム部2とモニター支持部3の角度も変更し、両角度がそれぞれ所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部2とアーム支持部1の角度、および、アーム部2とモニター支持部3の角度を、一度に、所望のものに変更することができる。
【0091】
以上の通り、モニターアーム100の使用者は、第1操作S1または/および第2操作S2を行うことによって、簡易な操作で、モニターMの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
【0092】
例えば、使用者は、アーム部2とアーム支持部1の角度、および、アーム部2とモニター支持部3の角度をそれぞれ調整することで、モニターアーム100に支持されるモニターMが、略鉛直な姿勢となるようにすることができる(例えば
図12の実線)。このようなモニターアーム100の姿勢は、使用者がモニターMを真正面から見たい場合等に適している。また、該姿勢から後方に傾斜した姿勢とすることもできる(例えば
図12の仮想線)。このようなモニターアーム100の姿勢は、使用者がモニターMを斜め上から見たい場合等に適している。
【0093】
また例えば、使用者は、アーム部2とアーム支持部1の角度、および、アーム部2とモニター支持部3の角度をそれぞれ調整することで、モニターアーム100に支持されるモニターMが、使用者の手作業がしやすい高さにおいて水平姿勢となるようにすることもできる。このようなモニターアーム100の姿勢は、例えば、タッチパネルを含んで構成されるモニターMの該タッチパネルにタッチペン等で描画作業をしたい場合、カメラ機能を含んで構成されるモニターMの該カメラ機能で机上に載置されている書類等を撮像したい場合、等に適している。
【0094】
また例えば、使用者は、アーム部2とアーム支持部1の角度、および、アーム部2とモニター支持部3の角度をそれぞれ調整することで、モニターアーム100を折り畳んだ状態とすることができる(
図13)。具体的には、まず、支持部13の下端を第1受け部111に近づけるようにスライドさせて支持部13を脚体12と平行な姿勢とし、この状態で、脚体12を、支持部13とともに第1受け部111を中心に回動させてこれらをベース板11に向けて押し倒す。続いて、第1関節4aの周りでアーム部2を回動させて、これが脚体12の凹状部121内に収容された状態とする。さらに、第2関節4bの周りで載置板31を回動させて、これをアーム部2に向けて押し倒す。これにより、モニターアーム100が折り畳まれた状態となる。このようなモニターアーム100の姿勢は、モニターアーム100を使用しない場合(保管時)等に適している。モニターアーム100を折り畳む(あるいは、折り畳まれたモニターアーム100を展開する)にあたっては、第2操作S2が便利である。すなわち、第2操作S2を行って、第1関節4aと第2関節4bをともに回動が許容された状態に切り替えて、両関節4a,4bのまわりで各部1,2,3を同時に回動させることにより、モニターアーム100を速やかに折り畳む(あるいは、展開する)ことができる。
【0095】
<4.効果>
以上の通り、上記実施形態に係るモニターアーム100は、アーム部2と、アーム部2と第1関節4aを介して接続されるアーム支持部1と、アーム部2と第2関節4bを介して接続されるモニター支持部3と、を備える。そして、このモニターアーム100は、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。この構成によると、アーム部2に対するアーム支持部1の角度とアーム部2に対するモニター支持部3の角度を独立して変更することができるので、使用者は、簡易な操作で、モニターMの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
【0096】
また、モニターアーム100は、第1関節4aあるいは第2関節4bが第1操作S1を受けることにより、該第1操作S1を受けた方の関節の回動だけが、禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。この構成によると、使用者は、第1関節4aあるいは第2関節4bに対して第1操作S1を行うことによって、アーム部2に対するアーム支持部1の角度、あるいは、アーム部2に対するモニター支持部3の角度を個別に変更することができる。したがって、使用者は、直感的な操作で、モニターMの位置および姿勢を所望のものとすることができる。
【0097】
また、モニターアーム100に係るアーム部2は、主アーム21と、主アーム21に対して変位可能な補助アーム22と、を備える。そして、第1操作S1を受ける位置が、補助アーム22における第1関節4aの近傍あるいは第2関節4bの近傍に設定されている。この構成によると、第1関節4aの近傍あるいは第2関節4bの近傍に対して第1操作S1を行うことによって各関節4a,4bを回動の禁止状態から許容状態に切り替えることができるので、使用者は操作の選択を間違えにくい。
【0098】
また、モニターアーム100においては、第1操作S1が、補助アーム22を主アーム21に対して傾斜させる操作であるので、第1操作S1を簡易なものとすることができる。
【0099】
また、モニターアーム100は、第2操作S2を受けることにより、第1関節4aおよび第2関節4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。この構成によると、使用者は、第2操作S2を行うことによって、アーム部2に対するアーム支持部1の角度とアーム部2に対するモニター支持部3の角度の両方を変更することができる。したがって、使用者は、簡易な操作で、モニターMの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。第2操作S2は、モニターアーム100を折り畳む際、および、折り畳まれたモニターアーム100を展開する際に、特に有用である。
【0100】
また、モニターアーム100に係るアーム部2は、主アーム21と、これに対して変位可能な補助アーム22とを備える。そして、第2操作S2を受ける位置が、補助アーム22における第1関節4aと第2関節4bの中央あるいはその近傍に設定されている。この構成によると、第1関節4aと第2関節4bの中央あるいはその近傍に対して第2操作S2を行うことによって両方の関節4a,4bを回動の禁止状態から許容状態に切り替えることができるので、使用者は操作の選択を間違えにくい。
【0101】
また、モニターアーム100においては、第2操作S2が、補助アーム22を主アーム21に対して平行移動させる操作であるので、第2操作S2を簡易なものとすることができる。
【0102】
また、モニターアーム100に係るアーム部2は、主アーム21と、主アーム21に対して変位可能な補助アーム22と、を備え、第1関節4aが、補助アーム22に設けられた第1アーム部側係合部41aと、アーム支持部1に設けられた第1支持部側係合部42aとを備える。また、第2関節4bが、補助アーム22に設けられた第2アーム部側係合部41bと、モニター支持部3に設けられた第2支持部側係合部42bとを備える。そして、第1アーム部側係合部41aと第1支持部側係合部42aとが噛合/解離することにより、第1関節4aの回動が禁止/許容され、第2アーム部側係合部41bと第2支持部側係合部42bとが噛合/解離することにより、第2関節4bの回動が禁止/許容される。この構成によると、各関節4a,4bにおいて、摩擦抵抗ではなく、係止部(具体的には、これに設けられた歯すなわち凹凸)の噛み合いによって回動の禁止(ロック)がなされるため、簡易な構成で、各関節4a,4bの強度を担保することができる。すなわち、摩擦抵抗によって関節の回動を禁止する態様と比べて、簡易な構成で、モニターMを安定して支持することができる。したがって、モニターMが重い場合や、使用者がモニターMを強く押圧した場合等であっても、モニターMを安定して支持することができる。また、経年使用により関節4a,4bの強度が低下するという事態も生じにくい。さらに、必要な部品点数が少なくなるため、モニターアーム100の小型化、軽量化を実現することができる。
【0103】
また、モニターアーム100においては、補助アーム22における第1アーム部側係合部41aの近傍あるいは第2アーム部側係合部41bの近傍にあたる、操作受付部222の長尺方向の各端部が、第1操作S1の入力部をなしており、補助アーム22における第1アーム部側係合部41aと第2アーム部側係合部41bの中央あるいはその近傍にあたる、操作受付部222の長尺方向の中央部が、第2操作S2の入力部をなしている。この構成によると、第1操作S1と第2操作S2を行う位置が、補助アーム22に設けられている各係合部41a,41bに対して規定されているので、使用者は両操作を直感的に行うことができる。
【0104】
また、モニターアーム100においては、補助アーム22が、主アーム21との間に設けられた付勢部(具体的には、一対のコイルバネ23,23)によって主アーム21から離間する方向に付勢されることにより、第1アーム部側係合部41aが第1支持部側係合部42aに噛合するとともに、第2アーム部側係合部41bが第2支持部側係合部42bに噛合する。この構成によると、操作がされていない状態において、各アーム部側係合部41a,41bと支持部側係合部42a,42bが噛合された状態が形成され、第1関節4aおよび第2関節4bの回動が禁止される。したがって、アーム部2の構成を簡易なものとしつつ、モニターMの姿勢を安定して維持することができる。
【0105】
また、モニターアーム100は、補助アーム22における第1アーム部側係合部41aの近傍が付勢部(具体的には、下側のコイルバネ23)の付勢力に逆らって押圧されることにより、第2アーム部側係合部41bと第2支持部側係合部42bが噛合したまま、第1アーム部側係合部41aと第1支持部側係合部42aが解離するように構成されている。また、補助アーム22における第2アーム部側係合部41bの近傍が付勢部(具体的には、上側のコイルバネ23)の付勢力に逆らって押圧されることにより、第1アーム部側係合部41aと第1支持部側係合部42aが噛合したまま、第2アーム部側係合部41bと第2支持部側係合部42bが解離するように構成されている。さらに、補助アーム22における第1アーム部側係合部41aと第2アーム部側係合部41bの中央あるいはその近傍が付勢部(具体的には、一対のコイルバネ23,23)の付勢力に逆らって押圧されることにより、第1アーム部側係合部41aと第1支持部側係合部42aが解離するとともに、第2アーム部側係合部41bと第2支持部側係合部42bが解離するように構成されている。この構成によると、使用者の押圧位置によって、第1関節4aのみ、第2関節4bのみ、あるいは、第1関節4aと第2関節4bの両方、を回動させることができる。したがって、簡易な操作で、モニターMの高さや姿勢を調整することができる。
【0106】
また、モニターアーム100においては、主アーム21と補助アーム22との間であって、第1アーム部側係合部41aと第2アーム部側係合部41bの中央位置において、両アーム21,22の間隔を狭める狭窄部(一対の接触凸部223,223)が設けられている。そして、補助アーム22における第1アーム部側係合部41aの近傍(あるいは第2アーム部側係合部41bの近傍)がコイルバネ23の付勢力に逆らって押圧された場合に、押圧されていない側の係合部41a,41bを支点として補助アーム22が回動し、接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところでそれ以上の回動が規制されるように構成されている。この構成によると、例えば、第1アーム部側係合部41aの近傍が押圧された場合に、下側の接触凸部223を介して補助アーム22と主アーム21が当接するところで補助アーム22の移動が規制され、補助アーム22は、それ以上は回動することもできず、主アーム21に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。したがって、第2関節4bに係る一対の係合部41b,42bの噛合が解除されることが確実に回避され、第1関節4aに係る一対の係合部41a,42aだけを確実に解離させることができる。
【0107】
また、モニターアーム100においては、第1アーム部側係合部41aおよび第2アーム部側係合部41bが、補助アーム22と一体的に形成されている。この構成によると、モニターアーム100の構造を簡易なものとすることができる。
【0108】
また、モニターアーム100においては、各係合部(第1アーム部側係合部41a、第1支持部側係合部42a、第2アーム部側係合部41b、および、第2支持部側係合部42bの各々)が、平面に設けられた凹凸構造を備える。そして、第1アーム部側係合部41aおよび第1支持部側係合部42aが、凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられる。また、第2アーム部側係合部41bおよび第2支持部側係合部42gも、凹凸構造が形成されている面同士を対向させるようにして設けられる。この構成によると、対向して配置された一対の係合部同士が強固に噛み合う。したがって、各関節4a,4bの強度を十分に高いものとすることができる。
【0109】
また、モニターアーム100は、第1関節4aが、補助アーム22と、主アーム21とを軸支する第1軸部40a、を備える。また、第2関節4bが、補助アーム22と、主アーム21とを軸支する第2軸部40b、を備える。この構成によると、各関節4a,4bの構成を簡易なものとすることができる。
【0110】
また、モニターアーム100においては、第1軸部40aおよび第2軸部40bの各途中に、段差部分421が形成されている。この段差部分421が、主アーム21の軸方向(第1軸部40aの延在方向)の変位を規制する規制部としての役割を担い、段差部分421よりも基端側の部分が、補助アーム22の該軸方向の変位を許容する許容部としての役割を担う。この構成によると、主アーム21の軸方向の移動が規制されることにより、モニターMをガタつかせることなく安定して保持することができる。また、補助アーム22の軸方向の移動については規制されないので、各関節4a,4bにおける回動の禁止/許容の切り替えが確実に行われる。
【0111】
また、モニターアーム100においては、アーム支持部1が、第1関節4aの周りで回動されてアーム支持部1の側に折り畳まれた状態のアーム部2を収容する凹状部(収容部)121を備える。この構成によると、モニターアーム100をコンパクトに折り畳むことができる。
【0112】
また、モニターアーム100においては、第1関節4aが、アーム部2の端部に設けられる。具体的には、第1関節4aは、アーム部2の一端部(下端部)とアーム支持部1の一端部(上端部)を接続する位置に設けられる。この構成によると、アーム部2のアーム支持部1に対する可動範囲を大きくととることができる。例えば、アーム部2を、アーム支持部1から略鉛直上方に延在させるような姿勢とすることで、モニターMを高い位置に支持することができる。
【0113】
<<第2実施形態>>
<1.構成>
第2実施形態に係るモニターアームの構成について、
図14~
図17を参照しながら説明する。
図14は、第2実施形態に係るモニターアーム200の斜視図である。
図15は、モニターアーム200の側面図である。
図16は、モニターアーム200の分解斜視図である。
図17は、モニターアーム200の要部の分解斜視図である。
【0114】
モニターアーム200は、アーム支持部5と、アーム部6と、モニター支持部7と、アーム部6とアーム支持部5を接続する第1関節8aと、アーム部6とモニター支持部7を接続する第2関節8bとを備える。この実施形態では、第1関節8aが、アーム部6の途中(すなわち、アーム部6の一方の端部と他方の端部の間に設定された中間接続部)と、アーム支持部5の一方の端部とを接続する位置に設けられる。また、第2関節8bが、アーム部6の一方の端部とモニター支持部7の一方の端部を接続する位置に設けられる。なお、以下においても、説明の便宜上、アーム部6における第1関節8aが設けられる側を「下側」と呼び、第2関節8bが設けられる側を「上側」と呼ぶが、これは、モニターアーム200の使用方向を限定するものではない。
【0115】
<1-1.アーム支持部>
アーム支持部5は、脚体51を備える。
【0116】
脚体51は、断面コ字状の長尺部材であり、その延在方向に沿って長尺の凹状部511が形成されている。この凹状部511の内寸(幅寸法および長さ寸法)は、アーム部6における第1関節8aよりも上側の部分の外寸(幅寸法および長さ寸法)よりも一回り大きなものとされており、脚体51と接続されたアーム部6が第1関節8aを介して回動されて両者51,6が略平行な姿勢とされた状態において、アーム部6における第1関節8aよりも上側の部分が、この凹状部511に収容されるようになっている(
図22)。また、脚体51の上端において、脚体51の各側壁部分には突壁512が形成されており、各突壁512には貫通孔H51が形成される。一方、脚体51の下端には、長尺棒状の支持棒513が、長尺方向を脚体51の幅方向に沿わせるような姿勢で、該脚体51と一体的に設けられている。
【0117】
<1-2.モニター支持部>
モニター支持部7は、載置板71とスライド板72とを備える。
【0118】
載置板71は、平面視長方形の平板状部材である。載置板71の一方の主面(上面)は、モニターMを載置するための載置面を形成する。載置板71の下端部付近には、その上面側に立ち上がった下縁部711が形成されており、この下縁部711が載置板71の上面に載置されたモニターMの下縁に当接するようになっている。また、載置板71の下端部付近には、その下面側に、一対の突壁712,712が形成されており、各突壁712には貫通孔H71が形成される。また、載置板71には、ここに載置されたモニターMのカメラレンズに対応する位置に窓713が形成される。カメラレンズの位置はモニターMの種類によって異なるため、各種のモニターMに対応できるように、複数の窓713が形成されることも好ましい。
【0119】
スライド板72は、載置板71の上面に載置されたモニターMが落下しないように挟持するための部材である。スライド板72は、載置板71の下面側に、該下面に沿ってスライド可能に設けられる。また、スライド板72の上端部付近には、その上面側に立ち上がった上縁部721が形成されている。使用者は、モニターMを、表示画面を上に向けた状態で載置板71に載置し、スライド板72をスライドさせて、上縁部721がモニターMの上縁に当接するような位置に配置する。これにより、載置板71上に載置されたモニターMが上縁部721と下縁部711の間に挟持されて落下しないように支持される。
【0120】
<1-3.アーム部>
アーム部6について、主として
図16、
図17を参照しながら説明する。アーム部6は、主アーム61と、主アーム61と平行に延在するとともに主アーム61に対して近接離間する方向に変位可能な補助アーム62と、主アーム61および補助アーム62の間に設けられた一対のコイルバネ63,63と、主アーム61の一方の端部からこれと同じ方向に延出するように設けられた支持部64と、を備える。主アーム部61の該一方の端部は、アーム部6の一端部と他端部の間に設定された中間接続部に相当し、アーム部6とアーム支持部5とを接続する第1関節8aは、該中間接続部に設けられる。
【0121】
主アーム61および補助アーム62は、いずれも樹脂または樹脂よりも高剛性の材料により形成されている。両アーム61,62は互いに略等しい長さを有する長尺の部材であり、いずれも一方の側面が開口した略箱状を呈している。そして、両アーム61,62は開口した面を対向させるようにして配置される。
【0122】
主アーム61の両端部の各々には、貫通孔H61が形成される。同様に、補助アーム62の両端部の各々にも、貫通孔H62が形成される。各アーム61,62の下端側に設けられた各貫通孔H61,H62は、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第1軸部80aが挿通される。また、各アーム61,62の上端側に設けられた各貫通孔H61,H62も、互いに対応する位置に設けられており、これらには後述する第2軸部80bが挿通される。
【0123】
主アーム61の内側面には、各貫通孔H61を囲むように円筒状のリブ(円筒部)611が立設される。同様に、補助アーム62の内側面にも、各貫通孔H62を囲むように円筒状のリブ(円筒部)が立設される。主アーム61および補助アーム62の各内側面には、長尺方向と交差して延在する直線状のリブが適宜形成されることも好ましい。
【0124】
補助アーム62の外側面には、操作受付部621が形成される。操作受付部621は、具体的には、該外側面に形成された凸条部であり、補助アーム62の延在方向に沿う長尺な頂面を有する。この頂面の長尺方向の各端部(すなわち、各関節8a,8bの近傍)には、他の部分(中央平坦部6212)に比べて突出した操作凸部6211が設けられている。後述する第1操作S1は、操作凸部6211を押圧する操作であり、第2操作S2は、中央平坦部6212を押圧する操作である。つまり、操作受付部621における各操作凸部6211が、第1操作S1の入力部を構成し、中央平坦部6212が、第2操作S2の入力部を構成する。
【0125】
補助アーム62の内側面には、アーム部6の延在方向に間隔を設けつつ配置された一対の凸部(接触凸部)622,622が形成される。各接触凸部622は、他の部分に比べて突出した形状部分であり、主アーム61と補助アーム62の間隔を狭める狭窄部としての役割を担う。一対の接触凸部622,622は、第1アーム部側係合部81aと第2アーム部側係合部81bの中央位置に形成される。具体的には、一対の接触凸部622,622は、その中間位置が、第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致するように形成される。ただし、各接触凸部622は、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。
【0126】
一対のコイルバネ63,63は、主アーム61と補助アーム62の間に設けられる。具体的には、各コイルバネ63は、主アーム61に設けられた各円筒部611に外挿され、この状態で、補助アーム62が、主アーム61との間に一対のコイルバネ63,63を挟み込むようにして主アーム61と対向配置される。アーム部6が各支持部5,7に取り付けられた状態において、各コイルバネ63は、縮短状態で、一端側において補助アーム62の内側面に当接し、他端側において主アーム61の内側面に当接する。つまり、この状態において、主アーム61と補助アーム62は、一対のコイルバネ63,63によって互いに離間する方向に付勢される。すなわち、一対のコイルバネ63,63は、補助アーム62を主アーム61から離間する方向に付勢する付勢部としての役割を担う。
【0127】
支持部64は、主アーム61と同じ方向に延在する長尺な部材であり、その上端部が、主アーム61の下端部に固定されている。また、支持部64の下端には、長尺棒状の支持棒641が、長尺方向を支持部64の幅方向に沿わせるような姿勢で設けられている。支持部64と主アーム61とは、例えば一体成形技術を用いることにより一体的に形成されていてもよい。
【0128】
<1-4.第1関節>
第1関節8aについて、引き続き
図16、
図17を参照しながら説明する。第1関節8aは、クラッチ状に形成されている。すなわち、第1関節8aは、アーム部6(具体的には、補助アーム62)の側に設けられた係合部(第1アーム部側係合部)81aと、アーム支持部5の側に設けられた係合部(第1支持部側係合部)82aと、を備える。両係合部81a,82aは、軸部(第1軸部)80aによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81a,82aが、噛合/解離することによって、第1関節8aの回動(すなわち、アーム部6のアーム支持部5に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
【0129】
第1アーム部側係合部81aは、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム62と一体的に形成される。第1アーム部側係合部81aは、補助アーム62の外側面における平面状の部分において、貫通孔H62(下端側に形成されている貫通孔H62)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。この凹凸構造は、具体的には、矩形状の凸部分が、貫通孔H62の中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。
【0130】
第1支持部側係合部82aは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材である。第1支持部側係合部82aの中心には、例えば一体成形技術を用いることにより、円筒状の軸部(第1軸部)80aが一体的に形成されている。また、第1支持部側係合部82aにおける第1軸部80aが形成されている側の主面には、凹凸構造が設けられている。この凹凸構造は、第1軸部80aの周りに設けられたものであり、具体的には、矩形状の凸部分が、第1軸部80aの中心から放射状を成すように360°に亘って配列されたものである。また、第1支持部側係合部82aの円盤部分の周縁には、切欠部822が形成されている。
【0131】
<1-5.第2関節>
第2関節8bについて、引き続き
図16および
図17を参照しながら説明する。第2関節8bは、第1関節8aと同様、クラッチ状に形成されている。すなわち、第2関節8bは、アーム部6(具体的には、補助アーム62)の側に設けられた係合部(第2アーム部側係合部)81bと、モニター支持部7の側に設けられた係合部(第2支持部側係合部)82bと、を備える。両係合部81b,82bは、軸部(第2軸部)80bによって互いに回動可能に軸支されており、一対の係合部81b,82bが、噛合/解離することによって、第2関節8bの回動(すなわち、アーム部6のモニター支持部7に対する回動)が禁止される状態と、該回動が許容される状態とが切り替えられるようになっている。
【0132】
第2アーム部側係合部81bは、第1アーム部側係合部81aと同様、例えば一体成形技術を用いることにより、補助アーム62と一体的に形成される。第2アーム部側係合部81bは、補助アーム62の外側面における平面状の部分において、貫通孔H62(上端側に形成されている貫通孔H62)を囲むように設けられた凹凸構造を備える。第2アーム部側係合部81bの具体的な構成は、第1アーム部側係合部81aと同様である。
【0133】
第2支持部側係合部82bは、第1支持部側係合部82aと同様の部材である。すなわち、第2支持部側係合部82bは、一対の平面状の主面を有する略円盤状の部材であって、中心に円筒状の軸部(第2軸部)80bが一体的に形成されている。また、その一方の主面に凹凸構造が設けられ、円盤部分の周縁に切欠部822が形成されている。
【0134】
<2.各関節の形成態様>
第1関節8aおよび第2関節8bの形成態様について、引き続き
図16、
図17を参照しながら説明する。
【0135】
まず、主アーム61の内側面に設けられた各円筒部611にコイルバネ63が外挿される。そして、補助アーム62が、主アーム61との間に一対のコイルバネ63,63を挟み込むようにして主アーム61と対向配置される。
【0136】
続いて、第1支持部側係合部82aに設けられた第1軸部80aが、下端側において重なり合わされた一対の貫通孔H62,H61、具体的には、補助アーム62の下端側の円筒部内、および、主アーム61の下端側の円筒部611内に、順に軸通される。同様に、第2支持部側係合部82bに設けられた第2軸部80bが、上端側において重なり合わされた一対の貫通孔H62,H61、具体的には、補助アーム62の上端側の円筒部内、および、主アーム61の上端側の円筒部611内に、順に軸通される。これにより、一対の係合部81a,82aおよび一対の係合部81b,82bの各々が、凹凸構造が形成されている面同士を対向させて配置されることになる。
【0137】
ここで、第1軸部80aおよび第2軸部80bの途中には、段差部分821が設けられており、先端側が基端側よりも小径となっている。具体的には、段差部分821よりも先端側の部分の外径は、主アーム61側の円筒部611の内径よりも僅かに小さい寸法とされており、円筒部611に内挿可能に構成されている。一方、段差部分821よりも基端側の部分の外径は、円筒部611の内径よりも大きく、且つ、補助アーム62側の円筒部の内径よりも小さいものとされており、補助アーム62側の円筒部内には挿入可能であるものの、主アーム61側の円筒部611内には挿入されないように構成されている。したがって、第1軸部80aおよび第2軸部80bが軸通された状態において、段差部分821が、主アーム61側の円筒部611の先端面と突き当たった状態となる。
【0138】
続いて、これら一群の部材82a,82b,61~63が、その下端部が、脚体51の一対の突壁512,512の間に配置され、その上端部が、載置板71の一対の突壁712,712の間に配置された状態とされる。このとき、第1支持部側係合部82aは、その円盤部分に設けられている切欠き部822内に、脚体51の突壁512に形成されている凸部が収容されるような位置に配置される。これにより、第1支持部側係合部82aが、突壁512(ひいては、アーム支持部5)に対して、回転不能に係止される。同様に、第2支持部側係合部82bは、その円盤部分に設けられている切欠き部822内に、載置板71の突壁712に形成されている凸部7121が収容されるような位置に配置される。これにより、第2支持部側係合部82bが、突壁712(ひいては、モニター支持部7)に対して、回転不能に係止される。
【0139】
続いて、一方の突壁部512の貫通孔H51、第1軸部80aの軸内部、他方の突壁部512の貫通孔H51に、次々とネジ801aを挿通して、ナット802aで締結する。これによって、主アーム61、補助アーム62、および、アーム支持部5が、第1軸部80aによって軸支されることになる。これにより、第1関節8aが形成される。ただし、第1支持部側係合部82aが突壁512に対して十分に付勢されるように第1軸部80aには十分な締付力が付加されることが好ましい。これにより、第1支持部側係合部82aの切欠部822と突壁512の凸部との係合が解除されないように担保される。
【0140】
同様に、一方の突壁部712の貫通孔H71、第2軸部80bの軸内部、他方の突壁部712の貫通孔H71に、次々とネジ801bを挿通して、ナット802bで締結する。これによって、主アーム61、補助アーム62、および、モニター支持部7が、第2軸部80bによって軸支されることになる。これにより、第2関節8bが形成される。ここでも、第2支持部側係合部82bが突壁712に対して十分に付勢されるように第2軸部80bに十分な締付力が付加されることが好ましい。
【0141】
上記の通り、補助アーム62側の円筒部には、第1軸部80aあるいは第2軸部80bにおける段差部分821よりも基端側の部分が挿通される。ここで、該基端側の部分の外径は、補助アーム62側の円筒部の内径よりも小さいものとされており、補助アーム62は、各軸部80a,80bに軸支された状態において、軸方向に移動可能とされている。具体的には、補助アーム62は、両軸部80a,80bに対して同じ軸方向に移動する(すなわち、主アーム61と略平行な姿勢のままこれに対して近接離間する)ことも可能であり、各軸部80a,80bに対して逆の軸方向に移動する(すなわち、主アーム61に対して傾斜した姿勢をとる)ことも可能である。一方、主アーム61には段差部分821が突き当たっており、各軸部80a,80bに軸支された状態において、軸方向に移動できないように規制されている。主アーム61の軸方向の移動が規制されることにより、モニターMをガタつかせることなく安定して保持できるとともに、補助アーム62が変位可能な範囲が十分広く確保される。以下に明らかになるように、補助アーム62が主アーム61に対して変位されることにより、各関節8a,8bの回動の禁止/許容が切り替えられる。
【0142】
<3.使用の態様>
モニターアーム200の使用の態様について、
図14~
図17に加え、
図18~
図22を参照しながら説明する。
図18~
図21は、モニターアーム200の使用状態を示す図である。
図22は、モニターアーム200を折り畳んだ状態を示す図である。
【0143】
上記の通り、主アーム61と補助アーム62は、一対のコイルバネ63,63によって互いに離間する方向に付勢される。これにより、補助アーム62に設けられた第1アーム部側係合部81aおよび第2アーム部側係合部81bが、アーム支持部5に設けられた第1支持部側係合部82aおよびモニター支持部7に設けられた第2支持部側係合部82bに向けてそれぞれ付勢されて、一対の係合部81a,82aの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合するとともに、一対の係合部81b,82bの対向する各主面に形成されている凹凸構造が噛合する。この状態においては、たとえアーム部6およびアーム支持部5に外力が付加されたとしても、各係合部81a,82aの互いの相対角度は変更されない。また、たとえアーム部6およびモニター支持部7に外力が付加されたとしても、各係合部81b,82bの互いの相対角度は変更されない。つまり、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がいずれも禁止された状態となり、アーム部6とアーム支持部5が互いに回動することができず、アーム部6とモニター支持部7も互いに回動することができない。
【0144】
第1関節8aおよび第2関節8bの回動が禁止された状態のモニターアーム200に対して、使用者が、第1操作S1を行うと、第1関節8aおよび第2関節8bの各々の回動が個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。具体的には、第1関節8aあるいは第2関節8bが第1操作S1を受けると、該第1操作S1を受けた方の関節の回動だけが禁止状態から許容状態に切り替わる。また、使用者が、第2操作S2を行うと、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わる。以下において、各操作S1,S2について説明する。
【0145】
(第1操作)
第1操作S1は、補助アーム62における、第1関節8aの近傍、あるいは、第2関節8bの近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部621の操作凸部6211を押圧して補助アーム62を主アーム61に対して傾斜させる操作である。
【0146】
すなわち、使用者が、例えば、操作受付部621における下側の操作凸部6211(すなわち、第1関節8aの近傍)を、下側に配置されているコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62が、第2アーム部側係合部81b(すなわち、第2支持部側係合部82bと係合している第2アーム部側係合部81b)を支点として、下端側が主アーム61に近づく方向に回動して傾斜姿勢となる。ここで、上記の通り、補助アーム62の内側面には一対の接触凸部622,622が形成されており、補助アーム62と主アーム61の離間距離は、接触凸部622が形成されている部分において、他の部分よりも小さく(狭く)なっている。補助アーム62が、その下端側が主アーム61に近づく方向に回動すると、ある回動角度で、下側の接触凸部622が主アーム61に当接し、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム62に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接するところで、それ以上の補助アーム62の移動が規制される。
【0147】
下側の操作凸部6211が押圧されて補助アーム62が回動すると、第1アーム部側係合部81aが第1支持部側係合部82aから解離する。一方、第2アーム部側係合部81bは、依然として上側のコイルバネ63の付勢力によって第2支持部側係合部82bに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部81b,82bは噛合した状態に維持される。つまり、第1関節8aの回動が許容され(すなわち、アーム部6のアーム支持部5に対する回動が許容され)、且つ、第2関節8bの回動が禁止された(すなわち、アーム部6のモニター支持部7に対する回動が禁止された)状態となる。このとき、補助アーム62の回動角度(つまりは、傾斜角度)が大きいほど、一方の一対の係合部81a,82aの離間距離が大きくなるところ、上記の通り、ここでは、主アーム61の軸方向の移動が規制されることにより、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第1関節8aの回動が確実に許容される。その一方で、押圧位置が比較的中央寄りであった場合やアーム部6の長さが比較的短い場合等においては、補助アーム62が回動しつつ主アーム61に近接する方向に全体的にスライドする可能性があり、こうなると、一方の一対の係合部81a,82aの噛合だけでなく、他方の一方の係合部81b,82bの噛合も解除されてしまう可能性がある。しかしながらここでは、下側の接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作凸部6211に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アームに近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部81b,82bの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第1関節8aの回動が確実に許容されつつ、第2関節8bの回動が確実に禁止される。
【0148】
また、使用者が、例えば、操作受付部621における上側の操作凸部6211(すなわち、第2関節8bの近傍)を、上側のコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62が、第1アーム部側係合部81a(すなわち、第1支持部側係合部82aと係合している第1アーム部側係合部81a)を支点として、上端側が主アーム61に近づく方向に回動して傾斜姿勢となる。補助アーム62がこのような方向に回動すると、ある回動角度で、上側の接触凸部622が主アーム61に当接し、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となる。つまり、該接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接するところで、それ以上の補助アーム62の移動が規制される。
【0149】
上側の操作凸部6211が押圧されて補助アーム62が回動すると、第2アーム部側係合部81bが第2支持部側係合部82bから解離する。一方、第1アーム部側係合部81aは、依然として下側のコイルバネ63の付勢力によって第1支持部側係合部82aに向けて付勢されたままであり、該一対の係合部81a,82aは噛合した状態に維持される。つまり、第2関節8bの回動が許容され(すなわち、アーム部6のモニター支持部7に対する回動が許容され)、且つ、第1関節8aの回動が禁止された(すなわち、アーム部6のアーム支持部5に対する回動が禁止された)状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が十分大きな角度で回動(つまりは、傾斜)することができる。したがって、第2関節8bの回動が確実に許容される。また、上側の接触凸部622を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、たとえ使用者が引き続き操作凸部6211に強い押圧力を付与し続けたとしても、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない。したがって、押圧されていない側の係合部81a,82aの噛合が解除されることが確実に回避される。これにより、第2関節8bの回動が確実に許容されつつ、第1関節8aの回動が確実に禁止される。
【0150】
このように、モニターアーム200は、第1操作S1を受けることにより、第1関節8aおよび第2関節8bの各々の回動が、個別に禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、下側の操作凸部6211を押圧しながら、アーム部6とアーム支持部5(具体的には、脚体51)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部6とモニター支持部7の角度を変更することなく、アーム部6とアーム支持部5の角度だけを所望のものに変更することができる。また、使用者は、上側の操作凸部6211を押圧しながら、アーム部6とモニター支持部7(具体的には、載置板71)の角度を変更し、該角度が所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部6とアーム支持部5の角度を変更することなく、アーム部6とモニター支持部7の角度だけを所望のものに変更することができる。
【0151】
(第2操作)
第2操作S2は、補助アーム62における、第1関節8aと第2関節8bの中央あるいはその近傍に対する操作であり、具体的には、操作受付部621の頂面の中央平坦部6212を押圧して補助アーム62を主アーム61に対して平行移動させる操作である。
【0152】
すなわち、使用者が、操作受付部621の中央平坦部6212を、一対のコイルバネ63,63の付勢力に逆らって押圧すると、補助アーム62は、主アーム61と略平行な姿勢のまま、主アーム61に近づく方向に移動する。つまり、補助アーム62の上端側と下端側がともに、主アーム61に近接する方向に変位する。ここでは、一対の接触凸部622,622の両方が略同時に主アーム61に接触し、補助アーム62が主アーム61と略平行な姿勢となるように規制される。
【0153】
すると、第1アーム部側係合部81aが第1支持部側係合部82aから解離するとともに、第2アーム部側係合部81bも第2支持部側係合部82bから解離する。つまり、第1関節8aの回動、および、第2関節8bの回動が、いずれも許容された状態となる。上記の通り、ここでは、補助アーム62が変位可能な範囲が広く確保されているため、補助アーム62が軸方向に沿って十分大きな距離だけ変位することができる。すなわち、一対の係合部81a,82aおよび一対の係合部81b,82bがいずれも十分に解離することができる。したがって、第1関節8aおよび第2関節8bの回動が確実に許容される。
【0154】
このように、モニターアーム200は、第2操作S2を受けることにより、第1関節8aおよび第2関節8bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わるように構成されている。したがって、使用者は、操作受付部621の中央平坦部6212を押圧しながら、アーム部6とアーム支持部5の角度を変更するとともに、アーム部6とモニター支持部7の角度も変更し、両角度がそれぞれ所望のものとなった状態で、該押圧をやめることで、アーム部6とアーム支持部5の角度、および、アーム部6とモニター支持部7の角度を、一度に、所望のものに変更することができる。
【0155】
以上の通り、モニターアーム200の使用者は、第1操作S1または/および第2操作S2を行うことによって、簡易な操作で、モニターMの位置および姿勢(角度)を所望のものとすることができる。
【0156】
例えば、使用者は、アーム部6とアーム支持部5の角度、および、アーム部6とモニター支持部7の角度をそれぞれ調整することで、モニターアーム200に支持されるモニターMが、机上から適当な距離(例えば、カメラのレンズの焦点距離)だけ離間した高さにおいて水平面から10°程度立ち上がった姿勢となるようにすることができる(例えば
図18、
図19)。このようなモニターアーム200の姿勢は、カメラ機能を含んで構成されるモニターMの該カメラ機能で机上に載置されている書類等を撮像したい場合、等に適している。
【0157】
また例えば、使用者は、脚体51をアーム部6の側に押し倒して両者が平行となるようにして、アーム部6における第2関節8bよりも上側の部分が脚体51の凹状部511内に収容された状態とし、さらに、アーム部6とモニター支持部7の角度を約15°程度に調整することで、モニターアーム200に支持されるモニターMが、使用者の手作業がしやすい高さにおいて水平面から15°態度立ち上がった姿勢となるようにすることができる(例えば
図20、
図21)。このようなモニターアーム200の姿勢は、例えば、タッチパネルを含んで構成されるモニターMの該タッチパネルにタッチペン等で描画作業をしたい場合、等に適している。
【0158】
また例えば、使用者は、アーム部6とアーム支持部5の角度、および、アーム部6とモニター支持部7の角度をそれぞれ調整することで、モニターアーム200を折り畳んだ状態とすることができる。すなわち、脚体51をアーム部6の側に押し倒して両者が平行となるようにして、アーム部6における第2関節8bよりも上側の部分が脚体51の凹状部511内に収容された状態とする。さらに、載置板71をアーム部6に向けて押し倒して両者を略平行とする。これにより、モニターアーム200が折り畳まれた状態となる(
図22)。このようなモニターアーム200の姿勢は、モニターアーム200を使用しない場合(保管時)等に適している。モニターアーム200を折り畳む(あるいは、折り畳まれたモニターアーム200を展開する)にあたっては、第2操作S2が便利である。すなわち、第2操作S2を行って、第1関節8aと第2関節8bをともに回動が許容された状態に切り替えて、両関節8a,8bのまわりで各部4,5,6を同時に回動させることにより、モニターアーム200を速やかに折り畳む(あるいは、展開する)ことができる。
【0159】
<4.効果>
上記実施形態に係るモニターアーム200によると、第1実施形態に係るモニターアーム100と同様の効果を得ることができる。
【0160】
また、モニターアーム200においては、アーム部6の一端部と他端部の間に中間接続部が設定され、第1関節8aが、該中間接続部とアーム支持部5の一端部とを接続する位置に設けられる。この構成によると、アーム支持部5をそれのみで自立させる構成とする必要がないので、モニターアーム200の全体の構成を簡易なものとすることができる。また、アーム部6とアーム支持部5がなす角度を調整することにより、第1関節8aの高さを自由に調整することができる。例えば、アーム部2とアーム支持部1がなす角度を広げることで、第1関節8aの高さが低くなり、モニターMを低い位置に支持することができる。
【0161】
<<他の実施形態>>
第1の実施形態に係るアーム部2において、一対の接触凸部223,223に代えて、1個の接触凸部を、第1関節4aと第2関節4bの中間位置に設けてもよい。あるいは、一対の接触凸部223,223に代えて、山形あるいは錐形の接触凸部を、その頂辺あるいは頂点が、該中間位置と一致するような位置に設けてもよい。これらの場合、使用者が上述した第2操作S2を行った際に、補助アーム22が、接触凸部を介して主アーム21に当接すると、補助アーム22は主アーム21と平行な姿勢を保てず、どちらかの関節に近づき、他方の関節から遠ざかるような傾斜姿勢となる。こうなると、第1関節4aあるいは第2関節4bの回動が、禁止状態から許容状態に切り替わる。つまり、使用者が上述した第2操作S2を行っても、両関節4a,4bの回動がともに禁止状態から許容状態に切り替わることはなく、第2操作S2は実質的に無効な操作となる。このように、一対の接触凸部223,223に代えて、1個の接触凸部等を設けることで、第1操作S1のみが有効な操作となり、第2操作S2は実質的に無効な操作となるようなモニターアームを得ることができる。第2の実施形態に係る一対の接触凸部622,622に代えて、1個の接触凸部等を設けた場合も同様である。
【0162】
また、第1の実施形態に係るアーム部2において、その長尺方向の長さを十分に大きなものとした場合、使用者が上述した第2操作S2を行っても、補助アーム22の両端部が主アーム21に近づく方向に十分に移動せず、両アーム部側係合部41a,41bは、各支持部側係合部42a,42bから解離しない。つまり、使用者が上述した第2操作S2を行っても、第1関節4aおよび第2関節4bの回動はいずれも禁止状態のままとされる。一方で、使用者が上述した第1操作S1を行った場合は、第1関節4aおよび第2関節4bの各々の回動が、個別に禁止状態から許容状態に切り替わる。このように、アーム部2の長尺方向の長さを十分に長くすることによっても、第1操作S1のみが有効な操作となり、第2操作S2は実質的に無効な操作となるようなモニターアームを得ることができる。第2の実施形態に係るアーム部6の長尺方向の長さを十分に長くした場合も同様である。
【0163】
第1実施形態において、載置板31は透明材料により形成されるものとしたが、透明ではない材料により形成されてもよい。透明ではない材料により形成される場合、載置板31には、ここに載置されたモニターMのカメラレンズに対応する位置に窓が形成されることが好ましい。また、第2実施形態において、載置板71を透明材料により形成してもよい。
【0164】
第2実施形態においては、主アーム61と補助アーム62の間隔を狭める狭窄部(一対の接触凸部622,622)が、補助アーム62の内側面に形成されていたが、一対の接触凸部は、主アーム61の内側面に形成されてもよい。この場合も、一対の接触凸部は、アーム部6の延在方向に間隔を設けつつ形成され、互いの中間位置が第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致するように形成される。また、各接触凸部は、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。第1実施形態においても同様である。
【0165】
第2実施形態においては、狭窄部が一対の接触凸部622,622により形成されていたが、狭窄部の形成態様はこれに限らない。例えば、狭窄部を、アーム部6の延在方向に沿う長尺の凸条部によりを形成してもよい。この場合、凸条部は、第1アーム部側係合部81aと第2アーム部側係合部81bの中央位置に形成される。具体的には、凸条部は、その長尺方向の中心位置が、第1関節8aと第2関節8bの中間位置と一致し、その長尺方向の端部が、操作受付部621の中央平坦部6212と各操作凸部6211の境界と対応する位置あるいはその近傍に形成されることが好ましい。また、凸条部は、その頂面が平坦なものとされる。この場合も、例えば、補助アーム62における第1アーム部側係合部81aあるいは第2アーム部側係合部81bの近傍がコイルバネ63の付勢力に逆らって押圧された場合に、凸条部の一方の端部を介して補助アーム62と主アーム61が当接すると、補助アーム62は、それ以上は回動することもできず、主アーム61に近接する方向に全体的にスライドすることもできない状態となるので、押圧されていない側の係合部81a,82aの噛合が解除されることが確実に回避される。したがって、第1操作S1において一方の関節のみの回動が確実に許容される。第1実施形態においても同様である。
【0166】
第1および第2実施形態において、コイルバネ23,63に代えて、各種の弾性部材(例えば、板バネ)を採用してもよい。また、各関節4a,4b,8a,8bの強度を向上させるために、各関節4a,4b,8a,8bにねじりコイルバネや圧縮コイルバネを適宜に追加して設けてもよい。
【0167】
第1および第2実施形態において、モニターアーム100,200が支持するモニターMのサイズはどのようなものであってもよい。使用が想定されるモニターMのサイズに応じて、載置板31,71のサイズ等を適宜調整することも好ましい。
【0168】
第1および第2実施形態においては、モニターMの画面を上に向けて載置板31,71に載置する使用態様を例示したが、モニターアーム100,200の使用態様はこれに限らない。例えば、載置板31,71を透明材料により形成し、モニターMの画面を下に向けて載置板31,71に載置して、透明な載置板31,71越しに該画面を見るようにしてもよい。
【0169】
第1および第2実施形態に係るアーム部2,3を、各支持部1,5,3,7に対して回動可能に支持する構成は上記に例示した態様に限らない。例えば、アーム部2,6が、これに設けられた凸部が各支持部1,5,3,7の各突壁122,512,312,712に設けられた凹部に収容されることによって、回動可能に支持される構成であってもよい。
【0170】
第1および第2実施形態に係るモニターアーム100,200における各部の具体的な形状、仕様、その他の詳細な構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、第1実施形態に係るモニターアーム100の各構成と、第2実施形態に係るモニターアーム200の各構成とを、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0171】
100 モニターアーム
1 アーム支持部
11 ベース板
12 脚体
121 凹状部(収容部)
13 支持部
2 アーム部
21 主アーム
22 補助アーム
222 操作受付部
223 接触凸部
23 コイルバネ
3 モニター支持部
31 載置板
32 挟持部
4a 第1関節
41a 第1アーム部側係合部
42a 第1支持部側係合部
40a 第1軸部
4b 第2関節
41b 第2アーム部側係合部
42b 第2支持部側係合部
40b 第2軸部
200 モニターアーム
5 アーム支持部
51 脚体
511 凹状部(収容部)
6 アーム部
61 主アーム
62 補助アーム
621 操作受付部
6211 操作凸部(第1形状部分)
6212 中央平坦部(第2形状部分)
622 接触凸部
63 コイルバネ
64 支持部
7 モニター支持部
71 載置板
72 スライド板
8a 第1関節
81a 第1アーム部側係合部
82a 第1支持部側係合部
821 段差部分(位置規制部)
822 切欠き部
80a 第1軸部
8b 第2関節
81b 第2アーム部側係合部
82b 第2支持部側係合部
80b 第2軸部