IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 現代自動車株式会社の特許一覧 ▶ 起亞自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-セル電圧センシング回路 図1
  • 特許-セル電圧センシング回路 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】セル電圧センシング回路
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221205BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20221205BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221205BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H02J7/00 Q
H02J7/02 H
H01M10/48 P
G01R19/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018193136
(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公開番号】P2019110741
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】10-2017-0173805
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尹 鍾 厚
(72)【発明者】
【氏名】金 美 玉
(72)【発明者】
【氏名】金 範 奎
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-222980(JP,A)
【文献】特開2011-022155(JP,A)
【文献】特開2003-084015(JP,A)
【文献】特開2001-086656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0084217(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 -10/48
G01R 19/00
G01R 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルを含む第1セルモジュールと、
前記第1セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングする第1センシング部と、
複数のリレーを含み、前記第1セルモジュールの各バッテリーセルと前記第1センシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、前記第1セルモジュールと前記第1センシング部との絶縁を維持する第1絶縁リレー部と、
を含み、
前記第1センシング部は、
前記第1絶縁リレー部のリレーの作動によって、前記第1セルモジュールに含まれているセルの電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、
前記キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及び前記キャパシタの両端と前記比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡/開放させるリレーを有する測定部とを含み、
前記第1セルモジュールの最下段バッテリーセル端子に接続された前記第1絶縁リレー部のリレーは、前記第1セルモジュールの最上段バッテリーセル端子と前記第1センシング部との間を接続するラインに結線されており、
前記第1絶縁リレー部に含まれているリレーが作動して前記キャパシタを充電する場合、前記測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、前記測定部が前記キャパシタの両端の電圧を受けるように前記測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、前記第1絶縁リレー部に含まれているリレーが開放されることを特徴とするセル電圧センシング回路。
【請求項2】
複数のバッテリーセルを含み、前記第1セルモジュールに並列接続された第2セルモジュールと、
前記第2セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングする第2センシング部と、
複数のリレーを含み、前記第2セルモジュールの各バッテリーセルと前記第2センシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、前記第2セルモジュールと前記第2センシング部との絶縁を維持する第2絶縁リレー部とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のセル電圧センシング回路。
【請求項3】
前記第1絶縁リレー部及び前記第2絶縁リレー部の複数のリレーは、PhotoMOSリレーであることを特徴とする請求項2に記載のセル電圧センシング回路。
【請求項4】
前記第2センシング部は、
前記第2絶縁リレー部のリレーの作動によって、第2セルモジュールに含まれているセルの電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、
前記キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及び前記キャパシタの両端と前記比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡/開放させるリレーを有する測定部とを含み、
前記第2絶縁リレー部に含まれているリレーが作動して前記キャパシタを充電する場合、前記測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、前記測定部が前記キャパシタの両端の電圧を受けるように前記測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、前記第2絶縁リレー部に含まれているリレーが開放されることを特徴とすることを特徴とする請求項2に記載のセル電圧センシング回路。
【請求項5】
複数のバッテリーセルが直列接続された第1セルモジュールと、
複数のバッテリーセルが直列接続され、前記第1セルモジュールに並列接続された第2セルモジュールと、
前記第1セルモジュール及び前記第2セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングするセンシング部と、
複数のリレーを含み、前記第1セルモジュール及び前記第2セルモジュールの最上段バッテリーセル端子と前記センシング部との間、並びに前記第1セルモジュール及び前記第2セルモジュールの最下段バッテリーセル端子と前記センシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し絶縁を維持する共用リレー部と、
複数のリレーを含み、前記第1セルモジュール及び前記第2セルモジュールの前記最上段バッテリーセル端子及び前記最下段バッテリーセル端子以外の端子とセンシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、絶縁を維持する絶縁リレー部と、を含み、
前記最下段バッテリーセル端子に接続された前記共用リレー部のリレーは、前記最上段バッテリーセル端子と前記センシング部との間を接続するラインに結線され、
前記センシング部は、
前記共用リレー部及び前記絶縁リレー部の作動によって前記第1セルモジュール及び前記第2セルモジュールのセル電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、
前記キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及び前記キャパシタの両端と前記比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡又は/及び開放させるリレーを有する測定部とを含み、
前記共用リレー部及び前記絶縁リレー部に含まれているリレーが作動して前記キャパシタを充電する場合、前記測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、前記測定部が前記キャパシタの両端の電圧を受けるように前記測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、前記共用リレー部及び前記絶縁リレー部に含まれているリレーは開放されることを特徴とするセル電圧センシング回路。
【請求項6】
前記共用リレー部及び前記絶縁リレー部の複数のリレーはPhotoMOSリレーであることを特徴とする請求項に記載のセル電圧センシング回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル電圧センシング回路に係り、より詳しくは、回路構成を最適化することにより回路のロバスト性(robustness)を確保することができ、素子の数量削減によってコストダウンを図ることができるセル電圧センシング回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧バッテリーと12Vリチウムバッテリーとが統合システム構造で開発され、BMS(Battery Management System)で高電圧センシング回路と12Vリチウムバッテリーモジュール(4セル/1モジュール構造)とを統合してセンシングしている。
【0003】
12Vリチウムバッテリーモジュールは、鉛蓄電池のように車種によって小・中・大型車別にバッテリー容量が異なり、これに対応するために、現在、12Vリチウムバッテリーは4セルを1モジュールとし電気容量12Ahを標準化/共用化設計して並列接続で使用している。
12Vリチウムバッテリーの1モジュールは4セルから構成されており、2つのモジュールを並列接続する際には各モジュールの+/-端子はバスバーで接続可能であるが、中間のセルは、バスバーによる接続が不可能である。
【0004】
リチウムバッテリーセルの特性に応じて、各個別セルに対するSOC(State Of Charge)又は劣化状態を確認するためには、個別にセル電圧測定が必要である。即ち、BMS制御器の12Vリチウムバッテリーセンシング回路は、1モジュールの場合には4セルのセンシング回路が必要であり、2モジュールの場合には8セルのセンシング回路が必要である。このように、並列モジュールの数が増加すればするほど、BMS回路の構成に必要な素子の数が増加し、それによるコストアップが生ずる。
【0005】
また、12Vリチウムバッテリーは、高電圧バッテリーのように絶縁設計を適用しなくてもよいが、12Vリチウムバッテリー統合システム内のBMS制御器は、高電圧バッテリー及び車両負荷(リレーなど)を制御及びセンシングする役割と、12Vリチウムバッテリーをセンシングする役割とを同時に行わなければならない。これにより、12Vリチウムバッテリーのグラウンド(GROUND、GND)であるバッテリー電圧センシングラインと、車両シャーシGNDと、を同時に使用しているBMSは、GND断線の際に外部から過電流がBMS回路の内部に流入してBMS H/W回路が焼損してしまうという問題点があった。
【0006】
従って、モジュール数の増加問題及び接地絶縁問題の解決による回路構成を最適化させることにより、回路のロバスト性(robustness)を確保することができ、素子の数量削減によってコストダウンを図ることができるソリューションが必要であった。
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進するためのものに過ぎず、この技術分野における通常の知識を有する者に既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け止められてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2011-155825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、回路構成を最適化させることにより、接地絶縁問題を解決して回路のロバスト性を確保すること、及びモジュール数の増加問題に関し、素子の数量削減によってコストダウンを図ることができるセル電圧センシング回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様によれば、複数のバッテリーセルを含む第1セルモジュールと、
第1セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングする第1センシング部と、
複数のリレーを含み、第1セルモジュールの各バッテリーセルと第1センシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、第1セルモジュールと第1センシング部との絶縁を維持する第1絶縁リレー部とを含んでなるセル電圧センシング回路を提供する。
【0010】
ここで、複数のバッテリーセルを含み、第1セルモジュールに並列接続された第2セルモジュールと、
第2セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングする第2センシング部と、
複数のリレーを含み、第2セルモジュールの各バッテリーセルと第2センシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、第2セルモジュールと第2センシング部との絶縁を維持する第2絶縁リレー部とを更に含むことを特徴とする。
【0011】
また第1絶縁リレー部及び第2絶縁リレー部の複数のリレーは、PhotoMOSリレーであることを特徴とする。
【0012】
前記第1センシング部は、第1絶縁リレー部のリレーの作動によって、第1セルモジュールに含まれているセルの電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及びキャパシタの両端と比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡/開放させるリレーを有する測定部とを含み、第1絶縁リレー部に含まれているリレーが作動してキャパシタを充電する場合、測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、測定部がキャパシタの両端の電圧を受けるように測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、第1絶縁リレー部に含まれているリレーが開放されることを特徴とする。
【0013】
前記第2センシング部は、第2絶縁リレー部のリレーの作動によって、第2セルモジュールに含まれているセルの電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及びキャパシタの両端と比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡/開放させるリレーを有する測定部とを含み、第2絶縁リレー部に含まれているリレーが作動してキャパシタを充電する場合、測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、測定部がキャパシタの両端の電圧を受けるように測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、第2絶縁リレー部に含まれているリレーが開放されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の他の態様によれば、複数のバッテリーセルが直列接続された第1セルモジュールと、複数のバッテリーセルが直列接続され、第1セルモジュールに並列接続された第2セルモジュールと、第1セルモジュール及び第2セルモジュールの各バッテリーセルの電圧をセンシングするセンシング部と、複数のリレーを含み、第1セルモジュールと第2セルモジュールとの最上段バッテリーセル端子及びセンシング部との間、並びに第1セルモジュールと第2セルモジュールとの最下段バッテリーセル端子及びセンシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し絶縁を維持する共用リレー部とを含んでなることを特徴とする。
【0015】
またここで、複数のリレーを含み、第1セルモジュール及び第2セルモジュールの最上段バッテリーセル端子及び最下段バッテリーセル端子以外の端子とセンシング部との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、絶縁を維持する絶縁リレー部を更に含むことを特徴とする。
【0016】
ま共用リレー部及び絶縁リレー部の複数のリレーはPhotoMOSリレーであることを特徴とする。
【0017】
またセンシング部は、共用リレー部及び絶縁リレー部の作動によって第1セルモジュール及び第2セルモジュールのセル電圧を充電するキャパシタを有する充電部と、キャパシタの両端の電圧を受けて検出する比較器、及びキャパシタの両端と比較器の入力端との間をそれぞれ電気的に短絡又は/及び開放させるリレーを有する測定部とを含み、共用リレー部及び絶縁リレー部に含まれているリレーが作動してキャパシタを充電する場合、測定部に含まれているリレーは開放状態を維持し、測定部がキャパシタの両端の電圧を受けるように測定部に含まれているリレーが短絡状態になると、共用リレー部及び絶縁リレー部に含まれているリレーは開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のセル電圧センシング回路によれば、モジュール数の増加問題に対しては、素子の数量削減によってコストダウンを図ることができ、接地絶縁問題の解決に対しては、回路構成を最適化させることにより、回路のロバスト性を確保することができる。
【0019】
また、モジュールの増加による素子の数量増加を最小限に抑えることにより、回路設計の際に必要空間を最小化させることができ、PCB及び制御器などのサイズの増加を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るセル電圧センシング回路の構成図である。
図2】本発明の他の実施形態に係るセル電圧センシング回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係るセル電圧センシング回路について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るセル電圧センシング回路の構成図であり、図2は本発明の他の実施形態に係るセル電圧センシング回路の構成図である。
【0022】
まず、図1に示すように、本発明の一実施形態に係るセル電圧センシング回路は、複数のバッテリーセル10を含む第1セルモジュール110、第1セルモジュール110の各バッテリーセル10の電圧をセンシングする第1センシング部510、及び複数のリレー30を含み、第1セルモジュール110の各バッテリーセル10と第1センシング部510との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、第1セルモジュール110と第1センシング部510との絶縁を維持する第1絶縁リレー部310を含んでなる。
【0023】
本発明の一実施形態として、第1セルモジュール110は、複数の12Vリチウムバッテリーセル10が直列接続されて1モジュールを構成することができる。
第1センシング部510は、充電部511、放電部512、及び測定部513を含むことができる。
【0024】
ここで、充電部511は、キャパシタから構成され、第1絶縁リレー部310の制御によって第1セルモジュール110に含まれているセル電圧をキャパシタに充電させる。
【0025】
放電部512は、充電部511に充電された電圧を放電させるリセット(Reset)機能の回路又はセルバランス回路である。測定部513は、キャパシタの両端の電圧を検出する比較器を実現するためのOp-amp、キャパシタの両端と比較器の入力端子との間を電気的に短絡/開放させるPhotoMOSリレー、又はA/Dコンバータなどから構成され、充電部511、即ちキャパシタに充電された電圧を介してセル電圧を測定する。
【0026】
第1絶縁リレー部310と測定部513に含まれているリレーとは互いに相補的に制御できる。例えば、セル電圧を充電部511のキャパシタに充電する間は、第1絶縁リレー部310に所属するりれーの一部が短絡状態になり、測定部513に含まれているリレーが開放状態を維持する。また、充電部511のキャパシタに充電された電圧を測定するために測定部513に含まれているリレーが短絡状態になる間は、第1絶縁リレー部310に所属したリレーがすべて開放状態になる。
【0027】
このような第1絶縁リレー部310と測定部513に含まれているリレーとの作動によって、バッテリー側と制御器側の絶縁状態を維持することができる。このような絶縁状態の維持によって外部過電流が流入するなどの状況発生した際にも、追加の絶縁通信素子なしで回路のロバスト設計が可能になる。
【0028】
特に、第1絶縁リレー部310と測定部513とに含まれているリレーは、PhotoMOSリレーであり得る。PhotoMOSリレー素子を適用してセンシングを行うことにより、回路ロバスト性の面で信頼性を向上させることができる。
【0029】
一方、図1に示すように、本発明の一実施形態に係るセル電圧センシング回路は、上述した第1セルモジュール110、第1センシング部510、及び第1絶縁リレー部310に加えて、複数のバッテリーセル10を含み、第1セルモジュール110に並列接続された第2セルモジュール120と、第2セルモジュール120の各バッテリーセル10の電圧をセンシングする第2センシング部520と、複数のリレー30を含み、第2セルモジュール120の各バッテリーセル10と第2センシング部520との間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、第2セルモジュール120と第2センシング部520との絶縁を維持する第2絶縁リレー部320と、を更に含むことができる。
【0030】
第2セルモジュール120は、第1セルモジュール110と同様に、本発明の一実施形態として、複数の12Vリチウムバッテリーセル10が直列接続されて1モジュールを構成することができる。
【0031】
第2センシング部520は、第1センシング部510と同様に、充電部521、放電部522及び測定部523を含むことができる。充電部521、放電部522及び測定部523の機能及び作用は、第1センシング部510の充電部511、放電部512及び測定部513と同様なので、説明を省略する。
【0032】
第2絶縁リレー部320及び第2センシング部520は、実質的に第1絶縁リレー部310及び第1センシング部510と同一の構成を有する。よって、前述した第1絶縁リレー部310及び第1センシング部510のように 第2絶縁リレー部320及び第2センシング部520によってバッテリー側と制御器側の絶縁を達成して、外部過電流が流入するなどの状況が発生した際に、追加の絶縁通信素子なしで回路のロバスト設計が可能であり、PhotoMOSリレー素子を採用してセンシングを行うことにより、回路ロバスト性の面で信頼性が高い。
【0033】
図2に示すように、本発明の他の実施形態に係るモジュールセル電圧センシング回路は、
複数のバッテリーセル10が直列接続された第1セルモジュール110と、
複数のバッテリーセル10が直列接続され、第1セルモジュール110に並列接続された第2セルモジュール120と、
第1セルモジュール110及び第2セルモジュール120の各バッテリーセルの電圧をセンシングするセンシング部500と、
複数のリレー30を含み、第1セルモジュール110と第2セルモジュール120との最上段バッテリーセル端子1及びセンシング部500の間、並びに第1セルモジュール110と第2セルモジュール120との最下段バッテリーセル端子2及びセンシング部500の間にそれぞれ接続されて電気的接続状態を決定し、絶縁を維持する共通リレー部300と、
を含んでなる。
【0034】
第1セルモジュール110及び第2セルモジュール120は、一実施形態で説明した第1セルモジュール110及び第2セルモジュール120と同様なので、機能及び作用についての説明を省略する。
【0035】
センシング部500は、一実施形態の第1センシング部510と第2センシング部520とを統合したセンシング回路であって、第1セルモジュール110及び第2セルモジュール120の各バッテリーセルの電圧をセンシングする。センシングシーケンスは、第1セルモジュール110を順次センシングした後、第2セルモジュール120を順次センシングする。センシング部500は、充電部501、放電部502及び測定部503を含み、一実施形態の充電部511、521、放電部512、522及び測定部513、523と同様なので、機能及び作用の説明を省略する。
【0036】
共用リレー部300は、第1セルモジュール110と第2セルモジュール120との最上段バッテリーのセル端子1及びセンシング部500との間、並びに第1セルモジュール110と第2セルモジュール120との最下段バッテリーのセル端子2及びセンシング部500の間にそれぞれ接続され、2モジュールを統合した構造を形成する。つまり、2モジュールの最上段のセンシングラインと最下段のセンシングラインとを共用にする統合構造を形成する。
【0037】
このように、最上段及び最下段のセンシングラインの共用化設計によって、セル電圧センシング用コネクタピンの数及びコネクタサイズの縮小が可能である。センシング動作に関連して、最上段及び最下段のセンシングラインが共用であっても、センシングが順次行われるので、センシング機能は正常に動作する。
【0038】
最上段バッテリーセル端子1と最下段バッテリーセル端子2以外のそれぞれの端子とセンシング部500との間に絶縁リレー部350が接続されることで、電気的接続状態を決定する。
【0039】
図1で説明した第1絶縁リレー部310と測定部513とに含まれているリレーの動作と同様に、図2に示した実施形態では、共用リレー部300と絶縁リレー部350との複数のリレー及び測定部503に所属するリレーを互いに相補的に制御できる。例えば、セル電圧を充電部501のキャパシタに充電する間は、共用リレー部300と絶縁リレー部350とに所属する複数のリレーの中の一部のリレーが短絡状態になる間は、測定部503に含まれているリレーは開放状態を維持する。
【0040】
また、充電部501のキャパシタに充電された電圧を測定するために、測定部503に含まれているリレーが短絡状態となる間は、共用リレー部300と絶縁リレー部350との複数のリレーは全て開放状態になる。このような共用リレー部300と絶縁リレー部350との複数のリレー及び測定部503に含まれているリレーの作動によってバッテリー側及び制御器側の絶縁状態を維持することができる。このような絶縁状態の維持によって、外部の過電流が流入するなどの状況が発生した際に、追加の絶縁通信素子なしで回路のロバスト設計が可能である。
【0041】
また、共用リレー部300及び絶縁リレー部350の複数のリレーは、PhotoMOSリレーを採用することにより、回路ロバスト性の面で信頼性が高くなる。
【0042】
また、共用リレー部300及びセンシング部500を用いた2モジュールセンシング回路の統合によって、モジュール数の増加に伴う回路、PCB、及び機構に関連した材料費の増加分を削減することができる。また、回路設計する際の必要空間を削減することにより、PCB及び制御器などのサイズの増加を最小限に抑えることができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態について図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱しない限度内で、本発明に多様な改良及び変化を加え得るのは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0044】
110 第1モジュール
120 第2モジュール
300 共用リレー部
310 第1絶縁リレー部
320 第2絶縁リレー部
350 絶縁リレー部
500 センシング部
510 第1センシング部
520 第2センシング部

図1
図2