(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221205BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20221205BHJP
G06F 3/04812 20220101ALI20221205BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221205BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0488
G06F3/04812
B41J29/38 501
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2018224131
(22)【出願日】2018-11-29
【審査請求日】2021-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】塚田 祥弘
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-194997(JP,A)
【文献】特開2014-191625(JP,A)
【文献】特開2013-131062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G06F 3/048- 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記画像の少なくとも一部を隠すように、前記画像の倍率を変更するためのオブジェクトを表示する表示制御手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記画像が表示された領域がタッチされている間、前記オブジェクトを非表示に
し、前記タッチが終了したことに基づき、前記オブジェクトを前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記タッチが所定の時間継続されている場合、前記オブジェクトとは異なるオブジェクトを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記タッチが終了したことに基づき、前記異なるオブジェクトを非表示にすることを特徴とする請求項
2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記タッチは、前記画像の表示位置を変更することができるタッチであることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像を印刷する印刷手段をさらに有し、
前記表示手段は、前記印刷手段により印刷される前の前記画像を表示することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記印刷手段により印刷に関する設定を行う印刷設定画面を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項
5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像処理装置に接続された外部メモリから前記画像に対応するデータを取得する取得手段をさらに有し、
前記表示手段は、前記取得手段が取得した前記データに基づき前記画像を表示することを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示手段は、第1の大きさの前記画像と前記第1の大きさよりも小さな第2の大きさの前記画像を表示することができ、
前記表示制御手段は、前記第1の大きさの前記画像の少なくとも一部を隠すように前記オブジェクトを表示し、前記第2の大きさの前記画像を隠さないように前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像処
理方法であって、
画像と、前記画像の少なくとも一部を隠すように前記画像の表示倍率を変更するためのオブジェクトとを表示手段に表示する第1の表示制御工程と、
前記表示手段に表示された前記画像に対するタッチを受け付ける受付工程と、
前記画像が表示された領域での前記タッチが受け付けられている間、前記オブジェクトを非表示に
し、前記タッチが終了したことに基づき、前記オブジェクトを前記表示手段に表示する第2の表示制御工程と、を有することを特徴とする
画像処理方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の画像処
理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレビュー画像の表示と関連するオブジェクトの表示に関わる。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において画像を操作画面上にプレビュー表示する機能は、印刷が指示された画像データの印刷をする前に、画像データの内容を確認、スキャンが指示された画像データを送信する前に画像データの内容を確認など、ユーザメリットがあり重要な機能である。
【0003】
プレビューとは、画像形成装置の画面に、処理対象の画像データを所定のサイズで表示可能な画像へ変換して、画面上に表示することを示す。プレビュー表示を行う場合、プレビュー表示を行う画面は、プレビュー領域と操作領域の二領域に分割することができる。
【0004】
操作領域に対してプレビュー領域を大きくすることで、大きい範囲にユーザが確認したい画像データを表示することが出来る。よって、プレビュー領域を大きくすることはユーザ利便性につながる。先行技術では、プレビュー領域とプレビュー画像の大きさを変更する機能により、プレビュー領域を大きくすることを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術ではプレビュー領域を大きくすることは可能であるが、プレビュー領域内の画像上に表示されるオブジェクトが残る。10inchほどの比較的大きなサイズの画面であれば、プレビュー領域内の操作・表示オブジェクトは、ユーザ利便性に影響を与えるほどではないと考えられる。しかし、画面サイズが5inchほどの比較的小さなサイズの画面の場合、この画面上に大画面と同じ大きさの操作・表示オブジェクトを表示すると、ユーザ視認性が下がる可能性が高い。この例で示す大画面と小画面の面積比は、4:1であるので、この2つの画面それぞれにおける操作・表示オブジェクトの影響度の差は4倍あるとも考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく本画像処理装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記画像の少なくとも一部を隠すように、前記画像の倍率を変更するためのオブジェクトを表示する表示制御手段と、を有し、前記表示制御手段は、前記画像が表示された領域がタッチされている間、前記オブジェクトを非表示にし、前記タッチが終了したことに基づき、前記オブジェクトを前記表示手段に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
プレビューされている画像に対する操作に従い、プレビュー領域上に表示されるオブジェクトを非表示にすることで、画像のユーザ視認性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施例におけるシステム構成の一例である。
【
図2】本実施例における画像形成装置100のハードウェア構成の一例である。
【
図3】本実施例における画像形成装置100のソフトウェア構成の一例である。
【
図4】本実施例における画像形成装置100のホーム画面400の一例である。
【
図5】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント選択画面のリスト表示画面の一例である。
【
図6】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント選択画面のプレビュー表示画面の一例である。
【
図7】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント選択画面のサムネイル表示画面の一例である。
【
図8】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント設定画面の一例である。
【
図9】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント選択画面の拡大プレビュー表示画面の一例である。
【
図10】本実施例における画像形成装置100のメディアプリント選択画面のプレビュー表示画面において、本発明を適用した処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
以下、本発明を実施する画像形成装置の最良の形態について図面を用いて説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、実施形態で説明されている構成要素の組み合わせのすべてが、課題を解決するための手段に必須のものとは限らない。
【0011】
図1は、本実施例におけるシステム構成の一例である。画像形成装置100にUSBメモリ101などの外部メモリを挿入する。USBメモリ101にはプレビュー可能なデータが1つ以上保存されている。本実施例では、USBメモリ101を挿入し、USBに保存されたデータのプレビューを画面に表示するが、画像形成装置100に保存されたデータやクラウドや外部サーバーに保存されたデータをプレビューしても構わない。
【0012】
図2は、本実施例における画像形成装置100のハードウェア構成の一例である。画像形成装置100は、スキャンエンジン130とプリントエンジン150を備える、いわゆるマルチファンクションプリンタ(MFP)である。加えて、画像形成装置100は、制御装置110、操作部120、プリンタ用CPUボード140、電源160、および電源スイッチ161を備える。スキャンエンジン130は、スキャンユニット131および原稿給紙ユニット132を備える。プリントエンジン150は、帯電、露光、現像、転写を行うマーキングユニット151、給紙ユニット152、排紙ユニット153、定着ユニット154、およびファン155を備える。
【0013】
スキャンエンジン130は、原稿を光学スキャンしデジタル画像に変換することが可能なスキャンユニット131と、原稿束を自動的に逐次入れ替えることが可能な原稿給紙ユニット132とから成り、変換された画像データを制御装置110に送信する。
【0014】
プリントエンジン150は、給紙した紙に画像データを印刷するためのマーキングユニット151と、紙束から一枚ずつ逐次給紙可能な給紙ユニット152と、印刷後の紙を排紙するための排紙ユニット153とを有する。さらに、マーキングユニット151により印刷されたトナーを熱と圧力により定着させるための定着ユニット154および冷却用のファン155を備える。
【0015】
操作部120は、本画像形成装置100を操作するためのローカルユーザインタフェース(LUI)であり、タッチパネル操作を行うためのタッチパネル、画面表示を行うための液晶装置、キー入力を行うためのハードキーから構成される。
【0016】
制御装置110は、これらのコンポーネントと接続され、制御装置110上に実装されたコントローラは、画像形成装置100上でジョブを実行する。制御装置110は、汎用的なCPUシステムであり、CPUボード全体を制御するCPU111と、CPU111がワークメモリとして利用するメモリ113と、ブートプログラムが含まれるBoot ROM114とを備える。さらに、外部とネットワーク接続するためのNIC112と、USBメモリ101との入出力を制御するUSB I/F118と、ファームウェアが含まれる不揮発メモリ115を備える。不揮発メモリ115はCPUボード上に搭載されたものであってもよいし、CPUボードに接続されたものであってもよい。また、スキャナI/F116により、I/F 142を介してプリンタ用CPUボード140と接続しており、また、プリンタI/F117により、スキャンエンジン130と接続している。
【0017】
プリンタ用CPUボード140は、ボード全体を制御するCPU141と、CPU141がワークメモリとして利用するメモリ143と、不揮発メモリ144とを備える。
【0018】
図2中の点線は電源ラインを示している。電源160は、制御装置110、スキャンエンジン130、プリンタ用CPUボード140、プリントエンジン150に電力を供給する。電源スイッチ161は、電力供給のON/OFFを制御するためのハードウェアスイッチである。電源スイッチ161がONされると、Boot ROM114がメモリ113上に読み出され、CPU111により順次処理されることにより、各種ハードの設定およびOSの起動が実行される。Boot ROM114の処理が完了すると、不揮発メモリ115に格納されたコントローラのプログラム(ファームウェア)に従ってCPU111が動作することで、ジョブの受け付け・実行が可能になる。
【0019】
図3は、本実施例における画像形成装置100のソフトウェアモジュール構成の一例である。
図3に示す各機能部は、画像形成装置100の制御装置110上のCPU111が動作することにより実現される。
【0020】
入力制御部301は、操作部120を介しユーザからの指示入力を待ち受け、受け付けた指示内容を他の機能部に通知する。また、操作部120からタッチパネルイベントを受け付ける場合、アプリケーションで解釈しやすいようにタッチイベントについて説明する。まず、操作部120に含まれるタッチパネルにユーザの指(タッチパネルを押下するためのタッチペン等を含む)が触れたとき、入力制御部301は触れた座標位置とともにタップインイベントを発行する。この時、入力制御部301は一定間隔で指の位置を監視することにより移動先の位置情報を含むドラッグイベントを発行する。一定の期間、指がタッチパネルに触れていないことを検知した場合、入力制御部301は指が離れる直前の位置情報を含むタップアウトイベントを発行する。また、タップアウト直前の移動速度の速さによって、入力制御部301はフリックイベントを発行する。これらのイベントは、タップインから開始し、タップアウトもしくはフリックイベントで必ず終了することとする。その間、このイベントに対してドラッグイベントを挿入することは可能である。また、タップインとタップアウトの2つのイベントを連続処理することをタップと表現する。
【0021】
タッチパネルにユーザの指やタッチペン等がタッチしたことが検知されることをタップインと呼ぶ。また、このタッチが所定時間以上継続したことが検知されることをタップインが実行されたと判定してもよい。
【0022】
また、タップインやドラッグによりタッチが検知されているパネルから指を離す(リリースする)操作をタップアウトと呼ぶ。表示制御部302は、他の機能部からの指示にしたがって、操作メニューや指示結果を操作部120に表示する。
【0023】
USB制御部303は、USB I/F118を制御し、他の機能部からの指示にしたがって、画像形成装置100とUSBメモリ101間で情報の入出力を行う。
【0024】
ジョブシーケンス制御部304は、入力制御部301やUSB制御部303からの通知を受けてジョブを作成し、ジョブ処理を行う。他の機能部に適切なタイミングで指示を出すことで、投入されたジョブを一定の順序で処理する。また、画像形成装置100の電源ON時に、他の機能部に起動処理の指示を出す。
【0025】
画像入力制御部305はジョブシーケンス制御部304からジョブの開始指示を受け、画像処理部307が画像処理を行うために必要なパラメータの設定や画像処理開始の指示を行う。メディアプリントの場合はUSB制御部303を介しUSBメモリ内の画像を読み込み、画像処理部307に読み込んだデータの処理を依頼する。
【0026】
画像処理部307は、JPEGなどの画像データや不図示のPDL処理を行う機能部により解釈されたページデータに対して、キャリブレーションや色変換等の画像処理を行う。
【0027】
タイマ制御部306は各機能部からの依頼を受け、タイマの生成や破棄などのタイマ関連の制御を行う。
【0028】
記憶部308は、他の機能部からの指示にしたがって、指定されたデータをメモリ113や不揮発メモリ115に書き込む、あるいは記憶しているデータを読み出す。
【0029】
図4は、本実施例における画像形成装置100の操作部120上に表示されるホーム画面400の一例である。画像形成装置100で実行可能なファンクション(コピー、ファクス、スキャン、メディアプリント等)に対応するボタンが表示されている。ユーザは任意のボタンを押下することでそれらのファンクションを選択できる。
【0030】
メディアプリントファンクションボタン401を押下すると、画像形成装置100に挿入したUSBメモリ101内に保存される画像データに対応するファイル名の一覧を操作部120上に表示する。ユーザは印刷したい画像データに対応するファイル名を選択し、各種印刷設定などを行い、印刷を実行する。
【0031】
図5、
図6、
図7は、ホーム画面400のメディアプリントファンクションボタン401をユーザが押下したことに従い、操作部120に表示されるメディアプリント選択画面の一例である。ユーザは本画面から印刷したい画像データに対応するファイル名を選択し、所望の印刷設定を行い、印刷を実行する。
図5~
図7に示される画面はそれぞれの画面に表示される切替ボタン501~503をユーザがタップ操作することで表示させることが可能である。
【0032】
メディアプリント選択画面ではUSBメモリ101内に含まれる画像データから印刷したい画像データを選択することができる。その際、USBメモリ101内の画像データの表示方法が
図5、
図6、
図7、
図8の3種類ある。
【0033】
図5はUSBメモリ101内の画像データに対応するファイル名を表示し、一覧化したリスト表示画面500である。ユーザがリスト表示画面切替ボタン501を押下すると本リスト表示画面500が表示される。ユーザがサムネイル表示画面切替ボタン502を押下すると後述のサムネイル表示画面700が表示される。ユーザがプレビュー表示画面切り替えボタン503を押下すると後述のプレビュー表示画面600が表示される。USBメモリ101がフォルダを含む場合、フォルダ内のファイルを表示する際にフォルダ名表示欄504にフォルダ名が表示される。現在表示している階層が最上位階層やUSBメモリ101がフォルダ階層を持たない場合はその旨を示す名称を表示する。本実施例ではUSBメモリ101はFolderAというフォルダを含んでおり、フォルダアイコン505でフォルダであることを表示している。ユーザがソートボタン506を押下すると不図示のファイル名の表示順序を変えるメニューが表示される。ユーザが全選択ボタン507を押下すると現在表示しているファイル全てを選択する。ユーザが任意のファイル名をタップするとこのファイル名に対応するファイルが選択された状態となり全選択解除ボタン508と確定ボタン509が有効化される。1つ以上のファイルが選択されている場合、ユーザが全選択解除ボタン508を押下すると全ての選択を解除する。1つ以上のファイルが選択された状態で確定ボタンを押下すると、リスト表示画面500から後述のメディアプリント設定画面800に遷移する。選択されたファイルにはチェックマークが付与され、選択された数が選択数表示欄510に表示されてもよい。
【0034】
図6はUSBメモリ101内の画像データのプレビューを画像データ1ファイルごと表示するプレビュー表示画面600である。プレビュー表示画面切り替えボタン503を押下し、本画面を表示することで、1ファイルとして保存されている画像データの内容が詳細に確認できる。ファイル名だけでは中身が分からない場合や、メモリ内に類似する画像の画像データが含まれているため、保存されている画像データの全体像を確認したい場合などに有効である。表示されているファイル名はファイル名表示欄601に表示される。またボタン602を押下すると1つ前の画像データのプレビュー画像が表示される。表示ボタン603を押下すると次の画像データのプレビュー画像が表示される。本画面ではプレビューされている画像604をタップすることで選択状態となる。1つ以上選択された後の動作についてはリスト表示画面500と同様である。プレビュー表示画面切り替えボタン605をタップする(拡大表示の指示をする)ことで、表示中のプレビュー画像を拡大して表示する画面である拡大プレビュー画面900を表示することができる。
【0035】
図7はUSB101内に保存された画像データに対応する画像をサムネイル画像で表示するサムネイル表示画面700である。サムネイル表示画面切替ボタン502を押下し、本画面を表示することで、USBメモリ101内に保存される各ファイル(画像データ)の概要が確認できる。USBメモリ101内に多数のファイルが含まれており、1つ1つ詳細が分からなくても含まれているファイルのおよその内容が素早く知りたい場合などに有効である。本画面ではユーザが印刷したいサムネイル画像701をタップすると、このサムネイル画像に対応するファイルが選択された状態となる。1つ以上選択された後の動作についてはリスト表示画面500と同様である。
【0036】
図8は
図5~
図7の各メディアプリント選択画面で1つのファイルが選択され、確定ボタン509が押下されることに従い、遷移するメディアプリント設定画面800の一例である。
【0037】
選択ファイル数表示欄801は選択されたファイル数を示しており、
図8に示す例では、1つのファイルが選択されたことを示している。用紙設定欄805は現在選択されている用紙及び給紙段が表示されている。ユーザは用紙設定欄805をタップすることで給紙段を変更可能であり、所望の用紙サイズが設定された給紙段を選択する。明るさ設定欄806は画像の明るさの設定が可能である。部数設定欄807は印刷部数の設定が可能である。ユーザが詳細設定欄808を押下すると不図示の詳細設定画面に遷移し、画像処理機能の細かな設定などが可能である。両面設定欄810は印刷面を片面、両面いずれに設定するか、また、両面設定した場合に、仕上がりを左右開きにするか上下開きにするかを設定可能である。ページ集約設定欄809は2in1などの集約設定が可能である。プレビュー欄811は選択されたファイルに対応する画像データのプレビュー画像ではなく、両面やページ集約が設定された場合、出力結果として得られる印刷物のイメージ画面を表示する。本画面例は片面かつページ集約がない場合のイメージ画像となっている。ユーザはリセットボタン802を押下すると、各設定欄にて変更された設定をすべて元(デフォルト設定)に戻すことが可能である。ユーザは各設定欄にて所望の設定を行った後、モノクロで印刷したい場合は白黒スタートボタン803を、カラーで印刷したい場合はカラースタートボタン804を押下する。また、確定ボタン509を押下すると不図示の画面に遷移し、ジョブの状況などが確認可能である。
【0038】
図9はUSBメモリ101内に保存された画像データを拡大して表示する拡大プレビュー画面900である。
図6に示すプレビュー表示画面600にて、プレビュー表示画面切り替えボタン605がタップされると、この拡大プレビュー画面900が表示される。これによりプレビュー画像604が拡大して表示されるため、ユーザはプレビュー画像の詳細が確認できる。すなわち、この拡大プレビュー画面を表示することで、ユーザは、プレビュー、サムネイルでは確認できない画像の細部を確認することが可能になる。
【0039】
また、
図6に示すプレビュー表示画面600における画像表示領域と
図9に示す拡大プレビュー画面900における画像表示領域は異なり、別々の表示形態を有する。
【0040】
プレビュー表示画面600におけるプレビュー画像表示領域よりも
図9に示す拡大プレビュー画面900におけるプレビュー画像表示領域の方が大きい。よって、タッチパネルにおける余白は、プレビュー表示画面600によりも拡大プレビュー画面900の方が狭い。
【0041】
図9(a)は、プレビュー表示画面600にて、プレビュー表示画面切り替えボタン605をタップすることに従い表示される初期画面である。
【0042】
拡大された画像(拡大プレビュー画像)901を表示するプレビュー領域に対して、ユーザの指や画像形成装置100に対して指示をするために用いられるポインタ等がタッチされていると検知される(タップ検出される)間、
図9(b)に示す表示に切り替わる。
【0043】
図9(a)の拡大プレビュー画像901上に表示される縮小ボタン902がタップされると、拡大プレビュー画面900からプレビュー表示画面600に遷移する。
【0044】
この縮小ボタン902は、ユーザが操作可能な操作オブジェクトである。この操作オブジェクトを介して、ユーザは画像形成装置100に対して指示を行うことができる。なお、上記の表示ボタン603や切り替えボタン605も操作オブジェクトである。
【0045】
操作オブジェクトのうち、縮小ボタン902や切替えボタン605は、プレビュー対象となる画像の表示サイズの変更をユーザが指示するためのボタンである。
【0046】
この操作オブジェクトは拡大プレビュー画像901の少なくとも一部に重畳して表示されている。
【0047】
図9(b)の位置表示バー903は、画面に表示されている拡大プレビュー画像901が、画像全体におけるどの位置なのか、すなわち画像901における表示位置を示すための表示オブジェクトである。
【0048】
拡大プレビューされている画像の上部が表示されている場合は、位置表示バー903は拡大プレビュー領域の上部に表示される。一方、拡大プレビューされている画像の下部が表示されている場合は、位置表示バー903は拡大プレビュー領域の下部に表示される。
【0049】
(本実施例では、位置表示バー903は拡大プレビュー画像901の左側にあり、プレビュー画像における縦方向の位置を示している。しかし、これに限らず横方向の位置を示すための位置表示バーをプレビュー画像の上部または下部に表示してもよい。
【0050】
なお、ユーザはこの表示オブジェクトを介して画像形成装置100に対して指示を行うことができない、操作不可能なオブジェクトである。しかし、表示オブジェクトが表示されることで、ユーザは表示中の画像についての情報を取得することが可能になる。位置表示バー以外にも、画像データのページを示すページ番号や、画面に表示されている画像の表示倍率を示す拡大率なども表示オブジェクトである。
図9(b)には示されていないが、本実施例ではこれらも操作部120に表示されていてもよい。この表示オブジェクトは拡大プレビュー画像901の少なくとも一部に重畳して表示されている。
【0051】
拡大プレビュー画面900の余白は狭いため、操作オブジェクトや表示オブジェクトはプレビュー画像の少なくとも一部に重畳して表示される。
【0052】
図10に示すフローチャートは、メディアプリントファンクションが選択され、操作部120に拡大プレビュー画面900が表示された場合、この画面を介して操作が行われる際に画像形成装置100にて実行される処理フローの一例である。本フローチャートは不揮発メモリ115に格納されたファームウェアに従ってCPU111が動作することで実現される。
【0053】
なお、メディアプリントファンクションが選択され、操作部120に拡大プレビュー画面900が表示される際の処理について説明するが、画像形成装置本体やクラウド、外部サーバー等に保存されるデータの拡大プレビュー表示する際も同様の処理が行われる。
【0054】
まず、拡大プレビュー画面900を操作部120に表示するように指示されると、画像入力制御部305から画像情報を取得する。そして、表示制御部302が、操作部120に表示対象の画像を拡大して描画する(S1001)。
【0055】
表示対象の画像とは、
図6のようにプレビュー表示画面600にて選択されて表示されていた画像である。ユーザからの指示により、表示中のプレビュー画像が、拡大プレビュー画像901として操作部120における拡大プレビュー領域に表示される。
【0056】
また、この時、表示制御部302は、この拡大プレビュー画像901の上に操作オブジェクトを描画する(S1002)。このとき、表示制御部302は、拡大プレビュー領域上に表示される拡大プレビュー画像901の上に表示オブジェクトを描画しないよう制御する(S1003)。つまり、
図9(a)に示すように、拡大プレビュー画像上には操作オブジェクトが表示され、表示オブジェクトは表示されていない。
【0057】
次に、入力制御部301は、ユーザによる所定時間タッチパネルの押下がなされた、すなわちタップインが検出されたか否か判定する(S1004)。タップインが検出されない場合(S1004にてNo)は、再度タップインの検出を行う。タップインが検出された場合(S1004にてYes)は、S1005の処理へ移行する。次に、入力制御部301は、タップインが検出された箇所が一か所のみか否か判定する(S1005)。タップインが検出された箇所が複数箇所であると判定された場合(S1005にてNo)、入力制御部301は、タップインが検出された箇所が全てタップアウト検出されたか否か判定する(S1006)。タップイン検出された全ての箇所で、タップアウトが検出されるまで(S1006にてYESになるまで)、この確認処理を続ける。タップインが検出された全ての箇所でのタップアウトが検知された場合(S1006にてYes)、S1004の処理へ移行する。すなわち、複数箇所でのタップアウトは無効となる。
【0058】
入力制御部301が、タップインを1箇所でのみ検出した場合(S1005にてYes)、さらにタップインが検出された箇所が拡大プレビュー領域内であるか否かを、タップイン検出時に取得された位置情報から判定する(S1007)。タップイン箇所が拡大プレビュー領域内でない場合(S1007にてNo)、S1006の処理へ移行する。タップインが検出された箇所が拡大プレビュー領域内である場合(S1007にてYes)、表示制御部302はプレビュー画像を再度描画する(S1008)。このとき、拡大プレビュー領域上に表示される拡大プレビュー画像901の上に操作オブジェクトを描画しないよう制御する(S1009)。そして、拡大プレビュー領域上にある拡大プレビュー画像901の上に表示オブジェクトを描画する(S1010)。このとき、
図9(b)に示すように、拡大プレビュー画像上には表示オブジェクトが表示され、操作オブジェクトは表示されていない。
【0059】
次に、入力制御部301は、ドラッグ操作の検出を行う(S1011)。ドラッグ操作が検出された場合(S1011にてYes)、表示制御部302が、拡大プレビュー画像の描画位置情報を更新する(S1013)。そして、ドラッグ操作による描画位置の移動先が拡大プレビュー領域内か否か判定する(S1014)。ドラッグ操作の検出は、タップインしたユーザの指が、タップインした箇所から所定の距離以上移動した場合に検出される。ユーザがタップアウト(タッチ操作をリリース)することで、ドラッグ操作による移動先の位置を確定する。
【0060】
ドラッグ操作の移動先が拡大プレビュー領域内である場合(S1014にてYes)、更新された位置情報をもとに、再度描画処理を行う(S1008、S1009、S1010)。このとき、更新された位置情報に応じて、拡大プレビュー画像901の描画位置の変更や操作オブジェクトの描画位置の変更を行うことが可能である。
【0061】
ドラッグ操作の移動先がプレビュー領域外である場合(S1014にてNo)、表示制御部302が、再度描画処理を行う(S1001、S1002、S1003)。この移行により、表示オブジェクトが、画面上の拡大プレビュー画像901から消え、操作オブジェクトが画面上の拡大プレビュー画像901上に表示される。すなわち、
図9(a)に示すような表示がされる。このとき、所定の時間後に操作オブジェクトを非表示にすることも可能である。例えば位置表示バーは、ドラッグ操作が終了してから数秒遅れて非表示にしてもよい。このように、ユーザによる操作が検知された直後ではなく所定時間経過後に、プレビュー画像上に表示される操作オブジェクトや表示オブジェクトを表示または非表示制御してもよい。
【0062】
また、ドラッグ操作が検出されなかった場合(S1011にてNo)、入力制御部301が、タップアウトを検出したか否か判定する(S1012)。タップアウトが検出された場合(S1012にてYes)、表示制御部302が、再度描画処理を行う(S1001、S1002、S1003)。この移行により、表示オブジェクトが画面上の拡大プレビュー画像901から消え、操作オブジェクトが画面上の拡大プレビュー画像901上に表示される。すなわち、
図9(a)に示すような表示がされる。タップアウトが検出されない場合(S1012にてNo)、入力制御部301が、再度ドラッグ操作の検出を行う(S1011)。
【0063】
以上のフローチャートに示される処理により、拡大プレビュー表示されている操作部120に対してユーザがタッチ操作をしている間は、操作オブジェクトを非表示にする。これはユーザが操作部120に表示される拡大プレビュー画像に対して、タッチ操作している間、ユーザは他の操作を行わない可能性が高いと考えられるためである。これにより、ユーザが拡大プレビュー画像に対してタッチ操作をしている間は、不必要なオブジェクトを表示しないことで、より広く拡大プレビュー表示領域を確保することが可能になる。
【0064】
また、ユーザが拡大プレビュー画像に対してタッチ操作をしている間に、操作オブジェクトに代わって表示オブジェクトを表示すると、拡大プレビュー画像に対して操作をしているユーザに対して表示中の拡大画像についての情報を提供することが可能になる。
【0065】
本実施例により、ユーザのプレビュー画面に対するタッチ操作に応じて、プレビュー画面上に表示すべきオブジェクトを切り替えることが可能になる。よって、プレビュー画面に表示されるプレビュー画像の視認性を上げることが出来る。
【0066】
また本実施例では、プレビュー領域と拡大プレビュー画像領域がほぼ同サイズである場合を例に挙げて説明をしたため、プレビュー領域に対するタッチ操作を検知することで実施される拡大プレビュー画像上のオブジェクトに対する表示制御処理について説明した。
【0067】
しかし、プレビュー領域が拡大プレビュー画像領域よりも大きい場合は、タッチパネルにおける拡大プレビュー画像領域に対するタッチ操作を検知することで実施される拡大プレビュー画像上のオブジェクトに対する表示制御処理を行ってもよい。
【0068】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。