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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】赤外線カメラシステム及び車両
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/00 20060101AFI20221205BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
G08G1/16 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018234434
(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公開番号】P2020093737
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】村松 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 重之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠晃
(72)【発明者】
【氏名】久保田 晃宜
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-205376(JP,A)
【文献】特開2014-004882(JP,A)
【文献】特開2008-195335(JP,A)
【文献】特開2008-055941(JP,A)
【文献】特開2017-182776(JP,A)
【文献】特開2004-189060(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107804216(CN,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0088937(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた赤外線カメラシステムであって、
前記車両の側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された赤外線照射ユニットと、
前記車両の側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された赤外線カメラと、
前記赤外線照射ユニットの動作を制御するように構成された制御部と、
を備え、
前記赤外線照射ユニットは、
前記車両の左側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された左側赤外線照射ユニットと、
前記車両の右側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された右側赤外線照射ユニットと、
を含み、
前記赤外線カメラは、
前記車両の左側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された左側赤外線カメラと、
前記車両の右側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された右側赤外線カメラと、
を含み、
前記制御部は、
反時計回り方向におけるステアリングホイールの操舵角が第1の操舵角を超えた場合に、前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させ、
時計回り方向における前記ステアリングホイールの操舵角が第2の操舵角を超えた場合に、前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる、
赤外線カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の赤外線カメラシステムを備えた、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、赤外線カメラシステム及び当該赤外線カメラシステムを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車の自動運転技術の研究が各国で盛んに行われており、自動運転モードで車両(以下、「車両」は自動車のことを指す。)が公道を走行することができるための法整備が各国で検討されている。ここで、自動運転モードでは、車両システムが車両の走行を自動的に制御する。具体的には、自動運転モードでは、車両システムは、カメラ、レーダ(例えば、レーザレーダやミリ波レーダ)等のセンサから得られる車両の周辺環境を示す情報(周辺環境情報)に基づいてステアリング制御(車両の進行方向の制御)、ブレーキ制御及びアクセル制御(車両の制動、加減速の制御)のうちの少なくとも1つを自動的に行う。一方、以下に述べる手動運転モードでは、従来型の車両の多くがそうであるように、運転者が車両の走行を制御する。具体的には、手動運転モードでは、運転者の操作(ステアリング操作、ブレーキ操作、アクセル操作)に従って車両の走行が制御され、車両システムはステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御を自動的に行わない。尚、車両の運転モードとは、一部の車両のみに存在する概念ではなく、自動運転機能を有さない従来型の車両も含めた全ての車両において存在する概念であって、例えば、車両制御方法等に応じて分類される。
【0003】
このように、将来において、公道上では自動運転モードで走行中の車両(以下、適宜、「自動運転車」という。)と手動運転モードで走行中の車両(以下、適宜、「手動運転車」という。)が混在することが予想される。
【0004】
自動運転技術の一例として、特許文献1には、先行車に後続車が自動追従走行した自動追従走行システムが開示されている。当該自動追従走行システムでは、先行車と後続車の各々が照明システムを備えており、先行車と後続車との間に他車が割り込むことを防止するための文字情報が先行車の照明システムに表示されると共に、自動追従走行である旨を示す文字情報が後続車の照明システムに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-277887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動運転技術の発展において、周辺環境に対する車両の認識範囲を飛躍的に増大させる必要がある。この点において、車両に複数の異なる種類のセンサ(例えば、カメラ、LiDARユニット、ミリ波レーダ等)を搭載することが現在検討されている。例えば、車両の前面及び後面の各々にLiDARユニットと可視光カメラを搭載することが現在検討されている。さらに、車両の側方領域における周辺環境に対する車両の認識範囲を向上させるために、車両の左側面及び右側面にもLiDARユニットと可視光カメラを搭載することが考えられる。
【0007】
しかしながら、車両に搭載されるセンサの数の増大に伴い、周辺環境に対する車両の認識範囲は向上する一方で、車両価格は飛躍的に増大してしまう。特に、LiDARユニットの単価は高額であるため、車両に搭載されるLiDARユニットの数の増大に伴い車両価格が飛躍的に増大してしまう。
【0008】
この問題を解決するために、車両の左側面及び右側面に可視光カメラだけを搭載することが考えられる。一方で、車両が夜間に走行中の場合では、可視光カメラによって車両の側方領域における周辺環境を示す画像データを取得するためには、車両の側方領域に向けて可視光を出射する必要がある。しかしながら、車両の側方領域に向けて可視光が出射されると、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えてしまう虞がある。したがって、車両が夜間に走行中の場合では、車両の側方領域に向けて可視光を出射することは現実的には困難であるため、車両の左側面及び右側面に搭載された可視光カメラを用いて車両の側方領域の周辺環境を検出することは困難である。上記観点より車両のセンシングシステムをさらに改善する余地がある。
【0009】
本開示は、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えずに車両の側方領域における周辺環境を検出可能な赤外線カメラシステム及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様の赤外線カメラシステムは、車両に設けられ、前記車両の側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された赤外線照射ユニットと、前記車両の側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された赤外線カメラと、前記赤外線照射ユニットの動作を制御するように構成された制御部と、を備える。
前記制御部は、前記車両の走行状態に関連する条件に応じて前記赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を変更するように構成されている。
【0011】
上記構成によれば、車両の走行環境が暗い場合でも車両に搭載された赤外線カメラを用いて車両の側方領域における周辺環境を検出することができる。さらに、赤外線カメラ用の光として可視光ではなく赤外線が車両の側方領域に向けて出射されるので、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えてしまう状況を防止することができる。このように、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えずに、車両の側方領域における周辺環境を検出可能な赤外線カメラシステムを提供することができる。
【0012】
さらに、車両の走行状態に関連する条件に応じて赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が変更される。このように、車両の走行状態が変化する場合において赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0013】
また、前記赤外線照射ユニットは、前記車両の左側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された左側赤外線照射ユニットと、前記車両の右側方領域に向けて赤外線を出射するように構成された右側赤外線照射ユニットと、を含んでもよい。
前記赤外線カメラは、前記車両の左側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された左側赤外線カメラと、前記車両の右側方領域における周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成された右側赤外線カメラと、を含んでもよい。
前記制御部は、前記車両の走行状態に関連する条件に応じて前記左側赤外線照射ユニット及び/又は前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を変更するように構成されてもよい。
【0014】
上記構成によれば、車両の走行状態に関連する条件に応じて左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が変更されるので、左側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。さらに、車両の走行状態に関連する条件に応じて右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が変更されるので、右側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0015】
また、前記制御部は、前記車両の曲進に応じて、前記赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加するように構成されてもよい。
【0016】
上記構成によれば、車両の曲進に応じて赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加するので、車両の曲進時において赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0017】
また、前記制御部は、前記車両の左方向への曲進に応じて、前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。さらに、前記制御部は、前記車両の右方向への曲進に応じて、前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。
【0018】
上記構成によれば、車両の左方向への曲進(左折又は左カーブの走行)に応じて、左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両の左方向への曲進時において左側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。さらに、車両の右方向への曲進(右折又は右カーブの走行)に応じて、右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両の右方向への曲進時において右側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記車両の左方向への曲進に応じて、前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度よりも増加させてもよい。さらに、前記制御部は、前記車両の右方向への曲進に応じて、前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度よりも増加させてもよい。
【0020】
また、前記制御部は、前記車両が左側車線に移動する場合に前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。さらに、前記制御部は、前記車両が右側車線に移動する場合に前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。
【0021】
上記構成によれば、車両が左側車線に移動する場合に左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両の左側車線の移動時において左側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。さらに、車両が右側車線に移動する場合に右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両の右側車線の移動時において右側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0022】
また、前記制御部は、ステアリングホイールの操舵角に応じて、前記赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加するように構成されてもよい。
【0023】
上記構成によれば、ステアリングホイールの操舵角に応じて赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加するので、車両の曲進時において赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0024】
前記制御部は、反時計回り方向におけるステアリングホイールの操舵角が第1の操舵角を超えた場合に、前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。さらに、前記制御部は、時計回り方向における前記ステアリングホイールの操舵角が第2の操舵角を超えた場合に、前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。
【0025】
上記構成によれば、反時計回り方向におけるステアリングホイールの操舵角が第1の操舵角を超えた場合に、右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両が左方向に曲進する場合において右側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。さらに、時計回り方向におけるステアリングホイールの操舵角が第2の操舵角を超えた場合に、左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両が右方向に曲進する場合において左側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。このように、車両の運転者の注意が向く方向とは反対方向における周辺環境を確実に検出することができる。
【0026】
また、前記制御部は、ターンシグナルランプの点灯に応じて、前記赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加するように構成されてもよい。
【0027】
上記構成によれば、ターンシグナルランプに応じて赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加するので、車両の走行進路が変化する場合において赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0028】
また、前記制御部は、左側ターンシグナルランプの点灯に応じて前記左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。さらに、前記制御部は、右側ターンシグナルランプの点灯に応じて前記右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。
【0029】
上記構成によれば、左側ターンシグナルランプの点灯に応じて左側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両が左側に進路を変更する場合において、左側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。さらに、右側ターンシグナルランプの点灯に応じて右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両が右側に進路を変更する場合において、右側赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0030】
また、前記制御部は、前記車両の走行速度が所定の速度以下である場合に、前記赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。
【0031】
上記構成によれば、車両の走行速度が所定の速度以下である場合に、赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両の走行速度が低速又は車両が停止している場合において、赤外線カメラの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0032】
上記赤外線カメラシステムを備えた車両が提供されてもよい。
【0033】
上記構成によれば、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えずに車両の側方領域における周辺環境を検出可能な車両を提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
本開示によれば、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えずに車両の側方領域における周辺環境を検出可能な赤外線カメラシステム及び車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係る車両システムが搭載された車両の上面図である。
図2】本実施形態に係る車両システムのブロック図である。
図3】(a)は、車両の左側面図を示すと共に、左側赤外線カメラモジュールの拡大正面図を示す。(b)は、左側赤外線カメラモジュールの断面図を示す。
図4】左側赤外線カメラの光軸と右側赤外線カメラの光軸を示す図である。
図5】車両の左折又は右折に応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
図6】車両の左カーブの走行又は右カーブの走行に応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
図7】車両の左側車線又は右側車線への移動に応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
図8】ステアリングホイールの操舵角に応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
図9】車両の左側又は右側ターンシグナルランプに応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
図10】車両の走行速度に応じて、左側又は右側赤外線照射ユニットから出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0037】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「上下方向」、「前後方向」について適宜言及する場合がある。これらの方向は、図1に示す車両1について設定された相対的な方向である。ここで、「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。上下方向は、図1では示されていないが、左右方向及び前後方向に直交する方向である。
【0038】
最初に、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る車両システム2について以下に説明する。図1は、車両システム2が設けられた車両1の上面図である。図2は、車両システム2のブロック図である。車両1は、自動運転モードで走行可能な車両(自動車)である。
【0039】
図2に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、前方センサモジュール4と、後方センサモジュール5と、左側赤外線カメラモジュール6Lと、右側赤外線カメラモジュール6Rとを備える。さらに、車両システム2は、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、記憶装置11とを備える。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備える。
【0040】
車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。車両制御部3は、例えば、少なくとも一つの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステム(例えば、SoC(System on a Chip)等)と、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びTPU(Tensor Processing Unit)のうちの少なくとも一つを含む。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。メモリは、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含む。ROMには、車両制御プログラムが記憶されてもよい。例えば、車両制御プログラムは、自動運転用の人工知能(AI)プログラムを含んでもよい。AIプログラムは、多層のニューラルネットワークを用いた教師有り又は教師なし機械学習(特に、ディープラーニング)によって構築されたプログラム(学習済みモデル)である。RAMには、車両制御プログラム、車両制御データ及び/又は車両の周辺環境を示す周辺環境情報が一時的に記憶されてもよい。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。また、コンピュータシステムは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の非ノイマン型コンピュータによって構成されてもよい。さらに、コンピュータシステムは、ノイマン型コンピュータと非ノイマン型コンピュータの組み合わせによって構成されてもよい。
【0041】
前方センサモジュール4は、LiDARユニット41と、カメラ42とを備える。LiDARユニット41は、車両1の前方領域における周辺環境を示す3Dマッピングデータ(点群データ)を取得した上で、当該取得された3Dマッピングデータを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された3Dマッピングデータに基づいて前方領域における周辺環境を示す情報(以下、「周辺環境情報」という。)を特定するように構成されている。周辺環境情報は、車両1の外部に存在する対象物に関する情報を含んでもよい。例えば、周辺環境情報は、車両1の外部に存在する対象物の属性に関する情報と、車両1に対する対象物の距離や位置に関する情報を含んでもよい。カメラ42は、車両1の前方領域における周辺環境を示す画像データを取得した上で、当該取得された画像データを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された画像データに基づいて前方領域における周辺環境情報を特定するように構成されている。
【0042】
LiDARユニット41の検出領域とカメラ42の検出領域は少なくとも部分的に互いに重複してもよい。前方センサモジュール4は、車両1の前面の所定位置に配置されている。例えば、前方センサモジュール4は、フロントグリル又はフロントバンパーに配置されてもよいし、左側ヘッドランプ30L及び/又は右側ヘッドランプ30R内に配置されてもよい。車両1が2つの前方センサモジュール4を有する場合、一方の前方センサモジュール4が左側ヘッドランプ30L内に配置されると共に、他方の前方センサモジュール4が右側ヘッドランプ30R内に配置されてもよい。
【0043】
後方センサモジュール5は、LiDARユニット51とカメラ52とを備える。LiDAR52は、車両1の後方領域における周辺環境を示す3Dマッピングデータ(点群データ)を取得した上で、当該取得された3Dマッピングデータを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された3Dマッピングデータに基づいて後方領域における周辺環境情報を特定するように構成されている。カメラ52は、車両1の後方領域における周辺環境を示す画像データを取得した上で、当該取得された画像データを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された画像データに基づいて後方領域における周辺環境情報を特定するように構成されている。
【0044】
LiDARユニット51の検出領域とカメラ52の検出領域は少なくとも部分的に互いに重複してもよい。後方センサモジュール5は、車両1の後面の所定位置に配置されている。例えば、後方センサモジュール5は、リアグリル又はリアバンパーに配置されてもよいし、左側リアランプ40L及び/又は右側リアランプ40R内に配置されてもよい。車両1が2つの後方センサモジュール5を有する場合、一方の後方センサモジュール5が左側リアランプ40L内に配置されると共に、他方の後方センサモジュール5が右側リアランプ40R内に配置されてもよい。
【0045】
左側赤外線カメラモジュール6L(左側赤外線カメラシステムの一例)は、車両1の左側Cピラー50L(左側後方ピラーの一例)に搭載されており、左側赤外線照射ユニット22Lと、左側カメラ23Lと、制御部21Lを備える。左側カメラ23Lは、左側赤外線カメラ26Lと、左側可視光カメラ27Lとを有する。
【0046】
左側赤外線照射ユニット22Lは、車両1の左側方領域に向けて赤外線(特に、近赤外線)を出射するように構成されている。左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の波長帯は、例えば、700nmから2500nmの範囲内である。さらに、赤外線のピーク波長は、例えば、850nm、940nm又は1050nmである。左側赤外線カメラ26Lは、車両1の左側方領域の周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成されている。左側可視光カメラ27Lは、車両1の左側方領域の周辺環境を示す可視光画像データを取得するように構成されている。例えば、可視光画像データの1画素のRGB要素の各々が8ビットのデータ量を有する場合、可視光画像データは、1画素当たり24ビットのデータ量を有する。車両制御部3又は制御部21Lは、赤外線画像データ及び/又は可視光画像データに基づいて左側方領域における周辺環境情報を特定するように構成されている。また、左側赤外線照射ユニット22Lの光軸AL図4参照)と左側赤外線カメラ26Lの光軸(図示せず)は互いに略平行であってもよい。この場合、左側赤外線カメラ26Lの検出領域における赤外線の光量不足を好適に防止することができる。
【0047】
また、図4に示すように、左側赤外線照射ユニット22Lの光軸ALは、車両の左後方向を向いていてもよいし(実線で示された矢印を参照)、左右方向を向いていてもよい(破線で示された矢印を参照)。さらに、光軸ALは、車両の左前方向を向いていてもよい(破線で示された矢印を参照)。
【0048】
また、左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lは一体的に構成されてもよいし、別々に構成されてもよい。左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lが一体的に構成される場合、左側カメラ23Lには、RGBカラーフィルターと赤外線フィルターとがアレイ状に配置されたカラーフィルターアレイ(CFA)が用いられてもよい。左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lが一体的に構成される場合、左側赤外線カメラモジュール6Lを構成するデバイスの数を減らすことができる。
【0049】
制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lの動作を制御すると共に、左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lの動作を制御するように構成されている。制御部21Lは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステム(例えば、SoC等)と、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含む。プロセッサは、CPU、MPU、GPU及びTPUのうちの少なくとも一つを含む。メモリは、ROMと、RAMを含む。また、コンピュータシステムは、ASICやFPGA等の非ノイマン型コンピュータによって構成されてもよい。
【0050】
例えば、制御部21Lは、車両1に搭載された照度センサ(図示せず)から取得された照度データに基づいて車両1の走行環境が明るいと判断した場合(具体的には、測定された照度が閾値照度よりも大きい場合)には、左側カメラ23Lのうち左側可視光カメラ27Lのみを動作させてもよい。一方、制御部21Lは、照度データに基づいて車両1の走行環境が暗いと判断した場合(具体的には、測定された照度が閾値照度以下である場合)には、左側カメラ23Lのうち左側赤外線カメラ26Lのみを動作させてもよい。この場合、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lを点灯させてもよい。このように、車両1の走行環境の明るさに依存せずに、車両1の左側方領域における周辺環境情報を特定することができる。
【0051】
尚、左側赤外線カメラモジュール6Lは、左側Cピラー50L以外の左側後方ピラー(例えば、左側Dピラー)に配置されていてもよい。また、本実施形態では、左側赤外線カメラシステムは、左側赤外線カメラモジュール6Lとして構成されているが、本実施形態はこれには限定されない。この点において、左側赤外線カメラシステムは1つのモジュールとしてパッケージ化されていなくてもよい。この場合、左側赤外線照射ユニット22Lと左側赤外線カメラ26Lが車両1の左側後方ピラー(例えば、左側Cピラー50L)に配置されていれば、左側赤外線カメラシステムの構成は特に限定されない。さらに、制御部21Lは、制御部21R及び/又は車両制御部3と一体的に構成されていてもよい。
【0052】
右側赤外線カメラモジュール6R(右側赤外線カメラシステムの一例)は、車両1の右側Cピラー50R(右側後方ピラーの一例)に搭載されており、右側赤外線照射ユニット22Rと、右側カメラ23Rと、制御部21Rを備える。右側カメラ23Rは、右側赤外線カメラ26Rと、右側可視光カメラ27Rとを有する。
【0053】
右側赤外線照射ユニット22Rは、車両1の右側方領域に向けて赤外線(近赤外線)を出射するように構成されている。右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の波長帯は、例えば、700nmから2500nmの範囲内である。さらに、赤外線のピーク波長は、例えば、850nm、940nm又は1050nmである。右側赤外線カメラ26Rは、車両1の右側方領域の周辺環境を示す赤外線画像データを取得するように構成されている。右側可視光カメラ27Rは、車両1の右側方領域の周辺環境を示す可視光画像データを取得するように構成されている。車両制御部3又は制御部21Rは、赤外線画像データ及び/又は可視光画像データに基づいて右側方領域における周辺環境情報を特定するように構成されている。また、右側赤外線照射ユニット22Rの光軸AR図4参照)と右側赤外線カメラ26Rの光軸(図示せず)は互いに略平行であってもよい。この場合、右側赤外線カメラ26Rの検出領域における赤外線の光量不足を好適に防止することができる。
【0054】
また、図4に示すように、左側赤外線照射ユニット22Lの光軸ARは、車両の左後方向を向いていてもよいし(実線で示された矢印を参照)、左右方向を向いていてもよい(破線で示された矢印を参照)。さらに、光軸ARは、車両の左前方向を向いていてもよい(破線で示された矢印を参照)。
【0055】
右側赤外線カメラ26Rと右側可視光カメラ27Rは一体的に構成されてもよいし、別々に構成されてもよい。右側赤外線カメラ26Rと右側可視光カメラ27Rが一体的に構成される場合、右側カメラ23Rには、RGBカラーフィルターと赤外線フィルターとがアレイ状に配置されたカラーフィルターアレイ(CFA)が用いられてもよい。右側赤外線カメラ26Rと右側可視光カメラ27Rが一体的に構成される場合、右側赤外線カメラモジュール6Rを構成するデバイスの数を減らすことができる。
【0056】
制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rの動作を制御すると共に、右側赤外線カメラ26Rと右側可視光カメラ27Rの動作を制御するように構成されている。制御部21Rは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステム(例えば、SoC等)と、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含む。プロセッサは、CPU、MPU、GPU及びTPUのうちの少なくとも一つを含む。メモリは、ROMと、RAMを含む。また、コンピュータシステムは、ASICやFPGA等の非ノイマン型コンピュータによって構成されてもよい。
【0057】
例えば、制御部21Rは、車両1に搭載された照度センサ(図示せず)から取得された照度データに基づいて車両1の走行環境が明るいと判断した場合(具体的には、測定された照度が閾値照度よりも大きい場合)には、右側カメラ23Rのうち右側可視光カメラ27Rをのみを動作させてもよい。一方、制御部21Rは、照度データに基づいて車両1の走行環境が暗いと判断した場合(具体的には、測定された照度が閾値照度以下である場合)には、右側カメラ23Rのうち右側赤外線カメラ26Rのみを動作させてもよい。このように、車両1の走行環境の明るさに依存せずに、車両1の右側方領域における周辺環境情報を特定することができる。
【0058】
尚、右側赤外線カメラモジュール6Rは、右側Cピラー50R以外の右側後方ピラー(例えば、右側Dピラー)に配置されていてもよい。また、本実施形態では、右側赤外線カメラシステムは、右側赤外線カメラモジュール6Rとして構成されているが、本実施形態はこれには限定されない。この点において、右側赤外線カメラシステムは1つのモジュールとしてパッケージ化されていなくてもよい。この場合、右側赤外線照射ユニット22Rと右側赤外線カメラ26Rが車両1の右側後方ピラー(例えば、右側Cピラー50R)に配置されていれば、右側赤外線カメラシステムの構成は特に限定されない。さらに、制御部21Rは、制御部21L及び/又は車両制御部3と一体的に構成されていてもよい。
【0059】
HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイ(例えば、Head Up Display(HUD)等)である。GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0060】
無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報等)を他車から受信すると共に、車両1に関する情報(例えば、走行情報等)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。また、無線通信部10は、歩行者が携帯する携帯型電子機器(スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス等)から歩行者に関する情報を受信すると共に、車両1の自車走行情報を携帯型電子機器に送信するように構成されている(歩車間通信)。車両1は、他車両、インフラ設備若しくは携帯型電子機器とアドホックモードにより直接通信してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して通信してもよい。
【0061】
記憶装置11は、ハードディスクドライブ(HDD)やSSD(Solid State Drive)等の外部記憶装置である。記憶装置11には、2次元又は3次元の地図情報及び/又は車両制御プログラムが記憶されてもよい。例えば、3次元の地図情報は、3Dマッピングデータ(点群データ)によって構成されてもよい。記憶装置11は、車両制御部3からの要求に応じて、地図情報や車両制御プログラムを車両制御部3に出力するように構成されている。地図情報や車両制御プログラムは、無線通信部10と通信ネットワークを介して更新されてもよい。
【0062】
車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、車両1の走行を自動的に制御する。つまり、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
【0063】
一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
【0064】
次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
【0065】
また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
【0066】
次に、図3を参照して左側赤外線カメラモジュール6Lの具体的な構造について以下に説明する。図3(a)は、車両1の側面図を示すと共に、左側赤外線カメラモジュール6Lの拡大正面図を示す。図3(b)は、左側赤外線カメラモジュール6Lの断面図を示す。
【0067】
図3に示すように、左側赤外線カメラモジュール6Lは、車両1の左側Cピラー50Lの所定位置に搭載されている。特に、左側赤外線カメラモジュール6Lは、左側Cピラー50Lの所定位置に形成された貫通穴56L内に嵌め込まれている。左側赤外線カメラモジュール6Lは、左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lを含む左側カメラ23Lと、左側赤外線照射ユニット22Lと、制御部21Lと、開口部を有するハウジング61Lと、ハウジング61Lの開口部を覆うカバー62Lとを備える。尚、本図面では、左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lは一体的に構成されているものとする。
【0068】
左側カメラ23L、左側赤外線照射ユニット22L及び制御部21Lは、ハウジング61Lとカバー62Lによって形成された空間内に配置されている。具体的には、ハウジング61Lとカバー62Lによって形成された空間は、第1空間S1と、第1空間S1から隔離された第2空間S2とを有する。左側カメラ23Lは第1空間S1内に配置されている一方で、左側赤外線照射ユニット22L及び制御部21Lは第2空間S2内に配置されている。上記構成によれば、第1空間S1と第2空間S2が互いに隔離されているので、左側赤外線照射ユニット22Lから出射された赤外線が左側赤外線カメラ26Lに直接入射することが好適に防止されうる。このように、左側赤外線カメラ26Lによって取得された赤外線画像データの信頼性を向上させることができる。
【0069】
左側赤外線照射ユニット22Lは、ヒートシンク34Lと、ヒートシンク34L上に配置されたサブマウント33Lと、サブマウント33L上に配置された赤外線光源32Lと、ヒートシンク34L上に配置されたリフレクター35Lとを備える。ヒートシンク34Lは、赤外線光源32Lより発生した熱を外部に向けて放出するように構成されている。つまり、赤外線光源32Lより発生した熱は、サブマウント33L及びヒートシンク34Lを介して第2空間S2の空気中に放出される。
【0070】
赤外線光源32Lは、例えば、赤外線を出射するように構成された赤外線LEDから構成されている。リフレクター35Lは、赤外線光源32Lから出射された赤外線を外部に向けて反射するように構成されている。リフレクター35Lは、例えば、パラボリックリフレクターとして構成されている。この場合、赤外線光源32Lは、リフレクター35Lの焦点付近に配置され、赤外線光源32Lから出射された赤外線は、リフレクター35Lによって略平行光に変換されてもよい。
【0071】
制御部21Lは、第2空間S2内に配置されているが、制御部21Lの配置位置は特に限定されない。例えば、制御部21Lは、左側赤外線カメラモジュール6Lの外部に配置されてもよい。特に、制御部21Lは、車両1の所定の位置に配置されてもよい。
【0072】
ハウジング61Lは、ハウジング61Lの外側面166Lに設けられた一対のランス67Lを有する。カバー62Lは、例えば、赤外線(特に、近赤外線)を透過させる赤外線透過フィルターとして機能する。このため、カバー62Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射された赤外線(近赤外線)を透過させるように構成されている一方で、少なくとも600nm以下の波長の可視光を透過させないように構成されている。さらに、車両1の外部からカバー62Lの色は黒色として認識される。また、カバー62Lは、左側カメラ23Lと対向する位置に貫通穴63Lを有する。尚、左側カメラ23Lが左側赤外線カメラ26Lのみによって構成されている場合には、貫通穴63Lがカバー62Lに形成されていなくてもよい。さらに、左側赤外線カメラ26Lと左側可視光カメラ27Lが互いに分離している場合には、左側可視光カメラ27Lに対向する位置に貫通穴63L又は可視光透過フィルターが形成されてもよい。
【0073】
また、カバー62Lは、カバー62Lの外側面163Lから外部に向けて突出した鍔部162Lを有する。鍔部162Lと左側Cピラー50Lとの間にはシートパッキン68Lが設けられている。さらに、カバー62Lの外表面164L上には車両1のエンブレム65Lが形成されている。この点において、左側赤外線照射ユニット22Lから出射された赤外線(近赤外線)に赤色波長帯の光が含まれる場合には、車両1の外部に存在する他車両の乗員や歩行者等は、出射された赤外線を赤みがかった光として認識する。一方、歩行者等は、左側赤外線照射ユニット22Lから出射された赤外線(赤みがかった光)よりもエンブレム65Lに注目する。このため、エンブレム65Lによって、歩行者等が赤外線(赤みがかった光)に対して大きな違和感を覚えることが好適に防止されうる。尚、本実施形態では、エンブレム65Lの形状の一例として「A」が示されているが、エンブレム65Lの形状は特に限定されるものではない。
【0074】
また、外表面164L上にはコーティング層66Lが形成されている。コーティング層66Lは、撥水コーティング層又は親水コーティング層であってもよい。コーティング層66Lが撥水コーティング層である場合には、水滴がカバー62Lの外表面164L上に付着することが好適に防止されうる。このため、左側カメラ23Lに水滴が写り込むことが好適に防止されるため、左側カメラ23Lによって取得された画像データの信頼性を向上させることができる。一方、コーティング層66Lが親水コーティング層である場合には、ウォータースポットがカバー62Lの外表面164L上に形成されることが好適に防止される。このため、左側カメラ23Lにウォータースポットが写り込むことが好適に防止されるため、左側カメラ23Lによって取得された画像データの信頼性を向上させることができる。
【0075】
尚、本実施形態では、左側赤外線カメラモジュール6Lの具体的な構造についてのみ説明したが、右側赤外線カメラモジュール6Rも左側赤外線カメラモジュール6Lと同様の構成を有する。即ち、右側赤外線カメラモジュール6Rは、車両1の右側Cピラー50Rの所定位置に形成された貫通穴に嵌め込まれている。右側赤外線カメラモジュール6Rは、右側赤外線カメラ26Rと右側可視光カメラ27Rを含む右側カメラ23Rと、右側赤外線照射ユニット22Rと、制御部21Rと、開口部を有するハウジング(図示せず)と、ハウジングの開口部を覆うカバー(図示せず)とを備える。さらに、右側赤外線カメラモジュール6Rは、カバーの外表面に形成された車両1のエンブレム(図示せず)と、カバーの外表面に形成されたコーティング層(図示せず)を備える。また、右側赤外線照射ユニット22Rは、図3に示す左側赤外線照射ユニット22Lと同様の構成を有する。
【0076】
以上より、本実施形態によれば、車両1の走行環境が暗い場合でも、車両1の左側Cピラー50Lに搭載された左側赤外線カメラ26Lを用いて車両1の左側方領域における周辺環境を検出することができると共に、車両1の右側Cピラー50Rに搭載された右側赤外線カメラ26Rを用いて車両1の右側方領域における周辺環境を検出することができる。さらに、赤外線カメラ用の光として可視光ではなく赤外線が外部に向けて出射されるので、車両1の外部に存在する他車両や歩行者等に大きな違和感を与えてしまう状況を防止することができる。このように、他車両や歩行者等に大きな違和感を与えずに、車両1の側方領域(左側方領域及び右側方領域)における周辺環境を検出することができる。
【0077】
さらに、左側赤外線カメラモジュール6L(特に、左側カメラ23L)が左側Cピラー50Lに搭載されているため、左側カメラ23Lに汚れが付着しにくくなる。このため、左側カメラ23Lを洗浄するためのクリーナ装置を別途設ける必要がないため、左側赤外線カメラモジュール6Lの製造コストを抑えることが可能となる。さらに、汚れの付着により左側カメラ23Lに不具合が生じにくくなるため、左側カメラ23Lの信頼性を向上させることが可能となる。
【0078】
上記と同様に、右側赤外線カメラモジュール6R(特に、右側カメラ23R)が右側Cピラー50Rに搭載されているため、右側カメラ23Rに汚れが付着しにくくなる。このため、右側カメラ23Rを洗浄するためのクリーナ装置を別途設ける必要がないため、右側赤外線カメラモジュール6Rの製造コストを抑えることが可能となる。さらに、汚れの付着により右側カメラ23Rに不具合が生じにくくなるため、右側カメラ23Rの信頼性を向上させることが可能となる。
【0079】
また、本実施形態では、左側赤外線照射ユニット22Lと、左側カメラ23Lと、制御部21Lがハウジング61Lとカバー62Lとによって形成された空間内に収容されており、左側赤外線カメラシステムが1つのモジュールとしてパッケージ化されている。このため、左側赤外線カメラモジュール6Lの車両1への取付けを容易に行うことができる。
【0080】
次に、車両1の走行状態に応じた左側赤外線照射ユニット22L及び/又は右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を変更する処理について以下に説明する。尚、以降では、説明の便宜上、左側赤外線照射ユニット22L及び右側赤外線照射ユニット22Rを単に「赤外線照射ユニット22」と総称する場合がある。
【0081】
(第1の例:車両1の左折/右折に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
第1の例として、車両1の左折/右折に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図5を参照して説明する。図5は、車両1の左折/右折に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【0082】
図5に示すように、車両1が左折する場合において(ステップS1でYES)、制御部21L(図2参照)は、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS2)。具体的には、最初に、車両制御部3(図2参照)は、車両1を左折させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。ここで、第2の強度I2は、第1の強度I1よりも大きい。
【0083】
次に、車両1の左折が完了した場合に(ステップS3でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS4)。具体的には、車両制御部3は、車両1の左折が完了したと決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1の左折が完了しない場合には(ステップS3でNO)、車両制御部3は、車両1の左折が完了するまで制御部21Lへのトリガ信号の送信を保留する。
【0084】
また、車両1が右折する場合において(ステップS5でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS6)。具体的には、最初に、車両制御部3は、車両1を右折させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定する。
【0085】
次に、車両1の右折が完了した場合に(ステップS7でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS8)。具体的には、車両制御部3は、車両1の右折が完了したと決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1の右折が完了しない場合には(ステップS7でNO)、車両制御部3は、車両1の右折が完了するまで制御部21Rへのトリガ信号の送信を保留する。また、車両1が左折又は右折をしない場合では(ステップS5でNO)、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度は変更されない。
【0086】
第1の例によれば、車両1の左折に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の左側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が左折する場合において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。一方、車両1の右折に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の右側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が右折する場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0087】
尚、本例では、車両1が左折する場合に左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度のみが増加すると共に、車両1が右折する場合に右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度のみが増加するが、本例はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS2において、制御部21Lが左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させると共に、制御部21Rが右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第3の強度I3に設定する一方で、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定してもよい。ここで、第3の強度I3>第2の強度I2>第1の強度I1であるものとする。
【0088】
同様に、ステップS6において、制御部21Rが右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させると共に、制御部21Lが左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第3の強度I3に設定する一方で、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定してもよい。ここで、第3の強度I3>第2の強度I2>第1の強度I1であるものとする。
【0089】
(第2の例:車両1の左カーブ/右カーブの走行に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
次に、第2の例として、車両1の左カーブ/右カーブの走行に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図6を参照して説明する。図6は、車両1の左カーブの走行又は右カーブの走行に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図6に示すように、車両1が左カーブを走行中の場合において(ステップS10でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS11)。具体的には、最初に、車両制御部3は、車両1が左カーブを走行中であると判定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。
【0091】
次に、車両1の左カーブの走行が完了した場合に(ステップS12でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS13)。具体的には、車両制御部3は、車両1による左カーブの走行が完了したと判定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1による左カーブの走行が完了しない場合には(ステップS12でNO)、車両制御部3は、車両1による左カーブの走行が完了するまで制御部21Lへのトリガ信号の送信を保留する。
【0092】
また、車両1が右カーブを走行中の場合において(ステップS14でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS15)。具体的には、最初に、車両制御部3は、車両1が右カーブを走行中であると判定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定する。
【0093】
次に、車両1による右カーブの走行が完了した場合に(ステップS16でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS17)。具体的には、車両制御部3は、車両1による右カーブの走行が完了したと決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1による右カーブの走行が完了しない場合には(ステップS16でNO)、車両制御部3は、車両1による右カーブの走行が完了するまで制御部21Rへのトリガ信号の送信を保留する。また、車両1が左カーブ又は右カーブの走行をしない場合では(ステップS14でNO)、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度は変更されない。
【0094】
第2の例によれば、車両1による左カーブの走行に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の左側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が左カーブを走行する場合において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。一方、車両1による右カーブの走行に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の右側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が右カーブを走行する場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0095】
尚、本例では、車両1が左カーブを走行する場合に左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度のみが増加すると共に、車両1が右カーブを走行する場合に右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度のみが増加するが、本例はこれに限定されるものではない。例えば、ステップS11において、制御部21Lが左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させると共に、制御部21Rが右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第3の強度I3に設定する一方で、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定してもよい。ここで、第3の強度I3>第2の強度I2>第1の強度I1であるものとする。
【0096】
同様に、ステップS15において、制御部21Rが右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させると共に、制御部21Lが左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させてもよい。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第3の強度I3に設定する一方で、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定してもよい。ここで、第3の強度I3>第2の強度I2>第1の強度I1であるものとする。
【0097】
(第3の例:車両1の車線変更に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
次に、第3の例として、車両1の車線変更(左側車線又は右側車線への変更)に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図7を参照して説明する。図7は、車両1の左側車線又は右側車線への移動に応じて、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【0098】
図7に示すように、車両1が左側車線に移動する場合において(ステップS20でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS21)。具体的には、最初に、車両制御部3は、車両1を左側車線に移動させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。
【0099】
次に、車両1の左側車線への移動が完了した場合に(ステップS22でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS23)。具体的には、車両制御部3は、車両1による左側車線への移動が完了したと判定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1による左側車線の移動が完了しない場合には(ステップS22でNO)、車両制御部3は、車両1による左側車線への移動が完了するまで制御部21Lへのトリガ信号の送信を保留する。
【0100】
また、車両1が右側車線を移動する場合において(ステップS24でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS25)。具体的には、最初に、車両制御部3は、車両1を右側車線に移動させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定する。
【0101】
次に、車両1による右側車線への移動が完了した場合に(ステップS26でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS27)。具体的には、車両制御部3は、車両1による右側車線への移動が完了したと決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両1による右側車線への移動が完了しない場合には(ステップS26でNO)、車両制御部3は、車両1による右側車線への移動が完了するまで制御部21Rへのトリガ信号の送信を保留する。また、車両1が車線変更をしない場合では(ステップS24でNO)、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度は変更されない。
【0102】
第3の例によれば、車両1による左側車線への移動に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の左側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が左側車線に移動する場合において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。一方、車両1による右側車線への移動に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の右側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が右側車線に移動する場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0103】
(第4の例:ステアリングホイールの操舵角に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
次に、第4の例として、車両1のステアリングホイールの操舵角(回転角)に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図8を参照して説明する。図8は、ステアリングホイールに応じて、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。尚、本例では、車両1は、手動運転モード又は運転支援モードで走行中であるものとする。つまり、車両1の走行制御は、運転者によって行なわれているものとする。
【0104】
図8に示すように、ステップS30において、車両制御部3は、反時計回りにおける車両1のステアリングホイールの操舵角θが第1の操舵角θth1を超えたかどうかを判定する。車両制御部3は、操舵角θが第1の操舵角θth1を超えたと判定した場合に(ステップS30でYES)、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS31)。例えば、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。
【0105】
次に、ステップS32において、車両制御部3は、反時計回りにおける操舵角θが第1の操舵角θth1以下となったかどうかを判定する。車両制御部3は、操舵角θが第1の操舵角θth1以下となったと判定した場合に(ステップS32でYES)、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS33)。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両制御部3は、操舵角θが第1の操舵角θth1以下となるまで制御部21Rへのトリガ信号の送信を保留する(ステップS32でNO)。
【0106】
また、ステップS34において、車両制御部3は、時計回りにおけるステアリングホイールの操舵角θが第2の操舵角θth2を超えたかどうかを判定する。車両制御部3は、操舵角θが第2の操舵角θth2を超えたと判定した場合に(ステップS34でYES)、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS35)。例えば、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。
【0107】
次に、ステップS36において、車両制御部3は、時計回りにおける操舵角θが第2の操舵角θth2以下となったかどうかを判定する。車両制御部3は、操舵角θが第2の操舵角θth2以下となったと判定した場合に(ステップS36でYES)、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。ここで、第2の操舵角θth2は、第1の操舵角θth1と同一であってもよいし、異なってもよい。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS37)。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両制御部3は、操舵角θが第2の操舵角θth2以下となるまで制御部21Lへのトリガ信号の送信を保留する(ステップS36でNO)。
【0108】
第4の例によれば、反時計回りにおけるステアリングホイールの操舵角(回転角度)に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の右側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が左方向に曲進(左折又は左カーブの走行)する場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。つまり、車両1が左方向に曲進する場合に運転者の注意が向く車両1の左側領域とは反対側の右側領域における周辺環境を確実に検出することができる。
【0109】
また、時計回りにおけるステアリングホイールの操舵角(回転角度)に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の左側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が右方向に曲進(右折又は右カーブの走行)する場合において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。つまり、車両1が右方向に曲進する場合に運転者の注意が向く車両1の右側領域とは反対側の左側領域における周辺環境を確実に検出することができる。
【0110】
尚、本例では、反時計回りにおけるステアリングホイールの操舵角θがゼロ度(元の位置)になった場合に、ステップS33の処理若しくはステップS37が実行されてもよい。
【0111】
(第5の例:ターンシグナルランプの点灯に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
次に、第5の例として、車両1のターンシグナルランプ(左側ターンシグナルランプ又は右側ターンシグナルランプ)に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図9を参照して説明する。図9は、車両1の左側ターンシグナルランプ又は右側ターンシグナルランプの点灯に応じて、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【0112】
図9に示すように、左側ターンシグナルランプが点灯する場合において(ステップS40でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS41)。具体的には、最初に、車両制御部3は、左側ターンシグナルランプを点灯させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2(>I1)に設定する。
【0113】
次に、車両1の左側ターンシグナルランプが消灯した場合に(ステップS42でYES)、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS43)。具体的には、車両制御部3は、左側ターンシグナルランプを消灯させると決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Lに送信する。次に、制御部21Lは、受信したトリガ信号に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Lは、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両制御部3は、左側ターンシグナルランプの消灯を決定するまで制御部21Lへのトリガ信号の送信を保留する(ステップS42でNO)。
【0114】
また、車両1の右側ターンシグナルランプが点灯する場合において(ステップS44でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる(ステップS45)。具体的には、最初に、車両制御部3は、右側ターンシグナルランプを点灯させると決定した場合に、赤外線の強度の増加を指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を増加させる。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1から第2の強度I2に設定する。
【0115】
次に、右側ターンシグナルランプが消灯した場合に(ステップS46でYES)、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す(ステップS47)。具体的には、車両制御部3は、右側ターンシグナルランプを消灯させると決定した場合に、赤外線の強度を元に戻すことを指示するトリガ信号を制御部21Rに送信する。次に、制御部21Rは、受信したトリガ信号に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を元に戻す。この点において、制御部21Rは、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2から第1の強度I1に設定する。一方、車両制御部3は、右側ターンシグナルランプの消灯を決定するまで制御部21Rへのトリガ信号の送信を保留する(ステップS46でNO)。
【0116】
第5の例によれば、左側ターンシグナルランプの点灯に応じて左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の左側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が左側に進路を変更する場合において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。一方、右側ターンシグナルランプの点灯に応じて右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このように、車両1の右側領域に存在する対象物により反射される反射光の強度が高くなるため、車両1が右側に進路を変更する場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。
【0117】
(第6の例:車両の走行速度に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理)
次に、第6の例として、車両1の走行速度に応じて赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を変更する処理について図10を参照して説明する。図10は、車両1の走行速度に応じて、赤外線照射ユニット22から出射される赤外線の強度を増加させる処理を説明するためのフローチャートである。
【0118】
図10に示すように、ステップS50において、車両制御部3は、車両1の走行速度を検出するように構成された速度センサから車両1の走行速度に関する情報を取得する。次に、車両制御部3は、車両1の走行速度は所定の速度以下であるかどうかを判定する(ステップS51)。ここで、所定の速度は、例えば30km/hである。
【0119】
その後、車両制御部3は、車両1の走行速度が所定の速度以下であると判定した場合に(ステップS51でYES)、赤外線の強度を第2の強度I2に設定するためのトリガ信号を制御部21L,21Rにそれぞれ送信する。その後、制御部21Lは、車両制御部3より送信されたトリガ信号に基づいて、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第2の強度I2に設定する。さらに、制御部21Rは、車両制御部3より送信されたトリガ信号に基づいて、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第2の強度I2に設定する(ステップS52)。
【0120】
一方、車両制御部3は、車両1の走行速度が所定の速度以下ではないと判定した場合に(ステップS51でNO)、赤外線の強度を第1の強度I1(<I2)に設定するための制御信号を制御部21L,21Rにそれぞれ送信する。ここで、第2の強度I2は、第1の強度I1よりも大きい。その後、制御部21Lは、車両制御部3より送信されたトリガ信号に基づいて、左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度を第1の強度I1に設定する。さらに、制御部21Rは、車両制御部3より送信されたトリガ信号に基づいて、右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度を第1の強度I1に設定する(ステップS53)。
【0121】
このように、車両1の走行速度が所定の速度以下である場合において左側赤外線照射ユニット22Lから出射される赤外線の強度が増加する。このため、左側赤外線カメラ26Lは、車両1の走行速度が所定速度以下である場合(特に、車両1が低速で走行している又は車両1が停止している場合)において左側赤外線カメラ26Lの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。同様に、車両1の走行速度が所定の速度以下である場合(特に、車両1が低速で走行している又は車両1が停止している場合)において右側赤外線照射ユニット22Rから出射される赤外線の強度が増加する。このため、右側赤外線カメラ26Rは、車両1の走行速度が所定の速度以下である場合において右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することができる。つまり、車両1が低速で走行又は停止している場合には、車両1の走行状態が大きく変化することや車両1の周辺に歩行者等の対象物が存在することが考えられる。このような状況において、左側赤外線カメラ26L及び右側赤外線カメラ26Rの検出範囲における周辺環境を確実に検出することが好ましい。
【0122】
尚、本例では、車両1の走行速度が所定の速度以下であると判定された場合に、赤外線の強度が第2の強度I2に設定されているが、本実施形態はこれには限定されない。例えば、車両1の走行速度に応じて段階的又は連続的に赤外線の強度が変更されてもよい。
【0123】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0124】
本実施形態では、車両の運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードと、手動運転モードとを含むものとして説明したが、車両の運転モードは、これら4つのモードに限定されるべきではない。車両の運転モードの区分は、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って適宜変更されてもよい。同様に、本実施形態の説明で記載された「完全自動運転モード」、「高度運転支援モード」、「運転支援モード」のそれぞれの定義はあくまでも一例であって、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って、これらの定義は適宜変更されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1:車両
2:車両システム
3:車両制御部
4:前方センサモジュール
5:後方センサモジュール
6L:左側赤外線カメラモジュール
6R:右側赤外線カメラモジュール
10:無線通信部
11:記憶装置
12:ステアリングアクチュエータ
13:ステアリング装置
14:ブレーキアクチュエータ
15:ブレーキ装置
16:アクセルアクチュエータ
17:アクセル装置
21L:制御部
21R:制御部
22L:左側赤外線照射ユニット
22R:右側赤外線照射ユニット
23L:左側カメラ
23R:右側カメラ
26L:左側赤外線カメラ
26R:右側赤外線カメラ
27L:左側可視光カメラ
27R:右側可視光カメラ
30L:左側ヘッドランプ
30R:右側ヘッドランプ
32L:赤外線光源
33L:サブマウント
34L:ヒートシンク
35L:リフレクター
40L:左側リアランプ
40R:右側リアランプ
41:LiDARユニット
42:カメラ
50L:左側Cピラー
50R:右側Cピラー
51:LiDARユニット
52:カメラ
56L:貫通穴
61L:ハウジング
62L:カバー
63L:貫通穴
65L:エンブレム
66L:コーティング層
67L:ランス
68L:シートパッキン
162L:鍔部
163L:外側面
164L:外表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10