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特許7187305プロセスカートリッジ及び現像カートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】プロセスカートリッジ及び現像カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20221205BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221205BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G03G21/18 114
G03G21/16 176
G03G21/00 312
G03G15/08 220
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018246406
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020106703
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 卓也
(72)【発明者】
【氏名】小松 範行
(72)【発明者】
【氏名】沼田 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 直哉
(72)【発明者】
【氏名】牧口 大輔
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0095028(US,A1)
【文献】特開平3-246571(JP,A)
【文献】特開2010-8993(JP,A)
【文献】特開平8-339143(JP,A)
【文献】特開2000-132029(JP,A)
【文献】特開2011-257650(JP,A)
【文献】特開2018-25653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 21/18
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、
感光ドラムを有する感光体ユニットと、
前記感光ドラムの回転軸線方向における端部において前記感光ドラムの表面に当接し、前記感光ドラムの前記表面に付着した付着物を除去するシート部材と、
前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記シート部材によって前記感光ドラムの前記表面から除去された前記付着物を貯留する貯留部と、を有し、前記感光体ユニットに着脱可能に構成された現像ユニットと、
を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記シート部材は、前記感光体ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記シート部材は、前記現像ユニットに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記貯留部は、前記感光ドラムの前記シート部材が当接する領域に対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記回転軸線方向において、前記貯留部がある側の前記感光ドラムの端部にはギアが設けられており、
前記貯留部は、前記回転軸線方向において前記ギアよりも外側から前記感光ドラムの一端面よりも内側まで延びていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
感光ドラムと、前記感光ドラムの回転軸線方向における端部において前記感光ドラムの表面に当接し前記感光ドラムの前記表面に付着した付着物を除去するシート部材と、を有する感光体カートリッジに着脱可能である現像カートリッジにおいて、
前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記シート部材によって前記感光ドラムの前記表面から除去された前記付着物を貯留する貯留部と、を有することを特徴とする現像カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジ及び現像カートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いたレーザビームプリンタや複写機等の画像形成装置では、感光体上にトナー像を形成し、このトナー像を紙等の記録材に転写することで記録材に画像を形成している。このような画像形成装置では、メンテナンスを容易にするために画像形成装置の一部の部品をカートリッジに設け、カートリッジを装置本体外に取り出し、メンテナンスや交換を行う方式が広く採用されている。特許文献1には、感光体を有する感光体ユニットに現像剤としてのトナーを収容する現像ユニットを着脱可能なプロセスカートリッジが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-224221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
感光体ユニットを長寿命化すると、感光ドラムの表面から除去された紙粉やトナーを貯留する貯留部から紙粉やトナーがあふれ出し、周囲を汚したり、感光ドラムや現像ローラ、転写ローラ等に付着して画像不良等の不具合を引き起こす恐れがある。
【0005】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、感光ドラムの表面から除去された紙粉やトナー等の付着物を貯留する貯留部から紙粉やトナー等があふれ出ることを防止できるプロセスカートリッジを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は、画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジであって、感光ドラムを有する感光体ユニットと、前記感光ドラムの回転軸線方向における端部において前記感光ドラムの表面に当接し、前記感光ドラムの前記表面に付着した付着物を除去するシート部材と、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記シート部材によって前記感光ドラムの前記表面から除去された前記付着物を貯留する貯留部と、を有し、前記感光体ユニットに着脱可能に構成された現像ユニットと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、感光ドラムの表面から除去された紙粉やトナー等の付着物を貯留する貯留部から紙粉やトナー等があふれ出ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の構成を示す断面図である。
図2】第1実施形態のプロセスカートリッジの構成を示す断面図である。
図3】第1実施形態の感光体ユニットの構成を示す斜視図である。
図4】第1実施形態の感光体ユニットを前側斜め上方から見た斜視図である。
図5】第2実施形態のプロセスカートリッジの一部の構成を示す断面図である。
図6】第3実施形態のプロセスカートリッジの一部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図により本発明に係るプロセスカートリッジ及び現像カートリッジの一実施形態を具体的に説明する。尚、以下の説明において構成部品の機能、材質、形状その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0010】
〔第1実施形態〕
図1図4を用いて本発明に係るプロセスカートリッジ5及び現像カートリッジの第1実施形態の構成について説明する。図1は、電子写真方式の画像形成装置1の構成を示す断面図である。以下の説明において、図1に示す画像形成装置1を使用するユーザを基準にした方向を定義している。つまり、画像形成装置1の正面側を「前」、背面側を「後」、上面(天面)側を「上」、下面(底面)側を「下」としている。
【0011】
また、画像形成装置1を正面側(図1の右側)から見たときの画像形成装置1の左側を「左」、右側を「右」とする。画像形成装置1に用いられるプロセスカートリッジ5についても画像形成装置1の画像形成位置に装着された状態と同じ姿勢であるものとして画像形成装置1と同様に方向を定義している。
【0012】
各図面における各方向は図面に記される矢印によって定義されている。この矢印で示される前後方向、上下方向、左右方向は互いに直交する方向である。これらの方向は全ての図面で同じ方向を示している。上下方向は鉛直方向と平行で、左右方向及び前後方向は水平方向と平行である。
【0013】
また、左右方向は、像担持体であって感光ドラム61の回転軸線方向、及び、感光ドラム61にトナーを供給する現像剤担持体としての現像ローラ71の回転軸線方向とそれぞれ平行である。また、現像ユニット7を感光体ユニット6に装着して一体化したものをプロセスカートリッジ5という。このプロセスカートリッジ5を装置本体2に装着する際の挿入方向(装着方向)S1及び取り外し方向S2は、前後方向と平行であり、左右方向と上下方向とに直交する。
【0014】
<画像形成装置>
図1は、プロセスカートリッジ5が画像形成位置に装着された状態の画像形成装置1の断面図である。図1の断面は、画像形成装置1の上下方向及び前後方向に平行である。図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2内に紙等の記録材9を供給するための給送部3を有する。更に、画像形成装置1は、露光手段としての露光装置4と、記録材9上に現像剤像としてのトナー像を転写するプロセスカートリッジ5とを有する。更に、画像形成装置1は、記録材9上に転写されたトナー像を熱定着する定着手段としての定着装置8を備えている。
【0015】
<給送部>
給送部3は、装置本体2内の下部に設けられ、給送トレイ31と、給送ローラ32と、分離ローラ33とを備えている。給送トレイ31に収容された記録材9は、給送ローラ32によって繰り出され、分離ローラ33により1枚ずつ分離される。その後、搬送ローラ34により搬送される。搬送ローラ34により搬送される記録材9は、停止したレジストローラ35のニップ部に先端部が突き当てられて斜行が補正される。その後、プロセスカートリッジ5に設けられた感光ドラム61と転写手段としての転写ローラ63とにより形成される転写ニップ部Nに向けて搬送される。
【0016】
<露光装置>
露光装置4は、装置本体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズ、反射鏡等を備えている。露光装置4のレーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光が、均一に帯電された感光ドラム61の表面で高速走査される。これにより感光ドラム61の表面を露光し、感光ドラム61の表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
【0017】
<画像形成動作>
次に、図1を用いてプロセスカートリッジ5による画像形成動作について説明する。感光ドラム61は、画像形成プロセスの実行中は、図1の時計回り方向に回転駆動されている。最初に帯電装置62により感光ドラム61の表面が一様に帯電され、その後、露光装置4から出射される画像データに対応したレーザ光により露光されることで、感光ドラム61の表面上に画像データに対応する静電潜像が形成される。
【0018】
一方で、トナー収容部74内のトナー11は、第2撹拌部材75b、第1撹拌部材75aで撹拌された後、供給ローラ72を介して現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71に供給されたトナー11は、現像ローラ71と層厚規制ブレード73との間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71の表面上に担持される。
【0019】
現像ローラ71の表面上に担持されたトナー11は、感光ドラム61の表面上に形成された静電潜像に供給される。これにより感光ドラム61の表面上に形成された静電潜像にトナー11が付着して可視像化され、感光ドラム61の表面上にトナー像として現像される。その後、感光ドラム61と転写ローラ63との間に形成された転写ニップ部Nに記録材9が搬送され、感光ドラム61の表面上のトナー像が記録材9上に転写される。
【0020】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、加熱ローラ81と加圧ローラ82とを備えている。トナー像が転写された記録材9が定着装置8を通過する際に、トナー像を担持した記録材9が加熱ローラ81と加圧ローラ82との間で加熱及び加圧されてトナー像が記録材9上に定着される。定着装置8を通過した記録材9は、搬送ローラ12,13により搬送された後、排出ローラ14により排出トレイ22上に排出される。
【0021】
<転写残トナーの回収>
転写時に記録材9に転写されずに感光ドラム61の表面上に残留したトナー11は、現像ユニット7のトナー収容部74内に回収して再利用する。具体的には、帯電装置62により感光ドラム61の表面を一度帯電させ、感光ドラム61の表面電位を現像ローラ71の電位よりも高くする。これにより感光ドラム61の表面上で正極性に帯電している残留トナーが、現像ローラ71へ移動し、現像ローラ71の表面からトナー収容部74内に回収される。
【0022】
<プロセスカートリッジ>
次に、図1及び図2を用いてプロセスカートリッジ5の構成について説明する。図2は、本実施形態のプロセスカートリッジ5の構成を示す断面図である。図2に示すプロセスカートリッジ5は、感光体ユニット6と、感光体ユニット6に着脱可能な現像ユニット7とを備えている。
【0023】
図1に示すように、プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置されている。プロセスカートリッジ5は、装置本体2に設けられた開閉部材としてのドア21を図1の二点鎖線で示す状態まで開いたときにできる開口10から装置本体2の収容部23に挿入方向S1で挿入されて装置本体2に装着される。プロセスカートリッジ5を装置本体2から取り外す際は、装置本体2に設けられた開閉部材としてのドア21を図1の二点鎖線で示す状態まで開いた状態で開口10からプロセスカートリッジ5を取り外し方向S2に移動させて取り出す。
【0024】
<感光体ユニット>
次に、図2図3及び図4を用いて、本実施形態の感光体ユニット6の構成について説明する。図3は、本実施形態の感光体ユニット6の構成を示す斜視図である。図4は、本実施形態の感光体ユニット6を前側斜め上方から見た斜視図である。図2に示すように、画像形成装置1に用いられる感光体ユニット6は、像担持体としての感光ドラム61と、帯電手段としての帯電装置62と、転写手段としての転写ローラ63と、クリーニング手段としての紙粉除去装置110と、を備えている。
【0025】
感光体ユニット6は、感光ドラム61と、第2当接部材180a,180bとを有する。第2当接部材180a,180bは、感光ドラム61の回転軸線方向における端部において感光ドラム61の表面に当接し感光ドラム61の表面に付着した付着物としてのトナー11等を除去するシート部材として構成される。感光体ユニット6は、感光体カートリッジとして構成される。
【0026】
感光体ユニット6は、感光体ユニット6内の各種要素を支持し、一対の左側壁611と右側壁612を有する感光枠体610を有する。感光枠体610には、回転可能な感光ドラム61と、感光ドラム61の下側と接触して回転する転写ローラ63と、感光ドラム61の上側に対向した帯電装置62とが設けられている。感光ドラム61の回転軸線方向の一端にはギア65が設けられており、ギア65は、転写ローラ63に駆動を伝達する転写ギア66と噛合している。
【0027】
感光枠体610には、紙粉除去装置110と、ユーザが感光体ユニット6を把持する把持部617とが設けられている。更に、感光枠体610には、現像ユニット7が装着可能な装着部615と、現像ユニット7を押圧する押圧部材640と、現像ユニット7を持ち上げるリフト部材642と、が設けられている。
【0028】
押圧部材640は、感光体ユニット6に装着された現像ユニット7を押圧することで、現像ローラ71を感光ドラム61に向けて付勢する。リフト部材642は、ユーザが操作することで感光体ユニット6から現像ユニット7を取り外して交換することができる。
【0029】
<紙粉除去装置>
紙粉除去装置110は、図2に示すように、フレーム170と、第1除去ローラ120と、第2除去ローラ130と、弾性部材140と、第1当接部材160とを有して構成される。第1当接部材160は、フレーム170に支持される支持部161と、感光ドラム61の表面に当接される当接部162とを有して構成される。
【0030】
第1除去ローラ120は、感光ドラム61の後側に接触して回転し、感光ドラム61の表面上に付着した紙粉を回収する。第2除去ローラ130は、第1除去ローラ120の後側に接触して回転し、第1除去ローラ120上の紙粉を吸着する。弾性部材140は、第2除去ローラ130の上側の周面に接触し、第2除去ローラ130上の紙粉を掻き取る。
【0031】
第1当接部材160は、フレーム170に一端が固定された支持部161と、感光ドラム61に接触する繊維状の当接部162とを有して構成されている。第1当接部材160は、感光ドラム61の表面上に残留したトナー11は通過させつつ、第1除去ローラ120で除去しきれなかった感光ドラム61の表面上の紙粉を回収する。
【0032】
<現像ユニット>
現像ユニット7は、感光体ユニット6に対して着脱可能に装着される現像カートリッジとして構成される。現像ユニット7は、現像枠体700により形成され、現像剤としてのトナー11を収容するトナー収容部74を有する。更に、現像ユニット7は、トナー収容部74内に収容されたトナー11を撹拌するとともにトナー11を供給ローラ72へ搬送する第1撹拌部材75aと、第2撹拌部材75bとを有する。
【0033】
更に、現像ユニット7は、トナー収容部74内に収容された現像剤としてのトナー11を現像ローラ71に供給する供給ローラ72を有する。更に、現像ユニット7は、感光ドラム61と接触して回転する現像剤担持体としての現像ローラ71を有する。更に、現像ユニット7は、現像ローラ71の表面上に担持されたトナー11の層厚を規制する層厚規制ブレード73と、を備えている。供給ローラ72は、現像ローラ71に接触して回転する。
【0034】
トナー収容部74内に収容されたトナー11は、第1撹拌部材75aと、第2撹拌部材75bの回転により撹拌されつつ供給ローラ72に向けて搬送される。その後、トナー11は、供給ローラ72により現像ローラ71に向けて搬送され、現像ローラ71の内部に埋設されたマグネットローラの磁力により引き付けられて現像ローラ71の表面上に担持される。現像ローラ71の表面上に担持されたトナー11は、層厚規制ブレード73により層厚が規制される。現像枠体700は、現像ユニット7内の各種要素を支持する。現像ローラ71は、その回転軸線方向の両端部において現像枠体700に回転可能に支持されている。現像ユニット7の前方にはユーザが把持する把持部701が設けられている。
【0035】
<貯留部>
次に、図3及び図4を用いて、貯留部の構成について説明する。図4は、感光体ユニット6を前側斜め上方から見た斜視図である。図3及び図4に示す感光体ユニット6の感光枠体610には、シート部材としての第2当接部材180a,180bが設けられている。第2当接部材180a,180bは、感光ドラム61の回転軸線方向における端部としての一端側と他端側において感光ドラム61の表面に当接し、感光ドラム61の表面に付着した付着物としての紙粉やトナー11を除去する。
【0036】
感光体ユニット6の感光枠体610には、シート部材としての第2当接部材180a,180bにより感光ドラム61の表面から除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部613a,613bが設けられている。感光体ユニット6が画像形成位置に配置された状態で感光ドラム61の回転軸線方向の一端側と他端側でシート部材としての第2当接部材180a,180bの鉛直方向下方に貯留部613a,613bが設けられている。貯留部613a,613bは、感光ドラム61のシート部材としての第2当接部材180a,180bが当接する領域に対向する位置に設けられている。
【0037】
第2当接部材180a,180bは、現像ローラ71よりも左右方向外側で感光ドラム61の表面上に付着して現像ユニット7で回収できなかったトナー11を除去する。第2当接部材180a,180bは、第1当接部材160よりも左右方向外側で感光ドラム61の表面上に付着した紙粉を除去する。
【0038】
感光ドラム61の回転軸線方向において、貯留部613aがある側の感光ドラム61の端部にはギア65が設けられている。感光ドラム61の回転軸線方向の一端側である図4の左端側の貯留部613aは、感光ドラム61の回転軸線方向においてギア65よりも外側から感光ドラム61の一端面61aよりも内側まで延びている。また、感光ドラム61の回転軸線方向の他端側である図4の右端側の貯留部613bは、感光ドラム61の回転軸線方向において感光ドラム61の他端面61bの外側から内側まで延びている。
【0039】
このように貯留部613a,613bの容積を大きく確保することで、感光体ユニット6を長寿命化しても貯留部613a,613bから付着物としての紙粉やトナー11があふれ出ることを防止できる。これにより、あふれ出た付着物としての紙粉やトナー11で周囲を汚したり、感光ドラム61や現像ローラ71や転写ローラ63等にあふれ出た付着物としての紙粉やトナー11が付着して画像不良等の不具合を引き起こすことを防止できる。
【0040】
尚、本実施形態では、感光ドラム61の回転軸線方向の両側にそれぞれ貯留部613a,613bを設けた一例であるが、感光ドラム61の回転軸線方向の片側にのみ貯留部を設けても同様な効果を得ることができる。
【0041】
〔第2実施形態〕
次に、図5を用いて本発明に係るプロセスカートリッジの第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図5は、本実施形態のプロセスカートリッジ5の一部の構成を示す断面図である。第1実施形態では、感光体ユニット6の感光枠体610の一部にシート部材としての第2当接部材180a,180bと貯留部613a,613bとを設けた一例であった。
【0042】
本実施形態では、感光体ユニット6の感光枠体610にシート部材としての第2当接部材180a,180bを設ける。更に、感光体ユニット6の感光枠体610に設けた第2当接部材180a,180bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bを現像ユニット7の現像枠体700に設けた一例である。
【0043】
画像形成装置1に用いられるプロセスカートリッジ5は、感光体ユニット6と、感光体ユニット6に対して着脱可能な現像ユニット7を有して構成される。感光体ユニット6は、感光ドラム61と、感光ドラム61の回転軸線方向の一端に設けられたギア65とを有する。
【0044】
更に、感光体ユニット6は、シート部材としての第2当接部材180a,180bを有する。第2当接部材180a,180bは、感光ドラム61の回転軸線方向の一端側と他端側で感光ドラム61の表面に当接し、感光ドラム61の表面に付着した付着物としての紙粉やトナー11を除去する。更に、感光体ユニット6は、現像ユニット7を装着可能な装着部615を有して構成される。シート部材としての第2当接部材180a,180bは、感光体ユニット6の感光枠体610に設けられる。
【0045】
一方、現像ユニット7は、現像ローラ71を有する。更に、現像ユニット7は、第2当接部材180a,180bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bを有して構成される。ここで、プロセスカートリッジ5が画像形成位置に配置された状態を考慮する。その状態で貯留部702a,702bは、感光ドラム61の回転軸線方向の一端側と他端側でシート部材としての第2当接部材180a,180bの鉛直方向下方に設けられる。
【0046】
感光ドラム61の回転軸線方向の一端側の貯留部702aは、感光ドラム61の回転軸線方向においてギア65よりも外側から感光ドラム61の一端面61aよりも内側まで延びている。また、感光ドラム61の回転軸線方向の他端側の貯留部702bは、感光ドラム61の回転軸線方向において感光ドラム61の他端面61bの外側から内側まで延びている。第2当接部材180a,180bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bは、現像ユニット7の現像枠体700に設けられる。
【0047】
感光体ユニット6の感光枠体610には、貯留部702a,702bに対応する位置に切欠部614a,614bが設けられている。これにより現像ユニット7を交換するたびに貯留部702a,702bに溜まった付着物としての紙粉やトナー11も取り除かれる。これにより第1実施形態よりも感光体ユニット6を更に長寿命化しても貯留部702a,702bから付着物としての紙粉やトナー11があふれ出ることを防止できる。
【0048】
このように貯留部702a,702bの容積を大きく確保することで、感光体ユニット6を更に長寿命化しても、貯留部702a,702bから付着物としての紙粉やトナー11があふれ出ることを防止できる。他の構成は前記第1実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0049】
〔第3実施形態〕
次に、図6を用いて本発明に係るプロセスカートリッジの第3実施形態の構成について説明する。尚、前記各実施形態と同様に構成したものは同一の符号、或いは符号が異なっても同一の部材名を付して説明を省略する。図6は、本実施形態のプロセスカートリッジ5の一部の構成を示す断面図である。
【0050】
第2実施形態では、現像ユニット7の現像枠体700の一部に貯留部702a,702bを形成し、感光体ユニット6の感光枠体610にシート部材としての第2当接部材180a,180bを設けた構成であった。本実施形態では、シート部材としての第2当接部材280a,280bと、第2当接部材280a,280bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bとを現像ユニット7の現像枠体700に設けた一例である。
【0051】
画像形成装置1に用いられるプロセスカートリッジ5は、感光体ユニット6と現像ユニット7とを有して構成される。感光体ユニット6は、感光ドラム61と、感光ドラム61の回転軸線方向の一端に設けられたギア65と、現像ユニット7を装着可能な装着部615と、を有して構成される。
【0052】
一方、現像ユニット7は、現像ローラ71を有する。更に、現像ユニット7は、感光ドラム61の回転軸線方向の一端側と他端側で感光ドラム61の表面に当接し、感光ドラム61の表面に付着した付着物としての紙粉やトナー11を除去するシート部材としての第2当接部材280a,280bを有する。
【0053】
更に、現像ユニット7は、第2当接部材280a,280bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bを有して構成される。ここで、プロセスカートリッジ5が画像形成位置に配置された状態を考慮する。この状態で貯留部702a,702bは、感光ドラム61の回転軸線方向の一端側と他端側でシート部材としての第2当接部材280a,280bの鉛直方向下方に設けられる。
【0054】
感光ドラム61の回転軸線方向の一端側の貯留部702aは、感光ドラム61の回転軸線方向においてギア65よりも外側から感光ドラム61の一端面61aよりも内側まで延びている。一方、感光ドラム61の回転軸線方向の他端側の貯留部702bは、感光ドラム61の回転軸線方向において感光ドラム61の他端面61bの外側から内側まで延びている。
【0055】
図6に示すように、現像ユニット7の現像枠体700に感光ドラム61の表面に付着した付着物としての紙粉やトナー11を除去するシート部材としての第2当接部材280a,280bが設けられている。更に、現像ユニット7の現像枠体700に第2当接部材280a,280bによって除去された付着物としての紙粉やトナー11を貯留する貯留部702a,702bが設けられている。
【0056】
これにより現像ユニット7を交換するたびに第2当接部材280a,280bも交換される。これにより第2実施形態よりも感光体ユニット6を更に長寿命化しても第2当接部材280a,280bの摩耗等により感光ドラム61の表面に付着した付着物としての紙粉やトナー11を除去する除去性能が低下することを防止できる。つまり、第2実施形態よりも感光体ユニット6を更に長寿命化しても、貯留部702a,702bから付着物としての紙粉やトナー11があふれ出ることを防止できる。他の構成は前記各実施形態と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【符号の説明】
【0057】
6…感光体ユニット(感光体カートリッジ)
7…現像ユニット(現像カートリッジ)
61…感光ドラム
71…現像ローラ
180a,180b…第2当接部材(シート部材)
613a,613b…貯留部
図1
図2
図3
図4
図5
図6