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特許7187319タッチ制御構造の製造方法、タッチ制御構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】タッチ制御構造の製造方法、タッチ制御構造
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221205BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G06F3/041 660
G06F3/041 495
G06F3/044 124
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018557091
(86)(22)【出願日】2018-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 CN2018082197
(87)【国際公開番号】W WO2019037433
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】201710725537.8
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 静
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ ▲鄒▼明
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲曉▼冬
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 雷
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲賢▼林
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲啓▼涛
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲総▼杰
(72)【発明者】
【氏名】李 冬
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲啓▼程
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 亭
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】李 性照
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 玲▲艶▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲貴▼玉
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0220202(US,A1)
【文献】特開2013-001009(JP,A)
【文献】国際公開第2014/132623(WO,A1)
【文献】特開2014-074937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に第1導電層を形成するステップと、
前記第1導電層上に第2導電層を形成するステップと、
前記第1導電層と前記第2導電層とに対してパターニングを行って第1導電層パターンと第2導電層パターンとをそれぞれ形成するステップとを含み、
前記第2導電層パターンが形成された後に前記第1導電層パターンを形成し、前記第1導電層パターンと前記第2導電層パターンとが互いに異な
前記基板上に前記第1導電層が形成された後、前記第1導電層上にフォトレジストの塗布、露光、現像のリソグラフィプロセスを行って第1フォトレジストパターンを形成し、
その後、前記第1導電層及び前記第1フォトレジストパターン上に前記第2導電層を形成し、前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを形成してから、前記第1フォトレジストパターンによって前記第1導電層に対してエッチングを行って前記第1導電層パターンを得る、タッチ制御構造の製造方法。
【請求項2】
前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを形成してから、前記第1導電層に対してフォトリソグラフィプロセスを行って前記第1導電層パターンを形成する、請求項1に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項3】
前記第2導電層パターンを位置合わせマークとして、前記第1導電層に対してフォトリソグラフィプロセスを行って前記第1導電層パターンを形成する、請求項2に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項4】
前記第1フォトレジストパターンを位置合わせマークとして、前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを得る、請求項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項5】
同一のエッチング液において、前記第2導電層に対してエッチングを行ってパターニングを行い、かつ、前記第1フォトレジストパターンによって前記第1導電層に対してエッチングを行って前記第1導電層パターンを得る、請求項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項6】
前記エッチング液は、弱酸性溶液である、請求項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項7】
前記弱酸性溶液は、シュウ酸又はリン酸溶液である、請求項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項8】
前記第1導電層は第1透明導電層で、前記第2導電層は金属層であり、
前記第1導電層パターンは第1透明導電層パターンで、前記第2導電層パターンは金属層パターンである、請求項1~のいずれか一項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項9】
前記タッチ制御構造は、タッチ制御エリアと周囲エリアとを含み、前記第2導電層パターンは前記周囲エリアに形成されている、請求項1~のいずれか一項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項10】
前記第1導電層パターンは前記タッチ制御エリアと前記周囲エリアに形成され、
前記第1導電層パターンの前記タッチ制御エリアに形成される部分は、
第1方向に沿って形成され、互いに間隔をおいた第1センシング電極を複数含む第1センシング線パターンと、
第2方向に延び、前記第1センシング電極の間を通過する第2センシング線パターンと、を含み、
前記第2導電層パターン及び前記第2導電層パターンの前記周囲エリアに形成される部分は、前記周囲エリアにおいて前記第1センシング線パターン及び前記第2センシング線パターンに用いられる導線になる、請求項に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項11】
第1保護層を形成し、前記第1保護層に対してパターニングを行って第1保護層パターンを形成するステップをさらに含み、前記第1保護層パターンは少なくとも一部の前記第1センシング線パターンを露出させる、請求項10に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項12】
前記第1保護層パターンに貫通孔を形成して前記第1センシング線パターンの一部を露出する、請求項11に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項13】
第3導電層を形成し、前記第3導電層に対してパターニングを行って第3導電層パターンを形成するステップをさらに含み、前記第3導電層は第1保護層パターン上に形成され、前記第1センシング線パターンの露出した部分によって隣接する前記第1センシング電極を電気的に接続する、請求項12に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項14】
少なくとも前記第1導電層パターン及び前記第3導電層パターンを覆うように第2保護層を形成し、前記第2保護層に対してパターニングを行って第2保護層パターンを形成するステップをさらに含む、請求項13に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項15】
前記第1保護層には、前記第2導電層パターンが露出し、
前記第2保護層パターンは、前記第2導電層パターンを覆う、請求項14に記載のタッチ制御構造の製造方法。
【請求項16】
前記基板の材質は、ポリシクロオレフィン高分子材料である、請求項1~15のいずれか一項にタッチ制御構造の製造方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のタッチ制御構造の製造方法によって製造されるタッチ制御構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、タッチ制御構造の製造方法、タッチ制御構造に関する。
本特許出願は、2017年8月22日に提出した中国特許出願第201710725537.8号の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている全内容を本出願の例示の一部として援用する。
【背景技術】
【0002】
タッチ制御構造は、情報入力設備として、人間とコンピュータのインタラクションを簡単で、便利に実現できるため、人々へ新たなマルチメディアマンマシンインターフェース方法を提供する。タッチ制御構造は、動作原理及び伝送媒介により抵抗方式、静電容量方式、表面弾性波方式及び赤外線方式に分けられている。そのうち、静電容量方式のタッチ制御構造は、精度が高く、抵干渉能力が高く、広く採用されている。さらに、静電容量方式のタッチ制御構造は、タッチ感度が高く、マルチタッチを容易に実現できる等のメリットを有するため、人々にとって操作の利便性に係る要求が極めて満たされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、基板上に第1導電層を形成するステップと、前記第1導電層上に第2導電層を形成するステップと、前記第1導電層と前記第2導電層とに対してパターニングを行って第1導電層パターンと第2導電層パターンとをそれぞれ形成するステップとを含み、前記第2導電層パターンが形成された後に前記第1導電層パターンを形成し、前記第1導電層パターンと前記第2導電層パターンが互いに異なる。
【0004】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを形成してから、前記第1導電層に対してフォトリソグラフィプロセスを行って前記第1導電層パターンを形成する。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第2導電層パターンを位置合わせマークとして、前記第1導電層に対してフォトリソグラフィプロセスを行って前記第1導電層パターンを形成する。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記基板上に第1導電層が形成された後に、前記第1導電層上にフォトレジストの塗布、露光、現像のリソグラフィプロセスを行って第1フォトレジストパターンを形成し、その後、前記第1導電層及び前記第1フォトレジストパターン上に前記第2導電層を形成し、前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを形成してから、前記第1フォトレジストパターンによって前記第1導電層に対してエッチングを行って前記第1導電層パターンを得る。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第1フォトレジストパターンを位置合わせマークとして、前記第2導電層に対してパターニングを行って前記第2導電層パターンを得る。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、同一のエッチング液において、前記第2導電層に対してエッチングを行ってパターニングを行い、かつ、前記第1フォトレジストパターンによって前記第1導電層に対してエッチングを行って前記第1導電層パターンを得る。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記エッチング液は、弱酸性溶液である。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記弱酸性溶液は、シュウ酸又はリン酸溶液である。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第1導電層は第1透明導電層で、前記第2導電層は金属層であり、前記第1導電層パターンは第1透明導電層パターンで、前記第2導電層パターンは金属層パターンである。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記タッチ制御構造は、タッチ制御エリアと周囲エリアとを含み、前記第2導電層パターンは前記周囲エリアに形成されている。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第1導電層パターンは前記タッチ制御エリアと前記周囲エリアに形成され、前記第1導電層パターンの前記タッチ制御エリアに形成される部分は、第1方向に沿って形成され、互いに間隔を置いた第1センシング電極を複数含む第1センシング線パターンと、第2方向に延び、前記第1センシング電極の間を通過する第2センシング線パターンと、を含み、前記第2導電層パターン及び前記第2導電層パターンの前記周囲エリアに形成される部分は、前記周囲エリアにおいて第1センシング線パターン及び第2センシング線パターンに用いられる導線になる。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、第1保護層を形成し、前記第1保護層に対してパターニングを行って第1保護層パターンを形成するステップをさらに含み、第1保護層パターンは少なくとも一部の前記第1センシング線パターンを露出させる。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第1保護層パターンに貫通孔を形成して前記第1センシング線パターンの一部を露出する。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、第3導電層を形成し、前記第3導電層に対してパターニングを行って第3導電層パターンを形成するステップをさらに含み、前記第3導電層は第1保護層パターン上に形成され、前記第1センシング線パターンの露出した部分によって隣接する前記第1センシング電極を電気的に接続する。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、少なくとも前記第1導電層パターン及び前記第3導電層パターンを覆うように第2保護層を形成し、前記第2保護層に対してパターニングを行って第2保護層パターンを形成するステップをさらに含む。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記第1保護層には、前記第2導電層パターンが露出し、前記第2保護層パターンは、前記第2導電層パターンを覆う。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法においては、前記基板の材質は、ポリシクロオレフィン高分子材料(COP)である。
【0020】
本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造は、上記いずれか一項の方法によって製造される。
【0021】
本開示の実施例の解決手段をより明瞭に説明するために、以下、実施例の図面を簡単に説明するが、勿論、以下の説明における図面は本開示の一部の実施例に関するものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造方法のフロー図である。
図2A】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図2B】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図2C】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図2D】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図3】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の第1導電層パターンの平面模式図である。
図4】本開示の一実施例による別のタッチ制御構造の製造方法のフロー図である。
図5A1】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図5A2】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図5B1】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図5B2】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図5C1】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図5C2】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の製造過程における断面模式図及び平面模式図である。
図6A】本開示の一実施例による別のタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図6B】本開示の一実施例による別のタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図6C】本開示の一実施例による別のタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図6D】本開示の一実施例による別のタッチ制御構造の製造過程における断面模式図である。
図7】本開示の一実施例によるタッチ制御構造の平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態の目的、解決手段及び利点をさらに明確にするように、本開示の実施形態の図面を参照しながら、本開示の実施形態の解決手段を明確かつ完全に説明する。勿論、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、全ての実施形態ではない。説明される本開示の実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる全ての他の実施形態は、いずれも本開示の保護範囲に入る。
【0024】
特別に定義しなければ、本開示に使われる技術用語又は科学用語は本開示の所属分野における一般の従業者が理解できる通常の意味である。本開示に使われる「第1」、「第2」及び類似する用語は、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎず、順番、数量又は重要度を示すものではない。「含む」又は「備える」等の類似する用語は、該用語の前に記載された素子又は部品が該用語の後に挙げられる素子又は部品及びそれらと同等のものをカバーするが、ほかの素子又は物体を排除しないことを意味する。「接続」又は「繋がる」等の類似する用語は、物理的又は機械的な接続に制限されるものではなく、直接接続されるか間接的に接続されるかを問わず、電気的な接続を含むこともできる。「上」、「下」、「左」、「右」等は単に相対位置関係を意味するものであり、説明される対象の絶対位置関係が変わると、当該相対位置関係もそれにつれて変わる可能性がある。
【0025】
タッチ制御構造の製造工程では、通常は基板上に機能層を順に形成してエッチングを行って機能パターンを形成する方式が採用されている。例えば、基板上に第1機能層を形成して第1機能層に対してエッチングを行って第1機能層パターンを形成し、その後、第2機能層を形成して第2機能層に対してエッチングを行って第2機能層パターンを形成し、…。この過程において、露光設備は、第1機能層パターンが形成された後、第1機能層が薄い等の原因で第2機能層をエッチングする際に第1機能層と正確に位置合わせすることができない。これにより、第1機能層パターンと第2機能層パターンの間にずれがあるため、製品の機能及び歩留まりを保証できない。通常は、互いに異なる第1機能層パターンと第2機能層パターンの形成は、例えば二回のパターニングプロセス又は一回のクレーマスクプロセスが必要である。
【0026】
本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、基板上に第1導電層を形成するステップと、前記第1導電層上に第2導電層を形成するステップと、前記第1導電層と前記第2導電層に対してパターニングを行って第1導電層パターンと第2導電層パターンをそれぞれ形成するステップとを含み、前記第2導電層パターンが形成された後に前記第1導電層パターンを形成し、前記第1導電層パターンと前記第2導電層パターンが互いに異なる。
【0027】
前記第1導電層パターンと前記第2導電層パターンは、例えば異なるエリアに形成されるか、少なくとも異なる一部を有するパターン(例えば、異なる配線、電極、接触パッド等)に形成されるか、または、両方が積層構造に形成されるが、異なる幅を有することに設定される、等により、互いに異なっている。
【0028】
本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造は、本開示の実施例によるいずれかの方法で製造される。
【0029】
以下、いくつの具体的な実施例により本開示のタッチ制御構造の製造方法、タッチ制御構造について説明する。
【0030】
静電容量式のタッチ制御構造は、人体の電流誘導を利用して動作させることができるものであり、ユーザーが静電容量式のタッチ制御構造にタッチする場合、人体の電界により、例えば、ユーザーの指とタッチ制御構造の動作面との間に結合容量が形成され、動作面に高周波信号を印加することにより、小さい電流が指によって吸収される。制御装置は、この電流を検知することによって、分析してタッチ位置を得られる。静電容量式のタッチ制御構造は、表面型と投影型である二種類に分けられている。投影型の静電容量式のタッチ制御構造は、自己容量と相互容量である二種類に分けられている。以下、多く見られている相互容量のタッチ制御構造を例として簡単に説明する。
【0031】
相互容量のタッチ制御構造は、通常的に基板上に形成された行方向に延在する複数の電極と列方向に延在する複数の電極を含み、これらの電極の交叉する位置に容量が形成され、つまり、これらの電極が容量の両極をそれぞれ構成する。指は、タッチ制御構造にタッチした際に、接触点の近くにある両極の間における結合状態に影響を与える。それにより、この両極の間における容量値を変化させる。タッチ制御構造の容量変化値のデータ及び各容量の座標位置によって各接触点の座標位置を特定することができる。容量の大きさを検出する場合、行方向に延在する電極が順に励起信号を送信し、すべての列方向に延在する電極が同時にまたは順に信号を受信して、このようにすべての行方向と列方向に延在する電極における交叉点の容量の大きさ、すなわち、タッチ制御構造全体の2次元平面における容量の大きさを得られる。このため、タッチ制御構造には複数の接触点があっても、各接触点の実際な座標位置が算出されうる。
【0032】
本実施例はタッチ制御構造及びその製造方法を提供する。図1は本実施例によるタッチ制御構造の製造方法のフロー図であり、図3は該実施例によるタッチ制御構造の第1導電層パターンの平面模式図であり、図5Cは該タッチ制御構造の平面模式図である。該タッチ制御構造は基板上に形成されている。図1に示されるように、この方法は以下のステップS101~S104を含む。
【0033】
S101:第1導電層を形成する。
本実施例において、図2Aに示されるように、まず基板101上に第1導電層102を形成する。本実施例において、基板101の材質は、ポリマー材料であってもよく、例えばポリシクロオレフィン高分子材料(COP)であってもよく、または基板101の材質はガラス、石英、セラミック等であってもよく、本実施例によっては限定されていない。第1導電層102の材質は、例えば透明導電材料であってもよく、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等であってもよい。第1導電層102は、例えばスパッタリング法または蒸着法で基板101の表面に形成されてもよく、例えば、第1導電層102の材質がインジウムスズ酸化物(ITO)である場合、マグネトロンスパッタまたは化学気相成長等の方法で基板101上に形成されている。
【0034】
本実施例の別の例示において、基板101は、例えば、第1導電層102を既に塗布された材料を直接採用してもよく、例えば、市販される表面を既にITOに塗布されたポリシクロオレフィン高分子材料(COP)を採用してもよい。
【0035】
S102:第2導電層を形成する。
本実施例において、図2Bに示されるように、第1導電層102が形成された後、第1導電層102上に第2導電層103を直接形成する。本実施例において、第2導電層103は、例えば金属層であってもよく、この金属層の材質は、例えば銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金等あってもよい。第2導電層103は、例えばスパッタリング等の方法により第1導電層102の表面に形成されてもよい。
【0036】
S103:第2導電層パターンを形成する。
本実施例において、図2Cに示されるように、第2導電層103が形成された後、第2導電層103に対してパターニングを行って第2導電層パターン1031を形成する。本実施例において、フォトリソグラフィプロセスにより第2導電層103に対してパターニングを行う際に、第2導電層103のみに対してエッチングが機能するのに第1導電層102に対してエッチングが機能しないエッチング液を使用することができる。例えば、第2導電層103が金属層で第1導電層102がインジウムスズ酸化物層(ITO層)である場合、金属層に対してエッチングが機能するのにITOに対してエッチングが機能しない過酸化水素水等であるエッチング液を用いて第2導電層103に対してエッチングを行い、それにより第2導電層パターン1031を得られる。このエッチング液は第1導電層102に対してエッチングが機能しないため、第1導電層102の完全性を保持できる。本実施例において、タッチ制御構造はタッチ制御エリア1と周囲エリア2とを含み、第2導電層パターン1031は周囲エリア2に形成されている。本実施例において、例えば、フォトリソグラフィプロセスによって第2導電層103に対してパターニングを行ってもよく、このフォトリソグラフィプロセスとしては、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング等のステップを含む。
【0037】
S104:第1導電層パターンを形成する。
本実施例において、図2Dに示されるように、第2導電層パターン1031が形成された後、第1導電層102に対してパターニングを行って第1導電層パターンを形成する。本実施例において、例えば、フォトリソグラフィプロセスにより第1導電層102に対してパターニングを行ってもよく、このフォトリソグラフィプロセスとしては、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング等のステップを含む。本実施例において、第1導電層102の材質がインジウムスズ酸化物(ITO)である場合、例えば、王水をエッチング液として第1導電層102に対してエッチングを行って第1導電層パターンを形成する。形成された第2導電層パターン1031について、フォトレジストパターンに覆われることによって保護されることができるため、第1導電層102に対してエッチングを行う過程においてエッチング液からの不利な影響を受けなくなる。
【0038】
本実施例において、フォトリソグラフィプロセスを行う際に、第1導電層パターンと第2導電層パターン1031を位置合わせするために、第2導電層パターン1031またはその一部(例えば、位置合わせのための製作された専用パターン)を位置合わせマークとして第1導電層102に対してエッチングを行って第1導電層パターンを形成する。例えば、フォトリソグラフィプロセスにおける露光プロセスには、露光設備のカメラシステムによって第2導電層パターン1031の所在位置を走査して位置合わせ操作を行ってもよく、又は、第2導電層パターン1031が形成された後、それを基準として位置合わせマークを新たに形成して、この位置合わせマークを利用して露光設備による位置合わせ操作を行って、形成された第1導電層パターンと第2導電層パターン1031とを位置合わせする。
【0039】
本実施例において、第1導電層パターンは、例えば、タッチ制御エリア1と周囲エリア2に形成されてもよく、タッチ制御エリア1に位置するタッチパターンと周囲エリア2に位置する周囲パターン1022を含む。
【0040】
例えば、図3は本実施例による第1導電層パターンの平面模式図であり、図2D図3におけるA-A線の断面模式図である。図3に示されるように、第1導電層パターンのタッチ制御エリアに位置するタッチパターンは、第1方向、例えば、図中のX方向に沿って形成される第1センシング線パターン1021Aと、第2方向、例えば、図中のY方向に沿って延びる第2センシング線パターン1021Bとを含み、第1センシング線パターン1021Aは互いに間隔をおいた第1センシング電極を複数含み、第2センシング線パターン1021Bは第1センシング電極の間を通過する。本実施例において、第1方向と第2方向は互いにほぼ垂直である。
【0041】
なお、明瞭に表示するために、図2Dにおけるタッチ制御エリア1には、第1センシング線パターン1021Aに含まれた二つの第1センシング電極及びこの二つの第1センシング電極の間に位置するY方向に延びる一つの第2センシング線パターン1021Bだけを示している。実際に、第1センシング線パターン1021Aに含まれた第1センシング電極及び第2センシング線パターン1021Bは複数であってもよく、本実施例によっては限定されない。
【0042】
本実施例において、図3に示されるように、第2導電層パターン1031及び第1導電層パターンの周囲エリア2に位置する周囲パターン1022は、例えば第1センシング線パターン1021Aと第2センシング線パターン1021Bの導線になってもよく、第1センシング線パターン1021Aと第2センシング線パターン1021Bとを、タッチ位置を算出する等の機能を実行する制御ユニット100に接続することに用いられている。本実施例において、第1導電層パターンの周囲エリア2に位置する周囲パターン1022の形成位置と第2導電層パターン1031の形成位置が対応しているため、第2導電層パターン1031が形成された後に、第1導電層パターンの周囲パターン1022を得るようにエッチングする際に、第2導電層パターン1031上にフォトレジストが塗布され、それにより第1導電層をエッチングするためのエッチング液が第2導電層パターン1031を腐食することを防止できる。
【0043】
本実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、図4に示されるように、ステップS105~S107をさらに含んでもよい。
【0044】
S105:第1保護層パターンを形成する。
図5A1図5A2は本ステップにおいて形成されるタッチ制御構造の断面模式図及び平面模式図タッチ制御エリアである(そのうち、断面模式図は平面模式図におけるA-A線に沿って切断した図である。明瞭に表示するために、図5A1の断面図におけるタッチ制御エリア1は、第1センシング線パターン1021Aに含まれた二つの第1センシング電極及びこの二つの第1センシング電極の間に位置するY方向に延びる一つの第2センシング線パターン1021Bだけを示している。)。本実施例において、図5A1図5A2に示されるように、第1導電層パターンが形成された後、例えば、さらに、第1導電層パターン上に第1保護層104を形成し、第1保護層104に対してパターニングを行って第1保護層パターンを形成してもよく、第1保護層パターンは少なくとも一部の第1センシング電極を露出させる。例えば、図5A1図5A2に示されるように、第1保護層パターンに貫通孔1041を形成することにより、一部の第1センシング電極1021Aを露出させることができる。本実施例において、第1保護層パターンは、第2導電層パターン1031を覆ってもよく、又は第2導電層パターン1031を露出させてもよい。
【0045】
本実施例において、第1保護層104は例えば有機絶縁層であってもよく、その材質は例えば樹脂等ポリマー材料であってもよく、塗布等の方法により第1導電層パターン上に形成されてもよく、第1保護層104の材質及び具体的な形成方式は本実施例によっては限定されない。本実施例において、例えば、フォトリソグラフィプロセスにより第1保護層104に対してパターニングを行って第1保護層パターンを形成してもよく、このフォトリソグラフィプロセスとしては、フォトレジストの塗布、露光、現像、エッチング等のステップを含む。
【0046】
S106:第3導電層パターンを形成する。
本実施例において、図5B1図5B2に示されるように、第1保護層パターンが形成された後、例えば、さらに、第3保護層105を形成し、第3保護層105に対してパターニングを行って第3導電層パターンを形成してもよい。本実施例において、例えば、フォトリソグラフィプロセスにより第3導電層105に対してパターニングを行って第3導電層パターンを形成してもよい。第3導電層パターンは、例えば、第1保護層パターンの第1センシング線パターン1021A上に形成されてもよく、貫通孔1041によって第1センシング電極が露出された部分に形成され、これにより隣接する第1センシング電極を互いに電気的に接続する。
【0047】
S107:第2保護層パターンを形成する。
本実施例において、図5C1図5C2に示されるように、第3層パターンが形成された後、例えば、第2保護層106をさらに形成して、第2保護層106に対してパターニングを行って第2保護層パターンを形成してもよい。本実施例において、例えば、フォトリソグラフィプロセスにより第2保護層106に対してパターニングを行って第2保護層パターンを形成してもよい。この第2保護層パターンは、例えば第1導電層パターン及び第3導電層パターンを覆ってもよく、例えば、さらに、第2導電層パターン1031を覆ってもよく、これにより各導電層を保護することができ、パターンが酸化されることが防止できる。
【0048】
本実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、第1導電層が形成された後に第2導電層を形成し、その後、まず第2導電層に対してパターニングを行って、その後に第1導電層に対してパターニングを行うステップを含む。それにより、第1導電層パターンと第2導電層パターンとをより正確的に位置合わせすることが実現できる。それにより、第1導電層が薄い等の原因による第1導電層パターンと第2導電層パターンの位置合わせが困難になることを回避できる。
【0049】
本公開の少なくとも一つの実施例による別のタッチ制御構造の製造方法は、同様に上記実施例に含まれるステップS101~S104を含むが、ステップS101~S104に採用された具体的な製造工程である点において上記実施例と異なっている。本実施例によるタッチ制御構造は下記のように製造される。
【0050】
S101:第1導電層を形成する。
本実施例において、図6Aに示されるように、第1導電層202は基板201上に形成されている。第1導電層202の形成方法及び使用材料は上記実施例と同様であるが、本実施例において、第1導電層202が形成された後、すぐに第1導電層202上にフォトレジストの塗布、露光、現像を行って第1フォトレジストパターン2020を形成する点において上記実施例と異なっている。本実施例において、第1フォトレジストパターン2020は、例えば、タッチ制御エリア10に形成されてもよい。第1フォトレジストパターン2020が形成された後、第1導電層202に対してエッチングを行わずに次のステップに進む。
【0051】
S102:第2導電層を形成する。
本実施例において、図6Bに示されるように、第1フォトレジストパターン2020が形成された後、第1導電層202及び第1フォトレジストパターン2020上に第2導電層203を形成する。本実施例において、第2導電層203の形成方法及び使用材料は上記実施例と同様であるため、ここで説明を省略する。
【0052】
S103:第2導電層パターンを形成する。
本実施例において、第2導電層203に対してパターニングを行って第2導電層パターンを得る。本実施例において採用された第2導電層203に対してパターニングを行う方法は上記実施例と異なっている。本実施例において、フォトリソグラフィプロセスによりパターニングを行う際に、第1導電層パターンと第2導電層パターンとを位置合わせするために、ステップS101において形成された第1フォトレジストパターン2020またはその一部(例えば、位置合わせのための形成された専用パターン)を位置合わせマークとして、第2導電層203に対してフォトリソグラフィプロセスを行って第2導電層パターンを得る。例えば、フォトリソグラフィプロセスにおける露光プロセスには、露光設備のカメラシステムにより第1フォトレジストパターン2020の所在位置を走査して位置合わせ操作を行ってもよい。又は、第2導電層202に突出する位置合わせマーク(図示せず)が存在するため、フォトレジストが塗布される際に、フォトレジストには該位置合わせマークに対応する厚さ突出部分が存在するので、この厚さ突出部分を利用して露光設備による位置合わせ操作を行い、後続のプロセスを行って、第1導電層パターンと第2導電層パターンを位置合わせすることが実現できる。
【0053】
本実施例において、図6C及び6Dに示されるように、上記位置合わせ操作によりフォトリソグラフィプロセスを行って第2導電層203に対してフォトレジストの塗布、露光、現像を行って第2フォトレジストパターン2030を形成する。第2フォトレジストパターン2030は、例えば、周囲エリア20に形成されてもよい。第2フォトレジストパターン2030が形成された後、同じエッチング液により第2導電層203に対してエッチングを行って周囲エリア20に位置する第2導電層パターン2031が得られ、且つ、第1フォトレジストパターン2020により第1導電層202に対してエッチングを行って第1センサ線パターン2021Aと、第2センサ線パターン2021Bと、周囲エリア20に位置する周囲パターン2022とを含む第1導電層パターンを得られる。この場合、該エッチング液は、第1導電層202及び第2導電層203に採用された材料の何れに対しても腐食の機能をすべきものである。例えば、本実施例において、第1導電層202がITO透明層で第2導電層203が金属層である場合、このエッチング液は、弱酸性溶液であってもよく、例えば、シュウ酸又はリン酸等を採用してもよく、それにより同一のエッチング液によってITO透明層と金属層の両方に対して同時にエッチングを行うことができる。
【0054】
S104:第1導電層パターンを形成する。
本実施例において、図6Dに示されるように、同一のエッチング液を利用して第2導電層203及び第1導電層202に対してエッチングを行うため、上層に位置する第2導電層パターンが形成された後、又は、エッチング液によって第2導電層203を腐食してから第1導電層202と接触する際に、第1導電層202に対するエッチングを継続して第1導電層パターンを得る。これにより、第2導電層パターン2031と第1導電層パターンは短い時間内で順にまたはほぼ同時に形成されている。
【0055】
本実施例において、タッチ制御構造の製造方法は、もちろん、上記実施例に含まれるステップS105~S107を含んでもよく、すなわち、第1保護層パターン、第3保護層パターン及び第2導電層パターンを形成するステップを含む。これらのステップの操作方法は上記実施例と同じであり、ここで説明を省略する。
【0056】
本実施例の製造方法または上記実施例の製造方法によって略同一のタッチ制御構造を得られる。このタッチ制御構造における各層の導電パターンがより高い精度で位置合わせされるため、タッチの感応が敏感になり、機能性が高くなる。
【0057】
本開示の少なくとも一実施例は、本開示の実施例による何れかのタッチ制御構造の製造方法で製造したタッチ制御構造を提供する。このタッチ制御構造は、例えば静電容量式のタッチスクリーンであってもよく、例えば、表面型または投影型の静電容量式のタッチスクリーンであってもよく、例えば自己容量と相互容量のタッチスクリーンであってもよく、本実施例によってはタッチ制御構造の種類が具体的に限定されない。本実施例によるタッチ制御構造においては、その各層の導電パターンがより高い精度で位置合わせされるため、タッチへの感応が敏感になり、機能性が高くなる。
【0058】
例えば、図7に示されるように、本実施例による相互容量のタッチスクリーンは、基板(図示せず)上においてX方向に沿って形成される第1センシング線パターン3021AとY方向に沿って形成される第2センシング線パターン3021Bとを含み、第1センシング線パターン3021Aは互いに間隔をおいた第1センシング電極を複数含み、第2センシング線パターン3021Bは第1センシング電極の間を通過する連続的なものである。このタッチスクリーンは、第1保護層パターン304と第3導電層パターン305をさらに含む。第1保護層パターン304は、少なくとも第2センシング線パターン3021Bの第1センシング電極の間に対応する部分に位置し、例えば、本実施例において、第1センシング線パターン3021Aと第2センシング線パターン3021Bの表面に形成されると共に第1センシング電極の一部(図示せず)を露出させる。第3導電層パターン305は、第1保護層パターン304上に形成されると共にこの露出部分によって間隔を有して隣接する第1センシング電極を架橋する。これにより、第1センシング線パターン3021Aと第2センシング線パターン3021Bは交叉しており、それらの交叉箇所が第1保護層パターン304によって絶縁であるため、交叉箇所において容量を形成し、第1センシング線パターン3021Aと第2センシング線パターン3021Bそれぞれが二つの容量性の電極を構成する。
【0059】
このタッチスクリーンは、導電となる金属線3031と、第1センシング線パターン3021A及び第2センシング線パターン3021Bと同一層にある周囲パターン3022とをさらに含む。金属線3031と周囲パターン3022は、第1センシング線パターン3021Aと第2センシング線パターン3021Bを、接触点を算出できる等の機能を有する制御ユニット300に接続する。これにより、指がタッチスクリーンにタッチすると、接触点の近くにある両電極の間における結合に影響を与え、両電極の間の容量値を変える。制御ユニット300は、容量変化のデータを受信できると共に、このデータに基づいて各接触点の座標を算出できる。容量の大きさを検出する際に、第1センシング線パターン3021Aが励起信号を送信する電極として順に励起信号を送信し、第2センシング線パターン3021Bが信号を受信する電極として第1センシング線パターン3021Aが励起信号を送信する際に同時に受信する。これにより、制御ユニット300は、全ての第1センシング線パターン3021Aと第2センシング線パターン3021Bの交叉箇所における容量値であるタッチスクリーン全体の2次元平面における容量値を取得でき、ひいてはタッチスクリーンにおける各接触点の座標を算出でき、ひいてはタッチ操作を実現できる。
【0060】
なお、本実施例による相互容量のタッチスクリーンは、各機能層を保護するためのその他の保護層をさらに含んでもよく、本実施例において説明を省略する。
【0061】
本開示のすくなくとも一実施例は本開示の上記実施例における何れかのタッチ制御構造を含む電子装置をさらに提供する。例えば、この電子装置は、表示装置であってもよい。例えば、この表示装置は、アレイ基板及びこのアレイ基板と貼り合わせられる基板(例えば、カラーフィルム基板である)を含む。例えば、タッチ制御構造は、ディスプレーを覆って保護するための保護蓋板に設置されてもよく、保護蓋板において、タッチ制御構造が形成されている一側がディスプレーに向けられる。すなわち、このタッチ制御構造とディスプレーはOGS(One Glass Solution)方式で接合されている。また、例えば、タッチ制御構造は、対向基板のアレイ基板と反対側に設置されてもよく、タッチ制御構造の対向基板と反対側に偏光子が設置されてもよい。すなわち、このタッチ制御構造とディスプレーはOn-Cell(外置式)方式で接合されている。本実施例によっては、タッチ制御構造と電子装置の接合方式が限定されない。
【0062】
本開示の少なくとも一実施例によるタッチ制御構造の製造方法とタッチ制御構造は、以下の少なくとも1項の効果を奏する。
(1)本開示の実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、第1導電層が形成された後に第2導電層を形成し、その後、第2導電層に対してパターニングを行ってから第1導電層に対してパターニングを行うステップを含む。これにより、第2導電パターンと第1導電パターンとをより高い精度で位置合わせすることが実現できる。
(2)本開示の実施例によるタッチ制御構造の製造方法は、第2導電パターンと第1導電パターンとを位置合わせするプロセスをいくつ提供した。実際の生産において場合によって適切なプロセスを選択でき、第2導電パターンと第1導電パターンとをより高い精度で位置合わせすることが実現できるため、製品の歩留まりを高めることができる。
(3)本開示の実施例によるタッチ制御構造は、本開示の実施例によるタッチ制御構造の製造方法によって得られたものである。これにより、各層の導電パターンをより高い精度で位置合わせするので、タッチへの感応が敏感になり、機能性が高くなる。
【0063】
次の点に注意する必要がある。
(1)本発明の実施例の図面中、本発明の実施例に関する構造だけが示され、ほかの構造については通常の設計を参照すればよい。
(2)説明の便宜上、本発明の実施例を説明する図面中、層又は領域の厚さは拡大され、つまり、実際の寸法とは異なる場合がある。なお、例えば、層、膜、領域又は基板のような素子は別の素子の「上」又は「下」に位置すると表現する際、該素子は、別の素子の「上」又は「下」に「直接」位置してもよく、又は中間素子が介してもよい。
(3)矛盾がない限り、本発明の同一実施例及び異なる実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0064】
以上は、本発明の実施形態の例示に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されず、当業者が、本発明に開示された技術範囲を逸脱することなく、容易に想到し得る変更や置換はすべて本発明の保護範囲に属する。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲による保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0065】
1 タッチ制御エリア
2 周囲エリア
10 タッチ制御エリア
20 周囲エリア
100 制御ユニット
101 基板
102 第1導電層
103 第2導電層
104 第1保護層
105 第3導電層
106 第2保護層
202 第2導電層
202 第1導電層
203 第2導電層
300 制御ユニット
304 第1保護層パターン
305 第3導電層パターン
1021 第1センシング線パターン
1021A 第1センシング電極
1021A 第1センシング線パターン
1021B 第2センシング線パターン
1022 周囲パターン
1031 第2導電層パターン
1041 貫通孔
2020 第1フォトレジストパターン
2021A 第1センサ線パターン
2021B 第2センサ線パターン
2022 周囲パターン
2030 第2フォトレジストパターン
2031 第2導電層パターン
3021A 第1センシング線パターン
3021B 第2センシング線パターン
3022 周囲パターン
3031 金属線
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A1
図5A2
図5B1
図5B2
図5C1
図5C2
図6A
図6B
図6C
図6D
図7