(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】形状測定装置、形状測定システム、及び形状測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20221205BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G01B11/25 H
G01B11/24 M
(21)【出願番号】P 2019004547
(22)【出願日】2019-01-15
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高辻 智大
(72)【発明者】
【氏名】片岡 隆之
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-004277(JP,A)
【文献】特開平06-011324(JP,A)
【文献】特開2009-002912(JP,A)
【文献】特開2016-095160(JP,A)
【文献】特開2011-242183(JP,A)
【文献】“ロールベンダーとは|誰でもわかる!板金機械を徹底解説”,工作機械のイロハ,https://www.kousakukikai.tech/bendingroll/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送り方向に送られながら曲げ加工された被測定物の側面視形状を測定する形状測定装置であって、
前記被測定物の主面に所定の線分を投影する光源と、
互いに離れて設置され、前記被測定物の主面をそれぞれ撮像する複数台のカメラを有するステレオカメラと、
前記複数台のカメラそれぞれによって撮像された画像に基づいて
、前記被測定物のうち前記所定の線分が投影された領域の側面視形状を測定する形状測定部と、
を備え、
前記所定の線分は、前記送り方向にそれぞれ延び、互いに異なる2つ以上の線分を含
み、
前記形状測定部は、前記所定の線分を示す点群を前記被測定物上に設定される平面に投影し、前記点群を回転させることによって前記平面上でのばらつきが最小となる点群の側面視形状を測定する、
形状測定装置。
【請求項2】
前記所定の線分は、前記2つ以上の線分が交わる交点を含む、
請求項1に記載の形状測定装置。
【請求項3】
前記形状測定部は、前記投影された領域の前記側面視形状を前記送り方向において2つ以上連ねる、
請求項1又は2に記載の形状測定装置。
【請求項4】
一対のサイドロールと、前記一対のサイドロールそれぞれの軸心を結ぶ線分に対して離接可能なトップロールとを有し、前記一対のサイドロールと前記トップロールとの間を送り方向に送られる被測定物を曲げ加工するベンディング装置と、
前記ベンディング装置によって曲げ加工された被測定物の側面視形状を測定する形状測定装置と、
を備え、
前記形状測定装置は、
前記被測定物の主面に所定の線分を投影する光源と、
互いに離れて設置され、前記被測定物の主面をそれぞれ撮像する複数台のカメラを有するステレオカメラと、
前記複数台のカメラそれぞれによって撮像された画像に基づいて
、前記被測定物のうち前記所定の線分が投影された領域の側面視形状を測定する形状測定部と、
を有し、
前記所定の線分は、前記送り方向にそれぞれ延び、互いに異なる2つ以上の線分を含
み、
前記形状測定部は、前記所定の線分を示す点群を前記被測定物上に設定される平面に投影し、前記点群を回転させることによって前記平面上でのばらつきが最小となる点群の側面視形状を測定する、
形状測定システム。
【請求項5】
送り方向に送られながら曲げ加工された被測定物の側面視形状を測定する形状測定方法であって、
前記被測定物の主面に所定の線分を投影する工程と、
互いに離れて設置され、前記被測定物の主面をそれぞれ撮像する複数台のカメラそれぞれによって撮像された画像に基づいて
、前記被測定物のうち前記所定の線分が投影された領域の側面視形状を測定する工程と、
を備え、
前記所定の線分は、前記送り方向にそれぞれ延び、互いに異なる2つ以上の線分を含
み、
前記側面視形状を測定する工程は、
前記所定の線分を示す点群を前記被測定物上に設定される平面に投影する工程と、
前記点群を回転させることによって前記平面上でのばらつきが最小となる点群を求める工程と、
前記ばらつきが最小となる点群の側面視形状を測定する工程と、
を含む、
形状測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状測定装置、形状測定システム、及び形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、曲げ加工が施された被測定物(板材、管材、及び棒材など)の曲げ径を測定するための装置として、被測定物の両側に配置された3セットの光源及びCCDカメラと、被測定物の湾曲辺上における3点のx、y座標を演算する座標演算手段とを備える曲げ径測定装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
各CCDカメラは、光源からの光を集めるレンズと、レンズを通った光を受けるリニアアレイセンサーとを有する。3セットの光源及びCCDカメラのそれぞれは、光源からリニアアレイセンサーに至る平面と湾曲辺との3つの交差位置のy座標が予め特定されるように配置される。座標演算手段は、リニアアレイセンサーから明暗のイメージ信号を取得し、イメージ信号の二値化信号に基づいて各交差位置のx座標を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の曲げ径測定装置では、各CCDカメラのリニアアレイセンサーの固定位置に応じた3点のx、y座標に基づいて曲げ径が測定されるため、曲げ径の測定精度に限界があるだけでなく、被測定物のうち1箇所の湾曲辺における測定にしか対応できない。また、リニアアレイセンサーが所定位置に正確に固定されていなければ、曲げ径の測定結果に誤差が生じてしまう。
【0006】
本開示は、簡便かつ精度良く被測定物の形状を測定できる形状測定装置、形状測定システム、及び形状測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る形状測定装置は、送り方向に送られながら曲げ加工された被測定物の側面視形状を測定する。形状測定装置は、光源と、ステレオカメラと、形状測定部とを備える。光源は、被測定物の主面に所定の線分を投影する。ステレオカメラは、互いに離れて設置され、被測定物の主面をそれぞれ撮像する複数台のカメラを有する。形状測定部は、複数台のカメラそれぞれによって撮像された画像に基づいて、所定の線分を示す点群の三次元座標を取得し、点群の三次元座標に基づいて、被測定物のうち所定の線分が投影された領域の側面視形状を測定する。所定の線分は、送り方向にそれぞれ延び、互いに異なる2つ以上の線分を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡便かつ精度良く被測定物の形状を測定できる形状測定装置、形状測定システム、及び形状測定方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る形状測定システムの構成を示す模式図である。
【
図2】被測定物の主面への第1及び第2線分の投影状態を示す模式図である。
【
図3】被測定物の側面視形状の測定方法を説明するための模式図である。
【
図4】被測定物の側面視形状を測定する工程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係る形状測定システム100について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る形状測定システム100の構成を示す模式図である。
【0011】
形状測定システム100は、ベンディング装置10と、形状測定装置20とを備える。ベンディング装置10は、被測定物Wを送り方向Dfに送りながら、被測定物Wを曲げ加工する。被測定物Wとしては、板材、管材、及び棒材などを用いることができる。本実施形態に係る被測定物Wは、板材であるものとする。形状測定装置20は、送り方向Dfに送られながら曲げ加工された被測定物Wの側面視形状を測定する。
【0012】
(ベンディング装置10)
ベンディング装置10は、第1サイドロール11、第2サイドロール12、トップロール13、及び送り量検出部14を有する。第1及び第2サイドロール11,12は、本開示に係る「一対のサイドロール」の一例である。
【0013】
第1サイドロール11は、円柱状に形成される。第1サイドロール11は、軸心11aを中心として送り方向Dfにならって回転する。第2サイドロール12は、円柱状に形成される。第2サイドロール12は、第1サイドロール11と平行に配置される。第2サイドロール12は、軸心12aを中心として送り方向Dfにならって回転する。
【0014】
トップロール13は、円柱状に形成される。トップロール13は、第1及び第2サイドロール11,12それぞれと平行に配置される。トップロール13は、軸心13aを中心として送り方向Dfにならって回転する。トップロール13は、第1サイドロール11の軸心11aと第2サイドロール12の軸心12aとを結ぶ線分Laに対して離接可能に設けられる。トップロール13は、線分Laに対して垂直に移動可能であってもよい。
【0015】
一対のサイドロール11,12とトップロール13との間に配置された被測定物Wにトップロール13を押しつけた状態で被測定物Wを送り方向Dfに送ることによって、被測定物Wがロール状に曲げ加工される。
【0016】
送り量検出部14は、送り方向Dfに送られる被測定物Wの送り量を検出する。送り量検出部14は、ローラ14a及びロータリーエンコーダ14bを含む。ローラ14aは、送り方向Dfに送られる被測定物Wとともに回転する。ロータリーエンコーダ14bは、ローラ14aの回転量を検出する。ロータリーエンコーダ14bは、検出したローラ14aの回転量を形状測定装置20に出力する。
【0017】
(形状測定装置20)
形状測定装置20は、光源21、ステレオカメラ23、及び形状測定部25を備える。
【0018】
光源21は、第1レーザ光源21a及び第2レーザ光源21bを有する。
図2に示すように、第1レーザ光源21aは被測定物Wの主面Wsに第1線分L1を投影し、第2レーザ光源21bは被測定物Wの主面Wsに第2線分L2を投影する。第1及び第2線分L1,L2は、本発明に係る「所定の線分」の一例である。第1及び第2線分L1,L2は、送り方向Dfにそれぞれ延び、互いに異なる線分である。本実施形態において、第1及び第2線分L1,L2のそれぞれは、送り方向Df及び送り方向Dfに垂直な幅方向それぞれに延びる。本実施形態において、第1及び第2線分L1,L2は、交点M1において交差する。
【0019】
ステレオカメラ23は、第1カメラ23a及び第2カメラ23bを有する。第1及び第2カメラ23a,23bは、互いに離れて設置される。第1及び第2カメラ23a,23bは、主面Wsから等距離に配置される。第1及び第2カメラ23a,23bそれぞれは、被測定物Wの主面Wsの等距離射影画像を撮像する。第1カメラ23aは、撮像した等距離射影画像を示す第1等距離射影画像データを形状測定部25に出力し、第2カメラ23bは、撮像した等距離射影画像を示す第2等距離射影画像データを形状測定部25に出力する。
【0020】
形状測定部25は、光源制御部26、カメラ制御部27、三次元座標取得部28、及び画像処理部29を有する。
【0021】
光源制御部26は、被測定物Wが送り方向Dfにおいて所定量送られるごとに、光源21に第1及び第2線分L1,L2を被測定物Wの主面Wsに投影させる。カメラ制御部27は、光源21が第1及び第2線分L1,L2を被測定物Wの主面Wsに投影させるごとに、ステレオカメラ23に第1及び2等距離射影画像を撮像させる。本実施形態では、被測定物Wが送り方向Dfに所定量送られるごとに、被測定物Wは一旦停止されるものとする。
【0022】
三次元座標取得部28は、ステレオカメラ23から第1及び2等距離射影画像データを取得する。三次元座標取得部28は、第1及び2等距離射影画像データに基づいて、第1及び第2線分L1,L2を示す点群の三次元座標を取得する。この際、三次元座標取得部28は、画像上で最も輝度の高いラインを第1及び第2線分L1,L2として抽出することができる。この点群の三次元座標は、
図2に示すx軸、y軸、及びz軸によって規定される。
z軸は、平面視した被測定物Wの送り方向Dfに対応する。
x軸は、被測定物Wの幅方向に対応する。幅方向とは、被測定物Wの主面Wsを平面視した場合に、送り方向Dfに対して垂直な方向である。
y軸は、第1カメラ23aの光軸と第2カメラ23bの光軸とに平行、かつ、それらの中央に位置する直線に対応する。
【0023】
画像処理部29は、第1及び第2線分L1,L2を示す点群の三次元座標を参照して、z座標の最小値及び最大値と、x座標の最小値及び最大値とを取得する。画像処理部29は、z座標の最小値から最大値までz軸方向に走査することによって、点群に含まれる2点が走査線上に存在するかどうか判定する。画像処理部29は、x座標の最小値から最大値に達するまで、z軸方向における走査を繰り返す。これにより、画像処理部29は、走査線上に1点のみが存在する箇所を特定する。本実施形態では、第1及び第2線分L1,L2がX字形であるため、走査線上に1点のみが存在する箇所とは、交点M1のことである。
【0024】
画像処理部29は、交点M1を通るZ軸、X軸、及びY軸を設定する。Z軸、X軸、及びY軸は、それぞれ送り方向Df、幅方向、及び光軸方向に対応する。
【0025】
画像処理部29は、点群をX軸周りに回転させずにZ-X平面に投影し、Z-X平面上における点群のばらつきを計算する。続いて、画像処理部29は、点群をX軸周りに一定角度回転させた後にZ-X平面に再度投影し、Z-X平面上における点群のばらつきを計算することをX軸周りに100度程度回転するまで繰り返し、Z-X平面上でのばらつきが最小値をとるときのX軸周りの角度を記憶する。
【0026】
また、画像処理部29は、点群をY軸周りに回転させずにZ-Y平面に投影し、Z-Y平面上における点群のばらつきを計算する。続いて、画像処理部29は、点群をY軸周りに一定角度回転させた後にZ-Y平面に再度投影し、Z-Y平面上における点群のばらつきを計算することをY軸周りに100度程度回転するまで繰り返し、Z-Y平面上でのばらつきが最小値をとるときのY軸周りの角度を記憶する。
【0027】
画像処理部29は、
Z-
X平面上でのばらつきが最小値をとるときの
X軸周りの角度、かつ、
Z-
Y平面上でのばらつきが最小値をとるときの
Y軸周りの角度に、点群を回転させることによって、各平面上でのばらつきが最小となる点群を求める。このように求められた点群は、
図3に示すように、元の点群を側面視した点群である。そして、画像処理部29は、側面視した点群を
Z-
X平面に投影して、点群の側面視形状を測定する。続いて、画像処理部29は、点群の側面視形状に基づいて点群の曲率を測定する。この点群の形状は、被測定物Wのうち第1及び第2線分L1,L2が投影された送り方向の領域(以下、「線分投影領域」という。)の側面視形状である。また、点群の曲率は、被測定物Wのうち線分投影領域の曲率である。
【0028】
以上のように、画像処理部29は、被測定物Wが送り方向Dfにおいて所定量送られるごとに、被測定物Wのうち線分投影領域の側面視形状及び曲率を測定する。そして、画像処理部29は、線分投影領域の側面視形状を送り方向Dfに2つ以上連ねることができる。この際、画像処理部29は、送り量検出部14から取得する被測定物Wの送り量を参照して、2つ以上の線分投影領域の側面視形状の連結点を正確に把握することができる。
【0029】
(形状測定方法)
次に、形状測定装置20における形状測定方法について、図面を参照しながら説明する。
図4は、被測定物Wの側面視形状を測定する工程を説明するためのフローチャートである。
【0030】
ステップS1において、光源制御部26は、被測定物Wの送りが停止すると、光源21に第1及び第2線分L1,L2を被測定物Wの主面Wsに投影させる。
【0031】
ステップS2において、カメラ制御部27は、ステレオカメラ23に第1及び2等距離射影画像を撮像させる。
【0032】
ステップS3において、三次元座標取得部28は、第1及び2等距離射影画像を示す第1及び2等距離射影画像データに基づいて、第1及び第2線分L1,L2を示す点群の三次元座標を取得する。
【0033】
ステップS4において、画像処理部29は、点群の三次元座標に基づいて、被測定物Wのうち第1及び第2線分L1,L2が投影された線分投影領域の側面視形状を測定する。具体的には、線分投影領域の側面視形状を測定する工程は、点群を被測定物W上に設定されるZ-X平面及びZ-Y平面に投影する工程と、点群を回転させて、Z-X平面上及びZ-Y平面上でばらつきが最小となる点群を求める工程と、ばらつきが最小となる点群の側面視形状を測定する工程とを含む。
【0034】
(特徴)
本実施形態に係る形状測定装置20は、送り方向Dfに送られながら曲げ加工された被測定物Wの側面視形状を測定する。形状測定装置20は、光源21と、ステレオカメラ23と、形状測定部25とを備える。光源21は、第1及び第2線分L1,L2を被測定物Wの主面Wsに投影する。ステレオカメラ23は、互いに離れて設置され、被測定物Wの主面Wsをそれぞれ撮像する第1及び第2カメラ23a,23bを有する。形状測定部25は、第1及び第2カメラ23a,23bそれぞれによって撮像された第1及び第2等距離射影画像に基づいて、第1及び第2線分L1,L2を示す点群の三次元座標を取得し、点群の三次元座標に基づいて、被測定物Wのうち第1及び第2線分L1,L2が投影された線分投影領域の側面視形状を測定する。第1及び第2線分L1,L2のそれぞれは、送り方向Dfに延び、互いに異なる線分である。
【0035】
本実施形態に係る形状測定装置20では、送り方向Dfにそれぞれ延び、互いに異なる第1及び第2線分L1,L2が利用されているため、被測定物Wのうち線分投影領域の側面視形状を、簡便かつ精度良く測定することができる。よって、本実施形態に係る形状測定装置20によれば、湾曲加工であるか屈曲加工であるかに関わらず、線分投影領域に施された曲げ加工の度合いを正確に把握できる。また、本実施形態に係る形状測定装置20によれば、側面視形状を自動的に短時間で測定できるだけでなく、例えば作業者が目視にて曲げ度合いを確認する場合に比べて安全性も担保できる。
【0036】
本実施形態において、第1及び第2線分L1,L2は、両者が交わる交点M1を含む。そのため、上述したように、交点M1を基準として、第1及び第2線分L1,L2を示す点群をX軸周り及びY軸周りに回転させることができるため、点群を側面視した状態を簡便かつ迅速に把握できる。
【0037】
本実施形態において、形状測定部25は、線分投影領域の側面視形状を送り方向において2つ以上連ねることができる。よって、被測定物Wが長物であったとしても、被測定物Wの全体的な側面視形状を測定できる。
【0038】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
上記実施形態では、「所定の線分」の一例として、送り方向Df及び幅方向それぞれに延び、X字形に交差する第1及び第2線分L1,L2を挙げたが、これに限られない。「所定の線分」は、送り方向Dfにそれぞれ延び、互いに異なる線分を2つ以上含んでいればよい。よって、「所定の線分」は、送り方向Dfにそれぞれ平行に延び、互いに離れた2つの線分を含んでいてもよい。また、「所定の線分」に含まれる2つ以上の線分は、それぞれ直線でなくてもよいし、互いに連結されて実質的に1つの線分になっていてもよい。従って、「所定の線分」は、円形、楕円形、V字形、多角形、波線、ジグザグ線、又は、その他の複雑形状であってもよい。なお、「所定の線分」が、円形などの実質的に1つの線分である場合、光源は1つだけ設けられていればよい。
【0040】
上記実施形態において、「所定の線分」は、被測定物Wの両主面のうち凸状の主面に投影されることとしたが、凹状の主面(主面Wsの裏面)に投影されてもよい。
【0041】
上記実施形態において、ベンディング装置10は、送り量検出部14としてローラ式のロータリーエンコーダを有することとしたが、これに限られない。送り量検出部14としては、例えばレーザ光ドップラー方式の速度センサーを用いることができる。
【0042】
上記実施形態において、ステレオカメラ23は2台のカメラを有しているとしたが、3台以上のカメラを有してもよい。ステレオカメラ23は視差により奥行き方向の情報を得ることのできるカメラを意味し、複数台のカメラを有してもよい。ステレオカメラ23を構成する複数台のカメラは、1つの筐体に収納されている必要はない。
【0043】
上記実施形態において、ステレオカメラ23が有する第1のカメラ23aと第2のカメラ23bは等距離射影画像を出力していたが、出力は透視投影画像であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
100 形状測定システム
10 ベンディング装置
11 第1サイドロール
12 第2サイドロール
13 トップロール
14 送り量検出部
20 形状測定装置
21 光源
23 ステレオカメラ
25 形状測定部
26 光源制御部
27 カメラ制御部
28 三次元座標取得部
29 画像処理部
W 被測定物
Ws 主面
L1 第1線分
L2 第2線分
Df 送り方向