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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ロードセル
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/22 20060101AFI20221205BHJP
   G01L 3/10 20060101ALI20221205BHJP
   G01L 5/1627 20200101ALI20221205BHJP
【FI】
G01L1/22 F
G01L1/22 M
G01L3/10 311
G01L5/1627
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019043992
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020148496
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000105659
【氏名又は名称】日本電産コパル電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 嵩幸
(72)【発明者】
【氏名】熊 四輩
(72)【発明者】
【氏名】大竹 ありさ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-172983(JP,A)
【文献】特開2010-101678(JP,A)
【文献】特開2017-203645(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0180574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/22
G01L 3/10
G01L 5/1627
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1切り欠き部を有する第1構造体と、
複数の第2切り欠き部を有する第2構造体と、
前記第1構造体と前記第2構造体とを接続する第3構造体と、
歪センサが設けられ、第1端部が前記第1構造体の複数の前記第1切り欠き部にそれぞれ挿入され、第2端部が前記第2構造体の複数の前記第2切り欠き部に挿入される複数の起歪体と、
複数の前記第1切り欠き部内にそれぞれ圧入され、前記起歪体の前記第1端部を前記第1構造体に固定させ、第1ストッパを有する複数の第1ブロックと、
複数の前記第2切り欠き部内にそれぞれ圧入され、前記起歪体の前記第2端部を前記第2構造体に固定させ、前記第1ストッパから所定距離離間された第2ストッパを有する複数の第2ブロックと、
を具備することを特徴とするロードセル。
【請求項2】
前記第1ブロック及び前記第2ブロックの幅は、前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部の幅より広いことを特徴とする請求項1記載のロードセル。
【請求項3】
前記第1構造体は円筒形であり、前記第2構造体は、前記第1構造体と同心状に配置された円筒形であることを特徴とする請求項2記載のロードセル。
【請求項4】
前記第2ストッパは、前記第1ストッパに対して、前記第1、第2構造体の円周方向に離間されることを特徴とする請求項3記載のロードセル。
【請求項5】
前記第1ストッパは、前記第2構造体の方向に延出され、前記第1、第2構造体の円周方向に離間された一対の第1ストッパ部材を有し、前記第2ストッパは、前記第1構造体の方向に延出され、一対の前記第1ストッパ部材の相互間に配置された第2ストッパ部材を具備することを特徴とする請求項4記載のロードセル。
【請求項6】
前記第2ストッパは、前記第1ストッパに対して、前記第1、第2構造体の軸心方向に離間されることを特徴とする請求項3記載のロードセル。
【請求項7】
前記第1ストッパは、前記第2構造体の方向に延出され、前記第1、第2構造体の軸心方向に離間された一対の第1ストッパ部材を有し、前記第2ストッパは、前記第1構造体の方向に延出され、一対の前記第1ストッパ部材の相互間に配置された第2ストッパ部材を具備することを特徴とする請求項6記載のロードセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、力やトルクを検出することが可能なロードセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ロードセルは、例えば力を受ける起歪体と、起歪体に設けられた歪センサとしての歪ゲージと、起歪体が固定される構造体を用いて構成される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-172983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
起歪体は、例えば構造体にボルトを用いて固定される。しかし、ロードセルの小型化に伴い、起歪体をボルトにより構造体に固定することが困難となっており、構造体に対する起歪体の位置を高精度に保持することが困難となっている。
【0005】
構造体に対して起歪体が高精度に固定されていない場合、歪ゲージにおいて、歪と電気抵抗の変化との比率としてのゲージファクタが小さくなり、例えば弱い力を正確に検出することが困難となるなどの問題がある。
【0006】
本実施形態は、起歪体を本体に対して高精度に固定することが可能なロードセルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態のロードセルは、複数の第1切り欠き部を有する第1構造体と、複数の第2切り欠き部を有する第2構造体と、前記第1構造体と前記第2構造体とを接続する第3構造体と、歪センサが設けられ、第1端部が前記第1構造体の複数の前記第1切り欠き部にそれぞれ挿入され、第2端部が前記第2構造体の複数の前記第2切り欠き部に挿入される複数の起歪体と、複数の前記第1切り欠き部内にそれぞれ圧入され、前記起歪体の前記第1端部を前記第1構造体に固定させ、第1ストッパを有する複数の第1ブロックと、複数の前記第2切り欠き部内にそれぞれ圧入され、前記起歪体の前記第2端部を前記第2構造体に固定させ、前記第1ストッパから所定距離離間された第2ストッパを有する複数の第2ブロックと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るロードセルを示す平面図。
図2図1のII-II線に沿った断面図。
図3図1の一部を分解して示す斜視図。
図4】第1実施形態に適用される起歪体及び歪センサの一例を示す平面図。
図5】第2実施形態に係るロードセルを示す斜視図。
図6図5の一部を分解して示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。図面において、同一部分には、同一符号を付している。
【0010】
(第1実施形態)
図1乃至図4は、第1実施形態に係るロードセル10を示している。
ロードセル10は、本体としての第1構造体11、第2構造体12及び第3構造体13と、第1センサチップを構成する第1起歪体14、第2センサチップを構成する第2起歪体15、例えば2つの第1ブロック16a、16b、及び2つの第2ブロック17a、17bを具備している。
【0011】
第1構造体11、第2構造体12及び第3構造体13は、金属例えばステンレススチール(SUS)により一体的に構成されている。しかし、構造体の材料は、SUSに限定されるものではなく、鉄、アルミニウム、樹脂などの材料を使用することも可能である。
【0012】
第1構造体11及び第2構造体12は、例えば円筒であり、第2構造体12は、第1構造体11の内側で、第1構造体11と同心状に配置されている。すなわち、第1構造体11と第2構造体12は、中心軸を共有している。
【0013】
図2図3に示すように、第3構造体13は、第1構造体11と第2構造体12の軸心に沿った方向のほぼ中間部において、第1構造体11と第2構造体12とを接続する。第3構造体13は、弾性を有しており、第2構造体12は、第1構造体11に対して、軸心に沿った方向(図1、2に示す矢印Z方向)及び軸心回り方向(図2に示す矢印T方向)に移動可能とされている。
【0014】
第1構造体11は、直径方向に例えば2つの第1切り欠き部11a、11bを具備し、第2構造体12も、直径方向に例えば2つの第2切り欠き部12a、12bを具備している。第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bは、例えば凹字状である。第1切り欠き部11a、11bにより、第1構造体11の内側と外側が連通され、第2切り欠き部12a、12bにより、第2構造体12の内側と外側が連通されている。
【0015】
第1構造体11及び第2構造体12は、必ずしも円筒形である必要はなく、第3構造体13により互いに接続され、第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bを具備する構成であれば、例えば直方体であってもよい。
【0016】
第1起歪体14は、第1構造体11の第1切り欠き部11a内と、第2構造体12の第2切り欠き部12a内に挿入される。すなわち、第1起歪体14の第1端部は、第1切り欠き部11a内に配置され、第2端部は、第2切り欠き部12a内に配置される。
【0017】
第2起歪体15は、第1構造体11の第1切り欠き部11b内と、第2構造体12の第2切り欠き部12b内に挿入される。すなわち、第2起歪体15の第1端部は、第1切り欠き部11b内に配置され、第2端部は、第2切り欠き部12b内に配置される。
【0018】
第1起歪体14及び第2起歪体15は、例えばSUSにより構成されている。第1起歪体14及び第2起歪体15の厚みは、例えば第3構造体13の厚みより薄く、後述するように、第2構造体12が第1構造体11に対して移動した場合、変形可能とされている。
【0019】
第1構造体11の第1切り欠き部11a内には、第1ブロック16aが設けられ、第2構造体12の第2切り欠き部12a内には、第2ブロック17aが設けられる。さらに、第1構造体11の第1切り欠き部11b内には、第1ブロック16bが設けられ、第2構造体12の第2切り欠き部12b内には、第2ブロック17bが設けられる。
【0020】
第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bは、第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bの形状に対応した例えば直方体であり、例えば第1構造体11、第2構造体12、第3構造体13と同様の材料、又は、硬質のゴムにより製造されている。
【0021】
図3に示すように、第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bの幅W1は、第1構造体11の第1切り欠き部11a、11b、及び第2構造体12の第2切り欠き部12a、12bの幅W2より僅かに広い(W1>W2)。このため、第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bは、第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bにそれぞれ圧入される。
【0022】
第1起歪体14の第1端部は、第1ブロック16aにより第1切り欠き部11a内の例えば上面、すなわち第1構造体11に圧接される。第1起歪体14の第2端部は、第2ブロック17aにより第2切り欠き部12a内の例えば上面、すなわち第2構造体12に圧接される。
【0023】
第2起歪体15の第1端部は、第1ブロック16bにより第1切り欠き部11b内の例えば上面、すなわち第1構造体11に圧接される。第2起歪体15の第2端部は、第2ブロック17bにより第2切り欠き部12b内の例えば上面、すなわち第2構造体12に圧接される。
【0024】
第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bの幅W2は、第1起歪体14及び第2起歪体15の幅W3とほぼ等しいか僅かに大きい(W2≧W3)。このため、第1、第2起歪体14、15は、第1切り欠き部11a、11b、及び第2切り欠き部12a、12b内において、第1構造体11及び第2構造体12の円周方向に移動しないように規制される。
【0025】
第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bの形状は、直方体に限らず、第1切り欠き部11a、22b、第2切り欠き部12a、12bに圧入可能で、第1、第2起歪体14、15の第1、第2端部に面接触又は線接触し、第1、第2端部を押圧可能な形状であればよい。
【0026】
第1ブロック16a、16bは、第1ストッパST11、ST12をそれぞれ有し、第2ブロック17a、17bは、第2ストッパST13、ST14をそれぞれ有している。
【0027】
第1ストッパST11は、第1ストッパ部材16a-1、16a-2を有し、第1ストッパST12は、第1ストッパ部材16b-1、16b-2を有している。第1ストッパ部材16a-1、16a-2は、第1ブロック16aから第2構造体12の方向に延出され、第1ストッパ部材16b-1、16b-2は、第1ブロック16bから第2構造体12の方向に延出されている。
【0028】
第1ストッパ部材16a-1と第1ストッパ部材16a-2、及び第1ストッパ部材16b-1と第1ストッパ部材16b-2は、それぞれ第1構造体11及び第2構造体12の円周方向に所定距離離間されている。換言すると、第1ストッパ部材16a-1と第1ストッパ部材16a-2は、例えばトルクの印加方向(図2に示す矢印T方向)に所定距離離間され、第1ストッパ部材16b-1と第1ストッパ部材16b-2も、トルクの印加方向に所定距離離間されている。
【0029】
第2ストッパST13、ST14は、第2ストッパ部材17a-1、17b-1をそれぞれ有している。第2ストッパ部材17a-1は、第2ブロック17aから第1構造体11の方向に延出され、第1ストッパ部材16a-1、16a-2の相互間に配置される。第2ストッパ部材17b-1は、第2ブロック17bから第1構造体11の方向に延出され、第1ストッパ部材16b-1、16b-2の相互間に配置される。
【0030】
第1ストッパ部材16a-1、16a-2と第2ストッパ部材17a-1との間の距離、及び第1ストッパ部材16b-1、16b-2と第2ストッパ部材17b-1との間の距離は、ロードセル10にトルク方向の定格荷重が印加されたとき、第1構造体11と第2構造体12が相対的に移動する距離と等しくされている。このため、ロードセル10に定格荷重以上のトルクが印加された場合、第1ストッパ部材16a-1、16a-2、16b-1、16b-2のいずれかが第2ストッパ部材17a-1、17b-1に当接され、第1、第2起歪体14、15の破壊が防止される。
【0031】
第1ストッパST11、ST12の形状は、上記に限定されるものではなく、図3の破線内に示すように、変形可能である。すなわち、第1ストッパST11は、第2ストッパST13と同時に、1つのストッパ部材により構成されている。第1ストッパST11と第2ストッパST13との間の距離は、上記と同様である。
【0032】
図4は、第1起歪体14及び第2起歪体15の構成を概略的に示している。
第1起歪体14の表面には、歪センサ(歪ゲージ)としての例えば薄膜抵抗体R1、R2が配置され、第2起歪体15の表面には、歪センサとしての例えば薄膜抵抗体R3、R4が配置される。薄膜抵抗体R1~R4は、第1、第2起歪体14、15において大きな歪が発生する位置に配置される。具体的には、薄膜抵抗体R1~R4は、第1、第2起歪体14、15の長手方向中央部より、第2構造体12側に配置される。
【0033】
薄膜抵抗体R1~R4は、例えば図示せぬホイートストンブリッジ回路を構成し、このブリッジ回路より、ロードセルの出力信号が出力される。ブリッジ回路の構成は適宜変更可能である。
【0034】
図2に示すように、ロードセル10に外部から矢印Z方向の力が印加され、第1構造体11に対して第2構造体12が軸心に沿った方向に移動すると、第1起歪体14及び第2起歪体15が変形する。これにより、薄膜抵抗体R1~R4が圧縮又は伸張され、抵抗値が変化すると、ブリッジ回路から印加された力に応じた電気信号がセンサ出力として発生される。
【0035】
第1実施形態の場合、ロードセル10は、第1ストッパST11、ST12、及び第2ストッパST13、ST14を具備しているため、ロードセル10をトルクセンサとして機能させることも可能である。
【0036】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によれば、第1構造体11は、第1切り欠き部11a、11bを有し、第2構造体12は、第2切り欠き部12a、12bを有している。第1起歪体14の第1端部は、第1切り欠き部11a内に圧入された第1ブロック16aにより、第1構造体11に密着して固定され、第2端部は、第2切り欠き部12a内に圧入された第2ブロック17aにより、第2構造体12に密着して固定される。また、第2起歪体15の第1端部は、第1切り欠き部11b内に圧入された第1ブロック16bにより、第1構造体11に密着して固定され、第2端部は、第2切り欠き部12b内に圧入された第2ブロック17bにより、第2構造体12に密着して固定されている。このため、ボルトを用いて起歪体を固定する場合に比べて、ロードセル10を小型化することが可能であり、第1構造体11及び第2構造体12が小型化された場合においても、第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bによって、第1起歪体14及び第2起歪体15を第1構造体11及び第2構造体12に確実且つ高精度に固定することができる。したがって、ロードセル10に弱い力が印加された場合においても、印加された力を高精度に検出することが可能である。
【0037】
また、本実施形態によれば、第1切り欠き部11a、11b内に第1ブロック16a、16bを圧入し、第2切り欠き部12a、12b内に第2ブロック17a、17bを圧入することにより、第1起歪体14及び第2起歪体15を第1構造体11及び第2構造体12に固定することができる。したがって、第1構造体11及び第2構造体12が小型化された場合においても、ボルトを用いる場合に比べて、製造が容易であり、製造コストを低廉化することが可能である。
【0038】
さらに、第1ブロック16a、16bは、第1切り欠き部11a、11b内に圧入され、第2ブロック17a、17bは、第2切り欠き部12a、12b内に圧入される。このため、第1ブロック16a、16bは第1切り欠き部11a、11b内に密着され、第2ブロック17a、17bは、第2切り欠き部12a、12b内に密着される。したがって、第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bは、第1切り欠き部11a、11b及び第2切り欠き部12a、12bを密閉するパッキンとして機能し、ロードセル10内に塵埃や水分が侵入することを防止できる。
【0039】
また、第1ブロック16a、16bは、第1ストッパST11、ST12をそれぞれ具備し、第2ブロック17a、17bは、第1ストッパST11、ST12からそれぞれトルクの印加方向に所定距離離間した第2ストッパST13、ST14をそれぞれ具備している。このため、ロードセル10に定格荷重を超えるトルク方向の力や図1に示す矢印X方向の並進力が印加された場合において、第1起歪体14、第2起歪体15を保護することが可能である。
【0040】
尚、起歪体の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は、3つ以上であってもよい。
【0041】
起歪体に設けられる歪ゲージの数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は4つでもよく、歪ゲージの種類は薄膜抵抗体に限定されるものではない。
【0042】
(第2実施形態)
図5図6は、第2実施形態に係るロードセル10を示している。
第1実施形態に係るロードセル10は、トルク方向の力に対して第1、第2起歪体14、15を保護する第1、第2ストッパST11~ST14を具備している。これに対して、第2実施形態に係るロードセル10は、トルク方向以外の力に対して第1、第2起歪体14、15を保護する第1、第2ストッパST21~ST24を具備している。
【0043】
第1ストッパST21は、第1ストッパ部材16a-3、16a-4を有し、第1ストッパST22は、第1ストッパ部材16b-3、16b-4を有している。第1ストッパ部材16a-3、16a-4は、第1ブロック16aから第2構造体12の方向に延出され、第1ストッパ部材16b-3、16b-3は、第1ブロック16bから第2構造体12の方向に延出されている。
【0044】
第1ストッパ部材16a-3と第1ストッパ部材16a-4、及び第1ストッパ部材16b-3と第1ストッパ部材16b-4は、それぞれ第1構造体11及び第2構造体12の軸に沿った方向に所定距離離間されている。換言すると、第1ストッパ部材16a-3と第1ストッパ部材16a-4は、図2に示す矢印Z方向に所定距離離間され、第1ストッパ部材16b-3と第1ストッパ部材16b-4も、矢印Z方向に所定距離離間されている。
【0045】
第2ストッパST23、ST24は、第2ストッパ部材17a-2、17b-2をそれぞれ有している。第2ストッパ部材17a-2は、第2ブロック17aから第1構造体11の方向に延出され、第1ストッパ部材16a-3、16a-4の相互間に配置される。第2ストッパ部材17b-2は、第2ブロック17bから第1構造体11の方向に延出され、第1ストッパ部材16b-3、16b-4の相互間に配置される。
【0046】
第1ストッパ部材16a-3、16a-4と第2ストッパ部材17a-2との間の距離、及び第1ストッパ部材16b-3、16b-4と第2ストッパ部材17b-2との間の距離は、ロードセル10にトルク以外の方向に定格荷重が印加されたとき、第1構造体11と第2構造体12が相対的に移動する距離と等しくされている。このため、ロードセル10に定格荷重以上のトルク以外の力が印加された場合、第1ストッパ部材16a-3、16a-4、16b-3、16b-4のいずれかが第2ストッパ部材17a-2、17b-2に当接され、第1、第2起歪体14、15の破壊が防止される。
【0047】
第1ストッパST21、ST22の形状は、上記に限定されるものではなく、図5の破線内に示すように、変形可能である。すなわち、第1ストッパST21は、第2ストッパST23と同様に、1つのストッパ部材により構成されている。第1ストッパST21と第2ストッパST23との間の距離は、上記と同様である。
【0048】
第2実施形態の場合、ロードセル10は、第1ストッパST21、ST22、及び第2ストッパST23、ST24を具備しているため、ロードセル10を力覚センサとして機能させることも可能である。
【0049】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、第1ブロック16a、16b及び第2ブロック17a、17bにより第1、第2起歪体14、15を高精度に固定することができる。
【0050】
しかも、第1ブロック16a、16bは、第1ストッパST21、ST22をそれぞれ具備し、第2ブロック17a、17bは、第1ストッパST21、ST22からそれぞれ第1、第2構造体の軸方向に所定距離離間した第2ストッパST23、ST24を具備している。このため、ロードセル10に定格荷重を超えるトルク以外の方向の力が印加された場合において、第1起歪体14、第2起歪体15を保護することが可能である。
【0051】
その他、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10…ロードセル、11…第1構造体、11a、11b…第1切り欠き部、12…第2構造体、12a、12b…第2切り欠き部、13…第3構造体、14…第1起歪体、15…第2起歪体、16a、16b…第1ブロック、17a、17b…第2ブロック、ST11、ST12、ST21、ST22…第1ストッパ、ST13、ST14、ST23、ST24…第2ストッパ、16a-1~16a-4、16b-1~16b-4…第1ストッパ部材、17a-1、17b-1、17a-2、17b-2…第2ストッパ部材、R1~R4…薄膜抵抗体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6