(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 332Z
A63F7/02 325A
A63F7/02 333Z
(21)【出願番号】P 2019052329
(22)【出願日】2019-03-20
【審査請求日】2021-05-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】久保田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】杉山 純也
(72)【発明者】
【氏名】田村 純一
【審査官】小泉 早苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-005554(JP,A)
【文献】特開2016-140427(JP,A)
【文献】特開2016-129563(JP,A)
【文献】特開2019-34069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの抽選に関する設定値を設定可能な設定手段と、
第1の可動体の変位を制御する第1の制御手段と、
第2の可動体の変位を制御する第2の制御手段と、
所定の入賞口への遊技球の入球又は遊技者による所定の操作に基づいて、遊技価値を付与する付与手段と、を備え、
前記遊技の進行が可能な遊技可能状態、又は前記設定値の設定に関連した異常により前記遊技の進行が不可となる遊技不可状態になり得るとともに、
前記設定値を確認可能な状態においても前記遊技不可状態となり、所定条件の成立に基づいて、エラーが発生する遊技機であって、
前記遊技不可状態においては、発生し得るエラーのうち、特定のエラーの発生を検出可能であ
り、
前記第1の可動体は、第1の位置と第2の位置との間を変位可能に制御され、
前記第1の制御手段は、前記遊技不可状態において、前記第1の可動体を前記第1の位置へ変位させる制御を実行可能であり、
前記第2の制御手段は、前記遊技不可状態において、前記第2の可動体を変位させず、
前記付与手段は、前記遊技不可状態において、当該遊技不可状態となる前の所定の入賞口への遊技球の入球に基づく遊技価値の付与が可能であり、
前記遊技不可状態中に所定の入賞口へ遊技球が入球した場合、当該遊技不可状態において、当該入球に基づく遊技価値の付与を行わず、
前記遊技不可状態中に遊技者による所定の操作が行われた場合、当該遊技不可状態において、当該操作に基づく遊技価値の付与が可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動入賞口への遊技球の入球を契機に大当たりの抽選を行い、この抽選により大当たりに当選した場合には、遊技領域に設けられた大入賞口が開放される特別遊技を実行するものが知られている。このような遊技機においては、始動入賞口や大入賞口への遊技球の入球に基づいて所定個数の遊技球(賞球)の払い出しが行われ、特別遊技中においては、大入賞口が複数回開放され、この開放中に大入賞口へ遊技球を入球させることで多くの遊技球を獲得することができるようになっている。
このような遊技機においては、たとえば、不測の電断が発生して電源がオンからオフになる際には、遊技の進行に係る各種データを記憶したRAMのバックアップが行われることが一般的であるが、このバックアップに不具合が生じたり、電断から復帰して電源がオフからオンとなった際にRAMに異常が発生したりする等の事態が生じるおそれがある。そして、これらの事態が生じた場合には、遊技の進行に深刻な影響を及ぼすため、遊技球を発射不能に制御して遊技が進行しない遊技不可状態とするようなことが行われている。
また、近年では、上述のような遊技機として、遊技者にとっての有利度を異ならせるために、上述の大当たりの抽選確率が異なるよう定められた複数段階の設定値からいずれかを設定可能なものも知られている(特許文献1参照)。そして、このような遊技機においては、ノイズ等の発生により上述の設定値が設定可能範囲を超える異常値に書き換えられる事態が生じるおそれがあり、このような事態が生じた場合には、公正に遊技を進行させることができないため、上述と同様に、遊技不可状態とするようなことも行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、たとえば、磁石により遊技球を誘導して始動入賞口へ入球させたり、不正な電波の照射により始動入賞口や大入賞口へ遊技球が入球したように各種センサを誤作動させたりすることで遊技球を払い出させるといった不正行為が行われるおそれがある。また、故障により始動入賞口や大入賞口へ想定以上の遊技球が入球し
過剰に遊技球の払い出しが行われてしまうような異常も発生し得る。そこで、上述のような不正行為や異常が検出された場合には、エラーが発生したものとして、所定の報知を行う等のエラー処理が実行されるようになっている。
ここで、上述のような遊技機においては、遊技不可状態になると遊技の進行が停止し、これに併せて、エラーの発生も検出されないようになっていることが一般的である。しかし、遊技不可状態においても、上述の不正行為等により遊技球の払い出しが発生してしまうおそれがあるものの、エラーの発生が検出されないことから上述の不正行為等を認識することができず、セキュリティレベルが低下し、ひいては遊技の公平性を担保できないとのおそれが生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、遊技が進行しない制御状態におけるセキュリティレベルの低下を防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの抽選に関する設定値を設定可能な設定手段と、第1の可動体の変位を制御する第1の制御手段と、第2の可動体の変位を制御する第2の制御手段と、所定の入賞口への遊技球の入球又は遊技者による所定の操作に基づいて、遊技価値を付与する付与手段と、を備え、前記遊技の進行が可能な遊技可能状態、又は前記設定値の設定に関連した異常により前記遊技の進行が不可となる遊技不可状態になり得るとともに、前記設定値を確認可能な状態においても前記遊技不可状態となり、所定条件の成立に基づいて、エラーが発生する遊技機であって、前記遊技不可状態においては、発生し得るエラーのうち、特定のエラーの発生を検出可能であり、前記第1の可動体は、第1の位置と第2の位置との間を変位可能に制御され、前記第1の制御手段は、前記遊技不可状態において、前記第1の可動体を前記第1の位置へ変位させる制御を実行可能であり、前記第2の制御手段は、前記遊技不可状態において、前記第2の可動体を変位させず、前記付与手段は、前記遊技不可状態において、当該遊技不可状態となる前の所定の入賞口への遊技球の入球に基づく遊技価値の付与が可能であり、前記遊技不可状態中に所定の入賞口へ遊技球が入球した場合、当該遊技不可状態において、当該入球に基づく遊技価値の付与を行わず、前記遊技不可状態中に遊技者による所定の操作が行われた場合、当該遊技不可状態において、当該操作に基づく遊技価値の付与が可能であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、設定値に関連して遊技の進行が不可となる遊技不可状態となった場合であっても、特定のエラーの発生については検出可能となっているため、遊技不可状態(遊技が進行しない制御状態)中にセキュリティレベルが低下してしまう事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技が進行しない制御状態におけるセキュリティレベルの低下を防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図5】パチンコ機の主制御基板の外観斜視図である。
【
図6】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図7】パチンコ機の大当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の当たり図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図20】パチンコ機の電断復帰時に設定される制御状態に関する説明図である。
【
図21】パチンコ機の主制御基板における電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図22】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図23】パチンコ機の主制御基板における電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図24】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図25】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図26】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図27】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板における大入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板における一般入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における大当たり抽選処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の主制御基板における普通図柄抽選処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図44】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図45】パチンコ機の主制御基板におけるソレノイド制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図46】パチンコ機の主制御基板における設定関連処理の概略を示すフローチャートである。
【
図47】パチンコ機の発射払出制御基板における払出電断退避処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】パチンコ機の発射払出制御基板における払出メイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】パチンコ機の発射払出制御基板における払出電断復帰時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の発射払出制御基板における払出タイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、
図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う前扉演出ランプDLが設けられており、前扉3の外周における左上部には、種々の色で発光することで、所定の発生条件の成立により生じる種々の状態を報知する状態報知ランプELが設けられている。前扉演出ランプDL及び状態報知ランプELはいずれも、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21及び役物演出装置YSと、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられている。一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄が決定される。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行の可否、特別遊技の終了後に設定される遊技状態等が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、特別遊技の実行等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。この開閉扉18bは、大入賞口18を開放する開位置と、大入賞口18を閉鎖する閉位置との間を変位可能となっている。
そして、常態においては、開閉扉18bが閉位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが閉じられ)大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開位置に位置し(すなわち、開閉扉18bが開き)大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
なお、特に図示していないが、大入賞口18内には、入球した遊技球を大入賞口18の外部(遊技盤11の背面側)へ排出するための大入賞口排出口も設けられている。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄(特に図示しておらず)が変動表示され、各演出図柄の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
役物演出装置YSは、所定の態様で可動することにより演出を行う演出装置である。この役物演出装置YSは、駆動モータMにより、遊技領域12の中央上部に対応する初期位置から、遊技領域12のほぼ中央に対応する可動位置までの範囲内で上下に移動可能となっている。役物演出装置YSは、常態においては初期位置に停留しており、種々のタイミング(たとえば、所定の演出の実行時点等)で、可動位置まで移動する。
【0029】
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。この演出操作装置9は、回転操作が可能な操作ダイヤル9aと押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
【0030】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0031】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0032】
また、遊技盤11の裏面側には、
図4に示すように、後述する設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100が透明箱型の主制御基板ケース150に収納された状態で取り付けられており、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200が透明箱型の発射払出制御基板ケース250に収納された状態で取り付けられており、各種演出を制御する副制御基板300が透明箱型の副制御基板ケース350に収納された状態で取り付けられており、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が透明箱型の遊技球貸出制御基板ケース450に収納された状態で取り付けられている。
【0033】
また、この遊技盤11の裏面側には、各基板に電源を供給するための電源基板600が設けられており、この電源基板600には電源スイッチ650が設けられている。
電源スイッチ650はオン又はオフに切り替えることが可能となっており、電源スイッチ650がオンになると電源基板600から各基板に電源が供給され、電源スイッチ650がオフになると電源基板600から各基板への電源の供給が停止する。
なお、本明細書においては、電源スイッチ650がオンになり電源が供給されることを「電源がオン」になるともいい、電源スイッチ650がオフになり電源の供給が停止することを「電源がオフ」になるともいうものとする。
【0034】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの作動を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は、
図6に示すように、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300、遊技球貸出制御基板400及び電源基板600により構成されている。
また、
図6に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。また、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の信号(情報)をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に送信するための外部情報端子基板500が接続されている。また、各基板には電源基板600が接続されている。
【0035】
(主制御基板100の概要)
主制御基板100は、上述の如く、設定値やパチンコ機Pの制御状態等を記憶するとともに、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものである。具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
【0036】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり決定乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり決定乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
【0037】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、電源がオンとなっているときには、遊技を実行可能な遊技可能状態、設定されている設定値を確認可能な設定確認状態、設定されている設定値を変更可能な設定変更状態、並びに、遊技の実行、設定値の確認及び変更が不可能な遊技停止状態の4つの制御状態のうちのいずれかに滞在するようになっている。そして、パチンコ機Pの制御状態が設定変更状態であるときに、所定の操作を行うことで、設定されている設定値を変更できる(切り替えることができる)ようになっている。
設定値の記憶や変更、電源がオンとなったときに設定される制御状態等については、後程詳述する。
【0038】
本形態における主制御基板100は、
図5に示すように、長方形板状の基板であって、配線パターンが片面にのみ設けられた片面基板(1層基板)となっている。なお、主制御基板100は、配線パターンが両面に設けられた両面基板(2層基板)を採用してもよい。
【0039】
また、主制御基板100の表面には、
図5に示すように、メインCPU101、メインROM102及びメインRAM103を一体に構成したワンチップ型のメインIC104その他複数のICと、メイン情報表示装置105、コネクタ106、設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109等が設けられている。
【0040】
メインCPU101は、各種演算処理を行う装置である。また、メインROM102は、パチンコ機Pのスペック(大当たりの当選確率の高低の種類、特別遊技終了後の遊技状態の決定の方法等)を示すスペックコード、遊技に必要な制御プログラム、テーブル等(後述する大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111等)を格納する記憶領域を備えた装置(Read Only Memory)である。また、メインRAM103は、上述の設定値、パチンコ機Pの制御状態、遊技の進行に係る各種データ等を記憶可能であるとともに、メインCPU101による演算処理時の一時的なデータの記憶等に用いられる読み書き可能な記憶領域を備えた装置(Read Write Memory)である。
メインCPU101は、後述する各種センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムやテーブルを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板(副制御基板300等)へのコマンド送信等の処理を行う。
【0041】
また、特に図示していないが、本形態におけるメインRAM103の記憶領域は、大別して、所定の先頭アドレス(たとえば、F00H(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様))から所定の最終アドレス(たとえば、F200H)までの間の領域である使用領域と、当該使用領域の最終アドレスよりも所定距離(たとえば、16バイト)以上離れた特定の先頭アドレス(たとえば、F300H)から特定の最終アドレス(たとえば、F400H)までの間の領域である使用外領域とから構成されている。
【0042】
また、特に図示していないが、使用領域には、所定の先頭アドレスから所定の最終アドレスに至るまで、第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域という4つの領域が順に配置されている。
第1領域には、設定値、及び滞在中の制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を示す遊技機状態フラグが記憶される。また、第2領域には、電源がオフとなる時点で算定されるメインRAM103のチェックサム、及び電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理に異常があったかどうかを判定するためのバックアップフラグが記憶される。また、第3領域には、パチンコ機Pに発生したエラーの情報等が記憶される。
また、第4領域には、遊技の進行に係る各種データ(後述する変動中の特別図柄の情報、遊技球の発射位置(遊技球を打ち出す遊技領域12)、第1特図保留数、第2特図保留数、確変回数、時短回数、特図遊技の進行状況を示す実行フェーズデータ、普図保留数、普図遊技の進行状況を示す普図実行フェーズデータ、特別図柄の非変動中である旨の情報等)が記憶されるようになっている。なお、第4領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、特別遊技が終了してからの変動回数が特定回数に至ると特殊な変動パターンが決定されるように設定されたパチンコ機Pにおいては、上述の特定回数の情報等が記憶されるようにしてもよい。
【0043】
また、使用外領域には、工場出荷後等の初期状態において遊技が開始されてからの発射球数や払い出された賞球数等のデータが記憶される。具体的には、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、総賞球数という)、大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、特別電動役物総賞球数という)、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18への遊技球の入球に基づく賞球数の総数(以下、役物総賞球数という)等が記憶される。
そして、この使用外領域においては、上述の発射球数や賞球数等のデータに基づいて、出玉率、特別電動役物比率、役物比率等の遊技に関する情報が算出されるようになっている。
ここで、出玉率は、発射球数に対する総賞球数の割合であり、総賞球数/発射球数により算出される値である。また、特別電動役物比率は、総賞球数に対する特別電動役物総賞球の割合であり、特別電動役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。また、役物比率は、総賞球数に対する役物総賞球数の割合であり、役物総賞球数/総賞球数により算出される値である。
【0044】
なお、使用外領域に記憶されるデータはこれらに限定されるものではなく、たとえば、一般入賞口14への遊技球の入球に基づく賞球数の総数等が記憶されるようにしてもよい。
また、本明細書においては、上述の使用外領域に記憶される発射球数や払い出された賞球数等のデータを「遊技性能データ」ともいい、また、上述の出玉率等の遊技に関する情報を「遊技性能表示情報」ともいう。
【0045】
メイン情報表示装置105は、各種情報の表示を行う装置であり、横並びに配設された4つのデシマルポイント付き7セグメント表示器により構成されている。本形態におけるメイン情報表示装置105は、受信したデータについて独自に演算処理を行うCPU等の処理装置を内蔵しておらず、メインIC104から受信したデータに基づく表示のみを行うものとなっている。
具体的には、設定確認状態中や設定変更状態中においては、メインRAM103の使用領域(第1領域)に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態中においては、メインRAM103の使用外領域に記憶されている遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態中やパチンコ機Pにエラーが発生した場合には、その旨を示すコードが表示される。
なお、メイン情報表示装置105は、7セグメント表示器により構成するのではなく、液晶表示器やドットマトリクス表示器等により構成してもよい。また、メイン情報表示装置105は、メインIC104から受信したデータを独自に処理する装置が内蔵されていなければ他の装置を内蔵してもよく、たとえば、メイン情報表示装置105の作動をコントロールするためのドライバ回路等を内蔵してもよい。
【0046】
コネクタ106は、各種ハーネスやケーブル等を接続するためのものであり、主制御基板100の表面上に複数設けられている。
また、設定スイッチ108は、電源がオンとなった時点で、制御状態(遊技可能状態、設定確認状態、設定変更状態、遊技停止状態)を設定するために参照されるものである。この設定スイッチ108には、鍵穴を備えた操作部(特に図示しておらず)が設けられており、この鍵穴に所定の鍵を差し込んだ状態で回転操作が可能に形成されている。常態においては、設定スイッチ108はオフになっているが、回転操作が行われると、設定スイッチ108がオンになる。
また、RAMクリアスイッチ109は、メインRAM103に記憶されている各種データのクリア及び設定値の変更に用いられるものである。このRAMクリアスイッチ109には、押下操作が可能な押下ボタン109a(
図5参照)が設けられており、この押下ボタン109aが押下操作されていないときは、RAMクリアスイッチ109はオフになっているが、押下ボタン109aが押下操作されると、RAMクリアスイッチ109がオンになる。
【0047】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、後述する本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(すなわち、本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなる時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常の発生の有無、メインRAM103における異常の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態が設定される。
そして、設定変更状態中に押下ボタン109aを操作する(RAMクリアスイッチ109がオンになる)ことで、設定値を変更する(切り替える)ことができるようになっている。上述の如く、設定値はメインRAM103の使用領域に記憶されるようになっており、設定値が変更される場合には、このメインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が変更されることとなる。
【0048】
なお、主制御基板100の表面に設けられる装置や電子部品は、上述のものに限定されるものではなく、たとえば、メイン情報表示装置105への各種情報の表示の実行や表示内容の切り換えを行うためのスイッチ等を設けてもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインRAM103に記憶されているデータのクリア及び設定値の変更はいずれも、RAMクリアスイッチ109を操作することで行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、RAMクリアスイッチ109とは別個独立の設定変更スイッチを設け、RAMクリアスイッチ109はメインRAM103に記憶されているデータのクリアに用いるように設定し、設定変更スイッチは設定値の変更に用いるように設定してもよい。
【0049】
また、
図6に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ19aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気を検出する磁気検出センサ70aと、遊技盤11の特定箇所(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18等)に照射される電波を検出する電波検出センサ71aと、パチンコ機Pを揺らす等の不正行為により生じる振動を検出する振動検出センサ72と、が接続されている。
そして、これらの各検出センサから出力される検出信号や各スイッチのオン又はオフを示す信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0050】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、メイン情報表示装置105と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16、大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0051】
(発射払出制御基板200の概要)
発射払出制御基板200は、主に、各種入賞口への遊技球の入球に基づく賞球や遊技者の所定の操作に基づいて貸し出される遊技球の払い出し、及び、遊技球の発射を制御するものである。
発射払出制御基板200は、
図6に示すように、払出CPU201、払出ROM202及び払出RAM203を備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0052】
具体的には、発射払出制御基板200と主制御基板100との間は、主制御基板100から発射払出制御基板200への送信に用いられる2本の信号線(以下、発射払出制御送信用信号線という)と、発射払出制御基板200から主制御基板100への送信に用いられる2本の信号線(以下、主制御送信用信号線という)とにより接続されている。
2本の発射払出制御送信用信号線のうちの一方は、主制御基板100が各種コマンドや各種信号を受信可能な状態である旨を示す主コマンド許可信号を送信するために用いられ、他方は、各種コマンドや主コマンド許可信号以外の各種信号を送信するために用いられる。また、2本の主制御送信用信号線のうちの一方は、発射払出制御基板200が各種コマンドや各種信号を受信可能な状態である旨を示す払出コマンド許可信号を送信するために用いられ、他方は、各種コマンドや払出コマンド許可信号以外の各種信号を送信するために用いられる。
【0053】
本形態に係るパチンコ機Pでは、電源がオフとなってからオンとなるまでの間(電断発生中)は、主制御基板100が各種コマンドを受信可能な状態、及び、発射払出制御基板200が各種コマンドを受信可能な状態とはならず、主コマンド許可信号及び払出コマンド許可信号の送信が禁止される(主コマンド許可信号及び払出コマンド許可信号のいずれもがオフとなる)。
そして、電源がオンとなると(電断から復帰すると)、主制御基板100において後述する初期設定処理が行われた後、主制御基板100が各種コマンドや各種信号を受信可能な状態となり、主コマンド許可信号の送信が開始される(主コマンド許可信号がオンとなる)とともに、発射払出制御基板200において後述する初期設定処理が行われた後、発射払出制御基板200が各種コマンドや各種信号を受信可能な状態となり、払出コマンド許可信号の送信が開始される(払出コマンド許可信号がオンとなる)。電源がオンとなっている間、主コマンド許可信号及び払出コマンド許可信号は連続して送信される。
【0054】
主制御基板100から発射払出制御基板200へ各種コマンドや各種信号を送信する際には、主制御基板100において、当該送信の前に払出コマンド許可信号が送信されているか否か(払出コマンド許可信号がオンであるか否か)が判定される。そして、払出コマンド許可信号が送信されていると判定された場合に、主制御基板100から発射払出制御基板200へ各種コマンドや各種信号が送信され、払出コマンド許可信号が送信されていないと判定された場合には、主制御基板100から発射払出制御基板200へ各種コマンドや各種信号は送信されない。
同様に、発射払出制御基板200から主制御基板100へ各種コマンドや各種信号を送信する際には、発射払出制御基板200において、当該送信の前に主コマンド許可信号が送信されているか否か(主コマンド許可信号がオンであるか否か)が判定される。そして、主コマンド許可信号が送信されていると判定された場合に、発射払出制御基板200から主制御基板100へ各種コマンドや各種信号が送信され、主コマンド許可信号が送信されていないと判定された場合には、発射払出制御基板200から主制御基板100へ各種コマンドや各種信号は送信されない。
【0055】
なお、電源がオンとなると、主制御基板100及び発射払出制御基板200のいずれにおいても、所定の電断監視時間(主制御基板100においては3000ms、発射払出制御基板200においては100ms)が経過するまでの間、電断発生信号の出力(電断の発生)が監視され、電断発生信号が出力されることなく上述の電断監視時間が経過した後に上述の初期設定処理が行われる。
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200において設定される電断監視時間よりも、主制御基板100において設定される電断監視時間の方が長い。そのため、主コマンド許可信号の送信が開始されるよりも先に払出コマンド許可信号の送信が開始されることとなり、主コマンド許可信号の送信が開始されるまで、主制御基板100と発射払出制御基板200との間の通信は待ち状態となる。
【0056】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、電源がオンとなり、主コマンド許可信号及び払出コマンド許可信号の送信が開始されると、主制御基板100が起動した旨を示す主起動情報指定コマンドが、主制御基板100から発射払出制御基板200へ送信される。また、主起動情報指定コマンドが発射払出制御基板200により受信されると、発射払出制御基板200において遊技球の払い出しが可能となった旨を示す払出起動指定コマンドが、発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。また、払出起動指定コマンドが主制御基板100により受信されると、発射払出制御基板200において遊技球の払い出しが可能となったことを把握した旨を示す払出起動確認指定コマンドが、主制御基板100から発射払出制御基板200へ送信される。
そして、払出起動確認指定コマンドが発射払出制御基板200により受信された後に、発射払出制御基板200において遊技球の払い出しの制御を行うことができるようになる。
すなわち、電源がオンとなってから、主制御基板100と発射払出制御基板200との間で、主起動情報指定コマンド、払出起動指定コマンド、払出起動確認指定コマンドのやり取りが行われた後、発射払出制御基板200において遊技球が払い出しの制御が可能となる。
なお、払出起動確認指定コマンドが発射払出制御基板200により受信されると、発射払出制御基板200の状態を示す状態コマンドが、発射払出制御基板200から主制御基板100へ送信される。
また、主制御基板100と発射払出制御基板200との間でやり取りが行われる主起動情報指定コマンド、払出起動指定コマンド、払出起動確認指定コマンドのうち、主制御基板100から発射払出制御基板200へ送信される主起動情報指定コマンド、払出起動確認指定コマンドは、メインCPU101により実行される後述の払出制御処理(ステップ207)により送信される。
【0057】
また、
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、発射モータ61により遊技球が発射されたことを検出する発射球検出センサ64と、が接続されており、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0058】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、制御状態が遊技可能状態となっている間、主制御基板100から発射払出制御基板200に、遊技球の発射が可能である旨を示す発射許可信号が連続して送信され、制御状態が遊技停止状態となると、発射許可信号の送信が停止される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、後述する如く、遊技球貸出制御基板400を介して発射払出制御基板200と遊技球貸出装置Rとが接続されている。そして、電源がオンとなっている間において、発射払出制御基板200と遊技球貸出装置Rとが接続されている(ハーネスが外れておらず、かつ断線しておらず、通信が可能である)ときには、いずれの制御状態であっても、上述の接続がなされている旨を示すフラグであって払出RAM203に記憶される接続フラグがオン(接続信号がオン)となる。すなわち、制御状態が遊技可能状態及び遊技停止状態のいずれであっても、発射払出制御基板200と遊技球貸出装置Rとが接続されていれば、接続フラグはオンとなる。
これに対して、電源がオフであるか又は発射払出制御基板200と遊技球貸出装置Rとが接続されていない(ハーネスが外れているか断線しており、通信が不可能である)ときには、接続フラグがオフ(接続信号がオフ)となる。
【0059】
そして、発射払出制御基板200に発射許可信号が送信されており、かつ接続フラグがオンであるときに、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射許可信号が送信されており、かつ接続フラグがオンであるときにタッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されている場合であっても、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
また、発射許可信号が送信されていないか、又は接続フラグがオフであるときに、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されても、球送りソレノイド60及び発射モータ61は通電されず、遊技球を発射させる制御は行われない。
【0060】
また、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。また、特に図示していないが、払出計数スイッチ63には、当該スイッチに照射された電波を検出する払出電波検出センサが内蔵されている。
そして、主制御基板100から送信される賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この賞球指定コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0061】
ここで、本形態における発射払出制御基板200は、遊技球(賞球)の払い出しに関する信号として、受信賞球信号及び払出賞球信号を外部情報端子基板500に送信する。これにより、これらの信号が、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部(変動回数や大当たり回数等の情報を表示する外部情報表示装置やホールコンピュータ等)に送信されるようになっている。
【0062】
受信賞球信号は、主制御基板100から受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球が所定個数(たとえば、10個)に到達するごとに、所定時間(たとえば、1000ms)が経過するまでの間、送信されるものである。すなわち、遊技球の払い出しを契機として送信されるものではなく、賞球指定コマンドの受信を契機して送信されるものである。これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数を所定個数単位で把握することができるようになっている。
また、払出賞球信号は、払出モータ62により実際に払い出された遊技球(払出計数スイッチ63により計数された遊技球)が所定個数(たとえば、10個)に到達するごとに、所定時間(たとえば、1000ms)が経過するまでの間、送信されるものである。すなわち、遊技球の払い出しを契機として送信されるものである。これにより、パチンコ機Pの外部の装置において、実際に払い出された遊技球の数を所定個数単位で把握することができるようになっている。
なお、受信賞球信号が送信される時間と払出賞球信号が送信される時間とは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0063】
さらに、発射払出制御基板200には、
図6に示すように、本体枠2の開放状態を検出する本体枠開放検出センサ2aと、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するアウト口検出センサ19aと、アウト口19に照射される電波を検出するアウト口電波検出センサ71bと、が接続されている。
【0064】
本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出するとオンとなり、本体枠開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、本体枠2の開放中は、本体枠開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、本体枠開放検出センサ2aは、本体枠2が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、本体枠開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、本体枠開放検出信号の入力が止まると、本体枠2が閉じられたと判断し、主制御基板100への本体枠開放コマンドの送信を停止する。
【0065】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出するとオンとなり、扉開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、扉開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。
これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり、扉開放検出信号の出力を停止する。発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0066】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり、受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への受皿検出信号の出力を停止する。
【0067】
アウト口検出センサ19aは、アウト口19周辺の所定位置に設けられている。また、アウト口検出センサ19aは、アウト口19へ遊技球が受け入れられたことを検出するごとにオンとなり、アウト信号を発射払出制御基板200に出力するようになっている。そして、発射払出制御基板200は、アウト信号が入力されるごとに、アウトコマンドを主制御基板100に送信する。
【0068】
アウト口電波検出センサ71bは、アウト口19周辺の所定位置に設けられている。
また、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、アウト口電波検出センサ71bは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0069】
払出電波検出センサは、上述の如く、払出計数スイッチ63に内蔵されている。
また、払出電波検出センサは、電波を検出するとオンとなり、電波検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、電波を検出している間は、電波検出信号が連続して出力される。これに対して、払出電波検出センサは、電波を検出しなくなるとオフとなり、発射払出制御基板200への電波検出信号の出力を停止する。
【0070】
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。
図6に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
なお、これらの機器は、遊技球貸出制御基板400を介して発射払出制御基板200と接続するのではなく、発射払出制御基板200に直接接続するようにしてもよい。
【0071】
そして、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカード(すなわち、残高のあるカード)が遊技球貸出装置Rに挿入され認識されると、当該価値情報を示す価値情報信号が、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、遊技球貸出装置Rから価値情報表示装置35に送信される。これにより、価値情報表示装置35においては、受信した価値情報信号に対応する価値情報が表示される。
【0072】
また、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されているカードが遊技球貸出装置Rに挿入され、かつ認識された状態で球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が、遊技球貸出制御基板400及び発射払出制御基板200を介して、遊技球貸出装置Rに送信される。
上述の検出信号を受信すると、遊技球貸出装置Rは、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理を行い、発射払出制御基板200に減算した価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを送信するとともに、発射払出制御基板200及び遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35に減算した価値情報に対応する減算コマンドを送信する。
そして、貸球払出コマンドを受信すると、発射払出制御基板200においては、減算された価値情報に対応する個数(たとえば、125個)の遊技球を払い出す制御が行われる。また、減算コマンドを受信すると、価値情報表示装置35においては、減算後の価値情報への更新表示が行われる。
【0073】
なおここで、発射払出制御基板200は、電源がオンとなっている間、主制御基板100に送信する上述の払出コマンド許可信号を遊技球貸出装置Rにも連続して送信するようになっている。遊技球貸出装置Rは、払出コマンド許可信号を受信している場合に、貸出払出コマンドを発射払出制御基板200へ送信する一方で、払出コマンド許可信号を受信していない場合には貸出払出コマンドを発射払出制御基板200へ送信しない。
【0074】
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0075】
なお、遊技球を貸し出し可能な価値情報が記憶されていないカード(すなわち、残高の無いカード)が遊技球貸出装置Rに挿入された場合や、球貸ボタン36の押下操作により所定の価値情報が減算された結果、カードに記憶されていた価値情報が全て無くなった場合(すなわち、カードの残高が無くなった場合)にも、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御を行ってもよい。
【0076】
以上のように、発射払出制御基板200においては、各種入賞口(一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18)への遊技球の入球に基づく賞球の払い出しの制御、及び、遊技者の操作に基づいて貸し出される遊技球(貸球)の払い出しの制御の両方が行われる。
【0077】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200に接続されている機器に関連するエラー(以下、払出関連エラーという)として、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラー、扉開放エラーが発生する可能性がある。
そして、発射払出制御基板200では、当該発射払出制御基板200に接続されている上述のスイッチの作動状況、発射払出制御基板200に接続されている上述のセンサから発射払出制御基板200に出力される各種信号等に基づいて、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラーの発生の判定(発生の検出)が行われるようになっている。
なお、本明細書において、エラーの発生の判定とは、スイッチの作動状況、各種センサ(たとえば、払出電波検出センサ、本体枠開放検出センサ2a等)による検出に基づいて具体的にエラーの発生を判定することのみならず、スイッチの作動状況の検出や各種センサによる検出が行われたことも意味するものである。
【0078】
球切れエラーは、遊技球貯留部に遊技球が貯留されていない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、遊技球を払い出すように払出モータ62が作動しているにもかかわらず、所定期間、払出計数スイッチ63による遊技球の計数が行われない場合に球切れエラーが発生したものと判定する。そして、球切れエラーが発生すると、その旨を示す球切れエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球切れエラーの発生を把握できるようになっている。
また、球切れエラーの発生中においては、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御は行われない。したがって、遊技球が貯留されていないため遊技球の払い出しは行われないものの、払出モータ62の作動は継続して行われる。
【0079】
満タンエラーは、受皿7が満タン状態である場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、受皿検出信号が入力されると満タンエラーが発生したものと判定する。そして、満タンエラーが発生すると、その旨を示す満タンエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において満タンエラーの発生を把握できるようになっている。
また、満タンエラーの発生中においては、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。たとえば、遊技球の払い出し中に満タンエラーが発生した場合には当該払い出しが停止され、満タンエラー中に主制御基板100から賞球指定コマンドを受信しても賞球の払い出しは行われない。
【0080】
払出計数スイッチエラーは、ハーネスの断線等により払出計数スイッチ63が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出計数スイッチ63の作動が確認できなくなると払出計数スイッチエラーが発生したものと判定する。そして、払出計数スイッチエラーが発生すると、その旨を示す払出計数スイッチエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出計数スイッチエラーの発生を把握できるようになっている。
また、払出計数スイッチエラーの発生中においては、満タンエラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。
【0081】
球詰まりエラーは、払出モータ62に作動異常が生じた場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62が作動信号を受信しているものの、作動しない場合に球詰まりエラーが発生したものと判定する。そして、球詰まりエラーが発生すると、その旨を示す球詰まりエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において球詰まりエラーの発生を把握できるようになっている。
また、球詰まりエラーの発生中においては、満タンエラーや払出計数スイッチエラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。
【0082】
過剰賞球エラーは、賞球指定コマンドを受信していないにもかかわらず遊技球の払い出しが行われたり、受信した賞球指定コマンドに基づいて払い出される予定の遊技球の数よりも多くの遊技球の払い出しが行われたりした場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、予定されていないにもかかわらず払い出された遊技球の数が所定個数(たとえば、10個)に達した場合に過剰賞球エラーが発生したものと判定する。そして、過剰賞球エラーが発生すると、その旨を示す過剰賞球エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において過剰賞球エラーの発生を把握できるようになっている。
また、過剰賞球エラーが発生しても、球切れエラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御は行われない。したがって、払出モータ62の作動は継続して行われることにより遊技球の払い出しが行われる。
【0083】
電波エラーは、電波の照射を検出した場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、アウト口電波検出センサ71b又は払出電波検出センサから電波検出信号が入力されると電波エラーが発生したものと判定する。そして、電波エラーが発生すると、その旨を示す電波エラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において電波エラーの発生を把握できるようになっている。
また、電波エラーの発生中においては、球切れエラーや過剰賞球エラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御は行われない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、アウト口電波検出センサ71bから電波検出信号が入力された場合、及び、払出電波検出センサから電波検出信号が入力された場合のいずれにおいても、発射払出制御基板200において電波エラーが発生したものと判定され上述のような制御が行われるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、いずれか一方の場合のみ、発射払出制御基板200において電波エラーが発生したものと判定し上述のような制御を行うようにしてもよい。このようにした場合には、他方については、主制御基板100において電波エラーが発生したものと判定するのが望ましい。
【0084】
払出モータエラーは、ハーネスの断線等により払出モータ62が作動しない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、払出モータ62の作動が確認できなくなると払出モータエラーが発生したものと判定する。そして、払出モータエラーが発生すると、その旨を示す払出モータエラーコマンドが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において払出モータエラーの発生を把握できるようになっている。
また、払出モータエラーの発生中においては、球切れエラー、過剰賞球エラー、電波エラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御は行われない。
【0085】
主制御接続エラーは、主制御基板100との接続が行われていない場合に発生するエラーである。発射払出制御基板200では、主コマンド許可信号の受信又は払出コマンド許可信号の送信ができなくなると主制御接続エラーが発生したものと判定する。そして、主制御接続エラーが発生すると、その旨を示す主制御接続エラーが発射払出制御基板200から主制御基板100に送信され、主制御基板100において主制御接続エラーの発生を把握できるようになっている。
また、主制御接続エラーの発生中においては、球切れエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラーの発生中と同様に、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御は行われない。
【0086】
また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーは、本体枠2又は前扉3が開放されている場合に発生するエラーである。
ここで、上述の如く、本体枠2の開放を検出する本体枠開放検出センサ2a、及び、前扉3の開放を検出する前扉開放検出センサ3aはいずれも、発射払出制御基板200に接続されているが、扉開放エラーの発生の判定は、発射払出制御基板200ではなく、主制御基板100で行われるようになっている。
具体的には、発射払出制御基板200に本体枠開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される本体枠開放コマンド、又は、発射払出制御基板200に前扉開放検出信号が入力されることにより発射払出制御基板200から送信される前扉開放コマンドの少なくともいずれか一方を受信すると、主制御基板100において、扉開放エラーが発生したものと判定する。
そして、扉開放エラーが発生したものと判定した場合、主制御基板100は、遊技球の払い出し動作の制御を停止するための払出停止コマンドを発射払出制御基板200に送信する。これにより、扉開放エラーの発生中において、発射払出制御基板200では遊技球の払い出し動作を停止する制御が行われる。
【0087】
なお、払出関連エラーのうち、主制御基板100において発生の判定が行われるエラーは、扉開放エラーに限定されるものではなく、他のエラーの発生も主制御基板100において判定するようにしてもよい。
また、主制御基板100においては、当該主制御基板100に接続されている機器に関連するエラー(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ過剰に遊技球が入球した場合に生じる異常入賞エラー、特別遊技の実行中以外に遊技球が大入賞口18へ入球した場合に生じる不正入賞エラー等、以下、主制御関連エラーという)の発生も判定されるようになっている。
【0088】
(副制御基板300の概要)
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図6に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
【0089】
また、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、各種ランプの点灯等を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物演出装置YSの可動を制御するための作動制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0090】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、前扉演出ランプDLと、状態報知ランプELと、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dとが接続されている。さらに、副制御基板300には、作動制御基板を介して、駆動モータMが接続されている。
【0091】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM及び画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0092】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0093】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、前扉演出ランプDL、状態報知ランプELの点灯、消灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0094】
作動制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、駆動モータMの駆動を制御する。そして、駆動モータMが駆動することにより、演出役物装置YSが上下方向に可動する。
【0095】
(電源基板600の概要)
電源基板600は、主制御基板100、発射払出制御基板200、副制御基板300等の各基板に電力を供給するものである。この電源基板600にはバックアップ電源が設けられている。また、本形態に係るパチンコ機Pには、電源基板600から供給される電力の電圧値を検出するための電断検出回路が設けられている。この電源検出回路は、供給される電力の電圧値が所定値以下になった場合(たとえば、電源スイッチ650がオフとなった場合や不測の電源断が発生した場合)に電断が発生したと判断して、主制御基板100及び発射払出制御基板200に電断発生信号を送信する。また、電圧値が所定値よりも大きくなった場合(たとえば、電源スイッチ650がオンとなった場合や不測の電源断から復帰した場合)には電断から復帰したと判断して、主制御基板100及び発射払出制御基板200への電断発生信号の送信を停止する。
【0096】
そして、主制御基板100のメインCPU101は、電断発生信号を検出した(電断が発生した)場合には、メインRAM103へのアクセスを禁止し、メインRAM103(使用領域及び使用外領域)のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった(電断から復帰した)場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時におけるメインRAM103の記憶データと電断からの復帰時におけるメインRAM103の記憶データとに不整合が生じているか否か(すなわち、上述のバックアップ処理に異常が発生しているか否か)が判断され、その後、電断復帰時の処理が実行される。
【0097】
同様に、発射払出制御基板200の払出CPU201が、電断発生信号を検出した場合には、払出RAM203へのアクセスを禁止し、払出RAM203のチェックサムの算定及びバックアップフラグの設定を行うとともに、払出RAM203の記憶領域に記憶されている各種データを保持するバックアップ処理を行う。電断発生信号を検出しなくなった場合には、電断の発生時に算定されたチェックサムと電断からの復帰時に算定されるチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時における払出RAM203の記憶データと電断からの復帰時における払出RAM203の記憶データとに不整合が生じているか否かが判断され、その後、電断復帰時の処理が実行される。
主制御基板100及び発射払出制御基板200における電断復帰時の処理については、後程詳述する。
【0098】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0099】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0100】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
【0101】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
【0102】
また、大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に用いられる乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセットごとにスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0103】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0104】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0105】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
【0106】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0107】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、大別して、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブルと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブルと、を備えている。
また、
図7(a)~(l)に示すように、低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルにはそれぞれ、設定中の設定値に応じた6種類ずつが設けられている。
具体的には、低確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1低確率判定テーブル110a、設定値が「2」である場合に参照される第2低確率判定テーブル110b、設定値が「3」である場合に参照される第3低確率判定テーブル110c、設定値が「4」である場合に参照される第4低確率判定テーブル110d、設定値が「5」である場合に参照される第5低確率判定テーブル110e、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6低確率判定テーブル110fが設けられている。
高確率判定テーブルには、設定値が「1」である場合に参照される第1高確率判定テーブル110g、設定値が「2」である場合に参照される第2高確率判定テーブル110h、設定値が「3」である場合に参照される第3高確率判定テーブル110i、設定値が「4」である場合に参照される第4高確率判定テーブル110j、設定値が「5」である場合に参照される第5高確率判定テーブル110k、及び、設定値が「6」である場合に参照される第6高確率判定テーブル110lが設けられている。
【0108】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、及び、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、上述のいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0109】
図7(a)に示すように、第1低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001~10205であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10206~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319.7となる。
【0110】
図7(b)に示すように、第2低確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001~10208であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10209~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2低確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315.1となる。
【0111】
図7(c)に示すように、第3低確率判定テーブル110cによれば、大当たり決定乱数が10001~10212であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10213~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3低確率判定テーブル110cにおける大当たりの当選確率はおよそ1/309.1となる。
【0112】
図7(d)に示すように、第4低確率判定テーブル110dによれば、大当たり決定乱数が10001~10215であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10216~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4低確率判定テーブル110dにおける大当たりの当選確率はおよそ1/304.8となる。
【0113】
図7(e)に示すように、第5低確率判定テーブル110eによれば、大当たり決定乱数が10001~10219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5低確率判定テーブル110eにおける大当たりの当選確率はおよそ1/299.2となる。
【0114】
図7(f)に示すように、第6低確率判定テーブル110fによれば、大当たり決定乱数が10001~10223であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、10224~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/293.9となる。
【0115】
図7(g)に示すように、第1高確率判定テーブル110gによれば、大当たり決定乱数が10001~11024であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11025~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1高確率判定テーブル110gにおける大当たりの当選確率は1/64.0となる。
【0116】
図7(h)に示すように、第2高確率判定テーブル110hによれば、大当たり決定乱数が10001~11040であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11041~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2高確率判定テーブル110hにおける大当たりの当選確率はおよそ1/63.0となる。
【0117】
図7(i)に示すように、第3高確率判定テーブル110iによれば、大当たり決定乱数が10001~11057であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11058~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第3高確率判定テーブル110iにおける大当たりの当選確率はおよそ1/62.0となる。
【0118】
図7(j)に示すように、第4高確率判定テーブル110jによれば、大当たり決定乱数が10001~11074であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11075~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第4高確率判定テーブル110jにおける大当たりの当選確率はおよそ1/61.0となる。
【0119】
図7(k)に示すように、第5高確率判定テーブル110kによれば、大当たり決定乱数が10001~11092であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11093~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第5高確率判定テーブル110kにおける大当たりの当選確率はおよそ1/60.0となる。
【0120】
図7(l)に示すように、第6高確率判定テーブル110lによれば、大当たり決定乱数が10001~11110であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0~10000、11111~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第6高確率判定テーブル110lにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59.0となる。
【0121】
以上のように、対応付けられた設定値が同一の高確率判定テーブル及び低確率判定テーブルを比較すると、高確率判定テーブルは、低確率判定テーブルに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0122】
また、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、当該低確率判定テーブルと同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブルにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、同一の設定値が対応付けられた高確率判定テーブルにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0123】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図8(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0124】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として2種類の特別図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0125】
図8(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0~99であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が100~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率及び特別図柄X2が決定される確率はいずれも、50%となっている。
【0126】
また、
図8(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0~159であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が160~199であった場合に特別図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は80%、特別図柄X2が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0127】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0128】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0129】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)ごとに複数設けられている。ここでは、
図9(a)~(c)に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0130】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0131】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図保留数が0~3であった場合に(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図9(c)参照)。
【0132】
そして、
図9(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~3999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
また、
図9(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~5999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
さらに、
図9(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
【0133】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0134】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0135】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図10(a)~(d)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113dについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0136】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0137】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択される(
図10(a)~(d)参照)。
【0138】
そして、
図10(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図10(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~1999であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図10(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
さらに、
図10(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900~2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第4変動テーブル114dが選択される。
【0139】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、
図11(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において特別図柄X1が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113e、及び、非時短遊技状態において特別図柄X2が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113fについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0140】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0141】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113eが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X2が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113fが選択される(
図11(a)及び(b)参照)。
【0142】
そして、
図11(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。
また、
図11(b)に示すように、第2大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1399であった場合に、「33H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400~2038であった場合に、「34H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0143】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図12(a)~(g)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c及び第4変動テーブル114d、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114e、第31変動テーブル114f及び第32テーブル114gについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0144】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図12(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120~249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0145】
また、
図12(e)に示すように、第30変動テーブル114eによれば、変動パターン乱数が0~124であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125~249であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定される。また、
図12(g)に示すように、第32変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~199であった場合に「33H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が200~249であった場合に「34H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図12参照)。
【0146】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0147】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0148】
変動時間決定テーブル115は、変動時間を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図13(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の全体の変動時間に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「04H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「13秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「04H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「73秒(=13秒+60秒)」が、変動演出の全体の変動時間となる。
【0149】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0150】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0151】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図14(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、が設けられている。
【0152】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図14(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0153】
また、特別図柄X2が決定されると、
図14(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、第1作動テーブル116aと同態様のラウンド遊技が4回実行され。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル116aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0154】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、特別図柄X1又は特別図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、100回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が100回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、100回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
【0155】
なお、特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて決定してもよい。たとえば、特別図柄X1又はX2のいずれか一方が決定された場合に、特別遊技の終了後の遊技状態を高確率時短遊技状態に設定し、いずれか他方が決定された場合に、通常遊技状態や、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態に設定してもよい。
【0156】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0157】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセットごとにスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
【0158】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図16(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
【0159】
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行するようになっており、大当たりに当選したことにより実行される特別遊技中も、遊技球がゲート20を通過することに基づいて普通図柄の抽選が行われるようになっている。特別遊技中は、非時短判定テーブル118aが選択され、当該テーブルに基づいて普通図柄の抽選が行われる(
図16(a)参照)
【0160】
非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0161】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動や可動片16bの開閉の制御に係るテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0162】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。普通図柄の変動パターンには、それぞれ普通図柄の変動時間が対応付けられている。そして、上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターン(すなわち、普通図柄の変動時間)が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図17に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には普通図柄の変動時間が13秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には普通図柄の変動時間が0.6秒に決定される。そして、普通図柄の変動時間が決定されると、この決定された普通図柄の変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0163】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合又は特別遊技中には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図18に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが5.6秒(=2.8秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計5.6秒開放される。
【0164】
(主制御基板100における電断復帰時の処理の概要)
上述したように、パチンコ機Pの電源がオフからオンになると(電断から復帰すると)、主制御基板100のメインCPU101が、電源がオフとなる前(電断発生直前)に滞在していた制御状態、電源がオンとなった時点(電断復帰時)における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ(本体枠2の開放又は閉鎖)、電源がオフとなった時点で行われるメインRAM103のバックアップ処理の異常(以下、バックアップ異常という)の発生の有無、メインRAM103における異常(以下、RAM異常という)の発生の有無に応じて、いずれかの制御状態を設定する。
【0165】
(主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除)
ここで、主制御基板100におけるバックアップ異常、RAM異常の発生及び解除について説明する。
電断復帰時において、電断発生時のメインRAM103の記憶データと電断復帰時のメインRAM103の記憶データとに不整合が生じていた場合に、バックアップ異常が発生したと判断され、上述の不整合が生じていなかった場合に、バックアップ異常が発生していないと判断される。
このバックアップ異常は、一過性の原因(たとえば、一時的にいずれかの装置に異常が生じたことによりデータの読み込みや保持に失敗した場合等)により発生する可能性が高い。また、新規にメインROM102やメインRAM103等を取り付けてパチンコ機Pの電源をオンにした場合には、これよりも前にバックアップ処理が実行されていないため、必ずバックアップ異常が発生することとなる。
【0166】
また、メインRAM103の使用領域内においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常の発生の判断対象となるのは当該使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。なお、使用領域内のみならず、使用領域内及び使用外領域の両方をRAM異常の発生の判断対象としてもよい。そして、このように設定したときには、使用領域内及び使用外領域の少なくともいずれか一方においてデータの読み書きが不可能となっていた場合に、RAM異常が発生したと判断して、後述する処理(異常時初期化処理、遊技停止状態の設定)を行ってもよい。
このRAM異常は、チップの破損等、ハードウェア自体に異常が生じているために発生する可能性が高く、メインRAM103の交換や修理が必要となる。
【0167】
そして、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。また、電断復帰時にRAM異常が発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。なお、バックアップ異常とRAM異常が重複して発生した場合には、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、後述するが、遊技停止状態が設定される場合に実行される異常時初期化処理では、メインRAM103に記憶されている全データ(すなわち、使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
【0168】
バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、制御状態を設定変更状態に設定するための設定変更条件(具体的には、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオンであること)を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
また、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時にRAM異常が解除された状態(メインRAM103の交換や修理が行われRAM異常が無い状態)で設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、電断復帰時にRAM異常が解除されていないときや、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される(遊技可能状態へ移行する)。
【0169】
(電断復帰時における制御状態の設定)
以下、電断復帰時に設定される制御状態について、
図19~
図20を参照して、具体的に説明する。
(1)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。すなわち、電断復帰時の制御状態は、電断発生直前に滞在していた制御状態のままとなる。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、原則として、設定スイッチ108がオンとなっている間のみ、設定変更状態又は設定確認状態に滞在するようになっている。上述の場合には、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには電断復帰時に設定変更状態が設定され、電断発生直前の制御状態が設定確認状態であったときには電断復帰時に設定確認状態が設定されるが、設定スイッチ108はオフであるため、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定(遊技可能状態に変更)されることとなる。
【0170】
(2)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モードであって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、この場合に、電断復帰時に設定変更状態又は設定確認状態が設定されたときには、その後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0171】
(3)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態又は設定確認状態であったときには、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、後述するが、RAMクリアスイッチ109がオンであることに基づいて実行される通常初期化処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。そのため、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったとき、上述の通常初期化処理では設定値はクリアされないため、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、後述するように変更中の設定値が確定することとなる。
【0172】
(4)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合にも、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0173】
(5)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に電断発生直前の制御状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時には特別遊技が再開される。
また、設定変更状態又は設定確認状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。
【0174】
(6)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であって、かつ特別遊技中であったときには、電断復帰時に設定確認状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになると特別遊技が再開される。
また、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはない。
【0175】
(7)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、遊技可能状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であったときには、電断復帰時に、通常初期化処理が行われ、設定変更状態が設定される。また、電断発生直前の制御状態が遊技停止状態であったときには、電断復帰時に遊技停止状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定される。これにより、設定変更状態が終了するため、変更中の設定値が確定することとなる。
【0176】
(8)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、通常初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態においても、電断発生直前に変更中の設定値がそのまま維持される。そして、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では変更中の設定値は確定しない。
【0177】
(9)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合(設定スイッチ108、RAMクリアスイッチ109、本体枠開放検出センサ2aがいずれもオンであった場合を除く)
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図19参照)。
【0178】
(10)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合
この場合には、
図19に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、設定変更状態が設定される。
また、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態であった場合に、保留が記憶されていたときや特別図柄や普通図柄の変動表示中であったときには、記憶されていた保留はクリアされ、特別図柄や普通図柄の変動表示はリセットされる。特別遊技中であったときには、この特別遊技もリセットされる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この場合(電断復帰時にバックアップ異常が発生していた場合)には、電断復帰時に実行される異常時初期化処理において、設定値のクリアも行われるようになっている。そのため、電断発生直前の制御状態が設定変更状態であって、かつ設定値の変更中であったときには、電断復帰後に設定された設定変更状態において、電断発生直前に変更中の設定値(メインRAM103に記憶されている設定値)は維持されず、メインRAM103に記憶されている設定値が、初期値として予め定められた設定値(本形態では「1」)に変更される。なお、設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定されることはなく設定変更状態は終了しないため、この時点では設定値は確定しない。
【0179】
(11)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合には、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、電断復帰時にバックアップ異常が発生した場合及び電断復帰時に通常初期化処理が実行された場合に、RAM異常の発生の有無が判断されるようになっている。そのため、電断復帰時に通常初期化処理が実行されず、かつバックアップ異常が発生していなかったときには、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見(検出)できない場合がある。この場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(1)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0180】
(12)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(2)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0181】
(13)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、RAM異常の発生の判断対象となるのは使用領域内のみであり、使用外領域においてデータの読み書きが不可能となっていた場合には、RAM異常が発生したとは判断されない。このようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(3)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0182】
(14)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(4)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0183】
(15)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(5)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0184】
(16)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、RAM異常が発生しているにもかかわらず、その旨を発見できなかった場合には、RAM異常が発生していたとしても、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(6)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0185】
(17)電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(7)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
【0186】
(18)電断復帰時に、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生無し、RAM異常の発生有りであった場合
この場合にも、
図20に示すように、電断発生直前の制御状態が遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態、遊技停止状態のいずれであったときにも、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
また、上述のようにRAM異常が発生したと判断されなかった場合には、RAM異常が発生していなかったものとして、上述の(8)の場合と同様の電断復帰時の制御状態の設定が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、RAM異常が発生した場合には、設定変更条件を満たしたときであっても、設定変更状態に優先して遊技停止状態が設定されることとなる。
【0187】
(19)電断復帰時に、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生有りであった場合
すなわち、電断復帰時に、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオフ、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオフ、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン、バックアップ異常の発生有り、RAM異常の発生無しであった場合にはいずれも、電断発生直前の滞在モードが遊技可能モード、設定確認モード、遊技停止モードのいずれであっても、電断復帰時に、異常時初期化処理が実行され、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態に優先してRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される(
図20参照)。
【0188】
そして、上述の(1)~(19)の処理が実行されることにより、設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている設定値が表示される。また、遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、メインRAM103に記憶されている遊技性能データに基づく遊技性能表示情報が表示される。また、遊技停止状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105において、遊技停止状態が設定された旨を示すコードが表示される。
なお、設定確認状態又は設定変更状態が設定された後すぐに遊技可能状態が設定された場合には、メイン情報表示装置105に一瞬、設定値が表示された後、遊技可能状態の設定に伴って遊技性能表示情報が表示されることとなる。
【0189】
また、設定スイッチ108がオンであることに基づき設定確認状態又は設定変更状態が設定された場合には、その後、設定スイッチ108がオフになると、設定中の設定確認状態又は設定変更状態を遊技可能状態に切り替える処理が実行され、遊技可能状態が設定されることとなる。そして、遊技可能状態が設定されることにより、メイン情報表示装置105の表示も対応する内容に切り替わることとなる。
【0190】
また、設定変更状態の設定中においては、本体枠開放検出センサ2aが本体枠2の開放を検出していることを条件として、押下ボタン109aが押下操作されRAMクリアスイッチ109がオンになるごとに、メインRAM103に記憶されている設定値が1段階ずつ変更されるようになっている。具体的には、メインRAM103に記憶されている設定値が1インクリメントした値に変更される。
たとえば、メインRAM103に記憶されている設定値が「2」であった場合において、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されると、メインRAM103に記憶される設定値が「3」に変更されることとなる。そして、本体枠2が開放されている状態で押下ボタン109aが押下操作されるごとに、メインRAM103に記憶される設定値が「4」→「5」→「6」と変更され、「6」の次には「1」に変更される。なお、メインRAM103に記憶される設定値が変更されるごとに、メイン情報表示装置105における設定値の表示も変更されるようになっている。
そして、設定スイッチ108がオフになると、これ以降はメインRAM103に記憶されている設定値の変更が不可となる。すなわち、この時点でメインRAM103に記憶されている設定値が、新たな設定値として確定することとなる。
【0191】
(設定値異常の発生時の処理)
本形態に係るパチンコ機Pにおいてノイズ等が発生した場合には、メインRAM103の使用領域に記憶されている設定値が異常値(たとえば、「1」よりも小さい値や「6」よりも大きい値等)に書き換えられるような事態が発生し得る。このように、記憶されている設定値が異常値となるような事態(以下、設定値異常という)が発生した場合には、適切な設定値に基づいた大当たりの抽選を行うことができず、遊技の進行に深刻な影響を与えるおそれがある。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、メインCPU101が、遊技可能状態中において、上述の大当たりの抽選又は普通図柄の抽選が行われる時点で、設定値異常が発生しているか否かを判定する設定値異常判定処理を行う。そして、この設定値異常判定処理において設定値異常が発生していると判定された場合には、上述の異常時初期化処理が実行され、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の実行中は次の大当たりの抽選及び特別図柄の変動表示は行われないため、大当たりの抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中にのみ実行可能である。これに対して、普通図柄の抽選は特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても行われるため、普通図柄の抽選に基づく設定値異常判定処理は、特別遊技の非実行中及び実行中のいずれにおいても実行可能である。
【0192】
設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、電断復帰時において、設定変更条件を満たすことにより設定変更状態が設定され、その後、設定スイッチ108がオフになることで遊技可能状態が設定される。一方、設定変更条件を満たしていないときには、遊技停止状態に滞在したままとなる。
すなわち、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合と同様に、電源を入れ直しても、直接、遊技可能状態が設定されることはなく、設定変更条件を満たした状態で電源をオンにすることにより設定される設定変更状態を経て、遊技可能状態が設定される。
【0193】
(通常初期化処理、異常時初期化処理、クリア処理)
本形態に係るパチンコ機Pでは、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づいて遊技停止状態が設定される場合には、異常時初期化処理が実行される。この異常時初期化処理では、上述の如く、メインRAM103に記憶されている全データ(使用領域及び使用外領域に記憶されている全データ、具体的には、設定値、遊技状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)がクリアされる。
なお、バックアップ異常、RAM異常、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合には、その後、設定変更状態が設定されたことにより、デフォルトの設定値として「1」がメインRAM103の使用領域に自動的に記憶されるようにしてもよい。
【0194】
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオンであって、かつ遊技停止状態以外の制御状態(遊技可能状態、設定変更状態、設定確認状態)が設定される場合には、通常初期化処理が実行される。この通常初期化処理では、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第2領域~第4領域に記憶されているデータ(チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ)がクリアされる。
また、電断復帰時に、RAMクリアスイッチ109がオフであった場合には、メインRAM103の一部をクリアするクリア処理が実行される。このクリア処理では、メインRAM103の使用領域における第2領域及び第3領域に記憶されているデータ(すなわち、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報)がクリアされる。
【0195】
(発射払出制御基板200における電断復帰時の処理の概要)
上述したように、電断復帰時には、発射払出制御基板200においても、電断の発生時に算定された払出RAM203のチェックサムと電断からの復帰時に算定される払出RAM203のチェックサムとの比較、電断の発生時に設定されたバックアップフラグのチェックを行うことにより、電断の発生時における払出RAM203の記憶データと電断からの復帰時における払出RAM203の記憶データとに不整合が生じているか否かが判断される。
払出CPU201は、バックアップフラグ及びチェックサムの少なくともいずれか一方に異常が発生していた場合に上述の不整合が生じていると判断し、バックアップフラグ及びチェックサムのいずれにも異常が発生していなかった場合に上述の不整合が生じていないと判断する。
そして、上述の不整合が生じていると判断した場合には、払出RAM203の全領域をクリアする(払出RAM203に記憶されている全てのデータをクリアする)払出初期化処理が実行され、上述の不整合が生じていないと判断した場合には、払出RAM203の一部の領域をクリアする(払出RAM203に記憶されているデータの一部をクリアする)払出クリア処理が実行される。
【0196】
具体的には、払出RAM203には、各種時間を計時するための計時データを記憶する第1計時データ記憶領域及び第2計時データ記憶領域、払出モータ62を作動させるための制御データを記憶する第1制御データ記憶領域及び第2制御データ記憶領域、エラー判定のための判定データを記憶する第1判定データ記憶領域及び第2判定データ記憶領域、電断復帰時に使用される起動データを記憶する第1起動データ記憶領域及び第2起動データ記憶領域、主制御基板100から受信したコマンド等を記憶するバッファ領域、払い出した賞球の数を記憶する賞球数記憶領域、パチンコ機Pの外部に送信する信号に関するデータを記憶する信号記憶領域、遊技球貸出装置Rとの間で送受信されるコマンド等のデータを記憶する通信データ記憶領域、使用されていない未使用記憶領域、並びに、スタック領域が設けられている。
そして、払出初期化処理では、上述の全ての領域がクリアされる。これに対して、払出クリア処理では、第1計時データ記憶領域、第1制御データ記憶領域、第1判定データ記憶領域、第1起動データ記憶領域、未使用記憶領域、スタック領域のみがクリアされる。
【0197】
(遊技停止状態が設定された場合の各種制御の概要)
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中であって特図遊技、普図遊技、特別遊技が実行されている際に、ノイズ等が生じることで設定値異常が発生したことにより、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合がある。また、上述の際に、たとえば、瞬間的な停電(すなわち、瞬断)が発生し、停電が復帰したときに(電断復帰したときに)主制御基板100においてバックアップ異常やRAM異常が発生したことにより、バックアップ異常やRAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定されるような場合もある。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の設定が行われたことにより遊技停止状態に滞在しているときには、当該遊技停止状態が設定される前の遊技可能状態中に実行されていた特図遊技、普図遊技、特別遊技は行われず、遊技が進行しないようになっている。
【0198】
具体的には、遊技可能状態においては、主制御基板100のメインCPU101が発射許可信号を発射払出制御基板200に送信し(発射許可信号がオンとなり)、払出RAM203に記憶されている接続フラグがオン(接続信号がオン)であれば、操作ハンドル5の回転操作が行われると遊技球が発射される。
これに対して、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止し(発射許可信号がオフとなり)、払出RAM203に記憶されている接続フラグがオンであったとしても、操作ハンドル5の回転操作が行われても遊技球が発射されないようになっている。
また、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出しないようになっている。これにより、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球しても当該入球に基づく大当たりの抽選が行われず、遊技球がゲート20を通過しても当該通過に基づく普通図柄の抽選が行われないとともに、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しないようになっている。
また、遊技可能状態中に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合には、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止するようになっている。
このように、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が上述の制御を行うことにより遊技が進行しないこととなる。
【0199】
また、遊技可能状態においては、遊技球が第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ入球すると、当該入球以後の所定の開始時点(たとえば、特別図柄の変動表示の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、所定の開始時点から所定時間(たとえば、3000ms)が経過した時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ入賞信号を送信する制御が行われる。また、遊技可能状態においては、大当たりに当選すると、当該大当たりの当選以後の所定の開始時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の開始時点)から所定の終了時点(たとえば、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了時点)に至るまでの間、主制御基板100のメインCPU101により、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ大当たり信号を送信する制御が行われる。
これにより、パチンコ機Pの外部の装置においても、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への入球に基づく特別図柄の変動表示や大当たりの当選等を把握できるようになっている。
【0200】
これに対して、遊技停止状態においては、上述のように遊技が進行しないことから、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ上述の入賞信号や大当たり信号を送信する制御も制限されるようになっている。
たとえば、上述の入賞信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別図柄の変動表示を停止することから、メインCPU101は実行中の入賞信号の送信を停止することができなくなり、当該入賞信号は送信されたままの状態となる。また、上述の入賞信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後に第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、主制御基板100のメインCPU101は当該入球を検出しないため、メインCPU101は上述の入賞信号の送信を開始することができなくなる。
また、上述の大当たり信号の送信中に遊技停止状態となった場合には、主制御基板100のメインCPU101が特別遊技の実行を停止することから、メインCPU101は実行中の大当たり信号の送信を停止することができなくなり、当該大当たり信号は送信されたままの状態となる。また、上述の大当たり信号が送信されていないときに遊技停止状態となった場合には、その後、主制御基板100のメインCPU101は特別遊技を開始しないため、メインCPU101が上述の大当たり信号の送信を開始することはない。
【0201】
また、遊技停止状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101がメイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させ、副制御基板300に遊技停止状態が設定された旨を示す遊技停止コマンドを送信し、外部情報端子基板500を介してパチンコ機Pの外部へ所定のセキュリティ信号を送信する。
副制御基板300により遊技停止コマンドが受信されると、演出表示装置21において所定の報知画像が表示され、音声出力装置21から所定の報知音声が出力され、前扉報知ランプDLや状態報知ランプELが所定の点灯パターンにより点灯することにより、遊技停止状態が設定された旨が報知される。また、パチンコ機Pの外部へ送信されたセキュリティ信号は、ホールコンピュータや各種情報を表示するための外部表示装置により受信可能となっており、これにより、遊技停止状態が設定された旨をホールコンピュータにおいて把握することができ、遊技停止状態が設定された旨を外部表示装置において報知することができるようになっている。
【0202】
(遊技停止状態中における可動片16b及び開閉扉18bの制御の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限されるようになっている。
具体的には、遊技停止状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。
【0203】
これにより、たとえば、遊技可能状態中に第2始動入賞口16の可動片16bが開いていた場合には、遊技停止状態が設定されると可動片16bが閉じ、遊技停止状態中は可動片16bが閉じた状態が維持される。また、たとえば、遊技可能状態中に大入賞口18の開閉扉18bが開いていた場合には、遊技停止状態が設定されると開閉扉18bが閉じ、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じた状態が維持される。
また、たとえば、遊技可能状態中に普通図柄の抽選で当たりとなった後、第2始動入賞口16の可動片16bが開く前に遊技停止状態が設定された場合には、可動片16bは開放されず、遊技停止状態中は可動片16bが閉じたままとなる。また、たとえば、遊技可能状態中に特別遊技が実行されており、所定のラウンド遊技が終了し大入賞口18の開閉扉18bが閉じた後、次のラウンド遊技が開始され開閉扉18bが開く前に遊技停止状態が設定された場合には、開閉扉18bは開放されず、遊技停止状態中は開閉扉18bが閉じたままとなる。
【0204】
(遊技停止状態中における遊技球の払い出し関連の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態において、メインCPU101が上述のような制御を行うことにより遊技が進行しないようになっている。
また、遊技停止状態においては、メインCPU101が発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止することにより、発射払出制御基板200による遊技球を発射する制御は停止される。一方、遊技停止状態において、メインCPU101は、発射許可信号の送信を停止する以外は、発射払出制御基板200において行われる各種制御を制限したり、停止したりするための信号やコマンドを発射払出制御基板200へ送信するようなことは行わない。そのため、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態においても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御は停止しないようになっている。
【0205】
具体的には、主制御基板100のメインCPU101が、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16又は大入賞口18への遊技球の入球に基づいて、対応する個数の賞球を払い出す旨の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に(すなわち、賞球指定コマンドを発射払出制御基板200が受信した後に)、遊技停止状態が設定されても、主制御基板100のメインCPU101は、発射払出制御基板200の作動を停止させるための基板停止コマンド、遊技球の払い出しを停止するための払い出し停止コマンド、払出モータ62の作動を停止させるためのモータ停止コマンド等を発射払出制御基板200に送信しない。
【0206】
これにより、たとえば、特別遊技の実行中(すなわち、遊技可能状態)において大入賞口18へ遊技球が入球したことにより賞球が順次払い出されているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、上述の入球に基づく全ての賞球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に大入賞口18へ遊技球が入球することで獲得されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない賞球も全て払い出される。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技可能状態中にいずれかの入賞口へ遊技球が入球し、当該入球に基づく賞球の払い出しの最中に遊技停止状態が設定された場合には、主制御基板100による遊技の進行及び発射払出制御基板200による遊技球の発射については停止するものの、発射払出制御基板200による賞球の払い出しは停止することなく遊技停止状態中も継続して行われる。
【0207】
同様に、遊技者により球貸ボタン36が押下操作され、遊技球貸出装置Rが所定個数の遊技球を貸球として払い出すための貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信した後に、遊技停止状態が設定されても、主制御基板100のメインCPU101は、基板停止コマンド、払い出し停止コマンド、モータ停止コマンド等を発射払出制御基板200に送信しない。
これにより、球貸ボタン36の押下操作による所定個数の遊技球(貸球)の払い出しが行われているときに、遊技停止状態が設定された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出されることとなる。すなわち、遊技停止状態が設定される前に球貸ボタン36が押下操作され、遊技球の払い出しが開始されたものの、遊技停止状態が設定された時点では未だ払い出しが完了していない遊技球も全て払い出される。
【0208】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置R、価値情報表示装置35、球貸スイッチ36a、カード返却スイッチ37aの作動が制限されることはなく、これらの機器からの信号やコマンドの送信、これらの機器による信号やコマンドの受信が制限されることもない。
したがって、遊技停止状態中であっても、球貸ボタン36が押下操作された場合には、遊技球貸出装置Rが貸球払出コマンドを発射払出制御基板200に送信する。また、上述のように、遊技停止状態が設定されても、主制御基板100のメインCPU101は、基板停止コマンド、払い出し停止コマンド、モータ停止コマンド等を発射払出制御基板200に送信しない。
これにより、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合であっても、所定個数全ての遊技球が払い出される。
【0209】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35における価値情報の表示が継続して行われる。また、遊技停止状態中に球貸ボタン36が押下操作された場合にも、遊技球貸出装置Rが減算コマンドを価値情報表示装置35に送信するため、遊技停止状態中であっても、価値情報表示装置35において価値情報の更新表示が行われる。
さらに、遊技停止状態中にカード返却ボタン37が押下操作された場合にも、カード返却スイッチ37aが返却要求信号を遊技球貸出装置Rに送信するため、遊技停止状態中であっても、遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0210】
(遊技停止状態中における払出関連エラーの判定の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、払出関連エラーのうち、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラーについては、発射払出制御基板200において発生の判定(発生の検出)が行われる。また、払出関連エラーのうち、扉開放エラーについては、主制御基板100において発生の判定(発生の検出)が行われる。
【0211】
ここで、遊技可能状態中は、主制御基板100及び発射払出制御基板200のいずれにおいても、それぞれ対応するエラーの発生の判定が行われるようになっている。
一方、遊技停止状態中は、上述のように、主制御基板100においては遊技を進行させない制御が行われることから、これに併せて、主制御基板100によるエラーの発生の判定も行われないようになっている。したがって、遊技停止状態中は、主制御基板100のメインCPU101は扉開放エラーの発生を判定しない。なお、遊技停止状態中は、主制御基板100のメインCPU101は、扉開放エラーのみならず、主制御関連エラーの発生も判定しない。
【0212】
これに対して、遊技停止状態中は、発射払出制御基板200における各種制御を制限したり、停止したりする信号やコマンド(基板停止コマンド等)が発射払出制御基板200に送信されないため、発射払出制御基板200によるエラーの発生の判定は行われるようになっている。したがって、遊技停止状態中であっても、発射払出制御基板200の払出CPU201は継続して、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラーの発生を判定する。
【0213】
(遊技停止状態中におけるパチンコ機P外部への信号送信の概要)
上述のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のメインCPU101によりパチンコ機Pの外部へ入賞信号や大当たり信号を送信する制御が行われ、発射払出制御基板200の払出CPU201によりパチンコ機Pの外部へ受信賞球信号や払出賞球信号を送信する制御が行われるようになっている。
ここで、遊技可能状態中は、メインCPU101による入賞信号や大当たり信号を送信する制御、及び、払出CPU201による受信賞球信号や払出賞球信号を送信する制御のいずれもが行われる。
一方、遊技停止状態中は、上述のように、主制御基板100に入賞信号や大当たり信号を送信する制御は制限されるようになっている。
【0214】
これに対して、遊技停止状態中は、発射払出制御基板200における各種制御を制限したり、停止したりする信号やコマンド(基板停止コマンド等)が発射払出制御基板200に送信されないため、発射払出制御基板200による受信賞球信号や払出賞球信号を送信する制御は制限されることなく、継続して行われるようになっている。
具体的には、たとえば、払出CPU201による受信賞球信号や払出賞球信号の送信中に遊技停止状態が設定された場合であっても、所定時間が経過すると、払出CPU201によるこれらの信号の送信は終了する。また、たとえば、遊技停止状態が設定された後に遊技球の払い出しが行われ、払い出された遊技球が所定個数に到達した場合には、払出CPU201による払出賞球信号の送信が行われ、所定時間が経過すると、払出CPU201による払出賞球信号の送信は終了する。
【0215】
(設定変更状態又は設定確認状態が設定された場合の制御の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、設定変更状態又は設定確認状態が設定されると、主制御基板100のメインCPU101は、発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止し、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16への遊技球の入球や遊技球のゲート20の通過を検出せず、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技の実行を停止する。これにより、遊技停止状態中と同様に、設定変更状態又は設定確認状態においては、遊技が進行しないこととなる。
【0216】
そして、設定変更状態又は設定確認状態においては、主制御基板100のメインCPU101が、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cを作動させないように制御し、また、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cを作動させないように制御する。これにより、遊技停止状態と同様に、設定変更状態中又は設定確認状態中は可動片16b及び開閉扉18bが閉じたままとなる。
これに対して、設定変更状態中又は設定確認状態中には、メインCPU101は、発射払出制御基板200に基板停止コマンドを送信する。これにより、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し及び払出関連エラーの判定が停止し、受信賞球信号や払出賞球信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御が制限されるようになっている。
なお、設定変更状態中又は設定確認状態中も、メインCPU101が、発射払出制御基板200に基板停止コマンドを送信しないようにして、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し及び払出関連エラーの判定が継続して行われるとともに、受信賞球信号や払出賞球信号のパチンコ機Pの外部への送信の制御が制限されないようにしてもよい。
【0217】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態においては、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bの作動が制限され、遊技が進行しない制御状態中は可動片16b及び大入賞口18が閉じたままとなる。
これにより、遊技が進行していないにもかかわらず、始動入賞口ソレノイド16cや大入賞口ソレノイド18cが作動し続けることで、たとえば、これらの構成部品が発熱し故障したり破損したりするような事態を防止できる。また、第2始動入賞口16や大入賞口18が開き続けることで、遊技が進行していない間にこれらの入賞口へ不正部品を挿入して賞球を獲得するような不正行為を防止できる。
【0218】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態においては、遊技球の発射は行われないものの、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し(賞球の払い出し及び貸球の払い出しの両方)は継続して行われ、また、価値情報表示装置35における価値情報の表示、遊技球貸出装置Rによるカードの排出等も行われる。
これにより、たとえば、遊技停止状態が設定されるよりも前にいずれかの入賞口へ遊技球が入球したにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより賞球の払い出しが停止し、上述の入球に基づく賞球の一部を獲得できないといった不利益や、遊技停止状態が設定されるよりも前に遊技者により球貸スイッチ36が押下されたにもかかわらず、遊技停止状態が設定されたことにより貸球の払い出しが停止し、貸球の一部を取得できないといった不利益の発生を防止することができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、作動を停止させたり、遊技球の払い出しを停止させたりする信号やコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無いため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0219】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100で発生の判定がなされるエラーについては当該判定を行わないものの、発射払出制御基板200で発生の判定がなされるエラーについては当該判定を行うようになっている。
これにより、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御が継続して行われる遊技停止状態中であっても、遊技球の払い出しに係る機器(払出モータ62、払出計数スイッチ63等)の作動異常や当該機器に対する不正行為に起因するエラーの発生を確実に把握することができ、発射払出制御基板200のセキュリティを維持することができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、作動を停止させる信号やコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無く、また、主制御基板100においてはエラーの判定を行わないため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0220】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技が進行しない制御状態である遊技停止状態中は、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されるものの、発射払出制御基板200による受信賞球信号や払出賞球信号のパチンコ機P外部への送信の制御は制限されないようになっている。
これにより、発射払出制御基板200による遊技球の払い出しの制御が継続して行われる遊技停止状態中であっても、遊技球の払い出しに関する情報をパチンコ機Pの外部の装置においても確実に把握させることができる。また、遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は発射払出制御基板200に対して、パチンコ機Pの外部への信号の送信を停止させるコマンドを送信する等といった特段の処理を実行する必要が無く、また、主制御基板100による入賞信号や大当たり信号の送信の制御は制限されるため、メインCPU101等のハードウェア資源にかかる負荷が増加するのを防止することができる。
【0221】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間は、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間よりも長く設定されている。
これにより、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する信号よりも、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
【0222】
なお、上記送信の時間の設定については、これに限定されるものではない。
たとえば、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間が、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間よりも長くなるように設定してもよい。
このように設定した場合には、主制御基板100からパチンコ機Pの外部へ送信する信号よりも、発射払出制御基板200からパチンコ機Pの外部へ送信する信号の方が、確実にパチンコ機Pの外部へ伝達されることとなる。
また、発射払出制御基板200がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間と、主制御基板100がパチンコ機Pの外部へ信号を送信する時間とが同じとなるように設定してもよい。
【0223】
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100の電断退避処理を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する主制御基板100のメイン処理に割り込んで、
図21のフローチャートに示す電断退避処理が実行される。
【0224】
ステップ100において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、メインRAM103における使用領域及び使用外領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを第2領域に記憶する。そして、次のステップ102に進む。
【0225】
ステップ102において、メインCPU101は、メインRAM103の記憶領域に記憶されている各種データ(設定値、制御状態を示す遊技機状態フラグ、チェックサム、バックアップフラグ、エラーの情報、遊技の進行に係る各種データ、遊技性能データ)を保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを第2領域に記憶する。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを禁止する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ104に進む。
【0226】
ステップ104において、メインCPU101は、発射払出制御基板200への主コマンド許可信号、発射許可信号の送信を停止する。そして、次のステップ105に進む。
ステップ105において、メインCPU101は、電断監視時間(3000ms)を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ106に進む。
【0227】
ステップ106において、メインCPU101は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ105に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ107に進む。
ステップ107において、メインCPU101は、上述のステップ105で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ106に戻る。一方、経過したと判定した場合、電断退避処理を終了し、後述の電断復帰時処理を実行する。なお、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ105からステップ107までをループしている間は、パチンコ機Pの作動が停止している。
【0228】
次に、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図22のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0229】
ステップ110において、メインCPU101は、電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを禁止する。そして、次のステップ112に進む。
【0230】
ステップ112において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ113に進む。
ステップ113において、メインCPU101は、特図遊技や普図遊技を実行するために用いられる各種コマンドを解析する。そして、次のステップ114に進む。
【0231】
ステップ114において、メインCPU101は、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを副制御基板300に送信する。そして、次のステップ115に進む。
ステップ115において、メインCPU101は、他の処理の割り込みを許可する。そして、次のステップ116に進む。
【0232】
ステップ116において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ116の処理が終了すると、以降は、後述するタイマ割込み処理が行われるまで、ステップ111~ステップ116の処理を繰り返し実行する。
【0233】
次に、上述したステップ110の電断復帰時処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ130において、メインCPU101は、メインROM102から起動プログラムを読み込む等、電断復帰時(電源スイッチ650がオンとなった場合、不測の電源断から復帰した場合)における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。また、メインCPU101は、発射払出制御基板200への発射許可信号及び主コマンド許可信号の送信を開始する(発射許可信号をオンにする)。これにより、操作ハンドル5の回転操作に基づき、発射払出制御基板200によって遊技球を発射させる制御が実行可能となるとともに、発射払出制御基板200から主制御基板100へのコマンドの送信が可能となる。また、特に図示していないが、メインCPU101は、メインRAM103へのアクセスを許可する。これにより、これ以降、メインRAM103への各種データの記憶やメインRAM103からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ131に進む。
ステップ131において、メインCPU101は、この時点におけるメインRAM103のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及びメインRAM103の第2領域に記憶されているチェックサム(ステップ101で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、第2領域に記憶されているバックアップフラグに基づいて、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ136に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ132に進む。
【0234】
ステップ132において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、ステップ136に進む。一方、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、次のステップ133に進む。
ステップ133において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態、設定スイッチ108がオン、かつ本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か、すなわち、遊技可能状態が終了し設定確認状態が設定されるための条件を満たしているか否かを判定する。そして、当該条件を満たしていないと判定した場合(すなわち、滞在中の制御状態が設定確認状態、設定変更状態又は遊技停止状態、設定スイッチ108がオフ、本体枠開放検出センサ2aがオフのいずれかを満たす場合)、ステップ135に進む。一方、当該条件を満たしていると判定した場合、次のステップ134に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、メインRAM103の使用領域における第1領域に、滞在中の制御状態を示す遊技機状態フラグが記憶されるようになっており、この遊技機状態フラグを参照することで、滞在中の制御状態を判断することができる。
【0235】
ステップ134において、メインCPU101は、設定確認状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定されていた場合には異常時初期化処理を実行し、設定変更状態が設定されていた場合又は上述のステップ134で設定確認状態が設定された場合にはクリア処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0236】
また、上述のステップ131でバックアップ異常が発生していると判定した場合、上述のステップ132でRAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合に進むステップ136において、メインCPU101は、RAM異常が発生していないか否かを判定する。そして、RAM異常が発生していないと判定した場合、ステップ138に進む。一方、RAM異常が発生していると判定した場合、次のステップ137に進む。
ステップ137において、メインCPU101は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態を設定し、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。具体的には、停止関連処理として、発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を停止する処理(発射許可信号をオフとする処理)、遊技停止状態の設定前に特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、特別遊技が実行されていた場合にはこれらを停止する処理、払出関連エラー(扉開放エラー)及び主制御関連エラーの判定を停止する処理、入賞信号及び大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御を停止(制限)する処理、メイン情報表示装置105においてエラーコードを表示させる処理、パチンコ機Pの外部へセキュリティ信号を送信する処理等が実行される。これにより、操作ハンドル5の回転操作が行われても、発射払出制御基板200による遊技球を発射させる制御が実行不可となり、また、遊技の進行が停止する。さらに、払出関連エラー等の判定が行われなくなり、入賞信号及び大当たり信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御が制限される。一方、発射払出制御基板20による、遊技球を払い出す制御、払出関連エラー(球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラー)の判定、受信賞球信号及び払出賞球信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御は継続して行われる。そして、ステップ143に進む。
【0237】
また、上述のステップ136でRAM異常が発生していないと判定した場合に進むステップ138において、メインCPU101は、設定変更条件(すなわち、設定スイッチ108がオン、RAMクリアスイッチ109がオン、本体枠開放検出センサ2aがオン)が成立しているか否かを判定する。そして、設定変更条件が成立していないと判定した場合、ステップ140に進む。一方、設定変更条件が成立していると判定した場合、次のステップ139に進む。
ステップ139において、メインCPU101は、設定変更状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0238】
また、上述のステップ138で設定変更条件が成立していないと判定した場合に進むステップ140において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生の有無を判定する。そして、バックアップ異常が発生していると判定した場合、ステップ142に進む。一方、バックアップ異常が発生していないと判定した場合、次のステップ141に進む。
ステップ141において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、ステップ143に進む。
【0239】
また、上述のステップ140でバックアップ異常が発生していると判定した場合に進むステップ142において、メインCPU101は、バックアップ異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ143に進む。
ステップ143において、メインCPU101は、遊技停止状態が設定された場合には異常時初期化処理を実行し、遊技可能状態又は設定変更状態が設定された場合には通常初期化処理を実行する。そして、ステップ144に進む。
【0240】
ステップ144において、メインCPU101は、電源復帰時に副制御基板300へ送信するコマンド(たとえば、遊技停止状態が設定された旨を示す遊技停止コマンド等)を演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ145に進む。
ステップ145において、メインCPU101は、電断復帰時に実行された処理に応じた所定のコマンドを発射払出制御基板200へ送信する。具体的には、異常時初期化処理又は通常初期化処理が実行された場合には、RAMクリア指定コマンドを発射払出制御基板200へ送信し、クリア処理が実行された場合には、電断復帰指定コマンドを発射払出制御基板200へ送信する。
なお、上述のように、発射払出制御基板200へ各種コマンドを送信する際には、メインCPU101が、発射払出制御基板200から払出コマンド許可信号が送信されているか否かを判定し、払出コマンド許可信号が送信されていると判定した場合に各種コマンドを送信する。したがって、ここでは、払出コマンド許可信号が送信されていると判定した場合にRAMクリア指定コマンド又は電断復帰指定コマンドを送信し、払出コマンド許可信号が送信されていないと判定した場合には、これらのコマンドを送信しない。
そして、電断復帰時処理を終了する。
【0241】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)ごとにクロックパルスが発生されることで、
図24のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0242】
ステップ200において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、ステップ214に進む。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ201に進む。
ステップ201において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ202に進む。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
【0243】
ステップ202において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18a、一般入賞口検出センサ14a、アウト口検出センサ19aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。なお、このセンサ検出時処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。これにより、これらの制御状態中においては、遊技球が一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16、大入賞口18へ入球しても又は遊技球がゲート20を通過しても、新たな賞球、新たな特図乱数の保留記憶、新たな普図乱数の保留記憶が発生しない。そして、次のステップ204に進む。
【0244】
ステップ204において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。なお、この特図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。これにより、これらの制御状態中においては、大当たりの抽選、特別図柄の変動表示及び特別遊技が実行されない。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。なお、この普図関連制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。これにより、これらの制御状態中においては、普通図柄の抽選が実行されない。そして、次のステップ206に進む。
【0245】
ステップ206において、メインCPU101は、扉開放エラー及び主制御関連エラーの発生の判定、これらのエラーの発生に基づく各種処理を行う状態制御処理を実行する。
具体的には、メインCPU101は、これらのエラーが発生したか否かを判定し、エラーが発生したと判定した場合に、発生したエラーの種類に応じたエラーコマンドを副制御基板300や外部情報端子基板500へ送信する。これにより、状態報知ランプEL、前扉演出ランプDL、液晶表示装置21等によって上述のエラーが発生した旨の報知が行われ、ホールコンピュータ等に対して上述のエラーが発生した旨が通知されることとなる。なお、この状態制御処理は、遊技停止状態中、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。これにより、これらの制御状態中においては、扉開放エラー及び主制御関連エラーの発生が判定されない。そして、次のステップ207に進む。
【0246】
ステップ207において、メインCPU101は、発射払出制御基板200において遊技球を払い出すために必要な各種処理を行う払出制御処理を実行する。
具体的には、電断復帰後に最初に実行される払出制御処理では、メインCPU101は、主起動情報指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。また、発射払出制御基板200から送信される払出起動指定コマンドを受信した後に最初に実行される払出制御処理では、メインCPU101は、払出起動情報指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。
また、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合には、発射払出制御基板200から払出コマンド許可信号が送信されていることを条件として、メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。
なお、上述の如く、発射払出制御基板200に賞球指定コマンドが送信された後に遊技停止状態が設定されても、メインCPU101は、基板停止コマンド、払い出し停止コマンド、モータ停止コマンドを発射払出制御基板200に送信することはない。これにより、遊技停止状態中も、上述の賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は継続して行われる。これに対して、賞球指定コマンドが送信された後に設定変更状態又は設定確認状態が設定されると、メインCPU101は、基板停止コマンドを発射払出制御基板200に送信するため、設定変更状態中又は設定確認状態中は、上述の賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は行われない。したがって、当該賞球の払い出しの途中であっても、当該賞球が全て払い出されることはない。
そして、次のステップ208に進む。
【0247】
ステップ208において、メインCPU101は、遊技状態(通常遊技状態、高確率時短遊技状態)に応じて遊技球を打ち出す遊技領域(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を決定するための発射位置制御処理を実行する。そして、次のステップ209に進む。
ステップ209において、メインCPU101は、外部情報端子基板500への各種信号の送信を制御するための外部情報制御処理を実行する。この外部情報制御処理は、遊技可能状態のみならず、遊技停止状態中、設定変更状態中及び設定確認状態中も実行される。これにより、遊技停止状態中、設定変更状態中及び設定確認状態中には、パチンコ機Pの外部へ所定のセキュリティ信号が送信されるようになっている。これに対して、遊技可能状態中は、この外部情報制御処理の実行により、上述の入賞信号や大当たり信号、主制御基板100により発生が判断されるエラー(たとえば、特別遊技中以外に大入賞口18へ遊技球が入球したことに基づいて発生する異常入賞エラー等)の発生を示すエラー信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御が行われるが、遊技停止状態中、設定変更状態中及び設定確認状態中は、遊技が進行しないことから、外部情報制御処理は実行されるものの、入賞信号や大当たり信号、エラー信号をパチンコ機Pの外部へ送信する制御は制限される。
たとえば、入賞信号の送信中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった場合には、メインCPU101は特別図柄の変動表示を停止することから、入賞信号の送信を停止することができず、当該入賞信号は送信されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった後に、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16に遊技球が入球しても、メインCPU101は当該入球を検出しないため、入賞信号の送信は開始されない。
また、大当たり信号の送信中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった場合には、メインCPU101が特別遊技の実行を停止することから、大当たり信号の送信を停止することができず、当該大当たり信号は送信されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった後は、メインCPU101は特別遊技を開始しないため、大当たり信号の送信は開始されない。
また、エラー信号の送信中に遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった場合には、メインCPU101はエラー信号の送信時間をカウントするタイマカウンタの更新を行わない(上述のステップ201のタイマ更新処理をスキップする)ことから、エラー信号の送信を停止することができず、当該エラー信号は送信されたままとなる。また、遊技停止状態、設定変更状態、設定確認状態となった後は、メインCPU101はエラーの判定を行わない(上述のステップ206の状態制御処理をスキップする)ため、エラー信号の送信は開始されない。
そして、次のステップ210に進む。
【0248】
ステップ210において、メインCPU101は、第2始動入賞口16の可動片16bの開閉を制御するための始動入賞口ソレノイドデータ、及び、大入賞口18の開閉扉18bの開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータを所定のソレノイド記憶領域にセットするソレノイド制御処理を実行する。そして、次のステップ211に進む。
ステップ211において、メインCPU101は、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データを作成する表示データ作成処理を実行する。そして、次のステップ212に進む。
【0249】
ステップ212において、メインCPU101は、上述のステップ210でセットされた始動入賞口ソレノイドデータ及び大入賞口ソレノイドデータ、並びに、上述のステップ211で作成した表示データを対応するポートに出力するポート出力処理を実行する。これにより、これらのデータに基づいて、第2始動入賞口16の可動片16bの開閉、大入賞口18の開閉扉18bの開閉、各種表示装置における表示が行われる。そして、次のステップ213に進む。
ステップ213において、メインCPU101は、メイン情報表示装置105に遊技性能表示情報を表示する性能表示制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0250】
また、上述のステップ200で滞在中の制御状態が遊技可能状態でないと判定した場合に進むステップ214において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技停止状態であるか否かを判定する。そして、遊技停止状態であると判定した場合、ステップ209に進む。一方、遊技停止状態でないと判定した場合、次のステップ215に進む。
ステップ215において、メインCPU101は、設定関連処理を実行する。そして、ステップ209に進む。
【0251】
次に、上述したステップ203のセンサ検出時処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
【0252】
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16へ入球したことに基づいて大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、メインCPU101は、遊技球が大入賞口18へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための大入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ304に進む。
ステップ304において、メインCPU101は、遊技球が一般入賞口14へ入球したことに基づいて所定の処理を行うための一般入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0253】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0254】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0256】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0257】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ112で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0258】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0259】
ステップ508において、メインCPU101は、第1始動入賞口15へ入球した遊技球の数をカウントするための第1始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0260】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0261】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0262】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ112で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0263】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ116で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0264】
ステップ608において、メインCPU101は、第2始動入賞口16へ入球した遊技球の数をカウントするための第2始動入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0265】
次に、上述したステップ303の大入賞口検出時処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ610において、メインCPU101は、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、大入賞口検出時処理を終了する。一方、大入賞口検出センサ18aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ611に進む。
ステップ611において、メインCPU101は、大入賞口18へ入球した遊技球の数をカウントするための大入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、大入賞口検出時処理を終了する。
【0266】
次に、上述したステップ304の一般入賞口検出時処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ650において、メインCPU101は、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、一般入賞口検出時処理を終了する。一方、一般入賞口検出センサ14aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、一般入賞口14へ入球した遊技球の数をカウントするための一般入賞口入球カウンタの値を1インクリメントする。そして、そして、一般入賞口検出時処理を終了する。
【0267】
次に、上述したステップ204の特図関連制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0268】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0269】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0270】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり抽選処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0271】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0272】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0273】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0274】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定のデモ開始時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0275】
次に、上述したステップ805の大当たり抽選処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ850において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」~「6」のいずれかの値)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値であると判定した場合、ステップ853に進む。一方、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」未満の値又は「6」よりも大きい値)と判定した場合、次のステップ851に進む。
ステップ851において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ852に進む。
【0276】
ステップ852において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリア指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
また、上述のステップ850で設定値が正常値であると判定した場合に進むステップ853において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、メインRAM103に記憶されている設定値及び現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、大当たり抽選処理を終了する。
【0277】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0278】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0279】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0280】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0281】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択(取得)する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0282】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動時間の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0283】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0284】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0285】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0286】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0287】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0288】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0289】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0290】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0291】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間である時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0292】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
【0293】
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0294】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0295】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1209に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
【0296】
ステップ1203において、メインCPU101は、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、各ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1205に進む。一方、各ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1204に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、各ラウンド遊技の開始時点に、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、各ラウンド遊技において大入賞口18が開放される開放時間(29.0秒)が大入賞口開放タイマカウンタにセットされる。メインCPU101は、この大入賞口開放タイマカウンタの値を確認することにより、各ラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定することができるようになっている。
【0297】
ステップ1204において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、メインCPU101は、大入賞口18の開放中である旨を示す大入賞口開放フラグをオンにする。なお、この大入賞口開放フラグは、特別遊技の開始時点でオフにされる。そして、次のステップ1205に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0298】
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1206に進む。
なお、メインCPU101は、大入賞口開放タイマカウンタにセットされた開放時間が経過するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球したかを確認することにより、ラウンド遊技が終了したか否かを判定することができるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。また、メインCPU101は、大入賞口開放フラグをオフにする。そして、次のステップ1207に進む。
【0299】
ステップ1207において、メインCPU101は、上述のステップ1206でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0300】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1209において、メインCPU101は、上述のステップ1208でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1210に進む。
ステップ1210において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1211に進む。
【0301】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0302】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の大当たり図柄が特別図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「100」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0303】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0304】
次に、上述したステップ205の普図関連制御処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0305】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0306】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、次のステップ1504に進む。
【0307】
ステップ1504において、メインCPU101は、普通図柄抽選処理を実行する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「13秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1506に進む。
【0308】
ステップ1506において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1507に進む。
ステップ1507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
【0309】
ステップ1508において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0310】
次に、上述したステップ1504の普通図柄抽選処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1550において、メインCPU101は、メインRAM103の第1領域に記憶されている設定値をロードし、この設定値が正常値(すなわち、「1」~「6」のいずれかの値)であるか否かを判定する。そして、この設定値が正常値であると判定した場合、ステップ1553に進む。一方、この設定値が正常値でない(すなわち、「1」未満の値又は「6」よりも大きい値)と判定した場合、次のステップ1551に進む。
ステップ1551において、メインCPU101は、設定値異常の発生に基づく遊技停止状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。また、メインCPU101は、遊技停止状態の設定に基づく停止関連処理を実行する。この停止関連処理は、RAM異常の発生に基づく遊技停止状態が設定された場合に実行される処理内容(上述のステップ137で行われる処理内容)と同様のため、ここでは説明を割愛する。そして、ステップ1552に進む。
【0311】
ステップ1552において、メインCPU101は、異常時初期化処理を実行する。また、メインCPU101は、RAMクリア指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。そして、タイマ割込処理のステップ200に進む。
また、上述のステップ1550で設定値が正常値であると判定した場合に進むステップ1553において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、所定の処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1554に進む。
【0312】
ステップ1554において、メインCPU101は、上述のステップ1553における当選判定処理の結果に基づく普通図柄の停止表示データをメインRAM103の所定の普図記憶領域に記憶する。具体的には、当選判定処理の結果が当たりであった場合には当たり図柄データが所定の普図記憶領域に記憶され、当選判定処理の結果がハズレであった場合にはハズレ図柄データが所定の普図記憶領域に記憶される。そして、普通図柄抽選処理を終了する。
【0313】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、上述のステップ1505で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0314】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データ(当たり図柄データ、ハズレ図柄データ)をセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0315】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0316】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0317】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0318】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0319】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0320】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。また、メインCPU101は、第2始動入賞口16の開放中である旨を示す第2始動入賞口開放フラグをオンにする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0321】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放フラグをオフにする。そして、次のステップ1806に進む。
【0322】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0323】
次に、上述したステップ210のソレノイド制御処理について、
図45のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1850において、メインCPU101は、始動入賞口ソレノイドデータとして、第2始動入賞口16を閉鎖させる(可動片16bを閉じる、始動入賞口ソレノイド16cに通電しない)ための閉鎖データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1851に進む。
ステップ1851において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を閉鎖させる(開閉扉18bを閉じる、大入賞口ソレノイド18cに通電しない)ための閉鎖データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1852に進む。
【0324】
ステップ1852において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が遊技可能状態であるか否かを判定する。そして、遊技可能状態でないと判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、遊技可能状態であると判定した場合、次のステップ1853に進む。
ステップ1853において、メインCPU101は、第2始動入賞口フラグがオンであるか否かを判定する。そして、第2始動入賞口フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、第2始動入賞口フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1854に進む。
【0325】
ステップ1854において、メインCPU101は、始動入賞口ソレノイドデータとして、第2始動入賞口16を開放させる(可動片16bを開く、始動入賞口ソレノイド16cに通電する)ための開放データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、次のステップ1855に進む。
ステップ1855において、メインCPU101は、大入賞口フラグがオンであるか否かを判定する。そして、大入賞口フラグがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、ソレノイド制御処理を終了する。一方、大入賞口フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1856に進む。
【0326】
ステップ1856において、メインCPU101は、大入賞口ソレノイドデータとして、大入賞口18を開放させる(開閉扉18bを開く、大入賞口ソレノイド18cに通電する)ための開放データを、所定のソレノイドデータ記憶領域にセットする。そして、ソレノイド制御処理を終了する。
以上のような処理が行われることで、閉鎖データがセットされた場合には、可動片16bが閉じ第2始動入賞口16は閉鎖し、開閉扉18bが閉じ大入賞口18は閉鎖する。一方、開放データがセットされた場合には、可動片16bが開き第2始動入賞口16が開放し、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放する。また、滞在中の制御状態が遊技可能状態でないときには閉鎖データがセットされる。したがって、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態においては必ず、第2始動入賞口16及び大入賞口18が閉鎖することとなる。
なお、このソレノイド制御処理は、所定の周期(4ミリ秒)ごとに実行されるタイマ割込処理において実行されるものである。すなわち、遊技停止状態において、可動片16b及び開閉扉18bの作動を制限する処理は、所定のタイミングごとに行われるようになっている。
【0327】
次に、上述したステップ215の設定関連処理について、
図46のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1900において、メインCPU101は、滞在中の制御状態が設定変更状態であるか否かを判定する。そして、設定変更状態でないと判定した場合、ステップ1908に進む。一方、設定変更状態であると判定した場合、次のステップ1901に進む。
ステップ1901において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、ステップ1905に進む。一方、設定スイッチ108がオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、次のステップ1902に進む。
【0328】
ステップ1902において、メインCPU101は、RAMクリアスイッチ109がオンであるか否かを判定する。そして、RAMクリアスイッチ109がオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、RAMクリアスイッチ109がオンであると判定した場合、次のステップ1903に進む。
ステップ1903において、メインCPU101は、本体枠開放検出センサ2aがオンであるか否か(すなわち、本体枠2が開放している否か)を判定する。そして、本体枠開放検出センサ2aがオンでない(すなわち、オフである)と判定した場合、設定関連処理を終了する。一方、本体枠開放検出センサ2aがオンであると判定した場合、次のステップ1904に進む。
【0329】
ステップ1904において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている設定値を変更する。具体的には、現時点において記憶されている設定値を1インクリメントした設定値に変更する。そして、設定変更処理を終了する。
また、上述のステップ1901で設定スイッチ108がオフであると判定した場合に進むステップ1905において、メインCPU101は、設定変更状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定変更状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、次のステップ1906に進む。
【0330】
ステップ1906において、メインCPU101は、副制御基板300へ送信する各種コマンド(たとえば、演出表示装置21に初期画面を表示するためのコマンド)を演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1907に進む。
ステップ1907において、メインCPU101は、遊技可能状態を設定するとともに、その旨を示す遊技機状態フラグを第1領域に記憶する。そして、設定関連処理を終了する。
【0331】
また、上述のステップ1900で滞在中の制御状態が設定変更状態でないと判定した場合に進むステップ1908において、メインCPU101は、設定スイッチ108がオフであるか否かを判定する。そして、設定スイッチ108がオフでないと判定した場合、設定変更処理を終了する。一方、設定スイッチ108がオフであると判定した場合、次のステップ1909に進む。
ステップ1909において、メインCPU101は、設定確認状態が終了し遊技可能状態が設定される旨を示す設定確認状態終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。ここでセットされたコマンドは、上述のステップ114で副制御基板300へ送信される。そして、ステップ1906に進む。
【0332】
次に、発射払出制御基板200で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、発射払出制御基板200における電断退避処理(以下、払出電断退避処理という)を説明する。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、供給される電源の電圧が所定値以下となると、後述する発射払出制御基板200のメイン処理(以下、払出メイン処理という)に割り込んで、
図47のフローチャートに示す払出電断退避処理が実行される。
【0333】
ステップ2000において、払出CPU201は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していないと判定した場合、払出電断退避処理を終了する。一方、電断発生信号を検出していると判定した場合、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、払出CPU201は、主制御基板100及び遊技球貸出装置Rへの払出コマンド許可信号の送信を停止し(払出コマンド許可信号をオフにし)、接続フラグをオフにする(接続信号をオフにする)。そして、次のステップ2002に進む。
【0334】
ステップ2002において、払出CPU201は、払出RAM203の記憶領域に記憶されている各種データを保持するバックアップ処理を実行し、このバックアップ処理の結果を示すバックアップフラグを払出RAM203の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ2003に進む。
ステップ2003において、払出CPU201は、払出RAM203の記憶領域のチェックサムを算定する処理を実行し、算定されたチェックサムを払出RAM203の所定の記憶領域に記憶する。そして、次のステップ2004に進む。
【0335】
ステップ2004において、払出CPU201は、払出RAM203へのアクセスを禁止する。これにより、これ以降、払出RAM203への各種データの記憶や払出RAM203からの各種データの読み出し(ロード)が不可能となる。そして、次のステップ2005に進む。
ステップ2005において、払出CPU201は、電断監視時間(100ms)を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ2006に進む。
【0336】
ステップ2006において、払出CPU201は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ2005に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ2007に進む。
ステップ2007において、払出CPU201は、上述のステップ2005で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ2006に戻る。一方、経過したと判定した場合、払出電断退避処理を終了し、後述の発射払出制御基板200の電断復帰時処理(以下、払出電断復帰時処理という)を実行する。なお、発射払出制御基板200においても、電断監視時間タイマカウンタには減算タイマを採用しており、上述の電断発生信号の検出の判定が実行されるごとにタイマカウンタが1ずつ減算され、0となった場合に電断監視時間が経過したと判定されるようになっている。電断が発生した場合には、上述のステップ2005からステップ2007までをループしている間は、パチンコ機Pの作動が停止している。
【0337】
次に、払出メイン処理を説明する。
電源基板600により電力が供給されると(電断から復帰すると)、払出CPU201は、
図48のフローチャートに示す払出メイン処理を実行する。
【0338】
ステップ2100において、払出CPU201は、払出電断復帰時処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
ステップ2101において、払出CPU201は、他の処理の割り込みを禁止する。そして、次のステップ2102に進む。
【0339】
ステップ2102において、払出CPU201は、主制御基板100から受信したコマンドを、各コマンドに対応する払出RAM203の記憶領域に記憶する受信コマンド関連処理を実行する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、払出CPU201は、主制御基板100から受信したコマンドに基づく処理、及び発射払出制御基板200の作動状況に応じて主制御基板100に各種コマンドを送信するコマンド送受信関連処理を実行する。具体的には、たとえば、払出CPU201は、主制御基板100から主起動情報指定コマンドを受信した場合、主制御基板100から主コマンド許可信号が送信されていることを条件に、払出起動指定コマンドを主制御基板100へ送信する。また、払出CPU201は、主制御基板100からRAMクリア指定コマンドを受信した場合、払出RAM203の全ての記憶領域をクリアし、各種タイマカウンタに初期値をセットする等の処理を行う。また、払出CPU201は、主制御基板100から電断復帰指定コマンドを受信した場合、払出RAM203の一部の記憶領域をクリアし、所定のタイマカウンタに初期値をセットする等の処理を行う。また、払出CPU201は、主制御基板100から賞球指定コマンドを受信した場合、賞球指定コマンドに対応する賞球数を払出RAM203の所定の記憶領域に記憶する。また、払出CPU201は、後述する払出タイマ割込み処理において払出関連エラーの発生を判定した場合、発生した払出関連エラーに関するコマンドを主制御基板100へ送信する。そして、次のステップ2104に進む。
【0340】
ステップ2104において、払出CPU201は、他の処理の割り込みを許可する。そして、ステップ2104の処理が終了すると、以降は、後述する払出タイマ割込み処理が行われるまで、ステップ2101~ステップ2104の処理を繰り返し実行する。
【0341】
次に、上述したステップ2100の払出電断復帰時処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2200において、払出CPU201は、発射払出制御基板200における処理や制御に使用するためのスタックポインタやレジスタを設定する等、電断復帰時における各種処理を実行するために必要な初期設定処理を実行する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、払出CPU201は、電断監視時間(100ms)を、電断監視時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ2202に進む。
【0342】
ステップ2202において、払出CPU201は、電断発生信号を検出しているか否かを判定する。そして、電断発生信号を検出していると判定した場合、ステップ2201に戻る。一方、電断発生信号を検出していないと判定した場合、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、払出CPU201は、上述のステップ2201で設定された電断監視時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ2202に戻る。一方、経過したと判定した場合、次のステップ2204に進む。
【0343】
ステップ2204において、払出CPU201は、払出RAM203へのアクセスを許可する。これにより、これ以降、払出RAM203への各種データの記憶や払出RAM203からの各種データの読み出し(ロード)が可能となる。そして、次のステップ2205に進む。
ステップ2205において、払出CPU201は、この時点における払出RAM203のチェックサムを算定するとともに、算定されたチェックサム及び払出RAM203に記憶されているチェックサム(ステップ2003で電断発生直前に算定されたチェックサム)、並びに、払出RAM203に記憶されているバックアップフラグに基づいて、チェックサム又はバックアップフラグに異常が発生しているか否かを判定する。そして、チェックサム又はバックアップフラグに異常が発生していると判定した場合、ステップ2207に進む。一方、チェックサム及びバックアップフラグのいずれにも異常が発生していないと判定した場合、次のステップ2206に進む。
【0344】
ステップ2206において、払出CPU201は、払出クリア処理を実行する。そして、ステップ2208に進む。
また、上述のステップ2205でチェックサム又はバックアップフラグに異常が発生していると判定した場合に進むステップ2207において、払出CPU201は、払出初期化処理を実行する。そして、次のステップ2208に進む。
【0345】
ステップ2208において、払出CPU201は、主制御基板100への主コマンド許可信号の送信を開始する(主コマンド許可信号をオンにする)。これにより、主制御基板100から発射払出制御基板200へのコマンドの送信が可能となる。そして、次のステップ2209に進む。
ステップ2209において、払出CPU201は、払出モータ62を動作可能とする設定、払出タイマ割込みを行うためのタイマカウンタの設定等、発射払出制御基板200において遊技球の払い出し動作を開始するための各種処理を実行する。そして、払出電断復帰時処理を終了する。
【0346】
次に、払出タイマ割込処理を説明する。
発射払出制御基板200に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、1.4ミリ秒)ごとにクロックパルスが発生されることで、
図50のフローチャートに示す払出タイマ割込処理が実行される。
【0347】
ステップ2300において、払出CPU201は、発射払出制御基板200における処理や制御を実行するためのレジスタの退避、割込みの許可等を行うタイマ割込み開始時処理を実行する。
ステップ2301において、払出CPU201は、発射払出制御基板200に接続されている払出モータ62、払出計数スイッチ63等の機器の状態の管理、入力信号の検出等を行うポート入力処理を実行する。そして、次のステップ2302に進む。
【0348】
ステップ2302において、払出CPU201は、発射払出制御基板200が備える各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ2303に進む。なお、発射払出制御基板200においても、減算タイマを採用しており、払出タイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2303において、払出CPU201は、主制御基板100から受信した賞球指定コマンドに対応する賞球を払い出すように払出モータ62を作動させる制御等を行う払出関連処理を実行する。なお、上述の如く、遊技停止状態中も、上述の賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は継続して行われる。これに対して、設定変更状態中又は設定確認状態中は、主制御基板100と発射払出制御基板200との間での主起動情報指定コマンド、払出起動指定コマンド、払出起動確認指定コマンドのやり取り(上述のステップ207の払出制御処理)が終了していないため、上述の賞球指定コマンドに基づく発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御は行われない。また、賞球指定コマンドに基づく払い出しが完了していない賞球があったときには、当該制御状態の終了後にこの賞球の払い出しが開始される。そして、次のステップ2304に進む。
なお、設定変更状態中及び設定確認状態中においても、発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御を実行するように設定してもよい。このように設定した場合には、主制御基板100と発射払出制御基板200との間における上述のコマンドのやり取りを、設定変更状態又は設定確認状態が設定される前や、設定変更状態中又は設定確認状態中に、実行するようにしてもよい。このようにすることで、賞球の払い出しが実行されない期間を極力短くすることができる。
ステップ2304において、払出CPU201は、遊技球貸出装置Rとの接続の確認、カードに記憶されている価値情報の取得等を行う遊技球貸出装置通信処理を実行する。そして、次のステップ2305に進む。
【0349】
ステップ2305において、払出CPU201は、遊技球貸出装置Rから貸球払出コマンドを受信した場合に、当該貸出払出コマンドに対応する貸球を払い出すように払出モータ62を作動させる制御等を行う貸出関連処理を実行する。なお、上述の如く、遊技停止状態中も、上述の貸球払出コマンドに基づく発射払出制御基板200による貸球の払い出しの制御は継続して行われる。これに対して、設定変更状態中又は設定確認状態中は、上述の如く、主制御基板100と発射払出制御基板200との間での主起動情報指定コマンド、払出起動指定コマンド、払出起動確認指定コマンドのやり取り(上述のステップ207の払出制御処理)が終了していないため、上述の貸球払出コマンドに基づく発射払出制御基板200による貸球の払い出しの制御は行われない。また、貸球払出コマンドに基づく払い出しが完了していない貸球があったときには、当該制御状態の終了後にこの貸球の払い出しが開始される。そして、次のステップ2306に進む。
なお、設定変更状態中及び設定確認状態中においても、発射払出制御基板200による貸球の払い出しの制御を実行するように設定してもよい。このように設定した場合には、主制御基板100と発射払出制御基板200との間における上述のコマンドのやり取りを、設定変更状態又は設定確認状態が設定される前や、設定変更状態中又は設定確認状態中に、実行するようにしてもよい。このようにすることで、貸球の払い出しが実行されない期間を極力短くすることができる。
【0350】
ステップ2306において、払出CPU201は、遊技球貸出装置Rとの接続がされており、かつ電源がオンである場合に接続フラグをオン(接続信号をオン)にし、遊技球貸出装置Rとの接続がされていないか又は電源がオフである場合に接続フラグをオフ(接続信号をオフ)にする発射制御処理を実行する。払出CPU201は、接続フラグがオフであるときには遊技球の発射を不可とし、接続フラグがオンであり、かつ主制御基板100からの発射許可信号を受信しているときに遊技球の発射を可能とする。そして、次のステップ2307に進む。
【0351】
ステップ2307において、払出CPU201は、払出関連エラー(球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラー)の判定、これらのエラーの発生に基づく各種処理(発射払出制御基板200に設けられているLED(特に図示しておらず)の所定態様による点灯処理、エラーの発生及び発生したエラーの情報を示すエラーコマンドを主制御基板100へ送信する処理等)を行うエラー関連処理を実行する。そして、次のステップ2308に進む
このエラー関連処理は、遊技可能状態中のみならず遊技停止状態中も実行されるものの、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。したがって、払出CPU201は、遊技可能状態中又は遊技停止状態中は上述のエラーの発生を判定するものの、設定変更状態中又は設定確認状態中は上述のエラーの発生を判定しない。
なお、設定変更状態中又は設定確認状態中も、エラー関連処理を実行して上述のエラーの発生を判定できるようにしてもよい。また、このようにした場合には、エラーコマンドを、主制御基板100を介して副制御基板300に送信してもよいし、発射払出制御基板200と副制御基板300とを通信可能に接続した上で、主制御基板100を介さずに直接、副制御基板300に送信してもよい。
また、発射払出制御基板200からのエラーコマンドは、主制御基板100と発射払出制御基板200との間での主起動情報指定コマンド、払出起動指定コマンド、払出起動確認指定コマンドのやり取り(上述のステップ207の払出制御処理)が終了した後に主制御基板100へ送信するようにしてもよい。また、このようにした場合には、上述のエラーコマンドを、主制御基板100を介して副制御基板300へ送信することにより、設定変更状態中又は設定確認状態中は、上述のエラーコマンドが副制御基板300へ送信されないようにすることで、上述のエラーコマンドに基づく副制御基板300によるエラー報知の実行が制限されるようにしてもよい。
また、受信した上述のエラーコマンドに含まれるエラーの情報を副制御基板300の所定の記憶領域に記憶し、当該所定の記憶領域に記憶されたエラーの情報についてバックアップを行うことで、電断が発生した場合にも当該エラーの情報が保持されるように設定してもよい。また、この所定の記憶領域に記憶されているエラーの情報を、当該情報を含むエラーコマンドを受信した日時とともに演出表示装置21に表示するようにしてもよい。すなわち、エラー履歴の表示機能を搭載してもよい。
【0352】
ステップ2308において、払出CPU201は、外部情報端子基板500への受信賞球信号や払出賞球信号等の外部信号の送信の開始や終了を制御するための外部情報制御処理を実行する。なお、この外部情報制御処理は、遊技可能状態中のみならず遊技停止状態中も実行されるものの、設定変更状態中又は設定確認状態中は実行されない。したがって、払出CPU201は、遊技可能状態中又は遊技停止状態中は、外部情報端子基板500への受信賞球信号や払出賞球信号の送信の開始や終了を行うものの、設定変更状態中又は設定確認状態中はこれらの信号の送信の開始や終了を行わない。そして、次のステップ2309に進む。
なお、設定変更状態中又は設定確認状態中も、外部情報制御処理を実行して、上述の受信賞球信号や払出賞球信号等の外部信号を送信できるようにしてもよい。また、このようにした場合には、設定変更状態中又は設定確認状態中も、上述のステップ2303の払出関連処理、ステップ2305の貸出関連処理、ステップ2307のエラー関連処理を実行可能とすることで、賞球や貸球の払い出しが実行された旨や、エラーの発生や発生したエラーの情報等をパチンコ機Pの外部へ送信することができる。
また、外部信号の送信中に電断が発生した場合には当該外部信号の送信は停止するものの、当該電断からの復帰時に設定確認状態が設定されたときには、停止した外部信号の送信を再開できるようにしてもよい。たとえば、0.06秒間の外部信号の送信開始から0.03秒後に電断が発生して当該外部信号の送信が停止した場合、当該電断からの復帰時に設定確認状態が設定されると、停止した外部信号の送信が再開され、0.03秒経過後に当該外部信号の送信が終了するようにすることができる。なお、このように設定する場合には、送信中の外部信号を、発射払出制御基板200の払出RAM203においてバックアップする必要がある。
【0353】
ステップ2309において、払出CPU201は、払出モータ62等の機器に作動のためのデータを一括して出力するポート出力処理を実行する。そして、次のステップ2310に進む。
ステップ2310において、払出CPU201は、ステップ2300で退避したレジスタの復帰等を行うタイマ割込み終了時処理を実行する。そして、払出タイマ割込み処理を終了する。
【0354】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、設定値異常が発生しているか否かを判定する設定値異常判定処理は遊技可能状態中において大当たりの抽選又は普通図柄の抽選が行われる時点で行われるが、設定値異常判定処理を実行するタイミングはこれに限定されるものではなく、他のタイミングにおいて実行してもよい。
たとえば、遊技可能状態において第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第1特図乱数や第2特図乱数が取得された時点(すなわち、第1特図乱数や第2特図乱数に基づく抽選が行われるよりも前の時点)、遊技可能状態において遊技球がゲート20を通過することにより普図乱数が取得された時点(すなわち、当該普図乱数に基づく抽選が行われるよりも前の時点)、特別遊技の開始時点、特別遊技における各ラウンド遊技の開始時点や終了時点、遊技球の発射時点、発射された遊技球が遊技領域12に到達した時点等において設定値異常判定処理を実行してもよい。また、上述のように第1始動入賞口15や第2始動入賞口16へ遊技球が入球することにより第1特図乱数や第2特図乱数が取得され、当該取得された第1特図乱数や第2特図乱数に基づく抽選が行われるよりも前に事前判定(すなわち、先読み判定)の処理が実行される場合には、この事前判定の処理において設定値異常判定処理を実行してもよい。また、電断復帰時においても設定値異常判定処理を実行してもよい。
このようにすることで、設定値異常の発生の判定タイミングが増加し、種々のタイミングで遊技停止状態とすることができるため、設定値異常に基づく不具合(たとえば、不適切な大当たりの抽選が行われる等)の発生をより確実に防止することができる。
【0355】
また、上述の実施の形態では、RAM異常の発生、バックアップ異常の発生又は設定値異常の発生に基づいて遊技が進行しない遊技停止状態が設定されるようになっていたが、遊技が進行しない遊技停止状態が設定される要因はこれらに限定されるものではない。
たとえば、パチンコ機Pに対する不正行為(たとえば、パチンコ機Pに磁気を向ける、電波を照射する、パチンコ機Pを揺らす等)の発生が検出された場合や、パチンコ機Pの構成部品に対する不具合(たとえば、大入賞口18が開閉しない等)の発生が検出された場合にも、遊技停止状態が設定されるようにしてもよい。
このようにすることで、公平な遊技の進行に影響を及ぼす事態が発生したまま遊技が進行してしまうのを確実に防止することができる。
【0356】
また、上述の実施の形態では、遊技が進行しない制御状態において、第2始動入賞口16の可動片16b及び大入賞口18の開閉扉18bが閉じるようになっていたが、当該制御状態における可動片16b及び開閉扉18bの作動の制限の態様はこれに限定されるものではない。
たとえば、遊技が進行しない制御状態においては、可動片16bが、遊技可能状態において可動片16bが開く開放時間よりも極めて短い時間(たとえば、0.05秒)開くようにしてもよい。同様に、遊技が進行しない制御状態においては、開閉扉18bが、遊技可能状態において開閉扉18bが開く開放時間よりも極めて短い時間(たとえば、0.1秒)開くようにしてもよい。
また、可動片16bや開閉扉18bの開閉パターン(開閉回数等)が複数ある場合には、この複数の開閉パターンのうちの一部が実行されないようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0357】
また、上述の実施の形態では、大入賞口18は1個のみ設けられていたが、これに限定されるものではなく、複数の大入賞口18を設けてもよい。
また、複数の大入賞口18を設けた場合には、ラウンド遊技ごとに異なる大入賞口18が開放されるようにしてもよい。
また、この場合には、遊技が進行しない制御状態において、いずれの大入賞口18の開閉扉18bも閉じるようにしてもよいし、いずれの大入賞口18の開閉扉18bも遊技可能状態において開閉扉18bが開く開放時間よりも極めて短い時間開くようにしてもよいし、いずれか一方の開閉扉18bは閉じるものの、他方の開閉扉18bは遊技可能状態において開閉扉18bが開く開放時間よりも極めて短い時間開くようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0358】
また、上述の実施の形態では、特別遊技の終了後は高確率時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大入賞口18に入球した遊技球が進入可能な特別領域、及び、当該特別領域を開閉可能な特別領域可動片を設け、特別遊技中に特別領域へ遊技球が入球したか否かに基づいて、特別遊技の終了後に異なる遊技状態が設定されるようにしてもよい。そして、このようにした場合には、第2始動入賞口16の可動片16bや大入賞口18の開閉扉18bと同様に、遊技が進行しない制御状態において上述の特別領域可動片の作動が制限されるようにしてもよい。
このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、上述の特別領域へ遊技球を入球させるような不具合を防止することができる。
【0359】
また、上述の実施の形態では、遊技が進行しない制御状態においては、主制御基板100により制御される可動体である可動片16b及び開閉扉18bの作動が制限されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、遊技が進行しない制御状態においては、副制御基板300により制御される可動体(たとえば、演出の実行に用いられる役物演出装置YS)の作動も制限されるようにしてもよい。
また、この可動体の作動を制限する場合には、常態において位置する初期位置に待機するようにしてもよいし、可動体の作動パターンが複数ある場合には、複数の作動パターンのうちの一部が実行されないようにしてもよい。また、可動体の作動パターンとして、遊技が進行しない制御状態において作動させることが不適切な第1作動パターン(たとえば、演出表示装置21の表示内容(エラー表示等)を把握できないように、可動体が演出表示装置21の全面を覆う作動パターン等)、及び、遊技が進行しない制御状態において作動させることが不適切とはいえない第2作動パターン(たとえば、演出表示装置21の表示内容を把握できる程度に、可動体が演出表示装置21の一部を覆う作動パターン等)を有する場合には、遊技が進行しない制御状態においては第1作動パターンによる可動体の作動が行われないように制限してもよい。また、第2作動パターンによる可動体の作動中に遊技が進行しない制御状態が設定された場合には、第1作動パターンによる可動体の作動が行われないように制限するものの、第2作動パターンによる可動体の作動は継続して行われるようにしてもよい。
このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、副制御基板300により制御される可動体の故障や破損が発生するのを防止することができる。
【0360】
また、上述の実施の形態では、第2始動入賞口16の可動片16bや大入賞口18の開閉扉18bはソレノイドにより作動するようになっていたが、これらの作動を行う装置としてはソレノイドに限定されるものではなく、たとえば、モータ等を用いてもよい。そして、遊技が進行しない制御状態においては、このモータの作動を制限するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0361】
また、上述の実施の形態では、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御していたが、これに限定されるものではない。
たとえば、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。そして、このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、発射制御基板による遊技球の発射の制御のみを停止し、払出制御基板による賞球の払い出しの制御は停止しないようにしてもよい。
このようにすることで、各基板における制御の負担を軽減することができる。
【0362】
また、上述の実施の形態では、発射払出制御基板200により賞球の払い出しの制御が行われ、遊技が進行しない制御状態(遊技停止状態)において、主制御基板100による遊技の進行に係る制御(各入賞口への遊技球の入球の検出、大当たりの抽選、特別図柄の変動表示、普通図柄の抽選、普通図柄の変動表示等)が停止しても、発射払出制御基板200による賞球の払い出しの制御が継続して行われるようになっていたが、賞球の払い出しの制御態様はこれに限定されるものではない。
たとえば、主制御基板100が直接賞球の払い出しの制御を行うようにするとともに、遊技が進行しない制御状態においては、主制御基板100による遊技の進行に係る制御は停止するものの、主制御基板100による賞球の払い出しの制御は継続して行われるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0363】
また、上述の実施の形態では、1の賞球指定コマンドに各入賞口に定められた数の賞球を払い出す旨の情報が含まれるようになっており、1の賞球指定コマンドが発射払出制御基板200に送信されることにより各入賞口に定められた数の賞球が全て払い出される(たとえば、大入賞口18へ遊技球が入球した場合には、1の賞球指定コマンドにより15個の賞球が全て払い出される)ようになっているが、1の賞球指定コマンドにより払い出される賞球はこれに限定されるものではない。
たとえば、1の賞球指定コマンドには1個の賞球を払い出す旨の情報を含み、1の賞球指定コマンドにより1個の賞球が払い出されるように設定し、いずれかの入賞口へ遊技球が入球した場合には、当該入賞口に定められた賞球の数だけ賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する(たとえば、大入賞口18へ遊技球が入球した場合には、15個の賞球指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する)ことで、当該入賞口に定められた数の賞球が払い出されるようにしてもよい。そして、このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態において、遊技が進行しない制御状態が設定される前に発射払出制御基板200に送信された賞球指定コマンドに基づく賞球の払い出しを継続して行うようにしてもよい。
また、主制御基板100のメインRAM103や発射払出制御基板200のRAMに、メインCPU101が送信する賞球指定コマンドを一時的に記憶するバッファを設け、各入賞口へ遊技球が入球するごとに上述のバッファに賞球指定コマンドを順次記憶し、記憶された賞球指定コマンドを順次読み出して賞球の払い出しを行うようにしてもよいし、上述のバッファを設けることなく、各入賞口へ遊技球が入球するごとに賞球指定コマンドを順次送信し、当該コマンドを受信するごとに順次賞球の払い出しを行うようにしてもよい。
また、メインCPU101が送信した賞球指定コマンドは、電源がオフとなった場合にバックアップされるようにしてもよいし、バックアップされないようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0364】
また、上述の実施の形態では、メインCPU101は、遊技が進行しない制御状態において、各入賞口への遊技球の入球を検出しないようになっているが、これに限定されるものではない。
たとえば、遊技が進行しない制御状態が設定されても、打ち出された遊技球がアウト口19に到達可能となる特定時間(たとえば、10秒)が経過するまでの間は、メインCPU101が各入賞口への遊技球の入球を検出可能とすることで、遊技が進行しない制御状態の設定前に打ち出された遊技球が、遊技が進行しない制御状態の設定後にいずれかの入賞口へ入球した場合には、当該入球を検出し、当該入球に基づく賞球の払い出しを遊技が進行しない制御状態において実行してもよい。
このようにした場合には、遊技が進行しない制御状態が設定されることにより遊技者に生じ得る不利益をより減少させることができる。
【0365】
また、上述の実施の形態では、電断復帰とともに発射払出制御基板200へ発射許可信号が送信され(発射許可信号がオンとなり)、遊技が進行しない制御状態が設定されると発射払出制御基板200への発射許可信号の送信が停止する(発射許可信号がオフとなる)ようになっていたが、発射許可信号の送信に関する制御はこれに限定されるものではない。
たとえば、主制御基板100のタイマ割込処理における制御状態の判定が行われた後、他の処理が実行される前に、当該判定の結果に応じて発射許可信号の送信に関する制御を実行してもよい。具体的には、制御状態が遊技可能状態の場合(遊技機状態フラグが遊技可能状態であった場合)に発射払出制御基板200へ発射許可信号を送信し(発射許可信号をオンにし)、制御状態が遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態の場合(遊技機状態フラグが遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態であった場合)には発射払出制御基板200への発射許可信号の送信を行わない(発射許可信号をオフにする)ようにしてもよい。
このようにすることで、電断復帰時には遊技可能状態が設定されるまで発射許可信号の送信が行われず、遊技可能状態中に遊技停止状態が設定された場合に発射許可信号の送信を停止することができる。
【0366】
また、上述の実施の形態では、遊技停止状態中であっても、発射払出制御基板200による遊技球の払い出し(賞球の払い出し及び貸球の払い出しの両方)が継続して行われ、また、価値情報表示装置35における価値情報の表示も行われるようになっていたが、設定変更状態中又は設定確認状態中も、価値情報表示装置35における価値情報の表示が行われるようにしてもよい。なお、設定変更状態中又は設定確認状態中は賞球や貸球の払い出しが制限されるように設定した場合には、球貸ボタン36が押下操作されても貸球の払い出しは行われないこととなる。
また、上述の実施の形態における各種処理のうち遊技停止状態中に実行可能となるように設定されていた処理は、設定変更状態中や設定確認状態中にも実行可能となるようにしてもよい。
【0367】
また、上述の実施の形態では、電断発生直前に滞在していた制御状態、電断復帰時における設定スイッチ108のオン又はオフ、RAMクリアスイッチ109のオン又はオフ、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ、バックアップ異常の発生の有無、RAM異常の発生の有無に応じて、電断復帰時における制御状態の設定が行われるようになっていたが、制御状態の設定を行う際の判断条件はこれらに限定されるものではない。たとえば、前扉開放検出センサ3a等の他のセンサのオン又はオフを判断条件として追加してもよい。また、上述の判断条件のうちいずれかの判断条件(たとえば、本体枠開放検出センサ2aのオン又はオフ)については除外してもよい。
また、設定確認状態又は設定変更状態において本体枠開放検出センサ2aがオフとなっても、設定確認状態又は設定変更状態が継続されるようにしてもよい。
【0368】
また、上述の実施の形態では、電断復帰時のみ設定確認状態や設定変更状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、パチンコ機Pの電源がオンとなっているときに、所定の操作を行うことで設定確認状態や設定変更状態が設定されるようにしてもよい。
【0369】
また、主制御基板100において発生の判定が行われるエラー(払出関連エラーのうちの扉開放エラー、主制御関連エラー)や発射払出制御基板200において発生の判定が行われるエラー(払出関連エラーのうちの、球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラー)が発生した場合、バックアップ異常、RAM異常又は設定値異常が発生した場合、遊技停止状態、設定変更状態又は設定確認状態が設定された場合には、これらのエラーや異常の発生、制御状態の設定がなされた旨の情報を履歴として記憶するとともに、所定の操作が行われることにより、これらの履歴を演出表示装置21に表示できるようにしてもよい。
具体的には、上述のエラーや異常の発生、制御状態の設定がなされた旨を示すコマンドを副制御基板300に送信し、副制御基板300のサブRAM303において、これらのエラーや異常の発生、制御状態の設定がなされた旨の情報を蓄積する。また、電断が発生した場合には、サブRAM303に蓄積された情報のバックアップが行われるように設定する。これにより、上述の情報を履歴として記憶することができ、これらの履歴を演出表示装置21に表示できることとなる。
このようにすることで、過去に発生したエラーや異常の発生、設定された制御状態を確実に把握することができる。また、たとえば、不正に所定の制御状態が設定されたような場合にも、上述の履歴の表示を確認することにより発見することができる。
また、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
【0370】
また、上述の実施の形態における遊技が進行しない制御状態中のメインCPU101の制御は、他のパチンコ機やパチンコ機以外の遊技機に応用することもできる。たとえば、大入賞口内に設けられた特別領域(いわゆるVゾーン)に遊技球が進入することで特別遊技が実行されるパチンコ機(いわゆる羽根物)において、遊技が進行しない制御状態が設定された場合にも、大入賞口の開閉扉の作動を制限したり、遊技球の払い出しを継続したりしてもよい。また、遊技媒体として遊技メダルを用いて遊技を行わせるスロットマシンにおいて、遊技が進行しない制御状態が設定された場合にも、所定の演出役物装置の可動を制限したり、遊技メダルの払い出しを継続したりするようにしてもよい。
【0371】
なお、上述の実施の形態における主制御基板100は、本発明の遊技制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における設定関連処理を実行するメインCPU101は、本発明の設定手段に相当する。また、上述の実施の形態における設定値異常の発生に基づく遊技停止状態は、本発明の遊技不可状態に相当する。また、上述の実施の形態における払出関連エラー、主制御関連エラーは、本発明の発生し得るエラーに相当する。また、上述の実施の形態における球切れエラー、満タンエラー、払出計数スイッチエラー、球詰まりエラー、過剰賞球エラー、電波エラー、払出モータエラー、主制御接続エラーは、本発明の特定のエラーに相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における発射払出制御基板200は、本発明の払出制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における扉開放エラーは、本発明の所定のエラーに相当する。
【符号の説明】
【0372】
P パチンコ機
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
200 発射払出制御基板
201 払出CPU
202 払出ROM
203 払出RAM