(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ボロン酸誘導体の製造のための装置及び連続フロー方法
(51)【国際特許分類】
C07F 5/02 20060101AFI20221205BHJP
A61K 31/69 20060101ALN20221205BHJP
A61P 31/04 20060101ALN20221205BHJP
A61P 43/00 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
C07F5/02 C
A61K31/69
A61P31/04
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2019562237
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(86)【国際出願番号】 US2018016246
(87)【国際公開番号】W WO2018144607
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-01-22
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512290791
【氏名又は名称】レンペックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ペルツ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シュースター クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ステインホーファー ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ステュークラー クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシロイウ マリア
(72)【発明者】
【氏名】ジンガネル クリストファー
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/171430(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/100043(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 5/02
A61K 31/69
A61P 31/04
A61P 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)もしくは(Ib):
の化合物またはその塩の製造のための方法であって、
式中、
Qは、-(CH
2)
m-であり;
Mは、-CH
2-もしくは-CH=CH-であり;
mは、1もしくは2であり;
R
1は、カルボキシル保護基であり;
R
2は、ヒドロキシル保護基であるか;または
R
1及びR
2は、これらが結合している原子と一緒になって、C
1~4アルキルによって置換されていてもよい6員の複素環式環を形成し;
各R
3は、水素、-OH、ハロゲン、-CF
3、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
7カルボシクリル、5~10員ヘテロシクリル、C
6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、シアノ、C
1~C
6アルコキシ(C
1~C
6)アルキル、C
6~10アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、及び-(CH
2)
m’-Y’-(CH
2)
pM’から独立して選択され;
m’及びpは、独立して0~3であり;
Y’は、-S-、-S(O)-、-S(O)
2-、-O-、-CR
4aR
5a-、及び-NR
1a-からなる群から選択され;
M’は、-C(O)NR
1aR
2a;-C(O)NR
1aOR
3a;-NR
1aC(O)R
4a;-NR
1aC(O)NR
2aR
1b;-NR
1aC(O)OR
3a;-NR
1aS(O)
2R
3a;-NR
1aS(O)
2NR
2aR
1b;-C(=NR
1a)R
4a;-C(=NR
1a)NR
2aR
1b;-NR
1aCR
4a(=NR
2a);-NR
1aC(=NR
2a)NR
1bR
2b;-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
1~4アルキル;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
3~10シクロアルキル;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
6~10アリール;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール;ならびにC
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい4~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
各R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bは、-H、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
R
3aは、水素、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
1~10アルキル-COOH、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、または置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールであり;かつ
各R
4a及びR
5aは、-H、-OH、置換されていてもよいアルコキシル、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
nは、0~3であり;
Gは、-NR
1aR
2a、-N
3、-C(O)NR
1aR
2a、-S(O)
2NR
1aR
2a、-SR
3a、-OR
3a、-NR
1aC(O)R
5a、-C(=NOR
3a)-X、C(=NOR
3a)-Z、-C(O)OR
3a、-C(O)NR
1a(OR
3a)、-NR
1a(OR
3a)、-NR
1aC(O)R
5a、-NR
1aC(O)NR
2aR
1a、-NR
1aC(O)OR
3a、-NR
1aS(O)
2R
3a、-NR
1aS(O)
2NR
2aR
1a、-NR
1aNR
2aR
1a、-C(O)NR
1aNR
2aR
1a、-S(O)
2NR
1aNR
2aR
1a、-C(=NR
1a)R
5a、-C(=NR
1a)NR
2aR
1a、-NR
1aCR
5a(=NR
2a)、-NR
1aC(=NR
2a)NR
1aR
2a、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7カルボシクリル、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-C
3~7カルボシクリル、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-C
6~10アリール、及び置換されていてもよいC
1~6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、水素、もしくは置換されていてもよいC
1~9アルキルであり;
Zは、置換されていてもよいC
3~8シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアリール、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、
前記方法が、
リチウムアミドの連続フローを供給する工程;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩の連続フローを供給する工程;
前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを第1温度で第1連続フロー導管において1つに合わせて、第1反応中間体を得る工程;
前記第1反応中間体を第2温度に移行させて第2反応中間体を得る工程;ならびに
前記第2反応中間体と、AがC
6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3~7カルボシクリル、または5~10員ヘテロシクリルである式(III):
A-O-C(O)-(CH
2)
nG
(III)
の化合物とを第2連続フロー導管の下流において1つに合わせて、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩を得る工程
を含み、
ここで前記第1反応中間体を第2温度に移行させる工程が、前記第1反応中間体を前記第2温度で前記第2連続フロー導管に送達して、前記第2反応中間体を得ることを含む、前記方法。
【請求項2】
Mが-CH
2-でありかつQが-CH
2-または-CH
2-CH
2-であるか、あるいはMが-CH=CH-でありかつnが1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
nが0であり、かつGが-CH
2-チオフェンである、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
式(Ib)の化合物が
であり、かつ式(Ia)の化合物が
またはその塩である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
式(IIa)の化合物が
またはその塩である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2反応中間体が容器内に収集され、かつ前記容器が連続アウトフローを有しておらず、前記リチウムアミドが、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドであり、前記リチウムアミドの連続フローが、テトラヒドロフラン中の前記リチウムアミドの連続フローであり、前記テトラヒドロフランが水を実質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
テトラヒドロフランの連続フローを供給する工程;及び
前記第1連続フロー導管中で前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、テトラヒドロフラン中の前記リチウムアミドの連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる工程
をさらに含み、
式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローが、テトラヒドロフラン中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローであり、
前記テトラヒドロフランが水を実質的に含まない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(1)前記リチウムアミド、及び式(IIa)または(IIb)の化合物を、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で調製する工程、
(2)前記テトラヒドロフランを窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で調製する工程、
(3)前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、前記リチウムアミドを-80℃~-10℃、または-50℃~-20℃の範囲内の温度に予冷する工程
を含み、
前記リチウムアミド、前記テトラヒドロフラン、および式(IIa)または(IIb)の化合物が、水を実質的に含まない、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記リチウムアミドの連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前に、前記テトラヒドロフランを-80℃~-10℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、請求項7~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(1)前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)
もしくは(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、式(IIa)
もしくは(IIb)の化合物を-80℃~-10℃の範囲内の温度に予冷する工程、
または
(2)前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)
もしくは(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、式(IIa)
もしくは(IIb)の化合物を-50℃~0℃の範囲内の温度に予冷する工程
を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(1)前記第1連続フロー導管の前記第1温度が-50℃~0℃の範囲内、または-20℃~0℃の範囲内であり、
(2)前記第2連続フロー導管の前記第2温度が5℃~50℃の範囲内、または15℃~40℃の範囲内、または室温である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法の最中に前記第1連続フロー導管を-80℃~-15℃の範囲内の温度に維持する工程、および前記第2連続フロー導管を5℃~50℃の範囲内の温度に維持する工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記リチウムアミドを0.1ml/分~5.0ml/分、または1.6ml/分の流量で前記第1連続フロー導管に流し込む工程、前記テトラヒドロフランを0.25ml/分~2ml/分、または0.8ml/分の流量で前記第1連続フロー導管に流し込む工程を含み、
前記第1連続フロー導管におけるフロー時間が5秒~100秒であり、前記第2連続フロー導管におけるフロー時間が5秒~50秒であり、
前記リチウムアミドと式(IIa)または(IIb)の化合物のモル比が5:1~1:5、または1:1~1.2:1の範囲内である、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
式(IIa)または(IIb)の化合物を0.1ml/分~5ml/分、または2.0ml/分の流量で前記第2連続フロー導管に流し込む工程を含み、前記第2中間体が、前記第2連続フロー導管から出て収集容器に流れ込み、かつ前記収集容器が式(III)の化合物を含み、前記第2反応中間体と式(III)の化合物とを1つに合わせることが、連続フロー導管中で実施されない、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
以下より選択される少なくとも1つの工程をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法:
(1)式(IIa)または(IIb)の化合物とテトラヒドロフランとを1つに合わせて、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローのための式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を調製する工程、および式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を含む容器を加圧する工程、
(2)リチウムアミド溶液を含む容器を加圧する工程、および
(3)テトラヒドロフランの貯蔵液を調製する工程、及び前記テトラヒドロフランの貯蔵液を含む容器を加圧する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願の参照による組み込み
本願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月1日に出願された米国仮特許出願第62/453,408号の優先権の利益を主張する。
【0002】
連邦政府出資研究開発に関する記述
本発明は、アメリカ合衆国保健福祉省によって与えられた契約HHSO100201400002Cの下で政府のサポートによってなされた。政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
【0003】
分野
本開示は、ボロン酸誘導体の製造のための連続フロー方法、及びこれを実施する装置に関する。より詳細には、本発明は、ボロン酸誘導体の大規模製造のための連続フロー方法に関する。
【背景技術】
【0004】
関連技術の説明
ボロン酸誘導体は、抗菌性化合物の増強剤として有用である。α-アシルアミドボロン酸エステル合成のためのいくつかの方法は、アミンのリチウム塩の添加、及び転位、続いてのアミドカップリング反応を含む。しかし、低温の維持、水の排除、及び試薬の化学量論の綿密な制御が良好な結果に必要とされる。これらの特徴は、反応が製造規模で成功裏に実施されることを困難にし、薬学的に重要なボロン酸エステル及び酸化合物の利用可能性を制限する。そのため、α-アシルアミドボロン酸誘導体の容易なスケールアップ製造のためのプロセスが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
概要
いくつかの実施形態は、式(Ia)もしくは(Ib):
の化合物またはその塩の製造のための方法であって、
式中、
Qは、-(CH
2)
m-であり;
Mは、-CH
2-もしくは-CH=CH-であり;
mは、1もしくは2であり;
R
1は、カルボキシル保護基であり;
R
2は、ヒドロキシル保護基であるか;または
R
1及びR
2が、これらが結合している原子と一緒になって、C
1~4アルキルによって置換されていてもよい5員の複素環式環を形成し;
各R
3は、水素、-OH、ハロゲン、-CF
3、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6ヘテロアルキル、C
3~C
7カルボシクリル、5~10員ヘテロシクリル、C
6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、シアノ、C
1~C
6アルコキシ(C
1~C
6)アルキル、C
6~10アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、及び-(CH
2)
m-Y’-(CH
2)
pM’から独立して選択され;
m及びpは、独立して0~3であり;
Y’は、-S-、-S(O)-、-S(O)
2-、-O-、-CR
4aR
5a-、及び-NR
1a-からなる群から選択され;
M’は、-C(O)NR
1aR
2a;-C(O)NR
1aOR
3a;-NR
1aC(O)R
4a;-NR
1C(O)NR
2aR
1b;-NR
1C(O)OR
3a;-NR
1S(O)
2R
3a;-NR
1aS(O)
2NR
2aR
1b;-C(=NR
1a)R
4a;-C(=NR
1a)NR
2aR
1b;-NR
1aCR
4a(=NR
2a);-NR
1aC(=NR
2a)NR
1bR
2b;-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
1~4アルキル;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
3~10シクロアルキル;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
6~10アリール;C
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール;ならびにC
1~4アルキル、-OR
3a、-NR
1aR
2a、ハロゲン、-C(O)NR
1aR
2a、及び-NR
1aC(O)R
4aからなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい4~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
各R
1a、R
2a、R
1b、及びR
2bは、-H、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
R
3aは、水素、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
1~10アルキル-COOH、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールであり;かつ
各R
4a及びR
5aは、-H、-OH、置換されていてもよいアルコキシル、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
nは、0~3であり;
Gは、-NR
1R
2、-N
3、-C(O)NR
1R
2、-S(O)
2NR
1R
2、-SR
3、-OR
3、-NR
1C(O)R
5、-C(=NOR
3)-X、C(=NOR
3)-Z、-C(O)OR
3、-C(O)NR
1(OR
3)、-NR
1(OR
3)、-NR
1C(O)R
5、-NR
1C(O)NR
2R
1a、-NR
1C(O)OR
3、-NR
1S(O)
2R
3、-NR
1S(O)
2NR
2R
1a、-NR
1NR
2R
1a、-C(O)NR
1NR
2R
1a、-S(O)
2NR
1NR
2R
1a、-C(=NR
1)R
5、-C(=NR
1)NR
2R
1a、-NR
1CR
5(=NR
2)、-NR
1C(=NR
2)NR
1aR
2a、置換されていてもよいC
1~10アルキル、置換されていてもよいC
2~10アルケニル、置換されていてもよいC
2~10アルキニル、置換されていてもよいC
3~7カルボシクリル、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10アリール、置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-C
3~7カルボシクリル、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1~6アルキレン-C
6~10アリール、及び置換されていてもよいC
1~6アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、水素、もしくは置換されていてもよいC
1~9アルキルであり;
Zは、置換されていてもよいC
3~8シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
前記方法が、
リチウムアミドの連続フローを供給する工程;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩の連続フローを供給する工程;
リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを第1温度で第1連続フロー導管において1つに合わせて、第1反応中間体を得る工程;
第1反応中間体を第2温度に移行させて第2反応中間体を得る工程;及び
第2反応中間体と、AがC
6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3~7カルボシクリル、または5~10員ヘテロシクリルである式(III):
A-O-C(O)-(CH
2)
nG
(III)
の化合物とを第2連続フロー導管の下流において1つに合わせて、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩を得る工程
を含む、前記方法に関する。
【0006】
いくつかの実施形態は、式IaもしくはIb:
の化合物またはその塩の製造のための装置であって、
リチウムアミドを含む第1容器と;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩を含む、第2容器と;
AがC
6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3~7カルボシクリル、もしくは5~10員ヘテロシクリルである式(III):
A-O-C(O)-(CH
2)
nG
(III)
の化合物またはその塩を含む、第3容器と;
第1容器及び第2容器に流体連結されている、第1連続フロー導管と;
第1連続フロー導管と第3容器との間で流体連結されている、第2連続導管と
を備える、前記装置に関する。
[本発明1001]
式(Ia)もしくは(Ib):
の化合物またはその塩の製造のための方法であって、
式中、
Qは、-(CH
2
)
m
-であり;
Mは、-CH
2
-もしくは-CH=CH-であり;
mは、1もしくは2であり;
R
1
は、カルボキシル保護基であり;
R
2
は、ヒドロキシル保護基であるか;または
R
1
及びR
2
は、これらが結合している原子と一緒になって、C
1~4
アルキルによって置換されていてもよい5員の複素環式環を形成し;
各R
3
は、水素、-OH、ハロゲン、-CF
3
、C
1
~C
6
アルケニル、C
1
~C
6
アルキニル、C
1
~C
6
ヘテロアルキル、C
3
~C
7
カルボシクリル、5~10員ヘテロシクリル、C
6~10
アリール、5~10員ヘテロアリール、シアノ、C
1
~C
6
アルコキシ(C
1
~C
6
)アルキル、C
6~10
アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、及び-(CH
2
)
m’
-Y’-(CH
2
)
p
M’から独立して選択され;
m’及びpは、独立して0~3であり;
Y’は、-S-、-S(O)-、-S(O)
2
-、-O-、-CR
4a
R
5a
-、及び-NR
1a
-からなる群から選択され;
M’は、-C(O)NR
1a
R
2a
;-C(O)NR
1a
OR
3a
;-NR
1a
C(O)R
4a
;-NR
1
C(O)NR
2a
R
1b
;-NR
1
C(O)OR
3a
;-NR
1
S(O)
2
R
3a
;-NR
1a
S(O)
2
NR
2a
R
1b
;-C(=NR
1a
)R
4a
;-C(=NR
1a
)NR
2a
R
1b
;-NR
1a
CR
4a
(=NR
2a
);-NR
1a
C(=NR
2a
)NR
1b
R
2b
;-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
1~4
アルキル;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
3~10
シクロアルキル;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
6~10
アリール;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール;ならびにC
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい4~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
各R
1a
、R
2a
、R
1b
、及びR
2b
は、-H、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
R
3a
は、水素、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
1~10
アルキル-COOH、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールであり;かつ
各R
4a
及びR
5a
は、-H、-OH、置換されていてもよいアルコキシル、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
nは、0~3であり;
Gは、-NR
1
R
2
、-N
3
、-C(O)NR
1
R
2
、-S(O)
2
NR
1
R
2
、-SR
3
、-OR
3
、-NR
1
C(O)R
5
、-C(=NOR
3
)-X、C(=NOR
3
)-Z、-C(O)OR
3
、-C(O)NR
1
(OR
3
)、-NR
1
(OR
3
)、-NR
1
C(O)R
5
、-NR
1
C(O)NR
2
R
1a
、-NR
1
C(O)OR
3
、-NR
1
S(O)
2
R
3
、-NR
1
S(O)
2
NR
2
R
1a
、-NR
1
NR
2
R
1a
、-C(O)NR
1
NR
2
R
1a
、-S(O)
2
NR
1
NR
2
R
1a
、-C(=NR
1
)R
5
、-C(=NR
1
)NR
2
R
1a
、-NR
1
CR
5
(=NR
2
)、-NR
1
C(=NR
2
)NR
1a
R
2a
、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
カルボシクリル、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-C
3~7
カルボシクリル、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-C
6~10
アリール、及び置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、水素、もしくは置換されていてもよいC
1~9
アルキルであり;
Zは、置換されていてもよいC
3~8
シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
前記方法が、
リチウムアミドの連続フローを供給する工程;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩の連続フローを供給する工程;
前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを第1温度で第1連続フロー導管において1つに合わせて、第1反応中間体を得る工程;
前記第1反応中間体を第2温度に移行させて第2反応中間体を得る工程;ならびに
前記第2反応中間体と、AがC
6~10
アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3~7
カルボシクリル、または5~10員ヘテロシクリルである式(III):
A-O-C(O)-(CH
2
)
n
G
(III)
の化合物とを第2連続フロー導管の下流において1つに合わせて、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩を得る工程
を含む、前記方法。
[本発明1002]
前記第1反応中間体を第2温度に移行させることが、前記第1反応中間体を前記第2温度で第2連続フロー導管に送達して、前記第2反応中間体を得ることを含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
Mが-CH
2
-でありかつQが-CH
2
-または-CH
2
-CH
2
-である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
Mが-CH=CH-でありかつnが1である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1005]
式(Ia)の化合物を製造する工程を含む、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
式(Ib)の化合物を製造する工程を含む、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1007]
nが0である、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
Gが-CH
2
-チオフェンである、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
式Ibの化合物が
である、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
式Iaの化合物が
またはその塩である、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1011]
式IIaの化合物が
またはその塩である、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記第2反応中間体が容器内に収集され、かつ前記容器が連続アウトフローを有していない、本発明1001~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記リチウムアミドが、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドである、本発明1001~1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記リチウムアミドの連続フローが、テトラヒドロフラン中の前記リチウムアミドの連続フローである、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
テトラヒドロフランの連続フローを供給する工程;及び
前記第1連続フロー導管中で前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、テトラヒドロフラン中の前記リチウムアミドの連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる工程
をさらに含む、本発明1014の方法。
[本発明1016]
式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローが、テトラヒドロフラン中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローである、本発明1001~1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
前記リチウムアミド、及び式(IIa)または(IIb)の化合物を、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で調製する工程を含む、本発明1001~1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
前記テトラヒドロフランを窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で調製する工程を含む、本発明1001~1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
前記リチウムアミド、及び式(IIa)または(IIb)の化合物が、水を実質的に含まない、本発明1001~1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
前記テトラヒドロフランが水を実質的に含まない、本発明1014~1019のいずれかの方法。
[本発明1021]
前記リチウムアミドの第1連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、前記リチウムアミドを約-80℃~約-10℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、本発明1001~1020のいずれかの方法。
[本発明1022]
前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、前記リチウムアミドを約-50℃~-20℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、本発明1021の方法。
[本発明1023]
前記リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前に、前記テトラヒドロフランを約-80℃~約-10℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、本発明1015~1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
前記第1反応中間体の連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、式(IIa)または(IIb)の化合物を約-80℃~約-10℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、本発明1001~1023のいずれかの方法。
[本発明1025]
前記リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、式(IIa)または(IIb)の化合物を約-50℃~0℃の範囲内の温度に予冷する工程を含む、本発明1001~1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記第1連続フロー導管の前記第1温度が約-50℃~約0℃の範囲内である、本発明1001~1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
前記第1連続フロー導管の前記第1温度が約-20℃または約0℃の範囲内である、本発明1001~1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
前記第2連続フロー導管の前記第2温度が約5℃~約50℃の範囲内である、本発明1002~1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
前記第2連続フロー導管の前記第2温度が約15℃または40℃である、本発明1002~1028のいずれかの方法。
[本発明1030]
前記第2連続フロー導管の前記第2温度が室温である、本発明1002~1028のいずれかの方法。
[本発明1031]
前記方法の最中に前記第1連続フロー導管を約-80℃~約-15℃の範囲内の温度に維持する工程を含む、本発明1001~1025のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記第2連続フロー導管を約5℃~約50℃の範囲内の温度に維持する工程を含む、本発明1002~1025のいずれかの方法。
[本発明1033]
前記第1連続フロー導管におけるフロー時間が約5秒~約100秒である、本発明1001~1032のいずれかの方法。
[本発明1034]
前記第2連続フロー導管におけるフロー時間が約5秒~約50秒である、本発明1002~1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
前記リチウムアミドと式(IIa)または(IIb)の化合物のモル比が約5:1~約1:5の範囲内である、本発明1001~1034のいずれかの方法。
[本発明1036]
前記リチウムアミドと式(IIa)または(IIb)の化合物のモル比が約1:1~1.2:1である、本発明1035の方法。
[本発明1037]
前記リチウムアミドを約0.1ml/分~約5.0ml/分の流量で前記第1連続フロー導管に流し込む工程を含む、本発明1001~1036のいずれかの方法。
[本発明1038]
リチウムアミド流量が約1.6ml/分である、本発明1001~1037のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記テトラヒドロフランを約0.25ml/分~約2ml/分の流量で前記第1連続フロー導管に流し込む工程を含む、本発明1015~1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
テトラヒドロフラン流量が約0.8ml/分である、本発明1039の方法。
[本発明1041]
式(IIa)または(IIb)の化合物を約0.1ml/分~約5ml/分の流量で前記第2連続フロー導管に流し込む工程を含む、本発明1002~1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
式(IIa)または(IIb)の流量が約2.0ml/分である、本発明1041の方法。
[本発明1043]
前記第2中間体が、前記第2連続フロー導管から出て収集容器に流れ込み、かつ前記収集容器が式(III)の化合物を含む、本発明1002~1042のいずれかの方法。
[本発明1044]
前記第2反応中間体と式(III)の化合物とを1つに合わせることが、連続フロー導管中で実施されない、本発明1001~1043のいずれかの方法。
[本発明1045]
式(IIa)または(IIb)の化合物とテトラヒドロフランとを1つに合わせて、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローのための式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を調製する工程をさらに含む、本発明1001~1044のいずれかの方法。
[本発明1046]
式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を含む容器を加圧する工程をさらに含む、本発明1045の方法。
[本発明1047]
リチウムアミド溶液を含む容器をさらに加圧する、本発明1001~1046のいずれかの方法。
[本発明1048]
テトラヒドロフランの貯蔵液を調製する工程、及び前記テトラヒドロフランの貯蔵液を含む容器を加圧する工程をさらに含む、本発明1001~1047のいずれかの方法。
[本発明1049]
式IaもしくはIb:
の化合物またはその塩の製造のための装置であって、
式中、
Qは、-(CH
2
)
m
-であり;
Mは、-CH
2
-もしくは-CH=CH-であり;
mは、1もしくは2であり;
R
1
は、カルボキシル保護基であり;
R
2
は、ヒドロキシル保護基であるか;または
R
1
及びR
2
が、これらが結合している原子と一緒になって、C
1~4
アルキルによって置換されていてもよい5員の複素環式環を形成し;
各R
3
は、水素、-OH、ハロゲン、-CF
3
、C
1
~C
6
アルケニル、C
1
~C
6
アルキニル、C
1
~C
6
ヘテロアルキル、C
3
~C
7
カルボシクリル、5~10員ヘテロシクリル、C
6~10
アリール、5~10員ヘテロアリール、シアノ、C
1
~C
6
アルコキシ(C
1
~C
6
)アルキル、C
6~10
アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、及び-(CH
2
)
m’
-Y’-(CH
2
)
p
M’から独立して選択され;
m’及びpは、独立して0~3であり;
Y’は、-S-、-S(O)-、-S(O)
2
-、-O-、-CR
4a
R
5a
-、及び-NR
1a
-からなる群から選択され;
M’は、-C(O)NR
1a
R
2a
;-C(O)NR
1a
OR
3a
;-NR
1a
C(O)R
4a
;-NR
1
C(O)NR
2a
R
1b
;-NR
1
C(O)OR
3a
;-NR
1
S(O)
2
R
3a
;-NR
1a
S(O)
2
NR
2a
R
1b
;-C(=NR
1a
)R
4a
;-C(=NR
1a
)NR
2a
R
1b
;-NR
1a
CR
4a
(=NR
2a
);-NR
1a
C(=NR
2a
)NR
1b
R
2b
;-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
1~4
アルキル;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
3~10
シクロアルキル;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよいC
6~10
アリール;C
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換基によって置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール;ならびにC
1~4
アルキル、-OR
3a
、-NR
1a
R
2a
、ハロゲン、-C(O)NR
1a
R
2a
、及び-NR
1a
C(O)R
4a
からなる群から選択される0~2個の置換されていてもよい4~10員ヘテロシクリルからなる群から選択され;
各R
1a
、R
2a
、R
1b
、及びR
2b
は、-H、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
R
3a
は、水素、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
1~10
アルキル-COOH、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールであり;かつ
各R
4a
及びR
5a
は、-H、-OH、置換されていてもよいアルコキシル、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
シクロアルキル、置換されていてもよい3~8員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、及び置換されていてもよい5~10員ヘテロアリールからなる群から独立して選択され;
nは、0~3であり;
Gは、-NR
1
R
2
、-N
3
、-C(O)NR
1
R
2
、-S(O)
2
NR
1
R
2
、-SR
3
、-OR
3
、-CH
2
NR
1
C(O)R
5
、-C(=NOR
3
)-X、C(=NOR
3
)-Z、-C(O)OR
3
、-C(O)NR
1
(OR
3
)、-NR
1
(OR
3
)、-NR
1
C(O)R
5
、-NR
1
C(O)NR
2
R
1a
、-NR
1
C(O)OR
3
、-NR
1
S(O)
2
R
3
、-NR
1
S(O)
2
NR
2
R
1a
、-NR
1
NR
2
R
1a
、-C(O)NR
1
NR
2
R
1a
、-S(O)
2
NR
1
NR
2
R
1a
、-C(=NR
1
)R
5
、-C(=NR
1
)NR
2
R
1a
、-NR
1
CR
5
(=NR
2
)、-NR
1
C(=NR
2
)NR
1a
R
2a
、置換されていてもよいC
1~10
アルキル、置換されていてもよいC
2~10
アルケニル、置換されていてもよいC
2~10
アルキニル、置換されていてもよいC
3~7
カルボシクリル、置換されていてもよい5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
6~10
アリール、置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-C
3~7
カルボシクリル、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-C
6~10
アリール、及び置換されていてもよいC
1~6
アルキレン-5~10員ヘテロアリールからなる群から選択され;
Xは、水素、もしくは置換されていてもよいC
1~9
アルキルであり;
Zは、置換されていてもよいC
3~8
シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
前記装置が、
リチウムアミドを含む第1容器と;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩を含む、第2容器と;
AがC
6~10
アリール、5~10員ヘテロアリール、C
3~7
カルボシクリル、もしくは5~10員ヘテロシクリルである式(III):
A-O-C(O)-(CH
2
)
n
G
(III)
の化合物またはその塩を含む、第3容器と;
前記第1容器及び前記第2容器に流体連結されている、第1連続フロー導管と;
前記第1連続フロー導管と前記第3容器との間で流体連結されている、第2連続導管と
を備える、前記装置。
[本発明1050]
式(Ia)もしくは(Ib):
の化合物またはその塩の製造のための装置であって、
第1連続フロー導管と;
前記第1連続フロー導管から吐出端まで延在する第2連続フロー導管と;
リチウムアミドを含み、かつリチウムアミド化合物を前記第1連続フロー導管に送達するように構成されている、第1容器と;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩を含み、かつ式(IIa)もしくは(IIb)の化合物またはその塩を前記第1連続フロー導管に送達するように構成されている、第2容器と;
式(III):
A-O-C(O)-(CH
2
)
n
G
(III)
の化合物またはその塩を含み、かつ前記第2連続フロー導管の吐出端に流体連結されている、第3容器と
を備える、前記装置。
[本発明1051]
第4容器をさらに備え、前記第4容器がテトラヒドロフランを含み、かつ、前記第4容器が、前記リチウムアミドが前記第1連続フロー導管に流れ込む前に前記リチウムアミドと前記テトラヒドロフランとを1つに合わせるように前記第1容器に流体連結されている、本発明1049または1050の装置。
[本発明1052]
第5連続フロー導管をさらに備え、前記第5連続フロー導管が、前記第4容器から前記第1連続フロー導管に前記テトラヒドロフランを送達するように前記第4容器及び前記第1連続フロー導管に流体連結されている、本発明1051の装置。
[本発明1053]
前記第4容器が加圧される、本発明1051または1052の装置。
[本発明1054]
前記第1容器及び前記第1連続フロー導管を流体連結するため、ならびに前記リチウムアミドを前記第1容器から前記第1連続フロー導管に送達するための第3連続フロー導管をさらに備える、本発明1049~1053のいずれかの装置。
[本発明1055]
前記第1容器が加圧される、本発明1054の装置。
[本発明1056]
前記第2容器及び前記第1連続フロー導管を流体連結するため、ならびに式(IIa)もしくは(IIb)の化合物またはその塩を前記第2容器から前記第1連続フロー導管に送達するための第4連続フロー導管をさらに備える、本発明1052の装置。
[本発明1057]
前記第2容器が加圧される、本発明1056の装置。
[本発明1058]
前記第1連続フロー導管に熱的に連結された1つ以上の冷却要素をさらに備える、本発明1049~1057のいずれかの装置。
[本発明1059]
前記第3連続フロー導管、前記第4連続フロー導管、及び前記第5連続フロー導管のうちの少なくとも1つに熱的に連結された1つ以上の冷却要素をさらに備える、本発明1056の装置。
[本発明1060]
前記第2連続フロー導管に熱的に連結された加熱要素をさらに備える、本発明1049~1057のいずれかの装置。
[本発明1061]
前記第1連続フロー導管及び前記第2連続フロー導管のうちの少なくとも一方に熱的に連結された1つ以上の冷却要素をさらに備える、本発明1049~1058のいずれかの装置。
[本発明1062]
前記第4容器に熱的に連結された冷却要素をさらに備える、本発明1051~1053、1056、1057、及び1059のいずれかの装置。
[本発明1063]
前記冷却要素が冷却浴を含む、本発明1062の装置。
[本発明1064]
前記第1容器、前記第2容器、及び前記第3容器のうちの少なくとも1つに流体連結された1つ以上のフロー制御部材をさらに備える、本発明1049~1063のいずれかの装置。
[本発明1065]
前記装置を窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気によってパージするように構成されているガスパージ部材をさらに備える、本発明1049~1064のいずれかの装置。
[本発明1066]
前記第1連続フロー導管及び前記第2連続フロー導管がステンレス鋼から作製されている、本発明1049~1065のいずれかの装置。
[本発明1067]
前記第1容器及び前記第2容器がステンレス鋼から作製されている、本発明1049~1066のいずれかの装置。
[本発明1068]
前記第4容器が、連続フロー導管ではなく、かつ連続アウトフローを含まない、本発明1051の装置。
[本発明1069]
前記第4容器が、式(IIa)の化合物またはその塩を含む、本発明1051の装置。
[本発明1070]
式Iaの化合物が
またはその塩である、本発明1049~1069のいずれかの装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい態様の詳細な説明
開示される技術は、ボロン酸誘導体の製造のための連続フロー方法に関する。当該方法は、高収率かつ簡素化されたステップでのボロン酸誘導体の連続製造を可能にする。特に、当該方法は具体的に、有用なボロン酸誘導体を調製するプロセスにおける重要な反応中間体の製造を提供する。いくつかの実施形態において、反応中間体は、化合物A:
の構造を有する。
【0009】
化合物Aの合成のためのバッチプロセスは、スキーム1に示すように、化合物2aのLHMDS媒介付加/転位反応、続いての化合物2dとエステル(例えば、酢酸チエニル化合物2e)とのEDCl/HOBt媒介アミドカップリング反応を含む。
【0010】
【0011】
本明細書に記載されている連続方法は、出発試薬、式(IIa)または(IIb)の化合物(例えば、化合物2a)の高度なまたは完全な転換による、第1反応中間体(例えば、化合物2b)及び第2反応中間体(例えば、化合物2d)の連続合成を可能にする。出発試薬(例えば、化合物2a)の完全な転換により、第2反応中間体(例えば、化合物2d)を含有する連続フローが、式IIIの化合物(例えば、化合物2e)または式IIIの化合物を作製するのに使用される試薬を有する容器内に直接添加され得る(例えば、化合物2eを作製するための2-酢酸チエニルによるHOBt/EDCl媒介アミド化)。そのため、本明細書に記載されている方法は、反応中間体または式IIIの化合物(例えば、反応中間体化合物2d及び/または式IIIの化合物)を分離または精製することを必要とせずに式(IIa)または(IIb)の出発物質化合物からの化合物Aの合成を可能にする。この方法及びこの方法を行うための装置は、合成ステップを簡素化し、生産性の増大につながる。これらはまた、より良好な拡張性、エネルギー効率、より短い製造時間、及びより少ない所要の反応容器にもつながる。
【0012】
いくつかの実施形態は、第2反応中間体(例えば、化合物2d)及び式(III)の化合物(例えば、化合物2e)の並行する製造を含み、これらが、次いで、反応の前に各化合物を精製する必要なしに共に反応して式(Ia)または(Ib)の化合物(例えば、化合物A)を製造することができる。本明細書に記載されている方法は、より良好な拡張性及びエネルギー効率ならびに反応時間及び反応容器の縮小につながる。いくつかの実施形態において、上記方法は、低温条件下で作動するが;しかし、バッチ製造に使用される-70℃未満の反応温度は回避され得る。いくつかの実施形態において、-30℃の温度を使用して、より良好な再現性及びより高い収率を伴った、より容易な拡張可能方法を提供することができる。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物(例えば、化合物2a)は、完全な転換となり得、第2反応中間体(例えば、化合物2d)を持ち運ぶ反応フローは、第2反応中間体または式(III)の化合物を、これら2つが共に反応する前に精製する必要なしに、式(III)の化合物が作製される反応容器に直接添加され得る。
【0013】
キラルボロン酸エステル化合物Aは、化合物Bの合成における中間体のβ-ラクタマーゼ阻害剤である。
【0014】
バッチプロセスにおいては、全ての操作が1つ以上の反応器を使用して一連のステップにおいて実施され、バッチ製造における製造規模の増加が、多くの場合、より低い収率、より高いレベルの不純物、ならびに乏しい再現性及び立体異性体選択性を結果として生じさせる。加えて、大きな反応器体積はまた、設備投資の増加にも相当し得る。
【0015】
連続プロセスにおいては、反応の各ステップに別個の連続フロー導管が使用され、反応混合物が、製造ライン内で1つの操作から次の操作に流れていく。操作は連続的に実施され、反応パラメータ、例えば、流量、モル比、及び反応温度のいくつかが、反応生成物の同時のモニタリングに基づいて容易かつ迅速に調整され得る。結果として、連続製造プロセスは、同じ製造容量を達成するのに必要とされる機器体積がかなり小さくなる。加えて、連続操作は、生成物の質の確保を助ける。また、連続フロープロセスは、リチウムアミドの潜在的に有害な分解または他の副反応に関連するリスクを軽減し得るため、常套的なバッチプロセスよりも好ましくあり得る。連続フローのセットアップにおけるより短い滞留時間は、より高い温度での操作を可能にし得る。さらに、本明細書に記載されている連続プロセスは、第2反応中間体の完全なまたは完全に近い転換を達成し、これにより、第2反応中間体を何ら精製または分離することなく、式(III)の化合物を含有する容器に第2反応中間体を含有する連続フローを直接添加することが可能になる。
【0016】
連続フロープロセス及び当該連続フロープロセスを実施するための装置は、多くの場合、設計が複雑になり、また、反応生成物の種類及び製造速度に高度に特異的である。連続フロー導管内で最後の急冷ステップを実施することを含む他の種類の連続フロープロセスと比較して、本明細書に記載されている連続フロー方法は、反応中間体を製造しかつ最後のアミド化ステップを非連続フロー容器中で実施するための連続フロープロセスを用いることによって、高い再現性及び高い収率を示した。加えて、本明細書に記載されている連続フロー方法は、式Iの化合物、特に化合物Aの、高収率で大規模な成功裏の製造を可能にした。
【0017】
定義
「水を実質的に含まない」という用語は、本明細書において使用されているとき、生成物が当該分野において公知の標準技術を使用して乾燥されていることを意味する。いくつかの実施形態において、「水を実質的に含まない」は、生成物が0.5%、1%、3%、または5%未満の水を含有することを意味する。いくつかの実施形態において、「水を実質的に含まない」は、生成物が0.1%未満の水を含有するまたは水を含有しないことを意味する。
【0018】
「連続フロー導管」という用語は、本明細書において使用されているとき、任意のパイプ、チューブ、チャネル、チャネル化プレート、または連続フロープロセスにおいて流体を搬送するのに好適な形状の任意の他の容器を指す。
【0019】
「滞留時間」という用語は、本明細書において使用されているとき、反応混合物または貯蔵液が連続フロー導管の流入口から流出口まで流れるのに必要とされる時間を指す。
【0020】
「熱的に連結されている」という用語は、本明細書において使用されているとき、2つの対象間の熱伝達を容易にするようなこれら2つの対象の直接または間接的連結を指す。例えば、容器または連続フロー導管が冷却浴に熱的に連結されているとき、当該容器または連続フロー導管は、冷却浴に浸漬されて所望の温度を達成し得る。
【0021】
「流体連結されている」という用語は、本明細書において使用されているとき、第1の成分が別の成分と流体連通していることを意味する。かかる流体連通は、当業者によって公知のバルブ、パイプ、コンベア、ポンプ、導管及び任意の他の好適なコネクタを介して直接または間接のいずれかの接続によって達成され得る。
【0022】
本明細書において使用されているとき、「a」及び「b」が整数である「Ca~Cb」または「Ca~b」は、指定された基における炭素原子の数を指す。すなわち、当該基は、「a」~「b」(aとbを含む)個の炭素原子を含有し得る。そのため、例えば、「C1~C4アルキル」または「C1~4アルキル」基は、1~4個の炭素を有する全てのアルキル基、すなわち、CH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CH-、CH3CH2CH2CH2-、CH3CH2CH(CH3)-、及び(CH3)3C-を指す。
【0023】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、本明細書において使用されているとき、元素周期表の第7列の放射性安定原子のいずれが1つ、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味し、フッ素及び塩素が好ましい。
【0024】
本明細書において使用されているとき、「アルキル」は、完全に飽和されている(すなわち、二重結合も三重結合も含有しない)直鎖または分岐状の炭化水素鎖を指す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る(本明細書において見られるときはいつでも、数値範囲、例えば「1~20」は、所与の範囲における各整数を指し;例えば、「1~20個の炭素原子を有する」は、アルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子などからなっていてよいこと、最大で、20個の炭素原子を含み得ることを意味しているが、本定義は、数値範囲が表記されていない「アルキル」という用語の事象もカバーする)。アルキル基はまた、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキルであってもよい。アルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルでもあり得る。化合物のアルキル基は、「C1~4アルキル」または同様の定義として表記されてよい。ほんの一例として、「C1~4アルキル」は、アルキル鎖に1~4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキル鎖が、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、及びt-ブチルからなる群から選択される。典型的なアルキル基として、何ら限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書において使用されているとき、「アルコキシ」は、Rが上記に定義されているとおりであるアルキルである式-ORを指し、例えば、限定されないがメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、及びtert-ブトキシなどを含めた「C1~9アルコキシ」を指す。
【0026】
本明細書において使用されているとき、「アルキルチオ」は、Rが上記に定義されているとおりであるアルキルである式-SRを指し、例えば、限定されないがメチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、1-メチルエチルメルカプト(イソプロピルメルカプト)、n-ブチルメルカプト、イソ-ブチルメルカプト、sec-ブチルメルカプト、tert-ブチルメルカプトなどを含めた「C1~9アルキルチオ」などを指す。
【0027】
本明細書において使用されているとき、「アルケニル」は、1つ以上の二重結合を含有する直鎖または分岐状炭化水素鎖を指す。アルケニル基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「アルケニル」という用語の事象もカバーする。アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルケニルであってもよい。アルケニル基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニルでもあり得る。化合物のアルケニル基は、「C2~4アルケニル」または同様の定義として表記されてよい。ほんの一例として、「C2~4アルケニル」は、アルケニル鎖に2~4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルケニル鎖が、エテニル、プロペン-1-イル、プロペン-2-イル、プロペン-3-イル、ブテン-1-イル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ブテン-4-イル、1-メチル-プロペン-1-イル、2-メチル-プロペン-1-イル、1-エチル-エテン-1-イル、2-メチル-プロペン-3-イル、ブタ-1,3-ジエニル、ブタ-1,2,-ジエニル、及びブタ-1,2-ジエン-4-イルからなる群から選択される。典型的なアルケニル基として、何ら限定されないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、及びヘキセニルなどが挙げられる。
【0028】
本明細書において使用されているとき、「アルキニル」は、1つ以上の三重結合を含有する直鎖または分岐状炭化水素鎖を指す。アルキニル基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「アルキニル」という用語の事象もカバーする。アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキニルであってもよい。アルキニル基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルキニルでもあり得る。化合物のアルキニル基は、「C2~4アルキニル」または同様の定義として表記されてよい。ほんの一例として、「C2~4アルキニル」は、アルキニル鎖に2~4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキニル鎖が、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、ブチン-1-イル、ブチン-3-イル、ブチン-4-イル、及び2-ブチニルからなる群から選択される。典型的なアルキニル基として、何ら限定されないが、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、及びヘキシニルなどが挙げられる。
【0029】
本明細書において使用されているとき、「ヘテロアルキル」は、1個以上のヘテロ原子、すなわち、限定されないが、窒素、酸素及び硫黄を含めた炭素以外の元素を鎖骨格において含有する直鎖または分岐状炭化水素鎖を指す。ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「ヘテロアルキル」という用語の事象もカバーする。ヘテロアルキル基は、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのヘテロアルキルであってもよい。ヘテロアルキル基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級ヘテロアルキルでもあり得る。化合物のヘテロアルキル基は、「C1~4ヘテロアルキル」または同様の定義として表記されてよい。ヘテロアルキル基は、1個以上のヘテロ原子を含有し得る。ほんの一例として、「C1~4ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル鎖に1~4個の炭素原子、及び、加えて、当該鎖の骨格に1個以上のヘテロ原子が存在することを示す。
【0030】
「芳香族」という用語は、共役π電子系を有する環または環系を指し、炭素環式芳香族(例えば、フェニル)及び複素環式芳香族基(例えば、ピリジン)の両方を含む。当該用語は、単環式または縮合環多環式(すなわち、隣接する原子対を共有している環)基を含む、ただし、環系全体が芳香族であることとする。
【0031】
本明細書において使用されているとき、「アリール」は、環骨格に炭素のみを含有する芳香族環または環系(すなわち、2つの隣接する炭素原子を共有している2つ以上の縮合環)を指す。アリールが環系であるとき、当該系におけるあらゆる環が芳香族である。アリール基は、6~18個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「アリール」という用語の事象もカバーする。いくつかの実施形態において、アリール基は、6~10個の炭素原子を有する。アリール基は、「C6~10アリール」、「C6またはC10アリール」または同様の定義として表記されてよい。アリール基の例として、限定されないが、フェニル、ナフチル、アズレニル、及びアントラセニルが挙げられる。
【0032】
本明細書において使用されているとき、「アリールオキシ」及び「アリールチオ」は、Rが上記に定義されているとおりであるRO-及びRS-、例えば、限定されないがフェニルオキシを含めた「C6~10アリールオキシ」または「C6~10アリールチオ」などを指す。
【0033】
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、置換基としてアルキレン基を介して接続されているアリール基、例えば限定されないがベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、及びナフチルアルキルを含めた「C7~14アラルキル」などである。いくつかの場合において、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1~4アルキレン基)である。
【0034】
本明細書において使用されているとき、「ヘテロアリール」は、1つ以上のヘテロ原子、すなわち、限定されないが、窒素、酸素及び硫黄を含めた炭素以外の元素を環骨格において含有する芳香族環または環系(すなわち、2つの隣接する原子を共有している2つ以上の縮合環)を指す。ヘテロアリールが環系であるとき、当該系におけるあらゆる環が芳香族である。ヘテロアリール基は、5~18環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含めた、環骨格を作り上げる原子の数)を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「ヘテロアリール」という用語の事象もカバーする。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、5~10環員または5~7環員を有する。ヘテロアリール基は、「5~7員ヘテロアリール」、「5~10員ヘテロアリール」または同様の定義として表記されてよい。ヘテロアリール環の例として、限定されないが、フリル、チエニル、フタラジニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル(isoquinlinyl)、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、イソインドリル、及びベンゾチエニルが挙げられる。
【0035】
「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルキル」は、置換基としてアルキレン基を介して接続されているヘテロアリール基である。例として、限定されないが、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、フリルメチル、チエニルエチル、ピロリルアルキル、ピリジルアルキル、イソオキサゾリルアルキル、及びイミダゾリルアルキルが挙げられる。いくつかの場合において、アルキレン基は、低級アルキレン基(すなわち、C1~4アルキレン基)である。
【0036】
本明細書において使用されているとき、「カルボシクリル」は、環系骨格において炭素原子のみを含有する非芳香族環式環または環系を意味する。カルボシクリルが環系であるとき、2つ以上の環が、縮合、架橋またはスピロ接続で共に結合していてよい。カルボシクリルは、いずれの飽和度を有していてもよいが、環系における少なくとも1つの環が芳香族でないこととする。そのため、カルボシクリルとして、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニルが挙げられる。カルボシクリル基は、3~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「カルボシクリル」という用語の事象もカバーする。カルボシクリル基は、3~10個の炭素原子を有する中程度のサイズのカルボシクリルであってもよい。カルボシクリル基はまた、3~6個の炭素原子を有するカルボシクリルでもあり得る。カルボシクリル基は、「C3~6カルボシクリル」または同様の定義として表記されてよい。カルボシクリル環の例として、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,3-ジヒドロ-インデン、ビシクロ(bicycle)[2.2.2]オクタニル、アダマンチル、及びスピロ[4.4]ノナニルが挙げられる。
【0037】
「(カルボシクリル)アルキル」は、置換基としてアルキレン基を介して接続されているカルボシクリル基、例えば限定されないがシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピルブチル、シクロブチルエチル、シクロプロピルイソプロピル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチルなどを含めた「C4~10(カルボシクリル)アルキル」などである。いくつかの場合において、アルキレン基は、低級アルキレン基である。
【0038】
本明細書において使用されているとき、「シクロアルキル」は、完全飽和カルボシクリル環または環系を意味する。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
【0039】
本明細書において使用されているとき、「シクロアルケニル」は、環系のいずれの環も芳香族でない、少なくとも1つの二重結合を有するカルボシクリル環または環系を意味する。例は、シクロヘキセニルである。
【0040】
本明細書において使用されているとき、「ヘテロシクリル」は、環骨格において少なくとも1つのヘテロ原子を含有する非芳香族環式環または環系を意味する。ヘテロシクリルは、縮合、架橋またはスピロ接続で共に結合していてよい。ヘテロシクリルは、いずれの飽和度を有していてもよいが、環系における少なくとも1つの環が芳香族でないこととする。ヘテロ原子は、環系において非芳香族または芳香族のいずれの環に存在していてもよい。ヘテロシクリル基は、3~20環員(すなわち、炭素原子及びヘテロ原子を含めた、環骨格を作り上げる原子の数)を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていない「ヘテロシクリル」という用語の事象もカバーする。ヘテロシクリル基は、3~10環員を有する中程度のサイズのヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリル基はまた、3~6環員を有するヘテロシクリルでもあり得る。ヘテロシクリル基は、「3~6員ヘテロシクリル」または同様の定義として表記されてよい。好ましい6員単環式ヘテロシクリルにおいては、ヘテロ原子が、O、NまたはSのうちの1つから最大3つまでから選択され、好ましい5員単環式ヘテロシクリルにおいては、ヘテロ原子が、O、N、またはSから選択される1または2つのヘテロ原子から選択される。ヘテロシクリル環の例として、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジオキソラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、オキシラニル、オキセパニル、チエパニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジオキソピペラジニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピロリジオニル、4-ピペリドニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、1,3-ジオキシニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキシニル、1,4-ジオキサニル、1,3-オキサチアニル、1,4-オキサチイニル、1,4-オキサチアニル、2H-1,2-オキサジニル、トリオキサニル、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジニル、1,3-ジオキソリル、1,3-ジオキソラニル、1,3-ジチオリル、1,3-ジチオラニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、1,3-オキサチオラニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロ-1,4-チアジニル、チアモルホリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンズイミダゾリジニル、及びテトラヒドロキノリンが挙げられる。
【0041】
「(ヘテロシクリル)アルキル」は、置換基としてアルキレン基を介して接続されているヘテロシクリル基である。例として、限定されないが、イミダゾリニルメチル及びインドリニルエチルが挙げられる。
【0042】
本明細書において使用されているとき、「アシル」は、Rが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルである、-C(=O)Rを指す。非限定例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ベンゾイル、及びアクリルが含まれる。
【0043】
「O-カルボキシ」基は、Rが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルから選択される、「-OC(=O)R」基を指す。
【0044】
「C-カルボキシ」基は、Rが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルから選択される、「-C(=O)OR」基を指す。非限定例には、カルボキシル(すなわち、-C(=O)OH)が含まれる。
【0045】
「シアノ」基は、「-CN」基を指す。
【0046】
「シアナト」基は、「-OCN」基を指す。
【0047】
「イソシアナト」基は、「-NCO」基を指す。
【0048】
「チオシアナト」基は、「-SCN」基を指す。
【0049】
「イソチオシアナト」基は、「-NCS」基を指す。
【0050】
「スルフィニル」基は、Rが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルから選択される、「-S(=O)R」基を指す。
【0051】
「スルホニル」基は、Rが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルから選択される、「-SO2R」基を指す。
【0052】
「S-スルホンアミド」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-SO2NRARB」基を指す。
【0053】
「N-スルホンアミド」基は、RA及びRbが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-N(RA)SO2RB」基を指す。
【0054】
「O-カルバミル」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-OC(=O)NRARB」基を指す。
【0055】
「N-カルバミル」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-N(RA)OC(=O)RB」基を指す。
【0056】
「O-チオカルバミル」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-OC(=S)NRARB」基を指す。
【0057】
「N-チオカルバミル」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-N(RA)OC(=S)RB」基を指す。
【0058】
「C-アミド」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-C(=O)NRARB」基を指す。
【0059】
「N-アミド」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-N(RA)C(=O)RB」基を指す。
【0060】
「アミノ」基は、RA及びRBが、本明細書において定義されているように、水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、及び5~10員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される、「-NRARB」基を指す。
【0061】
「アミノアルキル」基は、アルキレン基を介して接続されているアミノ基を指す。
【0062】
「アルコキシアルキル」基は、アルキレン基を介して接続されているアルコキシ基、例えば、「C2~8アルコキシアルキル」などを指す。
【0063】
本明細書において使用されているとき、置換されている基は、非置換の親基から誘導され、1つ以上の水素原子が別の原子または基で交換されている。別途示されない限り、基が「置換されている」と見なされるとき、当該基は、C1~C6アルキル、C1~C6アルケニル、C1~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C7カルボシクリル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、C3~C7-カルボシクリル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、5~10員ヘテロシクリル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、5~10員ヘテロシクリル-C1~C6-アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、アリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、アリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、5~10員ヘテロアリール(C1~C6)アルキル(ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルキル、及びC1~C6ハロアルコキシによって置換されていてもよい)、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルコキシ(C1~C6)アルキル(すなわち、エーテル)、アリールオキシ、スルフヒドリル(メルカプト)、ハロ(C1~C6)アルキル(例えば、-CF3)、ハロ(C1~C6)アルコキシ(例えば、-OCF3)、C1~C6アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アミノ(C1~C6)アルキル、ニトロ、O-カルバミル、N-カルバミル、O-チオカルバミル、N-チオカルバミル、C-アミド、N-アミド、S-スルホンアミド、N-スルホンアミド、C-カルボキシ、O-カルボキシ、アシル、シアナト、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、スルフィニル、スルホニル、ならびにオキソ(=O)から独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されていることが意図される。基が「置換されていてもよい」と記載されているときはいつでも、当該基は、上記置換基によって置換され得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、置換されている基は、C1~C4アルキル、アミノ、ヒドロキシ、及びハロゲンから個々に独立して選択される1つ以上の置換基によって置換されている。
【0065】
ある特定のラジカルの命名規則には、文脈に応じて、モノラジカルまたはジラジカルのいずれかが含まれ得ることが理解されるべきである。例えば、置換基が分子の残りに対して2つの結合点を必要とする場合、置換基はジラジカルであることが理解される。例えば、2つの結合点を必要とするアルキルとして同定されている置換基には、ジラジカル、例えば、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-などが含まれる。他のラジカルの命名規則は、ラジカルがジラジカル、例えば「アルキレン」または「アルケニレン」であることを明らかに示している。
【0066】
本明細書において使用されているとき、「アルキレン」は、2つの結合点を介して分子の残りに結合している、炭素及び水素のみを含有する分岐鎖または直鎖完全飽和ジラジカル化学基(すなわち、アルカンジイル)を意味する。アルキレン基は、1~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていないアルキレンという用語の事象もカバーする。アルキレン基は、1~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルキレンであってもよい。アルキレン基はまた、1~4個の炭素原子を有する低級アルキレンでもあり得る。アルキレン基は、「C1~4アルキレン」または同様の定義として表記されてよい。ほんの一例として、「C1~4アルキレン」は、アルキレン鎖に1~4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキレン鎖が、メチレン、エチレン、エタン-1,1-ジイル、プロピレン、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、1-メチル-エチレン、ブチレン、ブタン-1,1-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,1-ジイル、1-メチル-プロピレン、2-メチル-プロピレン、1,1-ジメチル-エチレン、1,2-ジメチル-エチレン、及び1-エチル-エチレンからなる群から選択される。
【0067】
本明細書において使用されているとき、「アルケニレン」は、2つの結合点を介して分子の残りに結合している、炭素及び水素のみを含有しかつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する直鎖または分岐鎖ジラジカル化学基を意味する。アルケニレン基は、2~20個の炭素原子を有し得るが、本定義は、数値範囲が表記されていないアルケニレンという用語の事象もカバーする。アルケニレン基は、2~9個の炭素原子を有する中程度のサイズのアルケニレンであってもよい。アルケニレン基はまた、2~4個の炭素原子を有する低級アルケニレンでもあり得る。アルケニレン基は、「C2~4アルケニレン」または同様の定義として表記されてよい。ほんの一例として、「C2~4アルケニレン」は、アルケニレン鎖に2~4個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルケニレン鎖が、エテニレン、エテン-1,1-ジイル、プロペニレン、プロペン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-メチル-エテニレン、ブタ-1-エニレン、ブタ-2-エニレン、ブタ-1,3-ジエニレンブテン-1,1-ジイル、ブタ-1,3-ジエン-1,1-ジイル、ブタ-2-エン-1,1-ジイル、ブタ-3-エン-1,1-ジイル、1-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、2-メチル-プロパ-2-エン-1,1-ジイル、1-エチル-エテニレン、1,2-ジメチル-エテニレン、1-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペニレン、3-メチル-プロペニレン、2-メチル-プロペン-1,1-ジイル、及び2,2-ジメチル-エテン-1,1-ジイルからなる群から選択される。
【0068】
限定されないが、式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IVa)、(IVb)、(Va)、(Vb)、(VI)の化合物、第1反応中間体、または第2反応中間体を含めた本明細書に記載されている化合物は、溶液中にあるとき、かかる化合物のイオン形態も含むことが理解されるべきである。
【0069】
本明細書に記載されている塩として、限定されないが、かかる化合物と、有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基との塩が挙げられる。多くの場合において、本明細書における化合物は、アミノ及び/もしくはカルボキシル基またはこれと同様の基の存在によって酸及び/または塩基塩を形成することが可能である。酸付加塩は、無機酸及び有機酸によって形成され得る。塩が誘導され得る無機酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩が誘導され得る有機酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。塩基付加塩は、無機及び有機塩基によって形成され得る。塩が誘導され得る無機塩基として、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ;特に好ましくは、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。塩が誘導され得る有機塩基として、例えば、第1級、第2級、及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環式アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的には、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンが挙げられる。多くのかかる塩は、1987年9月11日に公開された、Johnston et al.、WO87/05297(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、当該分野において公知である。
【0070】
連続製造方法
本技術の一態様は、式(Ia)もしくは(Ib):
の化合物またはその塩の製造のための方法であって、
リチウムアミドの第1連続フローを供給する工程;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩の連続フローを供給する工程;
リチウムアミドの第1連続フローと式(IIa)もしくは(IIb)の化合物またはその塩の連続フローとを第1温度で第1連続フロー導管において1つに合わせて、第1反応中間体を得る工程;
第1反応中間体を第2温度に移行させて第2反応中間体を得る工程;及び
第2反応中間体と式(III):
A-O-C(O)-(CH
2)
nG
(III)
の化合物またはその塩とを第2連続フロー導管の下流において1つに合わせて、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物またはその塩を得る工程
を含む、前記方法に関する。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1反応中間体を第2温度に移行させて第2反応中間体を得ることが、第1反応中間体を第2温度で第2連続フロー導管に送達して、第2反応中間体を得ることを含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、第2反応中間体は、容器中に収集され、当該容器は、連続アウトフローを有さない。いくつかの実施形態において、第2反応中間体は、容器中に収集され、当該容器は、連続アウトフローであるか、または少なくとも1つの連続フローを含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、リチウムアミド溶液は、1つ以上の好適な有機溶媒中のリチウムアミドの連続フローであり得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの第1連続フローは、テトラヒドロフラン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、またはこれらの任意の組み合わせ中のリチウムアミドの連続フローである。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの第1連続フローは、テトラヒドロフランのリチウムアミドの連続フローである。
【0074】
いくつかの実施形態において、リチウムアミドの第1連続フローを供給することが
テトラヒドロフランの連続フローを供給すること;
リチウムアミドの第2連続フローを供給すること;及び
第1連続フロー導管がリチウムアミドの第1連続フローを形成する前に、テトラヒドロフランの連続フローとリチウムアミドの第2連続フローとを1つに合わせること
をさらに含む。
【0075】
リチウムアミドの第2連続フローは、1つ以上の好適な溶媒中に存在してよい。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの第2連続フローは、テトラヒドロフラン中に存在する。
【0076】
いくつかの実施形態において、リチウムアミドは、一般式RR’NLiまたはLiN(SiR3)(SiR’3)によって表される双極性化合物であり得、式中、R及びR’はそれぞれ、置換されていてもよいC1~10アルキル、置換されていてもよいC2~10アルケニル、置換されていてもよいC2~10アルキニル、置換されていてもよいC3~7カルボシクリル、置換されていてもよい4-10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC6~10アリール、置換されていてもよい5~10員ヘテロアリール、置換されていてもよいC1~6アルキレン-C3~7カルボシクリル、置換されていてもよいC1~6アルキレン-5~10員ヘテロシクリル、置換されていてもよいC1~6アルキレン-C6~10アリール、または置換されていてもよいC1~6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから独立して選択される。いくつかの実施形態において、リチウムアミドは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドである。いくつかの実施形態において、リチウムアミドは、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、またはリチウム2,2,6,6,-テトラメチルピペリジドである。
【0077】
式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、1つ以上の好適な有機溶媒中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローであり得る。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、テトラヒドロフラン中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローである。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、ヘプタン中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローである。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、ヘプタン及びテトラヒドロフラン中の式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローである。
【0078】
いくつかの実施形態において、容器に貯蔵されている式(IIa)または(IIb)の化合物の溶液は、溶液が容器から流れ出る前に、さらなる有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)と合わされて、より好ましい濃度に達し得る。いくつかの実施形態において、容器から流れ出る式(IIa)または(IIb)の化合物の溶液は、式(IIa)または(IIb)の化合物の濃度が約20重量%~60重量%であり得る。いくつかの実施形態において、容器から流れ出る式(IIa)または(IIb)の化合物の溶液は、式(IIa)または(IIb)の化合物の濃度が約25重量%~55重量%であり得る。いくつかの実施形態において、容器から流れ出る式(IIa)または(IIb)の化合物の溶液は、式(IIa)または(IIb)の化合物の濃度が約25重量%~35重量%であり得る。
【0079】
式(IIa)または(IIb)の化合物の溶液を貯蔵する容器は、加圧されて、式(IIa)または(IIb)の化合物に好ましい流量を生じることができる。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の流量は、約0.17kg/時間~約0.23kg/時間の範囲内である。いくつかの実施形態において、流量は、約0.1kg/時間~約0.4kg/時間の範囲内である。いくつかの実施形態において、流量は、約0.15kg/時間~約0.25kg/時間の範囲内である。いくつかの実施形態において、流量は、約0.19kg/時間である。
【0080】
いくつかの実施形態において、第1反応中間体は、式(IVa)もしくは(IVb):
の構造を有する化合物またはその塩を含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1反応中間体は、式(IVa)の構造を有する化合物を含む。いくつかの実施形態において、第1反応中間体は
またはその塩を含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、第2反応中間体は、式(Va)もしくは(Vb):
の構造を有する化合物またはその塩を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、第2反応中間体は、式(Va)の構造を有する化合物を含む。いくつかの実施形態において、第2反応中間体は
またはその塩を含む。
【0084】
本明細書に記載されている方法は、不活性雰囲気下でプロセスにおいて使用される試薬または溶媒を調製する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で、リチウムアミド、式(IIa)または(IIb)の化合物、及びテトラヒドロフランを調製する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、不活性雰囲気下で式(III)の化合物を調製する工程を含むことができる。
【0085】
本方法において使用される試薬及び溶媒は、水を実質的に含まなくてよい。いくつかの実施形態において、方法において使用されるリチウムアミド、式(IIa)または(IIb)の化合物、塩化トリメチルシリル、及びテトラヒドロフランは、水を実質的に含まない。
【0086】
本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローを供給する前に、塩化トリメチルシリルを式(IIa)または(IIb)の化合物に合わせる工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、塩化トリメチルシリルを含む。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローは、塩化トリメチルシリルを含まない。
【0087】
本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流において容器中で式(III)の化合物を調製することを工程に含むことができる。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物を調製することは、式(VI)の化合物G-(CH2)n-COOH(VI)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl)と、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)とを容器において1つに合わせることを含む。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物を調製することは、約-10℃~10℃の範囲内の温度で実施される。いくつかの実施形態において、式(III)の化合物を調製することは、0℃で実施される。
【0088】
前記方法は、リチウムアミドを約-50℃~約0℃の範囲内の温度に予冷する工程をさらに含むことができる。予冷プロセスは、温度を徐々に低下させる1つ以上の段階を含むことができる。例えば、本明細書に記載されている予冷は、温度を低下させる第1段階及び温度をさらに低下させる第2段階を含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドを第1連続フロー導管に送達する前にリチウムアミドを約-90℃、-80℃、-75℃、-70℃、-65℃、-60℃、-50℃、-40℃、-30℃、-25℃、-10℃、または-5℃の温度に予冷する工程を含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にリチウムアミドを約-100℃~0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、-40℃~-10℃、-30℃~0℃、-20℃~0℃、または-15℃~0℃の範囲内の温度に予冷する第1段階をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にリチウムアミドを約-30℃~0℃の範囲内の温度に予冷する第1段階をさらに含むことができる。
【0089】
テトラヒドロフランの連続フローがリチウムアミド溶液とは別個に供給される実施形態において、本明細書に記載されている方法は、テトラヒドロフランを予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランは、リチウムアミドの別個の連続フローと合わされる前に約-80℃~-20℃の範囲内の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランは、リチウムアミドの別個の連続フローと合わされる前に約-80℃~-65℃の範囲内の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランは、テトラヒドロフランの連続フロー及びリチウムアミドの第2連続フローが合わされる前に約-80℃、-75℃、-70℃、-65℃、または-60℃の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランは、テトラヒドロフランの連続フロー及びリチウムアミドの第2連続フローが合わされる前に約-100℃~-0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、または-40℃~-10℃の範囲内の温度に予冷され得る。
【0090】
かかる実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの別個の連続フローを予冷する工程をさらに含むことができる。かかる実施形態において、リチウムアミドの別個の連続フローは、テトラヒドロフランの連続フローと合わされる前に約-80℃~-10℃の範囲内の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの別個の連続フローは、テトラヒドロフランの連続フローと合わされる前に約-80℃~-10℃の範囲内の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの別個の連続フローは、テトラヒドロフランの連続フローと合わされる前に約-80℃、-75℃、-70℃、-60℃、60℃、-55℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、または-5℃の温度に予冷され得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの別個の連続フローは、テトラヒドロフランの連続フローと合わされる前に約-100℃~-0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、または-40℃~-10℃の範囲内の温度に予冷され得る。
【0091】
前記方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にテトラヒドロフランを約-100℃~約0℃の範囲内の温度に予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にテトラヒドロフランを約-90℃、-80℃、-75℃、-70℃、-65℃、-60℃、-55℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、または-5℃の温度に予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にテトラヒドロフランを約-100℃~-0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、または-40℃~-10℃の範囲内の温度に予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの第1連続フローとテトラヒドロフランの連続フローとを1つに合わせる前にテトラヒドロフランを約-30℃に予冷する工程をさらに含むことができる。
【0092】
前記方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物をリチウムアミド付加反応に好適な温度に予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、約-100℃~約0℃の範囲内の温度に式(IIa)または(IIb)の化合物を予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、約-90℃、-80℃、-75℃、-70℃、-65℃、-60℃、-55℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、または-5℃の温度に式(IIa)または(IIb)の化合物を予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドの連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、約-30℃の温度に式(IIa)または(IIb)の化合物を予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1反応中間体の連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、約-50℃~0℃または-30℃~0℃の範囲内の温度に式(IIa)または(IIb)の化合物を予冷する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1反応中間体の連続フローと式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローとを1つに合わせる前に、約-100℃~0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、-40℃~-10℃、-30℃~0℃、-20℃~0℃、または-15℃~0℃の範囲内の温度に式(IIa)または(IIb)の化合物を予冷する工程をさらに含むことができる。
【0093】
本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を、当該方法の最中に約-100℃~約0℃の範囲内の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を、約-85℃、-80℃、-75℃、-70℃、-65℃、60℃、-55℃、-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、-10℃、または-5℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を、約-50℃、-40℃、-30℃、-20℃、または-10℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を約-30℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を、約-35℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管を、約-100℃~-0℃、-90℃~-10℃、-80℃~-10℃、-80℃~-20℃、-70℃~-20℃、-70℃~-10℃、-60℃~-20℃、-60℃~-10℃、-50℃~-30℃、-50℃~-20℃、-50℃~-10℃、-40℃~-20℃、-40℃~-10℃、または-40℃~-30℃の範囲内の温度に維持する工程をさらに含むことができる。
【0094】
本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を、約-30℃~約40℃、約-20℃~約30℃、約0℃~約45℃、または約0℃~約25℃範囲の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を、約-30℃、-20℃、-10℃、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、または40℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を、約-10℃、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を、約25℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を40℃以下の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を室温に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管を、約-40℃~40℃、-30℃~30℃、-20℃~40℃、-20℃~35℃、-20℃~30℃、-20℃~25℃、-20℃~20℃、-10℃~40℃、-10℃~35℃、-10℃~30℃、-10℃~25℃、-5℃~40℃、-5℃~35℃、-5℃~30℃、-5℃~25℃、-5℃~20℃、-5℃~15℃、0℃~40℃、0℃~35℃、0℃~30℃、0℃~25℃、0℃~20℃、0℃~15℃、5℃~40℃、5℃~35℃、5℃~30℃、5℃~25℃、5℃~20℃、5℃~15℃、10℃~40℃、10℃~35℃、10℃~30℃、10℃~25℃、10℃~20℃、または10℃~15℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。
【0095】
本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流にある容器を約-30℃~約30℃、約-20℃~約20℃、約-10℃~約20℃、約-5℃~約20℃、約-10℃~約10℃、約-5℃~約5℃、または約0℃~約5℃の範囲内の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流にある容器を約-5℃~約10℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流にある容器を約-30℃、-20℃、-10℃、-5℃、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃、25℃、30℃、または40℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流にある容器を0℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の下流にある容器を約-40℃~40℃、-30℃~30℃、-20℃~40℃、-20℃~35℃、-20℃~30℃、-20℃~25℃、-20℃~20℃、-20℃~15℃、-20℃~5℃、-20℃~0℃、-20℃~-10℃、-10℃~40℃、-10℃~35℃、-10℃~30℃、-10℃~25℃、-10℃~20℃、-10℃~15℃、-10℃~5℃、-10℃~0℃、-10℃~-5℃、-5℃~40℃、-5℃~35℃、-5℃~30℃、-5℃~25℃、-5℃~20℃、-5℃~15℃、-5℃~5℃、または-5℃~0℃の温度に維持する工程をさらに含むことができる。容器が上記の選択された温度または温度範囲に維持されているとき、容器中の反応混合物は、少なくとも約5分間、20分間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、5時間、または12時間撹拌され得る。いくつかの実施形態において、容器中の反応混合物は、選択された温度または温度範囲で約5分間~1時間、5分間~3時間、または5分間~12時間撹拌が保たれ得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管の下流にある容器を、低温(例えば、約-30℃~約30℃、約-20℃~約20℃、約-10℃~約20℃、約-5℃~約20℃、約-10℃~約10℃、約-5℃~約5℃、または約0℃~約5℃)に維持するステップに加えて、本明細書に記載されている方法はまた、容器を室温(例えば、18℃~30℃または18℃~24℃)に加温して容器中の反応混合物を少なくとも約5分間、20分間、0.5時間、1時間、3時間、5時間、または12時間撹拌するステップも含む。
【0097】
連続フロー導管におけるフロー時間は、連続フロー導管の流量及び長さに応じて変動し得る。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管におけるフロー時間は、約20秒~200秒、約40秒~約120秒、約50秒~100秒、または約60秒~80秒である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管におけるフロー時間は、約20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、72秒、75秒、80秒、90秒、100秒、110秒、120秒、130秒、140秒、150秒、160秒、170秒、180秒、190秒、または200秒である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管におけるフロー時間は、約72秒である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管におけるフロー時間は、約10秒~200秒、20秒~180秒、20秒~160秒、20秒~150秒、20秒~120秒、20秒~100秒、20秒~80秒、30秒~200秒、30秒~180秒、30秒~150秒、30秒~120秒、30秒~100秒、30秒~80秒、40秒~200秒、40秒~180秒、40秒~160秒、40秒~150秒、40秒~120秒、40秒~100秒、40秒~80秒、50秒~200秒、50秒~180秒、50秒~160秒、50秒~150秒、50秒~120秒、50秒~100秒、50秒~80秒、60秒~200秒、60秒~180秒、60秒~160秒、60秒~150秒、60秒~120秒、60秒~100秒、60秒~80秒、70秒~200秒、70秒~180秒、70秒~150秒、70秒~120秒、70秒~100秒、70秒~80秒、または80秒~100秒の範囲内である。
【0098】
いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管におけるフロー時間は、約5分~約30分、約10分~約25分、約12分~約20分、または約14分~約15分である。いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管におけるフロー時間は、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30分である。いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管におけるフロー時間は、約14分である。いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管におけるフロー時間は、約15分である。いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管におけるフロー時間は、約1分~50分、1分~40分、1分~30分、1分~25分、1分~20分、1分~18分、1分~15分、3分~50分、3分~40分、3分~30分、3分~25分、3分~20分、3分~18分、3分~15分、5分~50分、5分~40分、5分~30分、5分~25分、5分~20分、5分~18分、5分~15分、5分~10分、8分~50分、8分~40分、8分~30分、8分~25分、8分~20分、8分~18分、8分~15分、8分~10分、10分~50分、10分~40分、10分~30分、10分~25分、10分~20分、10分~18分、10分~15分、または10分~12分の範囲内である。
【0099】
いくつかの実施形態において、第2連続フロー導管の下流において合わされる第2反応中間体及び式(III)の化合物の反応混合物は、容器中で懸濁されて、約0.5時間~7時間、1時間~6時間、または約2時間~5時間撹拌される。いくつかの実施形態において、第2反応中間体及び式(III)の化合物の反応混合物は、容器中で懸濁されて、約2時間~5時間撹拌される。
【0100】
リチウムアミドが溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中に存在するいくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%であり得る。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約25%である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、25%未満である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約15%~約45%、約15%~30%、約15%~約25%、約20%~40%、または約22%~約27%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約25%~約50%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約20%~約60%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約1%~100%、5%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、15%~80%、15%~70%、15%~60%、15%~50%、15%~40%、15%~30%、15%~20%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、または20%~25%の範囲内である。
【0101】
リチウムアミド溶液は、容器中で貯蔵され得、容器は、容器から流れ出るリチウムアミド溶液について好ましい流量を生じるように加圧され得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミド溶液についての流量は、約0.09kg/時間~約0.13kg/時間の範囲内である。いくつかの実施形態において、流量は、約0.05kg/時間~約0.2kg/時間の範囲内である。いくつかの実施形態において、流量は、約0.1kg/時間~約0.15kg/時間の範囲内である。
【0102】
リチウムアミドが第1連続フロー導管に流れ込む前にさらなるテトラヒドロフランと合わされる実施形態では、テトラヒドロフラン中のリチウムアミドの濃度は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、または40%である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフラン中のリチウムアミドの濃度は、約25%である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフラン中のリチウムアミドの濃度は、約15%~30%、約20%~40%、または約22%~約27%である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフラン中のリチウムアミドの濃度は、約1%~80%、1%~60%、1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~25%、5%~80%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~30%、5%~25%、10%~80%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~25%、15%~80%、15%~60%、15%~50%、15%~40%、15%~30%、15%~25%、20%~80%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、または20%~25%の範囲内である。
【0103】
式(IIa)または(IIb)の化合物が溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中に存在する実施形態において、第1連続フロー導管から流れ出る前、または、いくつかの実施形態における、(IIa)または(IIb)の化合物の濃度は、約10%、15%、20%、25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、または70%である。リチウムアミドが溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中に存在する実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前、または、いくつかの実施形態における、リチウムアミドの濃度は、約27%である。リチウムアミドが溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中に存在する実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前、または、いくつかの実施形態における、リチウムアミドの濃度は、約45%である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約15%~約75%、約30%~50%、約25%~50%、または約40%~約50%の範囲内である。いくつかの実施形態において、第1連続フロー導管に流れ込む前のリチウムアミドの濃度は、約1%~80%、1%~60%、1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~27%、1%~25%、5%~80%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~27%、5%~30%、5%~25%、10%~80%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~27%、10%~25%、15%~80%、15%~60%、15%~50%、15%~40%、15%~30%、15%~27%、15%~25%、20%~80%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、20%~27%、または20%~25%の範囲内である。
【0104】
いくつかの実施形態において、少量の塩化トリメチルシリルが、式(IIa)または(IIb)の化合物を含有する溶液に、当該溶液がリチウムアミドと合わされる前に添加される。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する塩化トリメチルシリルのモル比は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、または0.06である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する塩化トリメチルシリルのモル比は、約0.03である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する塩化トリメチルシリルのモル比は、約0.01~0.1、約0.02~約0.05、または約0.02~約0.04の範囲内である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する塩化トリメチルシリルのモル比は、約0.001~1、0.001~0.5、0.001~0.1、0.001~0.05、0.005~1、0.005~0.5、0.005~0.1、0.005~0.05、0.01~1、0.01~0.5、0.01~0.1、0.01~0.05、0.02~1、0.02~0.5、0.02~0.1、0.02~0.04、0.02~0.05、0.03~1、0.03~0.5、0.03~0.1、または0.03~0.05の範囲内である。いくつかの実施形態において、塩化トリメチルシリルが、式(IIa)または(IIb)の化合物を含有する溶液に、当該溶液がリチウムアミドと合わされる前に添加されない。
【0105】
式(IIa)または(IIb)の化合物に対するリチウムアミドのモル比は、反応温度、反応溶媒、及び連続フロー導管における他の反応条件に応じて変動し得る。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対するリチウムアミドのモル比は、約10~0.1、約5~約0.5、約2~約0.8、または約1.5~約1の範囲内である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対するリチウムアミドのモル比は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対するリチウムアミドのモル比は、約1.1である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対するリチウムアミドのモル比は、約0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.5~5、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.8、0.1~5、0.75~4、0.75~3、0.75~2、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、または0.75~0.8の範囲内である。
【0106】
リチウムアミドの連続フローがテトラヒドロフランと合わされる前に確立される実施形態において、テトラヒドロフランと合わされる前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、反応条件に応じて変動し得る。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされる前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約25%である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされる前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約24%~約26%の範囲内である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされる前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約15%~約35%の範囲内である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされる前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約1%~80%、1%~60%、1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~27%、1%~25%、5%~80%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~27%、5%~30%、5%~25%、10%~80%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~27%、10%~25%、15%~80%、15%~60%、15%~50%、15%~40%、15%~30%、15%~27%、15%~25%、20%~80%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、20%~27%、または20%~25%の範囲内である。
【0107】
テトラヒドロフランと合わされた後であるが第1連続フロー導管に流れ込む前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、反応条件に応じて変動し得る。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされた後であるが第1連続フロー導管に流れ込む前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約5%、10%、20%、30%、40%、45%、50%、または60%である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされた後であるが第1連続フロー導管に流れ込む前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約1%~約80%、約10%~約60%、または約15%~約50%の範囲内である。いくつかの実施形態において、テトラヒドロフランと合わされた後であるが第1連続フロー導管に流れ込む前の連続フロー中のリチウムアミドの濃度は、約1%~80%、1%~60%、1%~50%、1%~40%、1%~30%、1%~27%、1%~25%、5%~80%、5%~60%、5%~50%、5%~40%、5%~27%、5%~30%、5%~25%、10%~80%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~27%、10%~25%、15%~80%、15%~60%、15%~50%、15%~40%、15%~30%、15%~27%、15%~25%、20%~80%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、20%~27%、または20%~25%の範囲内である。
【0108】
式(IIa)または(IIb)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、反応温度及び連続フロー導管における他の反応条件に応じて変動し得る。いくつかの実施形態において、式(IIa)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、約0.5~3、約0.8~2、または約1~1.5である。いくつかの実施形態において、式(IIa)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、約1~1.5である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対するルイス酸のモル比は、約1超である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、約1.3である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物に対する式(III)の化合物のモル比は、約0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.5~5、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.8、0.1~5、0.75~4、0.75~3、0.75~2、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、0.75~0.8、1~5、1~4、1~3、1~2、1~1.5、1~1.3、1~1.25、1.15~1.5、または1.15~1.25の範囲内である。
【0109】
式(VI)の化合物と反応する前の容器中のHOBtの濃度は、反応条件に応じて変動してよい。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約0.5~3、約0.8~2、または約0.9~1.1である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約0.8~1.2である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約1超である。いくつかの実施形態において、式(IV)の化合物に対するHOBtのモル比は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約1.3である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.5~5、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.8、0.1~5、0.75~4、0.75~3、0.75~2、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、0.75~0.8、1~5、1~4、1~3、1~2、1~1.5、1~1.3、1~1.25、1.15~1.5、または1.15~1.25の範囲内である。
【0110】
式(VI)の化合物と反応する前の容器中のEDC・HClの濃度は、反応条件に応じて変動してよい。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するEDC・HClのモル比は、約0.5~5、約0.8~2、または約0.9~1.5である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するEDC・HClのモル比は、約1~1.5である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するEDC・HClのモル比は、約1超である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するEDC・HClのモル比は、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2である。いくつかの実施形態において、HOBtと式(VI)の化合物のモル比は、約1.6:1.3である。いくつかの実施形態において、式(VI)の化合物に対するHOBtのモル比は、約0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1、0.1~0.8、0.1~0.5、0.5~5、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.8、0.1~5、0.75~4、0.75~3、0.75~2、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、0.75~0.8、1~5、1~4、1~3、1~2、1~1.5、1~1.3、1~1.25、1.15~1.5、または1.15~1.25の範囲内である。
【0111】
いくつかの実施形態において、容器に添加される式(VI)の化合物の量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1~1.3モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加される式(VI)の化合物の量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約0.8~1.6モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加される式(VI)の化合物の量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.1~1.3モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加される式(VI)の化合物の量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.2モル当量である。
【0112】
いくつかの実施形態において、容器に添加されるHOBtの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1~1.5モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるHOBtの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約0.8~1.8モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるHOBtの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.2~1.4モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるHOBtの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.3モル当量である。
【0113】
いくつかの実施形態において、容器に添加されるEDC・HClの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1~2モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるEDC・HClの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約0.5~2.5モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるEDC・HClの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.4~1.8モル当量である。いくつかの実施形態において、容器に添加されるEDC・HClの量は、式(IIa)または(IIb)の化合物の約1.6モル当量である。
【0114】
第1連続フロー導管中の式(IIa)または(IIb)の化合物の流量は、反応条件に応じて変動してよい。本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物を第1連続フロー導管に約0.05mmol/分、0.1mmol/分、0.12mmol/分、0.14mmol/分、0.16mmol/分、0.17mmol/分、または0.18mmol/分の流量で流し込む工程を含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物を第1連続フロー導管に0.5mmol/分、1mmol/l、1.5mmol/分、2mmol/分、2.5mmol/分、3mmol/分、3.5mmol/分、4mmol/分、4.5mmol/分、または5mmol/分以下の流量で流し込む工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物を第1連続フロー導管に約0.1mmol/分~約5.0mmol/分、または約1mmol/分~約3mmol/分の流量で流し込む工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の流量は、約0.05mmol/分~約1.2mmol/分、約0.05mmol/分~約1.0mmol/分、または0.1mmol/分~約0.5mmol/分である。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の流量は、約0.17mmol/分である。
【0115】
第1連続フロー導管中のリチウムアミドの流量は、反応条件に応じて変動してよい。本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドを第1連続フロー導管に約0.2mmol/分、0.4mmol/分、0.6mmol/分、0.8mmol/分、1mmol/分、1.2mmol/分、または1.5mmol/分の流量で流し込む工程を含むことができる。本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドを第1連続フロー導管に約0.2mmol/分~約5mmol/分、約0.5mmol/分~約2mmol/分、または約0.7~約0.9mmol/分の流量で流し込む工程を含むことができる。いくつかの実施形態において、リチウムアミド流量は、約0.87mmol/分である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド流量は、約0.9mmol/分である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド流量は、約0.1~5、0.1~4、0.1~3、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1、0.1~0.9、0.1~0.8、0.1~0.5、0.5~5、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1.5、0.5~1.25、0.5~1、0.5~0.9、0.5~0.8、0.1~5、0.75~4、0.75~3、0.75~2、0.75~1.5、0.75~1.25、0.75~1、0.75~0.9、または0.75~0.8mmol/分の範囲内である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドを第1連続フロー導管に0.5mmol/分、1mmol/l、1.5mmol/分、2mmol/分、2.5mmol/分、3mmol/分、3.5mmol/分、4mmol/分、4.5mmol/分、または5mmol/分以下の流量で流し込む工程を含むことができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、第2反応中間体と式(III)の化合物との間の反応は、連続フロー導管中で実施されない。いくつかの実施形態において、第2反応中間体と式(III)の化合物との間の反応は、連続フローを含まないフラスコ中または他の反応容器中で実施される。
【0117】
本明細書に記載されている方法は、式(Ia)または(Ib)の化合物を分離及び精製するのに好適である、当業者に公知の1つ以上のステップを含むこともできる。分離及び/または精製は、抽出、蒸留、クロマトグラフィ、結晶化、及び当業者に公知の他の好適な精製方法を含むことができる。例えば、分離及び/または精製は、各抽出ステップにおいて同じまたは異なる溶媒を使用する複数の抽出ステップを含むことができ、1つ以上の蒸留ステップは、最終生成物をさらに精製する抽出の後に使用され得る。いくつかの実施形態において、精製は、結晶化ステップを含む。
【0118】
本明細書に記載されている方法は、種々の試薬の貯蔵液を調製する1つ以上のステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミドとテトラヒドロフランとを1つに合わせて、リチウムアミドの第1連続フローのためのリチウムアミド貯蔵液を調製する工程をさらに含むことができる。テトラヒドロフランの連続フロー及びリチウムアミドの連続フローを別個に供給する実施形態において。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物とテトラヒドロフランとを1つに合わせて、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローのための式(IIa)または(IIb)の化合物貯蔵液を供給する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物と、テトラヒドロフランと、塩化トリメチルシリルとを1つに合わせて、式(IIa)または(IIb)の化合物の連続フローのための式(IIa)または(IIb)の化合物貯蔵液を供給する工程をさらに含むことができる。
【0119】
本明細書に記載されている方法は、貯蔵液を含有する容器を加圧する工程をさらに含むこともできる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、リチウムアミド貯蔵液を含む第1または第5容器を加圧する工程を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、式(IIa)または(IIb)の化合物貯蔵液を含む第2または第6容器を加圧する工程を含む。テトラヒドロフランの連続フロー及びリチウムアミドの連続フローが別個に供給される実施形態において、本明細書に記載されている方法は、テトラヒドロフラン中のリチウムアミドの貯蔵液を調製する工程、及びテトラヒドロフラン貯蔵液中にリチウムアミドを含む容器を加圧する工程をさらに含むことができる。かかる実施形態において、本明細書に記載されている方法は、テトラヒドロフランの貯蔵液を調製する工程、及びテトラヒドロフラン貯蔵液を含む容器を加圧する工程をさらに含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態において、上記方法は、式Iaの化合物を製造する工程を含む。いくつかの実施形態において、式(Ia)の化合物について、Mが-CH=CH-であり、かつnが1である。いくつかの実施形態において、式(Ia)の化合物について、Mが-CH2-であり、かつQが-CH2-または-CH2-CH2-である。
【0121】
いくつかの実施形態において、上記方法は、式Ib:
の化合物またはその塩を製造する工程を含む。
【0122】
R1は、任意の好適なカルボキン酸保護基、例えば、エステル形成基またはシリル基であってよい。いくつかの実施形態において、R1は、tert-ブチル(t-Bu)である。いくつかの実施形態において、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチル、t-アミル、ベンジル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル、ベンズヒドリル、フェナシル、フェニル、p-ニトロフェニル、メトキシメチル、エトキシメチル、ベンジルオキシメチル、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、β-メチルスルホニルエチル、メチルチオメチル、トリチル、β,β,β-トリクロロエチル、β-ヨードエチル、トリメチルシリル、ジメチルシリル、アセチルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-メシルベンゾイルメチル、フタルイミドメチル、プロピニルオキシメチル、1,1-ジメチルプロピル、3-メチル-3-ブテニル、スクシンイミドメチル、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル、メシルメチル、ベンゼンスルホニル-メチル、フェニルチオメチル、ジメチルアミノメチル、ピリジン-1-オキシド-2-メチル、メチルスルフィニルメチル、ビス(p-メトキシフェニル)メチル、または2-シアノ-1,1-ジメチルエチルから選択される。いくつかの一般的に使用されるカルボキン酸保護基は、t-ブチル、ベンジル、β,β,β-トリクロロエチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジル、トリメチルシリル、ジメチル-t-ブチルシリル、フェナセチルまたはアセトニルである。
【0123】
R2は、任意の好適なヒドロキシル保護基であってよい。いくつかの実施形態において、R2は、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)である。いくつかの実施形態において、R2は、ベンジル、ベンゾイル、2,6-ジクロロベンジル、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリル、メシレート、トシレート、ジメトキシトリチル(DMT)、9-フェニルキサンチン-9-イル(ピキシル)及び9-(p-メトキシフェニル)キサンチン-9-イル(MOX)、アセチル、ベンジル、または4,4′-ジメトキシトリチルから選択される。
【0124】
いくつかの実施形態において、式Iaの化合物は
またはその塩である。
【0125】
いくつかの実施形態において、式(IIa)の化合物は
またはその塩である。
【0126】
本明細書に記載されている方法は、式(III)の化合物及び第2反応中間体の反応を窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下で実施する工程をさらに含むことができる。
【0127】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第1連続フロー導管の後であるが第2連続フロー導管の前に採取した反応フローサンプルを分析する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、第2連続フロー導管の後であるが式(III)の化合物を含む容器の前に採取した反応フローサンプルを分析する工程をさらに含むことができる。
【0128】
反応サンプルの分析は、任意の好適な公知の分析方法を使用して実施され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、クロマトグラフィを使用して反応サンプルを分析する工程を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている方法は、HPLCを使用して反応サンプルを分析する工程を含む。
【0129】
本明細書に記載されている方法は、プラント規模またはパイロットプラント規模での式(Ia)または(Ib)の化合物の製造に使用され得る。本明細書に記載されている方法は、1日当たり約10kg、20kg、50kg、80kg、100kg、150kg、180kg、または200kgを超える式(Ia)または(Ib)の化合物を製造するのに使用され得る。
【0130】
いくつかの実施形態において、さらなるTHFフローは、リチウムアミド濃度及び化学量論を良好に制御して、リチウムアミドの析出によるLTチューブ反応器の遮断を防止することによりプロセス堅牢性を向上することを助けるように導入され得る。
【0131】
いくつかの実施形態において、化合物(IIa)または(IIb)の濃度は、さらなるTHFフローを使用した希釈後のフロー中のリチウムアミド濃度を基準にして低減または調整され得る。さらなるTHFフローを使用した希釈は、他の公知のプロセスと匹敵する、より高い収率及びより良好な原料転換を確保することを助け得る。
【0132】
いくつかの実施形態において、第1及び第2連続フロー導管を含めた連続フロー導管は、式(IIa)または(IIb)の出発物質化合物の完全な転換を達成するために周囲温度での収集容器中のさらなる撹拌がもはや必要とされない程度まで滞留時間を増加させるように延長され得る。これにより、プロセスを簡素化し、製造時間を短縮し、いずれの撹拌容器の使用も省くことを助けることができる。
【0133】
いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の出発物質化合物の完全な転換がプロセスの際に達成され得、第2反応中間体(例えば、化合物2d)が、式(III)の活性エステル化合物を含有する溶液に直接送達され得る。
【0134】
いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.25%または0.1%未満である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約5%未満である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約1.4%未満である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約1%未満である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約0.9%未満である。いくつかの実施形態において、リチウムアミド副反応から結果として得られる不純物化合物(例えば、化合物S1またはS2)の量は、最終生成物中、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.15~約1.0%の範囲内である。
【0135】
いくつかの実施形態において、式(Ia)または(Ib)の化合物のジアステレオマーの量は、最終生成物中、約1%未満である。いくつかの実施形態において、式(Ia)または(Ib)の化合物のジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.9%、0.8%、0.6%、0.4%、0.2%、または0.1%未満である。いくつかの実施形態において、式(Ia)または(Ib)の化合物のジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.15~約1.0%の範囲内である。
【0136】
いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、最終生成物中、約10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%、0.25%または0.1%未満である。いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、最終生成物中、約8%未満である。いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、最終生成物中、約1.7%または1.6%未満である。いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、最終生成物中、約1.4%未満である。いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、最終生成物中、約1.33%未満である。いくつかの実施形態において、不純物全体の量は、約0.1%~約10%、約0.1%~約8%、約0.15~約1.6%の範囲内である。
【0137】
いくつかの実施形態において、化合物Aのジアステレオマーの量は、最終生成物中、約10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1.2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.08%、0.07%、0.06%、0.04%、0.025%または0.01%未満である。いくつかの実施形態において、化合物Aのジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.4%未満である。いくつかの実施形態において、化合物Aのジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.07%未満である。いくつかの実施形態において、化合物Aのジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.05%未満である。いくつかの実施形態において、化合物Aのジアステレオマーの量は、最終生成物中、約0.001%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%の範囲内である。
【0138】
いくつかの実施形態において、任意の単一の未知の不純物の量は、最終生成物中、約10%、8%、6%、5%、4%、3%、2%、1.5%、1.2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.08%、0.07%、0.06%、0.04%、0.025%または0.01%未満である。いくつかの実施形態において、任意の単一の未知の不純物の量は、最終生成物中、約0.4%未満である。いくつかの実施形態において、任意の単一の未知の不純物の量は、最終生成物中、約0.07%未満である。いくつかの実施形態において、任意の単一の未知の不純物の量は、最終生成物中、約0.05%未満である。いくつかの実施形態において、任意の単一の未知の不純物の量は、約0.001%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約0.4%の範囲内である。
【0139】
連続製造方法のための装置
図1は、本明細書に記載されている連続製造方法のための装置の非限定概略図である。
図1は、式IaもしくはIb:
の化合物またはその塩の製造のための装置100であって、
リチウムアミドを含む第1容器101と;
式(IIa)もしくは(IIb):
の化合物またはその塩を含む、第2容器102と;
式(III):
A-O-C(O)-(CH
2)
nG
の化合物またはその塩を含む、第3容器105と;
第1容器101及び第2容器102に流体連結されるように構成されている、第1連続フロー導管103と;
第1連続フロー導管103と第3容器105との間で流体連結されるように構成されている、第2連続導管104と
を備える、装置100を示す。
【0140】
図2は、本明細書に記載されている連続製造方法のための装置の非限定概略図である。
図2は、式IaもしくはIbの化合物またはその塩の製造のための装置200であって、
リチウムアミドを含む第1容器201と;
式(IIa)もしくは(IIb)の化合物またはその塩を含む、第2容器202と;
式(III)の化合物またはその塩を含む、第3容器205と;
テトラヒドロフランを含む第4容器206と;
第1容器201及び第2容器202に流体連結されるように構成されている、第1連続フロー導管203と;
第1連続フロー導管203と第3容器205との間で流体連結されるように構成されている、第2連続導管204と
を備える、装置200を示す。
【0141】
本明細書に記載されている装置は、1つ以上の試薬の貯蔵液を含有する1つ以上の容器を任意選択的に備えることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第4容器をさらに備えることができ、第4容器は、テトラヒドロフランを含み、かつ、第4容器は、リチウムアミドが第1連続フロー導管に流れ込む前にリチウムアミドとテトラヒドロフランとを1つに合わせるように第1容器と流体連結されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第5フロー導管を備えることができ、かつ第5連続フロー導管は、第4容器から第1連続フロー導管にテトラヒドロフランを送達するように第4容器及び第1連続フロー導管に流体連結されている。
【0142】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第1容器及び第1連続フロー導管を流体連結するための第3連続フロー導管を任意選択的に備えることができ、かつ第3連続フロー導管は、第1容器から第1連続フロー導管にリチウムアミドを送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第2容器及び第1連続フロー導管を流体連結するための第4連続フロー導管を任意選択的に備えることができ、かつ第4連続フロー導管は、第2容器から第1連続フロー導管に式(IIa)または(IIb)の化合物を送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第2容器及び第1連続フロー導管を流体連結するための第4連続フロー導管を備えることができ、かつ第4連続フロー導管は、第2容器から第1連続フロー導管に式(IIa)または(IIb)の化合物及び/または塩化トリメチルシリルを送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第4容器及び第1連続フロー導管を流体連結するための第5連続フロー導管を任意選択的に備えることができ、かつ第5連続フロー導管は、第4容器から第1連続フロー導管にテトラヒドロフラン溶液を送達するように構成されている。
【0143】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第1容器に流体連結された第6容器を任意選択的にさらに備えることができ、第6容器は、リチウムアミドの貯蔵液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第2容器に流体連結された第7容器を任意選択的にさらに備えることができ、第7容器は、式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第2容器流体連結された第8容器を任意選択的にさらに備えることができ、第8容器は、塩化トリメチルシリルの化合物の貯蔵液を含む。
【0144】
1つ以上のフロー制御部材は、流量を制御する装置において使用され得る。本明細書に記載されている装置は、リチウムアミド、テトラヒドロフラン、塩化トリメチルシリル、または式(IIa)もしくは(IIb)の化合物の貯蔵液を含む容器に流体連結された1つ以上のフロー制御部材をさらに備えることができる。フロー制御部材は、限定されないが、加圧容器;バルブ;限定されないがシリンジポンプを含めた、フロー制御に好適であることが知られている任意のポンプ;当該分野において公知の任意の他のフロー制御機器;及びこれらの組み合わせを含めた空気圧フロー制御であり得る。
【0145】
貯蔵液を含有する容器は、装置において使用されるフロー制御部材に応じて加圧され得る。バルブが流量を制御するのに使用される実施形態において、ポンプの代わりの、貯蔵液を含有する加圧容器は、本明細書に記載されている装置において、ポンプの代わりに使用され得る。いくつかの実施形態において、リチウムアミドの貯蔵液を含む容器が加圧され得る。いくつかの実施形態において、式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を含む容器が加圧され得る。いくつかの実施形態において、塩化トリメチルシリル化合物の貯蔵液を含む容器が加圧され得る。いくつかの実施形態において、第1容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第2容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第3容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第4容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第5容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第6容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第7容器が加圧される。いくつかの実施形態において、第8容器が加圧される。
【0146】
図1に示すように、第1容器101は、バルブ101aを通して第1連続フロー導管103に流体連結されており、第2容器102は、バルブ102aを通して連続フロー導管103に流体連結されている。
図2に示すように、テトラヒドロフランのためのさらなる容器、第4容器206は、バルブ206aを通して第1連続フロー導管に流体連結され得る。
【0147】
装置において1つ以上の容器が連続フロー導管であってよい。いくつかの実施形態において、第1容器101または201は、第3連続フロー導管を任意選択的に含むことができ、第3連続フロー導管は、第1連続フロー導管103または203に流体連結されて、第1容器101または201中の溶液を第1連続フロー導管103または203に送達することを助ける。いくつかの実施形態において、第2容器102または202は、第4連続フロー導管を任意選択的に含むことができ、第4連続フロー導管は、第1連続フロー導管103または203に流体連結されて、第2容器102または202中の溶液を第1連続フロー導管103または203に送達することを助ける。いくつかの実施形態において、第3容器105または205は、第5連続フロー導管を任意選択的に含むことができ、第5連続フロー導管は、第2連続フロー導管104または204に流体連結されて、第2連続フロー導管104または204中の溶液を第3容器105または205に送達することを助ける。いくつかの実施形態において、第1容器101または201は、連続フロー導管を含有しない。いくつかの実施形態において、第2容器102または202は、連続フロー導管を含有しない。いくつかの実施形態において、第3容器105または205は、連続フロー導管を含有しない。
【0148】
いくつかの実施形態において、第4容器206は、連続フロー導管を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態において、第4容器206は、連続フロー導管を有さない。
【0149】
いくつかの実施形態において、第5容器を含む装置では、第5容器が、連続フロー導管を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態において、第5容器が、第1容器に流体連結されており、第5容器は、リチウムアミドの貯蔵液を含む。いくつかの実施形態において、第6容器は、連続フロー導管を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態において、第6容器を含む装置では、第6容器が、第2容器に流体連結されており、第6容器は、式(IIa)または(IIb)の化合物の貯蔵液を含む。いくつかの実施形態において、第7容器を含む装置では、第7容器が、連続フロー導管を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態において、第7容器が、第2容器に流体連結されており、第7容器は、塩化トリメチルシリルの貯蔵液を含む。いくつかの実施形態において、第8容器を含む装置では、第8容器が、連続フロー導管を任意選択的に含むことができる。いくつかの実施形態において、第8容器が、第3容器に流体連結されており、第8容器は、テトラヒドロフランの貯蔵液を含む。
【0150】
本明細書に記載されている装置は、1つ以上の冷却要素をさらに備えることができる。いくつかの実施形態において、冷却要素は、第1連続フロー導管103または203に熱的に連結されている。いくつかの実施形態において、冷却要素は、第1連続フロー導管103または203、第3連続フロー導管、第4連続フロー導管、及び第5連続フロー導管の少なくとも1つに熱的に連結されている。いくつかの実施形態において、冷却要素は、第3連続フロー導管、第4連続フロー導管、及び第5連続フロー導管の少なくとも1つに熱的に連結されている。本明細書に記載されている装置は、第1容器101もしくは201、第2容器102もしくは202、第3容器105もしくは205、及び/または第4容器206の少なくとも1つに熱的に連結された1つ以上の冷却要素をさらに備えることができる。本明細書に記載されている装置は、第4容器106または206に熱的に連結された冷却要素をさらに備えることができる。本明細書に記載されている装置は、第5、第6、及び第7容器に熱的に連結された冷却要素を任意選択的にさらに備えることができる。テトラヒドロフランの連続フローが、当該フローとリチウムアミドの連続フローとが合わされる前に、リチウムアミドの連続フローとは別個に供給される実施形態において、本明細書に記載されている装置は、アルキルアミド溶液容器及びテトラヒドロフラン溶液容器に熱的に連結された冷却要素をさらに備えることができる。
【0151】
本明細書に記載されている装置は、1つ以上の加熱要素をさらに備えることができる。いくつかの実施形態において、加熱要素は、第1連続フロー導管103または203から流れ出る反応混合物を加温するのに使用される。いくつかの実施形態において、加熱要素は、第2連続フロー導管104または204に熱的に連結されている。いくつかの実施形態において、加熱要素は、第3容器105または205に熱的に連結されている。加熱要素は、当該分野において公知の任意の好適な加熱機器であってよい。
【0152】
本明細書に記載されている装置は、窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気によって装置をパージするように構成されているガスパージ部材をさらに備えることができる。
【0153】
連続フロー導管は、低温下で実施される化学反応を行うための当該分野において公知の任意の好適な材料から作製されてもよい。いくつかの実施形態において、連続フロー導管は、ステンレス鋼から作製されてもよい。いくつかの実施形態において、第1及び第2連続フロー導管は、ステンレス鋼から作製されている。いくつかの実施形態において、第1、第2、第3、及び第4容器は、ステンレス鋼から作製されている。
【0154】
いくつかの実施形態において、第3容器105または205は、連続フロー導管ではない。いくつかの実施形態において、第3容器105または205は、フラスコまたは反応容器から流れ出る反応混合物を含まないフラスコまたは反応容器であってよい。
【0155】
連続フロー導管の寸法は、反応条件及び製造規模に応じて変動し得る。各連続フロー導管は、他の連続フロー導管と異なるまたは同じサイズを有し得る。いくつかの実施形態において、連続フロー導管は、約0.1m~約50m、約0.1m~約25m、または約0.1m~約10mの範囲内の長さを有する管組織から作製されている。管組織は、直線状であってもらせん状であってもよい。
【0156】
本明細書に記載されている装置は、連続フロー導管の後に位置する1つ以上のバルブを備えることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第1連続フロー導管のすぐ下流にバルブを備える。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている装置は、第2連続フロー導管のすぐ下流にバルブを備える。
【0157】
本明細書に記載されている装置は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、または第7容器に流体連結された1つ以上のフロー制御部材をさらに備えることができる。いくつかの実施形態において、フロー制御部材は、第1、第2、または第3容器の流入口に流体連結されている。いくつかの実施形態において、フロー制御部材は、第1、第2、または第3容器の流出口に流体連結されている。いくつかの実施形態において、フロー制御部材は、第1、第2、及び第3容器の少なくとも1つに流体連結されている。いくつかの実施形態において、フロー制御部材は、第5、第6、または第7容器の流出口に流体連結されている。いくつかの実施形態において、フロー制御部材は、第4容器の流入口に流体連結されている。
【0158】
いくつかの実施形態において、本明細書における装置は、式(Ia)の化合物の製造に使用される。いくつかの実施形態において、本明細書における装置は、式(Ib)の化合物の製造に使用される。いくつかの実施形態において、第2容器は、式(IIa)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、第2容器は、式(IIb)の化合物を含む。
【0159】
本明細書に記載されている装置は、プラント規模での式(Ia)または(Ib)の化合物の製造に使用され得る。本明細書に記載されている装置は、1日当たり約10kg、100kg、250kg、500kg、800kg超の式(Ia)または(Ib)の化合物を製造するのに使用され得る。
【0160】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものであり、説明目的のみで使用され、限定的であると見なされるべきではない。
【実施例】
【0161】
一般的な分析方法
以下の表1、及び比較例1に示されている化合物を参照し、表1に示すパラメータを有する分析方法を使用して、フロープロセスにおける種々の点から採取されるサンプルを分析することができる。
【0162】
【0163】
比較例1
スキーム2に記載する反応をバッチ実験において実施した。
【0164】
【0165】
化合物2aの約27%のTHF溶液を少量のTMS-Cl(3モル%)と混合し、-70℃~-80℃に予冷した。1.10当量(HPLCによる化合物2aの重量%基準)の、LHMDSの25%のTHF溶液(-10℃に予冷)を、反応温度が-70℃未満に維持されるように投入した。完全な付加後、混合物を-70℃でさらに30分間撹拌し、方法Aによって残存化合物2aを分析した(≦2.5%:残存化合物2aの重量%)。反応混合物のサンプルを採取し、任意の追加量のLHMDSを添加すべきか否かを決定した。次いで、混合物を周囲温度に加温し、完全な転換がクロマトグラフィによって検出されるまでさらに撹拌した(典型的には:1~3時間)。
【0166】
化合物2eの調製のために、アセトニトリル中の精製した2-チオフェン-酢酸及びヒドロキシベンゾトリアゾールのスラリーを-5~5℃に予冷し、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCI)を温度が-5~5℃に維持され得るように少しずつ添加した。
【0167】
得られた混合物を-5~5℃で2~5時間さらに撹拌した。最後に、ステップ1からの上記の反応混合物を-5~5℃で化合物2dに投入し、得られたスラリーを-5~5℃で3時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。
【0168】
混合物を約5%水性NaHCO3溶液の添加によって急冷した。ヘプタンを添加し、層を分離した。上方の生成物含有有機層を続いて約5%水性NaHCO3及び水でさらに2回洗浄し、炭素カートリッジ上で濾過した。最後に、蒸留溶媒のヘプタンへの切り替えをT<40℃(目標:20~25℃)において減圧下で実施し、クロマトグラフィ方法A(A-2)によってアセトニトリルの完全な除去を確認した。生成物は、通常、この段階で析出し始めた。析出が開始しないとき、種結晶を添加して結晶化を誘発した。得られた生成物スラリーを-5~5℃に冷却し、この温度で2時間さらに撹拌した。生成物化合物Aを濾過によって収集し、冷ヘプタンで少しずつ洗浄し、<45℃において減圧下で乾燥した。最終生成物を、方法A(A-3)を使用して分析した。
【0169】
実施例1
図1に模式的に概説している実験セットアップ100を使用した。
図1に示すように、第1容器101を使用してリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中)を貯蔵及び供給し、第2容器102を使用してテトラヒドロフラン中の化合物2a溶液を貯蔵及び供給する。第1連続フロー導管103を使用してリチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び化合物2a試薬を混合し、反応混合物を次のステップに送達する。第2連続フロー導管104を使用して、第1連続フロー導管103から流れ出る反応混合物を加温し、反応混合物を次のステップに送達する。容器105を使用して、化合物2eを作製する反応を実施し、化合物2e及び化合物2dが反応して化合物Aを形成し得るように第2連続フロー導管104から流れ出る化合物2dを収集する。
【0170】
反応プロセスの最中に、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド貯蔵液を容器101からバルブ101aを通して反応プロセス中に連続的に添加し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを第1連続フロー導管103に達する前に予冷し;THF中の化合物2a貯蔵液を容器102からバルブ102aを通して反応プロセス中に連続的に添加し;リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び化合物2aの混合物が第1連続フロー導管103を通って連続的に流れ、これを、冷却浴106を使用して約-30℃に維持した。反応混合物が第1連続導管103から第2連続フロー導管104に流れ、これを周囲温度に維持し、または浴107を使用して20℃~30℃に維持した。第2連続フロー導管104を使用して、第1連続フロー導管103から流れ出た反応混合物を加温した。反応混合物を次いで容器105に送達した。容器105を-5℃~5℃に維持し、該容器は化合物2eを含んだ。化合物2d及び化合物2eの混合物を容器中で2~5時間撹拌した後、サンプルを採取して化合物Aの収率を求めた。
図1に示すように、容器もしくは連続フロー導管に流体連結するため、または反応溶液のフローを制御するために、101a、102a、もしくは104aなどのバルブを使用することができる。反応条件を基準にして、セットアップは、3つのバルブ101a、102a、及び104aのうちの1つのみを含んでいてよいか;セットアップは、3つのバルブ101a、102a、及び104aのうちのいずれか2つを含んでいてよいか;またはセットアップは、3つのバルブ101a、102a、及び104a全てを含んでいてよい。さらなるバルブ103aが、第1連続フロー導管と第2連続フロー導管との間に任意選択的に付加されてよい。
図2に示すセットアップは、1つ以上の他のバルブ(図示せず)を任意選択的に含んで、セットアップにおける1つ以上の他の点における反応のフローを制御することができる。
【0171】
前記セットアップを一定のフローで操作し、冷却浴を使用して、溶液を予冷し、所要の反応温度を維持した。セットアップの第1部(LHMDS添加用)を低温で操作した(低温フロー反応器)。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び/または化合物2a溶液を送達するためのチューブを含めたセットアップのセクションを予冷して、2つのフローの迅速な混合及び効率的な熱伝達を保証した。フロー反応器の第2部(転位反応用)を高温で操作した(この場合には室温で-RTフロー反応器)。このセットアップの重要な要素は反応溶液を目標温度に加温することである。RTフロー反応器が稼働した後、溶液を容器中に収集し、完全な転換に達するまで周囲温度で撹拌した(1.0重量%未満の化合物2aの残存におけるバッチプロセスでのクロマトグラフィ方法Aに基づく)。この溶液を、次いで、エステル2eの溶液に投入し、これを、バッチプロトコールにしたがって調製してバッチプロトコールにおけるようにさらに処理した。
【0172】
低温反応器が稼働して転換率をチェックした後に方法B(B-1)サンプルを引き抜くことができる。反応条件に対してのさらなる制御のために、方法Bを導入した。方法Aサンプルを、活性エステルを使用して第2反応中間体に転換させ、サンプルを、完了したアミド化(この場合には誘導体化)の後に分析した。この方法により、転位反応後の予期される生成物の質及び収率に関する概略が与えられる。
【0173】
実施例2
図1に模式的に概説している実験セットアップ100を使用した。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中25%)を貯蔵及び供給するための容器101を1.5~1.0モル当量の化合物2aとなるように設定した。化合物2a用の容器102を27重量%の最終濃度までTHFによって希釈した。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び化合物2a溶液の両方を操作温度「低温」の約-30℃の連続フロー導管となるように予冷した。低温の連続フロー導管は、約70秒の滞留時間に相当する、12mの長さ、0.88cmの直径を有した。室温の連続フロー導管は、4.5分の滞留時間に相当する、12mの長さ、約1.73cmの直径を有した。稼働前及び稼働後(開始及びシャットダウンシーケンス)用にそれぞれ1つずつの2つのさらなる容器(
図1に示さず)を、連続フロー導管の後に設置した。第1容器を使用して、全てのフローが適切に確立されるまで稼働の開始時に廃棄物を収集した。第2容器は、目詰まりなどの問題に関する場合に使用し、この場合には、自動シャットダウンシーケンスを動作させた。目詰まりの事象では、フローを第2容器に迂回させて、この時点までに収集される生成物が汚染されないようにした。反応混合物を容器105に送達し、室温において化合物2eと共に撹拌した。2つのサンプルバルブ103a及び104aを設置して反応転換のクロマトグラフィ分析のためのサンプルを採取し、1つのバルブ103aが第1連続フロー103導管の後、1つのバルブ104aが第2連続フロー導管104の後にあった。
【0174】
反応混合物を収集容器中で10分間撹拌し、サンプル分析により、典型的な不純物プロファイルが示され、これは、未知の不純物が検出されたことを意味した。方法Aを使用して第1連続フロー導管の後に採取されたサンプルの分析により、非常に少量の化合物2aの残存が示された。方法において検出された化合物2aの残存量の結果を表2に示す。
【0175】
(表2)前記方法において検出される化合物2aの残存量
【0176】
実施例3
図2に模式的に概説している実験セットアップ200を使用した。
図2に示すように、第1容器201を使用してリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中)を貯蔵及び供給し、第2容器202を使用してテトラヒドロフラン中の化合物2a溶液を貯蔵及び供給する。第1連続フロー導管203を使用してリチウムビス(トリメチルシリル)アミド及び化合物2a試薬を混合し、反応混合物を次のステップに送達する。第2連続フロー導管204を使用して、第1連続フロー導管203から流れ出る反応混合物を加温し、反応混合物を次のステップに送達する。容器205を使用して、化合物2eを作製する反応を実施し、化合物2e及び化合物2dが反応して化合物Aを形成し得るように第2連続フロー導管204から流れ出る化合物2dを収集する。さらなる容器206を使用して、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中)と合わされる別個のストリームのTHF溶液を貯蔵及び供給する。
【0177】
反応プロセスの最中に、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミド貯蔵液を容器201からバルブ201aを通して反応プロセス中に連続的に添加し、別個のTHF貯蔵液を容器206に貯蔵し、反応プロセスに連続的に添加して、フローストリームにおいてリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを希釈した後、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを化合物2aと混合した。希釈したリチウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液を-30℃に予冷した後、第1連続フロー導管203に到達させた。THF中の化合物2a貯蔵液を容器202からバルブ202aを通して反応プロセスに連続的に添加し;リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(希釈)及び化合物2aの混合物が連続フロー導管203を通って連続的に流れ、これを、冷却浴207を使用して約-30℃に維持した。反応混合物が第1連続導管203から第2連続フロー導管204に流れ、これを周囲温度に維持し、または浴208を使用して20℃~30℃に維持した。第2連続フロー導管204を使用して、第1連続フロー導管203から流れ出た反応混合物を加温した。反応混合物を次いで容器205に送達した。容器205を-5℃~5℃に維持し、該容器は化合物2eを含んだ。化合物2dを次いで第2連続導管204から容器205に送達し、化合物2eと反応させた。
図2に示すように、容器もしくは連続フロー導管に流体連結するため、または反応溶液のフローを制御するために、201a、202a、204a、206aなどのバルブを使用することができる。反応条件を基準にして、セットアップは、4つのバルブ201a、202a、204a、及び206aのうちの1つのみを含んでいてよいか;セットアップは、4つのバルブ201a、202a、204a、及び206aのうちのいずれか2つを含んでいてよいか;セットアップは、4つのバルブ201a、202a、204a、及び206aのうちのいずれか3つを含んでいてよいか;またはセットアップは、4つのバルブ201a、202a、204a、及び206a全てを含んでいてよい。さらなるバルブ203aが、第1連続フロー導管と第2連続フロー導管との間に任意選択的に付加されてよい。
図2に示すセットアップは、1つ以上の他のバルブ(図示せず)を任意選択的に含んで、セットアップにおける1つ以上の他の点における反応のフローを制御することができる。
【0178】
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドと化合物2aとを1つに合わせる前にさらなるTHFフローを第3容器206からのフローに導入するとき、リチウムアミドの希釈が、より低い温度に維持される第1連続フロー導管の遮断を防ぐことができ、そのため、プロセスの堅牢性に正の影響を与える。フローの設定を、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを有して1.10当量の化合物2aとなるように設定し、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LHDMS)が、別個のTHFストリームと混合した後に17%の濃度を有した。1.18当量の化合物2aのモル比を有する、より高レベルのLHMDSも試験した。表3は、リチウムアミドを希釈するために導入されたTHFを用いた前記プロセスの結果を示す。
【0179】
完全な転換後、サンプルを、活性エステル化合物2eを使用して最終生成物に転換し、最終生成物化合物Aの生成物の質及び不純物プロファイルを評価した。サンプルの誘導体化のために、バッチ化合物Aの合成に関しては同じ化学量論及び反応条件を使用し、生成物をアミド化後に溶液から分析した。表1に示す分析方法Aの小規模な誘導体化手順を使用し、サンプルを、次いで、単離された生成物からのデータと比較した。
【0180】
(表3)リチウムアミドを希釈するために導入されたTHFを用いた反応プロセスの実験パラメータ
【0181】
加えて、高濃度のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドは、副生成物の形成量の増加をもたらし得る。過剰のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドを使用すると、α-脱保護、続いての脱離によって1つの副生成物を形成することができる。
【0182】
この副生成物化合物S1は、化合物Aの結晶化ステップにおいて約70%だけ消耗される。増加した量の副生成物の存在は、化合物Aの結晶化を困難にし得、そのため、生成物収率に強く影響する。
【0183】
高濃度または過剰のリチウム塩、例えば(t-ブチルリチウム)の使用により得られる別の副生成物は、化合物S2:
を含み得る。
【0184】
リチウムアミドフローの、さらなるTHFストリームによる希釈は、リチウムアミドの濃度及び化学量論についてより良好な制御を提供することを助け得る。当該希釈はまた、LHMDSの析出によって連続フロー導管を遮断することを防ぐことによってプロセス堅牢性を向上させることも助け得る。
【0185】
実施例4
連続フロー方法において第2連続フロー導管中の滞留時間を調整することを除いて、
図1に模式的に概説している実験セットアップを使用した。第2連続フロー導管中の滞留時間(室温)を4.5分及び約15分で比較した。結果は、第2連続フロー導管中で15分の滞留時間を有することが、化合物Aの転換率及び収率を増加させることを示した。当該結果はまた、連続フロー導管における化合物2dの合成が、完全な転換を達成させ得ること、及び、収集容器または周囲温度での撹拌時間をさらには必要としないことも示した。
【0186】
実施例5
図1に模式的に概説している実験セットアップを使用した。フロー方法を使用した化合物Aの直接合成を以下のステップを使用して試験した:ある特定量の活性エステル化合物2eを収集容器205中で合成し、かつ、対応する量の化合物2dを、第2連続フロー導管204を通して流した後にこの容器中に収集すること。所要の材料を収集した後、反応混合物をバッチプロトコールにしたがって処理し、化合物Aを蒸留及び結晶化の後に単離した。結果を表4に示す。表4において、単離された生成物の質及び収率を方法Bにおいて使用した誘導体化方法からのデータと比較したところ、結果は、方法B分析からのデータに信頼性があることを証明した。
【0187】
(表4)収集容器中での化合物Aの直接合成による反応プロセスの実験パラメータ
【0188】
化合物2dから化合物Aへの直接転換は、容器205における活性エステル化合物2e溶液中の化合物2dの収集によって達成することができる。この方法は、反応時間の減少、方法の簡素化、及び生産性全体の増加につながる。
【0189】
実施例7
図2に模式的に概説している実験セットアップを使用した。フロー方法を使用した化合物Aの直接合成を、表5に示す以下のステップを使用して試験した。全ての材料の当量をHPLC-CAD分析から測定した化合物2aの重量%を基準にして算出した。HPLC-CADを使用して測定したTHF中の化合物2aの量は、約45.5%(重量)、39.3mmol、及び約20.3gであった。
【0190】
前記方法における値は、45gの化合物2aを基準にしており、これは、20分の稼働に匹敵した(容器101、102、105、106は、過剰の溶液で満たされており、起動及びシャットダウンシーケンスを構成した)。比較の理由で、所与の値は、反応の定常状態を基準にした。
【0191】
(表5)連続フロー方法を使用した化合物Aの直接合成の反応パラメータ
【0192】
実施例8
図2に模式的に概説している実験セットアップを使用した。フロー方法を使用した化合物Aの直接合成を、表6に示す以下のステップを使用して試験した。全ての材料の当量をHPLC-CAD分析から測定した化合物2aの重量%を基準にして算出した。HPLC-CADを使用して測定したTHF中の化合物2aの量は、約53.2%(重量)、40.4mmol、及び約20.8gであった。
【0193】
前記方法における値は、39.1gの化合物2aを基準にしており、これは、20分の稼働に匹敵した(容器101、102、105、及び106は、過剰の溶液で満たされており、起動及びシャットダウンシーケンスを構成した)。比較の理由で、所与の値は、反応の定常状態を基準にした。
【0194】
(表6)連続フロー方法を使用した化合物Aの直接合成の反応パラメータ
【0195】
得られた化合物Aの量は約18.07gであり、HPLC分析に基づいた収率は約72.89%である。HPLC分析に基づいた最終生成物化合物Aの純度は約99.9%であった。