(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム、システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/20 20060101AFI20221205BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20221205BHJP
B64C 13/18 20060101ALI20221205BHJP
B64D 47/00 20060101ALI20221205BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G01C21/20
B64C39/02
B64C13/18 Z
B64D47/00
G08G5/00 A
(21)【出願番号】P 2020106455
(22)【出願日】2020-06-19
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平林 一輝
(72)【発明者】
【氏名】小泉 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】松尾 卓哉
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175166(JP,A)
【文献】特開2003-308597(JP,A)
【文献】特開2018-096819(JP,A)
【文献】特表2005-517193(JP,A)
【文献】特開2017-152964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
B64B 1/00 - 1/70
B64C 1/00 - 99/00
B64D 1/00 - 47/08
B64F 1/00 - 5/60
B64G 1/00 - 99/00
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信端末の位置情報に基づいて生成された人流データを取得するデータ取得部と、
前記人流データに基づいて、無人航空機の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定する飛行計画制御部と、
前記飛行計画を出力するよう制御する出力制御部と
を備え
、
前記データ取得部は、前記無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、人流データを継続して取得し、
前記飛行計画制御部は、人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアに、人の危険度が高いほど高い優先度を付し、
前記飛行計画制御部は、前記無人航空機が、飛行中に、前記高密度エリアに囲まれた場合に、前記無人航空機に、前記高密度エリアのうち、より優先度が低い高密度エリアの上空を飛行させるように前記飛行計画を変更させる、
制御装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、通信キャリアが、基地局位置情報及びWi-Fi位置情報を用いて生成した前記人流データを取得する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記飛行計画制御部は、前記無人航空機の前記出発ポイントから前記目的ポイントまでの飛行計画の候補を決定し、
前記出力制御部は、前記飛行計画の候補を表示出力するよう制御する、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、前記無人航空機の飛行計画を取得し、
前記飛行計画制御部は、前記データ取得部が取得した前記飛行計画に従って前記無人航空機が飛行した場合に、人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアの上空を飛行すると判定したことに応じて、前記飛行計画を変更する、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記飛行計画制御部は、前記無人航空機が前記高密度エリアの上空を飛行しないように前記飛行計画の飛行経路を変更する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記飛行計画制御部は、前記無人航空機が前記高密度エリアの上空を飛行しないように前記飛行計画の飛行時間を変更する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記データ取得部は、乗物の移動に関する乗物移動データを取得し、
前記飛行計画制御部は、前記人流データ及び前記乗物移動データに基づいて、前記無人航空機の飛行計画を決定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記飛行計画制御部は、上空に対して露出している人の割合がより多い前記高密度エリアに対して、より高い優先度を付す、請求項
1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記飛行計画制御部は、上空に対して露出していない人が、何の中に位置しているかに応じて、前記高密度エリアの優先度を決定する、請求項
8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御装置は、前記無人航空機に搭載され、
前記データ取得部は、前記無人航空機が受信する電波に基づいて、前記人流データを生成する、請求項
1から
9のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、移動通信端末の位置情報に基づいて生成された人流データを継続して取得するデータ取得部と、
前記人流データに基づいて、前記無人航空機の前記飛行計画を変更させる飛行計画制御部と
を備え
、
前記飛行計画制御部は、人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアに、人の危険度が高いほど高い優先度を付し、
前記飛行計画制御部は、前記無人航空機が、飛行中に、前記高密度エリアに囲まれた場合に、前記無人航空機に、前記高密度エリアのうち、より優先度が低い高密度エリアの上空を飛行させるように前記飛行計画を変更させる、
制御装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から
11のいずれか一項に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項1から
11のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記無人航空機と
を備えるシステム。
【請求項14】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、移動通信端末の位置情報に基づいて生成された人流データを
継続して取得するデータ取得ステップと、
前記人流データに基づいて、無人航空機の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定する決定ステップと、
前記飛行計画を出力するよう制御する出力制御ステップと
、
人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアに、人の危険度が高いほど高い優先度を付し、前記無人航空機が、飛行中に、前記高密度エリアに囲まれた場合に、前記無人航空機に、前記高密度エリアのうち、より優先度が低い高密度エリアの上空を飛行させるように前記飛行計画を変更させる変更ステップと
を備える制御方法。
【請求項15】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、移動通信端末の位置情報に基づいて生成された人流データを継続して取得するデータ取得ステップと、
人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアに、人の危険度が高いほど高い優先度を付し、前記人流データに基づいて、前記無人航空機の飛行計画を変更させる変更ステップ
であって、前記無人航空機が、飛行中に、前記高密度エリアに囲まれた場合に、前記無人航空機に、前記高密度エリアのうち、より優先度が低い高密度エリアの上空を飛行させるように前記飛行計画を変更させる変更ステップと
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に係る発明は、制御装置、プログラム、システム、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、DID(Densely Inhabited District)に入らないように無人航空機の移動を制御する技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特許第6656459号
【発明の概要】
【0003】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、制御装置が提供される。制御装置は、人流データを取得するデータ取得部を備えてよい。制御装置は、人流データに基づいて、無人航空機の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定する飛行計画制御部を備えてよい。制御装置は、飛行計画を出力するよう制御する出力制御部を備えてよい。
【0004】
上記飛行計画制御部は、上記無人航空機の上記出発ポイントから上記目的ポイントまでの飛行計画の候補を決定してよく、上記出力制御部は、上記飛行計画の候補を表示出力するよう制御してよい。上記データ取得部は、上記無人航空機の飛行計画を取得してよく、上記飛行計画制御部は、上記データ取得部が取得した上記飛行計画に従って上記無人航空機が飛行した場合に、人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアの上空を飛行すると判定したことに応じて、上記飛行計画を変更してよい。上記飛行計画制御部は、上記無人航空機が上記高密度エリアの上空を飛行しないように上記飛行計画の飛行経路を変更してよい。上記飛行経路決定部は、上記無人航空機が上記高密度エリアの上空を飛行しないように上記飛行計画の飛行時間を変更してよい。上記データ取得部は、乗物の移動に関する乗物移動データを取得してよく、上記飛行経路制御部は、上記人流データ及び上記乗物移動データに基づいて、上記無人航空機の飛行計画を決定してよい。上記データ取得部は、上記無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、人流データを継続して取得してよく、上記飛行計画制御部は、上記無人航空機が、人口密度が予め定められた閾値よりも高い高密度エリアの上空を飛行すると判定したことに応じて、上記無人航空機に上記飛行計画を変更させてよい。上記飛行計画制御部は、上記無人航空機が、飛行中に上記高密度エリアに囲まれた場合に、上記無人航空機に、上記高密度エリアのうち、より優先度が低い高密度エリアの上空を飛行させるように上記飛行計画を変更させてよい。上記制御装置は、上記無人航空機に搭載されてよく、上記データ取得部は、上記無人航空機が受信する電波に基づいて、上記人流データを生成してよい。
【0005】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、制御装置が提供される。制御装置は、無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、人流データを継続して取得するデータ取得部を備えてよい。制御装置は、人流データに基づいて、無人航空機の飛行計画を変更させる飛行計画制御部を備えてよい。
【0006】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、コンピュータを、上記制御装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0007】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、システムが提供される。システムは、上記制御装置と、上記無人航空機とを備えてよい。
【0008】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、コンピュータによって実行される制御方法が提供される。制御方法は、人流データを取得するデータ取得ステップを備えてよい。制御方法は、人流データに基づいて、無人航空機の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定する決定ステップを備えてよい。制御方法は、飛行計画を出力するよう制御する出力制御ステップを備えてよい。
【0009】
本開示に係る発明の一実施形態によれば、コンピュータによって実行される制御方法が提供される。制御方法は、無人航空機が飛行計画に従って飛行している間に、人流データを継続して取得するデータ取得ステップを備えてよい。制御方法は、人流データに基づいて、無人航空機の飛行計画を変更させる変更ステップを備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】運行管理部100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図3】運行管理部100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図4】運行管理部100による処理の流れの一例を概略的に示す。
【
図5】飛行計画制御部104によって決定された飛行経路522の一例を概略的に示す。
【
図6】飛行計画制御部104によって決定された飛行経路524の一例を概略的に示す。
【
図7】飛行計画制御部104によって決定された飛行経路526の一例を概略的に示す。
【
図8】無人航空機400の構成の一例を概略的に示す。
【
図9】制御装置430の機能構成の一例を概略的に示す
【
図10】運行管理部100又は制御装置430として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、運行管理システム20を備えてよい。システム10は、無人航空機400を備えてよい。システム10は、複数の無人航空機400を備えてよい。
【0014】
運行管理システム20は、運行管理部100を備えてよい。運行管理システム20は、複数の運行管理部100を備えてよい。運行管理システム20は、運行管理統合部200を備えてよい。運行管理システム20は、情報提供部300を備えてよい。
【0015】
運行管理部100は、管理下の運行者30が無人航空機400を安全に飛行させるためのサービスを提供してよい。運行管理部100は、例えば、飛行計画を作成してよい。運行管理部100は、例えば、飛行計画の申請を受け付けて、飛行計画の安全評価を実施してよい。運行管理部100は、例えば、飛行計画に含まれる飛行経路の最適化を行ってよい。運行管理部100は、例えば、無人航空機400の飛行を監視してよい。運行管理部100は、例えば、無人航空機400の操縦者を管理してよい。運行管理部100は、例えば、無人航空機400同士の経路交錯及び衝突の危険に関する情報(コンフリクト情報と記載する場合がある。)等の、安全運航に関する情報を提供してよい。運行管理部100は、いわゆるUASSP(Unmanned Aircraft System Service Provider)であってよい。
【0016】
運行管理統合部200は、無人航空機400の運行に関する情報を一元管理してよい。運行管理統合部200は、例えば、運行管理部100及び運行者30に、飛行計画及び運行状況等の情報を共有したり提供したりしてよい。運行管理統合部200は飛行計画段階におけるコンフリクト情報、飛行中のコンフリクト情報等、安全運航に関する情報を提供してよい。運行管理統合部200は、いわゆるFIMS(Flight Information Management System)であってよい。
【0017】
情報提供部300は、運行管理部100、運行管理統合部200、及び運行者30が必要とする情報を提供してよい。情報提供部300は、いわゆるSDSP(Supplemental Data Service Provider)であってよい。
【0018】
情報提供部300は、空域監視部310を含んでよい。空域監視部310は、レーダー等によって無人航空機400を監視し、検出した無人航空機400の情報の提供を行ってよい。
【0019】
情報提供部300は、地図情報提供部320を含んでよい。地図情報提供部320は、無人航空機400の飛行に必要な地形及び建造物等の3次元情報、飛行が可能な空域及び飛行が禁止された空域、その他の地図情報の提供を行ってよい。
【0020】
情報提供部300は、通信情報提供部330を含んでよい。通信情報提供部330は、無人航空機400が飛行する空域における電波の利用状況に関する情報の提供を行ってよい。
【0021】
情報提供部300は、気象情報提供部340を含んでよい。気象情報提供部340は、無人航空機400の飛行する空域における風(風向及び風速等)、降水、気温、及び気圧等の無人航空機400の飛行に影響を与える気象観測情報及び予測情報の提供を行ってよい。
【0022】
情報提供部300は、人流データ提供部350を含んでよい。人流データ提供部350は、人流データを提供してよい。人流データは、時間毎の各地の人口を示すデータであってよい。人流データは、いつ、どこに、どれくらい人がいるかを示すデータであってよい。人流データは、例えば、移動通信端末の位置情報に基づいて生成されてよい。具体的には、人流データは、例えば、携帯電話等の移動通信端末にインストールされたアプリケーション等を介して収集された移動通信端末の位置情報に基づいて生成されてよい。なお、人流データを生成するための情報は特に限定されない。例えば、人流データは、監視カメラの映像等の動画像情報に基づいて生成されてもよい。例えば、人流データは、公共交通機関の利用者数に基づいて生成されてもよい。
【0023】
人流データ提供部350は、例えば、通信キャリアによって提供される人流データを取得して格納してよい。人流データ提供部350は、通信キャリアが、基地局位置情報及びWi-Fi(登録商標)位置情報を用いて生成した人流データを、通信キャリアから取得してよい。人流データ提供部350は、人流データを生成して提供する任意の提供者から、人流データを取得してもよい。
【0024】
人流データ提供部350は、リアルタイムに人流データを取得して格納してよい。人流データ提供部350は、定期的に又は不定期に人流データを取得して格納してもよい。
【0025】
人流データ提供部350は、乗物の移動に関する乗物移動データを提供してもよい。人流データ提供部350は、例えば、乗物に搭載された測位センサによって測定された位置情報を収集して、乗物移動データを生成してよい。人流データ提供部350は、乗物を管理する管理システムから、乗物の位置情報を収集してよい。人流データ提供部350は、乗物に搭載された通信装置から位置情報を受信してもよい。人流データ提供部350は、電車及びバス等のように運行ダイヤが定められている乗物については、運行ダイヤに基づいて乗物移動データを生成してもよい。
【0026】
運行管理部100は、情報提供部300から提供される情報を用いて、無人航空機400の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定してよい。運行管理部100は、例えば、無人航空機400の出発ポイント及び目的ポイントが指定された場合に、出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定して提案してよい。また、運行管理部100は、例えば、飛行経路を含む飛行計画の申請を受け付けて、飛行計画が安全か否かを評価し、評価結果に応じて飛行計画を変更することによって、安全に運行可能な飛行計画を決定してよい。
【0027】
運行管理部100、運行管理統合部200、及び情報提供部300は、ネットワークを介して通信してよい。運行管理部100、運行管理統合部200、及び情報提供部300は、有線接続を介してネットワークに接続されてよい。運行管理部100、運行管理統合部200、及び情報提供部300は、無線接続を介してネットワークに接続されてもよい。運行管理部100、運行管理統合部200、及び情報提供部300は、例えば、セルラー通信及びWi-Fi通信等を利用して、ネットワークに接続されてよい。
【0028】
無人航空機400は、無線接続を介して、運行管理システム20と通信してよい。無人航空機400は、例えば、セルラー通信及びWi-Fi通信等を利用して、運行管理システム20と通信してよい。
【0029】
一実施形態に係る運行管理部100は、人流データ提供部350から取得した人流データに基づいて、飛行計画を決定してよい。運行管理部100は、制御装置の一例であってよい。運行管理部100は、例えば、人口密度が予め定められた閾値よりも高いエリア(高密度エリアと記載する場合がある。)の上空を無人航空機400が飛行しないように、飛行計画を決定してよい。
【0030】
運行管理部100は、例えばまず、出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を特定してよい。運行管理部100は、例えばまず、出発ポイントから目的ポイントまでの最短経路を飛行経路として特定してもよい。運行管理部100は、飛行経路が高密度エリアの上空を含む場合に、飛行経路を変更してよい。運行管理部100は、例えば、高密度エリアの上空を飛行しない経路に飛行経路を変更してよい。すなわち、運行管理部100は、高密度エリアの上空を飛行しない経路を飛行経路として含む飛行計画を決定してよい。この場合、運行管理部100は、例えば、高密度エリアの上空を飛行しない経路を特定してよい。例えば、運行管理部100は、高密度エリアの上空を避ける最短経路を特定してよい。すなわち、運行管理部100は、飛行経路が高密度エリアの上空を含む場合に、例えば、出発ポイントから目的ポイントまでの最短経路から、高密度エリアの上空を避ける最短経路に飛行経路を変更してよい。
【0031】
また、例えば、運行管理部100は、特定した飛行経路が高密度エリアの上空を含む場合に、飛行時間を変更してよい。運行管理部100は、例えば、飛行時間を変更することによって、高密度エリアの上空を通過しない時間帯に飛行する飛行計画を決定してよい。運行管理部100は、例えばまず、過去の人流データを参照して、未来の人流データを推定してよい。運行管理部100は、例えば、未来の人流データに基づいて、飛行経路に高密度エリアの上空が含まれるか否かを判定してよい。運行管理部100は、例えば、出発時刻を後にずらすことによって、飛行経路が高密度エリアの上空を含まないと判定した場合、出発時刻を後にずらした飛行計画を決定してよい。また、例えば、運行管理部100は、未来の人流データを参照して、あるエリアで無人航空機400を所定時間待機させれば高密度エリアが解消されると判定した場合、無人航空機400を待機させるエリアと待機させる時間を含む飛行計画を決定してよい。
【0032】
なお、運行管理部100は、飛行経路の変更と飛行時間の変更を適宜組み合わせて、高密度エリアの上空を飛行しない飛行計画を決定してもよい。
【0033】
従来、飛行計画は、国土地理院が定めている人口集中地区(DID)の回避、目視外飛行の禁止等、いくつかの制約の下に生成されていた。
【0034】
しかし、DIDは、数年に1回行われる国勢調査を元に算出された人口密度から設定されているものであり、人口の経時変化が反映されていない。そのため、DID外であっても一時的に人口が密集するエリアが発生する可能性もある。例えば、公園等であれば、イベント等により、一時的に人口が密集する地区が生じている可能性がある。また、DID内でも一時的に人口が散在するエリアが発生する可能性もある。例えば、ベッドタウン等であれば、平日日中は人口が減り、一時的に人口が散在する地区が生じている可能性もある。よって、従来の自動航行システムによれば、DIDを基準とすることで、無人航空機を自動航行させた場合に、意図せず人口密集エリア上空を飛行させる可能性があった。また、従来の自動航行システムによれば、避ける必要のないエリアを避けた経路を飛行させる可能性があった。
【0035】
それに対して、一実施形態に係る運行管理部100は、人流データに基づいて飛行計画を生成することができる。これによれば、一実施形態に係るシステム10は、無人航空機400を自動航行させた場合に、意図せず人口密集エリア上空を飛行させる可能性を低減することができる。すなわち、一実施形態に係るシステム10は、比較的安全性の高い飛行プランを提供し得る。また、一実施形態に係るシステム10は、避ける必要のないエリアを避けた経路を飛行させる可能性を低減することができる。すなわち、一実施形態に係るシステム10は、空域の利用効率及びエネルギー効率を向上させ得る。
【0036】
例えば、一実施形態に係るシステム10は、物流用途で目視外かつ完全自動航行にて無人航空機をA地点からB地点まで飛行させる場合、飛行予定の時間におけるA地点からB地点までの経路上の人流を過去の統計から予測してよい。この場合、一実施形態に係るシステム10は、例えば、予測した人流に基づいて、無人航空機が接近する時間帯において人口密度の高いエリアがあれば避けて飛行し、なるべく人口密度が低くそして最短時間で飛行できるような飛行計画を自動で生成してよい。
【0037】
図2は、運行管理部100の機能構成の一例を概略的に示す。運行管理部100は、データ取得部102、飛行計画制御部104、出力制御部106、及び飛行監視部110を備えてよい。
【0038】
データ取得部102は、各種データを取得してよい。データ取得部102は、運行管理統合部200から各種データを取得してよい。データ取得部102は、情報提供部300から各種データを取得してよい。
【0039】
データ取得部102は、運行者30から各種データを取得してもよい。データ取得部102は、例えば、運行者30から、無人航空機400の出発ポイント及び目的ポイントの情報を取得してよい。また、データ取得部102は、例えば、運行者30から、無人航空機400の飛行経路を含む飛行計画を取得してよい。なお、運行管理部100は、図示しないが、各種データを入力可能な入力部を備えてもよい。運行管理部100は、運行者30が入力部に各種データを直接入力することで各種データを取得してもよい。入力部は、例えば、キーボード又はタッチパネルなどであってよい。また、運行管理部100は、図示しないが、運行者30が利用する通信端末と通信可能な通信部を有してもよい。運行管理部100は、運行者が通信端末に入力したデータを受信することで各種データを取得してもよい。端末は、例えば、PC、スマートホン、タブレット等であってよい。
【0040】
飛行計画制御部104は、無人航空機400の飛行計画に関する制御を実行してよい。飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した人流データに基づいて、無人航空機400の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定してよい。
【0041】
出力制御部106は、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画を出力するよう制御してよい。出力制御部106は、例えば、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画を、運行管理部100が備えるディスプレイに表示出力させてよい。出力制御部106は、例えば、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画を、運行者30が利用する通信端末に送信して、通信端末が備えるディスプレイに表示出力させてもよい。
【0042】
飛行計画制御部104は、例えば、データ取得部102が取得した出発ポイント及び目的ポイントに対して、人流データに基づいて、出発ポイントから目的ポイントまでの飛行計画の候補を決定してよい。飛行計画制御部104は、例えば、高密度エリアの上空を避けた出発ポイントから目的ポイントまでの複数の飛行計画を決定してよい。出力制御部106は、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画の候補を表示出力するよう制御してよい。出力制御部106は、例えば、飛行計画の候補を、運行者30が利用する通信端末に送信して、通信端末に表示させてよい。これにより、高密度エリアの上空を通過しない安全な経路を運行者30に提示できるとともに、複数の経路から運行者30の所望の経路を選択可能にできる。
【0043】
飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した無人航空機400の飛行計画について、安全評価を行ってよい。飛行計画制御部104は、当該飛行計画に従って無人航空機400が飛行した場合に、高密度エリアの上空を飛行するか否かを判定してよい。飛行計画制御部104は、高密度エリアの上空を飛行すると判定した場合、安全でないと判定してよい。飛行計画制御部104は、高密度エリアの上空を飛行すると判定したことに応じて、飛行計画を変更してよい。飛行計画制御部104は、例えば、高密度エリアの上空を飛行しないように、飛行経路を変更してよい。これにより、一実施形態に係るシステム10は、高密度エリアの上空を含む飛行経路に対して、比較的安全な飛行経路を運行者30に提案することができる。すなわち、一実施形態に係るシステム10は、無人航空機400が墜落したときに人に被害が及ぶ可能性を低減することができる。また、一実施形態に係るシステム10は、飛行経路を変更することによって、飛行時間を変更せずに高密度エリアの上空を飛行しないようにできるので、時間的制約が多い運行者30にとって有利な計画を提案することができる。
【0044】
また、飛行計画制御部104は、例えば、高密度エリアの上空を飛行しないように飛行計画の飛行時間を変更してよい。これにより、一実施形態に係るシステム10は、高密度エリアの上空を含む飛行経路に対して、比較的安全な飛行時間を運行者30に提案することができる。すなわち、一実施形態に係るシステム10は、無人航空機400が墜落したときに人に被害が及ぶ可能性を低減することができる。また、一実施形態に係るシステム10は、飛行時間を変更することによって、飛行経路を変更せずに高密度エリアの上空を飛行しないようにできるので、経路を変えることによって、消費エネルギーが増加してしまったり、飛行時間が長くなってしまったりすることを抑制することができる。
【0045】
ここで、例えば、無人航空機が電車に衝突した場合、乗員の安全を脅かすとともに、交通ダイヤに多大な影響を与え得る。これに対し、飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した乗物移動データにさらに基づいて、無人航空機400の飛行計画を決定してもよい。飛行計画制御部104は、例えば、無人航空機400が、高密度エリアの上空及び乗物の上空を飛行しないように飛行計画を決定してよい。これにより、一実施形態に係るシステム10は、無人航空機400が墜落した場合に、乗物に衝突する可能性を低減することができる。すなわち、一実施形態に係るシステム10は、安全性及び円滑な交通に寄与することができる。
【0046】
飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した気象情報にさらに基づいて、無人航空機400の飛行計画を決定してもよい。飛行計画制御部104は、例えば、無人航空機400が、高密度エリアの上空と、悪天候エリアとを飛行しないように飛行計画を決定してよい。また、飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した地図情報及び気象情報から、公共交通機関の沿線及び沿道等が混雑することを予想して、飛行計画を決定してもよい。飛行計画制御部104は、例えば、混雑すると予想した公共交通機関の沿道及び沿線等の上空を飛行しないように飛行計画を決定してよい。
【0047】
飛行計画制御部104は、その他任意の情報にさらに基づいて、無人航空機400の飛行計画を決定してもよい。例えば、データ取得部102が、インターネット上でイベントに関連するイベント関連情報を提供するサーバから、イベント関連情報を取得してよい。そして、飛行計画制御部104は、イベント関連情報に基づいて、イベント開催時におけるイベント開催地の沿線が混雑することを予想して、混雑すると予想した沿線の上空を飛行しないように飛行計画を決定してよい。飛行計画制御部104は、他の無人航空機400の飛行計画に基づいて、当該無人航空機400とバッティングしない飛行経路を決定してもよい。
【0048】
飛行計画制御部104は、対象となる無人航空機400の目的に応じて、飛行計画を決定してもよい。例えば、飛行計画制御部104は、対象となる無人航空機400が緊急搬送、災害調査、警備、追跡等を目的としている場合には、人流データを無視して、飛行経路として最短経路を決定してよい。
【0049】
飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した空域における電波の利用状況に関する情報にさらに基づいて、無人航空機400の飛行計画を決定してもよい。飛行計画制御部104は、例えば、無人航空機400が、高密度エリアの上空と、電波レベルが予め定められた強度よりも低いエリアとを飛行しないように飛行計画を決定してよい。
【0050】
飛行監視部110は、無人航空機400の飛行を監視してよい。飛行監視部110は、運行者30からの要求に応じて、対象となる無人航空機400の飛行を監視してよい。飛行監視部110は、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画に従って飛行する無人航空機400を監視してもよい。
【0051】
飛行監視部110は、例えば、無人航空機400によって送信されるテレメトリ情報及び映像情報を取得することによって、無人航空機400の飛行を監視してよい。また、飛行監視部110は、例えば、データ取得部102が空域監視部310から取得する情報を用いて、無人航空機400の飛行を監視してもよい。
【0052】
データ取得部102は、例えば、無人航空機400が飛行計画に従って飛行している間に、人流データを継続して取得してよい。すなわち、データ取得部102は、人流データをリアルタイムに取得してよい。飛行計画制御部104は、リアルタイムに取得した人流データに基づいて、無人航空機400が既存の飛行計画に従って飛行した場合に、高密度エリアの上空を飛行し得るか否かを判定してよい。すなわち、飛行計画制御部104は、例えば、人流が変化した場合に、無人航空機400が、高密度エリアの上空を飛行することになるか否かを判定してよい。飛行計画制御部104は、例えば、無人航空機400が高密度エリアの上空を飛行し得る場合、既存の飛行計画を変更してよい。飛行計画制御部104は、無人航空機400が高密度エリアの上空を飛行しないように飛行計画を変更してよい。無人航空機400は、変更後の飛行計画に従って飛行してよい。このように、無人航空機400の出発後に人流が予想と異なる変化をした場合等に、飛行計画を途中で変更することによって、無人航空機400が高密度エリアの上空を飛行する可能性を低減することができる。なお、飛行計画制御部104は、無人航空機400が飛行中に高密度エリアの上空に侵入している場合に、高密度エリアから離脱するように飛行計画を変更してもよい。また、飛行計画は、無人航空機400によって変更されてもよい。すなわち、無人航空機400は、飛行計画制御部104から高密度エリアの上空を飛行することになるか否かの判定結果を受信して、判定結果に基づいて飛行計画を変更してもよい。
【0053】
図3は、運行管理部100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、運行管理部100が、運行者30から申請された飛行計画を評価する場合の処理の流れを示す。
【0054】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、データ取得部102が、運行者30から飛行計画を取得する。S104では、データ取得部102が、人流データ提供部350から、飛行計画に含まれる飛行経路と、飛行経路の周辺のエリアに対応する人流データを取得する。
【0055】
S106では、飛行計画制御部104が、S102においてデータ取得部102が取得した飛行計画の飛行経路が安全か否かを判定する。飛行計画制御部104は、飛行経路が、高密度エリアの上空を含む場合に、安全でないと判定してよい。安全でないと判定した場合、S108に進み、安全であると判定した場合、S112に進む。S112では、出力制御部106が、運行者30に対して飛行許可を通知する。
【0056】
S108では、飛行計画制御部104が、飛行計画を変更する。飛行計画制御部104は、高密度エリアの上空を飛行しないように飛行計画を変更してよい。S110では、出力制御部106が、S108において変更した飛行計画を運行者30に通知する。
【0057】
図4は、運行管理部100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、運行管理部100が、飛行中の無人航空機400を監視して、リアルタイムに変化する人流に対して、必要に応じて飛行計画を途中で変更する場合の処理の流れを示す。
【0058】
S202では、データ取得部102が、無人航空機400が従っている飛行計画を取得する。データ取得部102は、例えば、無人航空機400から飛行計画を取得してよい。無人航空機400が、飛行計画制御部104によって決定された飛行計画に従って飛行している場合、データ取得部102は、当該飛行計画を取得してよい。S204では、データ取得部102が、人流データ提供部350から、飛行計画に含まれる飛行経路と、飛行経路の周辺のエリアに対応する人流データを取得する。
【0059】
S206では、飛行計画制御部104が、飛行経路が安全か否かを判定する。飛行計画制御部104は、飛行経路が、高密度エリアの上空を含む場合に、安全でないと判定してよい。安全でないと判定した場合、S208に進み、安全であると判定した場合、S212に進む。
【0060】
S208では、飛行計画制御部104が、飛行計画を変更する。飛行計画制御部104は、高密度エリアの上空を飛行しないように飛行計画を変更してよい。S210では、出力制御部106が、S208において変更した飛行計画を無人航空機400に通知する。
【0061】
S212では、飛行監視部110が、無人航空機400の飛行が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S204に戻り、データ取得部102が、人流データ提供部350から新たな人流データを取得する。データ取得部102は、飛行経路の全体に対応する人流データを取得してよく、また、飛行経路のうち、すでに飛行した部分を除く経路に対応する人流データを取得してもよい。
【0062】
図5は、飛行計画制御部104によって決定された飛行経路522の一例を概略的に示す。ここでは、データ取得部102が取得した出発ポイント512及び目的ポイント514に対して推奨する飛行経路522を例示する。
【0063】
メッシュデータ500は、人流データの一例であってよい。メッシュデータ500は、日本全国を予め定められたサイズに仕切ったメッシュ単位の人口を表してよい。メッシュの単位は、例えば、50m四方であるが、これに限らず、任意のサイズであってよい。
図5に例示するメッシュデータ500では、高密度エリア502を識別している。
【0064】
飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得した出発ポイント512及び目的ポイント514に対して、まず、最短経路520を特定してよい。飛行計画制御部104は、最短経路520が高密度エリア502の上空を含む場合に、高密度エリア502の上空を含まない飛行経路522を決定してよい。
【0065】
図6は、飛行計画制御部104によって決定された飛行経路524の一例を概略的に示す。
図6では、
図5に示す例において決定した飛行経路522に従って無人航空機400が飛行している途中で、高密度エリア502が変化した場合の飛行経路524を例示する。
【0066】
データ取得部102は、無人航空機400が飛行経路522に従って飛行している間、継続して人流データを人流データ提供部350から取得してよい。飛行計画制御部104は、飛行経路522が高密度エリア502の上空を含むと判定したことに応じて、高密度エリア502の上空を含まない飛行経路524を決定してよい。
【0067】
図7は、飛行計画制御部104によって決定された飛行経路526の一例を概略的に示す。飛行計画制御部104は、無人航空機400が、飛行中に高密度エリア502に囲まれた場合に、高密度エリア502のうち、より優先度が低い高密度エリア502の上空を無人航空機400が飛行するように飛行計画を変更してよい。
【0068】
飛行計画制御部104は、データ取得部102が取得したデータに基づいて、高密度エリア502に対して優先度を付してよい。例えば、飛行計画制御部104は、高密度エリア502に対して、人口密度が高いほど高い優先度を付してよい。
【0069】
例えば、飛行計画制御部104は、高密度エリア502に対して、人の危険度が高いほど高い優先度を付してよい。飛行計画制御部104は、建造物の中等におらず、上空に対して露出している人の割合がより多い高密度エリア502に対して、より高い優先度を付してよい。人が建造物の中にいるか否かを示す情報は、人流データに含まれていてよく、飛行計画制御部104が、地図情報等に基づいて判定してもよい。これにより、無人航空機400が高密度エリア502の上空を飛行せざるを得ない状況において、無人航空機400に、上空に対して露出している人の割合がより少ない高密度エリア502の上空を飛行させることができ、万が一無人航空機400が墜落したときに、人に直撃する可能性を低減することができる。
【0070】
飛行計画制御部104は、上空に対して露出していない人が、何の中に位置しているかに応じて、高密度エリア502の優先度を決定してもよい。例えば、飛行計画制御部104は、無人航空機400が衝突したときの影響の大きさに応じて、高密度エリア502の優先度を決定してよい。無人航空機400が衝突したときの影響の大きさは、例えば、建造物、車、電車の順に高いといえる。飛行計画制御部104は、電車の中に位置する人の割合がより多い高密度エリア502に対してより高い優先度を付してよい。これにより、無人航空機400が高密度エリア502の上空を飛行せざるを得ない状況において、無人航空機400に、万が一墜落したときの影響がより少ない経路を飛行させることができる。
【0071】
図1から
図7では、運行管理部100が、人流データに基づいて飛行経路を決定する場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。無人航空機400が、人流データに基づいて飛行経路を決定してもよい。
【0072】
図8は、無人航空機400の構成の一例を概略的に示す。無人航空機400は、本体部402、プロペラ404、脚部406、カメラ408、及びアンテナ部410を備える。本体部402は、バッテリ412、GNSSユニット421、高度センサ422、加速度センサ423、ジャイロセンサ424、及び制御装置430を有してよい。
【0073】
カメラ408は、無人航空機400の周囲を撮像してよい。カメラ408は、無人航空機400の下方向を撮像してよい。カメラ408は、無人航空機400の水平方向を撮像してよい。無人航空機400は、カメラ408に代えて、LiDAR(Light Detection and Ranging)、超音波センサ、又は赤外線センサを備えてもよい。また、無人航空機400は、カメラ408、LiDAR、超音波センサ、及び赤外線センサのうちの複数を備えてもよい。なお、無人航空機400が周囲の環境を認識することができるものであれば、これらの例に限定されない。
【0074】
アンテナ部410は、セルラー通信を実行可能であってよい。アンテナ部410は、Wi-Fi通信を実行可能であってもよい。
【0075】
GNSS(Global Navigation Satellite System)ユニット421は、GNSSによって無人航空機400の位置を特定して、位置情報を出力してよい。高度センサ422は、無人航空機400の高度を特定して、高度情報を出力してよい。高度センサ422は、例えば、気圧センサであってよい。加速度センサ423は、加速度を検出して、加速度情報を出力してよい。ジャイロセンサ424は、角速度を検出して、角速度情報を出力してよい。
【0076】
図9は、制御装置430の機能構成の一例を概略的に示す。制御装置430は、データ取得部432、飛行制御部434、及び飛行計画制御部436を備えてよい。
【0077】
データ取得部432は、各種データを取得してよい。データ取得部432は、運行管理部100から各種データを取得してよい。データ取得部432は、情報提供部300から各種データを取得してよい。データ取得部432は、カメラ408、GNSSユニット421、高度センサ422、加速度センサ423、ジャイロセンサ424から各種データを取得してよい。
【0078】
データ取得部432は、アンテナ部410が受信する電波に基づいて、人流データを生成してもよい。例えば、データ取得部432は、アンテナ部410が受信する電波に基づいて、無人航空機400の周囲に存在する移動通信端末の数を特定し、移動通信端末の位置を人の位置とみなして、人流データを生成してよい。
【0079】
飛行制御部434は、無人航空機400の飛行を制御してよい。飛行制御部434は、プロペラ404を制御することによって、無人航空機400の飛行を制御してよい。飛行制御部434は、例えば、データ取得部102が運行管理部100から取得した飛行計画に従って、無人航空機400の飛行を制御してよい。
【0080】
飛行計画制御部436は、無人航空機400の飛行計画に関する制御を実行してよい。飛行計画制御部436は、データ取得部432が人流データ提供部350から取得した人流データに基づいて、無人航空機400の出発ポイントから目的ポイントまでの飛行経路を含む飛行計画を決定してよい。飛行計画制御部436は、飛行計画制御部104と同様の手法で、飛行計画を決定してよい。
【0081】
飛行計画制御部436は、データ取得部432が生成した人流データに基づいて、無人航空機400の飛行計画を決定してもよい。飛行計画制御部436は、例えば、データ取得部432が運行管理部100から取得した飛行計画に従って飛行制御部434が無人航空機400の飛行を制御している間に、データ取得部432が生成した人流データを参照し、人流の変化によって、運行管理部100から取得した飛行計画に従って飛行すると、高密度エリアの上空を飛行してしまうと判定した場合に、高密度エリアの上空を飛行しないように飛行計画を変更してよい。このように、無人航空機400は、電波の観測結果に基づいて生成した人流データに基づいて飛行計画を変更することによって、現地の状況をより正確に反映した飛行を実現することができる。
【0082】
図10は、運行管理部100又は制御装置430として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、上記実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、上記実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0083】
一実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されてよい。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、並びにDVDドライブ1226及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されてよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されてよい。
【0084】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御してよい。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにしてよい。
【0085】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信してよい。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込んでよい。
【0086】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納してよい。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0087】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供されてよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行されてよい。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらすことができる。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0088】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行してよい。そして、CPU1212は、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取ってよい。そして、通信インタフェース1222は、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込んでよい。
【0089】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにしてよい。そして、CPU1212は、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0090】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。そして、CPU1212は、結果をRAM1214に対しライトバックしてよい。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索してよい。そして、CPU1212は、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0091】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体は、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であってよい。すなわち、プログラムは、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供されてよい。
【0092】
一実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよい。専用回路は、例えば、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0093】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えてよい。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0094】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0095】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサは、例えば、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等であってよい。
【0096】
以上、本開示に係る発明を実施の形態を用いて説明したが、本開示に係る発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0097】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0098】
10 システム、20 運行管理システム、30 運行者、100 運行管理部、102 データ取得部、104 飛行計画制御部、106 出力制御部、110 飛行監視部、200 運行管理統合部、300 情報提供部、310 空域監視部、320 地図情報提供部、330 通信情報提供部、340 気象情報提供部、350 人流データ提供部、400 無人航空機、402 本体部、404 プロペラ、406 脚部、408 カメラ、410 アンテナ部、412 バッテリ、421 GNSSユニット、422 高度センサ、423 加速度センサ、424 ジャイロセンサ、430 制御装置、500 メッシュデータ、502 高密度エリア、512 出発ポイント、514 目的ポイント、520 最短経路、522 飛行経路、524 飛行経路、526 飛行経路、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ