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特許7187515送信装置、送信方法、送信システム及び印刷方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、送信システム及び印刷方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221205BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 319
G06F3/12 351
G06F3/12 382
B41J3/407
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020176825
(22)【出願日】2020-10-21
(62)【分割の表示】P 2016248346の分割
【原出願日】2016-12-21
(65)【公開番号】P2021012737
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-10-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
【合議体】
【審判長】▲吉▼田 耕一
【審判官】中野 裕二
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-529411(JP,A)
【文献】特開2016-207177(JP,A)
【文献】特開2008-137201(JP,A)
【文献】特開2007-190809(JP,A)
【文献】特開2011-011526(JP,A)
【文献】特開2014-135090(JP,A)
【文献】特開2015-030201(JP,A)
【文献】特開2013-075450(JP,A)
【文献】特開平06-314382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/01-3/54
B41J 3/62-5/52
B41J 21/00-21/18
G06F 3/09-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部と、
複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に印刷を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信部と
前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、
受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部と
を備え、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、
前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する
ことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記印刷システムそれぞれから前記商品の識別子を受け付ける受付部を備え、
前記記憶部は前記商品の識別子及び前記画像データを対応付けて記憶し、
前記取得部は受け付けた識別子に対応付けられた画像データを取得し、
前記送信部は前記印刷システムそれぞれから受け付けた前記識別子に対応付けられた画像データを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記包装フィルムは前記画像データが印刷される領域とは異なる第2の領域を有し、
前記取得部は前記第2の領域への印刷に用いる第2の印刷データを取得し、
前記送信部は取得した第2の印刷データを送信する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記印刷システムは、前記商品の製造工程において、前記画像データを前記包装フィルムに印刷する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記包装フィルムは、前記商品を1個単位で包装するものである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記包装フィルムは、前記商品の製造時に、前記画像データが印刷された後、前記商品を1個単位で包装するために裁断されるものである
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の送信装置。
【請求項7】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得し、
複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に画像を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信方法において、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記画像データの変更内容、及び、前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データを送信するとともに、受け付けた期間のみ前記変更内容により変更した画像データを送信する
ことを特徴とする送信方法。
【請求項8】
複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる前記包装フィルムのメーカが作成した画像データを記憶部から取得する取得部と、
複数箇所それぞれに、取得した画像データを送信する送信部と
前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、
受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部と
を有し、
前記画像データは、フランチャイズ本部及び前記商品のメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、
前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、
前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、
前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する
送信装置、及び
前記画像データを受信する受信部と、
前記商品の製造数及び受信した画像データに基づいて、前記第1の領域に印刷を行なう印刷部と
を有し、前記複数箇所それぞれに設置される印刷システム
を備えることを特徴とする送信システム。
【請求項9】
前記商品は食品であり、前記第1の領域への印刷に用いる商品名を含む画像データ、並びに、前記食品の原材料、栄養成分、相対消費期限及び商品IDを前記記憶部から取得し、
前記食品の製造を行なう複数の食品工場それぞれに、取得した画像データ、前記食品の原材料、栄養成分、相対消費期限、及び商品IDを送信し、
前記食品工場それぞれに設置された前記印刷システムは、前記食品の製造時に、受信した相対消費期限と現在時刻とから消費期限を算出し、
受信した画像データを前記第1の領域に印刷し、受信した前記食品の原材料、栄養成分、及び商品ID、並びに算出した前記消費期限を、前記包装フィルムの第2の領域に印刷する
ことを特徴とする請求項7に記載の送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の包装フィルムに印刷を行なうための画像データを送信する送信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストア(以下、「コンビニ」と記す。)などの小売店舗では、おにぎり、サンドイッチ及び弁当などの食品が販売されている。このような、食品のパッケージには、包装フィルムを用いたシート状パッケージが採用されている。包装フィルムは帯状をなし、ロール状にして供給される。また、包装フィルムは等間隔に商品を示す文字や図形を繰り返し、印字してある。包装フィルムは自動包装機や裁断機等の機械に取り付けられ、商品1個単位に必要な長さに裁断され、パッケージが作られる。
【0003】
このように、従来の包装フィルムは、商品を示す文字や図形を予め印刷するため、製造する商品の種類に応じた数の包装用シートを用意する必要があった。しかし、POSシステム(Point of Sales System:販売時点情報管理)の導入により、売れ行きの良い商品が他の商品よりも多く発注されるようになっている。さらに、製造メーカへの発注がロット単位ではなく、個数単位となってきている。そのため、発注量の少ない商品に用いる包装フィルムは不良在庫となる場合がある。また、製造メーカでは発注量の少ない商品の包装フィルムは、1ロール使い切らずに破棄する場合がある。
【0004】
加えて、コンビニでは、一年に数回、商品の見直しを行なう。それにともない、シートパッケージのデザインも変更される。そのため、それまで使用していた包装フィルムは破棄しなければならず、無駄が多い。
【0005】
このような状況に対して、特許文献1では、文字・模様・図形などの共通パターンを印刷した包装フィルム(帯状の包装用連続シート)と内容表示熱転写パターンを有する帯状の転写シートを上下に並列して設け、熱転写手段により、内容表示熱転写パターンを包装フィルムに熱転写し、次いでこの内容表示熱転写パターンを熱転写した包装フィルムを自動包装機に供給するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-95497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術において、包装フィルムには共通パターンのみを印字することで、包装フィルムは複数の商品に対応できる。しかし、帯状の転写シートは商品ごとに用意するため、転写シートに無駄が出るという問題が依然として残る。また、フランチャイズ本部がメーカに商品の製造を委託する場合、包装フィルムのデザインはフランチャイズ本部が主導して決定する。しかし、当該デザインが製造工程で何らかの問題を発生させないかの確認が必要である。したがって、当該確認が済んだことを示すメーカの承認が必要である。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、シート状パッケージの印刷に必要な印刷データを送信する送信装置等の提供をすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る送信装置は、複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる画像データを記憶部から取得する取得部と、複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に印刷を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信部と、前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部とを備え、前記画像データは、フランチャイズ本部及びメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信することを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、複数箇所に設置された印刷システムにおいて、第1の領域への印刷に必要な画像データを送信することが可能となる。また、本発明にあっては、画像データが変更された場合には、変更後の画像データを送信するので、第1の領域の印刷内容の統一性を担保することが可能となる。さらに、本発明にあっては、画像データを変更する期間を受け付けるので、セール商品や季節商品など販売期間が限定される商品にも対応可能となる。そして、本発明にあっては、複数の承認フラグが全て承認済である画像データのみを取得するので、承認を得ていない画像データの使用を防ぐことが可能となる。
【0011】
本発明に係る送信装置は、前記印刷システムそれぞれから前記商品の識別子を受け付ける受付部を備え、前記記憶部は前記商品の識別子及び前記画像データを対応付けて記憶し、前記取得部は受け付けた識別子に対応付けられた画像データを取得し、前記送信部は前記印刷システムそれぞれから受け付けた前記識別子に対応付けられた画像データを送信することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、印刷システムからの要求にしたがい画像データを送信するので、印刷システムは必要に応じて、画像データを取得することが可能となる。
【0013】
本発明に係る送信装置は、前記包装フィルムは前記画像データが印刷される領域とは異なる第2の領域を有し、前記取得部は前記第2の領域への印刷に用いる第2の印刷データを取得し、前記送信部は取得した第2の印刷データを送信することを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、第2の領域への印刷に必要な印刷データを送信することが可能となる。
【0015】
本発明に係る送信装置は、前記印刷システムは、前記商品の製造工程において、前記画像データを前記包装フィルムに印刷することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、包装フィルムを複数種類ある商品に共通して使用可能となる。
【0017】
本発明に係る送信装置は、前記包装フィルムは、前記商品を1個単位で包装するものであることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る送信装置は、前記包装フィルムは、前記商品の製造時に、前記画像データが印刷された後、前記商品を1個単位で包装するために裁断されるものであることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る送信方法は、複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる画像データを記憶部から取得し、複数箇所それぞれに設置され、前記商品の製造数に応じて前記第1の領域に画像を行なう印刷システムへ、取得した画像データを送信する送信方法において、前記画像データは、フランチャイズ本部及びメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記画像データの変更内容、及び、前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データを送信するとともに、受け付けた期間のみ前記変更内容により変更した画像データを送信することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、複数箇所に設置された印刷システムにおいて、第1の領域への印刷に必要な画像データを送信することが可能となる。また、本発明にあっては、画像データが変更された場合には、変更後の画像データを送信するので、第1の領域の印刷内容の統一性を担保することが可能となる。さらに、本発明にあっては、画像データを変更する期間を受け付けるので、セール商品や季節商品など販売期間が限定される商品にも対応可能となる。そして、本発明にあっては、複数の承認フラグが全て承認済である画像データのみを取得するので、承認を得ていない画像データの使用を防ぐことが可能となる。
【0021】
本発明に係る送信システムは、複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる画像データを記憶部から取得する取得部と、複数箇所それぞれに、取得した画像データを送信する送信部と、前記画像データの変更内容を受け付ける変更受付部と、受け付けた変更内容にしたがい、前記画像データを変更する変更部とを有し、前記画像データは、フランチャイズ本部及びメーカそれぞれが承認済みか否かを示す複数の承認フラグと対応付けて記憶してあり、前記取得部は前記複数の承認フラグが全て承認済である前記画像データのみを取得し、前記変更部は前記フランチャイズ本部が決定した前記画像データを変更する開始日及び終了日を含む期間を受け付け、前記送信部は受け付けた期間のみ前記変更した画像データを送信する送信装置、及び前記画像データを受信する受信部と、前記商品の製造数及び受信した画像データに基づいて、前記第1の領域に印刷を行なう印刷部とを有し、前記複数箇所それぞれに設置される印刷システムを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、複数箇所に設置された印刷システムにおいて、第1の領域への印刷に必要な画像データを送信することが可能となる。また、本発明にあっては、画像データが変更された場合には、変更後の画像データを送信するので、第1の領域の印刷内容の統一性を担保することが可能となる。さらに、本発明にあっては、画像データを変更する期間を受け付けるので、セール商品や季節商品など販売期間が限定される商品にも対応可能となる。そして、本発明にあっては、複数の承認フラグが全て承認済である画像データのみを取得するので、承認を得ていない画像データの使用を防ぐことが可能となる。
【0023】
本発明に係る印刷方法は、コンピュータが、複数種類が製造される商品に共通して用いられる包装フィルムが有し、前記商品の種類毎に異なる内容が印刷される第1の領域への印刷に用いる商品名を含む画像データ、並びに、前記食品の原材料、栄養成分、相対消費期限及び商品IDを記憶部から取得し、前記食品の製造を行なう複数の食品工場それぞれに、取得した画像データ、前記食品の原材料、栄養成分、相対消費期限、及び商品IDを送信し、前記食品工場それぞれに設置された印刷システムは、前記食品の製造時に、受信した相対消費期限と現在時刻とから消費期限を算出し、受信した画像データを前記第1の領域に印刷し、受信した前記食品の原材料、栄養成分、及び商品ID、並びに算出した前記消費期限を、前記包装フィルムの第2の領域に印刷することを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、複数箇所に設置された印刷システムにおいて、第1の領域への印刷に必要な画像データを送信することが可能となる。また、第2の領域への印刷に必要な印刷データを送信することが可能となる。さらに、原材料及び栄養成分、並びに消費期限の正確性を担保することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にあっては、シート状パッケージの印刷に必要な画像データを送信することが可能となる。また、本発明にあっては、画像データが変更された場合には、変更後の画像データを送信するので、第1の領域の印刷内容の統一性を担保することが可能となる。さらに、本発明にあっては、画像データを変更する期間を受け付けるので、セール商品や季節商品など販売期間が限定される商品にも対応可能となる。そして、本発明にあっては、複数の承認フラグが全て承認済である画像データのみを取得するので、承認を得ていない画像データの使用を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】パッケージ印字システムの構成例を示す説明図である。
図2】出荷時の包装フィルムの一例を示す破断図である。
図3】印刷後の包装フィルムの一例を示す破断図である。
図4】業務フローの一例を示すチャート図である。
図5】デザイン管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図6】デザインDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図7】工場DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図8】製造担当DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図9】工場が備える設備の一例を示す説明図である。
図10】印刷サーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図11】画像DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図12】稼働DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図13】画像データ送信処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14】印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15】送信要求DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図16】印刷サーバが行なう画像データ要求処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17】画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図18】デザインDBのレコードレイアウトの他の例を示す説明図である。
図19】変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図20】デザインDBのレコードレイアウトの他の例を示す説明図である。
図21】画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図22】属性DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図23】画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図24】印刷後の包装フィルムの他の例を示す破断図である。
図25】使用履歴DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図26】使用数収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図27】実績集計処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図28】集計結果出力画面の一例を示す説明図である。
図29】印刷用画像データの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施の形態を、図面を用いて具体的に説明する。以下の説明では、シート状パッケージの一例として、スーパーマーケットやコンビニなどのように食品を取り扱うフランチャイズチェーンの店鋪で販売されるおにぎりのパッケージについて述べる。
【0028】
(実施の形態1)
図1はパッケージ印字システム100の構成例を示す説明図である。パッケージ印字システム100はフィルムメーカ110、フランチャイズ本部120及び食品メーカ130を含む。フィルムメーカ110、フランチャイズ本部120及び食品メーカ130それぞれはネットワークNにより、通信可能に接続してある。
【0029】
フィルムメーカ110はシート状パッケージの元となる包装フィルムを製造する。また、フィルムメーカ110は商品のパッケージデザインを行なう。フィルムメーカ110はパッケージデザインをフランチャイズ本部120に提案する。フランチャイズ本部120は、例えばコンビニエンスストアチェーンの本部である。フランチャイズ本部120は加盟店が販売する商品のパッケージデザインについて、フィルムメーカ110から提案を受け付け、採用の可否を判断する。食品メーカ130は加盟店が販売する商品(食品)を工場(食品工場)132で製造し、フランチャイズ本部120の配送センターや加盟店に納品する。
【0030】
フィルムメーカ110はデザイン管理サーバ(送信装置)1及び端末111を含む。デザイン管理サーバ1はパッケージデザイン及びパッケージに印刷する画像データを記憶している。デザイン管理サーバ1はサーバコンピュータ、ワークステーション又はブレードサーバなどにより構成される。端末111は、例えばフィルムメーカ110のパッケージデザイナやデザイン管理者などが使用するコンピュータである。端末111はデスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット型PC又はスマートフォンなどにより構成される。
【0031】
フランチャイズ本部120は端末121を含む。端末121は、例えばフランチャイズ本部120の商品企画担当者などが使用するコンピュータである。端末121はデスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC又はスマートフォンなどにより構成される。
【0032】
食品メーカ130は端末131及び工場132を含む。端末131は、例えば食品メーカ130の製造責任者などが使用するコンピュータである。端末131はデスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC又はスマートフォンなどにより構成される。工場132は食品の製造を行なう。工場132は印刷システム20が構築されている。印刷システム20は印刷サーバ2及び印刷装置(印刷部)133を含む。印刷サーバ2はデザイン管理サーバ1から受信した画像データを記憶する。印刷サーバ2は画像データを印刷装置133へ送信する。印刷装置133は印刷サーバ2から受信した画像データに基づいて、商品パッケージに用いる包装フィルムに印刷を行なう。
【0033】
なお、デザイン管理サーバ1はフィルムメーカ110ではなく、フランチャイズ本部120が備えていてもよい。また、デザイン管理サーバ1をクラウドにより提供してもよい。
【0034】
次に、おにぎりのパッケージとなる包装フィルムの一例について説明する。図2は出荷時の包装フィルム4の一例を示す破断図である。図2は、フィルムメーカ110が食品メーカ130に出荷する時点での包装フィルム4の状態を示している。包装フィルム4は印刷領域(第1の領域)41、材質マーク42、注意書き43及びマーカ44を含む。印刷領域41は画像が印刷される領域である。材質マーク42は包装フィルムの材質を示す。注意書き43は商品についての注意書きである。マーカ44は印刷位置を示すものである。マーカ44は印刷装置133で印刷を行なう際、包装フィルム4の位置合わせに用いられる。印刷領域41にはコンビニ本部を示すシンボル411が印刷されている。食品メーカに出荷される包装フィルム4は帯状をなしている。包装フィルム4には、長手方向に沿って、図2に示す印刷領域41からマーカ44が所定間隔で繰り返し印刷されている。包装フィルム4は紙管に巻かれたロール状の状態で、出荷される。図2に示す状態の包装フィルム4はおにぎりや具の名称、及び値段など各商品に固有な内容を印刷していない。そのため、図2に示す包装フィルム4は、複数種類あるおにぎりに共通して使用される。
【0035】
図3は印刷後の包装フィルム4の一例を示す破断図である。図3は食品メーカ130の工場132において、おにぎりの製造時、印刷装置133により印刷がされた後の包装フィルム4の状態を示している。包装フィルム4の印刷領域41に画像412が印刷されている。画像412は商品名表示412aと価格表示412bを含む。印刷領域41への印刷が完了した包装フィルム4は商品1個毎に使用される長さに裁断される。裁断された包装フィルム4により、商品が包装される。
【0036】
(業務フロー)
次に、パッケージ印字システム100を用いた業務フローについて説明する。図4は業務フローの一例を示すチャート図である。フィルムメーカ110は加盟店の売り場設計を行なう(ステップS1)。例えば、フィルムメーカ110のデザイナは、商品の陳列棚及び陳列棚での商品の見せ方を設計する。フィルムメーカ110は売り場設計に基づき、商品パッケージのデザインを行なう(ステップS2)。例えば、フィルムメーカ110のデザイナは、パッケージの全体デザインを行う。また、デザイナは全体デザインに基づき、商品の包装方法を考慮しつつ、パッケージに用いる包装フィルムのデザインを作成する。フィルムメーカ110はフランチャイズ本部120及び食品メーカ130に対して、デザインの確認を依頼する(ステップS3)。フランチャイズ本部120及び食品メーカ130はデザインを確認する(ステップS4)。フランチャイズ本部120はデザインに問題がなければデザインを承認し、その旨をフィルムメーカ110に通知する(ステップS5)。食品メーカ130はデザインに問題がなければ承認する(ステップS5)。そして、食品メーカ130はフィルムメーカ110に印刷用画像データの作成依頼を行なう(ステップS6)。フィルムメーカ110はフランチャイズ本部120、食品メーカ130からの作成依頼を受けて、印刷用画像データの作成を行なう(ステップS7)。フィルムメーカ110は印刷用データを食品メーカ130に印刷用画像データを送信する(ステップS8)。食品メーカ130はフィルムメーカ110から送信された印刷用画像データを用いて、包装フィルムに印刷を行なう(ステップS9)。食品メーカ130は印刷済み包装フィルムにより商品を包装する(ステップS10)。食品メーカ130は包装した商品を納品する(ステップS11)。なお、フィルムメーカ110は印刷用画像データの作成依頼を行なう際、フランチャイズ本部120から品名及び売価を商品毎に受け取る。そして、フィルムメーカ110は品名、売価を含む印刷用画像データを作成する。なお、図2に示す業務フローはワークフローシステムにより、進行を管理しても良い。
【0037】
図5はデザイン管理サーバ1のハードウェア構成例を示すブロック図である。デザイン管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、大容量記憶部14、通信部15及び読み取り部16を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0038】
CPU11はROM12に記憶された制御プログラム1Pに従い、ハードウェア各部を制御する。RAM13は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)又はフラッシュメモリである。RAM13はCPU11によるプログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0039】
大容量記憶部14は、例えばハードディスク又はSSD(Solid State Drive)などである。大容量記憶部14は後述するデザインDB(DataBase)141、工場DB142及び製造担当DB143を記憶する。また、制御プログラム1Pを大容量記憶部14に記憶してもよい。
【0040】
通信部15はネットワークNを介して、食品メーカ130の印刷サーバ2、印刷装置133及び端末131並びにフランチャイズ本部120の端末121と通信を行う。通信部15はローカルネットワーク等により端末111と通信を行なう。
【0041】
読み取り部16はCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。CPU11が読み取り部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部14に記憶してもよい。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータからCPU11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部14に記憶してもよい。さらにまた、半導体メモリ1bから、CPU11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
【0042】
次に大容量記憶部14が記憶するデータベースについて説明する。図6はデザインDB141のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。デザインDB141は包装フィルムに印刷する商品パッケージ用の画像に関するデータを記憶する。デザインDB141は商品コード列、品名列、画像列、状態列、本部列、メーカA列及びメーカB列を含む。商品コード列は商品を一意に特定する商品コード(識別子)を記憶する。商品コードは、例えばJAN(Japanese Article Number)コードやGTIN(Global Trade Item Number)コードである。品名列は商品名を記憶する。画像列は包装フィルムに印刷する画像ファイル名を記憶する。画像ファイルの実体は、大容量記憶部14に別途記憶してある。状態列はデザインの承認状態(承認フラグ)を記憶する。本部列、メーカA列及びメーカB列はそれぞれ、フランチャイズ本部120、食品メーカA及び食品メーカBによるデザインの承認状態を記憶する。図4に示す例では、取引がある食品メーカ数が2社の場合であるが、それに限らない。食品メーカ数が3社以上であれば、それに応じて列を設ければよい。デザインDB141は食品の種類ごとに設けてもよい。例えば、おにぎりに関してのデザインDB141、サンドイッチに関してのデザインDB141、菓子パンに関してのデザインDB141を設ける。なお、デザインDB141の状態列、本部列、メーカA列及びメーカB列の値は、業務フローを管理するワークフローシステムにより、適宜書き換えられる。
【0043】
図7は工場DB142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。工場DB142は各工場132についての情報を記憶する。工場DB142はメーカコード列、メーカ名列、工場コード列、工場名列及び送信先列を含む。メーカコード列はメーカを一意に特定するメーカコードを記憶する。メーカ名列はメーカ名を記憶する。工場コード列は工場132を特定する工場コード(箇所識別子)を記憶する。工場コードは少なくとも同じメーカ内であれば工場132を一意に特定可能なコードである。工場名列は工場の名称を記憶する。送信先列は画像ファイルを送信する場合の送信先を記憶する。
【0044】
図8は製造担当DB143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。製造担当DB143は各商品の製造を担当している工場132に関する情報を記憶する。製造担当DB143は商品コード列、品名列、メーカコード列及び工場コード列を含む。商品コード列は商品コードを記憶する。品名列は商品名を記憶する。メーカコード列は商品の製造を担当しているメーカのメーカコードを記憶する。工場コード列は商品の製造を担当している工場132の工場コードを記憶する。
【0045】
次に印刷システム20について、更に説明する。図9は工場132が備える設備の一例を示す説明図である。図9には印刷システム20に加えて、印刷システム20と関わりがある装置類についても記載している。印刷システム20は印刷サーバ2及び印刷装置133に加えて、印刷装置133に接続されるQRコード(登録商標)リーダ134を含む。印刷装置133に装着される包装フィルム4を巻いている中空円筒状の包材紙管の内面には包装フィルムを特定するフィルムコード(識別子)が印刷(付与)されている。フィルムコードは例えばQRコードである。当該QRコードは包装フィルム4が印刷装置133に装着される際に、QRコードリーダ134で読み取られる。読み取られたQRコードより得たフィルムコードは印刷装置133を介して、印刷サーバ2に送られる。なお、図9には印刷装置133、製造装置30及び包装装置40はそれぞれ1台のみ記載しているが、それに限らない。印刷装置133、製造装置30及び包装装置40が複数であってもよい。その場合、複数の印刷装置133を1の印刷サーバ2が制御してもよいし、複数の印刷サーバ2が制御してもよい。
【0046】
工場132には、生産管理システム10、製造装置30及び包装装置40が設置されている。製造装置30で作られたおにぎりは、製造ラインにおいて画像データが印刷されたフィルムと合わされ、包装装置40に包装される。生産管理システム10は印刷システム20、製造装置30及び包装装置40の制御を行なう。
【0047】
次に食品会社に設置してある印刷サーバについて説明する。図10は印刷サーバ2のハードウェア構成例を示すブロック図である。印刷サーバ2は、CPU21、ROM22、RAM23、大容量記憶部24、通信部25及び読み取り部26を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0048】
CPU21はROM22に記憶された制御プログラム2Pに従い、ハードウェア各部を制御する。RAM23は例えばSRAM、DRAM又はフラッシュメモリである。RAM23はCPU21によるプログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
【0049】
大容量記憶部24は、例えばハードディスク又はSSDなどである。大容量記憶部24は後述する画像DB241及び稼働DB242を記憶する。また、制御プログラム2Pを大容量記憶部24に記憶してもよい。
【0050】
通信部25はネットワークNを介して、フィルムメーカ110のデザイン管理サーバ1等と通信を行う。通信部25はローカルネットワーク等により端末131と通信を行なう。
【0051】
読み取り部26はCD及びDVD-ROMを含む可搬型記憶媒体2aを読み取る。CPU21が読み取り部26を介して、制御プログラム2Pを可搬型記憶媒体2aより読み取り、大容量記憶部24に記憶してもよい。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータからCPU21が制御プログラム2Pをダウンロードし、大容量記憶部24に記憶してもよい。さらにまた、半導体メモリ2bから、CPU21が制御プログラム2Pを読み込んでもよい。
【0052】
次に大容量記憶部24が記憶するデータベースについて説明する。図11は画像DB241のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。画像DB241はデザイン管理サーバ1から受信した印刷用画像データを記憶する。画像DB241は商品コード列、品名列及び画像列を含む。商品コード列は商品コードを記憶する。品名列は商品名を記憶する。画像列は画像データのファイル名を記憶する。ファイル名で示される画像データの実体は、別途、大容量記憶部24に記憶されている。画像DB241がBLOB型など画像データを記憶可能なデータ型に対応している場合、画像列に画像データの実体を記憶してもよい。
【0053】
図12は稼働DB242のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。稼働DB242は印刷装置133の稼働状況を記憶する。稼働DB242は装置ID列、フィルムコード列、稼働日列、時間帯列、商品コード列及び枚数列を含む。装置ID列は印刷装置133を特定する装置IDを記憶する。装置IDは少なくとも同一の工場132内で一意の値を取る。フィルムコード列は使用された包装フィルムを特定するフィルムコードを記憶する。稼働日列は印刷装置133が稼働した日付を記憶する。時間帯列は印刷装置133が稼働した時間帯を示す。例えば、1日に朝、昼及び夕方の3回製造が行われる場合、時間帯列は朝、昼又は夕方を記憶する。商品コード列は製造した包装フィルム4が使用された商品の商品コードを記憶する。枚数列は商品1個毎に切断された包装フィルム4の使用枚数を記憶する。
【0054】
次にデザイン管理サーバ1が行なう情報処理について説明する。図13は画像データ送信処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU11は処理対象の商品を選択する(ステップS21)。すなわち、CPU11はデザインDB141でレコードを1つ選択する。CPU11は選択した商品についての状態を取得する(ステップS22)。CPU11は選択したレコードの状態列の値を取得する。CPU11は状態が承認済みか否かを判定する(ステップS23)。CPU11は状態が承認済みでないと判定した場合(ステップS23でNO)、選択した商品についての処理を中止し、処理をステップS27に移す。CPU11は状態が承認済みであると判定した場合(ステップS23でYES)、選択している商品に対応しているメーカのメーカコード及び工場コードを取得する(ステップS24)。CPU11は選択したレコードの商品コードを検索キーにして、製造担当DB143を検索する。CPU11は検索にヒットしたレコードに含まれるメーカコード及び工場コードを取得する。CPU11は送信先を取得する(ステップS25)。CPU11は取得したメーカコード及び工場コードを検索キーにして、工場DB142を検索する。CPU11は検索にヒットしたレコードに含まれる送信先を取得する。CPU11は画像データを送信する(ステップS26)。CPU11はステップS26で取得した送信先へステップS21で選択した商品に対応する画像データを商品コードと対応付けて送信する。ステップS24で取得したメーカコード及び工場コードが複数組の場合、取得した組数に等しい回数、CPU11はステップS15及びS16を繰り返し実行する。CPU11は未処理の商品があるか否かを判定する(ステップS27)。CPU11は未処理の商品があると判定した場合(ステップS27でYES)、処理をステップS21へ戻す。CPU11は未処理の商品がないと判定した場合(ステップS27でNO)、処理を終了する。
【0055】
図13に示す画像データ送信処理は、定期的に実行する。例えば、日次バッチ、週次バッチ又は月次バッチで行なう。また、食品メーカ130の生産スケジュールに合わせ、生産に先だち、印刷用データ画像が送られるようにスケジューリングしてもよい。印刷用画像データの送信先は各工場としたが、それに限らない。印刷用画像データを食品メーカ130に送信し、食品メーカ130内で各工場に配布するようにしてもよい。
【0056】
続いて、印刷サーバ2が行なう印刷処理について説明する。図14は印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。印刷サーバ2のCPU21は上位装置から商品コード及び印刷数を取得する(ステップS31)。上位装置は例えば、製造工程を一括管理する製造管理システムの管理コンピュータである。印刷数は商品の製造数に応じて決定される。印刷数は製造数と同じである。印刷の歩留まりを考慮して印刷数を製造数よりも多くしてもよい。CPU21は取得した商品コードに対応する画像データを画像DB241から取得する(ステップS32)。CPU21は印刷を担当する印刷装置133に画像データを出力する(ステップS33)。CPU21は印刷装置133に印刷指示を行なう(ステップS34)。この際、CPU21は印刷装置133に印刷数を出力する。CPU21は印刷装置133の状態を取得する(ステップS35)。取得する状態には印刷済みの枚数の情報が含まれている。CPU21は印刷装置133が印刷数の印刷を終了したか否かを判定する(ステップS36)。CPU21は印刷装置133が印刷数の印刷を終了していないと判定した場合(ステップS36でNO)、処理をステップS35に戻す。CPU21は印刷装置133が印刷数の印刷を終了したと判定した場合(ステップS36でYES)、稼働データを稼働DB242に記憶する(ステップS37)。CPU21は処理を終了する。
【0057】
本実施の形態は以下の効果を奏する。デザイン管理サーバ1が商品パッケージに印刷する画像データを一括で管理するので、1つの商品群(例えば、おにぎり)に含まれる複数の商品(例えば、塩むすび、鮭のおにぎり又は梅干しのおにぎりなど)毎のパッケージデザインに統一性を持たすこと(デザインのバラ付きを抑制すること)が可能である。特に、商品毎に製造する食品メーカ130が異なる場合は有効である。例えば、おにぎりを複数のメーカ又は複数箇所の工場で製造する場合にも、デザインを統一することが可能となる。デザイン管理サーバ1は商品毎の品名及び売価をフランチャイズ本部120から一括して受け取り、品名及び売価を含んだ印刷用画像データを作成する。食品メーカ130は受け取った印刷用画像データをパッケージ用フィルムに印刷するので、品名及び売価を含む印刷用画像データの内容の正確性が担保される。デザイン管理サーバ1は印刷用画像データ送信処理を定期的に実行するので、食品メーカ130が保持する印刷用画像データの最新性が担保される。さらに、フィルムメーカ110が食品メーカ130の工場132に納品する包装フィルムには、品名及び売価を印刷する必要がない。そのため、食品メーカ130は1ロールの包装フィルムから複数の商品のシート状パッケージを作成することが可能となる。それにより、商品毎の発注数が大きく異なっている場合であっても、食品メーカ130は包装フィルムを効率的に使用し、包装フィルムの無駄を防ぐことが可能となる。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態は、デザイン管理サーバ1が食品メーカ130から印刷用画像データの送信要求を受け付けた場合に、画像データ送信処理を行なう形態に関する。
【0059】
図15は送信要求DB144のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。送信要求DB144は例えば大容量記憶部14に記憶する。送信要求DB144は食品メーカ130からの画像データ送信要求を記憶している。送信要求DB144は日付列、時刻列、メーカコード列、工場コード列、商品コード列及び送信列を含む。日付列は要求があった日付を記憶する。時刻列は要求があった時刻を記憶する。メーカコード列は要求を行ったメーカのメーカコードを記憶する。工場コード列は要求を行った工場132の工場コードを記憶する。商品コード列は要求された商品の商品コードを記憶する。送信列は印刷用画像データを送信したか否かを記憶する。例えば、送信が終わっている場合には、送信列は「済」を記憶する。送信が終わっていない場合には、送信列は「未」を記憶する。
【0060】
図16は印刷サーバ2が行なう画像データ要求処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU21は上位装置(例えば製造管理システム)から、製造計画を取得する(ステップS41)。CPU21は取得した製造計画から製造予定の商品の商品コードを取得する(ステップS42)。CPU21はデザイン管理サーバ1に対して、製造予定の商品の商品コードを送信し、画像データを要求する(ステップS43)。CPU21はデザイン管理サーバ1から画像データを受信する(ステップS44)。CPU21は画像データを画像DB241に記憶する(ステップS45)。CPU21は処理を終了する。
【0061】
図17は画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。CPU11は送信要求DB144を参照し、処理対象とする食品メーカ130を選択する(ステップS51)。CPU11は選択した食品メーカ130の中から処理対象とする工場132を選択する(ステップS52)。CPU11は処理対象として食品メーカ130及び工場132と対応付けられた商品コードを送信要求DB144から取得する(ステップS53)。CPU11は取得した商品コードと対応付けられた印刷用画像データを取得する(ステップS54)。CPU11は取得した印刷用画像データをRAM13又は大容量記憶部14などに設けた一時記憶領域に記憶する。CPU11は未処理の商品があるか否かを判定する(ステップS55)。CPU11は未処理の商品があると判定した場合(ステップS55でYES)、処理をステップS53に戻す。CPU11は未処理の商品がないと判定した場合(ステップS55でNO)、一時記憶領域に記憶した印刷用画像データを工場132に送信する(ステップS56)。CPU11は未処理の工場132があるか否かを判定する(ステップS57)。CPU11は未処理の工場132があると判定した場合(ステップS57でYES)、処理をステップS52に戻す。CPU11は未処理の工場132がないと判定した場合(ステップS57でNO)、未処理の食品メーカ130がある否かを判定する(ステップS58)。CPU11は未処理の食品メーカ130があると判定した場合(ステップS58でYES)、処理をステップS51へ戻す。CPU11は未処理の食品メーカ130がないと判定した場合(ステップS58でNO)、処理を終了する。
【0062】
印刷用画像データの送信要求が不当なものでないかを確認するために、送信要求DB144に記憶されているメーカコード、工場コード及び商品コードの組み合わせが、製造担当DB143の記憶内容と矛盾しないかを調べてもよい。
【0063】
本実施の形態は以下の効果を奏する。食品メーカ130は印刷用画像データが必要なときに、デザイン管理サーバ1へ送信要求が可能であるので、印刷用画像データの正確性及び最新性を担保することが可能となる。デザイン管理サーバ1は送信要求がされるまで、印刷用画像データの送信を行わないので、処理負担の軽減が可能となる。
【0064】
(実施の形態3)
本実施の形態は印刷用画像データの変更に関する形態である。図18はデザインDB141のレコードレイアウトの他の例を示す説明図である。デザインDB141は商品コード列、品名列、画像列、送信列、状態列、本部列、メーカA列及びメーカB列を含む。デザインDB141において送信列以外は図4と同様であるので、説明を省略する。送信列は印刷用画像データが送信されたか否かを記憶する。まだ送信されていない場合、送信列は「未」を記憶する。送信済みの場合、送信列は「済」を記憶する。
【0065】
図19は変更処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU11は変更内容を受け付ける(ステップS61)。例えば、価格改定された場合には、印刷用画像データが変更となる。CPU11は変更済みの印刷用画像データをデザインDB141に記憶し、フランチャイズ本部120及び食品メーカ130に対して、承認依頼を行なう(ステップS62)。承認依頼は例えば、電子メールを送信するなどして行なう。CPU11は承認が完了したか否かを判定する(ステップS63)。CPU11は承認が完了していないと判定した場合(ステップS63でNO)、処理を繰り返す。CPU11は承認が完了したと判定した場合(ステップS63でYES)、変更した印刷用画像データを送信し(ステップS64)、処理を終了する。送信処理は実施の形態1と同様である。
【0066】
本実施の形態は以下の効果を奏する。印刷用画像データが変更される場合、承認後すぐに変更後の印刷用画像データを食品メーカ130に送信するので、品名の変更又は価格改定を迅速に反映させることが可能となる。特に、印刷用画像データの送信を週次バッチや月次バッチで行っている場合に有効である。
【0067】
(実施の形態4)
本実施の形態は期間限定のセールや期間限定商品に対応可能な形態である。図20はデザインDB141のレコードレイアウトの他の例を示す説明図である。デザインDB141は商品コード列、品名列、有効列、期間列、種別列、画像列、状態列、本部列、メーカA列及びメーカB列を含む。デザインDB141において有効列、期間列、種別列以外は図4と同様であるので、説明を省略する。有効列は画像データが有効か否かを記憶する。有効とは画像データを印刷に使用しても良いことを示す。無効とは画像データを印刷に使用してはならないことを示す。画像データが無効であるのは、例えば、承認が済んでいない場合や、使用期間ではない場合である。期間列は印刷用画像データが所定の期間のみ有効の場合に、その期間を記憶する。種別列は印刷用画像データの種別を記憶する。例えば、通常期に使用する印刷用画像データの場合、種別列は「通常」を記憶する。期間限定の値引きセールに使用する印刷用画像データの場合、種別列は「セール」を記憶する。期間限定商品に使用する印刷用画像データの場合、種別列は「イベント」を記憶する。
【0068】
図21は画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。図21において、実施の形態1(図13)と同様な処理については、同じ符号を付し、説明を省略する。本実施の形態において、CPU11は承認済みであると判定した場合(ステップS23でYES)、期間が設定されているか否かを判定する(ステップS28)。CPU11は期間が設定されていないと判定した場合(ステップS28でNO)、ステップS24を実行する。CPU11は期間が設定されていると判定した場合(ステップS28でYES)、現在が設定されている期間内であるか否かを判定する(ステップS29)。CPU11は現在が設定されている期間内でないと判定した場合(ステップS29でNO)、処理をステップS27に移す。CPU11は現在が設定されている期間内であると判定した場合(ステップS29でYES)、ステップS24を実行する。
【0069】
本実施の形態は以下の効果を奏する。デザイン管理サーバ1は期間限定セールや期間限定商品に関する印刷用画像データを管理する。それによって、期間限定セール中にセール価格を表示することが可能となる。期間限定商品の印刷用画像データは、対象期間以外には食品メーカやその工場132に送信されないので、期間外に商品を出荷してしまうというミスを防ぐことが可能となる。
【0070】
(実施の形態5)
本実施の形態は、原材料の表示やカロリー表示に関する画像データについても、デザイン管理サーバ1が管理する形態に関する。図22は属性DB145のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。属性DB145は例えば大容量記憶部14に記憶する。属性DB145は商品コード列、品名列、相対消費期限列、メーカ名列、原材料名列、栄養成分列及びバーコード列を含む。商品コード列は商品コードを記憶する。品名列は商品の名称を記憶する。相対消費期限列は商品の相対消費期限を記憶する。相対消費期限は製造時点から消費期限までの時間数などを記憶する。相対消費期限は商品の性質により製造時点から消費期限までの分数、日数又は月数を記憶してもよい。メーカ名列は食品メーカの名称を記憶する。原材料名列は商品の原材料の名称を記憶する。栄養成分列は商品の栄養成分を商品に含まれる量とともに記憶する。バーコード列は商品コードをバーコード画像(商品ID)にしたものを記憶する。
【0071】
図23は画像データ送信処理の手順の他の例を示すフローチャートである。図23において、実施の形態1(図13)と同様な処理については、図13と同じ符号を付している。以下の説明においては、ステップS21からS25及びS27については、実施の形態1と土曜であるから説明を省略する。CPU11はステップS25実行後に、属性DB145から商品の属性データ(第2の印刷データ)を取得する(ステップS30)。CPU11印刷用画像データと合わせて、取得した属性データを工場132に送信する(ステップS26)。工場132に送信する属性データ(相対消費期限及びバーコード画像を除く)は、文字データでもよいし、画像データでもよい。
【0072】
図24は印刷後の包装フィルム4の他の例を示す破断図である。図24において、図3と同様な構成は同一の符号を付し、説明を省略する。包装フィルム4は印刷領域41、材質マーク42、注意書き43、マーカ44、及び属性印刷領域(第2の領域)45を含む。属性印刷領域45は第1副領域45a及び第2副領域45bを含む。第1副領域45aには栄養成分451が印刷されている。第2副領域45bにはバーコード452、名称453、原材料名454、消費期限455、保存方法456、製造者457が表示されている。消費期限455は相対消費期限と商品の製造時点から算出した期限を印字する。
【0073】
本実施の形態は以下の効果を奏する。デザイン管理サーバ1が商品の原材料や栄養成分を管理しているので、原材料や栄養成分が変更になったとしても、正確性、最新性を担保することが可能となる。
【0074】
(実施の形態6)
本実施の形態は包装フィルムの使用実績を収集する形態に関する。上述したように、印刷装置133にはフィルムメーカ110が納品したロール状の包装フィルム4が装着される。包装フィルムが巻かれている包材紙管の内面には包装フィルムを特定するフィルムコードが印刷されている。フィルムコードは例えばQRコードである。QRコードにより、包装フィルムは1ロール単位(所定単位)で管理が可能である。
【0075】
図25は使用履歴DB146のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。使用履歴DB146は例えば大容量記憶部14に記憶する。使用履歴DB146は包装フィルムの使用履歴を記憶する。使用履歴DB146はフィルムコード列、工場コード列、商品コード列、稼働日列及び使用数列を含む。フィルムコード列は包装フィルムを特定するフィルムコードを記憶する。工場コード列は包装フィルムが使用された工場132の工場コードを記憶する。商品コード列は包装フィルムが使用された商品の商品コードを記憶する。稼働日列は稼働した日付を記憶する。使用数列は包装フィルムの使用数を記憶する。使用数は包装フィルムの製造枚数である。通常、使用数は印刷装置133の印刷回数と等しい。
【0076】
図26は使用数収集処理の手順の一例を示すフローチャートである。使用数収集処理は印刷装置133や生産管理システム10により実行される。ここでは印刷装置133がおこなうものとして説明する。印刷装置133に包装フィルムが装着される際には、印刷装置133に接続されたQRコードリーダ134によりQRコードが読み取られる(ステップS71)。印刷装置133は包装パッケージの対象となる商品の商品コードを取得する(ステップS72)。印刷装置133は印刷用画像データを取得する(ステップS73)。印刷装置133は包装フィルムへの印刷を開始すると、包装フィルムの使用数(使用単位数)をカウントする(ステップS74)。印刷が終了したら印刷装置133は、商品コード及び使用数をフィルムコードと共にデザイン管理サーバ1に送信し(ステップS75)、処理を終了する。
【0077】
図27は実績集計処理の手順の一例を示すフローチャートである。CPU11は使用履歴DB146に記憶されたレコードにより、使用数の集計を行なう(ステップS81)。例えば集計は、稼働日毎、工場132ごと、フィルムコードごと、商品コードごとに行なう。CPU11は集計結果を出力する(ステップS82)。
【0078】
図28は集計結果出力画面31の一例を示す説明図である。集計結果出力画面31は印刷用画像データ表示311、フィルム表示312及び印刷数表示313を含む。印刷用画像データ表示311は印刷された印刷用画像データを表示する。フィルム表示312は使用された包装フィルムのフィルムコードを表示する。印刷数表示313は印刷数(使用実績数)を表示する。図28に示す例では工場132ごとの印刷数とそれらの合計が表示されている。図28に示す印刷数は1日単位でもよいし、1回の受注により製造時の枚数でもよい。また、商品の製造中に随時、印刷数を更新してもよい。
【0079】
本実施の形態は以下の効果を奏する。包装フィルム毎に使用数(印刷数)が把握できるので、食品メーカ130及び工場132ごとに包装フィルムの在庫管理が可能となる。
【0080】
図29は印刷用画像データの一例を示す説明図である。図29Aは期間限定セールの場合に使用する画像データの例を示している。図29Bは期間限定商品に用いる画像データの例を示している。
【0081】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0082】
100 パッケージ印字システム
110 フィルムメーカ
1 デザイン管理サーバ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 大容量記憶部
141 デザインDB
142 工場DB
143 製造担当DB
144 送信要求DB
145 属性DB
146 使用履歴DB
15 通信部
16 読み取り部
1P 制御プログラム
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
120 フランチャイズ本部
130 食品メーカ
2 印刷サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図29