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特許7187537光源ユニット、及びこれに用いられる搭載部材の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】光源ユニット、及びこれに用いられる搭載部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/19 20180101AFI20221205BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20221205BHJP
   F21S 45/43 20180101ALI20221205BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20221205BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20221205BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20221205BHJP
   F21W 102/14 20180101ALN20221205BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221205BHJP
【FI】
F21S41/19
F21S41/147
F21S45/43
F21V29/503 100
F21V29/67 100
F21W102:155
F21W102:14
F21Y115:10
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2020506516
(86)(22)【出願日】2019-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2019009754
(87)【国際公開番号】W WO2019176869
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2018048612
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018048613
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018048614
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018048615
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018048616
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】野末 修平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 伸
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/19
F21S 41/147
F21S 45/43
F21V 29/503
F21V 29/67
F21W 102/155
F21W 102/14
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有するヒートシンクと、
前記第1基板と前記第1載置面との間及び前記第2基板と前記第2載置面との間に介在する流動部材と、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記ヒートシンクに載置され、
前記ヒートシンクは、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との間に前記流動部材の一部を収容可能な凹部を有する
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記凹部の少なくとも一部は、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との距離が最小となる領域に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記凹部の少なくとも一部は、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の前記発光素子における前記第1基板側から前記第2基板側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り前記第1基板側から前記第2基板側に向かう方向と平行な第1直線と、他端を通り前記第1直線と平行な第2直線との間に位置する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記ヒートシンクは、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との間に、前記第1載置面側から前記第2載置面側に向かって並ぶ2つの面を有し、
2つの前記面のなす角は180度よりも小とされ、
前記凹部は2つの前記面の間に形成されるとともに2つの前記面に接続する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記凹部は、前記第1載置面よりも前記第1基板側と反対側に凹む第1凹部と、前記第1凹部よりも前記第2載置面側に位置し前記第2載置面よりも前記第2基板側と反対側に凹む第2凹部とを含む
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記第1基板側に延びる前記第1載置面の法線は、前記第2基板側に延びる前記第2載置面の法線と交わる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の前記発光素子は、当該発光素子が搭載される一方の基板における当該一方の基板側よりも他方の基板側に位置する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有する搭載部材と、
前記第1基板の前記発光素子が搭載される搭載面に接続される第1接続部及び前記第2基板の前記発光素子が搭載される搭載面に接続される第2接続部を有するフレキシブルプリント回路基板と、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記搭載部材に載置され、
前記第1載置面の前記第1基板側に延びる法線は、前記第2載置面の前記第2基板側に延びる法線と交わり、
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1基板と前記第2基板との間において、前記搭載部材側に向かって凸状に撓むとともに、前記第1接続部よりも前記第1載置面側の領域及び前記第2接続部よりも前記第2載置面側の領域の少なくとも一方を通る
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項9】
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の基板には、当該一方の基板を平面視する場合における他方の基板側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠きが形成され、
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記切り欠きを通る
ことを特徴とする請求項8に記載の光源ユニット。
【請求項10】
前記一方の基板に搭載される前記発光素子は、前記一方の基板を平面視する場合に前記切り欠きにおける前記他方の基板側と反対側の縁よりも前記他方の基板側に配置される
ことを特徴とする請求項9に記載の光源ユニット。
【請求項11】
前記搭載部材は、前記第1基板と前記第2基板との間において、前記第1載置面及び前記第2載置面の少なくとも一方よりも前記フレキシブルプリント回路基板側と反対側に凹む凹部を有し、
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記凹部を通る
ことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項12】
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記搭載部材と非接触である
ことを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項13】
前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1接続部から前記第2接続部まで延在する複数の配線を有し、互いに隣り合う前記配線間にスリットが形成される
ことを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項14】
2つの前記フレキシブルプリント回路基板を備え、
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の基板の重心は、当該一方の基板に接続される2つの前記フレキシブルプリント回路基板のそれぞれの接続部の間に位置している
ことを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項15】
発光素子が搭載され板厚方向に貫通する貫通孔が形成される基板と、
前記基板の少なくとも一部が載置される載置面、前記載置面の法線に対して傾斜し前記基板の前記貫通孔に挿入されるリブ、及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、
を備え、
前記載置面を平面視する場合の前記リブの延在方向と垂直な方向における当該リブの一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、前記貫通孔を規定する前記基板の内周面の一部と当接し、
前記載置面を平面視する場合の前記基板の側面の一部と前記当接面との接線は、前記リブの延在方向と非平行である
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項16】
前記搭載部材は、前記リブが形成される面と前記リブにおける前記載置面に対して傾倒する側の外周面とに接続されるリブ補強部を更に有する
ことを特徴とする請求項15に記載の光源ユニット。
【請求項17】
前記搭載部材は、前記当接面が形成される突起を更に有し、
前記リブは、前記載置面の法線方向において前記突起よりも突出する
ことを特徴とする請求項15または16に記載の光源ユニット。
【請求項18】
前記搭載部材は、発光素子が搭載される第2基板の少なくとも一部が載置され前記載置面と非平行な第2載置面を更に有し、
前記リブの延在方向から見る場合に前記第2載置面が視認可能である
ことを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項19】
基板が搭載される搭載部材の製造方法であって、
前記搭載部材は、前記基板の少なくとも一部が載置される載置面、前記載置面の法線に対して傾斜するリブ、及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有し、
前記載置面を平面視する場合に前記当接面が前記リブの延在方向と非平行であり、
前記載置面を覆う仮載置面、前記当接面を覆う仮当接面、及び前記リブを有する中間部材を金型成形によって形成する金型成形工程と、
前記仮載置面及び前記仮当接面を切削して前記載置面及び前記当接面を形成する切削工程と、
を備え、
前記切削工程において前記載置面の少なくとも一部と前記当接面の少なくとも一部とを同時に形成する
ことを特徴とする搭載部材の製造方法。
【請求項20】
発光素子が搭載される基板と、
前記基板の少なくとも一部が載置される載置面及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、
少なくとも前記基板における前記発光素子が搭載される搭載面上の接触部に接触し、前記基板を前記載置面及び前記当接面に押し付ける押付部材と、
を備え
前記当接面は、前記基板を平面視する場合に前記接触部よりも前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向に位置する
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項21】
前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で当該方向と垂直な方向における前記接触部の一端を通る直線と、当該直線と平行で前記接触部の他端を通る別の直線との間に位置する
ことを特徴とする請求項20に記載の光源ユニット。
【請求項22】
前記基板は、2つの前記接触部を有し、
前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で一方の前記接触部における他方の前記接触部側と反対側の端を通る直線と、当該直線と平行で他方の前記接触部における一方の前記接触部側と反対側の端を通る別の直線との間に位置する
ことを特徴とする請求項20または21に記載の光源ユニット。
【請求項23】
前記押付部材は弾性を有し、前記基板は前記押付部材の弾性力によって前記載置面及び前記当接面に押し付けられる
ことを特徴とする請求項20から22のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項24】
発光素子が搭載される基板と、
前記基板の少なくとも一部が載置される載置面及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、
少なくとも前記基板における前記発光素子が搭載される搭載面上の接触部に接触し、前記基板を前記載置面及び前記当接面に押し付ける押付部材と、
を備え
前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で当該方向と垂直な方向における前記接触部の一端を通る直線と、当該直線と平行で前記接触部の他端を通る別の直線との間に位置する
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項25】
発光素子が搭載される基板と、
前記基板の少なくとも一部が載置される載置面及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、
少なくとも前記基板における前記発光素子が搭載される搭載面上の接触部に接触し、前記基板を前記載置面及び前記当接面に押し付ける押付部材と、
を備え
前記基板は、2つの前記接触部を有し、
前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で一方の前記接触部における他方の前記接触部側と反対側の端を通る直線と、当該直線と平行で他方の前記接触部における一方の前記接触部側と反対側の端を通る別の直線との間に位置する
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項26】
発光素子が搭載される基板と、
前記基板の少なくとも一部が載置される載置面及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、
少なくとも前記基板における前記発光素子が搭載される搭載面上の接触部に接触し、前記基板を前記載置面及び前記当接面に押し付ける押付部材と、
を備え
前記押付部材は弾性を有し、前記基板は前記押付部材の弾性力によって前記載置面及び前記当接面に押し付けられる
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項27】
発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有するヒートシンクと、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記ヒートシンクに載置され、
前記第1載置面の前記第1基板側に延びる法線は、前記第2載置面の前記第2基板側に延びる法線と交わる
ことを特徴とする光源ユニット。
【請求項28】
ファンを更に備え、
前記ヒートシンクは、一方の面に前記第1載置面が形成される第1ベース板と、一方の面に前記第2載置面が形成される第2ベース板とを有し、
前記第1ベース板の外縁の一部と前記第2ベース板の外縁の一部とが互いに接続され、
前記ファンは、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面における空気の流れを形成する
ことを特徴とする請求項27に記載の光源ユニット。
【請求項29】
前記ヒートシンクは、一方の端の少なくとも一部が前記第1ベース板及び前記第2ベース板に固定される筒状の周壁部と、前記周壁部の内部空間と外部空間とを連通する通気口と、を有し、
前記ファンは、前記周壁部の他方の端における開口を通る空気の流れを形成し、
前記通気口の少なくとも一部は、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、前記第1ベース板と前記第2ベース板との接続部よりも前記ファン側と反対側に配置される
ことを特徴とする請求項28に記載の光源ユニット。
【請求項30】
前記周壁部は、前記ファンの外周を囲う
ことを特徴とする請求項29に記載の光源ユニット。
【請求項31】
前記通気口の開口方向において、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の一部は前記通気口と重なる
ことを特徴とする請求項29または30に記載の光源ユニット。
【請求項32】
前記ヒートシンクは、少なくとも前記周壁部の内部空間において当該周壁部の前記一方の端側から前記他方の端側に向かって延在する少なくとも1つの整流板を更に有する
ことを特徴とする請求項29から31のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項33】
前記整流板は、前記第1ベース板及び前記第2ベース板に接続される
ことを特徴とする請求項32に記載の光源ユニット。
【請求項34】
前記整流板は、前記通気口の開口方向から見る場合に当該通気口を横断する
ことを特徴とする請求項32または33に記載の光源ユニット。
【請求項35】
前記通気口の開口方向において、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の一部は前記通気口と重なり、
前記整流板の少なくとも1つは、前記通気口から前記周壁部の外部空間へ突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記通気口の開口方向から見る場合に当該通気口と重なる基板に接触する
ことを特徴とする請求項34に記載の光源ユニット。
【請求項36】
前記通気口は、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、前記第1ベース板と前記第2ベース板との接続部よりも前記第1ベース板側に配置される第1通気口と、前記第2ベース板側に配置される第2通気口とを含む
ことを特徴とする請求項29から35のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット、及びこれに用いられる搭載部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
灯具等の光を照射する装置に用いられる光源ユニットとして、光源に発光ダイオード(LED)等の発光素子が用いられるものが知られている。例えば、下記特許文献1には、このような発光素子がそれぞれ搭載される複数の基板を備える光源ユニットが記載されている。
【0003】
下記特許文献1の光源ユニットは、発光素子がそれぞれ搭載される3つの基板と、この3つの基板が搭載されるヒートシンクとを備えている。この光源ユニットでは、3つの基板は並列されて1つのヒートシンクに搭載されている。
【0004】
また、下記特許文献2には、発光素子がそれぞれ搭載される複数の基板を備える光源ユニットが記載されている。下記特許文献2の光源ユニットは、発光素子がそれぞれ搭載される3つの基板と、この3つの基板が搭載される搭載部材とを備えている。この光源ユニットでは、3つの基板は並列されて搭載部材に搭載され、隣接する2つの基板の成す角度は180度よりも小とされ、隣接する2つの基板はリード線によって接続されている。
【0005】
また、例えば、自動車用ヘッドライトに代表される車両用前照灯における光源ユニットでは、所望の配光を得るために、発光素子から出射する光を反射するリフレクタ等を備える構成とされる。例えば、下記特許文献3には、発光素子が搭載される基板と、発光素子から出射する光を反射するリフレクタと、基板とリフレクタとが取り付けられる搭載部材とを備える光源ユニットが開示されている。この光源ユニットでは、基板には当該基板の板厚方向に貫通する貫通孔が形成され、搭載部材は基板が載置される載置面の法線と概ね平行なリブを有している。この搭載部材におけるリブが基板の貫通孔に挿入されることで、搭載部材に対する基板の位置が所定の範囲内に規制され、搭載部材に取り付けられるリフレクタに対する発光素子の位置が所定の範囲内に規制されている。
【0006】
また、例えば、下記特許文献4には、発光素子が搭載される基板と、発光素子から出射する光を反射するリフレクタと、基板とリフレクタとが取り付けられる搭載部材と、を備える光源ユニットが開示されている。この光源ユニットでは、基板は搭載部材の載置面に載置されるとともにリフレクタによって載置面側と反対側から載置面に押し付けられて搭載部材に固定されている。このリフレクタは、載置面に対して概ね垂直な力によって基板を載置面に押し付けている。
【0007】
また、発光素子は、発光時の発熱によって発光効率や寿命が低下したり、発光素子から出射する光の波長が変化したりする傾向があるため、ヒートシンク等の放熱部材を用いて発光素子の冷却を行う場合がある。例えば、特許文献5には、ベース板と当該ベース板の一方の面に形成される複数の放熱フィンとを有するヒートシンクと、発光素子が搭載されヒートシンクにおけるベース板の他方の面に載置される基板とを備える光源ユニットが開示されている。
【0008】
【文献】特開2013-254603号公報
【文献】特開2015-207367号公報
【文献】特開2016-149373号公報
【文献】特開2011-119094号公報
【文献】特開2013-110068号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様による光源ユニットは、発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有するヒートシンクと、前記第1基板と前記第1載置面との間及び前記第2基板と前記第2載置面との間に介在し流動性を有する流動部材と、を備え、前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記ヒートシンクに載置され、前記ヒートシンクは、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との間に前記流動部材の一部を収容可能な凹部を有することを特徴とする。
【0010】
この光源ユニットでは、上記のように、ヒートシンクは、第1載置面における第1基板と重なる領域の第2基板側の縁と第2載置面における第2基板と重なる領域の第1基板側の縁との間に流動部材の一部を収容可能な凹部を有する。このため、第1基板と第1載置面との間から押し出される余剰の流動部材のうち第2基板側に向かう流動部材の一部は、凹部に収容され得る。また、第2基板と第2載置面との間から押し出される余剰の流動部材のうち第1基板側に向かう流動部材の一部は、凹部に収容され得る。このため、第1基板と第2基板との間に溜まる余剰の流動部材の一部が第1基板の第1載置面側と反対側の面上や第2基板の第2載置面側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。このため、余剰の流動部材が第1基板に搭載される発光素子や第2基板に搭載される発光素子に付着することを抑制し得る。従って、不具合を抑制し得る光源ユニットを提供し得る。なお、上記の流動部材は、常時流動性を有している部材に限定されず、少なくとも第1基板が第1載置面に載置される際、及び第2基板が第2載置面に載置される際に流動性を有している部材も含まれる。このため、流動部材は、グリスや粘着剤等の第1基板や第2基板が載置面に載置された後も未硬化とされる未硬化型流動部材、及び熱硬化性樹脂等から形成される接着剤等の第1基板や第2基板が載置面に載置された後に硬化し得る硬化型流動部材を含む。
【0011】
前記凹部の少なくとも一部は、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との距離が最小となる領域に位置することが好ましい。
【0012】
余剰の流動部材は、第1載置面における第1基板と重なる領域の第2基板側の縁と第2載置面における第2基板と重なる領域の第1基板側の縁との距離が最小となる領域から溜まっていく傾向がある。この光源ユニットではこのような領域に凹部が位置するため、余剰の流動部材の一部が第1基板の第1載置面側と反対側の面上及び第2基板の第2載置面側と反対側の面上に付着することを適切に抑制し得る。従って、余剰の流動部材の一部が第1基板に搭載される発光素子や第2基板に搭載される発光素子に付着することを適切に抑制し得る。
【0013】
前記凹部の少なくとも一部は、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の前記発光素子における前記第1基板側から前記第2基板側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り前記第1基板側から前記第2基板側に向かう方向と平行な第1直線と、他端を通り前記第1直線と平行な第2直線との間に位置することが好ましい。
【0014】
このように構成することで、余剰の流動部材の一部が、第1基板を平面視する場合における第2基板側の縁のうち第1基板に搭載される発光素子との距離が近い部位から第1基板の第1載置面側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。また、第2基板を平面視する場合における第1基板側の縁のうち第2基板に搭載される発光素子との距離が近い部位から第2基板の第2載置面側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。従って、余剰の流動部材の一部が第1基板に搭載される発光素子や第2基板に搭載される発光素子に付着することを適切に抑制し得る。
【0015】
前記ヒートシンクは、前記第1載置面における前記第1基板と重なる領域の前記第2基板側の縁と前記第2載置面における前記第2基板と重なる領域の前記第1基板側の縁との間に、前記第1載置面側から前記第2載置面側に向かって並ぶ2つの面を有し、2つの前記面のなす角は180度よりも小とされ、前記凹部は2つの前記面の間に形成されるとともに2つの前記面に接続することが好ましい。
【0016】
この光源ユニットでは、上記のように、ヒートシンクは、第1載置面における第1基板と重なる領域の第2基板側の縁と第2載置面における第2基板と重なる領域の第1基板側の縁との間に、第1載置面側から第2載置面側に向かって並ぶ2つの面を有する。このため、第1基板側から第2基板側に向かう余剰の流動部材の一部は、この2つの面のうち第1載置面側の面上に押し出され得る。一方、第2基板側から第1基板側に向かう余剰の流動部材の一部は、この2つの面のうち第2載置面側の面上に押し出され得る。ところで、なす角が180度よりも小とされる2つの面上に流動部材が位置するとともにこの2つの面が上方側から視認可能な状態では、少なくとも一方の面上の流動部材はこの2つの面の間へ向かう傾向があり、この2つの面の間に流動部材が溜まり易くなる。なお、2つの面が上方側から視認可能な状態として、例えば2つの面が略V字状に交差する状態が挙げられる。この光源ユニットでは、上記のように2つの面のなす角は180度よりも小とされ、凹部はこの2つの面の間に形成されるとともに2つの面に接続する。このため、第1載置面側の面上に押し出される余剰の流動部材及び第2載置面側の面上に押し出される余剰の流動部材の少なくとも一方は、凹部に向かい易くなる。従って、凹部は、第1基板側から第2基板側に向かう流動部材及び第2基板側から第1基板側に向かう流動部材の少なくとも一方の流動部材の一部を適切に収容し得る。このため、この余剰の流動部材が第1基板に搭載される発光素子及び第2基板に搭載される発光素子の少なくとも一方に付着することを適切に抑制し得る。
【0017】
或いは、前記凹部は、前記第1載置面よりも前記第1基板側と反対側に凹む第1凹部と、前記第1凹部よりも前記第2載置面側に位置し前記第2載置面よりも前記第2基板側と反対側に凹む第2凹部とを含むこととされても良い。
【0018】
このように構成することで、凹部が1つの場合と比べて、第1基板と第2基板との間に溜まる余剰の流動部材の一部が第1基板の第1載置面側と反対側の面上や第2基板の第2載置面側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。このため、余剰の流動部材が第1基板に搭載される発光素子や第2基板に搭載される発光素子に付着することを抑制し得る。
【0019】
前記第1基板側に延びる前記第1載置面の法線は、前記第2基板側に延びる前記第2載置面の法線と交わることとされても良い。
【0020】
このように構成することで、第1載置面と第2載置面とのなす角は180度よりも小となる。このため、上記のように、第1載置面と第2載置面との間、つまり第1基板と第2基板との間に余剰の流動部材が溜まり易くなる。従って、上記光源ユニットは、第1載置面と第2載置面とのなす角が180度よりも小とされる場合に有用である。
【0021】
前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の前記発光素子は、当該発光素子が搭載される一方の基板における当該一方の基板側よりも他方の基板側に位置することとされても良い。
【0022】
このように構成することで、第1基板と第2基板との間に溜まる余剰の流動部材が、第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の発光素子に付着し易くなる。従って、上記光源ユニットは、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の発光素子が当該発光素子が搭載される一方の基板における当該一方の基板側よりも他方の基板側に位置する場合に有用である。
【0023】
また、本発明の第2の態様による光源ユニットは、発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有する搭載部材と、前記第1基板の前記発光素子が搭載される搭載面に接続される第1接続部及び前記第2基板の前記発光素子が搭載される搭載面に接続される第2接続部を有するフレキシブルプリント回路基板と、を備え、前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記搭載部材に載置され、前記第1載置面の前記第1基板側に延びる法線は、前記第2載置面の前記第2基板側に延びる法線と交わり、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1基板と前記第2基板との間において、前記搭載部材側に向かって凸状に撓むとともに、前記第1接続部よりも前記第1載置面側の領域及び前記第2接続部よりも前記第2載置面側の領域の少なくとも一方を通ることを特徴とする。
【0024】
この光源ユニットでは、上記のように第1載置面の第1基板側に延びる法線は、第2載置面の第2基板側に延びる法線と交わるため、第1基板と第2基板とのなす角度は180度よりも小とされる。また、フレキシブルプリント回路基板は、第1基板と第2基板との間において、搭載部材側に向かって凸状に撓むとともに、第1接続部よりも第1載置面側の領域及び第2接続部よりも第2載置面側の領域の少なくとも一方を通る。このため、第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方には、当該接続部が接続される基板側に押し付けられる力が作用し得る。このため、第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方における当該接続部が接続される基板からの剥離を抑制でき、第1基板と第2基板との接続不良が生じることを抑制し得る。従って、不具合を抑制し得る光源ユニットとし得る。
【0025】
また、第2の態様の光源ユニットでは、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の基板には、当該一方の基板を平面視する場合における他方の基板側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠きが形成され、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記切り欠きを通ることが好ましい。
【0026】
フレキシブルプリント回路基板を撓ませるためには、フレキシブルプリント回路基板の長さがある程度必要となるため、第1基板は第2基板からある程度離間されることになる。この光源ユニットでは、上記のように第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板には、当該一方の基板を平面視する場合における他方の基板側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠きが形成され、フレキシブルプリント回路基板は、切り欠きを通る。このため、第1基板と第2基板との距離を長くしなくても、第1基板と第2基板との間でフレキシブルプリント回路基板を撓ませ得る。従って、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板にこの切り欠きが形成されない場合と比べて、第1基板と第2基板との距離を短くすることができ、光源ユニットを小型化し得る。
【0027】
また、第2の態様の光源ユニットでは、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板に切り欠きが形成される場合、前記一方の基板に搭載される前記発光素子は、前記一方の基板を平面視する場合に前記切り欠きにおける前記他方の基板側と反対側の縁よりも前記他方の基板側に配置されることが好ましい。
【0028】
上記のように、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板に上記の切り欠きが形成されない場合には、フレキシブルプリント回路基板を撓ませるために、第1基板と第2基板とをある程度離間させる必要がある。このため、第1基板に搭載される発光素子と第2基板に搭載される発光素子もある程度離間した状態とされる。しかし、この光源ユニットでは、一方の基板に搭載される発光素子は、一方の基板を平面視する場合に切り欠きにおける他方の基板側と反対側の縁よりも他方の基板側に配置される。このため、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板に切り欠きが形成されない場合と比べて、上記のように第1基板と第2基板との距離を短くするとともに、第1基板に搭載される発光素子と第2基板に搭載される発光素子との距離も短くすることができる。従って、この2つの発光素子から出射する光を反射するリフレクタ等の光学部材を小型化し得る。
【0029】
また、第2の態様の光源ユニットでは、前記搭載部材は、前記第1基板と前記第2基板との間において、前記第1載置面及び前記第2載置面の少なくとも一方よりも前記フレキシブルプリント回路基板側と反対側に凹む凹部を有し、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記凹部を通ることが好ましい。
【0030】
このように構成することで、搭載部材が凹部を有さない場合と比べて、フレキシブルプリント回路基板のたわみ量を大きくし得る。このため、第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方を当該接続部が接続される基板側により適切に押し付け得る。従って、第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方における当該接続部が接続される基板からの剥離をより抑制し得る。
【0031】
また、第2の態様の光源ユニットでは、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記搭載部材と非接触であることが好ましい。
【0032】
例えば光源ユニットが車両用灯具に用いられる場合、光源ユニットは車両の振動に起因して振動する。このように光源ユニットが振動しつつフレキシブルプリント回路基板が搭載部材と接触している場合、フレキシブルプリント回路基板と搭載部材とが互いに擦れ合う傾向がある。フレキシブルプリント回路基板と搭載部材とが互いに擦れ合うことで、フレキシブルプリント回路基板に形成される配線が断線する等の不具合が生じる虞がある。この光源ユニットでは、上記のようにフレキシブルプリント回路基板は、搭載部材と非接触であるため、光源ユニットの振動等に起因してフレキシブルプリント回路基板と搭載部材とが互いに擦れ合うことを抑制し得る。従って、フレキシブルプリント回路基板に形成される配線が断線する等といった不具合を抑制し得る。
【0033】
また、第2の態様の光源ユニットでは、前記フレキシブルプリント回路基板は、前記第1接続部から前記第2接続部まで延在する複数の配線を有し、互いに隣り合う前記配線間にスリットが形成されることが好ましい。
【0034】
このように構成することで、互いに隣り合う配線間の少なくとも一部をスリットによって空間的に分離することができる。このため、互いに隣り合う配線間にスリットが形成されない場合と比べて、仮に配線にマイグレーションが生じたとしても、短絡による不具合が生じることを低減し得る。
【0035】
また、第2の態様の光源ユニットでは、2つの前記フレキシブルプリント回路基板を備え、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方の基板の重心は、当該一方の基板に接続される2つの前記フレキシブルプリント回路基板のそれぞれの接続部の間に位置していることとされても良い。
【0036】
このように構成することで、第1基板と第2基板とが2つのフレキシブルプリント回路基板で接続されるとともにこれら基板が搭載部材に搭載される前の状態において、2つのフレキシブルプリント回路基板の第1接続部及び第2接続部に生じる応力を抑制し得る。具体的には、例えば一方の基板が他方の基板に吊り下げられる場合等に前記フレキシブルプリント回路基板にねじれが生じることを抑制し得る。このため、2つのフレキシブルプリント回路基板の第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方に生じる応力を抑制し得る。このため、第1基板と第2基板とが搭載部材に搭載される前の状態において、第1接続部及び第2接続部の少なくとも一方が当該接続部が接続される基板から剥離することを抑制し得る。従って、第1基板及び第2基板の少なくとも一方の基板の重心が当該一方の基板に接続される2つのフレキシブルプリント回路基板のそれぞれとの接続部の間に位置していない場合と比べて、これら基板の取り扱いが容易となり、光源ユニットの生産性が向上される。
【0037】
本発明の第3の態様による光源ユニットは、発光素子が搭載され板厚方向に貫通する貫通孔が形成される基板と、前記基板の少なくとも一部が載置される載置面、前記載置面の法線に対して傾斜し前記基板の前記貫通孔に挿入されるリブ、及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、を備え、前記載置面を平面視する場合の前記リブの延在方向と垂直な方向における当該リブの一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、前記貫通孔を規定する前記基板の内周面の一部と当接し、前記載置面を平面視する場合の前記基板の側面の一部と前記当接面との接線は、前記リブの延在方向と非平行であることを特徴とする。
【0038】
この光源ユニットでは、上記のように載置面を平面視する場合のリブの延在方向と垂直な方向における当該リブの一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方が、貫通孔を規定する基板の内周面の一部と当接する。このため、載置面を平面視する場合のリブが延在する方向と垂直な方向において搭載部材に対する基板の位置を所定の範囲内に規制し得る。また、上記のように載置面を平面視する場合の基板の側面の一部と当該基板の側面の一部に当接する当接面との接線は、リブの延在方向と非平行である。このため、載置面を平面視する場合のリブの延在方向において搭載部材に対する基板の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、搭載部材に対する基板の位置を所定の範囲内に規制しつつ、リブの外周面が貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側の縁近傍及び載置面側と反対側の縁近傍の少なくとも一方に当接することを抑制し得る。このため、貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側の縁近傍または載置面側と反対側の縁近傍に形成される凹凸の影響を抑制し得る。このため、発光素子から出射する光を反射するリフレクタ等の光学部材に対する発光素子の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、所望の配光を形成し得る光源ユニットとし得る。
【0039】
なお、当接面は基板の側面の一部と常に当接していなくても良く、載置面に沿って基板が移動する際に当接可能であれば良い。また、載置面を平面視する場合のリブの延在方向と垂直な方向における当該リブの一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、貫通孔を規定する基板の内周面の一部と常に当接していなくても良い。リブにおけるこれらの外周面は、載置面に沿って基板が移動する際に当接可能であれば良い。
【0040】
また、第3の態様の光源ユニットでは、前記搭載部材は、前記リブが形成される面と前記リブにおける前記載置面に対して傾倒する側の外周面とに接続されるリブ補強部を更に有することが好ましい。
【0041】
このように構成することで、リブ補強部がない場合と比べてリブの強度が向上され、リブの破損等を抑制することができる。このため、搭載部材に対する基板の位置がずれることを抑制でき、配光が変化することを抑制し得る。
【0042】
また、第3の態様の光源ユニットでは、前記搭載部材は、前記当接面が形成される突起を更に有し、前記リブは、前記載置面の法線方向において前記突起よりも突出することが好ましい。
【0043】
このように構成することで、基板が突起に当接する前にリブを基板の貫通孔に挿入し得る。このため、貫通孔に挿入されるリブによって搭載部材に対する基板の位置をある程度規制することができ、このように規制された状態で基板を載置面に載置することができる。このため、基板を載置面に載置させ易くし得る。
【0044】
また、第3の態様の光源ユニットでは、前記搭載部材は、発光素子が搭載される第2基板の少なくとも一部が載置され前記載置面と非平行な第2載置面を更に有し、前記リブの延在方向から見る場合に前記第2載置面が視認可能であることとされても良い。
【0045】
互いに非平行な2つの載置面を有する搭載部材を金型成形によって形成する場合、少なくとも一方の載置面の法線は型開方向と非平行となる。このため、法線が型開方向と非平行な載置面にリブを形成する場合、生産性の観点からこのリブは型開方向に延在し載置面の法線に対して傾斜するリブとされる傾向がある。この搭載部材は、リブの延在方向から見る場合に第2載置面が視認可能であるため、型開方向をリブの延在方向とした金型成形によって成形し得る。このため、搭載部材が互いに非平行な2つの載置面を有していても、当該搭載部材の生産性の低下を抑制しつつ、上記のように載置面の法線に対して傾斜するリブを用いて搭載部材に対する基板の位置を所定の範囲内に規制し得る。
【0046】
本発明の第4の態様による搭載部材の製造方法は、基板が搭載される搭載部材の製造方法であって、前記搭載部材は、前記基板の少なくとも一部が載置される載置面、前記載置面の法線に対して傾斜するリブ、及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有し、前記載置面を平面視する場合に前記当接面が前記リブの延在方向と非平行であり、前記載置面を覆う仮載置面、前記当接面を覆う仮当接面、及び前記リブを有する中間部材を金型成形によって形成する金型成形工程と、前記仮載置面及び前記仮当接面を切削して前記載置面及び前記当接面を形成する切削工程と、を備え、前記切削工程において前記載置面の少なくとも一部と前記当接面の少なくとも一部とを同時に形成することを特徴とする。
【0047】
この搭載部材の製造方法では、上記のように切削工程において載置面の少なくとも一部と当接面の少なくとも一部とを同時に形成するため、載置面の少なくとも一部と当接面の少なくとも一部とを同時に形成しない場合と比べて、搭載部材の生産性を向上し得る。
【0048】
本発明の第5の態様による光源ユニットは、発光素子が搭載される基板と、前記基板の少なくとも一部が載置される載置面及び前記基板の側面の一部に当接する当接面を有する搭載部材と、少なくとも前記基板における前記発光素子が搭載される搭載面上の接触部に接触し、前記基板を前記載置面及び前記当接面に押し付ける押付部材と、を備えることを特徴とする。
【0049】
この光源ユニットでは、基板は押付部材によって載置面及び当接面に押し付けられる。このため、光源ユニットが振動する場合であっても、基板が載置面から浮き上がったり、基板が載置面に沿って当接面に対する押し付け方向と反対側にずれたりすることを抑制し得る。このため、発光素子から出射する光を反射するリフレクタ等の光学部材に対する発光素子の位置がずれることを抑制し得る。従って、所望の配光を形成し得る光源ユニットとし得る。
【0050】
また、第5の態様の光源ユニットでは、前記当接面は、前記基板を平面視する場合に前記接触部よりも前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向に位置することとされても良い。
【0051】
また、第5の態様の光源ユニットでは、前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で当該方向と垂直な方向における前記接触部の一端を通る直線と、当該直線と平行で前記接触部の他端を通る別の直線との間に位置することが好ましい。
【0052】
このように構成することで、押付部材が基板を当接面に押し付ける力は、基板における押付部材と接触する接触部から当接面に向かうことになる。従って、押付部材は基板を当接面に適切に押し付けることができ、光源ユニットが振動する場合であっても、基板が載置面に沿って当接面に対する押し付け方向と反対側にずれることを適切に抑制し得る。
【0053】
また、第5の態様の光源ユニットでは、前記基板は、2つの前記接触部を有し、前記当接面の少なくとも一部は、前記基板を平面視する場合に前記押付部材が前記基板を前記当接面に押し付ける力の方向と平行で一方の前記接触部における他方の前記接触部側と反対側の端を通る直線と、当該直線と平行で他方の前記接触部における一方の前記接触部側と反対側の端を通る別の直線との間に位置することが好ましい。
【0054】
このように構成することで、当接面が基板を平面視した場合に上記の一方の直線を基準とした他方の直線側と反対側または他方の直線を基準とした一方の直線側と反対側に位置する場合と比べて、サポートプレートは基板を当接面に適切に押し付け得る。このため、光源ユニットが振動する場合であっても、基板が載置面に沿って当接面に対する押し付け方向と反対側にずれることを適切に抑制し得る。
【0055】
また、第5の態様の光源ユニットでは、前記押付部材は弾性を有し、前記基板は前記押付部材の弾性力によって前記載置面及び前記当接面に押し付けられることが好ましい。
【0056】
このように構成することで、光源ユニットの振動等によって基板の側面の一部と当接面とが離れたとしても、押付部材の弾性力によって基板の側面の一部と当接面とを当接し得る。つまり、光源ユニットの振動等によって基板が載置面に沿って当接面に対する押し付け方向と反対側にずれたとしても、基板をずれる前と概ね同じ位置に移動させ得る。
【0057】
本発明の第6の態様による光源ユニットは、発光素子がそれぞれ搭載される第1基板及び第2基板と、前記第1基板の少なくとも一部が載置される第1載置面及び前記第2基板の少なくとも一部が載置される第2載置面を有するヒートシンクと、を備え、前記第1基板と前記第2基板とは所定の間隔をあけて前記ヒートシンクに載置され、前記第1載置面の前記第1基板側に延びる法線は、前記第2載置面の前記第2基板側に延びる法線と交わることを特徴とする。
【0058】
このように構成することで、第1載置面と第2載置面とが同一平面上に位置する場合と比べて、第1基板に搭載される発光素子と第2基板に搭載される発光素子との距離を短くしつつ、ヒートシンクの表面に沿ったこれら発光素子間の距離を長くすることができる。従って、これら発光素子で発生する熱をより適切にヒートシンク内に分散させることができ、ヒートシンクにおけるこれら発光素子間の領域が過加熱されることを抑制し得る。また、第1載置面と第2載置面とが同一平面上に位置する場合と比べて、2つの発光素子間の距離を短くすることができ、小型化し得る。従って、ヒートシンクの過加熱を抑制しつつ、小型化し得る光源ユニットとし得る。
【0059】
また、第6の態様の光源ユニットでは、上記光源ユニットは、ファンを更に備え、前記ヒートシンクは、一方の面に前記第1載置面が形成される第1ベース板と、一方の面に前記第2載置面が形成される第2ベース板とを有し、前記第1ベース板の外縁の一部と前記第2ベース板の外縁の一部とが互いに接続され、前記ファンは、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面における空気の流れを形成することが好ましい。
【0060】
このように構成することで、ファンによって第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍に空気が留まることを抑制でき、ファンを備えない場合と比べて第1ベース板及び第2ベース板を冷却できる。なお、ファンは、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かうように空気を送り出すことで当該面における空気の流れを形成しても良く、これら他方の面の近傍における空気を吸引することで当該面における空気の流れを形成しても良い。また、第1載置面は板部材である第1ベース板の一方の面に形成され、第2載置面は板部材である第2ベース板の一方の面に形成される。このため、第1ベース板の他方の面は第2ベース板の他方の面に対して傾斜しており、第1ベース板の他方の面と第2ベース板の他方の面とのなす角度は180度よりも大となる。このため、これら2つの他方の面が共に当該面とファンとの間における空気の流れ方向に対して垂直な面とされたり、2つの他方の面のなす角度が180度よりも小とされたりする場合と比べて、これらの他方の面はファンによって形成さ空気の流れの抵抗となり難い。このため、これらの面の近傍における空気の流速が遅くなることを抑制し得る。このため、ファンによって第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【0061】
また、第6の態様の光源ユニットでは、光源ユニットがファンを備える場合、前記ヒートシンクは、一方の端の少なくとも一部が前記第1ベース板及び前記第2ベース板に固定される筒状の周壁部と、前記周壁部の内部空間と外部空間とを連通する通気口と、を有し、前記ファンは、前記周壁部の他方の端における開口を通る空気の流れを形成し、前記通気口の少なくとも一部は、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、前記第1ベース板と前記第2ベース板との接続部よりも前記ファン側と反対側に配置されることが好ましい。
【0062】
ここで、周壁部の他方の端における開口を通る空気の流れには、この開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れと、この開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れとが含まれる。周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合、この開口から周壁部の内部空間に流入する空気の一部は、周壁部の内部空間を通って第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かう。そして、この空気の一部は、通気口を通って周壁部の外部空間へ流出される。このようにファンによって第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かう空気は、周壁部がない場合と比べて、周壁部によって拡散することが抑制される。このため、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かう空気の量を多くでき、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。また、上記のように、通気口の少なくとも一部は、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、第1ベース板と第2ベース板との接続部よりもファン側と反対側に配置される。このため、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍に空気が留まることを抑制でき、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。一方、周壁部の開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合、通気口から周壁部の内部空間に空気が流入する。この通気口から流入する空気の一部は、周壁部の内部空間を通って周壁部の他方の端における開口から周壁部の外部空間に流出される。ここで、上記のように、通気口の少なくとも一部は、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、第1ベース板と第2ベース板との接続部よりも前記ファン側と反対側に配置される。このため、通気口から流入する空気の一部は、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍を通って周壁部の他方の端における開口へ向かう。つまり、これら他方の面の近傍における空気がファンによって吸引される。このため、ファンは、周壁部がない場合と比べて、これら他方の面の近傍における空気をより多く吸引し得る。従って、これら他方の面の近傍に空気が留まることを抑制でき、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。なお、ファンは、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れ、及びこの開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れの少なくとも一方を形成できれば良い。例えば、ファンは、形成する空気の流れを切り換え可能とされても良い。
【0063】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが周壁部を有する場合、前記周壁部は、前記ファンの外周を囲うことが好ましい。
【0064】
このように構成することで、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、周壁部がファンの外周を囲わない場合と比べて、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かう空気の量を多くし得る。一方、周壁部の開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、周壁部がファンの外周を囲わない場合と比べて、ファンは第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍における空気を多く吸引し得る。このため、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【0065】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが周壁部を有する場合、前記通気口の開口方向において、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の一部は前記通気口と重なることが好ましい。
【0066】
このように構成することで、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、通気口から周壁部の外部空間へ流出される空気の一部を第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方の基板に向かわせることができる。このため、第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方の基板を、ヒートシンクによって冷却するとともに、通気口のから流出される空気によっても直接的に冷却し得る。一方、周壁部の開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、通気口から周壁部の内部空間へ流入しようとする空気の一部が第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方の基板に沿って流れるようにし得る。このため、第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方の基板を、ヒートシンクによって冷却するとともに、通気口から周壁部の内部空間へ流入しようとする空気によっても直接的に冷却し得る。従って、第1基板及び第2基板をより適切に冷却し得る。
【0067】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが周壁部を有する場合、前記ヒートシンクは、少なくとも前記周壁部の内部空間において当該周壁部の前記一方の端側から前記他方の端側に向かって延在する少なくとも1つの整流板を更に有することが好ましい。
【0068】
このように構成することで、周壁部の内部空間における空気の流れの乱れが整えられる。このため、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、ヒートシンクが整流板を有さない場合と比べて、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面に向かう空気の量を多くし得る。一方、周壁部の開口を通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、ヒートシンクが整流板を有さない場合と比べて、ファンは第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍における空気を多く吸引し得る。このため、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【0069】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが整流板を有する場合、前記整流板は、前記第1ベース板及び前記第2ベース板に接続されることが好ましい。
【0070】
第1基板及び第2基板の熱の一部は、第1ベース板及び第2ベース板に伝達された後、第1ベース板及び第2ベース板に接続される部材、例えば筒壁部等に分散される。この光源ユニットでは、上記のように整流板は第1ベース板及び第2ベース板に接続されるため、整流板にも熱を分散させることができ、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【0071】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが整流板を有する場合、前記整流板は、前記通気口の開口方向から見る場合に当該通気口を横断することが好ましい。
【0072】
上記のように、整流板は、周壁部の内部空間において周壁部の一方の端側から他方の端側に向かって延在する。このため、周壁部の内部空間において、周壁部と整流板によって挟まれる空間が形成され得る。また、ヒートシンクが複数の整流板を有する場合には、複数の整流板によって挟まれる空間が形成され得る。この光源ユニットでは、上記のように整流板は通気口の開口方向から見る場合に当該通気口を横断するため、周壁部の内部空間に形成され得る上記の空間はいずれも通気口と連通する。このため、周壁部の内部空間に空気が滞留することを抑制することができ、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【0073】
また、第6の態様の光源ユニットでは、通気口の開口方向から見る場合に整流板が通気口を横断する場合、前記通気口の開口方向において、前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一方の基板の一部は前記通気口と重なり、前記整流板の少なくとも1つは、前記通気口から前記周壁部の外部空間へ突出する突出部を有し、前記突出部は、前記通気口の開口方向から見る場合に当該通気口と重なる基板に接触することが好ましい。
【0074】
このように構成することで、突出部は、第1載置面または第2載置面の一部を兼ねることになり、第1載置面または第2載置面の一部を兼ねない場合と比べて、第1載置面または第2載置面の面積が増加する。このため、第1基板または第2基板のうち少なくとも一方の基板をより安定して載置させ得る。また、整流板は上記のように周壁部の内部空間において延在するため、ファンによって周壁部の内部空間を流れる空気によって冷却される。このように冷却される整流板における突出部が第1基板及び第2基板のうち少なくとも一方の基板に接触するため、整流板が接触する基板をより適切に冷却し得る。また、整流板の突出部は通気口から周壁部の外部空間へ突出するため、この突出部によって通気口の近傍における空気の流れの乱れが整えられ、空気をより適切に通気口から周壁部の外部空間へ流出させたり、通気口から周壁部の内部空間に流入させたりし得る。従って、第1基板及び第2基板をより適切に冷却し得る。
【0075】
また、第6の態様の光源ユニットでは、ヒートシンクが周壁部を有する場合、前記通気口は、前記第1ベース板の他方の面及び前記第2ベース板の他方の面に垂直な断面において、前記第1ベース板と前記第2ベース板との接続部よりも前記第1ベース板側に配置される第1通気口と、前記第2ベース板側に配置される第2通気口とを含むことが好ましい。
【0076】
このように構成することで、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、第1ベース板と第2ベース板の近傍の空気のうち、第1ベース板側の空気の一部を第1ベース板側に配置される第1通気口から周壁部の外部空間へ流出し得る。また、第2ベース板側の空気の一部を第2ベース板側に配置される第1通気口から周壁部の外部空間へ流出し得る。このため、空気をより適切に周壁部の外部空間へ流出させることができ、通気口が第1通気口または第2通気口とされる場合と比べて、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。一方、周壁部の開口を通り周壁部の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファンが形成する場合では、第1通気口から周壁部の内部空間へ流入する空気の一部を第1ベース板の他方の面に沿って流れるようにし得る。また、第2通気口から周壁部の内部空間へ流入する空気の一部を第2ベース板の他方の面に沿って流れるようにし得る。このため、第1ベース板の他方の面及び第2ベース板の他方の面の近傍に空気が留まることを適切に抑制でき、通気口が第1通気口または第2通気口とされる場合と比べて、第1ベース板及び第2ベース板をより適切に冷却し得る。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】本実施形態に係る光源ユニットを備える灯具を示す図である。
図2図1に示す灯具ユニット及び支持ユニットの斜視図である。
図3図1に示す灯具ユニットを前方側から見る分解斜視図である。
図4図1に示す灯具ユニットを後方側から見る分解斜視図である。
図5】ヒートシンクの斜視図である。
図6】ヒートシンクの概略断面図である。
図7】第1基板、第2基板、及びフレキシブルプリント回路基板の正面図である。
図8】第1基板がヒートシンクに搭載された様子を示す図である。
図9】第1基板、及び第2基板がヒートシンクに搭載された様子を示す図である。
図10】第2基板がヒートシンクに載置された様子を示す図である。
図11図9におけるフレキシブルプリント回路基板を通る概略断面図である。
図12】光源ユニットの斜視図である。
図13】光源ユニットの正面図である。
図14】光源ユニットの概略断面図である。
図15】サポートプレートを前方側から見る斜視図である。
図16】サポートプレートを後方側から見る斜視図である。
図17図9における第2基板を平面視した状態を示す図である。
図18】第2基板がヒートシンクに固定された様子を示す図である。
図19】灯具ユニットの概略断面図である。
図20】配光パターンを示す図である。
図21図4図6に示すヒートシンクの製造方法を示すフローチャートである。
図22】中間部材の一部を示す概略断面図である。
図23】本発明の第2実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。
図24】本発明の第3実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。
図25】本発明の第4実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。
図26】本発明の第5実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下、本発明に係る光源ユニットを実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。
【0079】
(第1実施形態)
まず、本実施形態の灯具の構成について説明する。
【0080】
図1は、本実施形態に係る光源ユニットを備える灯具を示す図である。本実施形態では、灯具は車両用前照灯とされる。車両用前照灯は、一般的に車両の前方の左右方向のそれぞれに備えられるものであり、左右の前照灯は左右方向に概ね対称の構成とされる。従って、本実施形態では、一方の車両用前照灯について説明する。
【0081】
図1に示すように、本実施形態の車両用前照灯1は、筐体2と、灯具ユニット3と、支持ユニット4とを主な構成として備える。なお、図1は、車両用前照灯1の側面図であり、図1では理解容易のために筐体2は断面図で示されている。
【0082】
次に、筐体2について説明する。
【0083】
筐体2は、ランプハウジング11、フロントカバー12及びバックカバー13を主な構成として備える。ランプハウジング11の前方は開口しており、当該開口を塞ぐように透光性を有するフロントカバー12がランプハウジング11に固定されている。ランプハウジング11の後方には前方よりも小さな開口が形成されており、当該開口を塞ぐようにバックカバー13がランプハウジング11に固定されている。
【0084】
ランプハウジング11と、当該ランプハウジング11の前方の開口を塞ぐフロントカバー12と、当該ランプハウジング11の後方の開口を塞ぐバックカバー13とによって形成される空間は灯室Rとされる。この灯室R内に灯具ユニット3及び支持ユニット4が収容されている。
【0085】
次に、支持ユニット4について説明する。
【0086】
図2は、図1に示す灯具ユニット及び支持ユニットの斜視図である。図1図2に示すように、支持ユニット4は、ブラケット15と、第1接続アーム16aと、第2接続アーム16bとを主な構成として備える。ブラケット15は、枠状体とされ、左右方向に延在するベース部15aと、ベース部15aの左右両端部からそれぞれ上方へ延在する柱部15b,15cと、左右方向に延在して2つの柱部15b,15cの上端部に連結する支持部15dとを有する。ベース部15aと支持部15dとの間に灯具ユニット3が配置される。灯具ユニット3の上部とブラケット15の支持部15dとが第1接続アーム16aによって連結され、当該灯具ユニット3はブラケット15の支持部15dに吊り下げられている。また、灯具ユニット3の下部とブラケット15のベース部15aとが第2接続アーム16bによって連結され、第2接続アーム16bのベース部15a側は当該ベース部15aに取り付けられる不図示の駆動ユニットに不図示のギア等を介して接続される。このように灯具ユニット3は第1接続アーム16a及び第2接続アーム16bによってブラケット15に取り付けられる。ベース部15aに取り付けられる不図示の駆動ユニットによって、灯具ユニット3は、ブラケット15に対して左右方向への回動及び前後方向への傾倒が可能とされている。なお、ブラケット15は、不図示の手段によって筐体2に固定されている。
【0087】
次に、灯具ユニット3について説明する。
【0088】
図3は、図1に示す灯具ユニットを前方側から見る分解斜視図であり、図4は、図1に示す灯具ユニットを後方側から見る分解斜視図である。なお、図3図4には、支持ユニット4の第1接続アーム16a及び第2接続アーム16bも記載されている。図3図4に示すように、本実施形態の灯具ユニット3は、投影レンズ20と、レンズホルダ25と、光源ユニットLUとを主な構成として備える。
【0089】
次に、光源ユニットLUについて説明する。
【0090】
図3図4に示すように、本実施形態の光源ユニットLUは、押付部材としてのサポートプレート30と、リフレクタユニット40と、第1基板50と、第2基板60と、2つのフレキシブルプリント回路基板70と、搭載部材としてのヒートシンク80と、ファン81とを主な構成として備える。
【0091】
次に、ヒートシンク80について説明する。
【0092】
図5は、ヒートシンクの斜視図であり、図6は、ヒートシンクの概略断面図である。なお、図6には、ファン81も記載されている。図4図6に示すように、ヒートシンク80は、例えば金属から形成され、第1ベース板82と、第2ベース板83と、周壁部84と、整流板85を主な構成として備える。
【0093】
第1ベース板82は、前方斜め上方及び左右に延在する板状体である。本実施形態では、第1ベース板82の前面82fには、第1載置面86、第1リブ87、ボス88、及び、凹部89が形成されている。第1載置面86は、第1基板50の少なくとも一部載置される面であり、第1ベース板82の前面82fから前方へ突出する台座90の端面とされ、第1ベース板82の前面82fと概ね平行である。なお、本明細書における概ね平行とは、完全に平行な状態とともに、完全に平行な状態から一方が他方に対して1°程度傾いている状態も含む。この第1載置面86の外縁のうち下端に位置する外縁86eは、左右方向に延びている。
【0094】
図5に示すように、第1ベース板82の前面82fの下方側の領域には、第1リブ87が形成され、この第1リブ87は、前面82fから前方へ突出している。このため、第1リブ87は、第1載置面86の法線に対して傾斜している。この第1リブ87は、第1載置面86を平面視する場合に下方から上方へ向けて延在し、第1載置面86に対して上方側へ傾いている。本実施形態では、第1リブ87の長手方向と垂直な断面の形状は円形とされる。
【0095】
第1リブ87よりも上方側には、2つのボス88が形成され、第1リブ87と同様にして、第1ベース板82の前面82fから前方へ突出している。このため、ボス88は、第1載置面86の法線に対してそれぞれ傾斜している。それぞれのボス88は、第1載置面86を平面視する場合に下方から上方へ向けて延在し、第1載置面86に対して上方側へ傾いている。それぞれのボス88の下方側の外周面には、第1載置面86と概ね垂直な当接面88sが形成されている。なお、本明細書における概ね垂直とは、完全に垂直な状態とともに、完全に垂直な状態から一方が他方に対して1°程度傾いている状態も含む。本実施形態では、それぞれのボス88における当接面88sは第1載置面86を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、第1載置面86を平面視する場合に第1リブ87の延在方向である上下方向と非平行とされている。
【0096】
第1載置面86よりも右側及び左側には、それぞれ凹部89が形成されている。この凹部89は、第1ベース板82の前面82fが第1載置面86側と反対側に凹む部位である。本実施形態では、凹部89は後述のように鉛直断面において円弧状に窪んでいる。
【0097】
第2ベース板83は、前方斜め下方及び左右に延在する板状体である。第2ベース板83の上側の外縁は第1ベース板の下側の外縁に接続されている。本実施形態では、第2ベース板83の前面83fには、第2載置面91、第2リブ92、リブ補強部93、突起94、及び2つのボス100が形成されている。第2載置面91は、第2基板60の少なくとも一部が載置される面であり、第2ベース板83の前面83fから前方へ突出する台座95の端面とされ、第2ベース板83の前面83fと概ね平行である。このため、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線は、第1載置面86の第1基板50側に延びる法線と交わり、第1載置面86と第2載置面91とのなす角は180度未満である。従って、第1載置面86と第2載置面91とは互いに非平行であるとともに、第1基板50と第2基板60とのなす角も180度より小である。また、第1ベース板82及び第2ベース板83は板状体であるため、第1ベース板82の背面82bは第2ベース板83の背面83bに対して傾斜しており、第1ベース板82の背面82bと第2ベース板83の背面83bとのなす角は180度よりも大となる。具体的には、第1ベース板82の背面82bは前方に向けて斜め上方に傾斜し、第2ベース板83の背面83bは前方に向けて斜め下方に傾斜する。なお、図6は、第1ベース板82の前面82f及び第2ベース板83の前面83fに垂直な断面図である。上記のように第1ベース板82及び第2ベース板83は、それぞれ板状体であるため、図6は、第1ベース板82の背面83b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面図でもある。また、第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側である上端に位置する外縁91eは、第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側である下端に位置する外縁86eと概ね平行とされている。
【0098】
図5に示すように、第2ベース板83の前面83fの下方側の領域には、第2リブ92が形成され、この第2リブ92は、第2ベース板83の前面83fから前方へ突出している。このため、第2リブ92は、第2載置面91の法線に対して傾斜している。この第2リブ92は、第2載置面91を平面視する場合に上方から下方へ向けて延在し、第2載置面91に対して下方側へ傾いている。本実施形態では、第2リブ92の長手方向と垂直な断面の形状は円形とされる。また、第2リブ92と上記の第1リブ87とは概ね平行とされている。第1リブ87の延在方向のうち第1リブ87の先端側である前方から見る場合に第2載置面91が視認可能とされている。また、第2リブ92の延在方向のうち第2リブ92の先端側である前方から見る場合に第1載置面86が視認可能とされている。
【0099】
第2リブ92の外周面の下方側には、リブ補強部93が形成され、このリブ補強部93は、第2ベース板83の前面83fに接続されている。このリブ補強部93によって、第2リブ92が第2載置面91に対して下方側へ傾倒することが抑制されている。また、リブ補強部93がない場合と比べて第2リブ92の強度が向上されている。本実施形態では、リブ補強部93は第2基板60と非接触とされる。
【0100】
第2ベース板83の左右方向の両側には、突起94が形成されている。それぞれの突起94は、第2ベース板83の前面83fから第2載置面91の法線方向に突出している。それぞれの突起94における上方側及び下方側の外周面には、第2載置面91と概ね垂直な当接面94sがそれぞれ形成されている。本実施形態では、当接面94sは第2載置面91を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、第2載置面91を平面視する場合に第2リブ92の延在方向である上下方向と非平行とされている。また、上記の第2リブ92は、第2載置面91の法線方向において、この突起94よりも突出している。
【0101】
第2ベース板83の左右方向の両側には、ボス100が形成され、この2つのボス100の間に上記の突起94が位置している。それぞれのボス100は、第2リブ92と概ね平行に第2ベース板83の前面83fから前方へ突出する。それぞれのボス100の先端は、概ね鉛直で当該ボス100の突出方向に概ね垂直な平面とされる。なお、本明細書における概ね鉛直とは、完全に鉛直な状態とともに、完全に鉛直な状態から1°程度傾いている状態も含む。それぞれのボス100の先端部には、端面からボス100に沿って雌螺子100aが形成される。
【0102】
第1ベース板82における台座90の下方側の外周面と台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83fとの間には、流動部材用凹部96が形成されている。この2つの面は、第1載置面86側から第2載置面91側に向かって並んでおり、この2つの面のなす角は180度よりも小とされている。流動部材用凹部96はこの2つの面に接続している。本実施形態では、図6に示すように、流動部材用凹部96の鉛直断面における形状は略V字状とされる。なお、流動部材用凹部96の鉛直断面における形状は特に限定されず、例えばU字形状とされても良い。
【0103】
図5に示すように、流動部材用凹部96を規定する面には、前方へ向けて突出する突起97が形成されている。突起97は、第1載置面86の法線方向において第1載置面86よりも突出している。突起97の上側の外周面には、第1載置面86と概ね垂直な当接面97sが形成されている。当接面97sは、第1ベース板82に形成されるボス88の当接面88sよりも下方側に位置している。本実施形態では、流動部材用凹部96は、台座90における下方側の外周面と台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83fとに接続している。このため、突起97は流動部材用凹部96を上下方向に横断している。また、本実施形態では、2つの突起97が形成され、当接面97sは第1載置面を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、第1載置面86を平面視する場合に第1リブ87の延在方向である上下方向と非平行とされている。
【0104】
周壁部84は、前後方向に延在する筒状体とされる。周壁部84の前端の一部は、図4に示すように、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに固定される。周壁部84の後端は、開放端とされ、開口84Hが形成されている。本実施形態では、周壁部84は、一対の側壁84a,84aと、上壁84bと、下壁84cとからなる。一対の側壁84a,84aは、所定の間隔をあけて前後及び上下に延在する板状体である。一対の側壁84a,84aの前側の外縁は、第1ベース板82の上側の外縁から第2ベース板83の下側の外縁まで第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに接続される。図6に示すように、上壁84bは、第1ベース板82の上側の外縁よりも上方に位置し、一対の側壁84a,84aの上側の外縁間を連結して前後及び左右に延在する板状体である。下壁84cは、第2ベース板83の下側の外縁よりも下方に位置し、一対の側壁84a,84aの下側の外縁間を連結して前後及び左右に延在する板状体である。
【0105】
このような上壁84bの内面と第1ベース板82の上側の外縁とによって規定される第1通気口98aがヒートシンク80には形成されている。第1通気口98aは、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりも前方において、接続部99よりも第1ベース板82側に配置されている。また、ヒートシンク80には、下壁84cの内面と第2ベース板83の下側の外縁とによって規定される第2通気口98bが形成されている。第2通気口98bは、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりも前方において、接続部99よりも第2ベース板83側に配置されている。この第1通気口98a及び第2通気口98bは、周壁部84の内部空間と外部空間とを連通している。
【0106】
整流板85は、周壁部84の内部空間に配置され周壁部84の前端側から後端側に向かって延在する板状体である。図4に示すように、本実施形態では、整流板85は前後及び上下に延在し、当該整流板85の上側の外縁は周壁部84の上壁84bの内周面に接続され、当該整流板85の下側の外縁は、周壁部84の下壁84cの内周面に接続される。図6に示すように、この整流板85の前側の外縁85fは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに接続される。整流板85の後側の外縁85bは、開口84Hよりも前方側に位置している。なお、図6では、整流板85の前側の外縁85f及び後側の外縁85bは、それぞれ破線で示されている。本実施形態では、ヒートシンク80は複数の整流板85を有する。この複数の整流板85は、それぞれ第1通気口98aの開口方向である前方から見る場合に、第1通気口98aを横断し、第2通気口98bの開口方向である前方から見る場合に、第2通気口98bを横断している。また、複数の整流板85のうち、いくつかの整流板85は、第2通気口98bから前方へ延びて周壁部84の外部空間へ突出する突出部85aを有する。
【0107】
次に、ファン81について説明する。
【0108】
図6に示すように、ファン81は、周壁部84の内部空間のうち整流板85よりも後方に配置され、ファン81の外周は周壁部84によって囲われている。ファン81は、図4に示すねじ81aによってヒートシンク80に固定される。本実施形態では、ファン81は、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに空気を送り出す。つまり、これら背面82b、83bとファン81との間における空気の流れ方向は、後方から前方へ向かう方向である。なお、ファン81は、送風方向を逆向きに切り換え可能に構成されている。つまり、ファン81は、送風方向が逆向きに切り換えられることで、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83b側ではなく、開口84H側に空気を送り出すこともできる。ところで、上記のように第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもそれぞれ前方に位置している。このため、第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置されている。
【0109】
次に、第1基板50、第2基板60、及びフレキシブルプリント回路基板70について説明する。
【0110】
図7は、第1基板、第2基板、及びフレキシブルプリント回路基板の正面図である。図3図4では、フレキシブルプリント回路基板70は湾曲した状態で示されていたが、図7では、フレキシブルプリント回路基板70が非湾曲状態とされ、第1基板50と第2基板60とが同一平面上に展開された状態が示されている。
【0111】
第1基板50は板状体であり、例えば金属からなる。第1基板50には、板厚方向に貫通する貫通孔51が形成されている。貫通孔51を規定する第1基板50の内周面には、第1基板50の一方の面から他方の面まで対向するとともに互いに概ね平行な平面である2つの第1当接面51sが形成されている。つまり、第1当接面51sは貫通孔51を規定する第1基板50の内周面の一部である。この第1当接面51sは、第1基板50の前面及び背面と概ね垂直とされている。また、この貫通孔51は、上記ヒートシンク80の第1ベース板82における第1リブ87に対応する位置に形成されており、2つの第1当接面51s間の距離は、第1リブ87の外径よりも僅かに大とされている。例えば、2つの第1当接面51s間の距離は、第1リブ87の外径よりも0.05mmから0.1mm程度大きくされても良い。
【0112】
第1基板50を平面視する場合に、第1当接面51sと平行な方向の一方の側の側面は、第1当接面51sと概ね垂直な第2当接面52sとされている。また、第1基板50を平面視する場合に、第2当接面52s側との反対側の外縁には、第2当接面52s側に外縁が凹む位置決め用凹部53が形成されている。この位置決め用凹部53を規定する第1基板50の側面には、第1基板50の一方の面から他方の面まで第1当接面51sと概ね垂直な第3当接面53sが形成されている。位置決め用凹部53は、上記ヒートシンク80の第1ベース板82におけるボス88に対応する位置に形成されており、2つの位置決め用凹部53が形成されている。第2当接面52sと第3当接面53sとの距離は、上記ヒートシンク80におけるボス88の当接面88sと突起97の当接面97s間の距離よりも僅かに小とされている。例えば、第2当接面52sと第3当接面53sとの距離は、ボス88の当接面88sと突起97の当接面97s間の距離よりも0.05mmから0.1mm程度小さくされても良い。また、第1基板50には、第2当接面52s側の外縁から第2当接面52s側と反対側に所定の位置まで延びる切り欠き54が形成されている。本実施形態では、2つの切り欠き54が形成されている。
【0113】
第1基板50の一方の面上には、第1発光素子55とサーミスタ56とが搭載されている。第1基板50を平面視する場合に、第1発光素子55は第2当接面52s側に位置し、サーミスタ56は第2当接面52s側と反対側に位置している。本実施形態では、第1発光素子55とサーミスタ56との間に第1基板50の重心50Gが位置している。第1発光素子55は、ロービームとなる第1の光を出射する。第1発光素子55として、例えばLEDが挙げられる。本実施形態では、第1発光素子55は、第1基板50を平面視する場合に、第1当接面51sと概ね垂直な方向に並列される複数のLEDからなるLEDアレイとされている。このLEDアレイは、第1基板50に形成される給電回路57によって直列に接続されている。サーミスタ56は、第1基板50に形成されるサーミスタ回路58に接続される。なお、第1発光素子55、サーミスタ56、給電回路57、及びサーミスタ回路58は、第1基板50の表面に設けられる不図示の絶縁層によって第1基板50とそれぞれ絶縁されている。
【0114】
第2基板60は板状体であり、例えば金属からなる。第2基板60には、板厚方向に貫通する貫通孔61が形成されている。貫通孔61を規定する第2基板60の内周面には、第2基板60の一方の面から他方の面まで対向するとともに互いに概ね平行な平面である2つの第1当接面61sが形成されている。つまり、第1当接面61sは貫通孔61を規定する第2基板60の内周面の一部である。この第1当接面61sは第2基板60の前面及び背面と概ね垂直とされている。また、この貫通孔61は、上記ヒートシンク80の第2ベース板83における第2リブ92に対応する位置に形成されており、2つの第1当接面61s間の距離は、第2リブ92の外径よりも僅かに大とされる。例えば、2つの第1当接面61s間の距離は、第2リブ92の外径よりも0.05mmから0.1mm程度大きくされても良い。
【0115】
第2基板60を平面視する場合に、第2基板60の外縁が第1当接面61sと概ね垂直な方向へ凹む位置決め用凹部62が形成されている。位置決め用凹部62を規定する第2基板60の側面には、第2基板60の一方の面から他方の面まで対向して第1当接面61sと概ね垂直な2つの第2当接面62sが形成されている。この位置決め用凹部62は、上記ヒートシンク80の第2ベース板83における突起94に対応する位置に形成されており、2つの位置決め用凹部62が第2ベース板83に形成されている。それぞれの位置決め用凹部62における2つの第2当接面62s間の距離は、突起94における2つの当接面94s間の距離よりも僅かに大とされる。例えば、2つの第2当接面62s間の距離は、突起94における2つの当接面94s間の距離よりも0.05mmから0.1mm程度大きくされても良い。
【0116】
第2基板60の一方の面上には、第2発光素子63とコネクタ64とが搭載されている。第2基板60を平面視する場合に、第2発光素子63は第1当接面61sと平行な方向の一方の側に位置し、コネクタ64は、他方の側に位置している。本実施形態では、第2発光素子63とコネクタ64との間に第2基板60の重心60Gが位置している。第2発光素子63とコネクタ64とは、第2基板60に形成される給電回路65によって電気的に接続される。第2発光素子63は、ハイビームとなる第2の光を出射する。第2発光素子63として、例えばLEDが挙げられる。本実施形態では、第2発光素子63は、第2基板60を平面視する場合に、第1当接面61sと概ね垂直な方向に並列される複数のLEDからなるLEDアレイとされている。このLEDアレイは、給電回路65によって隣り合う2つのLEDが並列に接続されており、並列に接続される2つのLED毎に光を出射したり光を非出射としたりし得る。
【0117】
また、第2基板60上には、それぞれ一端がコネクタ64に接続される第1給電用配線66a、第2給電用配線66b、第1サーミスタ用配線67a、及び第2サーミスタ用配線67bが形成されている。本実施形態では、第1サーミスタ用配線67aは、第2基板60を平面視する場合に第1当接面61sと概ね垂直な方向において給電回路65よりも一方の側に位置している。第1給電用配線66aは、第2基板60を平面視する場合に第1当接面61sと概ね垂直な方向において給電回路65と第1サーミスタ用配線67aとの間に位置している。第2サーミスタ用配線67bは、第2基板60を平面視する場合に第1当接面61sと概ね垂直な方向において給電回路65よりも他方の側に位置している。第2給電用配線66bは、第2基板60を平面視する場合に第1当接面61sと概ね垂直な方向において給電回路65と第2サーミスタ用配線67bとの間に位置している。コネクタ64には、不図示のワイヤーハーネスが接続される。コネクタ64の数は特に限定されるものではなく、図7では、2つのコネクタ64が第1当接面61sと概ね垂直な方向に並列されて搭載される形態が例示されている。なお、第2発光素子63、給電回路65、第1給電用配線66a、第2給電用配線66b、第1サーミスタ用配線67a、及び第2サーミスタ用配線67bは、第2基板60の表面に設けられる不図示の絶縁層によって第2基板60とそれぞれ絶縁されている。
【0118】
本実施形態では、2つのフレキシブルプリント回路基板70は、概ね左右対称の構成とされる。以下では一方について説明し、他方についての説明は適宜省略する。フレキシブルプリント回路基板70は、可撓性を有し、例えば絶縁シートと当該絶縁シートの一方の面に設けられる金属膜とからなる。本実施形態のフレキシブルプリント回路基板70は、概ね長方形の帯部73と、帯部73の長手方向の一端に接続される第1接続部71と、帯部73の長手方向の他端に接続される第2接続部72とを有する。帯部73の長手方向と垂直な方向の幅は、当該方向における第1接続部71及び第2接続部72の幅よりも小とされる。本実施形態では、帯部73に当該帯部73の長手方向と概ね平行なスリット73sが形成されている。このスリット73sによって、帯部73の曲げ剛性がスリット73sを形成しない場合と比べて低くされている。特に、帯部73における長手方向と垂直な方向の剛性が低減されている。なお、第1接続部71、第2接続部72、及び帯部73の幅は特に限定されるものではない。例えば、帯部73の幅は、第1接続部71及び第2接続部72の幅よりも大とされても良い。また、帯部73の幅は当該帯部73の長手方向において変化しても良い。また、帯部73には、スリット73sが形成されなくても良い。
【0119】
第1接続部71には、第1給電用端子74a及び第1サーミスタ用端子75aが形成され、第2接続部72には、第2給電用端子74b及び第2サーミスタ用端子75bが形成される。また、フレキシブルプリント回路基板70には、帯部73を通って第1給電用端子74aと第2給電用端子74bとを電気的に接続する給電用配線74cが形成されている。また、給電用配線74cと同様に帯部73を通り、第1サーミスタ用端子75aと第2サーミスタ用端子75bとを電気的に接続するサーミスタ用配線75cも形成されている。給電用配線74cは、帯部73のスリット73sを基準して当該帯部73の長手方向と垂直な方向における一方の側を通る。一方、サーミスタ用配線75cは、帯部73のスリット73sを基準して当該帯部73の長手方向と垂直な方向における他方の側を通る。つまり、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71から第2接続部72まで延在する2つの配線74c、75cを有し、2つの配線74c、75c間にスリット73sが形成されている。
【0120】
このようなそれぞれのフレキシブルプリント回路基板70は、第1基板50と第2基板60とを接続するとともに、第1基板50に形成される回路と第2基板60に形成される回路とを電気的に接続する。具体的には、それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71は、第1基板50の第1発光素子55が搭載される搭載面上に、例えば半田によって接合される。それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の第2接続部72は、第2基板60の第2発光素子63が搭載される搭載面上に、例えば半田によって接合される。このようにして、それぞれのフレキシブルプリント回路基板70は、第1基板50と第2基板60とに接続される。それぞれのフレキシブルプリント回路基板70における帯部73の長手方向は、互いに概ね平行とされる。本実施形態では、同一平面上に第1基板50と第2基板60とが配置された状態において、第1基板50の第1当接面51sと第2基板60の第1当接面61sとが概ね平行とされる。また、第1基板50の第1発光素子55側が第2基板60の第2発光素子63側に位置している。
【0121】
それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71は、第1基板50を平面視する場合に、第1当接面51sと平行な方向において互いに概ね同じ場所に位置している。それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の第2接続部72は、第2基板60を平面視する場合に、第1当接面61sと平行な方向において互いに概ね同じ場所に位置している。これらフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71の間には、第1基板50の重心50G、及び第1発光素子55が位置している。それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71は、第1基板50の重心50Gよりも第1発光素子55側と反対側に位置している。これらフレキシブルプリント回路基板70の第2接続部72の間には、第2基板60の重心60G、及び第2発光素子63が位置している。なお、第1基板50の重心50G及び第1発光素子55は、それぞれ第1接続部71の間に位置していなくても良い。また、第2基板60の重心60G及び第2発光素子63は、それぞれ第2接続部72の間に位置していなくても良い。それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の帯部73の一部は、当該フレキシブルプリント回路基板70の第1基板50側と反対側から見て、第1基板50の切り欠き54と重なっている。この切り欠き54の幅は、帯部73の幅よりも大とされている。また、同様の視点において、それぞれのフレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、帯部73が横切る第2基板60の外縁から切り欠き54内における所定の位置まで、第1基板50と重なっていない。本実施形態のフレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、帯部73が横切る第2基板60の外縁から第1基板50の切り欠き54を規定する外縁のうち第2基板60側と反対側の外縁まで、第1基板50と重なっていない。また、第1基板50の第1発光素子55は、第1基板50を平面視する場合に切り欠き54における第2基板側と反対側の縁よりも第2基板60側に配置される。そして、この第1発光素子55は、帯部73の長手方向と垂直な方向において、帯部73のこのように第1基板50と重なっていない部位と重なっている。
【0122】
また、一方のフレキシブルプリント回路基板70の第1給電用端子74aには、第1基板50に形成される給電回路57におけるカソード側の端57cが接続される。他方のフレキシブルプリント回路基板70の第1給電用端子74aには、第1基板50の給電回路57におけるアノード側の端57aが接続される。また、一方のフレキシブルプリント回路基板70の第1サーミスタ用端子75aには、第1基板50に形成されるサーミスタ回路58におけるカソード側の端58cが接続される。他方のフレキシブルプリント回路基板70の第1サーミスタ用端子75aには、第1基板50に形成されるサーミスタ回路58におけるアノード側の端58aが接続される。
【0123】
一方のフレキシブルプリント回路基板70の第2給電用端子74bには、第2基板60の第1給電用配線66aのコネクタ64側と反対側の端が接続される。他方のフレキシブルプリント回路基板70の第2給電用端子74bには、第2基板60の第2給電用配線66bのコネクタ64側と反対側の端が接続される。また、一方のフレキシブルプリント回路基板70の第2サーミスタ用端子75bには、第2基板60の第1サーミスタ用配線67aのコネクタ64側と反対側の端が接続される。他方のフレキシブルプリント回路基板70の第2サーミスタ用端子75bには、第2基板60の第2サーミスタ用配線67bのコネクタ64側と反対側の端が接続される。
【0124】
このように2つのフレキシブルプリント回路基板70が第1基板50及び第2基板60に接続されることで、第2基板60のコネクタ64と第1基板50の給電回路65とが電気的に接続される。そして、第1基板50の第1発光素子55には、コネクタ64を介して電力が供給される。また、第2基板60のコネクタ64と第1基板50のサーミスタ回路58とが電気的に接続され、第1基板50のサーミスタ56に電流が印加される。
【0125】
次に、第1基板50のヒートシンク80への搭載について説明する。
【0126】
図8は、第1基板がヒートシンクに搭載された様子を示す図である。図8に示すように、第1基板50は、第1当接面51sが上下方向と概ね平行で第1発光素子55側が下方側に位置する状態で、ヒートシンク80の第1ベース板82における第1載置面86上に載置される。第1基板を平面視する場合に、第1載置面86の外縁は、第1基板50の外縁に囲われている。本実施形態では、第1基板50の第1発光素子55が搭載される側と反対側の面には、後述する流動部材としてのグリスが塗布されるため、第1基板50の第1発光素子55が搭載される側と反対側の面と第1載置面86と間にはこのグリスが介在する。第1基板50の貫通孔51には、第1ベース板82の第1リブ87が挿入される。上記のように第1リブ87は第1載置面86に対して上方側へ傾き第1載置面86を平面視する場合に下方から上方へ向けて延在しているため、第1リブ87は貫通孔51の開口方向に対して上方側へ傾いた状態で挿入される。このように貫通孔51に挿入される第1リブ87の中心は、第1リブ87の延在方向である前方から見る場合に、2つの第1当接面51sの間に位置している。上記のようにこの2つの第1当接面51s間の距離は、第1リブ87の外径よりも僅かに大とさている。このため、第1基板50がヒートシンク80に対して第1載置面86に沿って第1当接面51sと垂直な方向に移動した場合には、2つの第1当接面51sのいずれか一方に第1リブ87の外周面が当接する。ここで、上記のように第1載置面86を平面視する場合に第1リブ87は下方から上方へ向けて延在しており、第1当接面51sは上下方向と概ね平行とされている。このため、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と垂直な方向である左右方向における当該第1リブ87の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方が、第1当接面51sと当接すると理解できる。従って、第1載置面86と平行な方向における第1基板50のヒートシンク80に対する位置のうち、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と垂直な方向における位置が所定の範囲内となるように規制されている。なお、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と垂直な方向における当該第1リブ87の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、第1当接面51sと常に当接していても良い。例えば第1リブ87は貫通孔51に圧入されても良い。
【0127】
第1基板50の2つの位置決め用凹部53には、第1ベース板82の2つのボス88がそれぞれ入り込む。上記のようにボス88における当接面88sは第1載置面86と垂直で第1載置面86を平面視する場合に左右に延びる平面とされている。また、位置決め用凹部53を規定する第1基板50の側面の第3当接面53sは、上下方向と概ね平行とされる第1当接面51sに対して概ね垂直とされている。このため、当接面88sと第3当接面53sは概ね平行な状態で対向している。
【0128】
第1基板50の第2当接面52sは、ヒートシンク80の突起97よりも上方に位置する。上記のように突起97の当接面97sは、第1載置面86と概ね垂直で第1載置面86を平面視する場合に左右に延びる平面とされている。また、第1基板50の第2当接面52sは、上下方向と概ね平行とされる第1当接面51sに対して概ね垂直とされている。このため、当接面97sと第2当接面52sは概ね平行な状態で対向している。上記のように、第1基板50における第2当接面52sと第3当接面53sとの距離は、ヒートシンク80におけるボス88の当接面88sと突起97の当接面97s間の距離よりも僅かに小とされている。このため、第1基板50がヒートシンク80に対して第1載置面86に沿って第1当接面51sと平行な方向に移動した場合には、第1基板50における第2当接面52sと突起97の当接面97sとが当接する。また、第1基板50における第3当接面53sとボス88の当接面88sとが当接する。ここで、上記のように当接面88sは第1載置面86を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、当接面88sと第3当接面53sは概ね平行な状態で対向している。このため、第1載置面86を平面視する場合に、当接面88sと第3当接面53sとが当接した際の接線は、概ね左右に延びる。このため、この接線は、第1リブ87の延在方向と概ね垂直であり非平行である。また、上記のように当接面97sは第1載置面86を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、当接面97sと第2当接面52sは概ね平行な状態で対向している。このため、第1載置面86を平面視する場合に、当接面97sと第2当接面52sとが当接した際の接線は、概ね左右に延びる。このため、この接線は、第1リブ87の延在方向と概ね垂直であり非平行である。従って、第1載置面86と平行な方向における第1基板50のヒートシンク80に対する位置のうち、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向である上下方向における位置が所定の範囲内となるように規制されている。なお、当接面88sと第3当接面53sとが当接した状態及び当接面97sと第2当接面52sとが当接した状態の少なくとも一方の状態において、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向において第1リブ87は第1基板50と非接触とされる。なお、第1基板50における第2当接面52sと突起97の当接面97sとは常に当接していても良く、第1基板50における第3当接面53sとボス88の当接面88sとは常に当接していても良い。
【0129】
ところで、上記のように第1ベース板82は前方斜め上方に延在するため、第1載置面86も前方斜め上方に延在し、この第1載置面86に載置される第1基板50も前方斜め上方に延在する。また、図8に示すように、第1通気口98aの開口方向である前方から見る場合に、第1基板50の一部は第1通気口98aと重なっている。また、上記のように第1基板50は、第1当接面51sが上下方向と概ね平行となる状態でヒートシンク80の第1載置面86に載置される。第1発光素子55は第1当接面51sと概ね垂直な方向に並列される複数のLEDからなるLEDアレイとされている。このため、第1発光素子55としてのLEDアレイは左右方向に並列されている。
【0130】
次に、第2基板60のヒートシンク80への搭載について説明する。
【0131】
図9は、第1基板、及び第2基板がヒートシンクに搭載された様子を示す図である。図9に示すように、第2基板60は、第1当接面61sが上下方向と概ね平行で第2発光素子63側が上方側に位置する状態で、ヒートシンク80の第2ベース板83における第2載置面91上に載置される。第2基板60を平面視する場合に、第2載置面91の外縁は、第2基板60の外縁に囲われている。なお、図9では、第2基板60の第1基板50側と第1基板50の第2基板60側とが重なっているが、第2基板60と第1基板50とは離間している。つまり、第1基板50と第2基板60とは、所定の間隔をあけてヒートシンク80に載置される。
【0132】
本実施形態では、第2基板60の第2発光素子63が搭載される側と反対側の面には、第1基板50と同様にして後述する流動部材としてのグリスが塗布されるため、第2基板60の第2発光素子63が搭載される側と反対側の面と第2載置面91と間にはこのグリスが介在する。第2基板60の貫通孔61には、第2ベース板83の第2リブ92が挿入される。上記のように第2リブ92は第2載置面91に対して下方側へ傾き第2載置面91を平面視する場合に上方から下方へ向けて延在しているため、第2リブ92は貫通孔61の開口方向に対して下側へ傾いた状態で挿入される。このように貫通孔61に挿入される第2リブ92の中心は、第2リブ92の延在方向である前方から見る場合に、2つの第1当接面61sの間に位置している。上記のようにこの2つの第1当接面61s間の距離は、第2リブ92の外径よりも僅かに大とさている。このため、第2基板60がヒートシンク80に対して第2載置面91に沿って第1当接面61sと垂直な方向に移動した場合には、2つの第1当接面61sのいずれか一方に第2リブ92の外周面が当接する。ここで、上記のように第2載置面91を平面視する場合に第2リブ92は上方から下方へ向けて延在しており、第1当接面61sは上下方向と概ね平行とされている。このため、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と垂直な方向である左右方向における当該第2リブ92の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方が、第1当接面61sと当接すると理解できる。従って、第2載置面91と平行な方向における第2基板60のヒートシンク80に対する位置のうち、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と垂直な方向における位置が所定の範囲内となるように規制されている。なお、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と垂直な方向における当該第2リブ92の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、第1当接面61sと常に当接していても良い。例えば第2リブ92は貫通孔61に圧入されても良い。
【0133】
第2基板60の2つの位置決め用凹部62には、第2ベース板83の2つの突起94がそれぞれ入り込む。上記のように突起94の上方側及び下方側の外周面に形成される当接面94sは、それぞれ第2載置面91と概ね垂直で第2載置面91を平面視する場合に左右に延びる平面とされている。また、位置決め用凹部62を規定する第2基板60の側面の対向する2つの第2当接面62sは、上下方向と概ね平行とされる第1当接面61sに対して概ね垂直とされている。このため、当接面94sと第2当接面62sとは概ね平行な状態で対向している。上記のように、それぞれの位置決め用凹部62における2つの第2当接面62s間の距離は、突起94における2つの当接面94s間の距離よりも僅かに大とされている。このため、第2基板60がヒートシンク80に対して第2載置面91に沿って第1当接面61sと平行な方向に移動した場合には、対向するいずれか一方の当接面94sと第1当接面61sとが当接する。ここで、上記のよう当接面94sは第2載置面91を平面視する場合に左右に延びる平面とされ、当接面94sと第2当接面62sは概ね平行な状態で対向している。このため、第2載置面91を平面視する場合に、当接面94sと第2当接面62sとが当接した際の接線は、概ね左右に延びる。このため、この接線は、第2リブ92の延在方向と概ね垂直であり非平行である。従って、第2載置面91と平行な方向における第2基板60のヒートシンク80に対する位置のうち、第1当接面61sと平行な方向の位置が所定の範囲内となるように規制されている。なお、当接面94sと第2当接面62sとが当接した状態において、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向において第2リブ92は第2基板60と非接触とされる。
【0134】
ところで、上記のように第2ベース板83は前方斜め下方に延在するため、第2載置面91も前方斜め上方に延在し、この第2載置面91に載置される第2基板60も前方斜め下方に延在する。また、図9に示すように、第2通気口98bの開口方向である前方から見る場合に、第2基板60は第2通気口98bと重なっている。また、上記のように第2基板60は、第1当接面61sが上下方向と概ね平行となる状態でヒートシンク80の第2載置面91に載置される。第2発光素子63は第1当接面61sと概ね垂直な方向に並列されるLEDアレイとされている。このため、第2発光素子63としてのLEDアレイは左右方向に並列されている。また、上記のように、第1基板50の第1発光素子55側が第2基板60の第2発光素子63側に位置しているため、第2発光素子63は第2基板60における当該第2基板60側よりも第1基板50側に位置している。また、第1発光素子55は第1基板50における当該第1基板50側よりも第2基板60側に位置している。
【0135】
また、フレキシブルプリント回路基板70のヒートシンク80側と反対側から見る場合に、2つのフレキシブルプリント回路基板70のそれぞれの帯部73は、帯部73が横切る第2基板60の外縁から切り欠き54内における所定の位置まで、第1基板50と重なっていない。また、同様の視点において、第1基板50の第1発光素子55は、帯部73の長手方向と垂直な方向において、帯部73のこのように第1基板50と重なっていない部位と重なっている。また、同様の視点において、ヒートシンク80の一方の凹部89は、一方のフレキシブルプリント回路基板70の長手方向と垂直な方向における当該フレキシブルプリント回路基板70の両側の縁を横切っている。また、他方の凹部89は、他方のフレキシブルプリント回路基板70の長手方向と垂直な方向における当該フレキシブルプリント回路基板70の両側の縁を横切っている。
【0136】
図10は、第2基板がヒートシンクに載置された様子を示す図であり、側方側から第2基板及びヒートシンクを見る部分拡大図である。上記のように複数の整流板85のうち、いくつかの整流板85は、第2通気口98bから前方へ延びて周壁部84の外部空間へ突出する突出部85aを有する。この突出部85aは、図10に示すように、第2基板60における第2発光素子63が搭載される側と反対側の面に接触する。つまり、第2基板60は、第2ベース板83における第2載置面91とともに、この突出部85aにも載置されている。
【0137】
次に、第1基板50及び第2基板60がヒートシンク80に搭載された状態におけるフレキシブルプリント回路基板70の状態について説明する。
【0138】
本実施形態では、2つのフレキシブルプリント回路基板70は、第1基板50及び第2基板60がヒートシンク80に載置された状態において、概ね同じ状態とされる。このため、以下では、一方について説明し、他方についての説明は省略する。図11は、図9におけるフレキシブルプリント回路基板を通る概略断面図であり、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73の長手方向と平行な概略断面図である。上記のように、第1接続部71は第1基板50の第1発光素子55が搭載される搭載面50s上に接合され、第2接続部72は第2基板60の第2発光素子63が搭載される搭載面60s上に接合される。このため、第1接続部71は第1基板50の第1載置面86側と反対側に接続され、第2接続部72は第2基板60の第2載置面91側と反対側に接続されている。また、図11に示すように、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、第1基板50と第2基板60との間のうち、第1接続部71よりも第1基板50側において、ヒートシンク80側に向かって凸状に撓んでいる。本実施形態では、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域を通るとともに、第1基板50における切り欠き54を通っている。また、上記のヒートシンク80における凹部89は鉛直断面において円弧状に窪んでおり、第1載置面86よりもフレキシブルプリント回路基板70側と反対側に凹んでいる。フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、この凹部89も通っている。このように撓むフレキシブルプリント回路基板70は、ヒートシンク80と非接触とされている。ところで、例えば第1基板50、第2基板60、ヒートシンク80等における寸法誤差等によって第1基板50と第2基板60とが帯部73における長手方向と垂直な方向である左右方向にずれて帯部73に左右方向の応力が生じる場合がある。しかし、上記のように、帯部73にスリット73sが形成されることで、スリット73sを形成しない場合と比べて、特に帯部73における長手方向と垂直な方向の剛性が低減されている。このため、仮に帯部73に左右方向の応力が生じる場合であっても、スリット73sを形成しない場合と比べて、第1接続部及び第2接続部に作用する応力を低減でき、不具合が生じることを抑制し得る。
【0139】
次に、リフレクタユニット40について説明する。
【0140】
図12は、光源ユニットの斜視図であり、図13は、光源ユニットの正面図であり、図14は、光源ユニットの概略断面図である。図12図13に示すように、リフレクタユニット40は、第1発光素子55用のリフレクタ41、第1発光素子55用の第1サイドリフレクタ41a、第1発光素子55用の第2サイドリフレクタ41b、第2発光素子63用のリフレクタ42、第2発光素子63用の第1サイドリフレクタ42a、第2発光素子63用の第2サイドリフレクタ42b、シェード43、を主な構成として有する。
【0141】
リフレクタユニット40は、第1基板50よりもヒートシンク80側と反対側に配置される。リフレクタユニット40は、当該リフレクタユニット40とヒートシンク80とで第1基板50を挟み込むようにヒートシンク80に固定される。本実施形態では、リフレクタユニット40のヒートシンク80への固定には、2つのねじ46が用いられる。
【0142】
リフレクタユニット40は、図4に示されるように、リブ44も有する。このリブ44は、第1基板50に向かって延在し、リブ44の第1基板50側の端の一部は、第1基板50の第1発光素子55が搭載される搭載面50sに接触する。このため、第1基板50は、リフレクタユニット40によってヒートシンク80の第1載置面86に押し付けられてヒートシンク80に固定される。本実施形態では、リフレクタユニット40は複数のリブ44を有し、第1基板50を平面視する場合に、リブ44の第1基板50との接触部位は第1載置面86と重なっている。このため、第1基板50をより適切に第1載置面86に押し付けることができ、第1基板50のヒートシンク80に対する相対的位置が振動等によって変化することが抑制される。
【0143】
ところで、本実施形態では、上記のように第1基板50の第1発光素子55が搭載される側と反対側の面には流動部材としてのグリスが塗布されるため、図14に示すように、第1基板50と第1載置面86と間にはグリス24が介在している。このため、第1基板50が第1載置面86に押し付けられることで、このグリス24の一部が第1基板50と第1載置面86との間から押し出される場合がある。上記のように第1載置面86は第1ベース板82の前面82fから前方へ突出する台座90の端面とされ、第1載置面86の外縁は、第1基板50の外縁に囲われている。このため、第1基板50と第1載置面86との間から押し出される余剰のグリス24は、台座90の周囲の第1ベース板82の前面82f上に押し出される。従って、余剰のグリス24の一部が第1基板50の第1発光素子55が搭載される搭載面50s上に付着することが抑制され、余剰のグリス24の第1発光素子55への付着等が抑制される。
【0144】
図14に示すように、シェード43は、第1発光素子55と第2発光素子63との間に配置され、第1発光素子55から出射する第1の光の一部を遮蔽する。また、シェード43は、上面に第1反射面43aを有し、下面に第2反射面43bを有する。第1反射面43aは、第1発光素子55側から前方に向かって延在し、第1の光の一部を前方に反射する凹状の反射面である。第2反射面43bは、第2発光素子63側から前方に向かって延在し、第2発光素子63から出射する第2の光の一部を前方に反射する凹状の反射面である。また、シェード43の前方端43cは、後述するカットラインに合わせた形状を有しており、左右端から中央に向かって徐々に後方に凹んでいる。
【0145】
リフレクタ41は、第1発光素子55の上方に配置され、第1発光素子55の上方を覆う第3反射面41rを第1発光素子55側に有する。第3反射面41r及びシェード43の第1反射面43aは、左右方向に延在し、第1発光素子55を上下側から挟むように配置される一対のリフレクタとなる。
【0146】
図12図13に示すように、第1サイドリフレクタ41aは、シェード43の第1反射面43aとリフレクタ41の第3反射面41rとで挟まれる空間のうち、左右方向における第1発光素子55よりも一方の側に形成される。また、第2サイドリフレクタ41bは、当該空間うち、第1発光素子55よりも他方の側に形成される。第1サイドリフレクタ41a及び第2サイドリフレクタ41bは、後方から前方に向かうにつれて互いの間隔が広がるように形成されている。
【0147】
図14に示すように、リフレクタ42は、第2発光素子63の下方に配置され、第2発光素子63の下方を覆う第4反射面42rを第2発光素子63側に有する。第4反射面42r及びシェード43の第2反射面43bは、左右方向に延在し、第2発光素子63を上下側から挟むように配置される一対のリフレクタとなる。
【0148】
図12図13に示すように、第1サイドリフレクタ42aは、シェード43の第2反射面43bとリフレクタ42の第4反射面42rとで挟まれる空間のうち、左右方向における第2発光素子63よりも一方の側に形成される。また、第2サイドリフレクタ42bは、当該空間のうち、第2発光素子63よりも他方の側に形成される。第1サイドリフレクタ42a及び第2サイドリフレクタ42bは、後方から前方に向かうにつれて互いの間隔が広がるように形成されている。
【0149】
次に、サポートプレート30について説明する。
【0150】
図15は、サポートプレートを前方側から見る斜視図であり、図16は、サポートプレートを後方側から見る斜視図である。サポートプレート30は、弾性を有するとともに、図15図16に示すように、ベース部31、一対の固定部32、一対の第1遮光部33、第2遮光部34、第3遮光部35、を有している。本実施形態では、ベース部31、一対の固定部32、一対の第1遮光部33、第2遮光部34、及び第3遮光部35は、金属板を曲げ加工することで一体に成形されている。このようなサポートプレート30は、図12図13に示すように、第2基板60の一部を第2発光素子63が搭載される搭載面60s側から覆うようにヒートシンク80に固定される。
【0151】
ベース部31は、第2基板60よりもヒートシンク80側と反対側に配置され、コネクタ64と第2発光素子63との間で、第2基板60に沿って延在する。ベース部31は、第2基板60側に突出し当該第2基板60の第2載置面91側と反対側の面に接触する凸部31aを有する。つまり、凸部31aは、第2基板60における第2発光素子63が搭載される搭載面60sに接触する。本実施形態では、ベース部31は、2つの凸部31aを有する。図17は、図9における第2基板を平面視した状態を示す図であり、位置決め用凹部62近傍の拡大図である。図7図9図17に示すように、第2基板60の第2発光素子63が搭載される搭載面60s上におけるこの2つの凸部31aと接触する接触部31bは、それぞれ第2基板60の位置決め用凹部62よりも第2発光素子63側と反対側に位置する。なお、サポートプレート30における凸部31aの数や位置は特に限定されない。言い換えると、第2基板60における凸部31aと接触する接触部31bの数や位置は特に限定されない。
【0152】
一対の固定部32のうち一方の固定部32は、図15図16に示すように、ベース部31の左右方向の一方の外縁部分に連結する。他方の固定部32はベース部31の左右方向の他方の外縁部分に連結する。この一対の固定部32は、図12図13に示すように、ねじ101によって上記のヒートシンク80における2つのボス100それぞれに固定される。
【0153】
この一対の固定部32は、概ね左右対称の構成とされ、内側壁部32a、外側壁部32b、及び前壁部32cを有している。内側壁部32aは、ベース部31よりも第2基板60側と反対側においてベース部31と概ね直交する方向に延在し、ベース部31に連結している。前壁部32cは、内側壁部32aよりも前方において内側壁部32aよりもベース部31側と反対側に位置する。前壁部32cは、内側壁部32aと概ね直交するとともに概ね鉛直な方向に延在し、内側壁部32aに連結している。外側壁部32bは、前壁部32cよりも後方において内側壁部32aと概ね平行に延在し、前壁部32cに連結している。前壁部32cは、概ね鉛直方向に延在し、当該前壁部32cの板厚方向に貫通する貫通孔が形成されている。上記のように第2基板60は前方斜め下方に延在するため、第2基板60に沿うベース部31も前方斜め下方に延在している。このため、固定部32の前壁部32cは、ベース部31と非平行とされている。このような固定部32における内側壁部32a、外側壁部32b、及び前壁部32cによって囲われる空間には、ヒートシンク80のボス100が配置され、固定部32がねじ101によってヒートシンク80に固定される。
【0154】
第2遮光部34は、ベース部31のコネクタ64側の外縁部分に連結する。第2遮光部34は、上壁部34a及び一対の接続壁部34bを有する。上壁部34aは、コネクタ64の上方に配置され、ベース部31と概ね平行に延在する。一方の接続壁部34bは、ベース部31のコネクタ64側の外縁部分のうち、左右方向の一方の側に連結し、第2基板60側と反対側に延在する。この一方の接続壁部34bのベース部31側と反対側の外縁部分は、上壁部34aの第2発光素子63側の外縁部分に接続される。他方の接続壁部34bは、ベース部31のコネクタ64側の外縁部分のうち、左右方向の他方の側に連結し、第2基板60側と反対側に延在する。この他方の接続壁部34bのベース部31側と反対側の外縁部分は、上壁部34aの第2発光素子63側の外縁部分に接続される。このような第2遮光部34によって、コネクタ64の第2基板60側と反対側の一部が覆われている。
【0155】
第3遮光部35は、ベース部31の第2発光素子63側の外縁部分のうち、第1発光素子55用の第1サイドリフレクタ41a側に連結する。第3遮光部35は、後側壁部35a、折り返し部35b、側壁部35c、前側壁部35dを有し、前側壁部35dによって第1の光の一部遮蔽する。後側壁部35aは、ベース部31よりも第2基板60側と反対側のうち、第1発光素子55及び第2発光素子63よりも第1サイドリフレクタ41a側に配置される。後側壁部35aは、上下及び左右に延在し、ベース部31に連結している。折り返し部35bは、後側壁部35aより前方のうち、第1サイドリフレクタ41aよりも第1発光素子55側と反対側に配置される。折り返し部35bは、概ね後側壁部35aと平行に延在し、第1サイドリフレクタ41a側と反対側が後側壁部35aに連結している。側壁部35cは、折り返し部35bよりも前方のうち、第1サイドリフレクタ41aよりも第1発光素子55側と反対側に配置される。側壁部35cは、固定部32の内側壁部32aと概ね平行な方向に延在し、折り返し部35bの第1サイドリフレクタ41a側に連結している。前側壁部35dは、第1サイドリフレクタ41aよりも前方のうち、第1発光素子55及び第2発光素子63よりも第1サイドリフレクタ41a側に配置される。前側壁部35dは、上下及び左右に延在し、側壁部35cに連結している。このような前側壁部35dは、第1発光素子から出射する第1の光の一部を遮蔽する。
【0156】
次に、第2基板60のヒートシンク80への固定について詳細に説明する。
【0157】
図18は、第2基板がヒートシンクに固定された様子を示す図であり、サポートプレート30のベース部31における凸部31aを通る光源ユニットLUの断面図である。なお、図18では、凸部31aの近傍が示さ、コネクタ64等の記載は省略されている。上記のように、一対の固定部32がねじ101によってヒートシンク80における2つのボス100にそれぞれ固定されることで、サポートプレート30がヒートシンク80に固定される。具体的には、固定部32における前壁部32cは、ベース部31の凸部31aが第2基板60と接触するとともに前壁部32cの貫通孔と雌螺子100aとの位置が揃えられる状態において、ボス100の端面と前壁部32cとが概ね平行となるとともに僅かに離間するように形成されている。ねじ101が前壁部32cの貫通孔に挿通されて雌螺子100aに螺合されることで、サポートプレート30がヒートシンク80に固定される。この際、サポートプレート30は、ボス100の端面と前壁部32cと隙間が狭められるように、ねじ101によってヒートシンク80側に押し込まれる。ここで、ボス100の端面と概ね平行な前壁部32cは概ね鉛直方向に延在するため、サポートプレート30は、ねじ101によって後方に向かって押し込まれる。上記のようにベース部31の凸部31aは、第2基板60における第2発光素子63が搭載される搭載面60sに接触している。このため、サポートプレート30は弾性変形し、このサポートプレート30の弾性力が第2基板60における接触部31bに作用する。サポートプレート30は後方に向かって押し込まれるため、図18に示すように接触部31bに作用するサポートプレート30の弾性力Fは後方に向かう。このサポートプレート30の弾性力Fによって第2基板60がヒートシンク80に固定される。ここで、上記のように、第2載置面91に載置される第2基板60は前方斜め下方に延在しているため、サポートプレート30が押し込まれる方向と第2基板60における第2発光素子63が搭載される搭載面60sとは互いに非垂直かつ非平行となる。このため、サポートプレート30の弾性力Fの向きは、第2基板60における搭載面60sに非垂直かつ非平行な方向となる。このため、サポートプレート30の弾性力Fは、第2載置面91に対して垂直な方向への力F1と、第2載置面91に沿った力F2とから成る。なお、第2載置面91に載置される第2基板60は前方斜め下方に延在するため、サポートプレート30の弾性力Fにおける第2載置面91に沿った力F2は上方に向かう。
【0158】
第2基板60は、このようなサポートプレート30の弾性力Fのうち第2載置面91に対して垂直な方向への力F1によって第2載置面91に押し付けられる。また、第2基板60は、サポートプレート30の弾性力Fのうち第2載置面91に沿った力F2によって第2載置面91に沿って上方へ押され、第2基板60の側面の一部がヒートシンク80の突起94の外周面に押し付けられる。より具体的には、図17に示すように、第2基板60の位置決め用凹部62における下方側の第2当接面62sがヒートシンク80の突起94における下方側の当接面94sに押し付けられる。つまり、サポートプレート30の弾性力Fのうち第2載置面91に沿った力F2は、第2基板60を突起94における下方側の当接面94sに押し付ける力である。このように第2基板60は突起94における下方側の当接面94sに押し付けられ、第2基板60が第2載置面91に沿ってこの当接面94sに対する押し付け方向と反対側にずれることが抑制される。
【0159】
本実施形態では、上記のように2つの接触する接触部31bは、それぞれ第2基板60の位置決め用凹部62よりも第2発光素子63側と反対側に位置し、位置決め用凹部62には突起94が入り込んでいる。つまり、突起94における下方側の当接面94sは、第2基板60を平面視する場合に接触部31bよりもサポートプレート30が第2基板60を突起94における下方側の当接面94sに押し付ける力F2の方向に位置している。また、本実施形態では、図7に示すように、2つの接触部31bは、第2基板を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と垂直な方向において、互いに重なりあっている。また、一方の接触部31bは一方の突起94に対応し、他方の接触部31bは他方の突起94に対応している。より具体的には、図17に示すように、一方の突起94における下方側の当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合に直線Laと直線Lbとの間に位置している。直線Laは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における一方の接触部31bの一端を通る直線である。直線Lbは、直線Laと平行で一方の接触部31bの他端を通る直線である。また、図7に示すように、他方の突起94における下方側の当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合に直線Lcと直線Ldとの間に位置している。ここで、図7において破線で示される2つの突起94と第2基板60との位置関係は、サポートプレート30の弾性力によって第2基板60がヒートシンク80に固定された状態の位置関係とされている。直線Lcは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における他方の接触部31bの一端を通る直線である。直線Ldは、直線Lcと平行で他方の接触部31bの他端を通る直線である。
【0160】
ところで、一方の接触部31bを通る直線Laは、他方の接触部31b側と反対側に位置する。他方の接触部31bにおける直線Lcは、一方の接触部31b側と反対側に位置する。これら直線Laと直線Lcは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行である。このため、直線Laは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側と反対側の端を通る直線でもある。また、直線Lcは、直線Laと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側と反対側の端を通る直線でもある。一方の突起94における下方側の当接面94sの少なくとも一部と、他方の突起94における下方側の当接面94sの少なくとも一部は、この直線Laと直線Lcとの間に位置している。
【0161】
なお、一方の接触部31bを通る直線Lbは他方の接触部31b側に位置し、他方の接触部31bにおける直線Ldは一方の接触部31b側に位置する。これら直線Lbと直線Ldは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行である。このため、直線Lbは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側の端を通る直線でもある。また、直線Ldは、直線Lbと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側の端を通る直線でもある。第2基板60の重心60Gは、この直線Lbと直線Ldとの間に位置している。このため、第2基板60の重心60Gは、直線Laと直線Lcとの間に位置していることにもなる。
【0162】
また、本実施形態では、上記のように第2基板60の第2発光素子63が搭載される側と反対側の面には流動部材としてのグリス24が塗布されるため、図14図18に示すように、第2基板60と第2載置面91と間にはグリス24が介在している。このため、第2基板60が第2載置面91に押し付けられることで、このグリス24の一部が第2基板60と第2載置面91との間から押し出される場合がある。上記のように第2載置面91は第2ベース板83の前面83fから前方へ突出する台座95の端面とされ、第2載置面91の外縁は、第2基板60の外縁に囲われている。このため、第2基板60と第2載置面91との間から押し出される余剰のグリス24は、台座95の周囲の第2ベース板83の前面83f上に押し出される。従って、余剰のグリス24の一部が第2基板60の第2発光素子63が搭載される搭載面60s上に付着することが抑制され、余剰のグリス24の第2発光素子63への付着等が抑制される。なお、流動部材は、グリスに限定されるものではない。流動部材は、少なくとも第1基板50が第1載置面86に載置される際、及び第2基板60が第2載置面91に載置される際に流動性を有している部材であれば良く、常時流動性を有している部材に限定されない。このため、流動部材は、本実施形態で示されたグリスや粘着剤等の第1基板50や第2基板60が載置面86、91に載置された後も未硬化とされる未硬化型流動部材、及び熱硬化性樹脂等から形成される接着剤等の第1基板50や第2基板60が載置面に載置された後に硬化し得る硬化型流動部材を含む。また、第1基板50と第1載置面86と間に介在する流動部材と、第2基板60と第2載置面91と間に介在する流動部材とは同様の部材とされても良く、異なる部材とされても良い。
【0163】
また、上記のようにヒートシンク80における台座90の下方側の外周面と台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83fとの間には、流動部材用凹部96が形成されている。第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側の外縁86eは、第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側に位置する外縁91eと概ね平行とされ、左右方向に延びている。第1載置面86の外縁は第1基板50の外縁に囲われ、第2載置面91の外縁は、第2基板60の外縁に囲われている。このため、第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側の外縁86eは、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁である。第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側に位置する外縁91eは、第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁である。つまり、流動部材用凹部96は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に形成されている。このため、第1基板50と第1載置面86との間から押し出される余剰のグリス24のうち、第2基板60側に向かうグリス24の一部は、流動部材用凹部96に収容され得る。また、第2基板60と第2載置面91との間から押し出される余剰のグリス24のうち、第1基板50側に向かうグリス24の一部は、流動部材用凹部96に収容され得る。つまり、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が流動部材用凹部96に収容され得る。
【0164】
また、上記のように第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側である下端に位置する外縁86eは、第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側である上端に位置する外縁91eと概ね平行とされ、左右方向に延びている。このため、この外縁86eと外縁91eとで挟まれる領域は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との距離が最小となる領域となる。流動部材用凹部96の少なくとも一部は、この領域に位置している。
【0165】
また、図8に示すように、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第1基板50の第1発光素子55における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な第1直線Lfと、他端を通り第1直線Lfと平行な第2直線Lsとの間に位置している。つまり、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第1発光素子55における左右方向の一端を通り上下方向と平行な第1直線Lfと、他端を通り第1直線Lfと平行な第2直線Lsとの間に位置している。また、図示による説明は省略するが、この流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第2基板60の第2発光素子63における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な直線と、他端を通りこの直線と平行な別の直線との間に位置している。つまり、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第2発光素子63における左右方向の一端を通り上下方向と平行な直線と、他端を通りこの直線と平行な別の直線との間に位置している。
【0166】
次に、投影レンズ20について説明する。
【0167】
図1図4に示す投影レンズ20は、平凸レンズであり、光源ユニットLUの前方に配置される。光源ユニットLUから出射される第1の光及び第2の光は、投影レンズ20の背面側の平坦な入射面から入射して投影レンズ20を透過する。投影レンズ20は、外周にフランジ部21を有する。投影レンズ20を形成する材料として、例えば樹脂やガラスが挙げられる。
【0168】
次に、レンズホルダ25について説明する。
【0169】
図1図4に示すレンズホルダ25は、ヒートシンク80と投影レンズ20との間に配置される。投影レンズ20がレンズホルダ25に固定される。レンズホルダ25がヒートシンクに固定されることによって、投影レンズ20、レンズホルダ25、及びヒートシンク80の相対的位置が固定される。また、上記のようにリフレクタユニット40、サポートプレート30、第1基板50、及び第2基板60は、ヒートシンク80に固定される。このため、リフレクタユニット40、サポートプレート30、第1基板50、及び第2基板60と投影レンズ20とレンズホルダ25との相対的位置も固定される。
【0170】
レンズホルダ25は、円筒状の保持部26と、脚部27とを有する。レンズホルダ25は、例えば樹脂から形成され、保持部26と脚部27とが一体に成形されている。保持部26は、投影レンズ20側からヒートシンク80側に延在している。保持部26の投影レンズ20側の端には、投影レンズ20のフランジ部21が固定される。脚部27は、保持部26のヒートシンク80側の端部からヒートシンク80側に延在している。本実施形態では、レンズホルダ25は3つの脚部27を有する。2つの脚部27は、左右方向に並列されて配置され、他の脚部27は並列される2つの脚部27よりも上方に配置される。3つの脚部27のヒートシンク80側のそれぞれの端部にはフランジ部28が形成され、当該フランジ部28がねじ29によってそれぞれヒートシンク80に固定される。
【0171】
このようにヒートシンク80に固定される3つの脚部27のうち、並列される2つの脚部27は、サポートプレート30の一対の第1遮光部33を挟んでいる。また上記のように、一対の第1遮光部33は、サポートプレート30のベース部31の左右方向の端にそれぞれ連結される固定部32にそれぞれ連結しているため、一対の第1遮光部33は、左右方向に並列されて配置されている。このため、一方の第1遮光部33は並列される2つの脚部27の一方の脚部27と投影レンズ20との間に位置し、他方の第1遮光部33は、他方の脚部27と投影レンズ20との間に位置している。このような第1遮光部33を備えることによって、投影レンズ20を透過して入射する太陽光の少なくとも一部は、レンズホルダ25の脚部27に照射されずに第1遮光部33に照射される。このため、太陽光によるレンズホルダ25の損傷が抑制される。
【0172】
また、上記のようにサポートプレート30の第2遮光部34における上壁部34aは、コネクタ64の上方に配置され、ベース部31と概ね平行に延在している。このため、第2遮光部34の上壁部34aは、コネクタ64と投影レンズ20との間に位置している。このような第2遮光部34を備えることによって、投影レンズ20を透過して入射する太陽光の少なくとも一部は、コネクタ64に照射されずに第2遮光部34の上壁部34aに照射される。このため、太陽光によるコネクタ64の損傷が抑制される。また、投影レンズ20を介してコネクタ64を視認し難くなり、灯具ユニットの意匠性を良好にし得る。
【0173】
次に、本実施形態の車両用前照灯1からの光の出射について説明する。
【0174】
図19は、灯具ユニットの概略断面図であり、第1発光素子及び第2発光素子から出射される光の光路例を概略的に示す図である。なお、図19では、ヒートシンク80、ファン81等の記載は省略されている。また、各反射面の角度、光の反射角や屈折角等は正確でない場合がある。また、上記のように、車両用前照灯は車両の左右に対称に設けられる。以下の配光の説明では、左右に設けられる車両用前照灯が同様に点灯または消灯する場合の配光について説明する。
【0175】
図19に示すように、第1発光素子55から出射する第1の光L1の一部は直接投影レンズ20に入射し、第1の光L1の他の一部はシェード43の第1反射面43a、リフレクタ41の第3反射面41rのいずれかで反射されて投影レンズ20に入射する。また、図示による説明は省略するが、第1発光素子55から出射する第1の光L1のうち、左右方向に拡散する光の一部は、第1サイドリフレクタ41aや第2サイドリフレクタ41bで反射されて投影レンズ20に入射する。また、第1の光L1のうちシェード43の前方端43cより後方に照射される光の一部は、シェード43によって遮蔽される。また、第1の光L1のうちサポートプレート30の第3遮光部35における前側壁部35dに照射される光の一部は、前側壁部35dによって遮蔽される。このようにして第1発光素子55から出射して投影レンズ20に入射して透過し、フロントカバー12を介して出射する第1の光L1によって、図20(A)に示すロービームの配光が形成される。なお、図20(A)においてSは水平線を示す。
【0176】
また、第2発光素子63から出射する第2の光L2の一部は直接投影レンズ20に入射し、第2の光L2の他の一部はシェード43の第2反射面43b、リフレクタ42の第4反射面42rのいずれかで反射されて投影レンズ20に入射する。また、図示による説明は省略するが、第2発光素子63から出射する第2の光L2のうち、左右方向に拡散する光の一部は、第1サイドリフレクタ42aや第2サイドリフレクタ42bで反射されて投影レンズ20に入射する。また、第2の光L2のうちサポートプレート30の第3遮光部35における前側壁部35dに照射される光の一部は、前側壁部35dによって遮蔽される。このようにして第2発光素子63から出射して投影レンズ20に入射して透過し、フロントカバー12を介して出射する第2の光L2による配光と、上記ロービームの配光とが合わさり、図20(B)に示すハイビームの配光が形成される。なお、図20(B)においてSは水平線を示す。
【0177】
次に、光源ユニットLUの冷却について説明する。
【0178】
上記のように第1発光素子55が発光する際に発する熱の一部は、第1基板50からグリス24を介してヒートシンク80の第1ベース板82へと伝わる。また、第2発光素子63が発光する際に発する熱の一部は、第2基板60からグリス24を介してヒートシンク80の第2ベース板83へと伝わる。このグリス24によって、第1基板50とヒートシンク80との間及び第2基板60とヒートシンク80との間に空気の層ができることが抑制され、それぞれの間における熱伝達率が、グリス24を介さない場合と比べて向上されている。なお、流動部材としてグリス24ではなく粘着剤や接着剤等が用いられた場合でも、第1基板50とヒートシンク80との間及び第2基板60とヒートシンク80との間に空気の層ができることが抑制され、それぞれの間における熱伝達率が向上される。このようにして第1発光素子55及び第2発光素子63から熱が伝えられる第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bにファン81から空気を送り出す。具体的には、図14に示すように、ファン81は、周壁部84の開口84Hから周壁部84の内部空間に空気を吸い込み、この吸い込んだ空気を周壁部84の前端側へ送り出す。つまり、ファン81は、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れを形成する。周壁部84の前端の一部は、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに固定されるため、この空気は第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bに向かい、これら背面82b、83bに空気の流れが形成される。このため、これら背面82b、83bの近傍に空気が留まることが抑制され、第1ベース板82及び第2ベース板83が冷却され、第1発光素子55及び第2発光素子63が冷却される。ファン81によって送り出された空気は、第1通気口98a及び第2通気口98bの少なくとも一方から排気される。
【0179】
ところで、ファン81は、上記のように、送風方向を逆向きに切り換え可能に構成されている。ファン81の送風方向が切り換えられた場合、ファン81は、周壁部84の内部空間のうちファン81よりも第1ベース板82及び第2ベース板83側の空気を吸い込み、この吸い込んだ空気を周壁部84の開口84H側へ送り出して開口84Hから周壁部84の外部空間へ流出させる。つまり、ファン81は、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れを形成する。ファン81よりも第1ベース板82及び第2ベース板83側には、第1通気口98a及び第2通気口98bが配置されている。このため、第1通気口98a及び第2通気口98bから周壁部84の内部空間に空気が流入し、この空気はファン81へ向かう。つまり、これら背面82b、83bとファン81との間における空気の流れ方向は、前方から後方へ向かう方向である。ところで、第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置される。このため、これら背面82b、83bの近傍における空気がファン81によって吸引され、当該背面82b、83bに空気の流れが形成される。従って、これら背面82b、83bの近傍に空気が留まることが抑制され、第1ベース板82及び第2ベース板83が冷却され、第1発光素子55及び第2発光素子63が冷却される。
【0180】
次に、ヒートシンク80の製造方法について説明する。
【0181】
図21は、図4図6に示すヒートシンクの製造方法を示すフローチャートである。また、図22は、中間部材の一部を示す概略断面図であり、具体的には、図22(A)はボスの近傍を示す概略断面図であり、図22(B)は第2ベース板に形成される突起の近傍を示す断面図である。図21に示すように、本実施形態のヒートシンク80の製造方法は、金型成形工程P1及び切削工程P2を主な工程として備える。
【0182】
金型成形工程P1は、上記のヒートシンク80となる中間部材80iを金型成形によって形成する工程である。本実施形態の中間部材80iは、図22に示すように、第1仮載置面86p、第2仮載置面91p、第1仮当接面88sp、及び第2仮当接面94spを有する点において、上記のヒートシンク80と構成が異なる。第1仮載置面86pは第1載置面86を覆い、第2仮載置面91pは第2載置面91を覆う。第1仮当接面88spはボス88に形成される当接面88sを覆い、第2仮当接面94spは突起94における上方側の外周面に形成される当接面94sを覆う。
【0183】
金型成形工程P1では、ヒートシンク80を形成する材料を溶融し、当該溶融された材料を金型内に形成されるキャビティ内に圧入する。キャビティは、中間部材80iに対応する空間とされる。本実施形態では、金型の型開方向は、第1リブ87の延在方向と概ね平行な方向とされる。なお、第1リブ87と第2リブ92との延在方向は概ね平行とされるため、この型開方向は第2リブ92の延在方向と概ね平行である。次に、キャビティ内に充填された溶融状態の材料を冷却し、冷却されて固化した中間部材80iを金型から取り出す。ヒートシンク80を形成する材料として、例えばアルミニウム合金等が挙げられる。なお、金型成形工程P1は、金型成形によって中間部材80iを形成できる限りにおいて、特に限定されない。
【0184】
切削工程P2は、金型成形工程P1で形成される中間部材80iの一部を切削する工程である。具体的には、第1仮載置面86pを切削して第1載置面86を形成するとともに、第1仮当接面88spを切削して当接面88sを形成する。ここで、第1載置面86の一部と当接面88sの一部とを同時に形成する。次に、第2仮載置面91pを切削して第2載置面91を形成するとともに、第2仮当接面94spを切削して当接面94sを形成する。ここで、第2載置面91の一部と当接面94sとを同時に形成する。このようにして、中間部材80iに第1載置面86、当接面88s、第2載置面91、及び当接面94sが形成され、当該中間部材80iがヒートシンク80となる。なお、切削工程P2では、第2載置面91及び当接面94sを形成した後、第1載置面86、及び当接面88sを形成しても良い。
【0185】
ところで、上記特許文献1の光源ユニットのようにヒートシンクに基板を搭載する際、基板とヒートシンクとの間における伝熱性を向上させるために基板とヒートシンクとの間にグリスが介在される場合がある。このようにグリスを介してヒートシンクに搭載される基板がヒートシンクに固定される場合、基板とヒートシンクとの間に介在するグリスの一部が基板とヒートシンクとの間から押し出される場合がある。この場合、上記の光源ユニットのように複数の基板が並列されて1つのヒートシンクに搭載されると、余剰のグリスが隣接する基板間に溜まり易い傾向がある。このため、基板におけるヒートシンク側と反対側の面上に余剰のグリスが付着し易くなる。基板のヒートシンク側と反対側の面上には発光素子が搭載されたり、回路が形成されたりする場合があるため、この発光素子や回路に余剰のグリスが付着する虞がある。発光素子や回路に余剰のグリスが付着すると、発光素子から出射する光の光路が変化して所望の配光が得られなくなったり、回路に短絡が生じたりする懸念がある。
【0186】
そこで、第1の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、第1基板50と、第2基板60と、ヒートシンク80と、流動部材としてのグリス24とを備える。第1基板50には第1発光素子55が搭載され、第2基板60には第2発光素子63が搭載される。ヒートシンク80は、第1基板50の少なくとも一部が載置される第1載置面86及び第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面91を有する。グリス24は、第1基板50と第1載置面86との間及び第2基板60と第2載置面91との間に介在する。第1基板50と第2基板60とは所定の間隔をあけてヒートシンク80に載置される。ヒートシンク80は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に流動部材としてのグリス24の一部を収容可能な流動部材用凹部96を有する。
【0187】
第1の態様としての本実施形態では、上記のように、ヒートシンク80は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間にグリス24の一部を収容可能な流動部材用凹部96を有する。このため、第1基板50と第1載置面86との間から押し出される余剰のグリス24のうち第2基板60側に向かうグリス24の一部は、流動部材用凹部96に収容され得る。また、第2基板60と第2載置面91との間から押し出される余剰のグリス24のうち第1基板50側に向かうグリス24の一部は、流動部材用凹部96に収容され得る。このため、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が第1基板50の第1載置面86側と反対側の面上や第2基板60の第2載置面91側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。このため、余剰のグリス24が第1基板50に搭載される第1発光素子55や第2基板60に搭載される第2発光素子63に付着することを抑制し得る。従って、不具合を抑制し得る光源ユニットを提供し得る。
【0188】
第1の態様としての本実施形態では、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との距離が最小となる領域に位置する。
【0189】
余剰のグリス24は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との距離が最小となる領域から溜まっていく傾向がある。この光源ユニットLUでは、このような領域に流動部材用凹部96が位置するため、余剰のグリス24の一部が第1基板50の第1載置面86側と反対側の面上及び第2基板60の第2載置面91側と反対側の面上に付着することを適切に抑制し得る。従って、余剰のグリス24の一部が第1基板50に搭載される第1発光素子55や第2基板60に搭載される発光素子63に付着することを適切に抑制し得る。
【0190】
第1の態様としての本実施形態では、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第1基板50の第1発光素子55における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な第1直線Lfと、他端を通り第1直線Lfと平行な第2直線Lsとの間に位置する。
【0191】
このように構成することで、余剰のグリス24の一部が、第1基板50を平面視する場合における第2基板60側の縁のうち第1基板50に搭載される第1発光素子55との距離が近い部位から第1基板50における第1載置面86側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。従って、余剰のグリス24の一部が第1基板50に搭載される第1発光素子55に付着することを適切に抑制し得る。
【0192】
第1の態様としての本実施形態では、流動部材用凹部96の少なくとも一部は、第2基板60の第2発光素子63における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な直線と、他端を通りこの直線と平行な別の直線との間に位置する。
【0193】
このように構成することで、余剰のグリス24の一部が、第2基板60を平面視する場合における第1基板50側の縁のうち第2基板60に搭載される第2発光素子63との距離が近い部位から第2基板60における第2載置面91側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。従って、余剰のグリス24の一部が第2基板60に搭載される第2発光素子63に付着することを適切に抑制し得る。
【0194】
第1の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、第1ベース板82における台座90の下方側の外周面と台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83fを有する。この2つの面は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に位置している。また、この2つの面は、第1載置面86側から第2載置面91側に向かって並んでおり、この2つの前記面のなす角は180度よりも小とされている。流動部材用凹部96はこの2つの面の間に形成されるとともにこの2つの面に接続している。
【0195】
第1の態様としてのこの光源ユニットLUでは、ヒートシンク80は、上記のように第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に、第1載置面86側から第2載置面91側に向かって並ぶ2つの面を有する。このため、第1基板50側から第2基板60側に向かう余剰のグリス24の一部は、この2つの面のうち第1載置面86側の面である台座90の下方側の外周面上に押し出され得る。一方、第2基板60側から第1基板50側に向かう余剰のグリス24の一部は、この2つの面のうち第2載置面91側の面である台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83f上に押し出され得る。ところで、なす角が180度よりも小とされる2つの面上に流動部材が位置するとともにこの2つの面が上方側から視認可能な状態では、少なくとも一方の面上の流動部材はこの2つの面の間へ向かう傾向があり、この2つの面の間に流動部材が溜まり易くなる。なお、2つの面が上方側から視認可能な状態として、例えば2つの面が略V字状に交差する状態が挙げられ、図14において、ファン81が第1基板50及び第2基板60よりも下方側に位置するようにヒートシンク80が回転された状態が例示される。この光源ユニットLUでは、上記のように台座90の下方側の外周面と台座95よりも上方側の第2ベース板83の前面83fとのなす角度は180度よりも小とされ、流動部材用凹部96はこの2つの面の間に形成されるとともに2つの面に接続する。このため、第1載置面86側の面上に押し出される余剰のグリス24及び第2載置面側の面上に押し出される余剰のグリス24の少なくとも一方は、流動部材用凹部96に向かい易くなる。従って、流動部材用凹部96は、第1基板50側から第2基板60側に向かう余剰のグリス24及び第2基板60側から第1基板50側に向かう余剰のグリス24の少なくとも一方のグリス24の一部を適切に収容し得る。このため、この余剰のグリス24が第1基板50に搭載される第1発光素子55及び第2基板60に搭載される第2発光素子63の少なくとも一方に付着することを適切に抑制し得る。
【0196】
ところで、上記特許文献2のように複数の基板を備える光源ユニットでは、リード線に替わって可撓性を有するフレキシブルプリント回路基板によって基板間を接続したいとの要請がある。フレキシブルプリント回路基板は、基板における搭載部材側と反対側の面に半田によって接続される場合がある。このため、上記特許文献2のように成す角度が180度よりも小とされる2つの基板間にフレキシブルプリント回路基板が接続される場合、フレキシブルプリント回路基板における基板との接続部には、基板側と反対側に向かう力が作用し易くなる。言い換えると、この接続部には、当該接続部を基板から剥離する力が作用し易くなる。このため、フレキシブルプリント回路基板における基板との接続部が基板から外れて基板間の接続不良が生じる懸念がある。
【0197】
そこで、第2の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、第1基板50と、第2基板60と、ヒートシンク80と、フレキシブルプリント回路基板70とを備える。第1基板50には第1発光素子55が搭載され、第2基板60には第2発光素子63が搭載される。ヒートシンク80は、第1基板50の少なくとも一部が載置される第1載置面86及び第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面91を有する。フレキシブルプリント回路基板70は、第1基板50の第1発光素子が搭載される搭載面50sに接続される第1接続部71、及び第2基板60の第2発光素子が搭載される搭載面60sに接続される第2接続部72を有する。第1基板50と第2基板60とは所定の間隔をあけてヒートシンク80に載置され、第1載置面86の第1基板50側に延びる法線は、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線と交わる。フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、第1基板50と第2基板60との間において、ヒートシンク80側に向かって凸状に撓むとともに、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域を通る。
【0198】
第2の態様としての本実施形態では、上記のように第1載置面86の第1基板50側に延びる法線は、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線と交わるため、第1基板50と第2基板60とのなす角度は180度よりも小とされる。また、フレキシブルプリント回路基板70は、第1基板50と第2基板60との間において、ヒートシンク80側に向かって凸状に撓むとともに、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域を通る。このため、第1接続部71には、第1基板50側に押し付けられる力が作用し得る。このため、第1接続部71の第1基板50からの剥離を抑制でき、第1基板50と第2基板60との接続不良が生じることを抑制し得る。従って、不具合を抑制し得る光源ユニットとし得る。
【0199】
第2の態様としての本実施形態では、第1基板50には、当該第1基板50を平面視する場合における第2基板60側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠き54が形成され、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、切り欠き54を通る。
【0200】
フレキシブルプリント回路基板70を撓ませるためには、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73の長さがある程度必要となるため、第1基板50は第2基板60からある程度離間されることになる。この光源ユニットLUでは、上記のように第1基板50には、当該第1基板50を平面視する場合における第2基板60側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠き54が形成され、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73は、切り欠き54を通る。このため、第1基板50と第2基板60との距離を長くしなくても、第1基板50と第2基板60との間でフレキシブルプリント回路基板70の帯部73を撓ませ得る。従って、第1基板50にこの切り欠き54が形成されない場合と比べて、第1基板50と第2基板60との距離を短くすることができ、光源ユニットLUを小型化し得る。
【0201】
第2の態様としての本実施形態では、第1基板50に搭載される発光素子55は、第1基板50を平面視する場合に切り欠き54における第2基板60側と反対側の縁よりも第2基板60側に配置される。
【0202】
上記のように、第1基板50に上記の切り欠き54が形成されない場合には、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73を撓ませるために、第1基板50と第2基板60とをある程度離間させる必要がある。このため、第1基板50に搭載される第1発光素子55と第2基板60に搭載される第2発光素子63もある程度離間した状態とされる。しかし、この光源ユニットLUでは、上記のように第1基板50に搭載される第1発光素子55は、第1基板50を平面視する場合に切り欠き54における第2基板60側と反対側の縁よりも第2基板60側に配置される。このため、第1基板50に切り欠き54が形成されない場合と比べて、上記のように第1基板50と第2基板60との距離を短くするとともに、第1発光素子55と第2発光素子63との距離も短くすることができる。従って、この2つの発光素子55,63から出射する光を反射するリフレクタ等の光学部材を小型化し得る。
【0203】
第2の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、第1基板50と第2基板60との間において、第1載置面86よりもフレキシブルプリント回路基板70側と反対側に凹む凹部89を有し、フレキシブルプリント回路基板70は、凹部89を通る。
【0204】
このように構成することで、ヒートシンク80が凹部89を有さない場合と比べて、フレキシブルプリント回路基板70の帯部73のたわみ量を大きくし得る。このため、第1接続部71を第1基板50側により適切に押し付け得る。従って、第1接続部71の第1基板50からの剥離をより抑制し得る。
【0205】
第2の態様としての本実施形態では、フレキシブルプリント回路基板70は、ヒートシンク80と非接触である。
【0206】
第2の態様としての本実施形態では、光源ユニットLUは車両用前照灯1に用いられるので、光源ユニットLUは車両の振動に起因して振動する。このように光源ユニットLUが振動しつつフレキシブルプリント回路基板70がヒートシンク80と接触している場合、フレキシブルプリント回路基板70とヒートシンク80とが互いに擦れ合う傾向がある。フレキシブルプリント回路基板70とヒートシンク80とが互いに擦れ合うことで、フレキシブルプリント回路基板70に形成される給電用配線74cやサーミスタ用配線75cが断線する等の不具合が生じる虞がある。この光源ユニットLUでは、上記のようにフレキシブルプリント回路基板70は、ヒートシンク80と非接触であるため、光源ユニットLUの振動等に起因してフレキシブルプリント回路基板70とヒートシンク80とが互いに擦れ合うことを抑制し得る。従って、フレキシブルプリント回路基板70に形成される給電用配線74cやサーミスタ用配線75cが断線する等といった不具合を抑制し得る。
【0207】
なお、フレキシブルプリント回路基板70は、ヒートシンク80と接触しても良い。しかし、上記の不具合を抑制する観点から、フレキシブルプリント回路基板70は、ヒートシンク80と非接触であることが好ましい。
【0208】
第2の態様としての本実施形態では、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71から第2接続部72まで延在する給電用配線74c及びサーミスタ用配線75cを有し、給電用配線74c及びサーミスタ用配線75cとの間にスリット73sが形成されている。このため、給電用配線74c及びサーミスタ用配線75cとの間の少なくとも一部をスリット73sによって空間的に分離することができる。このため、これら配線74c、75c間にスリット73sが形成されない場合と比べて、仮に配線74c、75cにマイグレーションが生じたとしても、短絡による不具合が生じることを低減し得る。
【0209】
第2の態様としての本実施形態では、2つのフレキシブルプリント回路基板70を備え、第1基板50の重心50Gは、第1基板50に接続される2つのフレキシブルプリント回路基板70のそれぞれの第1接続部71の間に位置している。また、第2基板60の重心60Gは、第2基板60に接続される2つのフレキシブルプリント回路基板70のそれぞれの第2接続部72の間に位置している。このため、第1基板50と第2基板60とが2つのフレキシブルプリント回路基板70で接続されるとともにこれら基板50、60がヒートシンク80に搭載される前の状態において、2つのフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71及び第2接続部72に生じる応力を抑制し得る。具体的には、例えば第1基板50が第2基板60に吊り下げられる場合等にフレキシブルプリント回路基板70にねじれが生じることを抑制し得る。このため、2つのフレキシブルプリント回路基板70の第1接続部71及び第2接続部72に生じる応力を抑制し得る。このため、第1基板50と第2基板60とがヒートシンク80に搭載される前の状態において、第1接続部71が第1基板50から剥離すること及び第2接続部72が第2基板60から剥離することを抑制し得る。従って、第1基板50及び第2基板60のそれぞれの重心50G、60Gが当該基板50、60に接続される2つのフレキシブルプリント回路基板70のそれぞれとの接続部71、72の間に位置していない場合と比べて、これら基板50、60の取り扱いが容易となり、光源ユニットLUの生産性が向上される。なお、第1基板50及び第2基板60の少なくとも一方の基板50、60の重心50G、60Gが、当該一方の基板50、60に接続される2つのフレキシブルプリント回路基板70のそれぞれの接続部71の間に位置していれば良い。このような構成にすることで、第1基板50と第2基板60とがヒートシンク80に搭載される前の状態において、第1接続部71及び第2接続部72の少なくとも一方が当該接続部71、72が接続される基板50、60から剥離することを抑制し得る。
【0210】
ところで、搭載部材の生産性等の観点から、基板が載置される載置面の法線に対して傾斜するリブを搭載部材に形成する場合がある。上記特許文献3の基板と同様に、このようなリブを用いて搭載部材に対する基板の位置を規制したいとの要請がある。このようなリブを貫通孔に挿入して基板を載置面に載置する場合、リブは基板の貫通孔に斜めに挿入されることになる。このため、載置面を平面視する場合にリブが延在する方向における搭載部材に対する基板の位置を規制する場合、リブにおける載置面に対して傾倒している側の外周面は、貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側と反対側の縁近傍に当接する。一方、リブの外周面のうち載置面に対して傾倒している側と反対側の外周面は、貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側の縁近傍に当接する。
【0211】
ところで、基板が金属から形成される場合、生産性等の観点から基板の貫通孔は打ち抜き加工によって形成される場合がある。この場合、貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側の縁近傍または載置面側と反対側の縁近傍のいずれか一方にはバリによって凹凸が形成される傾向にある。このため、上記のように貫通孔に斜めに挿入されるリブは、貫通孔を規定する基板の内周面のうち載置面側の縁近傍と載置面側と反対側の縁近傍との両方に当接するため、バリの影響によって搭載部材に対する基板の位置を所定の範囲内に規制し難くなる虞がある。搭載部材に対する基板の位置が設計値と異なると、発光素子から出射する光を反射するリフレクタ等の光学部材に対する発光素子の位置も設計値と異なることになるため、所望の配光が得られなくなることが懸念される。
【0212】
そこで、第3の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、第1発光素子55が搭載される第1基板50と、第2発光素子63が搭載される第2基板60と、ヒートシンク80とを備える。第1基板50には板厚方向に貫通する貫通孔51が形成され、第2基板60には板厚方向に貫通する貫通孔61が形成される。ヒートシンク80は、第1載置面86、第2載置面91、第1リブ87、第2リブ92、当接面88s,97s、及び当接面94sを有する。第1載置面86には第1基板50の少なくとも一部が載置され、第2載置面91には、第2基板60の少なくとも一部が載置される。第1リブ87は第1載置面86の法線に対して傾斜し第1基板50の貫通孔51に挿入され、第2リブ92は第2載置面91の法線に対して傾斜し第2基板60の貫通孔61に挿入される。当接面88sは第1基板50の側面の一部である第2当接面52sに当接し、当接面97sは第1基板50の側面の一部である第3当接面53sに当接する。当接面94sは、第2基板60の側面の一部である第2当接面62sに当接する。第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と垂直な方向における当該第1リブ87の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、貫通孔51を規定する第1基板50の内周面の一部である第1当接面51sと当接する。第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と垂直な方向における当該第2リブ92の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方は、貫通孔61を規定する第2基板60の内周面の一部である第1当接面61sと当接する。第1載置面86を平面視する場合の第1基板50の側面の一部である第3当接面53sと当接面88sとの接線は、第1リブ87の延在方向と概ね垂直であり非平行である。また、第1基板50の側面の一部である第2当接面52sと当接面97sとの接線は、第1リブ87の延在方向と概ね垂直であり非平行である。第2載置面91を平面視する場合の第2基板60の側面の一部である第2当接面62sと当接面94sとの接線は、第2リブ92の延在方向と概ね垂直であり非平行である。
【0213】
第3の態様としての本実施形態では、上記のように第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と垂直な方向における当該第1リブ87の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方が、貫通孔51を規定する第1基板50の内周面の一部である第1当接面51sと当接する。このため、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87が延在する方向と垂直な方向におけるヒートシンク80に対する第1基板50の位置を所定の範囲内に規制し得る。また、上記のように第1載置面86を平面視する場合の第3当接面53sと当該第3当接面53sに当接する当接面88sとの接線は、第1リブ87の延在方向と非平行である。また、第1載置面86を平面視する場合の第2当接面52sと当該第2当接面52sに当接する当接面97sとの接線は、第1リブ87の延在方向と非平行である。このため、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向におけるヒートシンク80に対する第1基板50の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、ヒートシンク80に対する第1基板50の位置を所定の範囲内に規制しつつ、第1リブ87の外周面が貫通孔51を規定する第1基板50の内周面のうち第1載置面86側の縁近傍及び第1載置面86側と反対側の縁近傍の少なくとも一方に当接することを抑制し得る。このため、貫通孔51を規定する第1基板50の内周面のうち第1載置面86側の縁近傍または第1載置面86側と反対側の縁近傍に形成される凹凸の影響を抑制することができる。このため、第1発光素子55から出射する第1の光L1を反射するリフレクタユニット40等の光学部材に対する第1発光素子55の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、所望の配光を形成し得る光源ユニットとし得る。
【0214】
また、上記のように第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と垂直な方向における当該第2リブ92の一方側の外周面及び他方側の外周面の少なくとも一方が、貫通孔61を規定する第2基板60の内周面の一部である第1当接面61sと当接する。このため、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92が延在する方向と垂直な方向におけるヒートシンク80に対する第2基板60の位置を所定の範囲内に規制し得る。また、上記のように第2載置面91を平面視する場合の第2当接面62sと当該第2当接面62sに当接する当接面94sとの接線は、第2リブ92の延在方向と非平行である。このため、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向におけるヒートシンク80に対する第2基板60の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、ヒートシンク80に対する第2基板60の位置を所定の範囲内に規制しつつ、第2リブ92の外周面が貫通孔61を規定する第2基板60の内周面のうち第2載置面91側の縁近傍及び第2載置面91側と反対側の縁近傍の少なくとも一方に当接することを抑制し得る。このため、貫通孔61を規定する第2基板60の内周面のうち第2載置面91側の縁近傍または第2載置面91側と反対側の縁近傍に形成される凹凸の影響を抑制し得る。このため、第2発光素子63から出射する第2の光L2を反射するリフレクタユニット40等の光学部材に対する第2発光素子63の位置を所定の範囲内に規制し得る。従って、所望の配光を形成し得る光源ユニットとし得る。
【0215】
第3の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、リブ補強部93を更に有する。リブ補強部93は、第2リブ92が形成される第2ベース板83の前面83fと第2リブ92における第2載置面91に対して傾倒する側である下方側の外周面とに接続される。このため、リブ補強部93がない場合と比べて第2リブ92の強度が向上され、第2リブ92の破損等を抑制することができる。このため、ヒートシンク80に対する第2基板60の位置がずれることを抑制でき、配光が変化することを抑制し得る。なお、リブ補強部93は、第2基板60と非接触とされることが好ましい。このようにすることで、第2リブ92による第2基板60のヒートシンク80に対する位置の規制にリブ補強部93が影響を与えることを抑制できる。
【0216】
第3の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、当接面94sが形成される突起94を有し、第2リブ92は、第2載置面91の法線方向において突起94よりも突出している。このため、第2基板60が突起94に当接する前に第2リブ92を第2基板60の貫通孔61に挿入し得る。このため、貫通孔61に挿入される第2リブ92によってヒートシンク80に対する第2基板60の位置をある程度規制することができ、このように規制された状態で第2基板60を第2載置面91に載置することができる。このため、第2基板60を第2載置面91に載置させ易くし得る。
【0217】
第3の態様としての本実施形態では、上記のようにヒートシンク80は、第1基板50の少なくとも一部が載置される第1載置面86と、第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面91とを有し、第1載置面86と第2載置面91とは互いに非平行とされる。また、第1リブ87の延在方向のうち第1リブ87の先端側である前方から見る場合に第2載置面91が視認可能とされる。
【0218】
互いに非平行な2つの載置面を有するヒートシンクを金型成形によって形成する場合、少なくとも一方の載置面の法線は型開方向と非平行となる。このため、法線が型開方向と非平行な載置面にリブを形成する場合、生産性の観点からこの突起は型開方向に延在し載置面の法線に対して傾斜するリブとされる傾向がある。この搭載部材は、リブの延在方向から見る場合に第2載置面が視認可能であるため、型開方向をリブの延在方向と概ね平行とした金型成形によって成形し得る。本実施形態では、上記のように第1リブ87の延在方向のうち第1リブ87の先端側である前方から見る場合に第2載置面91が視認可能であるため、型開方向を第1リブ87の延在方向と概ね平行とした金型成形によって成形し得る。このため、ヒートシンク80が互いに非平行な第1載置面86及び第2載置面91を有していても、当該ヒートシンク80の生産性の低下を抑制しつつ、上記のように第1リブ87を用いてヒートシンク80に対する第1基板50の位置を所定の範囲内に規制し得る。
【0219】
また、第4の態様としての本実施形態の光源ユニットLUに用いられるヒートシンク80の製造方法は、第1基板50及び第2基板60が搭載されるヒートシンク80の製造方法である。ヒートシンク80は、上記のように、第1載置面86、第2載置面91、第1リブ87、第2リブ92、当接面88s、当接面94sを有する。当接面88sは第1基板50の側面の一部に当接し、第1載置面86を平面視する場合に第1リブ87の延在方向と非平行とされている。また、当接面94sは第2基板60の側面の一部に当接し、第2載置面91を平面視する場合に第2リブ92の延在方向と非平行とされている。本実施形態では、金型成形工程P1と、切削工程P2とを備える。金型成形工程P1は、中間部材80iを金型成形によって形成する工程とされる。中間部材80iは、第1載置面86を覆う第1仮載置面86p、第2載置面91を覆う第2仮載置面91p、当接面88sを覆う第1仮当接面88sp、突起94における上方側の外周面に形成される当接面94sを覆う第2仮当接面94sp、第1リブ87、及び第2リブ92を有する。切削工程P2では、第1仮載置面86pを切削して第1載置面86を形成するとともに、第1仮当接面88spを切削して当接面88sを形成する。この際、第1載置面86の一部と当接面88sの一部とを同時に形成する。また、第2仮載置面91pを切削して第2載置面91を形成するとともに、第2仮当接面94spを切削して当接面94sを形成する。この際、第2載置面91の一部と当接面94sとを同時に形成する。
【0220】
第4の態様としての本実施形態では、上記のように切削工程P2において第1載置面86の一部と当接面88sの一部とを同時に形成するため、これらの面を別々に形成する場合と比べて、ヒートシンク80の生産性を向上し得る。また、切削工程P2において第2載置面91の一部と当接面94sとを同時に形成するため、これらの面を別々に形成する場合と比べて、ヒートシンク80の生産性を向上し得る。
【0221】
ところで、光源ユニットが例えば車両用灯具に用いられる場合、光源ユニットは車両の振動に起因して振動する。上記特許文献4の光源ユニットのように載置面に対して概ね垂直な力によって基板を搭載部材に押し付ける場合、光源ユニットが振動すると基板が載置面に沿ってずれる虞がある。搭載部材に対する基板の位置がずれると、リフレクタ等の光学部材に対する発光素子の位置がずれるため、所望の配光が得られなくなることが懸念される。
【0222】
そこで、第5の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、第2基板60と、搭載部材としてのヒートシンク80と、押付部材としてのサポートプレート30とを備える。第2基板60には、第2発光素子63が搭載される。ヒートシンク80は、第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面91及び第2基板60の側面の一部に当接する当接面94sを有する。サポートプレート30は、第2基板60における第2発光素子63が搭載される搭載面60s上の接触部31bに接触し、第2基板60を第2載置面91及び当接面94sに押し付ける。
【0223】
このため、第2基板60はサポートプレート30によって第2載置面91及び当接面94sに押し付けられる。このため、光源ユニットLUが振動する場合であっても、第2基板60が第2載置面91から浮き上がったり、第2基板60が第2載置面91に沿って当接面94sに対する押し付け方向と反対側にずれたりすることを抑制し得る。このため、第2発光素子63から出射する光を反射するリフレクタユニット40等の光学部材に対する第2発光素子63の位置がずれることを抑制し得る。従って、所望の配光を形成し得る光源ユニットとし得る。
【0224】
第5の態様としての本実施形態では、一方の突起94における当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における接触部31bの一端を通る直線Laと、当該直線Laと平行で接触部31bの他端を通る別の直線Lbとの間に位置する。他方の突起94における当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における接触部31bの一端を通る直線Lcと、当該直線Lcと平行で接触部31bの他端を通る別の直線Ldとの間に位置する。このため、サポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2は、第2基板60におけるサポートプレート30と接触する2つの接触部31bからこれら接触部31bが対応する2つの当接面94sに向かうことになる。従って、サポートプレート30は第2基板60を2つの当接面94sに適切に押し付けることができ、光源ユニットLUが振動する場合であっても、第2基板60が第2載置面91に沿って当接面94sに対する押し付け方向と反対側にずれることを適切に抑制し得る。
【0225】
第5の態様としての本実施形態では、第2基板60は2つの接触部31bを有する。第2基板60の重心60Gは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側と反対側の端を通る直線Laと、当該直線Laと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側と反対側の端を通る別の直線Lcとの間に位置する。このため、第2基板60の重心60Gが上記の直線Laと直線Lcとの間に位置しない場合と比べて、サポートプレート30は第2基板60を第2載置面91に適切に押し付けることができる。このため、光源ユニットLUが振動する場合であっても、第2基板60が第2載置面91から浮き上がることを抑制し得る。従って、第2基板60のヒートシンク80に対する位置がずれることを抑制し得る。
【0226】
第5の態様としての本実施形態では、第2基板60は、2つの接触部31bを有する。当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側と反対側の端を通る直線Laと、当該直線Laと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側と反対側の端を通る別の直線Lcとの間に位置する。このため、当接面94sが第2基板を平面視した場合に上記の直線Laを基準とした直線Lc側と反対側または直線Lcを基準とした直線La側と反対側に位置する場合と比べて、サポートプレート30は第2基板60を当接面94sに適切に押し付け得る。このため、光源ユニットLUが振動する場合であっても、第2基板60が第2載置面91に沿って当接面94sに対する押し付け方向と反対側にずれることを適切に抑制し得る。
【0227】
第5の態様としての本実施形態では、サポートプレート30は弾性を有し、第2基板60はサポートプレート30の弾性力Fによって第2載置面91及び当接面94sに押し付けられる。このため、光源ユニットLUの振動等によって第2基板60の側面の一部と当接面94sとが離れたとしても、サポートプレート30の弾性力Fによって第2基板60の側面の一部と当接面94sとを当接し得る。つまり、光源ユニットLUの振動等によって第2基板60が第2載置面91に沿って当接面94sに対する押し付け方向と反対側にずれたとしても、第2基板60をずれる前と概ね同じ位置に移動させ得る。
【0228】
ところで、自動車用ヘッドライトに代表される車両用前照灯では、夜間に前方を照らすロービーム用の光源ユニットの他に、当該ロービームよりも遠方を照らすハイビーム用の光源ユニットを搭載する場合がある。このように2つの光源ユニットを備える灯具では、部品点数の削減や小型化等の観点から、これら2つの光源ユニットを並んだ状態で一体化させたいとの要請がある。この要請に対しては、例えば発光素子がそれぞれ搭載される2つの基板を1つヒートシンクの同じ載置面に載置し、この1つヒートシンクによって2つの基板及び2つの基板にそれぞれ搭載される発光素子を冷却することが考えられる。
【0229】
しかし、このように1つのヒートシンクに2つの基板を搭載する場合、ヒートシンクにおける2つの基板間の領域に熱が溜まる傾向にある。このため、2つの基板からヒートシンクに伝達される熱がヒートシンク全体に分散され難くなり、ヒートシンクが部分的に過加熱され、2つの基板及び2つの基板にそれぞれ搭載される発光素子を効率良く冷却できない場合がある。このようなヒートシンクの過加熱を抑制する対策としては、2つの基板をより離間してヒートシンクに搭載することが考えられる。しかし、この場合、ヒートシンクが大きくなって光源ユニット及びこの光源ユニットを備える灯具が大型化するという懸念がある。
【0230】
そこで、第6の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、第1発光素子55が搭載される第1基板50と、第2発光素子63が搭載される第2基板60と、第1基板50の少なくとも一部が載置される第1載置面86及び第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面91を有するヒートシンク80と、を備える。第1基板50と第2基板60とは所定の間隔をあけてヒートシンク80に載置され、第1載置面86の第1基板50側に延びる法線は、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線と交わる。
【0231】
このため、第1載置面86と第2載置面91とが同一平面上に位置する場合と比べて、第1基板50に搭載される第1発光素子55と第2基板60に搭載される第2発光素子63との距離を短くすることができる。また、ヒートシンク80の表面に沿った第1発光素子55と第2発光素子63との距離を長くすることができる。従って、第1発光素子55及び第2発光素子63で発生する熱をより適切にヒートシンク80内に分散させることができる。このため、ヒートシンク80における第1発光素子55と第2発光素子63との間の領域が過加熱されることを抑制し得る。また、第1載置面86と第2載置面91とが同一平面上に位置する場合と比べて、第1発光素子55と第2発光素子63との距離を短くすることができ、小型化し得る。従って、ヒートシンク80の過加熱を抑制しつつ、小型化し得る光源ユニットとし得る。
【0232】
第6の態様としての本実施形態では、光源ユニットLUは、ファン81を備える。ヒートシンク80は、前面82fに第1載置面86が形成される第1ベース板82と、前面83fに第2載置面91が形成される第2ベース板83とを有する。第1ベース板82の下側の外縁と第2ベース板83の上側の外縁とが互いに接続される。ファン81は、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bにおける空気の流れを形成する。
【0233】
このため、ファン81によって第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bの近傍に空気が留まることを抑制でき、ファン81を備えない場合と比べて第1ベース板82及び第2ベース板83を冷却できる。また、第1載置面86は板部材である第1ベース板82の前面82fに形成され、第2載置面91は板部材である第2ベース板83の前面83fに形成される。このため、第1ベース板82の背面82bは第2ベース板83の背面83bに対して傾斜しており、第1ベース板82の背面82bと第2ベース板83の背面83bとのなす角度は180度よりも大となる。このため、2つの背面82b,83bが共に当該背面82b、83bとファン81との間における空気の流れ方向に対して垂直な面とされたり、2つの背面82b,83bのなす角度が180よりも小とされたりする場合と比べて、2つの背面82b,83bは空気の流れの抵抗となり難い。このため、2つの背面82b,83bの近傍における空気の流速が遅くなることを抑制し得る。このため、ファン81によって第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0234】
第6の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、前端の一部が第1ベース板82及び第2ベース板83に固定される筒状の周壁部84と、周壁部84の内部空間と外部空間とを連通する第1通気口98a及び第2通気口98bと、を有する。ファン81は、周壁部84の後端における開口84Hを通る空気の流れを形成する。第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置される。
【0235】
ここで、周壁部84の開口84Hを通る空気の流れには、この開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れと、この開口84Hを通り周壁部の内部空間から外部空間に流れる空気の流れとが含まれる。周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合、この開口84Hから周壁部84の内部空間に流入する空気の一部は、周壁部84の内部空間を通って第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに向う。そして、この空気の一部は、第1通気口98aや第2通気口98bを通って周壁部84の外部空間へ流出される。このようにファン81によって第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bに向かう空気は、周壁部84がない場合と比べて、周壁部84によって拡散することが抑制される。このため、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに向かう空気の量を多くでき、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。また、上記のように、第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置される。このため、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bの近傍に空気が留まることを抑制でき、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0236】
一方、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合、第1通気口98aや第2通気口98bから周壁部84の内部空間に空気が流入する。この第1通気口98aや第2通気口98bから流入する空気の一部は、周壁部84の内部空間を通って周壁部84の開口84Hから周壁部84の外部空間に流出される。ここで、上記のように、第1通気口98a及び第2通気口98bは、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置される。このため、第1通気口98aや第2通気口98bから流入する空気の一部は、第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bの近傍を通って周壁部84の開口84Hへ向かう。つまり、これら背面82b、83bの近傍における空気がファン81によって吸引される。このため、ファン81は、周壁部84がない場合と比べて、これら背面82b、83bの近傍における空気をより多く吸引し得る。従って、これら背面82b、83bの近傍に空気が留まることを抑制でき、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0237】
第6の態様としての本実施形態では、周壁部84はファン81の外周を囲っている。このため、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、周壁部84がファン81の外周を囲わない場合と比べて、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに向かう空気の量を多くし得る。一方、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、周壁部84がファン81の外周を囲わない場合と比べて、ファン81は第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bの近傍における空気を多く吸引し得る。このため、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0238】
第6の態様としての本実施形態では、第1通気口98aの開口方向において、第1基板50の一部は、第1通気口98aと重なっている。また、第2通気口98bの開口方向において、第2基板60の一部は、第2通気口98bと重なっている。このため、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、第1通気口98aのから流出される空気の一部を第1基板50に向かわせることができ、第2通気口98bのから流出される空気の一部を第2基板60に向かわせることができる。このため、第1基板50及び第2基板60を、ヒートシンク80によって冷却するとともに、第1通気口98a及び第2通気口98bのから流出される空気によっても直接的に冷却し得る。一方、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、第1通気口98aから周壁部84の内部空間へ流入しようとする空気の一部が第1基板50に沿って流れるようにし得る。また、第2通気口98bから周壁部84の内部空間へ流入しようとする空気の一部が第2基板60に沿って流れるようにし得る。このため、第1基板50及び第2基板60を、ヒートシンク80によって冷却するとともに、第1通気口98a及び第2通気口98bの周壁部84の内部空間へ流入しようとする空気によっても直接的に冷却し得る。従って、第1基板50及び第2基板60をより適切に冷却し得る。
【0239】
第6の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、周壁部84の内部空間において周壁部84の前端側から後端側に向かって延在する複数の整流板85を有する。このため、周壁部84の内部空間における空気の流れの乱れが整えられる。このため、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、ヒートシンク80が整流板85を有さない場合と比べて、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに向かう空気の量を多くし得る。一方、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、ヒートシンク80が整流板85を有さない場合と比べて、ファン81は第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bの近傍における空気を多く吸引し得る。このため、ファン81から送り出される空気によって第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0240】
第6の態様としての本実施形態では、整流板85は、第1ベース板82及び第2ベース板83に接続されている。第1基板50及び第2基板60の熱の一部は、第1ベース板82及び第2ベース板83に伝達された後、第1ベース板82及び第2ベース板83に接続される部材、例えば周壁部84等に分散される。本実施形態では、上記のように整流板85は第1ベース板82及び第2ベース板83に接続されるため、整流板85にも熱を分散させることができ、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0241】
上記のように、整流板85は、周壁部84の内部空間において周壁部84の前端側から後端側に向かって延在する。このため、周壁部84の内部空間において、周壁部84と整流板85によって挟まれる空間が形成され得る。また、ヒートシンク80が複数の整流板85を有するので、複数の整流板85によって挟まれる空間が形成され得る。本実施形態では、上記のように整流板85は、第1通気口98aの開口方向から見る場合に第1通気口98aを横断し、第2通気口98bの開口方向から見る場合に第2通気口98bを横断する。このため、周壁部84の内部空間に形成され得る上記の空間はいずれも第1通気口98aや第2通気口98bと連通する。このため、周壁部84の内部空間に空気が滞留することを抑制することができ、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0242】
第6の態様としての本実施形態では、整流板85の少なくとも1つは、第2通気口98bから周壁部84の外部空間へ突出する突出部85aを有する。この突出部85aは、第2通気口98bの開口方向から見る場合に当該第2通気口98bと重なる第2基板60に接触する。このため、突出部85aは、第2載置面91の一部を兼ねることになり、第2載置面91の一部を兼ねない場合と比べて、第2載置面91の面積が増加する。このため、第2基板60をより安定して載置させ得る。また、整流板85は上記のように周壁部84の内部空間において延在するため、ファン81によって周壁部84の内部空間を流れる空気によって冷却される。このように冷却される整流板85における突出部85aが第2基板60に接触するため、整流板85が接触する第2基板60をより適切に冷却し得る。また、整流板85の突出部85aは第2通気口98bから周壁部84の外部空間へ突出するため、この突出部85aによって第2通気口98bの近傍における空気の流れの乱れが整えられる。このため、空気をより適切に第2通気口98bから周壁部84の外部空間へ流出させたり、第2通気口98bから周壁部84の内部空間に流入させたりし得る。従って、第2基板60をより適切に冷却し得る。
【0243】
第6の態様としての本実施形態では、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりも第1ベース板82側に配置される第1通気口98aと、第2ベース板83側に配置される第2通気口98bとが形成されている。このため、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、第1ベース板82と第2ベース板83の近傍の空気のうち、第1ベース板82側の空気の一部を第1ベース板82側に配置される第1通気口98aから周壁部84の外部空間へ流出し得る。また、第2ベース板83側の空気の一部を第2ベース板83側に配置される第2通気口98bから周壁部84の外部空間へ流出し得る。このため、空気をより適切に周壁部84の外部空間へ流出させることができ、通気口が第1通気口98aまたは第2通気口98bとされる場合と比べて、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。一方、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れをファン81が形成する場合では、第1通気口98aから周壁部84の内部空間へ流入する空気の一部を第1ベース板82の背面82bに沿って流れるようにし得る。また、第2通気口98bから周壁部84の内部空間へ流入する空気の一部を第2ベース板83の背面83bに沿って流れるようにし得る。このため、第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bの近傍に空気が留まることを適切に抑制でき、通気口が第1通気口98aまたは第2通気口98bとされる場合と比べて、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却し得る。
【0244】
(第2実施形態)
次に、本発明の第1の態様としての第2実施形態について図23を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の灯具における構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0245】
図23は、本発明の第2実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。図23に示すように、本実施形態の光源ユニットLUは、ヒートシンク80が第1ベース板82、第2ベース板83、及び周壁部84、整流板85を有さず、充実体とされる点、ファン81を備えない点において、第1実施形態の光源ユニットLUと異なる。また、本実施形態の光源ユニットLUは、第1載置面86と第2載置面91とが互いに概ね平行とされる点、流動部材用凹部96が第1流動部材用凹部96a及び第2流動部材用凹部96bを含む点においても、第1実施形態の光源ユニットLUと異なる。なお、図23では、サポートプレート30、リフレクタユニット40、コネクタ64等の記載は省略されている。
【0246】
本実施形態のヒートシンク80は、上記第1実施形態の周壁部84の内部空間がヒートシンク80を形成する材料によって埋められて形成されている。ヒートシンク80の前面は、第1面80sa、第2面80sb、及び第3面80scを含んでいる。第1面80saは概ね鉛直な面とされ、第2面80sbは概ね鉛直な面とされるとともに第1面80saよりも下方及び第1載置面86よりも前方に位置する。第1面80saと第2面80sbとは互いに概ね平行とされている。第3面80scは概ね水平な面とされ、第1面80saと第2面80sbとの間に位置する。第1面80saにおける下端及び第2面80sbの上端はこの第3面80scに接続している。つまり、第1面80saと第2面80sbとは第3面80scによって互いに接続されている。なお、第1面80saは第2面80sbに対して傾斜していても良い。また、第3面80scは第1面80saと第2面80sbとを接続していれば良く、特に限定されるものではない。
【0247】
第1面80saには前方へ突出する台座90が形成される。当該台座90の端面は第1面80saと概ね平行であり、この端面が第1載置面86とされる。第2面80sbには前方へ突出する台座95が形成される。当該台座95の端面は第2面80sbと概ね平行であり、この端面が第2載置面91とされる。このため、第1載置面86及び第2載置面91は概ね鉛直な面とされ、第1載置面86と第2載置面91とは互いに概ね平行とされる。なお、第1載置面86は第2載置面91に対して傾斜していても良い。
【0248】
本実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1載置面86には第1基板50が載置され、第2載置面91には第2基板60が載置される。第1基板50と第1載置面86と間及び第2基板60と第2載置面91との間には、それぞれ流動部材としてのグリス24が介在している。第1載置面86を平面視する場合に当該第1載置面86の外縁は、第1基板50の外縁に囲われている。第2載置面91を平面視する場合に当該第2載置面91の外縁は、第2基板60の外縁に囲われている。このため、第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側の外縁86eは、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁である。第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側に位置する外縁91eは、第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁である。
【0249】
第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間には、流動部材用凹部96が形成されている。流動部材用凹部96は、第1流動部材用凹部96aと第2流動部材用凹部96bと含んで構成されている。第1流動部材用凹部96aは、第1面80saに形成され、第1載置面86よりも第1基板50側と反対側に凹んでいる。第2流動部材用凹部96bは、第2面80sbに形成され、第2載置面91よりも第2基板60側と反対側に凹んでいる。このため、第1流動部材用凹部96aは第2流動部材用凹部96bよりも第1基板50側に位置し、第2流動部材用凹部96bは第1流動部材用凹部96aよりも第2基板60側に位置している。第1流動部材用凹部96aは、第1載置面86の外縁のうち第2載置面91側の外縁86eと概ね平行に所定の長さ延在している。第2流動部材用凹部96bは、第2載置面91の外縁のうち第1載置面86側に位置する外縁91eと概ね平行に所定の長さ延在している。第1流動部材用凹部96a及び第2流動部材用凹部96bの鉛直断面における形状はそれぞれ略長方形状とされる。なお、第1流動部材用凹部96a及び第2流動部材用凹部96bの鉛直断面における形状は特に限定されない。
【0250】
以上、説明したように、第1の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に第1流動部材用凹部96a及び第2流動部材用凹部96bを有する。また、第1流動部材用凹部96aは第2流動部材用凹部96bよりも第1基板50側に位置し、第2流動部材用凹部96bは第1流動部材用凹部96aよりも第2基板60側に位置している。このため、第1基板50と第1載置面86との間から押し出される余剰のグリス24のうち第2基板60側に向かうグリス24の一部は、第1流動部材用凹部96aに収容され得る。また、第2基板60と第2載置面91との間から押し出される余剰のグリス24のうち第1基板50側に向かうグリス24の一部は、第2流動部材用凹部96bに収容され得る。また、第2流動部材用凹部96bを越えて第1基板50側に向かう余剰のグリス24の一部は、第1流動部材用凹部96aに収容され得る。このため、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が第1基板50の第1載置面86側と反対側の面上や第2基板60の第2載置面91側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。このため、余剰のグリス24が第1基板50に搭載される発光素子55や第2基板60に搭載される発光素子63に付着することを抑制し得る。
【0251】
また、第1の態様としての本実施形態の光源ユニットLUは、流動部材用凹部96が1つの凹部から構成される場合と比べて、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が第1基板50の第1載置面86側と反対側の面上や第2基板60の第2載置面91側と反対側の面上に付着することを抑制し得る。
【0252】
また、端面が第2載置面91とされる台座95は、第1面80saよりも下方及び第1載置面86よりも前方に位置する第2面80sbに形成され、第1面80saと第2面80sbとの間には第3面80scが位置している。このため、第1流動部材用凹部96aを越えて第2基板60側に向かう余剰のグリス24が第3面80scによって第2面80sbに向かうことを抑制し得る。従って、第1流動部材用凹部96aを越えて第2基板60側に向かう余剰のグリス24の一部が第2基板60に搭載される発光素子63に付着することを抑制し得る。また、第2面80sbは第1基板50よりも前方に位置しているものの、第2面80sbには第2流動部材用凹部96bが形成されている。このため、余剰のグリス24が第2面80sbから第1基板50の第1載置面86側と反対側の面上に飛んで付着することを抑制し得る。
【0253】
(第3実施形態)
次に、本発明の第6の態様としての第3実施形態について図24を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の灯具における構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0254】
図24は、本発明の第3実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。図24に示すように、本実施形態の光源ユニットLUは、第1通気口98a及び第2通気口98bがヒートシンク80の周壁部84に形成される点において、第1実施形態の光源ユニットLUと異なる。
【0255】
本実施形態のヒートシンク80における周壁部84の前端は、全周に亘って第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに固定される。具体的には、周壁部84における上壁84bの前側の外縁は、第1ベース板82の背面82bに接続し、下壁84cの前側の外縁は、第2ベース板83の背面83bに接続する。第1通気口98aは上壁84bを板厚方向に貫通する貫通孔とされ、第2通気口98bは下壁84cを板厚方向に貫通する貫通孔とされる。このため、第1通気口98aは第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりも第1ベース板82側に配置され、第2通気口98bは接続部99よりも第2ベース板83側に配置さる。また、第1通気口98aの一部及び第1通気口98aの一部は、接続部99よりもファン81と反対側に位置している。
【0256】
第6の態様としての本実施形態では、ヒートシンク80における周壁部84は、前端が第1ベース板82及び第2ベース板83に固定される。しかし、第1通気口98a及び第2通気口98bの少なくとも一部は、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに垂直な断面において、第1ベース板82と第2ベース板83との接続部99よりもファン81側と反対側に配置されている。このため、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bの近傍に空気が留まることを抑制でき、第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却することができる。なお、第1通気口98a及び第2通気口98bはそれぞれ複数形成されても良く、側壁84aに形成されても良い。側壁84aに形成される場合には、第1通気口98a及び第2通気口98bの少なくとも一部は、接続部99のうち側壁84aと接続する部位よりもファン81側と反対側に配置されることが好ましい。このように構成することで、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bの近傍に空気が留まることを抑制し得る。
【0257】
(第4実施形態)
次に、本発明の第6の態様としての第4実施形態について図25を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の灯具における構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0258】
図25は、本発明の第4実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。図25に示すように、本実施形態の光源ユニットLUは、第1ベース板82が後方斜め上方及び左右に延在する板状体である点において、第1実施形態の光源ユニットLUと異なる。なお、図25では、整流板85、サポートプレート30、リフレクタユニット40、コネクタ64等の記載は省略されている。
【0259】
本実施形態の第1ベース板82は、後方斜め上方及び左右に延在する板状体とされる。しかし、上記第1実施形態及び第3実施形態と同様に、第1載置面86の第1基板50側に延びる法線は、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線と交わる。このため、第1ベース板82の背面82bは第2ベース板83の背面83bに対して傾斜し、第1ベース板82の背面82bと第2ベース板83の背面83bとのなす角度は180度よりも大となる。このため、これら2つの背面82b,83bが共に当該背面82b、83bとファン81との間における空気の流れ方向に対して垂直な面とされたり、2つの背面82b,83bのなす角度が180度よりも小とされたりする場合と比べて、これらの背面82b,83bは空気の流れの抵抗となり難い。このため、これらの背面82b,83bの近傍における空気が遅くなることを抑制し得る。このため、ファン81によって第1ベース板82及び第2ベース板83をより適切に冷却することができる。
【0260】
(第5実施形態)
次に、本発明の第6の態様としての第5実施形態について図26を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態の灯具における構成要素のうち第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
【0261】
図26は、本発明の第5実施形態に係る光源ユニットを図14と同様に示す図である。図26に示すように、本実施形態の光源ユニットLUは、ヒートシンク80が第1ベース板82、第2ベース板83、及び周壁部84、整流板85を有さず、充実体とされる点、ファン81を備えない点において、第1実施形態の光源ユニットLUと異なる。なお、図26では、サポートプレート30、リフレクタユニット40、コネクタ64等の記載は省略されている。
【0262】
本実施形態のヒートシンク80は、上記第1実施形態の周壁部84の内部空間がヒートシンク80を形成する材料によって埋められて形成されている。しかし、ヒートシンク80における第1載置面86の記第1基板側に延びる法線は、第2載置面91の第2基板60側に延びる法線と交わっている。このため、上記第1実施形態と同様にして、第1載置面86と第2載置面91とが同一平面上に位置する場合と比べて、第1基板50に搭載される第1発光素子55と第2基板60に搭載される第2発光素子63との距離を短くできる。また、ヒートシンク80の表面に沿った第1発光素子55と第2発光素子63との距離を長くすることができる。従って、第1発光素子55及び第2発光素子63で発生する熱をより適切にヒートシンク80内に分散させることができる。このため、ヒートシンク80における第1発光素子55と第2発光素子63との間の領域が過加熱されることを抑制し得る。また、第1載置面86と第2載置面91とが同一平面上に位置する場合と比べて、第1発光素子55と第2発光素子63との距離を短くすることができ、小型化し得る。
【0263】
以上、本発明の第1~6の態様について、実施形態を例に説明したが、本発明の第1~6の態様はこれらに限定されるものではない。
【0264】
例えば、上記第1実施形態では、リフレクタユニット40によってヒートシンク80における第1載置面86に押し付けられてヒートシンク80に固定される第1基板50を例に説明した。しかし、第1基板50はヒートシンク80に固定されれば良く、例えば第1基板50はねじ等によってヒートシンク80に固定されても良い。
【0265】
また、上記第1実施形態では、サポートプレート30によってヒートシンク80における第2載置面91に押し付けられてヒートシンク80に固定される第2基板60を例に説明した。しかし、第2基板60はヒートシンク80に固定されれば良く、例えば、上記第5の態様の光源ユニットの場合以外では、第2基板60はねじ等によってヒートシンク80に固定されても良い。
【0266】
また、上記第1実施形態では、第1基板50における貫通孔51及び側面と、ヒートシンク80における第1リブ87、2つのボス88、及び2つの突起97とを用いて、ヒートシンク80に対する第1基板50の位置が所定の範囲内となるように規制された。しかし、ヒートシンク80に対する第1基板50の位置を規制する手段は特に限定されるものではない。また、上記第1実施形態では、第2基板60における貫通孔61及び側面と、ヒートシンク80における第2リブ92及び2つの突起94とを用いて、ヒートシンク80に対する第2基板60の位置が所定の範囲内となるように規制された。しかし、ヒートシンク80に対する第2基板60の位置を規制する手段は特に限定されるものではない。
【0267】
また、上記第1実施形態では、複数の第1発光素子55とサーミスタ56が搭載された第1基板50と複数の第2発光素子63とコネクタ64が搭載された第2基板60とを例に説明した。しかし、第1基板50及び第2基板60は、それぞれ少なくとも1つの発光素子が搭載されていれば良い。また、上記第1実施形態では、第1基板50と第2基板60とがフレキシブルプリント回路基板70によって接続されていた。しかし、上記第2の態様の光源ユニットの場合以外では、第1基板50と第2基板60とがフレキシブルプリント回路基板70によって接続されていなくても良い。このような場合、例えば第1基板50にコネクタを搭載し、当該コネクタを介して第1発光素子55に電力を供給しても良い。
【0268】
また、上記第1実施形態では、第1発光素子55は第1基板50における当該第1基板50側よりも第2基板60側に位置していた。また、第2発光素子63は第2基板60における当該第2基板60側よりも第1基板50側に位置していた。しかし、第1発光素子55の第1基板50に対する位置及び第2発光素子63の第2基板60に対する位置は特に限定されるものではない。なお、上記第1実施形態のように、第1発光素子55が第1基板50における当該第1基板50側よりも第2基板60側に位置している場合には、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が第1発光素子55に付着し易くなる。また、第2発光素子63が第2基板60における当該第2基板60側よりも第1基板50側に位置している場合には、第1基板50と第2基板60との間に溜まる余剰のグリス24の一部が第1発光素子55に付着し易くなる。従って、上記第1、第2実施形態は、第1基板50及び第2基板60の少なくとも一方の発光素子は当該発光素子が搭載される一方の基板における当該一方の基板側よりも他方の基板側に位置する場合に有用である。
【0269】
また、上記第1実施形態では、第1載置面86と第2載置面91とのなす角は180度よりも小とされ、上記第2実施形態では、第1載置面86と第2載置面91とは互いに概ね平行とされた。しかし、第1載置面86と第2載置面91とのなす角は180度よりも大とされても良い。なお、上記第1実施形態のように第1載置面86と第2載置面91とのなす角は180度よりも小とされる場合、第1載置面86と第2載置面91との間、つまり第1基板50と第2基板60との間に余剰のグリス24が溜まり易くなる。従って、上記第1、第2実施形態は、第1載置面86と第2載置面91とのなす角が180度よりも小とされる場合に有用である。
【0270】
また、本実施形態では、流動部材用凹部96の一部は、第1基板50の第1発光素子55における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な第1直線Lfと、他端を通り第1直線Lfと平行な第2直線Lsとの間に位置していた。また、流動部材用凹部96の一部は、第2基板60の第2発光素子63における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な直線と、他端を通りこの直線と平行な別の直線との間に位置していた。しかし、流動部材用凹部96は、第1載置面86における第1基板50と重なる領域の第2基板60側の縁と第2載置面91における第2基板60と重なる領域の第1基板50側の縁との間に位置している限りにおいて特に限定されない。なお、余剰の流動部材の発光素子への付着を抑制する観点から、流動部材用凹部96の一部は、第1基板50及び第2基板60の少なくとも一方の発光素子55,63における第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と垂直な方向の一端を通り第1基板50側から第2基板60側に向かう方向と平行な第1直線と、他端を通り前記第1直線と平行な第2直線との間に位置することが好ましい。
【0271】
また、上記実施形態では、第1基板50の一部が第1載置面86に載置され、第2基板60の一部が第2載置面91に載置されていた。しかし、上記第3の態様の光源ユニット、上記第4の態様の搭載部材の製造方法、及び上記第5の態様の光源ユニットの場合以外では、ヒートシンク80は、第1基板50の少なくとも一部が載置される第1載置面及び第2基板60の少なくとも一部が載置される第2載置面を有する限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、第1基板50の全体が第1載置面に載置されても良い。また、ヒートシンク80には、第1基板50及び第2基板60とは別の基板が更に搭載されても良い。また、ヒートシンク80は、基板を搭載可能である限りにおいて特に限定されない。例えば、ヒートシンク80は、搭載される基板を冷却する機能を有さない部材、例えば単なる樹脂製の板部材等とされても良い。
【0272】
また、上記第1実施形態では、第1基板50と第2基板60との間において、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域を通るフレキシブルプリント回路基板70を例に説明した。しかし、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域及び第2接続部72よりも第2載置面91側の領域の少なくとも一方を通れば良い。例えば、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71よりも第1載置面86側の領域及び第2接続部72よりも第2載置面91側の領域を通っても良い。
【0273】
また、上記第1実施形態では、第1基板50には、当該第1基板50を平面視する場合における第2基板60側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠き54が形成されていた。しかし、第1基板50及び第2基板60の少なくとも一方の基板に、当該一方の基板を平面視する場合における他方の基板側の外縁から所定の位置まで延びる切り欠きが形成され、フレキシブルプリント回路基板70がこの切り欠きを通れば良い。例えば、第2基板60にこのような切り欠きが形成されていても良い。
【0274】
また、上記第1実施形態では、ヒートシンク80は、第1基板50と第2基板60との間において、第1載置面86よりもフレキシブルプリント回路基板70側と反対側に凹む凹部89を有していた。しかし、ヒートシンク80は、第1基板50と第2基板60との間において、第1載置面86及び第2載置面91の少なくとも一方よりもフレキシブルプリント回路基板70側と反対側に凹む凹部を有していれば良い。例えば、ヒートシンク80は、第1基板50と第2基板60との間において、第2載置面91よりもフレキシブルプリント回路基板70側と反対側に凹む凹部を有していても良い。
【0275】
また、上記第1実施形態では、2つのフレキシブルプリント回路基板70を備える光源ユニットLUを例に説明した。しかし、光源ユニットLUが備えるフレキシブルプリント回路基板70の数は特に限定されるものではない。
【0276】
また、上記第1実施形態では、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71から第2接続部72まで延在する給電用配線74c及びサーミスタ用配線75cを有していた。しかし、フレキシブルプリント回路基板70が有する配線は、給電用配線74c及びサーミスタ用配線75cに限定されるものではない。例えば、フレキシブルプリント回路基板70は、第1接続部71から第2接続部72まで延在する他の配線を有していても良い。このようにフレキシブルプリント回路基板70が第1接続部71から第2接続部72まで延在する複数の配線を有する場合には、互いに隣り合う配線間にスリットが形成されることが好ましい。このように構成することで、上記のように、これら配線間にスリットが形成されない場合と比べて、仮に配線にマイグレーションが生じたとしても、短絡による不具合が生じることを低減し得る。
【0277】
また、上記第1実施形態では、第1載置面86と第2載置面91とのなす角は180度よりも小とされた。しかし、上記第3の態様の光源ユニットの場合では、第1載置面86と第2載置面91とは互いに非平行であれば良く、例えば、第1載置面86と第2載置面91とのなす角が180度よりも大とされても良い。
【0278】
また、上記第1実施形態では、第1基板50における第1当接面51sは、第1載置面86を平面視する場合の第1リブ87の延在方向と概ね平行な平面とされていた。しかし、第1当接面51sは第1リブ87の外周面と当接可能であれば良く、例えば第1リブ87側に向かって凸状に湾曲していても良い。また、第2基板60における第1当接面61sは、第2載置面91を平面視する場合の第2リブ92の延在方向と概ね平行な平面とされていた。しかし、第1当接面61sは第2リブ92の外周面と当接可能であれば良く、例えば第2リブ92側に向かって凸状に湾曲していても良い。
【0279】
また、上記第1実施形態では、第1リブ87の長手方向と垂直な断面の形状は円形とされ、第2リブ92の長手方向と垂直な断面の形状は円形とされた。しかし、第1リブ87及び第2リブ92のそれぞれの長手方向と垂直な断面の形状は特に限定されるものではなく、例えば楕円形等であっても良い。
【0280】
また、上記第1実施形態では、2つの当接面88s、2つの当接面94s、2つの当接面97sが形成されるヒートシンク80を例に説明した。しかし、これら当接面の数は特に限定されるものではない。
【0281】
また、上記第1実施形態では、第1基板50における第2当接面52sとヒートシンク80の当接面97sとは、概ね平行な状態で対向していた。しかし、第1載置面86を平面視する場合の第2当接面52sと当接面97sとの接線が第1リブ87の延在方向と非平行であれば良い。例えば、第2当接面52sは当接面97s側に凸状に湾曲していても良く、当接面97sは第2当接面52s側に凸状に湾曲していても良い。
【0282】
また、上記第1実施形態では、第1基板50における第3当接面53sとヒートシンク80の当接面88sとは、概ね平行な状態で対向していた。しかし、第1載置面86を平面視する場合の第3当接面53sと当接面88sとの接線が第1リブ87の延在方向と非平行であれば良い。例えば、第3当接面53sは当接面88s側に凸状に湾曲していても良く、当接面88sは第3当接面53s側に凸状に湾曲していても良い。
【0283】
また、上記第1実施形態では、第2基板60における第2当接面62sとヒートシンク80の当接面94sとは、概ね平行な状態で対向していた。しかし、第2載置面91を平面視する場合の第2当接面62sと当接面94sとの接線が第2リブ92の延在方向と非平行であれば良い。例えば、第2当接面62sは当接面94s側に凸状に湾曲していても良く、当接面94sは第2当接面62s側に凸状に湾曲していても良い。
【0284】
また、上記実施形態では、第1基板50及び第2基板60が搭載されるヒートシンク80を例に説明した。しかし、上記第1の態様の光源ユニット、上記第2の態様の光源ユニット、及び上記第6の態様の光源ユニットの場合以外では、ヒートシンク80は、少なくとも1つの基板が搭載されるものであれば良い。例えば、ヒートシンク80には第2基板60が搭載されなくても良い。また、ヒートシンク80は、基板を搭載可能である限りにおいて特に限定されない。例えば、ヒートシンク80は、搭載される基板を冷却する機能を有さない部材、例えば単なる樹脂製の板部材等とされても良い。
【0285】
また、ヒートシンクの製造方法における上記第1実施形態では、中間部材80iは、第1仮載置面86p、第2仮載置面91p、第1仮当接面88sp、及び第2仮当接面94spを有する点において、上記のヒートシンク80と構成が異なっていた。しかし、中間部材80iは、突起97の当接面97sを覆う別の仮当接面を更に有していても良い。このような構成の場合には、例えば切削工程P2において、この別の仮当接面を更に切削して当接面97sを形成する。この際、第1載置面86の一部と当接面97sの一部とを同時に形成しても良い。
【0286】
また、上記第1実施形態では、ベース部31、一対の固定部32、一対の第1遮光部33、第2遮光部34、及び第3遮光部35を有するサポートプレート30を例に説明した。しかし、サポートプレート30は、少なくとも第2基板60における第2発光素子63が搭載される搭載面60s上の接触部31bに接触し、第2基板60を第2載置面91及び当接面94sに押し付ける限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、サポートプレート30は、一対の第1遮光部33、第2遮光部34、及び第3遮光部35の少なくとも1つを有していなくても良い。また、サポートプレート30は、ばね等の弾性体の弾性力によって第2基板60の第2載置面91側と反対側から第2基板60を第2載置面91及び突起94に押し付ける構成とされても良い。
【0287】
また、上記第1実施形態では、第2基板60と第2載置面91との間には流動部材としてのグリス24が介在していた。しかし、上記第1の態様の光源ユニットの場合以外では、第2基板60と第2載置面91との間に流動部材が介在していなくても良い。
【0288】
また、上記第1実施形態では、2つの突起94における下方側にそれぞれ形成される2つの当接面94sを例に説明した。しかし、当接面94sは、サポートプレート30によって第2基板60の側面の一部が押し付けられる限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、サポートプレート30によって第2基板60の側面の一部が押し付けられる当接面94sは1つであっても良く、3つ以上であっても良く、平面でなくても良い。
【0289】
また、上記第1実施形態では、当接面94sは、第2基板60を平面視する場合に当該第2基板60における接触部31bよりもサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力の方向に位置していた。しかし、この当接面94sは、第2基板60を平面視する場合に接触部31bよりもサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力の方向と反対方向に位置していても良い。
【0290】
また、上記第1実施形態では、一方の突起94における当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における接触部31bの一端を通る直線Laと、当該直線Laと平行で接触部31bの他端を通る別の直線Lbとの間に位置していた。また、他方の突起94における当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で当該方向と垂直な方向における接触部31bの一端を通る直線Lcと、当該直線Laと平行で接触部31bの他端を通る別の直線Ldとの間に位置していた。しかし、これら当接面94sは、この直線La,Lcと直線Lb,Ldとの間にそれぞれ位置していなくても良い。例えば、上記第1実施形態と同様に、第2基板60は2つの接触部31bを有する場合、当接面94sの少なくとも一部は、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側の端を通る直線Lbと、当該直線Lbと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側の端を通る別の直線Ldとの間に位置していても良い。このような構成にすることで、当接面94sの少なくとも一部が上記の直線La,Lcと直線Lb,Ldとの間に位置していなくても、サポートプレート30は第2基板60を当接面94sに適切に押し付け得る。
【0291】
また、上記第1実施形態では、第2基板60は2つの接触部31bを有し、第2基板60の重心60Gは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側と反対側の端を通る直線Laと、当該直線Laと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側と反対側の端を通る別の直線Lcとの間に位置していた。しかし、第2基板60の重心60Gは、この直線Laと直線Lcとの間に位置していなくても良い。なお、上記第1実施形態では、第2基板60の重心60Gは、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で一方の接触部31bにおける他方の接触部31b側の端を通る直線Lbと、当該直線Lbと平行で他方の接触部31bにおける一方の接触部31b側の端を通る別の直線Ldとの間にも位置している。このため、光源ユニットLUが振動する場合であっても、第2基板60が第2載置面91から浮き上がることをより適切に抑制し得る。
【0292】
また、上記第1実施形態では、2つの接触部31bを有する第2基板60を例に説明した。しかし、接触部31bの数は特に限定されるものではなく、接触部31bは1つであっても良く3つ以上であっても良い。なお、第2基板60が1つの接触部31bを有するとともにヒートシンク80が2つの当接面94sを有する場合、第2基板60を平面視する場合にサポートプレート30が第2基板60を当接面94sに押し付ける力F2の方向と平行で接触部31bを通る直線は、2つの当接面94sの間を通ることが好ましい。このように構成することで、当接面94sの少なくとも一部が上記の直線Laと直線Lbとの間に位置していなくても、サポートプレート30は第2基板60を当接面94sに適切に押し付け得る。
【0293】
また、上記第1実施形態では、ファン81の外周を囲う周壁部84を例に説明した。しかし、周壁部84はファン81の外周を囲わなくても良い。このような場合、例えば、ファン81は、周壁部84の後端における開口84Hの後方に配置され、当該開口84Hから周壁部84の内部空間に空気を流入させたり、当該開口84Hから周壁部84の外部空間に空気を流出させたりする。
【0294】
また、上記第1実施形態では、前側の外縁が第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに接続される整流板85を例に説明した。しかし、整流板85は、周壁部84の内部空間において周壁部84の一方の端側から他方の端側に向かって延在していれば良い。例えば、整流板85の前側の外縁は、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bに接続されなくても良い。また、整流板85は、第2通気口98bから周壁部84の外部空間へ突出する突出部85aを有さなくても良い。整流板85は、第1通気口98aから周壁部84の外部空間へ突出して第1基板50に接触する別の突出部を有していても良い。また、整流板85は、第1通気口98aの開口方向である前方から見る場合に第1通気口98aを横断しなくても良く、第2通気口98bの開口方向である前方から見る場合に第2通気口98bを横断しなくても良い。また、ヒートシンク80は、整流板85を有していなくても良く、周壁部84を有していなくても良い。
【0295】
また、上記第1実施形態では、第1通気口98aの開口方向において一部が第1通気口98aと重なる第1基板50、及び第2通気口98bの開口方向において一部が第2通気口98bと重なる第2基板60を例に説明した。しかし、第1基板50は第1通気口98aの開口方向において第1通気口98aと重なっていなくても良く、第2基板60は第2通気口98bの開口方向において第2通気口98bと重なっていなくても良い。
【0296】
また、上記第1実施形態、第3実施形態、及び第4実施形態では、ヒートシンク80は、第1通気口98aと第2通気口98bとを有していた。しかし、ヒートシンク80が周壁部84を有する場合、当該ヒートシンク80は、周壁部84の内部空間と外部空間とを連通し、第1ベース板82と第2ベース板83の接続部99よりもファン81側と反対側に配置される通気口を有すれば良い。例えば、上記第4実施形態では、ヒートシンク80は第1通気口98aを有さなくても良く、このような構成であっても、第1ベース板82の背面82b及び第2ベース板83の背面83bの近傍に空気が留まることを抑制できる。
【0297】
また、上記第1実施形態では、ファン81は、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れ、または周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れを形成できた。そして、ファン81は、この形成する空気の流れを切り換え可能とされていた。しかし、ファン81は、周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の外部空間から内部空間に流れる空気の流れ、及び周壁部84の開口84Hを通り周壁部84の内部空間から外部空間に流れる空気の流れの少なくとも一方を形成できれば良い。
【0298】
また、上記第1実施形態、第3実施形態、及び第4実施形態では、光源ユニットLUがファン81を備えるとともに、ヒートシンク80が周壁部84を有していた。しかし、ファン81は、第1ベース板82及び第2ベース板83の背面82b、83bにおける空気の流れを形成することができれば良く、ヒートシンク80が周壁部84を有していなくても良い。
【0299】
また、上記第5の態様の光源ユニットの場合以外において、第2基板60における第2当接面62sと突起94における当接面94sとは、常に当接していても良い。例えば、位置決め用凹部62に突起94が圧入されても良い。
【0300】
以上のように、本発明の第1及び2の態様によれば、不具合を抑制し得る光源ユニットが提供され、本発明の第3~5の態様によれば、所望の配光を形成し得る光源ユニット及びこれに用いられる搭載部材の製造方法が提供され、本発明の第6の態様によれば、ヒートシンクの過加熱を抑制しつつ小型化し得る光源ユニットが提供され、照明等の分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0301】
1・・・車両用前照灯
3・・・灯具ユニット
20・・・投影レンズ
24・・・グリス(流動部材)
25・・・レンズホルダ
30・・・サポートプレート(押付部材)
31・・・ベース部
31a・・・凸部
31b・・・接触部
40・・・リフレクタユニット
50・・・第1基板
50G・・・第1基板の重心
50s・・・搭載面
51・・・貫通孔
51s・・・第1当接面
52s・・・第2当接面
53s・・・第3当接面
54・・・切り欠き
55・・・第1発光素子(発光素子)
60・・・第2基板
60G・・・第2基板の重心
60s・・・搭載面
61・・・貫通孔
61s・・・第1当接面
62・・・位置決め用凹部
62s・・・第2当接面
63・・・第2発光素子(発光素子)
70・・・フレキシブルプリント回路基板
71・・・第1接続部
72・・・第2接続部
73・・・帯部
74c・・・給電用配線(配線)
75c・・・サーミスタ用配線(配線)
80・・・ヒートシンク(搭載部材)
80i・・・中間部材
81・・・ファン
82・・・第1ベース板
82f・・・第1ベース板の前面
82b・・・第1ベース板の背面
83・・・第2ベース板
83f・・・第2ベース板の前面
83b・・・第2ベース板の背面
84・・・周壁部
84H・・・開口
85・・・整流板
85a・・・突出部
86・・・第1載置面
86p・・・第1仮載置面
87・・・第1リブ(リブ)
88・・・ボス
88s・・・当接面
88sp・・・第1仮当接面
89・・・凹部
91・・・第2載置面
91p・・・第2仮載置面
92・・・第2リブ(リブ)
93・・・リブ補強部
94・・・突起
94s・・・当接面
94sp・・・第2仮当接面
96・・・流動部材用凹部(凹部)
96a・・・第1流動部材用凹部(第1凹部)
96b・・・第2流動部材用凹部(第2凹部)
97・・・突起
97s・・・当接面
98a・・・第1通気口(通気口)
98b・・・第2通気口(通気口)
La,Lb,Lc,Ld・・・直線
Lf・・・第1直線
Ls・・・第2直線
LU・・・光源ユニット
図1
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