(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ヘアアイロン及びヘアアイロンヘッド
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20221205BHJP
A45D 1/04 20060101ALI20221205BHJP
A45D 1/18 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
A45D1/00 505H
A45D1/04 A
A45D1/18 A
(21)【出願番号】P 2020518140
(86)(22)【出願日】2019-02-05
(86)【国際出願番号】 JP2019004097
(87)【国際公開番号】W WO2019215972
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2018092598
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】森川 敏英
(72)【発明者】
【氏名】池原 正博
(72)【発明者】
【氏名】小柳 智裕
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-154727(JP,A)
【文献】特開平02-034104(JP,A)
【文献】特開2014-133048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00
A45D 1/04
A45D 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部が封じられた
略楕円形状の側壁を有する筒状のアイロンヘッドと、上記アイロンヘッドに風を供給する送風装置と、
上記アイロンヘッドを加熱する加熱装置と、を備え、
上記アイロンヘッドは、上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有し、
前記ブラシは、樹脂製の柱状部材である樹脂ピンからなる第1のブリッスルと、前記第1のブリッスルよりも熱伝導率が高い金属製の柱状部材である金属ピンからなる第2のブリッスルとを含み、
前記複数のリブは板状部材またはフィン状部材であり、かつ、各前記リブの先端の輪郭が前記側壁の輪郭に沿った略楕円形状であり、
上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている、
ことを特徴とするヘアアイロン。
【請求項2】
上記第2領域には、上記複数のリブのうち隣接する2つのリブにより挟まれた溝が複数存在し、
上記複数の開口の各々は、複数の上記溝の何れかに形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアアイロン。
【請求項3】
上記複数の開口は、上記第1領域と上記第2領域との境界に沿って配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘアアイロン。
【請求項4】
上記複数の開口から風が吹き出す方向である吹き出し方向は、上記側壁の横断面に沿う面に対して傾きを有する、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のヘアアイロン。
【請求項5】
上記複数の開口を複数の第1開口とし、当該複数の第1開口からなる開口群を第1開口群として、
上記第2領域のうち上記第1開口群が形成されている領域と異なる領域には、上記軸方向に沿って配置されている複数の第2開口からなる第2開口群であって、上記第1開口群とは異なる第2開口群が形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載のヘアアイロン。
【請求項6】
上記複数の第1開口から風が吹き出す方向である第1の吹き出し方向と、上記複数の第2開口から風が吹き出す方向である第2の吹き出し方向とは、互いに異なる、
ことを特徴とする請求項5に記載のヘアアイロン。
【請求項7】
上記複数の第1開口から風が吹き出す方向である第1の吹き出し方向、及び、上記第2開口から風が吹き出す方向である第2の吹き出し方向の少なくとも一方は、上記側壁の横断面に沿う面に対して傾きを有する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のヘアアイロン。
【請求項8】
帯電粒子を生成することにより、上記送風装置が生成した風を、帯電粒子を含む風に変換する帯電粒子発生装置と、を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のヘアアイロン。
【請求項9】
前記第2のブリッスルの先端は、前記第1のブリッスルの先端により規定される面よりも引っ込んでいる、
ことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載のヘアアイロン。
【請求項10】
ヘアアイロンの一部を構成する、一方の端部が封じられた
略楕円形状の側壁を有する筒状のアイロンヘッドであって、
上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有し、
前記ブラシは、樹脂製の柱状部材である樹脂ピンからなる第1のブリッスルと、前記第1のブリッスルよりも熱伝導率が高い金属製の柱状部材である金属ピンからなる第2のブリッスルとを含み、
前記複数のリブは板状部材またはフィン状部材であり、かつ、各前記リブの先端の輪郭が前記側壁の輪郭に沿った略楕円形状であり、
上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている、
ことを特徴とするアイロンヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアアイロン及びヘアアイロンヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアスタイリングに用いる道具の1つとして、ヘアアイロンが利用されている。
【0003】
非特許文献1,2には、筒状のヘアアイロンヘッドであって、外側面の正面側の領域にブラシを設け、外側面の背面側の領域に加熱板を設けたヘアアイロンが記載されている。なお、非特許文献1,2の各々においては、それぞれ、ヘアアイロンのことをヘアアイロンブラシ及びブラシ付ヘアアイロンと称している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】日本国登録意匠公報「意匠登録1469320号」
【文献】日本国登録意匠公報「意匠登録1503188号」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1,2に記載されたタイプのヘアアイロンは、ブラシがキャッチしたに対して熱を加えることができるが、スタイリング最中の髪に対して風(温風又は冷風)を当てることはできない。したがって、髪に対して風を当てながらスタイリングをしたいユーザは、このタイプのヘアアイロンとドライヤーとを併用することになる。すなわち、ユーザは、一方の手にヘアアイロンを持ち、他方の手にドライヤーを持った状態でヘアスタイリングを行うことになる。その結果、ユーザは、ヘアスタイリングを行うたびに負担を感じる。
【0006】
本発明の一態様は、ドライヤーと併用することなく髪に対して風を当てながらスタイリング可能なヘアアイロンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るヘアアイロンは、一方の端部が封じられた筒状の側壁を有するアイロンヘッドと、上記アイロンヘッドに風を供給する送風装置と、を備えている。上記アイロンヘッドは、上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有している。上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアイロンヘッドは、ヘアアイロンの一部を構成する、一方の端部が封じられた筒状の側壁を有するアイロンヘッドである。本アイロンヘッドは、上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有する。上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、ドライヤーと併用することなく髪に対して風を当てながらスタイリング可能なヘアアイロンを提供することができる。また、本発明の一態様によれば、そのようなヘアアイロンの一部を構成するアイロンヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)~(e)は、それぞれ、本発明の第1の実施形態に係るヘアアイロンの上面図、右側面図、正面図、左側面図、及び背面図である。
【
図2】(a)~(c)は、それぞれ、
図1に示したヘアアイロンが備えているアイロンヘッドの右側面図、縦断面図、及び横断面図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るアイロンヘッドの縦断面図である。
【
図4】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第3の実施形態に係るアイロンヘッドの右側面図及び横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るヘアアイロン1について、
図1を参照して説明する。
図1の(a)~(e)は、それぞれ、ヘアアイロン1の上面図、右側面図、正面図、左側面図、及び背面図である。なお、本実施形態においては、ヘアアイロン1にとっての右側(
図1の(c)に示した状態におけるヘアアイロン1の左側)からヘアアイロン1を見た場合の図を右側面図と称し、ヘアアイロン1にとっての左側(
図1の(c)に示した状態におけるヘアアイロン1の右側)からヘアアイロン1を見た場合の図を左側面図と称する。
【0012】
(ヘアアイロン1の構成)
図1の(a)~(e)の各図に示すように、ヘアアイロン1は、アイロンヘッド11と、本体21と、送風装置22と、イオン発生装置23と、を備えている。
【0013】
アイロンヘッド11は、本体21に対して着脱可能に設計された、ヘアスタイリングに好適なアタッチメントである。アイロンヘッド11は、一方の端部(
図1の(c)に図示した座標系におけるz軸正方向側の端部)が端壁111により封じられた筒状の側壁112を有する。アイロンヘッド11の詳細については、
図2を参照して後述する。なお、
図1の(c)に示した直線A-A’は、アイロンヘッド11と本体21との境界を示している。
【0014】
本実施形態において、
図1の(c)に示すように、(1)筒状である側壁112の軸方向をz軸方向と定め、(2)ヘアアイロン1を平面視した場合にヘアアイロン1にとっての右側から左側へ向かう方向をx軸方向と定め、(3)ヘアアイロン1を平面視した場合にヘアアイロン1にとっての正面側から背面側へ向かう方向をy軸と定める。また、本実施形態において、xy平面内において、z軸を中心として軸回りに回転する方向を周方向と称する。
【0015】
本体21は、その一方の端部であるz軸正方向側の端部にアイロンヘッド11を着脱可能に設計されている。本体21は、
図1の(d)に示すように、送風装置22、イオン発生装置23、及び加熱装置24を収容する筐体としても機能する。なお、送風装置22、イオン発生装置23、及び加熱装置24については、
図1の(d)にのみ模式的に示し、
図1の(a)~(c),(e)への図示は省略している。また、本体21の他方の端部であるz軸負方向側の端部には、送風装置22、イオン発生装置23、及び加熱装置24に給電するための給電ケーブル25が設けられている。
【0016】
送風装置22は、供給された電力によりファンを回転させるモータを備えている。送風装置22は、供給された電力を用いてモータを回転させることにより、空気の流れである風Wを生成する。
【0017】
イオン発生装置23は、陽極及び負極の2つの放電電極を備えている。イオン発生装置23は、供給された電力を用いて、陽極と負極との間に高電圧を印加する。その結果、陽極と負極との間において放電が生じ、陽極の周辺ではプラスイオンが生成され、陰極の周辺では、マイナスイオンが生成させる。このように、イオン発生装置23は、プラスイオン(例えば、H+(H2O)m(mは任意の自然数))およびマイナスイオン(例えば、O2-(H2O)n(nは任意の自然数))を生成する。イオン発生装置23は、送風装置22の下流側に設けられているため、送風装置22が生成した風Wは、イオン発生装置23が生成したプラスイオン及びマイナスイオンを含むようになる。したがって、風Wは、イオン発生装置23によりイオンを含む風、すなわち、イオン風WIに変換させる。
【0018】
なお、本実施形態では、プラスイオン及びマイナスイオンの双方を生成するように構成されたイオン発生装置23について説明した。しかし、イオン発生装置23は、プラスイオン及びマイナスイオンの何れかを生成するように構成されていてもよい。
【0019】
なお、イオン発生装置23は、クラスター化したプラスイオン及びクラスター化したマイナスイオンを生成するように構成されていることが好ましい。
【0020】
また、本発明の一実施形態であるヘアアイロン1が備えているイオン発生装置23は、請求の範囲に記載の帯電粒子発生装置の一例である。ヘアアイロン1が備えている帯電粒子発生装置は、イオン発生装置23が発生するイオンの代わりに、電子、オゾン、ラジカル、及び活性種のうち少なくとも何れか1つを、放電により発生させる放電装置であってもよい。
【0021】
このように風Wから変換されたイオン風WIは、アイロンヘッド11の他方の端部であるz軸負方向側の端部から、アイロンヘッド11の内部へ供給される。
【0022】
加熱装置24は、供給された電力により発熱するヒータであって、アイロンヘッド11と熱接触するように構成されたヒータを備えている。加熱装置24は、供給された電力を用いてヒータを発熱させることにより生じた熱エネルギーTEを、アイロンヘッド11に供給することによって、アイロンヘッド11を加熱する。
【0023】
なお、本実施形態では、アイロンヘッド11は、本体21に対して着脱可能に設計されているものとして説明した。しかし、ヘアアイロン1は、アイロンヘッド11と本体21とが一体のものとして設計されていてもよい。この場合、ヘアアイロン1は、アイロンヘッド11内に加熱装置24を設けるように設計されていてもよいし、本体21内に加熱装置24を設けるように設計されていてもよい。アイロンヘッド11内に加熱装置24を設ければ、直接アイロンヘッド11を加熱できる。したがって、加熱装置24を本体21内に設けた場合と比較して、効率よくアイロンヘッドを加熱できる。
【0024】
(アイロンヘッド11の構成)
本発明の一実施形態であり、上述した本体21とともにヘアアイロン1を構成するアイロンヘッド11について、
図2を参照して説明する。
図2の(a)~(c)は、それぞれ、ヘアアイロン1が備えているアイロンヘッド11の右側面図、縦断面図、及び横断面図である。
図2の(b)に示したアイロンヘッド11の縦断面図は、
図2の(a)に示した直線B-B’を含むzx平面に沿ったアイロンヘッド11の断面図である。
図2の(c)に示したアイロンヘッド11の横断面図は、
図2の(a)に示した直線C-C’を含むxy平面に沿ったアイロンヘッド11の断面図である。
図2の(c)においては、ブラシ12及びリブ群13の図示を省略し、側壁112の横断面のみを示している。なお、
図2に図示した座標系は、
図1の(c)に図示した座標系と同様に定められている。
【0025】
上述したように、アイロンヘッド11は、一方の端部であるz軸正方向側の端部が端壁111により封じられた筒状の側壁112を有する(
図2の(a)参照)。端壁111と側壁112とは、一体に成形されていてもよいし、別個に成形した部品を接合されていてもよい。
【0026】
端壁111及び側壁112を構成する材料は、特に限定されない。その材料の一例としては、樹脂材料、セラミックス材料、及び金属材料があげられる。とくに側壁112を構成する材料は、加熱装置24のヒータが発熱した熱エネルギーTEを効率良く伝導するために、好適な熱伝導率を有する材料であることが好ましい。また、側壁112を構成する材料は、任意の形状に容易に成型することができ、優れた耐熱性を有する材料であることが好ましい。これらの条件を満たす材料としては、例えば、ポリフェニレンスルファイド(Polyphenylensulfide, PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(Polybutyleneterephtalate, PBT)樹脂、及び、ポリエチレンテレフタレート樹脂(Polyethyleneterephtalate, PET)樹脂があげられる。本実施形態では、端壁111及び側壁112を構成する材料として、PPS樹脂を採用している。
【0027】
図2の(a)に示すように、アイロンヘッド11には、ブラシ12と、リブ群13とが設けられている。アイロンヘッド11において、側壁112の外側面112sは、第1領域R1と、第2領域R2とを含む。第1領域R1は、外側面112sの一部に設けられた領域であり、側壁112の軸方向(z軸方向)に沿った領域である。第2領域R2は、外側面112sのうち第1領域R1と異なる領域であり、側壁112の軸方向に沿った領域でもある。第1領域R1及び第2領域R2の各々は、
図2の(a)においては、二点鎖線で示し、
図2の(c)においては、矢印を用いてその範囲を示している。
【0028】
図2の(c)に示すように、アイロンヘッド11の横断面における外側面112sの輪郭は、円を1つの方向に沿ってつぶすことによって得られる略楕円形状を有する。アイロンヘッド11においては、x軸方向に沿った径がy軸方向に沿った径を上回るように、その横断面が設計されている。そこで、x軸方向に沿った径を横断面の長軸と称し、y軸方向に沿った径を横断面の短軸と称する。
【0029】
本実施形態では、上述した長軸と短軸との交点のことを、便宜上、中心POと称する。中心POは、横断面における外側面112sの輪郭の中央に位置する点であり、外側面112sの輪郭が円である場合には、数学的に定義される中心と一致する。
【0030】
横断面における外側面112sの輪郭は、中心POを通り、且つ、y軸と平行な直線を対称軸として、鏡映対称となるように設計されている。したがって、対称軸を境にして、外側面112sの輪郭のx軸負方向側の形状及びx軸正方向側の形状とは、一致する。したがって、
図2の(a)~(c)においては、外側面112sのx軸負方向側に設けられた構造と、外側面112sのx軸正方向側に設けられた構造とに対して、同じ符号(例えば、第1開口群に付した「AP1」や、第1開口に対して付した「AP11」など)を付している。
【0031】
第1領域R1及び第2領域R2は、何れも側壁112の軸方向に沿った領域であるため、
図2の(a)に示すように、第1領域R1と第2領域R2との境界も軸方向に沿って形成される。
図2の(c)に図示された境界点P1は、横断面におけるこの境界を表す。また、
図2の(c)に図示された一点鎖線の半直線は、中心P0から境界点P1に向かって、側壁112の径方向に延伸された半直線である。
【0032】
本実施形態において、アイロンヘッド11は、第2領域R2の面積が第1領域R1の面積を上回るように設計されている。
【0033】
ブラシ12は、第1領域R1に、柱状突起であるブリッスルを複数形成することにより構成されている。本実施形態において、各ブリッスルは、第1領域R1に含まれる各点からy軸負方向に伸びるように形成されている。このように、ブラシ12は、第1領域R1に設けられている。本実施形態において、複数のブリッスルは、柱状で先端が球状に成形された第1のブリッスルと、直径が第1のブリッスルを上回る第2のブリッスルからなる(
図1の(c)参照)。複数のブリッスルの形状や、複数のブリッスルの材質や、各ブリッスルを配置する位置などは、特に限定されるものではなく、例えば、所望の髪のキャッチ力や所望の熱伝導率などに応じて適宜設計することができる。
【0034】
例えば、第1のブリッスルとしては、樹脂製の柱状部材である樹脂ピンを採用し、第2のブリッスルとしては、第1のブリッスルを構成する樹脂と比較して熱伝導率が高い、金属製の柱状部材である金属ピンを採用することができる。第1のブリッスルを構成する樹脂の一例としては、ポリアミド(Polyamide, PA)樹脂、PPS樹脂、PBT樹脂、及びPET樹脂があげられ、本実施形態ではPA樹脂を採用している。第2のブリッスルを構成する金属の一例としては、アルミニウム合金及びアルミニウムがあげられる。
【0035】
なお、側壁112の第1領域R1に樹脂製の第1のブリッスル及び金属製の第2のブリッスルを固定するための構成は、側壁112の構成に応じて適宜選択することができる。
【0036】
例えば、
図2に示したアイロンヘッド11のように、周方向の全周に亘って一体成形された樹脂製の側壁112を採用している場合であれば、第1領域R1において複数の第1のブリッスル及び複数の第2のブリッスルの各々に対応する位置に、側壁112を貫通する開口を形成しておけばよい。複数の第1のブリッスルは、それらの根本部に設けられた棒状又はシート状のベース部により連結されている。同様に、複数の第2のブリッスルは、それらの根本部に設けられた棒状又はシート状のベース部により連結されている。このように構成された複数の第1のブリッスル及び複数の第2のブリッスルを側壁112の内側から外側へ向かって突出させることによって、第1領域R1に対して、複数の第1のブリッスルと複数の第2のブリッスルとを固定することができる。
【0037】
また、アイロンヘッド11の一変形例は、(1)側壁112のうち、第1領域R1に対応する部分を金属により成形し、第2領域R2に対応する部分を樹脂により成形し、(2)第1領域R1に対応する部分と第2領域R2に対応する部分とを接合することによって構成されていてもよい。この場合であれば、第1領域R1に対応する部分が第2のブリッスルと同じ金属製であるため、第2のブリッスルを第1領域R1に対応する部分と一体成形することができる。また、第1領域R1において複数の第1のブリッスルの各々に対応する位置に、側壁112を貫通する開口を形成しておけばよい。複数の第1のブリッスルは、それらの根本部に設けられた棒状又はシート状のベース部により連結されている。このように構成された複数の第1のブリッスルを側壁112の内側から外側へ向かって突出させることによって、複数の第2のブリッスルが一体成形された第1領域に対応する部分に対して、複数の第1のブリッスルを固定することができる。
【0038】
また、第2のブリッスルを構成する材料の熱伝導率が第1のブリッスルを構成する材料の熱伝導率を上回る構成を採用する場合には、各第2ブリッスルの先端(y軸負方向側の端部)が、各第1のブリッスルの先端(y軸負方向側の端部)により規定される面よりも引っ込んでいる(y軸正方向側に位置する)ように、第1のブリッスルのy軸方向に沿った長さ及び第2のブリッスルのy軸方向に沿った長さの各々を設定することが好ましい。この構成によれば、熱伝導率が高いことにより第1のブリッスルよりも高温になる第2のブリッスルをユーザの頭皮に接触しにくくしつつ、且つ、第2のブリッスルをユーザの髪には接触させることができる。すなわち、このように構成されたアイロンヘッド11は、ユーザが熱を感じにくくしつつ、ヘアスタイリング(毛髪のセット)時の癖付けをしっかり行うことができる。なお、各第1のブリッスルの先端により規定される面の形状は、限定されるものではなく、適宜設定することができる。例えば、この面の形状は、
図2の(a)に示すように、zx面に沿った平面であってもよいし、第1領域R1における外側面112sに沿うようにy軸負方向側に向かって突出した曲面であってもよい。
【0039】
リブ群13は、第2領域R2に形成された16個のリブ131~1316により構成されている。以下においては、各リブを区別しない場合には、リブ131~1316の各々のことをリブ13i(iは、1以上16以下の整数)とも称する。各リブ13iは、xy平面に沿った板状部材又はフィン状部材であり、側壁112の周方向に沿って設けられている(
図2の(a)及び(b)参照)。第2領域R2にこのようなリブ13iが複数形成されていることにより、隣接するリブ13iとリブ13i+1との間には、リブ13iとリブ13i+1とにより挟まれた溝が15個存在する。
【0040】
なお、本実施形態においては、リブ群13を構成する材料として、側壁112を構成する材料と同じ材料を採用している。ただし、リブ群13を構成する材料は、所望の熱伝導率などに応じて適宜定めることができる。
【0041】
<第1開口群AP1>
図2の(a)及び(b)に示すように、第2領域R2には、側壁112をその内側から外側に向かって貫通する13個の第1開口AP11~AP113からなる第1開口群AP1が形成されている。第1開口AP11~AP113は、請求の範囲に記載の開口でもある。以下においては、各第1開口を区別しない場合には、第1開口AP11~AP113の各々のことを第1開口AP1j(jは、1以上13以下の整数)とも称する。
【0042】
アイロンヘッド11において、各第1開口AP1jは、上述した複数の溝の何れかに形成されている。本実施形態においては、上述した15個の溝のうち、z軸方向両端の溝(リブ131とリブ132とに挟まれた溝、及び、リブ1315とリブ1316とに挟まれた溝)を除いた13個の溝に、各第1開口AP1jが1組ずつ形成されている。ここで、1組の第1開口AP1jとは、上述した対称軸を境にしてx軸負方向側及びx軸正方向側に設けられた2つの第1開口AP1jを意味する。
【0043】
13個の第1開口AP1jは、第2領域R2のうち第1領域R1と第2領域R2との境界近傍に、当該境界に沿って配置されている(
図2の(a)及び(b)参照)。換言すれば、13個の第1開口AP1jは、上記境界に隣接する(あるいは近接する)ように配置されている。
【0044】
図2の(b)及び(c)に図示した矢印は、アイロンヘッド11のz軸負方向側の端部より、アイロンヘッド11の内部にイオン風WIを供給したときに、各第1開口AP1jから吹き出すイオン風WIの主たる吹き出し方向を示す。なお、以下において、イオン風WIの主たる吹き出し方向のことを単に吹き出し方向と称する。また、この吹き出し方向は、請求の範囲に記載の第1の吹き出し方向である。
【0045】
本実施形態において、イオン風WIの吹き出し方向は、(1)側壁112の内側壁(内側面)における第1開口AP1jの径の中点である内側中点と、(2)側壁112の外側壁(外側面)における第1開口AP1jの径の中点である外側中点とを通る直線である。
図2の(b)の縦断面に示したように、第1開口AP1jの互いに対向する壁同士が平行である場合、吹き出し方向は、第1開口AP1jの互いに対向する壁と平行になる。
【0046】
本実施形態において、各第1開口AP1jは、吹き出し方向がxy平面(側壁112の横断面に沿う面)に沿うように、すなわち、
図2の(b)に示した縦断面においては、x軸方向に沿うように、構成されている。吹き出し方向をxy平面に対して沿わせるために、各第1開口AP1jは、側壁112の外側壁における輪郭のz軸方向における位置と、側壁112の内側壁における輪郭のz軸方向における位置とが、凡そ等しくなるように(本実施形態では等しくなるように)構成されている。
【0047】
そのうえで、
図2の(c)に示した横断面においては、各第1開口AP1jは、吹き出し方向がx軸方向からy軸負方向側(すなわち、ブラシ12の側)へ傾くように構成されている。
【0048】
各第1開口AP1jの形状、例えば、側壁112の内壁及び外壁の各々における各第1開口AP1jの輪郭は、限定されるものではなく、任意の形状に設計することができる。例えば、この輪郭は、円形や楕円形などの曲線により構成された形状であってもよいし、多角形(例えば四角形)のように直線により構成された形状であってもよいし、曲線と直線とを組み合わせることにより構成された形状であってもよい。
【0049】
(アイロンヘッド11及びヘアアイロン1の効果)
上述したように、アイロンヘッド11の第1領域R1には、ブラシ12が形成されているので、ユーザが熱を感じにくくしつつ、ヘアスタイリング(毛髪のセット)時の癖付けをしっかり行うことができる。
【0050】
そのうえで、アイロンヘッド11の第2領域R2には、リブ群13が形成されている。加熱装置24から側壁112に伝導された熱エネルギーTEは、各リブ13iを経て各リブ13iの先端に達する。したがって、側壁112の外側面112sの温度と、各リブ13iの先端の温度とを比較した場合、各リブ13iの先端の温度は、外側面112sの温度の温度を下回る。したがって、ブラシ12(特2は第2のブリッスル)の温度が髪を癖付けするための好適な温度となるように加熱装置24を制御した場合であっても、各リブ13iの先端の温度を抑制し、外側面112sの温度よりも低温にすることができる。このように第2領域R2にリブ群13が形成されていることによって、各リブ13iの先端がヘアスタイリングを実施するユーザの頭皮に接した場合であっても、外側面112sがユーザの頭皮に接することを防ぎ、アイロンヘッド11から頭皮へ伝わる熱エネルギーTEを抑制することができる。すなわち、アイロンヘッド11及びヘアアイロン1は、ユーザに対して熱を感じにくくすることができる。
【0051】
そのうえで、アイロンヘッド11の側壁112には、第1開口群AP1が形成されている。したがって、アイロンヘッド11が本体21に装着され、イオン風WIがアイロンヘッド11の内側に供給された場合に、第1開口群AP1を構成する各第1開口AP1jからイオン風WIを吹き出させることができる。したがって、アイロンヘッド11は、本体21に装着された場合に、ドライヤーと併用することなく髪に対して風を当てながらスタイリングを実施することができる。
【0052】
アイロンヘッド11においては、各第1開口AP1jが上述した溝の何れかに形成されている。アイロンヘッド11又はヘアアイロン1を用いてユーザが髪をカールさせるようにスタイリングするとき、髪は、ブラシ12によりキャッチされた状態でアイロンヘッド11に巻き付く。このとき、第2領域R2に接する髪は、リブ群13の作用により複数本ずつの束にまとめられた状態で、複数の溝の何れかに落ち込む。アイロンヘッド11又はヘアアイロン1によれば、その溝に各第1開口AP1j形成されているため、効率よく髪に風を当てることができる。
【0053】
図2の(b)及び(c)に示すように、各第1開口AP1jは、第1領域R1と第2領域R2との境界に沿って配置されている。
【0054】
したがって、アイロンヘッド11又はヘアアイロン1は、ブラシ12によりキャッチされている髪に対して近い箇所から風を当てることができる。
【0055】
また、
図1に示したように、ヘアアイロン1の本体21は、イオン発生装置23と、加熱装置24とを備えている。加熱装置24がアイロンヘッド11を加熱することによって、スタイリングを実施する場合に、髪に対して癖付けするために好適な熱エネルギーを供給することができる。そのうえで、イオン発生装置23がプラスイオン及びマイナスイオンを生成することによって、本体21は、イオン風WIをアイロンヘッド11に対して供給することができる。したがって、ヘアアイロン1は、スタイリングに用いる場合に、イオン風WIを髪に対して当てることができる。したがって、ヘアアイロン1は、加熱されたアイロンヘッド11が髪に与える熱ダメージを軽減し、且つ、髪に対する癖付け効果を向上させることができる。
【0056】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るアイロンヘッド11Aについて、
図3を参照して説明する。アイロンヘッド11Aは、アイロンヘッド11の変形例の1つである。アイロンヘッド11Aは、アイロンヘッド11をベースにして、第1開口群AP1を変更すること、より具体的には、各第1開口AP1jからのイオン風WIの吹き出し方向を変更することによって得られる。それ以外の構成について、アイロンヘッド11Aは、アイロンヘッド11と同じである。したがって、本変形例では、アイロンヘッド11Aについて、各第1開口AP1jを説明するに留め、それ以外の構成の説明を省略する。なお、説明の便宜上、アイロンヘッド11Aにはアイロンヘッド11と同じ符号を付している。
【0057】
図3は、アイロンヘッド11Aの縦断面図であり、アイロンヘッド11における
図2の(b)に対応する図である。なお、
図3に図示した座標系は、
図1の(c)に図示した座標系と同様に定められている。
【0058】
図3に示すように、本変形例の第1開口群AP1は、各第1開口AP1jからのイオン風WIの吹き出し方向が、側壁112の横断面に沿う面であるxy平面に対して傾きを有するように構成されている。
【0059】
吹き出し方向をxy平面に対して傾かせるために、本実施形態の各第1開口AP1jは、側壁112の外側壁における輪郭のz軸方向における位置と、側壁112の内側壁における輪郭のz軸方向における位置とが、異なるように(本実施形態では、外側壁における輪郭が内側壁における輪郭よりz軸正方向側に位置するように)構成されている。
【0060】
各第1開口AP1jからのイオン風WIの吹き出し方向がxy面に対して傾いているため、吹き出し方向がxy面に沿っている場合と比較して、第1開口群AP1から吹き出したイオン風WIのうち、リブ群13に当たって散乱されるイオン風WIの割合が増加する。その結果、第1開口群AP1から吹き出したイオン風WIが様々な方向に向かって吹き出すようになるため、このアイロンヘッド11A及びアイロンヘッド11Aを備えたヘアアイロン1は、髪のより広い範囲にイオン風WIを当てることができる。
【0061】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るアイロンヘッド11Bについて、
図4を参照して説明する。アイロンヘッド11Bは、アイロンヘッド11の変形例の1つである。アイロンヘッド11Bは、アイロンヘッド11をベースにして、第2開口群AP2を追加することによって得られる。それ以外の構成について、アイロンヘッド11Bは、アイロンヘッド11と同じである。したがって、本実施形態では、アイロンヘッド11Bについて、第2開口群AP2を説明するに留め、それ以外の構成の説明を省略する。なお、説明の便宜上、アイロンヘッド11Aには、第2開口群AP2に関する符号を除いてアイロンヘッド11と同じ符号を付している。
【0062】
図4の(a)及び(b)は、それぞれ、アイロンヘッド11Bの右側面図及び横断面図である。
図4の(a)及び(b)は、それぞれ、アイロンヘッド11における
図2の(a)及び(c)に対応する図である。なお、
図4に図示した座標系は、
図1の(c)に図示した座標系と同様に定められている。
【0063】
アイロンヘッド11Bにおいては、第2領域R2のうち、第1領域R1と第2領域R2との境界近傍とは異なる領域、すなわち、第1開口群AP1が形成されている領域とは異なる領域に、第2開口群AP2が形成されている(
図4の(a)参照)。
【0064】
第2開口群AP2は、第1開口群AP1と同様に、側壁112の軸方向(z軸方向)に沿って配置された13個の第2開口AP21~AP213からなる。以下においては、各第2開口を区別しない場合には、第2開口AP21~AP213の各々のことを第2開口AP2j(jは、1以上13以下の整数)とも称する。
【0065】
アイロンヘッド11Bにおいて、
図4の(b)に示すように各第1開口AP1jからの吹き出し方向D1は、アイロンヘッド11における各第1開口AP1jからの吹き出し方向D1と同じである。
【0066】
そのうえで、各第2開口AP2jは、その吹き出し方向D2(請求の範囲に記載の第2の吹き出し方向)が、吹き出し方向D1と異なるように構成されている。具体的には、各第2開口AP2jは、吹き出し方向D2がx軸方向に沿うように構成されている(
図4の(b)参照)。
【0067】
アイロンヘッド11Bにおいて、第1開口群AP1及び第2開口群AP2は、吹き出し方向D1と吹き出し方向D2とが互いに異なるように構成されていることが好ましいが、一致するように構成されていてもよい。
【0068】
本実施形態では、吹き出し方向D1がx軸方向に対して傾いており、吹き出し方向D2がx軸方向に沿っている場合を例としている。しかし、(1)吹き出し方向D1,D2の双方がx軸方向に対して傾いていてもよいし、(1)吹き出し方向D1,D2の何れか一方がx軸方向に対して傾いており、他方がx軸方向に沿っていてもよいし、(3)吹き出し方向D1,D2の双方がx軸方向に沿っていてもよい。また、(1)の場合において、(4)吹き出し方向D1,D2の双方がy軸負方向側に傾いていてもよいし、(5)吹き出し方向D1,D2の何れか一方がy軸負方向側に傾いており、他方がy軸正方向側に傾いていてもよい。また、(1)~(5)の何れの場合においても、吹き出し方向D1,D2の各々と、x軸方向とのなす角の大小は、イオン風WIを吹き出させたい範囲などに応じて、適宜設計することができる。
【0069】
以上のように、第2領域R2には第1開口群AP1に加えて第2開口群AP2が形成されているため、アイロンヘッド11Bは、アイロンヘッド11と比較して、髪の広い範囲に風を当てることができる。
【0070】
また、吹き出し方向D1と吹き出し方向D2とが互いに異なるように第1開口群AP1及び第2開口群AP2が構成されているため、アイロンヘッド11Bは、アイロンヘッド11と比較して、髪の広い範囲に確実に風を当てることができる。
【0071】
なお、
図4に示したアイロンヘッド11Bにおいては、吹き出し方向D1及び吹き出し方向D2が何れもxy平面に対して沿うように、各第1開口AP1j及び各第2開口AP2jが設計されている。しかし、アイロンヘッド11Bは、(1)
図3に示したアイロンヘッド11Aのように、吹き出し方向D1がxy平面に対して傾くように各第1開口AP1jが設計されていてもよいし、(2)吹き出し方向D2がxy平面に対して傾くように各第2開口AP2jが設計されていてもよいし、(3)吹き出し方向D1,D2の各々がxy平面に対して傾くように各第1開口AP1j及び各第2開口AP2jが設計されていてもよい。(3)の場合であれば、吹き出し方向D1とxy平面とのなす角と、吹き出し方向D2とxy平面とのなす角とは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、吹き出し方向D1とxy平面とのなす角と、吹き出し方向D2とxy平面とのなす角との正負の符号は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0072】
このように設計されたアイロンヘッド11Bによれば、吹き出し方向D1,D2の少なくとも一方がxy面に対して傾いている。そのため、吹き出し方向D1,D2の両方がxy面に沿っている場合と比較して、髪の更に広い範囲に風を当てることができる。
【0073】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るヘアアイロンは、一方の端部が封じられた側壁を有する筒状のアイロンヘッドと、上記アイロンヘッドに風を供給する送風装置と、を備えている。上記アイロンヘッドは、上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有している。上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている。
【0074】
本発明の態様2に係るヘアアイロンは、上記態様1において、上記第2領域には、上記複数のリブのうち隣接する2つのリブにより挟まれた溝が複数存在し、上記複数の開口の各々は、複数の上記溝の何れかに形成されている、ことが好ましい。
【0075】
本発明の態様3に係るヘアアイロンは、上記態様1又は2において、上記複数の開口が、上記第1領域と上記第2領域との境界に沿って配置されている、ことが好ましい。
【0076】
本発明の態様4に係るヘアアイロンは、上記態様1~3の何れか一態様において、上記複数の開口から風が吹き出す方向である吹き出し方向は、上記側壁の横断面に沿う面に対して傾きを有する、ことが好ましい。
【0077】
本発明の態様5に係るヘアアイロンは、上記態様3において、上記複数の開口を複数の第1開口とし、当該複数の第1開口からなる開口群を第1開口群として、上記第2領域のうち上記第1開口群が形成されている領域と異なる領域には、上記軸方向に沿って配置されている複数の第2開口からなる第2開口群であって、上記第1開口群とは異なる第2開口群が形成されている、ことが好ましい。
【0078】
本発明の態様6に係るヘアアイロンは、上記態様5において、上記複数の第1開口から風が吹き出す方向である第1の吹き出し方向と、上記複数の第2開口から風が吹き出す方向である第2の吹き出し方向とは、互いに異なる、ように構成されていることが好ましい。
【0079】
本発明の態様7に係るヘアアイロンは、上記態様5又は6において、上記複数の第1開口から風が吹き出す方向である第1の吹き出し方向、及び、上記第2開口から風が吹き出す方向である第2の吹き出し方向の少なくとも一方は、上記側壁の横断面に沿う面に対して傾きを有する、ことが好ましい。
【0080】
本発明の態様8に係るヘアアイロンは、上記態様1~7の何れか一態様において、上記アイロンヘッドを加熱する加熱装置と、帯電粒子を生成することにより、上記送風装置が生成した風を、帯電粒子を含む風に変換する帯電粒子発生装置と、を更に備えている、ことが好ましい。
【0081】
本発明の態様9に係るアイロンヘッドは、ヘアアイロンの一部を構成する、一方の端部が封じられた側壁を有する筒状のアイロンヘッドである。本アイロンヘッドは、上記側壁の外側面のうち、当該側壁の軸方向に沿った一部領域である第1領域に設けられたブラシと、上記第1領域とは異なる領域である第2領域に上記側壁の周方向に沿って設けられた複数のリブと、を有する。上記第2領域には、上記側壁を貫通する複数の開口が形成されている。
【0082】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 ヘアアイロン
11,11A,11B アイロンヘッド
111 端壁
112 側壁
112s 外側面
R1 第1領域
R2 第2領域
AP1 第1開口群(複数の開口)
AP11~AP113,AP1j 第1開口(開口)
D1 吹き出し方向(第1の吹き出し方向)
AP2 第2開口群
AP21~AP213,AP2j 第2開口
D2 吹き出し方向(第2の吹き出し方向)
12 ブラシ
13 リブ群
13i リブ
21 本体
22 送風装置
23 イオン発生装置