IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーエーエスエフ コーポレーションの特許一覧

特許7187549SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム
<>
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図1
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図2
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図3
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図4
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図5
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図6
  • 特許-SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】SCR触媒組成物、触媒、およびかかる触媒を組み込んだ触媒システム
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/20 20060101AFI20221205BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 23/30 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 23/34 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 23/63 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 23/83 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 23/847 20060101ALI20221205BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20221205BHJP
   F01N 3/035 20060101ALI20221205BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20221205BHJP
   F01N 3/10 20060101ALI20221205BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20221205BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
B01J23/20 A
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 222
B01D53/94 245
B01D53/94 280
B01J23/30 A
B01J23/34 A
B01J23/63 A
B01J23/83 A
B01J23/847 A
B01J35/04 301E
F01N3/035 A
F01N3/035 E
F01N3/08 B
F01N3/10 A
F01N3/24 C
F01N3/24 E
F01N3/28 Q
F01N3/28 301C
F01N3/28 301P
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020519266
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 IB2018057650
(87)【国際公開番号】W WO2019069232
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】62/567,330
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】チョン,シアオライ
(72)【発明者】
【氏名】バーク,パトリック
【審査官】森坂 英昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502839(JP,A)
【文献】国際公開第2016/065034(WO,A1)
【文献】特開2016-073971(JP,A)
【文献】特開2017-060946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00 - 38/74
B01D 53/94
F01N 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニオビアである第1のドーパントおよび卑金属酸化物(BMO)である任意の第2のドーパントを含有するセリア支持体を含むSCR触媒組成物であって、前記セリア支持体が、20%~80重量%のセリアおよび20%~80重量%のさらなる金属酸化物を含み、前記のさらなる金属酸化物が、酸化アルミニウムである、SCR触媒組成物。
【請求項2】
前記BMOが、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のSCR触媒組成物。
【請求項3】
前記ニオビアが、前記SCR触媒組成物の0.1~20重量%を構成する、請求項1又は2に記載のSCR触媒組成物。
【請求項4】
前記第2のドーパントが、前記SCR触媒組成物の0.1~20重量%を構成する、請求項1又は2に記載のSCR触媒組成物
【請求項5】
前記セリア支持体が、少なくとも99重量%のセリアを含む、請求項1に記載のSCR触媒組成物。
【請求項6】
ガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材が含まれる触媒物品であって、各々のチャンネルが、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の触媒組成物を含む触媒コーティングが付着される壁面を有する、触媒物品。
【請求項7】
前記触媒基材が、ウォールフローフィルター基材またはフロースルー基材を含むハニカムである、請求項に記載の触媒物品。
【請求項8】
前記触媒コーティングが、少なくとも1.0g/inの充填量で前記基材上に存在する、請求項に記載の触媒物品。
【請求項9】
白金族金属(PGM)をさらに含む、請求項に記載の触媒物品。
【請求項10】
i.排気ガスストリームが産出されるエンジン;
ii.前記エンジンの下流において、前記排気ガスストリームと流体連通して配置されている三元触媒;および
iii.前記三元触媒の下流において、前記排気ガスストリームと流体連通して配置されているSCR触媒物品であって、そのSCR触媒物品が、ガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材を含み、各々のチャンネルが、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の触媒組成物を含む触媒コーティングが付着される壁面を有する、SCR触媒物品
を含む、排気ガスストリームを処理するためのエミッション処理システム。
【請求項11】
前記SCR触媒物品が、白金族金属(PGM)を実質的に含まない、請求項10に記載のエミッション処理システム。
【請求項12】
前記SCR触媒物品が、白金族金属(PGM)を含み、そしてそのPGMが、少なくとも0.5g/ft3の充填量で前記触媒基材上に存在する、請求項10に記載のエミッション処理システム。
【請求項13】
前記のSCR触媒物品の触媒コーティングが、卑金属酸化物(BMO)であるさらなるドーパントを含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のエミッション処理システム。
【請求項14】
前記のニオビアがドープされたセリア支持体を含む触媒コーティングが、第1のコーティング層にあり、前記のSCR触媒物品の触媒基材が、第2の触媒コーティング層を含み、前記の第2の触媒コーティング層が卑金属酸化物(BMO)を含む、請求項10から13のいずれか一項に記載のエミッション処理システム。
【請求項15】
前記の第2の触媒コーティング層が白金族金属(PGM)を含む、請求項14に記載のエミッション処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、選択的接触還元触媒の分野に関し、製造方法およびかかる触媒を使用して窒素酸化物を選択的に還元する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
窒素酸化物(NO)の有害成分は徐々に大気汚染を引き起こす。NOは、(例えば、内燃機関(例えば、自動車およびトラック)、燃焼設備(例えば、天然ガス、石油、または石炭により加熱される発電所)、および硝酸生産プラントからの)排気ガスに含まれている。
【0003】
様々な処理方法が、大気汚染を減らすためにNO含有ガス混合物の処理に使用されてきている。1つのタイプの処理は、窒素酸化物の接触還元を伴っている。2種類の方法が存在する。すなわち、(1)一酸化炭素、水素、または低級炭化水素を還元剤として使用する非選択的還元方法、および(2)アンモニアまたはアンモニア前駆体を還元剤として使用する選択的還元方法である。選択的還元方法では、少量の還元剤で高度の窒素酸化物除去を達成することができる。
【0004】
選択的還元方法は、SCR(Selective Catalytic Reduction:選択的接触還元)法といわれる。SCR法は、大気酸素の存在下で還元剤(例えば、アンモニア)を用いた窒素酸化物の接触還元を使用しており、この結果、主に窒素および蒸気を生成する。
4NO+4NH+O→4N+6HO(標準SCR反応)
2NO+4NH→3N+6HO(遅いSCR反応)
NO+NO+NH→2N+3HO(速いSCR反応)
【0005】
SCR法で使用される触媒は、理想的には、熱水条件下で、使用される広範な温度条件(例えば、200℃~600℃以上)にわたって良好な触媒活性を保つことができなければならない。SCR触媒は、一般に、粒子の除去に使用される排気ガス処理システムの構成要素であるスートフィルターの再生中のような熱水条件で使用される。
【0006】
ゼオライトのようなモレキュラーシーブが、酸素の存在下で、アンモニア、尿素、または炭化水素のような還元剤による窒素酸化物の選択的接触還元に使用されてきている。ゼオライトは、ゼオライトの種類ならびにゼオライト格子に含まれるカチオンの種類および量に応じて約3~約10オングストロームの範囲の直径であるかなり均一な細孔径を有する結晶性の物質である。8員環細孔開口および二重の6員環二次構築単位を有する或る種のゼオライト(特に、かご状構造を有するゼオライト)は、SCR触媒として使用されてきている。これらの特性を有する特定の種類のゼオライトはチャバサイト(CHA)であり、これはその3次元多孔性を介してアクセスできる8員環細孔開口(~3.8オングストローム)をもつ小細孔ゼオライトである。かご状構造は、二重の6員環構築単位の4員環による連結の結果である。
【0007】
金属促進ゼオライト触媒は、しばしば、イオン交換ゼオライトまたは(数ある中でも、銅促進および鉄促進ゼオライト触媒を含む)銅および/または鉄で担持されたゼオライトとも呼ばれている。この理由としては、アンモニアを使用する窒素酸化物の選択的接触還元が、公知であり、金属イオン交換法によって通常製造することができるからである。
例えば、鉄促進ゼオライトベータは、アンモニアによる窒素酸化物の選択的還元用の有効な市販の触媒となってきている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属促進ゼオライト触媒は、ディーゼル燃料エンジンで使用するのに、さらには900℃までの温度でのいわゆる三元変換(TWC:Three Way Conversion)触媒用途で使用するのに有効なNOx低減触媒である。しかしながら、この触媒は、TWCシステムにおける密結合触媒の老化の場合のように900℃を超える温度を必要とする用途ではゼオライト材料が破壊されることが知られているので、温度を制限することとなる。
【0009】
ガソリン燃料の車両の排気には、TWC触媒上でのNOxの過還元の結果として適量のアンモニアが存在する。したがって、受動的NH-SCR経路によるNOxのさらに低減させるための、TWC触媒およびSCR触媒を含む触媒システム(いわゆるTWC+SCRシステム)が知られている。しかしながら、上述したように、ゼオライト系のSCR触媒は頻繁なリーン/リッチ遷移の下で温度が必然的に900℃を超える典型的なTWC老化条件に耐えることができない。その結果、厳しいTWC老化環境に耐久性のある非ゼオライト系SCR触媒成分に対するニーズが残されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、非ゼオライトSCR触媒組成物、触媒物品、および触媒システム、ならびにエンジン排気ガス中に存在するNOxの量(特に、ガソリンエンジンまたはリーンガソリン直接噴射(GDI:Gasoline Direct Injection)エンジンから排気されるNOxの量)を低減する方法を提供する。触媒組成物は、特に、ドープされたセリア基材(特に少なくともニオビア成分がドープされたセリア支持体、好ましくはさらなる物質(特に、卑金属酸化物(BMO:Base Metal Oxide))がさらにドープされたセリア支持体)を含むことができる。触媒物品は、特に、触媒基材(例えば、フロースルーフィルターまたはウォールフローフィルター)上にコートされた本明細書に記載されている触媒組成物、および/またはモノリシック形態の本明細書に記載されている触媒組成物を含むことができる。触媒組成物は、多層物品内に含まれることができ、この触媒組成物は、第1のコーティングとして、BMOまたは白金族金属(PGM)を含む第2のコーティングに提供される。触媒システムは、特に、他の点は本明細書に記載されている触媒物品と組み合わせたTWC触媒を含むことができる。
【0011】
1以上の実施形態において、本開示は特にSCR触媒に関することができる。例えば、本開示のSCR触媒組成物は、ニオビアである第1のドーパントおよび卑金属酸化物(BMO)である第2のドーパントを含有するセリア支持体を含むことができる。さらなる例として、本開示のSCR触媒組成物は、ニオビアである第1のドーパントおよび卑金属酸化物(BMO)である任意の第2のドーパントを含有するセリア支持体を含むことができ、ここでセリア支持体は約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含む。さらなる実施形態において、本SCR触媒組成物は、後述の1以上との関連で規定することができ、これらは、いかなる数にもいかなる順にも組み合わせることができる。
【0012】
BMOは、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0013】
BMOは、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、酸化タングステン、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0014】
ニオビアは、SCR触媒組成物の約0.1~約20重量%を構成することができる。
【0015】
第2のドーパントは、SCR触媒組成物の約0.1~約20重量%を構成することができる。
【0016】
セリア支持体は、少なくとも99重量%のセリアを含むことができる。
【0017】
セリア支持体は、約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含むことができる。
【0018】
セリア支持体と任意に組み合わせることができるさらなる金属酸化物は、酸化アルミニウムであることができる。
【0019】
一以上の実施形態において、本開示は特に触媒物品に関することができる。例えば、本開示の触媒物品は、ガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材を含むことができ、各々のチャンネルは、他の点は本明細書に記載されている触媒組成物を含む触媒コーティングが付着される壁面を有する。さらなる実施形態において、本触媒物品は以下の陳述の1以上との関連で規定することができ、これらはいくつでもいかなる順にも組み合わせることができる。
【0020】
触媒基材は、ウォールフローフィルター基材またはフロースルー基材を含むハニカムであることができる。
【0021】
触媒コーティングは、少なくとも約1.0g/inの充填量で基材上に存在することができる。
【0022】
触媒物品は、白金族金属(PGM)をさらに含むことができる。
【0023】
一以上の実施形態において、本開示は特に排気ガスストリームの処理のためのエミッション処理システムに関することができる。例えば、本開示のエミッション処理システムは、i.排気ガスストリームが産出されるエンジンと、ii.そのエンジンの下流において、その排気ガスストリームと流体連通して配置されている三元触媒と、iii.三元触媒の下流において、排気ガスストリームと流体連通して配置されているSCR触媒物品とを含むことができ、SCR触媒物品は、ガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材を含んでおり、各々のチャンネルは、ニオビアがドープされたセリア支持体を含む触媒コーティングが付着される壁面を有する。さらなる実施形態において、本エミッション処理システムは以下の記載の1以上との関連で規定することができ、これらはいくつでもいかなる順にも組み合わせることができる。
【0024】
SCR触媒物品は、白金族金属(PGM)を実質的に含まないことができる。
【0025】
SCR触媒物品は、白金族金属(PGM)を含むことができる。
【0026】
PGMは、少なくとも約0.5g/ftの充填量で触媒基材上に存在することができる。
【0027】
PGMは、約0.5g/ft~約20g/ftの充填量で触媒基材上に存在することができる。
【0028】
触媒コーティングは、ベーマイトをさらに含むことができる。
【0029】
SCR触媒物品の触媒コーティングのセリア支持体は、少なくとも99重量%のセリアを含むことができる。
【0030】
SCR触媒物品の触媒コーティングのセリア支持体は、約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含むことができる。
【0031】
さらなる金属酸化物は酸化アルミニウムであることができる。
【0032】
SCR触媒物品の触媒コーティングは、卑金属酸化物(BMO)であるさらなるドーパントを含むことができる。
【0033】
BMOは、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0034】
BMOは、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、酸化タングステン、およびこれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0035】
ニオビアがドープされたセリア支持体を含む触媒コーティングは第1のコーティング層にあることができ、SCR触媒物品の触媒基材は第2の触媒コーティング層を含むことができる。
【0036】
第2の触媒コーティング層は卑金属酸化物(BMO)を含むことができる。
【0037】
第2の触媒コーティング層は白金族金属(PGM)を含むことができる。
【0038】
PGMは、少なくとも約0.5g/ftの充填量で触媒基材上に存在することができる。
【0039】
PGMは、約0.5g/ft~約20g/ftの充填量で触媒基材上に存在することができる。
【0040】
第1のコーティング層は最上層であることができる。
【0041】
第1のコーティング層は最下層であることができる。
【0042】
本出願は、制限することなく以下の実施形態を含む。
【0043】
実施形態1:ニオビアである第1のドーパントおよび卑金属酸化物(BMO)である第2のドーパントを含むセリア支持体を含むSCR触媒組成物。
【0044】
実施形態2:ニオビアである第1のドーパントおよび卑金属酸化物(BMO)である任意の第2のドーパントを含むセリア支持体を含むSCR触媒組成物であって、セリア支持体が約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含む、SCR触媒組成物。
【0045】
実施形態3:BMOが、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0046】
実施形態4:BMOが、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、酸化タングステン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0047】
実施形態5:ニオビアが、SCR触媒組成物の約0.1~約20重量%を構成する、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0048】
実施形態6:第2のドーパントが、SCR触媒組成物の約0.1~約20重量%を構成する、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0049】
実施形態7:セリア支持体が少なくとも99重量%のセリアを含む、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0050】
実施形態8:セリア支持体が約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含む、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0051】
実施形態9:さらなる金属酸化物が酸化アルミニウムである、先行するいずれかの実施形態のSCR触媒組成物。
【0052】
実施形態10:ガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材を含む触媒物品であって、各々のチャンネルが先行するいずれかの実施形態による触媒組成物を含む触媒コーティングが付着される壁面を有する、触媒物品。
【0053】
実施形態11:触媒基材がウォールフローフィルター基材またはフロースルー基材を含むハニカムである、先行するいずれかの実施形態の触媒物品。
【0054】
実施形態12:触媒コーティングが少なくとも約1.0g/inの充填量で基材上に存在する、先行するいずれかの実施形態の触媒物品。
【0055】
実施形態13:さらに白金族金属(PGM)を含む、先行するいずれかの実施形態の触媒物品。
【0056】
実施形態14:排気ガスストリームの処理のためのエミッション処理システムであって、エミッション処理システムが、i.排気ガスストリームを産出するエンジンと、ii.エンジンの下流に排気ストリームと流体連通して位置する三元触媒と、iii.三元触媒の下流に排気ストリームと流体連通して位置するSCR触媒物品とを含んでおり、SCR触媒物品がガス流に適した複数のチャンネルを有する触媒基材を含んでおり、各々のチャンネルがニオビアをドープしたセリア支持体を含む触媒コーティングが付着される壁面を有している、エミッション処理システム。
【0057】
実施形態15:SCR触媒物品が白金族金属(PGM)を実質的に含まない、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0058】
実施形態16:SCR触媒物品が白金族金属(PGM)を含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0059】
実施形態17:PGMが少なくとも約0.5g/ftの充填量で触媒基材上に存在する、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0060】
実施形態18:PGMが約0.5g/ft~約20g/ftの充填量で触媒基材上に存在する、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0061】
実施形態19:触媒コーティングがさらにベーマイトを含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0062】
実施形態20:SCR触媒物品の触媒コーティングのセリア支持体が少なくとも99重量%のセリアを含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0063】
実施形態21:SCR触媒物品の触媒コーティングのセリア支持体が約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%のさらなる金属酸化物を含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0064】
実施形態22:さらなる金属酸化物が酸化アルミニウムである、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0065】
実施形態23:SCR触媒物品の触媒コーティングが、卑金属酸化物(BMO)であるさらなるドーパントを含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0066】
実施形態24:BMOが、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、二酸化チタン、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化マグネシウム、酸化バリウム、およびこれらの組合せからなる群から選択される、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0067】
実施形態25:BMOが、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化イットリウム、酸化タングステン、およびこれらの組合せからなる群から選択される、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0068】
実施形態26:ニオビアがドープされたセリア支持体を含む触媒コーティングが第1のコーティング層にあり、SCR触媒物品の触媒基材が第2の触媒コーティング層を含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0069】
実施形態27:第2の触媒コーティング層が卑金属酸化物(BMO)を含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0070】
実施形態28:第2の触媒コーティング層が白金族金属(PGM)を含む、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0071】
実施形態29:PGMが少なくとも約0.5g/ftの充填量で触媒基材上に存在する、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0072】
実施形態30:PGMが約0.5g/ft~約20g/ftの充填量で触媒基材上に存在する、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0073】
実施形態31:第1のコーティング層が最上層である、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0074】
実施形態32:第1のコーティング層が最下層である、先行するいずれかの実施形態のエミッション処理システム。
【0075】
本開示のこれらおよびその他の特徴、観点、および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読めば明らかとなろう。本発明は、上記の実施形態の2、3、4以上のあらゆる組合せ、ならびに、本開示内に記載されている2、3、4以上の特徴または要素が本明細書中特定の実施形態の記載で明確に組み合わせられるか否かに関わらずかかる特徴または要素の任意の組合せを包含する。本開示は、その様々な観点および実施形態のいずれにおいても、本開示の発明のあらゆる分離可能な特徴または要素が、前後関係から明らかに他のことが示されない限り、組合せ可能であることが意図されていると考えるべきであるように総合的に読まれることを意図している。本発明の他の観点および利点は以下の記載から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明の実施形態を理解するために、必ずしも原寸に比例して描かれていない添付の図面が参照されており、図面中において、参照番号は本発明の代表的な実施形態の構成要素を意味する。図面は単に代表的なものであり、本発明を限定すると解釈するべきではない。
図1図1は、本発明に従う選択的還元触媒(SCR)ウォッシュコート組成物を含むことのできるハニカムタイプの基材担体の斜視図である。
図2図2は、図1に対して拡大され、モノリシックフロースルー基材を表す図1の基材担体の端面に対して平行な面に沿った図1の部分断面図であり、図2は、図1に示した複数のガス流路の拡大図を示す。
図3図3は、図1の部分拡大切断図であり、ここで、図1のハニカムタイプの基材担体は、ウォールフローフィルター基材モノリスを表す。
図4図4は、ウォッシュコートされた異なる触媒物品のうちの、オーバーラップしない配置で複数の層を有する基材の部分断面図である。
図5図5は、ウォッシュコートされた異なる触媒物品のうちの、複数の層を有する基材の部分断面図であり、1つのウォッシュコート層が、部分的にオーバーラップする第2のウォッシュコート層である。
図6図6は、ウォッシュコートされた異なる触媒物品のうちの、複数の層を有する基材の部分断面図であり、1つのウォッシュコート層が、完全にオーバーラップする第2のウォッシュコート層である。
図7図7は、本発明のSCR触媒組成物を利用したエミッション処理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈するべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底して完全になり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されている。本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形態「a」、「an」、および「the」は前後関係から明らかに他のことが示されない限り複数の指示対象を包含する。
【0078】
本開示は、一般に、触媒、触媒物品およびかかる触媒物品を含む触媒システムを提供する。特に、かかる物品およびシステムは、還元剤および触媒の存在下での窒素酸化物の選択的還元に有効なSCR触媒組成物を含む。触媒は、特に、高温条件下でも(例えば、900℃を超える温度での老化でも)安定したままで構成されている。
【0079】
次の用語は、本出願の目的から、以下に記載するそれぞれの意味を有する。
【0080】
本明細書では、用語「選択的接触還元」(SCR)は、窒素含有還元剤(例えば、アンモニア、尿素など)を用いて窒素の酸化物を二窒素(N)に還元する触媒プロセスを意味する。
【0081】
本明細書では、用語「触媒」または「触媒組成物」は、反応を促進する物質を意味する。
【0082】
本明細書では、用語「上流」および「下流」は、エンジンから排気管に向かうエンジン排気ガスストリームの流れによる相対方向を指し、エンジンは、上流の場所にあり、排気管および汚染低減物品(例えば、フィルターおよび触媒)は、エンジンより下流にある。
【0083】
本明細書では、用語「ストリーム」は、固体または液体の微粒子状物質を含むことがある流動ガスの任意の組合せを広く意味する。用語「ガス状ストリーム」または「排気ガスストリーム」は、同伴非ガス状成分(例えば、液滴、固体微粒子)を含有することのある、ガス状成分(例えば、リーンバーンエンジンの排気)のストリームを意味する。リーンバーンエンジンの排気ガスストリームは、通常、燃焼生成物、不完全燃焼の生成物、窒素の酸化物、可燃物および/または炭素質の微粒子状物質(すす)、ならびに未反応の酸素および窒素をさらに含む。
【0084】
本明細書では、用語「基材」は、モノリシック材料を意味しており、このモノリシック材料の上に、触媒組成物が、通常このモノリシック材料の上に触媒組成物を含有する複数の粒子を含むウォッシュコートの形態で、配置される。ウォッシュコートは、一定の固形分(例えば、10~80重量%)の粒子を液体媒体中に含有するスラリーを製造し、次いでこれを基材上にコートし、乾燥してウォッシュコート層を設けることによって形成される。
【0085】
本明細書では、用語「ウォッシュコート」は、処理されるガスストリームの通過を可能にするのに充分な多孔質である基材材料(例えば、ハニカムタイプの担体部材)に付与された触媒またはその他の物質の薄い付着性のコーティングについての技術分野での通常の意味を有する。
【0086】
本明細書では、用語「触媒物品」は、所望の反応を促進するために使用される要素を意味する。例えば、触媒物品は、基材上に触媒組成物を含有するウォッシュコートを含み得る。
【0087】
用語「低減する」は量を低下させることを意味し、「低減」は何らかの手段により生じた量の低下を意味する。
【0088】
本開示による触媒組成物は、特に、選択的接触還元(SCR)触媒として使用するように構成される。触媒組成物は、特に、少なくとも1種の金属酸化物から形成された支持体を含むことができ、支持体は少なくとも第1のドーパントを含む。好ましい実施形態において、支持体は少なくともセリアから形成され、ドーパントは少なくともニオビア(Nb)である。
【0089】
ニオビアは好ましくは約0.1%~約20重量%、約0.1%~約15重量%、約0.1~約10重量%、または約0.1~約8重量%の量で触媒組成物中に存在する。幾つかの実施形態において、ニオビアは約1%~約10重量%、約1.5%~約8重量%、または約2%~約6重量%の量で存在することができる。以上の量は触媒組成物の総質量に対するものである。
【0090】
ニオビアに加えて、触媒組成物は第2のドーパントを含むことができる。好ましい実施形態において、第2のドーパントは特に卑金属酸化物(BMO)とすることができる。第2のドーパントとして利用することができるBMOの非限定例としては、酸化ランタン(La)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化ネオジム(Nd)、酸化イットリウム(Y)、二酸化チタン(TiO)、酸化タングステン(W)、酸化鉄(Fe)、酸化銅(CuO)、酸化マンガン(MnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マグネシウム(MgO)、および酸化バリウム(BaO)がある。2種以上のBMOの任意の組合せも第2のドーパントとして利用することができる。従って、触媒組成物は1種のドーパント、2種のドーパント、3種のドーパント、4種のドーパントを含むなどと特徴付けられる。一以上の実施形態において、特定のBMO(限定されることはないが以上に挙げたもの)を除外してもよい。一定の実施形態において、好ましいBMOとして、La、Pr11、Nd、Y、TiO、W、Fe、NiO、およびこれらの組合せが挙げられる。さらなる実施形態において、好ましいBMOとしてLa、Pr11、Nd、Y、W、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0091】
ニオビアに加えて含まれるドーパントは約0.1%~約20重量%、約0.1%~約10重量%、または約0.1~約8重量%の量で別途存在することができる。幾つかの実施形態において、ニオビアに加えて含まれるドーパントは約1%~約10重量%、約1.5%~約8重量%、または約2%~約6重量%の量で別途存在することができる。以上の量は触媒組成物の総質量に対するものである。
【0092】
触媒組成物に含まれるドーパントの総量(即ち、ニオビア+1種以上の追加のドーパント)は約1%~約40%、約1%~約30%、約1.5%~約20%、または約2%~約10重量%であることができる。以上の量は触媒組成物の総質量に対するものである。
【0093】
触媒組成物の支持体成分は完全にまたは実質的に完全にセリアを含むことができる。例えば、支持体は少なくとも99重量%のセリアを含んでいてもよく、それ故実質的にセリアのみを含んでいてもよい。「完全にセリア」を含むとは、支持体成分が少なくとも99.9重量%のセリアを含むことを示すことができる。「実質的にセリアのみ」または「実質的に完全にセリア」を含むとは、支持体成分が少なくとも99重量%のセリアを含むことを示すことができる。
【0094】
幾つかの実施形態において、支持体はセリアおよび少なくとも1種の追加の金属酸化物を含むことができる。例えば、支持体は約10%~約95重量%のセリアおよび約5%~約90重量%の少なくとも1種のさらなる金属酸化物を含むことができる。幾つかの実施形態において、支持体は約20%~約80重量%のセリアおよび約80%~約20重量%の少なくとも1種のさらなる金属酸化物を含むことができる。さらなる実施形態において、支持体は約50%~約95重量%のセリアおよび約5%~約50重量%の少なくとも1種のさらなる金属酸化物を含むことができる。以上の量は触媒組成物の支持体成分の総質量に対するものである。
【0095】
セリアに加えて支持体に含ませてもよい金属酸化物の非限定例には、酸化アルミニウム(Al)、酸化ランタン(La)、酸化ネオジム(Nd)、および酸化イットリウム(Y)がある。好ましい一例において、触媒組成物の支持体成分はセリアおよび酸化アルミニウムを含む。
【0096】
触媒組成物は、金属酸化物ドーパントを金属酸化物支持体と組み合わせるのに適したいずれの方法でも製造することができる。特に、セリア(単独または少なくとも1種の追加の金属酸化物との組合せ)で形成された支持体成分は、金属溶液の形態であるニオビアを(単独で、または少なくとも1種の追加のドーパントと組み合わせて)含侵させることができる。例えば、次の金属化合物:シュウ酸ニオブ(V)アンモニウム(ANO)、La(NO、Pr(NO、Nd(NO、Y(NO、Ti(OC、(NH1240・H2O、Fe(NO・H2O、Cu(NO・2.5HO、Mn(NO・6HO、Ni(NO・6HO、Mg(NO、およびBa(OAc)のいずれも、対応する金属酸化物の含侵用溶液として提供することができる。金属酸化物は、初期湿潤法を用いて支持体成分中に含侵させることができる。キャピラリー含侵またはドライ含侵ともいわれる初期湿潤含侵法は不均一材料、即ち触媒の合成に一般に使用されている。通例、活性金属前駆体を水性または有機溶液に溶解させ、次いで活性金属を含有する溶液を、この加えられる溶液の容積と同一の細孔容積を有する触媒支持体に加える。金属は、金属の酢酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、シュウ酸塩、などのような可溶性塩の形態で提供され得る。毛細管作用により、溶液が支持体の細孔内に入り込む。支持体の細孔容積より過剰の溶液により、溶液輸送は毛細管作用プロセスから拡散プロセスに変化するが、これはずっと遅い。
【0097】
幾つかの実施形態において、支持体成分およびドーパントは共沈物の形態である。例えば、支持体成分のための金属前駆体化合物(例えば、セリア)および少なくとも1種のドーパント(例えば、ニオビア)を溶液中で合わせることができ、沈殿剤を加えることができる。例えば、pH調節剤を沈殿剤として使用してもよい。沈殿剤は金属種を溶液から共沈させるのに効果的であることができる。従って、ニオビアは単独で、または少なくとも1種のさらなるドーパントと組み合わせてセリア(または別の卑金属酸化物と組み合わせたセリア)と混ぜられ、同時に一体に形成される。このように、共沈物は、共沈中に生じる材料の混合のため、前もって形成された支持体成分中にドーパントを含侵させた材料とは異なる性質を示すことができるということが理解される。
【0098】
(活性な)金属前駆体の溶液による支持体成分の含侵後、触媒組成物を乾燥し、例えば昇温(例えば、100~150℃)である期間の間(例えば、1~3時間)熱処理し、続いてか焼して溶液内の揮発性成分を除去し、金属をモレキュラーシーブの表面上に堆積させ、金属を触媒としてより活性な酸化物形態に変換する。含侵した物質の濃度プロフィールは含侵および乾燥中の細孔内の質量移動条件に依存する。
【0099】
触媒組成物のか焼中の温度は約800℃未満である。幾つかの実施形態において、か焼温度はある期間の間約300℃~約700℃、約300℃~約500℃、約350℃~約500℃、約400℃~約500℃、または約425℃~約475℃の範囲である。幾つかの実施形態において、か焼温度は約700℃、約600℃、約500℃、約450℃、約400℃、または約350℃未満であり、下限は300℃である。幾つかの実施形態において、か焼の期間は約1時間~約16時間、約1~約10時間、または3時間~約6時間(即ち、約16時間、約15時間、約14時間、約13時間、約12時間、約11時間、約10時間、約9時間、約8時間、約7時間、約6時間、約5時間、約4時間、約3時間、約2時間、または約1時間未満で、下限は約10分)の範囲である。
【0100】
イオン交換または含侵されるドーパントの所望のレベルに到達するために、以上のプロセスを一回より多く繰り返すことができる。得られた物質は乾燥粉末として、またはスラリー形態で貯蔵することができる。
【0101】
触媒組成物は、触媒組成物を触媒基材上に設けることができる触媒物品に利用することができる。1以上の実施形態によると、SCR触媒組成物の基材は、自動車触媒を製造するのに通例使用されるいかなる材料から構築してもよく、通例金属またはセラミックのハニカム構造を含む。基材は通例、SCR触媒組成物のウォッシュコートが付与され付着することにより触媒組成物のための担体として作用する複数の壁面を提供する。
【0102】
代表的な金属基材には、耐熱性の金属および金属合金、例えばチタンおよびステンレス鋼ならびに鉄が実質的または主要な成分である他の合金がある。かかる合金はニッケル、クロム、および/またはアルミニウムの1種以上を含有し得、これらの金属の総量は合金の少なくとも15wt.%を構成するのが有利であり得、例えば、10~25wt.%のクロム、3~8wt.%のアルミニウム、および20wt.%までのニッケルである。合金はまた、小量または微量の1種以上の他の金属、例えばマンガン、銅、バナジウム、チタンなどを含んでいてもよい。表面または金属担体は、高温(例えば1000℃以上)で酸化されて、基材の表面上に酸化物層を形成することがあり、これによって、合金の耐食性を向上し、ウォッシュコート層を金属表面に接着することを容易にする。
【0103】
基材を構築するのに使用されるセラミック材料として、任意の適切な耐火性材料、例えば、コーディエライト、ムライト、コーディエライト-αアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム、ジルコンムライト、リシア輝石、アルミナ-シリカマグネシア、ケイ酸ジルコン、シリマナイト、ケイ酸マグネシウム、ジルコン、ペタライト、αアルミナ、アルミノケイ酸塩などが挙げられる。
【0104】
任意の適切な基材(例えば、基材の入口から出口面まで伸びる複数の細い平行なガス流路を有していて、これらの通路が流体の流れに対して開放されているモノリシックフロースルー基材)を使用できる。入口から出口まで本質的に真っすぐな経路である通路は、通路を通って流動ガスが触媒物質と接触するように触媒物質がウォッシュコートとしてコートされる壁によって画定される。モノリシック基材の流路はあらゆる適切な断面形状、例えば台形、長方形、正方形、正弦波、六角形、卵形、円形、などであることができる薄い壁のチャンネルである。かかる構造は横断面1平方インチ当たり約60~約1200以上のガス入口開口(即ち、「気泡」)(cpsi)、より普通には約300~600cpsiを含有し得る。フロースルー基材の壁厚は変化することができ、典型的な範囲は0.002~0.1インチである。代表的な市販のフロースルー基材は400cpsi、壁厚6ミル、または600cpsi、壁厚4ミルを有するコーディエライト基材である。しかしながら、本発明が特定の基材タイプ、材料、または形状に限定されないことが理解されよう。
【0105】
代わりの実施形態において、基材はウォールフロー基材でよく、ここで各々の通路は基材本体の一端で非多孔質の栓により塞がれ、交互の通路は反対側の端面で塞がれている。これには、ウォールフロー基材の多孔質の壁を通るガス流が出口に達する必要がある。かかるモノリシック基材は約700以上のcpsiまで、例えば約100~400のcpsi、より典型的には約200~約300のcpsiを含有し得る。気泡の断面形状は上に記載したように変化することができる。ウォールフロー基材は通例0.002~0.1インチの壁厚を有する。代表的な市販のウォールフロー基材は多孔質のコーディエライトから構築されており、その一例は200cpsiおよび10ミルの壁厚または300cpsiおよび8ミルの壁厚を有し、壁の多孔度は45~65%である。チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素および窒化ケイ素のような他のセラミック材料もウォールフローフィルター基材として使用される。しかし、本発明は特定の基材タイプ、材料、または形状に限定されないことが理解されよう。基材がウォールフロー基材である場合、SCR触媒組成物は壁の表面上に配置されるのに加えて多孔質の壁の細孔構造中に浸透する(即ち、部分的または完全に細孔開口を塞ぐ)ことができる点に留意されたい。図1および2は、本明細書に記載されているようにウォッシュコート組成物でコートされたフロースルー基材の形態の代表的な基材2を図解する。図1を参照して、代表的な基材2は、円筒形状および円筒状の外面4、上流端面6、およびそれに対応する下流端面8(これは、端面6と同じである)を有する。基材2は、その中に形成された複数の細い平行なガス流路10を有する。図2に示すように、流路10は、壁12により形成されており、担体2を貫通して上流端面6から下流端面8まで伸びている。流体の流れ(例えば、ガスストリーム)が、長手方向の担体2を通りガス流路10を介して可能となるように、通路10は遮られていない。図2でより容易にわかるように、壁12は、ガス流路10が実質的に正多角形の形状を有するような寸法に設定されている。示されているように、ウォッシュコート組成物は所望であれば多数の異なる層として設けることができる。図解された実施形態において、ウォッシュコートは担体部材の壁12に付着した別々の底部ウォッシュコート層14および底部ウォッシュコート層14を覆ってコートされた第2の別の頂部ウォッシュコート層16の両方からなる。本発明は、1以上(例えば、2、3、または4)のウォッシュコート層で実施することができ、図解された2層の実施形態に限定されない。
【0106】
図3は、本明細書に記載されているウォッシュコート組成物でコートされたウォールフローフィルター基材の形態の代表的な基材2を図解する。図3に示すように、代表的な基材2は複数の通路52を有する。通路はフィルター基材の内壁53により管状に包囲されている。基材は入口端54および出口端56を有する。交互の通路は、入口端において入口栓58で塞がれており、さらに出口端において出口栓60で塞がれており、入口54および出口56において対立する市松模様を形成する。ガスストリーム62は、塞がれていないチャンネル入口64を通って入り、出口栓60で止められ、チャンネル壁53(これは多孔質である)を通って出口側66に拡散する。ガスは、入口栓58のため壁の入口側に戻ることができない。本発明で使用する多孔質のウォールフローフィルターは、前記要素の壁がその上に1種以上の触媒物質を有するかまたはその中に1種以上の触媒物質を含有する意味で触媒作用をする。触媒物質は要素壁の入口側のみ、出口側のみ、入口側と出口側の両方に存在していてもよいし、または壁自体が触媒物質の全てもしくは一部で充填されていてもよい。本発明は、要素の壁内部にあるか、または入口および/または出口壁上にある1層以上の触媒物質の使用を含む。
【0107】
例えば、一実施形態において、触媒物品は、各々の層が異なる触媒組成物を有する多数の層に触媒物質を含む。最下層(例えば、図2の層14)は本明細書に記載されているSCR触媒組成物を含むことができ、最上層(例えば、図2の層16)はさらなる触媒組成物を含むことができる。或いは、最上層16がSCR触媒組成物を含むことができ、最下層14がさらなる触媒組成物を含むことができる。図2で、最下層14および最上層16は各々が基材の前方または入口端から基材の後方または出口端まで完全に伸びることができるということが理解される。
【0108】
幾つかの実施形態において、さらなる触媒組成物は白金族金属(PGM)を含み得る。特に、パラジウムおよび/またはロジウムを使用してもよい。しかしながら、他のPGMを同様に(または、代わりに)使用してもよい。さらに、所望であれば、特定のPGMを本開示から明確に除外してもよい。存在するとき、PGMは少なくとも約0.5g/ftの充填量で、例えば約20g/ftの最大充填量で存在し得る。従って、存在するとき、PGMは約20g/ftまでの量で存在し得る。一定の実施形態において、総PGM充填量は約0.5g/ft~約20g/ft、約1g/ft~約10g/ft、または約2g/ft~約10g/ftであることができる。一定の実施形態において、本開示の触媒組成物および/または触媒物品がPGMを実質的に含まないのが望ましい可能性がある。この目的で、触媒組成物は、0.1重量%未満のPGMまたは0.01重量%未満のPGMを含むならばPGMを「実質的に含まない」といえる。同様に、触媒物品は、0.1g/ft未満または0.01g/ft未満のPGM充填量を有するならばPGMを「実質的に含まない」といえる。好ましくは、「実質的に含まない」とは微量のみが存在することを意味することができる。幾つかの実施形態において、触媒組成物または触媒物品は所望であればPGMを完全に含まないことができる。
【0109】
追加の実施形態において、多層触媒コーティングに利用されるさらなる触媒組成物はアンモニア酸化触媒(AMOx)であることができる。AMOx触媒は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0271664号に教示されている。アンモニア酸化(AMOx)触媒は、排気ガスストリームからアンモニアを除去するのに有効な担持された貴金属成分でよい。貴金属としては、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、または金を挙げることができる。例えば、貴金属成分には、貴金属の物理的混合物または化学的もしくは原子的にドープされた組合せが含まれる。貴金属成分には、例えば白金が含まれる。白金はAMOx触媒に対して約0.008%~約2wt%の量で存在し得る。
【0110】
幾つかの実施形態において、基材は、別々のウォッシュコートスラリーに含まれる少なくとも2個の層を軸方向に区分された配置でコートすることができる。例えば、同一の基材を、各々の層が異なっている1層のウォッシュコートスラリーおよび別の層のウォッシュコートスラリーでコートすることができる。2種の別々のウォッシュコート組成物が別々の触媒組成物を含み得、実質的にオーバーラップしないことができる。例えば、図4を参照して、第1の触媒組成物のウォッシュコートを含む第1のウォッシュコートゾーン102および第2の異なる触媒組成物のウォッシュコートを含む第2のウォッシュコートゾーン103を、基材100の長さに沿って並んで配置することができる。特定の実施形態の第1のウォッシュコートゾーン102は、基材100の前部または入口端100aから基材100の長さの約5%~約95%、約5%~約75%、約5%~約50%、または約10%~約35%の範囲にわたって伸びる。第2のウォッシュコートゾーン103は、基材100の後部または出口端100bから基材100の軸方向の長さ全体の約5%~約95%、約5%~約75%、約5%~約50%、または約10%~約35%伸びる。本発明で記載されている処理システム内の少なくとも2種の成分の触媒組成物は同一の基材上に区分することができる。第1のウォッシュコートゾーン102は本明細書に記載されているSCR触媒組成物であり得、それ故基材100の前部または入口端100aに近接してコートすることができる。こうして、第2のウォッシュコートゾーン103は異なる触媒組成物で形成することができ、それ故基材100の後部または出口100bに近接してコートされる。別の実施形態において、第2のウォッシュコートゾーン103は本開示のSCR触媒組成物を表すことができ、第1のウォッシュコートゾーン102はさらに異なる触媒組成物を含むことができる。
【0111】
幾つかの実施形態において、図5に示すように、基材100は、基材100の前部または入口端100aから基材100の後部または出口端100bまで伸びる第1のコーティング層106、および基材100の前部または入口端100aに近接して第1のコーティング層106を覆ってコートされ、基材100の一部の長さのみに伸びる(即ち、基材100の後部または出口端100bに到達する前に終了する)第2のコーティング層107でコートすることができる。幾つかの実施形態において、第1のコーティング層106はSCR触媒組成物を含むことができ、第2のコーティング層107はさらなる触媒組成物を含むことができる。別の実施形態において、第2のコーティング層はSCR触媒組成物を含むことができ、第2のコーティング層がさらなる触媒組成物を含むことができる。
【0112】
幾つかの実施形態において、図6に示すように、基材100は、基材100の後部または出口端100bに近接して、基材100の長さに沿って一部のみに伸びる(即ち、基材100の前部または入口端100aに到達する前に終了する)第1のコーティング層115でコートすることができる。基材100は第2のコーティング層114でコートすることができる。図6に示すように、第2のコーティング層114は基材100の前部または入口端100aから基材100の後部または出口端100bまで伸びる(従って、第1のコーティング層115を完全に覆ってコートされる)。幾つかの実施形態において、第1のコーティング層115はSCR触媒組成物を含むことができ、第2のコーティング層114はさらなる触媒組成物を含むことができる。別の実施形態において、第2のコーティング層114がSCR触媒組成物を含むことができ、第1のコーティング層115がSCR触媒組成物を含むことができる。上記実施形態は例示として挙げたものであり、触媒コーティングのさらなる組合せが包含されると理解される。
【0113】
組成物のウォッシュコートまたは触媒金属成分もしくは他の成分の量を記載する際、触媒基材の単位体積当たりの成分の質量の単位を使用するのが便利である。従って、単位、立方インチ当たりのグラム(「g/in」)および立方フィート当たりのグラム(「g/ft」)が、本明細書で、基材の空隙の体積を含めて基材の体積当たりの成分の質量を意味して使用される。g/Lのような体積当たりの質量の他の単位も使用されることがある。モノリシックフロースルー基材のような触媒基材上のSCR触媒組成物の総充填量は通例約0.1~約6g/in、より典型的には約1~約5g/inである。幾つかの実施形態において、SCR触媒組成物は約20g/ftまでの充填量で存在することができる。これらの単位体積当たりの質量は通例、触媒ウォッシュコート組成物での処理の前後に触媒基材を秤量することにより計算され、処理方法は触媒基材を乾燥し、高温でか焼することを含むため、これらの質量はウォッシュコートスラリーの水の本質的に全てが除去されているので本質的に溶媒を含まない触媒コーティングを表すことが留意される。
【0114】
上記のSCR触媒組成物(通例粉末または微粒子状形態)を水と混合して、ハニカムタイプの基材のような触媒基材にコートするためのスラリーを形成する。触媒粒子に加えて、スラリーは任意に、結合剤(例えばアルミナ、シリカ、および/またはチタニア)、酢酸ジルコニウム、水溶性または水分散性安定剤(例えば、酢酸バリウム)、増進剤(例えば、硝酸ランタン)、会合性増粘剤、および/または界面活性剤(アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性界面活性剤を含む)、および/またはその他ウォッシュコートに有用なことが知られている同様な物質を含んでいてもよい。
【0115】
存在するとき、結合剤は通例約0.05g/in~約1g/inの量で使用される。アルミナを結合剤として使用するときは、例えば、ベーマイト、擬ベーマイト、ガンマ-アルミナ、デルタ/シータアルミナ、シリカ-アルミナ、ジルコニア-アルミナ、またはこれらの組合せであることができる。
【0116】
スラリーを粉砕して、粒子の混合および均質な材料の生成を増進することができる。粉砕はボールミル、連続ロール機、またはその他類似の機器で達成することができ、スラリーの固形分は、例えば、約10~80wt.%、より特定的には約30~40wt.%でよい。一実施形態において、粉砕後のスラリーは、約5~約40ミクロン、好ましくは5~約30ミクロン、より好ましくは約5~約10ミクロンのD90粒度により特徴付けられる。D90は、粒子の90%がそれより細かい粒径を有する粒径として定義される。
【0117】
次いで、スラリーを、当技術分野で公知のウォッシュコート法を用いて触媒基材上にコートする。一実施形態において、触媒基材は、一回以上スラリーに浸漬するか、またはその他の方法によりスラリーでコートする。その後、コートされた基材を昇温(例えば、100~150℃)である期間の間(例えば、約10分~約3時間)乾燥した後、例えば、700℃未満で、通例約10分~約8時間加熱することによりか焼する。
【0118】
コートされた触媒基材のか焼中の温度は約700℃未満である。幾つかの実施形態において、か焼温度は、ある期間の間約300℃~約700℃、約300℃~約500℃、約350℃~約500℃、約400℃~約500℃、または約450℃~約500℃の範囲である。幾つかの実施形態において、か焼温度は約700℃、約600℃、約500℃、約450℃、約400℃、または約350℃未満であり、下限は300℃である。幾つかの実施形態において、か焼の期間は約10分~約8時間、約1~約6時間、または3時間~約6時間(即ち、8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、または1時間未満で、下限は約10分)の範囲である。
【0119】
乾燥およびか焼後、最終のウォッシュコートコーティング層は本質的に溶媒を含まないと考えることができる。か焼後、触媒充填量は基材のコートされた質量とコートされてない質量との差の計算を通して決定することができる。当業者には明らかなように、触媒充填量はスラリーレオロジーを変えることにより変更することができる。加えて、ウォッシュコートを生成するためのコート/乾燥/か焼プロセスは、所望の充填量レベルまたは厚さのコーティングを作り上げるのに必要なだけ繰り返すことができ、すなわち、1より多くのウォッシュコート層を設けてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、触媒組成物は単一の層または多数の層として付与することができる。一実施形態において、触媒は単一の層(例えば、図2の層14のみ)として付与される。別の実施形態において、触媒組成物は多数の層(例えば、図2の層14および16)として付与される。本明細書に記載されている触媒組成物(例えば、ニオビアおよび任意に1種以上のさらなるドーパントがドープされたセリア(および任意に追加の支持体材料)を含む支持体)は、異なる触媒組成物で形成されたコーティング層と組み合わせた底部コーティング層または頂部コーティング層として提供することができる。
【0120】
幾つかの実施形態において、か焼されたコート基材は老化される。老化は様々な条件で実施することができ、本明細書では、「老化」は、ある範囲の条件(例えば、温度、時間、および雰囲気)を包含することが理解される。代表的な老化のプロトコルは、か焼されたコート基材を、10%蒸気中650℃の温度に約50時間、10%蒸気中750℃に約5時間、または10%蒸気中800℃の温度に約16時間さらすことを含む。しかし、これらのプロトコルに限定する意図はなく、温度はより低いこともより高いこともでき(例えば、限定されることはないが、400℃以上の温度、例えば、400℃~900℃、600℃~900℃、または650℃~900℃を含む)、時間はより短くてもより長くてもよく(例えば、限定されることはないが、約1時間~約50時間または約2時間~約25時間の時間を含む)、雰囲気は変更することができる(例えば、異なる量の蒸気および/または他の成分を存在させる)。
【0121】
本開示はまた、本明細書に記載されているSCR触媒組成物を組み込んだエミッション処理システムも提供する。本発明のSCR触媒組成物は通例、排気ガスエミッション、例えば、ガソリンエンジンからの排気ガスエミッションの処理のための1以上の追加の構成要素を含む一体化されたエミッション処理システムで使用される。例えば、エミッション処理システムは、本明細書に記載されているSCR触媒組成物を含む触媒物品と密結合配置でTWCを含んでいてもよい。
【0122】
1つの代表的なエミッション処理システムを図7に図示しており、この図は、エミッション処理システム32の概略図を描いている。示されているように、ガス状汚染物質を含む排気ガスストリームがエンジン34から排気管36を介してTWC38に運ばれ、次いで管40内を、本開示のウォッシュコート触媒組成物でコートされた選択的接触還元(SCR)構成要素42に運ばれる。TWCを出る排気中には充分な窒素含有還元剤があり得るが、幾つかの実施形態において、所望であれば、排気ストリーム中に窒素含有還元剤を導入する注入器44をSCR触媒構成要素42の上流に配置してもよい。ガス排気ストリーム中に導入された窒素含有還元剤はガスが触媒組成物に曝露されたときNOからNおよび水への還元を促進する。還元剤の例としては、アンモニア、ヒドラジンまたは尿素((NHCO)、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムもしくはギ酸アンモニウムのようなあらゆる適切なアンモニア前駆体がある。一実施形態において、窒素含有還元剤は、SCR構成要素46の上流でガス排気ストリームにアンモニア前駆体を加える還元剤注入器を用いて加えることができる。
【0123】
本開示は、エンジン排気からのアンモニアエミッションを還元することが可能である点で特に有益とすることができる。アンモニア(または他の窒素含有還元剤)が通例SCR処理システムに加えられるが、本開示は窒素含有還元剤を添加する必要なくガソリンエンジンまたはリーンGDIエンジンのSCR処理を提供する能力から利益を得る。このように、排気中のあらゆる残留アンモニアをSCR触媒反応中に実質的に反応させることができ、他の場合にはシステムから排出されるアンモニア(または他の窒素含有還元剤)の総量を低減または削除することができる。
【実施例
【0124】
本発明の様々な観点を、本発明の幾つかの観点を例示するために記載されており、限定すると解釈されるべきでない以下の実施例によってより十分に説明する。
【0125】
[実施例1]
シュウ酸ニオブ(V)アンモニウム(ANO、23.2%のNb)を脱イオン水に溶かした。ANO水溶液を初期湿潤法により粉末支持体に含侵させて所望のNb充填量(2%、5%、10%、または20重量%)を達成した。粉末支持体は、セリア単独で、酸化アルミニウム単独で、混合した酸化ジルコニウムおよび酸化ランタンで、混合した酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、および酸化ランタンで、または混合した酸化セリウムおよび酸化アルミニウムで形成した。含侵させた湿潤粉末を120℃で乾燥し、空気中550℃で2時間か焼した。サンプルの組成(1A~1J)を表1にまとめて示す。
【0126】
【表1】
【0127】
[実施例2]
実施例の組成物2A~2Lは、初期湿潤含侵法により第2の卑金属酸化物(5wt%の量)を実施例1Aの組成物上にドープすることによって製造した。さらなる卑金属酸化物ドーパントを形成するのに使用した前駆体は次の通りであった:La:La(NOaq.;Pr11:Pr(NOaq.;Nd:Nd(NOaq.;Y:Y(NOaq.;TiO:Ti(OC;W:(NH1240・xHO;Fe:Fe(NO・xHO;CuO:Cu(NO・2.5HO;MnO:Mn(NO・6HO;NiO:Ni(NO・6HO;MgO:Mg(NO;BaO:Ba(OAc)。これらの前駆体は湿潤含侵のために脱イオン水に溶かした。ただし、エタノールを前駆体Ti(OCのための溶媒として使用した2Eを除く。含侵させた湿潤粉末を120℃で乾燥し、空気中550℃で2時間か焼した。サンプルの組成を表2にまとめて示す。
【0128】
【表2】
【0129】
[実施例3]
実施例1および実施例2で製造されたNbをドープした粉末を個別に脱イオン水に分散させておよそ30%の固体割合を得た。スラリーをミル粉砕し、次いで撹拌しながら乾燥した。乾燥したスラリーを700℃で2時間か焼した。得られた粉末を破砕し、篩にかけて、ハイスループット反応器で試験するために250~500μmのサイズの粒子を集めた。
【0130】
老化は、周期的なリーン/リッチ条件下10%蒸気の存在下850℃で5時間行った。リーン/リッチの老化サイクルは、5分の空気、5分のN、5分の4%H、残部N、および5分のNを含んでいた。かかるサイクルを、所望の老化持続時間に達するまで繰り返した。
【0131】
触媒性能を、ハイスループット反応器、λ=1.00+/-0.05、1秒のリーンガスおよび1秒のリッチガスの振動フィードで評価した。λ=1.05のリーンガス:0.7%CO、0.22%H、1.8%O、1500ppmC、750ppmC、750ppmCiso-C1022、750ppmNO、750ppmNH、14%CO、10%HO、および残部N。λ=0.95のリッチガス:2.0%CO、0.7%H、0.71%O、1500ppmC、750ppmC、750ppmCiso-C1022、750ppmNO、750ppmNH、14%CO、10%HO、および残部N。サンプル量は70L/hの流量で各ライナーに対して100mgである。活性を250~550℃の一定の温度、25℃間隔で測定した。結果は表3に示す。
【0132】
【表3】
【0133】
粉末試験条件下において、5%Nb/CeO(実施例1A)は350~550℃で30.5~54.4%のNOx変換率を与えた。比較して、5%Nbに対する支持体としてのγ-アルミナ(実施例1B)、ランタナで安定化されたジルコニア(実施例1C)、およびセリア-ジルコニア(実施例1D)は不十分なNOx性能を示した。セリア-アルミナ混合複合材(実施例1E~G)、殊にセリア含有率が50%以上のものは、5%Nb/CeOと比較してより良好なNOx活性を与えた。例えば、実施例1Gは450℃および550℃でそれぞれ65.6%および43.3%のNOx変換率を与えた。性能改良は、高温老化に対してセリア成分をより耐久性にすることができる、セリアに対するアルミナの安定化効果に起因すると推定される。2~20%Nb/CeO(実施例1A、1H~J)複合材は全てNOx低減において活性であり、好ましいNb充填量は5~10%であった。卑金属酸化物の第2のドーパント(実施例2A~L)を5wt%の充填量でスクリーニングした。一般に、ランタニド酸化物、例えば、La、Pr11、NdおよびYは5%Nb/CeO複合材と適合性である。NdおよびYがドープされた材料は実際に350~450℃でより良好なNOx変換率を与えた。Fe、CuO、MnOおよびNiOのドーパント(実施例2G~2J)はアンモニアの非選択的な酸化活性を有するので、これらの遷移金属酸化物はより低いNOx変換率を与えた。MgOおよびBaOのようなアルカリ土類金属酸化物(実施例2Kおよび2L)はSCR活性に対して有害であった。
【0134】
[実施例4]
3層ウォッシュコート構造をもつ従来のTWC触媒を、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,758,834号の実施例1に従って製造した。特に、第1の層は、触媒のか焼した質量に対してそれぞれ64%、6.4%、6.4%、2.6%、6.4%、12.8%および1.1%の濃度の、10%バリア(baria)で安定化されたガンマアルミナ、酸化ランタン、酸化ストロンチウム、酸化ジルコニウム、酸化ネオジム、およそ30%のセリア含有率およびパラジウムを有するセリウムおよび酸化ジルコニウムの複合材で形成された。硝酸パラジウム溶液の形態のパラジウム(70g/ft)を遊星型ミキサー(P-ミキサー)によって安定化されたアルミナ上に含侵させて湿潤粉末を形成する一方で初期湿潤を達成した。増進剤および安定剤のような他の成分をその可溶性塩として、スラリー化媒体として水を用いて導入した。全ての上記成分を組み合わせることにより水性スラリーを形成し、ミル粉砕して9ミクロン未満の90%の粒度とし、コーディエライト担体上にコートした。コートした後、担体+第1の層を550℃の温度で少なくとも2時間か焼した。第2の層は、触媒のか焼した質量に対して26.1重量%の安定化されたガンマアルミナ、0.7重量%の結合剤としての酸化ジルコニウムおよびアルミナ酸化物の混合物、69.3重量%のおよそ30%のセリア含有率のセリウムおよび酸化ジルコニウムの複合材、ならびに0.9重量%のロジウムで形成された。触媒は、硝酸ロジウムの形態のロジウム(14g/ft)を、P-ミキサーにより、30/70比率の配分で別途安定化されたアルミナならびに複合材セリウムおよびジルコニウム上に含侵させることによって製造された。ロジウム-アルミナおよびロジウム-セリア-ジルコニア粉末を各々、モノエタノールアミン(MEA)をロジウム質量の約3倍含有する塩基性溶液に加え、10分混合した。全固形物の0.7%wt%の水酸化ジルコニウムを、ロジウム-アルミナを含有するスラリーに加えた。次いで、各々のスラリーを酸性化してミル粉砕のために約4~5のpH範囲にした。水性のスラリーを個別にミル粉砕して、組合せの前に9ミクロン未満の90%の粒度にした。約28%の固形分を有する得られたスラリーを再び簡単にミル粉砕するかまたは均質化して、確実に90%粒度を9ミクロン未満にすることができる。その後第1の層上にコートした。得られた担体+第1の層および第2の層を450℃で2時間以上か焼した。冷却後、第3の層を第2の層上にコートした。第3の層は、第3の層の最終のか焼した質量に対して65.6%、6.7%、24.6、0.8%および2.4%の濃度の、10%バリア-10%ランタナ-7%ネオジミアがドープされたガンマアルミナ、ストロンチア、セリウムおよびジルコニウムの混合酸化物、ジルコニア、ならびにパラジウムで形成された。パラジウム(116g/ft)を含有する水性スラリーを第1の層のスラリーと同様にして生成した。水性スラリーを9ミクロン未満の粒度にミル粉砕し、第2の層上にコートした。コートした後、担体+第1の層および第2の層を550℃の温度で2時間か焼した。
【0135】
上記のように製造した触媒を、600cpsiの気泡密度および3.5ミル(約100μm)の壁厚を有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートした。総PGM充填量は200g/ftで、Pd/Rh比は186/14であった。
【0136】
[実施例5]
触媒物品を、5%Nb/CeOを含むSCR触媒組成物を利用して製造した。ウォッシュコートは、触媒物品のか焼した質量に対して73.5重量%の実施例1Aの組成物(5%Nb/CeO)、24.5重量%の4%Laで安定化されたγ-Al、および2重量%のベーマイト結合剤で形成した。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、2.45g/inの標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0137】
[実施例6]
触媒物品を、5%Nb/70%CeO~30%Alを含むSCR触媒組成物を利用して製造した。ウォッシュコートは、触媒のか焼した質量に対して98重量%の実施例1Eの組成物(5%Nb/70%CeO~n30%Al)および2重量%のベーマイト結合剤で形成した。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、2.45g/inの標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0138】
[実施例7]
触媒物品を、2層のウォッシュコート構造のPGMを含まない触媒を利用して製造した。ウォッシュコート充填量1.25g/inの底部コートは、Fe(NO・xHOの形態のFe、ならびにCeOおよびAlの複合材(50%CeO-50%Al)を、触媒のか焼した質量に対してそれぞれ5%および95%の濃度で含有していた。ウォッシュコート充填量2.45g/inの頂部コートは、触媒のか焼した質量に対して73.5重量%の実施例1Aの触媒組成物(5%Nb/CeO)、24.5重量%の4%Laで安定化されたγ-Al、および2重量%のベーマイト結合剤を含有していた。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0139】
[実施例8-比較]
触媒物品を、受動的NH-SCR反応のためのCu-CHAに基づく下流SCR触媒を利用して製造した。ウォッシュコートは、触媒のか焼した質量に対して95重量%のCu-SSZ-13(2.4%CuO)および5重量%のZrO(OAc)水溶液としてのZrOで形成した。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、2.73g/inの標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0140】
[実施例9]
触媒物品を、2層ウォッシュコート構造を含む超低PGM触媒を利用して製造した。ウォッシュコート充填量1.63g/inの底部コートは、触媒のか焼した質量に対して73.5重量%の実施例1Aの触媒組成物(5%Nb/CeO)、24.5重量%の4%Laで安定化されたγ-Al、および2重量%のベーマイト結合剤で形成した。ウォッシュコート充填量2.15g/inの頂部コートは、触媒のか焼した質量に対して0.054重量%のRh(NO水溶液の形態のRh、37.2重量%の4%Laで安定化されたγ-Al、30.2重量%のCeOおよびZrOの複合材(40%CeO含有率)、30.2重量%の10%Laで安定化されたZrO、ならびに2.3重量%のベーマイト結合剤で形成した。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0141】
[実施例10-比較]
触媒物品を、2層ウォッシュコート構造を含む超低PGM触媒を利用して製造した。底部コートは専らウォッシュコート充填量1.63g/inのγ-Alであった。ウォッシュコート充填量2.15g/inの頂部コートは、触媒のか焼した質量に対して0.054重量%のRh(NO水溶液の形態のRh、37.2重量%の4%Laで安定化されたγ-Al、30.2重量%のCeOおよびZrOの複合材(40%CeO含有率)、30.2重量%の10%Laで安定化されたZrO、ならびに2.3重量%のベーマイト結合剤を含有していた。スラリーをミル粉砕して平均粒度を低下させ、次いで気泡密度600cpsiおよび壁厚3.5ミルを有する4.66”×2.87”の円筒状コーディエライトモノリス基材上にコートして、標的のウォッシュコート充填量を得た。コートされた触媒をフロースルードライヤーにより200℃でフラッシュ乾燥し、550℃で2時間か焼した。
【0142】
[実施例11]
実施例4~10で製造したモノリス触媒を個別に鋼コンバーター缶に装填し、上流TWC触媒(実施例4)および下流SCR触媒(実施例5~10)を有する密結合システムをシミュレートするために、燃料カット老化サイクル下のガソリンエンジンの排気ラインで老化した。上流TWC触媒(実施例4)を950℃の最高床温度で50時間老化した。下流触媒(実施例5-10)を920℃の最高床温度で50時間老化した。老化した触媒を、1.8Lガソリンエンジンを装備し、認定された手順に従ってUS FTP-75走行サイクルで作動するPZEV車両で試験した。全てのエミッション制御システムは、第1の密結合の位置(CC1)にユニバーサル上流TWC触媒として実施例4を、そして残りの触媒の1つ(実施例5~10)を第2の密結合の位置(CC2)に含んでいた。排気管の窒素酸化物、炭化水素、および一酸化炭素の総量を、3個の袋を集めることにより測定し、質量平均を計算した。表4に、FTP-75試験での触媒システムのNO、NMHCおよびCO排気管エミッションを示す。
【0143】
【表4】
【0144】
Cu-CHAに基づく下流SCR触媒(比較実施例8)を含有するシステムDと比較して、Nbに基づくSCR下流触媒(実施例5~7)を含有するシステムA~Cは排気管において少なくとも22mg/マイル少ないNOxを与えた。主な理由は、ゼオライトに基づくSCR成分としてのCu-CHAが、900℃より高い温度でのTWC老化に対して安定でないことである。NMHCおよびCOにおける改良も、殊に酸化活性のためのFeに基づくウォッシュコートの追加の層を含む実施例7のシステムCで観察された。システムEは、Nbに基づくSCR底部コートに加えて比較的低いレベルのPGMを有するTWC頂部コートを含む実施例9を下流触媒として利用した。システムEは、排気管において15mg/マイルのNOx、23mg/マイルのNMHC、および104mg/マイルのCOを与えた。システムFは、同じ比較的低いレベルのPGMを有する同じTWC頂部コートおよびNbを含まないアルミナ最下層を含む比較実施例10を下流触媒として利用した。システムFは排気管において20mg/マイルのNOxを与え、これはシステムEと比較して33%多いNOxエミッションである。これらの知見は、開示されているNbに基づくSCR複合材が、より良好なNOx変換率のために、PGMに基づく成分と共に配合することができるということを示している。
【0145】
以上の詳細説明および添付の図面に示されている教示を利用する、本主題が属する技術分野の当業者には、ここに開示されている主題の多くの修正および他の実施形態が思い浮かぶであろう。従って、本開示は、本明細書に記載されている特定の実施形態に限定されることはなく、修正および他の実施形態は添付の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図されていると理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは包括的で説明のためにのみ使用されており、限定する意図はない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7