(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】個人健康モニタリングシステム、複数ユーザ健康モニタリングシステム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1459 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
A61B5/1459
(21)【出願番号】P 2020530732
(86)(22)【出願日】2018-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2018072317
(87)【国際公開番号】W WO2019034773
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2021-08-16
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520058066
【氏名又は名称】インディゴ・ダイアビーティーズ・エヌ.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】INDIGO DIABETES N.V.
【住所又は居所原語表記】Bollebergen 2B,9052,Zwijnaarde,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】デルベケ、ダナエ
(72)【発明者】
【氏名】ファン・シュイレンベルフ、コンラード
(72)【発明者】
【氏名】ポレト、ビム
(72)【発明者】
【氏名】オルドネス・オレラナ、ユアン・セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ナイルンシン、ルトゲル
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-515520(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0157801(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0034791(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145-5/1486
A61B 5/00-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体液中の生物学的パラメータを継続的に感知するための感知手段と、前記生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイントを含むセンサデータを送信するための第1のワイヤレス送受信機とを備える埋込み型センサと、ここにおいて、前記生物学的パラメータが前記体液中のグルコース濃度とケトン体濃度とを少なくとも備え、したがって前記センサデータがグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを少なくとも備える、
前記センサデータを受信するために前記第1のワイヤレス送受信機と通信するための第2のワイヤレス送受信機と、前記センサデータを処理するための処理手段とを備えるモニタリングデバイスと、ここにおいて、前記処理手段上で実行可能なアルゴリズムが前記処理手段に備わる、
を備える個人健康モニタリングシステムであって、前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされ
、
前記処理手段上で実行可能な前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記第1のユーザ依存相関に基づいて前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、個人健康モニタリングシステム。
【請求項2】
ユーザの体液中の生物学的パラメータを継続的に感知するための感知手段と、第1の処理手段と、前記生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイントを含むセンサデータを送信するための第1のワイヤレス送受信機とを備える埋込み型センサと、ここにおいて、前記生物学的パラメータが前記体液中のグルコース濃度とケトン体濃度とを少なくとも備え、したがって前記センサデータがグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを少なくとも備え、ここにおいて、前記第1の処理手段上で実行可能でありセンサデータをモニタリングデバイスへの送信前に変換することが可能にされたアルゴリズムが、前記第1の処理手段に備わる、
前記センサデータを受信するために前記第1のワイヤレス送受信機と通信するための第2のワイヤレス送受信機と、前記センサデータを処理するための第2の処理手段とを備えるモニタリングデバイスと、ここにおいて、前記第2の処理手段上で実行可能なアルゴリズムが前記第2の処理手段に備わる、
を備える個人健康モニタリングシステムであって、前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされ
、
前記第2の処理手段上で実行可能なアルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記第1のユーザ依存相関に基づいて前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、個人健康モニタリングシステム。
【請求項3】
前記埋込み型センサが皮下埋込み型センサであり、前記体液が間質液である、請求項
1または2に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項4】
2つ以上の埋込み型センサを備える、請求項1から
3のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項5】
前記モニタリングデバイスが、心拍数センサから心拍数データポイントを受け取ることが可能にされ、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記心拍数データポイントの第3の傾向を決定することが可能にされた、請求項1から
4のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項6】
前記アルゴリズムがさらに、
- 前記心拍数データポイントの第3の傾向を決定することと、
- 前記第3の傾向と前記第1および/または第2の傾向との間の第2のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第2のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、請求項
5に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項7】
前記埋込み型センサが前記心拍数センサを備える、請求項
5または
6に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項8】
前記埋込み型センサの前記感知手段によって感知される前記生物学的パラメータがさらに、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの少なくとも1つを備え、したがって前記センサデータが、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルに関するさらに他のデータポイントを備え、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することが可能にされた、請求項1から
3のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項9】
前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することと、
- 前記第4の傾向と前記第1、第2、および/または第3の傾向との間の第3のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第3のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、請求項
8に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項10】
前記2つ以上の埋込み型センサの前記感知手段によって感知される前記生物学的パラメータがさらに、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの少なくとも1つを備え、したがって前記センサデータが、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルに関するさらに他のデータポイントを備え、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することが可能にされた、請求項
4に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項11】
前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することと、
- 前記第4の傾向と前記第1、第2、および/または第3の傾向との間の第3のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第3のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、請求項
10に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項12】
前記モニタリングデバイスが、前記個人健康プロファイルを表示するための表示装置を備える、請求項1から
11のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項13】
前記個人健康プロファイルが、前記ユーザの健康を増進させることを目的とする推奨または提案を備える、請求項1から
12のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項14】
インスリンポンプをさらに備え、前記個人健康プロファイルが前記インスリンポンプのコントローラに対する指示を備える、請求項1から
13のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項15】
前記埋込み型センサが光学的手段を使用して生物学的パラメータを感知することができる、請求項1から
14のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項16】
前記モニタリングデバイスがモバイル端末であり、前記アルゴリズムが、前記モバイル端末に記憶されたアプリに含まれる、請求項1から
15のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項17】
前記モバイル端末が、性別、年齢、BMI、場所データ、カロリー摂取データ、活動データ、予定表情報、月経情報、避妊方法、妊娠、ストレスレベル、および/またはユーザ習慣情報などのメタデータを収集することが可能にされ、前記アルゴリズムが、前記個人健康プロファイルの生成時に前記メタデータを評価することが可能にされた、請求項
16に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項18】
前記埋込み型センサが、前記感知手段を可変サンプリングレートで制御することが可能にされた統合コントローラを備える、請求項1から
17のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項19】
前記統合コントローラが、前記センサデータ中の可変性レベルを検出し、前記検出された可変性レベルに従って前記可変サンプリングレートを適合させることが可能にされた、請求項
18に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項20】
前記埋込み型センサが、センサデータを蓄積するための統合メモリを備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項21】
前記埋込み型センサがワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネントを備える、請求項1から
20のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項22】
前記モニタリングデバイスがデバイスの集合である、請求項1から
21のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
【請求項23】
請求項1から
22のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステムを複数備え、さらに、前記複数の個人健康モニタリングシステムによって生成された前記個人健康プロファイルを収集することが可能にされたリモートサーバシステムを備える、複数ユーザ健康モニタリングシステム。
【請求項24】
前記リモートサーバシステム上で実行可能であり前記収集された個人健康プロファイルに基づいて報告を生成することが可能にされたさらに他のアルゴリズムが、前記リモートサーバシステムに備わる、請求項
23に記載の複数ユーザ健康モニタリングシステム。
【請求項25】
個人健康モニタリングシステムによって個人健康プロファイルを生成する方法であって、
a)埋込み型センサ
により、グルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを測定
させることと、
b)
前記埋込み型センサにより、前記グルコース濃度データポイントと前記ケトン体濃度データポイントとをモニタリングデバイスに送信
させることと、
c)
前記モニタリングデバイスにより、前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定
させることと、
d)
前記モニタリングデバイスにより、前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出し、
前記モニタリングデバイスにより、前記第1のユーザ依存相関に基づいて個人健康プロファイルを生成
させることと
を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、埋込み型センサとモニタリングデバイスとを備える個人健康モニタリングシステムに関する。本発明はさらに、複数のそのような個人健康モニタリングシステムを備える複数ユーザ健康モニタリングシステムに関する。本発明はさらに、少なくとも1人のユーザの生物学的パラメータをモニタリングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]個人健康モニタリングシステムが、例えば米国特許第8,718,943号から知られるが、この特許は、生体液中の2つの分析物のレベルに基づいてユーザの健康を判定する健康モニタリングデバイスについて述べている。ユーザの健康を判定するのに利用される第1の分析物は、ケトン、遊離脂肪酸、およびグリセロールなど、脂肪代謝を示す脂肪代謝分析物である。利用される第2の分析物は、グルコースなどのグルコース代謝分析物である。2つの分析物のレベルを使用して、インスリン感受性を判定すること、最近の低血糖症と高グルコースレベルの原因との両方を検出すること、および/または治療介入をガイドすることが行われる。この二重分析物モデルは、実際のインスリン活性レベルと理論上のインスリン活性レベルとの不一致を計算する。
【0003】
[0003]米国特許出願公開第2017/0095216(A1)号は、血糖値モニタリング、血圧検出、脈拍モニタリング、心停止検出、酸素飽和モニタリング、およびケトアシドーシス検出など、様々な健康モニタリング機能を提供する腕装着型のバイオ腕時計について述べている。バイオ腕時計は、装着者のウェルネスデータを能動的にモニタリングしており、そのようなウェルネスデータが正常範囲または許容可能な傾向から外れた場合にユーザおよび医療専門家にアラートするように適合される。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の第1の目的は、埋込み型センサとモニタリングデバイスとを備え、収集されたセンサデータから、改善された個人健康プロファイルを生成することができる、個人健康モニタリングシステムを提供することである。
【0005】
[0005]本発明の第2の目的は、ユーザグループの健康条件をモニタリングする改善された能力を有する複数ユーザ健康モニタリングシステムを提供することである。
【0006】
[0006]本発明の第3の目的は、少なくとも1人のユーザの生物学的パラメータをモニタリングするための効率的な方法を提供することである。
【0007】
[0007]本発明の第4の目的は、これらの生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化されたアドバイスおよび/または介入をユーザに提供することである。
【0008】
[0008]これらおよび他の目的は、独立請求項の主題によって達成されるであろう。
【0009】
[0009]本発明は、第1の態様によれば、埋込み型センサとモニタリングデバイスとを備える個人健康モニタリングシステムを提供する。埋込み型センサは、ユーザの体液中の生物学的パラメータを感知するための感知手段と、前記生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイント(data points)を含むセンサデータを送信するための第1のワイヤレス送受信機とを備える。感知される生物学的パラメータは、前記体液中のグルコース濃度とケトン体濃度とを少なくとも備え、したがって、前記センサデータは、グルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを少なくとも備える。モニタリングデバイスは、前記センサデータを受信するために前記第1のワイヤレス送受信機と通信するための第2のワイヤレス送受信機と、前記センサデータを処理するための処理手段とを備え、前記処理手段にはアルゴリズムが備わり、このアルゴリズムは、前記処理手段上で実行可能であり、実行されたときに、前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定するステップと、ユーザの個人健康プロファイルを生成するステップとを実施することが可能にされる。
【0010】
[0010]本発明による個人健康モニタリングシステムは、少なくとも体液中のグルコース濃度およびケトン体濃度を感知および処理する。
【0011】
[0011]本発明による個人健康モニタリングシステムは、センサデータを分析するためにアルゴリズムを使用する。本発明による好ましい実施形態では、アルゴリズムは、データポイントのセットの傾向を検出することと、データポイントの異なるセットの傾向を相互に相関させることとが可能にされる。このようにして、個人的な傾向、すなわち埋込み型センサを保持するユーザに特有の傾向が検出可能である。同様に、異なる生物学的パラメータの傾向間の相関が個人的な方式で決定されることが可能であり、例えば、夜間のこのユーザのグルコースおよびケトン濃度の正常な進展、または、ある食事もしくはある活動の後のこのユーザのグルコースおよびケトン濃度の正常な進展などが決定されることが可能である。このようにして、本発明による個人健康モニタリングシステムは、例えばどれがユーザの生物学的パラメータの正常な進展であってどれが正常な進展でないかを「学習」することができてよく、この情報を、ユーザのために生成する個人健康プロファイルに含めることができる。次いで、この情報はさらに、例えば予測を行ったり警告を発したりするなどのためにシステムによって使用されることが可能である。本発明による好ましい実施形態では、モニタリングデバイスのアルゴリズムは、前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定するステップと、前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出するステップと、前記第1のユーザ依存相関に基づいてユーザの個人健康プロファイルを生成するステップとを実施することが可能にされる。
【0012】
[0012]本発明による実施形態では、個人健康モニタリングシステムは、追加のパラメータ、すなわち、心拍数、心拍数可変性、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの少なくとも1つ、好ましくは乳酸および/または心拍数を、感知および/または処理することが可能にされてよい。これらのパラメータのうちの1つまたは複数を考慮して、傾向を検出し、おそらくは他の生物学的パラメータの傾向との相関を検出することによって、さらに改善された個人健康プロファイルを達成できることがわかっている。
【0013】
[0013]本発明による実施形態では、モニタリングデバイスは、個人健康プロファイルを表示するための表示装置を備えることができる。実施形態では、モニタリングデバイスは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、または他の装着型デバイスなど、モバイル端末であってよい。実施形態では、モニタリングデバイスは、埋込み型センサと通信し個人健康プロファイルを生成する目的で特に設計された、専用モニタリングデバイスであってよい。実施形態では、モニタリングデバイスは、生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化された提案およびアクションを生成すること、ならびに/またはこれらをユーザに通信することが可能にされてよい。実施形態では、モニタリングデバイスは、インスリンポンプのコントローラに対する指示を生成することが可能にされてよく、またはインスリンポンピングデバイスの一部を形成することができる。実施形態では、モニタリングデバイスは、1つまたは複数のデバイスの集合であってよい。
【0014】
[0014]本発明による実施形態では、モニタリングデバイスのアルゴリズムは、個人健康プロファイルの生成時に、センサデータをメタデータ(性別、年齢、BMI、場所データ、カロリー摂取データ、活動データ、予定表情報、月経情報、避妊方法、妊娠、ストレスレベル、および/またはユーザ習慣情報など)と組み合わせることが可能にされてよい。モバイル端末がモニタリングデバイスとして使用される場合、モバイル端末自体の上で稼働するアプリケーションによって生成された任意のメタデータが、この目的で使用されてよい。
【0015】
[0015]埋込み型センサは、生物学的パラメータの継続的なモニタリングが可能である。本発明に関する「継続的」または「継続的に」という用語は、「定期的なユーザ介入を必要とせずに定期的に」という意味であると解釈されたい。サンプリングレートは、時間フレーム当たり固定数の測定であってもよく、または統合コントローラによって変動されてもよい。本発明による実施形態では、埋込み型センサは、感知手段を可変サンプリングレートで制御することが可能にされた統合コントローラを備えることができる。実施形態では、統合コントローラは、前記センサデータにおける可変性レベルを検出し、例えば低い可変性レベル(あるしきい値未満)が検出された場合にサンプルレートを低減することによって、前記検出された可変性レベルに従って前記可変サンプリングレートを適合させることが可能にされてよい。他の実施形態では、サンプリングレートは、モニタリングデバイスによって制御されてもよい。例えばセンサデータがより長い時間期間にわたってあまり変動しないと予期されるときは、サンプリングレートを低減することによって、埋込み型センサの感知手段のエネルギー消費が削減されることが可能であり、おそらくは電池寿命が延長されることが可能である。
【0016】
[0016]本発明による実施形態では、埋込み型センサは、充電式電池、および/または、ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネントを備えることができ、したがって、(埋込み型)センサを取り出す必要なしに充電が行われることが可能である。
【0017】
[0017]本発明は、本明細書に記載の他の態様および実施形態と組み合わせられ得る第2の態様によれば、前述の個人健康モニタリングシステムを複数備える複数ユーザ健康モニタリングシステムを提供する。複数ユーザ健康モニタリングシステムは、複数の個人健康モニタリングシステムによって生成された個人健康プロファイルを収集することが可能にされたリモートサーバシステムを備える。個々の個人健康モニタリングシステムの自己学習能力の結果、収集された情報は、例えばユーザグループの報告や統計などを生成するのに効率的に使用されることが可能である。
【0018】
[0018]本発明は、本明細書に記載の他の態様および実施形態と組み合わせられ得る第3の態様によれば、少なくとも1人のユーザの生物学的パラメータをモニタリングするための方法を提供する。この方法およびその実施形態は、本発明による個人健康モニタリングシステムに関してすでに上述されたステップを実質的に含む。
【0019】
[0019]以下に、添付図面を参照しながら本発明がより詳細に論じられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】[0020]センサ筐体1と、感知手段2と、感知手段に適合されたセンサ筐体エリア3と、ワイヤレス送受信機4とを備える埋込み型センサの一実施形態を示す図。
【
図2】[0021]光学感知手段5と光学プロセッサ6とを有する埋込み型センサの一実施形態を示す図。
【
図3】[0022]ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネント7を有する埋込み型センサの一実施形態を示す図。
【
図4】[0023]ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネント7と、光学感知手段5と、光学プロセッサ6とを有する埋込み型センサの一実施形態を示す図。
【
図5】[0024]処理手段9を有する埋込み型センサの一実施形態を示す図。
【
図6】[0025]ワイヤレス送受信機4と、モニタリングデバイス筐体8と、処理手段9と、メモリ10とを備えるモニタリングデバイスの一実施形態を示す図。
【
図7】[0026]表示装置11を有するモニタリングデバイスの一実施形態を示す図。
【
図8】[0027]心拍数センサ12を有するモニタリングデバイスの一実施形態を示す図。
【
図9】[0028]デバイスの集合としてのモニタリングデバイスの一実施形態を示す図。
【
図10】[0029]デバイスの集合としてのモニタリングデバイスの別の実施形態を示す図。
【
図11】[0030]健康モニタリングシステムのアルゴリズムの一実施形態を示す図。
【
図12】[0031]健康モニタリングシステムのアルゴリズムの別の実施形態を示す図。
【
図13】[0032]モニタリングデバイス中に心拍数モニタを有する健康モニタリングシステムのアルゴリズムの一実施形態を示す図。
【
図14】[0033]モニタリングデバイス中に心拍数モニタを有する健康モニタリングシステムのアルゴリズムの別の実施形態を示す図。
【
図15】[0034]リモートサーバを備える健康モニタリングシステムの一実施形態を示す図。
【
図16】[0035]リモートサーバとのモニタリングデバイスの対話の一実施形態を示す図。
【
図17】[0036]リモートサーバとのモニタリングデバイスの対話の別の実施形態を示す図。
【
図18】[0037]インスリンポンプコントローラとのモニタリングデバイスの対話の一実施形態を示す図。
【
図19】[0038]脂肪代謝とグルコース代謝との関係の概略図。
【
図20】[0039]中程度の運動後のグルコースおよびケトン傾向の例の図表示。
【
図21】[0040]激しい運動後のグルコースおよびケトン傾向の例の図表示。
【
図22】[0041]不十分なインスリン送達後のグルコースおよびケトン傾向の例の図表示。
【
図23】[0042]過多なインスリン送達後のグルコースおよびケトン傾向の例の図表示。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0043]特定の実施形態に関して、またいくつかの図面を参照しながら、本発明が記述されるが、本発明はこれらに限定されるのではなく特許請求の範囲のみによって限定される。記述される図面は、概略にすぎず非限定的なものである。図面では、例証の目的で、いくつかの要素のサイズは誇張されており一定の縮尺率で描かれてはいない場合がある。寸法および相対的な寸法は、必ずしも本発明の実際の具体化に対応するとは限らない。
【0022】
[0044]さらに、本記述および特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、類似の要素間を区別するのに使用されるものであり、必ずしも逐次的または時間的順序を記述するのに使用されるとは限らない。これらの用語は適切な状況下で交換可能であり、本発明の実施形態は、本明細書に記載または例証されるもの以外のシーケンスで動作することもできる。
【0023】
[0045]さらに、本記述および特許請求の範囲における上部、底部、上、下などの用語は、説明の目的で使用されるものであり、必ずしも相対的な位置を記述するのに使用されるとは限らない。このように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載の本発明の実施形態は、本明細書に記載および例証されるもの以外の配向で動作することもできる。
【0024】
[0046]さらに、様々な実施形態は、「好ましい」として言及される場合であっても、本発明の範囲を限定するものとしてではなく、本発明が実装され得る例示的な方式として解釈されるべきである。
【0025】
[0047]特許請求の範囲で使用される「備える」という用語は、その後に挙げられる要素またはステップに制限されると解釈されるべきではない。これは他の要素またはステップを排除しない。これは、述べられた特徴、整数、ステップ、またはコンポーネントが、言及されたように存在することを指定すると解釈される必要があるが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、ステップ、もしくはコンポーネント、またはそのグループの存在または追加を排除しない。したがって、「AとBとを備えるデバイス」という表現の範囲は、コンポーネントAおよびBのみからなるデバイスに限定されるべきではなく、本発明に関してデバイスの唯一の列挙されるコンポーネントはAおよびBであり、さらに、特許請求の範囲はこれらのコンポーネントの均等物も含むと解釈されるべきである。
【0026】
[0048]この文書中で「埋込み型」センサに言及されるときは常に、これは、動物または人間における1つまたは複数の生物学的パラメータの生体内測定が可能な任意のセンサを意味すると解釈されたい。埋込み型センサは、皮下、筋肉内、血管内、眼に(角膜中にもしくは角膜に取り付けられるように)位置してもよく、臓器中にもしくは臓器に取り付けられるように位置してもよく、消化管中にもしくは消化管に取り付けられるように位置してもよく、または、口や眼や耳などの体腔中にもしくは体腔に取り付けられるように位置してもよい。好ましい一実施形態では、埋込み型センサは、皮下センサである。
【0027】
[0049]脂肪代謝およびグルコース代謝は、哺乳動物におけるエネルギー生成および消費のほとんどを担う生化学的プロセスの2つのグループである。これらはまた、生物学的に重要な分子の形成、分解、および相互変換も担う。
図19は、脂肪代謝とグルコース代謝との関係の概略図であり、ケトン体、オキサロ酢酸、および乳酸など、重要な代謝産物を示す。
【0028】
[0050]ケトン体などの脂肪代謝分析物の測定値は、脂肪代謝を示す。
【0029】
[0051]人間におけるケトーシスは、0.5mMを超える血清中ケトン体濃度を特徴とする栄養プロセスであり、インスリンレベルおよび血糖値は低く安定している。長期ケトーシスは、絶食することまたは低炭水化物食療法(ケトン食療法)を続けることの結果として生じることがあり、故意に引き起こされるケトーシスは、ライフスタイル選択とすることができ、または、難治性てんかんなどの様々な条件および様々なタイプの糖尿病に対する医療介入として使用されることが可能である。ケトーシスは動物においても起こる可能性があり、例えば、子牛を出産した後最初の1週間の間の乳牛、または妊娠中毒症の羊において起こる可能性がある。
【0030】
[0052]ケトアシドーシスは、アルコール、飢餓、または糖尿病によって例えば引き起こされる極度の制御不能なケトーシスを特色とする病理学的代謝状態である。ケトアシドーシスにおいては、身体はケトン産生を適切に統制することができず、血液のpHがかなり減少して最終的に昏睡および死に至るほどの、重篤なケト酸の蓄積を引き起こす。
【0031】
[0053]したがって、哺乳動物におけるケトン体をモニタリングすることは、医療上、食餌療法上、またはライフスタイル上の条件によりケトーシスの危険にある被験者のための本質的な情報を提供すると予期される。
【0032】
[0054]グルコースなどのグルコース代謝分析物の測定値は、グルコース代謝を示す。
【0033】
[0055]低血糖症(hypoglycaemia)は、低血糖(low blood sugar)としても知られ、正常レベルよりも低い血糖レベルを特徴とする条件である。この結果、不器用、発話困難、錯乱、意識消失、発作、または死を含めた、様々な症状になることがある。空腹感、発汗、震え、および虚弱が現れる場合もある。低血糖症は、病状(糖尿病など)、医療処置の副作用、食餌またはライフスタイル条件の結果として現れる場合がある。
【0034】
[0056]高血糖症(hyperglycaemia)は、高血糖(high blood sugar)としても知られ、正常レベルよりも高い血糖レベルを特徴とする条件である。急性高血糖症の結果、多尿症、多飲症、体重減少、(時として多食症を伴う)、およびかすみ目になる可能性があり、慢性高血糖症の結果、腎臓障害、神経障害、心血管障害、網膜や足や脚の障害など、様々な病状になることがある。高血糖症は、病状(糖尿病など)、医療処置の副作用、食餌またはライフスタイル条件の結果として現れる場合がある。
【0035】
[0057]2時間血漿グルコース(2hPG)、空腹時血漿グルコース(FPG)、ランダム血漿グルコース(PG)は、広く使用されている血糖コントロールマーカである。厳格な血糖コントロールを可能にし、血糖値を望ましい範囲(医学的合併症を防止する範囲など)内に維持するには、継続的なグルコースモニタリングが必須条件である。望ましい範囲は、きわめて個人的であり、病状、食餌またはライフスタイル選択などのファクタに左右されることがある。一般的に容認される「健康な」範囲である80~110mg/dl血糖内であっても、個人ごとの理想的な血糖値は異なる。
【0036】
[0058]糖化ヘモグロビンは、HbA1cとしても交換可能に呼ばれるが、これは、ヘモグロビンを血漿グルコースに曝すことを通して形成される、ヘモグロビンの一形態である。糖化ヘモグロビンの量が多いほど、血糖値のコントロールが不十分であることを示すが、糖化ヘモグロビンの量がより多いことは、心血管疾患、腎障害、神経障害、および網膜症に関連付けられてきた。糖化ヘモグロビンは、時間の経過に伴う平均グルコース値に基づいて推定されることが可能である。
【0037】
[0059]本発明の実施形態は、センサとモニタリングデバイスとを備え、収集されたセンサデータから、改善された個人健康プロファイルを生成することができる、個人健康モニタリングシステムを提供する。
【0038】
[0060]健康モニタリングシステムは、ケトン体レベルとグルコースレベルとの間のユーザ依存相関を提供することによって、ユーザの代謝状態についての見識を提供することができる。個人的相関を考慮しながらグルコースレベルおよびケトン体レベルの傾向を分析することで、被験者が自分の代謝状態を管理するための改善された手段を提供することができる。例えば、糖尿病を患っている患者の場合、軽めの高血糖症からケトアシドーシスへの変化は、糖尿病のタイプおよび個々の患者(例えば幼児か成人か)に応じて、ゆっくりまたは急激に起こる可能性がある。ケトン体レベルとグルコースレベルとの間の個別の相関を考慮した、改善された傾向分析および予測は、これらの患者にとってきわめて重要であろう。脳腫瘍の(補完)治療としてケトン食療法を守る患者もまた、本発明の個人健康モニタリングシステムのいくつかの好ましい実施形態の目的であるケトン体レベルとグルコースレベルとの間のユーザ依存相関から利益を受けるであろう。
【0039】
[0061]血糖およびケトン体を望ましい範囲内に維持できるためには、グルコースおよびケトン体を頻繁に測定する必要がある。ケトン体およびグルコースの各測定は、脂肪代謝およびグルコース代謝に関する情報を提供し、この情報は、被験者の個人健康プロファイルを決定するのに使用されることが可能である。この被験者は、患者(例えば糖尿病を患っている)であってよく、または自分の個人健康プロファイルをモニタリングおよび改善しようと努める任意の人であってよい。
【0040】
[0062]
図1に、本発明の健康モニタリングシステムの埋込み型センサが示されており、この埋込み型センサは、センサ筐体1と、体液中の生物学的パラメータを感知するための手段2と、感知手段に適合されたセンサ筐体エリア3と、ワイヤレス送受信機4とを備える。埋込み型センサは、表面化学反応に基づいて、および/または光学手段を使用して、生物学的パラメータを感知することができてよい。埋込み型センサは、無試薬光学分析方法を実施することができてよい。埋込み型センサは、生物汚損のリスクを低減または最小化するために、生体適合性のあるパッケージングを備えることができる。
【0041】
[0063]
図2に、埋込み型センサの好ましい一実施形態が示されており、この埋込み型センサには、継続的な分析物モニタリングのために光学感知手段5および光学プロセッサ6(例えば単一チップ光学センサ)が備わる。埋込み型センサは、センサ中に高度な光学プロセッサを備え、高度であり任意選択で複雑である放射線処理を可能にする。例えば、受け取られたかまたは測定領域までガイドされた放射線のスペクトル処理および深度分解処理を可能にする。
【0042】
[0064]埋込み型センサは、体液中の生物学的パラメータを感知するための手段を備え、また、生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイントを含むセンサデータを送信するためのワイヤレス送受信機を備える。埋込み型センサは、少なくとも体液中のグルコースおよびケトン体を測定することが可能にされる。感知手段は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,532,738(B2)号、特に第11欄第15~67行に記載のとおりとすることができる。
【0043】
[0065]本発明の実施形態では、埋込み型センサは、体液中の生物学的パラメータを感知するように適合されてよく、体液は、間質液、眼液、筋間液、または腹膜液であってよい。間質液中の生物学的パラメータの測定は、血液値との確実な関係を提示すること、侵襲性が最小限で安全であること、抗凝固薬の必要性がないなど他の利点も提示すること、がわかっている。したがって、本発明の好ましい一実施形態では、埋込み型センサは皮下埋込み型センサである。
【0044】
[0066]本発明の実施形態では、埋込み型センサは、充電式電池、および/または、ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネントを備えることができる。
図3に、埋込み型センサの好ましい一実施形態が示されており、この埋込み型センサには、ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネント7が備わる。
図4に、埋込み型センサのより好ましい一実施形態が示されており、この埋込み型センサには、光学感知手段5と、光学プロセッサ6と、ワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネント7とが備わる。好ましい一実施形態では、充電式電池は固体電池である。
【0045】
[0067]本発明の実施形態では、埋込み型センサにはさらに、センサデータを処理するための手段が備わってよく、前記処理手段には、前記処理手段上で実行可能でありセンサデータをモニタリングデバイスへの送信前に変換することが可能にされたアルゴリズムが備わる。
図5に、埋込み型センサの好ましい一実施形態が示されており、この埋込み型センサには処理手段9が備わる。
【0046】
[0068]埋込み型センサはさらに、心拍数、心拍数可変性、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベル、好ましくは乳酸および/または心拍数を感知することができてよい。
【0047】
[0069]
図6に、モニタリングデバイスの好ましい一実施形態が示されており、このモニタリングデバイスは、筐体8と、センサデータを受信するために埋込み型センサのワイヤレス送受信機とまたはモニタリングデバイスの他のデバイスと通信するためのワイヤレス送受信機4と、を備える。モニタリングデバイスはさらに、前記センサデータを処理するための処理手段9と、データを記憶するためのメモリ10とを備える。処理手段にはアルゴリズムが備わり、その一実施形態が
図11に示されているが、このアルゴリズムは、前記処理手段によって実行されるためにメモリ10にロード可能である。アルゴリズムは、グルコース濃度データポイントの傾向とケトン体濃度データポイントの傾向とを決定することと、ユーザの個人健康プロファイルを生成することとが少なくとも可能にされる。
図12に示される本発明による実施形態では、モニタリングデバイスのアルゴリズムは、前記グルコース濃度ポイントの第1の傾向と、前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定するステップと、前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出するステップと、前記第1のユーザ依存相関に基づいてユーザの個人健康プロファイルを生成するステップとを実施することが可能にされてよい。本発明の好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスはスマートフォンである。本発明の別の好ましい実施形態では、モニタリングデバイスはスマートウォッチである。
【0048】
[0070]
図7に、モニタリングデバイスの別の実施形態が示されており、このモニタリングデバイスには、個人健康プロファイルを表示するためおよびユーザと対話するための表示装置11を備えるユーザインターフェースが備わる。モニタリングデバイスはさらに、心拍数センサから心拍数データポイントを受け取ることが可能にされてよく、前記心拍数データポイントは、埋込み型センサから、または心拍数データポイントを提供できる他の任意のデバイスから受け取られる。例えば、モニタリングデバイスがスマートウォッチである場合、心拍数センサはスマートウォッチに搭載されてよい。
図8は、モニタリングデバイスの好ましい一実施形態を示すが、このモニタリングデバイスには心拍数センサ12が備わる。アルゴリズムは、心拍数データポイントの傾向を決定することと、心拍数データポイントの傾向とグルコース濃度データポイントおよび/またはケトン体濃度データポイントとの間のユーザ依存相関を検出することと、個人健康プロファイルの生成時に前記ユーザ依存相関を評価することとが可能にされてよい。したがって、さらに改善された個人健康プロファイルが達成されることが可能である。
図11および12は、心拍数データポイントが他のデータポイントとして受け取られ得る場合のアルゴリズムの実施形態を示し、
図13および14は、心拍数データポイントがモニタリングデバイスによって収集されている場合のアルゴリズムの実施形態を示す。
【0049】
[0071]本発明の別の実施形態では、モニタリングデバイスはさらに、以下のパラメータ、すなわち、糖化ヘモグロビン、心拍数、心拍数可変性、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの1つまたは複数、好ましくは乳酸および/または心拍数、のデータポイントを受け取って処理することが可能にされてよい。これらのパラメータは、埋込み型センサによって提供されてよく、あるいは、いずれか1つもしくは複数の追加の埋込み型センサ、および/または前記パラメータのうちの1つもしくは複数のデータポイントを提供できる他のデバイスによって、提供されてよい。次いで、処理手段上で実行可能なアルゴリズムは、1つまたは複数の追加のパラメータ(糖化ヘモグロビン、心拍数、心拍数可変性、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベル)のデータポイントの傾向を決定することと、個人健康プロファイルを生成することとが可能にされてよい。好ましい一実施形態では、次いで、処理手段上で実行可能なアルゴリズムは、1つまたは複数の追加のパラメータのデータポイントの傾向を決定することと、前記傾向と、心拍数データポイントの傾向、グルコース濃度データポイントおよび/またはケトン体濃度データポイントの傾向との間のユーザ依存相関を検出することと、個人健康プロファイルの生成時に前記ユーザ依存相関を評価することとが可能にされてよい。したがって、さらに改善された個人健康プロファイルが達成されることが可能である。
図11および12は、糖化ヘモグロビン、心拍数、心拍数可変性、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのデータポイントが他のデータポイントとして受け取られ得る場合のアルゴリズムの実施形態を示す。
【0050】
[0072]本発明の別の実施形態では、モニタリングデバイスはさらに、以下のパラメータ、すなわち、栄養摂取(炭水化物摂取データポイントなど)、活動(加速度計データポイントおよび/または血圧データポイントなど)、ならびに場所(GPSデータポイント、予定表項目データポイントなど)のうちの1つまたは複数のデータポイントを受け取って処理することが可能にされてよい。これらのパラメータは、埋込み型センサによって提供されてよく、あるいは、いずれか1つもしくは複数の追加の埋込み型センサ、および/または前記パラメータのうちの1つもしくは複数のデータポイントおよび/もしくは手動ユーザ入力を提供できる他のデバイスによって提供されてよい。次いで、処理手段上で実行可能なアルゴリズムは、1つまたは複数の追加のパラメータ(栄養摂取、活動、場所)のデータポイントの傾向を決定することと、個人健康プロファイルを生成することとが可能にされてよい。好ましい一実施形態では、次いで、処理手段上で実行可能なアルゴリズムは、1つまたは複数の追加のパラメータ(栄養摂取、活動)のデータポイントの傾向を決定することと、前記傾向と、心拍数データポイントの前記傾向、グルコース濃度データポイントおよび/またはケトン体濃度データポイントの傾向との間のユーザ依存相関を検出することと、個人健康プロファイルの生成時に前記ユーザ依存相関を評価することとが可能にされてよい。したがって、さらに改善された個人健康プロファイルが達成されることが可能である。
図11および12は、栄養摂取、活動、場所が他のデータポイントとして受け取られ得る場合のアルゴリズムの実施形態を示す。
【0051】
[0073]グルコースケトン指数(glucose ketone index)は、主要な循環ケトン体であるβ-OHBに対する循環グルコースのモル比を指すバイオマーカである。グルコースケトン指数は、ケトン体に対するグルコースの関係を判定できる単一の値である。グルコースケトン指数は、参照により本明細書に組み込まれる、Meidenbauer他、Nutrition&Metabolism、2015、12:12に記載されている。本発明の別の実施形態では、モニタリングデバイスは、グルコースケトン指数(GKI)を決定することが可能にされた、処理手段上で実行可能なアルゴリズムを備えることができる。好ましい一実施形態では、次いで、処理手段上で実行可能なアルゴリズムは、グルコースケトン指数の傾向を決定することと、前記傾向と、心拍数データポイントの傾向、グルコース濃度データポイント、および/またはケトン体濃度データポイントの傾向との間のユーザ依存相関を検出することと、個人健康プロファイルの生成時に前記ユーザ依存相関を評価することとが可能にされてよい。したがって、さらに改善された個人健康プロファイルが達成されることが可能である。
【0052】
[0074]本発明の別の実施形態では、モニタリングデバイスの異なる特徴が、異なるデバイス上にあってよい。したがって、モニタリングデバイスは2つ以上のデバイスの集合であってよく、各デバイスは、データを送受信するための送受信機を備える。
図9および10は、モニタリングデバイスがデバイスの集合である場合の本発明の一実施形態を示す。好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスは、以下のデバイス、すなわち、送受信機とプロセッサとが備わるデバイス、スマートフォン、およびクラウドサーバのうちの1つまたは複数を備える。より好ましい一実施形態では、送受信機とプロセッサとが備わるデバイスは、少なくとも2つの異なる通信プロトコルを送受信することができる。実施形態では、少なくとも2つの異なる通信プロトコルは、有線および/またはワイヤレス信号であってよい。実施形態では、ワイヤレス信号は、IEEE802.11、ブルートゥース(登録商標)、セルラーなど、異なる複数のワイヤレス帯域および/またはプロトコルに従う信号を備えることができる。
【0053】
[0075]本発明の別の実施形態では、モニタリングデバイスは2つ以上のデバイスの集合であってよく、各デバイスは、データを送受信するための送受信機を備え、2つ以上のデバイスにはそれぞれ、処理手段と、処理手段上で実行可能なアルゴリズムとが備わる。本発明の好ましい一実施形態では、各デバイスのアルゴリズムは、本発明により個人健康プロファイルを生成するのに必要な1つまたは複数のステップを実施することが可能にされる。
【0054】
[0076]実施形態では、モニタリングデバイスは、生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化された提案およびアクションを生成すること、ならびに/またはこれらをユーザに通信することが可能にされてよい。実施形態では、モニタリングデバイスは、インスリンポンプのコントローラに対する指示を生成することが可能にされてよく、またはインスリンポンピングデバイスの一部を形成してよい。
【0055】
[0077]実施形態では、モニタリングデバイスは2つ以上のデバイスの集合であってよく、各デバイスは、データを送受信するための送受信機を備え、2つ以上のデバイスにはそれぞれ、処理手段と、処理手段上で実行可能なアルゴリズムとが備わり、各デバイスのアルゴリズムは、生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化された提案およびアクションを生成すること、ならびに/またはこれらをユーザに通信することが可能にされる。本発明の好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスは、インスリンポンプのインスリンポンピングデバイスおよび/またはコントローラ、を含むデバイスの集合である。本発明のより好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスは、インスリンポンプのインスリンポンピングデバイスおよび/またはコントローラ、ならびにスマートフォン、を含むデバイスの集合である。
【0056】
[0078]本発明の好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスは、リモートサーバを含むデバイスの集合である。本発明のより好ましい一実施形態では、モニタリングデバイスは、リモートサーバを含むデバイスの集合であり、リモートサーバには、前記リモートサーバ上で実行可能なアルゴリズムであって、生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、個人情報プロファイル、ならびに/または、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化された提案およびアクション、を生成することおよび/またはこれらをユーザに通信することに必要な1つまたは複数のステップを実施することが可能にされたアルゴリズムが備わる。本発明の別の好ましい実施形態では、モニタリングデバイスは、リモートサーバを含まないデバイスの集合である。
【0057】
[0079]
図11に示される本発明の好ましい一実施形態は、複数ユーザ健康モニタリングシステムを提供する。この複数ユーザ健康モニタリングシステムは、複数の個人健康モニタリングシステムを備え、さらに、複数の個人健康モニタリングシステムによって生成された個人健康プロファイルを収集することが可能にされたリモートサーバシステムを備える。別の実施形態では、リモートサーバシステムには、前記リモートサーバシステム上で実行可能であり、前記収集された個人健康プロファイルに基づいて報告を生成することが可能にされた、さらに他のアルゴリズムが備わる。報告は、任意選択でモニタリングデバイスに返送されてユーザに対して表示される個人向け推奨、ユーザのグループからの匿名統計データ、またはインスリンポンプなど他のデバイスに対する指示を含むことができる。報告はまた、埋込み型センサに中継されるべき、モニタリングデバイスに対する指示を含むこともできる。
【0058】
[0080]本発明はまた、個人健康プロファイルを生成する方法を提供し、この方法は、埋込み型センサを使用してグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを測定することと、グルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとをモニタリングデバイスに送信することと、前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出することと、前記第1のユーザ依存相関に基づいてユーザの個人健康プロファイルを生成することとを備える。
【0059】
[0081]実施形態では、モニタリングデバイスは、生物学的パラメータのモニタリングに基づいて、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の個人化されたアドバイスおよび/もしくは介入を生成すること、ならびに/またはこれらをユーザに通信することが可能にされてよい。本発明の好ましい一実施形態では、挙動上、ライフスタイル上、および治療上の提案およびアクションは、栄養アドバイス、救急ケアアドバイス、治療アドバイスおよび/または介入、インスリンポンプコントローラ指示、のうちの1つまたは複数であってよい。
【0060】
例
[0082]
図19~23は、以下のように傾向を検出し相関させることが例えば可能にされ得る本発明の実施形態のグループを示す。
【0061】
[0083]検出されることになる有用なグルコース濃度傾向、ケトン濃度傾向、および任意選択で乳酸濃度傾向の例は、以下のとおりである。
【0062】
・
図20は、中程度のケトンおよび高血糖症の例を示し、この結果、個人健康プロファイルと、「あなたはよい運動をしました。ケトンが二次燃料源として今から2~3時間利用可能なので、炭水化物摂取を(あなたの現在のグルコースレベルに基づいて摂ることになる場合と比較して)控えてください。」を備える推奨および/または指示とが生成される。
【0063】
・
図21は、グルコースの低速減少、乳酸の増加、およびケトン体の増加の例を示す。これは激しい運動を示し、この結果、個人健康プロファイルと、「あなたはよい運動をしました。乳酸およびケトンが燃料源として今から4~5時間利用可能なので、炭水化物摂取を(あなたの現在のグルコースレベルに基づいて摂ることになる場合と比較して)控えてください。運動後遅発性(回復)低血糖症を防ぐために、4~5時間したら炭水化物を摂るようにしてください。」を備える推奨および/または指示とが生成される。
【0064】
・
図22は、高ケトンおよび高血糖症の例を示し、この結果、個人健康プロファイルと、「インスリンポンプ不良(インスリン送達不足)の可能性あり、ケトアシドーシスの危険あり!水を飲んで救急医療ケアに相談してください。」を備える推奨および/または指示とが生成される。
【0065】
・
図23は、低ケトンおよび低血糖症の例を示し、この結果、個人健康プロファイルと、「インスリン過剰投与またはインスリンポンプ不良(インスリン送達過多)の可能性あり。炭水化物摂取の増量、および/またはポンプのチェックを行ってください。」を備える推奨および/または指示とが生成される。
【0066】
[0084]検出されることになる有用な心拍数傾向は、例えば以下のとおりである。
【0067】
・ 進行性の低血糖症と組み合わせられた、心拍数可変性の低下。この結果、個人健康プロファイルと、「重要な低血糖症 - 意識消失の危険あり。すぐに即効性の炭水化物を摂って救急医療ケアに相談してください。」を備える推奨および/または指示とが生成される。
【0068】
[0085]有用なユーザ依存相関は、例えば以下のとおりである。
【0069】
・ インスリン投与および炭水化物摂取に対するケトン濃度およびグルコース濃度の既知の奏効率。この結果、個人健康プロファイルと、「投与されるインスリンの量を適合させる、炭水化物の摂取を適合させる、および/または運動の強度を適合させる」を備える推奨および/または指示とが生成される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ユーザの体液中の生物学的パラメータを継続的に感知するための感知手段と、前記生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイントを含むセンサデータを送信するための第1のワイヤレス送受信機とを備える埋込み型センサと、ここにおいて、前記生物学的パラメータが前記体液中のグルコース濃度とケトン体濃度とを少なくとも備え、したがって前記センサデータがグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを少なくとも備える、
前記センサデータを受信するために前記第1のワイヤレス送受信機と通信するための第2のワイヤレス送受信機と、前記センサデータを処理するための処理手段とを備えるモニタリングデバイスと、ここにおいて、前記処理手段上で実行可能なアルゴリズムが前記処理手段に備わる、
を備える個人健康モニタリングシステムであって、前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、個人健康モニタリングシステム。
[2] 前記処理手段上で実行可能な前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記第1のユーザ依存相関に基づいて前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、[1]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[3] ユーザの体液中の生物学的パラメータを継続的に感知するための感知手段と、第1の処理手段と、前記生物学的パラメータの感知時に前記感知手段によって提供されるデータポイントを含むセンサデータを送信するための第1のワイヤレス送受信機とを備える埋込み型センサと、ここにおいて、前記生物学的パラメータが前記体液中のグルコース濃度とケトン体濃度とを少なくとも備え、したがって前記センサデータがグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを少なくとも備え、ここにおいて、前記第1の処理手段上で実行可能でありセンサデータをモニタリングデバイスへの送信前に変換することが可能にされたアルゴリズムが、前記第1の処理手段に備わる、
前記センサデータを受信するために前記第1のワイヤレス送受信機と通信するための第2のワイヤレス送受信機と、前記センサデータを処理するための第2の処理手段とを備えるモニタリングデバイスと、ここにおいて、前記第2の処理手段上で実行可能なアルゴリズムが前記第2の処理手段に備わる、
を備える個人健康モニタリングシステムであって、前記アルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、個人健康モニタリングシステム。
[4] 前記第2の処理手段上で実行可能なアルゴリズムが、
- 前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
- 前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記第1のユーザ依存相関に基づいて前記ユーザの個人健康プロファイルを生成することと
が可能にされた、[3]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[5] 前記埋込み型センサが皮下埋込み型センサであり、前記体液が間質液である、[1]から[4]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[6] 2つ以上の埋込み型センサを備える、[1]から[5]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[7] 前記モニタリングデバイスが、心拍数センサから心拍数データポイントを受け取ることが可能にされ、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記心拍数データポイントの第3の傾向を決定することが可能にされた、[1]から[6]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[8] 前記アルゴリズムがさらに、
- 前記心拍数データポイントの第3の傾向を決定することと、
- 前記第3の傾向と前記第1および/または第2の傾向との間の第2のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第2のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、[7]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[9] 前記埋込み型センサが前記心拍数センサを備える、[7]または[8]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[10] 前記埋込み型センサの前記感知手段によって感知される前記生物学的パラメータがさらに、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの少なくとも1つを備え、したがって前記センサデータが、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルに関するさらに他のデータポイントを備え、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することが可能にされた、[1]から[5]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[11] 前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することと、
- 前記第4の傾向と前記第1、第2、および/または第3の傾向との間の第3のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第3のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、[10]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[12] 前記2つ以上の埋込み型センサの前記感知手段によって感知される前記生物学的パラメータがさらに、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルのうちの少なくとも1つを備え、したがって前記センサデータが、体温、尿素、乳酸、pH、フルクトサミン、オキサロ酢酸、および/または水和レベルに関するさらに他のデータポイントを備え、前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することが可能にされた、[6]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[13] 前記アルゴリズムがさらに、
- 前記さらに他のデータポイントの第4の傾向を決定することと、
- 前記第4の傾向と前記第1、第2、および/または第3の傾向との間の第3のユーザ依存相関を検出することと、
- 前記個人健康プロファイルの生成時に前記第3のユーザ依存相関を評価することとが可能にされた、[12]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[14] 前記モニタリングデバイスが、前記個人健康プロファイルを表示するための表示装置を備える、[1]から[13]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[15] 前記個人健康プロファイルが、前記ユーザの健康を増進させることを目的とする推奨または提案を備える、[1]から[14]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[16] インスリンポンプをさらに備え、前記個人健康プロファイルが前記インスリンポンプのコントローラに対する指示を備える、[1]から[15]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[17] 前記埋込み型センサが光学的手段を使用して生物学的パラメータを感知することができる、[1]から[16]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[18] 前記モニタリングデバイスがモバイル端末であり、前記アルゴリズムが、前記モバイル端末に記憶されたアプリに含まれる、[1]から[17]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[19] 前記モバイル端末が、性別、年齢、BMI、場所データ、カロリー摂取データ、活動データ、予定表情報、月経情報、避妊方法、妊娠、ストレスレベル、および/またはユーザ習慣情報などのメタデータを収集することが可能にされ、前記アルゴリズムが、前記個人健康プロファイルの生成時に前記メタデータを評価することが可能にされた、[18]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[20] 前記埋込み型センサが、前記感知手段を可変サンプリングレートで制御することが可能にされた統合コントローラを備える、[1]から[19]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[21] 前記統合コントローラが、前記センサデータ中の可変性レベルを検出し、前記検出された可変性レベルに従って前記可変サンプリングレートを適合させることが可能にされた、[20]に記載の個人健康モニタリングシステム。
[22] 前記埋込み型センサが、センサデータを蓄積するための統合メモリを備える、[1]から[21]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[23] 前記埋込み型センサがワイヤレスエネルギー伝達のためのコンポーネントを備える、[1]から[22]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[24] 前記モニタリングデバイスがデバイスの集合である、[1]から[23]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステム。
[25] [1]から[24]のいずれか一項に記載の個人健康モニタリングシステムを複数備え、さらに、前記複数の個人健康モニタリングシステムによって生成された前記個人健康プロファイルを収集することが可能にされたリモートサーバシステムを備える、複数ユーザ健康モニタリングシステム。
[26] 前記リモートサーバシステム上で実行可能であり前記収集された個人健康プロファイルに基づいて報告を生成することが可能にされたさらに他のアルゴリズムが、前記リモートサーバシステムに備わる、[25]に記載の複数ユーザ健康モニタリングシステム。
[27] 個人健康プロファイルを生成する方法であって、
a)埋込み型センサを使用してグルコース濃度データポイントとケトン体濃度データポイントとを測定することと、
b)前記グルコース濃度データポイントと前記ケトン体濃度データポイントとをモニタリングデバイスに送信することと、
c)前記グルコース濃度データポイントの第1の傾向と前記ケトン体濃度データポイントの第2の傾向とを決定することと、
d)前記第1の傾向と前記第2の傾向との間の第1のユーザ依存相関を検出し、前記第1のユーザ依存相関に基づいて個人健康プロファイルを生成することと
を備える方法。