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特許7187573塩素化アルカンの生成において触媒を再循環させるための方法
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  • 特許-塩素化アルカンの生成において触媒を再循環させるための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】塩素化アルカンの生成において触媒を再循環させるための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/275 20060101AFI20221205BHJP
   C07C 19/01 20060101ALI20221205BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20221205BHJP
【FI】
C07C17/275
C07C19/01
C07B61/00 300
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020554262
(86)(22)【出願日】2019-04-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-19
(86)【国際出願番号】 US2019025334
(87)【国際公開番号】W WO2019195248
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】62/652,107
(32)【優先日】2018-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515160552
【氏名又は名称】ブルー キューブ アイピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー、ジョン・ディー.
【審査官】▲高▼岡 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-532379(JP,A)
【文献】特表2011-507877(JP,A)
【文献】国際公開第2018/048783(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩素化アルカンを製造する方法であって、前記方法は、
(a)反応器内で、少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒及び少なくとも1つのリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
(b)塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記少なくとも1つのリガンドの複合体又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
(c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、前記重質副生成物、可溶性金属イオン及び金属イオンと前記少なくとも1つのリガンドの複合体を含有する蒸留生成物混合物並びに軽質画分を形成すること、
(d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分、及び/又は、ステップ(c)からの前記蒸留生成物混合物を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み蒸留生成物混合物に不溶であり、前記アルカリ性物質は存在する前記金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、並びに、前記処理済み生成物混合物及び/又は前記処理済み蒸留生成物混合物はステップ(b)からの前記生成物混合物よりも少ない金属イオン及び/又は金属イオンと前記少なくとも1つのリガンドの複合体を含有し、並びに
(e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物及び/又は前記処理済み蒸留生成物混合物から分離して、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流を形成すること、を含む、方法。
【請求項2】
(f)ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流及び/又は前記処理済み蒸留流出流を蒸留して、最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(g)ステップ(c)からの前記軽質画分、ステップ(c)からの前記蒸留生成物混合物、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流、ステップ(f)からの前記最終処理済み生成物流及び/又は前記最終処理済み蒸留生成物流のうちの少なくとも1つの一部分を、前記反応器に再循環させることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み蒸留流出流、並びにステップ(f)からの前記最終処理済み生成物流及び/又は前記最終処理済み蒸留生成物流は、ステップ(b)からの前記生成物混合物よりも少ない金属イオン及び/又は金属イオンと前記少なくとも1つのリガンドの複合体を含有し、かつ、前記少なくとも1つのリガンドをさらに含み、ここで、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み蒸留流出流、並びにステップ(f)からの前記最終処理済み生成物流及び/又は前記最終処理済み蒸留生成物流うちの少なくとも1つの少なくとも一部分が、前記反応器に再循環される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(c)からの前記蒸留生成物混合物、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み蒸留流出流、ステップ(f)からの前記最終処理済み生成物流、ステップ(f)からの前記最終処理済み蒸留生成物流又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つの一部分が、前記反応器への再循環前に乾燥される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記塩素化アルカンが、1,1,1,3-テトラクロロプロパン(250FB)、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(240FA)、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン又はそれらの組合せを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが、四塩化炭素を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記アルケンが、エチレンを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記塩素化アルケンが、塩化ビニル、塩化ビニリデン又はそれらの組合せを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの固体金属触媒が、金属、金属合金、前記金属の塩、金属粉末又はそれらの組合せを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの固体金属触媒が、アルミニウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、水銀、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、サマリウム、スカンジウム、銀、チタン、スズ、亜鉛、ジルコニウム及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの固体金属触媒が、金属鉄、鉄含有化合物、鉄含有合金、鉄塩又はそれらの組合せを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの固体金属触媒が、前記少なくとも1つのリガンドと複合して活性触媒種を形成する、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記活性触媒種が、Fe(0)、Fe(II)、Fe(III)又はそれらの組合せを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つのリガンドが、少なくとも1つのトリアルキルホスフェート、少なくとも1つのトリアルキルホスファイト又はそれらの組合せを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのトリアルキルホスフェートが、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート又はそれらの組合せを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトリアルキルホスファイトが、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ-tert-ブチルホスファイト又はそれらの組合せを含む、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記アルカリ性物質が、固体状の無機水酸化物、無機水酸化物を含む水溶液、水性アンモニア又はそれらの組合せを含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記アルカリ性物質が無機水酸化物であり、前記無機水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム又はそれらの組合せを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水溶液中の前記アルカリ性物質の重量%が、20%未満である、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
無機水酸化物を含む水相が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム、塩化カルシウム又はそれらの組合せからなる群から選択される最大26重量%の塩化物をさらに含む、請求項18~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記塩化物が塩化ナトリウムである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記方法の温度が40℃~120℃である、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記方法の圧力が0psig~200psigである、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法がバッチ又は連続的である、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記塩素化アルカンの重量%が、前記生成物混合物中で少なくとも50重量%である、請求項1~25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの前記塩素化アルカンへの変換率が、少なくとも50%である、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記塩素化アルカンがフッ素化生成物に変換される、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記生成物混合物がステップb)の後であってステップc)の前に蒸留され、ここで、前記アルケン、塩素化アルケン又はそれらの組合せの少なくとも一部分を含む頂部流、前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン及び底部流が形成され、前記頂部流の少なくとも一部分が前記反応器に再循環され、前記底部流の少なくとも一部分がステップc)及び/又はステップd)で使用される、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
1,1,1,3-テトラクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン又は1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを製造する方法であって、前記方法は、
a)反応器内で、エチレン、塩化ビニル又は1,1-ジクロロエチレンと、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
b)軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記リガンドの複合体又はそれらの組合せ、及び1,1,1,3-テトラクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン又は1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンの少なくとも1つを含む生成物混合物を形成すること、
c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、重質画分及び軽質画分を形成すること、ここで、前記軽質画分は、軽質副生成物及び1,1,1,3-テトラクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン又は1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンの少なくとも1つを含む、
d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分又はステップ(c)からの蒸留からの重質画分を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流に不溶であり、前記アルカリ性物質は前記金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、及び、前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流は前記生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有し、
e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物又は前記重質画分から分離して、処理済み生成物流出流又は前記処理済み重質画分流を形成すること、
f)任意に、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流を蒸留し、それにより少なくとも軽質流出流及び重質流出流を形成すること、並びに
g)ステップ(c)からの前記軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流、ステップ(f)からの前記軽質流出流、ステップ(f)からの重質流出流又はそれらの組合せの一部分を、前記反応器に再循環させる、方法。
【請求項31】
ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分の前記アルカリ性物質による処理は、相間移動触媒の不在下において行われる、請求項30に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、塩素化アルカンを調製するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
塩素化アルカンは、農産物、医薬、洗浄溶媒、溶媒、ゴム、シリコン、及び冷却剤を含む多くの製品にとって有用な中間体である。塩素化アルカンを調製するプロセスは、時間がかかり、中程度に効率的であり、再現性を欠く場合がある。
【0003】
有用であることが示されている塩素化アルカンの1つのサブセットは、1,1,1,3-テトラクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン、及び1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンなどの塩素化プロパンである。これらの塩素化プロパンは、化学、薬学、及び農業分野の多くの製品にとって有用な中間体である。これらの塩素化プロパン中間体を広く利用する1つの分野は、冷却剤の調製である。
【0004】
塩素化プロパンを規模的に効率的に調製するためのいくつかの製造プロセスが開発されている。それらの調製のための一般的なテロメリゼーションプロセスは、アルケン、四塩化炭素、トリアルキルホスフェート、及び鉄触媒を接触させることからなる。1つの特許、米国特許第4,650,914号明細書は、鉄の非粉砕形態及び機械的撹拌を使用してプロセスがバッチモードで実施されるようなプロセスを教示している。さらなるプロセスは、米国特許第6,313,360号及び第8,907,147号などのこの技術を拡充し、これらの特許は、鉄の粉末形態及び機械的撹拌を使用する連続プロセスを開示している。これらの場合の各々において、不純物の形成をさらに引き起こす触媒の中毒により、このプロセスの反応速度が低下する。開示されている1つのプロセス、特開2017-178897号公報は、特定された不純物が鉄の不溶性金属複合体として記載されている、塩素化プロパンの調製のためのプロセスを開示している。この不溶性金属複合体を除去するために、反応内容物を水性酸で洗浄した。この特許は、プロセス中に触媒が非活性化されることを示した。国際公開第2016/058566号は、塩素化プロパンを生成するためのプロセスを記載している。本出願は、生成物の単離中の触媒の分解を開示している。
【0005】
上記の各々において、プロセスは、中程度に効率的であり得るが、それらは、反応速度の低下及び効率性の低下に悩まされている。高い反応速度を示し、再現可能であり、改善された収率を提供し、様々な再循環戦略を利用し、かつより大きいスループットを提供する、塩素化プロパンなどのハロゲン化アルカンを調製することができるプロセスを開発することが有利であろう。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において、一態様では、塩素化アルカンを調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、
(a)反応器内で少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成することと、
(b)塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンとリガンドの複合体、又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成することと、
(c)任意に、生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、蒸留生成物混合物を形成することと、
(d)ステップ(b)からの生成物混合物の少なくとも一部分及び/又はステップ(c)からの蒸留生成物混合物を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物を形成することであって、アルカリ性物質が、処理済み生成物混合物又は処理済み蒸留生成物混合物に不溶性であり、アルカリ性物質が、存在している金属イオンの少なくとも一部と反応し、金属水酸化物を形成し、処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物が、ステップ(b)からの生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有する、処理することと、
(e)金属水酸化物を処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物から分離して、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流を形成することと、
(f)任意に、ステップ(e)の処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流を蒸留して、最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流を形成することと、
(g)ステップ(c)からの蒸留生成物混合物、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流、ステップ(f)からの最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を、反応器に再循環させることと、を含む。
【0007】
上記の分離及び/又は処理ステップは、触媒が分解しないこと、又は有毒化されないことを確実にするのに役立ち、それにより反応速度を維持するのに役立つ。
【0008】
(a)反応器内で少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
(b)塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンとリガンドの複合体、又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
(c)任意に、生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、重質画分及び軽質画分を形成すること、
(d)ステップ(b)からの生成物混合物の少なくとも一部分又はステップ(c)からの蒸留からの重質画分を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流を形成することであって、アルカリ性物質が、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流に不溶性であり、アルカリ性物質が、金属イオンの少なくとも一部と反応し、金属水酸化物を形成し、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流が、生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有する、処理すること、
(e)金属水酸化物を処理済み生成物混合物又は重質画分から分離して、処理済み生成物流出流又は処理済み重質画分流を形成すること、
(f)ステップ(c)からの軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの処理済み重質画分流、ステップ(f)からの軽質流出流、ステップ(f)からの重質流出流、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を、反応器に再循環させること。これらの分離及び/又は処理ステップは、触媒が分解しないこと、又は有毒化されないことを確実にするのに役立ち、それにより高レベルで反応速度を維持するのに役立つ。
【0009】
本明細書において、別の態様では、1,1,1,3-テトラクロロプロパン(250FB)を調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、上記のステップを含み、ステップ(a)において、反応器内でエチレン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドが組み合わされて、反応混合物を形成し、ステップ(b)の生成物混合物は、1,1,1,3-テトラクロロプロパンを含む。
【0010】
本明細書において、さらに別の態様では、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(240FA)を調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、上記のステップを含み、ステップ(a)において、反応器内で塩化ビニル、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドが組み合わされて、反応混合物を形成し、ステップ(b)の生成物混合物は、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを含む。
【0011】
本明細書において、さらに別の態様では、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、上記のステップを含み、ステップ(a)において、反応器内で塩化ビニリデン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドが組み合わされて、反応混合物を形成し、ステップ(b)の生成物混合物は、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを含む。
【0012】
本発明の他の特徴及び反復は、以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本特許又は出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。
【0014】
図1】ランタイム(時間)に対する四塩化炭素の1,1,1,3-テトラクロロプロパンへの変換率を示すグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の一態様は、ハロゲン化アルカンの調製のためのプロセスを包含する。プロセスは、反応器内で少なくとも1つのアルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成することを含む。塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、及び可溶性金属イオン、金属イオンとリガンドの複合体、又はそれらの組合せを含む生成物混合物が形成される。
【0016】
任意に、生成物混合物の少なくとも一部分が蒸留されて、少なくとも2つの画分、すなわち、軽質画分及び重質画分を含む蒸留生成物混合物を形成する。一実施形態において、軽質画分は、重質画分から分離される。次いで、生成物混合物及び/又は蒸留生成物混合物の少なくとも一部分は、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理されて、処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物を形成する。処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物は、生成物混合物及び/又は蒸留生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有する。一実施形態において、蒸留生成物混合物から分離された重質画分の少なくとも一部分は、アルカリ性物質で処理される。鉄水酸化物を処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物から分離した後、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流が生成される。
【0017】
処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流のうちの一方又は両方は、任意に蒸留される。一実施形態において、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流のうちの少なくとも1つは蒸留され、これにより最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流をもたらす。様々な異なる材料を含有し得る他の蒸留流が形成され得る。これらの他の蒸留流は、軽質物質及び/又は重質物質であり得る。最後に、蒸留生成物混合物、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流、最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流、又は任意の他の蒸留流のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分は、反応器に再循環される。
【0018】
(I)ハロゲン化アルカンの調製のためのプロセス
本開示の一態様は、塩素化アルカンの調製のためのプロセスを包含する。プロセスは、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ、並びにトリアルキルホスファイト、トリアルキルホスフェート、及びそれらの組合せを含む少なくとも1つのリン含有化合物を含むリガンド、並びに少なくとも1つの触媒を含む、反応混合物を形成することを含む。この反応混合物が形成されると、反応混合物は撹拌及び加熱されて、塩素化アルカンを生成し、重質副生成物が形成される。
【0019】
(a)反応混合物
プロセスは、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つのリガンド、及び少なくとも1つの固体金属触媒を含む、反応混合物を調製することによって開始される。
【0020】
(i)アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ
多種多様なアルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せが、プロセスで使用され得る。当業者によって理解されるように、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは、液体又はガスとして反応物中に導入され得、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは、少なくとも1つの塩素原子を含む少なくとも1つのハロゲン化メタンに少なくとも部分的に可溶性であり得る。様々な実施形態において、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは、反応器内のポートを通して、少なくとも1つの塩素原子を含む少なくとも1つのハロゲン化メタンの表面よりも上又は下に導入され得る。以下に詳述されるプロセスの条件下で、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは液体であり得、次いで、液体からガスへの相転移を受け得る。当業者によって理解されるように、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは反応器に導入されて、反応器で圧力を維持し得る。
【0021】
一般に、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは、2~5つの炭素原子を含む。アルケンの非限定的な例は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、2-ペンテン、3-ペンテン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、及び3-メチル-1-ブテンであり得る。ハロゲン化アルケンの非限定的な例は、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化アリル、フッ化アリル、1-クロロ-2-ブテン、1-フルオロ-2-ブテン、3-クロロ-1-ブテン、3-フルオロ-1-ブテン、3-クロロ-1-ペンテン、3-フルオロ-1-ペンテン、及びそれらの組合せであり得る。一実施形態において、アルケンは、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、イソブチレン、又はそれらの組合せを含む。一実施形態において、アルケンは、エチレンを含む。別の実施形態において、ハロゲン化アルケンは、塩化ビニル、塩化ビニリデン、又はそれらの組合せを含む。
【0022】
(ii)少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン
少なくとも1つの塩素原子を含む多種多様なハロゲン化メタンが、このプロセスで使用され得る。少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの非限定的な例としては、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジフルオロクロロメタン、トリフルオロクロロメタン、ブロモクロロメタン、ジブロモクロロクロロメタン、トリブロモクロロメタン、クロロヨードメタン、クロロジヨードメタン、クロロトリヨードメタン、ブロモクロロフルオロメタン、ブロモクロロジフルオロメタン、クロロジブロモフルオロメタン、ブロモクロロフルオロヨードメタン、ブロモクロロジヨードメタン、及びそれらの組合せが挙げられる。一実施形態において、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンは、四塩化炭素である。
【0023】
一般に、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンは、過剰に使用されてもよい。一般に、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せに対する少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンのモル比は、0.1:1~約100:1の範囲であり得る。様々な実施形態において、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せに対する少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンのモル比は、0.1:1~約100:1、0.5:1~約75:1、1:1~約10:1、又は1.2:1~約5:1の範囲であり得る。様々な実施形態において、アルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せに対する少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンのモル比は、1.2:1~約2:1の範囲であり得る。少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及びアルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せは、本質的に乾燥しており、すなわち、これは、1000ppm未満の含水量を有する。より低い水濃度が好ましいが、必須ではない。
【0024】
(iii)リガンド
様々な実施形態において、リガンドがプロセスで使用されてもよい。当業者によって理解されるように、リガンドは、触媒と複合体を形成してもよく、得られる複合体は、反応培地で可溶性である。
【0025】
一実施形態において、リガンドは、リン含有化合物を含む。リン含有化合物の例としては、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホスファイト、又はそれらの組合せが挙げられ得る。トリアルキルホスフェート及びトリアルキルホスファイトの好適な非限定的な例としては、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、及びトリ-tert-ブチルホスファイトが挙げられ得る。1つの好ましい実施形態において、リン含有化合物は、トリアルキルホスフェート、すなわち、トリブチルホスフェートを含む。
【0026】
(iv)固体金属触媒
多種多様な固体金属触媒がプロセスで使用され得る。いくつかの実施形態において、固体金属触媒は、遷移金属触媒であり得る。本明細書で使用される場合、「遷移金属触媒」という用語は、遷移金属、すなわち、元素金属、遷移金属含有合金、遷移金属塩、又はそれらの組合せを指す。本明細書に記載のプロセスで有用な遷移金属は、全ての遷移金属を含む。有用な遷移金属の非限定的な例は、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、鉄、チタン、ニッケル、マンガン、スズ、アンチモン、亜鉛、金、ジルコニウム、シリコン、モリブデン、ニオブ、タングステン、バナジウム、又はそれらの組合せであり得る。
【0027】
固体金属触媒は、遷移金属含有合金であり得る。プロセスで使用され得る金属含有合金の非限定的な例は、アルミニウム合金、クロム合金、コバルト合金、銅合金、鉄合金、チタン合金、ニッケル合金、マンガン合金、スズ合金、アンチモン合金、亜鉛合金、金合金、ジルコニウム合金、シリコン合金、モリブデン合金、ニオブ合金、タングステン合金、バナジウム合金、又はそれらの組合せであり得る。これらの合金の非限定的な一般的な名称としては、Al-Li、アルニコ、バーマブライト、デュラルミニウム、ヒドミニウム、ハイドロアリウム(hydroalium)、マグナリウム、Y合金、ニクロム、ステライト、アルティメット、ビタリウム、黄銅の様々な合金、黄銅の様々な合金、青銅、コンスタンタン、コリント青銅、クニフェ、白銅、シンバル金属、エレクトラム、ハプティゾン(haptizon)、マンガニン、ニッケルシルバー、ノルディックゴールド、トゥンバガ、クラウンゴールド、カラーゴールド、エレクトラム、ローダイト、ローズゴールド、トゥンバガ、ホワイトゴールド、鋳鉄、銑鉄、ダマスカス鋼、錬鉄、無煙炭鉄、ウーツ鋼、炭素鋼、るつぼ鋼、浸炭鋼、アルニコ、アルメル、ブライトレイ、クロメル、白銅、フェロニッケル、ジャーマンシルバー、インコネル、モネル合金、ニクロム、ニッケル炭素、ニクロシル、ニチノール、パーマロイ、スーパーマロイ、6aI-4v、ベータC、ゴムメタル、チタンゴールド、バビット、ブリタニウム、ピューター、はんだ、ターン、ホワイトメタル、スターリングシルバー、ザマック、ジルカロイ、又はそれらの組合せが挙げられる。さらなる実施形態において、触媒は、鋳鉄、銑鉄、ダマスカス鋼、錬鋼、無煙炭鉄、ウーツ鋼、炭素鋼、るつぼ鋼、浸炭鋼、及びそれらの組合せからなる群から選択される。好ましい実施形態において、触媒は、鉄、鉄合金、炭素鋼、又はそれらの組合せである。
【0028】
様々な実施形態において、少なくとも1つの固体金属触媒は、遷移金属塩をさらに含んでもよく、これは、液相に部分的又は完全に溶解し得、リガンドと複合体を形成し得る。好適な遷移金属塩の非限定的な例としては、アセタート、アセチアセトナート(acetyacetonate)、アルコキシド、ブチレート、カルボニル、二酸化物、ハロゲン化物、ヘキサノエート、水素化物、メシレート、オクタノエート、ニトレート、ニトロシルハロゲン化物、ニトロシルニトレート、スルフェート、スルフィド、スルホネート、ホスフェート、及びそれらの組合せが挙げられ得る。好適な遷移金属塩の例としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、臭化鉄(III)、及び酸化鉄(III)が挙げられる。一実施形態において、遷移金属塩は、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、又はそれらの組合せであり得る。好ましい実施形態において、遷移金属塩は、塩化第一鉄、塩化第二鉄、又はそれらの組合せを含む。
【0029】
当業者によって理解されるように、触媒はプロセスに入ると、酸化及び/又は還元を受けて、様々な酸化状態の活性化触媒種を生成し得る。これらの活性鉄触媒種の酸化状態は異なり得、(I)、(II)、及び/又は(III)の酸化状態を有する鉄を含んでもよい。一態様において、活性鉄触媒はFe(I)の酸化状態にあってもよい。別の態様において、活性鉄触媒はFe(II)であってもよい。さらなる別の態様において、活性鉄触媒はFe(III)の酸化状態にあってもよい。さらなる態様において、活性鉄触媒は、Fe(I)とFe(II)との混合物を含んでもよい。さらなる別の態様において、活性鉄触媒は、Fe(I)及びFe(III)の酸化状態の混合物を含んでもよい。さらに別の態様において、活性鉄触媒は、Fe(II)及びFe(III)の酸化状態にあってもよい。別の態様において、活性鉄触媒は、Fe(I)、Fe(II)及びFe(III)の酸化状態にあってもよい。さらなる別の実施形態において、電気化学セルを利用して、プロセスにおけるFe(I)、Fe(II)、及びFe(III)の比を調整してもよい。リガンドが存在する場合、これは、反応物中に存在する鉄金属及び/又は鉄塩の少なくとも一部と複合し得る。
【0030】
様々な実施形態において、少なくとも1つの固体金属触媒の構成は、様々な寸法、形状、厚さ、及び重量であり得る。触媒の構成の非限定的な例は、ホイル、スクリーン、ロッド、ワイヤ、ボール、ボールベアリング、チューブ、フェルール、ナット、ボルト、釘、コイル、プレート、シート、パイプ、又はそれらの組合せであり得る。別の実施形態において、触媒は、反応混合物内に懸濁してもよく、又は触媒が反応混合物に接触するように、反応混合物の表面よりも下で反応器に取り付けられてもよい。他の実施形態において、触媒は、固定床又はトレイの一部であり得る。
【0031】
様々な実施形態において、触媒は、構造化パッキング又は非構造化パッキングの形態である。構造化パッキングの非限定的な例は、Flexipac(登録商標)、Flexipac HC(登録商標)、Intalox(登録商標)、Sulzer(登録商標)、ワイヤガーゼ構造化パッキング、又はそれらの組合せであり得る。これらの構造化パッキングは、様々なサイズ、構成、及び波形サイズであってもよい。波形サイズの非限定的な例は、押出、穿孔及びワッフル加工、穿孔及び溝加工、穿孔、平滑、並びにそれらの組合せであってもよい。非構造化パッキングの非限定的な例は、Flexiring(登録商標)、Hy-Pak(登録商標)、IMTP(登録商標)、Intalox(登録商標)、Ultra(登録商標)、又はそれらの組合せであり得る。これらの非構造化パッキングは、様々なサイズ及び構成であってもよい。
【0032】
一般に、触媒の表面積は、1cm/(kg/時間)~約10,000cm/(kg/時間)の範囲であり得る。様々な実施形態において、金属の表面積は、1cm/(kg/時間)~約10,000cm/(kg/時間)、約100cm/(kg/時間)~約7,500cm/(kg/時間)、約1,000cm/(kg/時間)~約5,000cm/(kg/時間)、又は2,000cm/(kg/時間)~約4,000cm/(kg/時間)の範囲であり得る。1つの好ましい実施形態において、金属の表面積は、100~2500cm/(kg/時間)である。別の好ましい実施形態において、金属の表面積は、又は1750~2250cm/(kg/時間)である。さらに別の実施形態において、金属の表面積は、75~425cm/(kg/時間)又は100~350cm/(kg/時間)である。
【0033】
一般に、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対する少なくとも1つの固体金属触媒のモル比は、約0:1~約0.1:1の範囲であり得る。様々な実施形態において、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対する少なくとも1つの固体金属触媒のモル比は、0:1~約0.1:1、0.0001:1~約0.05:1、0.0025:1~約0.01:1、又は0.005:1~約0.008:1の範囲であり得る。好ましい実施形態において、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンに対する少なくとも1つの固体金属触媒のモル比は、約0.001:1~約0.007:1の範囲であり得る。
【0034】
一般に、溶解金属触媒対リガンドのモル比は、1:1~約1:1000の範囲であり得る。様々な実施形態において、溶解金属触媒対リガンドのモル比は、1:1~約1:1000、1:1~約1:500、1:1~約1:100、又は1:1~約1:10の範囲であり得る。1つの好ましい実施形態において、溶解金属触媒対リガンドのモル比は、1:1.5~約1:3の範囲であり得る。
【0035】
一般に、金属塩対リガンドのモル比は、1:1~約1:1000の範囲であり得る。様々な実施形態において、金属塩対リン含有化合物のモル比は、1:1~約1:1000、1:1~約1:500、1:1~約1:100、又は1:1~約1:10の範囲であり得る。1つの好ましい実施形態において、金属塩対リン含有化合物のモル比は、1:1.5~約1:3の範囲であり得る。
【0036】
別の実施形態において、連続反応器中の少なくとも1つの固体金属触媒は、固定触媒床の一部であってもよい。さらに別の実施形態において、連続反応器中の少なくとも1つの固体金属触媒は、カートリッジの一部であってもよい。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの固体金属触媒は、構造化又は非構造化パッキングの一部であってもよい。固定床、カートリッジ、構造化パッキング、又は非構造化パッキングを使用して、触媒は含有され、容易に交換され得る。
【0037】
(v)触媒(複数可)のプロセスへの導入
一般に、少なくとも1つの固体金属触媒は、様々な方法でプロセスに導入され得る。一態様において、金属、金属合金、金属塩(複数可)、又はそれらの組合せを含む少なくとも1つの固体金属触媒は、プロセスに直接導入され得る。別の態様において、少なくとも1つの固体金属触媒を含む触媒溶液は、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンとリガンドの混合物に、金属、金属合金、金属塩(複数可)、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を溶解し、次いでこの溶液を反応器に添加することによって調製され得る。さらに別の実施形態において、触媒溶液は、金属、金属合金、金属塩(複数可)、又はそれらの組合せ、リガンド、及び少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンを混合することによって、反応器内で生成され得る。当業者によって理解されるように、少なくとも1つの固体金属触媒又は少なくとも1つの触媒の溶液を反応器に導入するための他の方法が想定され得る。アルケンは、触媒が添加される前に反応器中にあってもよく、アルケンは、触媒の後又は同時に反応器に添加されてもよい。
【0038】
(b)反応条件
本明細書に開示されるプロセスは、バッチモード又は連続モードで実行されてもよく、連続モードが好ましい。
【0039】
連続モードでは、撹拌タンク反応器が使用されてもよく、又は理想的なプラグ流反応器の性能にアプローチするための一連の撹拌タンク反応器が利用されて、プロセスの全体的な効率を改善してもよい。別の実施形態において、反応器の構成要素の混合を改善するために、連続モードでのプロセスが様々な方法で撹拌されてもよい。
【0040】
当業者によって理解されるように、プロセスを十分に撹拌する方法が多数存在する。様々な実施形態において、反応器中の反応混合物の液相は、少なくとも1つのノズルを使用するジェット混合を利用して撹拌され得る。他の実施形態において、少なくとも1つのエダクタを利用するジェット混合が利用され得る。さらに他の実施形態において、少なくとも1つのノズル及び少なくとも1つのエダクタを利用するジェット混合が利用されてもよい。さらに別の実施形態において、機械的撹拌が使用されてもよい。さらに別の実施形態において、上記の撹拌方法の全ての組合せが使用されてもよい。
【0041】
当業者によって理解されるように、少なくとも1つのノズルを利用するジェット混合は、反応器から反応混合物の液相の一部分を引き出し、少なくとも1つのノズルを通して液相を反応器に送り返し、それにより液相中に乱流を作り出す。少なくとも1つのノズルは、液相の表面よりも下に位置付けられ、それにより液相中に乱流を作り出し、混合の増加をもたらし得る。少なくとも1つのノズルは、液相の表面に位置付けられるか、又は気相を通って液相中に向けられ、それにより反応混合物の乱流の増加をもたらすが、液相中への気相の吸収の増加ももたらす。
【0042】
当業者によって理解されるように、少なくとも1つのエダクタを利用するジェット混合は、反応器から反応混合物の液相の一部分を引き出し、少なくとも1つのガス排気ノズルを通して液相を反応器に送り返す。エダクタノズルは、エダクタ内で吸引を提供し、これは、反応混合物の気相からガスを引き出し、ガスを循環液相と混合し、得られた液体とガスの混合物を反応器の液相に戻し、ここで液体は、循環液相と比較してガスの吸収が増加している。エダクタノズルからの流れが反応混合物の液相に向けられると、液相中へのガスの吸収の増加、反応混合物の乱流の増加、及び吸収デバイスを通る流量の増加がもたらされる。
【0043】
ジェット混合はまた、少なくとも1つのノズルと少なくとも1つのエダクタとを利用し得る。この構成では、上記のように、反応混合物中の乱流の増加及び吸収デバイスを通る流量の増加だけでなく、液相中へのガス吸収の増加も実現される。
【0044】
噴霧ノズルの使用もまた利用され得る。噴霧ノズルを使用して、液相は、噴霧ノズルを通して送られ、反応混合物からの液相の液滴を生成する。これらの液滴は、気相中に放出されてもよく、それらは、気相の少なくとも一部を吸収する。次いで、液滴は、反応混合物の液相中に再び取り込まれ、それにより反応混合物の液相に溶解されたガスの量を増加させる。
【0045】
他の実施形態において、通気管が、プロセスで利用されてもよい。通気管は、反応混合物の内部再循環を提供する。循環は、少なくとも1つの液体ジェットからのエネルギー、少なくとも1つのガス排気ノズルからのエネルギー、反応器内の気泡の上昇からのエネルギー、又はそれらの組合せによって誘発され得る。
【0046】
当業者によって理解されるように、方法のうちの少なくとも1つ又はこれらの組合せが、プロセスで利用されてもよい。好ましい実施形態において、エダクタノズルからの流れが反応混合物の液相に向けられる、少なくとも1つのエダクタノズルを使用するジェット混合が利用される。
【0047】
一般に、ハロゲン化アルカンを調製するためのプロセスは、内部又は外部熱交換器を使用して約40℃~約120℃の温度を維持するために行われる。当業者によって理解されるように、反応物及び生成物の一部分を沸騰又は蒸発させることによって、反応器の温度が部分的に維持される。様々な実施形態において、反応の温度は、約40℃~約120℃、50℃~約110℃、60℃~約100℃、又は約70℃~約90℃に維持され得る。
【0048】
一般に、プロセスは、約0psig、101.3kPa)~約200psi(1379kPa)の圧力で実施されてもよく、これにより、ガス及び液体の量が好適な量であり、そのため反応が進行し、プロセスの反応速度を維持し得る。様々な実施形態において、プロセスの圧力は、ほぼ大気圧(約14.7psi)~約200psi、約20psi~約180psi、約40psi~約160psi、約80psi~約140psi、又は100psi~約120psiであり得る。
【0049】
一般に、クロマトグラフィ(例えば、GC-ガスクロマトグラフィ)などの当業者に既知の任意の方法によって判定されるように、反応が完了するまでの十分な期間にわたって反応を進行させる。反応の持続時間は、約5分~約16時間の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、反応の持続時間は、約5分~約16時間、約1時間~約12時間、約2時間~約10時間、約4時間~約8時間、又は約5時間~約7時間の範囲であり得る。
【0050】
(c)生成物混合物中で塩素化アルカンを調製するためのプロセスからの出力
本明細書に開示されるプロセスは、少なくとも1つの塩素化アルカン及び少なくとも1つの重質副生成物を生成する。
【0051】
一般に、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの塩素化アルカンへの変換率(%)は、少なくとも50%である。様々な実施形態において、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの塩素化アルカンへの変換率は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
【0052】
一般に、プロセスは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量パーセント(wt%)の塩素化アルカンを生成する。様々な実施形態において、塩素化アルカンは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%で生成される。
【0053】
一般に、プロセスは、塩素化アルカン及び重質副生成物を生成する。これらの重質副生成物は、生成物分布全体で5重量%未満で生成される。様々な実施形態において、これらの重質不純物は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満であり得る。
【0054】
好ましい実施形態において、塩素化アルカンは、1,1,1,3-テトラクロロプロパン、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン、又は1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンである。
【0055】
(d)様々な生成物蒸気の処理、分離、及び再循環
少なくとも1つのアルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せが、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドと接触した後、塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、及び可溶性金属イオン、リガンドと金属イオンの複合体、又はそれらの組合せを含む生成物混合物が形成される。生成物混合物は、いかなる相間移動触媒も含有しない。この生成物混合物の少なくとも一部分は、様々な分離ステップ、処理ステップ、又はそれらの組合せを受けて、様々な生成物混合物、生成物流出流、処理済みの流れ、及び/又は処理済み混合物を生成してもよく、これらのいずれか又は全ては、反応器に再循環され得る。
【0056】
一実施形態において、様々な生成物混合物、流れ、生成物流出流、重質画分、軽質画分の少なくとも一部分が、少なくとも1つの分離ステップを受けてもよい。当業者によって理解されるように、多くの分離技術又は分離技術の組合せが有用であり得る。分離技術の非限定的な例は、デカンテーション、沈降、濾過、遠心分離、薄膜蒸発、単蒸留、真空蒸留、分別蒸留、又はそれらの組合せであり得る。様々な実施形態において、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つは、蒸留カラム又は多段蒸留カラムであってもよい。さらに、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つは、再沸器、底部段(bottom stage)、又はそれらの組合せをさらに含んでもよい。様々な蒸留カラムがこのキャパシティ内で使用されてもよい。一実施形態において、中間段からの出口流を提供する側部抜出カラム若しくは蒸留カラム、又は分割壁カラム(分割壁カラム(DWC)は、3つ以上の構成成分の混合物を高純度生成物へと分離することが可能な、単一シェル型の完全に熱的に結合した蒸留カラムである)が、分離器として使用され得る。蒸留は、少なくとも1つの理論段を含んでもよい。
【0057】
別の実施形態において、様々な生成物混合物、流れ、生成物流出流、重質画分、軽質画分の少なくとも一部分が、少なくとも1つの処理ステップを受けてもよい。当業者によって理解されるように、処理ステップは、様々な生成物混合物、流れ、生成物流出流、及び/又は重質画分の少なくとも一部分をアルカリ性物質と接触させて、可溶性金属イオン、金属イオン-リガンド複合体、又はそれらの組合せを金属水酸化物に変換することを含む。アルカリ性物質との接触時間は、可溶性金属イオン、リガンドと金属イオンの複合体、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を金属水酸化物に変換するのに十分であり、塩素化アルカンの脱塩素水素がわずかに発生するか、又は発生しない。処理済み混合物、流れなどは、前処理混合物、流れなどよりも少ない金属イオンを含有する。処理後、処理済みの流れは次いで、金属水酸化物を除去するための分離ステップを受けてもよい。
【0058】
一実施形態において、アルカリ性物質は、水性無機塩基であり得る。水性塩基はさらに、無機ハロゲン化物塩、例えば、塩化物塩を含有してもよい。一実施形態において、水性塩基を含む水相は、クロロアルカリプロセスによって生成され得る。
【0059】
様々な実施形態において、無機塩基は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基であり得る。これらのアルカリ金属又はアルカリ土類の塩基の非限定的な例は、LiOH、NaOH、KOH、Ba(OH)、Ca(OH)、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、又はそれらの組合せであり得る。好ましい実施形態において、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩基は、NaOH、KOH、又はそれらの組合せであり得る。さらにより好ましくは、塩基は、NaOHを含む。
【0060】
ハロゲン化物塩は、任意のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物塩、例えば、塩化物塩であり得る。これらのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の塩化物塩の非限定的な例は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム、塩化カルシウム、又はそれらの組合せからなる群から選択され得る。好ましい実施形態において、塩化物塩は、塩化ナトリウムを含む。別の実施形態において、水性塩基は、NaOHと、隔膜セル内での塩化ナトリウムの電気分解によるクロロアルカリプロセスから生成された少なくとも1つの塩化物塩の混合物を含む。他の実施形態において、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物塩の濃度は、無機塩基中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物塩の飽和限界までであるか、又はそれを超える。
【0061】
一般に、水性塩基の濃度は、5重量%~約50重量%の範囲であり得る。様々な実施形態において、水性塩基の濃度は、5重量%~約50重量%、7重量%~約40重量%、9重量%~約30重量%、又は10重量%~約20重量%の範囲であり得る。好ましい実施形態において、水性塩基の濃度は、5重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0062】
一般に、様々な生成物混合物中の溶解及び/又は複合した金属塩に対する塩基(複数可)のモル比は、0.1:1.0~約2.0:1.0の範囲であり得る。様々な実施形態において、塩基(複数可)対塩素化アルカンのモル比は、0.1:1.0~約2.0:1.0、0.5:1.0~約1.5:1.0、又は0.9:1.0~約1.1:1.0の範囲であり得る。好ましい実施形態において、水性塩基対塩素化アルカンのモル比は、約1.0:1.0であり得る。
【0063】
一般に、ハロゲン化物塩の濃度は、飽和限界までであるか、又はそれ未満であり得る。様々な実施形態において、ハロゲン化物塩の濃度は、0.01重量%超、1重量%超、10重量%超、20重量%超、好適なハロゲン化物塩の飽和限界、又は好適なハロゲン化物塩の飽和限界未満であり得る。当業者によって理解されるように、飽和限界は、他のイオンの存在、温度、圧力などに依存する。
【0064】
一実施形態において、生成物混合物は蒸留されて、蒸留生成物混合物を形成する。蒸留が2つの流れのみを形成する場合、それらは、軽質画分(a)及び重質画分(b)である。軽質分画(a)は、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つのアルケン、ハロゲン化アルケン、又はそれらの組合せ、軽質副生成物、塩素化アルカン、及び任意に水を含む。重質画分(b)は、重質副生成物、可溶性金属イオン、リガンドと金属イオンの複合体、又はそれらの組合せ、及びリガンドを含む。重質画分(b)は、水性アルカリ性物質と接触する。この処理中、可溶性金属イオン、金属イオンの複合体、又はそれらの組合せの少なくとも一部は、塩基と反応し、金属は金属水酸化物に変換される。次いで、この混合物は少なくとも1つの分離器に移され、ここで金属水酸化物は除去される。金属水酸化物の分離後、処理済み重質画分(c)は、重質副生成物とリガンドとを含み、処理済み重質画分(c)は、重質画分(b)よりも少ない金属イオンを含有する。
【0065】
別の実施形態において、塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンとリガンドの複合体、又はそれらの組合せを含む生成物混合物は、水性アルカリ性物質と接触する。この処理中、可溶性金属イオン、リガンドと金属イオンの複合体、又は組合せの少なくとも一部が、金属水酸化物に変換される。次いで、この混合物は少なくとも1つの分離器に移され、ここで少なくとも一部の金属水酸化物が除去される。一実施形態において、可能な限りの金属水酸化物が除去される。金属水酸化物を除去した後、処理生成物流出流(d)は、塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、及びリガンドを含み、処理生成物流は、プロセスからの生成物流よりも少ない金属イオンを含有する。処理済み生成物流出流(d)は蒸留されて、軽質副生成物、塩素化アルカン、及び任意に水を含む軽質流出流(e)と、重質副生成物及びリガンドを含む重質流出流(f)とを形成し得る。
【0066】
プロセスの効率を改善するために、これらの様々な分離された混合物、流れ、処理済みの流れ、分離された画分、及び処理済み画分の少なくとも一部分は、反応器に再循環され得る。様々な実施形態において、塩素化アルカン及び軽質副生成物を含む軽質画分(a)、重質副生成物及びリガンドを含む処理済み重質画分(c)、塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、及びリガンドを含む処理済み生成物流出流(d)、軽質副生成物及び塩素化アルカンを含む軽質流出流(e)、重質副生成物及びリガンドを含む重質流出流(f)、又はそれらの組合せの少なくとも一部分は、上記のように、反応器中のプロセスに完全に又は部分的に再循環され得る。
【0067】
別の実施形態において、軽質画分(a)、処理済み重質画分(c)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、重質流出流(f)、又はそれらの組合せの少なくとも一部分は、バッチモード又は連続モードで再循環して反応器に戻される前に、新鮮材料供給物と混合されてもよく、新鮮材料供給物は、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、アルケン、ハロゲン化アルケン、若しくはそれらの組合せ、少なくとも1つのリガンド、又はそれらの組合せを含む。他の実施形態において、新鮮材料供給物は、反応器に添加され得る。これらの新鮮材料供給物を導入するか、又は新鮮材料供給物と再循環軽質画分(a)、処理済み重質画分(c)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、重質流出流(f)、又は組合せを混合すると、プロセスの効率が向上し、全体的なコストが削減され、反応速度が維持され、スループットが増加し、プロセスによって生成される副生成物が低減される。再循環軽質画分(a)、処理済み重質画分(c)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、重流出流(f)、若しくは組合せ、又は反応器に添加される新鮮材料供給流の量は、同じであっても異なってもよい。再循環軽質画分(a)、処理済み重質画分(c)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、重流出流(f)、若しくは組合せ、又は反応器に添加される新鮮材料供給流の量を測定する一方法は、これらの流れの各々の質量流量を特定することである。反応器に再循環される再循環軽質画分(a)、処理済み重質画分(c)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、重質流出流(f)、又は組合せは、再循環生成物流出質量流量を有し、一方で、反応器に添加される新鮮材料供給流は、新鮮材料供給物質量流量を有する。質量流量は、当技術分野において既知の方法を使用して測定され得る。
【0068】
一般に、新鮮材料供給物質量流量に再循環される生成物流出流質量流量の質量比は、プロセスの変換を維持し、及び/又はプロセスの反応速度を維持するように調整される。
【0069】
軽質画分(a)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)に含有される塩素化アルカンは、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態において、軽質画分(a)、生成物流出流(d)、又は軽質流出流(e)に含有される塩素化アルカンは、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%の収率を有し得る。
【0070】
プロセスからの軽質画分(a)、生成物流出流(d)、又は軽質流出流(e)に含有される塩素化アルカンは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
【0071】
(e)塩素化アルカンの分離及び精製
プロセスの次のステップは、塩素化アルカンを、軽質画分(a)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、又はそれらの組合せの少なくとも一部分から分離することを含む。プロセスからの塩素化アルカンの純度に応じて、さらなる構成成分は、アルケン、塩素化アルケン、又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、リガンド、及び任意に水であり得る。好ましい実施形態において、塩素化アルカンは、1,1,1,3-テトラクロロプロパンである。別の好ましい実施形態において、塩素化アルカンは、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンである。さらに別の好ましい実施形態において、塩素化アルカンは、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンである。
【0072】
分離プロセスは、軽質画分(a)、生成物流出流(d)、軽質流出流(e)、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を少なくとも1つの分離器、及び代替として第2の分離器に移して、所望の収率及び/又は純度で塩素化アルカンを単離することによって開始される。様々な実施形態において、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つは、蒸留カラム又は多段蒸留カラムであってもよい。さらに、第1の分離器及び第2の分離器のうちの少なくとも1つは、再沸器、底部段(bottom stage)、又はそれらの組合せをさらに含んでもよい。様々な蒸留カラムがこのキャパシティ内で使用されてもよい。一実施形態において、中間段からの出口流をもたらす側部抜出カラム若しくは蒸留カラム、又は分割壁カラムが分離器として使用され得る。
【0073】
軽質画分(a)又は軽質流出流(e)のいずれかを含む精製された塩素化アルカンを分離すると、少なくとも2つの生成物流が生成される。生成物流出流(d)を含む塩素化アルカンを分離すると、少なくとも3つの生成物流が生成される。様々な実施形態において、精製された塩素化アルケンを分離すると、利用される分離デバイス及び塩素化アルカンの純度に応じて、3つ、4つ、又はそれを超える生成物流が生成され得る。
【0074】
一般に、軽質画分(a)、軽質流出流(e)、又はそれらの組合せの一部分は蒸留されて、2つの生成物流出流である生成物流出流(i)及び(ii)を生成し得る。生成物流出流(i)は、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及び少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン、又はそれらの組合せなどの軽質副生成物を含み、一方で、生成物流出流(ii)は、塩素化アルカンを含む。効率を高めるために、生成物流出流(i)は、反応器又は別のプロセスに再循環されてもよい。
【0075】
一般に、生成物流出流(d)の少なくとも一部分が蒸留されて、少なくとも3つの生成物流である生成物流出流(iii)、(iv)、及び(v)を生成し得る。生成物流出流(iii)は、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、及び少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン、又はそれらの組合せなどの軽質副生成物を含み、生成物流出流(iv)は、塩素化アルカンを含み、生成物流出流(v)は、重質副生成物及びリガンドを含む。効率を高めるために、生成物流出流(iii)及び(v)は、反応器又は別のプロセスに再循環されてもよい。
【0076】
さらに別の実施形態において、塩素化アルカンを含む生成物流出流(ii)及び(iv)の少なくとも一部分は、追加の分離デバイスに移されて、塩素化アルカンの所望の純度を達成し得る。
【0077】
上記のプロセスは、少なくとも20%の塩素化アルカンを得ることができる。様々な実施形態において、上記のプロセスは、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも95%、及び少なくとも99%の収率を有し得る。
【0078】
プロセスから生成された塩素化アルカンは、少なくとも約50%の重量パーセントを有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された塩素化アルカンは、少なくとも50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
【0079】
(II)好ましい実施形態:1,1,1,3-テトラクロロプロパンを調製するためのプロセス。
(a)反応混合物
本明細書において、別の態様では、1,1,1,3-テトラクロロプロパンを調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、エチレン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを含む反応混合物を反応器中で調製することによって開始される。少なくとも1つの固体金属触媒は、(I)(a)(iv)の項に記載されており、リガンドは、(I)(a)(iii)の項に記載されている。好ましい実施形態において、固体金属触媒は、塩化第二鉄を含み、リガンドは、トリブチルホスフェートである。
【0080】
(b)反応条件
反応条件は、先で(I)(b)の項に記載されている。
【0081】
(c)生成物混合物中で塩素化アルカンを調製するためのプロセスからの出力
上記で概説したプロセスから塩素化アルカンを生成するための出力は、先で(I)(c)の項に記載されている。
【0082】
プロセスは、上記で概説したように、生成物混合物中で1,1,1,3-テトラクロロプロパン及び重質副生成物を生成する。一般に、四塩化炭素の1,1,1,3-テトラクロロプロパンへの変換率(%)は、少なくとも50%である。様々な実施形態において、四塩化炭素の1,1,1,3-テトラクロロプロパンへの変換率は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
【0083】
一般に、プロセスは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量パーセント(wt%)の1,1,1,3-テトラクロロプロパンを生成する。様々な実施形態において、1,1,1,3-テトラクロロプロパンは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%で生成される。
【0084】
一般に、プロセスは、1,1,1,3-テトラクロロプロパン及び重質副生成物を生成する。これらの重質副生成物は、生成物分布全体で5重量%未満で生成される。様々な実施形態において、これらの重質副生成物は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満であり得る。
【0085】
(d)様々な生成物蒸気の処理、分離、及び再循環
様々な生成物流の処理、分離、及び再循環は、先で(I)(d)の項に記載されている。
【0086】
(e)1,1,1,3-テトラクロロプロパンの分離及び精製
1,1,1,3-テトラクロロプロパンの分離及び精製は、先で(I)(e)の項に記載されている。
【0087】
プロセスから生成された1,1,1,3-テトラクロロプロパンは、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3-テトラクロロプロパンは、少なくとも20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の収率を有し得る。
【0088】
プロセスから生成された1,1,1,3-テトラクロロプロパンは、少なくとも約50%の重量パーセントを有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3-テトラクロロプロパンは、少なくとも50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
【0089】
(III)好ましい実施形態:1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを調製するためのプロセス。
(a)反応混合物
本明細書において、別の態様では、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、塩化ビニル、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを含む反応混合物を反応器中で調製することによって開始される。固体金属触媒は、(I)(a)(iv)の項に記載されており、リガンドは、(I)(a)(iii)の項に記載されている。好ましい実施形態において、固体金属触媒は、塩化第二鉄を含み、リガンドは、トリブチルホスフェートである。
【0090】
(b)反応条件
反応条件は、先で(I)(b)の項に記載されている。
【0091】
(c)生成物混合物中で塩素化アルカンを調製するためのプロセスからの出力
上記で概説したプロセスから1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを生成するための出力は、先で(I)(c)の項に記載されている。
【0092】
プロセスは、上記で概説したように、生成物混合物中で1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン及び重質副生成物を生成する。一般に、四塩化炭素の1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンへの変換率(%)は、少なくとも50%である。様々な実施形態において、四塩化炭素の1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンへの変換率は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
【0093】
一般に、プロセスは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量パーセント(wt%)の1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを生成する。様々な実施形態において、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%で生成される。
【0094】
一般に、重質副生成物は、生成物分布全体で5重量%未満で生成される。様々な実施形態において、これらの重質副生成物は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満であり得る。
【0095】
(d)様々な生成物蒸気の処理、分離、及び再循環
様々な生成物流の処理、分離、及び再循環は、先で(I)(d)の項に記載されている。
【0096】
(e)1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンの分離及び精製
1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンの分離及び精製は、先で(I)(e)の項に記載されている。
【0097】
プロセスから生成された1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンは、少なくとも20%の収率を有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンは、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の収率を有し得る。
【0098】
プロセスから生成された1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンは、少なくとも50%の重量パーセントを有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンは、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
【0099】
(IV)好ましい実施形態:1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを調製するためのプロセス
(a)反応混合物
本明細書において、別の態様では、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを調製するためのプロセスが開示されている。プロセスは、塩化ビニリデン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒、及びリガンドを含む反応混合物を反応器中で調製することによって開始される。固体金属触媒は、(I)(a)(iv)の項に記載されており、リガンドは、(I)(a)(iii)の項に記載されている。好ましい実施形態において、固体金属触媒は、塩化第二鉄を含み、リガンドは、トリブチルホスフェートである。
【0100】
(b)反応条件
反応条件は、先で(I)(b)の項に記載されている。
【0101】
(c)生成物混合物中で塩素化アルカンを調製するためのプロセスからの出力
上記で概説したプロセスから1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを生成するための出力は、先で(I)(c)の項に記載されている。
【0102】
プロセスは、上記で概説したように、生成物混合物中で1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン及び重質副生成物を生成する。一般に、四塩化炭素の1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンへの変換率(%)は、少なくとも50%である。様々な実施形態において、四塩化炭素の1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンへの変換率は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。
【0103】
一般に、プロセスは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量パーセント(wt%)の1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを生成する。様々な実施形態において、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンは、反応器の生成物混合物中で少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%で生成される。
【0104】
一般に、プロセスは、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン及び重質副生成物を生成する。これらの重質副生成物は、生成物分布全体で5重量%未満で生成される。様々な実施形態において、これらの重質副生成物は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、又は1重量%未満であり得る。
【0105】
(d)様々な生成物蒸気の処理、分離、及び再循環
様々な生成物流の処理、分離、及び再循環は、先で(I)(d)の項に記載されている。
【0106】
(e)1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンの分離及び精製。
1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンの分離及び精製は、先で(I)(e)の項に記載されている。
【0107】
プロセスから生成された1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンは、少なくとも約20%の収率を有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンは、少なくとも20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の収率を有し得る。
【0108】
プロセスから生成された1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンは、少なくとも約50%の重量パーセントを有し得る。様々な実施形態において、プロセスで生成された1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンは、少なくとも50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、又は少なくとも約99.9%の重量パーセントを有し得る。
【0109】
定義
本明細書に記載の実施形態の要素を紹介するとき、冠詞の「a」、「an」、「the」、及び「said」は、1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であり、列挙された要素以外のさらなる要素があり得ることを意味することを意図している。
【0110】
本発明を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく修正及び変形が可能であることは明らかであろう。
【実施例
【0111】
以下の実施例は、本発明の様々な実施形態を例示する。
【0112】
実施例1:TBP及びFe-TBP複合体を含有する重質物質の再循環を伴うバッチオートクレーブでの1,1,1,3-テトラクロロプロパンの製造
約15ccの液体体積を有するオートクレーブ内での金属鉄、FeCl、及びトリブチルホスフェート(TBP)の存在下での四塩化炭素(Tet)とエチレンの反応による、実験室における1,1,1,3-テトラクロロプロパン(250fb)の生成を試験するために、以下のプロトコルを設計した。30.5cm×1.2mmの鉄線が底部に巻き付けられたオートクレーブを準備した。10重量%のFeCl、17.5重量%のTBP、及び72.5重量%のTetからなる原液を調製した。ベースラインランのために、16.4gのTet、0.367gの原液、及び前のランからの粗生成物の蒸留からの1.867gの重質物質をバイアルに添加し、混合した。重質物質は、前のランからの可溶性Fe及びTBPを含有していた。Tetを有するフラスコ内で粗生成物を洗浄し、次いでフラスコを加熱及び窒素でパージし、Tet、250fb、及び他の軽質構成成分の大部分を低温(110℃未満)で蒸発させることによって、蒸留を実施した。液体反応物をオートクレーブに注ぎ、オートクレーブを密封し、300rpmで撹拌を開始した。オートクレーブを窒素で2回パージし、エチレンで3回パージした(液体反応物からの一部の不活性物質及び微量の水の除去を補助するために撹拌しながら)。次いで、オートクレーブにエチレンを120psigまで詰め、エチレン供給弁を閉じた。オートクレーブを100℃まで加熱し、次いでエチレン供給弁を開き、圧力を120psigに設定した。鉄分析のために1.273gの初期試料を採取し、次いで、GC分析のために反応が進行するにつれて、後続のより小さい試料を採取した。3時間後、加熱を終了し、系を35℃未満まで冷却し、エチレン供給を終了し、システムを通気させた。表1に結果を示す。添加された総TBPは、原液からの量とTBPが再循環されたランに添加された量に基づいて推定した。
【0113】
実施例2:Feの一部分を水性NaOHでの処理によって除去した後の、TBP及びFe-TBP複合体を含有する重質物質の再循環を伴うバッチオートクレーブでの1,1,1,3-テトラクロロプロパンの製造
以前のランと同じ量の同じ粗生成物を使用して、実施例1を繰り返した。蒸留前に、粗生成物を、8重量% NaOH及び16重量% NaClを含有する2.87gの水溶液と共にバイアル内で振盪した。処理済み粗生成物を水相から分離した。処理済み粗生成物混合物の蒸留は、実施例1よりも効果的であり(より多くの軽質物質、Tet、及び1,1,1,3-テトラクロロプロパンが塔頂で蒸留された)、結果としてオートクレーブに添加される重質物質の量がより少なかったが、いずれの実施例においても、処理済み粗生成物又は未処理粗生成物に含有されるFe及びTBPのいずれも、蒸留で失われなかった。
【0114】
表1は、蒸留及び反応物への添加前に、以前のランからの粗生成物を処理して、鉄の一部を除去したラン2が、粗生成物を処理しなかったラン1と比較してより高い変換(より速い反応速度)を示したことを示す。
【0115】
【表1】
【0116】
各ランの選択性は、本質的に同じであった。図は、同じ効果をグラフで示す。図中、触媒構成成分が再循環されなかった追加の曲線、及び、蒸留及び反応への添加前に、以前のランからの粗生成物をイオン交換樹脂で処理した追加の曲線も比較のために示されている。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 塩素化アルカンを製造する方法であって、前記方法は、
(a)反応器内で、少なくとも1つのアルケン、塩素化アルケン又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン、少なくとも1つの固体金属触媒及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
(b)塩素化アルカン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記リガンドの複合体又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
(c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、蒸留生成物混合物を形成すること、
(d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分、及び/又は、ステップ(c)からの前記蒸留生成物混合物を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物及び/又は処理済み蒸留生成物混合物を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み蒸留生成物混合物に不溶であり、前記アルカリ性物質は存在する金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、並びに、前記処理済み生成物混合物及び/又は前記処理済み蒸留生成物混合物はステップ(b)からの前記生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有し、
(e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物及び/又は前記処理済み蒸留生成物混合物から分離して、処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流を形成すること、
(f)任意に、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流及び/又は前記処理済み蒸留流出流を蒸留して、最終処理済み生成物流及び/又は最終処理済み蒸留生成物流を形成すること、並びに
(g)ステップ(c)からの前記蒸留生成物混合物、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流及び/又は処理済み蒸留流出流、ステップ(f)からの前記最終処理済み生成物流及び/又は前記最終処理済み蒸留生成物流のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分を、反応器に再循環させること、を含む、方法。
[2] ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの処理済み重質画分流及びステップ(f)からの重質流は、金属を本質的に含まず、かつ、前記リガンドをさらに含み、ここで、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流及びステップ(f)からの前記重質流の少なくとも一部分が、前記反応器に再循環される、[1]に記載の方法。
[3] ステップ(c)からの軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流、ステップ(f)からの前記重質流出流、ステップ(f)からの軽質流出流又はそれらの組合せが、前記反応器への再循環前に乾燥される、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記塩素化アルカンが、1,1,1,3-テトラクロロプロパン(250FB)、1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン(240FA)、1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン又はそれらの組合せを含む、[1]~[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5] 前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンが、四塩化炭素を含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の方法。
[6] 前記アルケンが、エチレンを含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7] 前記ハロゲン化アルケンが、塩化ビニル、塩化ビニリデン又はそれらの組合せを含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8] 前記少なくとも1つの固体金属触媒が、金属、金属合金、前記金属の塩、金属粉末又はそれらの組合せを含む、[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9] 前記少なくとも1つの固体金属触媒が、アルミニウム、ビスマス、クロム、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、水銀、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、サマリウム、スカンジウム、銀、チタン、スズ、亜鉛、ジルコニウム及びそれらの組合せからなる群から選択される、[1]~[8]のいずれか1つに記載の方法。
[10] 前記少なくとも1つの固体金属触媒が、金属鉄、鉄含有化合物、鉄含有合金、鉄塩又はそれらの組合せを含む、[8]又は[9]に記載の方法。
[11] 前記少なくとも1つの固体金属触媒が、少なくとも1つのリガンドと複合して活性化触媒種を形成する、[1]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記活性触媒種が、Fe(0)、Fe(II)、Fe(III)又はそれらの組合せを含む、[1]~[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13] 前記少なくとも1つのリガンドが、少なくとも1つのトリアルキルホスフェート、少なくとも1つのトリアルキルホスファイト又はそれらの組合せを含む、[1]~[12]のいずれか1つに記載の方法。
[14] 前記トリアルキルホスフェートが、トリエチルホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート、トリブチルホスフェート又はそれらの組合せを含む、[13]に記載の方法。
[15] 前記トリアルキルホスファイトが、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ-tert-ブチルホスファイト又はそれらの組合せを含む、[14]に記載の方法。
[16] 前記アルカリ性物質が、固体状の無機水酸化物、無機水酸化物を含む水溶液、水性アンモニア又はそれらの組合せを含む、[1]~[15]のいずれか1つに記載の方法。
[17] 前記無機水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム又はそれらの組合せを含む、[16]に記載の方法。
[18] 前記アルカリ性物質を含む水溶液の重量%が、20%未満である、[16]又は[17]に記載の方法。
[19] 無機水酸化物を含む水相が、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化バリウム、塩化カルシウム又はそれらの組合せからなる群から選択される最大26重量%の塩化物をさらに含む、[16]~[18]のいずれか1つに記載の方法。
[20] 前記塩化物が塩化ナトリウムである、[19]に記載の方法。
[21] 前記方法の温度が40℃~120℃である、[1]~[20]のいずれか1つに記載の方法。
[22] 前記方法の圧力が0psig~200psigである、[1]~[21]のいずれか1つに記載の方法。
[23] 少なくとも1つのアルケン、ハロゲン化アルケン又はそれらの組合せ、少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタン及び少なくとも1つのリガンドを含む新鮮材料供給物が、前記反応器に添加される、[1]~[22]のいずれか1つに記載の方法。
[24] 前記反応器に再循環される材料が再循環生成物流出質量流量を有し、かつ、前記新鮮材料供給物が新鮮材料供給質量流量を有し、ここで、前記新鮮材料供給質量流量に対する前記再循環生成物流出質量流量の質量比が、前記方法の変換を維持し、及び/又は、前記方法での反応速度を維持するように調整される、[23]に記載の方法。
[25] 前記方法がバッチ又は連続的である、[1]~[24]のいずれか1つに記載の方法。
[26] 前記ハロゲン化アルカンの重量%が、前記反応器の液相中で少なくとも50重量%である、[1]~[25]のいずれか1つに記載の方法。
[27] 前記少なくとも1つの塩素原子を含むハロゲン化メタンの前記ハロゲン化アルカンへの変換率が、少なくとも50%である、[1]~[26]のいずれか1つに記載の方法。
[28] 前記生成物混合物がステップb)の後であってステップc)の前に蒸留され、ここで、頂部流及び底部流が形成され、前記頂部流の少なくとも一部分が前記反応器に再循環され、前記底部流の少なくとも一部分がステップc)で使用される、[1]~[27]のいずれか1つに記載の方法。
[29] 前記頂部流が前記反応器に再循環される前に再び蒸留される、[28]に記載の方法。
[30] 前記頂部流が前記塩素化アルカン及び任意に水を含む、[28]又は[29]に記載の方法。
[31] 全ての前記生成物混合物がステップc)で使用される、[1]~[30]のいずれか1つに記載の方法。
[32] [1]~[31]のいずれか1つに記載の1,1,1,3-テトラクロロプロパンを製造する方法であって、前記方法は、
a)反応器内で、エチレン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
b)1,1,1,3-テトラクロロプロパン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記リガンドの複合体又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、重質画分、軽質画分、並びに軽質副生成物及び1,1,1,3-テトラクロロプロパンを含む軽質生成物流を形成すること、
d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分又はステップ(c)からの蒸留からの重質画分を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流に不溶であり、前記アルカリ性物質は前記金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、及び、前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流は前記生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有し、
e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物又は前記重質画分から分離して、処理済み生成物流出流又は前記処理済み重質画分流を形成すること、
f)任意に、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流を蒸留し、それにより少なくとも軽質流出流及び重質流出流を形成すること、並びに
g)ステップ(c)からの前記軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流、ステップ(f)からの前記軽質流出流、ステップ(f)からの重質流出流又はそれらの組合せの少なくとも一部分を、前記反応器に再循環させる、方法。
[33] 1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを製造するための、[1]~[31]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法は、
a)反応器内で、塩化ビニル、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
b)1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記リガンドの複合体又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、重質画分、軽質画分、並びに軽質副生成物及び1,1,1,3,3-ペンタクロロプロパンを含む軽質生成物流を形成すること、
d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分又はステップ(c)からの蒸留からの重質画分を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流に不溶であり、前記アルカリ性物質は前記金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、及び、前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流は前記生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有し、
e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物又は前記重質画分から分離して、処理済み生成物流出流又は前記処理済み重質画分流を形成すること、
f)任意に、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流を蒸留し、それにより少なくとも軽質流出流及び重質流出流を形成すること、並びに
g)ステップ(c)からの前記軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流、ステップ(f)からの前記軽質流出流、ステップ(f)からの重質流出流、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を、前記反応器に再循環させる、方法。
[34] 1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを製造するための、[1]~[31]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法は、
a)反応器内で、塩化ビニリデン、四塩化炭素、少なくとも1つの固体金属触媒及びリガンドを接触させて、反応混合物を形成すること、
b)1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパン、軽質副生成物、重質副生成物、可溶性金属イオン、金属イオンと前記リガンドの複合体又はそれらの組合せを含む生成物混合物を形成すること、
c)任意に、前記生成物混合物の少なくとも一部分を蒸留して、重質画分、軽質画分、並びに軽質副生成物及び1,1,1,3,3,3-ヘキサクロロプロパンを含む軽質生成物流を形成すること、
d)ステップ(b)からの前記生成物混合物の少なくとも一部分又はステップ(c)からの蒸留からの重質画分を、相間移動触媒の不在下においてアルカリ性物質で処理して、処理済み生成物混合物又は処理済み重質画分流を形成すること、ここで、前記アルカリ性物質は前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流に不溶であり、前記アルカリ性物質は前記金属イオンの少なくとも一部と反応して金属水酸化物を形成し、及び、前記処理済み生成物混合物又は前記処理済み重質画分流は前記生成物混合物よりも少ない金属イオンを含有し、
e)前記金属水酸化物を前記処理済み生成物混合物又は前記重質画分から分離して、処理済み生成物流出流又は前記処理済み重質画分流を形成すること、
f)任意に、ステップ(e)からの前記処理済み生成物流出流を蒸留し、それにより少なくとも軽質流出流及び重質流出流を形成すること、並びに
g)ステップ(c)からの前記軽質画分、ステップ(e)からの処理済み生成物流出流、ステップ(e)からの前記処理済み重質画分流、ステップ(f)からの前記軽質流出流、ステップ(f)からの重質流出流、又はそれらの組合せの少なくとも一部分を、前記反応器に再循環させる、方法。
[35] 前記塩素化アルカンがフッ素化生成物に変換される、[1]~[34]のいずれか1つに記載の方法。
図1