(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ハンドオーバ方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/30 20090101AFI20221205BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221205BHJP
H04W 36/08 20090101ALI20221205BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W16/28
H04W36/08
(21)【出願番号】P 2020563914
(86)(22)【出願日】2019-05-14
(86)【国際出願番号】 CN2019086761
(87)【国際公開番号】W WO2019218990
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-01-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-18
(31)【優先権主張番号】201810456476.4
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】施小娟
(72)【発明者】
【氏名】黄河
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼静
【合議体】
【審判長】中木 努
【審判官】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-530899(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024574(WO,A1)
【文献】Samsung,Introduction of Conditional handover[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1802486,2018年2月14日アップロード
【文献】Lenovo, Motorola Mobility,Conditional handover in NR system[online],3GPP TSG RAN WG2 #101 R2-1803044,2018年2月15日アップロード
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24- 7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ユーザ機器(UE)によって、ソース基地局から無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することであって、前記RRC再構成メッセージは、前記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト
を含み、前記リストは、前記標的セルのうちの各標的セルの情報
を含み、前記情報は、
前記
各標的セルによって生成された前記
各標的セルの条件付きハンドオーバコマンドと、
前記UEが前記
各標的セルへの
前記条件付きハンドオーバを実施するための実行条件を示す第1の測定構成識別子と
を含む、ことと、
前記UEによって、前記RRC再構成メッセージに従って、前記条件付きハンドオーバを実施することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記
各標的セルの前記条件付きハンドオーバコマンドは、前記
各標的セルによって前記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的セルのうちの
前記各標的セルの前記情報は、前記UEが前記
各標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施するための別の実行条件を示す第2の測定構成識別子をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記標的セルのうちの第1の標的セルの測定結果が、前記第1の測定構成識別子または前記第2の測定構成識別子のうちの少なくとも1つと関連付けられる報告構成の報告条件を満たすことに応答して、前記UEが前記第1の標的セルへの
前記条件付きハンドオーバを実施するための
前記実行条件が満たされたことを決定することと、
前記UEによって、前記第1の標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記UEが、無線リンク失敗がソースセル内で生じたことを決定することに応答して、前記UEによって、前記標的セルの前記リストから第1の標的セルを選択することと、
前記UEによって、前記第1の標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施することと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記UEによって、前記ソース基地局から前記RRC再構成メッセージを受信した後、前記方法は、
前記UEによって、RRC再構成完了メッセージを前記ソース基地局に送信することを含み、
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ソース基地局によって前記RRC再構成メッセージに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記UEによって、前記標的セルのうちの第1の標的セルに、前記第1の標的セルによって前記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を搬送するRRC再構成完了メッセージを送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ機器(UE)であって、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、
ソース基地局から無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することであって、前記RRC再構成メッセージは、前記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト
を含み、前記リストは、前記標的セルのうちの各標的セルの情報
を含み、前記情報は、
前記
各標的セルによって生成された前記
各標的セルの条件付きハンドオーバコマンドと、
前記UEが前記
各標的セルへの
前記条件付きハンドオーバを実施するための実行条件を示す第1の測定構成識別子と
を含む、ことと、
前記RRC再構成メッセージに従って、前記条件付きハンドオーバを実施することと
を遂行するように構成されている、少なくとも1つのプロセッサ
を備える、UE。
【請求項9】
前記
各標的セルの前記条件付きハンドオーバコマンドは、前記
各標的セルによって前記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、請求項8に記載のUE。
【請求項10】
前記標的セルのうちの
前記各標的セルの前記情報は、前記UEが前記
各標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施するための別の実行条件を示す第2の測定構成識別子をさらに含む、請求項8に記載のUE。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
少なくとも前記標的セルのうちの第1の標的セルの測定結果が、前記第1の測定構成識別子または前記第2の測定構成識別子のうちの少なくとも1つと関連付けられる報告構成の報告条件を満たすことに応答して、前記UEが前記第1の標的セルへの
前記条件付きハンドオーバを実施するための
前記実行条件が満たされたことを決定することと、
前記第1の標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施することと
を遂行するように構成されている、請求項10に記載のUE。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
無線リンク失敗がソースセル内で生じたことを決定することに応答して、前記標的セルの前記リストから第1の標的セルを選択することと、
前記第1の標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施することと
を遂行するように構成されている、請求項8に記載のUE。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ソース基地局から前記RRC再構成メッセージを受信した後、RRC再構成完了メッセージを前記ソース基地局に送信すること
を遂行するように構成されており、
前記RRC再構成完了メッセージは、前記ソース基地局によって前記RRC再構成メッセージに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、請求項8に記載のUE。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記標的セルのうちの第1の標的セルに、前記第1の標的セルによって前記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を搬送するRRC再構成完了メッセージを送信すること
を遂行するように構成されている、請求項8に記載のUE。
【請求項15】
方法であって、
ソース基地局によって、ユーザ機器(UE)に無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを伝送することであって、
前記RRC再構成メッセージは、前記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト
を含み、前記リストは、前記標的セルのうちの各標的セルの情報
を含み、前記情報は、
前記
各標的セルによって生成された前記
各標的セルの条件付きハンドオーバコマンドと、
前記UEが前記
各標的セルへの
前記条件付きハンドオーバを実施するための実行条件を示す第1の測定構成識別子と
を含み、
前記RRC再構成メッセージは、前記UEによって、前記条件付きハンドオーバを実施するために使用される、こと
を含む、方法。
【請求項16】
前記
各標的セルの前記条件付きハンドオーバコマンドは、前記
各標的セルによって前記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記標的セルのうちの
前記各標的セルの前記情報は前記情報は、前記UEが前記
各標的セルへの前記条件付きハンドオーバを実施するための別の実行条件を示す第2の測定構成識別子をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか1項に記載の方法を遂行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備えるソース基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、その内容が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2018年5月14日にCNIPAに出願された、中国特許出願第201810456476.4号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、通信の分野に関し、具体的には、ハンドオーバ方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
モビリティ性能は、無線通信システムにおける最も重要なインジケータのうちの1つである。業界は、無線通信システムにおけるモビリティ性能を改良するために貢献している。例えば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ハンドオーバ失敗確率、ピンポン確率、および同等物を低減させる方法を含む、モビリティ性能を改良するための方法について持続的に議論および評価を行っている。
【0004】
無線信号品質に基づくハンドオーバにおけるロングタームエボリューション(LTE)のハンドオーバプロセスを実施例として取り上げると、基本ハンドオーバまたはメークビフォアブレーク(MBB)ハンドオーバまたはランダムアクセスチャネルレスハンドオーバ(RACH-lessHO)等の拡張ハンドオーバプロセスは、「実際のハンドオーバ/モビリティ条件」が満たされるときのみ、トリガされる。すなわち、ハンドオーバコマンドは、「実際のハンドオーバ条件」が満たされるときのみ、ユーザ機器(UE)に送信される。ここでは、「実際のハンドオーバ条件」は、標的セルの信号品質が、UEが標的セルへの切替後に正常通信を実施し得るように十分に良好であることを指す。逆に言えば、UEが、ソースセル上に留まり続ける場合、無線リンク失敗が、引き起こされ得る。LTEシステムでは、「実際のハンドオーバ条件」は、信号品質が、A3イベント(近傍セルの信号品質が、サービングセルの信号品質より1オフセットだけ高い)、A4イベント(近傍セルの信号品質が、閾値より高い)、A5イベント(サービングセルの信号品質が、閾値1より低く、近傍セルの信号品質が、閾値2より高い)、または同等物を満たすことであり得る。「実際のハンドオーバ条件」のA3イベントのオフセットおよびA4/A5イベントの閾値等のパラメータの再構成は、通常、ネットワーク計画およびネットワーク最適化後に決定される。
【0005】
「実際のハンドオーバ条件」が満たされるときのみハンドオーバがトリガされる機構は、元々は、同種低周波数ネットワークのために設計されたものである。しかしながら、ネットワークの進化に伴って、異種ネットワーク(HetNet)も、同種ネットワークに加え、展開され、例えば、マイクロセルが、従来的マクロセルのカバレッジ範囲内に展開される。加えて、第5世代モバイルネットワーク(5G)システムでは、100GHzまでの高周波数が、低周波数に加え、使用されるであろう。5Gシステムでは、セルの展開は、より稠密になり、セルのカバレッジ範囲は、5G前のシステムと比較して、より小さくなる。これは、5Gシステムにおけるハンドオーバ(モビリティ)周波数を以前のシステムより頻繁にさせる。加えて、評価後、測定報告の伝送およびハンドオーバコマンドは、5Gシステムでは、失敗する可能性がより高いことが見出される。より頻繁なハンドオーバおよび測定報告およびハンドオーバコマンドのより高い失敗確率は、5Gシステムでは、最終的に、より高いハンドオーバ失敗確率、より高いピンポン確率、より高い無線リンク失敗確率、および同等物につながる。
【0006】
関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題に照らして、効果的ソリューションは、提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施形態は、少なくとも、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決するための、ハンドオーバ方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態は、ハンドオーバ方法を提供する。本方法は、以下のステップ、すなわち、UEがソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するステップであって、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、ステップと、UEが無線リソース制御再構成メッセージに従ってハンドオーバを実施するステップとを含む。
【0009】
本開示の別の実施形態は、ハンドオーバ方法を提供する。本方法は、以下のステップ、すなわち、ソース基地局が無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信するステップであって、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、ステップを含む。
【0010】
本開示の別の実施形態は、ハンドオーバ装置を提供する。本装置は、UEに適用され、受信モジュールと、第1のハンドオーバモジュールとを含む。受信モジュールは、UEがソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するために構成され、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。第1のハンドオーバモジュールは、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施するように構成される。
【0011】
本開示の別の実施形態は、ハンドオーバ装置を提供する。本装置は、基地局に適用され、第2のハンドオーバモジュールを含む。第2のハンドオーバモジュールは、無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信するように構成され、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0012】
本開示の別の実施形態はさらに、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、実行されると、上記に説明される任意の方法実施形態のステップを実施するように構成される。
【0013】
本開示の別の実施形態はさらに、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、メモリと、プロセッサとを含む。メモリは、コンピュータプログラムを記憶する。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行し、上記に説明される任意の方法実施形態におけるステップを実施するように構成される。
【0014】
本開示によると、UEは、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信し、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施し、UEが無線リソース制御再構成メッセージに従ってハンドオーバを実施するための実行条件を命令するために使用される。すなわち、1つのみの標的セルが選択される、既存の条件付きハンドオーバと比較して、本開示では、標的セルのリストが、構成され、1つの標的セルが、複数の標的セルから選択され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決し、モビリティ性能を改良する。
(項目1)
ハンドオーバ方法であって、
ユーザ機器(UE)によって、ソース基地局によって送信される無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信することであって、上記RRC再構成メッセージは、上記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、上記標的セルの周波数情報、上記標的セルの物理セル識別子、上記標的セルによって生成された上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、上記UEが条件付きハンドオーバを上記標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、ことと、
上記UEによって、上記RRC再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施することと
を含む、方法。
(項目2)
上記標的セルの上記条件付きハンドオーバコマンドは、上記標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、上記ソース基地局に送信され、
上記インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含み、上記標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、上記標的セルのセルグローバル識別子(CGI)、上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、上記標的セル上で正常に認められたプロトコルデータユニット(PDU)セッション情報または上記標的セル上で正常に認められた進化型無線アクセスベアラ(E-RAB)情報のうちの1つを含む、
項目1に記載の方法。
(項目3)
上記標的セルの上記条件付きハンドオーバコマンドは、上記標的セルによって上記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つを含む場合、上記方法はさらに、
上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる測定対象構成内の上記標的セルのセル個々のオフセットを修正または増加させること
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つを含む場合、上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報はさらに、オフセットまたは閾値を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記UEが、上記オフセットまたは上記閾値を受信する場合、上記方法はさらに、
上記UEによって、上記オフセットを使用して、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる測定対象構成内のオフセットを置換すること、または上記UEによって、上記閾値を使用して、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる測定対象構成内の閾値を置換すること、または
上記UEによって、上記オフセットと上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる測定対象構成内のオフセットの和を計算すること、または上記UEによって、上記閾値と上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる測定対象構成内の閾値の和を計算すること
を含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
上記UEによって、上記ソース基地局によって送信される上記RRC再構成メッセージを受信する前に、上記方法はさらに、
上記UEによって、上記ソース基地局によって同一測定イベントのために構成される少なくとも2つのパラメータのセットを受信することを含む、または
上記方法はさらに、
上記UEによって、上記ソース基地局によって同一測定イベントのために構成され、上記RRC再構成メッセージ内で搬送される、少なくとも2つのパラメータのセットを受信することを含み、
上記2つのパラメータのセットは、パラメータの第1のセットと、パラメータの第2のセットとを含み、上記パラメータの第1のセットは、上記UEに、条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用され、上記パラメータの第2のセットは、上記UEに、非条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用される、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記UEによって、上記RRC再構成メッセージに従って、上記ハンドオーバを実施することは、
上記RRC再構成メッセージ内に含まれる少なくとも1つの標的セルの測定結果が、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つと関連付けられる報告構成の報告条件を満たす場合、上記UEが標的セル内で条件付きハンドオーバを実施するための実行条件が満たされたことを決定することと、
上記UEによって、上記標的セルへのハンドオーバを実施することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記UEによって、上記ソース基地局によって送信される上記RRC再構成メッセージを受信後、上記方法はさらに、
上記UEが、ビーム回収失敗または無線リンク失敗がソースセル内で生じていることを決定する場合、上記UEによって、上記標的セルのリストから1つの標的セルを選択することと、
上記UEによって、上記標的セルへのハンドオーバを実施することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記UEによって、上記ソース基地局によって送信される上記RRC再構成メッセージを受信後、上記方法はさらに、
上記UEによって、RRC再構成完了メッセージを上記ソース基地局に返信することを含み、
上記RRC再構成完了メッセージは、上記ソース基地局によって上記RRC再構成メッセージに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を搬送する、項目1に記載の方法。
(項目11)
上記UEが、上記RRC再構成メッセージに従って、上記ハンドオーバを実施する場合、上記方法はさらに、
上記UEによって、標的セルに、上記標的セルによって上記条件付きハンドオーバコマンドに配分されるRRCメッセージトランザクション識別子を搬送するRRC再構成完了メッセージを返信することを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
ハンドオーバ方法であって、
ソース基地局によって、無線リソース制御(RRC)再構成メッセージをユーザ機器(UE)に送信することであって、上記RRC再構成メッセージは、上記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、上記標的セルの周波数情報、上記標的セルの物理セル識別子、上記標的セルによって生成された上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、上記UEが条件付きハンドオーバを上記標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、こと
を含む、方法。
(項目13)
上記標的セルの上記条件付きハンドオーバコマンドは、上記標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、上記ソース基地局に送信され、
上記インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含み、上記標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、上記標的セルのセルグローバル識別子(CGI)、上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、上記標的セル上で正常に認められたプロトコルデータユニット(PDU)セッション情報または上記標的セル上で正常に認められた進化型無線アクセスベアラ(E-RAB)情報のうちの1つを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
標的セルが、上記UEによって送信されるサウンディング基準信号(SRS)を受信後、条件付きハンドオーバコマンド内に構成される上記標的セルのアップリンクグラントは、有効化状態を開始する、または上記標的セルがスケジューリングを開始することを可能にすること、または
標的セルが、上記RRC再構成メッセージを生成後、タイマを開始し、上記タイマが切れた後、条件付きハンドオーバコマンド内に構成される上記標的セルのアップリンクグラントは、有効化状態を開始する、または上記標的セルがスケジューリングを開始することを可能にすること
をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
ユーザ機器(UE)に適用されるハンドオーバ装置であって、
上記UEがソース基地局によって送信される無線リソース制御(RRC)再構成メッセージを受信するために構成される受信モジュールであって、上記RRC再構成メッセージは、上記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、上記標的セルの周波数情報、上記標的セルの物理セル識別子、上記標的セルによって生成された上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、上記UEが条件付きハンドオーバを上記標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、受信モジュールと、
上記RRC再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施するように構成される、ハンドオーバモジュールと
を備える、ハンドオーバ装置。
(項目16)
基地局に適用されるハンドオーバ装置であって、
無線リソース制御(RRC)再構成メッセージをユーザ機器(UE)に送信するように構成されるハンドオーバモジュールであって、上記RRC再構成メッセージは、上記UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、上記条件付きハンドオーバを実施するための上記標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、上記標的セルの周波数情報、上記標的セルの物理セル識別子、上記標的セルによって生成された上記標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、上記測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つは、上記UEが条件付きハンドオーバを上記標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される、ハンドオーバモジュール
を備える、ハンドオーバ装置。
(項目17)
コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体であって、上記コンピュータプログラムは、実行されると、項目1-11または項目12-14のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成される、記憶媒体。
(項目18)
メモリと、プロセッサとを備える電子デバイスであって、上記メモリは、コンピュータプログラムを記憶し、上記プロセッサは、上記コンピュータプログラムを実行し、項目1-11または項目12-14のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成される、電子デバイス。
【0015】
本明細書に説明される図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本願の一部を形成する。本開示における例証的実施形態およびその説明は、本開示を解説するために使用され、本開示を不適切な様式において限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による、ハンドオーバ方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、別のハンドオーバ方法のフローチャートである。
【
図3】
図3は、本開示の随意の実施形態による、ハンドオーバシナリオの概略
図1である。
【
図4】
図4は、関連ハンドオーバ技術の失敗のフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の随意の実施形態による、条件付きハンドオーバのハンドオーバフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の随意の実施形態による、条件付きハンドオーバのハンドオーバ準備フローチャートである。
【
図7】
図7は、本開示の随意の実施形態による、ハンドオーバシナリオの概略
図2である。
【
図8】
図8は、本開示の随意の実施形態4による、実装フローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の随意の実施形態5による、実装フローチャートである。
【
図10】
図10は、本開示の随意の実施形態6による、ソリューション1の実装フローチャートである。
【
図11】
図11は、本開示の随意の実施形態6による、ソリューション2の実装フローチャートである。
【
図12】
図12は、本開示の実施形態による、ハンドオーバ装置の構造ブロック図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施形態による、別のハンドオーバ装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示は、以降、図面を参照して、実施形態と併せて、詳細に説明されるであろう。矛盾しない場合、本願における実施形態およびその特徴は、相互に組み合わせられてもよいことに留意されたい。
【0018】
本開示の説明、請求項、および前述の図面における、用語「第1」、「第2」、および同等物は、類似オブジェクト間で区別するために使用され、必ずしも、特定の順序またはシーケンスを説明するために使用されるものではないことに留意されたい。
【0019】
実施形態1
本実施形態は、ハンドオーバ方法を提供する。
図1は、本開示の実施形態による、ハンドオーバ方法のフローチャートである。
図1に示されるように、プロセスは、下記に説明されるステップを含む。
【0020】
ステップS102では、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信する。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0021】
ステップS104では、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施する。
【0022】
前述のステップを通して見ると、1つのみの標的セルが選択される、既存の条件付きハンドオーバと比較して、本開示では、標的セルのリストが、構成され、1つの標的セルが、複数の標的セルから選択され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決し、モビリティ性能を改良する。
【0023】
随意の実装では、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドが、標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、ソース基地局に送信される。インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含む。標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、標的セルのセルグローバル識別子(CGI)、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、標的セル上で正常に認められたプロトコルデータユニット(PDU)セッション情報、または標的セル上で正常に認められた進化型無線アクセスベアラ(E-RAB)情報のうちの1つを含む。
【0024】
随意に、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって、条件付きハンドオーバコマンドに配分される、無線リソース制御(RRC)メッセージトランザクション識別子を含む。
【0025】
随意に、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つを含む場合、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の標的セルのセル個々のオフセットが、修正または増加されるステップを含む。
【0026】
随意に、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、測定構成識別情報のうちの少なくとも1つを含む場合、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報はさらに、オフセットまたは閾値を含む。
【0027】
随意に、UEが、オフセットまたは閾値を受信すると、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが、そのオフセットを使用して、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内のオフセットを置換するステップ、またはUEは、その閾値を使用して、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の閾値を置換するステップ、またはUEが、そのオフセットと測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内のオフセットの和を計算するステップ、またはUEが、その閾値と測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の閾値の和を計算するステップを含む。
【0028】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するステップの前に、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが、ソース基地局によって同一測定イベントのために構成される少なくとも2つのパラメータのセットを受信するステップを含む、または本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが、ソース基地局によって同一測定イベントのために構成され、無線リソース制御再構成メッセージ内で搬送される、少なくとも2つのパラメータのセットを受信するステップを含む。2つのパラメータのセットは、パラメータの第1のセットと、パラメータの第2のセットとを含む。パラメータの第1のセットは、UEに、条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用される。パラメータの第2のセットは、UEに、非条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用される。
【0029】
前述の同一測定イベントは、測定構成識別子情報と関連付けられる測定報告構成内に構成される測定イベントであり得ることに留意されたい。
【0030】
随意に、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従ってハンドオーバを実施する、ステップは、以下のステップ、すなわち、無線リソース制御再構成メッセージ内に含まれる少なくとも1つの標的セルの測定結果が、測定構成識別子情報と関連付けられる報告構成の報告条件を満たす場合、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件が満たされたと決定され、UEが、標的セルへのハンドオーバを実施するステップを含む。
【0031】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するステップ後、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが、ビーム回収失敗または無線リンク失敗がソースセル内で生じていることを決定する場合、UEが、標的セルのリストから1つの標的セルを選択し、UEが、1つの標的セルへのハンドオーバを実施するステップを含む。
【0032】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するステップ後、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが無線リソース制御再構成完了メッセージをソース基地局に返信するステップを含む。無線リソース制御再構成完了メッセージは、ソース基地局によって無線リソース制御再構成メッセージに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を搬送する。
【0033】
随意に、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施すると、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、UEが、標的セルに、標的セルによって条件付きハンドオーバコマンドに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を搬送する、無線リソース制御再構成完了メッセージを返信するステップを含む。
【0034】
本実施形態はさらに、ハンドオーバ方法を提供する。
図2は、本開示の実施形態による、別のハンドオーバ方法のフローチャートである。
図2に示されるように、プロセスは、下記に説明されるステップを含む。
【0035】
ステップS202では、ソース基地局が、無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信する。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0036】
前述のステップを通して見ると、1つのみの標的セルが選択される、既存の条件付きハンドオーバと比較して、本開示では、標的セルのリストが、構成され、1つの標的セルが、複数の標的セルから選択され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決し、モビリティ性能を改良する。
【0037】
随意の実装では、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、ソース基地局に送信される。インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含む。標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、標的セルのCGI、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、標的セル上で正常に認められたPDUセッション情報、または標的セル上で正常に認められたE-RAB情報のうちの1つを含む。
【0038】
随意に、本方法はさらに、以下のステップ、すなわち、標的セルが、UEによって送信されるサウンディング基準信号(SRS)を受信後、条件付きハンドオーバコマンド内に構成される標的セルのアップリンクグラントが、有効化状態を開始する、または標的セルが、スケジューリングを開始するステップ、または標的セルが、無線リソース制御再構成メッセージを生成後、タイマが、開始され、タイマが切れた後、条件付きハンドオーバコマンド内に構成される標的セルのアップリンクグラントが、有効化状態を開始する、または標的セルが、スケジューリングを開始するステップを含む。
【0039】
本実施形態は、一例として、随意の実施形態および実施例と併せて、下記に説明される。
【0040】
図3は、可能性として考えられるハンドオーバシナリオの概略図である。
図3では、UEが、セル1からセル2に移動する。既存のハンドオーバ技術では、ハンドオーバプロセスは、「実際のハンドオーバ条件」(例えば、
図3における点B)が満たされるときのみ、開始される。5Gシステムでは、セルの稠密展開および高周波数の使用に起因して、既存のハンドオーバ技術を使用することは、ハンドオーバ失敗を容易に引き起こすであろう。
図4は、既存のハンドオーバ技術によって引き起こされる、可能性として考えられるハンドオーバ失敗のフローチャートである。
図4に示されるように、UEが、
図3に示される点Bに移動し、「実際のハンドオーバ条件」が満たされることを決定すると、UEは、測定報告をソース基地局に送信する(S210)。ソース基地局が、測定報告を受信後、ソース基地局は、標的基地局に、ハンドオーバ準備を実施するように通知を開始する(S220)。ハンドオーバ要求確認応答メッセージを標的基地局(S230)から受信後、ソース基地局は、ハンドオーバコマンドをUEに送信する(S240)。しかしながら、ソース基地局の信号品質は、本時点で非常に不良となっているため、ハンドオーバコマンドの伝送は、失敗する。ある時間周期後、UEは、ソース基地局において、無線リンク失敗を被る(S250)。
【0041】
既存のハンドオーバ技術を5Gシステムに適用することによって引き起こされる、望ましくないハンドオーバ性能の問題を克服するために、業界は、条件付きハンドオーバを提案しており、これは、アドバンスハンドオーバー準備とも称され得る。条件付きハンドオーバの全体的ハンドオーバプロセスは、
図5に示されるようなものであって、下記に説明されるステップを含む。
【0042】
ステップS310では、UEが、「アドバンスハンドオーバー準備条件」(または「条件付きハンドオーバトリガ条件」と称され得る)を満たすと、UEが、測定報告をソース基地局に送信する。
【0043】
「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たす、セルの情報が、測定報告内に報告される。情報は、物理セル識別子(PCI)等のセル識別子、セルの測定結果、セル内で報告条件を満たすビームの測定結果、および同等物を含む。ここでのビームの測定結果は、ある単一測定基準信号の測定結果を指す一方、セルの測定結果は、平均された後のセル内の複数の測定基準信号の測定結果である。測定基準信号は、例えば、同期信号(SS)ブロック、チャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を含む。
【0044】
「アドバンスハンドオーバー準備条件」は、基地局によって、UEのために構成される。「アドバンスハンドオーバー準備条件」は、「実際のハンドオーバ条件」が満たされる前に満たされる。例えば、「アドバンスハンドオーバー準備条件」は、
図3における点Aにおいて満たされる。
【0045】
ステップS320では、ソース基地局が、ハンドオーバ要求を標的基地局に送信する。
【0046】
ソース基地局が、測定報告を受信後、ソース基地局は、測定報告に従って、ハンドオーバ要求を、「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たす、標的セルに送信する。ハンドオーバ要求は、ソース基地局におけるUEの関連構成情報、標的セルのセル個々の測定結果、および標的セルのビーム測定結果を含む。
【0047】
ステップS330では、標的基地局が、ハンドオーバ要求確認応答をソース基地局に返信する。
【0048】
ハンドオーバ要求確認応答は、UEに送信される条件付きハンドオーバコマンドを含む。条件付きハンドオーバコマンドは、標的セル情報、標的セルにアクセスするためにUEによって要求される情報、「条件付きハンドオーバ実行条件」、および同等物を含む。標的セル情報は、標的セルのPCIおよび標的セルによって使用される周波数情報を含む。標的セルにアクセスするためにUEによって要求される情報は、UEがランダムアクセスの様式において標的セルにアクセスするためのランダムアクセス構成情報、標的セルのパブリック構成情報、標的セルによってUEのために構成される具体的構成情報、および同等物を含む。
【0049】
ステップS340では、ソース基地局が、条件付きハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0050】
ステップS350では、UEが、条件付きハンドオーバ完了メッセージをソース基地局に送信する。
【0051】
UEが、条件付きハンドオーバコマンドを受信後、UEは、直ちにハンドオーバを実施せず、ソースセル上に留まり続ける。UEは、条件付きハンドオーバコマンドに示される標的セルを測定し続ける。
【0052】
ステップS360では、標的セルが、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす。
【0053】
図3に示されるように、UEが、点Bに移動すると、セル2は、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす。
【0054】
ステップS370では、UEが、セル2にアクセスする。例えば、UEは、ランダムアクセスの様式において、セル2にアクセスする。
【0055】
S340では、UEが、条件付きハンドオーバ成功メッセージを標的セルに送信する。
【0056】
条件付きハンドオーバでは、ハンドオーバ準備プロセスは、「実際のハンドオーバ条件」が満たされる前に完了され、ハンドオーバコマンドが、ソースセルの信号品質が、十分に良好となる前にUEに送信され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗を回避し、事実上、モビリティ性能を改良する。
【0057】
本開示における条件付きハンドオーバを実装するための重要な技法が、詳細な随意の実施形態とともに下記に説明される。
【0058】
随意の実施形態1
条件付きハンドオーバでは、測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗を回避するために、UEは、「実際のハンドオーバ条件」が満たされる前に、すなわち、「アドバンスハンドオーバー準備条件」が満たされると、測定報告を報告する。本目的を達成するために、「アドバンスハンドオーバー準備条件」は、「実際のハンドオーバ条件」より緩和される。A4イベント(近傍セルの信号品質は、閾値より高い)の構成を実施例として取り上げると、「実際のハンドオーバ条件」が満たされる閾値が、Th1であって、「アドバンスハンドオーバー準備条件」が満たされる閾値が、Th2である場合、Th2<Th1が、構成される。「アドバンスハンドオーバー準備条件」の閾値が、「実際のハンドオーバ条件」の閾値より低いため、「実際のハンドオーバ条件」と比較して、「アドバンスハンドオーバー準備」条件を同時に満たす、複数の近傍セルが存在する。
図6は、条件付きハンドオーバのハンドオーバ準備フローチャートである。プロセスは、下記に説明されるステップを含む。
【0059】
ステップS410/S410’では、UEが、「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たすと、UEは、測定報告をソース基地局に報告する。
【0060】
基地局が、測定を構成するとき、基地局は、周波数を測定対象として構成する。異なる周波数が、異なる測定対象として構成される。異なる周波数におけるセルが、「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たし、セルは、その個別の測定報告を報告する。ある周波数上で「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たす、全てのセルの情報が、測定報告において報告される。例えば、ソース基地局はそれぞれ、周波数F1およびF2に関する測定を構成する。F1は、測定対象1に対応する。F2は、測定対象2に対応する。本実施形態では、F1上のセルおよびF2上のセルが、ほぼ同時に、測定報告を次々にトリガし、したがって、UEは、それぞれ、2つの測定報告S410およびS410’を報告する。F1およびF2上で「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たす、全てのセルの情報が、測定報告において報告される。
【0061】
ステップS420/420’では、ソース基地局が、ハンドオーバ要求を標的基地局に送信する。
【0062】
本実施形態では、ソース基地局は、ステップS410/S410’において受信された測定報告に従って、「アドバンスハンドオーバー準備条件」を満たすセルが、別個に、標的基地局T-gNB1および標的基地局T-gNB2上に位置することを決定する。ソース基地局は、標的基地局T-gNB1およびT-gNB2へのハンドオーバ要求を開始する。各ハンドオーバ要求は、ソース基地局上のUEの関連構成情報に加え、標的セルのリストを含む。標的セルのリストは、少なくとも各標的セルのCGIを含み、さらに、各標的セルの測定結果を含んでもよい。
【0063】
ステップS430/430’では、標的基地局が、ハンドオーバ要求確認応答をソース基地局に返信する。
【0064】
ハンドオーバ要求確認応答は、標的セルの構成リストを含む、すなわち、標的基地局によって認められ、ハンドオーバ構成が正常に完了された、標的セルの構成情報を含む。標的セルの構成リストは、各標的セルのCGI、各標的セル上で正常に認められたPDUセッション情報(UEが、5Gコアネットワークにアクセスする場合)またはE-RAB情報(UEが、LTEコアネットワークにアクセスする場合)、および各標的セルの条件付きハンドオーバコマンドを含む。条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって生成される。例えば、標的セルは、RRC再構成メッセージ(RRCReconfiguration)を生成し、生成されたRRCReconfigurationは、直接、文字フロー(OCTETSTRING)の形態(またはコンテナの形態とも称される)において、ハンドオーバ要求確認応答内に含まれる。各標的セルによって生成されたRRCReconfigurationメッセージは、標的セルによってRRCReconfigurationに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子(rrc-TransactionIdentifier)を含む。
【0065】
ステップS440では、ソース基地局が、条件付きハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0066】
ソース基地局は、条件付きハンドオーバコマンドをUEに送信する。条件付きハンドオーバコマンドは、ソース基地局によって生成されたRRCReconfiguration内に含まれる。1つのRRCReconfigurationが、複数の標的セルの条件付きハンドオーバコマンドを含んでもよい。すなわち、RRCReconfigurationは、条件付きハンドオーバのための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバのための標的セルのリストは、各標的セルの周波数情報および各標的セルのPCI、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報のうちの少なくとも1つを含む。標的セルの周波数情報は、絶対無線周波数チャネル番号(ARFCN)によって識別される。標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報は、測定識別(measID)によって識別されてもよい。1つのmeasIDが、1つの測定対象および1つの報告構成と関連付けられる。UEは、measIDを通して、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」を決定し得る。ソース基地局によって生成されたRRCReconfigurationは、ソース基地局によってRRCReconfigurationメッセージに配分される、rrc-TransactionIdentifierを含む。
【0067】
随意の実施形態1では、基地局間インターフェースが、S-gNBとT-gNBとの間に存在し、したがって、S-gNBとT-gNBとの間でソース基地局によって標的基地局に送信されるハンドオーバ要求および標的基地局によってソース基地局にフィードバックされるハンドオーバ要求確認応答を含む、ハンドオーバ準備メッセージは全て、直接、基地局間インターフェースを通して伝送される。実際のネットワークでは、基地局間インターフェースが、ソース基地局および標的基地局上に展開されない場合が存在し得る。この場合、ハンドオーバ準備に関連する全てのメッセージは、コアネットワークを介して伝送される。例えば、ソース基地局が、ソース基地局とコアネットワークとの間のインターフェースを通して、ハンドオーバ準備に関連するメッセージをコアネットワークに送信し、コアネットワークが、コアネットワークと標的基地局との間のインターフェースを通して、受信されたメッセージを標的基地局に転送する。標的基地局は、標的基地局とコアネットワークとの間のインターフェースを通して、ハンドオーバ準備に関連するフィードバックメッセージをコアネットワークに送信し、コアネットワークは、コアネットワークとソース基地局との間のインターフェースを通して、受信されたメッセージをソース基地局に転送する。他の随意の実施形態も、ここにおける説明と同一である。
【0068】
随意の実施形態2
条件付きハンドオーバでは、UEが、条件付きハンドオーバコマンド(実施形態1のステップS440に説明されるように、ソースセルによって生成されたRRCReconfiguration内に含まれる)を受信後、UEは、直ちにハンドオーバを実施せず、ソースセル上に留まり続け、RRCReconfiguration内に含まれる条件付きハンドオーバのための標的セルのリスト内の標的セルを測定する。UEが、RRCReconfigurationに示される本標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす、標的セルが存在することを決定すると、UEは、ハンドオーバを実施し、標的セルにアクセスする。実施形態1のステップS440に説明されるように、ソースセルによって生成されたRRCReconfigurationメッセージは、各標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示すためのmeasID等の識別子情報を含む。標的セルの測定結果が、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示すためのmeasIDと関連付けられる報告構成(reportConfig)の報告条件を満たす場合、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」が満たされると決定される。
【0069】
100GHzまでの高周波数が、5Gシステムにおいて使用され得る。高周波数は、高経路損失、高空気吸収率(酸素吸収、雨による減衰、および霧による減衰)、日陰による減衰に対する感度、および同等物の特徴を有する。加えて、高周波数は、高透過損失を有する。したがって、高周波数リンクが、障壁によって遮断されるとき、リンク障害が、容易に生じる。高周波数リンクの前述の特徴を克服するために、ソースセルは、RRCReconfigurationにおける条件付きハンドオーバのための標的セルに関する1つを上回る「条件付きハンドオーバ実行条件」を示し得る、すなわち、1つを上回る測定構成の識別子情報を示し得る。測定イベントA5を実施例として取り上げると、ソース基地局は、RRCReconfigurationにおける条件付きハンドオーバのための標的セルに関して、2つのmeasID、すなわち、measID1およびmeasID2を示す。measID1およびmeasID2は、2つの異なるreportConfig、すなわち、reportConfig1およびreportConfig2と別個に関連付けられる。
【0070】
reportConfig1内で構成されるA5イベントは、サービングセルの信号品質が、X1より低く、近傍セルの信号品質が、Y1より高いことである。
【0071】
reportConfig2内で構成されるA5イベントは、サービングセルの信号品質が、X2より低く、近傍セルの信号品質が、Y2より高いことである。
【0072】
X1<X2およびY1<Y2が、構成される。本実施形態では、「アドバンスハンドオーバー準備条件」もまた、A5イベント(サービングセルの信号品質が、X0より低く、近傍セルの信号品質が、Y0より高い)として構成される、または「アドバンスハンドオーバー準備条件」は、A4イベント(近傍セルの信号品質が、Y0より高い)として構成されると仮定して、Y0<Y1<Y2およびX1<X2<X0が、構成される。
【0073】
前述の構成に基づいて、
図7におけるハンドオーバシナリオの概略図を実施例として取り上げると、UEが、サービングセル(
図7における点C)内に障害を有するとき、X1の値が、非常に小さいが、サービングセルの信号品質が、障害の発生に起因して、X1未満であることが満たされる。この場合、標的セルの信号品質が、Y1より高い状態にある場合、measID1と関連付けられるreportConfig1が、報告条件を満たし、UEは、条件付きハンドオーバを実施する。しかしながら、障害が生じない、通常の場合、UEが、点Bに移動すると、measID2と関連付けられるreportConfig2の報告条件が、UEが条件付きハンドオーバを実施するように満たされる。
【0074】
随意の実施形態3
条件付きハンドオーバでは、ハンドオーバ準備プロセスが、「実際のハンドオーバ条件」が満たされる前に完了され、ハンドオーバコマンドが、ソースセルの信号品質が十分に良好となる前に、UEに送信される。したがって、既存のハンドオーバ技術と比較して、「条件付きハンドオーバ実行条件」のトリガ時間は、既存のハンドオーバ技術における「実際のハンドオーバ条件」のトリガ時間より後になり得る。A3イベントを同一ハンドオーバシナリオのための実施例として取り上げると、既存のハンドオーバの終了時、A3イベントのオフセットが、「条件付きハンドオーバ実行条件」において、O1であるように構成される一方、A3イベントのオフセットが、O2であるように構成される場合、O2>O1が、構成され得る。前述の目的を達成するために、下記に説明される3つの実装が、本実施形態では提案される。
【0075】
実装1
ソース基地局が、条件付きハンドオーバのための標的セルのリストをUEに送信すると(実施形態1のステップS440参照)、ソース基地局は、条件付きハンドオーバのための標的セルのリスト内に、各条件付きハンドオーバセルのARFCNおよびPCI、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報(例えば、measID)を提供することに加え、measIDと関連付けられる測定対象構成内の標的セルのセル個々のオフセットを修正(事前に構成する場合)または増加させる(事前に構成しない場合)。セル個々のオフセットは、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」を評価するためにUEによって使用される。概して、基地局が、測定対象の構成パラメータを修正すると、UEは、測定対象の保存された測定結果を削除し、測定対象の測定結果を報告するための周期的測定報告タイマを停止し、測定対象の測定結果上で層3(L3、ここでは、RRC層を指す)フィルタリングを実施するためのタイマ(timeToTrigger)を停止する。本実施形態では、モビリティ性能を確実にするために、前述の動作は、セル個々のオフセットが修正または増加されるときは実施されない。
【0076】
実装2
ソース基地局が、条件付きハンドオーバのための標的セルのリストをUEに送信すると(実施形態1のステップS440参照)、ソース基地局はさらに、条件付きハンドオーバのための標的セルのリスト内に、条件付きハンドオーバのための各セルのARFCNおよびPCI、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報(例えば、measID)を提供することに加え、オフセットまたは閾値を提供する。システムの設計に従って、UEは、オフセットまたは閾値を受信後、下記に説明される動作のうちの1つを実施する。
【0077】
動作1:そのオフセットは、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成の識別子情報(例えば、measID)と関連付けられる測定対象内に構成される、オフセットを置換するために使用される、またはその閾値は、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成の識別子情報(例えば、measID)と関連付けられる測定対象内に構成される、閾値を置換するために使用される。
【0078】
動作2:そのオフセットと標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成の識別子情報(例えば、measID)と関連付けられる測定対象内に構成されるオフセットの和が、計算される、またはその閾値と標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成の識別子情報(例えば、measID)と関連付けられる測定対象内に構成される閾値の和が、計算される。
【0079】
UEが、前述の動作のうちの1つに従って、計算されたオフセットまたは閾値を取得後、UEは、計算されたオフセットまたは閾値を使用して、標的セルが「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たすかどうかを評価する。
【0080】
A3イベントを実施例として取り上げると、ハンドオーバのための標的セルのリストが受信される前に、基地局によってmeasID1内のUEのために構成される、A3イベントは、近傍セルの信号品質が、サービングセルの信号品質より1オフセットだけ高く、オフセットが、3dBであるように構成されるというものである。条件付きハンドオーバのための標的セルのリスト内において、基地局は、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報をmeasID1であるように構成し、2dBのオフセットを構成する。UEが、オフセットを受信後、UEは、動作2を実施し、measID1のA3イベントのオフセットが5dBであることを求める。UEは、5dBを使用して、標的セルがA3イベントを満たす、すなわち、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たすかどうかを評価する。
【0081】
また、A3イベントを実施例として取り上げると、ハンドオーバのための標的セルのリストが受信される前に、基地局によってmeasID1内のUEのために構成されるA3イベントは、近傍セルの信号品質が、サービングセルの信号品質より1オフセットだけ高く、オフセットが、3dBであるように構成されるというものである。条件付きハンドオーバのための標的セルのリスト内に、基地局は、標的セルの「条件付きハンドオーバ実行条件」の測定構成を示す識別子情報がmeasID1であるように構成し、5dBのオフセットを構成する。UEが、オフセットを受信後、UEは、動作1を実施し、measID1のA3イベントのオフセットが5dBであることを求める。UEは、5dBを使用して、標的セルがA3イベントを満たすかどうか、すなわち、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たすかどうかを評価する。
【0082】
実装3
ソース基地局が、reportConfigを構成すると、ソース基地局は、同一イベントのための2つのパラメータのセットを構成する、例えば、近傍セルを評価するための2つの閾値を構成し、2つのオフセットを構成し、2つのパラメータのセットのうちの一方が通常ハンドオーバのために使用されるように設定され、他方が、条件付きハンドオーバのために使用されるように設定されることを示す。
【0083】
A4イベントの構成(近傍セルの信号品質が、閾値より高い)を実施例として取り上げると、2つの閾値Th1およびTh2が、構成され、Th1が、通常ハンドオーバのために使用され、Th2が、条件付きハンドオーバのために使用されることが示される。UEは、Th1を使用して、標的セルが通常ハンドオーバ条件を満たすかどうかを評価し、Th2を使用して、標的セルが「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たすかどうかを決定する。
【0084】
A3イベントの構成(近傍セルの信号品質が、サービングセルの信号品質より1オフセットだけ高い)を実施例として取り上げると、2つのオフセットのオフセット1およびオフセット2が、構成され、オフセット1が、通常ハンドオーバのために使用され、オフセット2が、条件付きハンドオーバのために使用されることが示される。UEは、オフセット1を使用して、標的セルが通常ハンドオーバ条件を満たすかどうかを評価し、Th2を使用して、標的セルが「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たすかどうかを決定する。
【0085】
随意の実施形態4
100GHzまでの高周波数が、5Gシステムでは使用され得る。高周波数リンクが、障壁によって遮断されると、障害が、容易に生じる。5Gシステムでは、無線リンク品質は、2つの機構、すなわち、ビームリンク監視および無線リンク監視によって監視される。UEが、ビーム失敗が生じていることを決定すると、UEは、ビーム失敗回収プロセスを実施する。ビーム回収は、例えば、十分に良好な信号品質を有するビームが見出されない、またはビーム回収確認応答が基地局から受信されない、または同等物である場合、失敗し得る。
【0086】
本実施形態では、UEが、ソース基地局によって送信される条件付きハンドオーバのための標的セルのリストを含む、RRCReconfigurationメッセージを受信後、UEが、ビーム回収失敗または無線リンク失敗がソースセル内で生じていることを決定する場合、UEは、条件付きハンドオーバのための1つの標的セルを標的セルのリストから選択し、その標的セルに切り替える。
【0087】
図8は、本実施形態による、実装フローチャートである。プロセスは、ステップS610、S620、S630、およびS640を含み、これは、それぞれ、実施形態1におけるステップS410、S420、S430、およびS440に類似する。
【0088】
ステップS650では、UEが、RRCReconfigurationCompleteメッセージをソース基地局に返信する。
【0089】
ステップS660では、標的セルに対応する、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす、条件付きハンドオーバのための標的セルが存在する前に、UEが、ビーム回収失敗または無線リンク失敗を決定する。
【0090】
ステップS670では、UEが、条件付きハンドオーバのための1つの標的セルを選択する。
【0091】
UEは、最良信号品質を有する1つのセルを条件付きハンドオーバのための標的セルのリストから選択してもよい。代替として、UEは、良好な品質を伴う最大数のビームを有する1つのセルを条件付きハンドオーバのための標的セルのリストから選択してもよい。代替として、UEは、UEのアルゴリズムに従って、ある標的セルを条件付きハンドオーバのための標的セルのリストから選択してもよい。
【0092】
ステップS680では、UEが、選択された標的セルにアクセスする。
【0093】
ステップS690では、UEが、RRCReconfigurationCompleteを標的セルに送信する。
【0094】
随意の実施形態5
随意の実施形態2に説明されるように、条件付きハンドオーバのための複数の標的セルによって生成された条件付きハンドオーバコマンド(説明を区別するために、RRCReconfiguration-condと称される)が、UEに送信されるためにソース基地局によって生成されたRRCReconfiguration内に含まれる。RRCReconfigurationは、ソース基地局によってRRCメッセージに配分される、rrc-TransactionIdentifierを含む。RRCReconfiguration-condは、標的セルによってRRCReconfiguration-condに配分される、rrc-TransactionIdentifierを含む。UEが、RRCReconfigurationCompleteメッセージをソース基地局に返信すると、ソース基地局によってRRCReconfigurationに配分される、rrc-TransactionIdentifierが、搬送される。UEが、条件付きハンドオーバのための標的セルにアクセスすると、標的セルにフィードバックされるRRCReconfigurationCompleteメッセージが、標的セルによってRRCReconfiguration-condメッセージに配分される、rrc-TransactionIdentifierを搬送し、UEによって記憶される。
【0095】
例えば、
図9は、随意の実施形態5による、実装フローチャートである。プロセスは、ステップS701、S702、S703、およびS704を含み、これは、それぞれ、随意の実施形態1におけるステップS410、S420、S430、およびS440に類似する。
【0096】
本随意の実施形態のステップ704では、ソース基地局によって生成されたRRCReconfigurationメッセージにソース基地局によって配分される、rrc-TransactionIdentifierは、rrc-TransactionIdentifier1であることに留意されたい。RRCReconfigurationメッセージは、条件付きハンドオーバのための標的セルXを含む。条件付きハンドオーバのための標的セルXのRRCReconfiguration-condメッセージ内のrrc-TransactionIdentifierは、rrc-TransactionIdentifierX-1である。
【0097】
ステップS705では、UEが、ステップS704を受信後、UEは、RRCReconfigurationCompleteメッセージをソース基地局に返信する。メッセージは、rrc-TransactionIdentifier1を含む。
【0098】
ステップS706では、ソース基地局が、ソース基地局がUEのために構成された情報に構成更新を実施する必要があることを決定する。
【0099】
例えば、本随意の実施形態では、ソース基地局は、ソースセルの構成パラメータ(例えば、データ無線ベアラ(DRB)構成)に構成更新を実施する必要がある。
【0100】
ステップS707では、ソース基地局は、RRCReconfigurationをUEに送信する。メッセージのrrc-TransactionIdentifierは、rrc-TransactionIdentifier2である。メッセージは、条件付きハンドオーバのための任意の標的セルの情報を含まない。
【0101】
ステップS708では、UEが、ステップS707において情報を受信後、UEは、RRCReconfigurationCompleteメッセージをソース基地局に返信する。メッセージは、rrc-TransactionIdentifier2を含む。
【0102】
ステップS709では、ソース基地局が、ハンドオーバ要求を標的基地局に送信する。
【0103】
条件付きハンドオーバのための標的セルXの構成(RRCReconfiguration-cond内に含まれる)は、ソースセルの構成情報に従って、条件付きハンドオーバのための標的セルXによって構成される。したがって、ソースセルの構成が、更新されると、条件付きハンドオーバのための標的セルXのための構成もまた、適宜、更新される必要がある。したがって、ソース基地局は、ハンドオーバ要求を標的基地局に送信する。3つのステップS709、S707、およびS708間には、厳密なタイミング関係が存在しないことに留意されたい。例えば、ステップS709およびS707は、同時に実施されてもよい。
【0104】
ステップS710では、標的基地局が、ハンドオーバ要求確認応答をソース基地局に返信する。ハンドオーバ要求確認応答は、条件付きハンドオーバのための標的セルXの更新された構成情報を含む。同様に、構成情報は、条件付きハンドオーバのための標的セルXによって生成されたRRCReconfiguration-cond内に含まれる。この場合、RRCReconfiguration-cond内に含まれるrrc-TransactionIdentifierは、rrc-TransactionIdentifierX2である。
【0105】
ステップS711では、ソース基地局が、RRCReconfigurationをUEに送信する。メッセージのrrc-TransactionIdentifierは、rrc-TransactionIdentifier3である。メッセージは、ステップS710から受信された条件付きハンドオーバのための標的セルXのRRCReconfiguration-cond(rrc-TransactionIdentifierX2を含む)を含む。
【0106】
本随意の実施形態では、ソースセルの信号品質は、本時点で非常に不良となっているため、RRCReconfigurationの伝送は、失敗する。すなわち、UEは、メッセージを受信しない。
【0107】
ステップS712では、セルXが、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす。
【0108】
ステップS713では、UEが、セルXにアクセスする。
【0109】
ステップS714では、UEが、RRCReconfigurationCompleteメッセージをセルXに返信する。メッセージは、rrc-TransactionIdentifierX-1を含む。
【0110】
セルXが、RRCReconfigurationCompleteを受信すると、セルXにアクセスするためにUEによって使用される構成情報は、rrc-TransactionIdentifierX-1を通して決定されてもよい。
【0111】
随意の実施形態6
上記に説明される全ての随意の実施形態では、UEは、ランダムアクセスの様式において、条件付きハンドオーバのための標的セルにアクセスする。しかしながら、いくつかの展開シナリオでは、UEは、例えば、条件付きハンドオーバのための標的セルが、ソース基地局と同一タイミング調節(TA)を有する、またはUEと条件付きハンドオーバのための標的セルとの間のTAが、0である場合、ランダムアクセスの様式において、条件付きハンドオーバのための標的セルにアクセスする必要がない。UEが、標的セル内でランダムアクセスを実施する必要がないとき、そのようなハンドオーバは、RACH-lessハンドオーバと称され得る。
【0112】
既存のハンドオーバ技術では、RACH-lessハンドオーバが、実施されると、標的セルが、ハンドオーバ要求をソースセルから受信後、下記に説明される2つの動作のうちの1つが、実施される。
【0113】
動作1:アップリンクグラントが、UEのために構成される。構成されるアップリンクグラントは、標的セルによって生成されたRRCReconfigurationメッセージ内に含まれる。RRCReconfigurationは、ハンドオーバ要求確認応答メッセージを通して、ソース基地局にフィードバックされる。次いで、ソース基地局は、受信されたRRCReconfigurationをUEに送信する。UEが、RRCReconfigurationメッセージを受信後、UEは、ハンドオーバを実施し、直接、RRCReconfiguration内に構成されるアップリンクグラントを使用することによって、標的セル上でアップリンクデータを送信する。
【0114】
動作2:標的基地局が、RRCReconfigurationを生成する。RRCReconfigurationは、アップリンクグラントとともに構成されないが、UEに、RACH-lessハンドオーバを実施するように命令する。標的基地局が、ハンドオーバ要求確認応答メッセージをソース基地局に返信後、標的基地局は、UEのスケジューリングを開始する。RRCReconfigurationは、ハンドオーバ要求確認応答メッセージを通して、ソース基地局にフィードバックされる。次いで、ソース基地局は、受信されたRRCReconfigurationをUEに送信する。UEが、RRCReconfigurationメッセージを受信後、UEは、標的基地局のスケジューリングをリッスンし、直接、標的基地局のスケジューリングに従って、標的セル上でアップリンクデータを送信する、またはダウンリンクデータを受信する。
【0115】
前述の2つの動作では、標的基地局は、事前に、アップリンクグラントを構成する必要がある、または事前に、UEのスケジューリングを開始する。既存のハンドオーバ技術における、UEが、ハンドオーバコマンドを受信後、直接、ハンドオーバを実施する機構と比較して、事前に、アップリンクグラントを構成する、または事前に、UEのスケジューリングを開始する、本機構は、あまりリソースの無駄を引き起こさない。しかしながら、本機構が、条件付きハンドオーバプロセスに適用される場合、ハンドオーバ準備が、事前に実施されるが、実際のハンドオーバが、「条件付きハンドオーバ実行条件」が満たされるまで実施されないため、リソースの膨大な無駄が、引き起こされる。本問題を解決するために、2つのソリューションが、ここでは提案される。
【0116】
ソリューション1:条件付きハンドオーバのための標的セルが、UEによって送信されるSRSを受信後、構成されるアップリンクグラントが、有効化状態を開始する(アップリンクグラントが、条件付きハンドオーバコマンド(RRCReconfiguration)内に構成される場合)、または条件付きハンドオーバのための標的セルが、スケジューリングを開始する。
【0117】
図10は、ソリューション1の実装フローチャートである。プロセスは、ステップS810およびS820を含み、これは、それぞれ、実施形態1におけるステップS410およびS420に類似する。
【0118】
ステップS830では、標的基地局が、ハンドオーバ要求確認応答をソース基地局に返信する。
【0119】
ハンドオーバ要求確認応答は、標的セルの構成リストを含む。随意に、標的セルによって生成されたRRCReconfigurationは、事前にUEのために構成される、標的セルのアップリンクグラントを含んでもよい。アップリンクグラントを構成するかどうかは、標的セルのアルゴリズムおよび方略に従って、標的セルによって決定される。
【0120】
アップリンクグラントが、構成される場合、アップリンクグラントは、構成された直後に有効にならない。
【0121】
ステップS840では、ソース基地局が、条件付きハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0122】
ステップS850では、UEが、RRCReconfigurationCompleteメッセージをソース基地局に返信する。
【0123】
ステップS860では、「条件付きハンドオーバ実行条件」を満たす、標的セルXが存在する。
【0124】
ステップS870では、UEが、SRSを標的セルXに送信する。
【0125】
UEは、条件付きハンドオーバコマンド内に標的セルXによってUEのために構成されるSRSに従って、SRSを標的セルXに送信する。
【0126】
ステップS880では、標的セルXが、SRSをUEから受信後、アップリンクグラントが、ステップS830において構成される場合、アップリンクグラントは、有効になる。アップリンクグラントが、ステップS830において構成されない場合、UEは、スケジューリングを開始される。
【0127】
ステップS890では、UEが、RRCReconfiguration完了メッセージを標的セルXに返信する。
【0128】
ソリューション2:条件付きハンドオーバのための標的セルが、条件付きハンドオーバコマンド(RRCReconfiguration)を生成後、条件付きハンドオーバのための標的セルは、タイマTを開始する。タイマTが切れた後、構成されるアップリンクグラントは、有効化状態を開始する(アップリンクグラントが、条件付きハンドオーバコマンド(RRCReconfiguration)内で構成される場合)、または条件付きハンドオーバのための標的セルは、スケジューリングを開始する。
【0129】
図11は、ソリューション2の実装フローチャートである。プロセスは、ステップS910、S920、およびS930を含み、これは、それぞれ、ソリューション1におけるステップS910、S920、およびS930に類似する。
【0130】
ステップS940では、条件付きハンドオーバのための標的セルが、条件付きハンドオーバコマンド(RRCReconfiguration)を生成後、タイマTを開始する。
【0131】
ステップS950は、上記に説明されるソリューション1におけるステップS840と同一である。
【0132】
ステップS960は、上記に説明されるソリューション1におけるステップS850と同一である。
【0133】
ステップS970では、タイマTが切れると、構成されるアップリンクグラントは、有効化状態を開始する(アップリンクグラントが、条件付きハンドオーバコマンド(RRCReconfiguration)内で構成される場合)、または条件付きハンドオーバのための標的セルは、スケジューリングを開始する。
【0134】
ステップS980は、上記に説明されるソリューション1におけるステップS860と同一である。
【0135】
ステップS990は、上記に説明されるソリューション1におけるステップS890と同一である。
【0136】
上記に述べられる実装の説明から、上記に述べられる実施形態における方法が、ソフトウェアおよび必要な汎用目的ハードウェアプラットフォームによって実装され得る、または当然ながら、ハードウェアによって実装され得ることが、当業者に明白となるであろう。しかしながら、多くの場合、前者が、好ましい実装である。本理解に基づいて、本開示の技術的スキームは、本質的に、または関連技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形態で具現化され得る。コンピュータソフトウェア製品は、(リードオンリーメモリ(ROM)/ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク、または光ディスク等の)記憶媒体の中に記憶され、(携帯電話、コンピュータ、サーバ、ネットワーク機器、または同等物であり得る)端末機器が本開示の実施形態で述べられる方法を実施することを可能にするためのいくつかの命令を含む。
【0137】
実施形態2
本実施形態はさらに、ハンドオーバ装置を提供する。本装置は、上記に説明される実施形態および好ましい実装を実装するように構成される。説明された内容は、繰り返されない。下記に使用されるように、用語「モジュール」は、所定の機能を実装することが可能である、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせであり得る。下記に説明される実施形態における装置は、好ましくは、ソフトウェアによって実装されるが、ハードウェアによる、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせによる実装もまた、可能性として考えられ、想起される。
【0138】
図12は、本開示の実施形態による、ハンドオーバ装置の構造ブロック図である。
図2に示されるように、本装置は、受信モジュール122と、第1のハンドオーバモジュール124とを含む。受信モジュール122は、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信するために構成される。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。第1のハンドオーバモジュール124は、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施するように構成される。
【0139】
図12に示される装置を通して、1つのみの標的セルが選択される、既存の条件付きハンドオーバと比較して、本開示では、標的セルのリストが、構成され、1つの標的セルが、複数の標的セルから選択され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決し、モビリティ性能を改良する。
【0140】
随意の実装では、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、ソース基地局に送信される。インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含む。標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、標的セルのCGI、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、標的セル上で正常に認められたPDUセッション情報、または標的セル上で正常に認められたE-RAB情報のうちの1つを含む。
【0141】
随意に、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって条件付きハンドオーバコマンドに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を含む。
【0142】
随意に、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つを含む場合、本装置はさらに、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の標的セルのセル個々のオフセットを修正または増加させるように構成される。
【0143】
随意に、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報が、測定構成識別情報のうちの少なくとも1つを含む場合、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報はさらに、オフセットまたは閾値を含む。
【0144】
随意に、UEが、オフセットまたは閾値を受信すると、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEが、そのオフセットを使用して、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内のオフセットを置換する、またはUEが、その閾値を使用して、測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の閾値を置換するステップ、またはUEが、そのオフセットと測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内のオフセットの和を計算する、またはUEが、その閾値と測定構成識別子情報と関連付けられる測定対象構成内の閾値の和を計算するステップを実施するように構成される。
【0145】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信する動作の前に、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEが、ソース基地局によって同一測定イベントのために構成される少なくとも2つのパラメータのセットを受信するステップを実施するように構成される、または本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEがソース基地局によって同一測定イベントのために構成され、無線リソース制御再構成メッセージ内で搬送される、少なくとも2つのパラメータのセットを受信するステップを実施するように構成される。2つのパラメータのセットは、パラメータの第1のセットと、パラメータの第2のセットとを含む。パラメータの第1のセットは、UEに、条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用される。パラメータの第2のセットは、UEに、非条件付きハンドオーバを実施するように命令するために使用される。
【0146】
随意に、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施する、動作は、以下の動作、すなわち、無線リソース制御再構成メッセージ内に含まれる少なくとも1つの標的セルの測定結果が、測定構成識別子情報と関連付けられる報告構成の報告条件を満たす場合、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件が満たされたと決定され、UEが、その標的セルに切り替えるステップを含む。
【0147】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信する動作後、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEが、ビーム回収失敗または無線リンク失敗がソースセル内で生じていることを決定する場合、UEが、標的セルのリストから1つの標的セルを選択し、UEが、その1つの標的セルに切り替えるステップを実施するように構成される。
【0148】
随意に、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信する動作後、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEが無線リソース制御再構成完了メッセージをソース基地局に返信するステップを実施するように構成される。無線リソース制御再構成完了メッセージは、ソース基地局によって無線リソース制御再構成メッセージに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を搬送する。
【0149】
随意に、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施すると、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、UEが、標的セルに、標的セルによって条件付きハンドオーバコマンドに配分される、RRCメッセージトランザクション識別子を搬送する、無線リソース制御再構成完了メッセージを返信するステップを実施するように構成される。
【0150】
本実施形態はさらに、ハンドオーバ装置を提供する。
図13は、本開示の実施形態による、別のハンドオーバ装置の構造ブロック図である。
図13に示されるように、本装置は、第2のハンドオーバモジュール132を含む。第2のハンドオーバモジュール132は、無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信するように構成される。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0151】
随意の実装では、標的セルの条件付きハンドオーバコマンドは、標的セルによって、インターフェースメッセージを通して、ソース基地局に送信される。インターフェースメッセージは、標的セルの構成リストを含む。標的セルの構成リスト内の各標的セルの構成は、標的セルのCGI、標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、および以下の情報、すなわち、標的セル上で正常に認められたPDUセッション情報、または標的セル上で正常に認められたE-RAB情報のうちの1つを含む。
【0152】
随意に、本装置はさらに、以下の動作、すなわち、標的セルが、UEによって送信されるSRSを受信後、条件付きハンドオーバコマンド内に構成される標的セルのアップリンクグラントが、有効化状態を開始する、または標的セルが、スケジューリングを開始するステップ、または標的セルが、無線リソース制御再構成メッセージを生成後、標的セルは、タイマを開始し、タイマが切れた後、条件付きハンドオーバコマンド内で構成される標的セルのアップリンクグラントが、有効化状態を開始する、または標的セルが、スケジューリングを開始するステップを実施するように構成される。
【0153】
図13に示される装置を通して、1つのみの標的セルが選択される、既存の条件付きハンドオーバと比較して、本開示では、標的セルのリストが、構成され、1つの標的セルが、複数の標的セルから選択され、したがって、関連技術における測定報告またはハンドオーバコマンドの伝送失敗によって引き起こされるハンドオーバ失敗の問題を解決し、モビリティ性能を改良する。
【0154】
上記に説明される種々のモジュールは、ソフトウェアまたはハードウェアによって実装されてもよいことに留意されたい。ハードウェアによる実装は、必ずしもではないが、以下の様式において実施されてもよい。すなわち、モジュールは、同一プロセッサ内に位置する、またはモジュールは、任意の組み合わせにおいて、異なるプロセッサ内に位置する。
【0155】
実施形態3
本開示の実施形態はさらに、記憶媒体を提供する。記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、実行されると、任意の方法実施形態におけるステップを実施するように構成される。
【0156】
随意に、本実施形態では、記憶媒体は、以下のステップを実施するためのコンピュータプログラムを記憶するように構成されてもよい。すなわち、ステップS1では、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信し、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用され、ステップS2では、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施する。
【0157】
随意に、記憶媒体はさらに、以下のステップを実施するためのコンピュータプログラムを記憶するように構成される。すなわち、ステップS1では、ソース基地局が、無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信する。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0158】
随意に、本実施形態では、記憶媒体は、限定ではないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュディスク、ROM、RAM、モバイルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、またはコンピュータプログラムを記憶することが可能な別の媒体を含んでもよい。
【0159】
本開示の実施形態はさらに、電子デバイスを提供する。電子デバイスは、メモリと、プロセッサとを含む。メモリは、コンピュータプログラムを記憶する。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行し、上記に説明される任意の方法実施形態におけるステップを実施するように構成される。
【0160】
随意に、電子デバイスはさらに、伝送デバイスと、入力および出力デバイスとを含んでもよい。伝送デバイスおよび入力および出力デバイスは両方とも、プロセッサに接続される。
【0161】
随意に、本実施形態では、プロセッサはさらに、コンピュータプログラムを通して、以下のステップを実施するように構成されてもよい。すなわち、ステップS1では、UEが、ソース基地局によって送信される無線リソース制御再構成メッセージを受信し、無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含み、条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含み、測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用され、ステップS2では、UEが、無線リソース制御再構成メッセージに従って、ハンドオーバを実施する。
【0162】
随意に、電子デバイスはさらに、下記に説明されるステップを実施するためのコンピュータプログラムを記憶するように構成される。
【0163】
ステップS1では、ソース基地局が、無線リソース制御再構成メッセージをUEに送信する。無線リソース制御再構成メッセージは、UEによって条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリストを含む。条件付きハンドオーバを実施するための標的セルのリスト内の各標的セルの情報は、以下、すなわち、標的セルの周波数情報、標的セルの物理セル識別子、標的セルによって生成された標的セルの条件付きハンドオーバコマンド、または測定構成識別子情報のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つを含む。測定構成識別子情報は、UEが条件付きハンドオーバを標的セル内で実施するための実行条件を命令するために使用される。
【0164】
随意に、本実施形態における具体的実施例のために、前述の実施形態および随意の実装に説明される実施例が参照され得るが、これは、本実施形態では繰り返されない。
【0165】
明白なこととして、本開示のモジュールまたはステップが、少なくとも1つの汎用コンピューティングデバイスによって実装され得、単一のコンピューティングデバイス上に集中される、または複数のコンピューティングデバイスによって形成されるネットワークの中に分散され得ることが、当業者によって理解されるはずである。随意に、これらのモジュールまたはステップは、コンピューティングデバイスによって実行可能なプログラムコードによって実装され得る。したがって、これらのモジュールまたはステップは、記憶デバイスの中に記憶され、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって実行され得る。また、ある場合には、図示または説明されるステップは、本明細書に説明されるシーケンスと異なるシーケンスで実行され得る。代替として、これらのモジュールまたはステップはそれぞれ、集積回路モジュールに作製されることによって実装され得る、またはこれらのモジュールまたはステップの複数のものが、単一の集積回路モジュールに作製されることによって実装され得る。このように、本開示は、ハードウェアおよびソフトウェアのいかなる具体的な組み合わせにも限定されない。
【0166】
上記は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を限定することは意図していない。当業者のために、本開示は、種々の修正および変形例を有し得る。本開示の範囲内で成されるいかなる修正、同等の代用、改良、および同等物も、本開示の範囲内にある。