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特許7187586加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置
<図1>
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図1
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図2
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図3
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図4
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図5
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図6
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図7
  • 特許-加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法、および対応する制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20221205BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
B60H1/22 611B
B60H1/00 101Q
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020570816
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 FR2019051403
(87)【国際公開番号】W WO2019243709
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-02-17
(31)【優先権主張番号】1855495
(32)【優先日】2018-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ、ド、プルスメーカー
(72)【発明者】
【氏名】モハメド-アミネ、ブバッカ
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-192827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/22
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両等の車両の車室内部への設置に適した加熱パネル(1)の加熱面(5)の温度を制御するための方法(7)であって、前記面(5)に前記車室内の乗員が接触する可能性があり、
- 前記車室に収容された乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または前記加熱パネル(1)の前記加熱面(5)を表す少なくとも1つのデータ項目の関数として、前記加熱面(5)の温度を制御するステップを含み、
前記車室内部の前記乗員に関する少なくとも1つの空間情報項目を取得するステップを更に含み、前記方法は、加熱パネル(1)の加熱面(5)に接触する可能性のある前記乗員の身体の部分を決定するように、前記少なくとも1つの空間情報項目を考慮する、
方法(7)。
【請求項2】
前記乗員のプロファイルを表す前記データは、
- 生理学的特性、
- 健康状態、
- ライフスタイル情報項目、
- 前記加熱面(5)に接触する可能性のある身体の部分の感度、
から選択される少なくとも1つの特性である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記車両内の乗員が許容できる最高許容温度を決定するステップ(8)を更に含み、前記最高許容温度は、前記乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目に基づいて決定される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記加熱面(5)の最高認容温度として理解される前記加熱面の乾球温度を決定するステップ(9)を更に含み、前記乾球温度は、特に、前記乗員が許容できる前記最高温度と前記加熱面(5)を表す少なくとも1つのデータ項目とに基づいて計算される、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱パネル(1)の前記加熱面(5)を表すデータ項目は、前記加熱面を形成する前記材料の熱浸透率である、
請求項1または4に記載の方法。
【請求項6】
前記材料の熱浸透率は、前記材料の表面仕上げを考慮した因子により補正され、前記因子は、
- 粗さ、
- 多孔度、
- 不規則性、
- 連続性、
から選択される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記乗員の皮膚と加熱パネル(1)の前記加熱面(5)との接触時間に関する少なくとも1つの時間情報項目(t)を取得するステップ(10)を更に含み、前記方法は、前記乗員が許容できる前記最高温度を決定するように、前記少なくとも1つの時間情報項目(t)を考慮する、
請求項4乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記乾球温度を補正するステップ(11)を更に含み、前記ステップは、補正係数を前記乾球温度に適用することを含むとともに、前記加熱面の最高認容温度として理解される補正乾球温度を得ることを可能にする、
請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
乗員の皮膚に接触する前記加熱面(5)の温度が臨界温度に近づくと、前記補正係数は減少し、前記接触する前記加熱面(5)の温度が臨界温度より高いとき、前記補正係数はゼロである、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
自動車両等の車両の車室内部への設置に適した加熱パネル(1)の加熱面(5)の温度を制御するための装置(15)であって、前記面に前記車室内の乗員が接触する可能性があり、
- 前記車室に収容された乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または前記加熱パネルの前記加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目の関数として、前記加熱面の温度を制御するように配置されたデータ処理ユニット(16)と、
- 前記車室の天井に設置されて赤外線ドームを形成可能な広角赤外線カメラであって、前記赤外線ドームにより前記少なくとも1つの空間情報項目が取得される広角赤外線カメラと、を含み、
前記データ処理ユニット(16)は、前記乗員に関する少なくとも1つの空間情報項目を、加熱パネル(1)の加熱面(5)に接触する可能性のある前記乗員の身体の部分を決定するように、考慮する、
装置。
【請求項11】
前記車両の前記車室は、前記加熱パネルの前記加熱面を表すデータ項目のうちの少なくとも1つ、および/または前記車室に収容された乗員のプロファイルを表すデータ項目のうちの少なくとも1つを決定するために使用されるパラメータを測定するように配置された少なくとも1つのセンサを含む、
請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、自動車両等の車両の車室を加熱(暖房)するための装置、より具体的には、このような車室の内部に配置される加熱パネルに関する。本発明は、加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法に関する。また、本発明は、このような加熱パネルの加熱面の温度を制御するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの車両は、車室内に送られる空気を加熱するためのシステムを有している。加熱システムには、単数または複数の加熱パネル、すなわち、対流によって車室内部に存在する空気を加熱しながら、赤外線放射により乗員を温める面が追加され得る。現行の加熱パネルは、車両の車室において組み込まれるべき位置に適合した形状および/または寸法を有している。非限定的な例として、加熱ゾーンは、シート、ダッシュボード、ルーフ、ピラー、ドア、および/または足元空間であり得る。
【0003】
現行の加熱パネルは、快適で安全な運転を提供するように、車両のユーザの快適性および安全性を確保しなければならない。このような要求に応えるべく、加熱パネルの設計を最適化し、その加熱温度制限を設定することが知られている。しかしながら、加熱パネルに対する設計により、車室の所与の部分への組み込みが制限される。また、加熱温度の制限について、乗員の個人的特徴、特に熱に対する感度が考慮されていない。
【0004】
US20140246415号から、車両のシートへの設置に適した加熱要素が、導電性の銅または炭素繊維の糸が組み込まれた織物材料から作製され得ることが知られている。しかしながら、このような加熱要素は比較的もろい(炭素繊維は容易に破損する傾向にある)ため、乗員に害を及ぼすリスクがある。この欠点を克服するために、加熱織物材料の設計を改善することが提案され、これにより、ユーザを前述のリスクにさらすことなく、加熱織物材料を車両のシートに組み込むことが容易とされている。しかしながら、個々のパラメータを考慮しつつ織物の加熱面の温度制限を制御するための提案はなされていない。
【0005】
WO2015097218号は、調整可能な均一の分布温度を有する加熱装置に関する。この加熱装置は、(特に装置を受容する表面の非平坦性による)特定の形状および寸法に関する制約を克服し得る。本文書においては、US20140246415号で言及された背景の一部について言及がなされているが、ユーザの安全性および快適性の両方を確保しつつ、車室内部の温度管理を個々人に合わせたものとすることは提案されていない。
【0006】
引用した文書のいずれも、加熱パネルの加熱温度限界を制御するために、ユーザデータおよび加熱面を形成する材料に関するデータを考慮することを想定していない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、自動車両等の車両の車室内部への設置に適した加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法であって、前記面に前記車室内の乗員が接触する可能性があり、
- 前記車室に収容された乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または前記加熱パネルの前記加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目の関数として、前記加熱面の温度を制御するステップ、
を含む方法に関する。
【0008】
したがって、本発明は、車両の車室内部への設置に適した加熱パネルの加熱面の温度を制御する際に、乗員のプロファイル(生理学的パラメータ、健康状態、職業カテゴリー等)と、加熱面の種類(織物(の材料)、車室に適合する材料等)との両方を考慮することを提案する。
【0009】
提案された発明により、特に身体(身体の最も露出している部分は手や腕である)が火傷を負うリスクや、加熱面に接触する材料(衣類、身の回りの品)へのダメージを最小とすることにより、乗車中の安全性に関して高まりつつあるニーズに応えることができる。
【0010】
本発明の他の目的は、熱に弱い人、特に皮膚アレルギーおよび/または過度の発汗(局所的または全体的)に悩む人が感じる不快感を最小にすることである。
【0011】
車両の車室とは、ドライバーや同乗者(乗員)等の車両のユーザが収容される車両の一部として定義されることに留意する必要がある。単数または複数の加熱パネルが、車室の内部において、車両の単数または複数の別個のゾーンに配置される。非限定的な例として、加熱パネルは、ルーフ、ピラー、ダッシュボード、ドア、足元空間、および/またはシートに配設され得る。加熱パネルの形状および寸法は、各種使用に適合するものとされ、本発明の基準を限定するものではない。
【0012】
加熱パネルの加熱面は、加熱パネルの目に見える部分の1つである。したがって、加熱面に、車両の乗員の少なくとも一人が意図して、または意図せずに接触する可能性がある。加熱面は、加熱パネルの加熱要素を電気的に絶縁することにより、および/または加熱要素を車室から生じ得る物理的および/または化学的害から保護することによって、加熱要素を保護する機能を有し得る。また、加熱面は、暖房熱を生成する加熱パネルの一部を縁取るものとしても機能し得る。したがって、加熱面は、加熱パネルの見栄えを良くする装飾的な役割を果たす。
【0013】
加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法は、車室に収容された乗員のプロファイルを表す以下の少なくとも1つのデータ項目を考慮し得る。すなわち、
- 乗員の生理学的特性:代謝活動、年齢、性別、体重、肌の色等。
- 乗員の健康状態:水分補給レベル、覚醒状態等。
- 乗員のライフスタイルに関する情報項目:職業カテゴリー、趣味、出身国等。
- 加熱面に接触する可能性のある身体の部分の感度、特に、手、腕、および/または足の感度。
【0014】
本発明の一態様によれば、車両の車室は、車室に収容された乗員のプロファイルを表すデータ項目のうちの少なくとも1つを決定するために使用されるパラメータを測定するように配置された少なくとも1つのセンサを含む。
【0015】
本発明の一態様によれば、センサは以下から選択される。
- 車室内の乗員を観察するように配置されたフロントカメラ、特にDMSカメラ、
- 生理学的データセンサ、
- 例えば3Dカメラや赤外線カメラで構成されたドーム、
- 何人の人が存在するか、およびその人達の生理学的状態や、身体の位置を含む現在の動作を把握可能な高周波レーダー。
【0016】
本発明の一態様によれば、加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法は、車両内の乗員が許容できる最高温度を決定するステップを更に含み、前記最高許容温度は、前記乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目に基づいて決定される、
【0017】
最高許容温度は、個人の特性によって異なる。したがって、乗員が許容できる最高温度を決定するステップを含む加熱面の温度を制御するための方法は、各乗員の特定のプロファイルに適合する。
【0018】
一般に、乗員を熱に対する感度に応じて分類することができる。以下に区別を記載する。
- 基準クラス。基準クラスでは、50℃の最高温度に耐性を有する人、またはその人を表すデータが得られない人を対象とする。
- クラスA。クラスAでは、60℃の最高温度に耐性を有する人、特に、定期的に高温にさらされる人を対象とする。
- クラスB。クラスBでは、45℃の最高温度に耐性を有する人、特に、高温に対する感度が平均より高い人(高齢者等)を対象とする。
- クラスC。クラスCでは、40℃の最高温度に耐性を有する人、特に、脆弱な人(幼児、乳児等)を対象とする。
【0019】
本発明の一態様によれば、乗員が許容できる最高温度は、車室内部の支配的(優勢)な条件、特に、換気温度、車室の温度、および/または湿度レベルによって異なる。
【0020】
本発明の一態様によれば、加熱面の温度は、乗員の身体の一部が加熱面に接触したときに乗員が許容できる最高温度より低い。この利点は、加熱パネルの加熱面が、偶発的にまたは意図的に身体が接触した場合に乗員に火傷を負わせるほど熱くならないことを確実にすることである。したがって、乗車中の安全性は、各個人に固有のパラメータである耐熱性に関する閾値を考慮することにより最適化される。
【0021】
本方法が良好に実施されることをモニタリングするように、加熱パネルの加熱面の温度を温度センサおよび/または赤外線カメラで経時的に測定することができる。また、温度は、入力データの加熱パネルに伝達される電力、および熱伝達の法則の利用を可能にする周囲環境データをエネルギー監査することによっても推定され得る。
【0022】
本発明の一態様によれば、加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法は、加熱パネルの加熱面を表す以下の少なくとも1つのデータ項目を考慮し得る。すなわち、
- 加熱面を形成する材料の種類:革、木材、布、ペンキ、ラッカー、金属、プラスチック、または車室の加熱パネルを見栄え良く固定できるその他の材料、
- 加熱面を形成する材料の表面仕上げ:粗さ、多孔度、不規則性の形態(線、間隔等)、
- 材料に固有の熱パラメータ:熱浸透率、熱伝導率、熱容量、密度等。
【0023】
本発明の一態様によれば、車両の車室は、前記加熱パネルの前記加熱面を表すデータ項目のうちの少なくとも1つを決定するために使用されるパラメータを測定するように配置された少なくとも1つのセンサを含む。センサは以下から選択される。
- 放射面を観察するように配置された赤外線カメラ、
- 局所温度センサ、
- 周囲環境およびパネルの電力を表すデータを組み込んだ熱計算により生成される接触温度の数値評価部、
- パネル付近の空気の温度を測定する温度センサ。
【0024】
材料の熱浸透率は、材料の熱慣性を特徴付けるのに特に有用な数量である。熱浸透率は、材料の表面が別の材料の表面と接触したときに温度を変化させ得る速度を決定する。加熱パネルの加熱面の温度を制御する際に熱浸透率を考慮することにより、前記加熱面が車両内の乗員の皮膚に接触したときの加熱面の知覚を組み入れることが可能になる。熱浸透率は、材料の種類により異なり、改良モデルにおいて、材料の表面仕上げ(粗さ、多孔度等)を考慮した因子により補正され得る。このように計算された熱浸透率は、材料の種類とその表面仕上げの両方に応じて決まるものであり、補正熱浸透率として理解される。
【0025】
本発明の一態様によれば、本方法は、加熱面の最高認容温度として理解される加熱面の乾球温度を決定するステップを更に含む。乾球温度は、特に、乗員が許容できる最高温度と前記加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目とに基づいて計算される。
【0026】
本発明の一態様によれば、加熱パネルの加熱面を表すデータ項目は、加熱面を形成する材料の熱浸透率である。材料は、革、木材、布、ペンキ、ラッカー、金属、プラスチック、または車室の加熱パネルを見栄え良く固定できるその他の材料から選択される。
【0027】
本発明の他の態様によれば、材料の熱浸透率は、前記材料の表面仕上げ(粗さ、および/または多孔度、不規則性、連続性)を考慮した因子により補正される。特に、粗さ、Ra(平均粗さ)は、(例えば表面が平滑である場合)10μm未満であり得る。逆に、(例えば表面が構造化されている場合)70μmを超え得る。
【0028】
加熱面の乾球温度は、乗員(プロファイルおよび/またはクラスを表す少なくとも1つのデータ項目により特徴付けられた乗員)と接触する前の前記加熱面の温度である。乾球温度値は、材料(種類、表面仕上げ)により異なる。乾球温度値は、乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目に応じて異なる乗員が許容できる最高温度の関数として制御される。したがって、加熱面の乾球温度の決定は、加熱面に接触する可能性のある乗員のプロファイルの関数として最適化される。
【0029】
初期設定では、乗員のプロファイルを表すデータ項目が得られない場合、乗員が許容できる最高温度は50℃に等しいとされる。したがって、乗員は先に定義した基準クラスに任意に属しているとみなされる。
【0030】
加熱パネルの加熱面の温度を制御する条件を満たすためには、加熱面の乾球温度は、乗員の皮膚と前記加熱面との接触時に、乗員が許容できる最高温度を加熱面の温度が超えてはならないような値を有さなければならない。このような条件下において、火傷のリスクは低い。
【0031】
一実施形態によれば、接触時間、すなわち皮膚が加熱面と接触する時間を考慮することが想定される。
【0032】
本発明の一態様によれば、前記方法は、乗員の皮膚と加熱パネルの加熱面との接触時間に関する少なくとも1つの時間情報項目(t)を取得するステップを更に含み、本方法は、前記乗員が許容できる最高温度を決定するように、前記少なくとも1つの時間情報項目(t)を考慮する。
【0033】
乗員の皮膚と加熱面との接触時間は、レーダーまたは他の任意の適切な装置を使用して測定され得る。
【0034】
乗員の皮膚と加熱面との接触時間は、任意に設定することができる。特に測定装置が使用できない、または作動中の場合、tは1秒に設定される。文献によれば、人が手を引っ込める臨界時間は、1秒のオーダーと考えるのが通例である。
【0035】
本発明の一態様によれば、前記方法は、乾球温度を補正するステップを更に含み、前記ステップは、補正係数を前記乾球温度に適用することからなるとともに、加熱面の最高認容温度として理解される補正乾球温度を得ることを可能にする。
【0036】
本発明の一態様によれば、乗員の皮膚に接触する加熱面の温度が臨界温度に近づくと、補正係数は減少し、前記接触する前記加熱面の温度が臨界温度より高いとき、補正係数はゼロである。
【0037】
本発明の一態様によれば、臨界温度は、70℃乃至80℃である。
【0038】
本発明の一態様によれば、臨界温度は80℃に設定される。
【0039】
本発明の一態様によれば、前記方法は、前記加熱パネルの加熱面の最高認容温度の関数として、加熱パネルの最大パワー出力を決定するステップを更に含む。好適には、加熱パネルのパワー出力は、前記最大パワーより小さい。
【0040】
本発明の一態様によれば、本方法は、加熱パネル周辺の熱環境を表す少なくとも1つのデータ項目を取得するステップを更に含み、本方法は、加熱パネルのパワー出力を決定するように、前記熱環境を表す少なくとも1つのデータ項目を考慮する。
【0041】
本発明の一態様によれば、加熱パネル周辺の熱環境を表すデータ項目は、外気温および/または車室内部の温度である。
【0042】
本発明の一態様によれば、車両の車室は、加熱パネル周囲の熱環境を表すデータ項目のうちの少なくとも1つを決定するために使用されるパラメータを測定するように配置された少なくとも1つのセンサを含む。センサは以下から選択される。
- 乗員、特にドライバーを認識する、または特徴付けるDMSカメラ、
- ドーム内の放射面を観察するように、例えば天井灯やその近傍に設置された赤外線カメラ、
- 局所温度センサ、
- 周囲環境およびパネルの電力を表すデータを組み込んだ熱計算により生成される接触温度の数値評価部、
- 加熱パネル付近の空気の温度を測定する温度センサ。
【0043】
本発明の一態様によれば、本方法は、車室内部の乗員に関する少なくとも1つの空間情報項目を取得するステップを更に含み、前記方法は、加熱パネルの加熱面に接触する可能性のある前記乗員の身体の部分を決定するように、前記少なくとも1つの空間情報項目を考慮する。
【0044】
本発明の一態様によれば、空間情報は、車室の天井に配置された広角赤外線カメラにより形成された赤外線ドームにより取得される。
【0045】
また、本発明は、自動車両等の車両の車室内部への設置に適した加熱パネルの加熱面の温度を制御するための装置であって、前記面に前記車室内の乗員が接触する可能性があり、
- 前記車室に収容された乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または前記加熱パネルの前記加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目の関数として、前記加熱面の温度を制御するように配置されたデータ処理ユニットを含む装置に関する。
【0046】
このようなデータは、以下を含む少なくとも1つのセンサによって決定され得る。
- 車室内の少なくとも一人の乗員を観察するように配置されたカメラ、特にDMSカメラ、
- 車室の天井に配置された広角赤外線カメラにより形成された赤外線ドーム、
- 生理学的センサ、
- 車室内の支配的(優勢)な温度を検出するセンサ。
【0047】
本発明の更なる特徴、詳細および利点が、非限定的な例としてなされる以下の説明を読み添付図面を参照することでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】車両の車室内への設置に適した加熱パネルの横手方向断面図。
図2図1の加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法のステップを示す図。
図3】1秒に等しい接触時間での、構成材料の種類の関数としての加熱面の材料の熱浸透率を示す曲線。
図4】粗さの関数としての補正係数Coを示す曲線。
図5】種々の材料の粗さおよび機械的特性の関数として種々の材料の補正熱浸透率(材料に応じて補正因子Coを熱浸透率に適用することによる)を示す図。
図6】接触時間(t)の関数としての加熱面の最高認容温度を示す曲線。
図7】加熱面の温度(T)の関数としての補正係数Cを示す曲線。
図8】本発明による加熱面の温度を制御するための装置を、概略的且つ部分的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下の説明において、ユーザ、ドライバー、および乗員という用語は、自動車両の車室に存在し、加熱パネルの加熱面に接触する可能性のある人を特徴付けるように交換可能に使用される。
【0050】
本発明は、自動車両等の車両の車室内への設置に適した加熱パネルの加熱面の温度を制御するための方法に関する。図1は、車両の車室に組み込まれ得る加熱パネル1のモデルを示す。加熱パネルは、車室の特定ゾーン、例えば、ダッシュボード、シート、ルーフ、ピラー、足下空間等に配置され得る。
【0051】
1つの特定の実施形態によれば、加熱パネル1は、互いに堅固に接続された複数の層のアセンブリを含んでいる。好適には、これらの層の数は3つである。放射線発生層2と、断熱層3と、層2を保護する層4とが区別される。
【0052】
放射(放熱)発生層2は、車両の少なくとも1人のユーザを温め得る熱を発生するように配置される。この層は、少なくとも1つの加熱要素と、この加熱要素に給電する少なくとも2つの電極と、を含んでいる。加熱要素は、ジュール効果により熱を放出するとともに、必要な場合には、加熱の放射(放熱)成分である赤外線を放出する。
【0053】
層3は、層2と接触して配置されている。その断熱特性を理由として、層3は車両の車室を加熱するのに役立たないゾーンへの熱損失を制限する。
【0054】
層4は、車室側、より具体的には乗員に向かって配置されている。これは、層2を保護するとともに縁取る機能を果たし、加熱パネル1を車両の車室に見栄え良く組み込むことを可能にする。したがって、層4は、加熱パネルの装飾層として特徴付けることができる。これにより、層4は、美感と設計の基準に応じて選択される材料から構成される。このような材料は、特に、革、木材、布、ペンキ、ラッカー、金属、プラスチック、または車室の加熱パネルを見栄え良く固定できるその他の材料から選択される。理想的には、層4は、加熱パネルが発光する赤外線を妨害しないように高い放射率を有することを特徴とする。
【0055】
層4の外面5は、少なくとも乗員のうちの一人に向けられた面である。より具体的には、外面は、層4の内面の反対側の層4の面である。内面とは、層2と層4との間に接触配置された面である。したがって、外面5は、車室の内部において加熱パネル1の目に見える部分である。加熱パネルの作動中に、外面5は加熱されて特定の温度に達する。したがって、加熱面5を、以下では互換的に加熱パネル1の加熱面5と称する。加熱パネルの表面で(すなわち外面5で)測定された温度を、加熱面温度と称する。乗員のうちの一人が、加熱面5に接触する可能性がある。加熱面に接触する乗員の身体の一部とは、例えば手6であ得、より一般的には、加熱パネルの加熱面に直近する他の任意の要素であり得る(乗員の身体の任意の一部、衣類等)。
【0056】
本明細書に記載の加熱パネル1は、3つの層を含んでいるが、他の実施形態も想定可能である。したがって、他のサブ層を上述の層に組み込むことも現実的である(例えば、断熱サブ層、電気的絶縁サブ層、保温サブ層)。したがって、加熱パネルの3つの層を配置する態様は、いかなる状況においても、本発明の限定的な基準ではない。
【0057】
図2を参照して、加熱パネルの加熱面の温度を制御する方法7は、以下に記載の種々のステップを含んでいる。
【0058】
加熱面の温度を制御するための方法7は、車両内の乗員により許容される最高許容温度Ttoleratedを決定するステップ(ボックス8、図2)を含んでいる。前記最高許容温度Ttoleratedは、前記乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目に基づいて決定される。
【0059】
車室に収容されている乗員のプロファイルを表すデータ項目は、以下から選択可能である。
- 乗員の生理学的特性:例えば、代謝活動、年齢、性別、体重、肌の色。
- 乗員の健康状態。例えば、脱水状態の人は、十分な水分レベルの人より熱に対する耐性が低い。
- 乗員のライフスタイルに関する情報項目:職業カテゴリー、趣味、または出身国。この点で、非常に低い温度に慣れている人(例えば、北欧の国の住人)は、暑い国の住人より熱に対する耐性が低い。また、熱源の近傍で作業するのに慣れているシェフは、平均的な人より高い温度に対して耐性を有している。
- 加熱面に接触する可能性のある身体の部分の感度、特に、手、腕、および/または足の感度。
【0060】
車両の車室は、上述のデータ項目のうちの少なくとも1つを決定するために使用されるパラメータを測定するように配置された少なくとも1つのセンサを含んでいる。
【0061】
センサは、以下から選択される。
- DMSカメラ、
- ドーム内の放射面を観察するように、例えば天井灯やその近傍に設置された赤外線カメラ、
- 局所温度センサ、
- 周囲環境およびパネルの電力を表すデータを組み込んだ熱計算により生成される接触温度の数値評価部、
- 加熱パネル付近の空気の温度を測定する温度センサ。
【0062】
DMS(ドライバー・モニタリング・システム(Driver Monitoring System))カメラは、近赤外線で動作するカメラである。アルゴリズムにより、乗員の同一性確認や、心拍数の推定等多くの情報項目を推測することができる。
【0063】
許容温度は、熱に対する個人の感度に依存する。これは、特に、個人の年齢、該当する身体の部分、職業、および倦怠感レベルで異なる複雑な機能である。
【0064】
加熱面に対する接触時間が1秒のオーダーである場合、許容温度は60℃付近である。10秒のオーダーの接触時間の場合、許容温度は52℃付近である。
【0065】
耐熱性は、該当する個人の職業により異なる。シェフは、加熱面との1秒間の接触に対して、最高70℃の高温に耐えることが観察されている。
【0066】
加熱面の温度を制御するための方法は、有利には、加熱面の乾球温度Tdryを決定するステップ(ボックス9、図2)を含んでいる。Tdryは、特に、乗員が許容できる最高温度Ttoleratedと、加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目とに基づいて計算される。
【0067】
好適な実施形態によれば、加熱パネルの加熱面を表すデータとは、その構成材料の熱浸透率εmatである。加熱面は、革、木材、布、ペンキ、ラッカー、金属、プラスチック、または車室の加熱パネルを見栄え良く固定できるその他の材料から作製され得る。
【0068】
図3は、種々の材料の熱浸透率εmat(単位:J.m-2.K-1.s-1/2)を示す。金属は、コンクリートや木材と比較して高い熱浸透率を有することに留意されたい。
【0069】
例1:加熱面がスチール製である。
スチールの平均熱浸透率εsteelは、14,000J.m-2.K-1.s-1/2である。
皮膚の平均熱浸透率εskinは、400J.m-2.K-1.s-1/2であり、その平均温度Tskinは37℃である。
システムのセンサにより50℃の最高温度Ttoleratedを許容すると識別された乗員は、手6で加熱パネル1のスチール製加熱面5に接触する可能性がある。制御方法により決定された加熱面5の乾球温度Tdry(ボックス8および9、図2)は、以下の式により最高許容温度にリンクされる。
【数1】
スチールの熱浸透率と当該乗員が許容できる最高温度とに基づいて決定されたスチール製の加熱面の乾球温度は、およそ50℃であるという結論となる。
【0070】
例2:加熱面が木材製である。
木材の平均熱浸透率εwoodは、500J.m-2.K-1.s-1/2である。
皮膚の平均熱浸透率εskinは、400J.m-2.K-1.s-1/2であり、その平均温度Tskinは、およそ37℃である。
システムのセンサにより50℃の最高温度Ttoleratedを許容すると識別された乗員は、手6で加熱パネル1の木材製加熱面5に接触する可能性がある。制御方法により決定された加熱面5の乾球温度Tdry(ブロック8および9、図2)は、以下の式により最高許容温度にリンクされる。
【数2】
木材の熱浸透率と当該乗員が許容できる最高温度とに基づいて決定された木製の加熱面の乾球温度は、およそ60℃であるという結論となる。
【0071】
好適な実施形態によれば、加熱パネルの加熱面を表すデータ項目は、材料の熱浸透率εcorrectedである。εcorrectedとは、材料の表面仕上げ、特にその粗さを考慮した因子または係数により補正された材料の熱浸透率である。図4は、種々の材料の粗さRaの関数としての因子Coの変化を示す。粗さRa(平均粗さ)は、本質的に構成材料の性質と作成方法とに関連する。粗さは、材料の表面上の全ての凹凸(不規則性)、特に凸部(ざらつき)および凹部として定義され得る。粗さは、粗さ試験(材料の表面を一連の基準サンプルに対して視覚および/または触覚により比較する)を実施する、または粗さ計(スタイラスプローブ、焦点変動顕微鏡、共焦点顕微鏡、または原子間力顕微鏡(AFM))を使用するという2つのアプローチにしたがって評価され得ることが、当業者に知られている。
【0072】
図5は、種々の金属(銅、アルミニウム、スチール、ポリエチレン、木材)の粗さ(R)の関数としての熱浸透率εcorrectedの変化を示す。熱浸透率εcorrectedは、加熱面を形成する材料の粗さとともに増加する。したがって、加熱面を形成する材料が粗いほど、加熱面に適用され得る乾球温度は高くなる。
【0073】
好適な実施形態によれば、加熱面の温度を制御するための方法7は、乗員の皮膚と加熱パネルの加熱面との接触期間または時間に関する少なくとも1つの時間情報項目(t)を取得するステップ(ボックス10、図2)を更に含んでいる。本方法は、乗員が許容できる最高温度を決定するために、この時間情報項目を考慮する。時間tは、レーダーやその他の適切な装置を使用して測定可能である。図6は、加熱面の種々の構成材料について、接触時間tの関数としての加熱面の最高認容温度を各々が示す重ね合わせ曲線を含んでいる。
【0074】
図6によれば、皮膚と加熱面との接触時間が長いほど、加熱面を形成する材料の種類に関係なく、乗員が許容できる最高温度は低くなる。
【0075】
接触時間tを考慮に入れることにより、加熱パネルの加熱面の温度を制御するためのより効率的なモデルを提案することができる。
【0076】
測定装置が設けられていない場合、接触時間tは1秒に設定される。これは、人が加熱面に意図せずに接触したときに手を引っ込める臨界時間である。
【0077】
好適な実施形態によれば、加熱面の温度を制御するための方法7は、乾球温度を補正するステップ(ボックス11、図2)を更に含んでいる。このステップは、補正係数Cを適用することからなる。こうして、補正乾球温度(Tdry corrected)が決定される。これは、加熱パネルの加熱面の最高認容温度である。Cは、加熱面の温度に応じて異なる。図7は、加熱面の温度Tの関数として適用される補正係数の変化の例である。Tが任意に決定された臨界温度T(Tは固定値または温度域であり得る)に近づくにつれ、Cは減少する。非限定的な例として、Tは80℃である、または、Tは70℃~80℃である。TはTより小さいままである場合、Cは1とCmin=0.9との間にある。TがTを超えると、Cはゼロになる。
【0078】
したがって、補正係数Ccを安全対策として利用でき、システム障害のリスクを克服することができる。
【0079】
各ボックス9、10または11に関するいずれかのステップが実施されると(ボックス10および11に関するステップは任意のステップである)、加熱面の最高認容温度Tmaxが最終的に決定され得る(ボックス12、図2)。
【0080】
本方法の少なくともいくつかのステップの順序を逆にすることが可能であることに留意されたい。
【0081】
また、加熱面の温度を制御するための方法は、当該加熱パネルの加熱面の認容温度Tmaxの関数としての、加熱パネルの最大パワー出力Pmaxを決定するステップ(ボックス13、図2)を含み得る。有利には、加熱パネルのパワー出力P(t)は、Pmaxより小さい。本方法は、P(t)を決定する(ボックス14、図2)ために、加熱パネル周辺の熱環境(車室内部の温度、外気温等)を表す少なくとも1つのデータ項目を考慮する。
【0082】
本方法は、車室内部の乗員に関する少なくとも1つの空間情報項目を取得するステップを更に含み得る。本方法は、加熱パネルの加熱面に接触する可能性のある乗員の身体の部分(手、足、腕等)を決定するために、前記少なくとも1つの空間情報項目を考慮する。この情報は、車室の天井に設置された広角赤外線カメラにより形成される赤外線ドームにより取得され得る。したがって、乗員の身体の一部が接触する可能性がある加熱面の位置を特定し、特にこの加熱面の温度を制御することができる。
【0083】
図8は、加熱パネル1の加熱面の温度を制御するための装置15を示す。本装置は、車室に収容された乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または加熱パネルの加熱面を表す少なくとも1つのデータ項目の関数として加熱面の温度を制御するように配置されたデータ処理ユニット16を含んでいる。このようなデータは、以下のうちの少なくとも1つのセンサにより決定され得る。
- 車室内の少なくとも一人の乗員を観察するように配置されたカメラ、特にDMSカメラ17、
- 車室の天井に配置された広角赤外線カメラにより形成された赤外線ドーム18、
- 生理学的センサ19、
- 車室内の支配的な(優勢な)温度を検出するセンサ20。
【0084】
結論として、本発明は、加熱パネルの加熱面に接触する可能性のある乗員が火傷を負うリスクを最小限にする、または排除し得る。したがって、本発明は、車両の内部における安全性に関して増大するニーズに応えることができる。本発明の利点の1つは、個人に合わせた運転を提供することである。なぜならば、温度制御方法は、乗員のプロファイルを表す少なくとも1つのデータ項目、および/または加熱パネルの加熱面に関する少なくとも1つのデータ項目を考慮するからである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8