(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】ゲームプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20221205BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20221205BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/69 520
A63F13/69 510
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2021115195
(22)【出願日】2021-07-12
(62)【分割の表示】P 2019058067の分割
【原出願日】2013-12-20
【審査請求日】2021-07-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ゲームサービスを提供するウェブサイトからゲームアプリをダウンロード可能となった日: 平成25年11月6日 ゲームサービスを提供するウェブサイトのアドレス: http://sp.mbga.jp/_game_launch?game_id=12016004
(73)【特許権者】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100156605
【氏名又は名称】山田 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 恭平
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特許第5204330(JP,B1)
【文献】特開2013-202405(JP,A)
【文献】特許第5153960(JP,B1)
【文献】特開2012-005652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターに、
プレイヤーへ第1のゲームコンテンツを付与する第1ステップと、
前記第1のゲームコンテンツが、前記プレイヤーが所持している第2のゲームコンテンツと、同一であるか否かを判定する第2ステップと、
同一でないと判定した場合に、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させる第3ステップと、
同一であると判定した場合に、
前記第2のゲームコンテンツのパラメーターが最大値に達する前では、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、自動で前記パラメーターを上昇させる
第4ステップと、
同一であると判定した場合に、前記パラメーターが最大値に達した
後では、
前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、前記第2のゲームコンテンツのパラメーターを上昇させることなく、プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムを、
自動で前記プレイヤーに所持させるために付与する
第5ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムであって、
前記第2ステップでは、前記第1のゲームコンテンツの付与を契機として、前記第2のゲームコンテンツと同一であるか否かの判定を自動で行う、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムであって、
前記第1ステップでは、抽選によって前記第1のゲームコンテンツをプレイヤーに付与する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲームプログラムであって、
前記
第5ステップでは、前記プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムとして、ゲーム内で利用可能な仮想通貨を付与する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載のゲームプログラムであって、
前記
第5ステップでは、前記プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムとして、前記第1のゲームコンテンツに設定されたレアリティに基づくゲームアイテムを付与する、
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
コンピューターに、
プレイヤーへ第1のゲームコンテンツを付与する第1ステップと、
前記第1のゲームコンテンツが、前記プレイヤーが所持している第2のゲームコンテンツと、同一であるか否かを判定する第2ステップと、
同一でないと判定した場合に、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させる第3ステップと、
同一であると判定した場合に、
前記第2のゲームコンテンツのパラメーターが最大値に達する前では、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、自動で前記パラメーターを上昇させ、上昇した前記パラメーターをゲーム画面に表示する
第4ステップと、
同一であると判定した場合に、前記パラメーターが最大値に達した
後では、
前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、前記第2のゲームコンテンツのパラメーターを上昇させることなく、プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムを、
自動で前記プレイヤーに所持させるために付与し、前記ゲームアイテムをゲーム画面に表示する
第5ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
コンピューターに、
プレイヤーへ第1のゲームコンテンツを付与する第1ステップと、
前記第1のゲームコンテンツが、前記プレイヤーが所持している第2のゲームコンテンツと、同一であるか否かを判定する第2ステップと、
同一でないと判定した場合に、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させる第3ステップと、
同一であると判定した場合に、
前記第2のゲームコンテンツのパラメーターの上限値が限界値に達する前では、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、自動で前記パラメーターの上限値を上昇させる
第4ステップと、
同一であると判定した場合に、前記上限値が限界値に達した
後では、
前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、前記第2のゲームコンテンツのパラメーター
の上限値を上昇させることなく、プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムを、
自動で前記プレイヤーに所持させるために付与する
第5ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項8】
コンピューターに、
プレイヤーへ第1のゲームコンテンツを付与する第1ステップと、
前記第1のゲームコンテンツが、前記プレイヤーが所持している第2のゲームコンテンツと、同一であるか否かを判定する第2ステップと、
同一でないと判定した場合に、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させる第3ステップと、
同一であると判定した場合に、
前記第2のゲームコンテンツのパラメーターの上限値が限界値に達する前では、前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、自動で前記パラメーターの上限値を上昇させ、前記上限値をゲーム画面に表示する
第4ステップと、
同一であると判定した場合に、前記上限値が限界値に達した
後では、
前記第1のゲームコンテンツを前記プレイヤーに所持させずに、前記第2のゲームコンテンツのパラメーター
の上限値を上昇させることなく、プレイヤーにとって有利となるゲームアイテムを
自動で付与し、前記ゲームアイテムをゲーム画面に表示する
第5ステップと、
を実行させることを特徴とするゲームプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び、ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベースとなるゲームコンテンツに合成素材となるゲームコンテンツを合成することによって、そのベースとなるゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させるゲームシステムが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このゲームシステムでは、ベースとなるゲームコンテンツに合成素材となるゲームコンテンツを合成する度に、ベースとなるゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させて行くことができるものの、それには限界があった。限界に達してしまうと、ゲームコンテンツの合成によってそのパラメーターをさらに変動させることができなくなってしまうため、繰り返し合成することのメリットが少なかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲームコンテンツの合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
ベースとなる第1ゲームコンテンツ及び合成素材となる第2ゲームコンテンツの合成に関する所定条件が成立したか否かを判定する判定処理部と、
前記所定条件の成立前は、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させ、かつ、
前記所定条件の成立後には、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定された前記パラメーターを変動させることなく、特典を付与する合成処理部と、
を備えた情報処理装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ゲームシステム1の全体構成例を示す図である。
【
図2】サーバー装置10の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図3】プレイヤー端末20の機能上の構成を示すブロック図である。
【
図4】キャラクター情報のデータ構造例を示す図である。
【
図5】アイテム情報のデータ構造例を示す図である。
【
図6】プレイヤー情報のデータ構造例を示す図である。
【
図7】所有キャラクター情報のデータ構造例を示す図である。
【
図8】所有アイテム情報のデータ構造例を示す図である。
【
図9】ゲームシステム1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図10】キャラクター合成処理を説明するためのフローチャートである。
【
図11】キャラクター合成前のゲーム画面50の一例を示す図である。
【
図12】キャラクター合成の様子を示すゲーム画面50の一例を示す図である。
【
図13】キャラクター合成後のゲーム画面50の一例を示す図である。
【
図14】アイテム付与後のゲーム画面50の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、ベースとなる第1ゲームコンテンツ及び合成素材となる第2ゲームコンテンツの合成に関する所定条件が成立したか否かを判定する判定処理部と、
前記所定条件の成立前は、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させ、かつ、
前記所定条件の成立後には、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定された前記パラメーターを変動させることなく、特典を付与する合成処理部と、
を備えた情報処理装置である。
このような情報処理装置によれば、所定条件の成立前後に亘ってゲームコンテンツを合成することによるメリットを、プレイヤーに対して与え続けることができるため、ゲームコンテンツの合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることが可能となる。
【0008】
また、かかる情報処理装置であって、
前記判定処理部は、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成することが可能か否かを判定し、かかる判定結果に基づいて前記所定条件が成立したか否かを判定する、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、先ずは第1ゲームコンテンツに対して第2ゲームコンテンツを合成することが可能か否かの判定が行われることになるため、合成が不可能であれば、その後に続く所定条件の成立を判定する処理を省略することができる。
【0009】
また、かかる情報処理装置であって、
前記合成処理部は、前記所定条件の成立前において、前記第1ゲームコンテンツに対し、当該第1ゲームコンテンツと同一のゲームコンテンツを前記第2ゲームコンテンツとして合成する度に、当該第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターの上限を段階的に変動させる、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、同一のゲームコンテンツがプレイヤーに繰り返し付与されたとしても、第1ゲームコンテンツを段階的に成長させることができるため、同一のゲームコンテンツの合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることが可能となる。
【0010】
また、かかる情報処理装置であって、
前記合成処理部は、前記所定条件の成立後において、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第2ゲームコンテンツに設定された特性に基づく特典を付与する、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、ゲームコンテンツの合成を繰り返すに際に、第2ゲームコンテンツの特性を反映させることができる。
【0011】
また、かかる情報処理装置であって、
前記合成処理部は、前記第2ゲームコンテンツに設定されたレアリティのクラスに応じて異なる特典を付与する、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、第2ゲームコンテンツの特性によってプレイヤーに付与される特典が異なるため、ゲームコンテンツの合成を繰り返し行なう意欲を持続させることができる。
【0012】
また、かかる情報処理装置であって、
複数のゲームコンテンツの中から選択されたいずれかのゲームコンテンツを付与するゲームコンテンツ付与処理部と、をさらに備え、
前記判定処理部は、前記ゲームコンテンツ付与処理部によって前記ゲームコンテンツが付与された際に、前記所定条件が成立したか否かを判定し、
前記合成処理部は、
前記判定処理部によって前記所定条件が成立していないと判定された場合に、自動的に前記第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させ、
前記判定処理部によって前記所定条件が成立したと判定された場合には、自動的に前記特典を付与する、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、ゲームコンテンツが付与されたことを契機として、所定条件の成立前後に亘ってゲームコンテンツを合成することによるメリットが自動的に付与されることになるため、操作入力に要するプレイヤーの手間を軽減させることができる。
【0013】
また、かかる情報処理装置であって、
前記所定条件は、前記第1ゲームコンテンツと前記第2ゲームコンテンツとを合成した合成回数が所定回数に達したこと、又は、前記第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターの上限が限界値に達したことである、こととしてもよい。
このような情報処理装置によれば、合成回数やパラメーターの上限に制限を設けることによって、第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを過度に変動させないように抑制することができる。
【0014】
次に、コンピューターに、
ベースとなる第1ゲームコンテンツ及び合成素材となる第2ゲームコンテンツの合成に関する所定条件が成立したか否かを判定する判定処理と、
前記所定条件の成立前は、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させ、かつ、
前記所定条件の成立後には、前記第1ゲームコンテンツに対して前記第2ゲームコンテンツを合成する度に、前記第1ゲームコンテンツに設定された前記パラメーターを変動させることなく、特典を付与する合成処理と、
を実行させることを特徴とするゲームプログラムである。
このようなゲームプログラムによれば、ゲームコンテンツの合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることが可能となる。
【0015】
===実施形態===
<<ゲームシステム1の構成について>>
図1は、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例を示す図である。ゲームシステム1は、ネットワーク2(例えば、インターネット等)を介してゲームに関する各種サービスをプレイヤーに提供するものであり、サーバー装置10と、複数のプレイヤー端末20と、を含んで構成される。
【0016】
<サーバー装置10の構成について>
図2は、本実施形態に係るサーバー装置10の機能上の構成を示すブロック図である。サーバー装置10は、システム管理者等がゲームサービスを運営・管理する際に利用する情報処理装置(例えば、ワークステーションやパーソナルコンピューター等)であり、プレイヤー端末20から各種のコマンド(リクエスト)を受信すると、プレイヤー端末20上で動作可能なゲームプログラムや、プレイヤー端末20の規格に合わせたマークアップ言語(HTML等)で作成されたWebページ(ゲーム画面等)を配信(レスポンス)することができる。このサーバー装置10は、制御部11と、記憶部12と、入力部13と、表示部14と、通信部15と、を有している。
【0017】
制御部11は、各部間のデータの受け渡しを行うと共に、サーバー装置10全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。本実施形態の制御部11は、キャラクター付与処理部111、対戦処理部112、合成処理部113、判定処理部114、更新処理部115、画面データ生成部116を備えている。
【0018】
キャラクター付与処理部111は、ゲームコンテンツ付与処理部の一例であって、プレイヤーに対してゲームコンテンツの一例としてのキャラクターを付与する処理を実行する機能を有している。ゲームコンテンツは、電子的なゲームデータであって、例えば、キャラクター、キャラクター等が対応付けられたゲームカードやフィギア等、又は、ゲームにて使用される道具・アビリティ等のアイテムなどである。
【0019】
対戦処理部112は、対戦ゲームに関する各種処理を実行する機能を有している。本実施形態における対戦処理部112は、プレイヤーキャラクターと敵キャラクターとの対戦について勝敗を決定する処理を実行する。
【0020】
合成処理部113は、ゲームコンテンツの合成に関する各種処理を実行する機能を有している。ゲームコンテンツの合成は、ベースとなるゲームコンテンツ(以下、「ベースコンテンツ」とも呼ぶ)に、合成素材となるゲームコンテンツ(以下、「素材コンテンツ」とも呼ぶ)を合成することによって、合成素材となるゲームコンテンツをプレイヤーに所有させることなく、合成後のベースとなるゲームコンテンツを引き続きプレイヤーに所有させることである。本実施形態における合成処理部113は、パラメーター変動処理部113Aと、特典付与処理部113Bと、を有している。
【0021】
パラメーター変動処理部113Aは、ゲームコンテンツに設定されたパラメーターを変動させる処理を実行する機能を有している。本実施形態におけるパラメーター変動処理部113Aは、例えば、ベースコンテンツに設定されたパラメーターの値を上限までの間で上昇させたり、そのパラメーターの上限を上昇させたりする。
【0022】
特典付与処理部113Bは、プレイヤーに対して特典を付与する処理を実行する機能を有している。本実施形態における特典付与処理部113Bは、例えば、素材コンテンツに設定された特性に基づく特典を付与する。この特典とは、プレイヤーにとって有利となるゲームサービスを提供することであって、例えば、ゲームアイテム(例えば、ベースコンテンツを強化するためのアイテム)や仮想メダル(ゲーム空間内で利用できる仮想通貨)をプレイヤーに付与することである。
【0023】
判定処理部114は、各種の判定処理を実行する機能を有している。本実施形態における判定処理部114は、例えば、ベースコンテンツ及び素材コンテンツの合成に関する所定条件が成立したかを判定する。この所定条件とは、例えば、ベースコンテンツ及び素材コンテンツの合成回数が所定回数に達したことである。
【0024】
更新処理部115は、記憶部12に記録されている各種情報を更新する処理を実行する機能を有している。本実施形態における更新処理部115は、例えば、プレイヤーがゲームコンテンツを所有したこと又は所有しなくなったことに応じて、記憶部12に記憶されているプレイヤー情報の記録を更新する。
【0025】
画面データ生成部116は、ゲーム画面をプレイヤー端末20に表示させるための画面データを生成する処理を実行する機能を有している。本実施形態の画面データ生成部116は、ゲーム画面に対応する画面データとしてHTMLデータを生成する。
【0026】
記憶部12は、システムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態の記憶部12は、キャラクターに関する情報であるキャラクター情報と、アイテムに関する情報であるアイテム情報と、プレイヤーに関する情報であるプレイヤー情報とを、少なくとも記憶する。なお、これら各情報については追って詳述する。
【0027】
入力部13は、システム管理者等が各種データ(例えば、キャラクター情報等)を入力するためのものであり、例えば、キーボードやマウス等によって実現される。
【0028】
表示部14は、制御部11からの指令に基づいてシステム管理者用の操作画面を表示するためのものであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。
【0029】
通信部15は、プレイヤー端末20との間で通信を行うためのものであり、プレイヤー端末20から送信される各種データや信号を受信する受信部としての機能と、制御部11の指令に応じて各種データや信号をプレイヤー端末20へ送信する送信部として機能とを有している。通信部15は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0030】
<プレイヤー端末20の構成について>
図3は、プレイヤー端末20の機能上の構成を示すブロック図である。本実施形態のプレイヤー端末20は、ゲームをプレイする際にプレイヤーが利用する情報処理装置(例えば、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット型端末等)であり、サーバー装置10に対してゲームに関する各種情報(ゲームプログラムやWebページ等)の配信要求を行うことができる。プレイヤー端末20は、プレイヤーにWebページを閲覧させるためのWebブラウザ機能を有しているため、サーバー装置10から配信されたWebページ(ゲーム画面等)を表示することができる。このプレイヤー端末20は、端末制御部21と、端末記憶部22と、端末入力部23と、端末表示部24と、端末通信部25と、を有している。
【0031】
端末制御部21は、各部間のデータの受け渡しを行うととともに、プレイヤー端末20全体の制御を行うものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、本実施形態の端末制御部21は、端末表示部24に表示されるゲーム画面の表示態様を制御する画面表示制御部としても機能する。端末記憶部22は、バスを介して端末制御部21に接続され、端末制御部21からの指令に応じて記憶されているデータを参照、読み出し、書き換える処理が行われる。この端末記憶部22は、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等によって実現される。端末入力部23は、プレイヤーが各種操作(ゲーム操作等)を行うためのものであり、例えば、操作ボタン、タッチパネル等によって実現される。端末表示部24は、端末制御部21からの指令によりゲーム画面を表示するためのものであり、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。端末通信部25は、ネットワーク2を介してサーバー装置10と各種情報の送受信を行うための送受信部として機能するものであり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0032】
<データ構造について>
図4は、サーバー装置10の記憶部12に記憶されるキャラクター情報のデータ構造例を示す図である。このキャラクター情報は、キャラクターID、キャラクター名、キャラクター画像、レアリティ、初期攻撃力、初期防御力、初期体力、初期上限攻撃力、初期上限防御力、初期上限体力、第2上限攻撃力、第2上限防御力、第2上限体力、第3上限攻撃力、第3上限防御力、第3上限体力等の項目(フィールド)を有している。キャラクターIDは、キャラクターを識別する識別情報である。キャラクター名は、キャラクターの表示名を示す情報である。キャラクター画像は、キャラクターの画像データである。レアリティは、キャラクターの希少価値に応じて複数クラスに分類された希少度を示す情報である。本実施形態においては、4段階のクラスに分類されたレアリティ(「コモン」→「アンコモン」→「レア」→「スーパーレア」)がキャラクターに設定されている。初期攻撃力、初期防御力、初期体力は、キャラクターに最初に設定された能力に関するパラメーター(能力値)である。初期上限攻撃力、初期上限防御力、初期上限体力は、キャラクターの能力パラメーターに最初に(第1段階目に)設定された上限値である。第2上限攻撃力、第2上限防御力、第2上限体力は、キャラクターの能力パラメーターに第2段階目に設定された上限値である。第3上限攻撃力、第3上限防御力、第3上限体力は、キャラクターの能力パラメーターに第3段階目に設定された上限値(限界値)である。このように、本実施形態では、キャラクターの能力パラメーターに対して3つの上限値が段階的に設定されている。
【0033】
図5は、サーバー装置10の記憶部12に記憶されるアイテム情報のデータ構造例を示す図である。このアイテム情報は、アイテムID、アイテム名等の項目を有している。アイテムIDは、アイテムを識別する識別情報である。アイテム名は、アイテムの表示名を示す情報である。
【0034】
図6は、サーバー装置10の記憶部12に記憶されるプレイヤー情報のデータ構造例を示す図である。このプレイヤー情報は、プレイヤーID、仮想メダル、自動合成設定、所有キャラクター情報、所有アイテム情報等の項目を有している。プレイヤーIDは、プレイヤーを識別する識別情報である。仮想メダルは、プレイヤーが所有するゲーム価値の一例としての仮想メダルの量を示す情報である。プレイヤーは、ゲームの進行中に仮想メダルを獲得することができ、この仮想メダルを用いてキャラクターのパラメーターを変動させて強化することもできる。自動合成設定は、キャラクター合成を自動的に行う自動合成の設定状態を示す情報である。プレイヤーの操作に従って自動合成設定に「ON」が設定されていれば、キャラクターの自動合成が有効となり、「OFF」が設定されていれば、キャラクターの自動合成が無効となる。所有キャラクター情報は、プレイヤーが所有するキャラクター(以下、「所有キャラクター」とも呼ぶ)を示す情報である。所有アイテム情報は、プレイヤーが所有するゲームアイテム(以下、「所有アイテム」とも呼ぶ)を示す情報である。
【0035】
図7は、所有キャラクター情報のデータ構造例を示す図である。この所有キャラクター情報は、キャラクターID、攻撃力、防御力、体力、上限攻撃力、上限防御力、上限体力、合成回数等の項目を有している。キャラクターIDは、所有キャラクターを識別する識別情報である。所有キャラクターの攻撃力、防御力、体力は、所有キャラクターに設定された現時点におけるパラメーターの値(現在値)である。キャラクターの上限攻撃力、上限防御力、上限体力は、所有キャラクターに設定されたパラメーターの現時点における上限値を示す情報である。これら各種のパラメーターは、ゲームの進行に応じて更新される。合成回数は、キャラクター合成を行った回数を示す情報である。
【0036】
図8は、所有アイテム情報のデータ構造例を示す図である。この所有アイテム情報は、アイテムID、所有数の項目を有している。アイテムIDは、プレイヤーが所有する各種のアイテムを識別する識別情報である。所有数は、プレイヤーが所有するアイテムの数量を示す情報である。
【0037】
<<ゲームの概要について>>
ここでは、本実施形態のゲームシステム1によって提供されるゲームの概要について説明する。このゲームシステム1では、ゲームキャラクターが対応付けられた電子的なゲームカード(ゲーム内で使用される仮想カード。以下では、単に「キャラクター」とも呼ぶ)を用いて行う各種ゲームが提供される。
【0038】
<対戦ゲーム>
本実施形態のゲームシステム1において、プレイヤーは、キャラクターを複数所有することができる。プレイヤーは、自らが所有するプレイヤーキャラクターを用いて対戦ゲームを行うことができる。具体的には、対戦処理部112は、プレイヤーの対戦相手となる敵キャラクターを決定し、プレイヤーキャラクター及び敵キャラクターの各々に設定された各種パラメーター(攻撃力、防御力、体力等)に基づいて、これらのキャラクター同士による対戦についての勝敗を決定する。敵キャラクターとの対戦に勝利した場合には、その敵キャラクターが保有するアイテムや、その敵キャラクター自体がプレイヤーに対して付与される。
【0039】
<抽選ゲーム>
本実施形態におけるゲームシステム1において、プレイヤーは、所謂「ガチャガチャ」(登録商標)と呼ばれる抽選ゲームを行うことができる。抽選ゲームでは、複数のキャラクターの中から選択されたキャラクターがプレイヤーに対して付与される。この抽選ゲームには、通常の抽選ゲームと特別な抽選ゲームとがある。通常の抽選ゲームでは、1回の抽選が行われると、1つのキャラクターがプレイヤーに対して付与される。その一方で、特別な抽選ゲームでは、1回の抽選が行われると、一度に複数のキャラクターがプレイヤーに対して付与される。プレイヤーは、通常の抽選ゲーム及び特別な抽選ゲームのいずれかを選択的に行うことができる。プレイヤーは、この抽選ゲームを繰り返し行なうことによって、自らが所有するキャラクターを最大数に達するまで増やすことができる。そして、プレイヤーは、自らの所有するキャラクターを用いて前述した対戦ゲームを行うことができる。
【0040】
<キャラクター合成>
本実施形態のゲームシステム1では、プレイヤーは、自らの所有する複数のキャラクターの中から選択したベースとなるキャラクター(以下、「ベースキャラクター」とも呼ぶ)に対し、合成素材となるキャラクター(以下、「素材キャラクター」とも呼ぶ)を組み合せることによって、キャラクター合成を行うことができる。
【0041】
本実施形態においては、キャラクター合成によってプレイヤーに与えることのできるメリットが、キャラクター合成に関する所定条件が成立する前と成立した後で異なる。以下では、キャラクター合成に関する所定条件が、キャラクター合成を行った回数(合成回数)が所定回数に達したことであるものとして説明する。
【0042】
先ずは、合成回数が所定回数に到達する前において、ベースキャラクターと素材キャラクターとが同じキャラクターである場合に、ベースキャラクターに対してその素材キャラクターを合成することにより、合成前のベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値が上昇し、そのパラメーターの値が上限を超えて上昇できるように合成後のベースキャラクターに対して再設定される。このようにしてキャラクター合成が行われると、プレイヤーは、ベースキャラクター及び素材キャラクターの双方を所有できず、合成によって強化された後のベースキャラクターのみを所有することができる。
【0043】
そして、合成回数が所定回数に到達するまでは、キャラクター合成が繰り返されると、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値が段階的に上昇する。本実施形態では、
図4のキャラクター情報に示すとおり、合成回数が3回までに制限されているため、3回のキャラクター合成を繰り返すと、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値が限界値に到達することになり、それ以上のキャラクター合成を繰り返しても、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値を上昇させることができなくなる。
【0044】
次に、合成回数が所定回数に到達した後においては、ベースキャラクターと素材キャラクターとが同じキャラクターである場合に、ベースキャラクターに対してその素材キャラクターを合成する度に、合成前のベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値(限界値)をさらに上昇させることができないものの、その素材キャラクターに設定された特性に基づく特典がプレイヤーに対して付与される。このようにしてキャラクター合成が行われると、プレイヤーは、素材キャラクターを所有できず、引き続きベースキャラクターのみを所有することができると共に、素材キャラクターの特性に基づく特典を得ることができる。本実施形態では、上述したとおり、合成回数が3回までに制限されているため、4回目、5回目、6回目…のキャラクター合成を行なう度に、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値(限界値)に変動はないものの、素材キャラクターの特性に基づく特典がプレイヤーに対して付与される。
【0045】
また、本実施形態においては、素材キャラクターの特性に基づく特典が、素材キャラクターに設定されたレアリティのクラスに応じて異なる。具体的には、素材キャラクターのレアリティがレア以上のクラスである場合には、特典としてゲームアイテムがプレイヤーに対して付与される。素材キャラクターのレアリティがアンコモン以下のクラスである場合には、特典として仮想メダルがプレイヤーに対して付与される。
【0046】
このように、所定条件の成立前後に亘ってキャラクター合成を行なうことによるメリットを、プレイヤーに対して与え続けることができるため、キャラクター合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることが可能となる。
【0047】
<自動合成>
本実施形態のゲームシステム1では、プレイヤーが予め設定操作を行うことで、対戦ゲームや抽選ゲームによってプレイヤーに対してキャラクターが付与された際に、プレイヤーの操作によらず自動的にキャラクター合成を行なうことができる。これにより、キャラクターが付与されたことを契機として、そのキャラクターがベースキャラクターに対して合成することのできる素材キャラクターとなり得るか否かが判定された上で、キャラクター合成が自動的に行われることになる。そのため、プレイヤーの操作入力に要する手間を軽減させることが可能となる。
【0048】
<<ゲームシステム1の動作について>>
図9は、本実施形態におけるゲームシステム1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0049】
プレイヤー端末20は、プレイヤーが抽選ゲームを開始するための操作を行うと、抽選ゲーム開始要求をサーバー装置10に送信する。サーバー装置10は、プレイヤー端末20から送信された抽選ゲーム開始要求を受信すると、キャラクター付与処理を実行する(S101)。具体的には、キャラクター付与処理部111は、
図4に示すキャラクター情報に基づいて、複数のキャラクターの中から選択したキャラクターを、プレイヤーに対して付与する。
【0050】
次いで、サーバー装置10は、プレイヤーに対してキャラクターが付与されると、キャラクター合成が自動合成に設定されているか否かを判定する(S102)。すなわち、判定処理部114は、
図6に示すプレイヤー情報を参照して、自動合成設定の項目が「ON」に設定されているか否かを判定する。
なお、自動合成設定をプレイヤーに事前に行わせることなく、かつ、ステップ102における判定処理を省略して、キャラクター合成については常に自動合成が行われるようにしても良い。
【0051】
かかる判定の結果、自動合成設定が「OFF」に設定されていると判定された場合には(S102:NO)、ステップ104に進み、画面データ生成処理が実行される。すなわち、画面データ生成処理部116は、プレイヤーに付与されたキャラクターを含むゲーム画面に対応する画面データを生成する。
【0052】
その一方で、自動合成設定が「ON」に設定されていると判定された場合には(S102:YES)、ステップ103に進み、キャラクター合成処理が実行される。以下では、キャラクター合成処理に関する動作例について具体的に説明する。
【0053】
図10は、キャラクター合成処理を説明するためのフローチャートである。
先ずは、サーバー装置10は、ベースキャラクターに対して素材キャラクターを合成することが可能であるか否かを判定する処理を実行する。すなわち、判定処理部114は、プレイヤーに対して付与されたキャラクター(素材キャラクター)が、プレイヤーによって指定されたベースキャラクターと同一のキャラクターであるか否かを判定する(S201)。本実施形態では、ベースキャラクターと同一のキャラクターであるか否かの判定は、キャラクターIDが一致するか否かによって行われる。
【0054】
かかる判定の結果、ベースキャラクターと同一のキャラクターでないと判定された場合には(S201:NO)、ステップ207に進み、更新処理が実行される。すなわち、更新処理部115は、プレイヤーに対して付与されたキャラクターをプレイヤーの所有キャラクターとして記憶部12に記録することにより、
図7に示す所有キャラクター情報を更新する。
【0055】
その一方で、ベースキャラクターと同一のキャラクターであると判定された場合には(S201:YES)、ステップ202に進み、キャラクター合成に関する所定条件が成立したか否かが判定される。すなわち、判定処理部114は、
図7に示す所有キャラクター情報を参照して、プレイヤーによって指定されたベースキャラクターの合成回数が、最大回数(本実施形態では、3回)に到達しているか否かを判定する。
【0056】
かかる判定の結果、ベースキャラクターの合成回数が最大回数に到達していないと判定された場合には(S202:NO)、ステップ203に進み、パラメーター変動処理が実行される。具体的には、パラメーター変動処理部113Aは、
図4に示すキャラクター情報及び
図7に示す所有キャラクター情報に基づいて、ベースキャラクターに設定された能力パラメーターの上限値を、現在の段階から次の段階へ上昇させる。この際、パラメーター変動処理部113Aは、ベースキャラクターに設定された能力パラメーターの現在値も併せて上昇させることができる。その後、ステップ207に進み、更新処理部115は、プレイヤーに対して付与されたキャラクターをプレイヤーの所有キャラクターとはせず、かつ、ベースキャラクターに設定された能力パラメーターに対して新たな現時点の上限値を再設定することによって、
図7に示す所有キャラクター情報を更新する。
【0057】
その一方で、ベースキャラクターの合成回数が最大回数に到達したと判定された場合には(S202:YES)、ベースキャラクターに設定された能力パラメーターを変動させることなく、ステップ204に進み、プレイヤーに対して付与されたキャラクターに設定された特性に関する所定条件が成立したか否かが判定される。具体的には、判定処理部114は、
図4に示すキャラクター情報を参照することにより、プレイヤーに対して付与されたキャラクターに設定されたレアリティが「レア」以上であるか否かを判定する。
【0058】
かかる判定の結果、プレイヤーに対して付与されたキャラクターに設定されたレアリティが「レア」以上である(つまり、「レア」又は「スーパーレア」である)と判定された場合は(S204:YES)、ステップ205に進み、アイテム付与処理が実行される。すなわち、特典付与処理部113Bは、
図5に示すアイテム情報に基づいて、複数のアイテムの中から選択したアイテムをプレイヤーに対して付与する。その後、ステップ207に進み、更新処理が実行される。すなわち、更新処理部115は、プレイヤーに対して付与されたキャラクターをプレイヤーの所有キャラクターとはせず、かつ、プレイヤーに対して付与されたアイテムをプレイヤーの所有アイテムとして記憶部12に記録することにより、
図8に示す所有アイテム情報を更新する。
【0059】
その一方で、プレイヤーに対して付与されたキャラクターに設定されたレアリティが「レア」未満である(つまり、「アンコモン」又は「コモン」である)と判定された場合は(S204:NO)、ステップ206に進み、仮想メダル付与処理が実行される。すなわち、特典付与処理部113Bは、所定量の仮想メダルをプレイヤーに対して付与する。その後、ステップ207に進み、更新処理部115が
図6に示すプレイヤー情報を更新する。その後、ステップ207に進み、更新処理が実行される。すなわち、更新処理部115は、プレイヤーに対して付与されたキャラクターをプレイヤーの所有キャラクターとはせず、かつ、プレイヤーに対して付与された仮想メダルを記憶部12に記録することにより、
図6に示すプレイヤー情報を更新する。
【0060】
次いで、
図9に戻り、サーバー装置10は、このようにしてキャラクター合成処理が終了すると、画面データ生成処理を実行する(S104)。すなわち、画面データ生成部116は、抽選ゲームに関するゲーム画面に対応する画面データを生成する。
【0061】
そして、サーバー装置10は、このようにして生成された画面データ(HTMLデータ)を、ネットワークを介して要求元のプレイヤー端末20に送信する。プレイヤー端末20は、サーバー装置10から送信されたこの画面データ(HTMLデータ)を受信すると、画面データを解析することにより、ゲーム画面(Webページ)を端末表示部24に表示させる。
【0062】
図11は、キャラクター合成前のゲーム画面50の一例を示す図である。このゲーム画面50には、ゲームフィールド領域51と、ベースキャラクター52と、素材キャラクター配置領域53が表示されている。ゲームフィールド領域51には、合成前のベースキャラクター52が表示されると共に、このベースキャラクター52に対応付けてキャラクター情報が表示されている。ここでは、ベースキャラクター52として「キャラクターA」が設定されており、その「キャラクターA」の能力パラメーターとして「攻撃力」、「防御力」、「体力」が表示されている。各パラメーターについては、上限値が「100」ポイントであるのに対して、現在値が「80」ポイントであることが示されている。素材キャラクター配置領域53には、プレイヤーに対して付与された5体のキャラクター54~58が表示されている。
【0063】
図12は、キャラクター合成の様子を示すゲーム画面50の一例を示す図である。ここでは、キャラクター合成に関する所定条件が未だ成立しておらず、キャラクター54が、ベースキャラクター52と同じ「キャラクターA」であるため、素材キャラクターとして自動的に選択されている。自動的に選択されたキャラクター54は、素材キャラクター配置領域53から移動して、ゲームフィールド領域51に配置され、その後にベースキャラクター52に対して自動合成される。
【0064】
図13は、キャラクター合成後のゲーム画面50の一例を示す図である。ゲームフィールド領域51には、合成後のベースキャラクター52である「キャラクターA」が表示されると共に、ベースキャラクター52に対応付けてキャラクター情報が表示されている。ここでは、「キャラクターA」の能力パラメーターとして「攻撃力」、「防御力」、「体力」が表示されている。各パラメーターについては、上限値が「200」ポイントに上昇し、かつ、現在値が「110」ポイントに上昇したことが示されている。すなわち、進化合成により、ベースキャラクター52に設定された能力パラメーターの現在値のみならず上限値が上昇したことが示されている。
【0065】
図14は、アイテム付与後のゲーム画面50の一例を示す図である。ここでは、キャラクター合成に関する所定条件が成立しており、ゲームフィールド領域51には、プレイヤーに対して付与されたゲームアイテム59である「アイテムA」が表示されている。
【0066】
以上のように、本実施形態に係るゲームシステム1によれば、プレイヤーに対して素材キャラクターが付与された際に、キャラクター合成に関する所定条件が成立する前にあっては、ベースキャラクターに対してその素材キャラクターを合成する度に、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値を段階的に上昇させることができる、といった第1のメリットがプレイヤーに対して与えられる。その一方で、キャラクター合成に関する所定条件が成立した後には、ベースキャラクターに対してその素材キャラクターを合成する度に、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値をさらに上昇させることはできないが、その素材キャラクターに設定された特性に基づく特典がプレイヤーに対して付与される、といった第2のメリットがプレイヤーに対して与えられる。このようにして、その所定条件の成立前後に亘ってキャラクター合成を行なうことによるメリットを、プレイヤーに対して与え続けることができるため、キャラクター合成を繰り返し行なうことのメリットを増大させることが可能となる。
【0067】
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0068】
<キャラクター合成>
上記の本実施形態では、ベースキャラクターに対して素材キャラクターを合成することが可能か否かを判定する際、
図10のステップ201において、ベースキャラクターと素材キャラクターが同一のキャラクターである場合に、キャラクター合成が可能となることを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ベースキャラクターと素材キャラクターが、同じグループに属するキャラクターである場合に、キャラクター合成が可能となるようにしても良いし、異なるキャラクターである場合に、キャラクター合成が可能となるようにしても良い。また例えば、ベースキャラクターに予め対応付けられた複数種類のキャラクターをプレイヤーが全て所有できた場合に、キャラクター合成が行われるようにしても良い。
【0069】
また、上記の本実施形態では、キャラクター合成に関する所定条件が成立する前に、ベースキャラクターと素材キャラクターの合成が繰り返されると、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値が段階的に上昇する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの現在値を上限値までの間で段階的に上昇させても良い。また例えば、合成前のベースキャラクターに対応するキャラクターIDを異なるキャラクターIDに変更することで、異なる種類のベースキャラクターに段階的に次々と変化させても良い。
【0070】
また、上記の本実施形態では、キャラクター合成に関する所定条件が成立した後に、ベースキャラクターと素材キャラクターの合成が繰り返されると、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限値をさらに上昇させないものの、その素材キャラクターに設定された特性に基づく特典をプレイヤーに対して付与する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、その所定条件の成立後、ベースキャラクターと素材キャラクターを合成する度に、ベースキャラクターに設定された能力パラメーターの上限値をさらに上昇させないが、特典として、ベースキャラクターに設定された好感度パラメーターの値を段階的に上昇させても良い。
【0071】
また、上記の本実施形態では、プレイヤーに対して1体の素材キャラクターが付与された際に、その1体の素材キャラクターをベースキャラクターに対して合成する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、特別な抽選ゲーム等により、プレイヤーに対して一度に2体以上の素材キャラクターが付与された際に、各々の素材キャラクターをベースキャラクターに対して連続的に合成する場合にも適用することもできる。
【0072】
<キャラクター合成に関する所定条件>
上記の本実施形態では、キャラクター合成に関する所定条件として、合成回数が所定回数(例えば、最大回数:3回)に達したことを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、合成回数には制限がない設定状態で、キャラクター合成を繰り返して行き、ベースキャラクターに設定されたパラメーターの上限が限界値(最大値)に達したことを、キャラクター合成に関する所定条件としても良い。
【0073】
<自動合成>
上記の本実施形態における自動合成は、特別な抽選ゲームが行われて一度に複数のキャラクターがプレイヤーに対して付与された場合にも、適用することができる。この際、例えば、プレイヤーに対して付与された複数のキャラクターの中の1体のキャラクターをベースキャラクターとして自動合成に使用し、その複数のキャラクターの中の残部のキャラクターを素材キャラクターとして自動合成に使用しても良い。
【0074】
<キャラクター付与処理>
上記の本実施形態では、キャラクター付与処理の一例として対戦ゲーム及び抽選ゲームを挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プレイヤーに与えられたミッションをクリアーすることにより、キャラクターを付与しても良い。また、プレイヤーがWebページ等に表示されたシリアルコードの入力することにより、キャラクターを付与しても良い。また、プレイヤーがゲームシステム1にログインすることにより、キャラクターを付与してもよい。さらに、ゲームシステム1において提供されたイベント(イベント内ポイントの消費、ランキング上位者)により、キャラクターを付与するようにしてもよい。
【0075】
<ベースキャラクターの指定>
上記の本実施形態では、プレイヤーが所有キャラクターの中からプレイヤーによって指定されたキャラクターを、ベースキャラクターとして合成に利用しても良いし、合成処理部113がプレイヤーの指定操作によらず自動的に選択したキャラクターを、ベースキャラクターとして合成に利用しても良い。
【0076】
<サーバー装置10>
上記の本実施形態では、サーバー装置の一例として1台のサーバー装置10を備えたゲームシステム1を例に挙げて説明したが、これに限らず、サーバー装置の一例として複数台のサーバー装置10を備えたゲームシステム1としてもよい。すなわち、複数台のサーバー装置10がネットワーク2を介して接続され、各サーバー装置10が各種処理を分散して行うようにしてもよい。
【0077】
<情報処理装置>
上記の本実施形態におけるゲームシステム1では、ゲームプログラムに基づきサーバー装置10及びプレイヤー端末20を協働させて各種情報処理を実行する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、情報処理装置としてのプレイヤー端末20単体、または、サーバー装置10単体が、ゲームプログラムに基づき上記の各種情報処理を実行するようにしてもよい。
また、情報処理装置としての機能の一部をプレイヤー端末20が担う構成としてもよい。この場合には、サーバー装置10及びプレイヤー端末20が情報処理装置を構成する。
なお、情報処理装置はプロセッサー及びメモリを備えるコンピューターの一例である。
【符号の説明】
【0078】
1 ゲームシステム、2 ネットワーク、10 サーバー装置、11 制御部、12 記憶部、13 入力部、14 表示部、15 通信部、20 プレイヤー端末、21 端末制御部、22 端末記憶部、23 端末入力部、24 端末表示部、25 端末通信部、50 ゲーム画面、51 ゲームフィールド領域、52 ベースキャラクター、53 素材キャラクター配置領域、54 キャラクター、55 キャラクター、56 キャラクター、57 キャラクター、58 キャラクター、59 ゲームアイテム、111 キャラクター付与処理部、112 対戦処理部、113 合成処理部、113A パラメーター変動処理部、113B 特典付与処理部、114 判定処理部、115 更新処理部、16 画面データ生成部