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特許7187649プラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】プラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20221205BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20221205BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20221205BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20221205BHJP
   C23C 16/04 20060101ALI20221205BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/302 105A
H01L21/316 X
H01L27/11556
H01L27/11582
C23C16/04
C23C16/50
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021175977
(22)【出願日】2021-10-27
(65)【公開番号】P2022074077
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】109137880
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514024712
【氏名又は名称】台湾ナノカーボンテクノロジー股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN CARBON NANO TECHNOLOGY CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,NO.50-1, Keyan Rd.,Zhunan Township, Miaoli County, Taiwan(R.O.C.)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】顔 聡富
(72)【発明者】
【氏名】張 光瑞
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群賢
(72)【発明者】
【氏名】李 庭鵑
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群榮
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0331034(US,A1)
【文献】特開平08-157295(JP,A)
【文献】特開2005-039123(JP,A)
【文献】国際公開第2019/212059(WO,A1)
【文献】特開2015-079802(JP,A)
【文献】特開2020-027873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/3065
H01L 21/316
H01L 27/11556
H01L 27/11582
C23C 16/04
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供するステップであって、前記基板はシリコン基板と第1酸化層とを含み、前記第1酸化層は前記シリコン基板に位置するステップと、
複数のスタッキング層を前記基板に堆積するステップであって、各前記スタッキング層は誘電体層と導体層とを含み、且つ前記スタッキング層の層数は20より大きく、各前記スタッキング層において、前記誘電体層が前記導体層の上方に位置し、又は前記導体層が前記誘電体層の上方に位置するステップと、
パターン化されたフォトレジスト層によって前記複数のスタッキング層をエッチングして、前記複数のスタッキング層に少なくとも1つのトレンチを形成させるステップであって、前記トレンチの底部に前記第1酸化層が露出するステップと、
プラズマ支援原子層堆積装置を用いて第2酸化層を前記複数のスタッキング層及び前記少なくとも1つのトレンチに堆積するステップであって、前記プラズマ支援原子層堆積装置はチャンバと、上部電極と、下部電極と、三次元回転装置とを含み、前記上部電極は前記チャンバの上方に位置し且つ前記上部電極に第1無線周波数電力装置が接続され、前記上部電極はプラズマを生成するように構成され、前記三次元回転装置は前記チャンバの下方に設けられ、前記下部電極は前記三次元回転装置に設けられ且つ前記下部電極に第2無線周波数電力装置が接続され、前記基板が前記下部電極に設けられて堆積工程が行われ、前記堆積工程において、前記三次元回転装置は前記基板を連れて回転させて、前記第2酸化層を均一に堆積するステップと、
前記プラズマ支援原子層堆積装置を用いて高抵抗層を前記第2酸化層に堆積するステップと、
前記プラズマ支援原子層堆積装置を用いて低抵抗層を前記高抵抗層に堆積するステップとを含むことを特徴とするプラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法。
【請求項2】
基板を提供するステップであって、前記基板はシリコン基板と第1酸化層とを含み、前記第1酸化層は前記シリコン基板に位置するステップと、
複数のスタッキング層を前記基板に堆積するステップであって、各前記スタッキング層は誘電体層と導体層とを含み、前記導体層はP型半導体層又はN型半導体層であり、前記誘電体層は酸化物層であるステップと、
パターン化されたフォトレジスト層によって前記複数のスタッキング層をエッチングして、前記複数のスタッキング層に少なくとも1つのトレンチを形成させるステップであって、前記トレンチの底部に前記第1酸化層が露出するステップと、
プラズマ支援原子層堆積装置を用いて第2酸化層を前記複数のスタッキング層及び前記少なくとも1つのトレンチに堆積するステップであって、前記プラズマ支援原子層堆積装置はチャンバと、上部電極と、下部電極と、三次元回転装置とを含み、前記上部電極は前記チャンバの上方に位置し且つ前記上部電極に第1無線周波数電力装置が接続され、前記上部電極はプラズマを生成するように構成され、前記三次元回転装置は前記チャンバの下方に設けられ、前記下部電極は前記三次元回転装置に設けられ且つ前記下部電極に第2無線周波数電力装置が接続され、前記基板が前記下部電極に設けられて堆積工程が行われ、前記堆積工程において、前記三次元回転装置は前記基板を連れて回転させて、前記第2酸化層を均一に堆積するステップと、
前記プラズマ支援原子層堆積装置を用いて高抵抗層を前記第2酸化層に堆積するステップと、
前記プラズマ支援原子層堆積装置を用いて低抵抗層を前記高抵抗層に堆積するステップとを含むことを特徴とするプラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法。
【請求項3】
前記高抵抗層は第1多結晶シリコン層と第1導電性化合物層とを含み、前記低抵抗層は第2多結晶シリコン層と第2導電性化合物層とを含み、前記第2多結晶シリコン層は前記第1多結晶シリコン層より厚さが大きく、前記第2導電性化合物層は前記第1導電性化合物層より厚さが大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記下部電極から前記上部電極への方向は第1方向であり、前記三次元回転装置が回転しない時は、前記基板の法線方向は前記第1方向に平行であり、前記三次元回転装置が前記基板を連れて回転させる時は、前記基板の前記法線方向は前記第1方向に対して角度を有し、前記角度は0°~15°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記上部電極に上加熱器が接続され、前記堆積工程において、前記上加熱器が前記上部電極を加熱して、堆積が均一になることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記下部電極に下加熱器が接続され、前記堆積工程において、前記下加熱器が前記下部電極を加熱して、堆積が均一になることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記トレンチの幅は45nm~65nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記シリコン基板の厚さは520nm~580nmであり、前記第1酸化層の厚さは90nm~110nmであり、前記誘電体層の厚さは18nm~22nmであり、前記導体層の厚さは27nm~33nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は堆積装置に関し、特にプラズマ支援原子層堆積装置及びそれを用いる製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業は今盛んな発展を迎えている。半導体の設計と材料技術の進歩により半導体デバイスはより小さくて複雑な回路を備えるようになる。半導体デバイスでは単位面積当たりの機能が増えるとサイズが縮小するため、生産効率の向上とコストの削減を両立している。
【0003】
半導体デバイスの機能は半導体チップの面積によって制限される。半導体技術の進歩により、三次元スタッキング技術を利用して部品の密度を増やす装置も増えている。しかし、三次元スタッキング技術を用いると半導体デバイスの製造がより複雑になるばかりか、半導体デバイスの製造工程の質と安定性が保ちにくくなり、歩留まりの方にも影響がある。三次元集積回路の半導体チップには構造と工程の高度化が求められる。従来の三次元半導体の製造工程にはなおも多くの問題があるため、半導体チップの電気的及び機械的特性に影響がある。したがって、半導体デバイスの製造工程にとっては、適切な改善を行って工程の質と安定性を向上させることが早急に解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、堆積フィルムの均一性を大幅に向上させるプラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法を提供する。
【0005】
本発明はまた、堆積フィルムの均一性を大幅に向上させるプラズマ支援原子層堆積装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプラズマ支援原子層堆積技術を用いて半導体デバイスを製造する方法は、基板を提供するステップであって、当該基板はシリコン基板と第1酸化層とを含み、当該第1酸化層は当該シリコン基板に位置するステップと、複数のスタッキング層を当該基板に堆積するステップであって、各当該スタッキング層は誘電体層と導体層とを含むステップと、パターン化されたフォトレジスト層によって当該複数のスタッキング層をエッチングして、当該複数のスタッキング層に少なくとも1つのトレンチを形成させるステップであって、当該トレンチの底部に当該第1酸化層が露出するステップと、プラズマ支援原子層堆積(plasma-enhanced atomic layer deposition、PEALD)装置を用いて第2酸化層を当該複数のスタッキング層及び当該少なくとも1つのトレンチに堆積するステップであって、当該プラズマ支援原子層堆積装置はチャンバと、上部電極と、下部電極と、三次元回転装置とを含み、当該上部電極は当該チャンバの上方に位置し且つ当該上部電極に第1無線周波数電力装置が接続され、当該上部電極はプラズマを生成するように構成され、当該三次元回転装置は当該チャンバの下方に設けられ、当該下部電極は当該三次元回転装置に設けられ且つ当該上部電極に第2無線周波数電力装置が接続され、当該基板が当該下部電極に設けられて堆積工程が行われ、当該堆積工程において、当該三次元回転装置は当該基板を連れて回転させて、当該第2酸化層を均一に堆積するステップと、当該プラズマ支援原子層堆積装置を用いて高抵抗層を当該第2酸化層に堆積するステップと、当該プラズマ支援原子層堆積装置を用いて低抵抗層を当該高抵抗層に堆積するステップとを含む。
【0007】
本発明のプラズマ支援原子層堆積(plasma-enhanced atomic layer deposition、PEALD)装置は、チャンバと、上部電極と、下部電極と、三次元回転装置とを含む。当該上部電極は当該チャンバの上方に位置し且つ当該上部電極に第1無線周波数電力装置が接続され、当該上部電極はプラズマを生成するように構成され、当該三次元回転装置は当該チャンバの下方に設けられ、当該下部電極は当該三次元回転装置に設けられ且つ当該下部電極に第2無線周波数電力装置が接続される。基板が当該下部電極に設けられて堆積工程が行われ、当該基板はシリコン基板と第1酸化層とを含み、当該第1酸化層が当該シリコン基板に位置し、複数のスタッキング層が当該基板の上に堆積され、各当該スタッキング層は誘電体層と導体層とを含み、当該複数のスタッキング層がパターン化されたフォトレジスト層によってエッチングされて、当該複数のスタッキング層に少なくとも1つのトレンチが形成され、当該トレンチの底部に当該第1酸化層が露出する。当該プラズマ支援原子層堆積装置は第2酸化層を当該複数のスタッキング層及び当該少なくとも1つのトレンチに堆積し、当該堆積工程において、当該三次元回転装置は当該基板を連れて回転させて、当該第2酸化層を均一に堆積し、当該プラズマ支援原子層堆積装置は高抵抗層を当該第2酸化層に堆積し、当該プラズマ支援原子層堆積装置は低抵抗層を当該高抵抗層に堆積する。
【発明の効果】
【0008】
上述したように、本発明に係るプラズマ支援原子層堆積装置を用いる製造方法は、スタッキング層、第2酸化層、高抵抗層及び低抵抗層を設けることにより、半導体デバイスの品質と安定性が大幅に向上している。三次元回転装置を設けることにより、プラズマ支援原子層堆積装置を用いる製造方法は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1はいくつかの実施例に基づいて作成したプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法の途中の断面図である。
図2図2はいくつかの実施例に基づいて作成したプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法の途中の断面図である。
図3図3はいくつかの実施例に基づいて作成したプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法の途中の断面図である。
図4図4はいくつかの実施例に基づいて作成したプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法の途中の断面図である。
図5図5は一実施例の半導体デバイスの模式図である。
図6図6は一実施例のプラズマ支援原子層堆積装置の模式図である。
図7図7は一実施例のプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の実施例で使用する方向を表す用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、図面の方向に準拠する。したがって、方向を表すこれらの用語は本発明の限定ではなく説明のために使用される。本明細書で、用語「約」、「実質的に」は一般的には特定の値の+/-20%以内を、より一般的には特定の値の+/-10%以内を、さらに一般的には特定の値の+/-5%以内を、さらに一般的には特定の値の+/-3%以内を、さらに一般的には特定の値の+/-2%以内を、さらに一般的には特定の値の+/-1%以内を、一層一般的には特定の値の+/-0.5%以内を表す。本開示に示す数値は大よその数値で、特に「約」又は「実質的に」で限定されなくても、特定の値には「約」又は「実質的に」の意味が込められている。
【0011】
図1図2図3図4及び図5を参照する。図1図2図3及び図4はいくつかの実施例に基づいて作成したプラズマ支援原子層堆積装置による製造方法の途中の断面図であり、図5は本発明の一実施例の半導体デバイス1の模式図である。
【0012】
図1に示すように、ステップS101において、基板11を提供する。基板11はシリコン基板111と第1酸化層113とを含む。第1酸化層113はシリコン基板111に位置する。
【0013】
図2に示すように、ステップS103において、複数のスタッキング層13a、13b、13cを基板11に堆積する。スタッキング層13a、13b、13cのそれぞれは誘電体層と導体層とを含み、図2は誘電体層133と導体層131とを含むスタッキング層13aを例に説明する。図2は3つのスタッキング層13a、13b、13cを堆積するのを例に説明し、本発明ではスタッキング層の数量が限定されない。本実施例では、一方のスタッキング層において、誘電体層133が導体層131の上方に位置し、ただし本発明はそれに限定されない。本発明の別の実施例では、一方のスタッキング層において、導体層が誘電体層の上方に位置する。
【0014】
本発明の一実施例では、半導体デバイスの当該複数のスタッキング層の層数は20より大きい。各当該スタッキング層において、当該誘電体層が当該導体層の上方に位置し、又は当該導体層が当該誘電体層の上方に位置する。
【0015】
図3に示すように、ステップS105において、パターン化されたフォトレジスト層PRによってエッチング工程Eを行うことにより、複数のスタッキング層13a、13b、13cをエッチングする。図4に示すように、同じようにステップS105において、エッチング工程Eにより複数のスタッキング層13a、13b、13cに少なくとも1つのトレンチtが形成される。トレンチtの底部に第1酸化層113が露出する。説明の便宜上、図4では1つのトレンチtで説明するが、本発明ではトレンチの数量が限定されない。
【0016】
まずは図6を参照する。図6は本発明の一実施例のプラズマ支援原子層堆積(plasma-enhanced atomic layer deposition、PEALD)装置20の模式図である。プラズマ支援原子層堆積装置20はチャンバ21と、上部電極23と、下部電極25と、三次元回転装置27とを含む。上部電極23はチャンバ21の上方に位置し且つ第1無線周波数電力装置24が接続される。上部電極23はプラズマPを生成するように構成される。三次元回転装置27はチャンバ21の下方に設けられる。下部電極25は三次元回転装置27に設けられ且つ第2無線周波数電力装置26が接続される。本実施例では、基板11が下部電極25に設けられて堆積工程Dが行われる。図6に示す基板11は例示的な説明に過ぎず、本発明への限定ではない。
【0017】
図5に示すように、ステップS107において、図6に示すプラズマ支援原子層堆積装置20を用いて第2酸化層15を複数のスタッキング層13a、13b、13c及びトレンチtに堆積する。ステップS109において、図6に示すプラズマ支援原子層堆積装置20を用いて高抵抗層17を第2酸化層15に堆積する。
【0018】
次に、ステップS111において、図6に示すプラズマ支援原子層堆積装置20を用いて低抵抗層19を高抵抗層17に堆積する。三次元回転装置27を設けることにより、プラズマ支援原子層堆積装置20は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0019】
本実施例では、下部電極25が設けられ、下部電極25により各堆積工程はトレンチtの深部で行えるようになる。上部電極23が生成したプラズマPは下部電極25の作用で、トレンチtの一層の深部まで堆積されるようになる。これにより堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0020】
本発明の一実施例では、高抵抗層17は第1多結晶シリコン層171と第1導電性化合物層173とを含み、ただし本発明はそれに限定されない。本発明の一実施例では、第1導電性化合物層173が第1多結晶シリコン層171の上方に位置する。
【0021】
本発明の一実施例では、低抵抗層19は第2多結晶シリコン層191と第2導電性化合物層193とを含み、ただし本発明はそれに限定されない。本発明の一実施例では、第2導電性化合物層193が第2多結晶シリコン層191の上方に位置する。
【0022】
本発明の一実施例では、第2多結晶シリコン層191は第1多結晶シリコン層171より厚さが大きく、第2導電性化合物層193は第1導電性化合物層173より厚さが大きく、ただし本発明はそれに限定されない。
【0023】
図6に示すように、詳しく言えば、プラズマ支援原子層堆積装置20の下部電極25から上部電極23への方向は第1方向D1である。三次元回転装置27が回転しない時は、基板11の法線方向Nは第1方向D1に平行である。三次元回転装置27が基板11を連れて回転させる時は、基板11の法線方向は第1方向D1に対して角度Aを有する。本実施例では、角度Aは0°~15°である。これにより、プラズマ支援原子層堆積装置20は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0024】
詳しく言えば、前記各堆積工程において、トレンチtが深いほど、堆積が難しい。つまり上部電極23が生成したプラズマPはトレンチtの深部の側壁では堆積工程が難しい。三次元回転装置27を設けることにより、前記各堆積工程において、三次元回転装置27は基板11を連れて回転させることにより、トレンチtの深部の側壁でより均一に堆積することができる。これにより堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0025】
本発明の一実施例では、プラズマ支援原子層堆積装置20の上部電極23には上加熱器231が接続されてもよい。各堆積工程Dにおいて、上加熱器231が上部電極23を加熱して、堆積が均一になる。これにより、プラズマ支援原子層堆積装置20は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0026】
本発明の一実施例では、プラズマ支援原子層堆積装置20の下部電極25には下加熱器251が接続される。各堆積工程Dにおいて、下加熱器251が下部電極25を加熱して、堆積が均一になる。これにより、プラズマ支援原子層堆積装置20は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【0027】
本実施例では、第2多結晶シリコン層191は第1多結晶シリコン層171より厚さが大きく、第2導電性化合物層193は第1導電性化合物層173より厚さが大きい。具体的には、高抵抗層17は低抵抗層19より抵抗値が高い。複数のスタッキング層13a、13b、13c、第2酸化層15、高抵抗層17及び低抵抗層19を設けることにより、半導体デバイス1の品質と安定性が大幅に向上している。
【0028】
本発明の一実施例では、第2導電性化合物層193の厚さは20nm~50nmである。
【0029】
図5に示すように、ステップS111において低抵抗層19を堆積した後に、トレンチtにトレンチt1が残っており、ただし本発明はそれに限定されない。別の実施例では、低抵抗層19を堆積した後は、低抵抗層19がトレンチtを満たしているため、図5に示すようなトレンチt1は存在しない。
【0030】
本発明の一実施例では、複数のスタッキング層13a、13b、13cの当該導体層はP型半導体層又はN型半導体層であり、当該誘電体層は酸化物層(Oxide)である。例えば、スタッキング層13aの導体層131はP型半導体層又はN型半導体層であり、誘電体層133は酸化物層である。
【0031】
本発明の一実施例では、第1導電性化合物層173及び/又は第2導電性化合物層193の材料はBN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaAs、InN、InP、InAs又は少なくとも2種の前記材料である。
【0032】
本発明の一実施例では、高抵抗層17の導電率は約1e15S・m-1で、低抵抗層19の導電率は約1e20S・m-1である。高抵抗層17の厚さは約20nmで、低抵抗層19の厚さは約30nmである。
【0033】
図4に示すように、本発明の一実施例では、トレンチtの幅wは45nm~65nmである。基板11のシリコン基板111の厚さは520nm~580nmであり、第1酸化層113の厚さは90nm~110nmである。複数のスタッキング層13a、13b、13c(例えば、スタッキング層13a)において、誘電体層133の厚さは18nm~22nmであり、導体層131の厚さは27nm~33nmである。
【0034】
図7を参照する。図7は本発明の一実施例のプラズマ支援原子層堆積装置20による製造方法のフローチャートである。具体的には、図7図5に示す半導体デバイス1の製造方法100のフローチャートである。製造方法100はステップS101、S103、S105、S107、S109、S111のいくつかの細部を含み、前記実施例と実施形態では詳細な説明があるため、詳細な説明は省略する。
【0035】
上述したように、本発明の実施例のプラズマ支援原子層堆積装置及びそれを用いる製造方法は、スタッキング層、第2酸化層、高抵抗層及び低抵抗層を設けることにより、半導体デバイスの品質と安定性が大幅に向上している。三次元回転装置を設けることにより、プラズマ支援原子層堆積装置は堆積フィルムの均一性を大幅に向上させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 半導体デバイス
100 製造方法
11 基板
111 シリコン基板
113 第1酸化層
13a、13b、13c スタッキング層
131 導体層
133 誘電体層
15 第2酸化層
17 高抵抗層
171 第1多結晶シリコン層
173 第1導電性化合物層
19 低抵抗層
191 第2多結晶シリコン層
193 第2導電性化合物層
20 プラズマ支援原子層堆積装置
21 チャンバ
23 上部電極
231 上加熱器
24 第1無線周波数電力装置
25 下部電極
251 下加熱器
26 第2無線周波数電力装置
27 三次元回転装置
A 角度
D 堆積工程
D1 第1方向
E エッチング工程
N 法線方向
P プラズマ
PR フォトレジスト層
S101~S111 ステップ
t トレンチ
t1 トレンチ
w 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7