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特許7187711機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末
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  • 特許-機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20221205BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20221205BHJP
【FI】
G06F3/041 662
G06F3/042 472
G06F3/041 450
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021552248
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 CN2020108842
(87)【国際公開番号】W WO2022021481
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2021-09-01
(31)【優先権主張番号】202010744637.7
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521391782
【氏名又は名称】深▲せん▼市康冠商用科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】盧 威
(72)【発明者】
【氏名】楊 猛
(72)【発明者】
【氏名】李 振楽
(72)【発明者】
【氏名】林 志峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 巍
(72)【発明者】
【氏名】万 小林
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第8902201(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第102654809(CN,A)
【文献】中国実用新案第202870784(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含み、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板は、いずれも前記ベゼル本体の空洞内に設けられ、機能部品は、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられ、前記ベゼル本体の側面には、更に、前記空洞と連通する側面開口が設けられ、前記第1赤外線用基板と前記第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されていることを特徴とする、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項2】
前記第1フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って貼り付けて設けられ、前記第1フレキシブル回路基板の中段は、反転されて前記ベゼル本体の上側に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項3】
前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の内側には、前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板に貼り付けられたフィルタが更に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項4】
前記機能部品は、カメラ部品であり、カメラ制御パネルは、前記ベゼル本体の上側に固設され、前記ベゼル本体には、前記カメラ部品に適合する貫通孔が設けられ、前記カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板を介して前記カメラ制御パネルと電気的に接続することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項5】
前記カメラ部品は、撮像レンズ及びレンズマウントを含み、前記撮像レンズは、前記レンズマウントの溝内に取り付けられることを特徴とする、請求項4に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項6】
前記レンズマウントの側壁には、更に係止爪が設けられ、前記係止爪は、前記ベゼル本体の前記係止爪と対向する位置に設けられた係合口に係止して前記レンズマウントを固定可能であることを特徴とする、請求項5に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項7】
前記カメラ制御パネルには、更に取付ネジ孔が設けられ、前記カメラ制御パネルを前記ベゼル本体の上側に固定するために、前記取付ネジ孔にネジがねじ込まれ、且つ、前記カメラ制御パネルの下側に前記第1フレキシブル回路基板の中段が配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項8】
ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含み、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板は、いずれも前記ベゼル本体の空洞内に設けられ、前記ベゼル本体には、機能部品と正対する位置に貫通孔が設けられ、前記機能部品は、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられ、前記ベゼル本体の側面には、更に、前記空洞と連通する側面開口が設けられ、前記第1赤外線用基板と前記第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されていることを特徴とする、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項9】
前記第1フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って貼り付けて設けられ、前記第1フレキシブル回路基板の中段は、反転されて前記ベゼル本体の上側に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項10】
前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の内側には、前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板に貼り付けられたフィルタが更に設けられていることを特徴とする、請求項9に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項11】
前記機能部品は、カメラ部品であり、カメラ制御パネルは、前記ベゼル本体の上側に固設され、前記カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板を介して前記カメラ制御パネルと電気的に接続することを特徴とする、請求項8に記載の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項12】
前記カメラ部品は、撮像レンズ及びレンズマウントを含み、前記撮像レンズは、前記レンズマウントの溝内に取り付けられることを特徴とする、請求項11に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項13】
前記レンズマウントの側壁には、更に係止爪が設けられ、前記係止爪は、前記ベゼル本体の前記係止爪と対向する位置に設けられた係合口に係止して前記レンズマウントを固定可能であることを特徴とする、請求項12に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項14】
前記カメラ制御パネルには、更に取付ネジ孔が設けられ、前記カメラ制御パネルを前記ベゼル本体の上側に固定するために、前記取付ネジ孔にネジがねじ込まれ、且つ、前記カメラ制御パネルの下側に前記第1フレキシブル回路基板の中段が配置されていることを特徴とする、請求項13に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【請求項15】
請求項1または8に記載の赤外線タッチパネルベゼルと、前記赤外線タッチパネルベゼルで囲まれた領域内に設けられた赤外線タッチパネルとを含み、前記機能部品は、前記赤外線タッチパネルベゼルに固設されることを特徴とする、表示端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願番号202010744637.7、出願日2020年7月29日の中国特許出願を基礎とし、その優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容は、ここで全体として本願に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、表示装置の技術分野に関し、特に、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の進歩に伴い、赤外線タッチパネルを有する表示端末は、ますます広範に応用されている。全面パネル概念の提案及びユーザの表示端末の外観デザインに対するニーズの向上に伴い、メーカーは、赤外線タッチパネルの構造設計を絶えず強化して、増加する利用ニーズを満たす必要がある。例えば、表示端末を用いて写真撮像を行うための利用ニーズに応えるために、赤外線タッチパネルには、写真撮像の利用ニーズに応じてカメラ部品という機能部品を取り付ける必要もある。しかし、機能部品は、通常サイズが大きいため、機能部品を取り付けるには、ある程度のスペースが必要となる。しかも機能部品は、赤外線タッチパネルの赤外線タッチパッドの外側にしか設置できないため、赤外線タッチパネルに機能部品を取り付ける側のベゼルは、幅を増加させて機能部品に相応の取付空間を提供する必要がある。製造された表示端末は、額縁が広く、狭額縁設計に対するユーザのニーズに応えることが困難である。そのため、従来技術の方法では、機能部品が取り付けられた赤外線タッチパネルは、ベゼルが広いという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルを提供し、従来技術の方法では機能部品が取り付けられた赤外線タッチパネルに存在する広額縁という問題を解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様として、本願の実施例は、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルを提供する。ここで、前記赤外線タッチパネルベゼルは、ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含む。前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板は、いずれも前記ベゼル本体の空洞内に設けられ、前記機能部品は、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられている。前記ベゼル本体には、前記機能部品と正対する位置に貫通孔が設けられ、前記ベゼル本体の側面には、更に、前記空洞と連通する側面開口が設けられている。前記第1赤外線用基板と前記第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されている。
【0006】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記第1フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って貼り付けて設けられ、前記第1フレキシブル回路基板の中段は、反転されて前記ベゼル本体の上側に設けられている。
【0007】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の内側には、前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板に貼り付けられたフィルタが更に設けられている。
【0008】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記機能部品は、カメラ部品であり、カメラ制御パネルは、前記ベゼル本体の上側に固設され、前記カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板を介して前記カメラ制御パネルと電気的に接続する。
【0009】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記カメラ部品は、撮像レンズ及びレンズマウントを含み、前記撮像レンズは、前記レンズマウントの溝内に取り付けられる。
【0010】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記レンズマウントの側壁には、更に係止爪が設けられ、前記係止爪は、前記ベゼル本体の前記係止爪と対向する位置に設けられた係合口に係止して前記レンズマウントを固定可能である。
【0011】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記カメラ制御パネルには、更に取付ネジ孔が設けられ、前記カメラ制御パネルを前記ベゼル本体の上側に固定するために、前記取付ネジ孔にネジがねじ込まれ、且つ、前記カメラ制御パネルの下側に前記第1フレキシブル回路基板の中段が配置されている。
【0012】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記第2フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って立設される。
【0013】
前記の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルにおいて、前記赤外線タッチパネルベゼルの幅は、8~20mmである。
【0014】
別の態様として、本願の実施例は、表示端末を更に提供する。ここで、前記表示端末は、上記の赤外線タッチパネルベゼルと、前記赤外線タッチパネルベゼルで囲まれた領域内に設けられた赤外線タッチパネルとを含み、前記機能部品は、前記赤外線タッチパネルベゼルに固設される。
【発明の効果】
【0015】
本願の実施例は、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末を開示する。赤外線タッチパネルベゼルは、ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含む。第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板は、いずれもベゼル本体の空洞内に設けられ、機能部品は、第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられている。第1赤外線用基板と第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されている。上記の赤外線タッチパネルベゼルは、赤外線タッチ機能に影響を与えないと同時に、機能部品を取り付けるために増加を要するベゼル幅を大幅に減少させることができ、それにより、機能部品が取り付けられる赤外線タッチパネルベゼルに狭額縁化の効果を持たせ、機能部品が取り付けられる赤外線タッチパネルベゼルの幅を大幅に小さくした。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の実施例の技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面について簡単に説明する。なお、以下の説明における図面は、本願の実施例の一部であることは明らかである。当業者であれば、創造性のある作業をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【0017】
図1】本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの構造図である。
図2】本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの構造図である。
図3】本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの分解構造図である。
図4】本願の実施例による表示端末の構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら、本願の実施例の技術手段を明確且つ完全的に記載する。明らかに、記載する実施例は、本願の実施例の一部であり、全てではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造性のある作業をしなくても為しえる全ての他の実施例は、全て本願の保護範囲に属するものである。
【0019】
なお、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「含む」及び「含有」は、記載された特徴、全体、ステップ、操作、要素及び/又は部品の存在を示すが、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、操作、要素、部品及び/又はその集合の存在又は追加を排除しない。
【0020】
更に、本願の明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためだけのものであり、本願を限定することを意図していないことも理解されたい。本願の明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1の」及び「前記」は、文脈から明らかにそうでないことを示さない限り、複数形を含むことが意図される。
【0021】
本願の明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせ、ならびに可能なすべての組み合わせを意味し、これらの組み合わせも含むことを更に理解されたい。
【0022】
図1図4を参照する。図1は、本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの構造図である。図2は、本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの構造図である。図3は、本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼルの分解構造図である。図4は、本願の実施例による表示端末の構造図である。図に示すように、機能部品30を取り付けるための赤外線タッチパネルベゼル10である、前記赤外線タッチパネルベゼル10は、ベゼル本体11と、第1赤外線用基板12と、第2赤外線用基板13とを含み、前記第1赤外線用基板12及び前記第2赤外線用基板13は、いずれも前記ベゼル本体11の空洞101内に設けられ、前記機能部品30は、前記第1赤外線用基板12及び前記第2赤外線用基板13の間の隙間内に設けられ、前記ベゼル本体11には、前記機能部品30と正対する位置に貫通孔102が設けられ、前記ベゼル本体11の側面には、更に、前記空洞101と連通する側面開口103が設けられ、前記第1赤外線用基板12と前記第2赤外線用基板13との間は、第1フレキシブル回路基板14を介して電気的に接続されている。また、側面開口103に被せるように蓋板104を更に設け、蓋板104とベゼル本体11の側面とが平坦な平面構造となる。生産加工の際には、側面開口103を介して機能部品30を容易に取り付けることができ、上記機能部品の取り付けが完了した後に側面開口103に蓋板104を被せる。赤外線タッチパネルベゼル10は、携帯電話、タブレットPC及びタッチディスプレイなどの表示端末のベゼルとして用いることができるが、赤外線タッチパネルベゼル10を採用して製作された表示端末は、赤外線タッチ機能を有する。ユーザは、指やスタイラスペン等を用いて赤外線タッチパネルでタッチ操作を行うことができる。具体的には、ベゼル本体11は、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属合金材料を用いて一体成形して作製することができる。ベゼル本体11内には、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13を設けるための空洞101が設けられている。第1赤外線用基板12と第2赤外線用基板13との間には、機能部品30を設置するために一定の隙間がある。第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13は、第1フレキシブル回路基板14を介して電気的に接続する。ここで、第1フレキシブル回路基板14は、フレキシブル回路基板FPC(Flexible Printed Circuit)である。フレキシブル回路基板は、厚さが薄く、柔軟で、かつ屈曲可能である優れた性能を有する。ここで、機能部品は、カメラ部品、電源ボタン部品、マイク部品、NFC部品、遠隔操作部品などの補助機能を有する部品である。表示端末は、機能部品を取り付けると、相応の使用機能を有することができる。
【0023】
従来の設計では、互いに連通する赤外線タッチパッドの外側に一定幅を広げて機能部品30を設けていたが、機能部品30は、大きなサイズを有しているため、この設計では、機能部品30が取り付けられる側のベゼルが広くなる。一方、本設計では、機能部品30を第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の間の隙間内に設置することにより、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13を第1フレキシブル回路基板14を介して電気的に接続し、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の本来の機能に影響を与えることなく、機能部品30の取付のために増加を要する額縁幅を大幅に小さくすることができ、機能部品30の取付後、対応するベゼル幅は、機能部品30が取り付けられていないベゼル幅と比較して1.5~6mmだけ増加し、機能部品30が取り付けられた赤外線タッチパネルベゼル10は、同様に狭額縁のデザイン効果を有する。
【0024】
具体的には、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13には、いずれも複数の赤外線ランプビーズが設けられている。赤外線ランプビーズによって赤外線が放射され、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13に対向する他方のベゼル本体に設けられた赤外受光器で赤外線を受光する。1つの赤外線ランプビーズと対応する1つの赤外線受光器との間に赤外光路が形成される。ユーザが赤外線タッチパネルでタッチ操作を行うと、タッチポイントに位置する赤外光路中の赤外線が遮られ、遮断された赤外光路に対応する赤外受光器が赤外線を受光できなくなると、赤外線受光器が受信する赤外信号の強度の変化具合によって、遮断された赤外光路を取得することができ、遮蔽された赤外光路を更に分析すれば、タッチポイントの座標位置を正確に決定することができる。
【0025】
より具体的な実施例では、前記第1フレキシブル回路基板14は、前記ベゼル本体11の外壁に沿って貼り付けて設けられ、前記第1フレキシブル回路基板14の中段が反転されて前記ベゼル本体11の上側に設けられている。第1フレキシブル回路基板14は、厚さが薄く、柔軟で、かつ屈曲可能であるという特徴を有するので、第1フレキシブル回路基板14を折り曲げてベゼル本体11の外壁に沿って貼り付けて設置することができ、また、第1フレキシブル回路基板14の中段を反転させてベゼル本体11の上側に設けてもよい。
【0026】
より具体的な実施例では、前記第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の内側には、前記第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13に貼り付けられたフィルタ15が更に設けられている。具体的には、前記フィルタ15は、前記第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13に設けられた赤外ランプビーズに密着している。第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13にはいずれも複数の赤外ランプビーズが設けられ、フィルタは、赤外ランプビーズに密着して設置される。フィルタ15は、赤外線信号の強度を感知する赤外線受信機の感度を更に向上させるために、赤外線ランプビーズから放射される赤外線をフィルタリングするために使用され、タッチポイントの座標位置の位置決め精度が向上する。
【0027】
より具体的な実施例では、機能部品30は、カメラ部品であり、カメラ制御パネル31は、前記ベゼル本体11の上側に固設され、前記カメラ部品30は、第2フレキシブル回路基板32を介して前記カメラ制御パネル31と電気的に接続されている。カメラ制御パネル31は、前記ベゼル本体11の上側に固定され、且つ、前記カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板32を介して前記カメラ制御パネル31と電気的に接続されている。カメラ制御パネル31は、ベゼル本体11の上側に固設され、必要とされるベゼル幅を小さくし、カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板32を介してカメラ制御パネル31と電気的に接続されている。ここで、第2フレキシブル回路基板32もフレキシブル回路基板FPC(FlexiblePrintedCircuit)である。フレキシブル回路基板は、厚さが薄く、柔軟で、かつ屈曲可能である優れた性能を有している。本設計では、カメラ部品を第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の間の隙間内に設置し、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13を、第1フレキシブル回路基板14を介して電気的に接続することにより、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の本来の機能に影響を与えることなく、カメラ部品を取り付けるために増加を要するベゼル幅を大幅に小さくすることができる。カメラ制御パネル31は、ベゼル本体11の上側に固設され、同様に余分なベゼル幅を占有する必要がない。カメラ部品及びカメラ制御パネル31を取り付けた後のベゼル幅は、カメラ部品が取り付けられていないベゼル幅と比較して1.5~6mmだけ増加し、カメラ部品が取り付けられている赤外線タッチパネルベゼル10は、同様に狭額縁化の設計効果を有する。
【0028】
より具体的な実施例では、前記カメラ部品は、撮像レンズ301及びレンズマウント302を含み、前記撮像レンズ301は、前記レンズマウント302の溝内に取り付けられる。ここで、前記レンズマウント302の側壁には、係止爪303が更に設けられ、前記係止爪303は、前記ベゼル本体11の前記係止爪303と対向する位置に設けられた係合口(図示せず)に係止して前記レンズマウント302を固定可能である。レンズマウント302を設けることにより撮像レンズ301を取り付けて、レンズマウント302の側壁に係止爪303を設け、ベゼル本体11に係合口を設けることにより、レンズマウント302を介して撮像レンズ301をベゼル本体11に強固に固定することができ、撮像レンズ301のがたつきを防止することができる。図3におけるレンズマウント302の左右両側壁には2つの係止爪303が設けられているが、レンズマウント302の4つの側壁の全てに係止爪303が設けられていてもよく、レンズマウント302による撮像レンズ301の固定効果をより高めることができる。
【0029】
より具体的な実施例では、前記第1フレキシブル回路基板14は、前記ベゼル本体11の外壁に沿って貼り付けて設けられ、且つ前記第1フレキシブル回路基板14の中段は、前記カメラ制御パネル31の下側に位置する。より具体的には、前記カメラ制御パネル31には、取付ネジ孔311が更に設けられている。前記カメラ制御パネル31を前記ベゼル本体11の上側に固定するために、ネジが前記取付ネジ孔311にねじ込まれる。第1フレキシブル回路基板14は、厚さが薄く、柔軟で、かつ屈曲可能であるという特徴を有するので、第1フレキシブル回路基板14を折り曲げてベゼル本体11の外壁に沿って貼り付けて設けることができる。第1フレキシブル回路基板14の中段をカメラ制御パネル31の下側に設けることができれば、カメラ制御パネル31を第1フレキシブル回路基板14の中段の上側に押し付けて設けることができる。カメラ制御パネル31により第1フレキシブル回路基板14を固定するために、カメラ制御パネル31には取付ネジ孔311が設けられ、カメラ制御パネル31は、取付ネジ孔311にネジがねじ込まれることにより固定される。ここで、取付ネジ孔311は、皿ネジ孔であってもよく、皿ネジ穴を設けることにより、赤外線タッチパネルベゼル10の厚さを更に薄くすることができる。また、カメラ制御パネル31の下端面に係止爪を設け、係止爪を介してベゼル本体11の上側に対応して設けられた係合口に係止してカメラ制御パネル31を固定するようにしてもよい。
【0030】
より具体的な実施例では、前記第2フレキシブル回路基板32は、ベゼル本体11の外壁に沿って立設される。第2フレキシブル回路基板32は、ベゼル本体11の外壁に沿って立設され、第1フレキシブル回路基板14の垂直部分は、第2フレキシブル回路基板32の両側に位置し、かつ第2フレキシブル回路基板32と第1フレキシブル回路基板14との間に重なる部分が存在せず、第2フレキシブル回路基板32と第1フレキシブル回路基板14との間の相互干渉を回避することができ、第2フレキシブル回路基板32及び第1フレキシブル回路基板14の電気的接続の信頼性を向上することができる。
【0031】
より具体的な実施例では、前記赤外線タッチパネルベゼル10の幅は、8~20mmである。ここで、前記第1赤外線用基板12と前記第2赤外線用基板13の幅は、6~20mmである。具体的には、赤外線タッチパネルベゼル10の幅は、第1赤外線用基板12及び第2赤外線用基板13の幅によって主に決定されるとともに、機能部品30のサイズの影響を受け、設計構造を最適化することにより、機能部品30を取り付ける赤外線タッチパネルベゼル10の幅を8~20mmに設定することができる。第1赤外線用基板12と第2赤外線用基板13との間隔は、機能部品30を取り付けるためのものであり、第1赤外線用基板12と第2赤外線用基板13との間隔は、機能部品30の大きさに応じて調整することができる。具体的には、第1赤外線用基板12と第2赤外線用基板13との間隔は、6~20mmとすることができる。
【0032】
本開示の実施例は、更に表示端末を提供する。図4を参照する。図4は、本願の実施例による表示端末の構造図である。図に示すように、前記表示端末1は、上述した赤外線タッチパネルベゼル10と、前記赤外線タッチパネルベゼル10に囲まれた領域内に設けられた赤外線タッチパネル20とを含む。即ち、表示端末1は、上述の赤外線タッチパネルベゼル10をベゼルとして、赤外線タッチパネル20をパネルとして製作したものである。前記機能部品30及び前記カメラ制御パネル31は、前記赤外線タッチパネルベゼル10に固設される。ここで、機能部品30及びカメラ制御パネル31の具体的な配置態様は、図1乃至図3に示す通りである。
【0033】
本願の実施例による機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル及びそれを用いた表示端末において、赤外線タッチパネルベゼルは、ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含み、第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板は、いずれもベゼル本体の空洞内に設けられ、機能部品は、第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられ、第1赤外線用基板と第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されている。上記の赤外線タッチパネルベゼルは、赤外線タッチ機能に影響を与えないと同時に、機能部品を取り付けるために増加を要するベゼル幅を大幅に減少させることができ、それにより、機能部品が取り付けられる赤外線タッチパネルベゼルに狭額縁化の効果を持たせ、機能部品が取り付けられる赤外線タッチパネルベゼルの幅を大幅に小さくした。
【0034】
以上の記載は、単に本願の具体的な実施形態であるが、本願の保護範囲は、これに限定されるものではなく、当業者が本願に開示されている技術的な範囲内で様々な修正や置換を容易に想到でき、これらの修正や置換がすべて本願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とするべきである。
【0035】
(付記1)
ベゼル本体と、第1赤外線用基板と、第2赤外線用基板とを含み、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板は、いずれも前記ベゼル本体の空洞内に設けられ、前記機能部品は、前記第1赤外線用基板及び前記第2赤外線用基板の間の隙間内に設けられ、前記ベゼル本体には、前記機能部品と正対する位置に貫通孔が設けられ、前記ベゼル本体の側面には、更に、前記空洞と連通する側面開口が設けられ、前記第1赤外線用基板と前記第2赤外線用基板との間は、第1フレキシブル回路基板を介して電気的に接続されていることを特徴とする、機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0036】
(付記2)
前記第1フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って貼り付けて設けられ、前記第1フレキシブル回路基板の中段は、反転されて前記ベゼル本体の上側に設けられていることを特徴とする、付記1に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0037】
(付記3)
前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板の内側には、前記第1赤外線用基板及び第2赤外線用基板に貼り付けられたフィルタが更に設けられていることを特徴とする、付記2に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0038】
(付記4)
前記機能部品は、カメラ部品であり、カメラ制御パネルは、前記ベゼル本体の上側に固設され、前記カメラ部品は、第2フレキシブル回路基板を介して前記カメラ制御パネルと電気的に接続することを特徴とする、付記1から3のいずれか1つに記載の赤外線タッチパネルベゼル。
【0039】
(付記5)
前記カメラ部品は、撮像レンズ及びレンズマウントを含み、前記撮像レンズは、前記レンズマウントの溝内に取り付けられることを特徴とする、付記4に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0040】
(付記6)
前記レンズマウントの側壁には、更に係止爪が設けられ、前記係止爪は、前記ベゼル本体の前記係止爪と対向する位置に設けられた係合口に係止して前記レンズマウントを固定可能であることを特徴とする、付記5に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0041】
(付記7)
前記カメラ制御パネルには、更に取付ネジ孔が設けられ、前記カメラ制御パネルを前記ベゼル本体の上側に固定するために、前記取付ネジ孔にネジがねじ込まれ、且つ、前記カメラ制御パネルの下側に前記第1フレキシブル回路基板の中段が配置されていることを特徴とする、付記6に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0042】
(付記8)
前記第2フレキシブル回路基板は、前記ベゼル本体の外壁に沿って立設されることを特徴とする、付記7に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0043】
(付記9)
前記赤外線タッチパネルベゼルの幅は、8~20mmであることを特徴とする、付記8に記載の機能部品取付用の赤外線タッチパネルベゼル。
【0044】
(付記10)
付記1から9のいずれか1つに記載の赤外線タッチパネルベゼルと、前記赤外線タッチパネルベゼルで囲まれた領域内に設けられた赤外線タッチパネルとを含み、前記機能部品は、前記赤外線タッチパネルベゼルに固設されることを特徴とする、表示端末。
図1
図2
図3
図4