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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-02
(45)【発行日】2022-12-12
(54)【発明の名称】包装袋開口装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20221205BHJP
【FI】
B65B43/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022051864
(22)【出願日】2022-03-28
【審査請求日】2022-05-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514131445
【氏名又は名称】菊地 篤樹
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(74)【代理人】
【識別番号】100106356
【弁理士】
【氏名又は名称】松枝 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】菊地 晴道
(72)【発明者】
【氏名】菊地 篤樹
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-059551(JP,A)
【文献】特開平07-061423(JP,A)
【文献】特許第6984931(JP,B1)
【文献】特開2017-210265(JP,A)
【文献】特開2008-050043(JP,A)
【文献】特開2020-059523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00-43/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に被包装物の投入口を有し且つ下側に当該被包装物の排出口を有するホッパと、
畳まれて平らに置かれた包装袋の口部近傍の一面側に付着し、前記口部が上側になるように前記包装袋を起こして上方に移動させ、前記ホッパの前記排出口の直下に開口した前記口部を配置するように前記包装袋を搬送する搬送手段と、
前記包装袋が上方に移動している間に、前記包装袋の前記口部近傍の反対面側に付着し、前記口部の前記一面側と前記反対面側の少なくとも一方を引き合うことで前記口部を開口させる開口手段とを備え、
前記搬送手段は、
前記包装袋の前記一面側に吸着する第一の吸着パッドと、
前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを昇降させるアクチュエータと、
前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを回転させ、平らに置かれた前記包装袋を起こす回転機構とを備え、
前記回転機構は、前記第一の吸着パッドと接続し前記アクチュエータにより昇降する第一のガイドローラと、前記第一のガイドローラの昇降に伴って前記第一の吸着パッドを回転させるように前記第一のガイドローラを案内する第一のガイドとを備えることを特徴とする包装袋開口装置。
【請求項2】
前記第一のガイドローラは、直角に配置された一対のガイドローラであることを特徴とする請求項に記載の包装袋開口装置。
【請求項3】
前記開口手段は、
前記包装袋の前記反対面側に吸着し前記第一の吸着パッドとともに前記アクチュエータにより昇降する第二の吸着パッドと、
前記第二の吸着パッドを前記包装袋の前記反対面側に接近する方向にスライドさせ、前記回転機構により起こされた前記包装袋の前記反対面側に吸着させ、吸着後に前記接近する方向と反対方向にスライドさせるスライド機構とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋開口装置。
【請求項4】
前記スライド機構は、前記第二の吸着パッドと接続し前記アクチュエータにより昇降する第二のガイドローラと、前記第二のガイドローラの昇降に伴って前記第二の吸着パッドをスライドさせるように前記第二のガイドローラを案内する第二のガイドとを備えることを特徴とする請求項に記載の包装袋開口装置。
【請求項5】
上側に被包装物の投入口を有し且つ下側に当該被包装物の排出口を有するホッパと、
畳まれて平らに置かれた包装袋の口部近傍の一面側に付着し、前記口部が上側になるように前記包装袋を起こして上方に移動させ、前記ホッパの前記排出口の直下に開口した前記口部を配置するように前記包装袋を搬送する搬送手段と、
前記包装袋が上方に移動している間に、前記包装袋の前記口部近傍の反対面側に付着し、前記口部の前記一面側と前記反対面側の少なくとも一方を引き合うことで前記口部を開口させる開口手段とを備え、
前記搬送手段は、
前記包装袋の前記一面側に吸着する第一の吸着パッドと、
前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを昇降させるアクチュエータと、
前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを回転させ、平らに置かれた前記包装袋を起こす回転機構とを備え、
前記開口手段は、
前記包装袋の前記反対面側に吸着し前記第一の吸着パッドとともに前記アクチュエータにより昇降する第二の吸着パッドと、
前記第二の吸着パッドを前記包装袋の前記反対面側に接近する方向にスライドさせ、前記回転機構により起こされた前記包装袋の前記反対面側に吸着させ、吸着後に前記接近する方向と反対方向にスライドさせるスライド機構とを備え、
前記スライド機構は、前記第二の吸着パッドと接続し前記アクチュエータにより昇降する第二のガイドローラと、前記第二のガイドローラの昇降に伴って前記第二の吸着パッドをスライドさせるように前記第二のガイドローラを案内する第二のガイドとを備えることを特徴とする包装袋開口装置。
【請求項6】
前記アクチュエータは、空気圧で制御されるエアシリンダであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の包装袋開口装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋の口部を開口して被包装物を包装袋内に充填する装置に関するもので、特に小型で簡易な構造の包装袋開口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどの小売店では、一部を除いて、業務の効率を考慮して、食品などを、いわゆる量り売りで販売することはなく、様々な形態のパッケージとして販売している。その中には、例えば魚の切身や肉製品のように、発泡スチロール製のトレイに載せた状態で、ラッピングフィルムで覆った形態のものもあるが、袋詰めで販売される商品が多い。
【0003】
袋詰めの作業は、大量生産されるものでは自動装置を用いるが、少量多品種の商品には、対応しきれないという問題がある。そして、包装袋は折り畳まれ、かつ、個片の間に殆ど隙間のない、緊密な積層体の状態で、供給される。
【0004】
このため、まず積層体から個片を剥離するのが困難で、包装袋の口部を拡げる開口作業も簡単ではない。この問題は、包装用に多用されている、ポリプロピレンなどの高分子材料のフィルムからなる包装袋では、表面が平滑で摩擦が少ないため、一層顕著になる。
【0005】
このような課題に対処する技術として、例えば特許文献1には、包装袋を複数枚積み重ねた積層体の、最も上に配されている包装袋を1枚ずつ取り出して、被包装物を充填する装置に供給可能な包装袋供給装置が開示されている。しかし、ここに開示されている装置は、構造が複雑で、多量の処理に適しているが、処理の対象が少量多品種の場合の、包装袋のサイズの変更などへの対応で改善の余地がある。
【0006】
また、特許文献2は、本願発明者が提案した手法であり、ベルト支持板の上下に周回したベルトに物品を載置した状態で、ベルトごと袋で覆い、ベルトを物品の下方に剥離させながら、袋の開口部の方向に移動させることが可能な包装装置について開示される。
【0007】
さらに、特許文献3は、本願発明者が提案した手法であり、積層された包装袋の、最も上に配された個片の開口部近傍に吸着パッドを当接させて、開口部に空気を吹き込む機構と、被包装物を包装袋に投入するためのホッパが一体化された構造の袋詰め装置について開示される。特許文献3の装置は、多様な包装袋を一枚一枚取り上げて開口して、被包装物を包装袋に充填することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-118173号公報
【文献】特開2018-034889号公報
【文献】特開2020-059551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明者は、特許文献3により提案した袋詰め装置にかかる機構について、さらに鋭意研究・開発を進め、今般、より使い勝手がよく、利便性の高い改良された包装袋開口装置を開発するに至った。
【0010】
そこで、本発明の目的は、多様な包装袋を一枚一枚取り上げて開口して、被包装物を包装袋に充填することができる改良された新規な包装袋開口装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の包装袋開口装置は、上側に被包装物の投入口を有し且つ下側に当該被包装物の排出口を有するホッパと、畳まれて平らに置かれた包装袋の口部近傍の一面側に付着し、前記口部が上側になるように前記包装袋を起こして上方に移動させ、前記ホッパの前記排出口の直下に開口した前記口部を配置するように前記包装袋を搬送する搬送手段と、前記包装袋が上方に移動している間に、前記包装袋の前記口部近傍の反対面側に付着し、前記口部の前記一面側と前記反対面側の少なくとも一方を引き合うことで前記口部を開口させる開口手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
好ましい態様として、前記搬送手段は、前記包装袋の前記一面側に吸着する第一の吸着パッドと、前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを昇降させるアクチュエータと、前記包装袋に吸着した前記第一の吸着パッドを回転させ、平らに置かれた前記包装袋を起こす回転機構とを備える。
【0013】
好ましい態様として、回転機構は、前記第一の吸着パッドと接続し前記アクチュエータにより昇降する第一のガイドローラと、前記第一のガイドローラの昇降に伴って前記第一の吸着パッドを回転させるように前記第一のガイドローラを案内する第一のガイドとを備える。
【0014】
好ましい態様として、前記第一のガイドローラは、直角に配置された一対のガイドローラであることを特徴とする。
【0015】
好ましい態様として、前記開口手段は、前記包装袋の前記反対面側に吸着し前記第一の吸着パッドとともに前記アクチュエータにより昇降する第二の吸着パッドと、前記第二の吸着パッドを前記包装袋の前記反対面側に接近する方向にスライドさせ、前記回転機構により起こされた前記包装袋の前記反対面側に吸着させ、吸着後に前記接近する方向と反対方向にスライドさせるスライド機構とを備える。
【0016】
好ましい態様として、前記スライド機構は、前記第二の吸着パッドと接続し前記アクチュエータにより昇降する第二のガイドローラと、前記第二のガイドローラの昇降に伴って前記第二の吸着パッドをスライドさせるように前記第二のガイドローラを案内する第二のガイドとを備える。
【0017】
好ましい態様として、前記アクチュエータは、空気圧で制御されるエアシリンダである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の包装袋開口装置によれば、多様な包装袋を一枚一枚取り上げて開口して、被包装物を包装袋に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態における包装袋開口装置の構成例を示す正面図である。
図2】搬送動作部40の構成及び動作を説明する図である。
図3】開口動作部50の構成及び動作を説明する図である。
図4】搬送動作部40と開口動作部50の機構を上から見た模式図である。
図5】搬送動作部40と開口動作部50の機構を正面から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態における包装袋開口装置の構成例を示す正面図である。包装袋開口装置1は、ベース台10と、ベース台10から上に延びる支柱部20と、支柱部20に固定されて取り付けられる充填管であるホッパ30と、ベース台10に畳まれて平に置かれた包装袋2に付着して包装袋2を起こして上方に移動させる搬送動作部40と、包装袋2が上方に移動している間に、包装袋2の口部2aを開口する開口動作部50とを有して構成される。
【0022】
包装袋2は、シート状の袋体であって、畳まれた状態で閉じている一端側の口部2aを拡げることで口部2aが開口する。
【0023】
ベース台10は、好ましくは脚付きの平面台であり、畳まれた少なくとも1枚(通常は積層された複数枚)の包装袋2がその台面上に平らに置かれる。好ましくは、複数の包装袋2が重ねられて平積み状態でベース台10の上に載置される。また、ベース台10には、支柱部20と駆動装置60が取り付け蹴られている。駆動装置60は、搬送動作部40及び開口動作部50を駆動するための電源、ポンプ及び制御部等を含む。
【0024】
支柱部20は、ベース台10に一端が固定され、ベース台10から上方に延びて配置されるリニアアクチュエータであり、リニアアクチュエータ20は垂直方向(縦方向)に延びる固定側の軸体21と、軸体21に対して直線運動(ここでは、上下に昇降する直線運動)する可動部22と有して構成される。可動部22は、例えば空気圧による駆動するシリンダであり、駆動装置60による空気(エア)供給制御にしたがって駆動される。また、ホッパ30は支柱部(リニアアクチュエータ)20の固定側である軸体21に所定高さ位置に支持され固定されている。
【0025】
ホッパ30は、漏斗状の下向きに先細形状の円筒部材であり、上側開口が被包装物(物品)の投入口30aとなり且つ下側開口が被包装物(物品)の排出口30bとなる向きで支柱部20の軸体21に取り付けられる。
【0026】
搬送動作部40は、畳まれて平らな状態でベース台10に置かれた一枚の包装袋2の口部2a近傍の一面側に吸着し、口部2aが上側になるように包装袋2を起こして上方に移動させ、開口させた口部2aがホッパ30の排出口30bに被る所定高さ位置まで上昇させ、その高さ位置に口部2aを配置する。
【0027】
開口動作部50は、包装袋2が上方に移動している間に、包装袋2の口部2aの反対面側に吸着し、口部2aの一面側と反対面側の少なくとも一方を引き合うことで口部2aを開口する。なお、搬送動作部40の概略は図1に示されているが、開口動作部50は、図1には示されていない。
【0028】
搬送動作部40と開口動作部50の構成及びその動作についてさらに説明する。
【0029】
図2は、搬送動作部40の構成及び動作を説明する図である。搬送動作部40は、垂直に延びる上記軸体21とそれに対して昇降動作する上記可動部22とを有する支持部(リニアアクチュエータ)20を構成要素として含み、さらに、上記包装袋2の開口部近傍の一面側に吸着する一面側吸着パッド41、一端側に取り付けられる一面側吸着パッド41をリニアアクチュエータ20の可動部22に支持するための支持部材42、支持部材42を回転軸Aを中心に回転させる回転機構部とを備える。この回転機構部は、支持部材42の他端側に取り付けられ且つ回転軸Aから互いに直交する向きに延びて配置された一対のガイドローラ44a、44bと、支持部材42の昇降に伴ってガイドローラ44a、44bそれぞれの位置をガイドし、回転させる一対のガイド板45a、45bを有して構成される。ガイド板45a、45bは、ガイドローラ44a、44bがその昇降動作に伴って直角(90度)に回転するように形成されて配置される。ガイドローラ44a、44bは、同一の回転軸に取り付けられて同期して回転する。
【0030】
一面側吸着パッド41は支持部材42の一端側の先端に取り付けられ、支持部材42はその内部に駆動装置60を構成するポンプ(図示せず)と接続する中空パイプを内蔵し、ポンプの吸引動作により一面側吸着パッド41の内側を負圧にすることで、一面側吸着パッド41は包装袋2を吸引する。
【0031】
支持部材42はリニアアクチュエータ20の可動部22と連結し、可動部22の動作により、支持部材42及びそれに取り付けられた一面側吸着パッド41を昇降させる。
【0032】
回転機構部は、支持部材42の昇降動作に伴って、支持部材42及びそれに取り付けられた一面側吸着パッド41を回転させる。
【0033】
回転機構部の動作について、具体的には、支持部材42に取り付けられている一面側吸着パッド41が下限位置で包装袋2に接触して吸着した状態(図2の位置P1)、すなわち、一面側吸着パッド41がベース台10上に横たわっている包装袋2の一面側に吸着している状態から上昇する工程において、支持部材42が上昇していくと、ガイドローラ44aがガイド板45aに当接し、その傾斜から、横向きに延びるガイドローラ44aは縦向き(下向き)に90度回転変位し、ガイドローラ44aと直交する向きのガイドローラ44bは、縦向き(上向き)から横向きに90度回転変位し、その回転変位による支持部材42の回転に伴って、包装袋2に吸着している一面側吸着パッド41も90度回転し、口部2aが上向きになるように包装袋2が縦向きに起こされ(図2の位置P2)、さらにその状態でホッパ30の排出口30b付近の上限位置まで上昇していく(図2の位置P3)。
【0034】
図3は、開口動作部50の構成及び動作を説明する図である。図3には、開口動作部50と連動して動く搬送動作部40の一面側吸着パッド41と支持部材42も示される。
【0035】
開口動作部50は、垂直に延びる上記軸体21とそれに対して昇降動作する上記可動部22とを有する支持部(リニアアクチュエータ)20を構成要素として含み、さらに、包装袋2の口部近傍の反対面側に吸着する反対面側吸着パッド51、一端側に取り付けられる反対面側吸着パッド51をリニアアクチュエータ20の可動部22に支持するための支持部材52、支持部材52及びそれに結合する反対面側吸着パッド51を横方向にスライド移動させるスライド機構部とを備える。このスライド機構部は、支持部材52の他端側に取り付けられるガイドローラ54と、支持部材52の昇降に伴ってガイドローラ54の位置をガイドし、スライド移動させるガイドレール55とを有して構成される。ガイドレール55は、ガイドローラ54の昇降動作に伴って、支持部材52を横方向にスライド移動するように「く」の字状に折れ曲がって形成されて配置される。
【0036】
反対面側吸着パッド51は支持部材52の一端側の先端に取り付けられ、支持部材52はその内部に駆動装置60(図1参照)を構成するポンプ又は真空発生器(図示せず)などの吸引機構と接続する中空パイプを内蔵し、ポンプ等の吸引動作により反対面側吸着パッド51の内側を負圧にすることで、反対面側吸着パッド51は包装袋2を吸引する。
【0037】
支持部材52はリニアアクチュエータ20の可動部22と連結し、可動部22の動作により、支持部材52及びそれに取り付けられた反対面側吸着パッド51を昇降させる。
【0038】
スライド機構部は、支持部材52の昇降動作に伴って、支持部材52及びそれに取り付けられた反対面側吸着パッド51を横方向に往復するようスライド移動させる。
【0039】
スライド機構部の動作について、具体的には、支持部材52に取り付けられている反対面側吸着パッド51が下限位置で一面側吸着パッド41から水平方向に所定長さ離れた基準位置(位置S1)にある状態から上昇する工程において、支持部材52が上昇していくと、ガイドローラ54はガイドレール55に沿って下限位置から上昇していきながら、ガイドレール55のくの字状の折れ曲がり部分において、その形状に沿って、支持部材52及び他方面側吸着パッド51が一面側吸着パッド41に近づく方向にスライド移動し、反対面側吸着パッド51は、回転した一面側吸着パッド41及びそれに吸着している包装袋2に接近していき、包装袋2の反対面に接触し、それを吸引し吸着する(位置S2)。さらに、反対面側吸着パッド51は、包装袋2に吸着してから、ガイドレール55の形状に沿って逆方向にスライド移動していく。すなわち、反対面側吸着パッド51は、包装袋2に吸着した状態で一面側吸着パッド41から離れる方向にスライド移動しつつ、吸着した包装袋2の口部2aを広げながら上昇していき、ホッパ30の排出口30b付近でまで上昇していき(位置S3)、好ましくは、包装袋2は、その開口した口部2aがホッパ30の排出口30bに接近した位置、好ましくは排出口30bに被る位置に位置決めされる。開口した包装袋2は、その口部2aがホッパ30の排出口30bを覆うように広げられて、包装袋2内に確実に被包装物が充填される位置までホッパ30に近づけられて配置される。
【0040】
図4は、搬送動作部40と開口動作部50の機構を上から見た模式図である。搬送動作部40のガイドローラ44a、44bと、開口動作部50のガイドローラ54が、可動部22に連結し、その昇降に伴って、搬送動作部40のガイドローラ44a、44bはガイド板45a、45b(図4に示さず)に沿って移動することで、一面側吸着パッド41を回転動作させ、開口動作部50のガイドローラ54はガイドレール55(図4に示さず)に沿って移動することで、反対面側吸着パッド51をスライド移動させる。
【0041】
図5は、搬送動作部40と開口動作部50の機構を正面から見た模式図であり、搬送動作部40と開口動作部50が連動して動作している状態を示す。搬送動作部40の一面側吸着パッド41は、ベース台10上に平らに寝かせて置かれた包装袋2の束の最上位置の一枚の包装袋を吸引し、可動部22の上昇とともに、吸引した包装袋2を持ち上げる。搬送動作部40の一面側吸着パッド41と開口動作部50の反対面側吸着パッド51は共通の可動部22に取り付けられており、可動部22の上昇とともに上昇し、それぞれ搬送動作部40の一面側吸着パッド41は、ガイドローラ44a、44bのガイド板45a、45bに沿った移動により回転して、包装袋を縦向きに起こし、連動して上昇している開口動作部50の反対面吸着パッド51の水平移動により、縦向きに起きた包装袋2(及び一面側吸着パッド41)に接近するようにスライド移動し、包装袋2の反対面に接触して吸引し、さらに、可動部22が上昇することにより、反対面吸着パッド51は、一面側吸着パッド41から離れるように移動することで、包装袋2の口部2aを開けて、ホッパ30の排出口30bを覆う位置に配置される。この状態において、ホッパ30の投入口30aから投入された被包装物は包装袋に収容される。被包装物が収容された包装袋2は、作業者の手作業により、一面側吸着パッド41と反対面側吸着パッド51から外され、その後、搬送動作部40及びそれと連動する開口動作部50は、ベース台10の位置まで降下し、再度、ベース台10に平らに置かれている包装袋2の一面側の口部2aを一面側吸着パッド41が吸引し、上記動作を繰り返す。包装袋2を一枚ずつ取り上げて開口して、ホッパの位置に配置し、被包装物を包装袋に充填することができる。本発明の包装袋開口装置は、ベース台10の上に載置でき且つ吸着パッドで吸引できる多様なサイズや材質の包装袋の種類に対応可能である。
【0042】
以上に説明したように、本発明によれば、簡単な構造で、少量多品種の商品の袋詰めに適した装置を提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1:包装袋開口装置、2:包装袋、2a:口部、10:ベース台、20:支柱部(リニアアクチュエータ)、21:軸体、22:可動部(シリンダ)、30:ホッパ、30a:投入口、30b:排出口、40:搬送動作部、41:一面側吸着パッド、42:支持部材、44a:ガイドローラ、44b:ガイドローラ、45a:ガイド板、45b:ガイド板、50:開口動作部、51:反対面側吸着パッド、52:支持部材、54:ガイドローラ、55:ガイドレール、60:駆動装置
【要約】
【課題】多様な包装袋を一枚一枚取り上げて開口して、被包装物を包装袋に充填することができる改良された新規な包装袋開口装置を提供する。
【解決手段】包装袋開口装置は、上側に被包装物の投入口を有し且つ下側に当該被包装物の排出口を有するホッパと、畳まれて平らに置かれた包装袋の口部近傍の一面側に付着し、口部が上側になるように包装袋を起こして上方に移動させ、ホッパの排出口の直下に開口した口部を配置するように包装袋を搬送する搬送手段と、包装袋が上方に移動している間に、包装袋の口部近傍の反対面側に付着し、口部の一面側と反対面側の少なくとも一方を引き合うことで口部を開口させる開口手段とを備える。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5