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特許7187737ユーザーインタフェースを提供する方法、プログラム及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ユーザーインタフェースを提供する方法、プログラム及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20221206BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06F3/0488
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2016563526
(86)(22)【出願日】2015-12-11
(86)【国際出願番号】 JP2015006210
(87)【国際公開番号】W WO2016092864
(87)【国際公開日】2016-06-16
【審査請求日】2018-12-11
【審判番号】
【審判請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】P 2014252545
(32)【優先日】2014-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514319618
【氏名又は名称】MOVIN合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】320005947
【氏名又は名称】吉岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】三苫 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 輝
【合議体】
【審判長】稲葉 和生
【審判官】富澤 哲生
【審判官】林 毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-113469(JP,A)
【文献】特開2013-156923(JP,A)
【文献】特開2006-139615(JP,A)
【文献】特開2013-126192(JP,A)
【文献】特開2014-168154(JP,A)
【文献】特開2013-214842(JP,A)
【文献】特開2011-187130(JP,A)
【文献】国際公開第2013/157330(WO,A1)
【文献】特開2009-33583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01, 3/048-3/0489
H04N 5/91-5/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を指によってタッチすることで操作する電子機器においてユーザーインタフェースを提供する方法であって、画面において動画を再生するステップと、動画を再生している領域におけるユーザーのタッチを検出するステップと、前記タッチの検出に応答して、前記動画を引き続き再生させながら、前記動画上の前記タッチの位置の周囲に、それぞれ動作が関連づけられた複数のフリック補助表示を新規に表示するステップと、前記動画を引き続き再生させながら、前記フリック補助表示に対応するフリック操作の完了を検出するステップと、前記フリック補助表示に関連づけられた動作を実行するステップとを有し、前記タッチの検出に応答して、動画の再生速度を変化させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タッチの検出に応答して、動画を表示している領域の明るさを変更することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、再生を停止させる動作、動画の再生位置を選択する動作、次の動画の再生に移る動作、前の動画の再生に移る動作、及び動画の先頭に移る動作からなる群から選択される再生関連動作が含まれることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、再生の早送りをさせる動作及び再生の巻き戻しをさせる動作からなる群から選択される再生関連動作が含まれ、その早送り又は巻き戻しは、前記フリック操作の後に画面をタッチする時間だけ行われ、その早送り又は巻き戻し中は、その時点の早送り又は巻き戻しに対応した動画が画面に表示されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、再生中の動画を保存又は登録する動作が含まれることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、特定のアドレスへとアクセスする動作、動画に関連づけられたアドレスをコピーする動作、及び動画に関連づけられたアドレスを使用して特定のプログラムの特定の機能を実行させる動作からなる群から選択されるアドレス関連動作が含まれる
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記フリック補助表示には、再生中の動画に関連する別の動画の代表画像が表示され、前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、前記代表動画に対応する別の動画を再生する動作が含まれることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、フリック操作の所定の段階における動画のスクリーンショット画像を取得する動作が含まれることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作には、検出した画面上でのユーザーのムーブ動作に応じた動画の再生位置の選択を受け付ける動作が含まれ、当該方法は、その後に、受け付けた再生位置から動画を再生するステップをさらに有することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記フリック補助表示に関連づけられた動作は、更なる補助表示を表示する動作であり、前記フリック操作の完了によって、この更なる補助表示を表示する動作が実行されると、画面上に新たに複数の第2の補助表示を表示し、この第2の補助表示のうちの1つに対するユーザーの選択操作を検出すると、その第2の補助表示に関連づけられた動作を実行することを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を電子機器が実行するように構成するプログラム。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面を指によってタッチすることで操作する電子機器においてユーザーインタフェースを提供する方法、プログラム及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器(例、スマートフォン及びタブレット端末)で表示される動画や画像は、テキストと違って視覚的な伝達手段として有効な手法である。特に動画においては、視覚的な効果だけでなく、音を利用することでその視覚体験をよりリアルなものにすることができる。
【0003】
一般的に、電子機器上で表示される画像をタップすると別のページに遷移されることは、バナー広告と呼ばれる広告手法でも利用されている。また、主に写真などは対象の画像を一定時間タッチすることでその画像をコピーすることができる。動画においては、YouTube(登録商標)(http://www.youtube.com)に代表される動画サイト/アプリで電子機器で閲覧できるが、動画の操作やページ遷移は、オブジェクトタップ領域でのタップ操作によって一つのアクションが実行されるものが一般的である。
【0004】
一方で、電子機器における、日本語のテキスト入力では、タッチして水平方向に動かすフリック操作が使用されており、片手で操作できる快適な使用体験が提供されている。しかし、動画や画像を直接タッチして操作するというものはあるが、フリックで操作を行うというものは実現できておらず、世の中に存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電子機器上で表示される動画や画像は、対象の動画や画像自体をタップする(動画上であれば再生ボタンや一時停止ボタン、画像上であればタップすることで別ページに遷移する等)、もしくは同一ページ上に表示されるオブジェクトをタップすることで端末側にアクションを実行させて操作するものがほとんどである。
【0006】
表示されている対象の動画や画像に対してタップして操作する技術だけでは、そのアクション行為の数が限られてしまう。つまり、表示されている動画や画像に対しての操作は単一のタップ領域に対して単一のアクションという1対1の関係であるため、複数のアクションを実行させるためには、動画上、並びに同一ページ内にアクションを実行するためのタップ可能なオブジェクトを複数設けることが求められる。タップ可能なオブジェクトが増えるほど、利用するユーザーにとっては情報量が増えて操作が難解になるだけでなく、見た目にも支障が出る可能性がある。また、特にスマートフォンにおいては、両手を使ってアクションを起こす必要性も出てくるためユーザーにとって操作しづらい状況が生まれる。
【0007】
本発明は、画面を指によってタッチすることで操作する電子機器において動画を再生するユーザーに優れたインタフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電子機器上で表示される動画に対しての操作を、対象の動画自体をフリックすることで、限られたタッチ/タップ領域で、複数のアクションを実行可能にするものである。
【0009】
具体的には、特許請求の範囲に記載の構成を有する。電子機器で表示される動画や画像に直接タッチすると、複数のオブジェクトを同時に表示させる。複数のオブジェクトが表示された状態で、対象のオブジェクトにフリックすることで、それぞれのオブジェクトのアクションを端末内で実行することができるようになる。
【0010】
本明細書で使われる用語について簡略に説明し、本発明について具体的に説明する。
【0011】
明細書全体として「オブジェクト」は、ユーザーが選択できる対象を意味する。アイコン、ポップアップ画像、リンク、絵、テキスト、インデックス項目などがオブジェクトの一例である。「ページ」はコンテンツ、情報またはオブジェクトが含まれた空間を意味する。例えば、ウェプページ、コンテンツリスト、サムネイルリスト、写真の配列されたトレー、アイコンの配列されたトレーなどがページの一例である。
【0012】
「タッチ」とは、ユーザーが指やタッチ道具(スタイラス)を用いてタッチ対応画面に触れる動作を示す。
【0013】
「フリック操作」は、ユーザーが指やタッチ道具を用いて「タッチ」してから、タッチした指やタッチ道具を画面から離すことなく特定の指示をするためにタッチ面に対して水平方向に動かす操作をいう。したがって、単に素早く画面上で指を滑らす操作もフリック操作に含まれる。なお、「タッチ」した後に、水平方向に指やタッチ道具を動かさずに指が離れる動作は、「タップ」であって、「フリック操作」とは区別される。なお、「画面から離す」というのは、実際には、画面からの特定の範囲から離れることをいう。
【0014】
本発明によれば、電子機器で表示される動画や画像上でのフリック操作を可能にすることで、限られた単一のオブジェクトのタップ領域で複数のアクションを行うことができる。オブジェクトの情報量が減らせることで、見た目も整理されるだけでなく、ユーザーにとっては分かりやすく、より直感的な操作でアクションを実行することができるようになる。特にスマートフォンであれば、片手で操作できる快適な使用体験を提供できる。また、フリックした後に、画面タッチしている指やタッチ道具を離す時間によって、その効果を変えることもできるなど、単一のオブジェクトタップ領域で、より多くのアクションパターンを用意することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る電子機器の概要を示す正面図である。図1Bは、本発明の一実施形態に係る電子機器の通信の様子を示すブロック図である。図1Cは、動画再生アプリにおいて、動画を再生している状況を示す電子機器の正面図である。
図2Aは、動画再生中にユーザーがタッチした時点における状況を示す電子機器の正面図である。図2Bは、ユーザーがタッチした後で指を横に動かした状況を示す電子機器の正面図である。
図3A~3D、図4E~4H、図5I~5Kは、本発明の実施形態に係るユーザーインタフェースを提供する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る電子機器の概要を示す正面図である。図1Bは、本発明の一実施形態に係る電子機器の通信の様子を示すブロック図である。電子機器10は、タッチ対応画面20、スピーカー30、物理的ボタン50を有する。本実施形態において、電子機器10は、マイクロホン、電池88、CPU83、メモリー84、通信ユニット86をさらに有する通信機能付きのユーザーが携帯可能な電子機器であり、電話機能も有するスマートフォンである。電池88を有し小型であること(1kg以下であり好ましくは0.5kg以下)によってユーザーは電気機器10を携行することが現実的に可能になる。電子機器10は、通信機能を使用して動画配信を行っている外部サーバー70にアクセスして画面20上で動画を再生することができ、また、電子機器10内部のメモリーに保存された動画ファイルの動画を画面20上で再生することができる。通信ユニット86は、W-CDMA、LTE、WiFi(例、IEEE802.11n)などの通信規格に対応している。
【0017】
電子機器10では、iOSやAndroidのような携帯機器用のオペレーションシステムが動作しており、これの上で、又はこれの上で動作するウェブブラウザー等のアプリの上で、アプリケーションソフトウェア(アプリ)が動作する。図1Aは、本発明に係るプログラムである動画再生アプリの初期画面を示している。この初期画面は、例えば、特定のアドレスにアクセスした際に表示される。画面20上には、動画再生領域22があり、再生ボタン40、現在位置表示44、プログレスバー45、時間表示46が、動画再生領域22の内部ないし近傍に配置されている。この状況で、再生ボタン40をタッチすると、動画の再生が開始する。あるいは、特定のアドレスにアクセスした際に動画の再生が自動的に開始される。
【0018】
図1Cは、この動画再生アプリにおいて、動画を再生している状況を示す図である。動画の再生を開始してから12秒が経過しており、プログレスバー45上の現在位置表示44が横に移動しており、図1Aの再生ボタン40は、表示されていない。通話用スピーカー30ではない別のスピーカー(図示せず)からは動画の音が出ている。
【0019】
図2Aは、動画再生中にユーザーが指90でタッチした時点における状況を示す図である。図2Aでは、図1Aにおいて再生ボタン40が表示されていた画面中央の位置に一時停止ボタン43が表示されており、その周りの上下左右に4つのフリック補助表示60~63が表示されている。「フリック補助表示」は、ユーザーのフリック操作を補助するための表示のことであり、好ましくは、それぞれ枠を有し、内部には、関連づけられた動作を表すような文字、アイコン、画像、動画が表示されている。この枠は、略四角形であることが好ましいが、中央部分からの吹き出しを描いたような略五角形の吹き出し状であってもよい。後者の場合、ユーザーに対してフリック操作をより促進することができる。フリック補助表示60は、「前の動画の再生」、フリック補助表示62は、「次の動画の再生」に対応するものである。フリック補助表示61の内部を図において描いていないが、実際には文字などが表示される。同時に表示されるフリック補助表示の数は、1以上8以下がよく、4つであることが好ましい。4つであると、上下左右に配置されることになって、操作誤りを防ぎつつ、多く表示することができるからである。また、2つにすると、操作誤りを更に減らすことができ、8つにすると、操作誤りを適度に防ぎつつ、多く表示することができる。また、下の位置のフリック補助表示はユーザーにとって見づらいので、上左右の3つ、上、左、右、左上、右上の5つ、8方向のうち下以外の7つも、好ましい。
【0020】
図2Aの状況から、ユーザーは指90をタッチ面から離さずに(ないし所定範囲を超えて離さずに)、フリック補助表示60~63に対応する水平方向の方向(この場合は、上、下、左、右)に指を滑らせ、ユーザーは指90を画面から離す。これによって、ユーザーのフリック操作が完了する。なお、この際の指90を滑らせる速さに応じて、速い場合は、フリック操作であって、遅い場合はフリック操作ではないというように、判断することができる。
【0021】
図2Bは、ユーザーがタッチした後で指90を水平方向右に動かした状況を示す図である。ユーザーは、図2Aで指90で画面をタッチした後で、タッチ面から離さずに水平方向右に滑らせて、その後で指90を画面から離して、「右フリック」というフリック操作を完了させている。これによって、「右フリック」に対応するフリック補助表示62が選択されたことになり、これに関連づけられた「次の動画の再生」という動作が実行されることとなる。
【0022】
別の実施形態において、図2Aでフリック補助表示60~63が表示される段階で、フリック補助表示60には、「再生関連動作」、フリック補助表示62には、「アドレス関連動作」に対応する文字やアイコンが内部に表示され、「左フリック」を完了させた場合は、さらに、再生を停止させる動作、動画の再生位置を選択する動作、次の動画の再生に移る動作、前の動画の再生に移る動作、動画の先頭に移る動作などに対応する別の4つの「第2の補助表示」が表示される。第2の補助表示は、図2Aのようにフリック補助表示60~63と同じ位置、あるいは「フリック操作」に対応するようにずれた位置(この場合、左フリックなので左にずれた位置)に、表示される。前者の場合は、ユーザーに補助表示の位置の一貫性を与えて、操作をわかりやすくすることができる。一方、後者の場合、第2の補助表示を最初のフリック補助表示と区別しやすくなる。ユーザーは、第2の補助表示に対して、単にタッチして選択を完了する。あるいは、ユーザーは、前回のフリック操作時に、指90を画面から離さずないし一旦離した後にすぐにタッチして、第2の補助表示に対して、二度目のフリック操作を完了することによって、選択を完了する。
【0023】
図3A~4Kは、本発明の一実施形態に係るユーザーインタフェースを提供する方法のフローチャートである。以下、図3A~4Kのフローチャートに基づいて動作を説明する。図3AのS102で、ユーザーの操作などに基づいて、画面に動画を再生する。この後で、ユーザーが画面20上の動画再生領域22を指でタッチする。S104で、そのユーザーの指によるタッチを検出する。S106で、動画を引き続き再生させながら、画面20上にフリック補助表示60~63を表示する。図2A、5の例においては、フリック補助表示60、62はそれぞれ、「前の動画の再生」、「次の動画の再生」に対応するものである。フリック補助表示60~63は、アイコンであっても、文字列であっても、音を発生する領域であっても、これらの組み合わせであってもよい。フリック補助表示60~63によって、ユーザーが操作内容を把握することが容易になる。
【0024】
その後、ユーザーは、「次の動画の再生」の操作をしたいと欲し、図2Bに示すようにユーザーが指を画面20から離さず(実際は特定の程度以上離さないという意味。以下、同じ。)に右に素早く動かして指を画面20から離して、「右への素早いフリック」の操作を完了させる。S108で、このフリック操作の完了を検出する。
【0025】
この時点でも、再生していた動画を引き続き再生させている。S110で、フリック補助表示62に関連づけられた「次の動画の再生」という動作を実行する。S104~S108において、動画を引き続き再生させており、これによって、ユーザーがどのフリック補助表示60~63に対応する操作を行おうか考えている時間においても、動作再生をユーザーに提供することができ、もしユーザーが引き続き動画再生を鑑賞したいと欲した場合には、フリック操作を完了しないことによって、S104から進んだ動画再生位置にて動画を再生することができる。これによって、ユーザーの利便性が向上する。
【0026】
図3Bは、図3Aの方法と比べて、S104の後で動画再生を停止する場合の方法のフローチャートである。S104でタッチを検出した後、S107で、動画再生を停止して、フリック補助表示60~63を表示する。この際、図3Aの方法では、一時停止ボタン43が表示されていたが、この位置に、再生ボタン40が表示される。そして、S109で、引き続き動画再生を停止させながら、フリック操作の完了を検出する。
【0027】
このように、動画再生を停止することによって、ユーザーがフリック補助表示60~63に集中することが容易になり、また、ユーザーが上記の取り消し操作を行った場合においても、S104にてタッチした時点での動画再生位置から動画再生を再開することができるようになって、ユーザーにとって、見たい場面を逃すことを防ぐことができる。図3Aの方法のように、タッチ(S104)の後に動画を引き続き再生する方法と、図3Bの方法のように、タッチ(S104)の後に動画再生を停止する方法とは、ユーザーによって設定できるようにするのが好ましい。
【0028】
図3Cの方法では、タッチの後に、S202で、動画の再生速度を変化させる。具体的には、動画の再生速度を通常の再生速度よりも遅くすることが好ましい。これによって、ユーザーがフリック補助表示60~63を見ながらどの操作をするかどうか考えることを容易にする。なお、S106の後にS202を行ってもよい。また、図3Cの方法では、タッチ(S104)の後に動画を引き続き再生するのではなく、図3Bの方法のように、タッチ(S104)の後に動画再生を停止してもよい。
【0029】
図3Dの方法では、タッチの後に、S204で、動画領域の明るさを変化させる。具体的には、動画領域の明るさを暗くすることが好ましい。これによって、ユーザーに対してフリック補助表示60~63に関連する操作をすることができる状態であることを容易に把握させることができるようになり、また、フリック補助表示60~63を目立たせたり、フリック補助表示60~63の操作を促す効果を発揮する。なお、S106の後にS204を行ってもよい。また、図3Dの方法では、タッチ(S104)の後に動画を引き続き再生するのではなく、図3Bの方法のように、タッチ(S104)の後に動画再生を停止してもよい。
【0030】
図4Eの方法では、S104でタッチを検出した後に、S208で、早送りをさせる動作、巻き戻しをさせる動作に対応するフリック補助表示を表示する。そして、S108でフリック操作の完了を検出する。そして、ユーザーは、早送りをさせる動作、巻き戻しをさせる動作に対応するフリック補助表示をタッチしつづける。S210で、タッチの間、対応する早送りをさせる動作又は巻き戻しをさせる動作を実行し、その際、早送り又は巻き戻しに対応した動画を動画再生領域22上に表示する。これによって、ユーザーは早送り又は巻き戻しの状況を把握することができるようになり、その時点においてタッチを止めたときの動画再生位置を把握することができるようになる。なお、図4Eの方法では、タッチ(S104)の後に動画を引き続き再生するのではなく、図3Bの方法のように、タッチ(S104)の後に動画再生を停止してもよい。
【0031】
S110のフリック補助表示に関連づけられた動作には、動画の保存又は登録の動作が含まれていると好ましい。図4Fは、この場合の方法を示している。「動画の保存」とは、動画を電子機器10のメモリー84や外部サーバー上で保存する行為をいい、「動画の登録」とは、当該動画を再び呼び出すことが容易なように、お気に入り設定(ブックマーク設定)のような登録をすることをいう。
【0032】
S110のフリック補助表示に関連づけられた動作には、再生を停止させる動作、動画の再生位置を選択する動作、次の動画の再生に移る動作、前の動画の再生に移る動作、及び動画の先頭に移る動作などの再生関連動作を含むのが好ましい。図4Gの方法では、この場合を示した。動画に関連するユーザーの操作は多数にわたり、これらを常に画面上に表示するのではなく、S104のタッチがあった際にのみ表示するようにした方が、画面を有効活用できるから有利である。
【0033】
また、S110のフリック補助表示に関連づけられた動作には、特定のアドレスへとアクセスする動作、動画に関連づけられたアドレスをコピーする動作、及び動画に関連づけられたアドレスを使用して特定のプログラムの特定の機能を実行させる動作などのアドレス関連動作が含まれることが好ましい。動画に関連するユーザーの操作は、上記の再生関連動作に限られず、特に、携帯可能な通信機能付きの電子機器10においては、アドレス関連操作を容易に行うことができるようにすることが非常に便利だからである。「特定のアドレスへとアクセスする動作」とは、例えば、ブラウザで特定のURLにHTTPプロトコルで引数付きでアクセスすることが含まれる。「動画に関連づけられたアドレスをコピーする」とは、動画に関連づけられたURLや連絡先などのアドレスを仮想的なクリップボードに入れて、貼り付け操作によってテキスト編集領域などで貼りつけることができるようにするオペレーションシステムのコピー機能を行うことをいう。「動画に関連づけられたアドレスを使用して特定のプログラムの特定の機能を実行させる動作」とは、動画に関連づけられたアドレスを特定のプログラムに情報として渡して特定の機能を実行させることをいう。例えば、現況登録サービスの評価操作(例、http://facebook.comが提供するfacebookでの「いいね(Like)」操作)をする動作、投稿サービスでの自動的な投稿(例、http://twitter.comが提供するtwitterでのつぶやき)を発する動作などがある。
【0034】
図4Hの方法では、S104でタッチを検出した後に、S230で、再生中の動画に関連する別の動画の代表画像をフリック補助表示に表示する。この代表画像は、サムネール画像とも呼ばれ、動画であっても静止画であってもよい。S232で、フリック補助表示内の代表画像に対応する別の動画を再生する動作を実行する。この方法によって、ユーザーが再生中の動画に関連する別の動画の提供を受けて、その中身の一部を知ることができ、その別の動画の再生を選択することが容易になる。
【0035】
図5Iの方法では、S104でタッチを検出した後に、S240で、タッチ時ないしタッチ時の近傍の動画のスクリーンショット画像をメモリーに一時的に取得する。動画のスクリーンショット画像とは、動画の特定場面における静止画画像のことである。S242で、スクリーンショット画像を取得する動作に対応するフリック補助表示を表示する。S108でのフリック操作の完了の検出の後、S244で、スクリーンショット画像をメモリー84に取得(保存)する動作を実行する。別の実施形態においては、S240はなく、S244でフリック操作の完了の検出時のスクリーンショット画像をメモリー84に取得(保存)する動作を実行する。この方法によって、ユーザーが所望の動画再生位置の動画のスクリーンショットを取得することが容易になる。
【0036】
図5Jの方法では、ユーザーが動画再生位置の選択を容易にできるようなユーザーインタフェースを提供する。S104でタッチを検出した後に、S250で、動画再生位置の選択に対応するフリック補助表示を表示する。動画再生位置とは動画内の始めから終わりまでの位置であって時間で表されるもののことである。S108でフリック操作の完了を検出した後、ユーザーは所定のムーブ動作をする。ムーブ動作とは、指を画面上で動かす動作である。このムーブ動作に応じて、プログレスバー45上の現在位置表示44を動かすようにすることが好ましい。これによって、全体におけるどの位置なのかを把握しやすくなる。また、動画再生領域全体又はそれよりも小さい現在位置表示44に応じて移動する枠内に、その時点での画像を表示することが好ましい。これによって、画像でも位置を認識できるようになる。そして、S252で、検出したユーザーのムーブ動作に応じた動画の再生位置の選択を受け付ける動作を実行する。そして、S254で、受け付けた再生位置から動画を再生する。この方法によって、ユーザーが再生位置を選択することが容易になる。
【0037】
図5Kの方法では、フリック補助表示を表示してフリック操作が行われた後に、新たに複数の第2の補助表示を表示して選択できるようにするようなユーザーインタフェースを提供する。S306では、複数のフリック補助表示のうちの一部(又は全部)において、動作群に対応するフリック補助表示を表示する。例えば、上記の再生関連動作やアドレス関連動作である。S110にて、フリック補助表示に対応する動作が実行された後に、S308にて、新たに複数の第2の補助表示を表示する。この様子は、例えば、図2Aのようにである。あるいは、行われたフリック操作に対応するようにずらして第2の補助表示を表示することもできる。その後、ユーザーがタッチなどによって第2の補助表示の1つを選択し、S310にて、ユーザーによる第2の補助表示の選択操作を検出し、S312にて、選択された第2の補助表示に関連づけられた動作を実行する。この方法によって、入れ子のようなユーザーインタフェースを提供することができ、ユーザーに多くの選択肢を提供することができる。
【0038】
なお、図面及び明細書において、いくつもの実施形態を示し、いくつもの特徴について説明したが、これらは組み合わさっていてもよく、これらの組み合わせも本明細書に組み込む。例えば、図3Bの方法のS104の後からS110の前において、動画を停止するが、これは図3C~4Jの方法のS104の後からS110の前において「動画を引き続き再生する」ことと置き換えて、この区間において「動画を停止」させる。
図1
図2
図3
図4
図5