(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】新規の使用
(51)【国際特許分類】
A01N 31/02 20060101AFI20221206BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20221206BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20221206BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20221206BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20221206BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20221206BHJP
A61K 31/047 20060101ALI20221206BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20221206BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20221206BHJP
A61P 17/10 20060101ALI20221206BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A01N31/02
A01P3/00
A61Q19/00
A61Q15/00
A61Q5/02
A61Q5/12
A61K31/047
A61P31/04
A61P31/10
A61P17/10
A61K8/34
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018213856
(22)【出願日】2018-11-14
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーネ メンドロック-エディンガー
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン モンギャート
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シュリフク-ポシャルコ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0131077(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01529519(EP,A2)
【文献】国際公開第2011/073437(WO,A2)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0130905(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0055829(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物による腐敗及び分解を防止するための、フィタントリオール
を含む抗菌剤。
【請求項2】
抗真菌剤および/または抗細菌剤である、請求項1に記載の
抗菌剤。
【請求項3】
前記微生物が、P.アクネス(P.acnes)、S.エピデルミス(S.epidermis)、M.ファーファー(M.furfur)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)、C.アルビカンス(C.albicans)
、S.アウレウス(S.aureus)ならびにこれらの
組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の
抗菌剤。
【請求項4】
化粧品組成物、家庭用品、プラスチック、紙および/またはペンキにおける
使用のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の
抗菌剤。
【請求項5】
化粧品
組成物、医薬組成物、家庭用品、プラスチック、紙ならびに/またはペンキの微生物
による腐敗および分解を防止する方法であって、前記化粧品
組成物、
医薬組成物、家庭用品、プラスチック、紙ならびに/またはペンキに、前記
化粧品組成物、医薬組成物、家庭用品、プラスチック、紙および/またはペンキの全重量を基準として、0.005~2重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールを抗菌剤として添加することを含む方法。
【請求項6】
前記フィタントリオールの量が、前記
化粧品組成物、医薬組成物、家庭用品、プラスチック、紙および/またはペンキの全重量を基準とし
て0.01~1重量%の範囲で選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フィタントリオールの量が、前記
化粧品組成物または前記医薬組成物の全重量を基準とし
て0.05~0.75重量%の範囲で選択される、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
前記フィタントリオールの量が、前記
化粧品組成物または前記医薬組成物の全重量を基準とし
て0.1~0.5重量%の範囲で選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記
化粧品組成物および/または前記医薬組成物がさらに、水と、界面活性剤、乳化剤、増粘剤および油からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤とを含む、請求項
5~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記
化粧品組成物が、シャンプー調製物、ヘアコンディショナー、O/Wエマルション、W/Oエマルションまたはゲルの形態の化粧品組成物である、請求項
5~
9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、フィタントリオールの抗菌剤としての使用に関する。
【0002】
化粧品組成物、家庭用品、プラスチック、紙および/またはペンキをカビおよび細菌から保護するために、現在市場に出ている大部分の製品は保存料を含有する。これらの保存料は細菌および真菌を防ぐが、研究により、これらの物質の多くに対するの日常的な暴露は、皮膚刺激、癌および/または内分泌問題のリスクの増大に関連付けられている。したがって、多くの製造業では、保存料の量の低減を可能にし、どんな健康上のリスクも引き起こさないと思われる代替の抗菌活性物質が探索されている。
【0003】
抗菌活性化合物は、さらに、多数の化粧品用途のために重要な役割を果たす。
【0004】
ざ瘡は、タルク製造の増大および皮膚の角質化の低下によって引き起こされる炎症性丘疹、膿疱または小結節において明白である皮膚障害を意味すると理解される。炎症は、発赤、膨潤および圧痛に関連し得る。遺伝的素因に加えて、考えられるざ瘡形成の原因は、アンドロゲン、面皰を生じやすい物質(例えば、化粧品中の)、喫煙、ストレスまたは細菌による皮膚の過剰なコロニー形成であり得る。ざ瘡は、例えば、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、またはスタフィロコックス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)などの微生物によって誘発され得る。プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)は、通常皮膚にコロニーを形成し、皮脂を糧としている細菌である。ざ瘡は、例えば、これらの細菌の数が増大すると起こり得る。濾胞内の細菌の存在は炎症反応を引き起こし、これは、赤色の小結節または膿疱の形成において明白である。細菌による遊離脂肪酸の産生は、さらに、濾胞内の炎症反応を促進する。
【0005】
水および塩に加えて、腋窩の汗は、多数の他の物質(例えば、脂肪、アミノ酸、糖、乳酸、尿素など)を含有する。新しく形成された汗は無臭であり、典型的な汗の臭気は、皮膚細菌の汗への作用(汗を分解する)に起因して生じるだけである。このような細菌の例は、ブドウ球菌(Staphylococcus)またはコリネバクテリウム(Corynebacterium)である。この理由から、臭気の形成に関与する細菌を制御することを目的として、脱臭剤では芳香物質および制汗剤に加えて通常抗菌物質も使用される。
[先行技術文献]
[非特許文献]
【0006】
[非特許文献1]Roempp Lexikon Chemie,10th edition 1997,Georg Thieme Verlag Stuttgart,New York
[非特許文献2]A.Domsch,“Cosmetic Compositions”,Verlag fuer chemische Industrie(ed.H.Ziolkowsky),4th edition,1992
[非特許文献3]International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook by Personal Care Product Council(http://www.personalcarecouncil.org/)
[非特許文献4]“Handbook of Water soluble gums and resins”by Robert L.Davidson(Mc Graw Hill Book Company(1980))
【0007】
驚くことに、フィタントリオールは抗菌活性を示すことがここで見出された。
【0008】
したがって、本発明は、抗菌剤、すなわち抗菌活性を示す薬剤としてのフィタントリオールの使用に関する。特に、本発明は、抗真菌剤および/または抗細菌剤として、より詳細には、特にプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(P.アクネス(P.acnes))、スタフィロコックス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)(S.エピデルミス(S.epidermis))、マレサチア・ファーファー(Malessazia furfur)(M.ファーファー(M.furfur))、アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis))、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(C.アルビカンス(C.albicans))および/またはスタフィロコックス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(S.アウレウス(S.aureus))などの真菌および/またはグラム陽性細菌を死滅させる、および/またはこれらの増殖を阻害するための薬剤としてのフィタントリオールの使用に関する。
【0009】
別の実施形態では、本発明は、微生物細胞、特に真菌細胞および/または細菌細胞を死滅させる、および/またはこれらの増殖を阻害するための方法に関し、上記方法は、上記微生物細胞をフィタントリオールと接触させることを含む。好ましい実施形態では、微生物細胞は、真菌および/またはグラム陽性細菌からなる群から、より好ましくは、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(P.アクネス(P.acnes))、スタフィロコックス・エピデルミス(Staphylococcus epidermis)(S.エピデルミス(S.epidermis))、マレサチア・ファーファー(Malessazia furfur)(M.ファーファー(M.furfur))、アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)(A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis))、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(C.アルビカンス(C.albicans))、およびスタフィロコックス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(S.アウレウス(S.aureus))、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0010】
フィタントリオール[CAS:74563-64-7]は、化学名3,7,11,15-テトラメチル-ヘキサデカン-1,2,3-トリオールを有する無色~淡黄色の粘性の液体である。フィタントリオールは、例えば、DSM Nutritional Products Ltd,Kaiseraugstにおいて市販されている。
【0011】
本明細書で使用される「抗菌活性」(または「抗菌効果」)という用語は、特に細菌および真菌、より詳細には、P.アクネス(P.acnes)、S.エピデルミス(S.epidermis)、M.ファーファー(M.furfur)、A.ブラシリエンシス(A.brasiliensis)、C.アルビカンス(C.albicans)およびS.アウレウス(S.aureus)、ならびにこれらの混合物などの微生物の細胞を死滅させる、および/またはこれらの増殖を阻害する能力を意味する。
【0012】
抗菌活性のために、フィタントリオールは、P.アクネス(P.acnes)(ざ瘡制御の用途)およびS.エピデルミス(S.epidermis)(制汗剤/脱臭剤の用途)などの皮膚上の微生物の過剰集団(overpopulation)を処置することによって、そして/あるいはS.アウレウス(S.aureus)などの望まれない微生物を低減することによって、皮膚の恒常性を維持する、および/または皮膚微生物叢の平衡を保つのにも適している。
【0013】
本発明の全ての実施形態において、抗菌剤としてのフィタントリオールは、好ましくは、組成物の全重量を基準として、約0.005~2重量%、好ましくは0.01~1重量%の範囲、より好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、最も好ましくは0.1~0.5重量%の範囲で選択される量で使用される。
【0014】
フィタントリオールの抗菌活性を利用するために、フィタントリオールは、例えば、化粧品または医薬組成物、医薬品、家庭用品、プラスチック、プラスチゾル、紙および/またはペンキなどの、多様な処方または用途で使用することができる。
【0015】
したがって、別の実施形態では、本発明は、化粧品および/または医薬組成物、家庭用品、プラスチック、紙および/またはペンキの微生物腐敗および分解を防止する方法に関し、上記方法は、組成物、製品、プラスチック、紙および/またはペンキに、0.005~2重量%、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲の量のフィタントリオールを抗菌剤として添加することを含む。特定の実施形態では、本方法は、結果を認識するステップも包含する。
【0016】
さらなる実施形態では、本発明は、微生物汚染または増殖に対して化粧品または医薬組成物を保存する方法にも関し、上記方法は、組成物、製品、プラスチック、紙および/またはペンキに、0.005~2重量%、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲の量のフィタントリオールを抗菌剤として添加することを含む。
【0017】
特定の有利な実施形態では、本発明は、水と、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、および油からなる群から選択される少なくとも1つのさらなる薬剤とをさらに含む化粧品または医薬組成物の微生物腐敗および分解を防止する方法に関し、したがって、組成物は特に微生物の増殖に感受性がある。
【0018】
したがって、別の実施形態では、本発明は、水と、界面活性剤、乳化剤、増粘剤および油からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤とを含む化粧品または医薬組成物にも関し、この組成物はさらに、組成物の全重量を基準として、0.005~2重量%、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲の量のフィタントリオールを含む。
【0019】
本発明はさらに、抗ざ瘡、脱臭または制汗活性化合物としてのフィタントリオールの使用に関する。特に、フィタントリオールは、P.アクネス(P.Acnes)またはS.エピデルミディス(S.epidermidis)によって誘発されるざ瘡の処置または予防に適している。
【0020】
また、フィタントリオールは、汗の分解の原因となる、従って臭気の形成の原因となる細菌、すなわちS.エピデルミス(S.epidermis)に対する抗菌作用を有するので、脱臭剤または制汗剤における活性化合物としてのフィタントリオールの使用も有利である。
【0021】
有利には、フィタントリオールは、その保存活性を改善するために、伝統的な保存料と組み合わせて使用することもできる。
【0022】
フィタントリオールの本発明に従う使用は、美容的な意味および薬学的な意味の両方で行うことができる。薬学的な用途は、例えば、抗ざ瘡組成物の場合に考えられる。しかしながら、本発明の全ての実施形態において、使用は、好ましくは美容的(非治療的)である。
【0023】
本発明に従う化粧品または医薬組成物は、特に、哺乳類のケラチン組織、例えば特にヒトの皮膚またはヒトの頭皮および毛髪に対して局所的に適用される。
【0024】
本出願において使用される「化粧品組成物」という用語は、(非特許文献1)において「Kosmetika」という表題で定義されるような化粧品組成物、ならびに(非特許文献2)において開示されるような化粧品組成物を指す。
【0025】
本発明の目的に適した界面活性剤、乳化剤、増粘剤、および油は、化粧品用途で一般的に使用され、そして例えば、オンラインINFO BASE(http://online.personalcarecouncil.org/jsp/Home.jsp)によって利用可能な(非特許文献3)に記載される全ての界面活性剤、乳化剤、増粘剤、および油であるが、これらに限定されない。
【0026】
本発明に従う組成物は、一般に、組成物の全重量を基準として、0.005~2重量%の範囲、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールを適切な担体と混合することによって調製される。
【0027】
本発明に従う化粧品または医薬組成物は、好ましくは、生理学的に許容可能な媒体、すなわち、皮膚、粘膜、およびケラチン繊維などのケラチン物質と適合性の媒体をさらに含む。特に、生理学的に許容可能な媒体は、美容的または薬学的に許容可能な担体である。
【0028】
美容的または薬学的に許容可能な担体という用語は、化粧品組成物または医薬組成物で従来使用されている全ての担体および/または賦形剤および/または希釈剤を指す。
【0029】
好ましくは、本発明に従う化粧品または医薬組成物は、溶媒または脂肪性物質中の懸濁液または分散液の形態、あるいは、エマルションまたはマイクロエマルション(特に、O/W型またはW/O型)、PIT-エマルション、ナノエマルション、多重エマルション(例えば、O/W/O型またはW/O/W型)、ピッカリングエマルション、ヒドロゲル、リポゲル、単相もしくは多相溶液、または小胞性(vesicular)分散液の形態である。
【0030】
本発明に従う化粧品または医薬組成物は、液体、ローション、濃化ローション、ゲル、クリーム、乳液、軟膏またはペーストの形態であり得る。
【0031】
本発明に従う化粧品または医薬組成物は、3~10の範囲のpH、好ましくはpH3~8の範囲、最も好ましくはpH3.5~7.5の範囲のpHを有する。pHは、当業者に既知の方法により、例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸および酒石酸を含むヒドロキシ酸などの酸、または例えば水酸化ナトリウムもしくはカリウムまたは水酸化アンモニウムならびにこれらの混合物などの塩基を用いることにより調整される。
【0032】
好ましくは、本発明に従う組成物において、酸は、存在する場合には、少なくとも0.0001重量%の量、例えば0.01~1重量%の量、特に0.01~0.5重量%の量で使用される。
【0033】
本発明に従う化粧品組成物は、特に、スキンケア調製物、機能性調製物および/またはヘアケア調製物、例えば、最も詳細にはスキンケアまたはヘアケア調製物である。
【0034】
スキンケア調製物の例は、特に、光保護調製物(サンケア調製物)、アンチエイジング調製物、光老化を処置するための調製物、ボディオイル、ボディローション、ボディゲル、トリートメントクリーム、皮膚用保護軟膏、保湿調製物、例えば保湿ゲルまたは保湿スプレー、顔および/またはボディ用保湿剤、ならびに皮膚美白調製物である。
【0035】
好ましくは、本発明の全ての実施形態において、スキンケア調製物は、脱臭剤、制汗剤、または抗ざ瘡組成物である。
【0036】
機能性調製物の例は、ホルモン調製物、ビタミン調製物、野菜エキス調製物、アンチエイジング調製物、および/または抗菌(抗細菌または抗真菌)調製物などの活性成分を含有する化粧品組成物であるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明に従って適切であり、そして言及され得るヘアケア調製物の例は、シャンプー、ヘアコンディショナー(ヘアリンスとも呼ばれる)、ヘアドレッシング組成物、ヘアトニック、毛髪再生組成物、ヘアローション、ウォーターウェーブローション、ヘアスプレー、ヘアクリーム、ヘアゲル、ヘアオイル、ヘアポマードまたはヘアブリリアンティンである。したがって、これらは常に、これらが使用される実際の目的に応じてより短い時間またはより長い時間にわたって毛髪および頭皮に適用される調製物である。
【0038】
本発明に従うヘアケア調製物がシャンプーとして供給される場合、これらは、透明な液体、不透明な液体(真珠光沢効果を有する)、クリーム形態、ゲル様、あるいは粉末形態、または錠剤形態で、そしてエアロゾルとして存在し得る。これらのシャンプーが基づく界面活性剤原材料は、アニオン性、カチオン性、非イオン性および両性であることができ、これらの物質の組合せで存在することもできる。
【0039】
本発明に従うシャンプー調製物中に取り込まれるのに適したアニオン性界面活性剤の例は、C10~20アルキル-およびアルキレンカルボキシラート、アルキルエーテルカルボキシラート、脂肪アルコールスルファート、脂肪アルコールエーテルスルファート、アルキロールアミドスルファートおよびスルホナート、脂肪酸アルキロールアミドポリグリコールエーテルスルファート、アルカンスルホナートおよびヒドロキシアルカンスルホナート、オレフィンスルホナート、イソチオナートのアシルエステル、アルファ-スルホ脂肪酸エステル、アルキルベンゼンスルホナート、アルキルフェノールグリコールエーテルスルホナート、スルホスクシナート、スルホコハク酸モノエステルおよびジエステル、脂肪アルコールエーテルホスファート、タンパク質-脂肪酸縮合生成物、アルキルモノグリセリドスルファートおよびスルホナート、アルキルグリセリドエーテルスルホナート、脂肪酸メチルタウリド、脂肪酸サルコシナート、ならびにスルホリシノレアートである。これらの化合物およびその混合物は、水に溶解できるまたは水に分散できるその塩の形態、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノ-、ジ-およびトリエタノールアンモニウム、ならびに類似のアルキルアンモニウム(alkylanunonium)塩の形態で使用される。
【0040】
適切なカチオン性界面活性剤の例は、第4級アンモニウム塩、例えばジ(C10-~C24アルキル)ジメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはジ(C12~C18アルキル)-ジメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;C10~C24-アルキルジメチルエチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;C10~C24-アルキルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはセチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミドおよびC20~C24-アルキルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;C10~C244-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはC12~C18-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(alkyldime methylbenzylammoniumchloride);N-(C12~C18-アルキル)ピリジニウムクロリドまたはブロミド、好ましくはN-(C12~C16-アルキル)ピリジニウムクロリドまたはブロミド;N-(C12~C18-アルキル)イソキノリニウムクロリド、ブロミドまたはモノアルキルスルファート;N-(C12~C18-アルキロイルコラミノホルミルメチル)ピリジニウムクロリド;N-(C12~C18-アルキル)-N-メチルモルホリニウムクロリド、ブロミドまたはモノアルキルスルファート;N-(C12~C18-アルキル)-N-エチルモルホリニウムクロリド、ブロミドまたはモノアルキルスルファート;C16~C18-アルキルペンタオキシエチルアンモニウムクロリド(alkylpentaoxethylammonium chloride);イソブチルフェノキシエトキシエチルジメチル-ベンジルアンモニウムクロリド;N,N-ジエチルアミノエチルステアリルアミドおよびオレイルアミドと塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸、リン酸との塩;N-アシルアミドエチル-N,N-ジエチル-N-メチルアンモニウムクロリド、ブロミドまたはモノアルキルスルファートおよびN-アシルアミノエチル-N,N-ジエチル-N-ベンジルアンモニウムクロリド、ブロミドまたはモノアルキルスルファート(ここで、アシルは好ましくはステアリルまたはオレイルである)である。
【0041】
洗剤物質として使用され得る適切な非イオン性界面活性剤の例は、脂肪アルコールエトキシラート(アルキルポリエチレングリコール);アルキルフェノールポリエチレングリコール;アルキルメルカプタンポリエチレングリコール;脂肪アミンエトキシラート(アルキルアミノポリエチレングリコール);脂肪酸エトキシラート(アシルポリエチレングリコール);ポリプロピレングリコールエトキシラート(Pluronic);脂肪酸アルキロールアミド(脂肪酸アミドポリエチレングリコール);スクロースエステル;ソルビトールエステルおよびポリグリコールエーテルである。
【0042】
シャンプーに添加され得る両性界面活性剤の例は、アルカリ金属ならびにモノ-、ジ-およびトリアルキルアンモニウム塩としてのN-(C12~C18-アルキル)-.ベータ.-アミノプロピオナートおよびN-(C12~C18-アルキル)-.ベータ.-イミノジプロピオナート;N-アシルアミドアルキル-N,N-ジメチルアセトベタイン、好ましくはN-(C8~C18-アシル)アミドプロピル-N,N-ジメチルアセトベタイン;C12~C18-アルキルジメチルスルホプロピルベタイン;イミダゾリンに基づく両性界面活性剤(市販名:Miranol(登録商標)、Steinapon(登録商標))、好ましくは1-(β-カルボキシメチルオキシエチル)-1-(カルボキシメチル)-2-ラウリルイミダゾリニウムのナトリウム塩;アミンオキシド、例えばC12~C18-アルキルジメチルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシドである。
【0043】
本発明に従うヘアケア調製物は、さらに、ヘアケアにおいて慣習的なさらなる添加剤、例えば、香料、着色剤、また同時に毛髪を染める(dyeまたはtint)もの、溶媒、乳白剤および真珠光沢剤、例えば、脂肪酸とポリオールとのエステル、脂肪酸のマグネシウムおよび亜鉛塩、コポリマーに基づく分散系、増粘剤、例えば塩化ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム、硫酸ナトリウム、脂肪酸アルキロールアミド、セルロース誘導体、天然ゴム、また植物抽出物、タンパク質誘導体、例えばゼラチン、コラーゲン加水分解物、天然または合成ベースのポリペプチド、卵黄、レシチン、ラノリンおよびラノリン誘導体、脂肪、油、脂肪アルコール、シリコーン、脱臭剤、抗菌活性を有する物質、抗脂漏活性を有する物質、角質溶解および角質形成(keratoplastic)効果を有する物質、例えば硫黄、サリチル酸および酵素、ならびにさらなるフケ防止剤、例えばオラミン、クリンバゾール、ジンクピリチオン、ケトコナゾール、サリチル酸、硫黄、タール調製物、ウンデセン酸の誘導体、ネッテル(nettel)、ローズマリー(rosmary)、コットンウッド、カバノキ、クルミ、ヤナギの樹皮および/またはアルニカの抽出物を含有することができる。
【0044】
ヘアケア調製物の調製のために、フィタントリオールは、20~40℃の範囲の温度、好ましくは室温において攪拌下で溶解される。続いて、さらなる添加剤が添加される。
【0045】
アルコールを含有するスカルプケアまたはヘアケア調製物の場合、フィタントリオールは、20~40℃の範囲の温度、好ましくは室温でアルコール中に溶解される。続いて、さらなる添加剤が添加される。
【0046】
ヘアリンスおよび水中油エマルションの場合、活性物質は、攪拌下、40℃未満の温度で最終エマルションに添加される。
【0047】
シャンプーは、それ自体既知の方法で、個々の成分を混合し、必要であれば、調製物の特定のタイプに応じてさらに加工することによって製造される。
【0048】
本発明に従ってフィタントリオールを使用することができ、そして言及され得るヘアケア調製物の例は、ヘアコンディショナー、ヘアトニックおよび毛髪再生組成物であり、これらは一定時間の後に毛髪から洗い流されるか、あるいは処方に応じて、毛髪上に残されることも可能である。これらの製品は、特に、毛髪上で回復および静電気防止特性を示す上述のカチオン性物質の群からの物質を含有する。
【0049】
これらの調製物も全て、シャンプーについて既に述べたように、それ自体既知の方法でフィタントリオールを添加して製造される。
【0050】
本発明に従う特定の適切なヘアケア調製物は、(i)組成物の全重量を基準として、0.005~0.5重量%の範囲、より好ましくは約0.01~0.2重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.1重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールと、(ii)水と、(iii)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤とを含むシャンプー調製物である。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarconisate)、オレイルコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリルアンモニウム、ドデシルベンゾールスルホン酸ナトリウムおよび/またはドデシルベンゾールスルホン酸トリエタノールアミン、またはこれらの混合物、例えば、特にラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび/またはラウリルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選択される。本発明に従う組成物中のアニオン性界面活性剤の総量は、組成物の全重量を基準として、0.5~45重量%、好ましくは1.5~35重量%、より好ましくは7~25重量%、特に7~15重量%の範囲である。
【0051】
本発明に従う特定の適切なヘアコンディショナーはリンスオフコンディショナーでもリーブオンコンディショナーでもよく、好ましくはリンスオフコンディショナーである。本発明に従う特定の有利なヘアコンディショナーは、(i)組成物の全重量を基準として、0.005~1重量%の範囲、より好ましくは約0.01~5重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.2重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールと、(ii)水と、(iii)例えばシリコーン油、第4級ポリマー、天然由来のコンディショニング剤などの少なくとも1つのコンディショニング剤とを含む。
【0052】
第4級ポリマーは、好ましくは、例えばポリクオタニウム-6(例えば、商品名TILAMAR(登録商標)Quat 640または641で商品化されている)、ポリクオタニウム-22(例えば、商品名TILAMAR(登録商標)Quat 2240または2241で商品化されている)、ポリクオタニウム-7(例えば、商品名TILAMAR(登録商標)Quat 710、711または712で商品化されている)などから選択される。天然由来のコンディショニング剤は、好ましくは、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(例えば、商品名Jaguar C-17、Jaguar C-1000、Jaguar C-13Sで商品化されている)などの糖ベースのポリマーから選択されるが、これらに限定されない。
【0053】
原則として、どのシリコーン油もヘアコンディショナーにおける使用に適している。しかしながら、シリコーン油は、好ましくは、ジメチコン、ジメチコノール、ポリジメチルシロキサン、アリール化シリコーン、環状シリコーン、シリコーン界面活性剤およびアミノ化シリコーンから選択され、揮発性でも不揮発性でもよい。特定の適切なシリコーン油は、Dow Corningなどの種々の供給業者から入手可能なジメチコン、ジメチコノール、ポリジメチルシロキサンである。ヘアコンディショナー中の少なくとも1つのシリコーン油および/または第4級ポリマーおよび/または天然由来のコンディショニング剤の総量は、好ましくは、組成物の全重量を基準として、0.01~10重量%、好ましくは0.02~7.5重量%、より好ましくは0.05~5重量%、最も好ましくは0.1~3重量%の範囲で選択される。
【0054】
別の好ましい実施形態では、本発明に従う化粧品組成物は、O/Wエマルション、W/Oエマルションおよび/またはゲル、例えば、シャワーゲルまたはヘアゲルである。
【0055】
本発明に従うO/Wエマルションは、有利には、(i)組成物の全重量を基準として、0.005~2重量%の範囲、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールと、(ii)水と、(iii)クエン酸ステアリン酸グリセリル(glycerylstearatcitrate)、ステアリン酸グリセリル(自己乳化性)、ステアリン酸、ステアリン酸の塩、ジステアリン酸ポリグリセリル-3-メチルグリコース、セテアレス-20、ステアレス-2、ステアレス-12、ステアリン酸PEG-40、リン酸エステルおよびその塩、例えばリン酸セチル(Amphisol(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(Amphisol(登録商標)DEA)、セチルリン酸カリウム(Amphisol(登録商標)K)、セテアリル硫酸ナトリウム(sodiumcetearylsulfat)、グリセリルオレイン酸リン酸ナトリウム(sodium glyceryl oleate phosphate)、水素化植物性グリセリドホスファート、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ポリステアリン酸スクロースおよび水和ポリイソブテン、ならびにこれらの混合物のリストから選択される少なくとも1つのO/W-またはSi/W-乳化剤とを含む。また、例えばPVPエイコセンコポリマー、アクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、PEG-22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー、およびこれらの混合物などの、1つまたは複数の合成ポリマーも乳化剤として使用され得る。特定の好ましい実施形態では、O/W-乳化剤は、セチルリン酸塩、例えば特に、セチルリン酸カリウム(Amphisol(登録商標)Kとして市販されている)、ステアリン酸グリセリル(および)ステアリン酸PEG-100(Arlacel(登録商標)165として市販されている)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム、デシルグルコシド、セテラルグルコシド(Ceteral Glucoside)、カプリリル/カプリルグルコシド、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、オリーブ油脂肪酸ポリグリセリル-4(Polygelyceryl-4 Olivate)、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、ポリソルベート20、ポリソルベート60および/またはポリアルキレングリコールエーテル、例えば特に、ラウレス-35(35のEO単位を有するラウリルアルコール;Brij(登録商標)35として市販されている)の群から選択される。少なくとも1つのO/W乳化剤は、好ましくは、組成物の全重量に関して、約0.001~10重量%の量、より好ましくは0.1~7重量%の量で使用される。さらに、O/Wエマルションの形態の化粧品組成物は、アルキルアルコール、例えばセチルアルコール(Lorol C16、Lanette 16) セテアリルアルコール(Lanette(登録商標)O)、ステアリルアルコール(Lanette(登録商標)18)、ベヘニルアルコール(Lanette(登録商標)22)、モノステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル(Estol(登録商標)3650)、水素化ココ-グリセリド(Lipocire Na10)(これに限定されない)、およびこれらの混合物のリストから選択される少なくとも1つの共乳化剤を有利に含有する。
【0056】
本発明に従うW/Oエマルションは、有利には、(i)組成物の全重量を基準として、0.005~2重量%の範囲、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールと、(ii)水と、(iii)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-2、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、セチルジメチコンコポリオール、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3 オレイン酸/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル-6、オレイン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-4(polygylceryl-4 oleate)/PEG-8プロピレングリコールココエート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ナトリウムココエート、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびこれらの混合物のリストから選択される少なくとも1つのW/O-またはW/Si-乳化剤とを含む。さらに適切なW/Si-乳化剤は、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよび/またはPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンおよび/またはセチルPEG/PPG-10/1ジメチコンおよび/またはPEG-12ジメチコンクロスポリマーおよび/またはPEG/PPG-18/18ジメチコンである。少なくとも1つのW/O乳化剤は、好ましくは、組成物の全重量に関して、約0.001~10重量%の量、より好ましくは0.2~7重量%の量で使用される。
【0057】
本発明に従うゲル調製物は、有利には、(i)組成物の全重量を基準として、0.005~2重量%の範囲、より好ましくは約0.01~1重量%の範囲、最も好ましくは約0.05~0.75重量%の範囲、例えば0.1~0.5重量%の範囲で選択される量のフィタントリオールと、(ii)水と、(iii)少なくとも1つの水溶性増粘剤とを含む。このような水溶性増粘剤は当業者に良く知られており、例えば(非特許文献4)に記載されている。特に適切な水溶性増粘剤は、ポリアクリル酸(例えば、商品名CarbomerまたはCarbopol(登録商標)で市販されている)、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のホモポリマー(例えば、Rheothik(登録商標)11-80として市販されている)、アクリレートコポリマー(例えば、商品名Pemulen(登録商標)またはAculyn(登録商標)33で市販されている)、分枝状ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド)(INCI名ポリクオタニウム-37)、非変性グァーガム(例えば、商品名Jaguarで市販されている)、デンプンまたはその誘導体および/またはヒドロキシアルキルセルロース(hydroxyalkylcellulosen)からなる群から選択される。好ましくは、水溶性増粘剤は、組成物の全重量を基準として、約0.001~10重量%の量、より好ましくは0.1重量%~7重量%の量で使用される。
【0058】
以下の実施例は、本発明の組成物および効果をさらに説明するために提供される。これらの実施例は説明のためだけのものであり、本発明の範囲を限定することは決して意図されない。
【0059】
[実施例1:抗菌効力]
抗菌効力は、規制チャレンジ試験法(NF EN ISO11930)と類似の方法で評価される。したがって、10重量%エタノールが補充された0.85重量%のNaClを含む生理的血清中に0.2重量%のフィタントリオールの溶液を調製した。0.85重量%のNaClおよび10重量%のエタノールを含む血清に基づいて、無菌条件下で対照も調製した。
【0060】
対照およびフィタントリオール溶液を96ディープウェルプレートに入れた(1.6ml/ウェル)。表1に概説される初期汚染を得るために、細菌については2.5*105~5.6*105cfu/mlで、そして真菌については1*104~2.5*104cfu/mlで、表1に概説されるそれぞれの細菌または真菌の菌株を用いてウェルを汚染した。汚染の後、微生物の均一な分布を保証するために各ウェルを十分に混合した。次に、各プレートを22℃で24時間インキュベートした。汚染の24時間後に(残存する)集団のカウントを行なった。
【0061】
【0062】
上記の表において分かるように、フィタントリオールは、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、スタフィロコックス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、アスペルギルス・ブラシリエンシス(Aspergillus brasiliensis)、スタフィロコックス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、マラセチア・ファーファー(Malassezia furfur)およびプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)に対して著しい抗菌効果を有する。