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特許7187760フィルタープレス及びフィルタープレス部品の交換方法
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  • 特許-フィルタープレス及びフィルタープレス部品の交換方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】フィルタープレス及びフィルタープレス部品の交換方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 25/12 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B01D25/12 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020000149
(22)【出願日】2020-01-06
(65)【公開番号】P2021109112
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】原 康二
(72)【発明者】
【氏名】元家 正二
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-006710(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0065418(US,A1)
【文献】実開昭59-082512(JP,U)
【文献】実開昭60-099120(JP,U)
【文献】特開2009-257028(JP,A)
【文献】特開2005-335874(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-35/04;35/08-37/08
C02F 11/00-11/20
E06B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントフレーム(2)とリアフレーム(3)に支架された一対のガイドレール(4)と、ガイドレール(4)上で移動自在に複数並列したろ板(5)と、
ろ板(5)列の後方に配置したムーバブルヘッド(6)と、
ムーバブルヘッド(6)の両側面に着脱自在に軸着してガイドレール(4)上を移動するローラー(9)と、
ムーバブルヘッド(6)に連結して前後に移動させる開閉装置(7)を備えるフィルタープレスにおいて、
ガイドレール(4)上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレート(17)を備える
ことを特徴とするフィルタープレス。
【請求項2】
前記ムーバブルヘッド(6)の両側面に昇降装置(12)で支持する支持梁(10)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタープレス。
【請求項3】
前記ガイドレール(4)に設けてジャッキ(12)を設置する台座(11)を備える
ことを特徴とする請求項2記載のフィルタープレス。
【請求項4】
前記ローラー(9)は周面に凹部(14)を備え、
前記スライドプレート(17)上面の凸部(16)とローラー(9)の凹部(14)が嵌合する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフィルタープレス。
【請求項5】
着脱自在なローラー(9)をムーバブルヘッド(6)の両側面に備え、
ローラー(9)を一対のガイドレール(4)上で移動させてろ板(5)を開閉するフィルタープレスにおいて、
ガイドレール(4)上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレート(17)を設け、
ムーバブルヘッド(6)の少なくとも一方の側面を昇降装置(12)で支持し、
ローラー(9)下方のスライドプレート(17a)の隣接するスライドプレート(17b)を取り外し、
スライドプレート(17b)を取り外した位置にローラー(9)下方のスライドプレート(17a)を移動し、
ローラー(9)をムーバブルヘッド(6)から取り外して交換する
ことを特徴とするフィルタープレス部品の交換方法。
【請求項6】
着脱自在なローラー(9)をムーバブルヘッド(6)の両側面に備え、
ローラー(9)を一対のガイドレール(4)上で移動させてろ板(5)を開閉するフィルタープレスにおいて、
ガイドレール(4)上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレート(17)を設け、
ガイドレール(4)の一方からスライドプレート(17)の一部を取り外し、
スライドプレート(17)を取り外した位置にローラー(9)を移動させ、
ローラー(9)をムーバブルヘッド(6)から取り外して交換する
ことを特徴とするフィルタープレス部品の交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を容易に交換可能なフィルタープレス、及びフィルタープレスの部品を容易に交換する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルタープレスは、フレーム間に架け渡した一対のレールの上にろ板の列を懸架し、ろ板の列の一端にはろ板を移動又は締め付けるためのムーバブルヘッドを設けている。
また、ムーバブルヘッドに車輪を回転可能に軸着し、レール上に車輪を介してムーバブルヘッドを支持することで、レール上をムーバブルヘッドが移動自在としたフィルタープレスが特許文献1に開示されている。
【0003】
一方、フィルタープレスはろ過能力向上のために、高圧による圧搾、及びろ板の多室化が進み、それに伴いムーバブルヘッドは大型で強度の高い鋳物や製缶溶接構造品が用いられるようになった。このようなムーバブルヘッドは重量が大きく、ムーバブルヘッドをレールに支持する車輪、車輪の車軸、及び車輪内部の軸受け(以下、総じてローラー)には、過大な荷重がかかっている。従って、ローラーは消耗品として定期的な交換がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公昭61-45851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ローラーを交換する際には、ムーバブルヘッドを一時的に持ち上げ、ムーバブルヘッドからローラーを取り外す作業を行う。ここで、ムーバブルヘッドは重量が大きいため、クレーン等を用いて持ち上げる必要があるが、フィルタープレスを設置する機場には、ムーバブルヘッドのような重量物を持ち上げることを想定した大型の天井クレーン等の設備が少ない場合が多い。
そのため、ムーバブルヘッドを持ち上げるためにクレーンの付け替えや門型クレーンの設置など大がかりな工事が必要となっていた。
本発明は、ムーバブルヘッドに軸着したローラーを、大型のクレーンを用いることなく容易に交換可能なフィルタープレス及びフィルタープレス部品の交換方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
フロントフレームとリアフレームに支架された一対のガイドレールと、ガイドレール上で移動自在に複数並列したろ板と、ろ板列の後方に配置したムーバブルヘッドと、ムーバブルヘッドの両側面に着脱自在に軸着してガイドレール上を移動するローラーと、ムーバブルヘッドに連結して前後に移動させる開閉装置を備えるフィルタープレスにおいて、ガイドレール上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレートを備えることで、スライドプレートを着脱してローラーを容易に交換することができる。
【0007】
前記ムーバブルヘッドの両側面に昇降装置で支持する支持梁を備えることで、ムーバブルヘッドを支持してローラーを交換することができる。
【0008】
前記ガイドレールに設けてジャッキを設置する台座を備えることで、クレーンを用いることなくムーバブルヘッドを支持してローラーを交換できる。
【0009】
前記ローラーは周面に凹部を備え、前記スライドプレート上面の凸部とローラーの凹部が嵌合することで、ローラーがガイドレールから脱落することがない。
【0010】
着脱自在なローラーをムーバブルヘッドの両側面に備え、ローラーを一対のガイドレール上で移動させてろ板を開閉するフィルタープレスにおいて、ガイドレール上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレートを設け、ムーバブルヘッドの少なくとも一方の側面を昇降装置で支持し、ローラー下方のスライドプレートの隣接するスライドプレートを取り外し、スライドプレートを取り外した位置にローラー下方のスライドプレートを移動し、ローラーをムーバブルヘッドから取り外して交換することで、大型の昇降装置を用いることなく容易にローラーを交換することができる。
【0011】
着脱自在なローラーをムーバブルヘッドの両側面に備え、ローラーを一対のガイドレール上で移動させてろ板を開閉するフィルタープレスにおいて、ガイドレール上部に着脱自在に固定して複数に分割可能なスライドプレートを設け、ガイドレールの一方からスライドプレートの一部を取り外し、スライドプレートを取り外した位置にローラーを移動させ、ローラーをムーバブルヘッドから取り外して交換することで、昇降装置を用いることなくローラーを交換することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ガイドレール上に固定したスライドプレートを分割可能とし、ローラーを交換する際にスライドプレートを取り外し、ローラーとガイドレールの間に隙間を形成することで、ローラーを軸方向に容易に取り出すことができる。
【0013】
ジャッキ等の昇降装置でムーバブルヘッドを支持すれば、クレーンを必要とせず、大掛かりな工事が不要となる。
ムーバブルヘッド側面の一方のローラーのみを支持すればローラーを交換できるため、吊り上げ荷重がムーバブルヘッドの1/2の荷重に対応したクレーンがあればローラーを容易に交換できる。よって、吊り上げ荷重がムーバブルヘッドの荷重に対応した大型クレーンがない機場でもローラーを交換できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るフィルタープレスの側面図である。
図2】同じく、ムーバブルヘッドの要部側面図である。
図3】同じく、ローラーの断面図である。
図4】同じく、ガイドレールの要部側面図である。
図5】同じく、ローラーの取り外し手順の説明図である。
図6】同じく、昇降装置の正面図である。
図7】同じく、他の実施例におけるローラーの取り外し手順の説明図1である。
図8】同じく、他の実施例におけるローラーの取り外し手順の説明図2である。
図9】同じく、他の実施例におけるローラーの取り外し手順の説明図3である。
図10】同じく、他の実施例におけるローラーの取り外し手順の説明図4である。
図11】本発明に係るフィルタープレスの他の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明に係るフィルタープレスの側面図である。
フィルタープレス1は、前後に配置したフロントフレーム2、リアフレーム3と、フロントフレーム2とリアフレーム3の左右に支架された一対のガイドレール4と、ガイドレール4上で移動自在に複数並列したろ板5と、ろ板5列の後方に配置したムーバブルヘッド6と、ムーバブルヘッド6に連結して前後に移動させる開閉装置7と、を備える。開閉装置7はリアフレーム3に載置して伸縮自在で、例えばシリンダ等の伸縮によりムーバブルヘッド6を前後に移動させる。ろ板5はムーバブルヘッド6とチェーン8等でルーズに連結し、開閉装置7の伸縮により開閉が行われる。
【0016】
図2は、本発明に係るムーバブルヘッドの要部側面図である。
ムーバブルヘッド6の側面には、ムーバブルヘッド6をガイドレール4に支持するためのローラー9を軸着する。ローラー9は、ムーバブルヘッド6の一方の側面に少なくとも1以上配置し、他方の側面にも対称的にローラー9を配置する。ムーバブルヘッド6の両側面に1組以上配置し、ガイドレール4上にローラー9を載置することで、ムーバブルヘッド6はガイドレール4上を前後方向に移動自在に支持されている。図1、2では、ムーバブルヘッド6の両側面にローラー9を1組配置した例を示す。
【0017】
また、ムーバブルヘッド6の両側面上部に支持梁10を設けると共に、ガイドレール4の両側面に台座11を設ける。支持梁10と台座11は、ローラー9を交換する際にムーバブルヘッド6を一時的に支持するのに利用し、台座11に仮置きしたジャッキ等の昇降装置12で支持梁10を持ち上げることで、ムーバブルヘッド6を支持することができる。
【0018】
図3は、本発明に係るローラーの断面図である。
ローラー9は、車輪9aと車輪9aの車軸9b、及び軸受け9cで構成される。ローラー9の車軸9bをムーバブルヘッド6に設けた軸穴13に挿入することで、ローラー9をムーバブルヘッド6に軸着する。また、円筒状の車輪9aの周面には谷形の凹部14を形成する。
【0019】
ガイドレール4の上部には溝部15を形成する。溝部15には、上面に山形の凸部16を形成したスライドプレート17を載置し、スライドプレート17をネジ等でガイドレール4に着脱自在に固定する。スライドプレート17上面の凸部16にローラー9を載置することで、スライドプレート17上をローラー9が移動する。また、ローラー9を介してムーバブルヘッド6はガイドレール4に支持される。スライドプレート17は、ローラー9の凹部14とスライドプレート17の凸部16が嵌合し、ローラー9がガイドレール4から脱落するのを防止する。
【0020】
なお、ローラー9をスライドプレート17上に設置したとき、凹部14を有するローラー9の最大径の部分がガイドレール4に干渉しなければ、ローラー9の大きさとスライドプレート17の高さは問わない。本実施例では凹凸を有したローラー9、スライドプレート17を用いているが、別途脱落防止機構を設ければ平らなローラー9と平らなスライドプレート17を用いてもよい。
【0021】
図4は、本発明に係るガイドレールの要部側面図である。
ガイドレール4に載置したスライドプレート17は、長手方向に複数に分割してガイドレール4にネジ等で固定される。分割したスライドプレート17は、長さ、ネジ穴等が同一のものを使用する。図4に示すように、ローラー9下方のスライドプレート17aと、その隣接するスライドプレート17bが、ガイドレール4に着脱自在に固定されている。分割したスライドプレート17a、17bの長手方向の幅はローラー9の径に応じて適宜決定される。ローラー9を交換する際には、ガイドレール4からスライドプレート17を適宜取り外し、ローラー9とガイドレール4に間隙を設けることで、ローラー9を軸方向に取り外し可能とする。ローラー9は車軸9bを外して交換する、又は車輪9aのみを交換してもよい。
【0022】
なお、スライドプレート17は、ローラー9の交換場所のみ分割構造とし、その他のスライドプレート17は一体に構成してもよい。ローラー9の交換で着脱しないスライドプレート17はガイドレール4から取り外す必要がないため、溶接取付けを行ってもよい。以下、ローラー9の取り外し手順を詳述する。
【0023】
図5は、本発明に係るローラー9の取り外し手順の説明図である。
図5(a):始めに、ローラー9下方のスライドプレート17aに掛かる荷重をなくすため、ムーバブルヘッド6の両側面に設けた支持梁10をジャッキなどの昇降装置12で支持する。ローラー9は、スライドプレート17の凸部16の高さを越えて持ち上げる必要はなく、スライドプレート17aにムーバブルヘッド6の荷重が掛からなければローラー9を交換できる。
【0024】
図5(b):次に、ローラー9下方に位置するスライドプレート17aの隣接するスライドプレート17bをガイドレール4から取り外す。
【0025】
図5(c):そして、ローラー9の下方に位置するスライドプレート17aを、隣接するスライドプレート17bを配置していた位置に移動させる。この時、ローラー9下方にはスライドプレート17aが存在しないため、ローラー9とガイドレール4の間に隙間が形成され、ローラー9を軸方向に取り外すことが可能となる。
【0026】
ローラー9の交換が終了すれば、上記手順とは逆の手順でスライドプレート17を取付ける。本実施例では、ムーバブルヘッド6の両側方を昇降装置12で支持してローラー9を交換しているが、ムーバブルヘッド6の側方の一方のみを昇降装置12で支持し、支持した側のローラー9を交換してもよい。この時、昇降装置12の上昇幅は、昇降装置12で支持しない側のローラー9に偏荷重が掛からない程度のごく小さい上昇幅とする。
【0027】
図6は、本発明に係る昇降装置の正面図である。
図6(a)は、ガイドレール4の側面に固定した台座11に昇降装置12(ジャッキ)を設置し、ムーバブルヘッド6に固定した支持梁10をジャッキ12で支持している。
【0028】
また、図6(b)に示すように、ムーバブルヘッド6を支持する際に、ガイドレール4上のスライドプレート17に、上部が平坦で、下部に谷形の凹部を形成した台座11を載置してもよい。台座11の凹部はスライドプレート17の凸部16と嵌合し、台座11上部にジャッキ12を設置することができる。ジャッキ12を台座11に設置し、ムーバブルヘッド6の支持梁10をジャッキ12で支持することで、ムーバブルヘッド6をガイドレール4に支持することができる。台座11を設置したスライドプレート17の前後のスライドプレート17には、ムーバブルヘッド6の荷重が掛からない。
【0029】
なお、平らなスライドプレート17を用いている場合は台座11を載置せずにジャッキ12をスライドプレート17上に設置することもできる。
【0030】
前記実施例ではムーバブルヘッド6の支持にジャッキ12を使用したが、本発明のガイドレール4を用いることで、昇降装置12として吊り上げ荷重がムーバブルヘッド6の荷重以下のクレーン12を用いてもローラー9を交換することができる。
【0031】
フィルタープレスを備える機場で、特に小規模な機場では、クレーン12は吊り上げ荷重がムーバブルヘッド6の荷重以下のため、クレーン12単独でムーバブルヘッド6を吊り上げることはできない。しかし、ムーバブルヘッド6側面の一方の支持梁10のみをクレーン12で支持することで、他方のローラー9と荷重を分散させて支持することができる。クレーン12の吊り上げ幅を、他方のローラー9に偏荷重が掛からない程度のごく小さい吊り上げ幅とすることで、ムーバブルヘッド6の1/2の荷重に対応したクレーン12であれば、ムーバブルヘッド6を支持できる。ムーバブルヘッド6を支持できれば、前記実施例と同様にスライドプレート17を取り外し、ローラー9を交換することが可能となる。一方のローラー9の交換が終わると、他方の支持梁10も一方の支持梁10と同様に支持し、他方のローラー9を交換する。このように、吊り上げ荷重の上限がムーバブルヘッド6の荷重以下のクレーン12であっても、本発明のスライドプレート17を備えることで、ローラー9を容易に交換することができる。また、クレーン12とジャッキ12を組み合わせることで、ムーバブルヘッド6を両側面から支持することも可能となる。
【0032】
図7~10は、本発明に係る他の実施例におけるローラーの取り外し手順の説明図である。なお、図7~10では、ムーバブルヘッド6の側面の一方にローラー9を2個配置した例、すなわち、ムーバブルヘッド6の両側面に2組のローラー9を配置した例を示す。
【0033】
他の実施例では、ジャッキ及びクレーン等の昇降装置12を用いることなくローラー9を交換する。
図7(S1):始めに、一方のガイドレール4上からスライドプレート17の一部(斜線部)を取り外す。スライドプレート17は、第1のローラー91の下方に位置するスライドプレート17と隣接するスライドプレート17のみを取り外す。スライドプレート17を取り外すことで、ガイドレール4上部の一部が溝部15となる。
【0034】
図7(S2):次に、スライドプレート17を取り外した位置(溝部15)に第1のローラー91が移動するように開閉装置7を伸縮する。スライドプレート17を取り外した位置では第1のローラー91とガイドレール4に隙間ができるため、第1のローラー91を軸方向に取り外し交換する。またこの時、第2~4のローラー92、93、94はスライドプレート17上を移動しており、第2~4のローラー92、93、94及び開閉装置7によってムーバブルヘッド6が支持されている。
【0035】
図8(S3):第1のローラー91交換後、開閉装置7を伸縮し、第2のローラー92を、スライドプレート17を取り外した位置まで移動させる。第1のローラー91と同様に、第2のローラー92を取り外し交換する。
【0036】
図8(S4):第2のローラー92交換後、開閉装置7を伸縮し、第2のローラー92を溝部15からスライドプレート17上に移動させる。
【0037】
図9(S5):続いて、一方のガイドレール4の溝部15にスライドプレート17を設置すると共に、他方のガイドレール4上からスライドプレート17を取り外す。スライドプレート17は、第3のローラー93の下方に位置するスライドプレート17の隣接するスライドプレート17のみを取り外す。スライドプレート17を取り外すことで、ガイドレール4上部の一部が溝部15となる。
【0038】
図9(S6):次に、スライドプレート17を取り外した位置(溝部15)に第3のローラー93が移動するように開閉装置7を伸縮する。スライドプレート17を取り外した位置では第3のローラー93とガイドレール4に隙間ができるため、第3のローラー93を軸方向に取り外し交換する。またこの時、第1、第2、第4のローラー91、92、94はスライドプレート17上を移動しており、第1、第2、第4のローラー91、92、94及び開閉装置7によってムーバブルヘッド6が支持されている。
【0039】
図10(S7):第3のローラー93交換後、開閉装置7を伸縮し、第4のローラー94を、スライドプレート17を取り外した位置まで移動させる。第3のローラー93と同様に、第4のローラー94を取り外し交換する。
【0040】
図10(S8):第4のローラー94交換後、開閉装置7を伸縮し、第4のローラー94を溝部15からスライドプレート17上に移動させる。最後に、取り外したスライドプレート17を取付け、交換作業を終了する。
【0041】
前記他の実施例では、ムーバブルヘッド6に二組のローラー9を配置した例を示したが、一組のローラー9であっても交換が可能である。ムーバブルヘッド6側面の一方のローラー9を交換する際に、他方のローラー9と開閉装置7でムーバブルヘッド6を支持することができるため、ジャッキ及びクレーン等の昇降装置12を用いることなく上記の手順でローラー9を交換することができる。
【0042】
図11は、本発明に係るフィルタープレスの他の実施形態の側面図である。
図11で示すように、ムーバブルヘッド6の後方で、ガイドレール4上を前後に移動可能なストッパー18を設け、開閉装置7をストッパー18に載置するフィルタープレス1aにも本発明を適用できる。
【0043】
ストッパー18は図示しない電動機でガイドレール4上を前後に移動し、ろ板5列及びムーバブルヘッド6を開閉する。ろ板5列及びムーバブルヘッド6を閉板した際には、ストッパー18とガイドレール4を図示しない係合装置で係合し、開閉装置7を伸張することでろ板5列及びムーバブルヘッド6を締め付けることができる。
【0044】
ストッパー18はムーバブルヘッド6と同様のローラー9を備えているため、ムーバブルヘッド6と同様の手順でローラー9を交換することができる。
【0045】
上述するように、ガイドレール4に設けたスライドプレート17上にローラー9を配置しているため、スライドプレート17を取り外すことで、ガイドレール4とローラー9間に隙間ができる。よってローラー9を軸方向に着脱することができ、ローラー9の交換が容易に可能となる。
従って、本発明は実施例に限らず、ガイドレールにスライドプレートを設けたフィルタープレスに広く適用できる。
【符号の説明】
【0046】
2 フロントフレーム
3 リアフレーム
4 ガイドレール
5 ろ板
6 ムーバブルヘッド
7 開閉装置
9 ローラー
10 支持梁
11 台座
12 昇降装置
14 凹部
16 凸部
17 スライドプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11