(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】穀物乾燥機
(51)【国際特許分類】
F26B 17/14 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
F26B17/14 C
(21)【出願番号】P 2018048916
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2021-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100158702
【氏名又は名称】岡野 卓也
(72)【発明者】
【氏名】中本 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】高田 慎平
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】実公昭46-014765(JP,Y1)
【文献】特開2017-207263(JP,A)
【文献】実開平04-022039(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 1/00-25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物が投入される乾燥機本体と、前記乾燥機本体の一側に配設されて前記乾燥機本体の内部へ熱風を供給する熱風室と、前記乾燥機本体の他側に配設されて前記乾燥機本体の内部から前記穀物を乾燥させた後の排風を排出する排風室と、を備え、前記乾燥機本体内に投入される穀物を熱風により乾燥させる穀物乾燥機であって、
前記排風室の外壁に開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する集塵室をダクト配管により接続することなく前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接し、前記乾燥機本体内において前記穀物を乾燥させた後の排風であって前記排風室へ排出された排風を前記開口から前記集塵室へ排出することを特徴とする穀物乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥機本体は、略四角柱形状の外観を有し、前記乾燥機本体の隣り合う2側面のなす4つの交線にそれぞれ接する4つの壁面からなる四角柱形状の外壁により囲繞され、
前記乾燥機本体の各側面と前記外壁の各隅部とで形成される三角柱形状の空間の1つが前記熱風室、前記熱風室に向かい合う側の空間が前記排風室とされてなり、
前記排風室の前記外壁に前記開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する前記集塵室を前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接する請求項
1記載の穀物乾燥機。
【請求項3】
前記排風室の前記外壁の一面に前記開口を形成し、前記開口を形成した前記外壁の外面に前記集塵室の一面を配し、前記集塵室を前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接する請求項
1又は2記載の穀物乾燥機。
【請求項4】
前記集塵室には、一端が開口し、周面にフィルタが配設される円筒ドラムが配置され、
前記集塵室へ排出された排風を前記円筒ドラムの外周側から内周側へ通過させ、前記フィルタにより清浄化された空気を前記円筒ドラムの開口する前記一端から前記集塵室外へ排出する請求項
1乃至3のいずれかに記載の穀物乾燥機。
【請求項5】
前記集塵室には排風機が配設される排気室が隣接して設けられ、
前記円筒ドラムは開口する前記一端が前記排気室に臨む状態で前記集塵室に配置され、
前記排風機の作用により前記清浄化された空気を前記排気室から機外へ排出する請求項
4記載の穀物乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機に関し、特に、カントリーエレベータやライスセンター等の穀類共同乾燥調製施設に配設して好適な集塵機一体型の穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀類共同乾燥調製施設では、建屋の高さを抑えるために、大型の穀物乾燥機を屋外に設置することが行われている(特許文献1,2を参照)。
【0003】
特許文献1,2に記載された屋外型穀物乾燥機は、四角柱状の乾燥機及び該乾燥機に付設するバケットエレベータを備え、前記乾燥機の隣り合う2側面のなす4つの交線に各々接する外壁を立設するとともに、前記外壁上に屋根を設けて前記乾燥機を囲繞するものである。
【0004】
前記屋外型穀物乾燥機は、前記乾燥機の側面と前記外壁の隅部とで形成される三角柱状の空間の1つを熱風室とし、これに向かい合う空間を排風室とする一方で、さらに他の1つの空間内に前記バケットエレベータを立設する。そして、前記熱風室は、上端が三角板によって閉塞されるとともに、下方に熱風発生機が接続され、前記排風室は、上端及び下端が三角板によって閉塞されるとともに、前記外壁の下部に排風口が開口し、該排風口に排風機が装着される。
【0005】
前記屋外型穀物乾燥機において、前記熱風発生機から前記熱風室に送られた熱風は、前記乾燥機内に流入し、前記乾燥機内の穀物を乾燥させる。また、前記穀物を乾燥させた後の排風は、前記排風室に流出し、前記排風機により前記排風口から排出される。
【0006】
ところで、前記屋外型穀物乾燥機は、前記乾燥機の稼働中に発生する藁(わら)片や塵埃(以下、「塵埃等」という。)を回収する集塵装置が別に配置され、ダクト配管により接続されるため、工期が長期化する問題がある。
また、前記屋外型穀物乾燥機は、前記ダクト配管の圧力損失の影響により、前記排風機の動力を大きくする必要があり、騒音やランニングコストが大きくなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】実開平4-22039号公報
【文献】実開平6-63140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、工期を短縮するとともに、排風機の動力を小さくすることで騒音やランニングコストを低減することができる集塵機一体型の穀物乾燥機を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するため、参考発明の穀物乾燥機は、
穀物が投入される乾燥機本体を備え、前記乾燥機本体内に投入される穀物を熱風により乾燥させる穀物乾燥機であって、
当該穀物乾燥機に集塵室をダクト配管により接続することなく一体的に設け、前記乾燥機本体内において前記穀物を乾燥させた後の排風を前記集塵室へ排出することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の穀物乾燥機は、
穀物が投入される乾燥機本体と、前記乾燥機本体の一側に配設されて前記乾燥機本体の内部へ熱風を供給する熱風室と、前記乾燥機本体の他側に配設されて前記乾燥機本体の内部から前記穀物を乾燥させた後の排風を排出する排風室と、を備え、前記乾燥機本体内に投入される穀物を熱風により乾燥させる穀物乾燥機であって、
前記排風室の外壁に開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する集塵室をダクト配管により接続することなく前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接し、前記乾燥機本体内において前記穀物を乾燥させた後の排風であって前記排風室へ排出された排風を前記開口から前記集塵室へ排出することを特徴とする。
【0011】
本発明の穀物乾燥機は、
前記乾燥機本体が、略四角柱形状の外観を有し、前記乾燥機本体の隣り合う2側面のなす4つの交線にそれぞれ接する4つの壁面からなる四角柱形状の外壁により囲繞され、
前記乾燥機本体の各側面と前記外壁の各隅部とで形成される三角柱形状の空間の1つが前記熱風室、前記熱風室に向かい合う側の空間が前記排風室とされてなり、
前記排風室の前記外壁に前記開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する前記集塵室を前記外壁の外面に一体に連接することが好ましい。
【0012】
本発明の穀物乾燥機は、
前記排風室の前記外壁の一面に前記開口を形成し、前記開口を形成した前記外壁の外面に前記集塵室の一面を配し、前記集塵室を前記外壁の外面に一体に連接することが好ましい。
【0013】
本発明の穀物乾燥機は、
前記集塵室には、一端が開口し、周面にフィルタが配設される円筒ドラムが配置され、
前記集塵室へ排出された排風を前記円筒ドラムの外周側から内周側へ通過させ、前記フィルタにより清浄化された空気を前記円筒ドラムの開口する前記一端から前記集塵室外へ排出することが好ましい。
【0014】
本発明の穀物乾燥機は、
前記集塵室には排風機が配設される排気室が隣接して設けられ、
前記円筒ドラムは開口する前記一端が前記排気室に臨む状態で前記集塵室に配置され、
前記排風機の作用により前記清浄化された空気を前記排気室から機外へ排出することが好ましい。
【0015】
本発明の穀物乾燥機は、
上記いずれかの穀物乾燥機を複数台連座させてなる連座式とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
参考発明の穀物乾燥機は、当該穀物乾燥機に集塵室をダクト配管により接続することなく一体的に設け、乾燥機本体内において穀物を乾燥させた後の排風を前記集塵室へ排出するので、集塵装置が別に配置される従来の穀物乾燥機のように、ダクト配管により集塵装置を接続する必要がなく、従来に比べて工期を短縮することができる。
【0017】
また、参考発明の穀物乾燥機は、当該穀物乾燥機に集塵室をダクト配管により接続することなく一体的に設けるので、ダクト配管による圧力損失の影響がなく、従来に比べ、排風を前記集塵室へ排出する際の排風機の動力を小さくすることができ、騒音やランニングコストを低減することができる。
【0018】
さらに、参考発明の穀物乾燥機は、当該穀物乾燥機に集塵室をダクト配管により接続することなく一体的に設けるので、消防法上、周囲に保有空地を確保する必要がある場合でも、前記集塵室を一体化した穀物乾燥機として許可を受けることで、設置スペースを削減することができる。
【0019】
本発明の穀物乾燥機は、乾燥機本体の一側に配設されて前記乾燥機本体の内部へ熱風を供給する熱風室と、前記乾燥機本体の他側に配設されて前記乾燥機本体の内部から前記穀物を乾燥させた後の排風を排出する排風室と、を備え、前記排風室の外壁に開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する集塵室をダクト配管により接続することなく前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接し、前記乾燥機本体内において前記穀物を乾燥させた後の排風であって前記排風室へ排出された排風を前記開口から前記集塵室へ排出するので、集塵装置が別に配置される従来の穀物乾燥機のように、ダクト配管により集塵装置を接続する必要がなく、従来に比べて工期を短縮することができる。
【0020】
また、本発明の穀物乾燥機は、前記排風室と前記開口を介して連通する前記集塵室をダクト配管により接続することなく前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接するので、ダクト配管による圧力損失の影響がなく、従来に比べ、排風を前記集塵室へ排出する際の排風機の動力を小さくすることができ、騒音やランニングコストを低減することができる。
【0021】
さらに、本発明の穀物乾燥機は、前記排風室と前記開口を介して連通する前記集塵室をダクト配管により接続することなく前記排風室の前記外壁の外面に一体に連接するので、消防法上、周囲に保有空地を確保する必要がある場合でも、前記集塵室を一体化した穀物乾燥機として許可を受けることで、設置スペースを削減することができる。
【0022】
本発明の穀物乾燥機は、前記乾燥機本体が、略四角柱形状の外観を有し、前記乾燥機本体の隣り合う2側面のなす4つの交線にそれぞれ接する4つの壁面からなる四角柱形状の外壁より囲繞され、前記乾燥機本体の各側面と前記外壁の各隅部とで形成される三角柱形状の空間の1つが前記熱風室、前記熱風室に向かい合う側の空間が前記排風室とされてなり、前記排風室の前記外壁に前記開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する前記集塵室を前記外壁の外面に一体に連接することとすれば、特に、穀類共同乾燥調製施設に乾燥・集塵ユニットとして配設して好適なものとなる。
【0023】
本発明の穀物乾燥機は、前記排風室の前記外壁の一面に前記開口を形成し、前記開口を形成した前記外壁の外面に前記集塵室の一面を配し、前記集塵室を前記外壁の外面に一体に連接することとすれば、前記集塵室を、前記開口を形成した前記外壁の幅内に配設することで、設置面積が小さくコンパクトな構成とすることができる。
【0024】
本発明の穀物乾燥機は、前記集塵室には、一端が開口し、周面にフィルタが配設される円筒ドラムが配置され、前記集塵室へ排出された排風を前記円筒ドラムの外周側から内周側へ通過させ、前記フィルタにより清浄化された空気を前記円筒ドラムの開口する前記一端から前記集塵室外へ排出することとすれば、乾式集塵機を一体化したものとなり、前記集塵室の清掃を含めたメンテナンスが容易となる。
【0025】
本発明の穀物乾燥機は、前記集塵室には排風機が配設される排気室が隣接して設けられ、前記円筒ドラムは開口する前記一端が前記排気室に臨む状態で前記集塵室に配置され、前記排風機の作用により前記清浄化された空気を前記排気室から機外へ排出することとすれば、前記集塵室内の圧力が下がるため、前記排風室から前記集塵室へ排出される排風の流れを円滑化することができる。
【0026】
本発明の穀物乾燥機は、複数台連座させる連座式とすることとすれば、ダクト配管が不要でコンパクトに構成できるため、特に、穀類共同乾燥調製施設に配設して好適な集塵機一体型の穀物乾燥機となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施の形態における穀物乾燥機の概略正面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における穀物乾燥機の概略正面図を示す。
図2は
図1の穀物乾燥機の概略正面斜視図を示す。
図3は
図1の穀物乾燥機の概略背面斜視図を示す。
図4は
図1の穀物乾燥機の概略平面図を示す。
図5は集塵室に配置される円筒ドラム82の説明図を示す。なお、
図2乃至
図4は、説明の都合上、屋根5を省略して示す。
【0029】
本発明の実施の形態における穀物乾燥機1は、4つの側面21A~21Dを有する略四角柱形状の外観を呈し、上部に貯留部、下部に乾燥部を有する乾燥機本体2と、前記乾燥機本体2に付設されるバケットエレベータ3とを備える。
【0030】
前記乾燥機本体2は、当該乾燥機本体2の隣り合う2側面のなす4つの交線にそれぞれ接する4つの壁面からなる四角柱形状の外壁4A~4Dと、前記外壁4A~4Dの上部を覆う屋根5により囲繞される。
【0031】
そして、前記乾燥機本体2の各側面21A~21Dと前記外壁4A~4Dの各隅部とで形成される三角柱形状の4つの空間の内の1つが前記乾燥機本体2内へ熱風を供給する熱風室6とされ、前記熱風室6の上端が図示しない三角板により閉塞される。
また、前記熱風室6に向かい合う側の空間が前記乾燥機本体2内から前記熱風を排出する排風室7とされ、前記排風室7の上端及び下端が図示しない三角板により閉塞される。
【0032】
前記乾燥機本体2の下方には、熱風発生装置としてのバーナと、前記熱風発生装置により発生する熱風を前記熱風室6へ供給する送風機からなる図示しないバーナ・ファンユニットが配設される。
【0033】
前記乾燥機本体2の前記乾燥部であって対向する側面21A,21Cの間には、前記熱風室6側の一端が開口し熱風が供給される熱風樋62(熱風ルーバ)と、前記排風室7側の他端が開口し穀物を乾燥した後の排風を排出する排風樋72(排風ルーバ)がそれぞれ横設される。
【0034】
前記熱風樋62及び前記排風樋72は、上面及び側面が多孔壁により形成され、下面がスリット状に開放されて山型形状をなす風路を有し、それぞれが水平方向に複数並設された状態で上下に交互に設けられる。
【0035】
前記穀物乾燥機1において、前記熱風発生装置により発生する熱風は、前記送風機により前記熱風室6へ供給され、前記熱風樋62を介して前記乾燥機本体2の内部に流入し、穀物を乾燥させる。また、前記穀物を乾燥させた後の排風は、前記送風機の作用により前記排風樋72を介して前記排風室7へ排出される。
【0036】
他方、前記乾燥機本体2の各側面21A~21Dと前記外壁4A~4Dの各隅部とで形成される三角柱形状の空間の他の1つには、さらに前記バケットエレベータ3が立設される。
【0037】
前記バケットエレベータ3は、原料穀物を揚穀し、前記原料穀物を前記乾燥機本体2の上部に設けられる投入口より前記乾燥機本体2内へ投入する。
また、前記バケットエレベータ3は、前記乾燥機本体2の下方から排出される穀物を揚穀し、前記穀物を前記投入口より前記乾燥機本体2内へ投入して循環させる。
【0038】
そして、穀物の乾燥終了時、前記バケットエレベータ3は、前記乾燥機本体2から排出される穀物を揚穀し、切換弁の切換により前記穀物を機外へ排出する。
【0039】
本発明の実施の形態では、前記穀物乾燥機1に乾式集塵機を一体化して設ける。
図2乃至
図4に示すように、前記排風室7を構成する1つの外壁4Dには開口75が形成され、前記開口75が形成された前記外壁4Dの外面には開口する面が位置するように集塵室8が配置され、前記集塵室8は前記排風室7と前記開口75を介して連通するよう前記外壁4Dの外面に一体に連接される。
【0040】
前記集塵室8には4基の排風機92が配設される排気室9が隣接して設けられる。
前記集塵室8には、
図5に示すような、一端83が開口し、周面にフィルタ84が配設される円筒ドラム82が、開口する前記一端83を前記排気室9に臨ませた状態で配置される。
【0041】
前記穀物乾燥機1において、前記乾燥機本体2内において穀物を乾燥させ、前記排風室7へ排出された排風は、前記排風機92の吸引作用により前記集塵室8内の圧力が下がるため、前記送風機の送風作用と前記排風機92の吸引作用によって前記排風室7の外壁4Dに形成された開口75から前記集塵室8へ円滑に排出される。
【0042】
前記集塵室8へ円滑に排出された前記排風は、前記円筒ドラム82の外周側から内周側へ通過し、前記フィルタ84により塵埃等が効率よく除去されて清浄化された後、前記円筒ドラム82の開口する前記一端83から前記排気室9へ排出され、前記排風機93により機外へ排出される
【0043】
前記円筒ドラム82は、回転軸85により回転可能に支持されており、前記フィルタ84の目詰まりに応じて、及び/又は定期的に回転しながら前記フィルタ84に捕捉した塵埃等が吸引ノズル86により吸引され、前記塵埃等が図示しないサイクロン等へ送られて回収される。
【0044】
また、前記集塵室8の下方には沈降室10が設けられ、前記集塵室8の下方に落下した比較的重い塵埃等が前記沈降室10に落下し堆積することで別途回収される。
【0045】
ここで、前記穀物乾燥機1は、前記集塵室8を前記外壁4Dの外面に配置するに際し、前記外壁4Dの幅内に配置することで、設置面積が小さくコンパクトな構成の集塵機一体型の穀物乾燥機とすることができる。
【0046】
また、前記穀物乾燥機1は、乾式集塵機を一体化したものなので、前記集塵室8の清掃を含めたメンテナンスが容易となる。
【0047】
本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、排風室7の外壁4Dに開口75を形成し、前記排風室7と前記開口4Dを介して連通する集塵室8を一体に連接し、前記排風室7へ排出された排風を前記開口75から前記集塵室8へ排出するので、集塵装置が別に配置される従来の穀物乾燥機のように、ダクト配管により集塵装置を接続する必要がなく、従来に比べて工期を短縮することができる。
【0048】
また、本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、前記排風室7と前記開口75を介して連通する前記集塵室8を一体に連接するので、ダクト配管による圧力損失の影響がなく、従来に比べ、排風を前記集塵室8へ排出する際の排風機92の動力を小さくすることができ、騒音やランニングコストを低減することができる。
【0049】
さらに、本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、前記排風室7と前記開口75を介して連通する前記集塵室8を一体に連接するので、消防法上、周囲に保有空地を確保する必要がある場合でも、集塵機一体型の穀物乾燥機として許可を受けることで、設置スペースを削減することができる。
【0050】
上記本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、乾燥機本体2が略四角柱形状の外観を呈し、前記乾燥機本体2の隣り合う2側面のなす4つの交線にそれぞれ接する4つの壁面からなる四角柱形状の外壁4A~4Dと、前記外壁4A~4Dの上部を覆う屋根5により囲繞され、前記乾燥機本体2の各側面21A~21Dと前記外壁4A~4Dの各隅部とで形成される三角柱形状の空間の1つが熱風室6、前記熱風室6に向かい合う側の空間が排風室7とされてなり、前記排風室7の外壁4Dに開口75を形成し、前記排風室7と前記開口75を介して連通する集塵室8を前記外壁4Dの外面に一体に連接するので、特に、穀類共同乾燥調製施設に乾燥・集塵ユニットとして配設して好適なものとなる。
【0051】
また、上記本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、複数台を連座させることで連座式の穀物乾燥機とすれば、ダクト配管が不要でコンパクトに構成できるため、特に、穀類共同乾燥調製施設に配設して好適な集塵機一体型の穀物乾燥機となる。
【0052】
なお、穀類共同乾燥調製施設に配設される穀物乾燥機として例示したものに代えて、他の構成を有する穀物乾燥機においても同様に、排風室の外壁に開口を形成し、前記排風室と前記開口を介して連通する集塵室を一体に連接し、前記排風室へ排出された排風を前記開口から前記集塵室へ排出するものとすることができる。
【0053】
また、穀類共同乾燥調製施設に配設される大型の穀物乾燥機に代えて、小型の穀物乾燥機など、それ以外の穀物乾燥機においても同様に、前記穀物乾燥機に集塵室を一体に設け、乾燥機本体内において穀物を乾燥させた後の排風を前記集塵室へ排出するものとすることができる。
【0054】
上記本発明の実施の形態における穀物乾燥機は、乾式集塵機を一体化したものであるが、湿式集塵機を一体化することもできる。
【0055】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の穀物乾燥機は、集塵室を一体的に設けることでダクト配管を不要とした集塵機一体型の穀物乾燥機であり、例えば穀類共同乾燥調製施設に乾燥・集塵ユニットとして好適に配設することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 穀物乾燥機
2 乾燥機本体
21A~21D 側面
3 バケットエレベータ
4A~4D 外壁
5 屋根
6 熱風室
62 熱風樋(熱風ルーバ)
7 排風室
72 排風樋(排風ルーバ)
75 開口
8 集塵室
82 円筒ドラム
83 一端
84 フィルタ
85 回転軸
86 吸引ノズル
9 排気室
92 排風機
10 沈降室