IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーウェーブの特許一覧

<>
  • 特許-券売システム 図1
  • 特許-券売システム 図2
  • 特許-券売システム 図3
  • 特許-券売システム 図4
  • 特許-券売システム 図5
  • 特許-券売システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】券売システム
(51)【国際特許分類】
   G07B 1/00 20060101AFI20221206BHJP
   G07B 5/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G07B1/00 Z
G07B5/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018078400
(22)【出願日】2018-04-16
(65)【公開番号】P2019185594
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】脇田 健司
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-059064(JP,A)
【文献】特開2016-162228(JP,A)
【文献】特開2008-276579(JP,A)
【文献】特開2015-219697(JP,A)
【文献】特開2004-213362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 1/00- 5/12
G06Q 50/12
G07G 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のアイテムに関して選択されたアイテム用の券を発券する券売機と、
前記選択されたアイテム用の券を特定する券情報が記録される情報コードを管理する管理部と、
前記情報コードを画面表示可能な携帯端末と、
を備える券売システムであって、
前記携帯端末は、
操作部と、
前記操作部の操作に応じてメニュー一覧に画像および価格が表示される前記複数種類のアイテムのうち少なくとも1つが選択された際の選択結果を前記管理部に出力することで、当該選択されたアイテム用の券を特定する前記券情報が記録された前記情報コードを前記管理部から取得する取得部と、
前記取得部により取得された複数の前記情報コードが選択された前記メニュー一覧でのアイテムの画像および価格とともに記憶される記憶部と、
前記操作部の操作に応じて選択された前記記憶部に記憶された前記情報コードが選択されたアイテムの画像および価格とともに画面表示される表示部と、
を備え、
前記券売機は、
前記情報コードを光学的に読み取る読取部と、
前記読取部により前記情報コードを読み取ることで得た前記券情報に基づいて、前記選択されたアイテムの支払いを前提に、当該選択されたアイテム用の券を発券する発券部と、
を備えることを特徴とする券売システム。
【請求項2】
前記表示部には、前記操作部の操作に応じて前記複数種類のアイテムのうち少なくとも1つを選択する際の選択画面が言語を切り替え可能に表示されることを特徴とする請求項1に記載の券売システム。
【請求項3】
前記券売機には、前記携帯端末を利用することなく前記複数種類のアイテムのいずれか1つを選択するための選択手段がアイテムごとに区別して設けられ、
前記読取部により前記情報コードを読み取ることで前記券情報が得られると、当該券情報から特定されるアイテムに対応する前記選択手段の表示状態が変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の券売システム。
【請求項4】
前記券情報には、さらに割引に関する情報及び割引可能な期間に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の券売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、券売システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のメニューを提供する飲食店等では、人件費の抑制等のため、利用者自身が券売機を操作して所望のメニューの食券を購入する券売システムが採用されている。このような券売システムに関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される自動券売機システムが知られている。この自動券売機システムでは、食券が発行された後に、その食券がリーダにて読み取られることでその食事の予約状態となって料理着手が禁止され、その食券が再度リーダにて読み取られることでその食事の予約状態が解除されて調理着手を待つ状態となる。これにより、利用者は食券を購入した後に、そのアイテムの調理着手の禁止とその解除を指示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-271642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、券売機が設置される店舗では、繁忙時間帯(昼食時や夕食時等)にて利用者が増えるために券売機前が混雑して券売機の回転率が低下してしまうという問題がある。この混雑は、選択可能なアイテム数が増えるほど発生しやすくなり、また、訪日外国人などのように操作に不慣れな利用者が利用する場合でも同様に発生しやすくなる。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報コードから読み取った券情報に基づいて券を発券することで券売機前での混雑を解消し得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
複数種類のアイテムに関して選択されたアイテム用の券(T)を発券する券売機(10,10a)と、
前記選択されたアイテム用の券を特定する券情報が記録される情報コード(C)を管理する管理部(40,31,35)と、
前記情報コードを画面表示可能な携帯端末(30)と、
を備える券売システム(1)であって、
前記携帯端末は、
操作部(34)と、
前記操作部の操作に応じてメニュー一覧に画像および価格が表示される前記複数種類のアイテムのうち少なくとも1つが選択された際の選択結果を前記管理部に出力することで、当該選択されたアイテム用の券を特定する前記券情報が記録された前記情報コードを前記管理部から取得する取得部(31,36)と、
前記取得部により取得された複数の前記情報コードが選択された前記メニュー一覧でのアイテムの画像および価格とともに記憶される記憶部(35)と、
前記操作部の操作に応じて選択された前記記憶部に記憶された前記情報コードが選択されたアイテムの画像および価格とともに画面表示される表示部(33)と、
を備え、
前記券売機は、
前記情報コードを光学的に読み取る読取部(26)と、
前記読取部により前記情報コードを読み取ることで得た前記券情報に基づいて、前記選択されたアイテムの支払いを前提に、当該選択されたアイテム用の券を発券する発券部(24)と、
を備えることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明では、携帯端末において、操作部の操作に応じてメニュー一覧に画像および価格が表示される複数種類のアイテムのうち少なくとも1つが選択された際の選択結果が管理部に出力されることで、当該選択されたアイテム用の券を特定する券情報が記録された情報コードが管理部から取得部により取得されて、選択されたメニュー一覧でのアイテムの画像および価格とともに記憶部に記憶される。そして、操作部の操作に応じて選択された記憶部に記憶された情報コードが選択されたアイテムの画像および価格とともに表示部にて画面表示される。券売機では、読取部により情報コードを読み取ることで得た券情報に基づいて、選択されたアイテムの支払いを前提に、当該選択されたアイテム用の券が発券部により発券される。
【0008】
これにより、利用者は、例えば、来店前に、携帯端末を操作して複数種類のアイテムのうちから事前に所望のアイテムを選択することで、その所望のアイテム用の情報コードが記憶部に記憶され、来店後に、その情報コードを画面表示して券売機に読み取らせることで、その所望のアイテム用の券が購入可能となる。このように所望のアイテムを事前に選択でき、画面表示した情報コードを券売機に読み取らせるだけなので、選択可能なアイテム数が多い場合や操作に不慣れな利用者が利用する場合でも券売機前でアイテムの選択に悩むようなこともない。したがって、情報コードから読み取った券情報に基づいて券を発券することで券売機前での混雑を解消し得る券売システムを実現することができる。
【0009】
請求項2の発明では、表示部には、操作部の操作に応じて複数種類のアイテムのうち少なくとも1つを選択する際の選択画面が言語を切り替え可能に表示される。これにより、例えば、日本語に慣れていない訪日外国人等であっても、所望のアイテムを容易に選択できるだけでなく、券売機前では情報コードを読み取らせるだけで所望のアイテム用の券が購入可能となるので、券売機前での混雑をより確実に解消することができる。
【0010】
請求項3の発明では、券売機には、携帯端末を利用することなく複数種類のアイテムのいずれか1つを選択するための選択手段がアイテムごとに区別して設けられ、読取部により情報コードを読み取ることで券情報が得られると、当該券情報から特定されるアイテムに対応する選択手段の表示状態が変化する。
【0011】
これにより、利用者が情報コードを画面表示して券売機に読み取らせた際には、利用者が事前に選択したアイテムに対応する選択手段の表示状態が変化する。このため、この選択手段の表示状態の変化を見た利用者は、情報コードを読み取らせることでどのアイテムが選択されたかを容易に把握でき、誤ったアイテムの発券を防止することができる。
【0012】
請求項4の発明では、券情報には、さらに割引に関する情報及び割引可能な期間に関する情報が含まれるため、割引を受ける場合でも情報コードを券売機に読み取らせるだけであり、券売機前で割引のための操作等に悩むこともない。したがって、割引を受ける場合でも券売機前での混雑を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る券売システムの概略構成を示す説明図である。
図2】券売機の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図3】携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図4図4(A)は、携帯端末の表示画面に表示される店舗選択画面を説明する説明図であり、図4(B)は、ニュー選択画面を説明する説明図であり、図4(C)は、情報コード表示画面を説明する説明図である。
図5】本実施形態の第2変形例に係る券売システムの要部を説明する説明図である。
図6】本実施形態の第4変形例に係る券売システムの要部を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る券売システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る券売システム1は、提供可能な複数種類のアイテムに関して情報コードを利用して選択されたアイテム用の券を発券するシステムとして構成されている。具体的には、本実施形態では、券売システム1は、同じ券売機が採用される複数の飲食店にてメニュー提供時に利用される食券を発券するシステムとして採用されており、各飲食店に配置されて選択されたメニュー用の食券を発券する券売機10と、情報コードを画面表示可能な携帯端末30と、サーバ40とを備えるように構成されている。
【0015】
券売機10は、図1及び図2に示すように、外郭を構成する筐体11と、この筐体11の正面上部に設置されるタッチパネル23や、筐体11内に収容等される制御部21、記憶部22、発券部24、貨幣処理部25、情報コード読取部26、通信部27等とを備えるように構成されている。筐体11の正面において、タッチパネル23の隣に情報コード読取部26の読取口26aが配置され、タッチパネル23の下方に、紙幣取扱口12と、硬貨投入口13と、硬貨排出口14とが配置され、読取口26aの下方に、食券放出口15が配置されている。
【0016】
制御部21は、券売機10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、記憶部22とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。記憶部22は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの公知の半導体メモリなどによって構成されており、この記憶部22には、食券を発券する発券処理を実現するためのアプリケーションプログラムや他の各種情報処理を実現するための所定のアプリケーションプログラム等が、制御部21により実行可能に予め格納されている。
【0017】
タッチパネル23は、制御部21により制御されて、提供するメニューや機能ボタン等を示すアイコンが選択可能に画面表示され、いずれかのアイコンに対してタッチ操作されることで、そのタッチ操作に応じて選択されたメニューに関する情報などが制御部21に出力されるように構成されている。
【0018】
発券部24は、制御部21により制御されて、選択されたメニューについての必要な情報を食券用の用紙に印刷することで発券するように構成されている。発券部24により発券された食券Tは、利用者に対して食券放出口15から放出される。
【0019】
貨幣処理部25は、紙幣取扱口12から挿入された紙幣や硬貨投入口13から投入された硬貨を計数し、この計数結果を制御部21に対して出力するように構成されている。また、貨幣処理部25は、制御部21からの指示に応じて、所定の紙幣を紙幣取扱口12から放出するとともに、所定の硬貨を硬貨排出口14から放出するように構成されている。
【0020】
情報コード読取部26は、読取対象物に付されたバーコードやQRコード(登録商標)等の情報コードを光学的に読み取る光学的情報読取手段として機能するもので、照明光源や受光センサ(図略)等を備えている。この情報コード読取部26では、照明光源からの照射光が情報コードにて反射されその反射光が読取口26aを介して受光センサにて受光されると、この受光に応じて生成された画像データに対して公知のデコード処理がなされることで、情報コードに記録されたデータが取得されて、制御部21に出力される。
【0021】
通信部27は、制御部21により制御されて、所定のネットワークを介して外部機器と通信を行う通信インタフェースとして構成されている。
【0022】
このように構成される券売機10では、制御部21にてなされる発券用の処理により、利用者によるタッチパネル23のタッチ操作に応じて食券Tを発券するために必要な券情報が取得されて、貨幣処理部25にて必要以上の貨幣が受け取られると、発券部24により食券Tが発券されて食券放出口15から放出される。具体的には、図1に示すように、タッチパネル23には、複数種類のメニューのいずれか1つを選択するための選択手段としてのアイコンがメニューごとに区別して設けられている。そして、タッチパネル23において、いずれか1つのアイコンに対するタッチ操作がなされることで、このタッチ操作されたアイコンに対応する食券Tを発券するために必要な券情報が、制御部21にて取得される。
【0023】
また、券売機10では、後述するように携帯端末30に表示された情報コードCが情報コード読取部26にて読み取られることで食券Tを発券するために必要な券情報が制御部21にて取得されて、貨幣処理部25にて必要以上の貨幣が受け取られると、発券部24により食券Tが発券されて食券放出口15から放出される。この情報コードCの読み取りを利用した食券Tの発券については、後述する。
【0024】
次に、携帯端末30の構成について、図面を参照して説明する。
携帯端末30は、食券Tを購入する利用者が所持している携帯型の情報端末であって、スマートフォンなどのように、情報コードを画面表示する機能やサーバ40とインターネット等を介して通信する通信機能等を備え、発券を所望する食券Tを事前に選択するための所定のアプリケーションプログラム(以下、発券アプリともいう)がインストールされて構成されるものである。
【0025】
この携帯端末30は、図3に示すように、CPU等からなる制御部31、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部32、液晶表示器などからなる表示部33、各種操作キーやタッチパネル等(図示略)によって構成される操作部34、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部35、携帯電話回線網やインターネット等の所定のネットワークを介してサーバ40等の外部機器と無線または有線にて通信可能な通信インタフェースとして構成される通信部36などを備えている。
【0026】
このように構成される携帯端末30では、上記発券アプリを起動した際に選択されたメニュー選択処理により、選択したメニューの食券Tを購入するための情報コードCが取得される。具体的には、上記メニュー選択処理により、サーバ40が管理するWebサイトにアクセスすることで、図4(A)に示す店舗選択画面のように、本サービスを利用可能な店舗が表示部33の表示画面33aに選択可能に表示される。特に、この店舗選択画面では、言語切り替え用のアイコン33bが用意されており、このアイコン33bの操作等に応じて、表示画面33aに表示される言語が、日本語から、例えば、英語や中国語等に切り替えられる。
【0027】
操作部34の操作に応じて上記店舗選択画面にて利用する店舗が選択されると、図4(B)に示すメニュー選択画面のように、この店舗に設置される券売機10にて選択可能なメニューが表示画面33aに1画面又は複数画面に渡って選択可能に表示される。
【0028】
その後、操作部34の操作に応じて上記メニュー選択画面にてメニューが選択されると、この選択結果がサーバ40に出力(送信)されることで、選択されたメニュー用の食券Tを特定する券情報(例えば、メニューコード等)が記録された情報コードCが、通信部36を介してサーバ40から取得される。なお、上記券情報には、例えば、選択された店舗を特定する店舗コードなどの情報を含めることができる。
【0029】
このため、サーバ40では、本システムの管理対象となる各店舗の情報やそれらの店舗に設置される券売機10にて選択可能なメニューの情報等が記憶されるデータベースが構築されており、このデータベースに上記券情報が記録された情報コードCも予め生成されて記憶されている。なお、サーバ40は、「管理部」の一例に相当し、上記メニュー選択処理を実行する制御部31及び通信部36は、「取得部」の一例に相当し得る。
【0030】
上述のようにサーバ40から取得された情報コードCは、図4(C)に示す情報コード表示画面のように、選択されたメニューの画像や価格等とともに表示部33の表示画面33aに表示され、利用者による決定操作を受けて、記憶部35に記憶される。例えば、図4(B)に示すメニュー選択画面からオムライスが選択された場合には、このオムライス用の食券Tを特定する券情報が記録された情報コードCがサーバ40から取得されて、そのメニュー画像や価格等とともに表示部33の表示画面33aに表示されることとなる(図4(C)参照)。
【0031】
その後、その店舗に来店した利用者にて上記発券アプリを起動した際に操作部34の操作に応じて選択された情報コード表示処理により、情報コードC等が記憶部35から読み出されて、図4(C)に示す情報コード表示画面のように、選択されたメニューの画像や価格等とともに表示部33の表示画面33aに表示される。
【0032】
このように画面表示した情報コードCを券売機10の読取口26aにかざすことで、情報コード読取部26にて情報コードCから食券Tを発券するために必要な券情報が読み取られて取得される。その際、貨幣処理部25にて必要以上の貨幣が受け取られることで、取得された券情報から特定されるメニュー用の食券Tが発券部24により発券されて、食券放出口15から放出される。
【0033】
なお、情報コードCの表示画像等は、記憶部35に記憶されるため、割引情報などを付加するために有効期限や使用制限等が設定されない限り、繰り返し利用することができる。また、上記情報コード表示処理では、記憶部35に記憶される複数の情報コードCのいずれかを選択して表示できるようにすることで、上記メニュー選択処理にて複数のメニューを選択してその選択したメニューごとに情報コードC等を記憶部35に記憶するようにしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る券売システム1では、携帯端末30において、操作部34の操作に応じて複数種類のメニュー(アイテム)のうち少なくとも1つが選択された際の選択結果がサーバ40に出力されることで、当該選択されたメニュー用の食券Tを特定する券情報が記録された情報コードCがサーバ40から取得されて、記憶部35に記憶される。そして、操作部34の操作に応じて記憶部35に記憶された情報コードC等が表示部33の表示画面33aにて画面表示される。券売機10では、情報コード読取部26により情報コードCを読み取ることで得た券情報に基づいて、選択されたメニューの支払いを前提に、当該選択されたメニュー用の食券Tが発券部24により発券される。
【0035】
これにより、利用者は、来店前に、携帯端末30を操作して複数種類のメニューのうちから事前に所望のメニューを選択することで、その所望のメニュー用の情報コードCが記憶部35に記憶され、来店後に、その情報コードCを画面表示して券売機10に読み取らせることで、その所望のメニュー用の食券Tが購入可能となる。このように所望のメニューを事前に選択でき、画面表示した情報コードCを券売機10に読み取らせるだけなので、選択可能なメニュー数が多い場合や操作に不慣れな利用者が利用する場合でも券売機10前でメニューの選択に悩むようなこともない。したがって、情報コードCから読み取った券情報に基づいて食券Tを発券することで券売機10前での混雑を解消し得る券売システムを実現することができる。また、券売機10を設置した店舗等では、券売機10前での混雑解消による回転率向上だけでなく、券売機10に関する操作案内作業を軽減することができる。
【0036】
特に、表示部33には、操作部34の操作に応じて複数種類のメニューのうち少なくとも1つを選択する際の店舗選択画面が、言語切り替え用のアイコン33bに対する操作に応じて、言語を切り替え可能に表示される。これにより、例えば、日本語に慣れていない訪日外国人等であっても、所望のメニューを容易に選択できるだけでなく、券売機10前では情報コードCを読み取らせるだけで所望のメニュー用の食券Tが購入可能となるので、券売機10前での混雑をより確実に解消することができる。
【0037】
なお、本実施形態の第1変形例として、携帯端末30では、サーバ40が管理するWebサイトにアクセスすることで、選択されたメニューに対応する情報コードCが取得されることに限らず、記憶部35に予め記憶したデータを利用して情報コードCが取得されてもよい。具体的には、例えば、サーバ40のデータベースにて本システムに関して記憶されるデータをダウンロード等して記憶部35に予め同等のデータベースを構築した状態にて、このデータベースを利用して情報コードCが取得されてもよい。この構成では、制御部31及び記憶部35は、「管理部」の一例に相当し、メニュー選択の際、サーバ40等の外部への通信を不要とすることができる。
【0038】
また、本実施形態の第2変形例として、券売機10では、情報コード読取部26により情報コードCを読み取ることで券情報が得られると、タッチパネル23において、当該券情報から特定されるメニューに対応するアイコンの表示状態が変化してもよい。具体的には、例えば、情報コードCの読み取りによりオムライス用の券情報が得られると、図5に例示するように、タッチパネル23において、オムライス用のアイコンを通常と異なるように点滅表示させる。
【0039】
これにより、利用者が情報コードCを画面表示して券売機10に読み取らせた際には、利用者が事前に選択したメニューに対応するアイコン等の表示状態が変化する。このため、このアイコンの表示状態の変化を見た利用者は、情報コードCを読み取らせることでどのメニューが選択されたかを容易に把握でき、誤ったメニューの発券を防止することができる。
【0040】
また、本実施形態の第3変形例として、情報コードCに記録される券情報には、さらに割引に関する情報及び割引可能な期間(有効期限)に関する情報が含まれてもよい。例えば、サーバ40が管理するWebサイトにアクセスしてメニューを選択する際、所定のパスワードや会員番号を入力操作するなど、所定の条件を満たすことを前提に、割引情報及び有効期限情報等が上記券情報に含まれる情報コードCをサーバ40から取得してもよい。
【0041】
このように、情報コードCには割引情報等が記録されるので、キャンペーンなどで割引サービス等が展開される際にその割引を受ける場合でも、情報コードCを券売機10に読み取らせるだけであり、券売機10前で割引のための操作等に悩むこともない。したがって、割引を受ける場合でも券売機10前での混雑を解消することができる。
【0042】
また、本実施形態の第4変形例として、券売機は、タッチパネル23の隣に情報コード読取部26の読取口26aが配置されることで情報コード読取部26が筐体11内に収容されるように構成されることに限らず、図6に例示する券売機10aのように、情報コード読取部26が筐体11に対して別体として構成されてもよい。これにより、ハード的には、従来の券売機に対して別体の情報コード読取部26を追加するだけで本券売システムを採用することができるので、本システムの導入コストの低減を図ることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態及び変形例等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る券売システム1は、選択可能なメニューが多数用意される食券の券売システムに適用されることに限らず、例えば、乗車券の券売システムや複数種類のサービスが選択可能に提供される施設入場券の券売システムなど、選択可能なアイテムが複数用意される券の券売システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…券売システム
10,10a…券売機
21…制御部
24…発券部
26…情報コード読取部
30…携帯端末
31…制御部(取得部,管理部)
33…表示部
34…操作部
35…記憶部(管理部)
36…通信部(取得部)
40…サーバ(管理部)
C…情報コード
T…食券(券)
図1
図2
図3
図4
図5
図6