IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧

<>
  • 特許-燃料改質装置 図1
  • 特許-燃料改質装置 図2
  • 特許-燃料改質装置 図3
  • 特許-燃料改質装置 図4
  • 特許-燃料改質装置 図5
  • 特許-燃料改質装置 図6
  • 特許-燃料改質装置 図7
  • 特許-燃料改質装置 図8
  • 特許-燃料改質装置 図9
  • 特許-燃料改質装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】燃料改質装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20221206BHJP
   B01J 23/652 20060101ALI20221206BHJP
   C01B 3/00 20060101ALI20221206BHJP
   C01B 13/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
C01B3/04 R
B01J23/652 M
C01B3/00 Z
C01B13/02 A
C01B13/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018129837
(22)【出願日】2018-07-09
(65)【公開番号】P2020007186
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ テイテイ
(72)【発明者】
【氏名】加納 一彦
(72)【発明者】
【氏名】小島 邦裕
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和吉
(72)【発明者】
【氏名】関根 泰
【審査官】磯部 香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-263165(JP,A)
【文献】国際公開第2018/089964(WO,A2)
【文献】特開2017-047405(JP,A)
【文献】特開2008-094636(JP,A)
【文献】特開2015-218099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/04
B01J 23/652
C01B 3/00
C01B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素原子および酸素原子を含む燃料の分解によるHガスの生成と上記燃料の分解時に捕捉した酸素を用いたOガスの放出との両方を促す複数の触媒体(2)と、
複数の上記触媒体を別々に収容する複数の触媒体収容部(30)を備え、各上記触媒体収容部の位置を移動させることが可能に構成された移動機構(3)と、
上記触媒体収容部に収容された上記触媒体に上記燃料を供給可能に構成された燃料供給路(4)と、
上記燃料供給路から供給された上記燃料を上記触媒体により分解して上記Hガスを生成させるとともに上記燃料の分解時に生じた上記酸素を上記触媒体に捕捉させる第1触媒反応領域(5)と、
上記燃料の分解時に上記触媒体に捕捉した上記酸素を用いて上記Oガスを放出させる第2触媒反応領域(6)と、
上記第2触媒反応領域において上記触媒体に電場を印加可能に構成された第2電場印加部(62)と、
上記第2電場印加部が上記触媒体に印加する電場を制御する第2電場制御部(620)と、
上記移動機構を制御する移動機構制御部(7)と、を有しており、
上記燃料は、水(H)であり、
上記触媒体は、Pr-Zr-Nd系酸化物、Pr-Zr系酸化物、Ce-Cr-Pd系酸化物、および、これら酸化物の表面に貴金属元素が担持されたものからなる群より選択される少なくとも1種であり、
上記移動機構制御部は、各上記触媒体収容部が、上記第1触媒反応領域を経由して上記第2触媒反応領域へ移動した後、再び上記第1触媒反応領域に戻るように上記移動機構を制御するよう構成されている、燃料改質装置(1)。
【請求項2】
上記移動機構は、上記各触媒体収容部が回転方向(R)に並んで形成された回転体(31)を備え、
上記回転体の回転により各上記触媒体収容部の位置を移動させることが可能に構成されている、請求項1に記載の燃料改質装置。
【請求項3】
上記第2触媒反応領域から上記第1触媒反応領域に上記触媒体収容部が戻るまでの間に、上記触媒体収容部に収容された上記触媒体に上記燃料供給路を通じて上記燃料を供給するように構成されている、または、
上記触媒体収容部が上記第1触媒反応領域にあるときに、上記触媒体収容部に収容された上記触媒体に上記燃料供給路を通じて上記燃料を供給するように構成されている、請求項1または2に記載の燃料改質装置。
【請求項4】
上記各触媒体収容部に収容された上記触媒体の温度を調整可能な温度制御部(9)をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
【請求項5】
上記第1触媒反応領域における上記触媒体に電場を印加可能に構成された第1電場印加部(51)と、
上記第1電場印加部が上記触媒体に印加する電場を制御する第1電場制御部(520)と、をさらに有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
【請求項6】
上記第1電場制御部と上記第2電場制御部とは、それぞれ独立して電場を制御可能に構成されている、請求項5に記載の燃料改質装置。
【請求項7】
上記第1触媒反応領域の下流側に、生成した上記Hガスを回収するHガス回収部(810)を有するとともに、
上記第2触媒反応領域の下流側に、放出された上記Oガスを回収するOガス回収部(820)を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
【請求項8】
上記第1触媒反応領域および上記第2触媒反応領域のうち少なくとも一方の下流側に、ガス状の上記燃料を凝縮させる凝縮器(811、821)を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
【請求項9】
上記第2触媒反応領域は、2つ以上の上記触媒体収容部を合わせた領域から構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の燃料改質装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料としての水(HO)を1つの触媒体へ供給し、電流印加部が触媒体に印加する電流を可変制御することにより、触媒体からHガスまたはOガスのいずれを放出するかを切り替え制御する燃料改質装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-47405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の燃料改質装置は、触媒体を1つしか用いないため、連続的にHガスの生成、Oガスの放出を行うことが難しい。また、従来の燃料改質装置は、HガスとOガスの分離が必要となる。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、連続的にHガスの生成、Oガスの放出を行うことが可能であり、HガスとOガスの分離を不要にすることが可能な燃料改質装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、水素原子および酸素原子を含む燃料の分解によるHガスの生成と上記燃料の分解時に捕捉した酸素を用いたOガスの放出との両方を促す複数の触媒体と、
複数の上記触媒体を別々に収容する複数の触媒体収容部を備え、各上記触媒体収容部の位置を移動させることが可能に構成された移動機構と、
上記触媒体収容部に収容された上記触媒体に上記燃料を供給可能に構成された燃料供給路と、
上記燃料供給路から供給された上記燃料を上記触媒体により分解して上記Hガスを生成させるとともに上記燃料の分解時に生じた上記酸素を上記触媒体に捕捉させる第1触媒反応領域と、
上記燃料の分解時に上記触媒体に捕捉した上記酸素を用いて上記Oガスを放出させる第2触媒反応領域と、
上記第2触媒反応領域において上記触媒体に電場を印加可能に構成された第2電場印加部と、
上記第2電場印加部が上記触媒体に印加する電場を制御する第2電場制御部と、
上記移動機構を制御する移動機構制御部と、を有しており、
上記燃料は、水(H)であり、
上記触媒体は、Pr-Zr-Nd系酸化物、Pr-Zr系酸化物、Ce-Cr-Pd系酸化物、および、これら酸化物の表面に貴金属元素が担持されたものからなる群より選択される少なくとも1種であり、
上記移動機構制御部は、各上記触媒体収容部が、上記第1触媒反応領域を経由して上記第2触媒反応領域へ移動した後、再び上記第1触媒反応領域に戻るように上記移動機構を制御するよう構成されている、燃料改質装置にある。
【発明の効果】
【0007】
上記燃料改質装置は、上記構成を有している。そのため、上記燃料改質装置は、例えば、次のように動作させることができる。先ず、移動機構制御部による移動機構の制御により、ある一つの触媒体収容部を第1触媒反応領域に移動させる前または移動させた後、当該触媒体収容部に収容された触媒体に燃料供給路を通じて燃料を供給する。次いで、第1触媒反応領域にある触媒体収容部の触媒体により燃料を分解してHガスを生成させるとともに燃料の分解時に生じた酸素を触媒体に捕捉させる。次いで、移動機構制御部による移動機構の制御により、第1触媒反応領域を経由した触媒体収容部を第2触媒反応領域へ移動させる。次いで、第2触媒反応領域にある触媒体に第2電場印加部にて電場を印加し、燃料の分解時に触媒体に捕捉した酸素を用いてOガスを放出させる。次いで、移動機構制御部による移動機構の制御により、第2触媒反応領域を経由した触媒体収容部を再び第1触媒反応領域に戻す。そして、上記の動作を各触媒体収容部について順次繰り返し実施する。
【0008】
上記燃料改質装置によれば、移動機構制御部による移動機構の制御によって第1触媒反応領域と第2触媒反応領域との間を、触媒体を収容した各触媒体収容部が移動することで、第1触媒反応領域から連続的にHガスが生成するとともに、第2触媒反応領域から連続的にOガスが放出される。また、Hガスが生成する第1触媒反応領域と、Oガスが放出される第2触媒反応領域とが互いに独立して存在するため、HガスとOガスの分離が不要となる。
【0009】
よって、上記燃料改質装置によれば、連続的にHガスの生成、Oガスの放出を行うことができ、HガスとOガスの分離を不要にすることができる。
【0010】
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1における、燃料改質装置の構成を示した説明図である。
図2図1における燃料改質装置のII-II線断面を示した断面図である。
図3図2示した燃料改質装置のII-II線断面の変形例を示した説明図である。
図4】実施形態1における、回転機構が備える回転体の変形例を示した説明図である。
図5】実施形態2における、燃料改質装置の構成を示した説明図である。
図6】実施形態3における、燃料改質装置の構成を示した説明図である。
図7】実施形態4における、燃料改質装置の構成を示した説明図である。
図8図7における燃料改質装置のVIII-VIII線断面を示した断面図である。
図9図8示した燃料改質装置のVIII-VIII線断面の変形例を示した説明図である。
図10】実施形態5における、燃料改質装置の構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態1)
実施形態1の燃料改質装置について、図1図4を用いて説明する。図1および図2に例示されるように、本実施形態の燃料改質装置1は、複数の触媒体2と、移動機構3と、燃料供給路4と、第1触媒反応領域5と、第2触媒反応領域6と、第2電場印加部62と、第2電場制御部620と、移動機構制御部7と、を有している。以下、これを詳説する。
【0013】
燃料改質装置1において、触媒体2は、水素原子および酸素原子を含む燃料の分解によるHガスの生成と燃料の分解時に捕捉した酸素を用いたOガスの放出との両方を促す。水素原子および酸素原子を含む燃料は、具体的には、水(H)である。燃料がHOである場合には、比較的安価で入手しやすく、取り扱いの容易なHOを改質し、連続的にHガスおよびOガスを分離状態で取り出すことが可能な燃料改質装置1が得られる。
【0014】
媒体2としては、Pr-Zr-Nd系酸化物、Pr-Zr系酸化物、Ce-Cr-Pd系酸化物、これら酸化物の表面に貴金属元素が担持されたものなどが用いられる。これらは1種または2種以上併用することができる。なお、Pr-Zr-Nd系酸化物は、Pr、Zr、Nd、Oを構成元素として含む複合酸化物である。Pr-Zr系酸化物は、Pr、Zr、Oを構成元素として含む複合酸化物である。Ce-Cr-Pd系酸化物は、Ce、Cr、Pd、Oを構成元素として含む複合酸化物である。貴金属元素としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Ru、Au、Agなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
【0015】
触媒体2は、好ましくは、Ce-Cr-Pd系酸化物を有しているとよい。この構成によれば、水素環境下に曝されたり、電場を印加されたりした場合などでも、触媒体2の結晶構造が変化し難いため、触媒体2の安定性が高い。そのため、この構成によれば、同じ触媒体2を繰り返し使用して、Hガス、Oガスを連続的に取り出しやすい燃料改質装置1が得られる。Ce-Cr-Pd系酸化物としては、具体的には、Ce(1-y-x)CrPd(0.03≦x≦0.05、0.1≦y<0.5)などを例示することができる。
【0016】
なお、本実施形態では、触媒体2は、多孔質に形成されることができ、ガス状の燃料を通気させることが可能とされている。多孔性の触媒体2は、例えば、ハニカム構造を有する触媒体2、粉末状の触媒体2などから構成することができる。
【0017】
燃料改質装置1において、移動機構3は、複数の触媒体2を別々に収容する複数の触媒体収容部30を備え、各触媒体収容部30の位置を移動させることが可能に構成されている。移動機構3は、例えば、一定方向に並んで形成された複数の触媒体収容部30を備え、各触媒体収容部30の位置を隣接する触媒体収容部30の位置まで一定方向に順次移動させることが可能に構成することができる。
【0018】
本実施形態では、移動機構3は、各触媒体収容部30が回転方向Rに並んで形成された回転体31を備えている。なお、回転方向Rは、回転軸310を回転中心とする。図1および図2では、具体的には、回転体31が、円筒状に形成された筒体313と、筒体313の内部を複数に区画(ここでは、八等分に区画)する内部隔壁314とを有する例が示されている。回転体31では、内部隔壁314によって区画された各領域が各触媒体収容部30とされている。内部隔壁314は、回転軸310から筒体313の半径方向に放射状に延び、筒体313の内側面に連結されている。回転体31は、回転軸310方向の両端に第1端面311と第2端面312とを有している。第1端面311は、例えば、燃料が導入される上流側端面とされ、第2端面312は、例えば、Hガス、Oガスが導出される下流側端面とされる。各触媒体収容部30は、回転軸310方向に貫通しており、第1端面311および第2端面312に開口している。回転体31の材質としては、例えば、金属材料、樹脂材料、セラミック材料、ガラス材料、これらの組み合わせ等を例示することができる。
【0019】
各触媒体収容部30に収容された触媒体2は、例えば、回転軸310方向の両触媒体端面が回転体31の両端面と同じとなるように収容されることができる。また、両触媒体端面には、触媒体2に電場を印加する際に使用可能な一対の触媒側電極(不図示)を形成することができる。触媒側電極は、ガス透過可能に構成することができる。
【0020】
本実施形態では、移動機構3は、回転体31を回転させることにより各触媒体収容部30の位置を移動させることが可能に構成されている。図1および図2では、具体的には、複数の触媒体収容部30のうち位置Aにある触媒体収容部30に着目したときに、回転体31は、回転方向Rへの回転により、位置Aにある触媒体収容部30を、位置B→位置C→位置D→位置E→位置F→位置G→位置H→位置A→・・・と順次移動させる例が示されている。つまり、回転体31は、回転方向Rへの回転により、各触媒体収容部30の位置を、回転方向Rで隣接する各触媒体収容部30の位置まで順次移動させることが可能とされている。なお、回転体31は、駆動源(不図示)により回転軸310を回転させることで回転させることができる。
【0021】
燃料改質装置1において、燃料供給路4は、触媒体収容部30に収容された触媒体2に燃料を供給可能に構成されている。図1では、燃料供給路4は、具体的には、燃料源(不図示)に接続されるとともに複数の触媒体収容部30のうちの一つの触媒体収容部30に接続可能とされている。より具体的には、回転体31の回転により、複数の触媒体収容部30のうちの一つの触媒体収容部30が燃料供給路4の設置部位に移動してきたときに、燃料供給路4が、移動してきた触媒体収容部30に接続され、第1端面311側の触媒体収容部30の開口から触媒体2に燃料を供給可能とされている。本実施形態では、図1および図2に例示されるように、触媒体収容部30が位置Aにあるときに、当該触媒体収容部30に燃料供給路4が接続され、触媒体2に燃料が供給される。なお、本実施形態では、触媒体収容部30が位置Aにあるときに、当該触媒体収容部30に燃料排出路41が接続され、触媒体収容部30から燃料が排出される。
【0022】
燃料改質装置1において、第1触媒反応領域5は、燃料供給路4から供給された燃料を触媒体2により分解してHガスを生成させるとともに燃料の分解時に生じた酸素を触媒体2に捕捉させる領域である。本実施形態では、燃料の供給を受けた触媒体2を有する触媒体収容部30が移動する移動先の位置に、第1触媒反応領域5が形成される。図1および図2では、具体的には、位置Aに対して回転方向Rに隣接する位置Bが、燃料の供給を受けた触媒体2を有する触媒体収容部30が移動する移動先の位置であり、この位置Bにある触媒体収容部30の領域が、第1触媒反応領域5とされる。
【0023】
燃料改質装置1において、第2触媒反応領域6は、燃料の分解時に触媒体2に捕捉した酸素を用いてOガスを放出させる領域である。本実施形態では、第1触媒反応領域5を経た触媒体収容部30が移動する移動先の位置に、第2触媒反応領域6が形成される。つまり、第2触媒反応領域6は、第1触媒反応領域5の後段に形成される。図1および図2では、具体的には、位置B対して回転方向Rに隣接する位置Cが、第1触媒反応領域5を経た触媒体収容部30が移動する移動先の位置であり、この位置Cにある触媒体収容部30の領域が、第2触媒反応領域6とされる。なお、図1および図2では、第2触媒反応領域6が、1つの触媒体収容部30の領域から構成される場合を示しているが、図3に例示するように、第2触媒反応領域6は、2つ以上の触媒体収容部30を合わせた領域から構成することもできる。
【0024】
燃料改質装置1において、第1触媒反応領域5の下流には、第1触媒反応領域5にて生成したHガスを取り出すためのHガス流路81を設けることができる。また、第2触媒反応領域6の下流には、第2触媒反応領域6にて生成したOガスを取り出すためのOガス流路82を設けることができる。
【0025】
燃料改質装置1において、第2電場印加部62は、第2触媒反応領域6において触媒体2に電場を印加可能に構成されている。本実施形態では、第2電場印加部62は、電源621と、一対の電極622とを備えている。一対の電極622は、配線623を介して電源621に電気的に接続されるとともに、触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能に構成されている。本実施形態では、一対の電極622は、例えば、金属材料等より形成することができ、複数の触媒体収容部30のうちの1つの触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能に構成されている。図1では、具体的には、回転体31の回転により、複数の触媒体収容部30のうちの一つの触媒体収容部30が第2電場印加部62の設置部位に移動してきたときに、一対の電極622が、移動してきた触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能とされている。なお、図3に例示するように、複数の触媒体収容部30を合わせた領域から第2触媒反応領域6を構成する場合には、一対の電極622は、複数の触媒体収容部30に収容された各触媒体2の両端部と接触可能に構成すればよい。なお、第2電場印加部62の電極622は、ガス透過可能に構成することができる。
【0026】
燃料改質装置1において、第2電場制御部620は、第2電場印加部62が触媒体2に印加する電場を制御する。本実施形態では、第2電場制御部620は、触媒体2に流す電流を可変制御可能に構成されており、これによって第2電場印加部62が触媒体2に印加する電場を制御するよう構成すされている。
【0027】
本実施形態において、燃料改質装置1は、図1および図2に例示されるように、第1電場印加部51と、第1電場制御部520とをさらに有することができる。
【0028】
燃料改質装置1において、第1電場印加部51は、第1触媒反応領域5において触媒体2に電場を印加可能に構成されている。本実施形態では、第1電場印加部51は、電源511と、一対の電極512とを備えている。一対の電極512は、配線513を介して電源511に電気的に接続されるとともに、触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能に構成されている。本実施形態では、一対の電極512は、金属材料等より形成することができ、複数の触媒体収容部30のうちの1つの触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能に構成されている。図1では、具体的には、回転体31の回転により、複数の触媒体収容部30のうちの一つの触媒体収容部30が第1電場印加部51の設置部位に移動してきたときに、一対の電極512が、移動してきた触媒体収容部30に収容された触媒体2の両端部と接触可能とされている。なお、第1電場印加部51の電極512は、ガス透過可能に構成することができる。
【0029】
燃料改質装置1において、第1電場制御部520は、第1電場印加部51が触媒体2に印加する電場を制御する。本実施形態では、第1電場制御部520は、触媒体2に流す電流を可変制御可能に構成されており、これによって第1電場印加部51が触媒体2に印加する電場を制御するよう構成されている。
【0030】
なお、本実施形態では、第1電場制御部520と第2電場制御部620とは、それぞれ独立して電場を制御可能に構成されている。
【0031】
燃料改質装置1において、移動機構制御部7は、移動機構3を制御する。具体的には、移動機構制御部7は、各触媒体収容部30が、第1触媒反応領域5を経由して第2触媒反応領域6へ移動した後、再び第1触媒反応領域5に戻るように移動機構3を制御するよう構成されている。
【0032】
本実施形態では、より具体的には、移動機構制御部7は、移動機構3が備える回転体31の回転を制御し、各触媒体収容部30の位置を、回転方向Rに隣接する各触媒体収容部30の位置まで順次移動させる。ここでは、移動機構制御部7は、複数の触媒体収容部30のうち位置Aにある触媒体収容部30に着目したとき、回転体31の回転を制御し、位置Aにある触媒体収容部30を、位置B→位置C→位置D→位置E→位置F→位置G→位置H→位置A→・・・と順次移動させる。
【0033】
本実施形態の燃料改質装置1は、例えば、次のよう動作させることができる。
【0034】
第1触媒反応領域5に移動させる前の位置Aにある触媒体収容部30に収容された触媒体2に、燃料供給路4を通じて燃料を供給する。供給された燃料は、触媒体2に吸着される。次いで、移動機構3が備える回転体31の回転を移動機構制御部7にて制御し、触媒体2に燃料が供給されてなる位置Aの触媒体収容部30を位置Bまで回転移動させる。これにより、触媒体2に燃料が供給されてなる触媒体収容部30が第1触媒反応領域5まで移動する。この際、第1電場印加部51が備える一対の電極512と触媒体2の両端部とが接触し、電気的に接続される。そして、第1触媒反応領域5において触媒体2に電場が印加される。本実施形態では、この電場が存在する条件下において、第1触媒反応領域5にある触媒体収容部30の触媒体2により燃料が分解されてHガスが生成するとともに燃料の分解時に生じた酸素が触媒体2に捕捉される。生成したHガスは、触媒体収容部30からHガス流路81を通じて外部に取り出される。なお、Hガスの生成時に、触媒体収容部30内の触媒体2によって分解されなかった燃料は、Hガスとともに排出される。
【0035】
ガスの生成終了後、移動機構3が備える回転体31の回転を移動機構制御部7にて制御し、位置Bの触媒体収容部30を位置Cまで回転移動させる。これにより、Hガスを生成後の触媒体2を有する触媒体収容部30が第1触媒反応領域5から第2触媒反応領域6まで移動する。この際、第2電場印加部62が備える一対の電極622と触媒体2の両端部とが接触し、電気的に接続される。そして、第2触媒反応領域6において触媒体2に電場が印加される。本実施形態では、この電場が存在する条件下において、燃料の分解時に触媒体2に捕捉された酸素を用いてOガスが放出される。放出されたOガスは、触媒体収容部30からOガス流路82を通じて外部に取り出される。なお、Oガスの放出時に、触媒体収容部30内に未分解の燃料が残存していた場合には、Oガスとともに排出される。
【0036】
次いで、移動機構3が備える回転体31の回転を移動機構制御部7にて制御し、位置Cの第2触媒反応領域6にある触媒体収容部30を位置D、位置E、位置F、位置G、位置H、位置Aと順に回転移動させる。そして、位置Aにて、触媒体収容部30に収容された触媒体2に、燃料供給路4を通じて再び燃料を供給する。次いで、移動機構3が備える回転体31の回転を移動機構制御部7にて制御し、触媒体2に燃料が再度供給されてなる位置Aの触媒体収容部30を位置Bまで回転移動させる。これにより、第2触媒反応領域6を経由した触媒体収容部30が再び第1触媒反応領域5に戻る。そして、上記の動作を各触媒体収容部30について順次繰り返し実施する。
【0037】
本実施形態の燃料改質装置1によれば、移動機構制御部7による移動機構3の制御によって第1触媒反応領域5と第2触媒反応領域6との間を、触媒体2を収容した各触媒体収容部30が移動することで、第1触媒反応領域5から連続的にHガスが生成するとともに、第2触媒反応領域6から連続的にOガスが放出される。また、Hガスが生成する第1触媒反応領域5と、Oガスが放出される第2触媒反応領域6とが互いに独立して存在するため、HガスとOガスの分離が不要となる。
【0038】
よって、 本実施形態の燃料改質装置1によれば、連続的にHガスの生成、Oガスの放出を行うことができ、HガスとOガスの分離を不要にすることができる。
【0039】
また、本実施形態の燃料改質装置1では、移動機構3は、各触媒体収容部30が回転方向Rに並んで形成された回転体31を備え、回転体31の回転により各触媒体収容部30の位置を移動させることが可能に構成されている。この構成によれば、回転体31が回転することにより、各触媒体収容部30の位置を回転方向Rに隣接する触媒体収容部30の位置まで順次移動させることができる。そのため、この構成によれば、比較的小スペースで、各触媒体収容部30が、第1触媒反応領域5を経由して第2触媒反応領域6へ移動した後、再び第1触媒反応領域5に戻るように構成しやすくなる。
【0040】
また、本実施形態の燃料改質装置1は、第2触媒反応領域6から第1触媒反応領域5に触媒体収容部30が戻るまでの間に、触媒体収容部30に収容された触媒体2に燃料供給路4を通じて燃料を供給するように構成されている。この構成によれば、次のHガスの生成、Oガスの放出のサイクルに入る前に、確実に燃料を触媒体2に供給することができ、連続的なHガスの生成、Oガスの放出を確実なものとすることができる。
【0041】
また、本実施形態の燃料改質装置1は、第1電場印加部51と、第1電場制御部520とをさらに有している。この構成によれば、第1触媒反応領域5に移動してきた触媒体収容部30の触媒体2に電場を印加することが可能となる。そのため、この構成によれば、触媒体2に印加された電場によって、触媒体2による燃料の分解をより促進させることが可能となり、Hガスの生成量を増大させやすくなる。
【0042】
また、本実施形態の燃料改質装置1では、第1電場制御部520と第2電場制御部620とが、それぞれ独立して電場を制御可能に構成されている。この構成によれば、Hガスの生成量、Oガスの放出量が最適となるように独立して各電場を制御することが可能になる。
【0043】
また、本実施形態の燃料改質装置1では、1つの触媒体収容部30からなる領域から第2触媒反応領域6を構成した場合について説明した。本実施形態の燃料改質装置1において、図3に例示するように、2つ以上の触媒体収容部30を合わせた領域から第2触媒反応領域6を構成するようにした場合には、次の利点がある。この場合、Oガスを放出した触媒体2を収容する触媒体収容部30が次の移動先の位置に移動したときに、その移動先の位置においても、触媒体2がOガスを放出することができる。つまり、前の位置で触媒体2がOガスを放出しきれなかったときに、次の移動先の位置で、触媒体2から残分のOガスを放出させることが可能になる。そのため、この構成によれば、Oガスの放出量の総量を増大させやすくなる。図3では、2つの触媒体収容部30からなる領域から第2触媒反応領域6を構成する例を例示したが、これに限定されない。なお、図示はしないが、本実施形態の燃料改質装置1において、第1触媒反応領域5は、複数の触媒体収容部30からなる領域から構成することも可能である。
【0044】
また、本実施形態の燃料改質装置1では、図2に例示するように、円筒状に形成された筒体313の内部が、回転軸310方向から見て、内部隔壁314によって複数に区画され、各区画された領域が各触媒体収容部30とされている回転体31を示した。回転体31の構造は、例えば、図4に例示される構造等に変形することもできる。
【0045】
図4(a)では、回転体31は、円筒状に形成された内側筒体313aと、内側筒体313aの外周に円筒状に形成された外側筒体313bとを備える二重筒状に構成されており、内側筒体313aと外側筒体313bとの間の二重筒状の部分が内部隔壁314によって複数に区画(ここでは、八等分に区画)されている。そして、各区画された領域が各触媒体収容部30とされている。また、内側筒体313aの内側には、内側筒体313aを支持する支持部315が形成されている。
【0046】
図4(b)~(d)に例示される回転体31の構造は、内側筒体313a、外側筒体313bがいずれも多角形筒状に形成されている点以外は、図4(a)の回転体31の構造と同様である。具体的には、図4(b)では、内側筒体313a、外側筒体313bがいずれも五角形筒状に形成されており、図4(c)では、内側筒体313a、外側筒体313bがいずれも六角形筒状に形成されており、図4(d)では、内側筒体313a、外側筒体313bがいずれも三角形筒状に形成されている。
【0047】
図4(e)では、回転体31は、円筒状に形成された筒体313の筒厚み部分に、回転軸方向に沿って延びる複数の貫通孔316が回転軸310周りに離間した状態で並べられている。そして、各貫通孔316の内部が各触媒体収容部30とされている。また、筒体313の内側には、筒体313を支持する支持部315が形成されている。
【0048】
図4(f)では、回転体31は、回転軸310周りに複数の小筒体313cが離間した状態で並べられ、各小筒体313c間は、連結部材317によって繋がっている。そして、各小筒体313cの内部が各触媒体収容部30とされている。また、各小筒体313cの内側には、各小筒体313cを支持する支持部315が形成されている。
【0049】
このように回転体31の構造は、各触媒体収容部30が回転軸310周りに並んで形成されておれば、図2図3に示される構造に限定されない。
【0050】
(実施形態2)
実施形態2の燃料改質装置について、図5を用いて説明する。なお、実施形態2以降において用いられる符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0051】
図5に例示されるように、本実施形態の燃料改質装置1は、第1電場印加部51を有していない。したがって、燃料改質装置1では、位置Bにおける第1触媒反応領域5においては、触媒体2に電場が印加されない。つまり、本実施形態では、触媒体2に電場を印加することなく、触媒体2からHガスを生成させる。その他の構成は、実施形態1と同様である。
【0052】
本実施形態の燃料改質装置1によれば、第1電場印加部51を有していないので、実施形態1に比べ、装置構成を簡略化することができる。その他の作用効果は、実施形態1と同様である。
【0053】
(実施形態3)
実施形態3の燃料改質装置について、図6を用いて説明する。
【0054】
図6に例示されるように、本実施形態の燃料改質装置1は、第1触媒反応領域5の下流側に、生成したHガスを回収するHガス回収部810を有している。また、本実施形態の燃料改質装置1は、第2触媒反応領域6の下流側に、放出されたOガスを回収するOガス回収部820を有している。
【0055】
この構成によれば、第1触媒反応領域5から流出したHガスをHガス回収部810に一旦貯留し、このHガス回収部810からHガス流路81にHガスを流すように構成することが可能になる。つまり、Hガス回収部810を、Hガスのバッファタンクとして機能させることができる。そのため、この構成によれば、Hガス回収部810の下流におけるHガスの流量を安定させやすくなる。また、この構成によれば、第2触媒反応領域6から流出したOガスをOガス回収部820に一端貯留し、このOガス回収部820からOガス流路82にOガスを流すように構成することが可能になる。つまり、Oガス回収部820を、Oガスのバッファタンクとして機能させることができる。そのため、この構成によれば、Oガス回収部820の下流におけるOガスの流量を安定させやすくなる。
【0056】
なお、Hガス回収部810は、例えば、第1触媒反応領域5の下流に配設されるHガス流路81の途中に配置することができる。また、Oガス回収部820は、例えば、第2触媒反応領域6の下流に配設されるOガス流路82の途中に配置することができる。
【0057】
その他の構成および作用効果は、実施形態1と同様である。
【0058】
(実施形態4)
実施形態4の燃料改質装置について、図7図9を用いて説明する。
【0059】
図7および図8に例示されるように、本実施形態の燃料改質装置1は、各触媒体収容部30に収容された触媒体2の温度を調整可能な温度制御部9を有している。
【0060】
この構成によれば、第1触媒反応領域5および第2触媒反応領域6における触媒反応に有利な温度となるように温度制御部9によって各触媒体収容部30に収容された触媒体2の温度を調整することが可能になる。そのため、この構成によれば、Hガス生成量、Oガス放出量を増大させやすくなる。
【0061】
本実施形態では、温度制御部9は、具体的には、回転体31の外周面を覆うヒーター部90を有している。ヒーター部90は、図7および図8に例示するように、回転体31の一部を覆っていてもよいし、図9の変形例に示すように、回転体31の外周全体を覆っていてもよい。温度制御部9は、ヒーター部90以外にも、例えば、測温用熱電対、温度調節器、電磁開閉器などにより、各触媒体収容部30に収容された触媒体2の温度を調整することができる。なお、図7および図8では、ヒーター部90が、位置A、位置B、位置C、位置D、位置G、および、位置Hにおける各触媒体収容部30の外周を覆っている例が示されている。
【0062】
本実施形態では、温度制御部9は、第1触媒反応領域5における触媒体2の温度よりも、第2触媒反応領域6における触媒体2の温度の方が高くなるよう制御する構成とすることができる。この構成によれば、Hガス生成量、Oガス放出量をより増大させやすくなる。具体的には、温度制御部9は、第1触媒反応領域5における触媒体2の温度を例えば300℃、第2触媒反応領域6における触媒体2の温度を例えば350℃となるように制御可能に構成できる。
【0063】
本実施形態では、温度制御部9は、各触媒体収容部30が、第2触媒反応領域6から再び第1触媒反応領域5に戻るまでの間において、触媒体2の温度を、第1触媒反応領域5における触媒体2の温度以下に制御するように構成されている。具体的には、温度制御部9は、各触媒体収容部30が、第2触媒反応領域6から再び第1触媒反応領域5に戻るまでの間において、触媒体2の温度を、第1触媒反応領域5に近づくにつれて触媒体2の温度が第1触媒反応領域5における触媒体2の温度以下の範囲で徐々に大きくなるよう制御する構成とすることができる。ここでは、より具体的には、温度制御部9は、位置Gにおける触媒体2の温度を例えば100℃、位置Hにおける触媒体2の温度を例えば200℃、位置Aにおける触媒体2の温度を例えば250℃となるように制御可能に構成できる。
【0064】
その他の構成および作用効果は、実施形態2と同様である。
【0065】
(実施形態5)
実施形態5の燃料改質装置について、図10を用いて説明する。
【0066】
図10に例示されるように、本実施形態の燃料改質装置1は、第1触媒反応領域5および第2触媒反応領域6のうち少なくとも一方の下流側に、ガス状の燃料を凝縮させる凝縮器811、821を有している。
【0067】
第1触媒反応領域5の下流側に凝縮器811を有する構成によれば、第1触媒反応領域5から流出したHガスに未分解のガス状の燃料が含まれる場合に、凝縮器811により未分解のガス状の燃料を凝縮させることができるので、上記構成によれば、純度の高いHガスを取り出しやすくなる。また、第2触媒反応領域6から流出したOガスに未分解のガス状の燃料が含まれる場合に、凝縮器821により未分解のガス状の燃料を凝縮させることができるので、上記構成によれば、純度の高いOガスを取り出しやすくなる。
【0068】
なお、第1触媒反応領域5の下流側の凝縮器811は、例えば、第1触媒反応領域5の下流に配設されるHガス流路81の途中に配置することができる。また、第2触媒反応領域6の下流側の凝縮器821は、例えば、第2触媒反応領域6の下流に配設されるOガス流路82の途中に配置することができる。また、図10に例示されるように、燃料改質装置1が上述したHガス回収部810を有している場合には、第1触媒反応領域5の下流側の凝縮器811は、第1触媒反応領域5とHガス回収部810との間に配置することができる。同様に、燃料改質装置1が上述したOガス回収部820を有している場合には、第2触媒反応領域6の下流側の凝縮器821は、第2触媒反応領域6とOガス回収部820との間に配置することができる。
【0069】
本実施形態の燃料改質装置1は、触媒体収容部30が第1触媒反応領域5にあるときに、触媒体収容部30に収容された触媒体2に燃料供給路4を通じて燃料を供給するように構成されている。つまり、本実施形態では、図10に例示されるように、触媒体収容部30が上述した位置Bにあるときに、当該触媒体収容部30に燃料供給路4が接続され、触媒体2に燃料が供給される。
【0070】
その他の構成および作用効果は、実施形態2と同様である。
【0071】
本発明は、上記各実施形態、各実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、各実施形態に示される各構成は、それぞれ任意に組み合わせることができる。例えば、上述した実施形態では、移動機構制御部7と第2電場制御部620、または、移動機構制御部7と第2電場制御部620と第1電場制御部520とが別個に構成されている場合を例示したが、移動機構制御部7と第2電場制御部620、または、移動機構制御部7と第2電場制御部620と第1電場制御部520とは、1つの中央制御部(不図示)が有する各制御部として構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 燃料改質装置
2 触媒体
3 移動機構
30触媒収容部
4 燃料供給路
5 第1触媒反応領域
6 第2触媒反応領域
62 第2電場印加部
620 第2電場制御部
7 移動機構制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10